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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】商品情報検索システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/332 20190101AFI20240315BHJP
   G06F 16/38 20190101ALI20240315BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20240315BHJP
【FI】
G06F16/332
G06F16/38
G10L15/00 200T
G10L15/00 200A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019219262
(22)【出願日】2019-12-04
(65)【公開番号】P2021089551
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】中川 祐治
(72)【発明者】
【氏名】近藤 元弘
【審査官】酒井 恭信
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-033303(JP,A)
【文献】特開2001-221679(JP,A)
【文献】特開2018-130860(JP,A)
【文献】特開2001-341359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00 - 16/958
G10L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品の商品情報を抽出する検索システムであって、
商品名のデータと、前記商品名に対応する付属情報のデータとから、それぞれが前記商品名及び前記付属情報の称呼を含む複数のテキスト情報を、複数の検索用データとして生成する検索用データ生成部と、
商品の商品名及び付属情報の両方に関するユーザの発声を音声信号として取得する音声取得部と、
前記複数の検索用データの中から、前記音声信号から得られる発声のテキスト情報と一致する検索用データを抽出して、当該抽出した検索用データを、ユーザの発声に対応する商品の情報として出力する商品情報出力部と、
を備える、
商品情報検索システム。
【請求項2】
前記音声信号を音声認識エンジンへ送信して、前記音声認識エンジンから前記音声信号のテキスト情報を受信する、音声認識エンジン通信部をさらに備える、
請求項1に記載の商品情報検索システム。
【請求項3】
前記商品名のデータ及び前記付属情報のデータをふり仮名変換エンジンへ送信して、前記ふり仮名変換エンジンから前記商品名及び前記付属情報の称呼を含むテキスト情報を受信する、ふり仮名変換エンジン通信部をさらに備える、
請求項1または2に記載の商品情報検索システム。
【請求項4】
前記付属情報は、産地名、サイズ、カロリー、単価、原材料、添加物、及びアレルギーの少なくとも1つを含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の商品情報検索システム。
【請求項5】
前記商品情報出力部は、ユーザの発声に対応する複数の商品の情報を出力する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の商品情報検索システム。
【請求項6】
前記複数の商品の情報の中から絞り込みを行う絞込部をさらに備える、
請求項5に記載の商品情報検索システム。
【請求項7】
前記検索用データ生成部、前記音声取得部、及び前記商品情報出力部を有する音声認識サーバを備える
請求項1~6のいずれか1項に記載の商品情報検索システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の商品情報を抽出する商品情報検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2018-130860号公報)に開示されているように、抽出方法指定手段と、商品情報抽出手段と、商品情報絞込手段と、商品抽出方法切替手段と、を備えるラベル発行装置が知られている。抽出方法指定手段は、商品情報を抽出する際に、音声による商品抽出方法を指定する。商品情報抽出手段は、抽出方法指定手段により指定された商品抽出方法により商品情報を抽出する。商品情報絞込手段は、商品情報抽出手段により抽出された商品情報のなかから商品情報の絞り込みを行う。商品抽出方法切替手段は、商品情報絞込手段による商品情報を絞り込む段階で、商品抽出方法を音声に基づいて切り換え可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1では、商品情報を抽出する前に、音声によって商品抽出方法を指定する必要がある。このため、商品情報を抽出するために、手間がかかってしまう。
【0004】
本発明の課題は、商品の情報を検索する効率を向上する商品情報検索システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点に係る商品情報検索システムは、食品の商品情報を抽出する検索システムである。商品情報検索システムは、検索用データ生成部と、音声取得部と、商品情報出力部と、を備える。検索用データ生成部は、商品名のデータと、商品名に対応する付属情報のデータとから、商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を検索用データとして生成する。音声取得部は、ユーザの商品に関する発声を音声信号として取得する。商品情報出力部は、音声信号から得られる発声のテキスト情報と、検索用データとに基づいて、ユーザの発声に対応する商品の情報を出力する。
【0006】
第1観点の商品情報検索システムでは、検索用データ生成部により、商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を検索用データとして生成する。商品情報出力部により、生成された検索用データと、音声取得部で取得した音声信号から得られる発声のテキスト情報とに基づいて、ユーザの発声に対応する商品の情報を出力できる。このため、ユーザは、商品抽出方法を指定することなく、商品名及び付属情報を発声することによって、商品の情報を検索することができる。したがって、商品情報を検索する効率を向上することができる。
【0007】
第2観点に係る商品情報検索システムは、第1観点に係る商品情報検索システムであって、音声認識エンジン通信部をさらに備える。音声認識エンジン通信部は、音声信号を音声認識エンジンへ送信して、音声認識エンジンから音声信号のテキスト情報を受信する。
【0008】
第2観点の商品情報検索システムでは、音声認識エンジンを用いることによって、音声信号から得られる発声のテキスト情報を容易に得ることができる。
【0009】
第3観点に係る商品情報検索システムは、第1観点または第2観点に係る商品情報検索システムであって、ふり仮名変換エンジン通信部をさらに備える。ふり仮名変換エンジン通信部は、商品名のデータ及び付属情報のデータをふり仮名変換エンジンへ送信して、ふり仮名変換エンジンから商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を受信する。
【0010】
第3観点の商品情報検索システムでは、ふり仮名変換エンジンを用いることによって、商品名及び付属情報のデータを、商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を容易に得ることができる。
【0011】
第4観点に係る商品情報検索システムは、第1観点から第3観点に係る商品情報検索システムであって、付属情報は、産地名、サイズ、カロリー、単価、原材料、添加物、及びアレルギーの少なくとも1つを含む。
【0012】
第4観点の商品情報検索システムでは、商品名に対応する付属情報として上記記載のものを、ユーザが発声により検索することができる。
【0013】
第5観点に係る商品情報検索システムは、第1観点から第4観点に係る商品情報検索システムであって、商品情報出力部は、ユーザの発声に対応する複数の商品の情報を出力する。
【0014】
第5観点の商品情報検索システムでは、ユーザの発声に対応する商品の情報が複数ある場合には、その候補を出力することができる。
【0015】
第6観点に係る商品情報検索システムは、第5観点に係る商品情報検索システムであって、複数の商品の情報の中から絞り込みを行う絞込部をさらに備える。
【0016】
第6観点の商品情報検索システムでは、絞込部により、ユーザは、複数の商品の情報の中から、出力する商品の情報をさらに絞り込むことができる。
【0017】
第7観点に係る商品情報検索システムは、第1観点から第6観点に係る商品情報検索システムであって、検索用データ生成部、音声取得部、及び商品情報出力部は、音声認識サーバに格納される。
【0018】
第7観点の商品情報検索システムでは、音声認識サーバ内で、ユーザの発声に対応する商品の情報を出力することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、商品情報を検索する効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態の商品情報検索システムのブロック図である。
図2】商品名のデータの一例である。
図3】付属情報のデータの一例である。
図4】検索用データの一例である。
図5】検索用データの生成方法を示すフローチャートである。
図6】商品情報検索方法を示すフローチャートである。
図7】端末装置の画面の一例である。
図8】端末装置の画面の一例である。
図9】端末装置の画面の一例である。
図10】端末装置の画面の一例である。
図11】変形例の商品情報検索システムのブロック図である。
図12】変形例の商品情報検索システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態に係る商品情報検索システム1について、以下に説明する。
【0022】
(1)全体概要
商品情報検索システム1は、食品の商品情報を抽出する検索システムである。本実施形態の商品情報検索システム1は、ラベル発行装置2に用いられる。すなわち、商品情報検索システム1は、ラベル発行装置2で発行されるラベルの商品の情報を検索するシステムである。
【0023】
図1に示すように、商品情報検索システム1は、検索用データ生成部11と、ふり仮名変換エンジン通信部12と、音声取得部14と、音声認識エンジン通信部15と、商品情報出力部17と、入力部51と、絞込部53と、表示部52と、を主に備える。
【0024】
検索用データ生成部11、音声取得部14及び商品情報出力部17は、音声認識サーバ3に格納されている。検索用データ生成部11、音声取得部14及び商品情報出力部17は、音声認識サーバ3の制御部に含まれる。
【0025】
商品情報検索システム1は、上位サーバ4を利用する。上位サーバ4には、商品名のデータ41及び付属情報のデータ42~44が格納されている。商品名のデータ41及び付属情報のデータ42~44は、商品の変更により定期的に更新される。例えば、商品名のデータ41及び付属情報のデータ42~44は、ラベル発行装置2から上位サーバ4に送信される。
【0026】
なお、上位サーバ4は、音声認識サーバ3とは異なるサーバである。ここでは、上位サーバ4は、1つのラベル発行装置2と通信回線により接続されている。なお、上位サーバ4は、異なる店舗に設置されている複数のラベル発行装置2と通信回線により接続されてもよい。
【0027】
商品情報検索システム1は、ふり仮名変換エンジン13及び音声認識エンジン16を利用する。ふり仮名変換エンジン13及び音声認識エンジン16は、音声認識サーバ3及び上位サーバ4の一方に格納されてもよいが、本実施形態では外部サーバに格納されている。なお、外部サーバは、音声認識サーバ3及び上位サーバ4と異なるサーバである。
【0028】
入力部51、表示部52及び絞込部53は、端末装置5に格納されている。端末装置5は、例えば、スマートフォン、タブレット端末などが用いられる。端末装置5には、アプリケーションがインストールされる。
【0029】
なお、音声認識サーバ3及び上位サーバ4は、例えばクラウドサーバである。音声認識サーバ3及び上位サーバ4は、人工知能(AI:artificial intelligence)を利用してもよい。
【0030】
ラベル発行装置2、音声認識サーバ3、上位サーバ4、外部サーバ及び端末装置5の制御部は、コンピュータにより実現されるものである。制御部は、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)といったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0031】
(2)詳細構成
(2-1)検索用データ生成部
検索用データ生成部11は、商品名のデータ41と、商品名に対応する付属情報のデータ42~44とから、商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を検索用データとして生成する。検索用データは、商品名と、その商品名に紐付く付属情報とが、キーワードとして登録される。
【0032】
具体的には、検索用データ生成部11は、上位サーバ4に格納されている商品名のデータ41と、付属情報のデータ42~44とを取得する。商品名のデータは、例えば図2に示すように、漢字、平仮名、及び片仮名の少なくとも1つの文字で表された商品名のリストである。付属情報は、商品名に対応する情報であり、例えば、産地名、サイズ、カロリー、単価、原材料、添加物、及びアレルギーの少なくとも1つを含む。図1では、付属情報として、産地名、サイズ及びカロリーのデータ42~44に基づいて検索用データが生成される。付属情報しての産地名のデータ42は、例えば図3に示すように、漢字で表された産地名のリストである。
【0033】
検索用データ生成部11が取得した商品名のデータ41及び付属情報のデータ42~44を、ふり仮名変換エンジン通信部12により、ふり仮名変換エンジン13に送信する。ふり仮名変換エンジン13は、商品名及び付属情報のそれぞれの称呼を含むテキスト情報を生成する。ここでは、ふり仮名変換エンジン13は、送信された商品名のデータ41及び付属情報のデータ42~44のそれぞれの文字の称呼を、全て平仮名に変換する。ふり仮名変換エンジン通信部12により、ふり仮名変換エンジン13から商品名及び付属情報のそれぞれの称呼を含むテキスト情報を検索用データ生成部11は受信する。
【0034】
テキスト情報を取得した検索用データ生成部11は、検索用データを生成する。検索用データは、テキスト形式の商品名及び付属情報が結合されたデータである。詳細には、結合データは、商品名の1つの平仮名と、少なくとも1つの付属情報の1つの平仮名とが結合されたデータである。例えば、検索用データは、商品名の1つと産地名の1つとが結合されたデータでもよく、商品名の1つと産地名の1つとサイズの1つとが結合されたデータでもよい。ここでは、検索用データは、商品名の1つ平仮名と、付属情報の1つの平仮名とが結合されたリストである。より具体的には、図4の検索用データは、図2に示す商品名のNo.1と、図3に示す産地名のNo.1~No.5とのそれぞれが結合されたデータである。
【0035】
(2-2)ふり仮名変換エンジン通信部
上述したように、ふり仮名変換エンジン通信部12は、商品名のデータ41及び付属情報のデータ42~44をふり仮名変換エンジン13へ送信して、ふり仮名変換エンジン13から商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を受信させる。本実施形態のふり仮名変換エンジン通信部12は、送信部12aと、受信部12bとを有する。送信部12aは、検索用データ生成部11が取得した商品名のデータ41及び付属情報のデータ42~44をふり仮名変換エンジン13へ送信する。受信部12bは、ふり仮名変換エンジン13で変換された商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を検索用データ生成部11に送信する。
【0036】
なお、ふり仮名変換エンジン通信部12は、ふり仮名変換エンジン13が格納されている外部サーバと音声認識サーバ3との相互の通信を可能にする通信インターフェースである。ふり仮名変換エンジン通信部12は、インターネットなどの公衆回線あるいはイントラネットを介して、ふり仮名変換エンジン13への送受信を行う。
【0037】
(2-3)入力部
入力部51は、ユーザの商品に関する発声を取得するためのものである。本実施形態の入力部51は、入力ボタン51a(図7図10参照)と、集音部材(図示せず)とを有する。入力ボタンは、端末装置5の画面に表示されるボタン、端末装置5に取り付けられたボタンなどであり、ユーザが発声をする際に押圧(タップ)される。集音部材は、発声を取得する。集音部材は、例えばマイクなどである。
【0038】
(2-4)音声取得部
音声取得部14は、ユーザの商品に関する発声を音声信号として取得する。本実施形態の音声取得部14は、入力部51に入力された発声を音声信号として受信する。
【0039】
ユーザの商品に関する発声は、商品名及び付属情報に関するものであり、名詞以外の品詞が含まれていてもよい。商品名及び付属情報以外の助詞、動詞などが発声に含まれている場合、音声取得部14は、検索に不要な助詞、動詞などを除き、商品名及び付属情報のみを抽出した音声信号を取得する。
【0040】
(2-5)音声認識エンジン通信部
音声認識エンジン通信部15は、音声信号を音声認識エンジンへ送信して、音声認識エンジンから音声信号のテキスト情報を受信させる。本実施形態の音声認識エンジン通信部15は、送信部15aと、受信部15bとを有する。送信部15aは、音声取得部14が取得した音声信号を音声認識エンジン16へ送信する。音声認識エンジン16は、音声信号をテキスト情報に変換する。ここでは、音声認識エンジン16は、音声信号を平仮名に変換する。受信部15bは、音声認識エンジン16で変換されたテキスト情報を商品情報出力部17に送信する。
【0041】
なお、音声認識エンジン通信部15は、音声認識エンジン16が格納されている外部サーバと音声認識サーバ3との相互の通信を可能にする通信インターフェースである。音声認識エンジン通信部15は、インターネットなどの公衆回線あるいはイントラネットを介して、音声認識エンジン16への送受信を行う。
【0042】
(2-6)商品情報出力部
商品情報出力部17は、音声信号から得られる発声のテキスト情報と、検索用データとに基づいて、ユーザの発声に対応する商品の情報を出力する。ここでは、商品情報出力部17は、ユーザの発声に対応する1または複数の商品の情報を出力する。
【0043】
具体的には、商品情報出力部17は、音声取得部14から音声認識エンジン通信部15を介して、音声信号から得られる発声のテキスト情報を取得する。また、商品情報出力部17は、検索用データ生成部11から検索用データを取得する。そして、商品情報出力部17は、検索用データの中から、発声のテキスト情報に含まれる商品名及び付属情報に対応する商品の情報を検索する。より具体的には、商品情報出力部17は、検索用データの中から、発声のテキスト情報と一致する商品の情報を抽出する。このようにして、商品情報出力部17は、1または複数の検索結果を出力する。
【0044】
なお、ユーザの発声に対応する商品の情報が複数ある場合には、商品情報出力部17は、複数の商品の情報について順位をつけて出力してもよい。
【0045】
(2-7)表示部
表示部52は、ユーザの発声に対応する商品の情報を表示する。ここでは、表示部52は、商品情報出力部17から出力された検索結果としての商品の情報を受信する。表示部52は、受信した商品の情報を視覚にて認識できるように表示する。商品情報出力部17が複数の商品の情報を出力する場合には、表示部52は、複数の商品の情報を表示する。ユーザは、表示部52に表示される商品の情報を確認できる。
【0046】
本実施形態では、入力部51及び表示部52が端末装置5に設けられている。このため、端末装置5は、ユーザの商品に関する発声を受け、ユーザの発声に対応する商品の情報を表示する。取得した商品の情報に基づいて、ラベル発行装置2でラベルを発行する。
【0047】
なお、本実施形態の表示部52は、入力ボタン51a及び後述する絞込ボタン53a(図7図10参照)を表示する。
【0048】
(2-8)絞込部
商品情報出力部17がユーザの発声に対応する複数の商品の情報を出力する場合、絞込部53は、複数の商品の情報の中から商品の情報の絞り込みを行う。絞込部53は、商品に関する発声によりさらに検索する絞込ボタン53a(図7図10参照)と、表示部で表示される複数の商品の情報から1つを選択する選択部53b(図10参照)とを含む。
【0049】
なお、絞込部53は、集音部材をさらに含む。ここでは、集音部材は、入力部51の集音部材と共通である。
【0050】
(3)商品情報検索方法
次に、図1図10を参照して、商品情報検索方法について説明する。
【0051】
(3-1)検索用データの生成方法
検索用データ生成部11によって、商品名のデータ41と、商品名に対応する付属情報のデータ42~44とから、商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を検索用データとして生成する。
【0052】
具体的には、図5に示すように、検索用データ生成部11は、図2に示すような商品名のデータ41及び図3に示すような付属情報のデータ42~44を取得する(ステップS1)。
【0053】
次に、商品名のデータ41及び付属情報のデータ42~44のそれぞれの称呼を含むテキスト情報を生成する(ステップS2)。ここでは、検索用データ生成部11は、ふり仮名変換エンジン通信部12により、商品名のデータ41及び付属情報のデータ42~44をふり仮名変換エンジン13へ送信して、ふり仮名変換エンジン13から商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を受信する。
【0054】
次に、商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を検索用データとして生成する(ステップS3)。ここでは、商品名及び付属情報のそれぞれのテキスト情報を取得した検索用データ生成部11は、テキスト形式の商品名及び付属情報を結合して、図4に示すような検索用データを生成する。
【0055】
(3-2)検索方法
図6に示すように、まず、ユーザは、端末装置5に、アプリケーションをインストールする(ステップS11)。アプリケーションは、ユーザの商品に関する発声を受け、ユーザの発声に対応する商品の情報を表示する。図7図10は、アプリケーションがインストールされた端末装置5の画面(表示部52)を示す。
【0056】
次に、ユーザは、商品に関する発声をする(ステップS12)。ステップS12では、発声は、入力部51に入力される。
【0057】
具体的には、ユーザは、図7に示す端末装置5に表示される入力ボタン51aを押圧する。入力ボタン51aが押圧されると、入力ボタン51aの色が変わるとともに、集音部材がON状態となる。入力ボタン51aの色が変わると、ユーザは商品に関する発声をする。ユーザが「おながわさんのさんま」と発声すると、図8に示すように、端末装置5の画面には検索ワードとして「女川産の秋刀魚」と表示される。なお、入力部51は、ユーザの発声のトーンから、発声が終了したことを判断する。
【0058】
次に、音声取得部14は、ユーザの商品に関する発声を音声信号として取得する(ステップS13)。ステップS13では、入力部51は、発声を音声信号として音声取得部14に送信する。ここでは、音声取得部14は、音声認識エンジン通信部15により、音声信号を音声認識エンジン16へ送信して、音声認識エンジン16から音声信号のテキスト情報を受信する。
【0059】
ステップS13が実施されると、図9に示すように、端末装置5の画面には「商品検索中・・・」と表示される。
【0060】
次に、商品情報出力部17によって、音声信号から得られる発声のテキスト情報と、検索用データとに基づいて、ユーザの発声に対応する商品の情報を出力する(ステップS14)。ステップS14では、ステップS1~S3において検索用データ生成部11により生成した検索用データを用いる。
【0061】
具体的には、商品情報出力部17は、発声のテキスト情報としての「おながわさんのさんま」から、助詞の「の」を除いた「おながわさん」及び「さんま」が、検索用データのリストの中にあるかを検索する。図4の検索用データでは、発声のテキスト情報と一致するNo.2が抽出される。このため、商品情報出力部17によって、No.2の商品の情報が出力される。
【0062】
商品情報出力部17によって出力された商品の情報は、端末装置5の表示部52に表示される。具体的には、図10に示すように、端末装置5の画面には、検索結果として「女川産の秋刀魚」と表示される。
【0063】
次に、出力された商品の情報の中から絞り込みが必要か否かを判断する(ステップS15)。図10では、出力された商品の情報が1つであるので、商品の情報の絞り込みは不要であると判断される。その結果、ユーザは、発声に対応する商品の情報を得ることができる(ステップS16)。
【0064】
一方、出力された商品の情報が複数である場合には、図10の検索結果の欄に複数表示されるので、ステップS15において、商品の情報の絞込みが必要であると判断される。この場合、ユーザは、複数の商品の情報の中から絞り込みを行う。ユーザは、複数の商品の情報の中から選択してもよく、商品に関する発声によりさらに検索をしてもよい(ステップS17)。
【0065】
詳細には、表示部52に表示された複数の商品の情報から発声に対応する情報を容易に選択できる場合には、図10の検索結果の欄(絞込部53の選択部53b)に表示された複数の商品の情報から1つを押圧する。これにより、さらなる絞り込みは不要であるので、ユーザは、発声に対応する商品の情報を得ることができる。
【0066】
表示部52に表示された複数の商品の情報が多いため、容易に選択できない場合には、さらに発声により検索することができる。この場合、図10の端末装置5の画面の絞込ボタン53aを押圧する(ステップS17)。絞込ボタン53aが押圧されると、絞込ボタン53aの色が変わるとともに、集音部材がON状態となる。絞込ボタン53aの色が変わると、ユーザは商品に関する発声をする(ステップS12)。この工程(ステップS17)以降は、上述した工程(ステップS12~S17)が繰り返される。
【0067】
具体的には、ユーザは商品に関する発声をする(ステップS12)と、上述した音声信号を取得する工程(ステップS13)が実施される。次に、上述した商品の情報を出力する工程(ステップS14)が実施されるが、このステップS14では、抽出された複数の商品の情報の中から、さらに抽出される。次に、検索結果から絞込み(ステップS15)が必要か否かを判断する。
【0068】
以上の工程(ステップS1~S3、S11~S17)を実施することにより、食品の商品情報を抽出することができる。
【0069】
(4)特徴
(4-1)
本実施形態の商品情報検索システム1は、食品の商品情報を抽出する検索システムである。商品情報検索システム1は、検索用データ生成部11と、音声取得部14と、商品情報出力部17と、を備える。検索用データ生成部11は、商品名のデータ4と、商品名に対応する付属情報のデータ42~44とから、商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を検索用データとして生成する。音声取得部14は、ユーザの商品に関する発声を音声信号として取得する。商品情報出力部17は、音声信号から得られる発声のテキスト情報と、検索用データとに基づいて、ユーザの発声に対応する商品の情報を出力する。
【0070】
本実施形態の商品情報検索システム1では、検索用データ生成部11により、商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を検索用データとして生成する。商品情報出力部17により、生成された検索用データと、音声取得部で取得した音声信号から得られる発声のテキスト情報とに基づいて、ユーザの発声に対応する商品の情報を出力できる。このため、ユーザは、商品抽出方法を指定することなく、商品名及び付属情報を発声することによって、商品の情報を検索することができる。したがって、商品情報を検索する効率を向上することができる。
【0071】
また、ユーザは、商品名及び付属情報の両方を一度に発声することができるので、検索時のヒット率を向上させることができる。
【0072】
さらに、商品情報出力部17は、図2に示すような商品名のデータ及び図3に示すような付属情報のデータを検索するのではなく、検索用データを検索する。このため、商品名のデータの変更、付属情報の変更などの更新があっても、検索用データ生成部11によりその商品名のデータ及び付属情報のデータに基づいて検索用データを作成すれば、新たなトリガーを増設せずに検索をすることができる。したがって、商品名及び付属情報の変更等に対する対応が容易であるので、本実施形態の商品情報検索システム1の利便性は高い。
【0073】
(4-2)
本実施形態の商品情報出力部17は、音声信号から得られる発声のテキスト情報を得る。具体的には、音声認識エンジン通信部15により、音声信号を音声認識エンジン16へ送信して、音声認識エンジン16から音声信号のテキスト情報を受信する。
【0074】
音声認識エンジン16を用いることによって、音声信号から得られる発声のテキスト情報を容易に得ることができる。
【0075】
(4-3)
本実施形態の検索用データ生成部11は、商品名のデータ41と、商品名に対応する付属情報のデータ42~44とから、商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を検索用データとして生成する。具体的には、ふり仮名変換エンジン通信部12により、商品名のデータ及び付属情報のデータをふり仮名変換エンジン13へ送信して、ふり仮名変換エンジン13から商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を受信する。
【0076】
ふり仮名変換エンジン13を用いることによって、商品名のデータ41及び付属情報のデータ42~44を、商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を容易に得ることができる。
【0077】
(5)変形例
以下に、上記実施形態の変形例を示す。なお、各変形例の内容の一部又は全部は、互いに矛盾しない範囲で上記実施形態の内容や他の変形例の内容と組み合わされてもよい。
【0078】
(5-1)変形例A
上記実施形態では、商品名のデータ41として、漢字、平仮名、及び片仮名の少なくとも1つの文字で表された商品名のリストを、付属情報のデータ42として、漢字で表された産地のリストを例に挙げて説明した。商品名のデータ41及び付属情報のデータ42において、商品名及び付属情報は、漢字、平仮名、片仮名、アルファベット、数字等の任意の文字で表すことができる。
【0079】
また、上記実施形態では、商品名及び付属情報のそれぞれの称呼を含むテキスト情報として、商品名のデータ及び付属情報のデータのそれぞれの称呼を、全て平仮名で表している。本変形例では、検索用データ生成部11は、商品名のデータ及び付属情報のデータのそれぞれの称呼を、全てアルファベットで表すテキスト情報を検索用データとして生成する。
【0080】
(5-2)変形例B
上記実施形態では、端末装置5に入力されたユーザの商品に関する発声を音声信号として音声取得部14が受信し、音声取得部14から音声認識エンジン16に音声信号を送信し、音声認識エンジン16で変換した発声のテキスト情報を商品情報出力部17が受信している。本変形例では、図11に示すように、端末装置5に入力されたユーザの商品に関する発声を音声信号として音声認識エンジン16に送信して、音声認識エンジン16で変換した発声のテキスト情報を音声取得部14が受信している。そして、音声取得部14は、発声のテキスト情報を商品情報出力部17に送信している。
【0081】
また本変形例では、音声認識エンジン通信部15により、入力部51または絞込部53から音声信号を音声認識エンジン16へ送信して、音声認識エンジン16から音声信号のテキスト情報を音声取得部14が受信する。
【0082】
(5-3)変形例C
上記実施形態では、上位サーバ4に格納されている商品名のデータ41及び付属情報のデータ42~44を検索用データ生成部11が受信し、検索用データ生成部11からふり仮名変換エンジン13に商品名のデータ41及び付属情報のデータ42~44を送信し、ふり仮名変換エンジン13で変換したテキスト情報を検索用データ生成部11が受信している。本変形例では、図12に示すように、上位サーバ4に格納されている商品名のデータ41及び付属情報のデータ42~44をふり仮名変換エンジン13が受信し、ふり仮名変換エンジン13で変換したテキスト情報を検索用データ生成部11に送信している。
【0083】
また本変形例では、ふり仮名変換エンジン通信部12により、上位サーバ4に格納されている商品名のデータ及び付属情報のデータをふり仮名変換エンジン13へ送信して、ふり仮名変換エンジン13から商品名及び付属情報の称呼を含むテキスト情報を検索用データ生成部11が受信する。
【0084】
(5-4)変形例D
上記実施形態では、アプリケーションが端末装置5にインストールされ、端末装置5にユーザの発声を入力する入力部51が設けられている例を説明した。本変形例では、ラベル発行装置2に、アプリケーションがインストールされ、ユーザの発声を入力する入力部51が設けられている。
【0085】
また上記実施形態では、端末装置に表示部52及び絞込部53が設けられている例を説明した。本変形例では、ラベル発行装置2に、表示部52及び絞込部53が設けられている。このため、本変形例では、端末装置5は省略される。
【0086】
(5-5)変形例E
上記実施形態では、商品情報検索システム1は、ふり仮名変換エンジン13及び音声認識エンジン16を備えていない。本変形例では、商品情報検索システムは、ふり仮名変換エンジン13及び音声認識エンジン16をさらに備える。
【符号の説明】
【0087】
1 :商品情報検索システム
2 :ラベル発行装置
3 :音声認識サーバ
4 :上位サーバ
5 :端末装置
11 :検索用データ生成部
12 :仮名変換エンジン通信部
13 :仮名変換エンジン
14 :音声取得部
15 :音声認識エンジン通信部
16 :音声認識エンジン
17 :商品情報出力部
51 :入力部
52 :表示部
53 :絞込部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【文献】特開2018-130860号公報
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