(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】ヒンジ式コネクタ
(51)【国際特許分類】
E04B 1/58 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
E04B1/58 506L
E04B1/58 504L
(21)【出願番号】P 2020561613
(86)(22)【出願日】2019-01-25
(86)【国際出願番号】 US2019015285
(87)【国際公開番号】W WO2019148034
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-24
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506244375
【氏名又は名称】シンプソン ストロング タイ カンパニー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベントン、ジェームズ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ホランド、レイチェル マリー
(72)【発明者】
【氏名】エバンス、トーマス ジー.
(72)【発明者】
【氏名】シュタウファー、ティモシー エム.
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05553961(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0026907(US,A1)
【文献】特開2001-040766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ式コネクタを使用して第1構造部材を第2構造部材に取り付ける接続であって、
a.平面の取付け面及び隣接する端面を有する前記第1構造部材と、
b.平面の取付け面及び隣接する端面を有する前記第2構造部材であって、前記第2構造部材の前記取付け面が、前記第1構造部材の前記取付け面と同じ平面にある、前記第2構造部材と、
c.前記第1構造部材及び前記第2構造部材に取り付けられたヒンジ式コネクタであって、
1.前記第1構造部材に取り付けられた実質的に平面の底部部材と、
2.前記第2構造部材に取り付けられ、前記底部部材と同じ平面に延びる実質的に平面の上部部材と、
3.延長部を有する各々の前記底部部材及び前記上部部材であって、前記底部部材の前記延長部が、前記上部部材の前記延長部と重なり合い、前記延長部の一方が、前記上部部材及び前記底部部材と同じ平面に延び、前記延長部の他方が、前記上部部材及び前記底部部材からオフセットされており、前記延長部の各々が、縁部が形成された円形開口部を有し、前記開口部の1つには、前記開口部の縁部に1つ以上のフランジが形成されており、前記1つ以上の環状フランジが、他方の前記開口部によって収容され、前記1つ以上の環状フランジが、前記開口部の前記縁部を越えて、前記開口部の前記縁部から離れて延びてヒンジを形成し、前記底部部材及び前記上部部材を接続して枢動運動させる、前記底部部材及び前記上部部材と
を含むヒンジ式コネクタと、
d.前記底部部材を前記第1構造部材に、前記上部部材を前記第2構造部材に接続する1つ以上のファスナと
を備え、
e.オフセットされた前記延長部は、実質的に平面状であり、平面を画定しており、
f.1つ以上のエンボスが、前記上部部材及び前記底部部材からオフセットされた延長部に形成されており、前記1つ以上のエンボスが、前記オフセットされた前記延長部の前記開口部を囲むか又は部分的に囲んでおり、前記1つ以上のエンボスが、前記第1構造部材及び前記第2構造部材から離れて、前記オフセットされた前記延長部により規定される前記平面から突出しており、前記オフセットされた前記延長部の前記開口部の前記縁部は、前記オフセットされた前記延長部により規定される前記平面上に存在する、
接続。
【請求項2】
前記開口部の前記縁部を越えて、前記開口部の前記縁部から離れて延び、枢動運動のために前記底部部材及び前記上部部材を接続する前記1つ以上の環状フランジが、前記環状フランジが取り付けられた前記開口部を完全に囲む単一の連続したフランジである、請求項1に記載の接続。
【請求項3】
前記上部部材及び前記底部部材からオフセットされた前記延長部に形成された前記1つ以上のエンボスが、オフセットされた前記延長部の前記開口部を完全に囲む単一の連続したエンボスである、請求項1に記載の接続。
【請求項4】
前記単一の連続したエンボスが円形である、請求項3に記載の接続。
【請求項5】
割出しフランジが、前記上部部材及び前記底部部材に取り付けられており、
割出フランジの1つは、前記第1構造部材の隣接する端面と接触し、前記割出フランジの1つは、前記第2構造部材の隣接する端面と接触する、
請求項1に記載の接続。
【請求項6】
前記割出しフランジが、実質的に平面状であり、前記延長部の前記円形開口部を通る直径と実質的に整列している、請求項5に記載の接続。
【請求項7】
前記上部部材の前記割出しフランジが、前記底部部材の前記割出しフランジと接触することができる、請求項6に記載の接続。
【請求項8】
前記底部部材が、前記第1構造部材の2つの表面のみに取り付けられ、前記上部部材が、前記第2構造部材の2つの表面のみに取り付けられている、請求項1に記載の接続。
【請求項9】
前記オフセットされた前記延長部が前記上部部材又は底部部材と接する部分に、湾曲部分が形成された段付き接合部が形成されており、前記湾曲部分は、前記ヒンジの軸を中心とした半径を有する円の円弧である、請求項1に記載の接続。
【請求項10】
a.前記第1構造部材には、反対側の第2取付け面が形成されており、前記第1構造部材の隣接する前記端面が、前記第1構造部材の第1取付け面と反対側の前記第2取付け面とを接続し、
b.前記第2構造部材にはまた、反対側の第2取付け面が形成されており、前記第2構造部材の隣接する前記端面が、前記第2構造部材の前記取付け面と反対側の前記第2取付け面とを接続し、
c.前記第1及び第2構造部材の前記平面の取付け面に取り付けられたヒンジ式コネクタと同一の第2コネクタが、前記第1及び第2構造部材の反対側の前記第2取付け面に取り付けられており、前記第2コネクタが、前記第2構造部材に接続された底部部材と、前記第1構造部材に接続された上部部材とを有し、前記第2コネクタが、前記底部部材を前記上部部材に接続するヒンジも有し、前記第2コネクタの前記底部部材には、前記ヒンジ式コネクタの前記底部部材の前記1つ以上のファスナと同じ位置に配置された1つ以上のファスナ開口部が形成されており、前記第2コネクタの前記上部部材には、前記ヒンジ式コネクタの前記上部部材の前記ファスナと同じ位置に配置された1つ以上のファスナ開口部が形成されており、
d.前記第2コネクタのヒンジと前記ヒンジ式コネクタのヒンジが位置合わせされており、前記ヒンジ式コネクタの前記底部部材と前記第2コネクタの前記上部部材とが、前記第1構造部材上で互いに重なり合い、前記ヒンジ式コネクタの前記底部部材のファスナ開口部が、前記第2コネクタの前記上部部材の前記ファスナ開口部に対してずれており、前記第2コネクタの前記底部部材と前記ヒンジ式コネクタの前記上部部材とが互いに重なり合い、前記第2コネクタの前記底部部材の前記ファスナ開口部が、前記
ヒンジ式コネクタの前記上部部材のファスナ開口部に対してずれている、
請求項1に記載の接続。
【請求項11】
前記第2コネクタにおいて、前記開口部の前記縁部を越えて、前記開口部の前記縁部から離れて延び、枢動運動のために前記底部部材及び前記上部部材を接続する前記1つ以上の環状フランジが、前記環状フランジが取り付けられた前記開口部を完全に囲む単一の連続したフランジである、請求項10に記載の接続。
【請求項12】
a.前記第2コネクタにおいて、前記第2コネクタの前記底部部材及び前記上部部材の各々は、延長部を有し、前記底部部材の前記延長部が、前記上部部材の前記延長部と重なり合い、前記延長部の一方が、前記上部部材及び前記底部部材と同じ平面に延び、前記延長部の他方が、前記上部部材及び前記底部部材からオフセットされており、前記延長部の各々が、縁部が形成された円形開口部を有し、前記開口部の1つには、前記開口部の縁部に1つ以上のフランジが形成されており、前記1つ以上の環状フランジが、他方の前記開口部によって収容され、前記1つ以上の環状フランジが、前記開口部の前記縁部を越えて、前記開口部の前記縁部から離れて延びてヒンジを形成し、前記底部部材及び前記上部部材を接続して枢動運動させ、前記オフセットされた前記延長部は、実質的に平面状であり、平面を画定しており、
b.前記第2コネクタにおいて、1つ以上のエンボスが、前記上部部材及び前記底部部材からオフセットされた延長部に形成されており、前記1つ以上のエンボスが、前記第1構造部材及び前記第2構造部材から離れて、前記オフセットされた前記延長部により規定される前記平面から突出しており、前記オフセットされた前記延長部の前記開口部の前記縁部は、前記オフセットされた前記延長部により規定される前記平面上に存在し、前記1つ以上のエンボスが、オフセットされた前記延長部の前記開口部を囲むか又は部分的に囲む、請求項10に記載の接続。
【請求項13】
前記第2コネクタにおいて、前記上部部材及び前記底部部材からオフセットされた前記延長部に形成された前記1つ以上のエンボスが、オフセットされた前記延長部の前記開口部を完全に囲む単一の連続したエンボスである、請求項12に記載の接続。
【請求項14】
前記第2コネクタにおいて、前記単一の連続したエンボスが円形である、請求項13に記載の接続。
【請求項15】
前記第2コネクタにおいて、割出しフランジが、前記上部部材及び前記底部部材に取り付けられており、割出フランジの1つは、前記第1構造部材の隣接する端面と接触し、前記割出フランジの1つは、前記第2構造部材の隣接する端面と接触する、請求項10に記載の接続。
【請求項16】
前記第2コネクタにおいて、前記割出しフランジが、実質的に平面状であり、前記延長部の前記円形開口部を通る直径と実質的に整列している、請求項15に記載の接続。
【請求項17】
前記第2コネクタにおいて、前記上部部材の前記割出しフランジが、前記底部部材の前記割出しフランジと接触することができる、請求項16に記載の接続。
【請求項18】
前記第2コネクタにおいて、前記底部部材が、前記第2構造部材の2つの表面のみに取り付けられ、前記上部部材が、前記第1構造部材の2つの表面のみに取り付けられている、請求項10に記載の接続。
【請求項19】
前記第2コネクタにおいて、前記オフセットされた前記延長部が前記上部部材又は底部部材と接する部分に、湾曲部分が形成された段付き接合部が形成されており、前記湾曲部分は、前記ヒンジの軸を中心とした半径を有する円の円弧である、請求項12に記載の接続。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、コネクタ及びファスナによって2つの構造部材間の接続を提供する。コネクタにはヒンジが設けられているので、構造部材は、結合して、折り重ねた又は折り畳んだ状態で作業現場に輸送することができる。構造部材が現場に到着し、組み立てる準備が整うと、第2展開位置に移動される。
【0002】
ヒンジ式コネクタは、当技術分野でよく知られており、輸送中に折り畳む必要がある大きなトラスに特に適している。ヒンジ継手は、トラスが製造される工場で部材を接続することが有益であるトラスの部材間の接続に使用されるが、部材が互いに対して回転可能であるように部材を接続するため、トラスは、折り畳んだ状態で輸送することができる。Michael M.Oldenによって発明され、1996年に発行された米国特許第5553961号明細書は、折り畳んだ状態でトラスを移送するのに有用なヒンジ式コネクタを教示している。米国特許第5553961号明細書は、発明者によれば、1983年5月10日に再発行された米国再発行特許31234号明細書に対する改良特許であると見なされた。
【0003】
本発明は、製造及び設置が安価であり、しかも頑丈な、接続される構造部材の両側に対で設置することができるコネクタを提供することにより、従来技術を改善する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第5553961号明細書
【文献】米国再発行特許31234号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、構造部材が互いに対して枢動することを可能にしつつ、ヒンジ式コネクタが接続する構造部材間の強力な接続を行うことができるヒンジ式コネクタを提供することである。ヒンジ式コネクタは、略同一平面上にある2つの第1構造部材と第2構造部材とを取り付けるために使用され、構造部材が回転する平面に対して横断方向又は垂直方向の軸の周りに、構造部材の平面内で、構造部材を枢動させることができる。
【0006】
本発明のさらなる目的は、ファスナが互いに干渉することなくコネクタを対で使用することができるようにファスナ開口部が配置されたコネクタを提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、コネクタを構成する部材又はプレートに、ヒンジを形成するように接合された延長部が形成されているコネクタを提供することである。部材の1つの延長部にはオフセットが設けられているため、延長部は密接に重なり合って強力な接続を形成することができる。コネクタは、好ましくは、オフセットがプレートとヒンジを有する延長部との間の一対の角度付きオフセット屈曲部から形成されるように、冷間成形された板金から作製される。
【0008】
本発明のさらなる目的は、枢動可能に接続された部材に、割出しフランジが接続する構造部材の端面と係合してコネクタを適切に位置決めするのを助ける割出しフランジが形成された、コネクタを提供することである。これは、ヒンジ式コネクタを構造部材の両面で位置合わせして対で使用する場合に特に重要であり得る。ヒンジの回転軸を揃えることが重要である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】コネクタの部材がヒンジの周りを回転した、本発明のコネクタの正面斜視図である。
【
図10】
図4に示される視線に沿った、
図1のコネクタの断面上面図である。
【
図11】本発明に従って形成された接続の側面図であり、コネクタによって接続された構造部材は、折り畳まれた状態に配置されている。
【
図12】本発明に従って形成された接続の側面図であり、コネクタによって接続された構造部材は、設置されたときの最終構成に配置されている。
【
図14】第2コネクタが構造部材の反対の面に取り付けられた、
図13に示される接続の斜視図である。
【
図15】第2コネクタが構造部材の反対側に設けられていることを除いて、
図15に示されている接続の側面図である。反対側のコネクタのファスナ及び開口部は点線で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図11及び
図12に示すように、本発明によれば、ヒンジ式コネクタ1は、第1構造部材2及び第2構造部材3に取り付けられる。コネクタ1は、ファスナ4で第1構造部材2及び第2構造部材3に取り付けられる。好ましいファスナ4は釘であるが、ねじ又は釘プロング歯のような他のファスナを使用してもよい。本発明の好ましいコネクタ1は、好ましくは板金ブランクから作製される、重なり合う底部部材5及び上部部材6から形成される。重なり合う部材5及び部材6は、ヒンジ7で接続される。ヒンジを含むコネクタは、好ましくは、板金ブランクから冷間成形される。
【0011】
図1に示すように、コネクタ1は、第1構造部材2に接続されるように適合された実質的に平面の底部部材5からなる。底部部材5には、対向する表面8及び裏面9が形成されている。裏面9は、第1構造部材2の取付け面10と接触する。第1構造部材2はまた、取付け面10に対して直角に配置された、隣接する端面11を有することができる。取付け面10と端面11とは縁部12で交わる。底部部材5にはまた、略平面の底部部材5に対して直角に配置された、割出しフランジ13が形成され得る。割出しフランジ13は、隣接する端面11と接触するように設計されており、それにより、ファスナ4及び底部部材5を第1構造部材2に対して位置決めする。底部部材5にはまた、上部部材6に接続された平面延長部24に枢動可能に接続するように適合されたオフセット延長部14が形成されている。好ましくは、底部部材5には、ファスナ開口部15が設けられる。
【0012】
図1に示すように、コネクタ1はまた、第2構造部材3に接続されるように適合された実質的に平面の上部部材6からなる。上部部材6には、対向する表面18及び裏面19が形成されている。裏面19は、第2構造部材3の取付け面20と接触する。第2構造部材3はまた、取付け面20に対して直角に配置された、隣接する端面21を有することができる。取付け面20と端面21とは縁部22で交わる。上部部材6にはまた、略平面の上部部材6に対して直角に配置された、割出しフランジ23が形成され得る。割出しフランジ23は、隣接する端面21と接触するように設計されており、それにより、ファスナ4及び上部部材6を第2構造部材3に対して位置決めする。好ましくは、上部部材6には、ファスナ開口部25が設けられる。図示及び説明されているように、底部部材の延長部は底部部材の平面からオフセットされ、上部部材の延長部は上部部材の平面にあるが、上部部材の延長部が上部部材の平面からオフセットされ、底部部材の延長部が底部部材の平面にあってもよい。
【0013】
図3及び
図10に示すように、部材5及び部材6を接続し、部材を互いに対して枢動させるヒンジ7は、以下のように形成することができる。底部部材5のオフセット延長部14は、底部部材5に略平行に延びるが、底部部材5に接続される段付き接合部16によって底部部材5の平面からオフセットされる。オフセット延長部14は、内面17及び外面37を有する。平面延長部24は、実質的に平面であり、上部部材6に沿って延びる。平面延長部24は、内面27及び外面47を有する。オフセット延長部14の内面17は、平面延長部24の外面47の上にあり、外面47と接触する。
【0014】
オフセット延長部14には円形開口部30が形成され、平面延長部24には対応する円形開口部40が形成される。好ましくは、対応する円形開口部29には、平面延長部24の外面47から上方に突出する1つ以上の環状フランジ41が少なくとも部分的に設けられる。開口部全体が囲まれていない場合、対応する円形開口部40の少なくとも一対の対向する部分に、1つ以上の環状フランジ41が設けられる。より好ましくは、対応する円形開口部40の周囲の飛び飛びの、円形開口部40の3つ以上の部分に、1つ以上の環状フランジ41が設けられる。最も好ましくは、開口部40全体に、1つの連続した環状フランジ41が設けられる。ヒンジを形成して、2つの部材5及び部材6を結合するために、オフセット延長部14は、平面延長部24の上面に配置されており、平面延長部24の対応する円形開口部40の環状フランジ41は、オフセット延長部14の円形開口部30を通して挿入される。次に、環状フランジ41の上側部分42が、オフセット延長部14の円形開口部30の縁部32を越えて曲がるように変形される。環状フランジ41の曲がった上側部分42は、半径方向外向きに延び、オフセット延長部14の外面18の上にあり、2つの部材5及び部材6を一緒に接続する。このように接続されると、延長部14及び延長部24は、重なり合う延長部14及び延長部24に対して直角に配置された軸34の周りを互いに対して回転することができる。オフセット延長部14は、底部部材5に接続されたものとして説明されているが、オフセット延長部は、上部部材6から延びることもでき、平面延長部は、底部部材5の一部であってもよい。環状フランジ41は、好ましい実施形態によれば、平面延長部24の外面28から上向きに突出し、環状フランジ41が第1構造部材2及び第2構造部材3の取付け面10及び取付け面20から離れて延びると説明されている。両部材のこの配置は、第1構造部材2及び第2構造部材3がヒンジ7の環状フランジ41を擦ることなく互いに対して回転することを可能にするために好ましいが、環状フランジ41は、オフセットフランジ14から取付け面に向かって突出することもできる。
【0015】
上記のように、オフセット延長部14は、段付き接合部16で底部部材5に接続される。段付き接合部16は、第1構造部材2及び第2構造部材3の取付け面10及び取付け面20から離れて延びる。段付き接合部16は、第1構造部材2及び第2構造部材3の取付け面10及び取付け面20から離れて、おおよそ平面延長部24の厚さ分、オフセット延長部14を持ち上げる。
【0016】
オフセット延長部14の段付き接合部16には、好ましくは、上部部材の延長部24の湾曲した縁部分28に実質的に一致する湾曲部分35が形成される。湾曲部分28は、その半径がヒンジ7の軸34を中心とする円弧である。
【0017】
延長部14及び延長部24は、好ましくは、底部部材5及び上部部材6に対してオフセットされている。
【0018】
上述のように、好ましくは、底部部材5にはファスナ開口部15が設けられ、上部部材6にはファスナ開口部25が設けられる。底部部材5及び上部部材6の各々には、好ましくは、5つのファスナ開口部15又はファスナ開口部25が形成される。第1構造部材2及び第2構造部材3が木製の場合に部材の割裂を防ぐのを助けるために、底部部材5の開口部15は互いに対してずらされ、上部部材6の開口部25は互いに対してずらされる。
【0019】
図15に示すように、底部部材5のファスナ開口部15は、底部部材5の2つのファスナ開口部15の中心間に線を引いた場合に、その線が他のファスナ開口部15のどの中心とも交差しないように配置される。同様に、上部部材6のファスナ開口部25は、上部部材6の2つのファスナ開口部25の間に線を引いた場合、その線が他のファスナ開口部25のどの中心とも交差しないように配置される。
【0020】
木製の構造部材2及び構造部材3を使用する場合に割裂を防ぐのを助けるためにも、底部部材5の2つのファスナ開口部15の中心を通って引かれた線は、底部部材5が取り付けられる第1構造部材2又は第2構造部材3の長軸51又は52と平行ではない。同様に、上部部材6の2つのファスナ開口部25の中心を通って引かれた線は、上部部材6が取り付けられる第1構造部材2又は第2構造部材3の長軸51又は52と平行ではない。
図15に示すように、好ましくは、平面割出しフランジ13及び23は、第1構造部材2及び第2構造部材3の長軸51及び52と平行に配置され、長軸51及び52は、隣接する端面11及び21と平行に配置される。
【0021】
割出しフランジ13及び23は、延長部14及び24の円形開口部30及び40を通る直径と実質的に整列している。コネクタ1が折り畳み位置にあるとき、上部部材6の割出しフランジ23は、底部部材13の割出しフランジ13と接触する。
【0022】
図14に示すように、第1構造部材2には反対側の第2取付け面110も形成され、第2構造部材3には反対側の第2取付け面120も形成される。隣接する端面11は、第1構造部材2の取付け面10及び110を接続し、隣接する端面21は、第2構造部材3の取付け面20及び120を接続する。
【0023】
第2コネクタ101は、第1構造部材2及び第2構造部材3の反対側の取付け面110及び120に取り付けられる。
図14に示す第2コネクタ101は、第2コネクタ101が上下逆に配置されており、底部部材105が第2構造部材3に接続され、上部部材106が第1構造部材2に接続されていることを除いて、
図14に示すコネクタ1と同一である。第2コネクタ101は、ヒンジ107を有し、底部部材105には、第1のコネクタ1の底部部材5のファスナ開口部15と同じ位置に配置されたファスナ開口部115が形成され、第2コネクタ101の上部部材106には、第1コネクタ1の上部部材6のファスナ開口部25と同じ位置に配置されたファスナ開口部125が形成されている。
【0024】
第1又はヒンジ式コネクタ1と同一の第2コネクタ101とが対で設置され、第2コネクタ101が第1コネクタ1に対して上下逆に設置されて、第1部材2及び第2部材3を接続するとき、両コネクタのヒンジ7及び107は、枢動動作を適切に機能させるために、位置合わせする必要がある。上記のように適切に設置された場合、第1コネクタ1の底部部材5及び第2コネクタ101の上部部材106は、両方とも、第1構造部材2に取り付けられ,底部部材5及び上部部材106は、第1構造部材2の両側の表面10及び110で互いに重なり合い、第1コネクタ1の底部部材5のファスナ開口部15は、第2コネクタ101の上部部材106のファスナ開口部125に対してずれている。同時に、第2コネクタ101の底部部材105及び第1コネクタ1の上部部材6は、両方とも、第2構造部材3に取り付けられ、底部部材105及び上部部材6は、第2構造部材3の両側の表面20及び220で互いに重なり合い、第2コネクタ101の底部部材105のファスナ開口部115は、第1コネクタ1の上部部材6のファスナ開口部25に対してずれている。
【0025】
コネクタは、第1構造部材2及び第2構造部材3をそれらの設置位置に配置することによって設置される。次に、コネクタ1は、第1部材2及び第2部材3の取付け面10及び20と接触係合して配置され、割出しフランジ13及び23は、端面11及び21と係合する。次に、ファスナ4を使用して、底部部材5及び上部部材6の開口部15及び25を介して、コネクタ1が第1部材2及び第2部材3に取り付けられる。第2コネクタ101を使用する場合、第1構造部材2及び第2構造部材3を逆にすることができ、第2コネクタ101は、同様に設置され、底部部材105は、第1のコネクタ1の上部部材6に取り付けられた構造部材に接続されている。
【0026】
図1に示すように、底部部材5のオフセット延長部14には、1つ以上のエンボス36が形成されており、1つ以上のエンボス36は、オフセット延長部の開口部30を囲むか又は部分的に囲む。好ましくは、エンボス36は、開口部30を完全に囲む単一の連続した部材である。エンボス36は、好ましくは、第1構造部材2及び第2構造部材3から離れて突出する。