(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】接続端子及び電子装置
(51)【国際特許分類】
H01R 12/55 20110101AFI20240315BHJP
H05K 1/14 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
H01R12/55
H05K1/14 H
(21)【出願番号】P 2020060066
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【氏名又は名称】小室 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】桃木 正憲
(72)【発明者】
【氏名】柳田 聡司
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭64-029779(JP,U)
【文献】特開平07-022091(JP,A)
【文献】特開2012-209075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R24/00-24/86
H05K1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚の板材からなる接続端子であって、
二つの基板を所定の間隔をあけて支持すると共に、前記二つの基板を電気的に接続する基板間接続部と、
前記二つの基板とは別の電気部品と電気的に接続される板状の導体部材が接合される接合部とを備え
、
前記基板間接続部は、前記二つの基板のうちの第一基板に接合される第一端子部と、前記第一端子部から前記二つの基板のうちの第二基板に向けて延びる第二端子部とを備え、
前記第二端子部の延長方向の先端面が前記第二基板の表面に接合されて前記第二基板を支持し、
前記接合部は、前記第二端子部の板厚方向に向く側面によって構成され、
前記第二端子部の前記先端面は、前記第二端子部の延長方向に延びる段差面を有する段状に形成され、
前記先端面における低部側領域が前記第二基板の表面に接合され、
前記第二端子部は、平板状に形成され、かつ、前記第二端子部の板厚方向を前記第一基板と前記第二基板とが並ぶ上下方向と直交する前後方向に向けた姿勢で、前記第一端子部から前記第二基板に向けて延び、
前記段差面と前記低部側領域とが、前記上下方向及び前記前後方向に直交する左右方向に並ぶ接続端子。
【請求項2】
前記段差面は、前記先端面において斜めに傾斜した傾斜面になっている
請求項1に記載の接続端子。
【請求項3】
前記第一端子部は、U字状に形成されて前記第一端子部の板厚方向に弾性変形可能になっている
請求項1又は2に記載の接続端子。
【請求項4】
二つの基板と、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の接続端子とを備える電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、接続端子及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、二つの基板をその板厚方向に間隔をあけて配置すると共に、二つの基板同士を電気的に接続した電子装置が開示されている。この電子装置では、基板間接続端子によって二つの基板が電気的に接続され、基板間接続端子とは別の接続端子によって二つの基板が板厚方向に間隔をあけて支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電子装置では、二つの基板を電気的に接続するための部品と、二つの基板を支持するための部品とをそれぞれ備えているため、部品点数が多くなり、それらの部品を設けるスペースが必要になる、という課題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みたものであり、電子装置の部品点数を減らすことができ、電子装置の小型化を図ることができる接続端子、及び、その接続端子を備えた電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、一枚の板材からなる接続端子であって、二つの基板を所定の間隔をあけて支持すると共に、前記二つの基板を電気的に接続する基板間接続部と、前記二つの基板とは別の電気部品と電気的に接続される板状の導体部材が接合される接合部とを備え、前記基板間接続部は、前記二つの基板のうちの第一基板に接合される第一端子部と、前記第一端子部から前記二つの基板のうちの第二基板に向けて延びる第二端子部とを備え、前記第二端子部の延長方向の先端面が前記第二基板の表面に接合されて前記第二基板を支持し、前記接合部は、前記第二端子部の板厚方向に向く側面によって構成され、前記第二端子部の前記先端面は、前記第二端子部の延長方向に延びる段差面を有する段状に形成され、前記先端面における低部側領域が前記第二基板の表面に接合され、前記第二端子部は、平板状に形成され、かつ、前記第二端子部の板厚方向を前記第一基板と前記第二基板とが並ぶ上下方向と直交する前後方向に向けた姿勢で、前記第一端子部から前記第二基板に向けて延び、前記段差面と前記低部側領域とが、前記上下方向及び前記前後方向に直交する左右方向に並ぶ接続端子である。
【0007】
本発明の一態様は、二つの基板と、前記接続端子とを備える電子装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、同一の接続端子によって二つの基板を電気的に接続することができると共に、二つの基板を支持することができるため、電子装置の部品点数を減らすことができる。また、二つの基板を電気的に接続したり二つの基板を支持したりするための接続端子を設けるスペースを小さく抑えることができるため、電子装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る電子装置の要部を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係る電子装置の変形例を示す断面図である。
【
図3】本発明の第二実施形態に係る電子装置の要部を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第三実施形態に係る電子装置の要部を示す斜視図である。
【
図5】本発明の第四実施形態に係る電子装置の要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第一実施形態〕
以下、
図1を参照して本発明の第一実施形態について説明する。本実施形態に係る電子装置1は、
図1に示すように、第一基板2と、第一基板2に対して所定の間隔をあけて配置される第二基板3と、第一基板2に設けられる接続端子4と、不図示の電気部品と電気的に接続される導体部材5とを備える。なお、以下の説明では、説明の便宜上、
図1等に示す上下、左右及び前後の矢印に示す方向を、上下方向、左右方向及び前後方向と定義して構成要素の位置や向き等を説明する。
【0011】
第一基板2は、絶縁体からなる平板の少なくとも上面に、導体からなる複数の配線部が施されたプリント基板である。第一基板2の上面には、各種の電子部品(不図示)及び接続端子4が配線部に接続されて設けられる。本実施形態では、第一基板2の上面における端部側の位置に接続端子4が設けられる。
【0012】
第二基板3は、第一基板2と同様のプリント基板である。第二基板3には、各種の電子部品(不図示)が配線部に接続されて設けられる。第二基板3の端部側の位置には、上下貫通した貫通孔31が形成されている。
【0013】
接続端子4は、導体からなる一枚の板材によって形成されている。接続端子4は、U字状に屈曲されて形成された第一端子部41と、第一端子部41の一方の端部から外側に屈曲されて延びる矩形状の第二端子部42と、第二端子部42の一方の側端部から外側に延びるL字状の第三端子部43とを有する。
【0014】
第一端子部41は、板材をU字状に屈曲して形成されているため、主に第一端子部41の板厚方向(
図1における上下方向)に弾性変形可能になっている。第一端子部41の一方の外側面を第一基板2の上面の配線部に面接触させ、その接触部分を半田付け等によって接合することにより、接続端子4は第一基板2の配線部に電気的に接続された状態で設けられる。このように接続端子4が第一基板2上に設けられた状態において、第一基板2に接合されていない側の第一端子部41の上側端部から、第一端子部41に対して略直交する方向に屈曲されて上方に延びる第二端子部42が設けられている。
【0015】
接続端子4が第一基板2上に設けられた状態において、矩形平板状の第二端子部42は、板厚方向を前後方向に向けた姿勢で上方に延びている。第二端子部42は、U字状の第一端子部41が上下方向に弾性変形することで、上下方向に変位したり、左右方向(第一、第二端子部41,42の幅方向)を軸線とする軸周りに変位して前後方向(第二端子部42の板厚方向)に変位したりする。なお、第二端子部42は、U字状の第一端子部41の弾性変形に伴って、前後方向を軸線とする軸周りに変位することもできる。
【0016】
第二端子部42の左側部には、上下方向の中間位置から左方に延びる第三端子部43が一体に設けられている。第三端子部43は、第二端子部42の左側部から左方に延びる矩形平板状の基板支持部431と、基板支持部431の左端部(先端部)から上方に延びる矩形棒状の基板挿通部432とを有し、第三端子部43は全体としてL字平板状になっている。基板挿通部432は、第二端子部42の上端部よりも少し高い位置まで延びている。矩形棒状の基板挿通部432は、第二基板3の貫通孔31に挿入可能な外形寸法になっている。
【0017】
第三端子部43の基板挿通部432が第二基板3の貫通孔31に挿通され、当該第二基板3の下面が基板支持部431の上端部に載置されることにより、接続端子4は、第二基板3を第一基板2に対して所定の間隔をあけた状態で支持するようになっている。このように第二基板3を支持した状態において、貫通孔31に挿通された基板挿通部432と第二基板3とを半田付け等によって接合させることにより、接続端子4は第二基板3の配線部に電気的に接続される。接続端子4は、第一基板2の配線部に電気的に接続されると共に第二基板3の配線部に電気的に接続されることで、第一基板2の配線部と第二基板3の配線部とを電気的に接続するようになっている。以上のことから、接続端子4の第一端子部41、第二端子部42及び第三端子部43は、二つの基板2,3を所定の間隔をあけて支持する共に、二つの基板2,3を電気的に接続する接続端子4の基板間接続部を構成している。
【0018】
導体部材5は、接続端子4と同様に、導体からなる板材に折り曲げ加工等を施して形成されている。導体部材5における不図示の一端部側は、例えばコンデンサ等の不図示の電気部品と電気的に接続される。この電気部品は、第一基板2及び第三基板3に実装される電気部品とは別の電気部品である。導体部材5の他端部側は、接続端子4の第二端子部42における板厚方向に向く側面421の上部に面接触され、その接触部分が溶接等によって接合される。このように導体部材5の他端部側を第二端子部42の側面421の上部に面接触させた状態で接合されることにより、導体部材5は接続端子4と電気的に接続される。第二端子部42の側面421は、導体部材5が接合される接続端子4の接合部を構成している。
【0019】
以上説明したように、第一実施形態によれば、同一の接続端子4によって、二つの基板2,3を所定の間隔をあけて支持すると共に、二つの基板2,3を電気的に接続し、二つの基板2,3とコンデンサ等の別の電気部品とを電気的に接続する。これにより、二つの基板2,3を所定の間隔をあけて支持する部品、二つの基板2,3を電気的に接続する部品、二つの基板2,3と別の電気部品とを電気的に接続する部品をそれぞれ用意する場合と比較して、電子装置1を構成する部品点数を減らすことができる。また、二つの基板2,3を所定の間隔をあけて支持したり、二つの基板2,3を電気的に接続したり、二つの基板2,3と別の電気部品とを電気的に接続したりするための部品を設けるスペースを小さく抑えることができるため、電子装置1の小型化を図ることができる。
【0020】
第一実施形態では、接続端子4が一枚の板材からなるため、接続端子4に大電流を流すことができる。すなわち、接続端子4を大電流に対応した電気配線として活用することができる。
【0021】
また、第一実施形態では、接続端子4が、第一基板2に接合される第一端子部41と、第一端子部41から第二基板3に向けて延びる第二端子部42と、第二端子部42の側端部に設けられる第三端子部43とを備える。さらに、第三端子部43は、第二端子部42の側端部から第二基板3の下面(表面)に沿った方向に延びる基板支持部431と、基板支持部431の先端部から第二端子部42の延長方向に延びる基板挿通部432とを有する。このため、第一端子部41を第一基板2に接合すると共に、第三端子部43の基板挿通部432を第二基板3に挿通させて接合することで、二つの基板2,3を電気的に接続することができる。さらに、基板挿通部432を挿通させた第二基板3を第三端子部43の基板支持部431で支持することで、第一基板2と第二基板3との間隔を維持できる。さらに、第二端子部42の側面421に導体部材5を接合することができる。
【0022】
また、第一実施形態では、第一端子部41がU字状に形成されて上下方向に弾性変形可能になっており、U字状の第一端子部41が上下方向に弾性変形した際には、第二端子部42が前後方向(第二端子部42の板厚方向)に変位する。このため、導体部材5を第二端子部42の側面421に接合する際に、導体部材5と第二端子部42とが前後方向に離れて位置していても、第一端子部41を弾性変形させて前後方向における第二端子部42の位置を変位させることで、導体部材5と第二端子部42とを重ねて接合することができる。すなわち、弾性変形可能な第一端子部41によって導体部材5と第二端子部42との位置ずれを吸収することができる。
【0023】
第一実施形態において、第三端子部43の基板支持部431は、例えば第二端子部42に対して折り曲げられる等して第二端子部42の側端部から第二端子部42の板厚方向(前後方向)に延びてもよい。この場合、第三端子部43の基板挿通部432は、第二端子部42に対してその板厚方向に間隔をあけて位置する。
【0024】
第一実施形態において、第三端子部43は、例えば第二端子部42の左右両方の側端部に設けられてもよい。すなわち、接続端子4は、二つの第三端子部43を有してもよい。接続端子4が二つの第三端子部43を有する場合には、二つの第二基板3を接続端子4の二つの第三端子部43にそれぞれ取り付けることができる。
【0025】
第一実施形態において、第三端子部43は、例えば第二端子部42の側端部において上下方向に複数(例えば三つ以上)並んでいてもよい。接続端子4において上下方向に複数の第三端子部43が並ぶ場合には、複数の第二基板をそれぞれ複数の第三端子部43に取り付けることで、上下方向に並べることができる。
【0026】
第一実施形態において、第三端子部43の基板支持部431は、例えば
図2に示すように、第二端子部42の側端部のうち下端部に一体に設けられてもよい。この場合、基板支持部431は、第二端子部42と同様に第一端子部41の上側端部から上方に延びるように設けられてよい。
図2に例示する基板支持部431の上端部は、第二端子部42の上端部よりも低く位置している。
図2に例示する接続端子4において、基板挿通部432は基板支持部431の左端部から上方に延びており、基板挿通部432の上端部は第二端子部42の上端部よりも低く位置している。
【0027】
第一実施形態において、基板支持部431の上端部よりも高く位置する第二端子部42の上側部位は、例えば
図2に示すように、基板挿通部432と同様に、第二基板3に形成された別の貫通孔32に挿通されてもよい。別の貫通孔32に挿通された第二端子部42の上側部位は、半田付け等によって第二基板3に接合されて第二基板3の配線部に電気的に接続されてもよい。第二端子部42の上側部位が第二基板3の別の貫通孔32に挿通される場合、導体部材5は、第二基板3よりも上側に位置する第二端子部42の側面421の上部に接合されてもよい。
【0028】
〔第二実施形態〕
次に、
図3を参照して本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
【0029】
図3に示すように、本実施形態の電子装置1Aは、第一実施形態と同様に、上下方向に所定の間隔をあけて配置される第一基板2及び第二基板3と、第一基板2の上面に設けられる接続端子4Aと、接続端子4Aと電気的に接続される導体部材5とを備える。接続端子4Aは、導体からなる一枚の板材によって形成されている。接続端子4Aは、U字状に形成されて第一基板2の上面に接合される第一端子部41と、第一端子部41の上側端部から第二基板3に向けて上方に延びる第二端子部42Aとを有する。
【0030】
第二端子部42Aは、第一実施形態と同様に、矩形平板状に形成され、第一端子部41の上側端部から板厚方向を前後方向に向けた姿勢で上方に延びている。第二端子部42Aにおける板厚方向に向く第二端子部42Aの側面421は、第一実施形態と同様に、導体部材5が接合される接続端子4Aの接合部を構成している。
【0031】
第二端子部42Aの上端面422A(先端面)に第二基板3の下面(表面)が面接触するように載置されることにより、接続端子4Aは、第二基板3を第一基板2に対して所定の間隔をあけた状態で支持するようになっている。このように第二基板3を支持した状態において、第二端子部42Aの上端面422Aと第二基板3の下面とを半田付け等によって接合させることにより、接続端子4Aが第二基板3の配線部に電気的に接続される。接続端子4Aは、第一基板2及び第二基板3の配線部に電気的に接続されることで、第一基板2の配線部と第二基板3の配線部とを電気的に接続するようになっている。以上のことから、接続端子4Aの第一端子部41及び第二端子部42Aは、二つの基板2,3を所定の間隔をあけて支持する共に、二つの基板2,3を電気的に接続する接続端子4Aの基板間接続部を構成している。
【0032】
第二実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。また、第二実施形態では、接続端子4Aが、U字状に形成された第一端子部41及び矩形平板状に形成された第二端子部42Aのみを有し、第一基板2と第二基板3との間に挟まれるように設けられる。これにより、L字平板状に形成された第三端子部43(特に棒状の基板挿通部432)を有する第一実施形態の接続端子4(
図1,2参照)と比較して、接続端子4Aの形状の簡素化を図ることができる。接続端子4Aの形状が簡素化されることで、接続端子4Aの製造に用いる金型構造が簡素化されて金型製造のリードタイムの短縮及び金型製造コストの削減を図ることができると共に、製造された接続端子4Aの検査工程の短縮や低コスト化を図ることができる。
【0033】
〔第三実施形態〕
次に、
図4を参照して本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態では、第二実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
【0034】
図4に示すように、本実施形態の電子装置1Bは、第二実施形態と同様に、第一基板2及び第二基板3と、接続端子4Bと、導体部材5とを備える。接続端子4Bは、第二実施形態と同様に、第一端子部41と、第二端子部42Bとを有する。第二端子部42Bは、平板状に形成され、第二実施形態と同様に、第一端子部41の上側端部から板厚方向を前後方向に向けた姿勢で上方に延びている。
【0035】
第二端子部42Bの上端面422B(先端面)は、上下方向(第二端子部42Bの延長方向)に延びる段差面423Bを有する段状に形成されている。上端面422Bは、段差面423Bの下端に連なる低部側領域424Bと、段差面423Bの上端に連なる高部側領域425Bとを有する。低部側領域424B及び高部側領域425Bはそれぞれ、上下方向に直交する平坦面となっている。低部側領域424Bと高部側領域425Bとは左右方向に並んでおり、段差面423Bは低部側領域424B側(
図4において右側)に向いている。段差面423Bは、低部側領域424B及び高部側領域425Bに対して直交している。段差面423Bは、左右方向における第二端子部42Bの中間に位置している。
【0036】
第二端子部42Bの低部側領域424Bに第二基板3の下面(表面)が面接触するように第二基板3が低部側領域424Bに載置されることにより、接続端子4Bは、第二基板3を第一基板2に対して所定の間隔をあけた状態で支持するようになっている。このように第二基板3を支持した状態において、第二端子部42Bの低部側領域424Bと第二基板3の下面とを半田付け等によって接合させることにより、接続端子4Bが第二基板3の配線部に電気的に接続される。接続端子4Bの第一端子部41及び第二端子部42Bは、第二実施形態と同様に、二つの基板2,3を所定の間隔をあけて支持する共に、二つの基板2,3を電気的に接続する接続端子4Bの基板間接続部を構成している。
【0037】
第三実施形態によれば、第一、第二実施形態と同様の効果を奏する。また、第三実施形態では、第二端子部42Bの上端面422Bが段差面423Bを有する段状に形成されている。このため、第二基板3の下面が第二端子部42Bの低部側領域424Bに載置された状態では、第二基板3の側部が左右方向において段差面423Bに対向する。これにより、第二基板3の側部を段差面423Bに突き当てて、低部側領域424B上における第二基板3の移動(
図4では左方への移動)を制限することができる。したがって、上端面422Bが段状に形成されない場合と比較して、第二基板3を接続端子4Bやこれを取り付けた第一基板2に対して簡単に位置決めすることができる。
【0038】
第三実施形態では、二つの接続端子4Bを用いることで、第二基板3を接続端子4Bや第一基板2に対してより確実に位置決めすることができる。具体的には、二つの接続端子4Bの段差面423Bが左右方向において対向するように、二つの接続端子4Bを左右方向に間隔をあけて並べる。これにより、第二基板3の下面が二つの接続端子4Bの低部側領域424Bに載置された状態では、第二基板3が二つの接続端子4Bの段差面423Bの間に配置されるため、第二基板3が左右方向に移動することを制限することができ、第二基板3をより確実に位置決めすることができる。
【0039】
〔第四実施形態〕
次に、
図5を参照して本発明の第四実施形態について説明する。第四実施形態では、第三実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
【0040】
図5に示すように、本実施形態の電子装置1Cは、第三実施形態と同様に、二つの基板2,3と、接続端子4Cと、導体部材5とを備える。接続端子4Cは、第三実施形態と同様に、第一端子部41と、第二端子部42Cとを有する。第二端子部42Cは、第三実施形態と同様に、平板状に形成され、第一端子部41の上側端部から板厚方向を前後方向に向けた姿勢で上方に延びている。第二端子部42Cの上端面422C(先端面)は、第三実施形態と同様に、上下方向に延びる段差面423Bと、段差面423Bの下端に連なる低部側領域424Bと、段差面423Bの上端に連なる高部側領域425Bとを有する。
【0041】
第二端子部42Cの段差面423Bは、上端面422Cにおいて斜めに傾斜した傾斜面423Cになっている。傾斜面423Cは、低部側領域424Bから上方に向かうにしたがって、左右方向において低部側領域424Bから離れる方向(
図5において左方)に向かうように傾斜している。
【0042】
第四実施形態によれば、第一~第三実施形態と同様の効果を奏する。また、第四実施形態によれば、第二基板3を第二端子部42Cの低部側領域424Bに載置する際に第二基板3の側部(
図5において左側の端部)が低部側領域424Bよりも高部側領域425B側(
図5において低部側領域424Bよりも左側)にずれていても、第二基板3の側部が傾斜面423Cに当たることで、第二基板3は高部側領域425B側から低部側領域424B側(
図5において右側)に案内される。これにより、第二基板3を低部側領域424Bに載置する際に、第二基板3が接続端子4Cや第一基板2に対して位置ずれした状態で接続端子4Cに取り付けられることを簡単に抑制又は防止することができる。すなわち、第二基板3を接続端子4Cや第一基板2に対して簡単に組み付けることができる。
【0043】
第三、第四実施形態においては、例えば第二基板3に第二基板3の側部から第二基板3の下面に沿う方向に窪む凹部が形成されてもよい。凹部が形成された第二基板3を低部側領域424Bに載置した状態では、第二端子部42B,42Cのうち低部側領域424Bよりも上方に位置する部位(上方部位)が第二基板3の凹部に挿入されてもよい。第二端子部42B,42Cの上方部位が第二基板3の凹部に挿入されることで、第二基板3は、接続端子4B,4Cに対して第二基板3の下面に沿う方向(凹部の窪み方向及びこれに直交する凹部の幅方向)に移動することを制限される。したがって、第二基板3を、接続端子4B,4Cや第一基板2に対してより確実に位置決めすることができる。
【0044】
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。例えば、接続端子の第一端子部は、例えば平板状に形成される等して積極的に弾性変形しないようになっていてもよい。本発明において、電子装置は少なくとも二つの基板と接続端子とを備えればよい。すなわち、電子装置は導体部材を備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1,1A,1B,1C 電子装置
2 第一基板
3 第二基板
4,4A,4B,4C 接続端子
41 第一端子部
42,42A,42B,42C 第二端子部
421 側面(接合部)
422A,422B,422C 上端面(先端面)
423B 段差面
423C 傾斜面
424B 低部側領域
43 第三端子部
431 基板支持部
432 基板挿通部
5 導体部材