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特許7454895地域振興支援装置、プログラム、地域振興支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】地域振興支援装置、プログラム、地域振興支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240315BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023153878
(22)【出願日】2023-09-20
【審査請求日】2023-09-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523359629
【氏名又は名称】合同会社bel
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】時田 悠樹
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-189943(JP,A)
【文献】特開2021-117562(JP,A)
【文献】特開2023-006292(JP,A)
【文献】特開2011-175595(JP,A)
【文献】Brand new Crypto ふるさと納税×NFTが新たなブームになるかも?,暗号資産,日本,J-CAM,2023年03月01日,第6巻 第3号,p.54
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所定地域の地域振興に寄与する行為を行ったことを示す行為情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が前記行為情報を取得することにより、前記ユーザに対して非代替性トークンを発行するNFT発行部と、を備え、
前記非代替性トークンには、前記所定地域および前記所定地域と関連付けられた1つ以上の地域のそれぞれについて、
当該地域の識別情報と、
前記非代替性トークンの使用が許可された、当該地域における社会経済活動の種類を示す複数の種類情報と、
当該複数の種類情報のそれぞれについて、前記種類情報が有効化されているか、または前記種類情報が無効化されているか、のいずれか一方を示す有効性情報と、
が記録されており、
前記情報取得部は、前記非代替性トークンの使用回数が基準回数に達したことを示す基準到達情報をさらに取得し、
前記NFT発行部は、前記情報取得部が前記基準到達情報を取得することにより、
前記使用回数が前記基準回数以下の時点で前記種類情報が無効化されていることを示す前記有効性情報を、当該種類情報が有効化されていることを示す内容に更新し、
前記有効性情報を更新した後の前記非代替性トークンを再発行する、地域振興支援装置。
【請求項2】
前記情報取得部は、前記非代替性トークンの使用回数が基準回数に達したことを示す基準到達情報をさらに取得し、
前記情報取得部が前記基準到達情報を取得することにより、前記非代替性トークンに紐づくデジタルコンテンツを、前記使用回数が前記基準回数に達したことを表す内容に更新する更新部をさらに備えた、請求項1に記載の地域振興支援装置。
【請求項3】
前記非代替性トークンには、前記種類情報が有効化されているか、または前記種類情報が無効化されているか、のいずれか一方を示す有効性情報がさらに記録されており、
前記情報取得部は、所定期間が経過する時点までに前記非代替性トークンが使用されなかったことを示す不使用情報をさらに取得し、
前記NFT発行部は、前記情報取得部が前記不使用情報を取得することにより、前記所定期間が経過する時点で前記種類情報が有効化されていることを示す前記有効性情報を、当該種類情報が無効化されていることを示す内容に更新する、請求項1または2に記載の地域振興支援装置。
【請求項4】
ユーザが所定地域の地域振興に寄与する行為を行ったことを示す行為情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が前記行為情報を取得することにより、前記ユーザに対して非代替性トークンを発行するNFT発行部と、を備え、
前記非代替性トークンには、前記所定地域および前記所定地域と関連付けられた1つ以上の地域のそれぞれについて、
当該地域の識別情報と、
前記非代替性トークンの使用が許可された、当該地域における社会経済活動の種類を示す種類情報と、
が記録されており、
前記情報取得部は、前記非代替性トークンの使用回数が基準回数に達したことを示す基準到達情報をさらに取得し、
前記情報取得部が前記基準到達情報を取得することにより、前記非代替性トークンに紐づくデジタルコンテンツを、前記使用回数が前記基準回数に達したことを表す内容に更新する更新部をさらに備えた、地域振興支援装置。
【請求項5】
ユーザが所定地域の地域振興に寄与する行為を行ったことを示す行為情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が前記行為情報を取得することにより、前記ユーザに対して非代替性トークンを発行するNFT発行部と、を備え、
前記非代替性トークンには、前記所定地域および前記所定地域と関連付けられた1つ以上の地域のそれぞれについて、
当該地域の識別情報と、
前記非代替性トークンの使用が許可された、当該地域における社会経済活動の種類を示す種類情報と、
前記種類情報が有効化されているか、または前記種類情報が無効化されているか、のいずれか一方を示す有効性情報と、
が記録されており、
前記情報取得部は、所定期間が経過する時点までに前記非代替性トークンが使用されなかったことを示す不使用情報をさらに取得し、
前記NFT発行部は、前記情報取得部が前記不使用情報を取得することにより、前記所定期間が経過する時点で前記種類情報が有効化されていることを示す前記有効性情報を、当該種類情報が無効化されていることを示す内容に更新する、地域振興支援装置。
【請求項6】
前記非代替性トークンには、前記種類情報として、(i)前記非代替性トークンおよび他の非代替性トークンのいずれについても使用が許可された、前記所定地域における社会経済活動の種類を示す情報、ならびに、(ii)前記非代替性トークンおよび他の非代替性トークンのいずれについても使用が許可された、前記1つ以上の地域における社会経済活動の種類を示す情報、の少なくとも一方が記録されている、請求項1、4または5のいずれか1項に記載の地域振興支援装置。
【請求項7】
前記行為情報は、前記ユーザがふるさと納税制度を利用して前記所定地域を管轄する自治体に寄付を行ったことを示す情報であり、
前記NFT発行部は、前記非代替性トークンを、返礼品である前記所定地域の特産品に関連付けて発行する、請求項1、4または5のいずれか1項に記載の地域振興支援装置。
【請求項8】
請求項1、4または5のいずれか1項に記載の地域振興支援装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記情報取得部および前記NFT発行部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項9】
ユーザが所定地域の地域振興に寄与する行為を行ったことを示す行為情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が前記行為情報を取得することにより、前記ユーザに対して非代替性トークンを発行するNFT発行部と、を備え、
前記非代替性トークンには、前記所定地域および前記所定地域と関連付けられた1つ以上の地域のそれぞれについて、
当該地域の識別情報と、
前記非代替性トークンの使用が許可された、当該地域における社会経済活動の種類を示す複数の種類情報と、
当該複数の種類情報のそれぞれについて、前記種類情報が有効化されているか、または前記種類情報が無効化されているか、のいずれか一方を示す有効性情報と、
が記録されており、
前記情報取得部は、前記非代替性トークンの使用回数が基準回数に達したことを示す基準到達情報をさらに取得し、
前記NFT発行部は、前記情報取得部が前記基準到達情報を取得することにより、
前記使用回数が前記基準回数以下の時点で前記種類情報が無効化されていることを示す前記有効性情報を、当該種類情報が有効化されていることを示す内容に更新し、
前記有効性情報を更新した後の前記非代替性トークンを再発行する、地域振興支援システム。
【請求項10】
ユーザが所定地域の地域振興に寄与する行為を行ったことを示す行為情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が前記行為情報を取得することにより、前記ユーザに対して非代替性トークンを発行するNFT発行部と、を備え、
前記非代替性トークンには、前記所定地域および前記所定地域と関連付けられた1つ以上の地域のそれぞれについて、
当該地域の識別情報と、
前記非代替性トークンの使用が許可された、当該地域における社会経済活動の種類を示す種類情報と、
が記録されており、
前記情報取得部は、前記非代替性トークンの使用回数が基準回数に達したことを示す基準到達情報をさらに取得し、
前記情報取得部が前記基準到達情報を取得することにより、前記非代替性トークンに紐づくデジタルコンテンツを、前記使用回数が前記基準回数に達したことを表す内容に更新する更新部をさらに備えた、地域振興支援システム。
【請求項11】
ユーザが所定地域の地域振興に寄与する行為を行ったことを示す行為情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が前記行為情報を取得することにより、前記ユーザに対して非代替性トークンを発行するNFT発行部と、を備え、
前記非代替性トークンには、前記所定地域および前記所定地域と関連付けられた1つ以上の地域のそれぞれについて、
当該地域の識別情報と、
前記非代替性トークンの使用が許可された、当該地域における社会経済活動の種類を示す種類情報と、
前記種類情報が有効化されているか、または前記種類情報が無効化されているか、のいずれか一方を示す有効性情報と、
が記録されており、
前記情報取得部は、所定期間が経過する時点までに前記非代替性トークンが使用されなかったことを示す不使用情報をさらに取得し、
前記NFT発行部は、前記情報取得部が前記不使用情報を取得することにより、前記所定期間が経過する時点で前記種類情報が有効化されていることを示す前記有効性情報を、当該種類情報が無効化されていることを示す内容に更新する、地域振興支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非代替性トークンを利用した地域振興に用いられる地域振興支援装置、プログラム、地域振興支援システムおよび地域振興支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な技術を駆使して地域振興を図る取り組みがなされている。例えば、特許文献1には、登録データが購入要求者によって購入された場合に、登録者または購入要求者に対して、所定の利用可能地域で利用可能な暗号資産またはポイントを付与するための情報を出力する情報処理装置が開示されている。登録データは、画像、動画、音楽等のデジタルコンテンツであり、特許文献1の情報処理装置の登録部が登録データを識別するためのデータ識別情報等を記憶装置に記憶させることにより、当該情報処理装置に登録される。このように、登録データの購入を契機に、登録者または購入要求者が所定の利用可能地域で暗号資産またはポイントを利用できるようになることから、所定の利用可能地域における経済循環を活性化させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7293469号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の開示技術において付与される暗号資産およびポイントは、ともに取引の決済にしか利用できないことから、登録者および購入要求者の多様な利用ニーズに十分応えることができない。また、これらを利用できる地域も、所定の利用可能地域という一地域に限定される。そのため、特許文献1の開示技術は、複数の地域で地域振興を促進させるという点において、必ずしも十分とは言えない。
【0005】
本発明の一態様は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の地域で地域振興を促進させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る地域執行支援装置は、ユーザが所定地域の地域振興に寄与する行為を行ったことを示す行為情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が前記行為情報を取得することにより、前記ユーザに対して非代替性トークンを発行するNFT発行部と、を備え、前記非代替性トークンには、前記所定地域および前記所定地域と関連付けられた1つ以上の地域のそれぞれについて、当該地域の識別情報と、前記非代替性トークンの使用が許可された、当該地域における社会経済活動の種類を示す種類情報と、が記録されている。
【0007】
前記構成によれば、非代替性トークンを各種社会経済活動への参加証等の身分証明に使用できることから、暗号資産、ポイント等よりも用途が広くなる。これにより、暗号資産、ポイント等が付与される場合に比べて、ユーザの使用目的の選択肢が増えて利便性が高まり、ユーザの使用意欲が喚起される。
【0008】
また、請求項1の構成によれば、非代替性トークンの使用可能地域が所定地域のみならず関連地域(所定地域と関連付けられた1つ以上の地域)まで拡大する。したがって、この点においても非代替性トークンの利便性が高まり、ユーザの使用意欲が喚起される。ひいては、非代替性トークンの使用を契機に、ユーザが所定地域および関連地域のそれぞれの社会経済活動に参加する可能性が高まる。
【0009】
以上より、所定地域および関連地域のそれぞれにおいて、ユーザによる非代替性トークンの積極使用を促進でき、非代替性トークンを通じた複数の地域の地域振興を図ることができる。
【0010】
本発明の一態様に係る地域振興支援装置は、前記非代替性トークンには、前記種類情報として、(i)前記非代替性トークンおよび他の非代替性トークンのいずれについても使用が許可された、前記所定地域における社会経済活動の種類を示す情報、ならびに、(ii)前記非代替性トークンおよび他の非代替性トークンのいずれについても使用が許可された、前記1つ以上の地域における社会経済活動の種類を示す情報、の少なくとも一方が記録されている。
【0011】
前記構成によれば、所定地域および関連地域の少なくとも一方において、非代替性トークンを他の非代替性トークンとして代替使用できる。これにより、非代替性トークンを一旦保有すれば、ユーザは他の非代替性トークンの交付を受ける必要が無くなって利便性が高まる。また、非代替性トークンの用途がより広がって価値が向上することから、ユーザの保有意欲および使用意欲の双方が高まる。以上より、非代替性トークンを通じた複数の地域の地域振興をより一層図ることができる。
【0012】
本発明の一態様に係る地域振興支援装置は、前記行為情報は、前記ユーザがふるさと納税制度を利用して前記所定地域を管轄する自治体に寄付を行ったことを示す情報であり、前記NFT発行部は、前記非代替性トークンを、返礼品である前記所定地域の特産品に関連付けて発行する。
【0013】
前記構成によれば、ふるさと納税制度の利用をきっかけとして、ユーザが所定地域の社会経済活動に関与し易くなる。また、特産品を受け取るだけの場合に比べて、ユーザがふるさと納税制度を利用した後も所定地域に関心を持ち続け、ひいては所定地域の社会経済活動に関与する可能性が高まる。以上より、非代替性トークンを通じた所定地域の地域振興をより一層図ることができる。
【0014】
本発明の一態様に係る地域振興支援装置は、前記非代替性トークンには、複数の前記種類情報と、当該複数の前記種類情報のそれぞれについて、前記種類情報が有効化されているか、または前記種類情報が無効化されているか、のいずれか一方を示す有効性情報と、が記録されており、前記情報取得部は、前記非代替性トークンの使用回数が基準回数に達したことを示す基準到達情報をさらに取得し、前記NFT発行部は、前記情報取得部が前記基準到達情報を取得することにより、前記使用回数が前記基準回数以下の時点で前記種類情報が無効化されていることを示す前記有効性情報を、当該種類情報が有効化されていることを示す内容に更新し、前記有効性情報を更新した後の前記非代替性トークンを再発行する。
【0015】
前記構成によれば、使用回数が基準回数を超えると非代替性トークンの使用が許可された社会経済活動の種類が増えることから、使用回数が基準回数を超えるまで非代替性トークンを使用するインセンティブがユーザに働く。これにより、少なくとも、使用回数が基準回数を超えるまでの非代替性トークンの使用が促進される。また、使用回数が基準回数に達して以降も、非代替性トークンの使用が許可された社会経済活動の種類が増えていることからその使用が促進される。以上より、非代替性トークンを通じた複数の地域の地域振興をより一層図ることができる。
【0016】
本発明の一態様に係る地域振興支援装置は、前記情報取得部は、前記非代替性トークンの使用回数が基準回数に達したことを示す基準到達情報をさらに取得し、前記情報取得部が前記基準到達情報を取得することにより、前記非代替性トークンに紐づくデジタルコンテンツを、前記使用回数が前記基準回数に達したことを表す内容に更新する更新部をさらに備えている。
【0017】
前記構成によれば、更新後のデジタルコンテンツは、ユーザが非代替性トークンのリピートユーザであることを示す分かり易い指標となる。ユーザが非代替性トークンのリピートユーザであることは、地域振興への積極的な関与を示すものであることから、ユーザにとって誇らしい事実となる。そのため、その唯一性と相まって、自己主張のツールとしての非代替性トークンの保有価値が高まる。
【0018】
これにより、非代替性トークンの保有価値を高めるインセンティブがユーザに働くことから、非代替性トークンの使用が促進され、非代替性トークンを通じた複数の地域の地域振興をより一層図ることができる。
【0019】
本発明の一態様に係る地域振興支援装置は、前記非代替性トークンには、前記種類情報が有効化されているか、または前記種類情報が無効化されているか、のいずれか一方を示す有効性情報がさらに記録されており、前記情報取得部は、所定期間が経過する時点までに前記非代替性トークンが使用されなかったことを示す不使用情報をさらに取得し、前記NFT発行部は、前記情報取得部が前記不使用情報を取得することにより、前記所定期間が経過する時点で前記種類情報が有効化されていることを示す前記有効性情報を、当該種類情報が無効化されていることを示す内容に更新する。
【0020】
前記構成によれば、所定期間内に非代替性トークンを使用しなかった場合、所定期間経過後は使用できなくなることから、非代替性トークンを所定期間内に最低1回は使用するインセンティブがユーザに働く。これにより、少なくとも、非代替性トークンの所定期間内での使用が促進される。以上より、非代替性トークンを通じた複数の地域の地域振興をより一層図ることができる。
【0021】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る地域振興支援システムは、ユーザが所定地域の地域振興に寄与する行為を行ったことを示す行為情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が前記行為情報を取得することにより、前記ユーザに対して非代替性トークンを発行するNFT発行部と、を備え、前記非代替性トークンには、前記所定地域および前記所定地域と関連付けられた1つ以上の地域のそれぞれについて、当該地域の識別情報と、前記非代替性トークンの使用が許可された、当該地域における社会経済活動の種類を示す種類情報と、が記録されている。
【0022】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る地域振興支援方法は、ユーザが所定地域の地域振興に寄与する行為を行ったことを示す行為情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップにて前記行為情報を取得することにより、前記ユーザに対して非代替性トークンを発行するNFT発行ステップと、を含み、前記非代替性トークンには、前記所定地域および前記所定地域と関連付けられた1つ以上の地域のそれぞれについて、当該地域の識別情報と、前記非代替性トークンの使用が許可された、当該地域における社会経済活動の種類を示す種類情報と、が記録されている。
【0023】
本発明の各態様に係る地域振興支援装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記地域振興支援装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記地域振興支援装置をコンピュータにて実現させる当該地域振興支援装置のプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、非代替性トークンの使用を通じて、複数の地域で地域振興を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態および第2実施形態に係る地域振興支援システムの構成の一例を示す図である。
図2図1に示す地域振興支援システムを構成する地域振興支援装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図3図1に示す地域振興支援システムを構成する管理サーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4図1に示す地域振興支援システムを構成する各端末の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5】ユーザ保有NFTのデータ構造の一例を示す図である。
図6】対象メタデータのデータ構造の一例を示す図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る地域振興支援方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1から図7を参照して、本発明の各実施形態について説明する。本発明の各実施形態の説明では、所定地域として、甲市役所(自治体)が管轄する甲市を例に挙げる。また、所定地域と関連付けられた1つ以上の地域として、乙市役所が管轄する乙市を例に挙げる。勿論、所定地域と関連付けられた1つ以上の地域が乙市を含む2つ以上の市で構成されてもよい。さらに、甲市は乙市と隣接しており、甲市および乙市のそれぞれにおいてユーザ保有NFT200(図5参照)が使用されることをきっかけに、甲市と乙市とで広域経済圏が形成されるものとする。
【0027】
〔第1実施形態〕
<地域振興支援システムの構成>
図1から図4を参照して、本発明の第1実施形態に係る地域振興支援システム100の構成について説明する。地域振興支援システム100は、ユーザ保有NFT200の使用を促進して甲市および乙市の地域振興を図るためのシステムである。ユーザ保有NFTの詳細については後述する。
【0028】
図1に示すように、地域振興支援システム100は、地域振興支援装置10と、ブロックチェーンネットワーク20と、管理サーバ30と、ユーザ側端末40と、甲市側端末50と、乙市側端末60と、を備えている。また、地域振興支援装置10、ブロックチェーンネットワーク20、管理サーバ30、ユーザ側端末40、甲市側端末50および乙市側端末60は、ネットワークNに接続されており、ネットワークNを介して相互に通信可能となっている。ネットワークNは特定の構成に限定されず、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を含んでいてもよい。
【0029】
(地域振興支援装置)
地域振興支援装置10は、ブロックチェーンネットワーク20、管理サーバ30、ユーザ側端末40、甲市側端末50および乙市側端末60のそれぞれからネットワークNを介して送信された各種情報に基づいて処理を行う情報処理装置である。地域振興支援装置10は、例えばパーソナルコンピュータ、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータである。
【0030】
図2に示すように、地域振興支援装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備えている。なお、地域振興支援装置10は、各種操作を受け付けるキーボード、マウス等の入力部、各種情報を出力する出力部を備えていてもよい。出力部の例としては、液晶ディスプレイ等の表示部、プリンタが挙げられる。
【0031】
通信部11は、ブロックチェーンネットワーク20と、管理サーバ30と、ユーザ側端末40と、甲市側端末50と、乙市側端末60と、の間でネットワークNを介した各種情報の送受信を行う。通信部11は、ネットワークアダプタ、ネットワークインターフェースカード等によって実現される。通信部11による通信は、無線通信であってもよいし有線通信であってもよい。記憶部12は、地域振興支援装置10が使用する各種情報を記憶する。記憶部12は、例えばRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、HDD(hard disk drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0032】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)であり、地域振興支援装置10の各部を統括して制御する。また、制御部13は、地域振興支援装置10が具備する各種機能を実現するための処理を実行する。制御部13は、情報取得部131と、NFT発行部132と、更新部133と、を備えている。
【0033】
情報取得部131は、ユーザが甲市の地域振興に寄与する行為を行ったことを示す行為情報を取得する。「甲市の地域振興に寄与する行為」の具体例としては、ユーザが甲市に出向き、(i)甲市内の店舗で商品等を購入したり有料サービスの提供を受けたりする行為、(ii)甲市内で開催される各種イベント(ボランティア活動を含む)に有料または無料で参加する行為、が挙げられる。他の具体例としては、ユーザが甲市に出向くことなく、ユーザ側端末40を操作して、甲市内の店舗が開設しているEC(Electronic Commerce)サイトから商品等を購入する行為、が挙げられる。
【0034】
本実施形態および後掲の第2実施形態では、情報取得部131は、NFT発行部132が発行した非代替性トークン(NOn-Fungible Token、以下、「NFT」)の使用回数が基準回数に達したことを示す基準到達情報をさらに取得する。また、情報取得部131は、所定期間が経過する時点までにNFT発行部132が発行したNFTが使用されなかったことを示す不使用情報をさらに取得する。「基準回数」および「所定期間」の詳細については後述する。
【0035】
NFT発行部132は、情報取得部131が行為情報を取得することにより、ユーザに対してNFTを発行する。NFTは、デジタルアート、ゲームアイテム、トレーディングカード等のデジタルアセットの唯一性および保有者を証明できる、代替性のないトークンである。以下、NFT発行部132がユーザに対して発行するNFTを「ユーザ保有NFT200」と称する。ユーザ保有NFT200には、甲市および乙市のそれぞれについて、当該市の識別情報204と、ユーザ保有NFT200の使用が許可された、当該市における社会経済活動の種類を示す種類情報205と、が記録されている(図5参照)。ユーザ保有NFT200のデータ構造の詳細については後述する。
【0036】
本実施形態および後掲の第2実施形態では、NFT発行部132は、ユーザ保有NFT200の使用回数が基準回数以下の時点で種類情報205が無効化されていることを示す有効性情報206(図6参照)を、当該種類情報205が有効化されていることを示す内容に更新する。そして、NFT発行部132は、有効性情報206を更新した後のユーザ保有NFT200を再発行する。また、NFT発行部132は、所定期間が経過する時点で種類情報205が有効化されていることを示す有効性情報206を、当該種類情報205が無効化されていることを示す内容に更新する。NFT発行部132は、情報取得部131が不使用情報を取得することにより、この更新処理を実行する。有効性情報206の詳細については後述する。
【0037】
更新部133は、情報取得部131が基準到達情報を取得することにより、ユーザ保有NFT200に紐づくデジタルコンテンツを、使用回数が基準回数に達したことを表す内容に更新する。以下、ユーザ保有NFT200に紐づくデジタルコンテンツを「ユーザ保有コンテンツ203」と称する(図5参照)。
【0038】
ユーザ保有コンテンツ203の種類に特段の限定はなく、様々なデジタルコンテンツをユーザ保有NFT200に紐づけることができる。例えば、甲市の公認キャラクター、名所、名品等を示す画像、甲市の紹介動画、甲市で定期的に開催される各種イベントの紹介動画、甲市のテーマソングをユーザ保有コンテンツ203とすることができる。
【0039】
「使用回数が基準回数に達したことを表す内容」の具体例としては、ユーザ保有コンテンツ203としての各種画像の色を、寒色から暖色に変化させたり基本色から銀色、金色に変化させたりすることが挙げられる。また、ユーザ保有コンテンツ203としての音楽の曲風を、よりアップテンポにアレンジしたり、より厳かにアレンジしたりすることが挙げられる。あるいは、ユーザ保有コンテンツ203としてのキャラクター画像を進化、変身させることが挙げられる。
【0040】
(ブロックチェーンネットワーク)
図1に示すブロックチェーンネットワーク20は、ユーザ保有NFT200のブロックチェーンを複数の分散ノード(不図示)に分散して管理する分散型ネットワークである。ブロックチェーンは、ユーザ保有NFT200のトランザクションデータを格納したブロックの列である。トランザクションデータには、例えば、発行者情報と、トークン情報と、取引の日付と、が含まれている。発行者情報は、ユーザ保有NFT200の発行者を識別するための情報であり、例えば発行者のIDである。トークン情報は、取引されたNFTアイテム(例えばユーザ保有コンテンツ203)に対応するトークンに関する情報である。
【0041】
ブロックチェーンネットワーク20は、公知のブロックチェーン技術により実現される。例えば、ブロックチェーンネットワーク20を構成する複数の分散ノードは、新たなトランザクションデータを格納するブロックを生成するためのマイニングを実行する。具体的には、複数のノードのうち、所定のコンセンサスアルゴリズムに基づくマイニングに成功したノードが新たなブロックを生成する。そして、マイニングに成功したノードにより生成された新たなブロックが、正当なブロックとしてブロックチェーンの末尾に追加されるとともに、各ノードが管理するブロックチェーンと正当なブロックが追加されたブロックチェーンとが同期する。
【0042】
ここで、ブロックチェーンが分岐した場合は、最も長いブロックチェーンが正当なブロックチェーンとなる。また、不正なブロックが追加されたブロックチェーンは他のブロックチェーンより短いため、正当なブロックチェーンにより上書きされる。このように、ブロックチェーンネットワーク20が直前のブロックの情報を組み込みながらブロックの生成を繰り返すことで、ブロックチェーンネットワーク20は、ユーザ保有NFT200の取引履歴を改竄が実質的に不可能な態様で記録する。
【0043】
ブロックチェーンネットワーク20は、例えば公知のパブリック型のブロックチェーンネットワークであってもよく、イーサリアム等のスマートコントラクト機能を有するブロックチェーンネットワークであってもよい。
【0044】
(管理サーバ)
管理サーバ30は、ユーザ保有NFT200に関する各種情報を管理する。図3に示すように、管理サーバ30は、通信部31と、制御部32と、記憶部33と、を備えている。なお、管理サーバ30は、入力部および出力部の少なくとも一方を備えていてもよい。
【0045】
通信部31は、地域振興支援装置10と、ブロックチェーンネットワーク20と、ユーザ側端末40と、甲市側端末50と、乙市側端末60と、の間でネットワークNを介した各種情報の送受信を行う。制御部32は、管理サーバ30の各部を統括して制御するとともに、管理サーバ30が具備する各種機能を実現するための処理を実行する。
【0046】
記憶部33は、管理サーバ30が使用する各種情報を記憶し管理する。記憶部33は、コンテンツデータベース331と、NFTデータベース332と、ユーザデータベース333と、を備えている。コンテンツデータベース331は、ユーザ保有コンテンツ203を記憶している。NFTデータベース332は、ユーザ保有NFT200に紐づくメタデータを記憶している。以下、ユーザ保有NFT200に紐づくメタデータを「対象メタデータ202」と称する(図5参照)。対象メタデータ202の詳細については後述する。
【0047】
ユーザデータベース333は、例えば、ユーザの属性情報と、認証情報と、ユーザランクと、を記憶している。ユーザの属性情報は、例えば、年齢、性別、住所、甲市の地域振興に寄与する行為を行った回数および当該行為の種類、ユーザ保有NFT200の使用回数を含んでいる。認証情報は、ユーザ認証に用いる情報であり、例えばパスワードであってもよいし生体認証情報であってもよい。ユーザランクは、ユーザ保有NFT200の使用回数に基づいてユーザに付与されるランク(ステータス)である。つまり、更新部133は、ユーザ保有コンテンツ203をユーザランクに応じた内容に更新する。
【0048】
本実施形態では、ユーザ保有コンテンツ203、対象メタデータ202およびユーザの属性情報等がすべて管理サーバ30という1つのサーバによって管理されているが、この管理態様に限定されない。ユーザ保有コンテンツ203、対象メタデータ202およびユーザの属性情報等は、それぞれ別のサーバに管理されてもよいし、ブロックチェーンネットワーク20を構成する複数の分散ノードの空きストレージで管理されてもよい。
【0049】
(ユーザ側端末、甲市側端末および乙市側端末)
図1に示すユーザ側端末40は、ユーザが使用する端末であり、甲市側端末50は、甲市の担当職員が使用する端末であり、乙市側端末60は、乙市の担当職員が使用する端末である。以下、ユーザ側端末40と、甲市側端末50と、乙市側端末60と、を「各端末」と総称する。各端末は、例えばスマートフォン、タブレット端末、据え置き型のパーソナルコンピュータである。図4に示すように、各端末は、入力部41、51および61と、表示部42、52および62と、通信部43、53および63と、記憶部44、54および64と、制御部45、55および65と、を備えている。
【0050】
入力部41、51および61は、各種操作を受け付けるインターフェースである。表示部42、52および62は、各種情報を表示する出力部である。通信部43、53および63は、地域振興支援装置10と、ブロックチェーンネットワーク20と、管理サーバ30と、他の端末と、の間でネットワークNを介した各種情報の送受信を行う。記憶部44、54および64は、各端末が使用する各種情報を記憶する。制御部45、55および65は、各端末のそれぞれを構成する各部を統括して制御するとともに、各端末が具備する各種機能を実現するための処理を実行する。
【0051】
なお、地域振興支援システム100を構成する情報処理装置に、甲市側端末50および乙市側端末60が含まれることは必須ではない。例えば、甲市側端末50に代えて甲市内の民間事業者、各種団体の端末が含まれていてもよく、乙市側端末60に代えて乙市内の民間事業者、各種団体の端末が含まれていてもよい。この場合、ユーザ保有NFT200を介して複数の地域に跨った事業者間連携が可能となり、民間の活力を源泉とする広域経済圏を実現できる。「民間事業者、各種団体の端末」の例としては、据え置き型のパーソナルコンピュータの他、スマートフォン、タブレット端末、QRコード(登録商標)をスキャン可能なデバイス等が挙げられる。
【0052】
<ユーザ保有NFTのデータ構造>
図5および図6を参照して、ユーザ保有NFT200のデータ構造について説明する。図5に示すように、ユーザ保有NFT200は、インデックスデータ201と、対象メタデータ202と、ユーザ保有コンテンツ203と、で構成されている。具体的には、ユーザ保有NFT200は、対象メタデータ202がインデックスデータ201に紐づけられ、かつ、ユーザ保有コンテンツ203が対象メタデータ202に紐づけられたデータ構造となっている。
【0053】
インデックスデータ201には、例えば、ユーザ保有NFT200の取引履歴と、トークンIDと、保有者情報と、対象メタデータ202のURI(Uniform Resource Identifier)と、が含まれている。トークンIDは、ユーザ保有NFT200と他のNFTとの区別を可能にするための固有の識別子である。保有者情報は、ユーザ保有NFT200の保有者を識別するための情報であり、例えば保有者のウォレットアドレスまたはユーザIDである。対象メタデータ202のURIは、対象メタデータ202の格納場所を示す情報であり、例えば対象メタデータ202のURL(Uniform Resource Locator)である。また、インデックスデータ201は、ブロックチェーンネットワーク20上で管理される。
【0054】
対象メタデータ202には、例えば、コンテンツIDと、ディスクリプションと、ユーザ保有コンテンツ203のURIと、が含まれている。コンテンツIDは、ユーザ保有コンテンツ203と他のデジタルコンテンツとの区別を可能にするための識別子である。ディスクリプションは、ユーザ保有コンテンツ203の説明である。ディスクリプションには、例えば、ユーザ保有コンテンツ203の著作者のIDおよび氏名、タイトル、購入価格、プロパティ等が含まれている。ユーザ保有コンテンツ203のURIは、ユーザ保有コンテンツ203の格納場所を示す情報であり、例えばユーザ保有コンテンツ203のURLである。
【0055】
また、対象メタデータ202には、甲市および乙市のそれぞれの識別情報204と、当該識別情報204に紐づく種類情報205と、が含まれている。識別情報204は、甲市および乙市のそれぞれと他の自治体との区別を可能にするための情報であり、例えば、甲市および乙市のそれぞれに割り当てられた所定のIDである。種類情報205が示す社会経済活動の種類に特段の限定はなく、甲市および乙市のそれぞれで行われているあらゆる種類の社会経済活動が種類情報205の対象となる。
【0056】
本実施形態および後掲の第2実施形態では、図6に示すように、対象メタデータ202が、甲市および乙市のそれぞれに紐づく複数の種類情報205と、複数の種類情報205のそれぞれに紐づく有効性情報206と、を含んでいる。つまり、本実施形態および後掲の第2実施形態では、ユーザ保有NFT200に、複数の種類情報205と、当該複数の種類情報205のそれぞれに紐づく有効性情報206と、が記録されている。
【0057】
有効性情報206は、種類情報205が有効化されているか、または種類情報205が無効化されているか、のいずれか一方を示す情報である。「種類情報205が有効化されている」とは、種類情報205が示す種類の社会経済活動にユーザ保有NFT200を使用することが許可されている状態であり、例えば種類情報205のフラグが立っている状態である。「種類情報205が無効化されている」とは、種類情報205が示す種類の社会経済活動にユーザ保有NFT200を使用することが許可されていない状態であり、例えば種類情報205のフラグが下りている状態である。
【0058】
例えば、ユーザは、甲市または乙市においていずれかの種類情報205が示す種類の社会経済活動に関与したい場合、甲市役所または乙市役所に対して、ユーザ保有NFT200の保有者であることの認証およびユーザ保有NFT200の使用許可を求める。甲市役所は、甲市側端末50を用いて認証処理を行い、かつ使用を許可するか否か決定する。乙市役所は、乙市側端末60を用いて認証処理を行い、かつ使用を許可するか否か決定する。以下、ユーザが関与したい社会経済活動の種類を「関与希望活動」と称する。
【0059】
具体的には、制御部55または65は、ユーザ側端末40から送信された保有者情報と、インデックスデータ201に含まれている保有者情報と、を照合する。そして、両者の情報内容が一致すれば、制御部55または65は、ユーザがユーザ保有NFT200の保有者であることを認証する。
【0060】
保有者であることの認証に成功した場合、制御部55または65は、ユーザ側端末40から送信された希望種類情報が対象メタデータ202に含まれている複数の種類情報205のうちのどの情報と一致するか、確認する。希望種類情報は、関与希望活動の種類を示す情報である。希望種類情報と一致する種類情報205を確認できたら、制御部55または65は、その種類情報205と紐づく有効性情報206の内容を確認する。有効化されていることが確認できれば、制御部55または65は、ユーザ保有NFT200の使用許可を決定する。使用許可の決定が得られたら、ユーザは関与希望活動に関与することが可能となる。一方、保有者であることの認証に失敗した場合、または有効性情報206の内容が無効化の場合、制御部55または65は、ユーザ保有NFT200の使用不許可を決定する。使用不許可の決定が下ると、ユーザは関与希望活動に関与することができない。
【0061】
また、本実施形態および後掲の第2実施形態では、対象メタデータ202が、種類情報205として第1種類情報207および第2種類情報208を含んでいる。第1種類情報207は、ユーザ保有NFT200および他のNFTのいずれについても使用が許可された、甲市における社会経済活動の種類を示す情報である。第2種類情報208は、ユーザ保有NFT200および他のNFTのいずれについても使用が許可された、乙市における社会経済活動の種類を示す情報である。種類情報205、第1種類情報207および第2種類情報208は、ユーザ保有NFT200の発行時点で対象メタデータ202に含まれていてもよいし、ユーザ保有NFT200の発行後に対象メタデータ202に適宜追加されてもよい。
【0062】
ユーザ保有NFT200の発行後に各種類情報が対象メタデータ202に追加されるケースとしては、例えば次のようなケースが想定される。すなわち、ユーザ保有NFT200の発行後、甲市内または乙市内の民間事業者が関与する社会経済活動に対して管轄自治体がユーザ保有NFT200の使用を許可した場合に、その社会経済活動の種類を示す新たな種類情報205が追加されることが想定される。
【0063】
第1種類情報207が示す種類の社会経済活動、および第2種類情報208が示す種類の社会経済活動のそれぞれに特段の限定はない。例えば、これらの種類情報が示す社会経済活動の種類が店舗での商品購入であれば、前述の他のNFTは店舗の限定商品を割引価格で購入できるNFTとしてのデジタル割引購入券が想定される。また例えば、これらの種類情報が示す社会経済活動の種類が抽選会への参加であれば、前述の他のNFTは抽選会に参加できるNFTとしてのデジタル抽選会参加証が想定される。
【0064】
以下、第1種類情報207が示す種類の社会経済活動が甲市主催のボランティア活動であり、第2種類情報208が示す種類の社会経済活動が乙市主催のトークイベントである場合を例に挙げて説明する。この例において、甲市が、ボランティア活動への参加が可能となるNFTとしてデジタルボランティア参加証(他のNFT)を発行している場合、ユーザ保有NFT200はこのデジタルボランティア参加証としても使用できる。また、乙市が、トークイベントへの参加が可能となるNFTとしてデジタルイベント参加証(他のNFT)を発行している場合、ユーザ保有NFT200はこのデジタルイベント参加証としても使用できる。
【0065】
なお、対象メタデータ202は、種類情報205として第1種類情報207のみを含んでいてもよいし、第2種類情報208のみを含んでいてもよい。つまり、ユーザ保有NFT200は、種類情報205として、(i)第1種類情報207および(ii)第2種類情報208の少なくとも一方を記録していればよい。あるいは、対象メタデータ202は、第1種類情報207および第2種類情報208の両方を含んでいなくてもよい。
【0066】
さらに、本実施形態および後掲の第2実施形態では、ユーザ保有NFT200を構成する各データのうち、インデックスデータ201のみがオンチェーンデータとしてブロックチェーンネットワーク20上で管理されている。言い換えれば、インデックスデータ201のみが、トークン情報としてトランザクションデータに含まれている。
【0067】
ただし、ユーザ保有NFT200は、このようなデータ管理の態様に限定されない。例えば、インデックスデータ201および対象メタデータ202が、オンチェーンデータとしてブロックチェーンネットワーク20上で管理されていてもよい。この場合、対象メタデータ202のURIは省略されてよい。あるいは、ユーザ保有NFT200を構成する各データのすべてが、オンチェーンデータとしてブロックチェーンネットワーク20上で管理されていてもよい。この場合、対象メタデータ202のURIおよびユーザ保有コンテンツ203のURIは省略されてよい。
【0068】
<地域振興支援システムによる地域振興支援方法>
図7を参照して、地域振興支援システム100による地域振興支援方法について説明する。まず、図7に示すフローチャートのステップS(以下、「S」と略記)100では、情報取得部131が行為情報を取得する。S100は、本発明の一態様に係る地域振興支援方法における情報取得ステップの一例である。行為情報は、例えばユーザから地域振興に寄与する行為を受けた民間事業者、各種団体の端末(不図示)から送信されてもよい。あるいは、行為情報は、当該行為情報の履歴を記録しているユーザ側端末40から送信されてもよいし、前述の民間事業者等の端末から情報提供を受けた甲市側端末50から送信されてもよい。そして、情報取得部131は、行為情報を取得したことを示す第1取得情報をNFT発行部132に送信する。
【0069】
次に、S101では、NFT発行部132が、情報取得部131から第1取得情報を受信することにより、ユーザに対してユーザ保有NFT200を発行する。S100は、本発明の一態様に係る地域振興支援方法におけるNFT発行ステップの一例である。具体的には、NFT発行部132は、インデックスデータ201を生成してブロックチェーンネットワーク20に送信する。ブロックチェーンネットワーク20に送信されたインデックスデータ201は、ブロックチェーンネットワーク20上に直接書き込まれてオンチェーン状態になる。また、NFT発行部132は、対象メタデータ202およびユーザ保有コンテンツ203を生成して管理サーバ30に送信する。管理サーバ30に送信された対象メタデータ202およびユーザ保有コンテンツ203は、管理サーバ30にアップロードされる。
【0070】
なお、ユーザ保有コンテンツ203については、不図示のコンテンツ生成部がNFT発行部132の生成指令を受けて生成してもよい。あるいは、複数のユーザ保有コンテンツ203を予めコンテンツデータベース331に記憶させておき、NFT発行部132がこれらの中からいずれか1つ以上のユーザ保有コンテンツ203を選択してもよい。
【0071】
ユーザ保有NFT200の発行後、情報取得部131が不使用情報を取得した場合(S102でYES)、情報取得部131は、不使用情報を取得したことを示す第2取得情報をNFT発行部132に送信する。不使用情報は、例えば、種類情報205が示す種類の社会経済活動に関与している民間事業者等の端末から、所定期間中のユーザ保有NFT200の使用実績が記録されていなかった場合に送信されてもよい。また例えば、不使用情報は、所定期間中のユーザ保有NFT200の使用履歴が記憶部44に記録されていなかった場合に、ユーザ側端末40から送信されてもよい。あるいは、不使用情報は、市内の民間事業者等の端末からユーザ保有NFT200の使用情報を随時受信している甲市側端末50、乙市側端末60のいずれから、所定期間中に使用情報を受信しなかった場合に送信されてもよい。
【0072】
本実施形態および後掲の第2実施形態では、所定期間が順次連続して設定されるものとする。具体的には、NFT発行部132がユーザ保有NFT200を発行した時点を1回目の所定期間の起算時とし、1回目の所定期間が経過した時点を2回目の所定期間の起算時とする。そして、この法則に則って3回目以降の所定期間が順次設定される。また、何回目の所定期間であるかに関わらず常に同じ長さの期間であってもよいし、例えば「1回目の所定期間:3ヶ月、2回目の所定期間:6ヶ月、3回目の所定期間:1年、…」のように何回目の所定期間であるかによって期間の長さが変わってもよい。このような所定期間に関する情報は、例えば記憶部44、54または64のいずれかに予め記憶される。ただし、所定期間が1回だけ設定されていてもよい。
【0073】
次に、S103では、NFT発行部132が、情報取得部131から第2取得情報を受信することにより有効性情報206を更新する。具体的には、NFT発行部132は、所定期間が経過する時点で種類情報205が有効化されていることを示す1つ以上の有効性情報206のうち、特定の1つ以上の有効性情報206を、種類情報205が無効化されていることを示す内容に更新する。この更新処理により、所定期間が経過する時点で有効化されていた1つ以上の種類情報205のうちのいくつかが無効化される。そして、NFT発行部132は、有効性情報206を更新した後、つまり種類情報205を無効化した後のユーザ保有NFT200をユーザに対して再発行する。
【0074】
特定の1つ以上の有効性情報206をどの有効性情報206にするかは任意である。例えば、NFT発行部132は、情報取得部131が不使用情報を取得する毎に、所定期間の経過後に開催される社会経済活動の種類の中で参加費用・料金がより高い種類を示す種類情報205に紐づく有効性情報206を、特定の1つ以上の有効性情報206として選択してもよい。あるいは、NFT発行部132は、情報取得部131が不使用情報を取得する毎に、所定期間の経過後に開催される社会経済活動の種類の中でより人気が高い種類を示す種類情報205に紐づく有効性情報206を、特定の1つ以上の有効性情報206として選択してもよい。
【0075】
次に、S104では、NFT発行部132が、対象メタデータ202に含まれている複数の種類情報205のすべてが無効化されているかどうか確認する。すべてが無効化されていることを確認した場合(S104でYES)、NFT発行部132は、ユーザに対するユーザ保有NFT200の使用の許可を取り消す(S105)。S105の処理が終了することにより、地域振興支援システム100が実行するすべての処理が終了する。一方、複数の種類情報205の一部が有効化されていることを確認した場合(S104でNO)、NFT発行部132は、S102以降の処理を再び実行する。
【0076】
なお、NFT発行部132は、情報取得部131が不使用情報を取得することにより、S103において、所定期間が経過する時点で有効化されていた1つ以上の種類情報205のすべてを無効化してもよい。この場合、S104の処理は不要となる。
【0077】
また、NFT発行部132は、S105においてユーザ保有NFT200の使用の許可を取り消した場合、取り消し後のユーザ保有NFT200を回収してもよい。具体的には、NFT発行部132は、ブロックチェーンネットワーク20および管理サーバ30のそれぞれにデータの消去指令を出すことにより、これらの情報処理装置が管理しているユーザ保有NFT200の構成データを消去する。かつ、NFT発行部132は、ユーザ保有NFT200の構成データを例えば記憶部12に記憶させる。あるいは、NFT発行部132は、取り消し後のユーザ保有NFT200の構成データのうち、インデックスデータ201および対象メタデータ202を消去してもよい。この場合、ユーザは、ユーザ保有コンテンツ203を管理サーバ30の管理下において引き続き保有することになる。
【0078】
ユーザ保有NFT200の発行後、情報取得部131が不使用情報を取得することなく(S102でNO)基準到達情報を取得した場合(S106でYES)、情報取得部131は、第3取得情報をNFT発行部132および更新部133に送信する。第3取得情報は、情報取得部131が基準到達情報を取得したことを示す情報である。
【0079】
基準到達情報は、例えば、種類情報205が示す種類の社会経済活動に関与している民間事業者等の端末から、ユーザ保有NFT200の基準回数の使用実績が記録されていた場合に送信されてもよい。また例えば、基準到達情報は、ユーザ保有NFT200の基準回数の使用履歴が記憶部44に記録されていた場合に、ユーザ側端末40から送信されてもよい。あるいは、不使用情報は、市内の民間事業者等の端末からユーザ保有NFT200の使用情報を随時受信している甲市側端末50、乙市側端末60のいずれから、使用情報を基準回数受信した場合に送信されてもよい。
【0080】
一方、ユーザ保有NFT200の発行後、情報取得部131が不使用情報を取得することなく(S102でNO)基準到達情報も取得しない場合(S106でNO)、S102以降の処理が再び実行される。
【0081】
次に、S107では、NFT発行部132が、情報取得部131から第3取得情報を受信することにより有効性情報206を更新する。具体的には、NFT発行部132は、ユーザ保有NFT200の使用回数が基準回数以下の時点で種類情報205が無効化されていることを示す1つ以上の有効性情報206のうち、特定の1つ以上の有効性情報206を、種類情報205が有効化されていることを示す内容に更新する。
【0082】
本実施形態および後掲の第2実施形態では、例えば「1段階目の基準回数:5回、2段階目の基準回数:10回、3段階目の基準回数:20回、…」のように基準回数が段階的に設定されるものとする。この例において、基準回数の「回数」は、ユーザ保有NFT200の総使用回数を意味する。このような基準回数に関する情報は、例えば記憶部44、54または64のいずれかに予め記憶される。ただし、1つの基準回数しか設定されていなくてもよい。
【0083】
特定の1つ以上の有効性情報206をどの有効性情報206にするかは任意である。例えば、NFT発行部132は、情報取得部131が基準到達情報を取得する毎に、基準回数の到達時点以降に開催される社会経済活動の種類の中で参加費用・料金がより高い種類を示す種類情報205に紐づく有効性情報206を、特定の1つ以上の有効性情報206として選択してもよい。あるいは、NFT発行部132は、情報取得部131が基準到達情報を取得する毎に、基準回数の到達時点以降に開催される社会経済活動の種類の中でより人気が高い種類を示す種類情報205に紐づく有効性情報206を、特定の1つ以上の有効性情報206として選択してもよい。
【0084】
以上のような更新処理により、ユーザ保有NFT200の使用回数が基準回数以下の時点で無効化されていた1つ以上の種類情報205のうちのいくつかが有効化される。なお、1つの基準回数しか設定されていない場合、NFT発行部132は、S107において、使用回数が基準回数以下の時点で無効化されていた1つ以上の種類情報205のすべてを有効化してもよい。
【0085】
次に、S108では、更新部133が、情報取得部131から第3取得情報を受信することによりユーザ保有コンテンツ203を更新する。具体的には、更新部133は、基準回数の数値に応じた内容のユーザ保有コンテンツ203を新たに生成した上で、コンテンツデータベース331に記憶されている従前のユーザ保有コンテンツ203を新たなユーザ保有コンテンツ203に差し替える。そして、更新部133は、ユーザ保有コンテンツ203を更新したことを示す更新情報をNFT発行部132に送信する。
【0086】
本実施形態および後掲の第2次実施形態では、基準回数が段階的に設定されている、言い換えれば情報取得部131が基準到達情報を複数回取得することから、更新部133もユーザ保有コンテンツ203を複数回更新する。複数回に亘る更新の態様に特段の限定はないが、基準到達情報の取得回数が増える毎にユーザのランク(ステータス)が上がったことが分かるような更新の態様とするのが、ユーザの保有意欲・使用意欲をより喚起する点で好ましい。なお、S107およびS108の処理の順番は前後が入れ替わってもよい。
【0087】
次に、S109では、NFT発行部132が、更新部133から更新情報を受信することにより、有効性情報206およびユーザ保有コンテンツ203を更新した後のユーザ保有NFT200をユーザに対して再発行する。次に、S110では、NFT発行部132が、所定期間が経過しているかどうか確認する。所定期間が経過していることを確認した場合(S110でYES)、S102以降の処理が再び実行される。一方、所定期間が経過していないことを確認した場合(S110でNO)、S106以降の処理が再び実行される。なお、1つの基準回数しか設定されていない場合、2回目以降のS106の処理では、必ずNOの判定結果となる。
【0088】
<変形例>
まず、甲市と乙市とが隣接している必要はなく、例えば乙市が外国の市であってもよい。つまり、地理的な面で言えば、甲市が日本国内のいずれかの市であればよく、甲市と乙市との位置関係に特段の限定はない。また、甲市と乙市とは、例えば国内の姉妹都市・友好都市の関係、国際的な姉妹都市・友好都市の関係、国際的なパートナー都市の関係のように、社会的な面および経済的な面の少なくとも一方において互いに関連付けられていればよい。さらには、地域振興支援システム100の対象地域は市に限定されず、例えば県単位、町村区の単位、あるいはこれらの単位の組み合わせ(県と町、町と区と区など)で対象地域としてもよい。
【0089】
次に、対象メタデータ202に有効性情報206が含まれていなくてもよく、種類情報205が常に有効化されていてもよい。この場合、所定期間および基準回数の設定は不要となり、情報取得部131が不使用情報および基準到達情報を取得することもなくなる。また、この場合、更新部133は不要となり、NFT発行部132がユーザ保有NFT200を再発行することもなくなる。つまり、情報取得部131は、少なくとも行為情報を取得するものであればよい。また、NFT発行部132が発行するユーザ保有NFT200には、甲市および乙市のそれぞれについて、少なくとも、当該市の識別情報204と種類情報205とが記録されていればよい。
【0090】
次に、地域振興支援装置10は、情報取得部131およびNFT発行部132の両方を備えている必要はなく、情報取得部131またはNFT発行部132のいずれか一方のみを備えていてもよい。あるいは、地域振興支援システム100が地域振興支援装置10を備えておらず、情報取得部131およびNFT発行部132が管理サーバ30等に備わっていてもよい。つまり、地域振興支援システム100を構成する複数の情報処理装置のいずれかに、情報取得部131およびNFT発行部132が備わっていればよい。
【0091】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、第1実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0092】
本実施形態では、情報取得部131が、行為情報として寄付情報を取得することが必須である点において、第1実施形態と異なる。寄付情報は、ユーザがふるさと納税制度を利用して甲市役所に寄付を行ったことを示す情報である。寄付情報は、例えばユーザ側端末40から送信されてもよいし、甲市側端末50から送信されてもよい。また、本実施形態では、NFT発行部132がユーザ保有NFT200を返礼品に関連付けて発行する点においても、第1実施形態と異なる。ユーザ保有NFT200に関連付けられる返礼品は、甲市の特産品である。
【0093】
一般的に、特産品は、デジタルアセット、NFT等に比べて幅広い年齢層に馴染みがあり、親しまれている。そのため、ユーザ保有NFT200に関連付けられる返礼品が甲市の特産品であれば、返礼品がデジタルアセット、NFT等の場合に比べて、幅広い年齢層のユーザに甲市のふるさと納税制度への興味、関心を持たせることができる。そして、その結果として、幅広い年齢層のユーザにユーザ保有NFT200を認知させることができる。これらのことから、ユーザ保有NFT200に関連付けられる返礼品がデジタルアセット、NFT等の場合に比べてユーザ保有NFT200の保有者数が増加する可能性が高まり、ひいてはユーザ保有NFT200の利用促進の可能性が高まる。
【0094】
〔ソフトウェアによる実現例〕
地域振興支援装置10(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部13に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0095】
この場合、前記装置は、前記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により前記プログラムを実行することにより、前記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0096】
前記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、前記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、前記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して前記装置に供給されてもよい。
【0097】
また、前記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、前記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより前記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0098】
〔付記事項〕
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
10 地域振興支援装置
100 地域振興支援システム
131 情報取得部
132 NFT発行部
133 更新部
200 ユーザ保有NFT(非代替性トークン)
203 ユーザ保有コンテンツ(デジタルコンテンツ)
204 識別情報
205 種類情報
206 有効性情報
207 第1種類情報
208 第2種類情報
【要約】
【課題】非代替性トークンの使用を通じて、複数の地域で地域振興を促進させる。
【解決手段】地域振興支援装置(10)は、行為情報を取得する情報取得部(131)と、ユーザ保有NFT(200)を発行するNFT発行部(132)と、を備え、ユーザ保有NFT(200)には、甲市および乙市のそれぞれについて、識別情報(204)と種類情報(205)とが記録されている。
【選択図】図2
図1
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図7