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特許7454878補助エンクロージャを利用するガスエンクロージャシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】補助エンクロージャを利用するガスエンクロージャシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H10K 71/13 20230101AFI20240315BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240315BHJP
   B05C 15/00 20060101ALI20240315BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
H10K71/13
B05C5/00 101
B05C15/00
B05C11/10
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022177620
(22)【出願日】2022-11-04
(62)【分割の表示】P 2020181803の分割
【原出願日】2014-03-11
(65)【公開番号】P2023010755
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2022-11-26
(31)【優先権主張番号】13/802,304
(32)【優先日】2013-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513317345
【氏名又は名称】カティーバ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140833
【弁理士】
【氏名又は名称】岡東 保
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン マウック
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ソ-カン コー
(72)【発明者】
【氏名】イリアフ ブロンスキー
(72)【発明者】
【氏名】シャンドン アルダーソン
【審査官】中山 佳美
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-529489(JP,A)
【文献】特開2003-173871(JP,A)
【文献】特開2010-211045(JP,A)
【文献】特開2010-267399(JP,A)
【文献】特開2008-246435(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0156970(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101041149(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/00-99/00
H05B 33/00-33/28
B05C 5/00
B05C 15/00
B05C 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を印刷するためのシステムであって、前記システムは、
内部部屋を画定するエンクロージャと、
前記内部部屋内に配置された印刷システムと、
前記エンクロージャに結合され、粒子状物質の濾過を提供するガス濾過ユニットと、
前記内部部屋内に配置され、前記内部部屋を第1の部屋と第2の部屋に分離するように動
作可能な開閉弁と
前記2の部屋に配置され、プリントヘッド管理システム位置付けシステム上に配置されたプリントヘッド管理システムと、を備え、
前記第2の部屋は、前記印刷システムの側面に沿って配置され、前記プリントヘッド管理システムは、前記開閉弁を介して、前記印刷システムのプリントヘッドによってアクセス可能であり、
前記プリントヘッド管理システム位置付けシステムは、前記プリントヘッド管理システ
ムをX-Y方向に位置付けするように構成されている、システム。
【請求項2】
前記エンクロージャは、複数のフレーム部材を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記印刷システムは、基板浮動式テーブルを含む基板支持装置を備え、前記第2の部屋は前記基板浮動式テーブルの側面に沿って配置される、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記印刷システムはベース上に配置され、前記プリントヘッド管理システム位置付けシステムは、前記ベースに取り付けられたプラットフォーム上に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記エンクロージャは、密閉された接合部で互いに嵌合する複数のエンクロージャパネルを備え、少なくとも2つの隣接するエンクロージャパネルはダクトを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ガス濾過ユニットは、前記エンクロージャの天井フレーム部材に結合される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ダクトは、ガス精製システム及び前記内部部屋と流体連通している、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記プリントヘッド管理システムが第1のプリントヘッド管理システムであり、前記印刷システムのもう一方の側面に沿って配置され、前記プリントヘッドによってアクセス可能な第2のプリントヘッド管理システムをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記エンクロージャに結合され、前記エンクロージャの前記内部部屋内の温度を制御する温度制御システムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ガス濾過システムは、ガス送風機を備え、前記温度制御システムは、前記ガス送風機の下流に配置された熱交換器を備える、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記エンクロ―ジャ内部の照明をさらに備え、前記照明は処理中の材料劣化を回避するように選択された波長を有する、請求項1記載のシステム。
【請求項12】
基板を印刷するためのシステムであって、前記システムは、
密封された接合部で互いに嵌合する複数のエンクロージャパネルを備え、内部部屋を画定するエンクロージャと、
前記内部部屋内に配置された基板浮動式テーブルを備える印刷システムと、
前記エンクロージャに結合され、粒子状物質の濾過を提供するガス濾過ユニットと、
前記内部部屋内に配置され、前記内部部屋を第1の部屋と第2の部屋に分離するように動作可能なドアと、
プリントヘッド管理システム位置付けシステム上に配置されたプリントヘッド管理システ
と、を備え、
前記プリントヘッド管理システムおよび前記プリントヘッド管理システム位置付けシステムは、前記基板浮動式テーブルの側面に沿った前記第2の部屋に配置され、
前記プリントヘッド管理システムは、前記印刷システムのプリントヘッドによって、前記ドアを介して、アクセス可能であり、
前記プリントヘッド管理システム位置付けシステムは、前記プリントヘッド管理システムをX-Y方向に位置付けするように構成されている、システム。
【請求項13】
前記印刷システムの前記プリントヘッドは、前記第1の部屋から前記第2の部屋へ移動可能である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
少なくとも2つの隣接するエンクロージャパネルは、前記内部部屋および前記ガス濾過ユニットと流体連通するダクトを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記ガス濾過ユニットは、前記エンクロージャの天井フレーム部材に結合される、請求
14に記載のシステム。
【請求項16】
少なくとも2つの隣接するエンクロージャパネルは電線用導管を備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記エンクロージャに結合され、前記エンクロージャの前記内部部屋内の温度を制御す
る温度制御システムをさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記印刷システムはベース上に配置され、前記プリントヘッド管理システム位置付けシ
ステムは、前記ベースに取り付けられたプラットフォーム上に配置される、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2013年3月13日に出願された米国出願第13/802,304号(2013年8月15日にUS2013/0206058として公開された)の一部継続である。米国出願第13/802,304号は、2012年12月19日に出願された米国出願第13/720,830号(2013年9月26日にUS2013/0252533と
して公開された)の一部継続である。米国出願第13/720,830号は、2011年12月22日に出願された米国仮出願第61/579,233号の利益を主張する。2012年12月19日に出願された米国出願第13/720,830号は、2010年1月5日に出願された米国出願第12/652,040号(2013年2月26日にUS8,383,202として登録された)の一部継続である。米国出願第12/652,040号は、2008年6月13日に出願された米国出願第12/139,391号(2008年12月18日にUS2008/0311307として公開された)の一部継続である。米国出願第12/652,040号はまた、2009年1月5日に出願された米国仮出願第61/142,575号の利益を主張する。ここで列挙された全ての相互参照の出願は、それらの全体として参照することによって援用される。
【0002】
(分野)
本教示は、種々の基板サイズおよび基板材料上のOLEDパネルの加工のための不活性の実質的に粒子を含まない環境を有する、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に関する。
【背景技術】
【0003】
(概要)
OLEDディスプレイ技術の可能性への関心が、高度に飽和した色を有し、高コントラスト、極薄、高速応答性、およびエネルギー効率的である、ディスプレイパネルの実証を含む、OLEDディスプレイ技術属性によって推進されてきた。加えて、可撓性ポリマー材料を含む、種々の基板材料を、OLEDディスプレイ技術の加工で使用することができる。小型画面用途、主に、携帯電話のためのディスプレイの実証が、技術の可能性を強調する働きをしてきたが、加工をより大型の形式まで拡大することにおいて課題が残っている。例えば、約130cm×150cmの寸法を有する、Gen 5.5基板よりも大きい基板上のOLEDディスプレイの大量製造は、困難であることが判明している。
【0004】
有機発光ダイオード(OLED)デバイスは、OLED印刷システムを使用して、基板上で種々の有機薄膜、ならびに他の材料を印刷することによって製造されてもよい。そのような有機材料は、酸化および他の化学プロセスによる損傷を受けやすくあり得る。種々の基板サイズのために拡大することができ、不活性の実質的に粒子を含まない印刷環境内で行うことができる様式で、OLED印刷システムを収納することは、種々の課題を提示し得る。大判基板印刷のための製造ツールは、収納のために実質的に大型設備を必要とする。したがって、水蒸気および酸素等の反応性大気種、ならびに有機溶媒蒸気を除去するためにガス精製を必要とし得る、不活性雰囲気下で大型設備を維持すること、ならびに実質的に粒子を含まない印刷環境を維持することは、有意な技術的課題を提示する。例えば、本質的に密封される大型設備を提供することは、技術的課題を提示し得る。加えて、印刷システムを操作するためにOLED印刷システムの中および外に送給する種々のケーブル敷設、配線、および管類の束は、反応性ガス種が閉塞され得る、有意な死容積を生成し得る。したがって、そのようなケーブル敷設、配線、および管類の束は、酸素および水蒸気等の反応性大気成分、ならびに有機蒸気のレベルに関する仕様にガスエンクロージャを効果的に至らせるための課題を提示し得る。また、印刷システムの操作で使用される、そのようなケーブル敷設、配線、および管類の束は、特定の物質の継続的供給源であり得る。したがって、封入ガスエンクロージャシステム全体の中で実質的に不活性で粒子を含まない環境を提供して維持することは、例えば、開放型高流動層流濾過フードの下の大気条件で行うことができるプロセスのために提示されない、付加的な課題を提供する。
【0005】
その点に関して、最小休止時間を伴って、不活性の実質的に粒子を含まないガスエンクロージャ環境内でOLED印刷システムを含有することができる、頑健なエンクロージャシステムを同時に提供しながら、OLED印刷をGen 3.5からGen 8.5およ
びそれ以上に拡大することに課題が存在する。したがって、不活性の実質的に粒子を含まない環境内でOLED印刷システムを収納することができ、最小休止時間を伴って種々の測定および保守手順を行うことも提供しながら、種々の基板サイズおよび基板材料上でOLEDパネルの加工を提供するように容易に拡大することができる、ガスエンクロージャの種々の実施形態の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本教示は、印刷システムを収納するためのガスエンクロージャアセンブリ、すなわち、第1の容積または作業容積を画定することができる印刷システムエンクロージャと、第2の容積を画定する補助エンクロージャを含むことができる、ガスエンクロージャを有することができる、システムおよび方法の種々の実施形態を開示する。本教示によると、ガスエンクロージャの種々の実施形態は、印刷システムエンクロージャと補助エンクロージャとの間のアクセスを可能にする開口部と、補助エンクロージャとガスエンクロージャの外部との間のアクセスを可能にする開口部とを有することができる。ガスエンクロージャの種々の実施形態では、開口部を密閉可能に閉鎖することができる。本教示のガスエンクロージャの種々の実施形態は、開口部と、密閉可能に閉鎖することができる開口部とを有することができる。本教示によると、例えば、印刷システムエンクロージャと補助エンクロージャとの間のアクセスを可能にする開口部を密閉可能に閉鎖することによって、補助エンクロージャを印刷システムエンクロージャから隔離することができる。
【0007】
印刷システムエンクロージャから補助エンクロージャを隔離することにより、印刷プロセスの最小限の中断を伴って、または全く伴わずに、プリントヘッドアセンブリの種々の構成要素の管理に関係付けられる種々の手順が行われることを可能にすることができる。印刷システムは、プリントヘッドアセンブリと関連付けられる種々の測定および保守手順を行うために使用することができる、プリントヘッド管理システムの種々の実施形態を含むことができる。プリントヘッド管理システムは、ノズル発射をチェックすること、ならびにプリントヘッド内の全てのノズルからの液滴体積、速度、および軌道の測定等の測定タスク、ならびに過剰なインクをノズル表面から拭き取ること、または吸い取ること、インク供給部からプリントヘッドを通して廃棄物ボウルの中へインクを排出することによってプリントヘッドを下準備して浄化すること、およびプリントヘッドまたはプリントヘッドデバイスの交換等の保守タスクを可能にする、いくつかのサブシステムから成ることができる。
【0008】
したがって、各サブシステムは、元来、消耗品であり、吸い取り紙、インク、および廃棄物貯留部の交換等の交換を必要とする、種々の部品を有することができる。種々の消耗部品を、例えば、ハンドラを使用する完全自動モードで、即時挿入のために包装することができる。非限定的実施例として、使用のために容易に吸い取りモジュールに挿入することができる、カートリッジ形式で、吸い取り紙を包装することができる。別の非限定的実施例として、インクを、交換可能貯留部、ならびに印刷システムで使用するためのカートリッジ形式に包装することができる。廃棄物貯留部の種々の実施形態は、使用のために容易にパージボウルモジュールに挿入することができる、カートリッジ形式で包装することができる。加えて、継続的使用を受ける印刷システムの種々の構成要素の部品は、周期的交換を必要とし得る。例えば、各プリントヘッドアセンブリは、約1個~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができ、各プリントヘッドデバイスは、各プリントヘッドデバイスの中に約1個~約30個のプリントヘッドを有することができる。したがって、本教示の印刷システムの種々の実施形態は、約1個~約1800個のプリントヘッドデバイスを有することができる。印刷プロセス中に、プリントヘッドアセンブリの便宜的な管理、例えば、限定されないが、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッドの交換が望ましくあり得る。プリントヘッド交換モジュールは、使用のために容易にプリントヘッド
アセンブリに挿入することができる、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の部品を有することができる。ノズル発射のチェック、ならびに全てのノズルからの液滴体積、速度、および軌道の光学検出に基づく測定に使用される、測定システムは、使用後に周期的交換を必要とし得る、供給源および検出器を有することができる。種々の高使用量部品を、例えば、ハンドラを使用する完全自動モードで、即時挿入のために包装することができる。その点に関して、印刷システムの継続的管理に関係付けられる種々のプロセスステップは、印刷システムエンクロージャから分離することができる、補助エンクロージャの中で行うことができる。プリントヘッド管理手順と関連付けられる全てのステップは、空気および水蒸気ならびに種々の有機蒸気等の汚染、ならびに粒子汚染への印刷システムエンクロージャの暴露を排除または最小限化するように行うことができる。本教示の種々のシステムおよび方法によると、印刷システムエンクロージャは、印刷プロセスに影響を及ぼし得る前に、精製システムが汚染を除去することができるように十分に低い、汚染のレベルに導入されてもよい。
【0009】
さらに、補助エンクロージャの比較的小さい容積を考慮すると、補助エンクロージャの回復は、印刷システムエンクロージャ全体の回復より有意に少ない時間を要し得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約1%未満またはそれと等しいものであり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約2%未満またはそれと等しいものであり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約5%未満またはそれと等しいものであり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約10%未満またはそれと等しいものであり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約20%未満またはそれと等しいものであり得る。
【0010】
印刷システムエンクロージャによって画定される第1の容積と、補助エンクロージャによって画定される第2の容積とを含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、照明、ガス循環および濾過、ガス精製、およびガスエンクロージャシステム内で維持される環境の熱制御等の種々の環境パラメータの環境制御を含むことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、第1の容積を画定する印刷システムエンクロージャおよび第2の容積を画定する補助エンクロージャの両方のための一様な制御された環境を有することができる。ガスエンクロージャシステムのためのそのような一様な制御された環境は、例えば、不活性ガス環境、ならびにそのような環境を必要とするプロセスのための不活性の実質的に粒子を含まない環境を提供することができる。代替として、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、補助エンクロージャのために維持される制御された環境とは異なる条件下で維持することができる、ガスエンクロージャシステムの印刷システムエンクロージャ内の制御された環境を提供することができる。
【0011】
前述のように、ガスエンクロージャの種々の実施形態は、印刷システムエンクロージャと補助エンクロージャとの間のアクセスを可能にする、密閉可能開口部または通路、ならびに補助エンクロージャとガスエンクロージャの外部との間のアクセスを可能にする、開口部を有することができる。したがって、各容積が別々に機能する区分であるように、補助エンクロージャの種々の実施形態を、ガスエンクロージャシステムの印刷システムエンクロージャから隔離することができる。さらに、印刷システムエンクロージャが補助エンクロージャから隔離される一方で、印刷システムエンクロージャを汚染することなく、補助エンクロージャとガスエンクロージャの外部との間の開口部を周囲または非不活性空気に対して開放することができる。
【0012】
ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、密閉可能開口部または通路は、非限定的実施例として、エンクロージャパネル開口部または通路、ドア、あるいは窓を含むことができる。本教示のシステムおよび方法によると、密閉可能開口部または通路は、2つのエンクロージャ、またはエンクロージャおよびガスエンクロージャの外部環境等の2つの容積またはコンパートメントの間のアクセスを可能にすることができる。本教示によると、密閉可能開口部が密閉可能に閉鎖されたときに、少なくとも1つの容積またはコンパートメントの隔離が結果として生じ得る。例えば、本教示の種々の実施形態では
、印刷システムエンクロージャと補助エンクロージャとの間のアクセスを可能にする、開口部または通路を密閉可能に閉鎖するために、構造的閉鎖を使用することによって、印刷システムエンクロージャを補助エンクロージャから隔離することができる。同様に、補助エンクロージャと補助エンクロージャの外部の環境との間のアクセスを可能にする、開口部または通路を密閉可能に閉鎖するために、構造的閉鎖を使用することによって、補助エンクロージャをガスエンクロージャアセンブリの外部から隔離することができる。後にさらに詳細に議論されるように、構造的閉鎖は、開口部または通路のための種々の密閉可能カバーを含むことができ、そのような開口部または通路は、エンクロージャパネル開口部または通路、ドア、あるいは窓の非限定的実施例を含む。本教示のシステムおよび方法によると、ゲートが、空気圧、油圧、電気、または手動作動を使用して、任意の開口部または通路を可逆的に覆うか、または可逆的に密閉可能に閉鎖するために使用することができる、任意の構造的閉鎖であり得る。
【0013】
また、動的閉鎖の使用が、開口部または通路を効果的に密閉可能に閉鎖し、それによって、酸素、水蒸気、ならびに有機蒸気等の反応性ガスによるエンクロージャの汚染を効果的に防止することができる。例えば、本教示の種々の実施形態では、印刷システムエンクロージャと補助エンクロージャとの間のアクセスを可能にする、開口部または通路を効果的に密閉可能に閉鎖するために、動的閉鎖を使用することによって、印刷システムエンクロージャを補助エンクロージャから隔離することができる。同様に、補助エンクロージャと補助エンクロージャの外部の環境との間のアクセスを可能にする、開口部または通路を効果的に密閉可能に閉鎖するために、動的閉鎖を使用することによって、補助エンクロージャをガスエンクロージャアセンブリの外部から隔離することができる。本教示によると、動的閉鎖は、例えば、印刷システムエンクロージャと補助エンクロージャ、または補助エンクロージャとガスエンクロージャシステムの外部との間の開口部または通路において、容積またはコンパートメントの間で使用される圧力差またはガスカーテンを含むことができる。非限定的実施例として、印刷システムエンクロージャの中への非不活性ガスの逆拡散を防止するように、印刷システムエンクロージャと補助エンクロージャとの間の開口部または通路で圧力差を使用することによって、印刷システムエンクロージャを補助エンクロージャから動的に隔離することができる。同様に、補助エンクロージャの中への非不活性ガスの逆拡散を防止するように、補助エンクロージャとガスエンクロージャの外部との間の開口部または通路で圧力差を使用することによって、補助エンクロージャをガスエンクロージャの外部から動的に隔離することができる。付加的な非限定的実施例として、印刷システムエンクロージャと補助エンクロージャとの間で拡散障壁の役割を効果的に果たすことができる、ガスカーテンを使用して、印刷システムエンクロージャを補助エンクロージャから動的に隔離することができる。同様に、補助エンクロージャとガスエンクロージャの外部との間で拡散障壁の役割を効果的に果たすことができる、ガスカーテンを使用して、補助エンクロージャをガスエンクロージャの外部から動的に隔離することができる。
【0014】
ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、動的閉鎖および構造的閉鎖の種々の実施形態の組み合わせを使用して、開口部または通路を密閉可能に閉鎖することができる。非限定的実施例として、印刷システムエンクロージャと補助エンクロージャとの
間のアクセスを可能にする開口部または通路の間で、圧力差またはガスカーテン等の動的閉鎖と組み合わせて密閉可能カバーを使用して、印刷システムエンクロージャを補助エンクロージャから隔離することができる。同様に、補助エンクロージャとガスエンクロージャの外部との間のアクセスを可能にする開口部または通路の間で、圧力差またはガスカーテン等の動的閉鎖と組み合わせて密閉可能カバーを使用して、補助エンクロージャをガスエンクロージャの外部から隔離することができる。付加的な非限定的実施例として、印刷システムエンクロージャと補助エンクロージャとの間のアクセスを可能にする開口部または通路の間で密閉可能カバーを使用して、印刷システムエンクロージャを補助エンクロージャから隔離することができる一方で、補助エンクロージャとガスエンクロージャの外部との間のアクセスを可能にする開口部または通路の間で、圧力差またはガスカーテン等の動的閉鎖を使用して、補助エンクロージャをガスエンクロージャの外部から隔離することができる。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
ガスエンクロージャシステムであって、前記ガスエンクロージャシステムは、
ガスエンクロージャであって、前記ガスエンクロージャは、
第1の容積を画定する印刷システムエンクロージャと、
第2の容積を画定する補助エンクロージャと、
を備え、
前記ガスエンクロージャは、前記印刷システムエンクロージャと前記補助エンクロージャとの間のアクセスを可能にする第1の密閉可能開口部と、前記ガスエンクロージャの外部から前記補助エンクロージャへのアクセスを可能にする第2の密閉可能開口部とを有する、ガスエンクロージャと、
前記印刷システムエンクロージャ内に収納されている工業用印刷システムであって、前記工業用印刷システムは、
少なくとも1つのプリントヘッドデバイスを備えるプリントヘッドアセンブリと、
基板を支持するための基板支持装置と、
前記基板に対する前記プリントヘッドアセンブリの相対的位置付けのための運動システムと
を備える、工業用印刷システムと、
前記ガスエンクロージャの中に位置するハンドラであって、前記ハンドラの場所は、前記ハンドラが、前記印刷システムエンクロージャと前記補助エンクロージャとの間の移動を必要とする動作を行うことを可能にするように、前記第1の開口部に近接する、ハンドラと
を備える、ガスエンクロージャシステム。
(項目2)
前記印刷システムエンクロージャの前記第1の容積は、不活性ガス環境として維持されている、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目3)
前記第1の容積の前記不活性ガス環境は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの組み合わせから選択されるガスを使用して維持されている、項目2に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目4)
前記印刷システムエンクロージャの内部に含有されている前記不活性ガス雰囲気は、水および酸素を含み、前記水および酸素のそれぞれは、100ppm以下のレベルである、項目2に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目5)
前記印刷システムエンクロージャの内部に含有されている前記不活性ガス雰囲気は、水および酸素を含み、前記水および酸素のそれぞれは、1ppm以下のレベルである、項目2に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目6)
前記補助エンクロージャの前記第2の容積は、前記ガスエンクロージャの全容積の約1%~約10%である、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目7)
前記ハンドラは、エンドエフェクタを有する、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目8)
前記エンドエフェクタは、ブレード型エンドエフェクタ、グリッパ型エンドエフェクタ、およびクランプ型エフェクタから選択される、項目7に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目9)
前記ハンドラは、前記第1の容積を画定する前記印刷システムエンクロージャの中に位置する、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目10)
前記ハンドラは、第2の容積を画定する前記補助エンクロージャの中に位置する、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目11)
前記ガスエンクロージャ内に収納されているプリントヘッド管理システムをさらに備える、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目12)
前記プリントヘッド管理システムは、前記補助エンクロージャの中に位置する、項目11に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目13)
前記プリントヘッド管理システムは、前記印刷システムエンクロージャの中に位置する、項目11に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目14)
第2の容積を画定する前記補助エンクロージャは、前記ガスエンクロージャの一部として構築されている、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目15)
第2の容積を画定する前記補助エンクロージャは、適応性制御環境エンクロージャである、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目16)
前記適応性制御環境エンクロージャは、容易に移動可能である、項目15に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目17)
第2の容積を画定する前記補助エンクロージャは、移送チャンバである、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目18)
前記補助エンクロージャは、ロードロックチャンバである、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目19)
前記基板支持装置は、約第3.5世代~約第10世代のサイズを有する基板を支持することができる、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目20)
前記基板支持装置は、約第5世代~約第8.5世代のサイズを有する基板を支持することができる、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目21)
前記基板支持装置は、浮動式テーブルである、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目22)
工業用印刷システムの自動保守のための方法であって、前記方法は、
不活性ガス環境内でガスエンクロージャを維持することであって、前記ガスエンクロージャは、
印刷システムエンクロージャであって、工業用印刷システムが、前記印刷システムエンクロージャ内に収納されている、印刷システムエンクロージャと、
前記印刷システムエンクロージャに隣接する補助エンクロージャと、
前記印刷システムエンクロージャと前記補助エンクロージャとの間のアクセスを可能にする第1の密閉可能開口部と
を備え、
前記印刷システムエンクロージャの中で不活性環境を維持するために、前記第1の密閉可能開口部が開放されたときに、前記補助エンクロージャは、不活性環境内で維持される、ことと、
前記印刷システムエンクロージャと前記補助エンクロージャとの間で前記第1の密閉可能開口部の近位にハンドラを位置付けることと、
前記ハンドラを使用して、前記印刷システムから部品を除去することと、
前記ハンドラを使用して、前記除去された部品を前記補助エンクロージャまで移動させることと
を含む、方法。
(項目23)
補助チャンバと前記ガスエンクロージャの外部との間の第2の密閉可能開口部を通して、前記補助チャンバから前記除去された部品を除去することをさらに含み、前記印刷システムエンクロージャと前記補助エンクロージャとの間の前記第1の密閉可能開口部は、前記補助エンクロージャが非不活性ガスに暴露されたときに密閉される、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記ハンドラを使用して、前記印刷システムのための交換用部品を回収することと、
前記ハンドラを使用して、前記交換用部品を前記印刷システムに挿入することと
をさらに含み、
前記交換用部品を回収および交換するステップは、前記印刷システムから部品を除去するステップの後に、または前記除去された部品を前記チャンバまで移動させるステップの後に行われることができる、項目22に記載の方法。
(項目25)
前記第2の密閉可能開口部が開放されている間に、前記印刷システムのための交換用部品を前記補助エンクロージャの中へ配置することと、
前記第2の密閉可能開口部を閉鎖することと、
前記補助エンクロージャのガス環境を不活性ガス環境に戻すことと
をさらに含み、
前記補助エンクロージャから前記除去された部品を除去するステップ、および前記補助エンクロージャの中に交換用部品を配置するステップは、任意の順序で行われることができる、項目23に記載の方法。
(項目26)
前記補助エンクロージャの前記第2の容積は、前記ガスエンクロージャの全容積の約1%~約5%である、項目19に記載の方法。
(項目27)
前記印刷システムは、約第3.5世代~約第10世代のサイズを有するOLED基板を印刷することができる、項目19に記載の方法。
(項目28)
前記ガスエンクロージャの前記不活性ガス環境は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの組み合わせから選択されるガスを使用して維持される、項目19に記載の方法。
(項目29)
前記ガスエンクロージャの前記不活性ガス雰囲気は、水および酸素を含み、前記水および酸素のそれぞれは、1ppm以下のレベルである、項目19に記載の方法。
(項目30)
前記ガスエンクロージャの前記不活性ガス雰囲気は、水および酸素を含み、前記水および酸素のそれぞれは、100ppm以下のレベルである、項目19に記載の方法。
【0015】
本開示の特徴および利点のより良好な理解が、本教示を限定ではなく例証することを目的としている、添付図面を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略図である。
図2図2は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの左前斜視図である。
図3図3は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの右前斜視図である。
図4図4は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの分解図を描写する。
図5図5は、本教示の種々の実施形態による、種々のパネルフレーム区分および区分パネルを描写する、フレーム部材アセンブリの分解正面斜視図である。
図6図6A、6B、および6Cは、接合部を形成するためのガスケットシールの種々の実施形態の上面概略図である。
図7A図7Aおよび7Bは、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態による、フレーム部材の密閉を描写する種々の斜視図である。
図7B図7Aおよび7Bは、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態による、フレーム部材の密閉を描写する種々の斜視図である。
図8A図8Aおよび8Bは、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態による、容易に可撤性である点検窓を受容するための区分パネルの密閉に関する種々の図である。
図8B図8Aおよび8Bは、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態による、容易に可撤性である点検窓を受容するための区分パネルの密閉に関する種々の図である。
図9図9Aおよび9Bは、本教示の種々の実施形態による、嵌め込みパネルまたは窓パネルを受容するための区分パネルの密閉に関する拡大斜視断面図である。
図10図10は、本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための照明システムを含む、天井の図である。
図11図11は、本教示によるガスエンクロージャの種々の実施形態のための照明システムのLED光スペクトルを描写するグラフである。
図12図12は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの内部に設置された配管を描写する、ガスエンクロージャアセンブリの透視正面斜視図である。
図13図13は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの内部に設置された配管を描写する、ガスエンクロージャアセンブリの透視上面斜視図である。
図14図14は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの内部に設置された配管を描写する、ガスエンクロージャアセンブリの透視底面斜視図である。
図15図15は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略図である。
図16図16は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略図である。
図17図17は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略図である。
図18図18は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略図である。
図19図19は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの図の正面斜視図である。
図20A図20Aは、本教示の種々の実施形態による、図19で描写されるようなガスエンクロージャアセンブリおよび関連印刷システムの種々の実施形態の分解図を描写する。
図20B図20Bは、図20Aで描写される印刷システムの分解等角斜視図を描写する。
図21図21は、本教示の種々の実施形態による、浮動式テーブルの斜視図を描写する。
図22A図22Aは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略断面図である。
図22B図22Bおよび22Cは、本教示の種々の実施形態による、保守のために定位置に移動するプリントヘッドアセンブリの連続移動を描写する、ガスエンクロージャシステムの概略断面図である。
図22C図22Bおよび22Cは、本教示の種々の実施形態による、保守のために定位置に移動するプリントヘッドアセンブリの連続移動を描写する、ガスエンクロージャシステムの概略断面図である。
図22D図22D-22Fは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略断面図である。
図22E図22D-22Fは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略断面図である。
図22F図22D-22Fは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略断面図である。
図23図23は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの補助エンクロージャの中に載置された保守ステーションの斜視図を描写する。
図24A図24Aおよび24Bは、本教示によるシステムおよび方法の種々の実施形態を描写する。
図24B図24Aおよび24Bは、本教示によるシステムおよび方法の種々の実施形態を描写する。
図25図25は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの補助エンクロージャの斜視図である。
図26A図26Aは、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態による、OLED印刷ツールの正面斜視図である。
図26B図26Bは、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態による、図26Aに示されるようなOLED印刷ツールの第1の透視斜視図である。
図26C図26Cは、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態による、図26Aに示されるようなOLED印刷ツールの第2の透視斜視図である。
図27図27は、本教示の印刷システムの種々の実施形態による、印刷システムの等角斜視図である。
図28A図28Aは、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態による、OLED印刷ツールの正面斜視図である。
図28B図28Bは、図28Aで描写されるような本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態による、OLED印刷ツールの概略平面図である。
図28C図28Cは、本教示による図28Aに関係付けられるシステムおよび方法の種々の実施形態による、OLED印刷ツールの概略平面図である。
図29A図29A、29B、および29Cは、補助エンクロージャを伴う本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の概略平面図である。
図29B図29A、29B、および29Cは、補助エンクロージャを伴う本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の概略平面図である。
図29C図29A、29B、および29Cは、補助エンクロージャを伴う本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の概略平面図である。
図30A図30A、30B、および30Cは、補助エンクロージャを伴う本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の概略平面図である。
図30B図30A、30B、および30Cは、補助エンクロージャを伴う本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の概略平面図である。
図30C図30A、30B、および30Cは、補助エンクロージャを伴う本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(開示の詳細な説明)
本教示の種々の実施形態によると、ガスエンクロージャは、種々の筐体であり得る補助エンクロージャを有することができる。補助エンクロージャの種々の実施形態は、印刷システムを収納するためのガスエンクロージャアセンブリの一部として構築することができる。補助エンクロージャの種々の実施形態は、例えば、適応性制御環境エンクロージャ、移送チャンバ、およびロードロックチャンバであり得るが、それらによって限定されない。適応性制御環境エンクロージャ、移送チャンバ、およびロードロックチャンバ等の補助エンクロージャの種々の実施形態は、1つの位置から別の位置へ容易に移動させることができる。種々の実施形態では、補助エンクロージャは、不活性環境として維持することができる、第2の容積を画定することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの実施形態について、第1の容積を画定する、印刷システムを収納するためのガスエンクロージャアセンブリは、水蒸気および酸素等の種々の反応性大気ガス、ならびに有機溶媒蒸気を含む、種々の反応種の各種について、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、あるいは0.1ppmまたはそれより低く維持することができる、ガス容積を有することができる。加えて、本教示のガスエンクロージャシステムで、第2の容積を画定する補助エンクロージャは、水蒸気および酸素等の種々の反応性大気ガス、ならびに有機溶媒蒸気を含む、種々の反応種の各種について、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、あるいは0.1ppmまたはそれより低く維持することができる、ガス容積を有することができる。さらに、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、クラス1からクラス5によって特定されるような、International Standards Organization Standard (ISO) 14644-1:1999, “Cleanrooms and associated controlled environments-Part 1: Classification of air cleanliness”の規格を満たす、低粒子印刷環境を提供することができる。
【0018】
前述のように、約130cm×150cmの寸法を有する、Gen 5.5基板よりも大きい基板上のOLEDディスプレイの加工は、有意な工学的課題を提示する。何世代もの母ガラス基板サイズが、1990年初期頃からOLED印刷以外によって加工されたフラットパネルディスプレイのために進化してきた。Gen 1と指定される、第1世代の母ガラス基板は、約30cm×40cmであり、したがって、15インチパネルを生産することができた。1990年代中期頃に、フラットパネルディスプレイを生産するための既存の技術は、約60cm×72cmの寸法を有する、Gen 3.5の母ガラス基板サイズに進化した。
【0019】
世代が進歩するにつれて、Gen 7.5およびGen 8.5の母ガラスサイズは、OLED印刷加工プロセス以外のために生産されている。Gen 7.5の母ガラスサイズは、約195cm×225cmの寸法を有し、基板につき8枚の42インチまたは6枚の47インチフラットパネルに切断することができる。Gen 8.5で使用される母ガラスは、約220cm×250cmであり、基板につき6枚の55インチまたは8枚の46インチフラットパネルに切断することができる。OLED製造が、実用的には、Gen 3.5およびそれよりも小さいものに限定されるのと同時に、より本物の色、より高いコントラスト、薄さ、可撓性、透明性、およびエネルギー効率等の品質のためのOLEDフラットパネルディスプレイの有望性が実現されてきた。現在、OLED印刷は、この制限を打破し、Gen 3.5およびそれよりも小さいものの母ガラスサイズだけでなく、Gen 5.5、Gen 7.5、およびGen 8.5等の最大母ガラスサイズでOLEDパネル製造を可能にする、最適な製造技術であると考えられる。種々の基板材料、例えば、種々のガラス基板材料、ならびに種々のポリマー基板材料を含むが、それらに限定されない、OLEDパネル印刷の特徴のうちの1つを使用することができる。その点に関して、ガラス系基板の使用から生じる用語に由来して記載されるサイズは、OLED印刷で使用するために好適な任意の材料の基板に適用することができる。
【0020】
本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の不活性の実質的に粒子を含まない環境内で、多種多様のインク調合物を印刷できることが考慮される。OLED基板の放出層(EL)の印刷のための種々のインク調合物に加えて、種々のインク調合物は、OLEDデバイスの正孔輸送層(HTL)、正孔注入層(HIL)、電子輸送層(ETL)、および電子注入層(EIL)のうちの少なくとも1つを形成する際に有用である、1つまたはそれを上回る構成要素を備える、インクを含むことができる。
【0021】
さらに、インクジェット印刷を使用して、有機カプセル化層をOLEDパネル上に印刷できることが考慮される。インクジェット印刷がいくつかの利点を提供することができるため、インクジェット印刷を使用して、有機カプセル化層を印刷できることが考慮される。第1に、そのようなインクジェットベースの加工を大気圧で行うことができるため、一連の真空処理動作を排除することができる。加えて、インクジェット印刷プロセス中に、活性領域にわたる、かつその近位のOLED基板の部分を覆って、活性領域の外側縁を含む、活性領域を効果的にカプセル化するように、有機カプセル化層を限局することができる。インクジェット印刷を使用する標的パターン形成は、材料の無駄を排除すること、ならびに有機層のパターン形成を達成するために典型的に必要とされる付加的な処理を排除することをもたらす。カプセル化インクは、例えば、アクリレート、メタクリレート、ウレタン、または他の材料を含むが、それらによって限定されないポリマー、ならびに熱処理(例えば、焼付)、紫外線照射、およびそれらの組み合わせを使用して硬化させることができる、それらの共重合体および混合物を含むことができる。
【0022】
OLED印刷に関して、本教示によると、実質的に低いレベルの反応種、例えば、限定されないが、酸素および水蒸気等の大気成分、ならびにOLEDインクで使用される種々の有機溶媒蒸気を維持することは、必要寿命仕様を満たすOLEDフラットパネルディスプレイを提供することに相関することが分かっている。現在、OLEDパネル技術が満たすことが困難である、全てのパネル技術に対する製品仕様である、寿命仕様が、ディスプレイ製品の寿命に直接相関するため、これは、OLEDパネル技術にとって特に重要である。必要寿命仕様を満たすパネルを提供するために、水蒸気、酸素、ならびに有機溶媒蒸気等の反応種のそれぞれのレベルは、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を用いて、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、または0.1ppmまたはそれより低く維持することができる。加えて、OLED印刷は、実質的に粒子を含まない環境を必要とする。O
LED印刷のための実質的に粒子を含まない環境を維持することは、非常に小さい粒子でさえもOLEDパネル上の可視欠陥につながり得るため、特に重要である。封入システム全体の中で実質的に粒子を含まない環境を維持することは、開放型高流動層流濾過フードの下等の大気条件で行うことができるプロセスのための粒子低減によって提示されない、付加的な課題を提供する。したがって、大型施設内の不活性の粒子を含まない環境のための必要仕様を維持することは、種々の課題を提示し得る。
【0023】
水蒸気、酸素、ならびに有機溶媒蒸気等の反応種のそれぞれのレベルを、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、または0.1ppmまたはそれより低く維持することができる、設備内でOLEDパネルを印刷する必要性を、表1で要約される情報を精査することで例証することができる。表1で要約されるデータは、大型ピクセルのスピンコーティングされたデバイス形式で加工された、赤、緑、および青のそれぞれに対する有機薄膜組成物を含む、試験クーポンのそれぞれの検査から生じたものである。そのような試験クーポンは、種々の製剤およびプロセスの高速評価の目的で、実質的により製造および検査しやすい。試験クーポン検査は、印刷されたパネルの寿命検査と混同されるべきではないが、寿命への種々の製剤およびプロセスの影響を示すことができる。以下の表に示される結果は、同様に加工されるが、窒素環境の代わりに空気中で加工される試験クーポンと比較して、反応種が1ppm未満であった、窒素環境内で加工された試験クーポンに対してスピンコーティング環境のみが変化した、試験クーポンの加工におけるプロセスステップの変動を表す。
【0024】
特に赤および青の場合に、異なる処理環境下で加工された試験クーポンの表1内のデータの調査を通して、反応種への有機薄膜組成物の暴露を効果的に低減させる環境内の印刷は、種々のEMLの安定性、したがって、寿命にかなりの影響を及ぼし得ることが明白である。
【表1】
【0025】
加えて、以前に議論されたように、OLED印刷のための実質的に粒子を含まない環境を維持することは、非常に小さい粒子でさえもOLEDパネル上の可視欠陥につながり得るため、特に重要である。現在、水蒸気、酸素、ならびに有機溶媒蒸気等の反応種のそれぞれの低いレベルを維持するため、ならびに十分に低粒子の環境を維持するためのいずれかで、商品化のための必要低欠陥レベルを満たす、OLEDディスプレイを生産することが、設備にとって課題である。加えて、ガスエンクロージャシステムは、最小限化された不活性ガス体積を提供しながら、OLED印刷システムのための最適化された作業容積を提供するように容易に拡大することができ、加えて、最小限の休止時間を伴う保守のため
の内部へのアクセスを提供しながら、処理中に外部からOLED印刷システムへの即時のアクセスを提供する、ガスエンクロージャアセンブリアセンブリを含むが、それに限定されない、属性を有するであろうと考慮される。その点に関して、本教示の種々の実施形態によると、ともに密閉することができる複数の壁フレームおよび天井フレーム部材を含むことができる、不活性環境を必要とする種々の空気感受性プロセスのためのガスエンクロージャアセンブリが提供される。いくつかの実施形態では、複数の壁フレームおよび天井フレーム部材は、再利用可能な締結具、例えば、ボルトおよびねじ山付き穴を使用して、ともに締結することができる。本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、各フレーム部材が複数のパネルフレーム区分を備える、複数のフレーム部材は、ガスエンクロージャフレームアセンブリを画定するように構築することができる。
【0026】
本教示のガスエンクロージャアセンブリは、システムの周囲のエンクロージャの容積を最小限化することができる様式で、OLED印刷システム等の印刷システムに適応するように設計することができる。そのような印刷システムエンクロージャの種々の実施形態は、印刷システムエンクロージャの内部容積を最小限化し、同時に、種々のOLED印刷システムの種々の設置面積に適応するように作業容積を最適化する様式で、構築することができる。例えば、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態による、OLED印刷システムは、例えば、花崗岩基部、OLED印刷デバイスを支持することができる可動ブリッジ、基板浮動式テーブル等の加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態から延設する1つまたはそれを上回るデバイスおよび装置、空気ベアリング、トラック、レール、OLEDインク供給サブシステムおよびインクジェットプリントヘッドを含む、基板上にOLED膜形成材料を堆積させるためのインクジェットプリンタシステム、1つまたはそれを上回るロボット、および同等物を備えることができる。OLED印刷システムを備えることができる、種々の構成要素を考慮すると、OLED印刷システムの種々の実施形態は、種々の設置面積および形状因子を有することができる。そのように構築されるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、加えて、休止時間を最小限化しながら、保守のために印刷システムに即時にアクセスするために、処理中に外部からガスエンクロージャアセンブリの内部への即時のアクセスを提供する。その点に関して、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、種々のOLED印刷システムの種々の設置面積に関して輪郭形成することができる。種々の実施形態によると、いったん輪郭フレーム部材がガスエンクロージャフレームアセンブリを形成するように構築されると、種々の種類のパネルが、ガスエンクロージャアセンブリの設置を完了するように、フレーム部材を備える複数のパネル区分の中に密閉可能に設置されてもよい。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態では、例えば、複数の壁フレーム部材および少なくとも1つの天井フレーム部材を含むが、それらに限定されない、複数のフレーム部材、ならびにパネルフレーム区分の中に設置するための複数のパネルが、1つの場所または複数の場所で加工され、次いで、別の場所で構築されてもよい。また、本教示のガスエンクロージャアセンブリを構築するために使用される構成要素の輸送可能な性質を考慮すると、構築および破壊のサイクルを通して、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態を繰り返し設置および除去することができる。
【0027】
また、例えば、補助エンクロージャと印刷システムエンクロージャ、または補助エンクロージャとガスエンクロージャの外部との間のアクセスを可能にするために使用することができる、密閉可能開口部のための構造的閉鎖を使用することによって、補助エンクロージャの種々の実施形態を、ガスエンクロージャシステムの印刷システムエンクロージャの作業容積から、ガスエンクロージャの外部から、または両方から隔離することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、構造的閉鎖は、開口部または通路のための種々の密閉可能カバーを含むことができ、そのような開口部または通路は、エンクロージャパネル開口部または通路、ドア、あるいは窓の非限定的実施例を含む。本教示のシステムおよび方法によると、ゲートが、空気圧、油圧、電気、または手動作動を
使用して、任意の開口部または通路を可逆的に覆うか、または可逆的に密閉可能に閉鎖するために使用することができる、任意の構造的閉鎖であり得る。ガスエンクロージャシステムの作業容積と補助エンクロージャとの間の開口部において、または補助エンクロージャとガスエンクロージャの外部との間の開口部において、圧力差またはガスカーテン等の動的閉鎖を使用することによって、補助エンクロージャの種々の実施形態を、印刷システムエンクロージャの作業容積から、ガスエンクロージャの外部から、または両方から隔離することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、構造的閉鎖および動的閉鎖の種々の実施形態の組み合わせを使用して、補助エンクロージャを、印刷システムエンクロージャの作業容積から、ガスエンクロージャの外部から、または両方から隔離することができる。
【0028】
本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約1%未満またはそれと等しいものであり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約2%未満またはそれと等しいものであり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約5%未満またはそれと等しいものであり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約10%未満またはそれと等しいものであり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約20%未満またはそれと等しいものであり得る。したがって、補助エンクロージャの比較的小さい容積を考慮すると、補助エンクロージャの回復は、印刷システムエンクロージャ全体の回復より有意に少ない時間を要し得る。したがって、種々のプリントヘッド管理手順を行っている間の補助エンクロージャの利用は、ガスエンクロージャシステムの休止時間を最小限化または排除することができる。
【0029】
ガスエンクロージャが密封されていることを確実にするために、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、フレーム密閉を提供するように各フレーム部材を接合することを提供する。内部は、十分に密閉することができ、例えば、ガスケットまたは他のシールを含む、種々のフレーム部材間の緊密嵌合交点によって、密封することができる。いったん完全に構築されると、密閉ガスエンクロージャアセンブリは、内部と、複数の内角縁とを備えることができ、少なくとも1つの内角縁は、隣接フレーム部材との各フレーム部材の交点に提供される。フレーム部材のうちの1つまたはそれを上回るもの、例えば、フレーム部材の少なくとも半分は、その1つまたはそれを上回るそれぞれの縁に沿って固定される、1つまたはそれを上回る圧縮可能なガスケットを備えることができる。1つまたはそれを上回る圧縮可能なガスケットは、いったん複数のフレーム部材がともに接合され、気密パネルが設置されると、密封ガスエンクロージャアセンブリを作成するように構成することができる。複数の圧縮可能なガスケットによって密閉されるフレーム部材の内部縁を有する、密閉ガスエンクロージャアセンブリを形成することができる。各フレーム部材について、例えば、限定されないが、内壁フレーム表面、最上壁フレーム表面、垂直側壁フレーム表面、底壁フレーム表面、およびそれらの組み合わせに、1つまたはそれを上回る圧縮可能なガスケットを提供することができる。
【0030】
ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、各フレーム部材は、各パネル用の気密パネルを提供するように各区分内に密閉可能に設置することができる、種々のパネル種類のうちのいずれかを受容するようにフレームに入れ、加工される、複数の区分を備えることができる。本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態では、各区分フレームは、選択された締結具を用いて、各区分フレームの中に設置された各パネルが、各パネル用、したがって、完全に構築されたガスエンクロージャ用の気密シールを
提供できることを確実にする、区分フレームガスケットを有することができる。種々の実施形態では、ガスエンクロージャアセンブリは、壁パネルのそれぞれの中に窓パネルまたは点検窓のうちの1つまたはそれを上回るものを有することができ、各窓パネルまたは点検窓は、少なくとも1つのグローブポートを有することができる。ガスエンクロージャアセンブリの組立中に、グローブが内部の中へ延在することができるように、各グローブポートは、グローブを取り付けさせることができる。種々の実施形態によると、各グローブポートは、グローブを載置するためのハードウェアを有することができ、そのようなハードウェアは、グローブポートを通した漏出または分子拡散を最小限化するように気密シールを提供する、各グローブポートの周囲のガスケットシールを利用する。本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、ハードウェアはさらに、グローブポートのキャップ取り付けおよび取り外しの容易性をエンドユーザに提供するために設計されている。
【0031】
本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、複数のフレーム部材およびパネル区分から形成されるガスエンクロージャアセンブリ、ならびにガス循環、濾過、および精製構成要素を含むことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、配管が組立プロセス中に設置されてもよい。本教示の種々の実施形態によると、配管は、複数のフレーム部材から構築されている、ガスエンクロージャフレームアセンブリ内に設置することができる。種々の実施形態では、配管は、ガスエンクロージャフレームアセンブリを形成するように接合される前に、複数のフレーム部材上に設置することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための配管は、1つまたはそれを上回る配管入口から配管の中へ引き込まれる実質的に全てのガスが、ガスエンクロージャシステムの内部の粒子状物質を除去するためのガス循環および濾過ループの種々の実施形態を通して移動させられるように、構成することができる。加えて、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の配管は、ガスエンクロージャアセンブリの内部にあるガス循環および濾過ループから、ガスエンクロージャアセンブリの外部にあるガス精製ループの入口および出口を分離するように構成することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、ガス循環および濾過システムは、例えば、限定されないが、粒子制御アセンブリの構成要素と流体連通することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態については、ガス循環および濾過システムは、ケーブルトレイアセンブリ排出システムと流体連通することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態については、ガス循環および濾過システムは、プリントヘッドアセンブリ排出システムと流体連通することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、ガス循環および濾過システムと流体連通している粒子制御システムの種々の構成要素は、印刷システムの中に位置付けられた基板の近位に低粒子ゾーンを提供することができる。
【0032】
例えば、ガスエンクロージャシステムは、ガスエンクロージャアセンブリの内部にガス循環および濾過システムを有することができる。そのような内部濾過システムは、内部内に複数のファンフィルタユニットを有することができ、内部内でガスの層流を提供するように構成することができる。層流は、内部の最上部から内部の底部までの方向に、または任意の他の方向にあり得る。循環システムによって生成されるガス流は、層流である必要はないが、内部で徹底的かつ完全なガスの回転率を確保するために、ガスの層流を使用することができる。ガスの層流はまた、乱流を最小限化するためにも使用することもでき、そのような乱流は、環境内の粒子をそのような乱流の領域中で集合させ、濾過システムが環境からこれらの粒子を除去することを妨げ得るため、望ましくない。さらに、内部で所望の温度を維持するために、例えば、ファンまたは別のガス循環デバイスとともに動作し、それに隣接し、またはそれと併せて使用される、複数の熱交換器を利用する熱調節システムを提供することができる。ガス精製ループは、エンクロージャの外部の少なくとも1つのガス精製構成要素を通して、ガスエンクロージャアセンブリの内部内からガスを循環
させるように構成することができる。その点に関して、ガスエンクロージャアセンブリの外部のガス精製ループと併せた、ガスエンクロージャアセンブリの内部の循環および濾過システムは、ガスエンクロージャシステムの全体を通して実質的に低いレベルの反応種を有する、実質的に低粒子の不活性ガスの連続循環を提供することができる。
【0033】
第1の容積を画定するガスエンクロージャを有する、ガスエンクロージャアセンブリと、ガス精製システムを有する、第2の容積を画定する補助エンクロージャとを含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、非常に低いレベルの望ましくない構成要素、例えば、有機溶媒およびその蒸気、ならびに水、水蒸気、酸素、および同等物を維持するように構成することができる。補助エンクロージャの種々の実施形態は、ガスエンクロージャシステムの照明、ガス循環および濾過、ガス精製、および温度自動調節構成要素等の環境調節システム構成要素と容易に統合できることを想起されたい。したがって、補助エンクロージャを含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、第1の容積を画定するガスエンクロージャ、および第2の容積を画定する補助エンクロージャのための一様な制御された環境を有することができる。そのような制御された環境は、例えば、そのような環境を必要とするプロセスのための不活性で熱的に制御された実質的に粒子を含まない環境を提供することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、制御された環境は、例えば、そのような環境を必要とするプロセスのための熱的に制御された実質的に粒子を含まない環境を提供することができる。
【0034】
さらに、補助エンクロージャを含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、補助エンクロージャのために維持される制御された環境とは異なる条件下で維持することができる、ガスエンクロージャシステムの作業部分内の制御された環境を提供することができる。したがって、各容積が別々に機能する区分であるように、補助エンクロージャの種々の実施形態を、ガスエンクロージャシステムの作業容積から隔離することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、エンクロージャパネル開口部または通路、ドア、あるいは窓等の開口部のための構造的閉鎖を使用して、補助エンクロージャをガスエンクロージャシステムの作業容積から隔離することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、構造的閉鎖は、開口部または通路のための種々の密閉可能カバーを含むことができ、そのような開口部または通路は、エンクロージャパネル開口部または通路、ドア、あるいは窓の非限定的実施例を含む。本教示のシステムおよび方法によると、ゲートが、空気圧、油圧、電気、または手動作動を使用して、任意の開口部または通路を可逆的に覆うか、または可逆的に密閉可能に閉鎖するために使用することができる、任意の構造的閉鎖であり得る。ガスエンクロージャシステムの作業容積と補助エンクロージャとの間の圧力差またはガスカーテン等の動的閉鎖、ならびに動的閉鎖および構造的閉鎖の種々の実施形態の組み合わせを使用して、補助エンクロージャの種々の実施形態を、ガスエンクロージャシステムの作業容積から隔離することができる。加えて、ガスエンクロージャの作業容積および補助エンクロージャのそれぞれは、例えば、限定されないが、温度、照明、粒子制御、およびガス精製の独立した調節の能力を提供する、別々に制御された環境を有することができる。したがって、補助エンクロージャ容積およびガスエンクロージャの作業容積のための熱制御、照明制御、粒子制御、および不活性ガス環境制御のための仕様は、同一であるように、または各容積について異なるように設定することができる。
【0035】
ガス循環、濾過、および精製構成要素を提供することに加えて、配管は、束ねられたときに、水、水蒸気、酸素、および同等物等の大気成分を閉じ込めることができ、精製システムによって除去することが困難であり得る、かなりの死容積を有し得る、電線、ワイヤ束、ならびに種々の流体含有管類のうちの少なくとも1つをその中に収容するように定寸および成形することができる。加えて、そのような束は、識別された粒子状物質源である。いくつかの実施形態では、電気および光学ケーブルの組み合わせ、ならびに電線および
ワイヤ束、および流体含有管類は、実質的に配管内に配置することができ、それぞれ、内部内に配置された、光学システム、電気システム、機械システム、および流体システムのうちの少なくとも1つと動作可能に関連付けることができる。ガス循環、濾過、および精製構成要素は、実質的に全ての循環した不活性ガスが配管を通して引き込まれるように構成することができるため、そのような束から生じる粒子状物質、ならびに様々に束ねられた材料の死容積に閉じ込められた大気成分の両方は、配管内に含有されたそのような束ねられた材料を有することによって、効果的に除去することができる。
【0036】
本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態は、第1の容積および第2の容積を有する、ガスエンクロージャの種々の実施形態、ならびにガス循環、濾過、および精製構成要素、加えて、加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態を含むことができる。そのような加圧不活性ガス再循環システムは、後にさらに詳細に議論されるように、種々の空気圧駆動デバイスおよび装置用のOLED印刷システムの動作で利用することができる。
【0037】
本教示によると、ガスエンクロージャシステムにおける加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態を提供するために、いくつかの工学課題に対処した。第1に、加圧不活性ガス再循環システムを伴わないガスエンクロージャシステムの典型的な動作下で、任意の漏出がガスエンクロージャシステムの中で発生した場合に、外部ガスまたは空気が内部に進入することに対して保護するために、ガスエンクロージャシステムを外部圧力に対してわずかに正の内部圧力に維持することができる。例えば、典型的な動作下で、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、ガスエンクロージャシステムの内部は、例えば、少なくとも2mbargのエンクロージャシステムの外部の周囲大気に対する圧力で、例えば、少なくとも4mbargの圧力で、少なくとも6mbargの圧力で、少なくとも8mbargの圧力で、またはより高い圧力に維持することができる。ガスエンクロージャシステム内で加圧不活性ガス再循環システムを維持することは、同時に、加圧ガスをガスエンクロージャシステムに連続的に導入しながら、ガスエンクロージャシステムのわずかな正の内部圧力を維持することに関して、動的かつ継続的に平衡を保つ作用を提示するため、困難であり得る。さらに、種々のデバイスおよび装置の可変要求が、本教示の種々のガスエンクロージャアセンブリおよびシステムの不規則な圧力プロファイルを作成し得る。そのような条件下で外部環境に対してわずかな陽圧で保持されたガスエンクロージャシステムの動的圧力平衡を維持することは、継続的なOLED印刷プロセスの完全性を提供することができる。
【0038】
ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、本教示による加圧不活性ガス再循環システムは、圧縮機、アキュムレータ、および送風機、ならびにそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを利用することができる、加圧不活性ガスループの種々の実施形態を含むことができる。加圧不活性ガスループの種々の実施形態を含む、加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態は、安定した規定値で本教示のガスエンクロージャシステムの中で不活性ガスの内部圧力を提供することができる、特別に設計された圧力制御バイパスループを有することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、加圧不活性ガス再循環システムは、加圧不活性ガスループのアキュムレータ内の不活性ガスの圧力が事前設定された閾値圧力を超えるときに、圧力制御バイパスループを介して加圧不活性ガスを再循環させるように構成することができる。閾値圧力は、例えば、約25psig~約200psigの間の範囲内、またはより具体的には、約75psig~約125psigの間の範囲内、またはより具体的には、約90psig~約95psigの間の範囲内であり得る。その点に関して、特別に設計された圧力制御バイパスループの種々の実施形態とともに加圧不活性ガス再循環システムを有する、本教示のガスエンクロージャシステムは、気密ガスエンクロージャの中で加圧不活性ガス再循環システムを有することの平衡を維持することができる。
【0039】
本教示によると、種々のデバイスおよび装置を内部に配置することができ、圧縮機、送風機、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ等の種々の加圧ガス源を利用することができる、種々の加圧不活性ガスループを有する加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態と流体連通することができる。本教示のガスエンクロージャおよびシステムの種々の実施形態について、種々の空気圧動作型デバイスおよび装置の使用は、低粒子生成性能を提供することができるとともに、維持するのにあまり手がかからない。ガスエンクロージャシステムの内部に配置し、種々の加圧不活性ガスループと流体連通することができる、例示的なデバイスおよび装置は、例えば、空気圧ロボット、基板浮動式テーブル、空気ベアリング、空気ブッシング、圧縮ガスツール、空気圧アクチュエータ、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができるが、それらに限定されない。基板浮動式テーブル、ならびに空気ベアリングを、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に従ってOLED印刷システムを操作する種々の側面に使用することができる。例えば、空気ベアリング技術を利用する基板浮動式テーブルは、プリントヘッドチャンバの中の定位置に基板を輸送するため、ならびにOLED印刷プロセス中に基板を支持するために使用することができる。
【0040】
以前に議論されたように、基板浮動式テーブルの種々の実施形態、ならびに空気ベアリングは、本教示によるガスエンクロージャシステムに収納されるOLED印刷システムの種々の実施形態の動作に有利であり得る。ガスエンクロージャシステム500について図1で概略的に示されるように、空気ベアリング技術を利用する基板浮動式テーブルは、プリントヘッドチャンバの中の定位置に基板を輸送するため、ならびにOLED印刷プロセス中に基板を支持するために使用することができる。図1では、印刷システムを収納するためのガスエンクロージャアセンブリ1100は、印刷のために入口チャンバ1110からガスエンクロージャアセンブリ1100へ基板を移動させるために、入口ゲート1112および第1のエンクロージャゲート1114を通して基板を受容するための入口チャンバ1110を有することができる、ロードロックシステムであり得る。本教示による種々のゲートは、相互から、および外部周囲からチャンバを隔離するために使用することができる。本教示によると、種々のゲートを物理ゲートおよびガスカーテンから選択することができる。
【0041】
基板受容プロセス中に、入口ゲート1112が開放し得る一方で、大気ガスがガスエンクロージャアセンブリ1100に進入することを防止するために、第1のエンクロージャゲート1114は閉鎖位置にあり得る。いったん基板が入口チャンバ1110の中で受容されると、入口ゲート1112および第1のエンクロージャゲート1114の両方を閉鎖することができ、反応性大気ガスが100ppmまたはそれより低い、例えば、10ppmまたはそれより低い、1.0ppmまたはそれより低い、または0.1ppmまたはそれより低いレベルになるまで、入口チャンバ1110を、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせ等の不活性ガスで浄化することができる。大気ガスが十分に低いレベルに達した後、第1のエンクロージャゲート1114を開放することができる一方で、図1で描写されるように、基板2050が入口チャンバ1110からガスエンクロージャアセンブリ1100へ輸送されることを可能にするように、入口ゲート1112は閉鎖されたままである。入口チャンバ1110からガスエンクロージャアセンブリ1100への基板の輸送は、例えば、限定されないが、ガスエンクロージャアセンブリ1100および入口チャンバ1110の中に提供される浮動式テーブルを介することができる。入口チャンバ1110からガスエンクロージャアセンブリチャンバ1100への基板の輸送は、例えば、限定されないが、ガスエンクロージャアセンブリ1100の中に提供される浮動式テーブル上に基板2050を配置することができる、基板輸送ロボットを介することができる。基板2050は、印刷プロセス中に基板浮動式テーブル上に支持されたままであることができる。
【0042】
ガスエンクロージャアセンブリ500の種々の実施形態は、第2のエンクロージャゲート1124を通してガスエンクロージャアセンブリ1100と流体連通している出口チャンバ1120を有することができる。ガスエンクロージャシステム500の種々の実施形態によると、印刷プロセスが完了した後、基板2050は、第2のエンクロージャゲート1124を通してガスエンクロージャアセンブリ1100から出口チャンバ1120へ輸送することができる。ガスエンクロージャアセンブリ1100から出口チャンバ1120への基板の輸送は、例えば、限定されないが、ガスエンクロージャアセンブリ1100および出口チャンバ1120の中に提供される浮動式テーブルを介することができる。ガスエンクロージャアセンブリ1100から出口チャンバ1120への基板の輸送はまた、例えば、限定されないが、ガスエンクロージャアセンブリ1100の中に提供される浮動式テーブルから基板2050を取り上げ、それを出口チャンバ1120の中へ輸送することができる、基板輸送ロボットを介することもできる。ガスエンクロージャシステム500の種々の実施形態について、基板2050は、反応性大気ガスがガスエンクロージャアセンブリ1100に進入することを防止するために、第2のエンクロージャゲート1124が閉鎖位置にあるときに、出口ゲート1122を介して出口チャンバ1120から回収することができる。
【0043】
それぞれ、第1のエンクロージャゲート1114および第2のエンクロージャゲート1124を介して、ガスエンクロージャアセンブリ1100と流体連通している、入口チャンバ1110および出口チャンバ1120を含む、ロードロックシステムに加えて、ガスエンクロージャシステム500は、システムコントローラ1130を含むことができる。システムコントローラ1130は、1つまたはそれを上回るメモリ回路(図示せず)と通信しているまたはそれを上回るプロセッサ回路(図示せず)を含むことができる。システムコントローラ1130はまた、入口チャンバ1110および出口チャンバ1120を含むロードロックシステムと、最終的に、OLED印刷システムの印刷ノズルと通信することもできる。このようにして、システムコントローラ1130は、ゲート1112、1114、1122、および1124の開閉を調整することができる。システムコントローラ1130はまた、OLED印刷システムの印刷ノズルへのインク分注を制御することもできる。基板2050は、例えば、限定されないが、空気ベアリング技術を利用する基板浮動式テーブル、または空気ベアリング技術を利用する基板浮動式テーブルおよび基板輸送ロボットの組み合わせを介して、それぞれ、ゲート1114および1124を介してガスエンクロージャアセンブリ1100と流体連通している、入口チャンバ1110および出口チャンバ1120を含む、本教示のロードロックシステムの種々の実施形態を通して輸送することができる。
【0044】
図1のロードロックシステムの種々の実施形態はまた、真空源と、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる、不活性ガス源とを含むことができる、空気圧制御システム1150を含むこともできる。ガスエンクロージャシステム500内に収納される基板浮動式システムは、典型的には平面上に配列される、複数の真空ポートおよびガスベアリングポートを含むことができる。基板2050は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせ等の不活性ガスの圧力によって、持ち上げられて硬質表面から離して保つことができる。軸受容積からの流出は、複数の真空ポートを用いて達成される。基板浮動式テーブルを覆う基板2050の浮動式高は、典型的には、ガス圧力およびガス流の関数である。空気圧制御システム1150の真空および圧力は、例えば、印刷中に、図1のロードロックシステムの中のガスエンクロージャアセンブリ1100の内側での取扱中に基板2050を支持するために使用することができる。制御システム1150は、それぞれ、ゲート1114および1124を介してガスエンクロージャアセンブリ1100と流体連通している、入口チャンバ1110および出口チャンバ1120を含む、図1のロードロックシステムを通した輸送中に、基板2050を支持するために使用することもできる。ガスエンクロージャシステム500を
通して基板2050を輸送することを制御するために、システムコントローラ1130は、それぞれ、弁1156および1158を通して不活性ガス源1152および真空1154と連通する。エンクロージャ環境を制御するために必要とされる種々のガスおよび真空設備をさらに提供するように、示されていない、付加的な真空および不活性ガス供給ラインおよび弁調節を、図1でロードロックシステムによって図示されるガスエンクロージャシステム500に提供することができる。
【0045】
本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態により次元的な視点を与えるために、図2は、ガスエンクロージャシステム501の種々の実施形態の左正面斜視図である。図2は、後に議論されるであろう、ガスエンクロージャアセンブリ100の種々の実施形態を含む、ロードロックシステムを描写する。ガスエンクロージャシステム501は、入口ゲート1112を有することができる、ロードロック入口チャンバ1110を有することができる。図2のガスエンクロージャシステム501は、水蒸気および酸素等の実質的に低いレベルの反応性大気種、ならびにOLED印刷プロセスに起因する有機溶媒蒸気を有する、不活性ガスの一定の供給をガスエンクロージャアセンブリ100に提供するためのガス精製システム3130を含むことができる。図2のガスエンクロージャシステム501はまた、以前に議論されたように、システム制御機能のためのコントローラシステム1130を有することができる。
【0046】
図3は、本教示の種々の実施形態による、完全に構築されたガスエンクロージャアセンブリ100の右正面斜視図である。ガスエンクロージャアセンブリ100は、ガスエンクロージャアセンブリ内部の中で不活性環境を維持するために1つまたはそれを上回るガスを含有することができる。本教示のガスエンクロージャシステムは、内部の中で不活性ガス雰囲気を維持するのに有用であり得る。不活性ガスは、定義された一式の条件下で化学反応を受けない、任意のガスであってもよい。不活性ガスのいくつかの一般的に使用されている実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。ガスエンクロージャアセンブリ100は、業務用印刷システムを使用した有機発光ダイオード(OLED)インクの印刷等の空気感受性プロセスを包含して保護するように構成される。OLEDインクに反応する大気ガスの実施例は、水蒸気および酸素を含む。以前に議論されたように、ガスエンクロージャアセンブリ100は、密閉雰囲気を維持し、別様に反応性の材料および基板への汚染、酸化、および損傷を維持しながら、構成要素または印刷システムが効果的に動作することを可能にするように構成することができる。
【0047】
図3で描写されるように、ガスエンクロージャアセンブリ100の種々の実施形態は、前または第1の壁パネル210’、左または第2の壁パネル(図示せず)、右または第3の壁パネル230’、後または第4の壁パネル(図示せず)、および天井パネル250’を含む、構成要素部品を備えることができ、そのガスエンクロージャアセンブリは、基部(図示せず)上で静置するパン204に取り付けることができる。後にさらに詳細に議論されるように、図3のガスエンクロージャアセンブリ100の種々の実施形態は、前または第1の壁フレーム210、左または第2の壁フレーム(図示せず)、右または第3の壁フレーム230、後または第4の壁パネル(図示せず)、および天井フレーム250から構築することができる。天井フレーム250の種々の実施形態は、ファンフィルタユニットカバー103、ならびに第1の天井フレームダクト105、および第1の天井フレームダクト107を含むことができる。本教示の実施形態によると、種々の種類の区分パネルが、フレーム部材を備える複数のパネル区分のうちのいずれかの中に設置されてもよい。図1のガスエンクロージャ100の種々の実施形態では、フレームの構築中に板金パネル区分109をフレーム部材の中へ溶接することができる。ガスエンクロージャアセンブリ100の種々の実施形態について、ガスエンクロージャアセンブリの構築および破壊のサイクルを通して、繰り返し設置および除去することができる、区分パネルの種類は、壁パ
ネル210’に対して示されるような嵌め込みパネル110、ならびに壁パネル230’に対して示されるような窓パネル120および容易に可撤性の点検窓130を含むことができる。
【0048】
容易に可撤性の点検窓130は、エンクロージャ100の内部への即時のアクセスを提供することができるが、修理および定期点検の目的でガスエンクロージャシステムの内部へのアクセスを提供するために、可撤性である任意のパネルを使用することができる。点検または修理のためのそのようなアクセスは、使用中にガスエンクロージャアセンブリの外部からガスエンクロージャアセンブリの内部へのエンドユーザグローブのアクセスを提供することができる、窓パネル120および容易に可撤性の点検窓130等のパネルによって提供されるアクセスと区別される。例えば、パネル230について図3で示されるように、グローブポート140に取り付けられるグローブ142等のグローブのうちのいずれかは、ガスエンクロージャシステムの使用中に内部へのエンドユーザアクセスを提供することができる。
【0049】
図4は、図3で描写されるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の分解図を描写する。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、図3に示されるように、基部202上で静置するパン204に取り付けることができる、前壁パネル210’の外側斜視図、左壁パネル220’の外側斜視図、右壁パネル230’の内部斜視図、後壁パネル240’の内部斜視図、および天井パネル250’の上面斜視図を含む、複数の壁パネルを有することができる。OLED印刷システムは、パン204の上に載置することができ、その印刷プロセスは、大気条件に敏感であることが知られている。本教示によると、ガスエンクロージャアセンブリは、フレーム部材、例えば、壁パネル210’の壁フレーム210、壁パネル220’の壁フレーム220、壁パネル230’の壁フレーム230、壁パネル240’の壁フレーム240、および天井パネル250’の天井フレーム250から構築することができ、次いで、その中に複数の区分パネルを設置することができる。その点に関して、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の構築および破壊のサイクルを通して、繰り返し設置および除去することができる、区分パネルの設計を効率化することが望ましくあり得る。また、ガスエンクロージャアセンブリで必要とされる不活性ガスの量を最小限化するために、OLED印刷システムの種々の実施形態の設置面積に適応するように、ガスエンクロージャアセンブリ100の輪郭形成を行うことができるとともに、ガスエンクロージャアセンブリの使用中ならびに保守中の両方で、即時のアクセスをエンドユーザに提供する。
【0050】
例示として前壁パネル210’および左壁パネル220’を使用して、フレーム部材の種々の実施形態は、フレーム部材構築中にフレーム部材の中へ溶接される板金パネル区分109を有することができる。嵌め込みパネル110、窓パネル120、および容易に可撤性の点検窓130は、壁フレーム部材のそれぞれの中に設置することができ、図4のガスエンクロージャアセンブリ100の構築および分解のサイクルを通して、繰り返し設置および除去することができる。図に示すように、壁パネル210’および壁パネル220’の実施例では、壁パネルは、容易に可撤性の点検窓130の近位に窓パネル120を有することができる。同様に、例示的後壁パネル240’で描写されるように、壁パネルは、2つの隣接するグローブポート140を有する、窓パネル125等の窓パネルを有することができる。本教示による壁フレーム部材の種々の実施形態について、および図3のガスエンクロージャアセンブリ100について見られるように、グローブのそのような配列は、ガスエンクロージャの外部からエンクロージャシステム内の構成要素部品への容易なアクセスを提供する。したがって、ガスエンクロージャの種々の実施形態は、エンドユーザが左のグローブおよび右のグローブを内部の中へ拡張し、内部内のガス雰囲気の組成を乱すことなく、内部の中で1つまたはそれを上回るアイテムを操作することができるように、2つまたはそれを上回るグローブポートを提供することができる。例えば、窓パネル
120および点検窓130のうちのいずれかは、ガスエンクロージャアセンブリの外部からガスエンクロージャアセンブリの内部の調整可能な構成要素への容易なアクセスを促進するように位置付けることができる。窓パネル120および点検窓130等の窓パネルの種々の実施形態によると、グローブポートグローブを通したエンドユーザアクセスが指示されないとき、そのような窓は、グローブポートおよびグローブポートアセンブリを含まなくてもよい。
【0051】
図4で描写されるような壁および天井パネルの種々の実施形態は、複数の嵌め込みパネル110を有することができる。図4に見られ得るように、嵌め込みパネルは、種々の形状およびアスペクト比を有することができる。嵌め込みパネルに加えて、天井パネル250’は、ファンフィルタユニットカバー103、ならびに天井フレーム250に載置され、ボルトで締められ、ねじで締められ、固定され、または別様に固着される第1の天井フレームダクト105および第2の天井フレームダクト107を有することができる。後にさらに詳細に議論されるように、天井パネル250’のダクト107と流体連通している配管は、ガスエンクロージャアセンブリの内部内に設置することができる。本教示によると、そのような配管は、ガスエンクロージャアセンブリの内部のガス循環システムの一部であり得るとともに、ガスエンクロージャアセンブリの外部の少なくとも1つのガス精製構成要素を通した循環のために、ガスエンクロージャアセンブリから退出する流動を分離することを提供する。
【0052】
図5は、パネルの完全な補完を含むように壁フレーム220を構築することができる、フレーム部材アセンブリ200の分解正面斜視図である。示される設計に限定されないが、本教示によるフレーム部材アセンブリの種々の実施形態の例示として、壁フレーム220を使用するフレーム部材アセンブリ200を使用することができる。フレーム部材アセンブリの種々の実施形態は、本教示によると、種々のフレーム部材と、種々のフレーム部材の種々のフレームパネル区分の中に設置される区分パネルとから成ることができる。
【0053】
本教示の種々のフレーム部材アセンブリの種々の実施形態によれば、フレーム部材アセンブリ200は、壁フレーム220等のフレーム部材から成ることができる。図3のガスエンクロージャアセンブリ100等のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、そのようなガスエンクロージャアセンブリに収納される機器を利用し得るプロセスは、不活性環境を提供する密封エンクロージャだけでなく、粒子状物質を実質的に含まない環境も必要とし得る。その点に関して、本教示によるフレーム部材は、フレームの種々の実施形態の構築のための様々に寸法決定された金属管材料を利用してもよい。そのような金属管材料は、分解して粒子状物質を産生しないであろう高い完全性の材料を含むが、それに限定されない、所望の材料属性に対処するとともに、高い強度、その上、最適な重量を有する、フレーム部材を生産し、種々のフレーム部材およびパネル区分を備えるガスエンクロージャアセンブリの1つの部位から別の部位への即時の輸送、構築、および破壊を提供する。教示による種々のフレーム部材を作成するために、これらの要件を満たす任意の材料を利用できる
【0054】
例えば、フレーム部材アセンブリ200等の本教示によるフレーム部材の種々の実施形態は、押出金属管類から構築することができる。フレーム部材の種々の実施形態によると、アルミニウム、鋼鉄、および種々の金属複合材料が、フレーム部材を構築するために利用されてもよい。種々の実施形態では、本教示のフレーム部材の種々の実施形態を構築するために、例えば、限定されないが、幅2インチ×高さ2インチ、幅4インチ×高さ2インチ、および幅4インチ×高さ4インチの寸法を有し、1/8インチ~1/4インチの壁厚を有する、金属管類を使用することができる。加えて、分解して粒子状物質を産生しないであろう高い完全性の材料を含むが、それに限定されない、材料属性を有するとともに、高い強度、その上、最適な重量を有する、フレーム部材を生産し、1つの部位から別の
部位への即時の輸送、構築、および破壊を提供する、種々の管または他の形態の種々の補強繊維ポリマー複合材料が利用可能である。
【0055】
様々に寸法決定された金属管材料からの種々のフレーム部材の構築に関して、フレーム溶接部の種々の実施形態を作成する溶接を行うことができると考慮される。加えて、様々に寸法決定された建築材料からの種々のフレーム部材の構築は、適切な工業用接着剤を使用して行うことができる。フレーム部材を通して漏出経路を本質的に作成しないであろう様式で、種々のフレーム部材の構築が行われるべきであると考慮される。その点に関して、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態のフレーム部材を通して漏出経路を本質的に作成しない任意のアプローチを使用して、種々のフレーム部材の構築を行うことができる。さらに、図4の壁フレーム220等の本教示によるフレーム部材の種々の実施形態は、塗装または被覆されてもよい。表面で形成される材料が粒子状物質を作成し得る、例えば、酸化しやすい、金属管類材料から作製されるフレーム部材の種々の実施形態について、粒子状物質の形成を防止する、塗装または被覆、または陽極酸化等の他の表面処理を行うことができる。
【0056】
図5のフレーム部材アセンブリ200等のフレーム部材アセンブリは、壁フレーム220等のフレーム部材を有することができる。壁フレーム220は、その上で最上壁フレームスペーサ板227を締結することができる、最上部226、ならびにその上で底壁フレームスペーサ板229を締結することができる、底部228を有することができる。後にさらに詳細に議論されるように、フレーム部材の表面上に載置されるスペーサ板は、フレーム部材区分の中に載置されるパネルのガスケット密閉と併せて、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の密封を提供する、ガスケット密閉システムの一部である。図5のフレーム部材アセンブリ200の壁フレーム220等のフレーム部材は、いくつかのパネルフレーム区分を有することができ、各区分は、限定されないが、嵌め込みパネル110、窓パネル120、および容易に可撤性の点検窓130等の種々の種類のパネルを受容するように加工することができる。種々の種類のパネル区分を、フレーム部材の構築で形成することができる。パネル区分の種類は、例えば、嵌め込みパネル110を受容するための嵌め込みパネル区分10、窓パネル120を受容するための窓パネル区分20、および容易に可撤性の点検窓130を受容するための点検窓パネル区分30を含むことができるが、それらに限定されない。
【0057】
各種類のパネル区分は、パネルを受容するパネル区分フレームを有することができ、密封ガスエンクロージャアセンブリを構築するために、本教示に従って各パネルを各パネル区分の中へ密閉可能に締結できるようにもたらすことができる。例えば、本教示によるフレームアセンブリを描写する図5では、嵌め込みパネル区分10は、フレーム12を有することが示され、窓パネル区分20は、フレーム22を有することが示され、点検窓パネル区分30は、フレーム32を有することが示されている。本教示の壁フレームアセンブリの種々の実施形態について、種々のパネル区分フレームは、密封を提供するように連続溶接ビードでパネル区分の中へ溶接される板金材料であり得る。壁フレームアセンブリの種々の実施形態について、種々のパネル区分フレームは、適切な工業用接着剤を使用してパネル区分の中に載置することができる、補強繊維ポリマー複合材料から選択される建築材料を含む、種々のシート材料から作製することができる。密閉に関する後続の教示でさらに詳細に議論されるように、各パネル区分フレームは、各パネル区分の中に設置および締結された各パネルのために気密シールを形成できることを確実にするように、その上に配置された圧縮可能なガスケットを有することができる。パネル区分フレームに加えて、各フレーム部材区分は、パネルを位置付けること、ならびにパネル区分の中でパネルをしっかりと締結することに関係するハードウェアを有することができる。
【0058】
嵌め込みパネル110および窓パネル120用のパネルフレーム122の種々の実施形
態は、限定されないが、アルミニウム、アルミニウムおよびステンレス鋼の種々の合金等の板金材料から構築することができる。パネル材料のための属性は、フレーム部材の種々の実施形態を構成する構造材料のための属性と同一であり得る。その点に関して、種々のパネル部材のための属性を有する材料は、分解して粒子状物質を産生しないであろう高い完全性の材料を含むが、それに限定されないとともに、1つの部位から別の部位への即時の輸送、構築、および破壊を提供するために、高い強度、その上、最適な重量を有するパネルを生産する。例えば、ハニカムコアシート材料の種々の実施形態は、嵌め込みパネル110および窓パネル120用のパネルフレーム122の構築のためのパネル材料として使用するための必要属性を有することができる。ハニカムコアシート材料は、種々の材料、両方とも金属、ならびに金属複合材料およびポリマー、ならびにポリマー複合ハニカムコアシート材料で作製することができる。金属材料から加工されたときの可撤性パネルの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリが構築されたときに構造全体が接地されていることを確実にするように、パネルに含まれる接地接続を有することができる。
【0059】
本教示のガスエンクロージャアセンブリを構築するために使用される構成要素の輸送可能な性質を考慮すると、ガスエンクロージャアセンブリの内部へのアクセスを提供するように、本教示の区分パネルの種々の実施形態のうちのいずれかを、ガスエンクロージャシステムの使用中に繰り返し設置および除去することができる。
【0060】
例えば、容易に可撤性の点検窓パネル130を受容するためのパネル区分30は、一式の4つのスペーサを有することができ、そのうちの1つは、窓ガイドスペーサ34として示される。加えて、容易に可撤性の点検窓パネル130を受容するために構築されるパネル区分30は、容易に可撤性の点検窓130のそれぞれのための点検窓フレーム132上に載置された一式の4つの逆作用トグルクランプ136を使用して、点検窓パネル区分30の中へ点検窓130を締め付けるために使用することができる、一式の4つの締め付けクリート36を有することができる。さらに、点検窓130の除去および設置しやすさをエンドユーザに提供するように、窓ハンドル138のそれぞれの2つを、容易に可撤性の点検窓フレーム132上に載置することができる。可撤性の点検窓ハンドルの数、種類および配置は、変化させることができる。加えて、容易に可撤性の点検窓パネル130を受容するための点検窓パネル区分30は、各点検窓パネル区分30の中に選択的に設置される、少なくとも2つの窓クランプ35を有することができる。点検窓パネル区分30のそれぞれの最上部および底部の中にあるものとして描写されるが、少なくとも2つの窓クランプは、パネル区分フレーム32の中で点検窓130を固着するように作用する任意の様式で設置することができる。点検窓130が除去および再設置されることを可能にするために、窓クランプ35を除去および設置するようにツールを使用することができる。
【0061】
点検窓130の逆作用トグルクランプ136、ならびに締め付けクリート36、窓ガイドスペーサ34、および窓クランプ35を含む、パネル区分30上に設置されるハードウェアは、任意の好適な材料、ならびに材料の組み合わせで構築することができる。例えば、1つまたはそれを上回るそのような要素は、少なくとも1つの金属、少なくとも1つのセラミック、少なくとも1つのプラスチック、およびそれらの組み合わせを含むことができる。可撤性点検窓ハンドル138は、任意の好適な材料、ならびに材料の組み合わせで構築することができる。例えば、1つまたはそれを上回るそのような要素は、少なくとも1つの金属、少なくとも1つのセラミック、少なくとも1つのプラスチック、少なくとも1つのゴム、およびそれらの組み合わせを含むことができる。窓パネル120の窓124、または点検窓130の窓134等のエンクロージャ窓は、任意の好適な材料、ならびに材料の組み合わせを含むことができる。本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、エンクロージャ窓は、透明および半透明材料を含むことができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態では、エンクロージャ窓は、例えば、限定されないが、ガラスおよび石英等のシリカ系材料、ならびに、例えば、限定されないが、
種々の部類のポリカーボネート、アクリル、およびビニル等の種々の種類のポリマー系材料を含むことができる。例示的な窓材料の種々の複合材料およびそれらの組み合わせもまた、本教示による透明および半透明材料として有用であり得る
【0062】
図8A-9Bについて以下の教示で議論されるように、気密区分パネルフレームシールと併せた壁および天井フレーム部材シールはともに、不活性環境を必要とする空気感受性プロセスのための密封ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態を提供する。実質的に低い濃度の反応種、ならびに実質的に低粒子の環境を提供することに寄与する、ガスエンクロージャシステムの構成要素は、密封ガスエンクロージャアセンブリ、ならびに配管を含む高度に効果的なガス循環および粒子濾過システムを含むことができるが、それらに限定されない。ガスエンクロージャアセンブリ用の効果的な密封を提供することは、特に、3つのフレーム部材が3側面接合部を形成するようにともに合わせるときに困難であり得る。したがって、3側面接合部密閉は、構築および破壊のサイクルを通して組み立て、分解することができる、ガスエンクロージャアセンブリ用の容易に設置可能な密封を提供することに関して、特に困難な課題を提示する。
【0063】
その点に関して、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、接合部の効果的なガスケット密閉を通した、完全に構築されたガスエンクロージャシステムの密封を提供するとともに、耐荷重建築構成要素の周囲に効果的なガスケット密閉を提供する。従来の接合部密閉と異なって、本教示による接合部密閉は、1)3つのフレーム部材が接合される、最上および底部終端フレーム接合連接において、直交配向したガスケット長からの隣接ガスケット区画の均一な平行整合を含み、それによって、角度継ぎ目整合および密閉を回避し、2)接合部の幅全体を横断して隣接長を形成することを提供し、それによって、3側面接合連接における密閉接触面積を増加させ、3)全ての垂直および水平、ならびに最上および底部3側面接合ガスケットシールにわたって、均一な圧縮力を提供するスペーサ板を伴って設計される。加えて、ガスケット材料の選択は、後に議論されるであろう、密封を提供することの有効性に影響を及ぼし得る。
【0064】
図6A-6Cは、本教示による3側面接合シールとの従来の3側面接合シールの比較を描写する、上面概略図である。本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、例えば、限定されないが、ガスエンクロージャアセンブリを形成するように接合することができ、密封を必要とする複数の垂直、水平、および3側面接合部を作成する、少なくとも4つの壁フレーム部材、天井フレーム部材、およびパンがあり得る。図6Aでは、X-Y面内でガスケットIIに対して直交配向される、第1のガスケットIから形成された従来の3側面ガスケットシールの上面概略図がある。図6Aに示されるように、X-Y面内の直交配向から形成される継ぎ目は、ガスケットの幅の寸法によって画定される2つの区画の間の接触長W1を有する。加えて、垂直方向でガスケットIおよびガスケットIIの両方に対して直交配向されるガスケットである、ガスケットIIIの末端部分は、斜線によって示されるように、ガスケットIおよびガスケットIIに隣接することができる。図6Bでは、第2のガスケット長IIに対して直角であり、両方の長さの45°面を接合する継ぎ目を有する、第1のガスケット長Iから形成された従来の3側面接合ガスケットシールの上面概略図があり、継ぎ目は、ガスケット材料の幅より大きい2つの区画の間に接触長W2を有する。図6Aの構成と同様に、垂直方向でガスケットIおよびガスケットIIの両方に対して直角である、ガスケットIIIの端部分は、斜線によって示されるように、ガスケットIおよびガスケットIIに隣接することができる。ガスケット幅が図6Aおよび図6Bで同一であると仮定すると、図6Bの接触長W2は、図6Aの接触長W1より大きい。
【0065】
図6Cは、本教示による3側面接合ガスケットシールの上面概略図である。第1のガスケット長Iは、ガスケット長Iの方向に対して直角に形成されるガスケット区画I’を有
することができ、ガスケット区画I’は、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の壁フレーム部材を形成するために使用される幅4インチ×高さ2インチまたは幅4インチ×高さ4インチの金属管等の、ほぼ接合されている構造構成要素の幅の寸法であり得る、長さを有する。ガスケットIIは、X-Y面内でガスケットIに対して直角であり、ほぼ接合されている構造構成要素の幅である、ガスケット区画I’との重複長を有する、ガスケット区画II’を有する。ガスケット区画I’およびII’の幅は、選択される圧縮可能なガスケット材料の幅である。ガスケットIIIは、垂直方向でガスケットIおよびガスケットIIの両方に対して直交配向される。ガスケット区画III’は、ガスケットIIIの端部分である。ガスケット区画III’は、ガスケットIIIの垂直長に対するガスケット区画III’の直交配向から形成される。ガスケット区画III’は、ガスケット区画I’およびII’とほぼ同一の長さ、および選択される圧縮可能なガスケット材料の厚さである幅を有するように形成することができる。その点に関して、図6Cに示される3つの整合区画の接触長W3は、それぞれ、接触長W1およびW2を有する、図6Aまたは図6Bのいずれか一方に示される従来の3角接合シールよりも大きい。
【0066】
その点に関して、本教示による3側面接合ガスケット密閉は、図6Aまたは図6Bの場合に示されるように、そうでなければ直交整合ガスケットであろうものから、終端接合連接においてガスケット区画の均一な平行整合を作成する。3側面接合ガスケット密閉区画のそのような均一な平行整合は、壁フレーム部材から形成される接合部の最上および底部の角において密封3側面接合シールを促進するように、区画にわたって均一な横密閉力を印加することを提供する。加えて、各3側面接合シール用の均一に整合されたガスケット区画の各区画は、ほぼ接合されている構造構成要素の幅であるように選択され、均一に整合された区画の最大接触長を提供する。また、本教示による接合密閉は、建築接合部の全ての垂直、水平、および3側面ガスケットシールにわたって均一な圧縮力を提供する、スペーサ板を伴って設計される。図6Aまたは図6Bの実施例について挙げられる、従来の3側面シールに選択されるガスケット材料の幅は、少なくとも接合されている構造構成要素の幅であり得ることが主張され得る。
【0067】
図7Aの分解斜視図は、ガスケットが非圧縮状態で描写されるように、全てのフレーム部材が接合される前の本教示による密閉アセンブリ300を描写する。図7Aでは、壁フレーム310、壁フレーム350、ならびに天井フレーム370等の複数の壁フレーム部材を、ガスエンクロージャアセンブリの種々の構成要素からのガスエンクロージャの構築の第1のステップで密閉可能に接合することができる。本教示によるフレーム部材密閉は、いったん完全に構築されたガスエンクロージャアセンブリが密封されるようにもたらすとともに、ガスエンクロージャアセンブリの構築および破壊のサイクルを通して実装することができる密封を提供することの大部分である。図7A-7Bについて以下の教示で挙げられる実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの一部分の密閉のためのものであるが、そのような教示が、本教示のガスエンクロージャアセンブリのうちのいずれかの全体に適用される。
【0068】
図7Aで描写される第1の壁フレーム310は、その上にスペーサ板312が載置される内側311と、垂直側面314と、その上にスペーサ板316が載置される頂面315とを有することができる。第1の壁フレーム310は、スペーサ板312から形成される空間の中に配置され、それに接着される第1のガスケット320を有することができる。第1のガスケット320がスペーサ板312から形成される空間の中に配置され、それに接着された後に残る、間隙302は、図7Aに示されるように、第1のガスケット320の垂直長に及ぶことができる。図7Aで描写されるように、柔軟ガスケット320は、スペーサ板312から形成される空間の中に配置し、それに接着することができ、垂直ガスケット長321、曲線ガスケット長323、および内部フレーム部材311上で垂直ガスケット長321に対する面内で90°に形成され、壁フレーム310の垂直側面314で
終端する、ガスケット長325を有することができる。図7Aでは、第1の壁フレーム310は、その上にスペーサ板316が載置される頂面315を有することができ、それによって、その上に第2のガスケット340が配置され、壁フレーム310の内縁317の近位に接着される、表面315上の空間を形成する。第2のガスケット340がスペーサ板316から形成される空間の中に配置され、それに接着された後に残る、間隙304は、図7Aに示されるように、第2のガスケット340の水平長に及ぶことができる。さらに、斜線によって示されるように、ガスケット340の長さ345は、ガスケット320の長さ325と均一に平行であり、隣接して整合させられる。
【0069】
図7Aで描写される第2の壁フレーム350は、外部フレーム側面353、垂直側面354、およびその上にスペーサ板356が載置される頂面355を有することができる。第2の壁フレーム350は、スペーサ板356から形成される第1のガスケット空間の中に配置され、それに接着される第1のガスケット360を有することができる。第1のガスケット360がスペーサ板356から形成される空間の中に配置され、それに接着された後に残る、間隙306は、図7Aに示されるように、第1のガスケット360の水平長に及ぶことができる。図7Aで描写されるように、柔軟ガスケット360は、垂直長361、曲線長363、および頂面355上の面内で90°に形成され、外部フレーム部材353で終端する、長さ365を有することができる。
【0070】
図7Aの分解斜視図で示されるように、壁フレーム310の内部フレーム部材311は、ガスエンクロージャフレームアセンブリの1つの建築接合部を形成するように、壁フレーム350の垂直側面354に接合することができる。そのように形成される建築接合部の密閉に関して、図7Aで描写される本教示による壁フレーム部材の終端接合連接におけるガスケット密閉の種々の実施形態では、ガスケット320の長さ325、ガスケット360の長さ365、およびガスケット340の長さ345は、全て隣接して均一に整合させられる。加えて、後にさらに詳細に議論されるように、本教示のスペーサ板の種々の実施形態は、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態を密封するために使用される圧縮可能なガスケット材料の約20%~約40%の間の偏向の均一な圧縮を提供することができる。
【0071】
図7Bは、ガスケットが圧縮状態で描写されるように、全てのフレーム部材が接合された後の本教示による密閉アセンブリ300を描写する。図7Bは、透視図で示される、第1の壁フレーム310、第2の壁フレーム350、および天井フレーム370の間の最上終端接合連接で形成される、3側面接合部の角シールの詳細を示す斜視図である。図7Bに示されるように、スペーサ板によって画定されるガスケット空間は、透視図で示される、壁フレーム310、壁フレーム350、および天井フレーム370を接合すると、垂直、水平、および3側面ガスケットシールを形成するための圧縮可能なガスケット材料の約20%~約40%の間の偏向の均一な圧縮が、壁フレーム部材の接合部で密閉される全ての表面におけるガスケット密閉が密封を提供できることを確実にするような幅であると判定することができる。加えて、ガスケット間隙302、304、および306(図示せず)は、圧縮可能なガスケット材料の約20%~約40%の間の偏向の最適圧縮時に、各ガスケットが図7Bのガスケット340およびガスケット360について示されるようなガスケット間隙を充填することができるように寸法決定される。したがって、各ガスケットが配置されて接着される、空間を画定することによって、均一な圧縮を提供することに加えて、間隙を提供するように設計されているスペーサ板の種々の実施形態はまた、漏出経路を形成し得る様式で、しわを作る、または隆起する、あるいは別様に圧縮状態で不規則的に形成することなく、各圧縮されたガスケットがスペーサ板によって画定される空間内で一致できることも確実にする。
【0072】
本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、パネル区分フレームのそれぞれの上に配置された圧縮可能なガスケット材料を使用して、種々の種類の区分パネルを密閉することができる。フレーム部材ガスケット密閉と併せて、種々の区分パネルとパネル区分フレームとの間にシールを形成するために使用される圧縮可能なガスケットの場所および材料は、ガス漏出をほとんどまたは全く伴わずに密封ガスエンクロージャアセンブリを提供することができる。加えて、図5の嵌め込みパネル110、窓パネル120、および容易に可撤性の点検窓130等の全ての種類のパネルのための密閉設計は、例えば、保守のためのガスエンクロージャアセンブリの内部へのアクセスに関して必要とされ得る、そのようなパネルの繰り返しの除去および設置後に、耐久性のあるパネル密閉を提供することができる。
【0073】
例えば、図8Aは、点検窓パネル区分30および容易に可撤性の点検窓130を描写する分解図である。以前に議論されたように、点検窓パネル区分30は、容易に可撤性の点検窓130を受容するために加工することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、可撤性点検パネル区分30等のパネル区分は、パネル区分フレーム32、ならびにパネル区分フレーム32上に配置される圧縮可能なガスケット38を有することができる。種々の実施形態では、可撤性点検窓パネル区分30の中に容易に可撤性の点検窓130を締結することに関係するハードウェアは、設置および再設置の容易性をエンドユーザに提供し、同時に、ガスエンクロージャアセンブリの内部への直接アクセスを必要とするエンドユーザによる必要に応じて、容易に可撤性の点検窓130がパネル区分30の中に設置および再設置されるときに、気密シールが維持されることを確実にすることができる。容易に可撤性の点検窓130は、例えば、限定されないが、本教示のフレーム部材のうちのいずれかを構築するために説明されるような金属管材料から構築することができる、剛性窓フレーム132を含むことができる。点検窓130は、点検窓130の即時の除去および再設置をエンドユーザに提供するために、迅速作用締結ハードウェア、例えば、限定されないが、逆作用トグルクランプ136を利用することができる。
【0074】
図8Aの可撤性点検窓パネル区分30の正面図に示されるように、容易に可撤性の点検窓130は、窓フレーム132上に固着される一式の4つのトグルクランプ136を有することができる。点検窓130は、ガスケット38に対する適正な圧縮力を確保するための規定距離でパネル区分フレーム30の中に位置付けることができる。図8Bに示されるように、一式の4つの窓ガイドスペーサ34を使用して、パネル区分30の中に点検窓130を位置付けるために、それをパネル区分30の各角に設置することができる。容易に可撤性の点検窓130の逆作用トグルクランプ136を受容するように、一式の締め付けクリート36のそれぞれを提供することができる。設置および除去のサイクルを通した点検窓130の密封のための種々の実施形態によると、圧縮可能なガスケット38に関して一式の窓ガイドスペーサ34によって提供される点検窓130の規定位置と併せた、点検窓フレーム132の機械的強度の組み合わせは、例えば、限定されないが、それぞれの締め付けクリート36の中に締結された逆作用トグルクランプ136を使用して、いったん点検窓130が定位置で固着されると、点検窓フレーム132が、一式の窓ガイドスペーサ34によって設定されるような規定圧縮により、パネル区分フレーム32にわたって均等な圧力を提供できることを確実にすることができる。一式の窓ガイドスペーサ34は、ガスケット38上の窓130の圧縮力が、圧縮可能なガスケット38を約20%~約40%の間に偏向させるように位置付けられる。その点に関して、点検窓130の構築、ならびにパネル区分30の加工は、パネル区分30の中の点検窓130の気密シールを提供する。以前に議論されたように、点検窓130がパネル区分30の中に締結され、点検窓130が除去される必要があるときに除去された後に、窓クランプ35をパネル区分30の中に設置することができる。
【0075】
逆作用トグルクランプ136は、任意の好適な手段、ならびに手段の組み合わせを使用して、容易に可撤性の点検窓フレーム132に固着することができる。使用することができる好適な固着手段の実施例は、少なくとも1つの接着剤、例えば、限定されないが、エポキシまたはセメント、少なくとも1つのボルト、少なくとも1つのねじ、少なくとも1つの他の締結具、少なくとも1つのスロット、少なくとも1つの進路、少なくとも1つの溶接、およびそれらの組み合わせを含むことができる。逆作用トグルクランプ136は、可撤性点検窓フレーム132に直接的に、またはアダプタ板を通して間接的に接続することができる。逆作用トグルクランプ136、締め付けクリート36、窓ガイドスペーサ34、および窓クランプ35は、任意の好適な材料、ならびに材料の組み合わせで構築することができる。例えば、1つまたはそれを上回るそのような要素は、少なくとも1つの金属、少なくとも1つのセラミック、少なくとも1つのプラスチック、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0076】
容易に可撤性の点検窓を密閉することに加えて、気密密閉もまた、嵌め込みパネルおよび窓パネルのために提供することができる。パネル区分の中に繰り返し設置および除去することができる、他の種類の区分パネルは、例えば、図5に示されるような嵌め込みパネル110および窓パネル120を含むが、それらに限定されない。図5に見られ得るように、窓パネル120のパネルフレーム122は、嵌め込みパネル110と同様に構築される。そのようなものとして、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、嵌め込みパネルおよび窓パネルを受容するためのパネル区分の加工は、同一であり得る。その点に関して、嵌め込みパネルおよび窓パネルの密閉は、同一の原理を使用して実装することができる。
【0077】
図9Aおよび図9Bを参照して、本教示の種々の実施形態によると、図1のガスエンクロージャアセンブリ100等のガスエンクロージャのパネルのうちのいずれかは、それぞれの嵌め込みパネル110を受容するように構成されるフレーム12を有することができる、1つまたはそれを上回る嵌め込みパネル区分10を含むことができる。図9Aは、図9Bに示される拡大部分を示す斜視図である。図9Aでは、嵌め込みパネル110は、嵌め込みフレーム12に関して位置付けられて描写されている。図9Bに見られ得るように、嵌め込みパネル110は、フレーム12に添着され、フレーム12は、例えば、金属で構築することができる。いくつかの実施形態では、金属は、アルミニウム、鋼鉄、銅、ステンレス鋼、クロム、合金、およびそれらの組み合わせ、ならびに同等物を含むことができる。複数の止まりねじ穴14を嵌め込みパネル区分フレーム12の中に作製することができる。パネル区分フレーム12は、圧縮可能なガスケット18を配置することができる、嵌め込みパネル110とフレーム12との間にガスケット16を備えるよう構築される。止まりねじ穴14は、M5品種であり得る。ねじ15は、嵌め込みパネル110とフレーム12との間にガスケット16を備える、止まりねじ穴14によって受容することができる。いったんガスケット16に対して定位置に締結されると、嵌め込みパネル110は、嵌め込みパネル区分10内に気密シールを形成する。以前に議論されたように、そのようなパネル密閉は、図5に示されるような嵌め込みパネル110および窓パネル120を含むが、それらに限定されない、種々の区分パネルのために実装することができる。
【0078】
本教示による圧縮可能なガスケットの種々の実施形態によると、フレーム部材密閉およびパネル密閉のための圧縮可能なガスケット材料は、種々の圧縮可能なポリマー材料、例えば、限定されないが、膨張ゴム材料または膨張ポリマー材料とも当技術分野で称される、閉鎖セルポリマー材料の部類の中のいずれかから選択することができる。手短に言えば、閉鎖セルポリマーは、ガスが離散セルの中に封入される様式で調製され、各離散セルは、ポリマー材料によって封入される。フレームおよびパネル構成要素の気密密閉で使用するために望ましい、圧縮可能な閉鎖セルポリマーガスケット材料の性質は、それらが、広範囲の化学種にわたる化学攻撃に対して頑健であり、優れた防湿性質を保有し、幅広い温度範囲にわたって弾性であり、永久圧縮歪みに耐性があることを含むが、それに限定されない。一般に、開放セル構造のポリマー材料と比較して、閉鎖セルポリマー材料は、より
高い寸法安定性、より低い吸湿係数、およびより高い強度を有する。閉鎖セルポリマー材料を作製することができる、種々の種類のポリマー材料は、例えば、シリコーン、ネオプレン、エチレンプロピレンジエン三元共重合体(EPT)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)を使用して作製されたポリマーおよび複合材料、ビニルニトリル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ならびにそれらの種々の共重合体および混合物を含むが、それらに限定されない。
【0079】
閉鎖セルポリマーの望ましい材料性質は、バルク材料を含むセルが使用中に無傷のままである場合のみ維持される。その点に関して、閉鎖セルポリマーのために設定された材料仕様を超える、例えば、規定の温度または圧縮範囲内で使用するための仕様を超える様式で、そのような材料を使用することにより、ガスケットシールの劣化を引き起こし得る。フレームパネル区分の中でフレーム部材および区分パネルを密閉するために使用される閉鎖セルポリマーガスケットの種々の実施形態では、そのような材料の圧縮は、約50%~約70%の間の偏向を超えるべきではなく、最適な性能のために、約20%~約40%の間の偏向であり得る。
【0080】
閉鎖セルの圧縮可能なガスケット材料に加えて、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの実施形態を構築する際に使用するための所望の属性を有する、圧縮可能なガスケット材料の部類の別の実施例は、中空押出された圧縮可能なガスケット材料の部類を含む。材料の部類としての中空押出ガスケット材料は、それらが、広範囲の化学種にわたる化学攻撃に対して頑健であり、優れた防湿性質を保有し、幅広い温度範囲にわたって弾性であり、永久圧縮歪みに耐性があることを含むが、それに限定されない、望ましい属性を有する。そのような中空押出された圧縮可能なガスケット材料は、例えば、限定されないが、U字形セル、D字形セル、正方形のセル、長方形のセル、ならびに種々のカスタム形状因子の中空押出ガスケット材料のうちのいずれか等の多種多様の形状因子で供給することができる。種々の中空押出ガスケット材料は、閉鎖セルの圧縮可能なガスケット加工に使用される、ポリマー材料から加工することができる。例えば、限定されないが、中空押出ガスケットの種々の実施形態は、シリコーン、ネオプレン、エチレンプロピレンジエン三元共重合体(EPT)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)を使用して作製されたポリマーおよび複合材料、ビニルニトリル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ならびにそれらの種々の共重合体および混合物から加工することができる。そのような中空セルガスケット材料の圧縮は、所望の属性を維持するために、約50%偏向を超えるべきではない。
【0081】
閉鎖セルの圧縮可能なガスケット材料の部類および中空押出された圧縮可能なガスケット材料の部類が実施例として挙げられているが、本教示によって規定されるように、種々の壁および天井フレーム部材等の構造構成要素を密閉するため、ならびにパネル区分フレームの中で種々のパネルを密閉するために、所望の属性を有する任意の圧縮可能なガスケット材料を使用できる。
【0082】
図10は、例えば、図3のガスエンクロージャアセンブリ100の天井パネル250’等の本教示の天井パネルの種々の実施形態の底面図である。ガスエンクロージャの組立のための本教示の種々の実施形態によると、照明を、図3のガスエンクロージャアセンブリ100の天井パネル250’等の天井パネルの内部頂面上に設置することができる。図10で描写されるように、内部251を有する天井フレーム250は、種々のフレーム部材の内部上に設置された照明を有することができる。例えば、天井フレーム250は、共通して2本の天井フレーム梁42および44を有する、2つの天井フレーム区分40を有することができる。各天井フレーム区分40は、天井フレーム250の内部に向かって位置付けられる第1の側面41と、天井フレーム250の外部に向かって位置付けられる第2の側面43とを有することができる。ガスエンクロージャシステム用の照明を提供するこ
との本教示による種々の実施形態について、複数対の照明要素46を設置することができる。各一対の照明要素46は、第1の側面41の近位の第1の照明要素45と、天井フレーム区分40の第2の側面43の近位の第2の照明要素47とを含むことができる。図10に示される照明要素の数、位置付け、およびグループ化は、例示的である。照明要素の数およびグループ化は、任意の所望または好適な様式で変化させることができる。種々の実施形態では、照明要素を平坦に載置することができる一方で、他の実施形態では、種々の位置および角度まで移動させることができるように、それを載置することができる。照明要素の配置は、最上パネル天井433に限定されないが、加えて、または代替として、任意の他の内面、外面、および図3に示されるガスエンクロージャアセンブリ100の表面の組み合わせの上に位置することができる。
【0083】
種々の照明要素は、任意の数、種類、または組み合わせの光、例えば、ハロゲン灯、白色灯、白熱灯、アーク灯、または発光ダイオードあるいはデバイス(LED)を備えることができる。例えば、各照明要素は、1個のLED~約100個のLED、約10個のLED~約50個のLED、または100個以上のLEDを備えることができる。LEDまたは他の照明デバイスは、色スペクトル内、色スペクトル外、またはそれらの組み合わせで任意の色または色の組み合わせを発することができる。OLED材料のインクジェット印刷に使用されるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、いくつかの材料がいくつかの光の波長に敏感であるため、ガスエンクロージャアセンブリの中に設置される照明デバイスの光の波長は、処理中に材料の劣化を回避するように特異的に選択することができる。例えば、4X冷白色LEDを、4X黄色LEDまたはそれらの任意の組み合わせとして使用することができる。4X冷白色LEDの実施例は、IDEC Corporation(Sunnyvale, California)から入手可能なLF1B-D4S-2THWW4である。使用することができる4X黄色LEDの実施例は、同様にIDEC Corporationから入手可能なLF1B-D4S-2SHY6である。LEDまたは他の照明要素を、天井フレーム250の内部251上またはガスエンクロージャアセンブリの別の表面上の任意の位置から位置付けるか、または吊るすことができる。照明要素は、LEDに限定されない。任意の好適な照明要素または照明要素の組み合わせを使用することができる。図11は、IDEC LED光スペクトルのグラフであり、ピーク強度が100%であるときの強度に対応するX軸、ナノメートル単位の波長に対応するY軸を示す。LF1B黄色型、黄色蛍光灯、LF1B白色型LED、LF1B冷白色型LED、およびLF1B赤色型LEDのスペクトルが示されている。他の光スペクトルおよび光スペクトルの組み合わせを、本教示の種々の実施形態に従って使用することができる。
【0084】
本教示によるガスエンクロージャシステムは、ガスエンクロージャアセンブリの内部にガス循環および濾過システムを有することができる。そのような内部濾過システムは、内部内に複数のファンフィルタユニットを有することができ、内部内でガスの層流を提供するように構成することができる。層流は、内部の最上部から内部の底部までの方向に、または任意の他の方向にあり得る。循環システムによって生成されるガス流は、層流である必要はないが、内部で徹底的かつ完全なガスの回転率を確保するために、ガスの層流を使用することができる。ガスの層流はまた、乱流を最小限化するためにも使用することもでき、そのような乱流は、環境内の粒子をそのような乱流の領域中で集合させ、濾過システムが環境からこれらの粒子を除去することを妨げ得るため、望ましくない。
【0085】
図12は、ガスエンクロージャアセンブリ100の配管アセンブリ1501およびファンフィルタユニットアセンブリ1502を含むことができる、循環および濾過システム1500の右正面透視斜視図を描写する。エンクロージャ配管アセンブリ1501は、前壁パネル配管アセンブリ1510を有することができる。示されるように、前壁パネル配管アセンブリ1510は、前壁パネル入口ダクト1512と、両方とも前壁パネル入口ダクト1512と流体連通している、第1の前壁パネルライザ1514および第2の前壁パネルライザ1516とを有することができる。第1の前壁パネルライザ1514は、ファンフィルタユニット103の天井ダクト1505と密閉可能に係合される、出口1515を有して示されている。同様に、第2の前壁パネルライザ1516は、ファンフィルタユニット103の天井ダクト1507と密閉可能に係合される、出口1517を有して示されている。その点に関して、前壁パネル配管アセンブリ1510は、底部からガスエンクロージャシステム内で不活性ガスを循環させること、各前壁パネルライザ1514および1516を通して前壁パネル入口ダクト1512を利用すること、および例えば、ファンフィルタユニットアセンブリ1502のファンフィルタユニット1552によって空気を濾過することができるように、それぞれ、出口1505および1507を通して空気を送達することを提供する。近位ファンフィルタユニット1552は、熱調節システムの一部として、ガスエンクロージャアセンブリ100を通って循環する不活性ガスを所望の温度で維持することができる、熱交換器1562である。
【0086】
右壁パネル配管アセンブリ1530は、右壁パネルの第1のライザ1534および右壁パネルの第2のライザ1536を通して右壁パネルの上ダクト1538と流体連通している、右壁パネル入口ダクト1532を有することができる。右壁パネルの上ダクト1538は、第1のダクト入口端部1535と、第2のダクト出口端部1537とを有することができ、その第2のダクト出口端部1537は、後壁配管アセンブリ1540の後壁パネルの上ダクト1546と流体連通している。左壁パネル配管アセンブリ1520は、右壁パネルアセンブリ1530について説明されるものと同一の構成要素を有することができ、そのうち、第1の左壁パネルライザ1524および第1の左壁パネルライザ1524を通して左壁パネルの上ダクト(図示せず)と流体連通している、左壁パネル入口ダクト1522が、図12で見える。後壁パネル配管アセンブリ1540は、左壁パネルアセンブリ1520および右壁パネルアセンブリ1530と流体連通している、後壁パネル入口ダクト1542を有することができる。加えて、後壁パネル配管アセンブリ1540は、後壁パネルの第1の入口1541および後壁パネルの第2の入口1543を有することができる、後壁パネルの底ダクト1544を有することができる。後壁パネルの底ダクト1544は、第1のバルクヘッド1547および第2のバルクヘッド1549を介して、後壁パネルの上ダクト1546と流体連通することができ、そのバルクヘッド構造は、ガスエンクロージャアセンブリ100の外部から内部の中へ、例えば、限定されないが、ケーブル、ワイヤ、および管類、ならびに同等物の種々の束を送給するために使用することができる。ダクト開口部1533は、後壁パネルの上ダクト1546の外へ、バルクヘッド1549を介して後壁パネルの上ダクト1546を通過させることができるケーブル、ワイヤ、および管類、ならびに同等物の束を移動させることを提供する。バルクヘッド1547およびバルクヘッド1549は、以前に説明されたように、可撤性の嵌め込みパネルを使用して、外部で密封することができる。後壁パネルの上ダクトは、その角が図12に示されている、通気孔545を通して、例えば、限定されないが、ファンフィルタユニット1554と流体連通している。その点に関して、左壁パネル配管アセンブリ1520、右壁パネル配管アセンブリ1530、および後壁パネル配管アセンブリ1540は、以前に説明されたように、種々のライザ、ダクト、バルクヘッド通路、および同等物を通して、通気孔1545と流体連通している、それぞれ、壁パネル入口ダクト1522、1532、および1542、ならびに後パネルの下ダクト1544を利用して、底部からガスエンクロージャアセンブリ内で不活性ガスを循環させることを提供する。したがって、例えば、循環および濾過システム1500のファンフィルタユニットアセンブリ1502のファンフィルタユニット1554によって、空気を濾過することができる。近位ファンフィルタユニット1554は、熱調節システムの一部として、ガスエンクロージャアセンブリ100を通って循環する不活性ガスを所望の温度で維持することができる、熱交換器1564である。後にさらに詳細に議論されるように、処理中の印刷システムの中の基板の物理的位置に従って、循環および濾過システム1500のファンフィルタユニット1552および1554を含む、ファンフィルタユニットアセンブリ1502等のファンフィルタユニットアセンブリのためのファンフィルタユニットの数、サイズ、および形状を選択することができる。基板の物理的移動に関して選択される、ファンフィルタユニットアセンブリのためのファンフィルタユニットの数、サイズ、および形状は、基板製造プロセス中に基板に近接する低粒子ゾーンを提供することができる。
【0087】
図12では、開口部1533を通したケーブル送給が示されている。後にさらに詳細に議論されるように、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、配管を通して、ケーブル、ワイヤ、および管類、ならびに同等物の束を運ぶことを提供する。そのような束の周囲で形成される漏出経路を排除するために、適合材料を使用する束の中で異なるサイズのケーブル、ワイヤ、および管類を密閉するための種々のアプローチを使用することができる。また、図12では、エンクロージャ配管アセンブリ1501について、ファンフィルタユニット103の一部として示される導管Iおよび導管IIも示されている。導管Iが、外部ガス精製システムへの不活性ガスの出口を提供する一方で、導管IIは、ガスエンクロージャアセンブリ100の内部の循環および濾過ループへの精製された不活性ガスの帰還を提供する。
【0088】
図13では、エンクロージャ配管アセンブリ1501の上面透視斜視図が示されている。左壁パネル配管アセンブリ1520および右壁パネル配管アセンブリ1530の対称性を見ることができる。右壁パネル配管アセンブリ1530について、右壁パネル入口ダクト1532は、右壁パネルの第1のライザ1534および右壁パネルの第2のライザ1536を通して右壁パネルの上ダクト1538と流体連通している。右壁パネルの上ダクト1538は、第1のダクト入口端部1535と、第2のダクト出口端部1537とを有することができ、その第2のダクト出口端部1537は、後壁配管アセンブリ1540の後壁パネルの上ダクト1546と流体連通している。同様に、左壁パネル配管アセンブリ1520は、左壁パネルの第1のライザ1524および左壁パネルの第2のライザ1526を通して左壁パネルの上ダクト1528と流体連通している、左壁パネル入口ダクト1522を有することができる。左壁パネルの上ダクト1528は、第1のダクト入口端部1525と、第2のダクト出口端部1527とを有することができ、その第2のダクト出口端部1527は、後壁配管アセンブリ1540の後壁パネルの上ダクト1546と流体連通している。加えて、後壁パネル配管アセンブリは、左壁パネルアセンブリ1520および右壁パネルアセンブリ1530と流体連通している、後壁パネル入口ダクト1542を有することができる。加えて、後壁パネル配管アセンブリ1540は、後壁パネルの第1の入口1541および後壁パネルの第2の入口1543を有することができる、後壁パネルの底ダクト1544を有することができる。後壁パネルの底ダクト1544は、第1のバルクヘッド1547および第2のバルクヘッド1549を介して、後壁パネルの上ダクト1546と流体連通することができる。図12および図13に示されるような配管アセンブリ1501は、前壁パネル入口ダクト1512から、それぞれ、前壁パネル出口1515および1517を介して天井パネルダクト1505および1507へ不活性ガスを循環させる、前壁パネル配管アセンブリ1510から、ならびに、それぞれ、入口ダクト1522、1532、および1542から通気孔1545へ空気を循環させる、左壁パネルアセンブリ1520、右壁パネルアセンブリ1530、および後壁パネル配管アセンブリ1540から、不活性ガスの効果的な循環を提供することができる。いったん不活性ガスが、天井パネルダクト1505および1507、ならびに通気孔1545を介して、エンクロージャ100のファンフィルタユニット103の下のエンクロージャ領域の中へ排出されると、そのように排出された不活性ガスは、ファンフィルタユニットアセンブリ1502のファンフィルタユニット1552および1554を通して濾過することができる。加えて、循環した不活性ガスは、熱調節システムの一部である熱交換器1562および1564によって、所望の温度で維持することができる。
【0089】
図14は、エンクロージャ配管アセンブリ1501の底部透視図である。入口配管アセンブリ1509は、相互に流体連通している、前壁パネル入口ダクト1512と、左壁パネル入口ダクト1522と、右壁パネル入口ダクト1532と、後壁パネル入口ダクト1542とを含む。以前に議論されたように、導管Iが、外部ガス精製システムへの不活性ガスの出口を提供する一方で、導管IIは、ガスエンクロージャアセンブリ100の内部の循環および濾過ループへの精製された不活性ガスの帰還を提供する。
【0090】
入口配管アセンブリ1509に含まれる各入口ダクトについて、各ダクトの底部を横断して均等に分配された明白な開口部があり、そのセットは、前壁パネル入口ダクト1512の開口部1504、左壁パネル入口ダクト1522の開口部1521、右壁パネル入口ダクト1532の開口部1531、および右壁パネル入口ダクト1542の開口部1541として、本教示の目的で特異的に強調表示される。各入口ダクトの底部を横断して目に見えるような、そのような開口部は、連続循環および濾過のためにエンクロージャ100内で不活性ガスの効果的な取り込みを提供する。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の不活性ガスの連続循環および濾過は、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態内で実質的に粒子を含まない環境を維持することを提供することができる、粒子制御システムの一部である。ガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、クラス1~クラス5によって特定されるような、International Standards Organization Standard (ISO) 14644-1:1999, “Cleanrooms and associated controlled environments-Part 1: Classification of air cleanliness”の規格を満たす、浮遊粒子状物質のための低粒子環境を提供するように設計することができる。
【0091】
内部で徹底的かつ完全なガスの回転率を確保して、ガスの層流を提供するためにガス循環および濾過システムを利用する、ガスエンクロージャシステムに加えて、内部で所望の温度を維持するように、複数の熱交換器を利用する熱調節システムを提供することができる。例えば、ファンまたは別のガス循環デバイスとともに動作する、それに隣接する、またはそれと併せて使用される、複数の熱交換器を提供することができる。ガス精製ループは、エンクロージャの外部の少なくとも1つのガス精製構成要素を通して、ガスエンクロージャアセンブリの内部内からガスを循環させるように構成することができる。その点に関して、ガスエンクロージャアセンブリの外部のガス精製ループと併せた、ガスエンクロージャアセンブリの内部の循環および濾過システムは、ガスエンクロージャシステムの全体を通して実質的に低いレベルの反応種を有する、実質的に低粒子の不活性ガスの連続循環を提供することができる。ガス精製システムを有する、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、非常に低いレベルの望ましくない構成要素、例えば、有機溶媒およびその蒸気、ならびに水、水蒸気、酸素、および同等物を維持するように構成することができる。
【0092】
図15は、ガスエンクロージャシステム502を示す概略図である。本教示による、ガスエンクロージャシステム502の種々の実施形態は、印刷システムを収納するためのガスエンクロージャアセンブリ1101と、ガスエンクロージャアセンブリ1101と流体連通しているガス精製ループ3130と、少なくとも1つの熱調節システム3140とを備えることができる。加えて、ガスエンクロージャシステム502の種々の実施形態は、OLED印刷システム用の基板浮動式テーブル等の種々のデバイスを操作するための不活性ガスを供給することができる、加圧不活性ガス再循環システム3000を有することができる。加圧不活性ガス再循環システム3000の種々の実施形態は、後にさらに詳細に議論されるように、加圧不活性ガス再循環システム3000の種々の実施形態の供給源として、圧縮機、送風機、および2つの組み合わせを利用することができる。加えて、ガスエンクロージャシステム502は、ガスエンクロージャシステム502の内部に循環および濾過システムを有することができる(図示せず)。
【0093】
図15で描写されるように、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、配管の設計は、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態のために連続的に濾過され、内部で循環させられる不活性ガスから、ガス精製ループ3130を通して循環させられる不活性ガスを分離することができる。ガス精製ループ3130は、ガスエンクロージャアセンブリ1101から、溶媒除去構成要素3132へ、次いで、ガス精製システム3134への出口ライン3131を含む。次いで、溶媒ならびに酸素および水蒸気等の他の反応性ガス種が精製された不活性ガスが、入口ライン3133を通してガスエンクロージャアセンブリ1101に戻される。ガス精製ループ3130はまた、適切な導管および接続、ならびにセンサ、例えば、酸素、水蒸気、および溶媒蒸気センサを含んでもよい。ファン、送風機、またはモータ、および同等物等のガス循環ユニットは、別々に提供するか、または例えば、ガス精製ループ3130を通してガスを循環させるように、ガス精製システム3134に組み込むことができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、溶媒除去システム3132およびガス精製システム3134は、図15に示される概略図で別個のユニットとして示されているが、溶媒除去システム3132およびガス精製システム3134は、単一の精製ユニットとしてともに収納することができる。
【0094】
図15のガス精製ループ3130は、ガスエンクロージャアセンブリ1101から循環させられる不活性ガスが、出口ライン3131を介して溶媒除去システム3132を通過するように、ガス精製システム3134の上流に配置された溶媒除去システム3132を有することができる。種々の実施形態によると、溶媒除去システム3132は、図15の溶媒除去システム3132を通過する不活性ガスから溶媒蒸気を吸着することに基づく、溶媒閉じ込めシステムであってもよい。例えば、限定されないが、活性炭、分子篩、および同等物等の1つまたは複数の吸着剤層が、多種多様の有機溶媒蒸気を効果的に除去してもよい。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、溶媒除去システム3132内の溶媒蒸気を除去するために、冷却トラップ技術が採用されてもよい。前述のように、本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、図15のガスエンクロージャシステム502等のガスエンクロージャシステムを通って連続的に循環する不活性ガスからのそのような種の効果的な除去を監視するために、酸素、水蒸気、および溶媒蒸気センサ等のセンサが使用されてもよい。溶媒除去システムの種々の実施形態は、1つまたは複数の吸着剤層を再生または交換することができるように、活性炭、分子篩、および同等物等の吸着剤が容量に達したときを示すことができる。分子篩の再生は、分子篩を加熱すること、分子篩をフォーミングガスと接触させること、それらの組み合わせ、および同等物を伴うことができる。酸素、水蒸気、および溶媒を含む、種々の種を閉じ込めるように構成される分子篩は、加熱し、水素を含むフォーミングガス、例えば、約96%窒素および4%水素を含むフォーミングガスに暴露することによって、再生することができ、該割合は、体積または重量による。活性炭の物理的再生は、不活性環境下で、類似加熱手順を使用して行うことができる。
【0095】
任意の好適なガス精製システムを、図15のガス精製ループ3130のガス精製システム3134に使用することができる。例えば、MBRAUN Inc.(Statham, New Hampshire)またはInnovative Technology(Amesbury, Massachusetts)から入手可能なガス精製システムが、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態に組み込むために有用であり得る。ガスエンクロージャシステム502内の1つまたはそれを上回る不活性ガスを精製するため、例えば、ガスエンクロージャアセンブリ内のガス雰囲気全体を精製するために、ガス精製システム3134を使用することができる。前述のように、ガス精製ループ3130を通してガスを循環させるために、ガス精製システム3134は、ファン、
送風機、またはモータ、ならびに同等物等のガス循環ユニットを有することができる。その点に関して、ガス精製システムを通して不活性ガスを移動させるための体積流量を定義することができる、エンクロージャの容積に応じて、ガス精製システムを選択することができる。最大約4m3の容積を伴うガスエンクロージャアセンブリを有する、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、約84m3/時間で移動することができるガス精製システムを使用することができる。最大約10m3の容積を伴うガスエンクロージャアセンブリを有する、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、約155m3/時間で移動することができるガス精製システムを使用することができる。約52~114m3の間の容積を有するガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、1つよりも多くのガス精製システムが使用されてもよい。
【0096】
任意の好適なガスフィルタまたは精製デバイスを本教示のガス精製システム3134に含むことができる。いくつかの実施形態では、ガス精製システムは、デバイスのうち1つを保守のためにラインから外すことができ、中断することなくシステム動作を継続するために他方のデバイスを使用することができるように、2つの並列精製デバイスを備えることができる。いくつかの実施形態では、例えば、ガス精製システムは、1つまたはそれを上回る分子篩を備えることができる。いくつかの実施形態では、ガス精製システムは、分子篩のうちの1つが不純物で飽和するか、またはそうでなければ十分効率的に動作していないと見なされるとき、飽和した、または非効率的な分子篩を再生しながら、システムが他方の分子篩に切り替わることができるように、少なくとも第1の分子篩および第2の分子篩を備えることができる。各分子篩の動作効率を判定するため、異なる分子篩の動作を切り替えるため、1つまたはそれを上回る分子篩を再生するため、またはそれらの組み合わせのために、制御ユニットを提供することができる。前述のように、分子篩は、再生または再使用されてもよい。
【0097】
図15の熱調節システム3140は、冷却剤をガスエンクロージャアセンブリの中へ循環させるための流体出口ライン3141と、冷却剤を冷却装置に戻すための流体入口ライン3143とを有する、少なくとも1つの冷却装置3142を含むことができる。ガスエンクロージャシステム502内のガス雰囲気を冷却するために、少なくとも1つの流体冷却装置3142を提供することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、流体冷却装置3142は、冷却された流体をエンクロージャ内の熱交換器に送達し、そこで不活性ガスが、エンクロージャの内部の濾過システムに渡される。少なくとも1つの流体冷却装置もまた、ガスエンクロージャシステム502内に封入される装置から発生する熱を冷却するように、ガスエンクロージャシステム502に提供することができる。例えば、限定されないが、少なくとも1つの流体冷却装置もまた、OLED印刷システムから発生する熱を冷却するように、ガスエンクロージャシステム502に提供することができる。熱調節システム3140は、熱交換またはペルチェデバイスを備えることができ、種々の冷却能力を有することができる。例えば、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、冷却装置は、約2kW~約20kWの間の冷却能力を提供することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、1つまたはそれを上回る流体を冷却することができる、複数の流体冷却装置を有することができる。いくつかの実施形態では、流体冷却装置は、冷却剤としていくつかの流体、例えば、限定されないが、熱交換流体として水、不凍剤、冷却材、およびそれらの組み合わせを利用することができる。関連導管およびシステム構成要素を接続する際に、適切な漏出しない係止接続を使用することができる。
【0098】
図15に示されるように、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、加圧不活性ガス再循環システム3000を含むことができる。加圧不活性ガス再循環ループの種々の実施形態は、圧縮機、送風機、およびそれらの組み合わせを利用することができる。
【0099】
例えば、図16に示されるように、ガスエンクロージャシステム503の種々の実施形態は、ガスエンクロージャシステム503の動作の種々の側面で使用するために不活性ガス源3201および清浄乾燥空気(CDA)源3203を統合して制御するための外部ガスループ3200を有することができる。ガスエンクロージャシステム503はまた、以前に説明されたように、内部粒子濾過およびガス循環システムの種々の実施形態、ならびに外部ガス精製システムの種々の実施形態も含むことができる。不活性ガス源3201およびCDA源3203を統合して制御するための外部ループ3200に加えて、ガスエンクロージャシステム503は、ガスエンクロージャシステム503の内部に配置することができる種々のデバイスおよび装置を操作するための不活性ガスを供給することができる、圧縮機ループ3250を有することができる。
【0100】
図16の圧縮機ループ3250は、流体連通するように構成される、圧縮機3262と、第1のアキュムレータ3264と、第2のアキュムレータ3268とを含むことができる。圧縮機3262は、ガスエンクロージャアセンブリ1101から引き出される不活性ガスを所望の圧力に圧縮するように構成することができる。圧縮機ループ3250の入口側は、弁3256および逆止弁3258を有するライン3254を通して、ガスエンクロージャアセンブリ出口3252を介してガスエンクロージャアセンブリ1101と流体連通することができる。圧縮機ループ3250は、外部ガスループ3200を介して、圧縮機ループ3250の出口側でガスエンクロージャアセンブリ1101と流体連通することができる。アキュムレータ3264は、圧縮機3262と、外部ガスループ3200との圧縮機ループ3250の接合部との間に配置することができ、5psigまたはそれより高い圧力を生成するように構成することができる。第2のアキュムレータ3268は、約60Hzでの圧縮機ピストン循環による減退変動を提供するために、圧縮機ループ3250の中にあり得る。圧縮機ループ3250の種々の実施形態について、第1のアキュムレータ3264が、約80ガロン~約160ガロンの間の容量を有することができる一方で、第2のアキュムレータは、約30ガロン~約60の間の容量を有することができる。ガスエンクロージャシステム503の種々の実施形態によると、圧縮機3262は、ゼロ進入圧縮機であり得る。種々の種類のゼロ進入圧縮機は、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の中へ大気ガスを漏出させることなく動作することができる。ゼロ進入圧縮機の種々の実施形態は、例えば、圧縮不活性ガスを必要とする種々のデバイスおよび装置の使用を利用して、OLED印刷プロセス中に連続的に実行することができる。
【0101】
アキュムレータ3264は、圧縮機3262から圧縮不活性ガスを受容して蓄積するように構成することができる。アキュムレータ3264は、ガスエンクロージャアセンブリ1101の中で必要に応じて圧縮不活性ガスを供給することができる。例えば、アキュムレータ3264は、限定されないが、空気圧ロボット、基板浮動式テーブル、空気ベアリング、空気ブッシング、圧縮ガスツール、空気圧アクチュエータ、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るもの等のガスエンクロージャアセンブリ1101の種々の構成要素のための圧力を維持するように、ガスを提供することができる。ガスエンクロージャシステム503について図16に示されるように、ガスエンクロージャアセンブリ1101は、その中に封入されたOLED印刷システム2003を有することができる。図16で概略的に描写されるように、インクジェット印刷システム2003は、花崗岩ステージであり得る、印刷システム基部2100によって支持することができる。印刷システム基部2100は、チャック、例えば、限定されないが、真空チャック、圧力ポートを有する基板浮動式チャック、ならびに真空および圧力ポートを有する基板浮動式チャック等の基板支持装置を支持することができる。本教示の種々の実施形態では、基板支持装置は、図16で描写される基板浮動式テーブル2200等の基板浮動式テーブルであり得る。基板浮動式テーブル2200は、基板の無摩擦支持に使用することができる。低粒子生成浮動式テーブルに加えて、基板の無摩擦y軸運搬のために、印刷システム2003は、空気ブッシングを利用するy軸運動システムを有することができる。加えて、印刷システム2003は、低粒子生成X軸空気ベアリングアセンブリによって提供される運動制御とともに、少なくとも1つのX、Z軸キャリッジアセンブリを有することができる。例えば、種々の粒子生成線形機械ベアリングシステムの代わりに、X軸空気ベアリングアセンブリ等の低粒子生成運動システムの種々の構成要素を使用することができる。本教示のガスエンクロージャおよびシステムの種々の実施形態について、種々の空気動作型デバイスおよび装置の使用は、低粒子生成性能を提供することができるとともに、維持するのにあまり手がかからない。圧縮機ループ3250は、加圧不活性ガスをガスエンクロージャシステム503の種々のデバイスおよび装置に連続的に供給するように構成することができる。加圧不活性ガスの供給に加えて、空気ベアリング技術を利用するインクジェット印刷システム2003の基板浮動式テーブル2200はまた、弁3274が開放位置にあるときに、ライン3272を通してガスエンクロージャアセンブリ1101と流体連通している、真空システム3270も利用する。
【0102】
本教示による加圧不活性ガス再循環システムは、使用中に加圧ガスの可変要求を補うように作用し、それによって、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための動的平衡を提供する、圧縮機ループ3250について図16に示されるような圧力制御バイパスループ3260を有することができる。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、バイパスループが、エンクロージャ1101内の圧力を乱すこと、または変化させることなく、アキュムレータ3264内で一定の圧力を維持することができる。バイパスループ3260は、バイパスループ3260が使用されない限り閉鎖される、バイパスループの入口側の第1のバイパス入口弁3261を有することができる。バイパスループ3260はまた、第2の弁3263が閉鎖されるときに使用することができる、背圧調節器3266を有することもできる。バイパスループ3260は、バイパスループ3260の出口側に配置された第2のアキュムレータ3268を有することができる。ゼロ進入圧縮機を利用する圧縮機ループ3250の実施形態について、バイパスループ3260は、ガスエンクロージャシステムの使用中に経時的に発生し得る、圧力のわずかな偏差を補償することができる。バイパスループ3260は、バイパス入口弁3261が開放位置にあるときに、バイパスループ3260の入口側で圧縮機ループ3250と流体連通することができる。バイパス入口弁3261が開放されたとき、圧縮機ループ3250からの不活性ガスが、ガスエンクロージャアセンブリ1101の内部内で要求されていない場合、バイパスループ3260を通して分流される不活性ガスを圧縮機に再循環させることができる。圧縮機ループ3250は、アキュムレータ3264内の不活性ガスの圧力が事前設定された閾値圧力を超えるときに、バイパスループ3260を通して不活性ガスが分流するように構成される。アキュムレータ3264の事前設定された閾値圧力は、少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約25psig~約200psigの間、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約50psig~約150psigの間、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約75psig~約125psigの間、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約90psig~約95psigの間であり得る。
【0103】
圧縮機ループ3250の種々の実施形態は、可変速度圧縮機、あるいはオンまたはオフ状態のいずれか一方であるように制御することができる圧縮機等のゼロ進入圧縮機以外の種々の圧縮機を利用することができる。以前に議論されたように、ゼロ進入圧縮機は、いかなる大気反応種をガスエンクロージャシステムも導入できないことを確実にする。したがって、大気反応種がガスエンクロージャシステムに導入されることを防止する、任意の圧縮機構成を圧縮機ループ3250に利用することができる。種々の実施形態によると、ガスエンクロージャシステム503の圧縮機3262は、例えば、限定されないが、密封筐体の中に収納することができる。筐体内部は、不活性ガス源、例えば、ガスエンクロージャアセンブリ1101のための不活性ガス雰囲気を形成する同一の不活性ガスと流体連通して構成することができる。圧縮機ループ3250の種々の実施形態について、圧縮機3262は、一定の圧力を維持するように、一定の速度で制御することができる。ゼロ進入圧縮機を利用しない圧縮機ループ3250の他の実施形態では、圧縮機3262は、最大閾値圧力に達したときにオフにし、最小閾値圧力に達したときにオンにすることができる。
【0104】
ガスエンクロージャシステム504の図17では、真空送風機3290を利用する送風機ループ3280が、ガスエンクロージャアセンブリ1101に収納されるインクジェット印刷システム2003の基板浮動式テーブル2200の動作のために示されている。圧縮機ループ3250について以前に議論されたように、送風機ループ3280は、加圧不活性ガスを印刷システム2003の基板浮動式テーブル2200に連続的に供給するように構成することができる。
【0105】
加圧不活性ガス再循環システムを利用することができるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、圧縮機、送風機、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ等の種々の加圧ガス源を利用する、種々のループを有することができる。ガスエンクロージャシステム504の図17では、圧縮機ループ3250は、高消費マニホールド3225、ならびに低消費マニホールド3215のための不活性ガスの供給に使用することができる、外部ガスループ3200と流体連通することができる。ガスエンクロージャシステム504について図17に示されるような本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、限定されないが、基板浮動式テーブル、空気圧ロボット、空気ベアリング、空気ブッシング、および圧縮ガスツール、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るもの等の種々のデバイスおよび装置に不活性ガスを供給するために、高消費マニホールド3225を使用することができる。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、低消費3215は、限定されないが、アイソレータ、および空気圧アクチュエータ、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るもの等の種々の装置およびデバイスに不活性ガスを供給するために使用することができる。
【0106】
図17のガスエンクロージャシステム504の種々の実施形態について、加圧不活性ガスを基板浮動式テーブル2200の種々の実施形態に供給するために送風機ループ3280を利用することができる一方で、例えば、限定されないが、空気圧ロボット、空気ベアリング、空気ブッシング、および圧縮ガスツール、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものに加圧不活性ガスを供給するために、外部ガスループ3200と流体連通している圧縮機ループ3250を利用することができる。加圧不活性ガスの供給に加えて、空気ベアリング技術を利用する、OLEDインクジェット印刷システム2003の基板浮動式テーブル2200はまた、弁3294が開放位置にあるときに、ライン3292を通してガスエンクロージャアセンブリ1101と連通している送風機真空3290も利用する。送風機ループ3280の筐体3282は、不活性ガスの加圧源を基板浮動式テーブル2200に供給するための第1の送風機3284、およびガスエンクロージャアセンブリ1101内の不活性ガス環境に収納される基板浮動式テーブル2200のための真空源の役割を果たす、第2の送風機3290を維持することができる。基板浮動式テーブルの種々の実施形態のための加圧不活性ガスまたは真空源のいずれか一方として使用するために送風機を好適にすることができる属性は、例えば、それらが高い信頼性を有する、それらを維持するのにあまり手がかからなくする、可変速度を有する、広範囲の流量を有する、約100m3/時間~約2,500m3/時間の間の流速を提供することが可能な種々の実施形態を含むが、それらに限定されない。送風機ループ3280の種々の実施形態は、加えて、圧縮機ループ3280の入口端部に第1の隔離弁3283、ならびに送風機ループ3280の出口端部に逆止弁3285および第2の隔離弁3287を有することができる。送風機ループ3280の種々の実施形態は、例えば、限定されないが、ゲート、バタフライ、針、またはボール弁であり得る、調整可能な弁3286、ならびに規定温度で送風機ループ3280から基板浮動式テーブル2200への不活性ガスを維持するための熱交換器3288を有することができる。
【0107】
図17は、図16のガスエンクロージャシステム503および図17のガスエンクロージャシステム504の動作の種々の側面で使用するために、不活性ガス源3201および清浄乾燥空気(CDA)源3203を統合して制御するための図16でも示されるような外部ガスループ3200を描写する。図16および図17の外部ガスループ3200は、少なくとも4つの機械弁を含むことができる。これらの弁は、第1の機械弁3202と、第2の機械弁3204と、第3の機械弁3206と、第4の機械弁3208とを備える。これらの種々の弁は、例えば、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせ等の不活性ガス、および清浄乾燥空気(CDA)等の空気源の両方の制御を可能にする、種々の流動ラインの中の位置に位置する。内蔵不活性ガス源3201から、内蔵不活性ガスライン3210が延在する。内蔵不活性ガスライン3210は、低消費マニホールド3215と流体連通している、低消費マニホールドライン3212として直線的に延在し続ける。交差線の第1の区分3214は、内蔵不活性ガスライン3210、低消費マニホールドライン3212、および交差線の第1の区分3214の交点に位置する、第1の流動接合点3216から延在する。交差線の第1の区分3214は、第2の流動接合点3218から延在する。圧縮機不活性ガスライン3220は、圧縮機ループ3250のアキュムレータ3264から延在し、第2の流動接合点3218で終端する。CDAライン3222は、CDA源3203から延在し、高消費マニホールド3225と流体連通している高消費マニホールドライン3224として継続する。第3の流動接合点3226は、交差線の第2の区分3228、清浄乾燥空気ライン3222、および高消費マニホールドライン3224の交点に位置付けられる。交差線の第2の区分3228は、第2の流動接合点3218から第3の流動接合点3226まで延在する。高消費マニホールド3225を用いて、高消費である種々の構成要素を保守中にCDAに供給することができる。弁3204、3208、および3230を使用して圧縮機を隔離することにより、酸素および水蒸気等の反応種が、圧縮機およびアキュムレータ内の不活性ガスを汚染することを防止することができる。
【0108】
以前に議論されたように、本教示は、第1の容積を画定するガスエンクロージャアセンブリと、第2の容積を画定する補助エンクロージャとを含むことができる、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を開示する。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの一部として密閉可能に構築し、印刷プロセスの中断をほとんどまたは全く伴わずに、不活性の実質的に粒子を含まない環境を必要とするプロセスのためにそのような環境を持続することができるガスエンクロージャシステムを形成するように、ガス循環、濾過、および精製構成要素と容易に統合することができる、補助エンクロージャを有することができる。例えば、プリントヘッド管理手順と関連付けられる全てのステップは、空気および水蒸気ならびに種々の有機蒸気等の汚染、ならびに粒子汚染への印刷システムエンクロージャの暴露を排除または最小限化するように行うことができる。本教示の種々のシステムおよび方法によると、印刷システムエンクロージャは、印刷プロセスに影響を及ぼし得る前に、精製システムが汚染を除去することができるように十分に低い、汚染のレベルに導入されてもよい。
【0109】
本教示のシステムおよび方法によると、ガスエンクロージャアセンブリの区分として構築される、印刷システムエンクロージャおよび補助エンクロージャの種々の実施形態は、別々に機能するフレーム部材アセンブリ区分を提供する様式で構築することができる。図18のガスエンクロージャシステム505は、ガスエンクロージャシステム502-504について開示される全ての要素を有することに加えて、第1の容積を画定する、ガスエンクロージャアセンブリ1101の第1のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S1と、第2の容積を画定する、ガスエンクロージャアセンブリ1101の第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S2とを有することができる。全ての弁V1、V2、V3、およびV4が開放された場合には、ガス精製ループ3130は、本質的に図15のガスエンクロージャアセンブリおよびシステム1101について以前に説明されたように動作する。V3およびV4の閉鎖により、第1のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S1のみがガス精製ループ3130と流体連通している。この弁状態は、例えば、限定されないが、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S2が密閉可能に閉鎖され、それによって、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S2が雰囲気に対して開放されることを要求する種々の測定および保守手順中に、第1のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S1から隔離されるときに、使用されてもよい。V1およびV2の閉鎖により、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S2のみがガス精製ループ3130と流体連通している。この弁状態は、例えば、限定されないが、区分が雰囲気に対して開放された後に、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S2の回復中に使用されてもよい。図15に関係付けられる本教示について前述のように、ガス精製ループ3130のための要件が、ガスエンクロージャアセンブリ1101の全容積に関して特定される。したがって、ガスエンクロージャ1101の全容積より容積が有意に小さいことが図18で描写される、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S2等のガスエンクロージャアセンブリ区分の回復にガス精製システムのリソースを専念させることによって、回復時間を実質的に短縮することができる。
【0110】
加えて、補助エンクロージャの種々の実施形態は、照明、ガス循環および濾過、ガス精製、および温度自動調節構成要素等の専用の一式の環境調節システム構成要素と容易に統合することができる。その点に関して、ガスエンクロージャアセンブリの一部として密閉可能に構築することができる、補助エンクロージャを含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷システムを収納するガスエンクロージャアセンブリによって画定される第1の容積と一様であるように設定される、制御された環境を有することができる。さらに、ガスエンクロージャアセンブリの一部として密閉可能に構築することができる、補助エンクロージャを含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷システムを収納するガスエンクロージャアセンブリによって画定される第1の容積の制御された環境とは異なるように設定される、制御された環境を有することができる。
【0111】
本教示のガスエンクロージャシステムの実施形態で利用されるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの内部容積を最小限化し、同時に、OLED印刷システム設計の種々の設置面積に適応するために作業容積を最適化する、輪郭形成様式で構築できることを想起されたい。例えば、本教示による輪郭ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、Gen 3.5~Gen 10の基板サイズを覆う、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態のための約6m3~約95m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。本教示による輪郭ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、例えば、Gen 5.5~Gen 8.5基板サイズのOLED印刷に有用であり得る、例えば、限定されないが、約15m3~約30m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。補助エンクロージャの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの一部として構築し、不活性の実質的に粒子を含まない環境を必要とするプロセスのためにそのような環境を持続することができるガスエンクロージャシステムを形成するように、ガス循環および濾過、ならびに精製構成要素と容易に統合することができる。
【0112】
本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態によると、フレーム部材構築、パネル構築、フレームおよびパネル密閉、ならびに図3のガスエンクロージャアセンブリ100等のガスエンクロージャアセンブリの構築を、種々のサイズおよび設計のガスエンクロージャアセンブリに適用することができる。例えば、限定されないが、Gen 3.5~Gen 10の基板サイズを覆う、本教示の輪郭ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、輪郭形成されず、比較全体寸法を有するエンクロージャに対する容積の約30%~約70%節約であり得る、約6m3~約95m3の内部容積を有することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、不活性ガス体積を最小限化するとともに、処理中に外部からのOLED印刷システムへの即時のアクセスも可能にしながら、本教示の印刷システムの種々の実施形態に適応する作業容積を最適化するために、ガスエンクロージャアセンブリのための輪郭を提供するように構築される、種々のフレーム部材を有することができる。その点に関して、本教示の種々のガスエンクロージャアセンブリは、輪郭局所構造および容積が変動し得る。
【0113】
また、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷システムの継続的管理に関係付けられる種々の手順、例えば、限定されないが、プリントヘッドアセンブリの管理に関係付けられるプロセスを容易に行うために、ガスエンクロージャアセンブリの一部として密閉可能に構築することができる補助エンクロージャを有する、ガスエンクロージャアセンブリを利用することができる。補助エンクロージャを伴うガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、補助フレーム部材アセンブリ区分は、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約1%未満またはそれと等しいものであり得る。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態では、補助フレーム部材アセンブリ区分は、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約2%未満またはそれと等しいものであり得る。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、補助フレーム部材アセンブリ区分は、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約5%未満またはそれと等しいものであり得る。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態では、補助フレーム部材アセンブリ区分は、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約10%未満またはそれと等しいものであり得る。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態では、補助フレーム部材アセンブリ区分は、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約20%未満またはそれと等しいものであり得る。印刷システムの継続的管理に関係付けられる種々の手順、例えば、限定されないが、プリントヘッドアセンブリの管理に関係付けられる種々のプロセスステップは、補助エンクロージャの中で行うことができる。本教示の種々のシステムおよび方法によると、補助エンクロージャをガスエンクロージャシステムの印刷システムエンクロージャ部分から分離することができ、それによって、印刷プロセスの最小限の中断または中断なしのいずれかを確保する。また、補助エンクロージャの比較的小さい容積を考慮すると、補助エンクロージャの回復は、印刷システムエンクロージャ全体の回復より有意に少ない時間を要し得る。
【0114】
さらに、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、別々に機能するフレーム部材アセンブリ区分を提供する様式で構築することができる。図5に関して、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよびシステムの種々の実施形態による、フレーム部材アセンブリは、フレーム部材上に密閉可能に載置された種々のパネルを有する、フレーム部材を含むことができると想起されたい。例えば、限定されないが、壁フレーム部材アセンブリまたは壁パネルアセンブリは、壁フレーム部材上に密閉可能に載置された種々のパネルを含む、壁フレーム部材であり得る。したがって、限定されないが、壁パネルアセンブリ、天井パネルアセンブリ、壁および天井パネルアセンブリ、基礎支持パネルアセンブリ、および同等物等の種々の完全に構築されたパネルアセンブリは、種々の種類のフレーム部材アセンブリである。本教示のガスエンクロージャアセンブリは、各フレーム部材アセンブリ区分が、ガスエンクロージャアセンブリの全容積のある割合である、種々のフレーム部材アセンブリ区分を有する、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態を提供することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態を備える、種々のフレーム部材アセンブリ区分は、共通して少なくとも1つのフレーム部材を有することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、ガスエンクロージャアセンブリを備える、種々のフレーム部材アセンブリ区分は、共通して少なくとも1つのフレーム部材アセンブリを有することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態を備える、種々のフレーム部材アセンブリ区分は、共通して、少なくとも1つのフレーム部材および1つのフレーム部材アセンブリの組み合わせを有することができる。
【0115】
本教示によると、例えば、限定されないが、フレーム部材アセンブリ区分のそれぞれに共通する、開口部または通路、あるいはそれらの組み合わせの閉鎖を通して、種々のフレーム部材アセンブリ区分を複数区分に分離することができる。例えば、種々の実施形態では、各フレーム部材アセンブリ区分に共通するフレーム部材またはフレーム部材パネル内の開口部または通路、あるいはそれらの組み合わせを覆い、それによって、開口部または通路、あるいはそれらの組み合わせを効果的に閉鎖することによって、補助フレーム部材アセンブリ区分を分離することができる。種々の実施形態では、各フレーム部材アセンブリ区分に共通する開口部または通路、あるいはそれらの組み合わせを密閉することによって、補助フレーム部材アセンブリ区分を分離することができる。その点に関して、開口部または通路、あるいはそれらの組み合わせを密閉可能に閉鎖することにより、作業容積を画定するガスエンクロージャフレーム部材アセンブリ区分および第2の容積を画定する補助エンクロージャの各容積間の流体連通を妨害する、分離をもたらすことができ、各容積は、ガスエンクロージャアセンブリ内に含有される全容積のある割合である。それによって、開口部または通路を密閉可能に閉鎖することは、第2の容積を画定する補助フレーム部材アセンブリ区分から、ガスエンクロージャアセンブリの作業容積を隔離することができる。
【0116】
図19は、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリ1000の斜視図を描写する。ガスエンクロージャアセンブリ1000は、前パネルアセンブリ1200’と、中央パネルアセンブリ1300’と、後パネルアセンブリ1400’とを含むことができる。前パネルアセンブリ1200’は、前天井パネルアセンブリ1260’と、基板を受容するための開口部1242を有することができる前壁パネルアセンブリ1240’と、前基礎パネルアセンブリ1220’とを含むことができる。後パネルアセンブリ1400’は、後天井パネルアセンブリ1460’と、後壁パネルアセンブリ1440’と、後基礎パネルアセンブリ1420’とを含むことができる。中央パネルアセンブリ1300’は、第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340’、中央壁および天井パネルアセンブリ1360’、および第2の中央エンクロージャパネルアセンブリ1380’、ならびに中央基礎パネルアセンブリ1320’を含むことができる。加えて、中央パネルアセンブリ1300’は、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’、ならびに第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ(図示せず)を含むことができる。ガスエンクロージャアセンブリの一部として構築される補助エンクロージャの種々の実施形態を、ガスエンクロージャシステムの作業容積から密閉可能に隔離することができる。補助エンクロージャのそのような物理的隔離は、印刷プロセスの中断をほとんどまたは全く伴わずに、種々の手順、例えば、限定されないが、プリントヘッドアセンブリ上の種々の保守手順が行われることを可能にし、それによって、ガスエンクロージャシステムの休止時間を最小限化または排除することができる。
【0117】
図20Aで描写されるように、ガスエンクロージャアセンブリ1000は、完全に構築されたときに、OLED印刷システム2000を載置することができる、隣接基部またはパンを形成する、前基礎パネルアセンブリ1220’と、中央基礎パネルアセンブリ1320’と、後基礎パネルアセンブリ1420’とを含むことができる。図3のガスエンクロージャアセンブリ100について説明されるように同様に、ガスエンクロージャアセンブリ1000の前パネルアセンブリ1200’、中央パネルアセンブリ1300’、および後パネルアセンブリ1400’を備える、種々のフレーム部材およびパネルを、OLED印刷システム2000の周囲に接合することができる。したがって、ガスエンクロージャアセンブリ1000等の完全に構築されたガスエンクロージャアセンブリは、種々の環境制御システムと統合されたとき、OLED印刷システム2000の種々の実施形態を含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を形成することができる。以前に説明されたような本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、ガスエンクロージャアセンブリによって画定される内部容積の環境制御は、例えば、特定の波長のライトの数および配置による、照明の制御、ガス循環および濾過システムの種々の実施形態を使用する粒子状物質の制御、ガス精製システムの種々の実施形態を使用する反応性ガス種の制御、および熱制御システムの種々の実施形態を使用するガスエンクロージャアセンブリの温度制御を含むことができる。
【0118】
図20Bの拡大図に示される、図20AのOLED印刷システム2000等のOLEDインクジェット印刷システムは、基板上の特定の場所の上へのインク液滴の確実な配置を可能にする、いくつかのデバイスおよび装置から成ることができる。これらのデバイスおよび装置は、プリントヘッドアセンブリ、インク送達システム、運動システム、基板支持装置、基板載荷および除荷システム、およびプリントヘッド管理システムを含むことができるが、それらに限定されない。
【0119】
プリントヘッドアセンブリは、制御された割合、速度、およびサイズでインクの液滴を放出することが可能な少なくとも1つのオリフィスとともに、少なくとも1つのインクジェットヘッドを含むことができる。インクジェットヘッドは、インクをインクジェットヘッドに提供するインク供給システムによって送給される。図20Bの拡大図に示されるように、OLEDインクジェット印刷システム2000は、チャック、例えば、限定されないが、真空チャック、圧力ポートを有する基板浮動式チャック、ならびに真空および圧力ポートを有する基板浮動式チャック等の基板支持装置によって支持することができる、基板2050等の基板を有することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、基板支持装置は、基板浮動式テーブルであり得る。後にさらに詳細に議論されるように、図20Bの基板浮動式テーブル2200は、基板2050を支持するために使用することができ、Y軸運動システムと併せて、基板2050の無摩擦運搬を提供する基板運搬システムの一部であり得る。図20Aおよび図20Bに示されるOLEDインクジェット印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200は、印刷プロセス中の図19のガスエンクロージャアセンブリ1000を通した基板2050の移動を画定することができる。印刷は、プリントヘッドアセンブリと基板との間の相対運動を必要とする。これは、運動システム、典型的には、ガントリまたは分割軸XYZシステムを用いて達成される。プリントヘッドアセンブリが、静止基板(ガントリ型)にわたって移動することができるか、または分割軸構成の場合に、プリントヘッドおよび基板の両方が移動することができるかのいずれかである。別の実施形態では、プリントヘッドアセンブリは、実質的に静止し得、例えば、XおよびY軸では、基板は、プリントヘッドに対してXおよびY軸に移動することができ、Z軸運動が、基板支持装置によって、またはプリントヘッドアセンブリと関連付けられるZ軸運動システムによってのいずれかで提供される。プリントヘッドが基板に対して移動すると、インクの液滴が、基板上の所望の場所で堆積させられるように正しい時間に放出される。基板載荷および除荷システムを使用して、基板を挿入し、プリンタから除去することができる。プリンタ構成に応じて、これは、機械コンベヤ、運搬アセンブリを伴う基板浮動式テーブル、またはエンドエフェクタを伴う基板移送ロボットを用いて達成することができる。プリントヘッド管理システムは、ノズル発射をチェックすること、ならびにプリントヘッド内の全てのノズルからの液滴体積、速度、および軌道の測定等の測定タスク、ならびに過剰なインクをインクジェットノズル表面から拭き取ること、または吸い取ること、インク供給部からプリントヘッドを通して廃棄物ボウルの中へインクを排出することによってプリントヘッドを下準備して浄化すること、およびプリントヘッドの交換等の保守タスクを可能にする、いくつかのサブシステムから成ることができる。OLED印刷システムを備えることができる、種々の構成要素を考慮すると、OLED印刷システムの種々の実施形態は、種々の設置面積および形状因子を有することができる。
【0120】
図20BのOLED印刷システム2000の拡大図では、印刷システムの種々の実施形態は、基板浮動式テーブル基部2220によって支持される、基板浮動式テーブル2200を含むことができる。基板浮動式テーブル基部2220は、印刷システム基部2100上に載置することができる。OLED印刷システムの基板浮動式テーブル2200は、基板2050を支持するとともに、OLED基板の印刷中にガスエンクロージャアセンブリ1000を通して基板2050を移動させることができる移動を画定することができる。その点に関して、運動システム、すなわち、図20Bで描写されるように、Y軸運動システムと併せて、基板浮動式テーブル2200は、印刷システムを通して基板2050の無摩擦運搬を提供することができる。
【0121】
図21は、無摩擦支持のための本教示の種々の実施形態による浮動式テーブル、および運搬システムと併せた、図20Bの基板2050等の荷重の安定した運搬を描写する。浮動式テーブルの種々の実施形態は、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のうちのいずれかで使用することができる。以前に議論されたように、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、約61cm×72cmの寸法を有する、Gen 3.5より小さい基板からの一連のサイズのOLEDフラットパネルディスプレイ基板、ならびに一連のより大きい世代サイズを処理することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、約130cm×150cmの寸法を有するGen 5.5の基板サイズ、ならびに約195cm×225cmの寸法を有するGen 7.5基板を処理することができ、基板につき8枚の42インチまたは6枚の47インチフラットパネル、およびそれより大きいパネルに切断できることが考慮される。Gen 8.5基板は、約220cm×250cmであり、基板につき6枚の55インチまたは8枚の46インチフラットパネルに切断することができる。しかしながら、約285cm×305cmの寸法を有する、現在入手可能なGen 10基板が、基板サイズの最終世代であると考えられないように、基板世代サイズが進歩し続ける。加えて、ガラス系基板の使用から生じる用語に由来して記載されるサイズは、OLED印刷で使用するために好適な任意の材料の基板に適用することができる。OLEDインクジェット印刷システムの種々の実施形態について、種々の基板材料、例えば、限定されないが、種々のガラス基板材料、ならびに種々のポリマー基板材料を基板2050に使用することができる。したがって、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態で、印刷中に安定した運搬を必要とする、種々の基板サイズおよび材料がある。
【0122】
図21で描写されるように、本教示の種々の実施形態による基板浮動式テーブル2200は、複数の浮動式テーブルゾーンを支持するための浮動式テーブル基部2220を有することができる。基板浮動式テーブル2200は、複数のポートを通して圧力および真空の両方を印加することができる、ゾーン2210を有することができる。圧力および真空制御の両方を有する、そのようなゾーンは、ゾーン2210と基板(図示せず)との間に流体ばねを効果的に提供することができる。圧力および真空制御の両方を有するゾーン2210は、双方向剛性を伴う流体ばねである。荷重と浮動式テーブル表面との間に存在する間隙は、飛高と称される。複数の圧力および真空ポートを使用して、双方向剛性を有する流体ばねが作成される、図21の基板浮動式テーブル2200のゾーン2210等のゾーンは、基板等の荷重のための制御可能な飛高を提供することができる。
【0123】
ゾーン2210の近位には、それぞれ、第1および第2の遷移ゾーン2211および2212があり、次いで、第1および第2の遷移ゾーン2211および2212の近位には、それぞれ、圧力単独ゾーン2213および2214がある。遷移ゾーンでは、真空ノズルへの圧力比が、ゾーン2210からゾーン2213および2214への段階的遷移を提供するように、圧力単独ゾーンに向かって徐々に増加する。図21で示されるように、図14Bは、3つのゾーンの拡大図を描写する。例えば、図21で描写されるような基板浮動式テーブルの種々の実施形態について、圧力単独ゾーン2213、2214は、レール構造から成るものとして描写されている。基板浮動式テーブルの種々の実施形態について、図21の圧力単独ゾーン2213、2214等の圧力単独ゾーンは、図21の圧力・真空ゾーン2210について描写されるもの等の連続プレートから成ることができる。
【0124】
図21で描写されるような浮動式テーブルの種々の実施形態について、許容差内で、3つのゾーンが本質的に1つの平面内に位置し、長さが変動し得るように、圧力・真空ゾーン、遷移ゾーン、および圧力単独ゾーンの間に本質的に一様な高さがあり得る。例えば、限定されないが、縮尺および割合の感覚を提供するために、本教示の浮動式テーブルの種々の実施形態について、遷移ゾーンが約400mmであり得る一方で、圧力単独ゾーンは、約2.5mであり得、圧力・真空ゾーンは、約800mmであり得る。図21では、圧力単独ゾーン2213および2214は、双方向剛性を有する流体ばねを提供せず、したがって、ゾーン2210が提供することができる制御を提供しない。したがって、荷重が圧力単独ゾーン内で浮動式テーブルと衝突しないように、十分な高さを可能にするために、荷重の飛高は、典型的には、圧力・真空ゾーンにわたる基板の飛高よりも、圧力単独ゾーンにわたって大きくあり得る。例えば、限定されないが、ゾーン2213および2214等の圧力単独ゾーンの上方に約150μ~約300μ、次いで、ゾーン2210等の圧力・真空ゾーンの上方に約30μ~約50μの飛高を有するように、OLEDパネル基板を処理することが望ましくあり得る。
【0125】
基板浮動式テーブル2200の種々の実施形態は、本教示のガスエンクロージャアセンブリ、例えば、限定されないが、図15図18について説明されるような種々のシステム機能と統合することができる、図3および図19について描写および説明されるものを含む、ガスエンクロージャに収容することができる。例えば、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、種々の空気圧動作型デバイスおよび装置の動作のために、加圧不活性ガス再循環システムを利用することができる。加えて、以前に議論されたように、本教示のガスエンクロージャアセンブリの実施形態は、外部環境に対してわずかな陽圧、例えば、限定されないが、約2mbarg~約8mbargで維持することができる。ガスエンクロージャシステム内で加圧不活性ガス再循環システムを維持することは、同時に、ガスエンクロージャシステムに加圧ガスを連続的に導入しながら、ガスエンクロージャシステムのわずかな内部陽圧を維持することに関して、動的かつ継続的な平衡を保つ行為を提示するため、困難であり得る。さらに、種々の空気圧動作型デバイスおよび装置の可変需要が、本教示の種々のガスエンクロージャアセンブリおよびシステムに対する不規則な圧力プロファイルを生成し得る。したがって、そのような条件下で外部環境に対してわずかな陽圧で保たれたガスエンクロージャアセンブリのための動的圧力平衡を維持することにより、継続的OLED印刷プロセスの完全性を提供することができる。
【0126】
図20Bを再び参照すると、印刷システム基部2100は、ブリッジ2130が載置される、第1のライザ(可視的ではない)と、第2のライザ2122とを含むことができる。OLED印刷システム2000の種々の実施形態については、ブリッジ2130は、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502の移動を制御することができる、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2302を支持することができる。図20Bは、2つのキャリッジアセンブリおよび2つのプリントヘッドアセンブリを描写するが、OLEDインクジェット印刷システム2000の種々の実施形態については、単一のキャリッジアセンブリおよび単一のプリントヘッドアセンブリがあり得る。例えば、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502のいずれかを、X、Z軸キャリッジアセンブリ上に載置することができる一方で、基板2050の特徴を点検するためのカメラシステムを、第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ上に載置することができる。OLEDインクジェット印刷システム2000の種々の実施形態は、単一のプリントヘッドアセンブリを有することができ、例えば、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502のいずれかを、X、Z軸キャリッジアセンブリ上に載置することができる一方で、基板2050上に印刷されたカプセル化層を硬化させるための紫外線ランプを、第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ上に載置することができる。OLEDインクジェット印刷システム2000の種々の実施形態については、単一のプリントヘッドアセンブリ、例えば、X、Z軸キャリッジアセンブリ上に載置された第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502のいずれかがあり得る一方で、基板2050上に印刷されたカプセル化層を硬化させるための熱源を、第2のキャリッジアセンブリ上に載置することができる。
【0127】
図20Bでは、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301は、基板浮動式テーブル2200上で支持されて示される基板2050を覆って、第1のZ軸移動プレート2310上に載置することができる第1のプリントヘッドアセンブリ2501を位置付けるために使用することができる。第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2302は、同様に、基板2050に対する第2のプリントヘッドアセンブリ2502のX-Z軸移動を制御するために構成することができる。図20Bの第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502等の各プリントヘッドアセンブリは、複数のプリントヘッド2505を描写する、第1のプリントヘッドアセンブリ2501に対する部分図で描写されるように、少なくとも1つのプリントヘッドデバイスの中に載置された複数のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッドデバイスは、例えば、限定されないが、少なくとも1つのプリントヘッドへの流体および電子接続を含むことができ、各プリントヘッドは、制御された割合、速度、およびサイズでインクを放出することが可能な複数のノズルまたはオリフィスを有する。印刷システム2000の種々の実施形態について、プリントヘッドアセンブリは、約1個~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができ、各プリントヘッドデバイスは、各プリントヘッドデバイスの中に約1個~約30個のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッド、例えば、工業用インクジェットヘッドは、約0.1pL~約200pLの液滴体積を放出することができる、約16個~約2048個のノズルを有することができる。
【0128】
図20Aおよび図20Bのガスエンクロージャアセンブリ1000および印刷システム2000の種々の実施形態によると、印刷システムは、プリントヘッドアセンブリの近位に載置することができるプリントヘッド管理システムを有することができ、例えば、第1のプリントヘッド管理システム2701および第2のプリントヘッド管理システム2702は、それぞれ、第1のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2703および第2のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2704の上に載置することができる。第1のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2703および第2のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2704は、浮動式テーブル基部2100に添着されて図20Bで描写されている。プリントヘッド管理システムの種々の実施形態は、プリントヘッドアセンブリ上で種々の測定および保守タスクを行うことができる。プリントヘッド上で行われる種々の測定は、例えば、限定されないが、ノズル発射をチェックすること、液滴体積、速度、および軌道を測定すること、ならびに各ノズルが既知の体積の液滴を放出するようにプリントヘッドを調節することを含むことができる。プリントヘッドを維持することは、例えば、限定されないが、プリントヘッドから放出されるインクの収集および格納を必要とする、プリントヘッド浄化および下準備、浄化または下準備手順後の過剰なインクの除去、ならびにプリントヘッドまたはプリントヘッドデバイス交換等の手順を含むことができる。例えば、OLEDディスプレイパネル基板の印刷のための印刷プロセスでは、ノズルの確実な発射が、印刷プロセスが高品質OLEDパネルディスプレイを製造できることを確実にするために重要である。したがって、空気および水蒸気ならびに種々の有機蒸気等の汚染、ならびに粒子汚染への印刷システムエンクロージャの暴露を排除または最小限化するように、プリントヘッド管理と関連付けられる種々の手順を容易かつ確実に行うことができる必要がある。本教示の種々のシステムおよび方法によると、印刷システムエンクロージャは、印刷プロセスに影響を及ぼし得る前に、精製システムが汚染を除去することができるように十分に低い、汚染のレベルに導入されてもよい。
【0129】
本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、非常に多くのプリントヘッドデバイスおよびプリントヘッドを考慮すると、第1のプリントヘッド管理システム2701および第2のプリントヘッド管理システム2702は、印刷プロセスの中断をほとんどまたは全く伴わずに、種々の測定および保守タスクを行うために印刷プロセス中に隔離することができる、補助エンクロージャに収納することができる。図20Bで見ることができるように、第1のプリントヘッド管理システム装置2707、2709、および2711によって行うことができる種々の測定および保守手順の即時実施のために、第1のプリントヘッド管理システム2701に対して位置付けられた、第1のプリントヘッドアセンブリ2501を見ることができる。装置2707、2709、および2011は、種々のプリントヘッド管理機能を果たすための種々のサブシステムまたはモジュールのうちのいずれかであり得る。例えば、装置2707、2709、および2011は、液滴測定モジュール、プリントヘッド交換モジュール、パージボウルモジュール、およびブロッタモジュールのうちのいずれかであり得る。
【0130】
プリントヘッドアセンブリは、約1個~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができ、各プリントヘッドデバイスは、各プリントヘッドデバイスの中に約1個~約30個のプリントヘッドを含むことができることを想起されたい。したがって、本教示の印刷システムの種々の実施形態は、約1個~約1800個のプリントヘッドを有することができる。非常に多くのプリントヘッドは、継続的測定および保守手順が必要に応じて周期的に行われることを要求することができる。例えば、ノズル発射をチェックすること、ならびにプリントヘッド内の全てのノズルからの液滴体積、速度、および軌道の測定等の測定タスクのために、液滴測定モジュールを使用することができる。インク供給部からプリントヘッドを通して廃棄物ボウルの中へインクを排出することによってプリントヘッドを下準備して浄化するために、パージボウルモジュールを使用することができる一方で、過剰なインクをインクジェットノズル表面から拭き取るか、または吸い取るために、ブロッタモジュールを使用することができる。
【0131】
その点に関して、各サブシステムは、元来、消耗品であり、吸い取り紙、インク、および廃棄物貯留部の交換等の交換を必要とする、種々の部品を有することができる。種々の消耗部品を、例えば、ハンドラを使用する完全自動モードで、即時挿入のために包装することができる。非限定的実施例として、使用のために容易に吸い取りモジュールに挿入することができる、カートリッジ形式で、吸い取り紙を包装することができる。別の非限定的実施例として、インクを、交換可能貯留部、ならびに印刷システムで使用するためのカートリッジ形式に包装することができる。廃棄物貯留部の種々の実施形態は、使用のために容易にパージボウルモジュールに挿入することができる、カートリッジ形式で包装することができる。加えて、継続的使用を受ける印刷システムの種々の構成要素の部品は、周期的交換を必要とし得る。印刷プロセス中に、プリントヘッドアセンブリの便宜的な管理、例えば、限定されないが、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッドの交換が望ましくあり得る。プリントヘッド交換モジュールは、使用のために容易にプリントヘッドアセンブリに挿入することができる、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の部品を有することができる。ノズル発射のチェック、ならびに全てのノズルからの液滴体積、速度、および軌道の光学検出に基づく測定に使用される、液滴測定システムは、使用後に周期的交換を必要とし得る、供給源および検出器を有することができる。種々の消耗性の高使用量部品を、例えば、ハンドラを使用する完全自動モードで、またはエンドユーザ軽減交換によって、即時挿入のために包装することができる。したがって、印刷システムの部品の自動またはエンドユーザ軽減交換のために補助エンクロージャを利用することにより、印刷プロセスが途切れない様式で継続できることを確実にすることができる。図20Bで描写されるように、第1のプリントヘッド管理システム装置2707、2709、および2711は、第1のプリントヘッドアセンブリ2501に対して位置付けるために線形レール運動システム2705上に載置することができる。
【0132】
第1の作業容積から閉鎖するとともに密閉可能に隔離することができる、補助エンクロージャを有する、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態に関して、再度、図20Aを参照する。図20Bで描写されるように、OLED印刷システム2000の上に4つのアイソレータ、すなわち、OLED印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200を支持する、第1のアイソレータセット2110(第2は対向側に示されていない)、および第2のアイソレータセット2112(第2は対向側に示されていない)があり得る。図20Aのガスエンクロージャアセンブリ1000については、第1のアイソレータセット2110および第2のアイソレータセット2112は、中央基礎パネルアセンブリ1320’の第1のアイソレータ壁パネル1325’および第2のアイソレータ壁パネル1327’等のそれぞれのアイソレータ壁パネルのそれぞれの中に載置することができる。図20Aのガスエンクロージャアセンブリ1000については、中央基礎アセンブリ1320’は、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’、ならびに第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’を含むことができる。ガスエンクロージャアセンブリ1000の図20Aは、第1の後壁パネルアセンブリ1338’を含むことができる、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’を描写する。同様に、第2の後壁パネルアセンブリ1378’を含むことができる、第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’も描写されている。第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’の第1の後壁パネルアセンブリ1338’は、第2の後壁パネルアセンブリ1378’について示されるように同様に構築することができる。第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’の第2の後壁パネルアセンブリ1378’は、第2の後壁フレームアセンブリ1378に密閉可能に載置された第2のシール支持パネル1375を有する、第2の後壁フレームアセンブリ1378から構築することができる。第2のシール支持パネル1375は、基部2100の第2の端部(図示せず)の近位にある、第2の通路1365を有することができる。第2のシール1367を、第2の通路1365の周囲で第2のシール支持パネル1375の上に載置することができる。第1のシールを、同様に、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’のための第1の通路の周囲に位置付けて載置することができる。補助パネルアセンブリ1330’および補助パネルアセンブリ1370’内の各通路は、図20Bの第1および第2の保守システムプラットフォーム2703および2704等の各保守システムプラットフォームを、通路に通過させることに適応することができる。後にさらに詳細に議論されるように、補助パネルアセンブリ1330’および補助パネルアセンブリ1370’を密閉可能に隔離するために、図20Aの第2の通路1365等の通路は、密閉可能でなければならない。印刷システム基部に添着された保守プラットフォームの周囲で図20Aの第2の通路1365等の通路を密閉するために、膨張式シール、ベローズシール、およびリップシール等の種々のシールを使用できることが考慮される。
【0133】
第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’は、それぞれ、第1の床パネルアセンブリ1341’の第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342、および第2の床パネルアセンブリ1381’の第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を含むことができる。第1の床パネルアセンブリ1341’は、中央パネルアセンブリ1300’の第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340’の一部として図20Aで描写されている。第1の床パネルアセンブリ1341’は、第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340’および第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’の両方と共通するパネルアセンブリである。第2の床パネルアセンブリ1381’は、中央パネルアセンブリ1300’の第2の中央エンクロージャパネルアセンブリ1380’の一部として図20Aで描写されている。第2の床パネルアセンブリ1381’は、第2の中央エンクロージャパネルアセンブリ1380’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’の両方と共通するパネルアセンブリである。
【0134】
前述のように、第1のプリントヘッドアセンブリ2501は、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503に収納することができ、第2のプリントヘッドアセンブリ2502は、第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504に収納することができる。後にさらに詳細に議論されるように、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504は、印刷プロセス中に印刷のために種々のプリントヘッドアセンブリを位置付けることができるように、周縁(図示せず)を有することができる開口部を底部に有することができる。加えて、筐体を形成する第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504の部分は、フレームアセンブリ部材およびパネルが密封エンクロージャを提供することが可能であるように、種々のパネルアセンブリについて以前に説明されたように構築することができる。
【0135】
種々のフレーム部材の密封について以前に説明されたような圧縮性ガスケットを、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382のそれぞれの周囲に、または代替として、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504の周縁の周囲に、添着することができる。
【0136】
図20Aで描写されるように、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345および第2のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1385は、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382の周囲に添着することができる。種々のプリントヘッド測定および保守手順中に、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502は、それぞれ、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2302によって、それぞれ、第1の床パネルアセンブリ1341’の第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342、および第2の床パネルアセンブリ1381’の第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を覆って位置付けることができる。その点に関して、種々のプリントヘッド測定および保守手順について、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502は、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を覆うこと、または密閉することなく、それぞれ、第1の床パネルアセンブリ1341’の第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342、および第2の床パネルアセンブリ1381’の第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を覆って位置付けることができる。第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2302は、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504を、それぞれ、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’とドッキングすることができる。種々のプリントヘッド測定および保守手順では、そのようなドッキングは、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を密閉する必要なく、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を効果的に閉鎖してもよい。種々のプリントヘッド測定および保守手順について、ドッキングは、プリントヘッドアセンブリエンクロージャおよびプリントヘッド管理システムパネルアセンブリのそれぞれの間のガスケットシールの形成を含むことができる。図20Aの第2の通路1365および相補的な第1の通路等の通路を密閉可能に閉鎖することと併せて、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504が、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を密閉可能に閉鎖するように、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’とドッキングされるとき、そのように形成された複合構造は密封される。
【0137】
したがって、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382の密閉は、ガスエンクロージャアセンブリ1000の残留体積から、補助エンクロージャ区分としての第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’、および補助エンクロージャ区分としての第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’を分離することができる。種々のプリントヘッド測定および保守手順について、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502は、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を覆って、Z軸方向へガスケット上にドッキングすることができ、それによって、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を閉鎖する。本教示によると、Z軸方向へ第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504に印加される力に応じて、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を覆うか、または密閉するかのいずれかを行うことができる。その点に関して、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を密閉することができる、Z軸方向へ第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503に印加される力は、ガスエンクロージャアセンブリ1000を備える残留フレーム部材アセンブリ区分から、補助エンクロージャ区分としての第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’を隔離することができる。同様に、第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を密閉することができる、Z軸方向へ第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504に印加される力は、ガスエンクロージャアセンブリ1000を備える残留フレーム部材アセンブリ区分から、補助エンクロージャ区分としての第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’を隔離することができる。
【0138】
図22A-22Fは、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’の種々の側面をさらに図示することができる、ガスエンクロージャアセンブリ1001の概略断面図である。図20Aおよび図20Bの印刷システム2000等の印刷システムの種々の実施形態は、対称であり得、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502を位置付けるための第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2302を有することができる。また、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、少なくとも1つのプリントヘッドアセンブリを有することができる第1および第2のX軸キャリッジアセンブリ、ならびに保守を必要とし得る他の種々の装置をドッキングするために、図20Aの第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’等の第1および第2の補助エンクロージャを有することができる。その点に関して、図22A-22Dについて、本教示の種々の印刷システムの印刷システム対称性を考慮すると、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’について記載される以下の教示を、第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’に適用することができる。
【0139】
図22Aは、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’を示す、ガスエンクロージャアセンブリ1001の概略断面図を描写する。図22Aの第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’は、第1のプリントヘッド管理システム位置付けシステム2705によって第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342と関連して位置付けることができる、第1のプリントヘッド管理システム2701を収納することができる。第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342は、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340’と共通するパネルである、第1の床パネルアセンブリ1341’内の開口部である。第1のプリントヘッド管理システム位置付けシステム2705は、第1の端部2101上で基部2100に安定して載置することができる、第1のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2703の上に載置することができる。第1のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2703は、第1の通路1361を通って、基部2100の第1の端部2101から第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’まで延在することができる。同様に、図22Aで描写されるように、図22Aの第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’は、第2のプリントヘッド管理システム位置付けシステム2706によって第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382と関連して位置付けることができる、第2のプリントヘッド管理システム2702を収納することができる。第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382は、第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’および第2の中央エンクロージャパネルアセンブリ1380’と共通するパネルである、第1の床パネルアセンブリ1381’内の開口部である。第2のプリントヘッド管理システム位置付けシステム2706は、第2の通路1365を通って、基部2100の第2の端部2102から第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’まで延在することができる、第2のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2704の上に載置することができる。
【0140】
第1のシール1363を、第1の通路1361の周囲で第1のシール支持パネル1335の第1の外面1337上に載置することができる。同様に、第2のシール1367を、第2の通路1365の周囲で第2のシール支持パネル1375の第2の外面1377上に載置することができる。図22Aのシール1361および1367に関して、通路1361および1367を密閉するために、機械的シールを提供する種々のガスケットを使用できることが考慮される。
【0141】
種々の実施形態では、通路1361および1367を密閉するための膨張式ガスケットを使用することができる。膨張式ガスケットの種々の実施形態は、補強エラストマー材料から、膨張させられていないときに凹状、回旋状、または平坦構成であり得る、中空成形構造に作製することができる。種々の実施形態では、基部2100の周囲で、それぞれ、通路1361および1367を密閉可能に閉鎖するために、ガスケットを、第1のシール支持パネル1335のパネルの第1の外面1337、および第2のシール支持パネル1375の第2の外面1377上に載置することができる。したがって、種々の適切な流体媒体のうちのいずれか、例えば、限定されないが、不活性ガスを使用して膨張させられたとき、基部2100の周囲で通路1361および1367を密閉可能に閉鎖するための膨張式ガスケットの種々の実施形態は、第1のシール支持パネル1335の第1の外面1337および第2のシール支持パネル1375の第2の外面1377等の載置表面と、それぞれ、基部2100の第1の端部2101および第2の端部2012の表面等の衝打表面との間に緊密な障壁を形成することができる。種々の実施形態では、膨張式ガスケットは、それぞれ、通路1361および1367を密閉して、基部の第1の端部2101および第2の端部2012の上に載置することができる。その点に関して、種々の実施形態について、基部2100の第1の端部2101および第2の端部2012は、載置表面であり得、第1のシール支持パネル1335の第1の外面1337および第2のシール支持パネル1375の第2の外面1377は、それぞれ、衝打表面であり得る。その点に関して、種々の実施形態では、通路1361および1365を密閉可能に閉鎖するために、適合シールを使用することができる。
【0142】
膨張式ガスケットの種々の実施形態に加えて、図22Aの通路1361および1365等の通路を密閉するために、ベローズシールまたはリップシール等の可撓性シールを使用することができる。可撓性シールの種々の実施形態は、永久的に取り付けることができ、例えば、第1のシール支持パネル1335の第1の外面1337および第2のシール支持パネル1375の第2の外面1377に取り付けることができる。代替として、可撓性シールの種々の実施形態は、基部2100の第1の端部2101および第2の端部2102に永久的に取り付けることができる。そのような永久的に取り付けられたシールは、同時に、通路1361および1365等の通路のための密封シールを提供しながら、基部2100の種々の平行移動および振動移動に適応するために必要とされる可撓性を提供することができる。
【0143】
本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の密封に関係付けられる種々の課題にかかわらず、明確に画定された縁の周囲に適合シールを形成することが問題となり得る。ガスエンクロージャの種々の実施形態では、第1のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2703および第2のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2703等の構造の周囲の密閉は、それぞれ、基部2100の第1の端部2101および第2の端部2012に添着される。そのようなプラットフォーム構造は、密閉が所望される、明確に画定された縁を排除するように加工することができる。例えば、基部2100の第1の端部2101および第2の端部2012に添着された、第1のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2703および第2のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2703は、最初に、密閉を助長するための丸みを帯びた外側縁を有するように加工することができる。基部2100の第1の端部2101および第2の端部2012に添着された、第1のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2703および第2のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2703は、プリントヘッド管理システムを支持するために必要とされる安定性を提供することができる材料、例えば、限定されないが、花崗岩および鋼鉄で作製することができ、また、密閉を助長するために修正することもできる。
【0144】
図22Bおよび22Cは、例えば、プリントヘッドアセンブリ管理に関係付けられる種々の手順のための第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’に関する第1のプリントヘッドアセンブリ2501の位置付けを図示する、本教示のガスエンクロージャアセンブリ1001の種々の開口部および通路の被覆および密閉を図示する。前述のように、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’のための以下の教示を、第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’にも適用することができる。
【0145】
図22Bでは、第1のプリントヘッドアセンブリ2501は、複数のノズルまたはオリフィスを含む、少なくとも1つのプリントヘッドを有する、プリントヘッドデバイス2505を含むことができる。プリントヘッドデバイス2505は、印刷中に、ノズルが、制御された割合、速度、およびサイズで、基板浮動式テーブル2200上に載置された基板上にインクを放出するように、そこからプリントヘッドデバイス2505を位置付けることができる、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ開口部2507を有することができる、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503に収納することができる。以前に議論されたように、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301は、印刷のために基板を覆って第1のプリントヘッドアセンブリ2501を位置付けるように、印刷プロセス中に制御することができる。加えて、図22Bで描写されるように、ガスエンクロージャアセンブリ1001の種々の実施形態については、制御可能なX-Z軸移動を有する、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301は、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を覆って第1のプリントヘッドアセンブリ2501を位置付けることができる。図22Bで描写されるように、第1の床パネルアセンブリ1341’の第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342は、第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340’および第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’に共通する。
【0146】
図22Bの第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503は、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342の周囲に第1の床パネルアセンブリ1341’を伴うドッキング表面であり得る、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ周縁2509を含むことができる。第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ周縁2509は、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342の周囲に添着されて図22Bで描写される、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345に係合することができる。第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ周縁2509は、内向きに突出する構造として描写されて示されているが、種々の周縁のうちのいずれかを第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503の上に構築することができる。加えて、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345は、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342の周囲に添着されることが図22Bで描写されるが、当業者であれば、ガスケット1345を第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ周縁2509に添着できることを理解するであろう。第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345は、フレーム部材アセンブリを密閉するための以前に説明されたようなガスケット材料のうちのいずれかであり得る。図22Bのガスエンクロージャアセンブリ1001の種々の実施形態では、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345は、ガスケット1363等の膨張式ガスケットであり得る。その点に関して、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345は、図22Aについて以前に説明されたような膨張式ガスケットであり得る。以前に提示されたように、第1のシール1363は、第1の通路1361の周囲で第1のシール支持パネル1335の第1の外面1337上に載置することができる。
【0147】
図22Bおよび図22Cで描写されるように、完全自動モードで行うことができる種々の測定および保守手順について、第1のプリントヘッドアセンブリ2501は、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を覆って位置付けられたままとなることができる。その点に関して、第1のプリントヘッドアセンブリ2501は、第1のプリントヘッド管理システム2701に関して第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を覆ってプリントヘッドデバイス2505を位置付けるために、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301によってZ軸方向へ調整することができる。加えて、第1のプリントヘッド管理システム2701は、プリントヘッドデバイス2505に関して第1のプリントヘッド管理システム2701を位置付けるために、第1のプリントヘッド管理システム位置付けシステム2705上でY-X方向に調整することができる。プリントヘッドアセンブリの管理に関係付けられる種々の手順中に、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342(図示せず)を覆う位置に第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503を配置するように、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301によるZ軸方向へのさらなる調整によって、第1のプリントヘッドアセンブリ2501を第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345と接触させることができる。図22Cで描写されるように、プリントヘッドアセンブリの管理に関係付けられる種々の手順、例えば、限定されないが、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’の内部への直接アクセスを必要とする保守手順について、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を密閉するように、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301によるZ軸方向へのなおもさらなる調整によって、第1のプリントヘッドアセンブリ2501を第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345とドッキングすることができる。前述のように、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345は、種々のフレーム部材の密封のための以前に説明されたような圧縮性ガスケット材料、または図22Aについて以前に説明されたような膨張式ガスケットのいずれかであり得る。加えて、図22Cで描写されるように、膨張式ガスケット1363を膨張させることができ、それによって、第1の通路1361を密閉可能に閉鎖する。また、フレームアセンブリ部材およびパネルが密封エンクロージャを提供することが可能であるように、筐体を形成する第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503の部分は、種々のパネルアセンブリについて以前に説明されたように構築することができる。したがって、図22Cについて、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第1の通路1361が密閉可能に閉鎖されるとき、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’を、ガスエンクロージャアセンブリ1001の残留体積から隔離することができる。
【0148】
図22Dおよび図22Eでは、第1のプリントヘッド管理システム2701および第2のプリントヘッド管理システム2702を、それぞれ、第1のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2703および第2のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2704の上に載置することができる、ガスエンクロージャ1001の種々の実施形態が描写されている。図22Dおよび図22Eでは、第1のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2703および第2のプリントヘッド管理システムプラットフォーム2704は、それぞれ、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’内に封入される。前述のように、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’のための以下の教示を、第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’にも適用することができる。その点に関して、図22Dで示されるように、第1のプリントヘッドアセンブリ2501は、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を密閉することができるように、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301によってZ軸方向に印加される十分な力を用いて、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345とドッキングすることができる。したがって、図22Dについて、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342が密閉可能に閉鎖されるとき、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’を、ガスエンクロージャアセンブリ1001の残留体積から隔離することができる。
【0149】
図22A-22Cのガスエンクロージャアセンブリ1001の種々の実施形態について以前に教示されたように、プリントヘッドは、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を閉鎖するよう、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を覆うこと、または密閉することなく、プリントヘッドアセンブリの管理に関係付けられる種々の手順中に、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を覆って位置付けられたままとなることができる。ガスエンクロージャアセンブリ1001の種々の実施形態では、例えば、限定されないが、種々の保守手順について、プリントヘッドアセンブリ開口部を覆うようにZ軸を調整することによって、プリントヘッドアセンブリエンクロージャをガスケットと接触させることができる。この点に関して、図22Eを2つの方法で解釈することができる。第1の解釈では、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345および第2のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1385は、種々のフレーム部材の密封のために、以前に説明されたような圧縮性ガスケット材料から作製することができる。図22Eでは、第1のプリントヘッドアセンブリ2501は、ガスケット1345が圧縮され、それによって、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を密閉可能に閉鎖するように、第1のプリントヘッド管理システム2701を覆ってZ軸方向へ位置付けられている。比較して、第2のプリントヘッドアセンブリ2502は、第2のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1385に接触し、それによって、第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を覆うように、第2のプリントヘッド管理システム2702を覆ってZ軸方向へ位置付けられている。第2の解釈では、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345および第2のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1385は、図22Aについて以前に説明されるように、膨張式ガスケットであり得る。図22Eでは、第1のプリントヘッドアセンブリ2501は、膨張させられる前に第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345に接触し、それによって、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を覆うように、第1のプリントヘッド管理システム2701を覆ってZ軸方向へ位置付けることができる。比較して、第2のプリントヘッドアセンブリ2502は、第2のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1385が膨張させられたときに、第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382が密閉可能に閉鎖されるように、第2のプリントヘッド管理システム2702を覆ってZ軸方向へ位置付けられている。
【0150】
図22Fは、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’によって画定される、例えば、それらを使用して図示される容積は、例えば、限定されないが、ゲート弁アセンブリ等のカバーを使用して密閉できることを描写する。第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’のための教示は、プリントヘッド管理システムパネルアセンブリおよびガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態に適用することができる。図22Fで描写されるように、例えば、限定されないが、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリゲート弁1347および第2のプリントヘッドアセンブリゲート弁1387を使用して、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を閉鎖することにより、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502の継続動作を提供することができる。図22Fの第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’について描写されるように、第1のプリントヘッドアセンブリゲート弁1347を使用して、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を密閉可能に閉鎖すること、ならびに基部2100の周囲で第1の通路1361を密閉可能に閉鎖することは、遠隔で自動的に行うことができる。同様に、図22Fの第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’について描写されるように、第2のプリントヘッドアセンブリゲート弁1387を使用して、第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を密閉可能に閉鎖することは、遠隔で自動的に行うことができる。種々のプリントヘッド測定および保守手順は、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502を利用する印刷プロセスの継続を依然として提供しながら、例えば、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’によって画定されるような補助フレーム部材アセンブリ区分によって画定される、容積の隔離によって促進できることが考慮される。
【0151】
前述のように、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345および第2のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1385は、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382の周囲に添着することができる。加えて、図22Fで描写されるように、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345および第2のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1385は、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ周縁2509および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ周縁2510の周囲に添着することができる。第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502の保守が指示されるとき、第1のプリントヘッドアセンブリゲート弁1347および第2のプリントヘッドアセンブリゲート弁1387を開放することができ、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502は、以前に説明されたように、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’とドッキングすることができる。
【0152】
例えば、限定されないが、印刷プロセスを中断することなく、それぞれ、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システムパネルアセンブリ1370’を隔離することによって、プリントヘッドアセンブリの管理に関係付けられる任意の手順を、第1のプリントヘッド管理システム2701および第2のプリントヘッド管理システム2702に行うことができる。さらに、印刷プロセスを中断することなく、それぞれ、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および中央プリントヘッド管理システムパネルアセンブリ1370’を隔離することによって、システムの中への新しいプリントヘッドまたはプリントヘッドアセンブリの載荷、あるいはシステムからのプリントヘッドまたはプリントヘッドアセンブリの除去を行うことができることが考慮される。そのような活動は、例えば、限定されないが、ロボットの使用によって、自動的に促進されてもよい。例えば、限定されないが、図22Fの第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’等の補助フレーム部材アセンブリ区分によって画定される容積中に貯蔵される、プリントヘッドのロボットによる回収を行うことができ、その後に続いて、第1のプリントヘッドアセンブリ2501のプリントヘッドデバイス2505上、または第2のプリントヘッドアセンブリ2502のプリントヘッドデバイス2506上の調子の悪いプリントヘッドを機能するプリントヘッドとロボットによって交換する。次いで、この後に、第1のプリントヘッド管理システム2701または第2のプリントヘッド管理システム2702のいずれかの中のモジュールの中へ、調子の悪いプリントヘッドをロボットによって預け入れることができる。そのような保守手順は、継続的印刷プロセスを妨害することなく、自動モードで実行することができる。
【0153】
第1のプリントヘッド管理システム2701または第2のプリントヘッド管理システム2702のいずれかの中へ調子の悪いプリントヘッドをロボットによって預け入れた後、例えば、限定されないが、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリゲート弁1347および第2のプリントヘッドアセンブリゲート弁1387を使用して、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を閉鎖することによって、それぞれ、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’等の補助フレーム部材アセンブリ区分によって画定される容積を密閉可能に閉鎖し、隔離することができる。また、次いで、調子の悪いプリントヘッドを回収して交換することができるように、例えば、先述の教示に従って、補助フレーム部材アセンブリ区分によって画定される容積を雰囲気に対して開放することができる。後にさらに詳細に議論されるように、ガス精製システムの種々の実施形態が、ガスエンクロージャアセンブリ全体の容積に関して設計されるため、ガス精製リソースは、有意に縮小された容積から補助フレーム部材アセンブリ区分区画によって画定される容積を浄化することに専念させることができ、それによって、補助フレーム部材アセンブリ区分によって画定される容積に対するシステム回復時間を有意に短縮する。その点に関して、雰囲気に対して補助フレーム部材アセンブリ区分を開放することを必要とするであろう、プリントヘッドアセンブリの管理に関係付けられる種々の手順は、継続的印刷プロセスを中断することなく、または最小限の中断を伴ってのいずれかで、実行することができる。
【0154】
図23は、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよびシステムの種々の実施形態による、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’内に収納された第1のプリントヘッド管理システム2701の拡大図を描写する。以前に議論されたように、プリントヘッド管理システムは、例えば、限定されないが、液滴測定モジュールと、パージステーションと、吸い取りステーションと、プリントヘッド交換ステーションと含むことができる。プリントヘッド管理システムの種々の実施形態では、液滴測定モジュールは、ノズル発射をチェックすること、液滴体積、速度、および軌道を測定すること、ならびに各ノズルが既知の体積の液滴を放出するようにプリントヘッドを調節すること等の測定をプリントヘッド上で行うことができる。プリントヘッド管理システムの種々の実施形態について、プリントヘッドから放出されるインクの収集および格納を必要とする、プリントヘッドを下準備して浄化するために、パージステーションを使用することができる一方で、下準備または浄化手順後の過剰なインクの除去のために、吸い取りステーションを利用することができる。加えて、プリントヘッド管理システムは、図20Bの第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502等のプリントヘッドアセンブリから除去された、1つまたはそれを上回るプリントヘッドまたはプリントヘッドデバイスを受容するため、ならびにプリントヘッドアセンブリの管理と関連付けられる種々の手順中に第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502の中へ載荷することができる、プリントヘッドまたはプリントヘッドデバイスを貯蔵するために、1つまたはそれを上回るプリントヘッド交換ステーションを含むことができる。
【0155】
図23の第1のプリントヘッド管理システム2701、装置2707、2709、および2011等の本教示によるプリントヘッド管理システムの種々の実施形態は、種々の機能を果たすための種々のモジュールであり得る。例えば、装置2707、2709、および2011は、液滴測定モジュール、プリントヘッド交換モジュール、パージボウルモジュール、およびブロッタモジュールのうちの1つまたはそれを上回るものであり得る。第1のプリントヘッド管理システム2701は、第1のプリントヘッド管理システム位置付けシステム2705上に載置することができる。第1のプリントヘッド管理システム位置付けシステム2705は、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を伴う、図22Bのプリントヘッドデバイス2505等の少なくとも1つのプリントヘッドを伴うプリントヘッドデバイスを有する、プリントヘッドアセンブリと、種々のモジュールのそれぞれを選択的に整合させるように、Y軸移動を提供することができる。第1のプリントヘッド管理システム位置付けシステム2705、ならびに図20Bの第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301等のプリントヘッドアセンブリ位置付けシステムの組み合わせを使用して、少なくとも1つのプリントヘッドを伴うプリントヘッドデバイスを有する、プリントヘッドアセンブリとの種々のモジュールの位置付けを行うことができる。本教示のガスアセンブリシステムの種々の実施形態について、プリントヘッド管理システム位置付けシステム2705が、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342に対する第1のプリントヘッド管理システム2701の種々のモジュールのY-X位置付けを提供することができる一方で、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301は、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を覆って第1のプリントヘッドアセンブリ2501のX-Z位置付けを提供することができる。その点に関して、少なくとも1つのプリントヘッドを伴うプリントヘッドデバイスは、保守を受容するように、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を覆って、またはその内側に位置付けることができる。
【0156】
図24Aは、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよびシステムの種々の実施形態による、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’内に収納さ
れた第1のプリントヘッド管理システム2701Aの拡大図を描写する。図24Aで描写されるように、補助パネルアセンブリ1330’は、第1のプリントヘッド管理システム2701Aの詳細をさらに明確に見せるように前可撤性点検窓が存在しない状態で示されている。図24Aの第1のプリントヘッド管理システム2701A、装置2707、2709、および2011等の本教示によるプリントヘッド管理システムの種々の実施形態は、種々の機能を果たすための種々のサブシステムまたはモジュールであり得る。例えば、装置2707、2709、および2011は、液滴測定モジュール、プリントヘッドパージボウルモジュール、およびブロッタモジュールであり得る。図24Aで描写されるように、プリントヘッド交換モジュール2713は、少なくとも1つのプリントヘッドデバイス2505をドッキングするための場所を提供することができる。第1のプリントヘッド管理システム2701Aの種々の実施形態では、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’は、ガスエンクロージャアセンブリ1000(図19参照)が維持される同一の環境に維持することができる。第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’は、種々のプリントヘッド管理手順と関連付けられるタスクを実行するために位置付けられるハンドラ2530を有することができる。例えば、各サブシステムは、元来、消耗品であり、吸い取り紙、インク、および廃棄物貯留部の交換等の交換を必要とする、種々の部品を有することができる。種々の消耗部品を、例えば、ハンドラを使用する完全自動モードで、即時挿入のために包装することができる。非限定的実施例として、使用のために容易に吸い取りモジュールに挿入することができる、カートリッジ形式で、吸い取り紙を包装することができる。別の非限定的実施例として、インクを、交換可能貯留部、ならびに印刷システムで使用するためのカートリッジ形式に包装することができる。廃棄物貯留部の種々の実施形態は、使用のために容易にパージボウルモジュールに挿入することができる、カートリッジ形式で包装することができる。加えて、継続的使用を受ける印刷システムの種々の構成要素の部品は、周期的交換を必要とし得る。印刷プロセス中に、プリントヘッドアセンブリの便宜的な管理、例えば、限定されないが、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッドの交換が望ましくあり得る。プリントヘッド交換モジュールは、使用のために容易にプリントヘッドアセンブリに挿入することができる、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の部品を有することができる。ノズル発射のチェック、ならびに全てのノズルからの液滴体積、速度、および軌道の光学検出に基づく測定に使用される、液滴測定システムは、使用後に周期的交換を必要とし得る、供給源および検出器を有することができる。種々の消耗性の高使用量部品を、例えば、ハンドラを使用する完全自動モードで、即時挿入のために包装することができる。ハンドラ2530は、アーム2534に載置されたエンドエフェクタ2536を有することができる。エンドエフェクタ構成の種々の実施形態、例えば、ブレード型エンドエフェクタ、クランプ型エンドエフェクタ、およびグリッパ型エンドエフェクタを使用することができる。エンドエフェクタの種々の実施形態は、エンドエフェクタの部分を作動させるか、またはプリントヘッドデバイスあるいはプリントヘッドデバイスからのプリントヘッドを別様に保持するかのいずれかのために、機械的把持および締付、ならびに空気圧または真空支援アセンブリを含むことができる。
【0157】
プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッドの配置に関して、図24Aのプリントヘッド管理システム2701Aのプリントヘッド交換モジュール2713は、少なくとも1つのプリントヘッドを有するプリントヘッドデバイスのためのドッキングステーション、ならびにプリントヘッドのための貯蔵容器を含むことができる。各プリントヘッドアセンブリ(図20B参照)が、約1個~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができるため、かつ各プリントヘッドデバイスが、約1個~約30個のプリントヘッドを有することができるため、次いで、本教示の印刷システムの種々の実施形態は、約1個~約1800個のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッド交換モジュール2013の種々の実施形態では、プリントヘッドデバイスがドッキングされている間に、プリントヘッドデバイスに載置された各プリントヘッドを、印刷システムで使用されていない間に動作可能な状態で維持することができる。例えば、ドッキングステーションの中に配置されたとき、各プリントヘッドデバイス上の各プリントヘッドは、インク供給部および電気接続に接続することができる。ノズルが下準備されたままであり、詰まらないことを確実にするために、ドッキングされている間に各プリントヘッドの各ノズルへの周期的発射パルスを印加することができるように、電力を各プリントヘッドデバイス上の各プリントヘッドに提供することができる。図24Aのハンドラ2530は、プリントヘッドアセンブリ2500の近位に位置付けることができる。プリントヘッドアセンブリ2500は、図24Aで描写されるように、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’を覆ってドッキングすることができる。プリントヘッドを交換するための手順中に、ハンドラ2530は、プリントヘッドアセンブリ2500から、プリントヘッド、または少なくとも1つのプリントヘッドを有するプリントヘッドデバイスのいずれかである、標的部品を除去することができる。ハンドラ2530は、プリントヘッド交換モジュール2013から、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の交換用部品を回収し、交換プロセスを完了することができる。除去された部品は、回収のためにプリントヘッド交換モジュール2713の中に配置することができる。
【0158】
図24Bで描写されるように、補助パネルアセンブリ1330’は、図20Aのガスエンクロージャ1000等のガスエンクロージャの外部からの即時アクセスのために、前パネル上に載置される第1の可撤性点検窓130Aおよび第2の可撤性点検窓130Bを有することができる。加えて、ロードロック1350等のロードロックを、補助パネルアセンブリ1330’の壁パネル上に載置することができる。本教示の種々の実施形態によると、ハンドラによって行われるものとして記載される、図24Aについて説明されるようなプリントヘッド管理手順は、図24Aおよび図24Bでグローブおよびグローブポートの種々の場所によって示されるように、種々のグローブポートを通してエンドユーザによって遠隔で行うことができる。
【0159】
また、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、ロードロック1350は、本教示のプリントヘッド管理システムの種々の実施形態のサブシステムおよびモジュールのための種々の部品を移送するために使用することができる。図24Aのプリントヘッド管理システム2701Aのための種々の交換用部品、例えば、限定されないが、吸い取り紙カートリッジ、インクカートリッジ、廃棄物貯留部、プリントヘッド、およびプリントヘッドデバイスは、図24Aのハンドラ2530を使用するロードロック1350を使用して、補助パネルアセンブリ1330’の中へ移送し、図24Aのプリントヘッド管理システム2701Aへ移動させることができる。逆に、交換を必要とする部品、例えば、限定されないが、吸い取り紙カートリッジ、インクカートリッジ、廃棄物貯留部、プリントヘッド、およびプリントヘッドデバイスは、図24Aのハンドラ2530によってプリントヘッド管理システム2701Aから除去し、ロードロック1350の中に配置することができる。本教示によると、ロードロック1350が、図20Aのガスエンクロージャ1000等のガスエンクロージャの外部に対して開放しているゲートを有することができる一方で、補助パネルアセンブリ1330’へのアクセスを可能にするゲートは閉鎖され、部品の移送のための手順中にロードロック1350のみを周囲ガスに暴露させる。部品の回収、部品の交換、または両方のための手順が完了した後、ガスエンクロージャの外部へのアクセスを可能にする、ロードロック1350のためのゲートを閉鎖することができ、ロードロック1350は、ロードロックのガス環境を標的仕様に復元するように、回復手順を通過することができる。次のステップでは、図24Aのハンドラ2530等のハンドラによって、補助パネルアセンブリ1330’からの除去された部品の回収、ならびに補助パネルアセンブリ1330’への交換用部品の移送を行うことができるように、ロードロック1350と補助パネルアセンブリ1330’との間のゲートは、開放することができる。
【0160】
補助パネルアセンブリ1330’の容積と比較して、ロードロック1350の実質的に小さい容積を考慮すると、回復時間は、補助パネルアセンブリ1330’に対する回復時間より実質的に短く、印刷プロセスを中断することなく、ロードロック1350と補助パネルアセンブリ1330’との間の部品の即時移送を可能にする。さらに、補助パネルアセンブリ1330’への直接アクセスを必要とする任意の保守が指示された場合、可撤性点検窓130Aおよび130Bが、図20Aのガスエンクロージャ1000等のガスエンクロージャの外部から補助パネルアセンブリ1330’へのそのような直接アクセスを可能にすることができる。図20Aのガスエンクロージャ1000等のガスエンクロージャの作業容積の容積と比較して、補助パネルアセンブリ1330’の実質的に小さい容積を考慮すると、補助パネルアセンブリ1330’に対する回復時間は、ガスエンクロージャの作業容積の全体に対する回復時間より実質的に短い。したがって、プリントヘッド管理手順と関連付けられる全てのステップは、空気および水蒸気ならびに種々の有機蒸気等の汚染、ならびに粒子汚染への印刷システムエンクロージャの暴露を排除または最小限化するように行うことができる。本教示の種々のシステムおよび方法によると、印刷システムエンクロージャは、印刷プロセスに影響を及ぼし得る前に、精製システムが汚染を除去することができるように十分に低い、汚染のレベルに導入されてもよい。その点に関して、補助パネルアセンブリ1330’の種々の実施形態は、印刷プロセスをほとんどまたは全く中断することなく、不活性の粒子を含まない環境を維持しながら、プリントヘッド管理システムの中の部品の完全自動交換を提供することができる。
【0161】
図25は、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’の拡大斜視図を図示する。指示されるように、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’等の種々のプリントヘッド管理システムパネルアセンブリの容積は、約2m3であり得ることが考慮される。補助フレーム部材アセンブリ区分の種々の実施形態が、約1m3の容積を有することができる一方で、補助フレーム部材アセンブリ区分の種々の実施形態について、容積は約10m3であり得ることが考慮される。図3のガスエンクロージャアセンブリ100および図19の1000等のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、補助フレーム部材アセンブリ区分は、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の小数値であり得る。例えば、補助フレーム部材アセンブリ区分は、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約1%未満またはそれと等しいものであり得る。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態では、補助フレーム部材アセンブリ区分は、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約2%未満またはそれと等しいものであり得る。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、補助フレーム部材アセンブリ区分は、ガスエンクロージャシステムの全容積の約5%未満またはそれと等しいものであり得る。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態では、補助フレーム部材アセンブリ区分は、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約10%未満またはそれと等しいものであり得る。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態では、補助フレーム部材アセンブリ区分は、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約20%未満またはそれと等しいものであり得る。したがって、補助エンクロージャの比較的小さい容積を考慮すると、補助エンクロージャの回復は、印刷システムエンクロージャ全体の回復より有意に少ない時間を要し得る。
【0162】
プリントヘッド管理と関連付けられる種々の手順は、完全自動モードで行うことができる。後にさらに詳細に議論されるように、プリントヘッドアセンブリの管理と関係付けられる種々の手順中に、ある程度のエンドユーザ介入が指示され得る、いくつかの場合において、例えば、グローブポートの使用を通して、エンドユーザアクセスを外部から行うことができる。以前に議論されたように、例えば、図19図25で描写されるような、ガスエンクロージャアセンブリの一部として補助エンクロージャを伴うガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、同時に、ガスエンクロージャの内部への即時アクセスを提供しながら、OLED印刷プロセス中に必要とされる不活性ガスの体積を効果的に減少させる。
【0163】
ガスエンクロージャアセンブリの一部として構築される補助エンクロージャを有する、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に加えて、補助エンクロージャの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの補助フレーム部材アセンブリ区分として構築されることなく、ガスエンクロージャシステムと関連付けることができる。
【0164】
例えば、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、補助エンクロージャは、適応性制御環境エンクロージャであり得る。教示によると、適応性制御環境エンクロージャは、例えば、開口部の数および種類、環境制御システム、サイズ、構築に使用される材料の選択の幅、ならびに設置の容易性を含むことができる、設計および構築の融通性に関して適応性であり得る。例えば、種々の実施形態では、適応性制御環境エンクロージャは、枠組みが、例えば、鋼鉄、粉末コーティングした鋼鉄、またはアルミニウムのいずれかであり得、例えば、約1mm~2mmの厚さのビニル、ポリ塩化ビニル、およびポリウレタン等の可撓性ポリマーシート材料からパネルを加工することができる、軟質壁構造であり得る。軟質壁構造の種々の実施形態について、可撓性ポリマーシート材料は、一連の細片として、無傷のシートとして、ならびに細片およびシートの組み合わせとして載置することができる。補助エンクロージャのさらに他の実施形態では、適応性制御環境エンクロージャは、例えば、パネル材料が、アクリルまたはポリカーボネート材料等の剛性プラスチック、あるいは強化ガラス材料等の剛性材料である、硬質壁構造であり得る。硬質壁構造の種々の実施形態について、壁パネル、窓パネル、およびドアパネル等の硬質壁構造の種々のパネルは、異なる材料から選択することができる。本教示の種々の実施形態では、適応性制御環境エンクロージャは、硬質壁および軟質壁構造の組み合わせであり得る。本教示の適応性制御環境エンクロージャの種々の実施形態のためのパネル材料は、例えば、限定されないが、低粒子生成、高光学的透明度、有効静的消散、および機械的耐久性を含むことができる、属性のために選択されてもよい。
【0165】
適応性制御環境エンクロージャに加えて、補助エンクロージャの種々の実施形態は、移送チャンバであり得る。さらに他の実施形態では、補助チャンバは、ロードロックチャンバであり得る。本教示によると、補助エンクロージャの種々の実施形態が、ガスエンクロージャシステムの作業容積とは別個の環境制御システムを有することができる一方で、ガスエンクロージャシステムの作業容積と同一の環境制御システムを使用して、補助エンクロージャの他の実施形態を維持することができる。補助エンクロージャの種々の実施形態が、静止し得る一方で、補助エンクロージャの他の実施形態は、ガスエンクロージャシステムの近位で使用するために容易に位置付けることができるように、車輪上またはトラックアセンブリ上等で移動可能であり得る。
【0166】
図26Aは、第1のモジュール3400と、印刷モジュール3500と、第2のモジュール3600とを含むことができる、本教示の種々の実施形態によるOLED印刷ツール4000の斜視図を描写する。第1のモジュール3400等の種々のモジュールは、特定機能を有する種々のチャンバを収容するように、第1の移送チャンバ3410の各側面のためのゲート3412等のゲートを有することができる、第1の移送チャンバ3410を有することができる。図26Aで描写されるように、第1の移送チャンバ3410は、第1の移送チャンバ3410との第1のロードロックチャンバ3450の統合のためのロードロックゲート(図示せず)、ならびに第1の移送チャンバ3410との第1の緩衝チャンバ3460の統合のための緩衝ゲート(図示せず)を有することができる。第1の移送チャンバ3410のゲート3412は、限定されないが、ロードロックチャンバ等の移動可能であり得るチャンバまたはユニットに使用することができる。例えば、エンドユーザがプロセスを監視するために、第1の移送チャンバ3410の観察窓3402および3404、ならびに第1の緩衝チャンバ3460の観察窓3406等の観察窓を提供することができる。印刷モジュール3500は、第1のパネルアセンブリ3520と、印刷システムエンクロージャアセンブリ3540と、第2のパネルアセンブリ3560とを有することができる、ガスエンクロージャアセンブリ3510を含むことができる。図19のガスエンクロージャアセンブリ1000と同様に、ガスエンクロージャアセンブリ3510は、印刷システムの種々の実施形態を収納することができる。第2のモジュール3600は、特定機能を有する種々のチャンバを収容するように、第2の移送チャンバ3610の各側面のためのゲート3612等のゲートを有することができる、第2の移送チャンバ3610を有することができる。図26Aで描写されるように、第2の移送チャンバ3610は、第2の移送チャンバ3610との第2のロードロックチャンバ3650の統合のためのロードロックゲート(図示せず)、ならびに第2の移送チャンバ3610との第2の緩衝チャンバ3660の統合のための緩衝ゲート(図示せず)を有することができる。第2の移送チャンバ3610のゲート3612は、限定されないが、ロードロックチャンバ等の移動可能であり得るチャンバまたはユニットに使用することができる。例えば、エンドユーザがプロセスを監視するために、第2の移送チャンバ3610の観察窓3602および3604等の観察窓を提供することができる。
【0167】
第1のロードロックチャンバ3450および第2のロードロックチャンバ3650は、それぞれ、第1の移送チャンバ3410および第2の移送チャンバ3610と添着可能に関連付けることができるか、またはチャンバの近位で使用するために容易に位置付けることができるように、車輪上またはトラックアセンブリ上等で移動可能であり得る。図1のガスエンクロージャシステム500について以前に説明されたように、ロードロックチャンバは、支持構造に載置することができ、かつ少なくとも2つのゲートを有することができる。例えば、第1のロードロックチャンバ3450は、第1の支持構造3454によって支持することができ、かつ第1のゲート3452、ならびに第1の移送モジュール3410との流体連通を可能にすることができる第2のゲート(図示せず)を有することができる。同様に、第2のロードロックチャンバ3650は、第2の支持構造3654によって支持することができ、かつ第2のゲート3652、ならびに第2の移送モジュール3610との流体連通を可能にすることができる第1のゲート(図示せず)を有することができる。
【0168】
図26Bは、具体的に、基板の移動位置の近位の複数のファンフィルタユニットの配置を描写する、図26AのOLED印刷ツール4000の第1の透視斜視図である。以前に議論されたように、処理中の印刷システムの中の基板の物理的位置に従って、循環および濾過システムのファンフィルタユニットアセンブリのためのファンフィルタユニットの数、サイズ、および形状を選択することができる。基板の物理的移動に関して選択される、ファンフィルタユニットアセンブリのためのファンフィルタユニットの数、サイズ、および形状は、基板製造プロセス中に基板の近位に低粒子ゾーンを提供することができる。図26A図26Cの印刷モジュール3500の種々の実施形態はまた、クラス1~クラス5によって特定されるような、International Standards Organization Standard (ISO) 14644-1:1999, “Cleanrooms and associated controlled environments-Part 1: Classification of air cleanliness”の規格を満たす、制御された粒子状物質レベルを含むこともできる。図26Bの例証的実施例では、例えば、図26Bで描写されるように、第1のモジュール3400のファンフィルタユニット3422および3423、ならびに第2のモジュール3500のファンフィルタユニット3522、3542、3544、および3562等のファンフィルタユニットのアレイは、処理中に基板によって横断される経路に沿って位置することができる。第1の緩衝チャンバ3460または第2の緩衝チャンバ3660内の第1のモジュール3400のファンフィルタユニット3422および3423と同様に、第2のモジュール3600の移送チャンバ3610内に位置する1つまたはそれ
を上回るファンフィルタユニット等のファンフィルタユニットを、他のチャンバに含むことができる。以前に説明されたように、本教示の循環および濾過システムの種々の実施形態は、空気流の下流方向を提供する必要がない。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、基板2050等の基板の表面を横断する横方向、ならびに図26Bで描写されるような垂直方向へ、実質的に層流の流動を提供するように、配管およびファンフィルタユニットを位置付けることができる。そのような層流は、粒子状物質制御を増進するか、または別様に提供することができる。
【0169】
図26Cは、本教示による、ハンドラおよび印刷システムのさらなる詳細を示す、図26AのOLED印刷ツール4000の第2の透視斜視図である。以前に議論されたように、OLED印刷ツール4000は、第1の移送チャンバ3410に密閉可能に連結することができる、第1のロードロックチャンバ3450を含むことができる。第1のロードロックチャンバ3450は、例えば、ガス不透過性ゲートであり得る、ポートによって移送チャンバ3410と流体連通することができる。そのようなガス不透過性ゲートが開放されるとき、第1の移送チャンバ3410の中の図26Cで描写されるようなハンドラ3430等のハンドラによって、第1のロードロックチャンバ3450の内部にアクセスすることができる。図26Cに示されるハンドラ3430は、基部3432と、アームアセンブリ3434と、エンドエフェクタ3436とを有することができる。第1の移送モジュール印刷システムゲート3418の近位にあるハンドラ3430は、印刷システム基部2100によって支持することができる、浮動式テーブル2200の入力端部の上に基板を位置付けることができる。第1のモジュール3400内のハンドラ3430の位置を考慮すると、ハンドラ3430は、第1のモジュール3400の任意のチャンバの近位にあり得、例えば、基板を任意のチャンバの中へ位置付けることができる。その点に関して、ハンドラ3430は、ワークフローが要求し得るため、第1のモジュール緩衝ゲート3416を介して基板を緩衝器3460の中へ位置付けることができる。ハンドラ3430は、印刷システム2000の浮動式テーブル2200上で支持されることが図26Cで示される、基板2050等の基板を操作するために、種々の自由度を有するロボットアセンブリであり得る。ハンドラ3430は、エンドエフェクタ3436等のエンドエフェクタを使用して、基板を操作することができる。エンドエフェクタ3436等のエンドエフェクタは、重力によって基板を支持するように構成されるトレイまたはフレームを含むことができ、またはエンドエフェクタは、例えば、1つの位置から次の位置への確実な移送を可能にするように、または上向きあるいは下向きの構成から1つまたはそれを上回る他の構成への基板の再配向のために、基板をしっかりと把持するか、または締め付けることができる。エンドエフェクタ構成の種々の実施形態、例えば、フォーク型、ブレード型エンドエフェクタ、クランプ型エンドエフェクタ、およびグリッパ型エンドエフェクタを使用することができる。エンドエフェクタの種々の実施形態は、エンドエフェクタの部分を作動させるか、または基板を別様に保持するかのいずれかのために、機械的把持および締付、ならびに空気圧または真空支援アセンブリを含むことができる。エンドエフェクタの種々の実施形態は、真空吸引カップを含むことができる。
【0170】
図26Cで描写されるようなOLED印刷ツール4000の他の特徴に関して、図3のガスエンクロージャアセンブリ100および図19のガスエンクロージャアセンブリ1000について以前に議論されたように、OLED印刷ツール4000の印刷モジュール3500は、ガスエンクロージャアセンブリ3510を含むことができる。ガスエンクロージャアセンブリ3510は、第1のパネルアセンブリ3520と、印刷システムエンクロージャアセンブリ3540と、第2のパネルアセンブリ3560とを有することができる。印刷モジュール3500は、不活性ガス環境として維持される内部環境を有することができ、以前に議論されたように、周辺環境から密閉(例えば、密封)することができる。加えて、OLED印刷ツール4000を周辺環境から完全に密閉(例えば、密封)することができ、かつ不活性ガス環境として維持される内部環境を有することができるように、第1のモジュール3400および第2のモジュール3600、ならびに全ての関連チャンバは、同様に、不活性ガス環境として維持される内部環境を有することができる。後にさらに詳細に議論されるように、図20Bおよび図23のプリントヘッド管理システム2701、ならびに図24Aのプリントヘッド管理システム2701A等のプリントヘッド管理システムは、第1のブリッジ端部2132およびプリントヘッドアセンブリ2500の近位で印刷システムエンクロージャアセンブリ領域3570中に位置付けることができる。種々の封入内部領域の全てを含む、印刷ツール4000等の封入システムは、ガス純度、汚染物質、または粒子状物質のうちの1つまたはそれを上回るものの特定レベルを維持するように監視して制御することができる。窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせ等のガスを使用して、不活性ガス環境を維持できることを想起されたい。ガスエンクロージャシステム内の不活性ガス環境は、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、あるいは0.1ppmまたはそれより低く維持される、水蒸気、酸素、ならびに有機溶媒蒸気等の反応種のそれぞれのレベルを有することができる。
【0171】
図26CのOLED印刷ツール4000の種々の実施形態について、第1の処理モジュール3400は、それぞれの環境制御された領域を提供して、加工されているそれぞれの基板を収容するように構成される、緩衝または保持モジュール3460を含むことができる。種々の環境制御された領域は、「スタック緩衝」構成を提供するように、緩衝または保持モジュールの特定(例えば、垂直)軸に沿って相互からオフセットすることができる。このようにして、1つまたはそれを上回る基板は、1つまたはそれを上回る他のモジュールの中でさらなる処理のために待ち行列に入れられる等、OLED印刷ツール4000の不活性環境内で緩衝または貯蔵することができる。それぞれの基板は、ロボット動作のために、図26Cで描写されるようにフォーク型エンドエフェクタであり得る、エンドエフェクタ3436を有することができる、ハンドラ3430を使用して、それぞれの環境制御された領域に運搬することができる。基板寸法が約60cm×72cm~約220cm×250cmおよびそれより大きく変動し得るように、種々のOLED基板は、Gen 3.5~Gen 8.5以上であり得ることを想起されたい。種々の操作を通して基板をさらに固着するために、そのようなフォーク型エンドエフェクタは、機械的把持および締付アセンブリを装備することができ、または機械的あるいは真空吸引を使用するように設計することができる。
【0172】
図1のガスエンクロージャシステム500について以前に説明されたように、図26Cの第1のロードロックチャンバ3450は、ゲート3452を通して基板を受容することができる。基板がロードロックチャンバ3450の中で受容されるとき、チャンバを隔離し、反応性大気ガスが、100ppmまたはそれより低い、例えば、10ppmまたはそれより低い、1.0ppmまたはそれより低い、または0.1ppmまたはそれよりより低いレベルになるまで、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせ等の不活性ガスでチャンバを浄化することができる。ロードロックチャンバ3450から第1の移送モジュール3400への基板の輸送は、浮動式テーブル2200上の基板2050等の基板を印刷モジュール3500の中に配置することができる、ハンドラ3430によって行うことができる。浮動式テーブル2200は、図26Cで描写されるように、印刷システム基部2100によって支持することができる。基板2050は、印刷プロセス中に基板浮動式テーブル上で支持されたままとなることができ、X軸キャリッジアセンブリ2300に載置することができるプリントヘッドアセンブリ2500に対して、Y軸位置付けシステムによって移動させることができる。印刷モジュール3500の印刷システム2000は、OLEDデバイス加工中に1つまたはそれを上回る薄膜層を基板上に制御可能に堆積させるために使用することができる。印刷モジュール3500はまた、図26Cの第2のモジュール3600等の出力エンクロージャ領域に連結することもできる。第2のモジュール3600は、第2の移送モジュール出力ゲート3614を有することができ、かつ第1のモジュール3400のハンドラ3430について描写されるように、第2の移送モジュール3610の中に位置付けられるハンドラを有することができる。浮動式テーブル2200およびY軸位置付けシステムは、基板が第2の移送モジュール印刷システムゲート3614の近位の位置まで移動することができ、かつ第2のモジュール3600の中への移送のために第2の移送モジュール3610の中に位置付けられたハンドラによって容易にアクセスすることができるように、印刷モジュール3500の中の基板の移動に沿って延在することができる。第1の移送モジュール3410の中に位置付けられるハンドラ3430について説明されるように、ハンドラは、基板を第2のモジュール3600の任意のチャンバの中へ容易に位置付けるように、第2のモジュール3600の中に位置することができる。その点に関して、第2の移送チャンバ3610の中に位置付けられるハンドラは、ワークフローが要求し得るため、基板を緩衝器3660の中へ位置付けることができる。
【0173】
第1のモジュール3400、印刷モジュール3500、および第2のモジュール3600内で、種々のプロセスのために所望に応じて、または単一の堆積動作中に、基板を再配置することができる。OLED印刷ツールの種々の実施形態では、第1のモジュール3400、印刷モジュール3500、および第2のモジュール3600内の不活性環境は、共通して共有された環境制御システムによって維持することができる。OLED印刷ツールの種々の実施形態について、第1のモジュール3400、印刷モジュール3500、および第2のモジュール3600内の不活性環境は、別個の環境制御システムによって維持することができる。印刷モジュール3500を伴う1つまたはそれを上回る堆積動作後、または他の処理後等に、第2の移送モジュール3610の中のハンドラを使用して、第2のモジュール3600から外へ基板を移送するために、第2のロードロックチャンバ3650を使用することができる。
【0174】
印刷システム2000は、例えば、ノズル印刷用、熱ジェット、ノズルジェット、またはインクジェット型の少なくとも1つのプリントヘッドを有することができる、1つまたはそれを上回るプリントヘッドデバイスを有する、少なくとも1つのプリントヘッドアセンブリを含むことができる。少なくとも1つのプリントヘッドアセンブリは、「上向き」構成で1つまたはそれを上回る薄膜層を基板上に堆積させるように構成される等、オーバーヘッドキャリッジに載置することができる。1つまたはそれを上回るプリントヘッドによって堆積させることができる、1つまたはそれを上回る薄膜層は、例えば、電子注入または輸送層、正孔注入または輸送層、遮断層、あるいは放出層のうちの1つまたはそれを上回る層を含むことができる。そのような材料は、1つまたはそれを上回る電気的機能層を提供することができる。加工されている基板4000のための1つまたはそれを上回るカプセル化層を提供するため等、本明細書で説明される他の実施例で説明されるように、モノマーまたはポリマー材料等の印刷技法を使用して、他の材料を堆積させることができる。
【0175】
OLED印刷ツール4000の種々の実施形態は、図20Bの印刷システム2000を利用することができるが、図27の例示的な印刷システム2001等の印刷システムの他の実施形態をOLED印刷ツール4000で容易に利用することができる。図27は、ケーブルの束の継続移動によって形成される粒子状物質を格納して排出するためのブリッジ2130の上に載置されたケーブルトレイアセンブリ排出システム2400とともに示される、印刷システム2001の正面斜視図である。印刷システム2001の種々の実施形態は、図20Bの印刷システム2000および図27の印刷システム2001について以前に説明されたような多くの特徴を有することができる。例えば、印刷システム2001は、印刷システム基部2101によって支持することができる。印刷システム基部2101の上には、第1のライザ2120および第2のライザ2122を載置することができ、その上にブリッジ2130を載置することができる。インクジェット印刷システム2001の種々の実施形態について、ブリッジ2130は、ケーブルキャリアラン2401を通して基板支持装置2250に対してX軸方向へ移動することができる、少なくとも1つのX、Z軸キャリッジアセンブリ2300を支持することができる。印刷システム2001の種々の実施形態では、第2のX、Z軸キャリッジアセンブリをブリッジ2130上に載置することができる。2つのX、Z軸キャリッジアセンブリを有する印刷システム2001の実施形態について、プリントヘッドアセンブリを各X、Z軸キャリッジ上に載置することができるか、または図20Bの印刷システム2000について説明されるようなカメラ、紫外線ランプ、および熱源等の種々のデバイスを、印刷システム2001の2つのX、Z軸キャリッジアセンブリのうちの少なくとも1つの上に載置することができるかのいずれかである。印刷システム2001の種々の実施形態によると、基板2050を支持するための基板支持装置2250は、図20Bの印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200に類似する浮動式テーブルであり得るか、または図20Bの印刷システム2000について以前に説明されたようなチャックであり得る。図27の印刷システム2001は、空気ベアリング線形スライダアセンブリを使用して、X、Zキャリッジアセンブリ2300をブリッジ2130上に載置して位置付けることができる、本質的に低粒子生成のX軸運動システムを有することができる。空気ベアリング線形スライダアセンブリの種々の実施形態は、ブリッジ2130の全体を包み込むことができ、ブリッジ2130上でX、Zキャリッジアセンブリ2300の無摩擦移動を可能にし、X、Zキャリッジアセンブリ2300の移動の精度を保つことができる3点載置も提供するとともに、スキューに抵抗する。
【0176】
図28A図30Cからのシーケンスは、不活性の実質的に粒子を含まないプロセス環境を維持しながら、継続的プロセスをほとんどまたは全く中断することなく、完全自動または遠隔オペレータ支援モードでプリントヘッド管理のためのシステムおよび方法の種々の実施形態を描写する。プリントヘッドアセンブリは、約1個~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができ、各プリントヘッドデバイスは、各プリントヘッドデバイスの中に約1個~約30個のプリントヘッドを有することができることを想起されたい。したがって、本教示の印刷システムの種々の実施形態は、約1個~約1800個のプリントヘッドを有することができる。また、プリントヘッド、例えば、工業用インクジェットヘッドは、約0.1pL~約200pLの液滴体積を放出することができる、約16個~約2048個のノズルを有することができる。非常に多くのプリントヘッドは、継続的測定および保守手順が必要に応じて周期的に行われることを要求することができる。本教示の種々のシステムおよび方法によると、継続的測定および保守手順に関係付けられる種々のプロセスステップ等の印刷システムの種々の構成要素の継続的管理に関係付けられる種々のプロセスステップは、図20Bおよび図23のプリントヘッド管理システム2701、ならびに図24Aのプリントヘッド管理システム2701A等のプリントヘッド管理システムを使用して行うことができる。プリントヘッド管理システムの種々の実施形態は、プリントヘッド交換モジュール、液滴測定モジュール、プリントヘッドパージボウルモジュール、およびブロッタモジュール等の種々のサブシステムまたはモジュールを含むことができる。
【0177】
各サブシステムまたはモジュールは、元来、消耗品であり、吸い取り紙、インク、および廃棄物貯留部の交換等の交換を必要とする、種々の部品を有することができる。種々の消耗部品を、例えば、ハンドラを使用する完全自動モードで、即時挿入のために包装することができる。非限定的実施例として、使用のために容易に吸い取りモジュールに挿入することができる、カートリッジ形式で、吸い取り紙を包装することができる。別の非限定的実施例として、インクを、交換可能貯留部、ならびに印刷システムで使用するためのカートリッジ形式に包装することができる。廃棄物貯留部の種々の実施形態は、使用のために容易にパージボウルモジュールに挿入することができる、カートリッジ形式で包装することができる。加えて、継続的使用を受ける印刷システムの種々の構成要素の部品は、周期的交換を必要とし得る。印刷プロセス中に、プリントヘッドアセンブリの便宜的な管理、例えば、限定されないが、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッドの交換が望ましくあり得る。プリントヘッド交換モジュールは、使用のために容易にプリントヘッドアセンブリに挿入することができる、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の部品を有することができる。ノズル発射のチェック、ならびに全てのノズルからの液滴体積、速度、および軌道の光学検出に基づく測定に使用される、液滴測定システムは、使用後に周期的交換を必要とし得る、供給源および検出器を有することができる。種々の消耗性の高使用量部品を、例えば、ハンドラを使用する完全自動モードで、即時挿入のために包装することができる。
【0178】
本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態、例えば、非限定的実施例として、図28A図30Cによって表されるものについて、印刷システムエンクロージャを補助エンクロージャの種々の実施形態から隔離することができる。したがって、印刷システムの部品の自動またはエンドユーザ軽減交換のための補助エンクロージャの利用は、最小限の中断を伴って、または全く伴わずに、印刷プロセスが継続できることを確実にすることができる。ガスエンクロージャの種々の実施形態は、印刷システムエンクロージャと補助エンクロージャとの間のアクセスを可能にする、密閉可能開口部または通路と、補助エンクロージャとガスエンクロージャの外部との間のアクセスを可能にする、開口部とを有することができる。したがって、各容積が別々に機能する区分であるように、補助エンクロージャの種々の実施形態を、ガスエンクロージャシステムの印刷システムエンクロージャから隔離することができる。さらに、印刷システムエンクロージャが補助エンクロージャから隔離される一方で、印刷システムエンクロージャを汚染することなく、補助エンクロージャとガスエンクロージャの外部との間の開口部を周囲または非不活性空気に対して開放することができる。
【0179】
ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、エンクロージャパネル開口部または通路、ドア、あるいは窓等の開口部に対して構造的閉鎖を使用して、補助エンクロージャをガスエンクロージャシステムの印刷システムエンクロージャから隔離することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、構造的閉鎖は、開口部または通路のための種々の密閉可能カバーを含むことができ、そのような開口部または通路は、エンクロージャパネル開口部または通路、ドア、あるいは窓の非限定的実施例を含む。本教示のシステムおよび方法によると、ゲートが、空気圧、油圧、電気、または手動作動を使用して、任意の開口部または通路を可逆的に覆うか、または可逆的に密閉可能に閉鎖するために使用することができる、任意の構造的閉鎖であり得る。ガスエンクロージャシステムの作業容積と補助エンクロージャとの間の圧力差またはガスカーテン等の動的閉鎖、ならびに動的閉鎖および構造的閉鎖の種々の実施形態の組み合わせを使用して、補助エンクロージャの種々の実施形態をガスエンクロージャシステムの印刷システムエンクロージャから隔離することができる。加えて、ガスエンクロージャの作業容積および補助エンクロージャのそれぞれは、例えば、限定されないが、温度、照明、粒子制御、およびガス精製の独立した調節の能力を提供する、別々に制御された環境を有することができる。したがって、補助エンクロージャ容積およびガスエンクロージャの作業容積のための熱制御、照明制御、粒子制御、および不活性ガス環境制御のための仕様は、同一であるように、または各容積について異なるように設定することができる。
【0180】
図28A図28Cは、OLED印刷ツール4001の中で不活性の実質的に粒子を含まないプロセス環境を維持しながら、継続的プロセスをほとんどまたは全く中断することなく、完全自動または遠隔オペレータ支援モードでプリントヘッド管理のための印刷システムおよび方法の種々の実施形態を描写する。図26A図26CのOLED印刷ツール4000と比較して、図28A図28CのOLED印刷ツール4001の種々の実施形
態は、例えば、限定されないが、移送チャンバ、ロードロックチャンバ、および適応性制御環境エンクロージャ等の補助エンクロージャを含むことができる。本教示のシステムおよび方法の実施形態について、OLED印刷ツール4001は、印刷モジュール3500の制御された環境に対する仕様と同一である、制御された環境に対する仕様で維持することができる、補助エンクロージャを有することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、OLED印刷ツール4001は、OLED印刷ツール4001の環境の完全性を損なうことなく、印刷モジュール3500の制御された環境に対する仕様とは異なる、制御された環境に対する仕様で維持することができる、補助エンクロージャを有することができる。
【0181】
図28Aで描写されるように、OLED印刷ツール4001の印刷システムモジュール3500は、印刷システムエンクロージャアセンブリ3540に連結された第3のモジュール3700を有することができる。第3のモジュール3700は、ブリッジ2130の第1のブリッジ端部2132の近位に位置付けることができ、X軸キャリッジアセンブリ2300上に載置されるプリントヘッドアセンブリ2500は、第3のモジュール3700の近位に位置付けることができる。図28Aの第3のモジュール3700は、種々のプリントヘッド保守手順を実行するために有用なOLED印刷ツール4001のための補助エンクロージャであり得る、第3の移送チャンバ3710を有することができる。図28Aの第3のモジュール3700は、第3の移送チャンバ3710に連結することができる、第3のロードロックチャンバ3750を有することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、第3のチャンバ3700は、第2のブリッジ端部2134の近位に位置することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、印刷システムモジュール3500は、第1のブリッジ端部2132および第2のブリッジ端部2134の両方の近位に図28Aの第3のモジュール3700等のモジュールを有することができる。さらに、単一のキャリッジが、図28Aに示されるOLED印刷ツール4001の印刷システム2000のために示される一方で、図20Bの印刷システム等の印刷システムは、図20Bの印刷システム2000および図27の印刷システム2001について以前に説明されたように、プリントヘッドアセンブリ、カメラ、紫外線ランプ、および第2のキャリッジの中に載置された熱源等の種々のデバイスを有することができる、付加的なキャリッジを有することができる。
【0182】
図28Aでは、いかなる付加的なチャンバも第3のモジュール3700と関連付けられて示されていないが、チャンバは、第1の側面3702で第3の移送チャンバ3710に連結することができ、ゲート3714を介して第3の移送チャンバ3710にアクセス可能であり得る。同様に、チャンバは、第2の側面3704で第3の移送チャンバ3710に連結することができ、ゲート3718を介して第3の移送チャンバ3710にアクセス可能であり得る。第3の移送チャンバ3710に連結される種々の付加的なチャンバは、種々のプリントヘッド保守手順のために有用であり得る。OLED印刷ツール4001の種々の実施形態について、第3のモジュール3700の第3の移送チャンバ3710は、ハンドラを収納するために使用することができる一方で、第3の移送モジュール3710と関連付けられる付加的なチャンバは、本教示のプリントヘッド管理システムの種々の実施形態のサブシステムおよびモジュールのための種々の部品を貯蔵および移送するために使用することができる。OLED印刷ツール4001の種々の実施形態では、印刷システムエンクロージャアセンブリ3540は、第1のブリッジ端部2132の近位の第1の印刷システムエンクロージャアセンブリ領域3570と、第2のブリッジ端部2134の近位の第2の印刷システムエンクロージャアセンブリ領域3572等の容積または領域とを有することができる。本教示のOLED印刷ツールの種々の実施形態によると、第1の印刷システムエンクロージャアセンブリ領域3570および第2の印刷システムエンクロージャアセンブリ領域3572の一方または両方は、図20Bおよび図23のプリントヘッド管理システム2701、ならびに図24Aのプリントヘッド管理システム2701A(
図26Cも参照)等のプリントヘッド管理システムを収納するために使用することができる。その点に関して、例えば、第3の移送モジュール3710の中に位置するハンドラは、限定されないが、ロードロックチャンバ3750、および印刷システムモジュール3500の中に位置するプリントヘッド保守システム等の第3の移送モジュール3710と関連付けられる種々のチャンバの間で部品を移動させることができる。
【0183】
図28Bは、第3の移送チャンバ3710が補助エンクロージャである、本教示の種々の実施形態による、図28Aに示されるOLED印刷ツール4001の平面図である。第3の移送チャンバ3710は、ロードロックチャンバ3750へのアクセスを提供することができる、ゲート3412を有することができ、かつ印刷モジュール3500へのアクセスを提供することができる、ゲート3416を有することができる。第3のロードロックチャンバ3750は、OLED印刷ツール4001の外部から第3のロードロックチャンバ3750へのアクセスを提供することができる、ゲート3752を有することができる。以前に議論されたように、ハンドラ3430およびハンドラ3630は、基板取扱のタスクのために選択される特徴を有することができる。本教示によると、図28Bのハンドラ3730は、プリントヘッド管理システム2700等のプリントヘッド管理システムと関連付けられる種々の部品を取り扱うために選択される、特徴を有することができる。プリントヘッド管理システム2700は、例えば、限定されないが、図20Bおよび図23のプリントヘッド管理システム2701、ならびに図24Aのプリントヘッド管理システム2701A等のプリントヘッド管理システムであり得る。前述のように、図28Aのための教示を参照すると、プリントヘッド管理システムは、印刷モジュール3500の3570または3752等の容積または領域中に位置することができる。図28Bで描写されるように、第3の移送チャンバ3710によって画定される補助エンクロージャ内に収納されるハンドラ3730は、X軸キャリッジアセンブリ2300の近位にある印刷システムエンクロージャアセンブリ領域3570にアクセスすることができるように、位置付けることができる。ブリッジ2130に載置されるキャリッジアセンブリ2300は、複数のプリントヘッドデバイスを含むことができる、プリントヘッドアセンブリ2500を支持することができる。ハンドラ3730の種々の実施形態は、プリントヘッド管理システムの種々の部品の操作のために選択することができる、種々のエンドエフェクタ構成、例えば、フォーク型、ブレード型エンドエフェクタ、クランプ型エンドエフェクタ、およびグリッパ型エンドエフェクタを有することができる。本教示によると、エンドエフェクタは、エンドエフェクタの部分を作動させるか、または例えば、限定されないが、吸い取り紙カートリッジ、インクカートリッジ、廃棄物貯留部、プリントヘッド、およびプリントヘッドデバイス等のプリントヘッド管理システムの種々の部品を別様に保持するかのいずれかのために、機械的把持および締付、ならびに空気圧または真空支援アセンブリを含むことができる。
【0184】
プリントヘッド交換に関して、本教示の種々の実施形態によると、図28Bのハンドラ3730は、例えば、X軸キャリッジアセンブリ2300上に載置されたプリントヘッドアセンブリ2500から、交換を必要とするプリントヘッドまたはプリントヘッドデバイス等の部品を回収することができる。後続のステップでは、ハンドラ3730は、プリントヘッドから、例えば、管理システム2700から、交換用部品を回収することができる。いったん交換用部品が回収されると、次いで、ハンドラ3730は、プリントヘッド交換手順を完了するように、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の交換用部品をプリントヘッドアセンブリ2500に挿入することができる。また、図28BのOLED印刷ツール4001の種々の実施形態について、第3のモジュール3700の第3の移送チャンバ3710は、ハンドラを収納するために使用することができる一方で、ロードロックチャンバ3750は、本教示のプリントヘッド管理システムの種々の実施形態のサブシステムおよびモジュールのための種々の部品を貯蔵および移送するために使用することができる。ロードロックチャンバ3750の中に貯蔵されるプリントヘッド管理システム2700のための種々の交換用部品、例えば、限定されないが、吸い取り紙カートリッジ、インクカートリッジ、廃棄物貯留部、プリントヘッド、およびプリントヘッドデバイスは、ハンドラ3730によってアクセスし、プリントヘッド管理システム2700まで移動させることができる。逆に、交換を必要とする部品、例えば、限定されないが、吸い取り紙カートリッジ、インクカートリッジ、廃棄物貯留部、プリントヘッド、およびプリントヘッドデバイスは、ハンドラ3730によってプリントヘッド管理システム2700から除去し、ロードロックチャンバ3750の中に配置することができる。プリントヘッド管理手順の種々の実施形態では、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の部品を、ハンドラ3730によってロードロックチャンバ3750から除去し、プリントヘッドアセンブリ2500に挿入することができる。ロードロックチャンバ3750のゲート3752を開放することができる一方で、OLED印刷ツール4001の外部で周囲空気中に位置するハンドラまたはエンドユーザによって、ロードロックチャンバ3750からの除去された部品の回収、ならびにロードロックチャンバ3750への交換用部品の移送を行うことができるように、ゲート3712およびゲート3716が閉鎖される。
【0185】
部品の回収、部品の交換、または両方のための手順が完了した後、ロードロックチャンバ3750のゲート3752を閉鎖することができ、ロードロックチャンバ3750は、チャンバのガス環境を標的仕様に復元するように、回復手順を通過することができる。OLED印刷ツール4001の容積と比較して、ロードロックチャンバ3750の実質的に小さい容積を考慮すると、回復時間は、OLED印刷ツール4001に対する回復時間より実質的に短い。プリントヘッド管理手順と関連付けられる全てのステップは、空気および水蒸気ならびに種々の有機蒸気等の汚染、ならびに粒子汚染への印刷システムエンクロージャの暴露を排除または最小限化するように行うことができる。本教示の種々のシステムおよび方法によると、印刷システムエンクロージャは、印刷プロセスに影響を及ぼし得る前に、精製システムが汚染を除去することができるように十分に低い、汚染のレベルに導入されてもよい。その点に関して、OLED印刷ツール4001の種々の実施形態は、印刷プロセスをほとんどまたは全く中断することなく、不活性の粒子を含まない環境を維持しながら、プリントヘッド管理システムの中の部品の完全自動交換を提供することができる。種々のプリントヘッド管理手順は、プリントヘッドアセンブリの管理に関係付けられる種々の手順中に、ある程度のエンドユーザ介入が指示され得る、完全自動モードで行うことができるが、エンドユーザアクセスは、例えば、グローブポートの使用を通して外部から行うことができる。
【0186】
図28Cの平面図で描写される、OLED印刷ツール4002等のOLED印刷ツールの種々の実施形態は、ロードロックチャンバまたは適応性制御環境エンクロージャであり得る、補助エンクロージャ3550を有することができる。補助エンクロージャ3550は、第1のゲート3552と、第2のゲート3554とを有することができる。印刷システムエンクロージャ3500は、それぞれ、第1および第2の印刷システムエンクロージャアセンブリ領域3570および3572(図26Cも参照)等の容積または領域を有することができる。OLED印刷ツール4002の種々の実施形態について、図28Cの印刷システムエンクロージャ3500の容積または領域3570および3572は、例えば、図20Bおよび図23のプリントヘッド管理システム2701、あるいは図24Aのプリントヘッド管理システム2701A等のプリントヘッド管理システムを収納するために使用することができる。図28Cで描写されるように、OLED印刷ツール4002の種々の実施形態について、容積または領域3570は、プリントヘッド管理システム2700ならびにハンドラ3530を収納するために使用することができる。図28Cの種々の実施形態について、プリントヘッド管理システム2700およびハンドラ3530は、例えば、X軸キャリッジアセンブリ2300の近位で印刷システムエンクロージャアセンブリ領域3570の中に位置付けることができる。プリントヘッドアセンブリ2500は、ブリッジ2130上で支持される、X軸キャリッジアセンブリ2300(図26Cも参照)上に載置することができる。プリントヘッドアセンブリ2500は、複数のプリントヘッドデバイスを含むことができる。ハンドラ3530の種々の実施形態は、例えば、限定されないが、吸い取り紙カートリッジ、インクカートリッジ、廃棄物貯留部、プリントヘッド、およびプリントヘッドデバイス等のプリントヘッド管理システムの種々の部品の操作のために選択することができる、種々のエンドエフェクタ構成、例えば、フォーク型、ブレード型エンドエフェクタ、クランプ型エンドエフェクタ、およびグリッパ型エンドエフェクタを有することができる。
【0187】
プリントヘッド交換に関して、OLED印刷ツール4002の種々の実施形態について、ハンドラ3530は、X軸キャリッジアセンブリ2300上に載置されたプリントヘッドアセンブリ2500から、交換を必要とする部品、例えば、プリントヘッドまたはプリントヘッドデバイスを回収することができる。後続のステップでは、ハンドラ3530は、例えば、プリントヘッド管理システム2700から、交換用部品を回収することができる。いったん交換用部品が回収されると、次いで、ハンドラ3530は、プリントヘッド交換手順を完了するように、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の交換用部品をプリントヘッドアセンブリ2500に挿入することができる。また、図28CのOLED印刷ツール4002の種々の実施形態について、補助エンクロージャ3550は、本教示のプリントヘッド管理システムの種々の実施形態のサブシステムおよびモジュールのための種々の部品を貯蔵および移送するために使用することができる。補助エンクロージャ3550の中に貯蔵されるプリントヘッド管理システム2700のための種々の交換用部品、例えば、限定されないが、吸い取り紙カートリッジ、インクカートリッジ、廃棄物貯留部、プリントヘッド、およびプリントヘッドデバイスは、ハンドラ3530によってアクセスし、プリントヘッド管理システム2700まで移動させることができる。逆に、交換を必要とする部品、例えば、限定されないが、吸い取り紙カートリッジ、インクカートリッジ、廃棄物貯留部、プリントヘッド、およびプリントヘッドデバイスは、ハンドラ3730によってプリントヘッド管理システム2700から除去し、補助エンクロージャ3550の中に配置することができる。プリントヘッド管理手順の種々の実施形態では、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の部品を、ハンドラ3530によって補助エンクロージャ3550から除去し、プリントヘッドアセンブリ2500に挿入することができる。補助エンクロージャ3550のゲート3552を開放することができる一方で、OLED印刷ツール4002の外部で周囲空気中に位置するハンドラまたはエンドユーザによって、補助エンクロージャ3550からの除去された部品の回収、ならびに補助エンクロージャ3550への交換用部品の移送を行うことができるように、ゲート3554が閉鎖される。
【0188】
部品の回収、部品の交換、または両方のための手順が完了した後、補助エンクロージャ3550のゲート3552を閉鎖することができ、補助エンクロージャ3550は、補助エンクロージャのガス環境を標的仕様に復元するように、回復手順を通過することができる。OLED印刷ツール4002の容積と比較して、補助エンクロージャ3550の実質的に小さい容積を考慮すると、回復時間は、OLED印刷ツール4002に対する回復時間より実質的に短い。プリントヘッド管理手順と関連付けられる全てのステップは、空気および水蒸気ならびに種々の有機蒸気等の汚染、ならびに粒子汚染への印刷システムエンクロージャの暴露を排除または最小限化するように行うことができる。本教示の種々のシステムおよび方法によると、印刷システムエンクロージャは、印刷プロセスに影響を及ぼし得る前に、精製システムが汚染を除去することができるように十分に低い、汚染のレベルに導入されてもよい。その点に関して、OLED印刷ツール4002の種々の実施形態は、印刷プロセスをほとんどまたは全く中断することなく、不活性の粒子を含まない環境を維持しながら、プリントヘッド管理システムの中の部品の完全自動交換を提供することができる。種々のプリントヘッド管理手順は、プリントヘッドアセンブリの管理に関係付けられる種々の手順中に、ある程度のエンドユーザ介入が指示され得る、完全自動モードで行うことができるが、エンドユーザアクセスは、例えば、グローブポートの使用を通して外部から行うことができる。
【0189】
図29図29Cは、印刷システムエンクロージャ1102の中で不活性の実質的に粒子を含まないプロセス環境を維持しながら、継続的プロセスをほとんどまたは全く中断することなく、完全自動または遠隔オペレータ支援モードでプリントヘッド管理のための印刷システムおよび方法の種々の実施形態を描写する。図29A-29Cのガスエンクロージャシステム506で行うことができる、種々のプリントヘッド管理手順について、補助エンクロージャ1010は、印刷システムエンクロージャ1102と同一の制御された環境である、制御された環境のための仕様で維持することができる。図29A-29Cのガスエンクロージャシステム506の種々の実施形態は、図26AのOLED印刷ツール4000および図28AのOLED印刷ツール4001等のOLED印刷ツールに組み込むことができる。
【0190】
図29A-29Cは、プリントヘッドアセンブリ2500を有することができる、印刷システムエンクロージャ1102および印刷システム2002を含むことができる、ガスエンクロージャシステム506を描写する。印刷システムエンクロージャ1102は、印刷システム2002を標的制御環境に収納して維持することができる、任意のガスエンクロージャであり得る。印刷システムエンクロージャ1102は、水蒸気および酸素等の反応種に対する標的仕様、ならびに粒子状物質に対する標的仕様を含むことができる、制御された環境を有することができる。印刷システムエンクロージャ1102は、例えば、限定されないが、図1図3図15図18、および図19について説明されるようなガスエンクロージャアセンブリのうちのいずれかであり得る。印刷システム2002は、例えば、限定されないが、図20Bおよび図27の非限定的実施例を含む、以前に説明されたような任意の印刷システムであり得る。プリントヘッドアセンブリ2500は、少なくとも1つのプリントヘッドを有することができる。プリントヘッド管理システム2700は、例えば、限定されないが、図20Bおよび図23のプリントヘッド管理システム2701、ならびに図24Aのプリントヘッド管理システム2701Aの非限定的実施例を含む、以前に説明されたような任意のプリントヘッド管理システムであり得る。
【0191】
図29A図29Cの補助エンクロージャ1010は、通常動作中に閉鎖されたままとなることができる、第1のゲート1012および第2のゲート1014を有することができる。ガスエンクロージャシステム506の種々の実施形態について、図29A図29Cで描写される補助エンクロージャ1010は、ロードロックチャンバであり得る。ガスエンクロージャシステム506の種々の実施形態では、図29A図29Cで描写される補助エンクロージャ1010は、硬質壁適応性制御環境エンクロージャであり得る。ガスエンクロージャシステム506のさらに他の実施形態では、図29A図29Cで描写される補助エンクロージャ1010は、移送チャンバであり得る。ガスエンクロージャアセンブリ506の種々の実施形態について、補助エンクロージャのための制御された環境は、水蒸気および酸素等の反応種ならびに種々の有機蒸気等に対する標的仕様、ならびに粒子状物質に対する標的仕様を含んでもよい。図29A図29Cのガスエンクロージャ506の種々の実施形態では、補助エンクロージャ1010は、印刷システムエンクロージャ1102が維持される同一の環境仕様に維持することができる。図29A図29Cのガスエンクロージャ506の種々の実施形態について、補助エンクロージャ1010および印刷システムエンクロージャ1102は、異なる環境仕様に維持することができる。図29Aおよび29Bのガスエンクロージャシステム506は、プリントヘッド管理手順と関連付けられるタスクを実行するために位置付けられる、ハンドラ3830を有することができる。ハンドラ3830は、アーム3834に載置されたエンドエフェクタ3836を有することができる。エンドエフェクタ構成の種々の実施形態、例えば、ブレード型エンドエフェクタ、クランプ型エンドエフェクタ、およびグリッパ型エンドエフェクタを使用することができる。エンドエフェクタの種々の実施形態は、エンドエフェクタの部分を作動させるか、または例えば、限定されないが、吸い取り紙カートリッジ、インクカートリッジ、廃棄物貯留部、プリントヘッド、およびプリントヘッドデバイス等のプリントヘッド管理システムの種々の部品を別様に保持するかのいずれかのために、機械的把持および締付、ならびに空気圧または真空支援アセンブリを含むことができる。
【0192】
プリントヘッド交換に関して、図29Aのハンドラ3830は、印刷システム2002のプリントヘッドアセンブリ2500およびプリントヘッド管理システム2700の近位に位置付けることができる。プリントヘッド交換のための手順中に、ハンドラ3830は、プリントヘッドアセンブリ2500から、プリントヘッド、または少なくとも1つのプリントヘッドを有するプリントヘッドデバイスのいずれかである、標的部品を除去することができる。図29Aのガスエンクロージャシステム506に対するプリントヘッド交換のための種々の手順では、除去された部品は、後の回収のためにプリントヘッド管理システム2700の中に配置することができる。印刷システムエンクロージャ1102から除去された部品を除去するために、ハンドラ3830が除去された部品を補助エンクロージャ1010の中へ配置することができるように、第2のゲート1024を開放することができる一方で、第1のゲート1012は閉鎖されたままである。後続のステップでは、ハンドラ3830は、プリントヘッド管理システム2700から交換用部品を回収することができる。代替として、ハンドラ3830は、補助エンクロージャ1010から交換用部品を回収することができる。いったん交換用部品が回収されると、次いで、ハンドラ3830は、プリントヘッド交換手順を完了するように、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の交換用部品をプリントヘッドアセンブリに挿入することができる。印刷システムエンクロージャ1102と補助エンクロージャ1010との間の部品の移動が完了した後、印刷システムエンクロージャ1102を補助エンクロージャ1010から隔離することができるように、ゲート1014を閉鎖することができる。ゲート1012を開放することができ、補助エンクロージャ1010の中に配置された、除去された部品は、ハンドラまたはエンドユーザのいずれかであるソースによって回収することができ、交換用プリントヘッドまたは交換用プリントヘッドデバイスのいずれかである、付加的な機能部品は、後続のプリントヘッド交換手順のために補助エンクロージャ1010の中へ配置することができる。最終的に、ゲート1012が閉鎖された後、補助エンクロージャ1010は、所望されるときに後続のプリントヘッド交換手順を開始することができるように、水蒸気および酸素等の反応種に対する標的仕様、ならびに粒子状物質に対する標的仕様にさせるために、回復手順を通過することができる。ガスエンクロージャシステム506の種々の実施形態では、補助エンクロージャ1010は、印刷システムエンクロージャ1102と同一の制御された環境に対する仕様を有することができる。図29Aのガスエンクロージャシステム506の種々の実施形態について、補助エンクロージャ1010は、制御された環境に対する印刷システムエンクロージャ1102とは異なる仕様を有することができる。
【0193】
図29Bのガスエンクロージャシステム506について、ハンドラ3830は、ハンドラ3830のエンドエフェクタ3836が、プリントヘッドアセンブリ2500、ならびに印刷システムのプリントヘッド管理システム2700に容易に到達することができるように、補助エンクロージャ1010の中に位置付けることができる。
【0194】
図29Bのガスエンクロージャシステム506に対するプリントヘッド交換のための手順に関して、ハンドラ3830が、印刷システム2002のプリントヘッドアセンブリ2500から、プリントヘッド、または少なくとも1つのプリントヘッドを有するプリントヘッドデバイスのいずれかである、標的部品を除去することができるように、第2のゲート1014を開放することができる一方で、ゲート1012は閉鎖されたままである。図29Bのガスエンクロージャシステム506のプリントヘッド交換のための種々の手順では、除去された部品は、後の回収のためにプリントヘッド管理システム2700の中に配置することができる。印刷システムエンクロージャ1102から除去された部品を除去するために、ハンドラ3830が除去された部品を補助エンクロージャ1010の中へ配置することができるように、第2のゲート1014を開放することができる一方で、ゲート1012は閉鎖されたままである。後続のステップでは、ハンドラ3830は、プリントヘッド管理システム2700から交換用部品を回収することができる。代替として、ハンドラ3830は、補助エンクロージャ1010から交換用部品を回収することができる。いったん交換用部品が回収されると、次いで、ハンドラ3830は、プリントヘッド交換手順を完了するように、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の交換用部品をプリントヘッドアセンブリに挿入することができる。除去された部品が補助エンクロージャ1010の中にあり、交換用部品が印刷システムエンクロージャ1102のプリントヘッドアセンブリ2500に挿入され、ハンドラ3830が補助エンクロージャ1010内に入った後、印刷システムエンクロージャ1102が補助エンクロージャ1010から隔離されるように、ゲート1014を閉鎖することができる。交換用部品がプリントヘッドアセンブリに挿入され、ゲート1014が閉鎖された後の任意の時間に、ゲート1012を開放することができ、ハンドラ3830は、除去された部品を補助エンクロージャ1010の外部の場所に配置することができ、交換用プリントヘッドまたは交換用プリントヘッドデバイスのいずれかである、付加的な機能部品は、後続のプリントヘッド交換手順のために補助エンクロージャ1010の中に配置することができる。最終的に、補助エンクロージャ1010は、所望されるときに後続のプリントヘッド交換手順を開始することができるように、水蒸気および酸素等の反応種に対する標的仕様、ならびに粒子状物質に対する標的仕様にさせるために、回復手順を通過することができる。ガスエンクロージャシステム506の種々の実施形態では、補助エンクロージャ1010は、印刷システムエンクロージャ1102と同一の制御された環境に対する仕様を有することができる。図29Bのガスエンクロージャシステム506の種々の実施形態について、補助エンクロージャ1010は、制御された環境に対する印刷システムエンクロージャ1102とは異なる仕様を有することができる。
【0195】
また、図29Aおよび図29Bのガスエンクロージャシステム506の種々の実施形態について、補助エンクロージャ1010は、本教示のプリントヘッド管理システムの種々の実施形態のサブシステムおよびモジュールのための種々の部品を貯蔵および移送するために使用することができる。補助エンクロージャ1010の中に貯蔵されるプリントヘッド管理システム2700のための種々の交換用部品、例えば、限定されないが、吸い取り紙カートリッジ、インクカートリッジ、廃棄物貯留部、プリントヘッド、およびプリントヘッドデバイスは、ゲート1012が不活性環境でガスエンクロージャシステム506を維持するように閉鎖されている間に、ハンドラ3830によってアクセスし、ゲート1014を通してプリントヘッド管理システム2700まで移動させることができる。逆に、交換を必要とする部品は、ゲート1012が閉鎖されている間に、ゲート1014を通してハンドラ3830によってプリントヘッド管理システム2700から除去し、補助エンクロージャ1010の中に配置することができる。後続のステップでは、図29Aおよび図29Bのガスエンクロージャシステム506の外部で周囲空気中に位置するハンドラまたはエンドユーザによって、補助エンクロージャ3550からの除去された部品の回収、ならびに補助エンクロージャ3550への交換用部品の移送を行うことができるように、補助エンクロージャ1010のゲート1012を開放することができる一方で、ゲート1014は閉鎖される。
【0196】
部品の回収、部品の交換、または両方のための手順が完了した後、補助エンクロージャ1010のゲート1012を閉鎖することができ、補助エンクロージャ1010は、補助エンクロージャのガス環境を標的仕様に復元するように、回復手順を通過することができる。図29Aおよび29Bのガスエンクロージャシステム506の容積と比較して、補助エンクロージャ1010の実質的に小さい容積を考慮すると、回復時間は、図29Aおよび29Bのガスエンクロージャシステム506に対する回復時間より実質的に短い。プリントヘッド管理手順と関連付けられる全てのステップは、空気および水蒸気ならびに種々の有機蒸気等の汚染、ならびに粒子汚染への印刷システムエンクロージャの暴露を排除または最小限化するように行うことができる。本教示の種々のシステムおよび方法によると、印刷システムエンクロージャは、印刷プロセスに影響を及ぼし得る前に、精製システムが汚染を除去することができるように十分に低い、汚染のレベルに導入されてもよい。その点に関して、図29Aおよび29Bのガスエンクロージャシステム506の種々の実施形態は、印刷プロセスをほとんどまたは全く中断することなく、不活性の粒子を含まない環境を維持しながら、プリントヘッド管理システムの中の部品の完全自動交換を提供することができる。
【0197】
プリントヘッドアレイを維持するための自動プロセスの精神から逸脱することなく、図29Aおよび29Bの種々の実施形態に対するプリントヘッド交換手順の変更を行うことができる。例えば、種々の実施形態では、補助エンクロージャ1010のゲート1012が閉鎖され、補助エンクロージャ1010のゲート1014が開放されている間に、図29Aおよび29Bのハンドラ3830は、プリントヘッドアセンブリ2500から、プリントヘッド、または少なくとも1つのプリントヘッドを伴うプリントヘッドデバイスのいずれかである、プリントヘッド部品を除去し、それを補助エンクロージャ1010の中に配置することができる。次のステップでは、補助エンクロージャ1010のゲート1014が閉鎖されている間に、ゲート1012を開放することができ、図29Aおよび29Bについて以前に説明されたように、補助エンクロージャ1010からの除去された部品の回収、および補助エンクロージャ1010の中への交換用部品の配置を可能にする。いったん除去された部品が回収され、交換用部品が補助エンクロージャ1010内に入ると、ゲート1012を閉鎖することができ、補助エンクロージャ1010は、水蒸気および酸素等の反応種に対する標的仕様、ならびに粒子状物質に対する標的仕様にさせるために、回復手順を通過することができる。いったん補助エンクロージャ1010が適切な制御された環境仕様にされると、ゲート1014を開放することができ、交換用部品をプリントヘッドアセンブリに挿入することができる。交換用部品がプリントヘッドアセンブリに挿入されたとき、印刷システムエンクロージャ1102を補助エンクロージャ1010から隔離することができるように、ゲート1014を閉鎖することができる。
【0198】
図29Cでは、図29Aおよび29Bについて説明されるようなプリントヘッド交換手順の種々の実施形態について、エンドユーザは、種々のグローブポートを通して遠隔でハンドラによって行われるものとして記載される操作を通して、遠隔で実施することができる。2つのグローブポートが図29Cに示されているが、例えば、ガスエンクロージャアセンブリ100について図1で以前に示されたように、および図24Bに示されるように、種々の場所への遠隔アクセスを提供する目的で、グローブポートをいくつかの場所に配置できることを理解することができる。
【0199】
図30A図30Cは、印刷システムエンクロージャ1102の中で不活性の実質的に粒子を含まないプロセス環境を維持しながら、継続的プロセスをほとんどまたは全く中断することなく、完全自動または遠隔オペレータ支援モードでプリントヘッド管理のための印刷システムおよび方法の種々の実施形態を描写する。図30A図30Cのガスエンクロージャシステム507で行うことができる種々のプリントヘッド管理手順について、補助エンクロージャ1020は、印刷システムエンクロージャ1102の環境の完全性を損なうことなく、印刷システムエンクロージャ1102の制御された環境とは異なる、制御された環境に対する仕様で維持することができる。図29A図29Cのガスエンクロージャシステム506の種々の実施形態は、図26AのOLED印刷ツール4000および図28AのOLED印刷ツール4001等のOLED印刷ツールに組み込むことができる
【0200】
図30A図30Cは、プリントヘッドアセンブリ2500を有することができる、印刷システムエンクロージャ1102および印刷システム2002を含むことができる、ガスエンクロージャシステム507を描写する。印刷システムエンクロージャ1102は、印刷システム2002を標的制御環境に収納して維持することができる、任意のガスエンクロージャであり得る。印刷システムエンクロージャ1102は、水蒸気および酸素等の反応種に対する標的仕様、ならびに粒子状物質に対する標的仕様を含むことができる、制御された環境を有することができる。印刷システムエンクロージャ1102は、例えば、限定されないが、図1図3図15図18、および図19で描写されるようなガスエンクロージャアセンブリのうちのいずれかであり得る。印刷システム2002は、例えば、限定されないが、図20Bおよび図27の非限定的実施例を含む、以前に説明されたような任意の印刷システムであり得る。プリントヘッドアセンブリ2500は、少なくとも1つのプリントヘッドを有することができる。プリントヘッド管理システム2700は、例えば、限定されないが、図20Bおよび図23のプリントヘッド管理システム2701、ならびに図24Aのプリントヘッド管理システム2701Aの非限定的実施例を含む、以前に説明されたような任意のプリントヘッド管理システムであり得る。
【0201】
図30A図30Cの補助エンクロージャ1020は、開口部1022およびゲート1024、ならびに不活性ガス源と流体連通することができる導管1026を有することができる。補助エンクロージャ1020のゲート1024は、通常動作中に閉鎖位置で維持することができる。ガスエンクロージャシステム507の種々の実施形態について、図30A図30Cで描写される補助エンクロージャ1020は、軟質壁構造の適応性制御環境エンクロージャであり得る。ガスエンクロージャシステム507の種々の実施形態では、図30A図30Cで描写される補助エンクロージャ1020は、硬質壁構造の適応性制御環境エンクロージャであり得る。ガスエンクロージャシステム507のさらに他の実施形態では、図30A図30Cで描写される補助エンクロージャ1020は、硬質および軟質壁構造の組み合わせの適応性制御環境エンクロージャであり得る。
【0202】
ガスエンクロージャシステム507の種々の実施形態について、開口部1022は、通路、例えば、限定されないが、固体材料の窓またはドアであり得る。種々の実施形態では、ガスエンクロージャシステム507の中で、例えば、開口部1022は、可撓性ポリマーシート材料の細片のカーテンによって覆うことができ、それによって、補助エンクロージャ1020の中および外への即時通過を提供する、可撓性出入口であり得る。図30A図30Cのガスエンクロージャシステム507の種々の実施形態によると、以前に議論されたような動的閉鎖の種々の実施形態は、開口部1022を効果的に閉鎖するために使用することができる。補助エンクロージャの種々の実施形態について、開口部1022は、可撓性ポリマー材料によって覆うことができ、それによって、補助エンクロージャ1020の中および外への材料の即時通過を提供する、窓であり得る。補助エンクロージャの種々の実施形態では、開口部1022は、可撓性ポリマー材料によって覆われることに加えて、ガスエンクロージャシステム507の外部から補助エンクロージャを隔離するためのガスカーテンを有することができる、通路、例えば、限定されないが、窓またはドアであり得る。補助エンクロージャの種々の実施形態では、開口部1022は、ガスエンクロージャシステム507の外部から補助エンクロージャを隔離するためのガスカーテンを有することができる、通路、例えば、限定されないが、窓またはドアであり得る。後にさらに詳細に議論されるように、ガスカーテンに加えて、開口部1022を有する補助エンクロージャ1020を隔離するために、補助エンクロージャ1020と印刷システムエンクロージャ1102との間の圧力差を利用することができる。図30Aおよび30Bのガスエンクロージャシステム507は、プリントヘッド管理手順と関連付けられるタスクを実行するために位置付けられるハンドラ3830を有することができる。ハンドラ3830は、アーム3834に載置されたエンドエフェクタ3836を有することができる。エンドエフェクタ構成の種々の実施形態、例えば、ブレード型エンドエフェクタ、クランプ型エンドエフェクタ、およびグリッパ型エンドエフェクタを使用することができる。エンドエフェクタの種々の実施形態は、エンドエフェクタの部分を作動させるか、またはプリントヘッドデバイスあるいはプリントヘッドデバイスからのプリントヘッドを別様に保持するかのいずれかのために、機械的把持および締付、ならびに空気圧または真空支援アセンブリを含むことができる。
【0203】
図30A図30Cで示されるように、補助エンクロージャ1020の導管1026は、図30Aのガスエンクロージャシステム507の種々の実施形態について、補助エンクロージャ1020を、印刷システムエンクロージャ1102の仕様と同一である、酸素および水蒸気、ならびに有機溶媒蒸気等の反応種に対する標的仕様に維持することができる、不活性ガス源と流体連通することができる。図30Aのガスエンクロージャシステム507の種々の実施形態では、補助エンクロージャ1020のガス環境は、印刷システムエンクロージャ1102とは異なる、酸素および水蒸気、ならびに有機溶媒蒸気等の反応種に対する標的仕様で維持することができる。ガスエンクロージャシステム507の種々の実施形態によると、不活性ガス源を粒子状物質について濾過することができる。大気を上回る圧力でガスエンクロージャアセンブリを維持できることを想起されたい。例えば、種々のプリントヘッド管理手順の種々のプロセスステップ中に、補助エンクロージャ1020から印刷システムエンクロージャ1102へのガスの拡散を遅延させるか、または防止するように、大気を上回り、印刷システムエンクロージャ1102の圧力を下回る値で補助エンクロージャ1020の圧力を維持できることが考慮される。その点に関して、図30A図30Cのガスエンクロージャシステム507の種々の実施形態について、補助エンクロージャ1020のための水蒸気および酸素等の反応種に対する標的仕様、ならびに粒子状物質に対する標的仕様は、印刷システムエンクロージャ1102のためのものほど厳格ではなくてもよい。
【0204】
プリントヘッド交換に関して、図30Aのハンドラ3830は、印刷システム2002のプリントヘッドアセンブリ2500およびプリントヘッド管理システム2700の近位に位置付けることができる。プリントヘッドを交換するための手順中に、ハンドラ3830は、プリントヘッドアセンブリ2500から、プリントヘッド、または少なくとも1つのプリントヘッドを有するプリントヘッドデバイスのいずれかである、標的部品を除去することができる。図30Aのガスエンクロージャシステム576のプリントヘッド交換のための種々の手順では、除去された部品は、後の回収のためにプリントヘッド管理システム2700の中に配置することができる。印刷システムエンクロージャ1102から除去された部品を除去するために、ハンドラ3830が除去された部品を補助エンクロージャ1020の中へ配置することができるように、ゲート1024を開放することができる。ゲート1024が開放されている間に、以前に説明されたような動的閉鎖の種々の実施形態を使用して、開口部1022を閉鎖することができる。後続のステップでは、ハンドラ3830は、プリントヘッド管理システム2700から交換用部品を回収することができる。代替として、ハンドラ3830は、補助エンクロージャ1020から交換用部品を回収することができる。いったん交換用部品が回収されると、次いで、ハンドラ3830は、プリントヘッド交換手順を完了するように、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の交換用部品をプリントヘッドアセンブリに挿入することができる。印刷システムエンクロージャ1102と補助エンクロージャ1010との間の部品の移動が完了した後、印刷システムエンクロージャ1102が補助エンクロージャ1020から隔離されるように、ゲート1024を閉鎖することができる。ガスエンクロージャシステム507の種々の実施形態について、補助エンクロージャ1020の不活性ガス環境の圧力に対して印刷システムエンクロージャ1102の中で維持される陽圧と併せて、プリントヘッド交換手順中に印刷システムエンクロージャ1102の中へ拡散し得る任意の反応種および粒子状物質を、ガス精製システム、ならびにガス循環および濾過システムによって、容易に除去することができるように、印刷システムエンクロージャ1102と補助エンクロージャ1010との間で部品を移動させるハンドラの通過時間を最小限することができる。加えて、以前に議論されたように、ガスエンクロージャシステム506の外部から補助エンクロージャを隔離するために、開口部1020と併せてガスカーテンを使用することができる。補助エンクロージャ1020の中へ配置された、除去された部品は、補助エンクロージャ1020の外部に位置するハンドラまたはエンドユーザのいずれかであるソースによって回収することができ、交換用プリントヘッドまたは交換用プリントヘッドデバイスのいずれかである、付加的な機能部品は、後続のプリントヘッド交換手順のために補助エンクロージャ1020の中へ配置することができる。
【0205】
図30Bのガスエンクロージャシステム507について、ハンドラ3500は、ハンドラ3830のエンドエフェクタ3836が、プリントヘッドアセンブリ2500、ならびに印刷システムのプリントヘッド管理システム2700に容易に到達することができるように、補助エンクロージャ1020の中に位置付けることができる。
【0206】
図30Bのガスエンクロージャシステム507のプリントヘッド交換のための手順に関して、ハンドラ3830が、印刷システム2002のプリントヘッドアセンブリ2500から、プリントヘッド、または少なくとも1つのプリントヘッドを有するプリントヘッドデバイスのいずれかである、標的部品を除去し、除去された部品を補助エンクロージャ1020の中へ配置することができるように、ゲート1024を開放することができる。以前に議論されたように、開口部1024は、構造的閉鎖の種々の実施形態を使用して閉鎖するか、または動的閉鎖の種々の実施形態を使用して効果的に密閉することができる。ハンドラ3830は、補助エンクロージャ1020から交換用部品を回収し、交換プロセスを完了するように、それを印刷システム2002のプリントヘッドアセンブリ2500に挿入することができる。交換用部品がプリントヘッドアセンブリ2500に挿入され、ハンドラ3830が補助エンクロージャ1020内に入るとすぐに、印刷システムエンクロージャ1102を補助エンクロージャ1020から隔離するように、ゲート1024を閉鎖することができる。交換手順が完了した後の任意の時間に、ハンドラ3830は、開口部1022を通して、除去された部品を補助エンクロージャ1010の外部の場所に位置付けることができ、交換用プリントヘッドまたは交換用プリントヘッドデバイスのいずれかである、付加的な機能部品は、後続のプリントヘッド交換手順のために補助エンクロージャ1020の中に配置することができる。
【0207】
また、図30Aおよび図30Bのガスエンクロージャシステム506の種々の実施形態について、補助エンクロージャ1010は、本教示のプリントヘッド管理システムの種々の実施形態のサブシステムおよびモジュールのための種々の部品を貯蔵および移送するために使用することができる。補助エンクロージャ1020の中に貯蔵されるプリントヘッド管理システム2700のための種々の交換用部品、例えば、限定されないが、吸い取り紙カートリッジ、インクカートリッジ、廃棄物貯留部、プリントヘッド、およびプリントヘッドデバイスは、ハンドラ3830によってアクセスし、ゲート1024を通してプリントヘッド管理システム2700まで移動させることができる一方で、開口部1022は、不活性環境でガスエンクロージャシステム507を維持するように、構造エンクロージャの種々の実施形態を使用して閉鎖するか、または動的閉鎖の種々の実施形態を使用して効果的に閉鎖することができる。逆に、交換を必要とする部品は、開口部1022が、構造エンクロージャの種々の実施形態を使用して閉鎖されているか、または動的閉鎖の種々の実施形態を使用して効果的に閉鎖されている間に、ゲート1024を通してハンドラ3830によってプリントヘッド管理システム2700から除去し、補助エンクロージャ1020の中に配置することができる。後続のステップでは、ゲート1024が閉鎖されている間に、図30Aおよび図30Bのガスエンクロージャシステム506の外部で周囲空気中に位置するハンドラまたはエンドユーザによって、補助エンクロージャ3550からの除去された部品の回収、ならびに補助エンクロージャ3550への交換用部品の移送を行うことができる。プリントヘッド管理手順と関連付けられる全てのステップは、空気および水蒸気ならびに種々の有機蒸気等の汚染、ならびに粒子汚染への印刷システムエンクロージャの暴露を排除または最小限化するように行うことができる。本教示の種々のシステムおよび方法によると、印刷システムエンクロージャは、印刷プロセスに影響を及ぼし得る前に、精製システムが汚染を除去することができるように十分に低い、汚染のレベルに導入されてもよい。その点に関して、図30Aおよび図30Bのガスエンクロージャシステム507の種々の実施形態は、印刷プロセスをほとんどまたは全く中断することなく、不活性の粒子を含まない環境を維持しながら、プリントヘッド管理システムの中の部品の完全自動交換を提供することができる。
【0208】
図30Cでは、図30Aおよび図30Bについて説明されるようなプリントヘッド交換手順の種々の実施形態について、エンドユーザは、種々のグローブポートを通して遠隔でハンドラによって行われるものとして記載される操作を通して、遠隔で実施することができる。2つのグローブポートが図30Cに示されているが、例えば、ガスエンクロージャアセンブリ100について図1で以前に示されたように、および図24Bに示されるように、種々の場所への遠隔アクセスを提供する目的で、グローブポートをいくつかの場所に配置できることを理解することができる。
【0209】
本明細書で記述される全ての出版物、特許、および特許出願は、各個別出版物、特許、または特許出願が、参照することにより組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0210】
本開示の実施形態が、本明細書で示され、説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。ここで、多数の変化例、変更、および置換が、本開示から逸脱することなく当業者に想起されるであろう。本明細書で説明される本開示の実施形態の種々の代替案が、本開示を実践する際に採用されてもよいことを理解されたい。以下の請求項は、本開示の範囲を定義し、これらの請求項およびそれらの同等物の範囲内の方法および構造は、それによって対象とされることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22A
図22B
図22C
図22D
図22E
図22F
図23
図24A
図24B
図25
図26A
図26B
図26C
図27
図28A
図28B
図28C
図29A
図29B
図29C
図30A
図30B
図30C