(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】搬送装置及び丁合装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/06 20060101AFI20240315BHJP
B65H 39/042 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
B65H5/06 H
B65H39/042
B65H5/06 Q
(21)【出願番号】P 2019151341
(22)【出願日】2019-08-21
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000109727
【氏名又は名称】株式会社デュプロ
(72)【発明者】
【氏名】東 順人
(72)【発明者】
【氏名】小原 啓
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-314803(JP,A)
【文献】実開昭63-194829(JP,U)
【文献】特開2016-204134(JP,A)
【文献】特開2015-113204(JP,A)
【文献】特開平07-285694(JP,A)
【文献】特開2016-001299(JP,A)
【文献】特開2011-093681(JP,A)
【文献】実開平03-082342(JP,U)
【文献】特開2015-016460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/02
B65H 5/06
B65H 5/22
B65H 29/12-29/24
B65H 29/32
B65H 39/00-39/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の被搬送体が通過する搬送路を挟んで対向する二つの搬送路部材を有する搬送路部材対を備える搬送装置において、
前記搬送路部材対に対して搬送方向上流側の所定位置における前記被搬送体の厚さに応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更する部材間距離変更手段を備え、
前記搬送路部材対として、前記被搬送体を挟持し、表面移動する二つの表面移動体からなる表面移動体対を備え、
二つの前記表面移動体の一方が他方に向かうように付勢する付勢手段を備え、
前記表面移動体は、回転軸を中心に回転するローラ部材であり、
前記部材間距離変更手段は、前記ローラ部材を回転可能に保持し、装置本体に対して回動軸を中心に回動可能に支持されたローラ保持回動部材と、
前記ローラ保持回動部材に係合し、移動することで前記ローラ保持回動部材を回動させるものであって、前記所定位置における前記被搬送体の厚さに応じて移動量が変動する移動力伝達部材と、を有し、
前記移動力伝達部材と前記ローラ保持回動部材との係合部は、一方の部材に長孔を有し、他方の部材に前記長孔に係合する係合ピンを有することを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
板状の被搬送体が通過する搬送路を挟んで対向する二つの搬送路部材を有する搬送路部材対を備える搬送装置において、
前記搬送路部材対に対して搬送方向上流側の所定位置における前記被搬送体の厚さに応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更する部材間距離変更手段を備え、
前記搬送路部材対として、前記被搬送体を挟持し、表面移動する二つの表面移動体からなる表面移動体対を備え、
二つの前記表面移動体の一方が他方に向かうように付勢する付勢手段を備え、
前記表面移動体は、回転軸を中心に回転するローラ部材であり、
前記部材間距離変更手段は、前記ローラ部材を回転可能に保持し、装置本体に対して回動軸を中心に回動可能に支持されたローラ保持回動部材と、
前記ローラ保持回動部材に係合し、移動することで前記ローラ保持回動部材を回動させるものであって、前記所定位置における前記被搬送体の厚さに応じて移動量が変動する移動力伝達部材と、を有し、
前記表面移動体対の二つの前記ローラ部材の最近接位置が、回動軸よりも搬送方向下流側に位置し、前記付勢手段は、前記ローラ部材が搬送方向上流側に向かう方向に前記ローラ保持回動部材が回動するように前記ローラ保持回動部材を付勢することを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
板状の被搬送体が通過する搬送路を挟んで対向する二つの搬送路部材を有する搬送路部材対を備える搬送装置において、
前記搬送路部材対に対して搬送方向上流側の所定位置における前記被搬送体の厚さに応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更する部材間距離変更手段を備え、
前記搬送路部材対として、前記被搬送体を挟持し、表面移動する二つの表面移動体からなる表面移動体対を備え、
二つの前記表面移動体の一方が他方に向かうように付勢する付勢手段を備え、
前記表面移動体は、回転軸を中心に回転するローラ部材であり、
前記部材間距離変更手段は、前記ローラ部材を回転可能に保持し、装置本体に対して回動軸を中心に回動可能に支持されたローラ保持回動部材と、
前記ローラ保持回動部材に係合し、移動することで前記ローラ保持回動部材を回動させるものであって、前記所定位置における前記被搬送体の厚さに応じて移動量が変動する移動力伝達部材と、を有し、
前記所定位置で前記被搬送体の厚さ方向に移動可能な移動部材を備え、
前記部材間距離変更手段は、前記被搬送体が前記移動部材に接触して前記移動部材が前記厚さ方向に移動した移動量に応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更するものであり、
前記移動部材は移動部材回転軸を中心に回転する移動ローラ部材であり、
前記移動ローラ部材を回転可能に保持し、装置本体に対して回動軸を中心に回動可能に支持された移動ローラ保持回動部材を備え、
前記部材間距離変更手段は、前記移動ローラ保持回動部材の回動量に応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更する構成であり、
前記移動力伝達部材は、前記移動ローラ保持回動部材に係合し、前記移動ローラ保持回動部材の回動運動によって移動し、この移動によって前記ローラ保持回動部材を回動させる構成であり、
前記ローラ部材を保持する前記ローラ保持回動部材と、前記移動ローラ部材を保持する前記移動ローラ保持回動部材と、は同形状の回動部材であり、
前記回動部材を搬送方向に三つ備え、
当該三つの前記回動部材について、
搬送方向最上流側の前記回動部材は前記移動ローラ保持回動部材の機能を備え、
搬送方向の真ん中の前記回動部材は前記移動ローラ保持回動部材と前記ローラ保持回動部材との機能を備え、
搬送方向最下流側の前記回動部材は前記ローラ保持回動部材の機能を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項4】
板状の被搬送体が通過する搬送路を挟んで対向する二つの搬送路部材を有する搬送路部材対を備える搬送装置において、
前記搬送路部材対に対して搬送方向上流側の所定位置における前記被搬送体の厚さに応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更する部材間距離変更手段を備え、
前記搬送路部材対として、前記被搬送体を挟持し、表面移動する二つの表面移動体からなる表面移動体対を備え、
二つの前記表面移動体の一方が他方に向かうように付勢する付勢手段を備え、
前記表面移動体は、回転軸を中心に回転するローラ部材であり、
前記部材間距離変更手段は、前記ローラ部材を回転可能に保持し、装置本体に対して回動軸を中心に回動可能に支持されたローラ保持回動部材と、
前記ローラ保持回動部材に係合し、移動することで前記ローラ保持回動部材を回動させるものであって、前記所定位置における前記被搬送体の厚さに応じて移動量が変動する移動力伝達部材と、を有し、
前記所定位置で前記被搬送体の厚さ方向に移動可能な移動部材を備え、
前記部材間距離変更手段は、前記被搬送体が前記移動部材に接触して前記移動部材が前記厚さ方向に移動した移動量に応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更するものであり、
前記移動部材は移動部材回転軸を中心に回転する移動ローラ部材であり、
前記移動ローラ部材を回転可能に保持し、装置本体に対して回動軸を中心に回動可能に支持された移動ローラ保持回動部材を備え、
前記部材間距離変更手段は、前記移動ローラ保持回動部材の回動量に応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更する構成であり、
前記移動力伝達部材は、前記移動ローラ保持回動部材に係合し、前記移動ローラ保持回動部材の回動運動によって移動し、この移動によって前記ローラ保持回動部材を回動させる構成であり、
前記移動ローラ部材は、前記所定位置で前記搬送路を挟んで対向する対向部材とは非接触であることを特徴とする搬送装置
。
【請求項5】
請求項1乃至
4の何れか一項に記載の搬送装置において、
前記搬送路部材対として、前記被搬送体を搬送方向に案内する二つのガイド部材からなるガイド部材対を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項6】
請求項1
または2に記載の搬送装置において、
前記所定位置で前記被搬送体の厚さ方向に移動可能な移動部材を備え、
前記部材間距離変更手段は、前記被搬送体が前記移動部材に接触して前記移動部材が前記厚さ方向に移動した移動量に応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更することを特徴とする搬送装置。
【請求項7】
請求項3、4または
6の何れか一項に記載の搬送装置において、
前記移動部材は、前記被搬送体を挟持し、前記被搬送体の厚みによって挟持幅が変化する挟持部材対であり、
前記部材間距離変更手段は、前記挟持幅に応じて前記搬送路部材同士の距離を変更することを特徴とする搬送装置。
【請求項8】
請求項
6の搬送装置において、
前記移動部材は移動部材回転軸を中心に回転する移動ローラ部材であり、
前記移動ローラ部材を回転可能に保持し、装置本体に対して回動軸を中心に回動可能に支持された移動ローラ保持回動部材を備え、
前記部材間距離変更手段は、前記移動ローラ保持回動部材の回動量に応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更することを特徴とする搬送装置。
【請求項9】
請求項1
または2の搬送装置において、
前記所定位置で前記被搬送体の厚さ方向に移動可能な移動部材を備え、
前記部材間距離変更手段は、前記被搬送体が前記移動部材に接触して前記移動部材が前記厚さ方向に移動した移動量に応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更し、
前記移動部材は移動部材回転軸を中心に回転する移動ローラ部材であり、
前記移動ローラ部材を回転可能に保持し、装置本体に対して回動軸を中心に回動可能に支持された移動ローラ保持回動部材を備え、
前記部材間距離変更手段は、前記移動ローラ保持回動部材の回動量に応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更し、
前記移動力伝達部材は、前記移動ローラ保持回動部材に係合し、前記移動ローラ保持回動部材の回動運動によって移動し、この移動によって前記ローラ保持回動部材を回動させることを特徴とする搬送装置。
【請求項10】
請求項1
または2の搬送装置において、
前記所定位置における前記被搬送体の厚さを検出する被搬送体厚検出手段と、
前記被搬送体厚検出手段による検出結果に基づいて前記部材間距離変更手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項11】
複数の供給部から送り出される板状搬送物を丁合搬送路で搬送しながら互いに重ね合わせて搬送物束を作成する丁合装置であって、
前記丁合搬送路で前記板状搬送物を搬送する搬送手段として、請求項1乃至
10の何れか一項に記載の搬送装置を備えることを特徴とする丁合装置。
【請求項12】
複数の供給部から送り出される板状搬送物を丁合搬送路で搬送しながら互いに重ね合わせて搬送物束を作成し、前記搬送物束を排出搬送路で搬送し装置外に排出する丁合装置であって、
前記排出搬送路で前記搬送物束を搬送する搬送手段として、請求項1乃至
10の何れか一項に記載の搬送装置を備えることを特徴とする丁合装置。
【請求項13】
複数の供給部から送り出される板状搬送物を丁合搬送路で搬送しながら互いに重ね合わせて搬送物束を作成する丁合装置であって、
前記丁合搬送路で前記板状搬送物を搬送する搬送手段として、
板状の被搬送体が通過する搬送路を挟んで対向する二つの搬送路部材を有する搬送路部材対と、
前記搬送路部材対に対して搬送方向上流側の所定位置における前記被搬送体の厚さに応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更する部材間距離変更手段と、を備え、
前記部材間距離変更手段は、前記所定位置における前記被搬送体の厚さが所定の厚さを超えるときに前記搬送路部材同士の距離を変更し、前記被搬送体の厚さが前記所定の厚さ以下のときには前記搬送路部材同士の距離を変更しないことを特徴とする丁合装置。
【請求項14】
複数の供給部から送り出される板状搬送物を丁合搬送路で搬送しながら互いに重ね合わせて搬送物束を作成し、前記搬送物束を排出搬送路で搬送し装置外に排出する丁合装置であって、
前記排出搬送路で前記搬送物束を搬送する搬送手段として、
板状の被搬送体が通過する搬送路を挟んで対向する二つの搬送路部材を有する搬送路部材対と、
前記搬送路部材対に対して搬送方向上流側の所定位置における前記被搬送体の厚さに応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更する部材間距離変更手段と、を備え、
前記部材間距離変更手段は、前記所定位置における前記被搬送体の厚さが所定の厚さを超えるときに前記搬送路部材同士の距離を変更し、前記被搬送体の厚さが前記所定の厚さ以下のときには前記搬送路部材同士の距離を変更しないことを特徴とする丁合装置。
【請求項15】
請求項13または14の丁合装置において、
前記搬送路部材対として、前記被搬送体を挟持し、表面移動する二つの表面移動体からなる表面移動体対を備え、
二つの前記表面移動体の一方が他方に向かうように付勢する付勢手段を備え、
前記部材間距離変更手段は、前記所定位置における前記被搬送体の厚さが前記所定の厚さを超えるときに前記表面移動体対を構成する前記表面移動体同士を離間させて距離を変更し、前記被搬送体の厚さが前記所定の厚さ以下のときには前記表面移動体同士の距離を変更しないことを特徴とする丁合装置。
【請求項16】
請求項15の丁合装置において、
前記表面移動体は、回転軸を中心に回転するローラ部材であり、
前記部材間距離変更手段は、前記ローラ部材を回転可能に保持し、装置本体に対して回動軸を中心に回動可能に支持されたローラ保持回動部材と、
前記ローラ保持回動部材に係合し、移動することで前記ローラ保持回動部材を回動させるものであって、前記所定位置における前記被搬送体の厚さに応じて移動量が変動する移動力伝達部材と、を有し、
前記移動力伝達部材は、前記被搬送体の厚さが前記所定の厚さを超えるときに前記ローラ保持回動部材を回動させて前記ローラ部材同士を離間させて距離を変更し、前記被搬送体の厚さが前記所定の厚さ以下のときには前記ローラ保持回動部材を回動させず、前記ローラ部材同士の距離を変更しない構成であることを特徴とする丁合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置及び丁合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、板状の被搬送体が通過する搬送路を挟んで対向する二つの搬送路部材を有する搬送路部材対を備える搬送装置が知られている。
【0003】
この種の搬送装置の構成を備える装置として、特許文献1には、搬送路部材対として搬送ローラ対を丁合搬送路の搬送方向に複数備え、被搬送体として複数枚の用紙を重ねた用紙束を搬送する丁合装置が記載されている。
このような丁合装置では、複数の給紙部から給紙された用紙を丁合搬送路内で重ね合わせて用紙束とし、搬送方向下流側へと搬送するため、下流側ほど搬送ローラ対を通過する用紙束の厚みは大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
丁合装置では、常に全ての給紙部から給紙するとは限らず、設定された条件によって用紙を給紙する給紙部の数が異なり、丁合搬送路に供給する用紙枚数が異なる場合がある。このような場合、丁合搬送路の比較的下流側に位置する搬送ローラ対では、設定条件によって通過する用紙束の厚みが変化する。また、給紙部から給紙する用紙に厚紙が含まれる場合や、複数枚の用紙を束ねた給紙束が含まれる場合には、用紙の種類や給紙束の厚みによって、丁合搬送路の搬送ローラ対を通過する用紙束の厚みが変化する。搬送ローラ対を通過する用紙束の厚みが変化する場合、薄い用紙束は搬送できても、厚い用紙束を搬送しようとするときに、用紙束が搬送ローラ対を通過できず、詰まりが生じる等、搬送性が低下することがある。
【0006】
このような問題は、被搬送体が用紙束の場合に限らず、厚みの条件が変動し得る板状の被搬送体あれば生じ得る問題である。また、搬送路部材対が搬送ローラ対である場合に限らず、ローラ以外の表面移動体の場合や、ガイド部材等の表面移動しない他の部材からなる搬送路部材対であっても生じ得る問題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、板状の被搬送体が通過する搬送路を挟んで対向する二つの搬送路部材を有する搬送路部材対を備える搬送装置において、前記搬送路部材対に対して搬送方向上流側の所定位置における前記被搬送体の厚さに応じて、前記搬送路部材同士の距離を変更する部材間距離変更手段を備え、前記搬送路部材対として、前記被搬送体を挟持し、表面移動する二つの表面移動体からなる表面移動体対を備え、二つの前記表面移動体の一方が他方に向かうように付勢する付勢手段を備え、前記表面移動体は、回転軸を中心に回転するローラ部材であり、前記部材間距離変更手段は、前記ローラ部材を回転可能に保持し、装置本体に対して回動軸を中心に回動可能に支持されたローラ保持回動部材と、前記ローラ保持回動部材に係合し、移動することで前記ローラ保持回動部材を回動させるものであって、前記所定位置における前記被搬送体の厚さに応じて移動量が変動する移動力伝達部材と、を有し、前記移動力伝達部材と前記ローラ保持回動部材との係合部は、一方の部材に長孔を有し、他方の部材に前記長孔に係合する係合ピンを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被搬送体が厚いときの搬送性の低下を抑制できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】搬送機構の丁合搬送機構が用紙束を搬送する様子を示す拡大概略図。
【
図6】筐体の二つのフレームの一方の内部の駆動伝達機構と縦搬送ローラ対の保持機構との斜視説明図。
【
図7】丁合搬送機構における連続して配置された二つの縦搬送ローラ対とこれの保持機構との拡大説明図。
【
図8】丁合搬送機構における二つの縦搬送ローラ対の通紙前の説明図。
【
図9】薄い用紙束が下流側縦搬送ローラ対に到達した状態の丁合搬送機構の説明図。
【
図10】厚い用紙束が上流側縦搬送ローラ対のニップ部に到達した状態の丁合搬送機構の説明図。
【
図11】
図10に示す状態から用紙束が搬送され、その先端が上流側縦搬送ローラ対のニップ部を通過した状態の丁合搬送機構の説明図。
【
図12】
図11に示す状態から用紙束が搬送され、その先端が下流側縦搬送ローラに到達した状態の丁合搬送機構の説明図。
【
図13】
図12に示す状態から用紙束が搬送され、その先端が下流側縦搬送ローラのニップ部を通過した状態の丁合搬送機構の説明図。
【
図14】
図13に示す状態から用紙束が搬送され、その後端が上流側縦搬送ローラのニップ部を通過した状態の丁合搬送機構の説明図。
【
図16】薄い用紙束が搬送されてきた状態の排出搬送機構の側面図。
【
図17】厚い用紙束が搬送されてきた状態の排出搬送機構の側面図。
【
図18】
図17に示す状態から用紙束が搬送され、その先端が排出ローラ対を通過した状態の排出搬送機構の側面図。
【
図21】任意の縦搬送ローラ対で、用紙束の厚みに関わらず、同じ条件で搬送する丁合搬送機構の一部を模式的に示した説明図。
【
図22】二つの搬送ローラがともに可動ローラである縦搬送ローラ対で、用紙束厚に応じて必要なローラ径の大きさを示した説明図。
【
図23】二つのローラの一方が可動ローラで他方が固定ローラである排出ローラ対で、用紙束厚に応じて必要なローラ径の大きさを示した説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0011】
<実施形態1>
以下、一つ目の実施形態(以下、「実施形態1」と呼ぶ)として、本発明に係る搬送装置の構成を備えた丁合装置の一実施形態について説明する。
【0012】
図1は、実施形態1に係る丁合装置10を示す斜視図であり、
図2は、丁合装置10の内部構造を示す模式図である。
丁合装置10は、新聞販売店等において新聞に挟む広告束を作成するために使用される折込広告丁合機や、チラシ、パンフレット、はがきなどのマーケティング資料を束ねる選択丁合機として用いることができる。
【0013】
丁合装置10は、
図1に示すように、手前側フレーム12A及び奥側フレーム12Bを有する筐体12と、第一~第二十の丁合給紙部(14A~14N,14P~14U)と、折用給紙部14Xと、メイン操作パネル16と、を備える。また、丁合装置10は、
図2に示すように、筐体12の内側に、搬送機構21、折用紙搬送プレート26、折用紙載置プレート対28、折ストッパ30、折ナイフ32、折ローラ対34及び排出搬送機構31等を備える。さらに、丁合装置10は、スタッカトレイ40及び制御部50を備える。排出搬送機構31は、排出搬送ベルト36及び排出ローラ対38を備える。
図2に示すように、搬送機構21は、丁合搬送機構24と、複数の給紙搬送機構22とを有する。
【0014】
図1及び
図2に示すように、筐体12には、左右に十段ずつの丁合給紙棚が設けられている。第一~第十の丁合給紙部(14A~14J)は、この順で下側から並ぶように筐体12の左側の棚に設置される。また、第十一~第二十の丁合給紙部(14K~14N,14P~14U)は、この順で上側から並ぶように筐体12の右側の棚に設置されている。また、折用給紙部14Xは、第一丁合給紙部14Aの下方に設置されている。給紙部14(A~N,P~X)は、筐体12への取付位置や取付方向、棚板の大きさ等が異なるが、略同一の構造を有する。
以下、これらをまとめて表現するときや、特に区別しないときには単に「給紙部14」とよぶ。
【0015】
給紙部14は、筐体12に取り外し可能に装着されている。具体的には、給紙部14は、ユーザによって図示しないロック機構が解除されると、筐体12との係合が解除され、筐体12から取り外すことができる。このような係合方法は公知であるため説明は省略する。
【0016】
図3は、給紙部14の一つの拡大説明図である。それぞれの給紙部14は、
図3に示すように、給紙トレイ15と、用紙有無検知センサ57と、給紙機構18とを有する。また、給紙部14は、
図1に示すように給紙トレイ15の隣にサブ操作パネル20を有する。サブ操作パネル20には、ユーザが給紙処理のための所定の操作入力を行うための複数の操作ボタンが設けられている。
図3に示すように、それぞれの給紙部14に対応する給紙搬送機構22を備え、給紙搬送機構22のそれぞれは、横搬送ローラ対8及び搬送方向変更ガイド板3を備える。
【0017】
給紙トレイ15には、複数部の板状搬送物としての複数枚の用紙P(本実施の形態では広告)が重ねられた状態で積載される。折用給紙部14Xの給紙トレイ15には、搬送機構21によって搬送されてくる用紙の束を挟むための用紙が複数枚積載される。給紙トレイ15は、給紙機構18に近づくに伴って低くなるように傾斜している。用紙有無検知センサ57は、実施形態1では反射型光学センサであり、給紙トレイ15に用紙が積載されているか否かを検知する。
【0018】
給紙機構18は、給紙トレイ15に積載された用紙Pのうち、最上位の用紙Pの先端上面に圧接する給紙ローラ42と、この給紙ローラ42に下方から圧接するサバキ板46とを備える。さらに、最上位の用紙Pの先端を給紙ローラ42とサバキ板46との間に進入させるための補助給紙ローラ44を備える。給紙ローラ42と補助給紙ローラ44とが駆動回転することにより、最上位の用紙Pを給送方向(
図3中の矢印「α」方向)に前進させる。
【0019】
給紙ローラ42と用紙P、用紙Pとサバキ板46、用紙P同士の、それぞれの摩擦係数の相違による作用によって、最上位の用紙Pは、二枚目以下の用紙Pと分離される。そして、最上位の用紙Pの一枚のみが、給紙ローラ42とサバキ板46との間を通り抜けて給送方向に前進する。給送された用紙Pはその先端が給紙搬送機構22の横搬送ローラ対8に挟持されて横方向に搬送され、搬送方向変更ガイド板3によって下方に向かうように導かれて丁合搬送機構24の回転駆動する縦搬送ローラ対1に挟持され、下方(
図3中の矢印「β」方向)に搬送される。
【0020】
丁合搬送機構24は、筐体12内を上下に延在するよう設けられ、丁合搬送機構24は、給紙搬送機構22から搬送されてきた用紙Pを下方へ搬送する。丁合搬送機構24は、用紙Pを搬送する縦搬送ローラ対1を十組備え、さらに、縦搬送ローラ対1のニップ部を通過した用紙Pを案内する縦搬送ガイド対2を十組備える。丁合搬送機構24は、複数の縦搬送ローラ対1と複数の縦搬送ガイド対2とによって、丁合搬送路25を形成する。
【0021】
十組の縦搬送ガイド対2のうち、搬送方向最下流側の第一縦搬送ガイド対2A以外は、搬送方向上流側に位置する縦搬送ローラ対1のニップ部を通過した用紙Pを、搬送方向下流側に位置する縦搬送ローラ対1のニップ部に向けて案内する。また、第一縦搬送ガイド対2Aは第一縦搬送ローラ対1Aのニップ部を通過した用紙Pを、折ローラ対34のニップ部に向けて案内する。
【0022】
図4は、搬送機構21の丁合搬送機構24が用紙束Pbを搬送する様子を示す拡大概略図である。
図4は、上下方向に十組ある縦搬送ローラ対1のうち、下方の三組の縦搬送ローラ対1(第一縦搬送ローラ対1A~第三縦搬送ローラ対1C)近傍の搬送機構21の説明図である。
図2乃至
図4に示すように、複数の給紙搬送機構22は、複数の給紙部14のそれぞれに対応して設けられている。
【0023】
給紙機構18は、制御部50からの信号に基づいて、給紙トレイ15に積載された用紙Pを搬送機構21の給紙搬送機構22に送り出す。以下では、それぞれの給紙トレイ15に積載された用紙Pのうちの最上位の用紙Pを送り出すことを「給紙」ともいう。給紙機構18は、特に、他の給紙部14の給紙機構18から送り出された用紙と、送り出す用紙とが丁合搬送機構24において重なり合うようなタイミングで給紙する。このようにして給紙された用紙Pが、縦搬送ローラ対1のニップ部で上方(搬送方向上流側)から搬送されてきた用紙P(または用紙束Pb)と重なり合い、用紙束Pbを形成する。
【0024】
折用紙搬送プレート26は、
図2に示す断面において、用紙搬送方向下流側(
図2中の右側、以下、「折用紙搬送下流側」という。)の端部が丁合搬送機構24の下端に対して、わずかに用紙搬送方向上流側(
図2中の左側、以下、「折用紙搬送上流側」という)に位置するよう配置される。
折用紙載置プレート対28は、二枚のプレートが間隔を空けて重ね合わさるように設けられている。折用紙載置プレート対28は、
図2に示す断面において、折用紙搬送上流側の端部が、丁合搬送機構24の下端に対して、わずかに右に位置するよう配置される。
折ストッパ30は、折用紙載置プレート対28内に導かれた用紙Pの先端が当接するように配置される。折ストッパ30は、モータなどのアクチュエータを作動させることにより、折用紙載置プレート対28に沿って折用紙搬送上流側及び折用紙搬送下流側(
図2中の左右方向)に移動可能に構成されている。
【0025】
折用給紙部14Xに積載された用紙P(以下、折用紙)に用紙束Pbを挟むようにして丁合する場合、折用給紙部14Xから給紙された折用紙は、折用紙搬送プレート26を通って、折用紙載置プレート対28に向けて搬送される。
丁合搬送機構24によって下方に搬送されながら形成された用紙束Pbは、折用紙載置プレート対28に搬送された折用紙に先端が突き当たる。この突き当たるタイミングに合わせて折ナイフ32の先端が、折用紙載置プレート対28に載置された折用紙に突き当たるように、ナイフ回動軸32aを中心に折ナイフ32を、
図2中の反時計回り方向に回転させる。これにより、折ナイフ32の先端が折用紙の上面に突き当たり、折用紙の下面を折ローラ対34に向けて押し付ける。
【0026】
このようにして、丁合搬送機構24の下端に到達した用紙束Pbは、折用紙載置プレート対28に載置されていた折用紙とともに下面を折ローラ対34によって挟持される。そして、折用紙載置プレート対28に載置されていた折用紙が用紙束Pbを挟むように折りたたまれ、排出搬送ベルト36に向けて搬送される。
【0027】
排出搬送ベルト36は、用紙束Pbをさらに搬送方向下流側(
図2中の左側)に搬送し、排出ローラ対38に受け渡す。排出ローラ対38は、搬送された用紙束Pbを排出し、スタッカトレイ40に用紙束Pbが積載され蓄積される。上述した設定とは異なる設定で、折用紙に用紙束Pbを挟まない場合には、折用給紙部14Xからの給紙は行われず、丁合搬送機構24によって下方に搬送されながら形成された用紙束Pbは、そのまま折ローラ対34に挟持され、排出搬送ベルト36に搬送される。
【0028】
図1に示すように、筐体12の手前側フレーム12Aの前面には、メイン操作パネル16が設けられている。メイン操作パネル16はタッチパネル式の液晶ディスプレイを有し、ユーザが丁合処理のための所定の操作入力を行うことができる。
制御部50は、メイン操作パネル16や各サブ操作パネル20に対するユーザの入力に基づいて、給紙部14と、各搬送機構と、折ナイフ32と、各ローラと、を制御して、所定の処理を実行する。
制御部50は例えば、ユーザがメイン操作パネル16を介して指定した部数(以下、「丁合設定部数」ともいう)や連段設定(後述)等にしたがって用紙の丁合処理を実行する。
【0029】
丁合搬送機構24では、搬送方向上流側に位置する給紙部14から順次、用紙Pが丁合搬送路に供給され、複数の給紙部14から供給された用紙Pを重ねることで用紙束Pbを形成する。また、搬送方向下流側に位置する給紙部14から給紙された用紙Pが丁合搬送路を通過中の用紙束Pbと重なるため、丁合搬送路内を通過する用紙束Pbは搬送方向下流側ほど用紙Pの枚数が増え、厚さが増す。
【0030】
丁合装置10では、常に全ての給紙部14から給紙されるわけではなく、設定された条件によって用紙Pを給紙する給紙部14の数が異なり、丁合搬送路に供給する用紙枚数が異なる場合がある。このような場合、丁合搬送路の比較的下流側に位置する第一縦搬送ローラ対1Aや第二縦搬送ローラ対1B等では、設定条件によって通過する用紙束Pbの厚みが変化する。また、給紙部14から給紙する用紙Pに厚紙が含まれる場合や、複数枚の用紙Pを束ねた給紙束が含まれる場合には、用紙Pの種類や給紙束の厚みによって、丁合搬送路の縦搬送ローラ対1を通過する用紙束Pbの厚みが変化する。縦搬送ローラ対1を通過する用紙束Pbの厚みが変化する場合、縦搬送ローラ対1の配置が、薄い用紙束を搬送可能な配置だと、厚い用紙束Pbを搬送しようとするときに、用紙束Pbが搬送ローラ対を通過できず、詰まりが生じる等、搬送性が低下することがある。
【0031】
ここで、上述した搬送性低下の不具合が生じ得る縦搬送ローラ対1の構成について説明する。
図21は、任意の縦搬送ローラ対1で、用紙束Pbの厚みに関わらず、同じ条件で搬送する丁合搬送機構24の一部を模式的に示した説明図である。
図21(a)は、用紙束Pbの厚みが小さいときの説明図であり、
図21(b)は、用紙束Pbの厚みが大きいときの説明図である。
【0032】
図21に示す縦搬送ローラ対1は、二つの縦搬送ローラ11が
図21中の左右に移動可能な構成となっている。そして、それぞれの縦搬送ローラ11が付勢
手段であるローラ付勢バネ4の付勢力「Fs」によって他方の縦搬送ローラ11に向かうように付勢される。これにより、縦搬送ローラ11同士が接触し、ニップ部を形成する。
【0033】
図21に示すように、用紙束Pbがニップ部に向かってくると、ニップ部に対して搬送方向上流側の二つの縦搬送ローラ11の表面に用紙束Pbの先端が突き当たる。用紙束Pbが接触した位置における縦搬送ローラ11の表面に垂直な方向に力「F」が作用し、この力「F」の分力として搬送方向に直交する方向(以下、「搬送直交方向」と呼ぶ)の分力「F1」と搬送方向の分力「F2」とが作用する。このとき、分力「F1」が二つの縦搬送ローラ11同士の間隔を広げるように作用する。
【0034】
図21(a)に示すように、搬送する用紙束Pbが薄いときには、縦搬送ローラ11の表面上の仮想接線が搬送方向と平行になる二つの縦搬送ローラ11の最近接位置に近い位置の縦搬送ローラ11の表面に用紙束Pbの先端が接触する。この接触位置における仮想接線と搬送方向に平行な仮想線との角度は小さい。このとき、接触位置の表面に垂直な方向に作用する力「F」の搬送直交方向の分力「F1」が大きくなり、付勢力「Fs」に抗して二つの縦搬送ローラ11同士の間隔を押し広げ易く、良好な搬送性を実現できる。
一方、
図21(b)に示すように、搬送する用紙束Pbが厚いときには、搬送直交方向の分力「F1」が小さくなり、付勢力「Fs」に抗して二つの縦搬送ローラ11同士の間隔を押し広げ難くなる。押し広げることができないと、用紙束Pbがニップ部を通過することができず、詰まりが生じる。
【0035】
縦搬送ローラ11として、直径が50[mm]のローラを用いた丁合装置10を用いて実験を行ったところ、丁合後の用紙束Pbの厚さが10[mm]ぐらいまでであれば安定した搬送を行うことができた。一方、丁合後の用紙束Pbの厚さが15[mm]を超えると、詰まりが生じ易くなり、搬送性が低下した。
【0036】
このような詰まりを防止するために、厚みの大きい用紙束Pbが通過できるように、縦搬送ローラ対1の二つの縦搬送ローラ11の間隔を開けたままとする構成が考えられる。しかし、この構成では、厚みの小さい(薄い)用紙束Pbがニップ部に到達したときに、用紙束Pbを縦搬送ローラ対1で挟持することができず、縦搬送ローラ対1による搬送力の付与を適切に行うことができなくなる。また、丁合装置10のように、縦方向に搬送する場合、用紙束Pbを縦搬送ローラ対1で挟持しないと、用紙束Pbが重力によって落下してしまい、用紙束Pbの搬送速度を制御することができなくなる。
【0037】
用紙束Pbを挟持し、ニップ部を通過させる搬送ローラ対で、搬送可能な用紙束Pbの厚みの範囲を広く設定可能な構成としては、搬送ローラ対を構成する搬送ローラとして径が大きなものを用いることが考えられる。
しかし、搬送ローラの径を大きくすると、搬送ローラの設置に必要なスペースが広くなり、装置の大型化に繋がる問題が生じる。特に丁合装置10のように、搬送ローラ対を複数備える構成で、厚みが大きい用紙束が通過し得る搬送ローラ対の全ての搬送ローラの径を大きくすると、装置の大型化の問題はより顕著となる。
【0038】
図21では、二つの搬送ローラの両方が装置本体に対して移動可能で付勢手段によって付勢される可動ローラである場合について説明した。同様の問題は、二つの搬送ローラの一方が付勢手段によって付勢される可動ローラで、他方が装置本体に対して固定された固定ローラである場合についても生じ得る。
【0039】
図22は、二つの搬送ローラがともに可動ローラである縦搬送ローラ対1で、用紙束厚Btに応じて必要なローラ径φの大きさを示した説明図である。
図23は、二つのローラの一方が可動ローラで他方が固定ローラである排出ローラ対38で、用紙束厚Btに応じて必要なローラ径φの大きさを示した説明図である。
【0040】
搬送ローラ対では、搬送中の用紙束Pbの先端が最初に接触するローラ表面とローラの中心軸とを結んだ仮想線と、用紙束Pbの搬送方向(
図22中の矢印「β」方向、
図23中の矢印「γ」方向)に平行な仮想線との角度(以下、「接触位置角度」と呼ぶ)が大きいほど、搬送が安定する。これは、接触位置角度が大きいほどローラ対を押し広げる力が作用し易くなるためと考えられる。
【0041】
図22(a)は、縦搬送ローラ対1を通過しようとする用紙束Pbの厚さがBt1(Bt1=12[mm])であるときの説明図であり、
図22(b)は、用紙束Pbの厚さがBt2(Bt2=30[mm])であるときの説明図である。
図22(a)に示す二つの縦搬送ローラ11の直径は、「φ1=50.3[mm]」であり、接触位置角度は、「θ1=49.6[°]」である。
図22(b)に示すように、用紙束Pbの厚さを「Bt1」よりも厚い「Bt2」としたときに、同様の搬送安定性を得るために接触位置角度「θ1」を一致させようとすると、縦搬送ローラ11の直径が「φ2=125.8[mm]」となる。これにより、二つの搬送ローラの直径が大きくなり、装置全体の大型化に繋がる。
【0042】
図23(a)は、排出ローラ対38を通過しようとする用紙束Pbの厚さがBt1(Bt1=12[mm])であるときの説明図であり、
図23(b)は、用紙束Pbの厚さがBt2(Bt2=30[mm])であるときの説明図である。
図23(a)に示す排出ローラ対38を構成する二つの排出ローラのうち、排出上ローラ38aは回転中心が上下方向に移動可能な可動ローラであり、排出下ローラ38bは回転中心の装置本体に対する位置が固定された固定ローラである。
【0043】
図23(a)に示す排出上ローラ38aの直径は、「φ3=50.3[mm]」であり、接触位置角度は、「θ2=34.9[°]」である。用紙束Pbの厚さを「Bt1」よりも厚い「Bt2」としたときに、同様の搬送安定性を得るために接触位置角度「θ2」を一致させようとすると、
図23(b)で示すように、縦搬送ローラ11の直径が「φ2=134.5[mm]」となり、排出上ローラ38aの直径が大きくなり、装置全体の大型化に繋がる。
【0044】
このような問題に対して、本実施形態1の丁合装置10の丁合搬送機構24は、次のような構成を備える。すなわち、搬送路部材対である縦搬送ローラ対1に対して搬送方向上流側の所定位置における被搬送体である用紙束Pbの厚さに応じて、搬送路部材である縦搬送ローラ11同士の距離を変更する部材間距離変更手段を備える。
【0045】
図5は、丁合搬送機構24の一部の模式図であって、部材間距離変更手段によって縦搬送ローラ11同士の距離を変更する縦搬送ローラ対1に、厚みが大きい用紙束Pbが搬送されたときの説明図である。
図5に示す丁合搬送機構24では、縦搬送ローラ対1のニップ部よりも上流側の所定位置「PL」における用紙束Pbの厚さに応じて縦搬送ローラ11同士の距離を広げる。これにより、用紙束Pbの先端が縦搬送ローラ対1との接触位置に到達する前に、縦搬送ローラ11同士の間に隙間を形成した状態となる。
この状態で、縦搬送ローラ11同士の間に向かって厚みが大きい用紙束Pbが搬送されてくると、
図21(b)のように二つの縦搬送ローラ11の最近接位置から離れた位置の縦搬送ローラ11の表面ではなく、
図21(a)と同様に二つの縦搬送ローラ11の最近接位置に近い位置の縦搬送ローラ11の表面に、用紙束Pbの先端が接触する。これにより、
図21(a)と同様に、搬送直交方向の分力「F1」が大きくなり、付勢力「Fs」に抗して二つの縦搬送ローラ11同士の間隔を押し広げ易く、良好な搬送性を実現できる。
【0046】
所定位置「PL」における用紙束Pbの厚さに応じて縦搬送ローラ11同士の距離を広げる構成としては、所定位置「PL」における用紙束Pbの厚さの変化と同時に縦搬送ローラ11同士の距離を広げる構成でも良いし、任意の期間内の所定位置「PL」における用紙束Pbの厚さの変化を検出して検出結果に応じて縦搬送ローラ11同士の距離を広げる構成でも良い。
【0047】
実施形態1の丁合搬送機構24は、所定位置「PL」で用紙束Pbを挟持する挟持部材対(上流側の縦搬送ローラ対)を備え、所定位置「PL」に用紙束Pbが到達したときの挟持部材が移動する力を、機械的な伝達機構によって伝達し、縦搬送ローラ11同士の距離を広げる構成である。この構成では、所定位置「PL」における用紙束Pbの厚さの変化と同時に縦搬送ローラ11同士の距離を広げる力を伝達するため、所定位置「PL」に到達した用紙束Pbの先端が縦搬送ローラ対1に到達する前に、用紙束Pbの後端が所定位置「PL」を通過すると、縦搬送ローラ11同士の距離を広げる力が作用しなくなり、縦搬送ローラ11同士の隙間が閉じてしまう。このため、所定位置「PL」から縦搬送ローラ対1までの距離は、搬送し得る最短の用紙束Pbの搬送方向の長さよりも短くすることが望ましい。
【0048】
また、後述する変形例の搬送機構21は、所定位置「PL」にセンサを配置し、このセンサによって用紙束Pbの厚みを検出して、センサの検出結果に基づいて駆動源(ソレノイド等)によって縦搬送ローラ対1の少なくとも一方の縦搬送ローラ11を移動させて、縦搬送ローラ11同士を離間させる構成である。センサと駆動源とを用いた構成では、所定位置「PL」における用紙束Pbの厚さの変化と同時に縦搬送ローラ11同士の距離を広げる構成とすることもできるし、任意の期間内の所定位置「PL」における用紙束Pbの厚さの変化を検出して検出結果に応じて縦搬送ローラ11同士の距離を広げる構成とすることもできる。後者の構成であれば、所定位置「PL」から縦搬送ローラ対1までの距離が、搬送する用紙束Pbの搬送方向の長さよりも長くても、縦搬送ローラ11同士の距離を予め広げておく構成を実現できる。
【0049】
図5の丁合搬送機構24では、薄い用紙束Pbが搬送されてくるときには、縦搬送ローラ11同士の距離を狭め、縦搬送ローラ11同士が接触した状態となり、縦搬送ローラ対1で用紙束Pbを挟持できる。
よって
図5の丁合搬送機構24では、多様な厚みの用紙束Pbの搬送が可能となる。
【0050】
次に、
図5で模式的に示した丁合搬送機構24の具体的な構成について説明する。
図6は、筐体12の二つのフレーム(12Aまたは12B)の一方の内部の駆動伝達機構と縦搬送ローラ対1の保持機構との斜視説明図である。
図6に示すように筐体12は枠フレーム121と側板フレーム120とを備える。
【0051】
図7は、丁合搬送機構24が有する十の縦搬送ローラ対1のうち、搬送方向において連続して配置された二つの縦搬送ローラ対1とこれの保持機構との拡大説明図ある。
【0052】
図7では、二つの縦搬送ローラ対1のうち、下流側に位置する下流側縦搬送ローラ対1aに係る各部材については、符号の数字の後に「a」を付している。また、二つの縦搬送ローラ対1のうち、上流側に位置する上流側縦搬送ローラ対1bに係る各部材については、符号の数字の後に「b」を付している。
以下、上流側と下流側とで共通する構成を説明する場合には、「a」及び「b」を省略して説明する。
【0053】
図7に示す丁合搬送機構24では、下流側縦搬送ローラ対1aに対して搬送方向上流側の所定位置である上流側縦搬送ローラ対1bのニップ部における用紙束Pbの厚さに応じて下流側縦搬送ローラ11a同士の距離を変更する構成である。より具体的には、通過する用紙束Pbが厚いほど間隔が広くなる上流側縦搬送ローラ11bの移動量に応じて、用紙束Pbが到達する前の下流側縦搬送ローラ11aの間隔を広げる構成を備える。
【0054】
図7に示すように、丁合搬送機構24は、縦搬送回転軸111(111a、111b)を中心に縦搬送ローラ11(11a、11b)を回転可能に保持する縦搬送ローラホルダ5(5a、5b)を備える。縦搬送ローラホルダ5は、側板フレーム120に固定された保持部材回動軸6を中心に装置本体に対して回動可能に支持されている。それぞれの縦搬送ローラホルダ5には、移動力出力ピン52(52a、52b)と、移動力入力ピン51(51a、51b)とが固定されている。
【0055】
丁合搬送機構24は、縦搬送ローラホルダ5における保持部材回動軸6を挟んで中央側に一端が固定され、他端がバネ保持フレーム13に固定されたローラ付勢バネ4を備える。バネ保持フレーム13は側板フレーム120に固定されている。
また、丁合搬送機構24は、上流側の縦搬送ローラホルダ5の移動力を下流側の縦搬送ローラホルダ5に伝達するリンク部材9(9a、9b)を備える。それぞれのリンク部材9は、上流側の縦搬送ローラホルダ5の移動力出力ピン52と係合する丸穴92(92a、92b)と、下流側の縦搬送ローラホルダ5の移動力入力ピン51(51a、51b)と係合する長孔91(91a、91b)とを有する。
【0056】
ローラ付勢バネ4はバネ保持フレーム13の中央側を
図7中の矢印「Fs」で示すように上方に引き上げる付勢力を作用させる引っ張りバネである。この付勢力によってバネ保持フレーム13の中央側に保持された縦搬送ローラ11が中央側に向かうように付勢され、縦搬送ローラ対1を構成する二つの縦搬送ローラ11が互いに当接し、ニップ部を形成する。
【0057】
丁合装置10の稼働時には、搬送駆動モータが回転駆動を出力し、駆動出力ベルト110(歯付ベルト)が無端移動する。駆動出力ベルト110に入力した回転駆動は、歯付プーリや歯付ベルトを介して、それぞれの縦搬送ローラ11に対応した搬送ローラ駆動入力プーリ17(歯付プーリ)に回転駆動を入力する。搬送ローラ駆動入力プーリ17の回転駆動は搬送ローラ駆動入力ベルト19(歯付ベルト)を介して保持部材回動軸6を中心に回転可能な保持部材軸プーリ(歯付プーリ)に入力される。さらに、保持部材軸プーリの回転駆動は、無端移動する歯付ベルトを介して縦搬送ローラ11に固定された搬送ローラ駆動入力ギヤに入力される。
このような機構により、全ての縦搬送ローラ11が回転駆動し、一対の縦搬送ローラ11によって構成されるそれぞれの縦搬送ローラ対1で、ニップ部に到達した用紙Pまたは用紙束Pbに対して搬送力を付与することができる。
【0058】
本実施形態の丁合装置10では、縦搬送ローラ11として直径が「50[mm]」のものを用い、30[mm]の厚さまでの用紙束Pbを搬送可能とする仕様であるが、丁合装置10の仕様はこれに限るものではない。
【0059】
次に、
図7に示す上流側縦搬送ローラ対1bのニップ部に用紙束Pbが到達したときの下流側縦搬送ローラ対1aの挙動について説明する。以下の説明で用いる
図8~
図14では、
図7に示したバネ保持フレーム13、ローラ付勢バネ4及び丸穴92の図示を省略する。
【0060】
図8は、二つの縦搬送ローラ対1の通紙前の説明図である。
図8に示す状態では全てのローラ対が閉じた状態となる。上流側リンク部材9bの上流側長孔91bは、下流側縦搬送ローラホルダ5aの下流側移動入力ピン51aと係合している。
図8に示す状態では、上流側長孔91bに対する下流側移動入力ピン51aの位置は、上流側長孔91bの長手方向の略中央部となっている。
【0061】
このため、
図8に示す状態から上流側リンク部材9bが移動し始めると、上流側長孔91bの長手方向における下流側移動入力ピン51aの位置が変位する。上流側長孔91bに対する下流側移動入力ピン51aの位置が変位している間は、上流側リンク部材9bの移動する力は下流側縦搬送ローラホルダ5aに伝達されない。
そして、上流側長孔91bにおける下流側移動入力ピン51aの位置が、長手方向の端部に到達し、さらに、上流側リンク部材9bが移動し続けることで、上流側リンク部材9bの移動する力が下流側縦搬送ローラホルダ5aに伝達される。
【0062】
図9は、比較的薄い用紙束Pb(本例では用紙束厚Bt=10[mm]、以下、「薄紙束Pb1」)の先端が下流側縦搬送ローラ対1aのニップ部に到達した状態を示す。
図8に示す状態から薄紙束Pb1が搬送され、上流側縦搬送ローラ対1bのニップ部に到達すると、薄紙束Pb1が二つの上流側縦搬送ローラ11bを押し広げてニップ部を通過する。これにより、上流側縦搬送ローラホルダ5bが、上流側ローラ付勢バネ4bの付勢力に抗して上流側保持部材回動軸6bを中心に上流側縦搬送ローラ11bが下方に向かう方向(
図9中の矢印「A」方向)に回転する。この回転により、上流側保持部材回動軸6bを挟んで上流側縦搬送ローラ11bとは反対側の上流側縦搬送ローラホルダ5bに固定された上流側移動力出力ピン52bが上方に移動する。そして、この上流側移動力出力ピン52bと上流側丸穴92bで係合する上流側リンク部材9bが
図9中の矢印「B」に示すように上方に移動する。
【0063】
図9に示す状態では、上流側リンク部材9bの移動によって、上流側長孔91bにおける下流側移動入力ピン51aの位置が変化するが、上流側長孔91bにおける長手方向の端部に到達していない。このため、下流側移動入力ピン51a及びこれが固定された下流側縦搬送ローラホルダ5aは移動せず、下流側縦搬送ローラ対1aの二つの下流側縦搬送ローラ11aは当接したままとなる。そして、
図9に示す状態からさらに薄紙束Pb1が搬送されると、薄紙束Pb1が二つの下流側縦搬送ローラ11aを押し広げてニップ部を通過する。
【0064】
図10は、比較的厚い用紙束Pb(本例では用紙束厚Bt=30[mm]、以下、「厚紙束Pb2」)の先端が上流側縦搬送ローラ対1bのニップ部に到達した状態の説明図である。
図10では、厚紙束Pb2が、二つの上流側縦搬送ローラ11bを押し広げる途中の状態であり、その隙間が15[mm]開いた状態である。
図10に示す状態では、
図9に示す状態よりも、上流側縦搬送ローラホルダ5bが
図10の矢印「A」方向にさらに回転し、上流側リンク部材9bが矢印「B」で示す上方にさらに移動した状態となる。
【0065】
このとき、上流側長孔91bにおける下流側移動入力ピン51aの位置が、長手方向の下端部に到達した状態となる。この状態から、さらに、上流側リンク部材9bが上方に移動すると、上流側長孔91bの下端部に到達した下流側移動入力ピン51aを引き上げる。
【0066】
図11は、厚紙束Pb2の先端が上流側縦搬送ローラ対1bのニップ部を通過し、厚紙束Pb2が上流側縦搬送ローラ対1bに挟持された状態の説明図である。
図11に示す状態では、上流側縦搬送ローラ対1bのローラ間が30[mm]開いた状態である。
【0067】
図10に示す状態から、厚紙束Pb2が二つの上流側縦搬送ローラ11bを押し広げることで、上流側リンク部材9bが上方に移動し(
図11中の矢印「B」)、下流側移動入力ピン51aを引き上げる(
図11中の矢印「C」)。これにより、下流側移動入力ピン51aを有する下流側縦搬送ローラホルダ5aが、下流側ローラ付勢バネ4aの付勢力に抗して下流側保持部材回動軸6aを中心に
図11中の矢印「D」方向に回転する。この回転によって、二つの下流側縦搬送ローラホルダ5aのそれぞれに保持された二つの下流側縦搬送ローラ11aが離間する。そして、
図11に示すように、上流側縦搬送ローラ対1bのローラ間が30[mm]開くと、下流側縦搬送ローラ対1aのローラ間が15[mm]開いた状態となる。
【0068】
図12は、厚紙束Pb2の先端が下流側縦搬送ローラ対1aのニップ部に到達した状態の説明図である。
図12に示す状態では、下流側縦搬送ローラ対1aのローラ間の隙間は15[mm]であるため、厚さが30[mm]の厚紙束Pb2がさらに搬送されると、二つの下流側縦搬送ローラ11aを押し広げる。これにより、下流側縦搬送ローラホルダ5aが
図12中の矢印「E」で示す方向に回転し、下流側縦搬送ローラホルダ5aの下流側移動入力ピン51aが
図12中の矢印「G」で示すように上方に移動する。
【0069】
図13は、厚紙束Pb2の先端が下流側縦搬送ローラ対1aのニップ部を通過した状態の説明図である。厚紙束Pb2に押し広げられた下流側縦搬送ローラ対1aのローラ間の隙間は、厚紙束Pb2の厚さの30[mm]となる。また、上流側長孔91bにおける下流側移動入力ピン51aの位置は、下端部よりも少し中央部側となる。
【0070】
図14は、厚紙束Pb2の後端が上流側縦搬送ローラ対1bのニップ部を通過した状態の説明図である。厚紙束Pb2の後端が通過すると、上流側ローラ付勢バネ4bの付勢力によって上流側縦搬送ローラホルダ5bが
図14中の矢印「H」方向に回転し、二つの上流側縦搬送ローラ11bが互いに当接する。
この上流側縦搬送ローラホルダ5bの回転によって、上流側移動力出力ピン52bと上流側リンク部材9bとは、
図14中の矢印「I」で示すように下方に移動する。このとき、上流側長孔91bにおける下流側移動入力ピン51aの位置が下端部側から上端部側に移動し、上流側リンク部材9bの移動する力は下流側移動入力ピン51aに作用しない。
【0071】
このように、長孔を用いて係合する構成によって、下流側縦搬送ローラ対1aで用紙束Pbを挟持した状態であっても、上流側縦搬送ローラ対1bのローラ同士の隙間を閉じることができる。これにより、上流側縦搬送ローラ対1bは次の用紙束Pbを受け入れることが可能となり、連続して搬送する用紙束Pb同士の間隔を狭めることができ、生産性の向上を図ることができる。
【0072】
図9乃至
図14を用いた説明では、便宜的に、上流側縦搬送ローラ対1bと下流側縦搬送ローラ対1aとでニップ部を通過する用紙束Pbの厚みを同じ状態として説明した。丁合装置10では、下流側の縦搬送ローラ対1ほどニップ部を通過する用紙束Pbの厚みは大きくなる。
【0073】
一例として、用紙束Pbの厚みが20[mm]以下であれば、当接した二つの縦搬送ローラ11を用紙束Pbが押し広げて通過できる場合について説明する。上流側縦搬送ローラ対1bのニップ部を20[mm]の用紙束Pbが通過し、下流側縦搬送ローラ対1aに到達するまでに給紙部14から供給された複数枚の用紙Pが合流し、用紙束Pbの厚みが24[mm]になったとする。このとき、下流側縦搬送ローラ対1aの二つの下流側縦搬送ローラ11aが当接したままであると、用紙束Pbは二つのローラを押し広げることができず、詰まりが生じる。これに対して、
図9乃至
図14を用いて説明した構成では、上流側縦搬送ローラ対1bが20[mm]の用紙束Pbを挟持して、ローラ同士が20[mm]離れていると、下流側縦搬送ローラ対1aのローラ間が5[mm]開いた状態となる。これにより、下流側縦搬送ローラ対1aでは25[mm]まで搬送が可能となり、用紙Pが合流することで24[mm]となった用紙束Pbを搬送することが可能となる。
【0074】
図9乃至
図14を用いて説明した構成では、上流側縦搬送ローラ対1bのローラ同士の距離(以下、「開き量」ともいう)が15[mm]以下の場合は、下流側縦搬送ローラ対1aのローラ同士の隙間は開かない(開き量は「0」)。そして、上流側縦搬送ローラ対1bの開き量が15[mm]を超えると下流側縦搬送ローラ対1aが開き始める構成である。また、上流側縦搬送ローラ対1bの開き量が30[mm]に対して下流側縦搬送ローラ対1aの開き量が15[mm]となる関係である。
このような下流側が開き始める上流側の開き量や、上流側の開き量に対する下流側の開き量の関係は、上述の関係に限るものではない。
これらの関係は、保持部材回動軸6から縦搬送回転軸111、移動力入力ピン51及び移動力出力ピン52までの距離や、長孔91の長さを適宜選択することで、所望の関係に設定することができる。
【0075】
図7及び
図8等に示すように、下流側縦搬送ローラ対1aのローラ同士が当接している状態では、二つの保持部材の回転軸同士を結んだ仮想線分(二つの下流側保持部材回動軸6aを結んだ仮想線分)と、丁合搬送路25との交点よりも搬送方向下流側に下流側縦搬送ローラ対1aのニップ部が位置する構成である。このような構成では、下流側縦搬送ローラ11aが用紙束Pbの搬送方向下流側に移動すると、二つの下流側縦搬送ローラ11aが離間するように下流側縦搬送ローラホルダ5aが回転する。
これにより、搬送されてきた用紙束Pbが下流側縦搬送ローラ11aに突き当たる力によって、二つの下流側縦搬送ローラ11aを離間させる方向に下流側縦搬送ローラホルダ5aを回転させることが可能となる。このため、ニップ部で用紙束Pbが下流側縦搬送ローラ11aに突き当たる力が、二つの下流側縦搬送ローラ11aを離間させるように作用し易くなる。
【0076】
図7~
図14では、同様の形状の縦搬送ローラホルダ5を備える保持機構と、これに保持される縦搬送ローラ対1との組み合わせとして、搬送方向において連続して配置された二組について説明した。実施形態1の丁合装置10は、
図6に示すように、同様の形状の縦搬送ローラホルダ5を備える保持機構と、これに保持される縦搬送ローラ対1との組み合わせを四組備える。
【0077】
同様の形状の縦搬送ローラホルダ5を備える保持機構を搬送方向に三つ以上備える場合、三つのうちの搬送方向最上流側の縦搬送ローラホルダ5は、移動部材としての移動ローラ部材である縦搬送ローラ11を保持する移動ローラ保持回動部材の機能を少なくとも備える。また、搬送方向の真ん中の縦搬送ローラホルダ5は、移動ローラ保持回動部材とローラ保持回動部材との機能を備える。これは、真ん中の縦搬送ローラホルダ5が保持する縦搬送ローラ11は、移動部材としての移動ローラ部材であって、且つ、搬送路部材としてのローラ部材でもあるためである。さらに、搬送方向最下流側の縦搬送ローラホルダ5は、搬送路部材としてのローラ部材である縦搬送ローラ11を保持するローラ保持回動部材の機能を少なくとも備える。これにより、移動ローラ保持回動部材の機能を備える部材と、ローラ保持回動部材の機能を備える部材と、両方の機能を備える部材とに、共通の部材(縦搬送ローラホルダ5)を用いることができる。よって、複数の縦搬送ローラ対1のローラ部材同士を予め離間させる構成で、それぞれのローラ部材を保持する保持機構の部品の共通化を図ることができる。
【0078】
丁合搬送機構24では、丁合搬送路25の搬送方向下流側ほど用紙束Pbが厚くなるため、搬送方向下流側ほど縦搬送ローラ対1で用紙束Pbが詰まる不具合が生じ易い。
実施形態1は、十の縦搬送ローラ対1のうち、下流側の四つの縦搬送ローラ対1を、
図7~
図14を用いて説明した共通部材である縦搬送ローラホルダ5によって保持する構成である。この構成により、四つのうちの下流側の三つの縦搬送ローラ対1は、一つ上流側の縦搬送ローラ対1のローラ同士の離間量に応じて、予めローラ同士を離間させることができる。このため、下流側ほど厚くなる用紙束Pbが下流側の縦搬送ローラ対1で詰まることを防止できる。
実施形態1では、複数の縦搬送ローラ対1のうち、下流側の一部について
図7~
図14を用いて説明した縦搬送ローラホルダ5によって保持する構成であるが、全ての縦搬送ローラ対1を縦搬送ローラホルダ5によって保持する構成としてもよい。
【0079】
次に、排出搬送機構31の排出ローラ対38で、排出上ローラ38aを予め排出下ローラ38bから離間させる構成について説明する。
図15は、排出搬送機構31の斜視拡大図である。
図15では、詳細は後述する排出搬送手前フレーム39aまたは排出上ローラ移動手前リンク54aの何れかによって隠れる部分を便宜的に破線で示している。
折ローラ対34(
図2参照)を通過した用紙束Pbは、折後ガイド板35によって斜め下方に案内され、排出搬送ベルト36の上面に到達し、排出搬送ベルト36の無端移動によって搬送される。その後、排出ローラ対38に挟持され、装置外に排出される。排出搬送機構31は、排出搬送ベルト36、厚紙束検知ローラ55及び排出ローラ対38等によって排出搬送路33を形成する。
【0080】
排出搬送機構31は、装置本体の筐体の一部であって、各部材の幅方向両端部を保持する一対の排出搬送部フレーム39(排出搬送手前フレーム39a、排出搬送奥フレーム39b)を備える。また、折後ガイド板35、排出搬送ベルト36及び排出ローラ対38を備え、平ベルトである排出搬送ベルト36を張架するベルト駆動ローラ361とベルト従動ローラ362とを備える。ベルト駆動ローラ361及びベルト従動ローラ362は、それぞれベルト駆動軸361a及びベルト従動軸362aによって排出搬送部フレーム39に対して回転可能に支持されている。
【0081】
排出搬送ベルト36の上方には、排出搬送路33に所定厚以上の厚さの用紙束Pbが搬送されてくると上方に移動する厚紙束検知ローラ55を備える。厚紙束検知ローラ55は、検知ローラ軸55aを保持する検知ローラ保持レバー53(検知ローラ手前保持レバー53a、検知ローラ奥保持レバー53b)に、回転可能に保持されている。検知ローラ保持レバー53は、検知ローラ移動軸71(検知ローラ手前移動軸71a、検知ローラ奥移動軸71b)を中心に回動可能に排出搬送部フレーム39に支持されている。検知ローラ保持レバー53は検知ローラ移動軸71を挟んで検知ローラ軸55aの反対側(搬送方向上流側)に、係合軸72(手前係合軸72a、奥係合軸72b)を備える。係合軸72は、検知ローラ保持レバー53と排出上ローラ移動リンク54(排出上ローラ移動手前リンク54a、排出上ローラ移動奥リンク54b)とを互いに回動可能に係合する。
【0082】
排出上ローラ移動リンク54は、リンク回動軸56を中心に回動可能に排出搬送部フレーム39に支持されている。リンク回動軸56は排出搬送部フレーム39から幅方向外側に突き出したフレーム突出部58に設けられている。これにより、幅方向における排出搬送部フレーム39と排出上ローラ移動リンク54との間に、フレーム突出部58の突出高さ分の隙間を確保でき、この隙間に、検知ローラ保持レバー53を回動可能に配置している。
【0083】
排出上ローラ移動リンク54は、リンク回動軸56を挟んで係合軸72の反対側(搬送方向下流側)に、排出上ローラ押上ピン59を備える。
排出上ローラ押上ピン59の上方には、排出上ローラ回転軸381aを中心に排出上ローラ38aを回転可能に保持し、排出上ローラ移動軸66aを中心に排出搬送部フレーム39に対して回動可能に保持された排出上ローラホルダ70を備える。排出上ローラホルダ70は、排出上ローラ移動軸66aを挟んで排出上ローラ回転軸381aの側(搬送方向下流側)に、排出上ローラ付勢バネ64の一端が固定されている。排出上ローラ付勢バネ64の他端は排出搬送部フレーム39に固定されている。これにより、排出上ローラ付勢バネ64の付勢力によって、排出上ローラホルダ70の排出上ローラ移動軸66aを挟んで排出上ローラ回転軸381a側が下方に付勢され、排出上ローラ38aが排出下ローラ38bに当接して排出ニップ部を形成する。
【0084】
図15に示す排出搬送機構31は、所定の厚さを超える厚さの用紙束Pbが排出搬送ベルト36と厚紙束検知ローラ55との対向位置を通過すると、厚紙束検知ローラ55が上方に移動し、排出上ローラ38aも上方に移動する構成となっている。
【0085】
図16は、厚みが所定の厚さ(1.5[mm])以下の用紙束Pbが搬送されてきた状態の排出搬送機構31の側面図である。排出搬送ベルト36の上面と厚紙束検知ローラ55の表面の下端部との距離は、所定の厚さに設定されている。このため、用紙束Pbが所定の厚さ以下の場合には、厚紙束検知ローラ55は移動せず、排出上ローラ38aは排出下ローラ38bに当接したままとなる。そして、
図16に示す状態から用紙束Pbが搬送されると、用紙束Pbの先端が排出ローラ対38に到達し、用紙束Pbが排出上ローラ付勢バネ64の付勢力に抗して排出上ローラ38aを押し上げて排出ニップ部を通過する。
【0086】
図17は、厚みが所定の厚さ(1.5[mm])を超える用紙束Pbが搬送されてきた状態の排出搬送機構31の側面図である。
図18は、
図17に示す状態から用紙束Pbが搬送され、用紙束Pbの先端が排出ローラ対38の排出ニップ部を通過した状態の排出搬送機構31の側面図である。
【0087】
所定の厚さを超える用紙束Pbが、排出搬送ベルト36によって搬送されると、用紙束Pbが、排出搬送ベルト36と厚紙束検知ローラ55との隙間を押し広げるため、厚紙束検知ローラ55が上方に移動する。これにより、厚紙束検知ローラ55を保持する検知ローラ保持レバー53が検知ローラ移動軸71を中心に
図17中の矢印「J」方向に回転し、検知ローラ保持レバー53に対する位置が固定された係合軸72が下方に移動する。
【0088】
係合軸72が下方に移動すると、検知ローラ保持レバー53と係合軸72を介して係合する排出上ローラ移動リンク54がリンク回動軸56を中心に
図17中の矢印「K」方向に回転する。この回転によって、排出上ローラ移動リンク54に固定された排出上ローラ押上ピン59が上方に移動する。
【0089】
排出上ローラ押上ピン59が上方に移動すると、排出上ローラホルダ70の下部に突き当たって押し上げ、排出上ローラホルダ70が排出上ローラ移動軸66aを中心に
図17中の矢印「L」方向に回転する。この回転によって排出上ローラホルダ70に保持された排出上ローラ38aが排出上ローラ付勢バネ64の付勢力に抗して上方に移動し、
図17に示すように、排出上ローラ38aと排出下ローラ38bとの間に隙間が形成される。このときの隙間は、用紙束Pbによって押し広げられた、排出搬送ベルト36と厚紙束検知ローラ55との隙間よりも狭くなるように設定されている。
【0090】
図17に示す状態から用紙束Pbがさらに搬送されると、用紙束Pbの先端が排出ローラ対38に到達し、
図18に示すように、用紙束Pbが排出上ローラ38aをさらに押し上げて排出ニップ部を通過する。このとき、排出上ローラホルダ70が排出上ローラ移動軸66aを中心に
図18中の矢印「L」方向に回転し、排出上ローラ押上ピン59から離間する。
【0091】
図18に示す状態から用紙束Pbがさらに搬送されて、用紙束Pbの後端が厚紙束検知ローラ55との接触位置を通過すると、厚紙束検知ローラ55の自重によって、検知ローラ保持レバー53及び排出上ローラ移動リンク54が
図16に示す位置まで回転する。このとき、用紙束Pbは、排出ニップ部を通過中であるため、排出上ローラホルダ70は
図18に示す位置のままである。その後、用紙束Pbの後端が排出ニップ部を通過すると、排出上ローラ付勢バネ64の付勢力によって排出上ローラホルダ70が回転し、
図16に示す状態となる。
【0092】
排出搬送ベルト36への駆動は次のように伝達される。駆動源からの回転駆動が第一駆動入力ギヤ41に伝達され、第二駆動入力ギヤ43及び排出搬送駆動入力ベルト45(歯付ベルト)を介して、ベルト駆動ローラ361に固定されたベルト駆動ギヤ47に伝達され、ベルト駆動ローラ361が回転駆動する。これにより、ベルト駆動ローラ361とベルト従動ローラ362とによって張架された排出搬送ベルト36がベルト駆動ローラ361からとの間の摩擦駆動伝達によって無端移動するように駆動する。
【0093】
厚紙束検知ローラ55は、回転駆動して用紙束Pbに対して搬送方向下流側に移動する方向の搬送力を付与する。厚紙束検知ローラ55の回転駆動は次のように伝達される。ベルト駆動ギヤ47が回転駆動すると、ベルト駆動ギヤ47と、検知ローラ移動軸71を中心に回転可能な検知ローラ駆動伝達ギヤ49と、張架プーリ74(歯付プーリ)とによって張架された検知ローラ駆動伝達ベルト48(歯付ベルト)が無端移動する。この無端移動により、検知ローラ駆動伝達ギヤ49が回転し、検知ローラ駆動伝達ギヤ49とギヤの歯がかみ合った検知ローラ駆動入力ギヤ551が回転駆動する。検知ローラ駆動入力ギヤ551は、検知ローラ軸55aが回転軸で、厚紙束検知ローラ55に固定されているため、検知ローラ駆動入力ギヤ551が回転駆動することで、厚紙束検知ローラ55に回転駆動が入力される。
【0094】
排出ローラ対38には、排出駆動源から排出駆動入力軸60を介して回転駆動が伝達される。排出駆動入力軸60が回転駆動すると、排出駆動入力ギヤ61が回転し、排出駆動入力ギヤ61との間で排出駆動入力ベルト62(歯付ベルト)を張架する排出下ローラ駆動ギヤ63が回転駆動する。排出下ローラ駆動ギヤ63は、排出下ローラ回転軸381bが回転軸であり、排出下ローラ38bに固定されているため、排出下ローラ駆動ギヤ63が回転駆動することで、排出下ローラ38bに回転駆動が入力される。
【0095】
排出下ローラ駆動ギヤ63が回転駆動すると、排出下ローラ駆動ギヤ63との間で排出上ローラ駆動入力ベルト65(歯付ベルト)を張架する排出上ローラ駆動伝達ギヤ66が排出上ローラ移動軸66aを中心に回転駆動する。そして、排出上ローラ駆動伝達ギヤ66と歯がかみ合う排出上ローラ駆動ギヤ67が回転駆動する。排出上ローラ駆動ギヤ67は、排出上ローラ回転軸381aが回転軸であり、排出上ローラ38aに固定されているため、排出上ローラ駆動ギヤ67が回転駆動することで、排出上ローラ38aに回転駆動が入力される。
【0096】
<変形例>
上述した実施形態1の丁合装置10では、搬送ローラ対の上流側の移動部材(上流側縦搬送ローラ11b、厚紙束検知ローラ55)の移動を、機械的な伝達機構によって伝達し、搬送ローラ対を離間させる構成である。具体的には、丁合搬送機構24では、上流側縦搬送ローラホルダ5b、上流側リンク部材9b及び下流側縦搬送ローラホルダ5a等から構成されるリンク機構が部材間距離変更手段としての機能を有する。また、排出搬送機構31では、検知ローラ保持レバー53、排出上ローラ移動リンク54及び排出上ローラホルダ70等から構成されるリンク機構が部材間距離変更手段としての機能を有する。
搬送ローラ対を予め離間させる構成としては、これに限るものではない。以下、変形例として、センサによって用紙束Pbの厚みを検出し、その検出結果に基づいて搬送ローラ対を離間させる構成について説明する。
【0097】
図19は、変形例の搬送機構21の概略説明図である。
図4に示した実施形態1の丁合装置の搬送機構21に対してセンサ(81、101)とソレノイド(82、102)とを追加した構成である。そして、追加した部材以外は
図4に示す搬送機構21と共通するため、共通する符号は便宜的に図示を省略している。
【0098】
図19に示す変形例の搬送機構21は、下流側に他の縦搬送ローラ対1が配置された縦搬送ローラ対1を構成するローラの移動量を検出するローラ移動量センサ101を備える。また、上流側に他の縦搬送ローラ対1が配置された縦搬送ローラ対1を構成するローラを移動させるローラ移動ソレノイド102を備える。
制御部50(
図2参照)は、ローラ移動量センサ101の検出結果に基づいて、移動量を検出した縦搬送ローラ対1よりも下流側に位置する縦搬送ローラ対1のローラ移動ソレノイド102の駆動を制御する。
これにより、上流側の縦搬送ローラ対1のニップ部における用紙束Pbの厚さに応じて、下流側の縦搬送ローラ対1のローラ同士の距離を変更する構成を実現できる。
【0099】
変形例のようにローラ移動量センサ101の検出結果に応じて、ローラ移動ソレノイド102を制御する構成である。この構成では、制御部50によるローラ移動ソレノイド102の駆動条件を変更することで、上流側の縦搬送ローラ対1のニップ部の開き量に対する下流側の縦搬送ローラ対1のニップ部の開き量を容易に変更することができる。このため、温湿度等の丁合装置10の使用環境や用紙束Pbを形成する用紙の紙質等の条件に応じて、用紙束Pbの厚みに対する下流側の縦搬送ローラ対1の開き量を設定することが可能となる。
【0100】
また、上流側の縦搬送ローラ対1のニップ部における用紙束Pbの厚さに応じて、部材同士の距離を変更するものとしては、縦搬送ローラ対1等のローラ対に限るものではない。例えば、縦搬送ガイド対2のように搬送路を形成する搬送路形成部材で、丁合搬送路25を挟んで対向する部材同士の距離を変更してもよい。
変形例の搬送機構21では、上流側に縦搬送ローラ対1が配置された縦搬送ガイド対2を構成するガイド板を移動させるガイド移動ソレノイド82を備える。
【0101】
変形例の制御部50は、ローラ移動量センサ101の検出結果に基づいて、移動量を検出した縦搬送ローラ対1よりも下流側に位置する縦搬送ガイド対2のガイド移動ソレノイド82の駆動も制御する。具体的には、上流側の縦搬送ローラ対1を通過する用紙束Pbが薄いときには縦搬送ガイド対2におけるガイド板同士の間隔を狭くし、用紙束Pbが厚いときにはガイド板同士の間隔を広くするように制御する。これにより、様々な厚みの用紙束Pbに対して、用紙束Pbの表面とガイド板の表面とが離れることを防止し、用紙束Pbをガイド板に沿わせることができ、搬送安定性の向上を図ることができる。
【0102】
また、
図19に示すように、変形例の搬送機構21は、横搬送ローラ対8の上側のローラの移動量を検出することで、給紙する用紙Pの厚みを検出する給紙用紙厚検出センサ81を備える。
変形例の搬送機構21では、それぞれの縦搬送ローラ対1に対して上流側に位置する全ての横搬送ローラ対8の給紙用紙厚検出センサ81で検出するそれぞれの用紙Pの厚みを合計した値を算出することができる。そして、算出した合計値に基づいて縦搬送ローラ対1のローラ同士の離間量を調節するように、制御部50がローラ移動ソレノイド102の駆動を制御する構成としてもよい。
【0103】
本変形例では、被搬送体である用紙束Pbの厚みを検出するセンサが、用紙束Pbを挟持したローラの移動量によって厚みを検出するものである。厚みを検出する検出手段としてはこれに限るものではない。ローラ以外の接触子を用いる他の接触型のセンサでもよいし、レーザーや超音波を利用した非接触型のセンサでもよい。
【0104】
<実施形態2>
以下、二つ目の実施形態(以下、「実施形態2」と呼ぶ)として、本発明に係る搬送装置の構成を備えた媒体処理装置の一実施形態について説明する。
図20は、実施形態2に係る媒体処理装置300の模式図である。媒体処理装置300は、供給トレイ301に載置された板状媒体Sの束のうち最上の一枚をピックアップローラ302によって装置内に取り込む。装置内に取り込まれた板状媒体Sは、第一搬送ローラ対303、第二搬送ローラ対304及び第三搬送ローラ対305を介して媒体処理部306に到達する。媒体処理部306で所定の処理が施された板状媒体Sは媒体排出ローラ対307によって装置外に排出され、排出トレイ308の上に積載される。
媒体処理部306で実行される所定の処理としては、印刷処理、コーティング処理、綴じ処理及び裁断処理等を挙げることができるが、これらに限るものではない。
【0105】
三つの搬送ローラ対(303~305)は、上ローラと下ローラとを有する。それぞれの上ローラが上下方向へ移動可能で、付勢手段によって下ローラに当接するように下方に付勢されている。
【0106】
図20に示すように、三つの搬送ローラ対(303~305)のうち、最上流側に位置する第一搬送ローラ対303の上ローラは、他のローラに比べて、径が大きいローラとなっている。ローラ対を形成するローラとして径が大きなローラを用いることで、予め隙間を形成しなくてもある程度の厚みのあるものを挟持搬送することができ、ニップ部を形成しつつ搬送できる厚みの範囲を広く設定できる。
【0107】
第二搬送ローラ対304は、これよりも上流側の第一搬送ローラ対303の上ローラの移動量に応じて上ローラが移動し、ローラ同士が離間する構成となっている。また、第三搬送ローラ対305は、これよりも上流側の第二搬送ローラ対304の上ローラの移動量に応じて上ローラが移動し、ローラ同士が離間する構成となっている。
ローラ対のローラ同士を離間させる構成としては、実施形態1で上述した機械的な伝達機構を用いた構成と、変形例で上述した検出手段と駆動機構とを用いた構成との何れも用いることができる。
上流側のローラ対のローラ同士の離間量に応じて、下流側のローラ対を予め離間させておくことにより、下流側のローラ対のローラ径を大きくしなくても、厚みのある板状媒体Sを搬送することが可能となる。
【0108】
上流側のローラ対の離間量に応じて、距離を変更する搬送路部材対としては、搬送ローラ対に限るものではない。
例えば、媒体処理部306が転写印刷処理を行う場合は、転写部を形成する対向部材同士(転写ベルトと転写対向ローラ等)の距離を変更してもよい。これに限らず、板状媒体Sの厚みに応じて距離を変更することが望ましい搬送路部材対であれば、上流側のローラ対の離間量に応じて距離を変更する構成を適用することができる。
【0109】
本発明に係る板状の被搬送体について、実施形態1では用紙束Pbであり、実施形態2では板状媒体Sである。板状の被搬送体としては、紙、コート紙、OHPシート、ラベル紙、フィルム、布帛、樹脂製シート、金属製シート、金属箔やメッキ処理等を施した電子回路基板材、特殊フィルム、プラスチックフィルム、プリプレグ、電子回路基板用シート等を含み、複数枚を重ねた束状でも単枚でも良い。
【0110】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
【0111】
〔態様1〕
用紙束Pb等の板状の被搬送体が通過する丁合搬送路25や排出搬送路33等の搬送路を挟んで対向する二つ搬送路部材(二つの下流側縦搬送ローラ11aや排出上ローラ38a及び排出下ローラ38b等)を有する下流側縦搬送ローラ対1aや排出ローラ対38等の搬送路部材対を備える丁合搬送機構24や排出搬送機構31等の搬送装置において、搬送路部材対に対して搬送方向上流側の所定位置(上流側縦搬送ローラ対1bのニップ部や厚紙束検知ローラ55と排出搬送ベルトとの対向部等)における被搬送体の厚さに応じて、搬送路部材同士の距離を変更するリンク機構(「5b、9b及び5aを有するリンク機構」や53、54及び70を有するリンク機構)等の部材間距離変更手段を備えることを特徴とするものである。
この搬送装置によれば、所定位置での被搬送体の厚みに応じて、被搬送体が搬送路部材対に到達する前に、二つの搬送路部材同士の距離を変更することが可能となる。これにより、被搬送体が厚いときには、厚い被搬送体が搬送路部材対に到達する前に、二つの搬送路部材同士の距離を広げることが可能となり、搬送路部材対で被搬送体の詰まりが生じる等の搬送性が低下することを抑制できる。
【0112】
所定位置としては搬送装置の搬送路内に限らず、実施形態2の供給トレイ301のように搬送路の外部の被搬送体の収容部内であってもよい。
二つの搬送路部材としては、ローラ部材同士に限るものではない。例えば、ガイド部材同士や、ローラ部材とガイド部材との組み合わせ、少なくとも一方がベルト部材の組み合わせ、印刷装置における転写ニップ形成部材同士の組み合わせでもよい。
搬送路部材同士の距離を変更する構成としては、二つのうちの一方の搬送路部材を移動させる構成でもよいし、両方の搬送路部材を移動させる構成としてもよい。
【0113】
〔態様2〕
態様1に係る搬送装置において、搬送路部材対として、被搬送体を挟持し、表面移動する二つの下流側縦搬送ローラ11aや排出上ローラ38a及び排出下ローラ38b等の表面移動体からなる下流側縦搬送ローラ対1aや排出ローラ対38等の表面移動体対を備え、二つの表面移動体の一方が他方に向かうように付勢する下流側ローラ付勢バネ4aや排出上ローラ付勢バネ64等の付勢手段を備えることを特徴とするものである。
付勢手段によって付勢された表面移動体でニップ部を形成するものでは、ニップ部に搬送されてきた被搬送体が、ニップ部に対して上流側の表面移動体の表面に接触し、さらに搬送されることで、被搬送体によってニップ部が押し広げられる。このため、ある程度の厚さの被搬送体までは二つの表面移動体で挟持搬送することができる。しかし、被搬送体がある程度の厚さを超えると、表面移動体の表面に突き当たる状態となり、被搬送体がニップ部を押し広げる力が作用し難くなり、被搬送体が詰まってしまったり、搬送が遅れたりすることがある。
これに対して、態様2に係る搬送装置では、ある程度の厚さを超える被搬送体の搬送時には、被搬送体がニップ部に到達する前に、二つの表面移動体同士の距離を広げておくが可能となる。これにより、二つの表面移動体のニップ部で被搬送体の詰まりが生じる等の搬送性が低下することを抑制できる。
【0114】
〔態様3〕
態様2に係る搬送装置において、表面移動体は、縦搬送回転軸111や排出上ローラ回転軸381a等の回転軸を中心に回転する下流側縦搬送ローラ11aや排出上ローラ38a等のローラ部材であり、部材間距離変更手段は、ローラ部材を回転可能に保持し、装置本体に対して下流側保持部材回動軸6aや排出上ローラ移動軸66a等の回動軸を中心に回動可能に支持された下流側縦搬送ローラホルダ5aや排出上ローラホルダ70等のローラ保持回動部材と、ローラ保持回動部材に係合し、移動することでローラ保持回動部材を回動させるものであって、所定位置における被搬送体の厚さに応じて移動量が変動する上流側リンク部材9bや排出上ローラ移動リンク54等の移動力伝達部材と、を有することを特徴とするものである。
これによれば、移動力伝達部材によってローラ保持回動部材に移動力が伝達されるため、モータやソレノイド等の駆動源を設けることなく、搬送路部材であるローラ部材同士の距離を変更する構成を実現できる。
【0115】
〔態様4〕
態様3に係る搬送装置において、上流側リンク部材9b等の移動力伝達部材と下流側縦搬送ローラホルダ5a等のローラ保持回動部材との係合部は、一方の部材(上流側リンク部材9b等)に上流側長孔91b等の長孔を有し、他方の部材(下流側縦搬送ローラホルダ5a等)に長孔に係合する下流側移動入力ピン51a等の係合ピンを有することを特徴とするものである。
これによれば、係合ピンが長孔の端部に位置するまでは移動力伝達部材からローラ保持回動部材への移動力を伝達させず、係合ピンが長孔の端部に位置すると移動力を伝達させる構成を実現することができる。
詳しくは、移動力伝達部材の移動し始めは、係合ピンが長孔内で変位するだけで、ローラ保持回動部材は回動しない。そして、係合ピンが長孔の端部に到達するほどに移動力伝達部材が移動して、さらに移動すると、移動力伝達部材の移動力がローラ保持回動部材に伝達し、ローラ保持回動部材が回動し始め、ローラ部材同士が離間し始める。
【0116】
移動力伝達部材とローラ保持回動部材との係合部は、長孔を用いる構成に限らず、ピンと、丸穴との係合でもよい。ここで、実施形態1の構成の長孔の代わりに丸孔を用いると、上流側のニップ部が広がり始めると、下流側のニップ部も広がり始める。このとき、上流側と下流側とが同じだけ広がる構成だと、部品誤差や組付け誤差に起因して上流側のニップ部が開いたときに、ローラ部材同士の距離が、上流側のローラ対よりも下流側のローラ対の方が広くなるおそれがある。この場合、上流側のローラ対を通過した被搬送体が下流側のローラ対で保持できず、落下するおそれがある。これに対して、係合部に長孔を用いることで、上流側のローラ対に遅れて下流側のローラ対が広がり始める。これにより、上流側のローラ対が被搬送体を挟持しているときに、下流側のローラ対の方が上流側のローラ対よりもローラ同士の距離が広くなることを防止でき、上述した落下の不具合を防止できる。
【0117】
〔態様5〕
態様3または4に係る搬送装置において、表面移動体対の二つのローラ部材の最近接位置が、回動軸よりも搬送方向下流側に位置し、付勢手段は、ローラ部材が搬送方向上流側に向かう方向にローラ保持回動部材が回動するようにローラ保持回動部材を付勢することを特徴とするものである。
これによれば、被搬送体がローラ部材に接触して搬送方向下流側に向かう力がローラ部材に作用したときに、ローラ保持回動部材に対してローラ部材同士が離間する方向に回転する力を作用させることができる。よって、ローラ対を通過しようとする被搬送体の搬送方向への移動力がローラ部材同士を離間する力として作用し易くなり、ローラ対で被搬送体の詰まりが生じる等の搬送性が低下することを抑制できる。
【0118】
〔態様6〕
態様1乃至5の何れかの態様に係る搬送装置において、搬送路部材対として、被搬送体を搬送方向に案内する二つのガイド部材からなる縦搬送ガイド対2等のガイド部材対を備えることを特徴とするものである。
これによれば、様々な厚みの被搬送体に対して、被搬送体の表面とガイド部材の表面とが離れることを防止し、被搬送体をガイド板に沿わせることができ、搬送安定性の向上を図ることができる。
【0119】
〔態様7〕
態様1乃至6の何れかに係る搬送装置において、所定位置で被搬送体の厚さ方向に移動可能な上流側縦搬送ローラ11bや厚紙束検知ローラ55等の移動部材を備え、部材間距離変更手段は、被搬送体が前記移動部材に接触して移動部材が厚さ方向に移動した移動量に応じて、搬送路部材同士の距離を変更することを特徴とするものである。
これによれば、被搬送体の厚さに応じて移動部材の移動量が大きくなり、その移動量に応じて、搬送路部材同士の距離を変更することができる。このため、被搬送体の厚さを検出する厚さセンサを設けることなく、所定位置の被搬送体の厚さに応じて搬送路部材同士の距離を変更する構成を実現できる。
【0120】
〔態様8〕
態様7に係る搬送装置において、移動部材は、被搬送体を挟持し、被搬送体の厚みによって挟持幅が変化する上流側縦搬送ローラ対1b等の挟持部材対であり、部材間距離変更手段は、挟持幅に応じて搬送路部材同士の距離を変更することを特徴とするものである。
これによれば、挟持部材対の挟持幅の変化に応じて、挟持部材対よりも下流側に位置する搬送路部材同士の距離を変更する構成を実現できる。
【0121】
〔態様9〕
態様7または8に係る搬送装置において、移動部材は縦搬送回転軸111や検知ローラ軸55a等の移動部材回転軸を中心に回転する上流側縦搬送ローラ11bや厚紙束検知ローラ55等の移動ローラ部材であり、移動ローラ部材を回転可能に保持し、装置本体に対して上流側保持部材回動軸6bや検知ローラ移動軸71等の回動軸を中心に回動可能に支持された上流側縦搬送ローラホルダ5bや検知ローラ保持レバー53等の移動ローラ保持回動部材を備え、部材間距離変更手段は、移動ローラ保持回動部材の回動量に応じて、搬送路部材同士の距離を変更することを特徴とするものである。
これによれば、移動部材の移動量を検出するセンサや搬送路部材を移動させる駆動源を設けることなく、移動部材の移動量に応じて搬送路部材同士の距離を変更する構成を実現することができる。
【0122】
〔態様10〕
態様3乃至5の何れかの構成を備える態様9に係る搬送装置において、上流側リンク部材9bや排出上ローラ移動リンク54等の移動力伝達部材は、移動ローラ保持回動部材に係合し、移動ローラ保持回動部材の回動運動によって移動し、この移動によって下流側縦搬送ローラホルダ5aや排出上ローラホルダ70等のローラ保持回動部材を回動させることを特徴とするものである。
これによれば、移動力伝達部材によって移動ローラ保持回動部材の回動運動をローラ保持回動部材に伝達することができる。このため、移動部材の移動量を検出するセンサや搬送路部材を移動させる駆動源を設けることなく、移動部材の移動量に応じて搬送路部材であるローラ部材同士の距離を変更する構成を実現することができる。
【0123】
〔態様11〕
態様10に係る搬送装置において、下流側縦搬送ローラ11a等のローラ部材を保持する下流側縦搬送ローラホルダ5a等のローラ保持回動部材と、上流側縦搬送ローラ11b等の移動ローラ部材を保持する上流側縦搬送ローラホルダ5b等の移動ローラ保持回動部材と、は同形状の縦搬送ローラホルダ5等の回動部材であり、回動部材を搬送方向に三つ備え、当該三つの回動部材について、搬送方向最上流側の回動部材は移動ローラ保持回動部材の機能を備え、搬送方向の真ん中の回動部材は移動ローラ保持回動部材とローラ保持回動部材との機能を備え、搬送方向最下流側の回動部材はローラ保持回動部材の機能を備えることを特徴とするものである。
これによれば、複数対のローラ部材同士を予め離間させる構成で、それぞれのローラ部材を保持する保持機構の部品の共通化を図ることができる。
【0124】
〔態様12〕
態様10に係る搬送装置において、厚紙束検知ローラ55等の移動ローラ部材は、所定位置で排出搬送路33等の搬送路を挟んで対向する排出搬送ベルト36等の対向部材とは非接触であることを特徴とするものである。
これによれば、非接触の移動ローラ部材と対向部材との間の隙間よりも厚い被搬送体が搬送されてきたときに、排出上ローラ38a等の一方のローラ部材を排出下ローラ38b等の他方のローラ部材から予め離間させる構成を実現できる。
【0125】
〔態様13〕
態様1乃至6の何れかの態様に係る搬送装置において、所定位置における被搬送体の厚さを検出するローラ移動量センサ101や給紙用紙厚検出センサ81等の被搬送体厚検出手段と、被搬送体厚検出手段による検出結果に基づいてローラ移動ソレノイド102やガイド移動ソレノイド82等の部材間距離変更手段を制御する制御部50等の制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
これによれば、複雑な移動力伝達機構を設けることなく、所定位置の被搬送体の厚さに応じて搬送路部材同士の距離を変更する構成を実現できる。
【0126】
〔態様14〕
複数の給紙部14等の供給部から送り出される用紙P等の板状搬送物を丁合搬送路25等の丁合搬送路で搬送しながら互いに重ね合わせて用紙束Pb等の搬送物束を作成する丁合装置10等の丁合装置であって、丁合搬送路で板状搬送物を搬送する搬送手段として、態様1乃至13の何れか一項に係る記載の丁合搬送機構24等の搬送装置を備えることを特徴とするものである。
これによれば、搬送される被搬送体が厚くなっても、丁合搬送路での搬送性の低下を抑制できる。
【0127】
〔態様15〕
複数の給紙部14等の供給部から送り出される用紙P等の板状搬送物を丁合搬送路25等の丁合搬送路で搬送しながら互いに重ね合わせて用紙束Pb等の搬送物束を作成し、搬送物束を排出搬送路33等の排出搬送路で搬送し装置外に排出する丁合装置10等の丁合装置であって、排出搬送路で搬送物束を搬送する搬送手段として、態様1乃至13の何れかに係る排出搬送機構31等の搬送装置を備えることを特徴とするものである。
これによれば、排出搬送路に搬送されてきた被搬送体が厚くなっても、排出搬送路での搬送性の低下を抑制できる。
【符号の説明】
【0128】
1 :縦搬送ローラ対
1A :第一縦搬送ローラ対
1B :第二縦搬送ローラ対
1C :第三縦搬送ローラ対
1a :下流側縦搬送ローラ対
1b :上流側縦搬送ローラ対
2 :縦搬送ガイド対
2A :第一縦搬送ガイド対
3 :搬送方向変更ガイド板
4 :ローラ付勢バネ
4a :下流側ローラ付勢バネ
4b :上流側ローラ付勢バネ
5 :縦搬送ローラホルダ
5a :下流側縦搬送ローラホルダ
5b :上流側縦搬送ローラホルダ
6 :保持部材回動軸
6a :下流側保持部材回動軸
6b :上流側保持部材回動軸
8 :横搬送ローラ対
9 :リンク部材
9b :上流側リンク部材
10 :丁合装置
11 :縦搬送ローラ
11a :下流側縦搬送ローラ
11b :上流側縦搬送ローラ
12 :筐体
12A :手前側フレーム
12B :奥側フレーム
13 :バネ保持フレーム
14 :給紙部
14A :第一丁合給紙部
14X :折用給紙部
15 :給紙トレイ
16 :メイン操作パネル
17 :搬送ローラ駆動入力プーリ
18 :給紙機構
19 :搬送ローラ駆動入力ベルト
20 :サブ操作パネル
21 :搬送機構
22 :給紙搬送機構
24 :丁合搬送機構
26 :折用紙搬送プレート
28 :折用紙載置プレート対
30 :折ストッパ
31 :排出搬送機構
32 :折ナイフ
32a :ナイフ回動軸
33 :排出搬送路
34 :折ローラ対
35 :折後ガイド板
36 :排出搬送ベルト
38 :排出ローラ対
38a :排出上ローラ
38b :排出下ローラ
39 :排出搬送部フレーム
39a :排出搬送手前フレーム
39b :排出搬送奥フレーム
40 :スタッカトレイ
41 :第一駆動入力ギヤ
42 :給紙ローラ
43 :第二駆動入力ギヤ
44 :補助給紙ローラ
45 :排出搬送駆動入力ベルト
46 :サバキ板
47 :ベルト駆動ギヤ
48 :検知ローラ駆動伝達ベルト
49 :検知ローラ駆動伝達ギヤ
50 :制御部
51 :移動力入力ピン
51a :下流側移動入力ピン
52 :移動力出力ピン
52b :上流側移動力出力ピン
53 :検知ローラ保持レバー
53a :検知ローラ手前保持レバー
53b :検知ローラ奥保持レバー
54 :排出上ローラ移動リンク
54a :排出上ローラ移動手前リンク
54b :排出上ローラ移動奥リンク
55 :厚紙束検知ローラ
55a :検知ローラ軸
56 :リンク回動軸
57 :用紙有無検知センサ
58 :フレーム突出部
59 :排出上ローラ押上ピン
60 :排出駆動入力軸
61 :排出駆動入力ギヤ
62 :排出駆動入力ベルト
63 :排出下ローラ駆動ギヤ
64 :排出上ローラ付勢バネ
65 :排出上ローラ駆動入力ベルト
66 :排出上ローラ駆動伝達ギヤ
66a :排出上ローラ移動軸
67 :排出上ローラ駆動ギヤ
70 :排出上ローラホルダ
71 :検知ローラ移動軸
71a :検知ローラ手前移動軸
71b :検知ローラ奥移動軸
72 :係合軸
72a :手前係合軸
72b :奥係合軸
74 :張架プーリ
81 :給紙用紙厚検出センサ
82 :ガイド移動ソレノイド
91 :長孔
91b :上流側長孔
92 :丸孔
92b :上流側丸穴
101 :ローラ移動量センサ
102 :ローラ移動ソレノイド
110 :駆動出力ベルト
111 :縦搬送回転軸
120 :側板フレーム
121 :枠フレーム
300 :媒体処理装置
301 :供給トレイ
302 :ピックアップローラ
303 :第一搬送ローラ対
304 :第二搬送ローラ対
305 :第三搬送ローラ対
306 :媒体処理部
307 :媒体排出ローラ対
308 :排出トレイ
361 :ベルト駆動ローラ
361a :ベルト駆動軸
362 :ベルト従動ローラ
362a :ベルト従動軸
381a :排出上ローラ回転軸
381b :排出下ローラ回転軸
551 :検知ローラ駆動入力ギヤ
Bt :用紙束厚
P :用紙
Pb :用紙束
Pb1 :薄紙束
Pb2 :厚紙束
S :板状媒体