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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】魚釣り用のスプリットリング
(51)【国際特許分類】
   A01K 91/03 20060101AFI20240315BHJP
   A01K 91/047 20060101ALI20240315BHJP
   A01K 91/04 20060101ALI20240315BHJP
   F16B 45/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
A01K91/03 Z
A01K91/047 B
A01K91/04 A
F16B45/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020066646
(22)【出願日】2020-04-02
(65)【公開番号】P2021159031
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000125967
【氏名又は名称】株式会社がまかつ
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】佐野 一典
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-017994(JP,A)
【文献】米国特許第10085522(US,B1)
【文献】米国特許第02410951(US,A)
【文献】登録実用新案第3031636(JP,U)
【文献】登録実用新案第3177420(JP,U)
【文献】特開平08-277829(JP,A)
【文献】登録実用新案第3121635(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 91/03
A01K 91/047
A01K 91/04
F16B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一本の線材を二重輪状に巻回して形成された魚釣り用のスプリットリングであって、
前記線材の両端が互いに最も近づいているスプリット部の前記二重輪状の中心から見た反対側において、互いに重なりあっている前記線材のうち少なくとも一方が、他方から離間する方向に湾曲しており、
取り付けたルアーのアイや釣糸が前記スプリット部と前記湾曲している部分との中間部に自然に位置するようになる
魚釣り用のスプリットリング。
【請求項2】
前記線材の断面形状は、平形状であることを特徴とする
請求項1に記載の魚釣り用のスプリットリング。
【請求項3】
前記線材の断面形状は、三角形状であることを特徴とする
請求項1に記載の魚釣り用のスプリットリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣り等に使用されるスプリットリングに関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、例えばルアー釣りのルアーに釣針や釣糸を取り付ける手段として、金属等の線材を両端部が互いに近づくように螺旋状に巻くことによって構成されたスプリットリングが広く使用されている(例えば、特許文献1)。また、このスプリットリングは魚釣りの用途に限らず、例えば、キーホルダ等にも使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-277829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のスプリットリングには、いくつかの問題があった。それは、(1)強度的に弱い方向に引っ張られた場合にスプリットリングが変形してしまったり、釣針や釣糸等が外れてしまったりするおそれがあったこと。および、(2)釣針やルアーのアイ(接続環)等をスプリットリングに取り付けるのが難しいということである。
【0005】
(1)について説明すると、図19から図21に示すような従来の一般的なスプリットリング1の場合、実際の使用中に、例えばルアーに固定されたアイ2と、スプリットリング1に取り付けた釣糸3とが一直線に並ぶことになる(図19を参照)。
【0006】
このとき、スプリットリング1を構成する線材4の両端部が互いに最も近づいている部分5に釣針やルアーのアイ2または釣糸3がかかって外側に引っ張られたとき、スプリットリング1の強度が最も弱くなり、上述したように、スプリットリング1が変形してしまったり、アイ2や釣糸3が外れてしまったりするおそれがあった。さらに言えば、線材4の端部に釣糸3が当たってしまい、悪くすると、当該釣糸3が切れてしまうおそれもあった。
【0007】
(2)について説明すると、一般に、魚釣りに使用されるスプリットリング1は小さくて持ちにくく、さらに、アイ2等をスプリットリング1に割り込ませるために、ユーザーが爪の先等をこじ入れて線材4の端部を開くような動作が必要となる等、スプリットリング1の取り付けは簡単な作業ではなかった。
【0008】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、強度的に弱い方向に引っ張られる可能性を低減できるとともに、釣針やルアーのアイ等を容易に取り付けることのできる、スプリットリングを提供することにある。
【0009】
本発明の一局面に従うと、
一本の線材を二重輪状に巻回して形成された魚釣り用のスプリットリングであって、
前記線材の両端が互いに最も近づいているスプリット部の前記二重輪状の中心から見た反対側において、互いに重なりあっている前記線材のうち少なくとも一方が、他方から離間する方向に湾曲しており、
取り付けたルアーのアイや釣糸が前記スプリット部と前記湾曲している部分との中間部に自然に位置するようになる
魚釣り用のスプリットリングが提供される。
【0010】
好適には、
前記線材の断面形状は、平形状である。
【0011】
好適には、
前記線材の断面形状は、三角形状である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るスプリットリングによれば、線材の両端が互いに最も近づいているスプリット部の二重輪状の中心から見た反対側において、互いに重なりあっている線材のうち少なくとも一方が、他方から離間する方向に湾曲しているので、当該スプリットリングの厚みが当該湾曲部分で最も厚くなる。
【0013】
このようなスプリットリングを実際に使用すると、スプリットリングに取り付けたアイや釣糸等は、湾曲部分からずれていき、外側に引っ張られたときの強度が最も強くなる、湾曲部分とスプリット部との中間部に自然に位置するようになる。
【0014】
これにより、スプリットリングに取り付けたアイや釣糸等によってスプリットリングが強度的に弱い方向に引っ張られる可能性を低減できる。
【0015】
また、上述した湾曲部分には互いに重なりあっている線材同士の間に隙間が形成されていることから、ユーザーが爪の先等をこじ入れて線材の端部を開くような動作が必要なくなり、当該隙間からアイ等を割り込ませることができるので、釣針やルアーのアイ等をスプリットリングに対して容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明が適用された実施形態に係るスプリットリング10の一例(断面丸形)を示す正面図である。
図2】本発明が適用された実施形態に係るスプリットリング10の一例(断面丸形)を示す背面図である。
図3】本発明が適用された実施形態に係るスプリットリング10の一例(断面丸形)を示す右側面図である。
図4】本発明が適用された実施形態に係るスプリットリング10の一例(断面丸形)を示す左側面図である。
図5】本発明が適用された実施形態に係るスプリットリング10の一例(断面丸形)を示す平面図である。
図6】本発明が適用された実施形態に係るスプリットリング10の一例(断面丸形)を示す底面図である。
図7】変形例1に係るスプリットリング10の一例(断面平形)を示す正面図である。
図8】変形例1に係るスプリットリング10の一例(断面平形)を示す背面図である。
図9】変形例1に係るスプリットリング10の一例(断面平形)を示す右側面図である。
図10】変形例1に係るスプリットリング10の一例(断面平形)を示す左側面図である。
図11】変形例1に係るスプリットリング10の一例(断面平形)を示す平面図である。
図12】変形例1に係るスプリットリング10の一例(断面平形)を示す底面図である。
図13】変形例2に係るスプリットリング10の一例(断面三角形)を示す正面図である。
図14】変形例2に係るスプリットリング10の一例(断面三角形)を示す背面図である。
図15】変形例2に係るスプリットリング10の一例(断面三角形)を示す右側面図である。
図16】変形例2に係るスプリットリング10の一例(断面三角形)を示す左側面図である。
図17】変形例2に係るスプリットリング10の一例(断面三角形)を示す平面図である。
図18】変形例2に係るスプリットリング10の一例(断面三角形)を示す底面図である。
図19】従来のスプリットリング1を示す正面図である。
図20】従来のスプリットリング1を示す右側面図である。
図21】従来のスプリットリング1を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(スプリットリング10の構成)
本発明が適用された実施形態に係るスプリットリング10は、図1から図6に示すように、一本の断面丸形状の線材12を正面図(図1)の奥行き方向に二段に重ねた二重輪状に巻回して形成されている。線材12の両端は、正面図(図1)における右側において互いに最も近づいており、以下、この部分を「スプリット部14」と言う。
【0018】
また、このスプリット部14の二重輪状の中心Cから見た反対側(正面図(図1)における左側)において、互いに重なりあっている線材12の一方16が他方18から離間する方向に湾曲している。これにより、互いに重なりあっている線材12の一方16と他方18との間に隙間20が形成されているとともに、スプリットリング10の厚み(正面図(図1)における奥行きの寸法)が当該湾曲部分22で最も厚くなっている。
【0019】
なお、図示した実施形態では、上述のように、互いに重なりあっている線材12の一方16が他方18から離間する方向に湾曲しているが、これに変えて、互いに重なりあっている線材12の他方18だけを一方16から離間する方向(左側面図(図4)における左方)に湾曲させてもよい。さらに言えば、互いに重なりあっている線材12の一方16だけでなく、他方18も離間する方向に湾曲させてもよい。
【0020】
(スプリットリング10の特徴)
本実施形態に係るスプリットリング10によれば、線材12の両端が互いに最も近づいているスプリット部14の二重輪状の中心Cから見た反対側において、互いに重なりあっている線材12のうち少なくとも一方16が、他方18から離間する方向に湾曲しているので、当該スプリットリング10の厚みが当該湾曲部分22で最も厚くなる。
【0021】
このようなスプリットリング10を実際に使用すると、スプリットリング10に取り付けたアイや釣糸等は、湾曲部分22からずれていき、外側に引っ張られたときの強度が最も強くなる、湾曲部分22とスプリット部14との中間部(正面図(図1)における上側24あるいは下側26)に自然に位置するようになる。
【0022】
これにより、スプリットリング10に取り付けたアイや釣糸等によってスプリットリング10が強度的に弱い方向に引っ張られる可能性を低減できる。
【0023】
また、上述した湾曲部分22には互いに重なりあっている線材12同士の間に隙間20が形成されていることから、ユーザーが爪の先等をこじ入れて線材12の端部を開くような動作が必要なくなり、当該隙間20からアイ等を割り込ませることができるので、釣針やルアーのアイ等をスプリットリング10に対して容易に取り付けることができる。
【0024】
(変形例1)
上述した実施形態に係るスプリットリング10は断面丸形の線材12で構成されていたが、これに変えて、図7から図12に示すように、断面平形状(板状・リボン状)の線材12でスプリットリング10を構成してもよい。
【0025】
断面平形の線材12を使用することにより、隙間20にアイ等を割り込ませていって一時的に線材12を大きく変形させた場合であっても、当該線材12に永久変形が残りにくいという利点がある。
【0026】
(変形例2)
さらに言えば、図13から図18に示すように、断面三角状形の線材12でスプリットリング10を構成してもよい。
【0027】
断面三角形の線材12を使用した場合も、断面平形の場合と同様に、隙間20にアイ等を割り込ませていって一時的に線材12を大きく変形させた場合であっても、当該線材12に永久変形が残りにくいという利点がある。
【0028】
(変形例3)
スプリットリング10の線材12の断面形状に関し、これまで、丸形、平形、および三角形状のものについて説明してきたが、線材12の断面形状はこれらに限定されるものではなく、必要な強度を確保できるのであれば、どのような断面形状の線材12を使用してもよい。
【0029】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0030】
10…スプリットリング、12…線材、14…スプリット部、16…(互いに重なりあっている線材12の)一方、18…(互いに重なりあっている線材12の)他方、20…隙間、22…湾曲部分、24…中間部、26…中間部、C…(二重輪状の)中心


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21