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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】固形燃料搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 33/14 20060101AFI20240315BHJP
   C10J 3/30 20060101ALI20240315BHJP
   F23B 40/04 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
B65G33/14
C10J3/30
F23B40/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020002086
(22)【出願日】2020-01-09
(65)【公開番号】P2021109734
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000216025
【氏名又は名称】鉄建建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506056882
【氏名又は名称】エスケイ工業有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】猪塚 武志
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】古川 承元
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-127843(JP,A)
【文献】特開2009-162414(JP,A)
【文献】特許第3616762(JP,B2)
【文献】特開昭55-119613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 33/14
C10J 3/30
F23B 40/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形燃料を反応塔に搬送する固形燃料搬送装置であって、
前記反応塔に対して前記固形燃料を搬送する管状の第一搬送路と、
一端側に前記固形燃料を投入する投入口が設けられ、他端側が前記第一搬送路と交差するように前記第一搬送路と連結する管状の第二搬送路とで構成され、
前記第一搬送路には、
管内に、垂直方向に沿って螺旋状に形成されるとともに、垂直方向に沿った軸を回転軸として回転する第一スクリュー羽根が備えられ、
前記第二搬送路には、
管内に、螺旋状に形成されるとともに、回転により前記第一搬送路に向けて前記固形燃料を搬送する第二スクリュー羽根が備えられ、
前記第一スクリュー羽根の回転速度を変更する第一速度可変部と、
前記第二スクリュー羽根の回転速度を変更する第二速度可変部とが備えられ、
前記第二スクリュー羽根を回転させて、前記固形燃料を、前記第二搬送路の一端側から他端側に向けて搬送するとともに、前記第二搬送路によって搬送された前記固形燃料を、前記第一スクリュー羽根を回転させて、前記反応塔の下方から上方へと搬送し、
前記第一速度可変部及び前記第二速度可変部の少なくとも一方により、前記第二スクリュー羽根の回転速度を前記第一スクリュー羽根の回転速度よりも早くし、前記第二搬送路で前記固形燃料をより圧密して、前記固形燃料を細分化する
固形燃料搬送装置。
【請求項2】
前記第一速度可変部は、
前記反応塔に投入された前記固形燃料の密度に応じて、前記第一スクリュー羽根の回転速度が調整される
請求項に記載の固形燃料搬送装置。
【請求項3】
前記第二速度可変部は、
前記反応塔に投入された前記固形燃料の密度に応じて、前記第二スクリュー羽根の回転速度が調整される
請求項または請求項に記載の固形燃料搬送装置。
【請求項4】
前記固形燃料を貯蓄するとともに、前記投入口と連結する燃料搬送口が設けられた貯蓄部が備えられ、
前記燃料搬送口には、回転により前記固形燃料を細分化し、前記投入口に前記固形燃料を搬送するロータリ弁が備えられた
請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載の固形燃料搬送装置。
【請求項5】
前記ロータリ弁の回転速度を調整する細分化速度可変部が備えられ、
前記細分化速度可変部は、
前記反応塔に投入された前記固形燃料の密度に応じて、前記ロータリ弁の回転速度が調整される
請求項に記載の固形燃料搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば固形燃料をガス化させるガス化炉などのような反応塔に固形燃料を搬送する固形燃料搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固形燃料として石炭や炭などが用いられているが、近年はこれらの固形燃料の代替品として、燃焼させることで比較的高カロリーの燃焼ガスを発生させることができる自然由来のバイオマス燃料が注目されている。
【0003】
このような固形燃料をガス化させる反応塔に搬送する搬送装置として、例えば、固形燃料を水平方向に沿って搬送して、燃焼ガスを発生させる反応塔の上方から投入する搬送装置が特許文献1に開示されている。
【0004】
詳述すると、特許文献1に記載の搬送装置は、一端側が固形燃料を貯留するサージ槽の底部と連結するとともに、他端側が反応塔における投入口と連結する筒状の搬送路を備え、搬送路の内部に回転自在に備えられた水平スクリュー羽根を備えている。この水平スクリュー羽根を回転させることで、搬送路に沿って固形燃料を水平方向に押し進めて、投入口から固形燃料を投入できる。
【0005】
しかしながら、この特許文献1に開示された搬送装置では、反応塔に搬送した場合に、反応塔の内部で投入された固形燃料が積み重なることとなり、固形燃料同士でブッリジを形成することがある。このようなブリッジが形成された場合、反応塔の内部において固形燃料の密度が不均一となる。
【0006】
例えば、反応塔がガス化炉である場合において固形燃料の密度が不均一であると、固形燃料の周辺の温度が均一とならず、効率よくガス化されないといった問題がある。また、反応塔が蓄積格納庫である場合には、不要に嵩が増えることとなる。このような理由から、反応塔の内部において、固形燃の密度は均一であることが好ましかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2009-197073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、上述の問題を鑑み、搬入先の反応塔においてブリッジが形成されることなく固形燃料を搬送できる固形燃料搬入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、固形燃料を反応塔に搬送する固形燃料搬送装置であって、前記反応塔に対して前記固形燃料を搬送する管状の第一搬送路と、一端側に前記固形燃料を投入する投入口が設けられ、他端側が前記第一搬送路と交差するように前記第一搬送路と連結する管状の第二搬送路とで構成され、前記第一搬送路には、管内に、垂直方向に沿って螺旋状に形成されるとともに、垂直方向に沿った軸を回転軸として回転する第一スクリュー羽根が備えられ、前記第二搬送路には、管内に、螺旋状に形成されるとともに、回転により前記第一搬送路に向けて前記固形燃料を搬送する第二スクリュー羽根が備えられ、前記第一スクリュー羽根の回転速度を変更する第一速度可変部と、前記第二スクリュー羽根の回転速度を変更する第二速度可変部とが備えられ、前記第二スクリュー羽根を回転させて、前記固形燃料を、前記第二搬送路の一端側から他端側に向けて搬送するとともに、前記第二搬送路によって搬送された前記固形燃料を、前記第一スクリュー羽根を回転させて、前記反応塔の下方から上方へと搬送し、前記第一速度可変部及び前記第二速度可変部の少なくとも一方により、前記第二スクリュー羽根の回転速度を前記第一スクリュー羽根の回転速度よりも早くし、前記第二搬送路で前記固形燃料をより圧密して、前記固形燃料を細分化することを特徴とする。
前記固形燃料は、例えばバイオマスなどの生物由来の固形燃料や、加熱処理されたバイオマス、石炭や木炭などの固形燃料を含む。
【0010】
前記反応塔は、例えば固形燃料を加熱処理してガス化させるガス化炉のほか、木質チップを蓄積させるための蓄積格納庫などであってもよい。
前記第一搬送路は、必ずしも垂直方向に完全一致する必要はなく、例えば垂直方向に対して±30度程度傾いていてもよい。
【0011】
この発明によると、第二搬送路から第一搬送路に固形燃料を搬送する際に、固形燃料を細分化して搬送することができる。これにより、反応塔の内部において固形燃料が搬入先の反応塔においてブリッジが形成されることなく固形燃料を搬送できる。
【0012】
詳述すると、第二搬送路から第二スクリュー羽根で搬出された固形燃料は、第一スクリュー羽根で第一搬送路に取り込まれて搬送されるが、第二スクリュー羽根の搬送量と第一スクリュー羽根の搬送量とを調整することで第一搬送路と第二搬送路との間で固形燃料を圧密して細分化することができる。このように、固形燃料が細分化されることで、反応塔に搬送された固形燃料がブリッジを形成することを防止できる。
【0013】
また、第一搬送路により、固形燃料は下方から上方に向けて搬送される。すなわち、反応塔の内部で貯まった固形燃料の下方から新たな固形燃料が搬送されるため、貯まった固形燃料の層を内側から崩すことができ、反応塔の内部で仮にブリッジが形成されていたとしても、これを崩すことができる。
【0014】
このように、固形燃料によるブリッジの形成を防止できるため、例えば反応塔が固形燃料を格納する貯蓄格納庫であれば、固形燃料の間に空間が形成されて無駄に嵩が増えることを防止できる。また、反応塔がガス化炉であった場合には、効率よくガス化させることができる。
【0015】
また、前記第一スクリュー羽根の回転速度を変更する第一速度可変部と、前記第二スクリュー羽根の回転速度を変更する第二速度可変部とが備えられ、前記第一速度可変部及び前記第二速度可変部の少なくとも一方により、前記第二スクリュー羽根の回転速度を前記第一スクリュー羽根の回転速度よりも早くし、前記第二搬送路で前記固形燃料をより圧密して、前記固形燃料を細分化するため、第一スクリュー羽根と第二スクリュー羽根の回転速度を個別に調整できるため、第一搬送路から反応塔に搬送される固形燃料の細分化サイズを調整でき、反応塔の内部での固形材料の密度を変更させたりすることができる。
【0016】
詳述すると、第スクリュー羽根が固形燃料を搬送できる量に対して第スクリュー羽根が固形燃料を搬送できる量より少なくなるように第一スクリュー羽根と第二スクリュー羽根の回転速度を調整することができる。この場合、第一搬送路と第二搬送路との間に固形燃料が渋滞し、固形燃料がより圧密されるため、固形燃料を細かく細分化できる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記第一速度可変部は、前記反応塔に投入された前記固形燃料の密度に応じて、前記第一スクリュー羽根の回転速度が調整されてもよい。
この発明により、第二搬送路から搬送された固形燃料を所望の密度で反応塔に搬送させることができる。したがって、反応塔の内部の状態や、反応塔の種類に合わせて固形燃料を搬送できる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記第二速度可変部は、前記反応塔に投入された前記固形燃料の密度に応じて、前記第二スクリュー羽根の回転速度が調整されてもよい。
この発明により、所望の密度の固形燃料を第一搬送路に搬送させることができる。これにより、反応塔に搬送される固形燃料の密度に応じて、第一搬送路と第二搬送路との間で、確実に固形燃料を細分化することができる。したがって、第一搬送路を介して反応塔に搬送される固形燃料がブリッジを形成することをより確実に防止しつつ、反応塔の内部の状態に合わせて固形燃料を搬送できる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記固形燃料を貯蓄するとともに、前記投入口と連結する燃料搬送口が設けられた貯蓄部が備えられ、前記燃料搬送口には、回転により前記固形燃料を細分化し、前記投入口に前記固形燃料を搬送するロータリ弁が備えられてもよい。
【0020】
この発明により、投入口から第二搬送路に投入される固形燃料をロータリ弁で細分化できるため、第一搬送路と第二搬送路との間での固形燃料を細分化するための負荷を軽減することができる。
【0021】
また、一定の大きさ以下の固形燃料が第二搬送路に投入されるため、第二搬送路及び第一搬送路を介して反応塔に搬送される固形燃料の密度の幅を小さくすることができる。したがって、第一搬送路及び第二搬送路にかかる負荷を軽減することができるとともに、より確実に反応塔の内部のブリッジ現象を防止できる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記ロータリ弁の回転速度を変更する細分化速度可変部が備えられ、前記細分化速度可変部は、前記反応塔に投入された前記固形燃料の密度に応じて、前記ロータリ弁の回転速度が調整されてもよい。
【0023】
この発明により、反応塔の状態に応じて投入口に所望の大きさ以下の固形燃料を投入することができるため、より第一搬送路及び第二搬送路にかかる負担をより軽減できるとともに、より確実に反応塔でのブリッジ現象を防止できる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、搬入先の反応塔においてブリッジが形成されることなく固形燃料を搬送できる固形燃料搬入装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】ガス化システムの概略図。
図2】搬送装置及びガス化装置の概略図。
図3】ガス化のフローチャート。
図4】木質チップの細分化の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
この発明の一実施態を以下図面とともに説明する。
図1はガス化システム1の概略図を示し、図2はガス化反応装置10及び搬送装置20の概略図を示し、図3はガス化システム1によるガス化のフローチャートを示し、図4はサージ槽30に貯蓄した半炭化木質チップSの搬送を表す概略図を示す。
【0027】
ガス化システム1は、半炭化処理された木質チップ(以下、『半炭化木質チップS』とする。)を熱分解・燃焼・還元させてガス化し、発生した生成ガスGを上方から回収するアップドラフト方式のガス化システムである。
【0028】
詳しくは、ガス化システム1は、半炭化木質チップSを搬送装置20で略円筒の縦型容器である反応塔11の底部から上方に向けて搬送した後に、内部温度を上げた反応塔11で半炭化木質チップSをガス化する。このようにガス化されて発生した生成ガスG(一酸化炭素及び水素)は、反応塔11の上方に設けられた放出管12から放出されてガス貯蓄部60に貯蓄されている。
【0029】
以下、ガス化システム1の構造及び搬送装置20を用いた半炭化木質チップSの搬送及び反応塔11におけるガス化について説明する。
ガス化システム1は、図1に示すように、半炭化木質チップSをガス化させるガス化反応装置10と、ガス化の原料である半炭化木質チップSをガス化反応装置10に搬送する搬送装置20と、ガス化反応装置10で発生した生成ガスGを貯蓄するガス貯蓄部60とで構成されている。
【0030】
ガス化反応装置10は、半炭化木質チップSをガス化させる反応塔11と、反応塔11で発生した生成ガスGを放出する放出管12と、反応塔11に底部からガス化剤Hを供給するガス化剤供給管13とで構成されている。また、反応塔11の内部には、反応塔11の内部温度を上昇させるヒータ14と、反応塔11の内部温度を検知する温度センサー15と、反応塔11の内部に貯蓄された半炭化木質チップSの貯蓄量を検知する貯蓄量検知センサー16とが備えられている。
【0031】
反応塔11は、略円筒状の縦型容器であり、底面部分は下方に向かって先細りする円錐形状で構成されている。この円錐の頂点部分には、後述する上流側搬送管41と連結するための挿通孔11aが設けられている。また、反応塔11の底部には、半炭化木質チップSが完全にガス化されずに残った残渣を外部に掻き出すためのアッシュ排出部17が設けられている。
【0032】
なお、半炭化木質チップSをガス化させる際に、この反応塔11の内部には、図1に示すように、半炭化木質チップSを熱分解させる熱分解帯T1と、熱分解された半炭化木質チップSを燃焼させる燃焼帯T2と、生成ガスG(一酸化炭素や水素)が発生する還元帯T3の3つの層が下方から上方に向かってこの順に形成される。
【0033】
放出管12は、反応塔11の内部で発生した生成ガスGを外部に放出するための管であり、反応塔11の上部に設けられている。この放出管12は、図2に示すように、反応塔11の側壁と連結している基端側放出管12aと、先端側に向かうにつれて内径が小さくなる縮径部12bと、縮径部12bと連結する先端側放出管12cとで一体構成されている。なお、先端側放出管12cは基端側放出管12aと比べて縮径している。
【0034】
先端側放出管12cの先端には、生成ガスGを貯蓄するガス貯蓄部60と生成ガスGを吸引するための吸引器71が備えられている。また先端側放出管12cの一部は分岐され、生成ガスGの成分を分析するためのガス分析器72が取り付けられている。
【0035】
この吸引器71により、放出管12は負圧となり、生成ガスGをガス貯蓄部60に導くことができる。
【0036】
ガス貯蓄部60の手前に設けられたガス分析器72は、反応塔11で生成された生成ガスGの成分分析結果を収集し、その分析結果を回転制御部73に送信している。
回転制御部73は、後述するロータリ弁33、上流側スクリュー羽根43、縦方向スクリュー羽根52の回転速度をそれぞれ制御し、反応塔11に搬送される半炭化木質チップSの搬送量を制御している。
【0037】
ガス化剤供給管13は、基端側に接続されたガス化剤供給装置18から供給されるガス化剤H(空気及び水蒸気)を反応塔11の内部に供給する。このガス化剤供給管13は、反応塔11の底部に連結する第一供給管13aと、反応塔11の中央部分の側方と連結する第二供給管13bとで構成されている。
【0038】
第一供給管13aは、後述する縦方向搬送管51に内装された縦方向スクリュー羽根52の回転軸の中央部分に設けられており、縦方向搬送管51の長手方向に沿って上方にガス化剤Hを供給することができる。
【0039】
なお、第一供給管13aは反応塔11の底部から上方に向けてガス化剤Hを供給できればよく、その位置や個数は限定されない。例えば、縦方向搬送管51の外周面に沿って配置されていてもよいし、反応塔11の底部の他の箇所に配置されていてもよい。
【0040】
第二供給管13bは、反応塔11の中央部分の側面に連結され、反応塔11の側方から内部にガス化剤Hを供給することができる。より具体的には、反応塔11の還元帯T3に対応する位置に配置されている。
【0041】
ヒータ14は、半炭化木質チップSをガス化する初期状態において、反応塔11の内部を高温状態とするための加熱装置である。また、温度センサー15による温度検知結果に基づいて、生成ガスGを生成する際の反応塔11の内部温度を上げるために使用されることもある。
【0042】
温度センサー15は、反応塔11の内部温度を検知する。なお、温度センサー15で検知した検知結果は、回転制御部73に送信される。
【0043】
貯蓄量検知センサー16は、反応塔11の内部に蓄積された半炭化木質チップSの量を検知する。具体的には、反応塔11の内部において、蓄積された半炭化木質チップSが所望の高さよりも低いまたは高いかを検出している。この貯蓄量検知センサー16で検知した温度検知結果は、回転制御部73に送信される。回転制御部73は、送信された結果情報に基づいて、ロータリ弁33、上流側スクリュー羽根43、縦方向スクリュー羽根52の回転速度をそれぞれ制御する。
【0044】
搬送装置20は、ガス化反応装置10に搬送する半炭化木質チップSを貯留するサージ槽30と、サージ槽30から半炭化木質チップSをガス化反応装置10に搬送する上流側搬送路40と、反応塔11に半炭化木質チップSを搬送する縦方向搬送路50とで構成されている。
【0045】
サージ槽30は、半炭化木質チップSを貯留するサージ槽本体31と、サージ槽本体31の下端に接続されている供給管32と、サージ槽本体31と供給管32との間に取り付けられているロータリ弁33とで構成され、上端に回転用モータが取り付けられた外付スクリューフィダーFが備えられている。
【0046】
供給管32は、管状の搬送路であり、一端側がロータリ弁33を介して先細りしたサージ槽本体31の下端に設けられた燃料投入口31aと連結し、他端が上流側搬送路40と連結している。
ロータリ弁33は、ロータリ弁用モータ34により回転自在に構成され、サージ槽本体31に貯留された半炭化木質チップSを供給管32に投入することができる。なお、ロータリ弁用モータ34は上述のように回転制御部73により制御されている。また、外付スクリューフィダーFを備えることにより、サージ槽本体31の内での半炭化木質チップSのブリッジ現象を防止でき、より確実に供給管32に半炭化木質チップSを供給することができる。
【0047】
なお、サージ槽本体31に貯留されている半炭化木質チップSは、木質チップなどの木質バイオマスを無酸素条件下で200度~350度の高温により熱分解して得られた、炭素成分の多い炭化物である。この半炭化木質チップSは、重量当たりのエネルギー密度が高く、粉砕性能が良好である。
【0048】
上流側搬送路40は、図1及び図2に示すように、管状に構成された上流側搬送管41と、上流側搬送管41の下端からガス化反応装置10側に湾曲した中間搬送管42と、上流側搬送管41の内装された上流側スクリュー羽根43と、上流側スクリュー羽根43を回転駆動させる回転モータ44とで構成されている。
【0049】
上流側搬送管41は、上下方向に沿って立設する管状体であり、側方には、供給管32の先端が連結する投入口41aが設けられている。また、上流側搬送管41の上端には上流側スクリュー羽根43を回転駆動させる回転モータ44が設けられている。
【0050】
中間搬送管42は、中心軸に対して直交する直交断面の形状が、上流側搬送管41における直交断面と同形状で構成された管状体であり、図2に示すように、円弧状に曲がっている。また、この中間搬送管42の基端が上流側搬送管41と、先端が縦方向搬送路50を構成する縦方向搬送管51と連結している。
【0051】
上流側スクリュー羽根43は、弾性を有する部材を螺旋状に形成することで、曲がりながら回転可能に構成された、いわゆるバネコンベアに用いる羽根であり、上流側搬送管41及び中間搬送管42に沿って、上流側搬送管41の上端から中間搬送管42の先端まで伸びている。
【0052】
この上流側スクリュー羽根43は、上端が回転モータ44と連結しており、上流側搬送管41及び中間搬送管42の内部で自在に回転することができる。これにより、投入口41aより投入された半炭化木質チップSを中間搬送管42の先端まで搬送することができる。
なお、回転モータ44は回転制御部73と連結され、回転制御部73によって上流側スクリュー羽根43の回転速度を制御している。
【0053】
縦方向搬送路50は、管状の縦方向搬送管51と、縦方向搬送管51の内装された縦方向スクリュー羽根52と、縦方向スクリュー羽根52を回転駆動させる回転モータ53とで構成されている。
縦方向搬送管51は、上下方向に沿って立設する管状体であり、反応塔11の下方に配置されている。この縦方向搬送管51は中央部分の側方には、上流側搬送管41の下端から連結している中間搬送管42と直交するように連結される連結部が設けられている。
【0054】
縦方向搬送管51に内装された縦方向スクリュー羽根52は、上下方向に沿って螺旋状に形成されるとともに、上下方向に沿った軸を回転軸として回転可能な、いわゆるスクリューフィダーである。この縦方向スクリュー羽根52の下端は、縦方向搬送管51の下端に設けられた回転モータ53と連結されており、縦方向搬送管51の内部で自在に回転することができる。
【0055】
また、縦方向スクリュー羽根52は縦方向搬送管51よりも長く構成されている。このため、縦方向スクリュー羽根52の上方部分には、縦方向搬送管51の上端よりも突出した露出部52aが形成されている。
なお、回転モータ53は回転制御部73に連結されており、回転制御部73により縦方向スクリュー羽根52の回転速度を制御している。
【0056】
このように構成された縦方向搬送路50は、反応塔11の下方に配置され、縦方向搬送管51の上端が挿通孔11aと連結している。このため、縦方向スクリュー羽根52の上端部分である露出部52aは、挿通孔11a、すなわち、反応塔11の底部よりも上方に突出している。
【0057】
次に、搬送装置20を用いて半炭化木質チップSを反応塔11に搬送する方法及び反応塔11でのガス化について、図3に基づいて簡単に説明する。
ガス化システム1を稼働させる前段階として、原料となる半炭化木質チップSをサージ槽本体31に貯留させておく(ステップs0)。このサージ槽本体31に貯留する段階での半炭化木質チップSは半炭化処理がされているため、その質量は半炭化処理する前の木質チップの質量と比べ、約45~68%まで減少している。
【0058】
まず、半炭化木質チップSを反応塔11に搬送するため、ロータリ弁33、中間搬送管42、縦方向スクリュー羽根52をそれぞれ回転させる(ステップs1)。これにより、サージ槽本体31に貯留されている半炭化木質チップSはロータリ弁33で粉砕されながら供給管32に搬送され、そのまま上流側搬送管41に投入される。また、上流側搬送管41に投入された半炭化木質チップSは、上流側スクリュー羽根43の回転により、上流側搬送管41及び中間搬送管42に沿って下方に搬送される。
【0059】
ここで、縦方向スクリュー羽根52の回転速度を上流側スクリュー羽根43の回転速度よりも遅く設定することで、半炭化木質チップSは中間搬送管42で圧密される。中間搬送管42において圧密された半炭化木質チップSは、縦方向搬送管51に投入される際に、縦方向搬送管51の内部で回転する縦方向スクリュー羽根52で細分化されながら縦方向搬送管51に投入されることとなる。
このように縦方向搬送管51に投入された半炭化木質チップSは、縦方向スクリュー羽根52の回転により縦方向搬送管51に沿って反応塔11の内部に搬送される。
【0060】
このようにして反応塔11の内部に投入された半炭化木質チップSは、サージ槽本体31に貯留された半炭化木質チップSの2分の1から3分の1程度の大きさにまで細分化されている。このため、半炭化木質チップSは反応塔11の内部において、ブリッジを形成することなく蓄積される(図4参照)。
【0061】
反応塔11の内部には、温度センサー15を備えられており、反応塔11の内部温度を検知している(ステップs2)。この温度センサー15で検出された温度検知結果は、回転制御部73に送信され、回転制御部73は、送信された検知結果情報に基づいて、ロータリ弁33、上流側スクリュー羽根43、縦方向スクリュー羽根52の回転速度を制御し、半炭化木質チップSの搬送量を調整している(ステップs6)。
【0062】
同様に、貯蓄量検知センサー16による反応塔11の内部に蓄積された半炭化木質チップSの蓄積量も検知しており(ステップs3)、その検知結果を回転制御部73に送信されている。そして、回転制御部73は送信された検知結果情報に基づいてロータリ弁33、上流側スクリュー羽根43、縦方向スクリュー羽根52の回転速度を制御し、半炭化木質チップSの搬送量を調整している(ステップs6)。
【0063】
さらにまた、ガス貯蓄部60の手前に取り付けられているガス分析器72により、反応塔11から発生する生成ガスGの成分を分析されている(ステップs4)。この分析結果も、回転制御部73に送信されており、回転制御部73は送信された分析結果情報に基づいてロータリ弁33、上流側スクリュー羽根43、縦方向スクリュー羽根52の回転速度を制御し、半炭化木質チップSの搬送量を調整している(ステップs6)。
【0064】
例えば、反応塔11の内部温度が適温と比べて低いと温度センサー15で検知した場合には(ステップs2:No)、反応塔11に搬送されている半炭化木質チップSは効率よくガス化できない。この場合、温度検知結果を受信した回転制御部73により、ロータリ弁用モータ34を制御し、ロータリ弁33の回転速度を早くして、供給管32に搬送される半炭化木質チップSを多くすることができる。
【0065】
また、回転制御部73により、回転モータ44と回転モータ53を制御し、上流側スクリュー羽根43と縦方向スクリュー羽根52の回転数を調整することで、中間搬送管42における半炭化木質チップSをより圧密させて、半炭化木質チップSを細分化することができる。具体的には、上流側スクリュー羽根43の回転速度を縦方向スクリュー羽根52の回転速度よりも早くすることで(ステップs6)、サージ槽30から多く搬送された半炭化木質チップSが中間搬送管42で多く詰まることとなり、より圧密される。このようにより圧密された半炭化木質チップSを縦方向スクリュー羽根52によって反応塔11に搬送することとなるため、半炭化木質チップSをより細分化することができる。
これにより、反応塔11に搬送される半炭化木質チップSが効率よくガス化され、反応塔11の内部温度を上昇させることができる
【0066】
同様に、反応塔11の内部の半炭化木質チップSの量が低下している場合には、貯蓄量検知センサー16が半炭化木質チップSの増加を検知して(ステップs3:No)、その情報を回転制御部73に送信する。この情報に基づいて、回転制御部73が回転モータ44を制御して上流側スクリュー羽根43の回転速度を増加させるとともに、回転制御部73が回転モータ53を制御して縦方向スクリュー羽根52の回転速度を増加させ(ステップs6)、反応塔11に搬送される半炭化木質チップSの搬送量を増加させ、半炭化木質チップSのガス化を促進できる。
【0067】
逆に、反応塔11の内部に蓄積された半炭化木質チップSの量が増加している場合には、貯蓄量検知センサー16が半炭化木質チップSの増加を検知し(ステップs3:No)、その情報を回転制御部73に送信する。この情報に基づいて、回転制御部73が縦方向スクリュー羽根52の回転速度を低下させ(ステップs6)、中間搬送管42において半炭化木質チップSをより圧密させる。これにより、縦方向スクリュー羽根52によって、より細分化された半炭化木質チップSが反応塔11に搬送することができる。
したがって、半炭化木質チップSの搬送量を低下させながらも、半炭化木質チップSを細分化できるため、半炭化木質チップSの表面積が拡大し、効率よくガス化させることができる。
【0068】
同様に、ガス分析器72により検出される生成ガスGの成分が、所望の割合でない場合には(ステップs4:No)、この情報に基づいて、回転制御部73がロータリ弁用モータ34、回転モータ44、回転モータ53を制御して、それぞれの回転速度を調整する(ステップs6)。これにより、反応塔11への半炭化木質チップSの搬送量及びサイズ、密度が調整され、生成ガスGの成分が適正な割合となる。
【0069】
このように、所定量の生成ガスGが得られまで(ステップs5)、反応塔11の内部状況に応じて、ロータリ弁33、上流側スクリュー羽根43、縦方向スクリュー羽根52の回転速度の調整を繰り返し、所望の状態で半炭化木質チップSのガス化が行われる。そして所定量の生成ガスGを得られたのちに、ロータリ弁33、上流側スクリュー羽根43、縦方向スクリュー羽根52の回転を停止し、ガス化を終了する。
【0070】
なお、回転制御部73でガス化剤供給装置18を制御することにより、第一供給管13a及び第二供給管13bから供給されるガス化剤Hの供給量を制御し、反応塔11の内部でのガス化を調整することもできる。
【0071】
このように構成された搬送装置20は、半炭化木質チップSを反応塔11に搬送する装置であって、反応塔11に対して半炭化木質チップSを搬送する管状の縦方向搬送路50と、一端側に半炭化木質チップSを投入する投入口41aが設けられ、他端側が縦方向搬送路50と交差するように縦方向搬送路50と連結する管状の上流側搬送路40とで構成されている。そして、縦方向搬送路50には、管内に、垂直方向に沿って螺旋状に形成されるとともに、垂直方向に沿った軸を回転軸として回転する縦方向スクリュー羽根52が備えられている、また、上流側搬送路40には、管内に、螺旋状に形成されるとともに、回転により縦方向搬送路50に向けて半炭化木質チップSを搬送する上流側スクリュー羽根43が備えられている。そして、上流側スクリュー羽根43を回転させて、半炭化木質チップSを、上流側搬送路40の一端側から他端側に向けて搬送するとともに、上流側搬送路40によって搬送された半炭化木質チップSを、縦方向スクリュー羽根52を回転させて、反応塔11の下方から上方へと搬送する。
【0072】
これにより、上流側搬送路40から縦方向搬送路50に半炭化木質チップSを搬送する際に、半炭化木質チップSを細分化して搬送することができ、反応塔11の内部において半炭化木質チップSが搬入先の反応塔11においてブリッジが形成されることなく半炭化木質チップSを搬送できる。
【0073】
詳述すると、上流側搬送路40から上流側スクリュー羽根43で搬出された半炭化木質チップSは、縦方向スクリュー羽根52で縦方向搬送路50に取り込まれて搬送されるが、上流側スクリュー羽根43の搬送量と縦方向スクリュー羽根52の搬送量とを調整することで縦方向搬送路50と上流側搬送路40との間で半炭化木質チップSを圧密して細分化することができる。このように、半炭化木質チップSが細分化されることで、反応塔11に搬送された半炭化木質チップSがブリッジを形成することを防止できるとともに、細分化された半炭化木質チップSは表面積が拡大し、効率よくガス化させることができる。
【0074】
また、縦方向搬送路50により、半炭化木質チップSは下方から上方に向けて搬送される。すなわち、反応塔11の内部で貯まった半炭化木質チップSの下方から新たな半炭化木質チップSが搬送されるため、貯まった半炭化木質チップSの層を内側から崩すことができ、反応塔11の内部で仮にブリッジが形成されていたとしても、これを崩すことができる。
【0075】
このように、半炭化木質チップSによるブリッジの形成を防止できるため、例えば反応塔11が半炭化木質チップSを格納する貯蓄格納庫であれば、半炭化木質チップSの間に空間が形成されて無駄に嵩が増えることを防止できる。また、反応塔11がガス化炉であった場合には、効率よくガス化させることができる。
【0076】
また、縦方向スクリュー羽根52の回転速度を変更する回転モータ53と、上流側スクリュー羽根43の回転速度を変更する回転モータ44とが備えられることにより、回転制御部73で縦方向スクリュー羽根52と上流側スクリュー羽根43の回転速度を個別に調整できる。このため、縦方向スクリュー羽根52と上流側スクリュー羽根43の回転速度を個別に調整できるため、縦方向搬送路50から反応塔11に搬送される半炭化木質チップSの細分化サイズを調整でき、反応塔11の内部での半炭化木質チップSの密度を変更させたりすることができる。
【0077】
詳述すると、縦方向スクリュー羽根52が半炭化木質チップSを搬送できる量に対して上流側スクリュー羽根43が半炭化木質チップSを搬送できる量より少なくなるように、回転制御部73で縦方向スクリュー羽根52と上流側スクリュー羽根43の回転速度を調整することができる。この場合、縦方向搬送路50と上流側搬送路40との間に半炭化木質チップSが渋滞し、半炭化木質チップSがより圧密されるため、半炭化木質チップSを細かく細分化できる。
【0078】
逆に、縦方向スクリュー羽根52が半炭化木質チップSを搬送できる量に対して上流側スクリュー羽根43が半炭化木質チップSを搬送できる量より多くなるように縦方向スクリュー羽根52と上流側スクリュー羽根43の回転速度を調整することで、半炭化木質チップSの圧密を緩めることができる。したがって、半炭化木質チップSが比較的大きくなるように細分化できる。
【0079】
また、回転モータ53は、反応塔11に投入された半炭化木質チップSの密度に応じて、回転制御部73で縦方向スクリュー羽根52の回転速度が調整されることにより、上流側搬送路40から搬送された半炭化木質チップSを所望の密度で反応塔11に搬送させることができる。したがって、反応塔11の内部の状態や、反応塔11の種類に合わせて半炭化木質チップSを搬送できる。
【0080】
さらにまた、回転モータ44は、反応塔11に投入された半炭化木質チップSの密度に応じて、回転制御部73で上流側スクリュー羽根43の回転速度が調整されることにより、所望の密度の半炭化木質チップSを縦方向搬送路50に搬送させることができる。これにより、反応塔11に搬送される半炭化木質チップSの密度に応じて、縦方向搬送路50と上流側搬送路40との間で、確実に半炭化木質チップSを細分化することができる。したがって、縦方向搬送路50を介して反応塔11に搬送される半炭化木質チップSがブリッジを形成することをより確実に防止しつつ、反応塔11の内部の状態に合わせて半炭化木質チップSを搬送できる。
【0081】
また、半炭化木質チップSを貯蓄するとともに、投入口41aと連結する燃料投入口31aが設けられたサージ槽30が備えられ、燃料投入口31aには、回転により半炭化木質チップSを細分化し、投入口41aに半炭化木質チップSを搬送するロータリ弁33が備えられている。
【0082】
このため、投入口41aから上流側搬送路40に投入される半炭化木質チップSをロータリ弁33で細分化できるため、縦方向搬送路50と上流側搬送路40との間での半炭化木質チップSを細分化するための負荷を軽減することができる。
【0083】
また、一定の大きさ以下の半炭化木質チップSが上流側搬送路40に投入されるため、上流側搬送路40及び縦方向搬送路50を介して反応塔11に搬送される半炭化木質チップSの密度の幅を小さくすることができる。したがって、縦方向搬送路50及び上流側搬送路40にかかる負荷を軽減することができるとともに、より確実に反応塔11の内部のブリッジ現象を防止できる。
【0084】
さらにまた、ロータリ弁33の回転速度を変更するロータリ弁用モータ34が備えられ、ロータリ弁用モータ34は、反応塔11に投入された半炭化木質チップSの密度に応じて、回転制御部73でロータリ弁33の回転速度が調整されることにより、反応塔11の状態に応じて投入口41aに所望の大きさ以下の半炭化木質チップSを投入することができるため、より縦方向搬送路50及び上流側搬送路40にかかる負担をより軽減できるとともに、より確実に反応塔11でのブリッジ現象を防止できる。
【0085】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
固形燃料は、半炭化木質チップSに対応し、同様に
反応塔は、反応塔11に対応し、
固形燃料搬送装置は、搬送装置20に対応し、
第一搬送路は、縦方向搬送路50に対応し、
投入口は、投入口41aに対応し、
第二搬送路は、上流側搬送路40に対応し、
第一スクリュー羽根は、縦方向スクリュー羽根52に対応し、
第二スクリュー羽根は、上流側スクリュー羽根43に対応し、
第一速度可変部は、回転モータ53に対応し、
第二速度可変部は、回転モータ44に対応し、
燃料搬送口は、燃料投入口31aに対応し、
貯蓄部は、サージ槽30に対応し、
ロータリ弁は、ロータリ弁33に対応し、
細分化速度可変部は、ロータリ弁用モータ34に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
【0086】
例えば、本実施形態において、半炭化木質チップSは、半炭化処理された木質チップとしているが、半炭化木質チップSに限らず、例えばバイオマスなどの生物由来の木質チップや、加熱処理されたバイオマス、石炭や木炭などとしてもよい。
【0087】
また、本実施形態において、反応塔11は半炭化木質チップSを加熱処理してガス化させるガス化炉としているが、例えば、木質チップを蓄積させるための蓄積格納庫などであってもよい。
【0088】
すなわち、搬送装置20は、目的である固形燃料を蓄積する容器に対して固形燃料を搬送するものであれば、特に限定されない。
【0089】
また、例えば、本実施形態において、縦方向搬送路50は、反応塔11に対して垂直方向(上下方向)に立設させているが、垂直方向に完全一致する必要はない。例えば、縦方向搬送路50は垂直方向に対して±45度程度傾いていてもよい。
【0090】
また、本実施形態において、中間搬送管42と縦方向搬送管51とが連結部分において直交しているが、必ずしも直交する必要はなく、中間搬送管42と縦方向搬送管51とが交差していればよく、例えば中間搬送管42が水平方向に沿っていてもよい。また、上流側搬送管41が上下方向に沿って配置されておらず、上流側搬送管41と縦方向搬送管51とが直接連結する構成としてもよい。
【0091】
さらにまた、上流側スクリュー羽根43を上流側搬送管41及び中間搬送管42に沿って、上流側搬送管41の上端から中間搬送管42の先端まで伸びた構成としている。しかしながら、この構成に限定されず、例えば、上流側搬送管41の内部には、上下方向に沿った軸を回転軸として回転可能な、いわゆるスクリューフィダーとし、湾曲した中間搬送管42の内部には、上流側搬送管41の内部に設けたスクリューフィダーの回転を伝達できる、上流側スクリュー羽根43のようないわゆるバネコンベア羽根としてもよい。
【符号の説明】
【0092】
11 反応塔
20 搬送装置
30 サージ槽
31a 燃料投入口
33 ロータリ弁
34 ロータリ弁用モータ
40 上流側搬送路
41a 投入口
43 上流側スクリュー羽根
44 回転モータ
50 縦方向搬送路
52 縦方向スクリュー羽根
53 回転モータ
S 半炭化木質チップ
図1
図2
図3
図4