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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】切換弁を有する人工呼吸器具
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/20 20060101AFI20240315BHJP
   A61M 16/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
A61M16/20 H
A61M16/00 355Z
【請求項の数】 3
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019038107
(22)【出願日】2019-03-04
(65)【公開番号】P2019155091
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】10 2018 001 888.2
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517191714
【氏名又は名称】レーヴェンシュタイン メディカル テクノロジー エス.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】アダメッツ,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ゴーベル,クリストフ
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-034530(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107308531(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0145156(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0197889(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/20
A61M 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの器具入口(11a)と、器具出口(15a)と、前記器具入口(11a)と前記器具出口(15a)の間の呼吸ガス経路(16a)とを有する人工呼吸器具(10)であって、前記呼吸ガス経路(16a)は、少なくとも1つの吸気の呼吸ガス経路(16a)および少なくとも1つの呼気の呼吸ガス経路と、呼吸ガス駆動部(12a)と、逆止め弁(13a)と、切換弁(14a)とを備え、前記逆止め弁(13a)は、前記吸気の呼吸ガス経路(16a)内に配置され、かつ、前記器具出口(15a)から前記器具入口(11a)への方向で呼吸ガス流を妨げるように構成され、前記切換弁(14a)は、前記呼気の呼吸ガス経路の遮断/障害の場合において前記吸気の呼吸ガス経路(16a)を介して患者の呼気を放出するように、かつ、前記器具出口(15a)から前記器具入口(11a)または別個の器具開口部への方向で呼吸ガス流を少なくとも一時的に可能にするように構成され
少なくとも1つの前記切換弁(14a)は、前記逆止め弁(13a)のバイパス(17)を形成し、かつ、前記バイパス(17)を開放および/または閉鎖するようにセットアップされ、前記切換弁(14a)は自動的に切換可能なようにセットアップされ、
前記呼吸ガス駆動部(12a)は、前記逆止め弁(13a)と前記器具出口(15a)の間に配置されるとともに、前記器具出口(15a)の方向に呼吸ガスを送出するようにセットアップされ、
前記バイパス(17)は、前記器具入口(11a)と前記逆止め弁(13a)の間で前記切換弁(14a)へと分岐し、前記逆止め弁(13a)と前記呼吸ガス駆動部(12a)の間で再び前記呼吸ガス経路(16a)に連通し、
前記逆止め弁(13a)と前記器具出口(15a)との間に流動測定装置(18a)が配置され、前記流動測定装置(18a)は、前記呼吸ガス経路(16a)内の呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力を検出し、患者に供給される呼吸ガスまたは患者から放出される呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力に関するフィードバックを前記人工呼吸器具(10)へ供給し、かつ、前記流動もしくは容積または圧力に基づいて前記切換弁(14a)を自動的に切り換えるようにセットアップされる、人工呼吸器具(10)。
【請求項2】
前記切換弁(14a)は前記逆止め弁(13a)に対して前記バイパス(17)に配置されることを特徴とする、請求項に記載の人工呼吸器具(10)。
【請求項3】
前記バイパス(17)に追加して、第2の器具入口(11b)と少なくとも1つのさらなる逆止め弁(13b)とを含み、共通の前記器具出口(15a)の前で前記第1の呼吸ガス経路(16a)に連通する第2の吸気の呼吸ガス経路(16b)が構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の人工呼吸器具(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具入口と、器具出口と、器具入口と器具出口の間の呼吸ガス経路とを有する人工呼吸器具に関するものであり、呼吸ガス経路には呼吸ガス駆動部と、逆止め弁と、切換弁とが配置されている。
【背景技術】
【0002】
人工呼吸器具は呼吸障害の治療のために利用され、その際に人工呼吸器具は、非侵襲的および侵襲的な人工呼吸において、病院内でも病院外でも利用することができる。
【0003】
患者の人工呼吸では、通常、呼吸ガス流のための吸気分路と、任意選択として呼気の呼吸ガス流のための分路とを有する人工呼吸器具を利用することができる。呼気の呼吸ガス流のための分路は、患者による呼吸ガスの吐出し/呼気を可能にするのに対して、吸気の呼吸ガス流のための分路は患者に呼吸ガスを供給する。
【0004】
従来技術で知られている人工呼吸器具では、人工呼吸器具の呼気分路でも吸気分路でも遮断/障害が起こることがある。
【0005】
たとえば呼気分路での遮断/障害は、たとえば医薬品や分泌物などの材料注入によって引き起こされることがある。呼気分路での遮断/障害は、患者が呼吸ガスを吐き出すのを妨げる。
【0006】
呼気分路の遮断/障害は、たとえば、呼気での気道圧を求められる圧力レベルまで引き下げることができないことにつながることがあり、そのために患者が吐出しをすることができなくなる。患者の気道での持続する上昇した呼吸ガス圧は、有害な帰結をもたらすことがある。たとえば胸腔内圧の危険な上昇が起こることがあり、これが静脈還流の減少、心臓機能の低下、および最終的に動脈血圧の低下につながる。
【0007】
人工呼吸器具の呼気分路での遮断/障害という問題のほか、人工呼吸器具の吸気分路での遮断/障害も起こることがある。吸気分路での遮断/障害は、たとえば呼吸ガス駆動部の故障によって引き起こされることがある。吸気分路での遮断/障害は患者が息を吸うのを妨げ、もしくはこれを少なくとも困難にすることがある。
【0008】
このように従来技術で知られている人工呼吸器具は、安全装置が存在している場合であっても、遮断、障害、または故障に対して十分に保全されないという欠点を有しており、そのため、呼吸ガスの吸気および/または呼気を確保することができなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の課題は、人工呼吸器具の吸気分路または呼気分路の障害/遮断が生じたときに、呼吸ガスの吸気および/または呼気の保全を確保する人工呼吸器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の対象物は、少なくとも1つの器具入口と、器具出口と、器具入口と器具出口の間の呼吸ガス経路とを有する人工呼吸器具であり、呼吸ガス経路には呼吸ガス駆動部と、逆止め弁と、切換弁とが配置されている。呼吸ガス経路は、通常、吸気の呼吸ガス経路である。任意選択として、人工呼吸器具は少なくとも1つの吸気の呼吸ガス経路と、少なくとも1つの呼気の呼吸ガス経路とを含むことができる。典型的には、少なくとも1つの逆止め弁が少なくとも1つの吸気の呼吸ガス経路に配置される。逆止め弁は、器具入口と呼吸ガス駆動部との間に配置されていてよい。別案として逆止め弁は、呼吸ガス駆動部と器具出口との間に配置されていてよい。呼吸ガス駆動部は送風機または圧力源、特に酸素圧力源または空気圧力源であってよい。
【0011】
本発明によると、逆止め弁は器具出口から器具入口への方向で呼吸ガス流を妨げ、切換弁は器具出口から器具入口または別個の器具開口部への方向で呼吸ガス流を少なくとも一時的に可能にする。このとき別個の器具開口部は、第2の/別個の器具入口または第2の/別個の器具出口であってよい。切換弁は電気機械式に構成されていてよい。たとえば切換弁は電磁弁を有する空気圧弁であってよく、または電磁弁を有するバイパスであってよい。切換弁は3/2ウェイバルブ、空気圧弁、またはダイアフラム弁であってよい。
【0012】
通常、患者から吐き出される呼吸ガスは、人工呼吸器具の呼気の呼吸ガス経路を介して運び出すことができる。したがって、吸気の呼吸ガス経路を介しての呼吸ガスの帰還を防ぐことができる。逆止め弁は、人工呼吸器具の通常動作のときに、患者の汚れた呼吸ガスによる呼吸ガス駆動部の意図しない汚染を防止する。含まれている切換弁により、呼気の呼吸ガス経路の遮断/障害が生じたとき、逆止め弁を少なくとも一時的に迂回することができる。このことは、呼気の呼吸ガス経路が遮断されたとき、患者の呼吸ガスを吸気の呼吸ガス経路を介して運び出すことができるという利点をもたらす。
【0013】
1つの実施形態では、逆止め弁と器具出口の間に流動測定装置が配置される。流動測定装置は、呼吸ガス経路での呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力を検出するようにセットアップされる。切換弁は、呼吸ガスの検出された流動もしくは容積または圧力をベースとして開放可能または閉鎖可能であるようにセットアップされる。このことは、呼吸ガス容積依存的または呼吸ガス圧依存的な切換弁の切換を可能にする。別案として、切換弁は時間制御式または患者トリガー式に制御可能であってよい。切換弁は、たとえば3/2ウェイバルブによって切換可能であってよい。
【0014】
1つの実施形態では、切換弁は逆止め弁に対するバイパスに配置される。バイパスは開放型または閉鎖型に構成されていてよい。閉鎖型とは、バイパスが呼吸ガス経路に連通し、そこから分岐していて、その際に逆止め弁を迂回することを意味する。切換弁は、通常、バイパスに配置される。開放型とは、バイパスが呼吸ガス経路に連通してそこから分岐するのではないことを意味する。むしろ開放型のバイパスは、たとえば別個の/第2の器具出口を備えていてよい呼吸ガス経路である。開放型のバイパスは、通常、器具出口と呼吸ガス駆動部または逆止め弁との間で分岐して、別個の/第2の器具出口に連通する。別案として開放型のバイパスは、逆止め弁と呼吸ガス駆動部の間で分岐して、第2の/別個の器具出口に連通する。開放型のバイパスには流動測定装置が配置されていてよい。通常、この流動測定装置は第2の/別個の器具出口とバイパスの間に配置される。開放型のバイパスには、別個の切換弁が配置されていてよい。この切換弁は時間制御式に、患者トリガー式に、または流動測定装置により検出される呼吸ガスの流動もしくは容積もしくは圧力をベースとして切換可能であってよい。通常、この流動測定装置は切換弁と共通の器具出口との間に配置される。任意選択として、開放型のバイパスは閉鎖型のバイパスに追加して構成されていてよい。開放型のバイパスは、患者から放出される呼吸ガスを別個の/第2の器具出口を介して周囲に放出できるという利点をもたらす。
【0015】
本発明の1つの発展例では、少なくとも1つの切換弁は逆止め弁のバイパスを構成する。逆止め弁の閉鎖型のバイパスの構成によって、呼吸ガスが逆止め弁の周囲で、そこから分岐したのと同一の呼吸ガス経路へ呼吸ガスが導入されるように、逆止め弁を迂回することができる。任意選択として、少なくとも1つの切換弁は逆止め弁の開放型のバイパスを構成する。開放型に構成されたバイパスでは、吸気の呼吸ガス経路の遮断/障害が生じたとき、開放型のバイパスを介して逆止め弁のそばを通して、呼吸ガスを別個の器具出口から運び出すことができる。
【0016】
1つの実施形態では、少なくとも1つの切換弁はバイパスを開放および/または閉鎖するようにセットアップされ、切換弁は自動的または能動的に切換可能なようにセットアップされる。通常、切換弁は呼吸ガスの判定された流動もしくは容積または圧力をベースとして自動的に開放または閉鎖をするようにセットアップされる。たとえば切換弁は、流動測定装置が特定の時間帯にわたって高い圧力を検出したときに開放をする。
【0017】
1つの実施形態では、呼吸ガス駆動部は器具入口と逆止め弁の間に配置されるとともに、逆止め弁と器具出口の方向へ呼吸ガスを送出するようにセットアップされる。呼吸ガス駆動部の配置は、人工呼吸器具における吸込側と圧力側を定義する。吸込側は、呼吸ガス流方向で見て呼吸ガス駆動部よりも前の側である。圧力側は、呼吸ガス流方向で見て呼吸ガス駆動部に後置された側である。器具入口のすぐ後に呼吸ガス駆動部が配置されることで、逆止め弁、切換弁、および流動測定装置は人工呼吸器具の圧力側にある。
【0018】
本発明の1つの実施形態では、バイパスは呼吸ガス駆動部と逆止め弁の間で切換弁へと分岐し、逆止め弁と器具出口の間で再び呼吸ガス経路に連通する。このような配置によって呼吸ガス駆動部は、人工呼吸器具の通常動作のとき、帰還してくる呼吸ガスによる意図しない汚染から防護される。
【0019】
本発明の別案の実施形態では、呼吸ガス駆動部は逆止め弁と器具出口の間に配置されるとともに、呼吸ガスを器具出口の方向へ送出するようにセットアップされる。逆止め弁と器具出口の間に呼吸ガス駆動部が配置されることで、逆止め弁と切換弁は人工呼吸器具の吸込側にある。
【0020】
本発明の別案の実施形態の発展例では、バイパスは器具入口と逆止め弁の間で切換弁へと分岐し、逆止め弁と呼吸ガス駆動部の間で再び呼吸ガス経路に連通する。このことは、逆止め弁を迂回することができるという利点をもたらす。さらに、このような種類の配置では、切換弁と逆止め弁が人工呼吸器具の吸込側に配置される。
【0021】
さらに別の実施形態では、バイパスに追加して、第2の器具入口と少なくとも1つの逆止め弁とを含み、共通の器具出口の前で第1の呼吸ガス経路に連通する第2の呼吸ガス経路が構成される。典型的には第2の呼吸ガス経路は、吸気の呼吸ガス経路の遮断/障害が生じたときに呼吸ガスを吸息可能である別個の呼吸ガス経路を提供するようにセットアップされた、別個の吸気の呼吸ガス経路である。第2の吸気の呼吸ガス経路は、別個の呼吸ガス駆動部を含むことができる。たとえばこの呼吸ガス駆動部は、第2の器具入口と、第2の呼吸ガス経路の逆止め弁との間に配置される。さらに第2の呼吸ガス経路は、第2の呼吸ガス経路での呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力を検出するようにセットアップされた別個の流動測定装置を含むことができる。
【0022】
本発明による別の実施形態では、呼気の器具入口と呼気の器具出口とを含む、呼気の呼吸ガス流のための呼吸ガス経路が含まれる。呼気の呼吸ガス流のための呼吸ガス経路は、患者の呼吸ガスを運び出すようにセットアップされる。このとき呼気の器具入口は、通常、患者近傍に配置されるのに対して、呼気の器具出口は患者遠方に構成される。呼気の呼吸ガスのための呼吸ガス経路は、患者の呼吸ガスを呼気の器具出口で運び出し、そのようにして患者が息を吐くのを可能にするようにセットアップされる。
【0023】
1つの発展例では、呼気の器具入口から呼吸ガス経路が呼気の器具出口へと通じており、この呼吸ガス経路に切換弁と流動測定装置が配置される。流動測定装置は、通常、呼気の器具出口と切換弁の間に配置される。切換弁は、通常、規定された時間インターバルをベースとして、または患者トリガーをベースとして切換可能であるようにセットアップされる。別案として切換弁は、流動測定装置により測定される呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力をベースとして切換可能であってよい。呼気の器具出口と切換弁の間に配置される流動測定装置は、典型的には、呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力を検出し、患者により放出される呼吸ガスに関する人工呼吸器具へのフィードバックを可能にするようにセットアップされる。
【0024】
別の発展例では、呼気の器具入口と切換弁の間で、切換弁と流動測定装置とを有する別個の呼気の呼吸ガス経路が別個の器具出口へと通じている。この別個の呼気の呼吸ガス経路は、たとえば呼気の呼吸ガス経路の遮断/障害が生じたときに患者の呼吸ガスを運び出すようにセットアップされる。呼気の器具出口と切換弁の間に配置される流動測定装置は、典型的には、呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力を検出し、患者により放出される呼吸ガスに関するフィードバックを可能にするようにセットアップされる。
【0025】
1つの実施形態では、第1の分路をもって患者インターフェースへと通じ、患者インターフェースの前で第2の分路をもって呼気の呼吸ガスのための呼気の器具入口へと通じるホースシステムが器具出口にアダプタ接合される。任意選択として、ホースシステムは単一ホースシステムである。別案として、漏れホースシステムであるホースシステムが器具出口にアダプタ接合されていてよい。ホースシステムにより、患者インターフェースが少なくとも1つの吸気の呼吸ガス経路と接続される。任意選択として、患者インターフェースはホースシステムによって、少なくとも1つの吸気の呼吸ガス経路および少なくとも1つの呼気の呼吸ガス経路と接続される。
【0026】
別の実施形態では、逆止め弁は器具出口から器具入口への方向の呼吸ガス流を妨げ、切換弁は器具出口から器具入口への方向の呼吸ガス流を少なくとも一時的に可能にし、切換弁は逆止め弁に対するバイパスに配置されており、切換弁のバイパスは呼吸ガス駆動部と逆止め弁の間で分岐して、逆止め弁と器具出口の間で再び呼吸ガス経路に連通する。
【0027】
本発明の1つの発展例では、人工呼吸器具は、別個の器具入口と別の逆止め弁とを含む第2の吸気の呼吸ガス経路を含んでおり、第2の吸気の呼吸ガス経路は呼吸ガスを別個の器具入口を介して取り込んで器具出口の方向へ案内するようにセットアップされる。
【0028】
別の発展例では、切換弁はバイパスに配置されており、バイパスは別個の器具出口を含む開放型のバイパスとして構成されており、開放型のバイパスは吸気の呼吸ガス経路から逆止め弁と器具出口の間で分岐して別個の器具出口に連通する。
【0029】
本発明の1つの発展例では、切換弁はバイパスに配置されており、バイパスは別個の器具出口を含む開放型のバイパスとして構成されており、開放型のバイパスは吸気の呼吸ガス経路から逆止め弁と器具出口の間で分岐して別個の器具出口に連通し、吸気の呼吸ガス経路は少なくとも1つの別の弁を有している。
【0030】
別の発展例では、切換弁はバイパスに配置されており、バイパスは別個の器具出口を含む開放型のバイパスとして構成されており、開放型のバイパスは吸気の呼吸ガス経路から逆止め弁と器具出口の間で分岐して別個の器具出口に連通し、開放型のバイパスには少なくとも1つの流動測定装置が配置されている。
【0031】
さらに、少なくとも1つの器具入口と、器具出口と、器具入口と器具出口の間の呼吸ガス経路とを有する人工呼吸器具も本発明の対象物であり、呼吸ガス経路には呼吸ガス駆動部、逆止め弁、および切換弁が配置されている。
【0032】
本発明によるとこの人工呼吸器具は、別個の器具入口と別の逆止め弁とを含む第2の吸気の呼吸ガス経路を含んでおり、第2の吸気の呼吸ガス経路は呼吸ガスを別個の器具入口を介して取り込んで器具出口の方向へ案内するようにセットアップされている。
【0033】
さらに、少なくとも1つの器具入口と、器具出口と、器具入口と器具出口の間の呼吸ガス経路とを有する人工呼吸器具も本発明の対象物であり、呼吸ガス経路には呼吸ガス駆動部、逆止め弁、および切換弁が配置されている。
【0034】
本発明によると切換弁はバイパスに配置されており、バイパスは別個の器具出口を含む開放型のバイパスとして構成されており、開放型のバイパスは吸気の呼吸ガス経路から逆止め弁と器具出口の間で分岐して別個の器具出口に連通する。
【0035】
1つの実施形態では、切換弁はバイパスに配置されており、バイパスは別個の器具出口を含む開放型のバイパスとして構成されており、開放型のバイパスは吸気の呼吸ガス経路から逆止め弁と器具出口の間で分岐して別個の器具出口に連通し、吸気の呼吸ガス経路は少なくとも1つの別の弁を有している。
【0036】
別の実施形態では、切換弁はバイパスに配置されており、バイパスは別個の器具出口を含む開放型のバイパスとして構成されており、開放型のバイパスは吸気の呼吸ガス経路から逆止め弁と器具出口の間で分岐して別個の器具出口に連通し、開放型のバイパスには少なくとも1つの流動測定装置が配置されている。
【0037】
少なくとも1つの器具入口と、器具出口と、器具入口と器具出口の間の呼吸ガス経路とを有する人工呼吸器具も本発明の対象物であり、呼吸ガス経路には呼吸ガス駆動部、逆止め弁、および切換弁が配置されている。
【0038】
本発明によると、切換弁はバイパスに配置されており、バイパスは別個の器具出口を含む開放型のバイパスとして構成されており、開放型のバイパスは吸気の呼吸ガス経路から逆止め弁と器具出口の間で分岐して別個の器具出口に連通し、吸気の呼吸ガス経路は別の弁と流動測定装置とを有しており、流動測定装置は呼吸ガス駆動部と逆止め弁の間に配置されている。
【0039】
次に、著しく簡略化した模式的な図面を参照しながら、本発明の好ましい実施例について詳しく説明する。図面は次のものを示す。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】逆止め弁のバイパスを有する吸気の呼吸ガス経路を有する本発明による人工呼吸器具の1つの実施形態の模式的な構造である。
図2】逆止め弁のバイパスを有する吸気の呼吸ガス経路を有する本発明による人工呼吸器具の図1に示す実施形態の別案の配置である。
図3】バイパスと第2の吸気の呼吸ガス経路とを有する吸気の呼吸ガス経路を有する、図1に示す本発明による人工呼吸器具の別の実施形態の模式的な構造である。
図4】バイパスと第2の吸気の呼吸ガス経路とを有する吸気の呼吸ガス経路を有する、図1に示す本発明による人工呼吸器具の図2に示す実施形態の別案の配置である。
図5】バイパスと第2の吸気の呼吸ガス経路とを有する吸気の呼吸ガス経路を有する、本発明による人工呼吸器具の図1および図3に示す実施形態の別案の配置である。
図6】バイパスと第2の吸気の呼吸ガス経路とを有する吸気の呼吸ガス経路を有する、本発明による人工呼吸器具の図2および図4に示す実施形態の別案の配置である。
図7】バイパスと呼気の呼吸ガス経路とを有する吸気の呼吸ガス経路を有する、本発明による人工呼吸器具の実施形態の模式的な構造である。
図8】吸気の呼吸ガス経路と第2の吸気の呼吸ガス経路、ならびに呼気の呼吸ガス経路と別個の呼気の呼吸ガス経路を有する、本発明による人工呼吸器具の別の実施形態の模式的な構造である。
図9】別個の器具出口を有する開放型のバイパスを有する吸気の呼吸ガス経路を有する、本発明による人工呼吸器具の別案の実施形態の模式的な構造である。
図10】別個の器具出口を有する開放型のバイパスを有する吸気の呼吸ガス経路を有する、図9に示す本発明による人工呼吸器具の別案の実施形態の模式的な構造である。
図11】別個の器具出口を有する開放型のバイパスを有する吸気の呼吸ガス経路を有する、図9に示す本発明による人工呼吸器具の別案の実施形態の模式的な構造である。
図12】別個の器具出口を有する開放型のバイパスを有する吸気の呼吸ガス経路を有する、図9および図11に示す、本発明による人工呼吸器具の別案の実施形態の模式的な構造である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
各図面において、構造上の同一の部材はそれぞれ同一の符号を有している。
【0042】
図1は、バイパス17と逆止め弁13aとを有する吸気の呼吸ガス経路16aを有する、本発明による人工呼吸器具10の1つの実施形態の模式的な構造を示している。吸気の呼吸ガス経路16aは、器具入口11aと器具出口15aとを含んでいる。このとき器具出口15aは患者近傍に配置され、器具入口11aは患者遠方に配置される。器具入口11aから器具出口15aへと呼吸ガス経路16aが延びている。呼吸ガス経路16aは、呼吸ガス駆動部12a、逆止め弁13a、および切換弁14aを含んでいる。切換弁14aは、逆止め弁13aに対するバイパス17に配置されている。バイパス17は呼吸ガス駆動部12aと逆止め弁13aの間で分岐して、逆止め弁13aと器具出口15aの間で再び吸気の呼吸ガス経路16aに連通する。呼吸ガス駆動部12aは、器具入口11aと逆止め弁13aの間に配置される。バイパス17に配置された切換弁14aを介して、呼吸ガスを器具入口11aの方向に帰還させることができ、それによって逆止め弁13aが迂回される。
【0043】
図2は、バイパス17と逆止め弁13aとを有する吸気の呼吸ガス経路16aを有する、本発明による人工呼吸器具10の図1に示す実施形態の別案の配置を示している。吸気の呼吸ガス経路16aは、器具入口11aと器具出口15aとを含んでいる。器具入口11aから器具出口15aへと呼吸ガス経路16aが延びている。呼吸ガス経路16aは、逆止め弁13a、呼吸ガス駆動部12a、および切換弁14aを含んでいる。切換弁14aは逆止め弁13aに対するバイパス17に配置されている。バイパス17は、この別案の配置では器具入口11aと逆止め弁13aの間で分岐して、逆止め弁13aと呼吸ガス駆動部12aの間で再び吸気の呼吸ガス経路16aに連通する。呼吸ガス駆動部12aは、逆止め弁13aと器具出口15aの間に配置される。バイパス17に配置された切換弁14aを介して、呼吸ガスを、それが呼吸ガス駆動部12aを通過した後に、器具入口11aの方向へ帰還させることができる。
【0044】
図3は、吸気の呼吸ガス経路16a、バイパス17、および第2の吸気の呼吸ガス経路16bを有する、図1に示す本発明による人工呼吸器具10の別の実施形態の模式的な構造を示している。吸気の呼吸ガス経路16aは、器具入口11aから器具出口15aへと延びている。吸気の呼吸ガス経路16aは、呼吸ガス駆動部12a、逆止め弁14a、および切換弁14aを含んでおり、切換弁14aは逆止め弁13aを迂回するためのバイパス17に配置されている。図3に示す人工呼吸器具10の実施形態は、第2の器具入口11bから共通の器具出口15aへと延びる、第2の吸気の呼吸ガス経路16bを有している。第2の吸気の呼吸ガス経路16bは、逆止め弁13aと共通の器具出口15aの間で吸気の呼吸ガス経路16aに連通する。第2の吸気の呼吸ガス経路16bは逆止め弁13bを含むことができる。第2の吸気の呼吸ガス経路16bを介して、たとえば吸気の呼吸ガス経路16aの遮断/障害が生じたとき、呼吸ガスを別個の器具入口11bを介して取り入れて患者に供給することができる。これに加えて、呼気の呼吸ガス経路の遮断が生じたときに、切換弁14aによって逆止め弁13aを迂回することで呼吸ガスを帰還させることができ、患者に息の吐出しを可能にすることができる。
【0045】
図4は、吸気の呼吸ガス経路16a、バイパス17、および第2の吸気の呼吸ガス経路16bを有する、図2に示す本発明による人工呼吸器具10の実施形態の別案の配置を示している。この別案の実施形態では、吸気の呼吸ガス経路16aに、逆止め弁13aが器具入口11aと呼吸ガス駆動部12aの間に配置されている。逆止め弁13aを迂回してバイパス17が構成されていて、このバイパスは器具入口11aの間で分岐して、逆止め弁13aと呼吸ガス駆動部12aとの間で再び吸気の呼吸ガス経路16aに連通する。呼吸ガス駆動部12aは、逆止め弁13aと器具出口15aの間に配置されている。第2の吸気の呼吸ガス経路16bは、呼吸ガス駆動部12aと共通の器具出口15aの間で吸気の呼吸ガス経路16aに連通する。第2の吸気の呼吸ガス経路16bは、逆止め弁13bを含むことができる。第2の吸気の呼吸ガス経路16bを介して、この実施形態でも、たとえば吸気の呼吸ガス経路16aの遮断/障害が生じたとき、呼吸ガスを別個の器具入口11bを介して取り入れて患者に供給することができる。これに加えて、同じく呼気の呼吸ガス経路の遮断が生じたときに、切換弁14aによって逆止め弁13aを迂回することで呼吸ガスを帰還させることができ、患者に息の吐出しを可能にすることができる。
【0046】
図5は、吸気の呼吸ガス経路16a、バイパス17、および第2の吸気の呼吸ガス経路16bを有する、図1および図3に示す本発明による人工呼吸器具10の実施形態の別案の配置を示している。
【0047】
吸気の呼吸ガス経路16aは器具入口11aから器具出口15aへと延びるとともに、呼吸ガス駆動部12a、逆止め弁14a、および切換弁14aを含んでいる。切換弁14aは逆止め弁13aを迂回するためのバイパス17に配置されている。バイパス17は、呼吸ガス駆動部12aと器具出口15aの間に構成されている。図5に示す人工呼吸器具10の実施形態は、第2の器具入口11bから共通の器具出口15aへと延びる第2の吸気の呼吸ガス経路16bを同じく有している。第2の吸気の呼吸ガス経路16bは、逆止め弁13bと共通の器具出口15aの間で吸気の呼吸ガス経路16aに連通する。第2の吸気の呼吸ガス経路16bは逆止め弁13bと呼吸ガス駆動部12bを有しており、呼吸ガス駆動部12bは第2の器具入口11bと逆止め弁13bの間に配置されている。第2の吸気の呼吸ガス経路16bを介して、この実施形態でも、たとえば吸気の呼吸ガス経路16aの遮断/障害が生じたとき、呼吸ガスを別個の器具入口11bを介して取り入れて患者に供給することができる。これに加えて、同じく呼気の呼吸ガス経路の遮断が生じたときに、バイパス17に配置された切換弁14aを介して逆止め弁13aを迂回することで呼吸ガスを帰還させることができ、患者に息の吐出しを可能にすることができる。
【0048】
図6は、吸気の呼吸ガス経路16a、バイパス17、および第2の吸気の呼吸ガス経路16bを有する、本発明による人工呼吸器具10の図2および図4に示す実施形態の別案の配置を示している。吸気の呼吸ガス経路16aは、器具入口11aから器具出口15aへと延びており、逆止め弁14a、切換弁14a、および呼吸ガス駆動部12aを含んでいる。切換弁14aは逆止め弁13aを迂回するためのバイパス17に配置されている。切換弁14aを有するバイパス17は、器具入口11aと呼吸ガス駆動部12aの間に配置されている。図6に示す人工呼吸器具10の実施形態は、第2の器具入口11bから共通の器具出口15aへと延びる第2の吸気の呼吸ガス経路16bを有している。第2の吸気の呼吸ガス経路16bは、呼吸ガス駆動部12aと共通の器具出口15aの間で吸気の呼吸ガス経路16aに連通する。第2の吸気の呼吸ガス経路16bは逆止め弁13bと呼吸ガス駆動部12bを有しており、呼吸ガス駆動部12bは第2の器具入口11bと逆止め弁13bの間に配置されている。
【0049】
図7は、バイパス17と呼気の呼吸ガス経路16cとを有する吸気の呼吸ガス経路16aを有する、本発明による人工呼吸器具10の実施形態の模式的な構造を示している。
【0050】
吸気の呼吸ガス経路16aは、器具入口11aから器具出口15aまで延びている。このとき吸気の呼吸ガス経路16aは、呼吸ガス駆動部12aと、逆止め弁13aと、逆止め弁13aに対するバイパス17に配置された切換弁14aと、流動測定装置18aとを含んでいる。流動測定装置18aは、バイパス17と器具出口15aの間に配置されている。流動測定装置18aを通じて、呼吸ガス経路の呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力を検出することができる。所定の時間帯にわたって呼吸ガスが所定の容積または圧力であるとき、切換弁をたとえば3/2ウェイバルブによって切換可能である。切換弁は、通常、0~20hPa、好ましくは0~15hPaの範囲内のPEEP(positive end-expiratory pressure)を設定するようにセットアップされて構成される。
【0051】
呼気の呼吸ガス経路16cは呼気の器具入口21から呼気の器具出口22aまで延びており、切換弁14bと流動測定装置18cとを含んでいる。このとき流動測定装置18cは、呼気の器具出口22aと切換弁14bの間に配置されている。このとき流動測定装置18cは、呼吸ガス経路の呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力を検出する役目を果たす。流動測定装置18cによって検出された値をベースとして、患者によって放出される呼吸ガスの容積に関する人工呼吸器具へのフィードバックを行うことができる。
【0052】
器具出口15aには、第1の分路24と第2の分路25を備えるホースシステム19がアダプタ接合されている。第1の分路24は器具出口15aから患者インターフェース20に通じている。患者インターフェース20の前に、ホースシステム19は第2の分路25をもって、呼気の呼吸ガスのための呼気の器具入口21へ通じている。ホースシステム19を介して、患者インターフェース20が吸気の分路16aおよび呼気の分路16cと接続される。
【0053】
図7に示す人工呼吸器具10の実施形態では、呼吸ガスを器具入口11aを介して取り入れて、呼吸ガス駆動部12aを介して、器具出口15aの方向へ逆止め弁13aを介して案内することができる。呼吸ガスは器具出口15aから、アダプタ接合されたホースシステム19の分路24を介して患者インターフェース20へとさらに案内され、これを介して患者は呼吸ガスを吸い込むことができる。患者の吐き出した空気は、アダプタ接合されたホースシステム19の分路25を介して、呼吸ガス経路16cへと呼気の器具入口21を介して供給することができる。呼気の呼吸ガス経路16cを介して、呼吸ガスは呼気の器具出口22aまで案内されて、周囲に放出される。呼気の呼吸ガス経路16cの遮断/障害が生じたとき、吸気の呼吸ガス経路16aのバイパス17にある切換弁14aを開くことで呼吸ガスを運び出すことができる。
【0054】
図8は、第1の吸気の呼吸ガス経路16aと第2の吸気の呼吸ガス経路16b、ならびに呼気の呼吸ガス経路16cと別個の呼気の呼吸ガス経路16dを有する、本発明による人工呼吸器具10の別の実施形態の模式的な構造を示している。
【0055】
吸気の呼吸ガス経路16aは、器具入口11aから器具出口15aまで延びている。吸気の呼吸ガス経路16aは、呼吸ガス駆動部12aと、逆止め弁13aと、流動測定装置18aとを含んでいる。流動測定装置18aは、逆止め弁13aと器具出口15aの間に配置されている。流動測定装置18aは、吸気の呼吸ガス経路16aを介して患者に放出される呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力を検出する。
【0056】
図8に示す人工呼吸器具10の実施形態は、第2の器具入口11bから共通の器具出口15aまで延びる第2の吸気の呼吸ガス経路16bを有している。第2の吸気の呼吸ガス経路16bは、流動測定装置と共通の器具出口15aの間で、吸気の呼吸ガス経路16aに連通する。第2の吸気の呼吸ガス経路16bは、別個の呼吸ガス駆動部12bと、逆止め弁13bと、流動測定装置18bとを含むことができる。別個の呼吸ガス駆動部12bは、第2の器具入口11bと逆止め弁13bの間に配置される。流動測定装置18bは、呼吸ガス経路16bにおける吸気の呼吸ガスの容積または圧力を検出して、人工呼吸器具10に伝送することができる。第2の吸気の呼吸ガス経路16bを介して、吸気の呼吸ガス経路16aの遮断が生じたときに、呼吸ガスを器具入口11bを介して取り入れて、患者に供給することができる。
【0057】
さらに図8に示す人工呼吸器具10の実施形態は、呼気の器具入口21から呼気の器具出口22aへと延びる、切換弁14bおよび流動測定装置18cを含む呼気の呼吸ガス経路16cを有している。このとき流動測定装置18cは、呼気の器具出口22aと切換弁14bの間に配置されている。流動測定装置18cは、患者が放出する呼吸ガスの容積および/または圧力を検出する。呼気の呼吸ガス経路16cを介して、患者から放出される呼吸ガスを運び出し可能である。
【0058】
流動測定装置18a,18b,18cおよび18dは、呼吸ガス経路における呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力を検出し、これをベースとして切換弁を切り換え、または開閉し、かつ、患者に供給される呼吸ガスまたは患者から放出される呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力に関するフィードバックを人工呼吸器具10へ供給するようにセットアップされていてよい。
【0059】
さらに図8に示す人工呼吸器具10の実施形態は、別個の呼気の呼吸ガス経路16dを有している。別個の呼気の呼吸ガス経路16dは呼気の呼吸ガス経路16cから分岐して、別個の器具出口22bまで延びている。別個の呼気の呼吸ガス経路16dは、切換弁14cと流動測定装置18dを含んでいる。流動測定装置18dは、患者が放出する呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力を検出する。別個の呼気の呼吸ガス経路16dを介して、呼気の呼吸ガス経路16cの遮断/障害が生じたときに、患者から放出される呼吸ガスを運び出し可能である。
【0060】
器具出口15aには、第1の分路24と第2の分路25を備えるホースシステム19がアダプタ接合されている。第1の分路24は器具出口15aから患者インターフェース20へと通じている。患者インターフェース20の前に、ホースシステム19は第2の分路25をもって、呼気の呼吸ガスのための呼気の器具入口21へと通じている。ホースシステム19を介して、患者インターフェース20は吸気の呼吸ガス経路16a、第2の吸気の呼吸ガス経路16b、呼気の呼吸ガス経路16c、および別個の呼気の呼吸ガス経路16dと接続される。
【0061】
図9は、別個の器具出口15bを有する開放型のバイパス17を有する吸気の呼吸ガス経路16aを有する、本発明による人工呼吸器具10の別案の実施形態の模式的な構造を示している。人工呼吸器具10の吸気の呼吸ガス経路16aは、器具入口11aと器具出口15aを含んでいる。器具入口11aと器具出口15aの間に、呼吸ガス駆動部12a、逆止め弁13a、および切換弁14aが配置されており、切換弁14aはバイパス17に配置されている。バイパス17は、別個の器具出口15bを含む開放型のバイパスとして構成されている。開放型のバイパス17は、逆止め弁13aと器具出口15aの間で吸気の呼吸ガス経路16aから分岐して、別個の器具出口15bに連通する。呼吸ガス駆動部12aは、器具入口11と逆止め弁13aの間に配置されている。切換弁14aは時間制御式に、患者トリガー式に、または流動測定装置により検出される呼吸ガスの流動もしくは容積をベースとして切換可能であってよい。このとき流動測定装置は、別個の器具出口15bと切換弁14aの間に配置されている。開放型のバイパス17に配置された切換弁14aを介して、吸気の呼吸ガス経路16aが遮断されたときに、患者から出される呼吸ガスを切換弁14aを介して放出することが可能である。呼吸ガス駆動部12aと器具出口15aの間に逆止め弁13aが配置されることで、逆止め弁13aは人工呼吸器具10の圧力側に配置される。
【0062】
図10は、吸気の呼吸ガス経路16aと、別個の器具出口15bを有する開放型のバイパス17とを有する、図9に示す本発明による人工呼吸器具10の実施形態の別案の模式的な構造を示している。このとき人工呼吸器具10の吸気の呼吸ガス経路16aは、器具入口11aと器具出口15aを含んでいる。器具入口11aと器具出口15aの間に、逆止め弁13a、呼吸ガス駆動部12a、および切換弁14aが配置されており、切換弁14aはバイパス17に配置されている。バイパス17は、別個の器具出口15bを含む開放型のバイパスとして構成されている。開放型のバイパス17は、呼吸ガス駆動部12aと器具出口15aの間で吸気の呼吸ガス経路16aから分岐して、別個の器具出口15bに連通する。呼吸ガス駆動部12aは、逆止め弁13aと器具出口15aとの間に配置されている。開放型のバイパス17に配置された切換弁14aを介して、吸気の呼吸ガス経路16aが遮断されたときに、患者から出される呼吸ガスを切換弁14aを介して放出することが可能である。呼吸ガス駆動部12aと器具出口15aの間に開放型のバイパス17が配置されることで、呼吸ガス駆動部を通過する必要なしに呼吸ガスを帰還させることができる。器具入口11aと呼吸ガス駆動部12aの間に逆止め弁13aが配置されることで、逆止め弁13aは人工呼吸器具10の吸込側に配置される。
【0063】
図11は、別個の器具出口15bを有する開放型のバイパス17を有する吸気の呼吸ガス経路16aを有する、図9および図10に示す本発明による人工呼吸器具10の別案の実施形態の模式的な構造を示している。このとき人工呼吸器具10の吸気の呼吸ガス経路16aは、器具入口11aと器具出口15aを含んでいる。器具入口11aと器具出口15aの間に、呼吸ガス駆動部12a、逆止め弁13a、および切換弁14aが配置されており、切換弁14aはバイパス17に配置されている。バイパス17は、別個の器具出口15bを含む開放型のバイパスとして構成されている。開放型のバイパス17は、逆止め弁13aと呼吸ガス駆動部12aの間で吸気の呼吸ガス経路16aから分岐して、別個の器具出口15bに連通する。呼吸ガス駆動部12aは、逆止め弁13aと器具出口15aとの間に配置されている。開放型のバイパス17に配置された切換弁14aを介して、吸気の呼吸ガス経路16aが遮断されたときに、患者から出される呼吸ガスを切換弁14aを介して放出することが可能である。器具入口11aと呼吸ガス駆動部12aの間に逆止め弁13aが配置されることで、逆止め弁13aは人工呼吸器具10の吸込側に配置される。
【0064】
図12は、別個の器具出口15bを有する開放型のバイパス17を有する吸気の呼吸ガス経路16aを有する、本発明による人工呼吸器具10の別案の実施形態の模式的な構造を示している。人工呼吸器具10の吸気の呼吸ガス経路16aは、器具入口11aと器具出口15aを含んでいる。器具入口11aと器具出口15aの間に、呼吸ガス駆動部12a、逆止め弁13a、流動測定装置27、および切換弁14aが配置されており、切換弁14aはバイパス17に配置されている。バイパス17は、別個の器具出口15bおよび少なくとも1つの流動測定装置27を含む開放型のバイパスとして構成されている。開放型のバイパス17は、逆止め弁13aと器具出口15aの間で吸気の呼吸ガス経路16aから分岐して、別個の器具出口15bに連通する。呼吸ガス駆動部12aは、器具入口11aと逆止め弁13aとの間に配置されている。切換弁14aは時間制御式に、患者トリガー式に、またはバイパス17に配置された流動測定装置27により検出される呼吸ガスの流動もしくは容積をベースとして切換可能であってよい。このときバイパス17の流動測定装置27は、別個の器具出口15bと切換弁14aの間に配置されている。開放型のバイパス17に配置された切換弁14aを介して、吸気の呼吸ガス経路16aが遮断されたときに、患者から出される呼吸ガスを切換弁14aを介して放出することが可能である。呼吸ガス駆動部12aと器具出口15aとの間に逆止め弁13aが配置されることで、逆止め弁13aは人工呼吸器具10の圧力側に配置される。
【0065】
さらに図12に示す実施形態は、吸気の呼吸ガス経路16aが、吸気の呼吸ガス経路16aへの酸素または空気もしくは圧縮空気の供給を確保するようにセットアップされた少なくとも1つの別の弁26を追加的に含むことを示している。さらに、吸気の呼吸ガス経路16aは少なくとも1つの流動測定装置27を含んでおり、流動測定装置27は呼吸ガス駆動部12aと逆止め弁13aの間に配置される。別の弁26は器具入口11aと呼吸ガス駆動部12aの間、および流動測定装置27と逆止め弁13aの間で吸気の呼吸ガス経路16aに連通することができる。別の弁26は通常は比例弁である。
【0066】
図12に示す実施形態では、切換弁14a、流動測定装置27、および別個の器具出口15bを有する開放型のバイパス17の領域(吸気単位)、ならびに、逆止め弁13aおよび器具出口15aを有する吸気の呼吸ガス経路16aの領域を、人工呼吸器具から取外し可能でありオートクレーブ処理可能である。器具入口11a、呼吸ガス駆動部12a、および流動測定装置27を有している吸気の呼吸ガス経路16aの領域は、それが汚染された呼吸ガスと接触しないようにセットアップおよび構成される。
【0067】
任意選択として、人工呼吸器具10の図9図11に示す別案の実施形態は、呼吸ガス経路における呼吸ガスの流動もしくは容積または圧力を検出する流動測定装置をそれぞれ含むことができる。
【0068】
任意選択として、図9図11に示すような別案の実施形態では、流動測定装置により検出される流動または容積をベースとして切換弁14aを切換可能であってよい。
【0069】
任意選択として、図9図11に示す別案の実施形態を、図1図8に示す実施形態と組み合わせることができる。別案として、図9図11に示す開放型のバイパス17を、図1図8に示す実施形態の閉鎖型のバイパス17で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0070】
10 人工呼吸器具
11a 器具入口
11b 第2の別個の器具入口
12a 呼吸ガス駆動部
12b 呼吸ガス駆動部
13a 逆止め弁
13b 逆止め弁
14a 切換弁
14b 切換弁
14c 切換弁
14d 切換弁
15a 器具出口
15b 別個の器具出口
16a 第1の呼吸ガス経路
16b 第2の呼吸ガス経路
16c 呼気の呼吸ガス流のための呼吸ガス経路
16d 別個の呼気の呼吸ガス経路
17 バイパス
18a 流動測定装置
18b 流動測定装置
18c 流動測定装置
18d 流動測定装置
19 ホースシステム
20 患者インターフェース
21 呼気の器具入口
22a 呼気の器具出口
22b 呼気の器具出口
23 ホースシステム
24 第1の分路
25 第2の分路
26 別の弁、比例弁
27 別の流動測定装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12