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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】灯具
(51)【国際特許分類】
   F21V 29/67 20150101AFI20240315BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240315BHJP
   F21S 43/20 20180101ALI20240315BHJP
   F21S 45/10 20180101ALI20240315BHJP
   F21S 45/43 20180101ALI20240315BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20240315BHJP
   F21V 9/08 20180101ALI20240315BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20240315BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20240315BHJP
   F21W 107/13 20180101ALN20240315BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240315BHJP
【FI】
F21V29/67 100
F21S43/14
F21S43/20
F21S45/10
F21S45/43
F21V3/02 400
F21V9/08 400
F21V29/503
F21W103:20
F21W107:13
F21Y115:10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022068604
(22)【出願日】2022-04-19
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2022117503
(43)【公開日】2022-08-10
【審査請求日】2022-04-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516370235
【氏名又は名称】株式会社REIZ
(74)【代理人】
【識別番号】100189865
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 正寛
(74)【代理人】
【識別番号】100094215
【弁理士】
【氏名又は名称】安倍 逸郎
(72)【発明者】
【氏名】石田 晋士
【合議体】
【審判長】筑波 茂樹
【審判官】沼生 泰伸
【審判官】中村 則夫
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3223886(JP,U)
【文献】特開2017-59416(JP,A)
【文献】特開2001-125516(JP,A)
【文献】特開昭61-206104(JP,A)
【文献】特開2011-165351(JP,A)
【文献】国際公開第2019/131054(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 29/67
F21S 43/14
F21S 43/20
F21S 45/10
F21S 45/43
F21V 3/02
F21V 9/08
F21V 29/503
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される灯具であって、
発光部を有する発光半導体素子と、
前記発光半導体素子に対し電気的に並列接続され、通電時に前記発光半導体素子に向けて送風するファンと、
前記発光部をその発光方向外側から覆うように配置されるカバー部と、を含み、
前記カバー部は、前記発光部から発光される光量を減少させた状態で前記発光部の光を透過させる透過フィルタ膜部を有し、
前記透過フィルタ膜部は、前記カバー部の外周面に光量を減少させる塗料素材でコーティング、又は、前記カバー部の材料に前記塗料素材を混合したうえで射出成型して前記カバー部と一体化、することにより設けられる灯具。
【請求項2】
前記発光半導体素子を複数含み、
前記ファンは、前記発光半導体素子のいずれにも電気的に並列接続される請求項1に記載の灯具。
【請求項3】
前記カバー部は、前記発光半導体素子の前記発光部のそれぞれを一体的に覆うように設けられる請求項2に記載の灯具。
【請求項4】
前記カバー部は円筒状に形成され、
前記発光半導体素子のそれぞれは、前記カバー部の内部に配置される請求項3に記載の灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車および二輪車などの車両に搭載される灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車および二輪車などの車両において、その左右両側には左右一対のウインカーが配設される。この左右一対のウインカーのそれぞれにはバルブ(灯具の一例)が内設されており、そのバルブが点滅することでその左右一対のウインカーは車両の、左折または右折などの進行方向を外部の車両や歩行者などに報知する。
【0003】
左右一対のウインカーのうち、その一方のバルブが切れた場合、車両に搭載される制御装置は、その一方のバルブに電流が流れていないことを検出し、その他方のバルブの点滅周期を早くさせる。この状態または現象はハイフラッシャー状態またはハイフラッシャー現象と呼ばれ、このハイフラッシャー状態により車両の運転者は、バルブが切れたことを認識することが可能となる。
なお、ウインカー灯具以外の、テールランプ、バックランプにおいても、バルブが切れた際に、ワーニング(異常を示す表示灯)などが計器パネルなどで表示される。
【0004】
ところで、発光半導体素子(LED:Light Emitting Diode、以下「LED素子」ともいう。)の普及などにより、車両においてもそのヘッドライトまたは、ウインカーなどの信号灯具などの照明装置にLED素子が広く採用されるようになった。また、LED素子を含む灯具(以下「LED灯具」ともいう。)では、そのLED素子が点灯した際の消費電力の定格は、純正・標準のウインカーのバルブと同等に設定されている場合が多い。
【0005】
しかしながら、LED素子に流れる電流は小さく、LED素子の消費電力は純正のウインカーのバルブと比較してわずかであり、上述の消費電力の定格を満たさない場合がある。そのため、車両の制御装置は、LED灯具が故障したと誤判定し、ハイフラッシャー状態とする制御をする可能性がある。ウインカー灯具以外の、テールランプ、バックランプにおいても同様に、純正バルブと消費電力が異なった際、ワーニング(異常を示す表示灯)などが表示される可能性がある。
【0006】
そこで、従来技術として、複数のLED素子と、複数のスイッチ素子と、複数の抵抗と、制御部と、を備えるLED灯具が知られる(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1のLED灯具では、複数のスイッチ素子は、複数のLED素子に対応して設けられ、LED素子に並列に接続される。複数の抵抗は、複数のLED素子に対応して設けられ、LED素子とスイッチ素子とに直列に接続され、通電開始指令時に電源が印加される。そして、制御部は、複数のLED素子のそれぞれのLED素子を順次点灯させるとともに、LED素子の点灯に先立ってスイッチ素子をオンさせて抵抗およびスイッチ素子に電流を流した後、スイッチ素子をオフさせて抵抗およびLED素子に電流を流す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第5947964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のLED灯具は、その電気回路に抵抗器(抵抗)を備えることで消費電力を増加させて、前述した車両の制御装置の誤判定を防止するものである。
【0009】
しかしながら、抵抗器は熱を発生させるため、LED素子の抵抗値が減少してしまい、結果的に、LED灯具全体の電気的な抵抗値が十分に上昇することができず、制御装置の誤判定に繋(つな)がる可能性がある。また、一般的に広く普及している(以下「普及版の」ともいう。)LED素子の発光部の光量は、その同様な定格において標準のウインカーのバルブと比べた場合、はるかに大きい。つまり、従来の灯具に代えてLED灯具を用いようとする際、LED灯具は過度に明るくなってしまう嫌いがある。前述の特許文献1のLED灯具は、これら点で改善の余地があった。
【0010】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、灯具の電気回路に抵抗器を挿入した場合でも発光半導体素子の抵抗値が減少するのを抑制して、車両の制御部が誤判定するのを防止するとともに、普及版などの一般的の発光半導体素子を用いた場合でも過度に明るくなることを抑制することができる灯具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上述した目的は、下記の構成により達成される。
(1)車両に搭載される灯具であって、発光部を有する発光半導体素子と、前記発光半導体素子に対し電気的に並列接続され、通電時に前記発光半導体素子に向けて送風するファンと、前記発光部をその発光方向外側から覆うように配置されるカバー部と、を含み、前記カバー部は、前記発光部から発光される光量を減少させた状態で前記発光部の光を透過させる透過フィルタ膜部を有し、前記透過フィルタ膜部は、前記カバー部の外周面に光量を減少させる塗料素材でコーティング、又は、前記カバー部の材料に前記塗料素材を混合したうえで射出成型して前記カバー部と一体化、することにより設けられる灯具。
(2)前記発光半導体素子を複数含み、前記ファンは、前記発光半導体素子のいずれにも電気的に並列接続される、(1)に記載の灯具。
(3)前記カバー部は、前記発光半導体素子の前記発光部のそれぞれを一体的に覆うように設けられる、(2)に記載の灯具。
(4)前記カバー部は円筒状に形成され、前記発光半導体素子のそれぞれは、前記カバー部の内部に配置される、(3)に記載の灯具。
【0012】
前記(1)の構成によれば、ファンは発光半導体素子に電気的に並列接続され、通電時に発光半導体素子に向けて送風する。ファンは電気的に抵抗器として機能するとともに、発光半導体素子の温度が所定の温度以上とならないように冷却する。このため、灯具の電気回路に抵抗器を挿入した場合でも発光半導体素子の抵抗値が減少するのを抑制して、車両の制御部が誤判定するのを防止することができる。これにより、灯具の制御異常に起因するハイフラッシャー現象およびワーニング表示などの誤作動の発生を抑制することができる。また、カバー部は、発光半導体素子の発光部をその発光方向外側から覆うように配置されており、また、発光部から発光される光量を減少する透過フィルタ膜を有して構成される。このため、普及版などの一般的な発光半導体素子を用いた場合でも過度に明るくなることを抑制して、コスト削減および車両安全の確保を図ることができる。
前記(2)の構成によれば、発光半導体素子を複数含み、ファンは、発光半導体素子のいずれにも電気的に並列接続されるため、車両の制御部が誤判定するのをより効率良くまたはより確実に防止することができる。
前記(3)の構成によれば、カバー部は、発光半導体素子の発光部のそれぞれを一体的に覆うように設けられるため、部品点数を少なくしてコスト削減および灯具全体の小型化を図ることができる。
前記(4)の構成によれば、カバー部は円筒状に形成され、発光半導体素子のそれぞれは、カバー部の内部に配置されるため、灯具全体をより一層小型化するとともに、灯具の強度も高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、灯具の電気回路に抵抗器を挿入した場合でも発光半導体素子の抵抗値が減少するのを抑制して、車両の制御部が誤判定するのを防止するとともに、普及版などの一般的の発光半導体素子を用いた場合でも過度に明るくなることを抑制することができる。
【0014】
以上、本発明について簡潔に説明した。さらに、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細はさらに明確化されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施形態に係る灯具を説明する斜視図である。
図2図2は、図1に示す灯具の上面図である。
図3図3は、図2に示すA-A断面図である。
図4図4は、図2に示すB-B断面図である。
図5図5は、図1に示す灯具の電気回路の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る灯具(以下「LED灯具」ともいう。)に関する実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0017】
ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。また、添付図面のそれぞれは符号の向きに従って参照するものとする。
【0018】
[LED灯具の物理的構成について]
まず図1図4を参照して、本発明に係る実施形態の灯具10(以下「LED灯具」ともいう。)の物理的構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るLED灯具10を説明する斜視図である。図2は、図1に示すLED灯具10の上面図である。図3は、図2に示すA-A断面図である。図4は、図2に示すB-B断面図である。
なお、図3は後述する発光半導体素子11を含まない断面であり、図4は発光半導体素子11を含む断面である。
【0019】
図1図4に示すように、本実施形態に係るLED灯具10は、複数(本実施形態では18個)の発光半導体素子11(以下「LED素子11」ともいう。)と、筐体部12と、ファン21と、ファン保持部22と、を含んで構成される。
【0020】
複数のLED素子11は、外方に光を放射する発光部(不図示)を有する。また、複数のLED素子11は、3つで1組(以下この組を「ユニット」ともいう。)を構成しており、本実施形態ではLED素子11は18個用いられるので、合計、6組のユニット11Aが組成される。1つのユニット11Aにつき3個のLED素子11は、互いに隣接して直線状に(図中で上下方向に沿って)並設される。LED素子11のユニット11Aのそれぞれでは通電されるとその3つのLED素子11が同時に点灯する。
【0021】
筐体部12は、金属製部材(例えばアルミホイール製部材)からなり全体的に略円筒状に形成される。また、筐体部12は、LED固定部13と、カバー部18と、ベース部20と、を有して構成される。
【0022】
LED固定部13は、有底の略円筒状に形成されており、先端部に開口部14を有する。LED固定部13の外周面には周方向に亘(わた)って段部15が設けられる。この段部15により、LED固定部13の外周面には、大径部16および小径部17が設けられる。LED固定部13の小径部17の外周面に、複数のLED素子11のユニット11Aのそれぞれが周方向で略等間隔で並列して貼設または埋設される。つまり、複数のLED素子11のそれぞれは、LED固定部13の表面に固設されており、通電時にLED固定部13(LED灯具10の本体)の径方向外側に向けて放射して発光する。
【0023】
カバー部18は、合成樹脂部材からなり略円筒状に形成される。また、カバー部18の内径がLED固定部13の小径部17の外径よりも若干大きく設けられる。カバー部18の内側にLED固定部13の小径部17が、複数のLED素子11がその表面で固設された状態で挿入される。この挿入により、カバー部18の一端面がLED固定部13の段部15の端面に当接し、その当接された状態でカバー部18がLED固定部13に取付固定される。つまり、カバー部18はLED素子11の発光部のそれぞれをその発光方向外側から一体部に覆うように設けられる。また、LED素子11のそれぞれは、カバー部18の内周面と、LED固定部13の小径部17の外周面と、の間、換言すればカバー部18の内部に配置されることになる。
【0024】
また、カバー部18の少なくとも表面には、LED素子11の発光部から発光される光量を減少させた状態で発光部の光を透過させる透過フィルタ膜部19が形成されており、そのため、例えばカバー部18は、その外観は白濁して設けられる。それにより、LED灯具10のLED素子11として、普及版のものを用いた場合でも過度に明るくなることを抑制して、コスト削減および車両安全の確保を図ることが可能となる。
【0025】
なお、本実施形態では、透過フィルタ膜部19は、例えばカバー部18の外周面を所定の塗料素材でコーティングするか、またはカバー部18の合成樹脂の材料に同様な素材を混合した上で射出成形などしてカバー部18と一体に設けられるが、これに限定されない。透過フィルタ膜部19としては、光量を減少させてその光を透過可能なフィルタ機能を有するものであれば適宜種々の部材または材料を採用することが可能である。
【0026】
ベース部20は、LED固定部13に一体に設けられ、板状に形成される。ベース部20は、その先端部でLED固定部13の基端部に連結する。ベース部20の先端部の幅寸法は、LED固定部13の外周形状と略一致して設けられる。
なお、LED固定部13の外径は、取り付ける車両における正規品(従来品)のLED灯具の大きさにより規定される。
【0027】
ファン21は、抵抗器としてのモータ(不図示)と、モータの回転軸に固着されるプロペラ(不図示)と、を含んで、送風可能に構成される。このファン21は、金具(不図示)を用いてファン保持部22の貫通孔23(後述)の内部に配置される。
なお、本実施形態では、ファン21は市販品ものが用いられるが、それに限定されず、本実施形態のLED灯具10専用に設計されてもよい。
【0028】
ファン保持部22は、金属製部材(例えばアルミホイール製部材)からなり、略円筒状に形成されてその軸方向に(図中で上下方向に沿って)延在する貫通孔23を有する。また、LED固定部13と同様にファン保持部22の外周面には周方向に亘って段部24が設けられ、ファン保持部22は大径部25および小径部26を有する。ファン保持部22の小径部26の外径は、LED固定部13の内径より小さく設けられる。ファン保持部22は、その小径部26でLED固定部13の内側にその開口部14から挿嵌されて取り付けられる。
【0029】
ファン保持部22の貫通孔23の内周壁には保持金具(不図示)が配設される。この保持金具が、ファン保持部22の貫通孔23の上側においてその内側にファン21を、その貫通孔23とファン21とに間隙を在して保持する。この間隙により、貫通孔23に送られる空気が断熱材として機能することが可能となる。また、ファン保持部22は、その小径部26がLED固定部13の内部に挿嵌された状態で、連結金具によってLED固定部13に固着される。
なお、この連結金具27での固着により、カバー部18はLED固定部13から離脱不能に固定されることになる。
【0030】
このように保持されたファン21が稼働することで、ファン保持部22の貫通孔23を通じてLED固定部13の内部に向けて空気が送られ、その結果、複数のLED素子11のそれぞれが冷却される。このとき、ファン21は後述するLED灯具10の電気回路において抵抗器として機能するが、単に発熱するのではなく、供給された電力によってLED素子11の温度が所定の温度以上とならないようにLED素子11のそれぞれを冷却する。そのため、長時間に亘ってLED灯具10を使用した場合でも、LED素子11の抵抗値が減少するのを抑制して、車両の制御部が誤判定するのを防止することが可能となる。
【0031】
[LED灯具の電気回路の構成について]
次に図5を参照して、LED灯具10の電気回路の構成について説明する。図5は、図1に示すLED灯具10の電気回路の構成を示す回路図である。
【0032】
図5に示すように、電気回路は、電源として定電流装置30を有し、負荷として、1つのファン21と、複数(本実施形態では6つ)の抵抗素子31と、複数(本実施形態では6組)のLED素子11のユニット11Aと、を有する。
【0033】
定電流装置30は、定電流ダイオード(不図示)を並列接続し、LED素子11およびファン21に一定電流を安定的に供給する。
なお、定電流装置30は、LED固定部13の内部に収納される(図4参照)。
【0034】
複数のLED素子11のユニット11Aのそれぞれに、複数の抵抗素子31のそれぞれが電気的に直列接続される。この1つのLED素子11のユニット11Aおよび1つの抵抗素子31で1つのLED素子11-抵抗のユニット31Aを組成し、これら6組のLED素子11-抵抗のユニット31Aのそれぞれが、互いに並列に電気的に接続する。さらに、これら6組のLED素子11-抵抗のユニット31Aに対してファン21も同様に電気的に並列接続される。これら負荷としての、LED素子11、抵抗素子31およびファン21は、定電流装置30に接続されており、それにより、LED灯具10として1つの電気回路が構成される。
【0035】
車載バッテリー(不図示)から供給される電流は、定電流装置30に流れ、その後、ファン21、LED素子11、抵抗素子31のそれぞれに電流が流れる。その後、電流は、定電流装置30を経由してバッテリーに戻る。
【0036】
[LED灯具の利点について]
以上説明したように本実施形態によれば、ファン21はLED素子11(発光半導体素子の一例)に電気的に並列接続され、通電時にLED素子11に向けて送風する。ファン21は電気的に抵抗器として機能するとともに、LED素子11の温度が所定の温度以上とならないように冷却する。このため、LED灯具10の電気回路に抵抗器を挿入した場合でもLED素子11の抵抗値が減少するのを抑制して、車両の制御部が誤判定するのを防止することができる。これにより、LED灯具10の制御異常に起因するハイフラッシャー現象およびワーニング表示などの誤作動の発生を抑制することができる。また、カバー部18は、LED素子11の発光部をその発光方向外側から覆うように配置されており、発光部から発光される光量を減少させた状態で発光部の光を透過させる透過フィルタ膜を有して構成される。このため、普及版などの一般的なLED素子11を用いた場合でも過度に明るくなることを抑制して、コスト削減および車両安全の確保を図ることができる。
【0037】
また本実施形態によれば、LED素子11(発光半導体素子の一例)を複数含み、ファン21は、LED素子11のいずれにも電気的に並列接続されるため、車両の制御部が誤判定するのをより効率良くまたはより確実に防止することができる。
【0038】
また本実施形態によれば、カバー部18は、LED素子11(発光半導体素子の一例)の発光部のそれぞれを一体的に覆うように設けられるため、部品点数を少なくしてコスト削減およびLED灯具10全体の小型化を図ることができる。
【0039】
また本実施形態によれば、カバー部18は円筒状に形成され、LED素子11(発光半導体素子の一例)のそれぞれは、カバー部18の内部に配置されるため、LED灯具10全体をより一層小型化するとともに、LED灯具10の強度も高めることができる。
【0040】
以上、図面を参照しながら具体的実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
灯具の電気回路に抵抗器を挿入した場合でも発光半導体素子の抵抗値が減少するのを抑制して、車両の制御部が誤判定するのを防止するとともに、普及版などの一般的の発光半導体素子を用いた場合でも過度に明るくなることを抑制することができる灯具として有用である。
【符号の説明】
【0042】
10 :LED灯具(灯具)
11 :LED素子(発光半導体素子)
11A :ユニット
12 :筐体部
13 :LED固定部
14 :開口部
15 :段部
16 :大径部
17 :小径部
18 :カバー部
19 :透過フィルタ膜部
20 :ベース部
21 :ファン
22 :ファン保持部
23 :貫通孔
24 :段部
25 :大径部
26 :小径部
27 :連結金具
30 :定電流装置
31 :抵抗素子
31A :ユニット
図1
図2
図3
図4
図5