(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】ヒートポンプ
(51)【国際特許分類】
F25B 5/02 20060101AFI20240315BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240315BHJP
F25B 5/04 20060101ALI20240315BHJP
F25B 43/02 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
F25B5/02 C
F25B1/00 B
F25B1/00 101F
F25B5/04 B
F25B43/02 A
(21)【出願番号】P 2020053962
(22)【出願日】2020-03-25
【審査請求日】2022-02-25
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥田 憲弘
(72)【発明者】
【氏名】辻川 祐栄
(72)【発明者】
【氏名】相川 照規
(72)【発明者】
【氏名】岡田 真吾
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-099067(JP,A)
【文献】国際公開第2018/008139(WO,A1)
【文献】特開2016-106211(JP,A)
【文献】特表2016-508590(JP,A)
【文献】特開昭57-157973(JP,A)
【文献】国際公開第2018/025318(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/088748(WO,A1)
【文献】特開2006-207982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 5/02
F25B 1/00
F25B 5/04
F25B 43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を循環させて冷却および加熱するヒートポンプであって、
互いに並列に接続された第1室外熱交換器および第2室外熱交換器と、
前記第1室外熱交換器と前記第2室外熱交換器とから流出した冷媒が合流する合流部と、
前記合流部に接続された第3室外熱交換器と
、
前記第1室外熱交換器、前記第2室外熱交換器、および前記第3室外熱交換器を収容する筐体とを備え、
前記第1室外熱交換器と前記第2室外熱交換器とは、前記筐体のうち、互いに対向する対向側面のそれぞれに沿って配置され、
前記第3室外熱交換器は、2つの前記対向側面に隣接する隣接側面に沿って配置されていること
を特徴とするヒートポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載のヒートポンプであって、
前記第3室外熱交換器は、前記第1室外熱交換器および前記第2室外熱交換器よりもフィンピッチが小さいこと
を特徴とするヒートポンプ。
【請求項3】
請求項
1または請求項2に記載のヒートポンプであって、
前記筐体の角部には、前記第1室外熱交換器、前記第2室外熱交換器、および前記第3室外熱交換器の少なくともいずれか1つに接続される配管が収容されていること
を特徴とするヒートポンプ。
【請求項4】
請求項1から請求項
3までのいずれか1つに記載のヒートポンプであって、
オイルセパレータと、
前記オイルセパレータで分離したガス冷媒を供給する第1ガス冷媒回路および第2ガス冷媒回路とを備え、
前記第1ガス冷媒回路は、前記第1室外熱交換器および前記第2室外熱交換器の接続口と前記合流部との間に接続され、
前記第2ガス冷媒回路は、前記第3室外熱交換器の他方の接続口側に接続されていること
を特徴とするヒートポンプ。
【請求項5】
請求項1から請求項
3までのいずれか1つに記載のヒートポンプであって、
筐体に収容されるオイルセパレータ、四方弁、および圧縮機と、
前記筐体の内部を第1室と第2室とに分断する分断板とを備え、
前記第1室には、前記第1室外熱交換器、前記第2室外熱交換器、および前記第3室外熱交換器が収容され、
前記第2室には、前記オイルセパレータ、前記四方弁、および前記圧縮機が収容されていること
を特徴とするヒートポンプ。
【請求項6】
請求項
5に記載のヒートポンプであって、
前記オイルセパレータで分離したガス冷媒を供給する第1ガス冷媒回路および第2ガス冷媒回路を備え、
前記第1ガス冷媒回路は、前記第1室外熱交換器および前記第2室外熱交換器の接続口と前記合流部との間に接続され、
前記第2ガス冷媒回路は、前記第3室外熱交換器の他方の接続口側に接続されていること
を特徴とするヒートポンプ。
【請求項7】
請求項
6に記載のヒートポンプであって、
前記第1ガス冷媒回路は、前記第1室で前記合流部を構成する配管に接続され、
前記第2ガス冷媒回路は、前記第2室において、前記第3室外熱交換器の他方の接続口に繋がる配管に接続されており、
前記分断板には、前記第1ガス冷媒回路を通す開口が設けられていること
を特徴とするヒートポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒を循環させて冷却および加熱するヒートポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒートポンプにおいて、熱交換器で冷媒の熱交換を行い、冷房運転や暖房運転を行っている。熱交換の効率を向上させるため、複数の熱交換器を設けたヒートポンプが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のヒートポンプは、圧縮機と、オイルセパレータとを備え、オイルセパレータから圧縮機にオイルを戻すオイル戻し経路には、開閉弁が設けられている。また、室外機には、並列に接続された2つの熱交換器が設けられている。ところで、上述したヒートポンプにおいて、さらに熱交換器を増やす際、全ての熱交換器を並列に接続すると、それぞれの熱交換器に流入する冷媒の流速が遅くなり、熱伝導効率が悪化して適正に熱交換が行われないという問題が生じてしまう。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、冷媒の流速の低下を防いで、熱伝導効率を向上させたヒートポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るヒートポンプは、冷媒を循環させて冷却および加熱するヒートポンプであって、互いに並列に接続された第1室外熱交換器および第2室外熱交換器と、前記第1室外熱交換器と前記第2室外熱交換器とから流出した冷媒が合流する合流部と、前記合流部に接続された第3室外熱交換器とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るヒートポンプでは、前記第3室外熱交換器は、前記第1室外熱交換器および前記第2室外熱交換器よりもフィンピッチが小さい構成としてもよい。
【0008】
本発明に係るヒートポンプは、前記第1室外熱交換器、前記第2室外熱交換器、および前記第3室外熱交換器を収容する筐体を備え、前記第1室外熱交換器と前記第2室外熱交換器とは、前記筐体のうち、互いに対向する対向側面のそれぞれに沿って配置され、前記第3室外熱交換器は、2つの前記対向側面に隣接する隣接側面に沿って配置されている構成としてもよい。
【0009】
本発明に係るヒートポンプでは、前記筐体の角部には、前記第1室外熱交換器、前記第2室外熱交換器、および前記第3室外熱交換器の少なくともいずれか1つに接続される配管が収容されている構成としてもよい。
【0010】
本発明に係るヒートポンプは、オイルセパレータと、前記オイルセパレータで分離したガス冷媒を供給する第1ガス冷媒回路および第2ガス冷媒回路とを備え、前記第1ガス冷媒回路は、前記第1室外熱交換器および前記第2室外熱交換器の接続口と前記合流部との間に接続され、前記第2ガス冷媒回路は、前記第3室外熱交換器の他方の接続口側に接続されている構成としてもよい。
【0011】
本発明に係るヒートポンプは、筐体に収容されるオイルセパレータ、四方弁、および圧縮機と、前記筐体の内部を第1室と第2室とに分断する分断板とを備え、前記第1室には、前記第1室外熱交換器、前記第2室外熱交換器、および前記第3室外熱交換器が収容され、前記第2室には、前記オイルセパレータ、前記四方弁、および前記圧縮機が収容されている構成としてもよい。
【0012】
本発明に係るヒートポンプは、前記オイルセパレータで分離したガス冷媒を供給する第1ガス冷媒回路および第2ガス冷媒回路を備え、前記第1ガス冷媒回路は、前記第1室外熱交換器および前記第2室外熱交換器の接続口と前記合流部との間に接続され、前記第2ガス冷媒回路は、前記第3室外熱交換器の他方の接続口側に接続されている構成としてもよい。
【0013】
本発明に係るヒートポンプでは、前記第1ガス冷媒回路は、前記第1室で前記合流部を構成する配管に接続され、前記第2ガス冷媒回路は、前記第2室において、前記第3室外熱交換器の他方の接続口に繋がる配管に接続されており、前記分断板には、前記第1ガス冷媒回路を通す開口が設けられている構成としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、第1室外熱交換器および第2室外熱交換器から流出した冷媒を合流させることで、第3室外熱交換器に流入する冷媒の流速が早くなり、熱伝導効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態に係るヒートポンプの簡略化した冷媒回路図である。
【
図3】
図2に示す室外機の筐体の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係るヒートポンプについて、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係るヒートポンプの簡略化した冷媒回路図である。
【0018】
ヒートポンプ1は、外気と熱交換を行う室外機と、室内空気と熱交換を行う室内機とを有する。室外機は、圧縮機2、オイルセパレータ3、四方弁4、室外熱交換器(第1室外熱交換器5a、第2室外熱交換器5b、および第3室外熱交換器5c)、アキュムレータ7、蒸発用熱交換器8、および室外膨張弁11を有する。室内機は、室内熱交換器6および室内膨張弁12を有する。
【0019】
圧縮機2は、例えば、ガスエンジン104(後述する
図2参照)などの駆動源によって駆動される。圧縮機2については、複数が並列に接続された構成としてもよく、複数の圧縮機2は、ベルトやフライホイールを介して、1つのガスエンジン104によって駆動させてもよく、さらに、クラッチを設けて選択的に駆動させてもよい。圧縮機2の吐出経路40は、オイルセパレータ3を介して、四方弁4に接続されている。
【0020】
圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス状冷媒は、四方弁4によって、室外熱交換器または室内熱交換器6に向けられる。四方弁4は、暖房運転(実線)の場合、ガス状冷媒を室内熱交換器6に送り、冷房運転(一点鎖線)の場合、ガス状冷媒を室外熱交換器に送る。
【0021】
暖房運転の場合、室内熱交換器6を介して、冷媒から室内空気に熱が移動し、冷媒は、低温・高圧の液状態にされる。その後、冷媒は、室内膨張弁12および室外膨張弁11を介して、室外熱交換器に送られる。室内膨張弁12および室外膨張弁11は、制御装置などによって、開度が適宜制御される。
【0022】
暖房運転の場合、液状態の冷媒は、室外膨張弁11によって膨張され、低温・低圧の液状態(霧状態)にされる。その後、室外熱交換器を介して、外気から冷媒に熱が移動し、冷媒は、低温・低圧のガス状態にされる。室外熱交換器を経た冷媒は、四方弁4を通り、圧縮機2の吸入経路50に送られる。
【0023】
室外熱交換器については、互いに並列に接続された第1室外熱交換器5aおよび第2室外熱交換器5bと、第1室外熱交換器5aおよび第2室外熱交換器5bに対して直列に接続された第3室外熱交換器5cとで構成されている。第1室外熱交換器5aと第2室外熱交換器5bとは、接続口同士が分岐管93を介して合流部91によって接続されている。そして、第3室外熱交換器5cは、一方の接続口(
図1では、左方側)が合流部91に接続され、他方の接続口(
図1では、右方側)が接続配管92を通じて室外膨張弁11に繋がっている。なお、以下では説明のため、第1室外熱交換器5a、第2室外熱交換器5b、および第3室外熱交換器5cを併せて、室外熱交換器と呼ぶことがある。
【0024】
具体的に、暖房運転の場合では、室外膨張弁11から接続配管92を通じて、第3室外熱交換器5cに冷媒が送られる。そして、第3室外熱交換器5cから合流部91を経て、第1室外熱交換器5aおよび第2室外熱交換器5bに冷媒が送られる。その後、冷媒は、第1室外熱交換器5aおよび第2室外熱交換器5bから四方弁4に向かう。なお、第1室外熱交換器5aおよび第2室外熱交換器5bと四方弁4との間では、合流部91側の接続口と同様に、分岐管を、第1室外熱交換器5aと第2室外熱交換器5bとの接続口に接続させればよい。
【0025】
四方弁4と圧縮機2との間の経路には、アキュムレータ7が設けられている。アキュムレータ7は、ガス状態の冷媒を一時的に蓄える。ガス状態の冷媒には、少量の液状態の冷媒が含まれており、アキュムレータ7内でこれらが分離し、液状態の冷媒がアキュムレータ7に貯められる。
【0026】
また、四方弁4とアキュムレータ7との間には、蒸発用熱交換器8が設けられている。蒸発用熱交換器8は、例えば、圧縮機2などの駆動源であるガスエンジン104によって暖められる熱交換器とされている。蒸発用熱交換器8は、ガスエンジン104の冷却水を流通させてもよく、通過する冷媒を暖める。
【0027】
アキュムレータ7と圧縮機2とを接続する吸入経路50には、フィルタ52を収容するフィルタ収容部51が設けられている。フィルタ52は、冷媒に含まれる異物を吸着する。フィルタ52を設けることで、冷媒やオイルから汚れを取り除き、清浄に保つことができる。なお、圧縮機2を複数設けた際には、フィルタ収容部51で経路を分岐させてもよい。
【0028】
一方、冷房運転の場合、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス状冷媒は、四方弁4を介して、室外熱交換器に送られ、外気と熱交換することにより、冷媒は、低温・高圧の液状態にされる。室外熱交換器を経た冷媒は、室外膨張弁11を通過することにより、低温・低圧の液状態(霧状態)にされる。
【0029】
具体的に、冷房運転の場合では、四方弁4から、並列に接続された第1室外熱交換器5aおよび第2室外熱交換器5bに冷媒が送られる。そして、冷媒は、合流部91で合流した後、第3室外熱交換器5cを経て、室外膨張弁11に向かう。このように、第1室外熱交換器5aおよび第2室外熱交換器5bから流出した冷媒を合流させることで、第3室外熱交換器5cに流入する冷媒の流速が早くなり、熱伝導効率を向上させることができる。
【0030】
その後、冷媒は、室内膨張弁12を経て、室内熱交換器6に送られ、室内空気と熱交換することにより、冷媒は、低温・低圧のガス状態にされる。そして、室内熱交換器6から送られた冷媒は、四方弁4およびアキュムレータ7を通過して、圧縮機2の吸入経路に送られる。
【0031】
圧縮機2と四方弁4との間には、オイルセパレータ3が設けられている。オイルセパレータ3は、冷媒に含まれるオイルを分離する。オイルセパレータ3には、分離したオイルを圧縮機2に供給するオイル戻し配管20が接続されている。オイル戻し配管20は、吸入経路50のうち、フィルタ収容部51の下流に接続されている。なお、オイル戻し配管20には、電磁弁などを設けて、オイルの供給を制御してもよい。
【0032】
また、オイルセパレータ3には、分離したガス冷媒(ホットガス)を供給するガス冷媒回路80(第1ガス冷媒回路81および第2ガス冷媒回路82)が接続されている。第1ガス冷媒回路81は、分岐管93に接続され、第2ガス冷媒回路82は、接続配管92に接続されている。第1ガス冷媒回路81および第2ガス冷媒回路82を設けて、高温のガス冷媒を室外熱交換器に供給することで、暖房運転時での除霜性能を向上させることができる。なお、第1ガス冷媒回路81および第2ガス冷媒回路82には、電磁弁などを設けて、ガス冷媒の供給を制御してもよい。
【0033】
上述したように、暖房運転の場合、冷媒の流通方向において、第1ガス冷媒回路81は、第1室外熱交換器5aおよび第2室外熱交換器5bの上流となる位置に接続され、第2ガス冷媒回路82は、第3室外熱交換器5cの上流となる位置に接続されている。
【0034】
仮に、第1ガス冷媒回路81だけを設けた場合では、第3室外熱交換器5cでの除霜を行うことができず、第2ガス冷媒回路82だけを設けた場合では、第3室外熱交換器5cでの除霜で熱量を消耗し、第1室外熱交換器5aおよび第2室外熱交換器5bでの除霜が充分に行われない虞がある。本実施の形態では、第1室外熱交換器5aおよび第2室外熱交換器5bと、第3室外熱交換器5cとに対応した箇所に接続することで、それぞれに応じたガス冷媒を供給でき、除霜性能を充分に発揮させることができる。
【0035】
図2は、室外機の筐体を示す概略側面図であって、
図3は、
図2に示す室外機の筐体の概略上面図である。なお、
図2および
図3では、図面の見易さを考慮して、筐体100を透視的に示している。
【0036】
室外機は、上述した各部品を収容する筐体100を備えている。筐体100は、内部が分断板103によって、第1室101と第2室102とに分断されており、本実施の形態において、第1室101が筐体100の上段に設けられ、第2室102が筐体100の下段に設けられている。第1室101には、第1室外熱交換器5a、第2室外熱交換器5b、および第3室外熱交換器5cが収容されている。第2室102には、オイルセパレータ3、アキュムレータ7、圧縮機2、四方弁4、およびガスエンジン104など、室外熱交換器以外の部品が収容されている。なお、
図2では、筐体100に収容された部品のうち、一部を抜き出して模式的に示しているが、第2室102には、
図2に示していない他の部品が適宜収容されていてもよい。このように、第1室101と第2室102とに部品を分けて収容することで、排熱の移動を抑えて、第1室101での熱交換効率を向上させることができる。
【0037】
第1室101は、上面視において、長方形状とされ、互いに対向する対向側面(第1対向側面101aおよび第2対向側面101b)と、第1対向側面101aおよび第2対向側面101bに隣接し、互いに対向する隣接側面(第1隣接側面101cおよび第2隣接側面101d)とを有している。対向側面は、上面視での長辺に対応し、隣接側面は、上面視での短辺に対応している。つまり、対向側面は、隣接側面よりも面積が大きい。
【0038】
第1室外熱交換器5aは、第1対向側面101aに沿って配置され、第2室外熱交換器5bは、第2対向側面101bに沿って配置され、第3室外熱交換器5cは、第1隣接側面101cに沿って配置されている。第1室外熱交換器5a、第2室外熱交換器5b、および第3室外熱交換器5cは、自身が筐体100の側面の一部とされており、外部に対して露出している。なお、これに限らず、室外熱交換器を筐体100の内側に収容した構造とした場合は、筐体100のうち、室外熱交換器に面する部分に開口を設けて、外気を筐体100内に取り込むようにしてもよい。このように、室外熱交換器が側面に沿って配置されているため、筐体100内部の空間を広く開けるように、レイアウト性を向上させることができる。さらに、面積が大きく外気を取り込みやすい対向側面に沿って配置することで、第1室外熱交換器5aおよび第2室外熱交換器5bに高い熱交換効率を発揮させることができる。
【0039】
また、筐体100は、対向側面と隣接側面とが接する角部に、第1室外熱交換器5a、第2室外熱交換器5b、または第3室外熱交換器5cに接続される配管を収容する配管収容部101eが設けられている。第1室外熱交換器5aおよび第2室外熱交換器5bは、上面視で対向側面に沿う方向において、対向側面よりも短く、配管収容部101eを設けた角から離間して配置されている。第3室外熱交換器5cは、上面視で第1隣接側面101cに沿う方向において、第1隣接側面101cよりも短く、配管収容部101eを設けた角部から離間して配置されている。つまり、第1室外熱交換器5a、第2室外熱交換器5b、および第3室外熱交換器5cは、筐体100の角部に設けた配管収容部101eと重複しないように配置されている。従って、室外熱交換器を筐体100内に効率よく配置しつつ、角部に配管収容部101eを設けることで、配管等の取り付けなどにおける作業性を向上させることができる。
【0040】
配管収容部101eには、上述した分岐管93や合流部91や接続配管92などが収容されている。なお、
図2および
図3では、ヒートポンプ1における配管の一部を抜き出して示しており、他の配管も、筐体100に適宜収容されていてもよい。また、第1室101では、一部の配管を配管収容部101eに収容し、各部品のレイアウトの都合により避けられないものは、配管収容部101e以外に収容してもよい。
【0041】
分断板103には、第1室101に収容された部品と第2室102に収容された部品とを繋ぐ配管を通すための開口(第1開口103aおよび第2開口103b)が設けられている。具体的に、第1ガス冷媒回路81は、第2室102に設けられたオイルセパレータ3から延びており、第1開口103aを通じて分断板103を通過し、第1室101で分岐管93に接続されている。また、接続配管92は、第1室101に設けられた第3室外熱交換器5cから延びており、第2開口103bを通じて分断板103を通過し、第2室102において、オイルセパレータ3から延びた第2ガス冷媒回路82に接続されている。このように、分断板103に設ける開口をできるだけ減らして、分断板103の働きを維持しつつ、適切な箇所にガス冷媒を供給することができる。
【0042】
本実施の形態では、第1開口103aおよび第2開口103bの2つの開口を設けたが、これに限定されず、第1室101と第2室102との間を行き来する配管を1箇所にまとめて、1つの開口を通すようにしてもよい。開口の数を減らすことで、分断板103による熱の遮断効果をさらに向上させることができる。
【0043】
第1室外熱交換器5a、第2室外熱交換器5b、および第3室外熱交換器5cは、複数のフィンを有する構造とされている。第3室外熱交換器5cについては、第3フィンFb同士の間隔(第3フィンピッチF12)が、第1室外熱交換器5aにおける第1フィンFa同士の間隔(第1フィンピッチF11)よりも小さいものが用いられている。なお、第2室外熱交換器5bについては、第1室外熱交換器5aと同程度のフィンピッチとされたものが用いられている。このように、フィンピッチに差をつけることで、対向側面での風速を上げて、凝縮性能を向上させることができる。本実施の形態では、室外熱交換器として、マイクロチューブ式の熱交換器が用いられているが、これに限定されず、異なる方式の熱交換器を用いてもよい。また、
図2および
図3では、第1室外熱交換器5a、第2室外熱交換器5b、および第3室外熱交換器5cについて、フィンピッチの違いを分かりやすくするために、実際の構造よりもフィンの数を少なくして模式的に示している。
【0044】
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 ヒートポンプ
2 圧縮機
3 オイルセパレータ
4 四方弁
5a 第1室外熱交換器
5b 第2室外熱交換器
5c 第3室外熱交換器
6 室内熱交換器
7 アキュムレータ
8 蒸発用熱交換器
11 室外膨張弁
12 室内膨張弁
20 オイル戻し配管
40 吐出経路
50 吸入経路
51 フィルタ収容部
52 フィルタ
80 ガス冷媒回路
81 第1ガス冷媒回路
82 第2ガス冷媒回路
91 合流部
92 接続配管
93 分岐管