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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】天井取付金具
(51)【国際特許分類】
   F16B 1/00 20060101AFI20240315BHJP
   E04B 9/00 20060101ALI20240315BHJP
   F16B 7/18 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
F16B1/00 B
E04B9/00 F
E04B9/00 H
F16B7/18 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020099785
(22)【出願日】2020-06-09
(65)【公開番号】P2021193310
(43)【公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】398034319
【氏名又は名称】エヌパット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】生野 真
(72)【発明者】
【氏名】石川 将司
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-146204(JP,A)
【文献】特開2020-012344(JP,A)
【文献】特開2000-248619(JP,A)
【文献】特開2021-011707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 1/00
E04B 9/00
F16B 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井構造から垂下するボルトに取り付けられ、前記天井構造の下面に接合した状態に設置される天井取付金具であって、
前記ボルトを挿通可能な長孔が形成された平板部と、前記長孔を挟んで前記平板部の両端部から立設し、前記天井構造の下面に接合する側壁部とを有する金具本体と、
前記ボルトを挿通可能な挿通孔が形成され、前記挿通孔に前記ボルトが挿通された状態で前記平板部に添設される板部材と、
前記長孔とは異なる位置で前記板部材と前記平板部とを相互に締結することにより、前記長孔の長手方向に対する前記ボルトの位置を固定する締結部材と、
を備えることを特徴とする天井取付金具。
【請求項2】
前記ボルトの外周面に装着され、上端部が前記天井構造の下面に接合する弾性部材、
を更に備え、
前記板部材は、前記平板部の上面側に配置され、前記弾性部材の付勢力によって前記平板部に押し付けられており、
前記締結部材は、前記平板部の下面側から前記平板部と前記板部材との双方を貫通して締結されることを特徴とする請求項1に記載の天井取付金具。
【請求項3】
前記平板部の下面側には、前記長孔の周縁部に沿って前記締結部材を埋入させるための締結孔が形成されることを特徴とする請求項2に記載の天井取付金具。
【請求項4】
前記板部材は、前記平板部の下面側に配置され、
前記締結部材は、前記板部材の下面側から前記板部材と前記平板部との双方を貫通して締結されることを特徴とする請求項1に記載の天井取付金具。
【請求項5】
前記平板部は、前記長孔の近傍位置に、天井吊り下げ物を支持する支持ボルトを取り付けるための取付孔が更に設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の天井取付金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井取付金具に関し、特に空気調和機などの天井吊り下げ物を天井構造から吊り下げた状態で支持するための金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機のなどの天井吊り下げ物を天井スラブなどの天井構造に吊り下げた状態で取り付けるための天井取付金具が知られている(例えば、特許文献1)。この従来の天井取付金具は、天井構造から垂下するボルト部材を挿通可能な長孔を有し、その長孔にボルト部材を挿通してボルト部材にナットを締着することにより、天井構造に取り付けられる。また、天井取付金具には、空気調和機などの天井吊り下げ物を支持する支持ボルトを挿通するための孔も設けられている。天井取付金具は、その孔に支持ボルトの上端部を仮止めした状態で天井構造に取り付けることが可能であり、天井吊り下げ物を天井構造から吊り下げた状態に設置する際の高所作業を軽減できるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-12344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の天井取付金具は、天井構造から垂下するボルト部材を長孔に挿通して固定しているため、例えば大規模地震発生時にボルト部材の固定位置が長孔の長手方向に沿って滑る可能性がある。大規模地震発生時にボルト部材の固定位置が滑ると、支持ボルトの振動幅が大きくなり、天井吊り下げ物も大きく振動してしまうという問題がある。
【0005】
また、大規模地震が収まった後に、天井吊り下げ物の位置が水平方向に移動してまっている可能性があり、ボルト部材の固定位置を再度調整しなければならないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、高所作業を軽減しつつ、ボルト部材の固定位置の横滑りを防止できるようにした天井取付金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、第1に、本発明は、天井構造(8)から垂下するボルト(6)に取り付けられ、前記天井構造(8)の下面に接合した状態に設置される天井取付金具(1)あって、前記ボルト(6)を挿通可能な長孔(13)が形成された平板部(11)と、前記長孔(13)を挟んで前記平板部(11)の両端部から立設し、前記天井構造(8)の下面に接合する側壁部(12)とを有する金具本体(2)と、前記ボルト(6)を挿通可能な挿通孔(16)が形成され、前記挿通孔(16)に前記ボルト(6)が挿通された状態で前記平板部(11)に添設される板部材(3)と、前記長孔(13)とは異なる位置で前記板部材(3)と前記平板部(11)とを相互に締結することにより、前記長孔(13)の長手方向に対する前記ボルト(6)の位置を固定する締結部材(4)と、を備えることを特徴とする構成である。
【0008】
第2に、本発明は、上記第1の構成を有する天井取付金具(1)において、前記ボルト(6)の外周面に装着され、上端部が前記天井構造(8)の下面に接合する弾性部材(5)、を更に備え、前記板部材(3)は、前記平板部(11)の上面側に配置され、前記弾性部材(5)の付勢力によって前記平板部(11)に押し付けられており、前記締結部材(4)は、前記平板部(11)の下面側から前記平板部(11)と前記板部材(3)との双方を貫通して締結されることを特徴とする構成である。
【0009】
第3に、本発明は、上記第2の構成を有する天井取付金具(1)において、前記平板部(11)の下面側には、前記長孔(13)の周縁部に沿って前記締結部材(4)を埋入させるための締結孔(15)が形成されることを特徴とする構成である。
【0010】
第4に、本発明は、上記第1の構成を有する天井取付金具(1)において、前記板部材(3)は、前記平板部(11)の下面側に配置され、前記締結部材(4)は、前記板部材(3)の下面側から前記板部材(3)と前記平板部(11)との双方を貫通して締結されることを特徴とする構成である。
【0011】
第5に、本発明は、上記第1乃至第4のいずれかの構成を有する天井取付金具(1)において、前記平板部(11)は、前記長孔(13)の近傍位置に、天井吊り下げ物(200)を支持する支持ボルト(7)を取り付けるための取付孔(14)が更に設けられることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、床面作業によって予め天井吊り下げ物に組み付け可能であり、しかも天井構造に取り付ける作業を簡単に行うことができるようになり、従来よりも作業効率を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態における天井取付金具の各構成部材を分解した状態を示す斜視図である。
図2】第1実施形態における天井取付金具の各構成部材を組み付けた状態を示す斜視図である。
図3】天井取付金具を設置する際の第1工程を示す一部断面図である。
図4】天井取付金具を設置する際の第2工程を示す一部断面図である。
図5】天井取付金具を設置する際の第3工程を示す一部断面図である。
図6】天井取付金具が天井吊り下げ物を支持する構造の一例を示す図である。
図7】第2実施形態における天井取付金具の一構成例を示す図である。
図8】第2実施形態の天井取付金具を設置した状態を示す斜視図である。
図9】第3実施形態における天井取付金具の一構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0015】
(第1実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1実施形態である天井取付金具1の一構成例を示す斜視図であり、図1は各構成部材を分解した状態を示しており、図2は各構成部材を組み付けた状態を示している。この天井取付金具1は、デッキプレートや天井スラブなどの天井構造の下面から垂下するボルト6と、空気調和機などの天井吊り下げ物を天井構造の下方位置において吊り下げた状態に支持する支持ボルト7とを連結する金具であって、天井構造の下面に接合した状態に設置される金具である。尚、図1及び図2において、ボルト6の上端部は図示を省略する天井構造に固定され、支持ボルト7の下端部は図示を省略する天井吊り下げ物に接続される。また、本実施形態では、ボルト6及び支持ボルト7として同径のボルトが使用される場合を例示する。
【0016】
図1に示すように、天井取付金具1は、断面コ字状の金具本体2と、金具本体2に対して添設される板部材3と、板部材3を金具本体2に対して固定するための少なくとも1つの締結部材4と、ボルト6の外周面に装着される弾性部材5とを備えて構成される。
【0017】
金具本体2は、鉄やステンレスなどによって構成され、長方形状の平板部11と、その平板部11の短尺方向両端部から立設する一対の側壁部12,12とを有する。すなわち、金具本体2は、平板部11と一対の側壁部12,12とによって概略コ字状の形態として形成される。平板部11には、ボルト6を挿通可能な長孔13と、その長孔13とは別に、支持ボルト7を挿通可能な取付孔14とが平板部11の長手方向に沿って互いに隣接する位置に形成されている。
【0018】
長孔13は、平板部11の短尺方向中央部において平板部11の長手方向に沿って細長い孔として形成される。長孔13の幅は、ボルト6の直径よりも若干大きいサイズとして形成される。ボルト6は、その長孔13の任意の位置に挿入することが可能である。
【0019】
取付孔14は、長孔13の一端から所定間隔離れた位置に形成され、支持ボルト7の直径よりも若干大きい直径の丸孔として形成される。ただし、取付孔14の形状は必ずしも丸孔に限られるものではなく、角穴であっても構わない。
【0020】
また平板部11は、長孔13の周縁部において長孔13の長手方向に沿って所定間隔で形成される複数の締結孔15を有している。これら複数の締結孔15は、平板部11において長孔13と側壁部12との間(例えば、長孔13と側壁部12との中間位置)において上下に貫通した状態に形成される。また、複数の締結孔15のそれぞれは、例えば、締結部材4の直径と同程度の直径、又は、締結部材4の直径よりも若干小さい直径の丸孔として形成される。
【0021】
一対の側壁部12,12は、平板部11と一体的に形成され、平板部11から同じ高さを有している。側壁部12は、金具本体2の長手方向において中央部よりも両端部の高さが高くなっており、この両端部が天井構造の下面に対して当接する接合部12aとして形成される。側壁部12は、天井構造の下面と接合することにより、平板部11と天井構造の下面との間に一定の空間を形成する。そして側壁部12,12の長手方向中央部が両端部の接合部12aよりも低くなることにより、接合部12aが天井構造の下面に当接した状態のとき、高さの低い中央部を窓として天井取付金具1の内側の状態を目視で確認できるという利点がある。
【0022】
板部材3は、矩形状の金属平板によって構成される。例えば、板部材3は、正方形又は長方形の金属平板によって構成され、金具本体2の平板部11よりも板厚の薄いものを用いることが好ましい。板部材3を正方形とする場合、板部材3の一辺の長さは、金具本体2の一対の側壁部12,12の間隔よりも小さく、且つ、長孔13の幅よりも大きい長さに形成される。また、板部材3を長方形とする場合、板部材3の短辺の長さは、金具本体2の一対の側壁部12,12の間隔よりも小さく、且つ、長孔13の幅よりも大きい長さに形成される。そのため、板部材3は、一対の側壁部12,12の間において平板部11の上面に載置することが可能である。この板部材3の中央には、長孔13に挿通されるボルト6を挿通可能な挿通孔16が形成される。例えば、挿通孔16は、ボルト6の直径よりも若干大きい直径の丸孔として形成される。この挿通孔16には、ボルト6に弾性部材5が装着されている状態でボルト6の先端が挿通される。
【0023】
弾性部材5は、例えばコイルばねで構成される。コイルばねの外径は板部材3の一辺(短辺)の長さと同等又はそれよりも小さい径である。また、コイルばねの内径はボルト6の直径より若干大きいサイズに設定される。更に、コイルばねの中心を通る軸方向の長さは、金具本体2の側壁部12の高さと同程度又はそれよりも若干大きいサイズに形成される。この弾性部材5は、コイルばねの内側にボルト6を挿入してボルト6の外周面に装着することが可能である。この弾性部材5は、板部材3と天井構造との間に配置され、板部材3を金具本体2の平板部11に向けて付勢する。
【0024】
天井取付金具1が天井構造に取り付けられるとき、金具本体2は、一対の側壁部12,12の先端が上側を向くように配置される。金具本体2がボルト6に対して装着されるとき、弾性部材5と板部材3とがボルト6に装着される。つまり、弾性部材5と板部材3とが装着されたボルト6の下端部が、金具本体2の長孔13に挿通され、長孔13の下方に突出するボルト6の先端部にワッシャ21及びナット22が装着される。
【0025】
ナット22が金具本体2の下面に対してきつく締め付けられていない仮止め状態のとき、天井取付金具1は、ボルト6の周りに回動可能であるとともに、ボルト6の挿通位置を長孔13の長手方向に沿って移動させることが可能である。そのため、取付孔14に取り付けられる支持ボルト7をボルト6の周囲の任意の方向に配置することができる。そしてナット22が金具本体2に対してきつく締め付けられることにより、金具本体2は、側壁部12,12の接合部12aを天井構造の下面に接合させた状態となり、ナット22による締め付けトルクによって天井構造に固定される。
【0026】
また、支持ボルト7の上端部には、ロングナットなどで構成されるナット23が予め装着される。支持ボルト7は、そのナット23から更に上方に突出する先端部7aが金具本体2の下方から取付孔14に挿通される。そして、その上方に突出する先端部分にナット24が装着される。これにより、支持ボルト7は、天井取付金具1によって支持された状態となる。また、天井取付金具1は、ナット24によって支持ボルト7の上端部から抜け落ちないようになる。尚、ナット24には、緩み止め機能を有するものを用いることが好ましい。
【0027】
ナット23が金具本体2の下面に対してきつく締め付けられていない仮止め状態のとき、天井取付金具1の金具本体2は、支持ボルト7の周りに回動可能である。そのため、支持ボルト7を取り付けた状態の金具本体2をボルト6に取り付けようとするときには、支持ボルト7の周りに金具本体2を回転させることにより、ボルト6と支持ボルト7との位置を調整することができる。そしてボルト6と支持ボルト7との位置調整を調整してからナット23を金具本体2の下面に対してきつく締め付けることにより、支持ボルト7を金具本体2に対して一体的に固定することができる。
【0028】
このように天井取付金具1は、ボルト6と支持ボルト7とを連結する際に、ボルト6に対する支持ボルト7の位置を簡単に調整することができる金具である。そしてボルト6に対する支持ボルト7の位置が決まれば、ナット22を金具本体2に対してきつく締め付けることにより、天井取付金具1の金具本体2を天井構造の下面に接合させた状態に固定することが可能である。尚、ナット22とナット23のうち、いずれを先にきつく締め付けるかは任意である。
【0029】
また、本実施形態の天井取付金具1は、ナット22を金具本体2に対して締め付けて天井構造に固定した後、締結部材4を用いて金具本体2と板部材3とを一体的に結合させることができる構成である。例えば、締結部材4は、タッピングビスによって構成され、長孔13の周縁部に形成されている複数の締結孔15のうち、板部材3の位置に形成されている一又は複数の締結孔15に対してねじ込まれることにより装着される。すなわち、締結部材4は、図2に示すように、平板部11の下面側から、平板部11に形成されている締結孔15を介して平板部11を貫通し、その締結孔15の上側に位置する板部材3にねじ込まれることにより、金具本体2と板部材3とを一体的に結合させるのである。このとき、板部材3は弾性部材5によって金具本体2の平板部11に向かって押圧付勢されているため、締結部材4を用いて板部材3と平板部11とを結合させる際に、板部材3が平板部11から浮いたりすることがない。つまり、弾性部材5は、板部材3に対して締結部材4がねじ込まれるときに、板部材3を平板部11に向けて押圧しているので、締結部材4を板部材3に対して埋入させることが可能である。その結果、板部材3と平板部11とを一体的に結合させることが可能となる。これにより、ボルト6は、長孔13の周縁部に対して固定されることになる。そのため、大規模地震発生時に、仮にボルト6又は天井取付金具1に対して横方向の大きな力が作用したとしても、ボルト6が長孔13に沿って横滑りすることがない。したがって、本実施形態の天井取付金具1は、大規模地震発生時においても、ボルト6と支持ボルト7との相対位置を変化させないようにして、ボルト6と支持ボルト7との相対位置を一定の状態に保持することができる。
【0030】
図3は、天井取付金具1を設置する際の第1工程を示す一部断面図である。図3に示すように、天井取付金具1を天井構造に取り付ける際には、まず金具本体2の取付孔14に対し、ナット23を装着した支持ボルト7の上端部を金具本体2の下面側から挿し、平板部11の上面側に突出する支持ボルト7の先端にナット24を取り付ける。ナット24は、例えば緩み止め機能によって支持ボルト7の先端に位置決めされた状態に取り付けられる。例えば、図3に示すように、ナット24の上面から支持ボルト7の先端が所定量突出した状態となるように、ナット24が支持ボルト7に取り付けられる。
【0031】
ナット23を金具本体2の下面に対して締め付けていない仮止め状態とすると、金具本体2は、支持ボルト7の軸周りのR1方向に回動可能である。そのため、天井取付金具1は、支持ボルト7を、ボルト6の周囲の所定半径の範囲内に設置することが可能である。そして図3に示すように、天井取付金具1は、金具本体2の長孔13がボルト6の下方に位置する状態で天井構造8に近づけていくことにより、長孔13にボルト6を差し込むことができる。このとき、ボルト6には、図3に示すように、弾性部材5及び板部材3が装着される。
【0032】
図4は、天井取付金具1を設置する際の第2工程を示す一部断面図である。図4に示すように、天井構造8に予め取り付けられているボルト6の下端部を弾性部材5と板部材3の挿通孔16とに挿入した後、その下端部を金具本体2の長孔13に差し込み、ボルト6の先端にワッシャ21とナット22とを装着して仮止め状態とする。ナット22が仮止め状態のとき、天井取付金具1は、ボルト6の軸周りのR2方向へ回動可能である。また、ナット22が仮止め状態のとき、ボルト6は長孔13に沿って移動可能である。さらに、ナット23が仮止め状態であれば、天井取付金具1は、支持ボルト7の軸周りに回動可能である。したがって、天井取付金具1は、ナット22,23が仮止め状態であるときにボルト6に対する支持ボルト7の相対位置を簡単に調整することができる。なお、本実施形態では、天井構造8として、デッキプレート81の上面にコンクリートなどの天井スラブ82が打設される場合を例示しているが、天井構造8は必ずしもこれに限られるものではない。このように本実施形態の天井取付金具1は、天井構造8に取り付ける際に、支持ボルト7とボルト6との位置関係に応じて、その位置及び姿勢を簡単に調整することが可能であり、高所での取り付け作業を効率的に行うことが可能である。
【0033】
図5は、天井取付金具1を設置する際の第3工程を示す一部断面図である。ボルト6に対する支持ボルト7の相対位置が決まると、図5に示すようにナット22を締め付けることで、側壁部12の両端に設けられている接合部12aが天井構造8の下面に当接した状態となる。そして、ナット22をきつく締め付けることで天井取付金具1が天井構造8に対して固定された状態となる。次に支持ボルト7に予め装着されているナット23を金具本体2の下面に対して締め付ける。これにより、ナット23とナット24との間に平板部11が挟み込まれた状態となり、支持ボルト7が天井取付金具1に固定される。このようにして天井取付金具1が天井構造8に固定されると、弾性部材5は、天井構造8の下面と板部材3の上面に挟まれて圧縮された状態となり、板部材3を金具本体2の平板部11に対して押圧付勢する。
【0034】
ナット22を締め付けるだけの固定態様では、ボルト6は横方向に関してナット22の締付力に相当する摩擦力だけで固定されているに過ぎない。そのため、大規模地震発生時にボルト6に対して横方向の大きな力が作用すると、ボルト6が長孔13に沿って横方向に滑る可能性がある。これを防止するため、本実施形態では、ナット22を締め付けた後、図5に示すように、更に締結部材4を用いて金具本体2の平板部11と板部材3とを一体的に結合させる。このとき、板部材3は弾性部材5によって金具本体2の平板部11に向かって付勢されている。そのため、締結部材4を平板部11の下面側から打ち付けて板部材3と平板部11とを結合させる際に、板部材3が平板部11から浮いたりすることがなく、締結部材4を平板部11から板部材3へ貫通させてそれらを一体的に結合させることが可能となる。また、上述したように板部材3の板厚を、平板部11の板厚よりも薄くしておくことにより、締結部材4の先端を簡単に板部材3に対して貫通させることができるという利点がある。これにより、ボルト6は、長孔13の長手方向に対して滑りを生じないように固定される。したがって、本実施形態の天井取付金具1は、大規模地震発生時においてもボルト6と支持ボルト7との相対位置を良好に保持することができるようになる。
【0035】
このように本実施形態の天井取付金具1は、ボルト6を挿通可能な長孔13が形成された平板部11と、長孔13を挟んで平板部11の両端部から立設し、天井構造8の下面に接合する側壁部12,12とを有する金具本体2を備えている。また、天井取付金具1は、金具本体2に加え、ボルト6を挿通可能な挿通孔16が形成され、その挿通孔16にボルト6が挿通された状態で平板部11に添設される板部材3と、板部材3と平板部11とを相互に締結することにより、長孔13の長手方向に対するボルト6の位置を固定する締結部材4とを備える構成である。このような構成の天井取付金具1は、ボルト6を長孔13の長手方向に沿って移動させることでボルト6の位置を調整することが可能であり、ボルト6の位置が決まれば、締結部材4を用いて板部材3と平板部11とを相互に締結することにより、ボルト6を固定することが可能であり、例えば大規模地震発生時にボルト6の固定位置が長孔13の長手方向に沿って滑ってしまうことを抑制することが可能である。
【0036】
尚、上記のような天井取付金具1において、高い強度が求められるのは金具本体2である。そのため、金具本体2は、鉄やステンレスなどの硬度の高い金属鋼材を用いて形成することが好ましい。一方、板部材3は、金具本体2と比較すると、高い強度が求められる部材ではない。そのため、板部材3として、比較的柔らかいアルミ合金などを用いて形成すれば、締結部材4をねじ込む際の作業性を向上させることができるようになる。
【0037】
次に、図6は、本実施形態の天井取付金具1が天井吊り下げ物200を支持する構造の一例を示す図である。天井取付金具1は、天井吊り下げ物200を支持する支持装置100の上端部に取り付けられる。支持装置100は、空気調和機や照明器具、ダクト、各種配管などの様々な天井吊り下げ物200を天井スラブなどの天井構造8から吊り下げた状態で支持する装置である。図6では、天井吊り下げ物200の一例として、天井設置タイプの空気調和機を例示している。
【0038】
図6に示すように、支持装置100は、鉛直方向に配置される複数の支持ボルト7(本実施形態では4本の支持ボルト7)と、複数の支持ボルト7のそれぞれの上端部に設けられ、天井構造8に取り付けられる天井取付金具1と、複数の支持ボルト7のうちの互いに隣接する一対の支持ボルト7,7間において斜め方向に取り付けられる複数のブレース31と、支持ボルト7の下部に取り付けられる支持枠体40と、支持枠体40に対して鉛直方向下向きに取り付けられる複数の吊設ボルト51(本実施形態では4本の吊設ボルト51)によって構成される支持部50と、を備える構成である。すなわち、天井構造8に取り付けられる天井取付金具1は、支持装置100の上端部に取り付けられる。
【0039】
複数の支持ボルト7は、平面視略四角形の頂点の位置に配置される。なお、この場合の平面はXY平面である(以下同様)。例えば複数の支持ボルト7は、軸方向に同一長さである。そして各支持ボルト7の上部に予めナット23が装着され、更にその上部に天井取付金具1が取り付けられる。また、各支持ボルト7の下端部が支持枠体40に連結される。したがって、複数の支持ボルト7は、支持枠体40の上面から立設した状態となるように支持枠体40に取り付けられる。
【0040】
互いに隣接する一対の支持ボルト7,7間には、2本のブレース31が互いに交差するように取り付けられる。それら2本のブレース31は、一対の支持ボルト7,7の上端部及び下端部を相互に連結する。このような2本のブレース31は、複数の支持ボルト7が配置された平面視略四角形の各側面に配置される。したがって、複数の支持ボルト7は、複数のブレース31によって相互に連結された状態となり、振動が抑制される。
【0041】
例えば、支持ボルト7の上端近傍位置及び下端近傍位置には、ブレース31を連結するためのブレース連結金具32が取り付けられる。ブレース連結金具32は、概略L字型の金具であり、L字型のコーナー部分が支持ボルト7に固定される。またブレース連結金具32は、コーナー部分から互いに直角を成すように延設される一対の連結片のそれぞれにブレース31を連結するための連結金具が取り付けられ、その連結金具がブレース31の先端部分を保持する構成である。例えば図6に示したブレース連結金具32では、一対の連結片のそれぞれがブレース31の外周部分を挟み込んで保持するように構成される。ただし、ブレース連結金具32は、必ずしもブレース31の外周部分を挟み込んで保持するものに限られない。上記のようなブレース連結金具32が、平面視略四角形の頂点の位置に配置された各支持ボルト7の上端近傍位置及び下端近傍位置に取り付けられ、一対の支持ボルト7,7間において交差するように配置される2本のブレース31のそれぞれの上端部及び下端部を保持する。
【0042】
また、一対の支持ボルト7,7間において2本のブレース31,31が交差する交差部には、2本のブレース31,31を相互に連結するための交差連結金具33が取り付けられる。この交差連結金具33は、例えば円盤状に形成された2枚のプレート部材の間にブレース31,31の交差部を挟み込んで保持する金具である。例えば2枚のプレート部材のそれぞれには、ブレース31の外周部を包囲することができるように折り曲げられた包囲部がブレース31の軸方向に沿うように設けられる。2本のブレース31,31の交差角度は一定ではないため、交差連結金具33は、各プレート部材の中央に装着されるボルトを緩めることにより、それぞれの包囲部が成す角度を適宜調整することが可能である。そして2枚のプレート部材のそれぞれに設けられた包囲部が2本のブレース31,31の外周部を包囲した状態でボルトが締め付けられることにより、交差連結金具33は、2本のブレース31,31の交差部を強固な状態に連結する。
【0043】
支持部50は、支持枠体40から垂下する複数の吊設ボルト51によって構成される。吊設ボルト51は、例えば天井吊り下げ物200の四隅を支持可能なように支持枠体40に対して鉛直方向に取り付けられる。そして各吊設ボルト51の下端部に対して天井吊り下げ物200を取り付けることにより、支持部50は、天井吊り下げ物200を吊設した状態で支持することが可能である。
【0044】
支持枠体40は、複数のフレーム部材41が平面視略矩形状に組み付けられることによって構成され、支持ボルト7と吊設ボルト51とを連結する。本実施形態では、X方向に沿って配置される2本のフレーム部材41,41と、Y方向に沿って配置される2本のフレーム部材41,41とが井桁状に組み付けられることにより、支持枠体40が構成される。図6の例では、X方向に沿って配置される2本のフレーム部材41,41の下側に対し、Y方向に沿って配置される2本のフレーム部材41,41を組み付けられた場合を例示している。
【0045】
支持枠体40を構成するフレーム部材41は、例えばリップ溝形鋼又は軽溝形鋼などの一対の鋼材を組み合わせて構成され、それら一対の鋼材の間にスリットが形成された構成である。このスリットは、フレーム部材41の長手方向の一端側から他端側まで形成されており、フレーム部材41を上下に貫通している。
【0046】
支持ボルト7の下端部は、支持枠体40を構成する4本のフレーム部材41のうち、上側に配置されるフレーム部材41に取り付けられる。すなわち、支持ボルト7の下端部は、上側のフレーム部材41のスリットに挿入され、フレーム部材41を挟んでその上部及び下部にナットが締着されることにより、フレーム部材41に取り付けられる。支持ボルト7の下端部の取付位置は、上側のフレーム部材41のスリットに沿って調整可能である。つまり、支持ボルト7は、上側のフレーム部材41の長手方向(X方向)における任意の位置に取り付けることが可能である。
【0047】
吊設ボルト51の上端部は、支持枠体40を構成する4本のフレーム部材41のうち、下側に配置されるフレーム部材41に取り付けられる。すなわち、吊設ボルト51の上端部は、下側のフレーム部材41のスリットに挿入され、フレーム部材41を挟んでその上部及び下部にナットが締着されることにより、フレーム部材41に取り付けられる。吊設ボルト51の上端部の取付位置は、下側のフレーム部材41のスリットに沿って調整可能である。つまり、吊設ボルト51は、下側のフレーム部材41の長手方向(Y方向)における任意の位置に取り付けることが可能である。
【0048】
上記のようにして支持装置100は、天井吊り下げ物200に取り付けられる。支持装置100は、例えば作業者が床面上で作業を行うことにより、天井吊り下げ物200に支持装置100を取り付けることができる。そのため、作業者は、互いに隣接する一対の支持ボルト7,7間にブレース31を配置する作業などを効率的に行うことができる。そして天井吊り下げ物200に対して支持装置100を取り付けると、作業者は、昇降装置などを用いて、支持装置100が組み付けられた天井吊り下げ物200を天井構造8の設置位置近傍まで持ち上げ、支持装置100の上端部に設けられた天井取付金具1を天井構造8から垂下するボルト6に連結して固定する。このとき、ナット22,23を仮止め状態とすることにより、ボルト6に対する天井取付金具1の位置及び姿勢を相対変位させることでボルト6と支持ボルト7との相対位置を簡単に調整することができる。そのため、作業者は、天井取付金具1を天井構造8に仮止めした状態で、ボルト6に対する支持ボルト7の位置を調整しながら天井取付金具1を適切な位置に取り付けることができる。
【0049】
そしてボルト6に対する支持ボルト7の位置調整が完了すると、作業者は、締結部材4を用いて天井取付金具1の平板部11と板部材3とを一体的に結合し、ボルト6が長孔13の長手方向に沿って横滑りしないように固定する。以上で、天井吊り下げ物200の施工が完了する。
【0050】
尚、上記においては、天井吊り下げ物200を支持する支持装置100が支持枠体40を備える場合を例示したが、これに限られるものではない。すなわち、支持装置100は、支持枠体40を備えていない構成であっても構わない。例えば、支持ボルト7の下端部が天井吊り下げ物200に連結される構成であっても構わない。
【0051】
(第2実施形態)
次に、本発明に関する第2実施形態について説明する。図7は、第2実施形態における天井取付金具1の一構成例を示す図である。図7(a)に示すように、本実施形態の天井取付金具1は、金具本体2の平板部11の両端から互いに平行な状態で立設する一対の側壁部12,12の内側に係合部12bを設けたものである。係合部12bは、平板部11において長孔13が形成されている部分に対応して設けられる。係合部12bは、側壁部12の内面を長孔13が形成されている内側方向に向けて突出形成したものであり、長孔13の長手方向に沿って設けられる。係合部12bは、その下面と平板部11との間に一定隙間を生じさせるためのものである。この隙間は、板部材3の厚みよりも大きくなるように形成される。そのため、板部材3は、図7(a)に示すように、天井取付金具1の一端から、係合部12bと平板部11との間に差し込むことができる。
【0052】
図7(b)は、係合部12bと平板部11との間に板部材3を差し込んだ状態を示す天井取付金具1の側面図である。図7(b)に示すように、本実施形態の天井取付金具1は、板部材3を係合部12bと平板部11との間に差し込むことにより、板部材3を平板部11に添設することができる。そして板部材3が平板部11に添設されると、板部材3の両端部分が係合部12bと平板部11との間に差し込まれた状態となる。この状態において、板部材3と平板部11とが締結部材4によって結合されていないとき、板部材3は、長孔13の長手方向に摺動可能である。そのため、ボルト6を板部材3の挿通孔16及び平板部11の長孔13に挿通した状態でボルト6の位置を長孔13の長手方向に沿って調整することが可能である。
【0053】
図8は、天井取付金具1を用いてボルト6と支持ボルト7とを連結した状態を示す図である。本実施形態の天井取付金具1は、第1実施形態と同様に、ボルト6と支持ボルト7との相対位置関係が決まると、平板部11の下面側から締結部材4をねじ込むことにより、平板部11と板部材3とを結合することができる。このとき、板部材3の端部が係合部12bと係合するため、締結部材4を締結孔15にねじ込んでいく過程において板部材3が平板部11から浮いてしまうことを防止することができ、締結部材4を確実に板部材3にねじ込むことができるようになる。その結果、図8に示すように締結部材4の先端が板部材3を貫通した状態に施工でき、板部材3と平板部11とを一体的に結合させることができる。したがって、本実施形態の天井取付金具1は、第1実施形態のように弾性部材5を設けことなく、板部材3と平板部11とを結合させることができるので、部品点数を削減できるという利点がある。
【0054】
尚、本実施形態において上述した点以外については、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0055】
(第3実施形態)
次に、本発明に関する第3実施形態について説明する。図9は、第3実施形態における天井取付金具1の一構成例を示す図である。図9に示すように、本実施形態の天井取付金具1は、第1実施形態で説明したワッシャ21に代えて板部材3を配置する形態である。すなわち、本実施形態の天井取付金具1は、金具本体2の平板部11の下面側に板部材3を添設する形態であり、板部材3が平板部11とナット22との間に配置される。
【0056】
また、本実施形態の板部材3には、締結部材4を挿通するための締結孔3aが少なくとも1つの箇所に設けられる。尚、図9では、板部材3の2箇所に締結孔3aが設けられた場合を例示している。この締結孔3aは、平板部11において長孔13が存在しない位置に対応するように形成される。これに対し、金具本体2の平板部11には、第1実施形態で説明した締結孔15が設けられていなくても良い。
【0057】
上記のような構成の天井取付金具1を天井構造8に取り付ける際には、図9に示すように、ボルト6の下端部を金具本体2の長孔13に挿通し、平板部11の下面から下方に突出するボルト6の先端に対し、板部材3を取り付けてからナット22を装着する。ナット22を仮止め状態としておけば、上述したようにボルト6と支持ボルト7との相対位置を簡単に調整することが可能である。そしてボルト6と支持ボルト7との相対位置が決まれば、ナット22をきつく締め付けることにより、天井取付金具1を天井構造8に固定することができる。天井取付金具1が天井構造8に固定されると、締結部材4を板部材3の締結孔3aに対してねじ込んでいくことにより、板部材3と平板部11とを一体的に結合させることができる。
【0058】
ところで、図9では、板部材3を平板状の部材として形成したものを例示した。板部材3が平板状の部材である場合、ナット22を締め付けるときに板部材3が供回りして締結孔3aの位置ズレが発生してしまう可能性がある。これを防止するためには、例えば板部材3を概略コ字状に形成し、板部材3の両端部に、金具本体2の一対の側壁部12,12の外面と係合する係合部を設けた構成を採用しても良い。板部材3の両端部に係合部を設けることにより、ナット22を締め付けるときに板部材3の供回りを防止することができるようになり、締結孔3aの位置ズレを防止することができる。
【0059】
尚、本実施形態において上述した点以外については、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0060】
(変形例)
以上、本発明に関する幾つかの実施形態について説明したが、本発明は、上記各実施形態で説明したものに限定されるものではない。すなわち、本発明は、上記各実施形態で説明した構成以外にも種々の変形例を適用することが可能である。
【0061】
例えば、第1実施形態では、弾性部材5としてコイルばねを例示した。しかし、弾性部材5は、コイルばねに限られるものではない。例えば、弾性部材5は、ゴムなどの弾性体を母材として形成される円筒状の部材であっても構わない。
【0062】
また、上記各実施形態では、天井取付金具1において、ボルト6を挿通するための長孔13と、支持ボルト7を取り付けるための取付孔14とが別に設けられている場合を例示したが、これに限られるものではない。すなわち、金具本体2の平板部11には、上述した長孔13と取付孔14とが一体となった1つの長孔13が形成されたものであっても構わない。
【符号の説明】
【0063】
1…天井取付金具、2…金具本体、3…板部材、4…締結部材、5…弾性部材、6…ボルト、7…支持ボルト、11…平板部、12…側壁部、13…長孔、14…取付孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9