(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】保護カバー
(51)【国際特許分類】
F16L 57/00 20060101AFI20240315BHJP
H02G 3/06 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
F16L57/00 A
H02G3/06 008
(21)【出願番号】P 2020081085
(22)【出願日】2020-05-01
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 和也
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-133394(JP,A)
【文献】特開2002-051427(JP,A)
【文献】特開2016-010190(JP,A)
【文献】特開2007-155014(JP,A)
【文献】特開平10-332858(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0089606(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 57/00
H02G 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に配線・配管材の配設経路を構成する配線・配管材の保護カバーであって、
第1分割体と、
前記第1分割体に組み付けられる第2分割体と、
前記第1分割体および前記第2分割体の離反方向に互いに係合する一対の係止片および被係止片からなり、前記配設経路の複数の箇所に形成された複数の係止手段と、を備え、
前記係止片および前記被係止片は、非係合位置に相対的に弾性変位することで前記係止手段の係合状態を解除可能に構成され、
前記複数の係止手段のうちの一方の係止手段および他方の係止手段が、前記配設経路に沿って離隔して配置されており、
少なくとも前記一方の係止手段は、係合状態において、前記係止片および前記被係止片が互いに当接する当接部と、前記当接部よりも前記他方の係止手段に近い側で前記係止片および前記被係止片が互いに離隔した空隙部とを備え、
前記他方の係止手段の係合が解除され、前記第1分割体および前記第2分割体が部分的に離反したときに、前記一方の係止手段において、前記空隙部内で前記係止片および前記被係止片が相対的に近接移動することが許容されることを特徴とする保護カバー。
【請求項2】
前記一方の係止手段の係合状態において、前記係止片および前記被係止片は、それぞれ互いに対面する係止面および被係止面を有し、前記係止面および前記被係止面の間に前記空隙部を形成するように、前記係止面および前記被係止面の少なくとも一方は、他方に対して後退した部位を有することを特徴とする請求項1に記載の保護カバー。
【請求項3】
前記係止面および前記被係止面の一方は、他方に対して傾斜する傾斜面を少なくとも部分的に含むことを特徴とする請求項2に記載の保護カバー。
【請求項4】
前記他方の係止手段において、前記第1分割体および前記第2分割体の離反方向に前記係止面および前記被係止面がすれ違ったときに、前記一方の係止手段において、前記空隙部内で前記係止面および前記被係止面が対面状態で離隔していることを特徴とする請求項2または3に記載の保護カバー。
【請求項5】
前記保護カバーの少なくとも1つの側壁には、異なる方向に直線的に延在する2つの直状部、および、前記2つの直状部を屈曲させて連結する曲がり部が連続して設けられ、
前記一方の係止手段および前記他方の係止手段は、前記2つの直状部にそれぞれ形成され、連続する前記側壁上で前記曲がり部を介して隣接して配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の保護カバー。
【請求項6】
前記配設経路の複数の端部で別の保護カバーを接続するための複数の接続口をさらに備え、
前記係止手段は、前記複数の接続口の各々に対して、一対一組として前記保護カバーの両側壁に対向して設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の保護カバー。
【請求項7】
前記配設経路は、所定の接続方向に開口する第1接続口、および、前記所定の接続方向に対して直交するとともに互いに相反する接続方向に開口する2つの第2接続口を端部に有する略T字形状を有し、前記第1接続口に対して前記一方の係止手段が設けられ、且つ、前記第2接続口に対して前記他方の係止手段が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の保護カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線・配管材等の長尺の内容物を保護する保護カバー、および、該保護カバーに応用され得る連結機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、壁面や天井面などの設置面に対して配設経路に沿って配線・配管材を敷設する際、配線・配管材を内部に収容して保護するために、配線・配管材の保護カバーが設置面に設置される。保護カバーは、内部に配線・配管材を敷設するための配設経路の少なくとも一部を形成し、複数の保護カバーが接続されることによって、長尺の配設経路が設置面上に構築される。
【0003】
例えば、特許文献1は、配線・配管材を内部に配設するとともに、保護ダクト(保護カバー)を三叉に接続するチーズ部材を開示する。以下、当該段落において、()内に特許文献1の符号を示す。チーズ部材(1)は、配線・配管材が建物の壁面に沿って配設される配設経路の途中の分岐箇所に設けられ、三方に分岐して、前記配線・配管材を収容して保護する保護ダクトが接続されるダクト付属品である。このチーズ部材(1)は、内部に配線・配管材の分岐箇所を収容する収容空間(2)と、その収容空間(2)から三方に開口して保護ダクトが挿入されて接続される受口(3)とを備えている。チーズ部材(1)は、上下に分割され、壁面に固定される基台(11)と、該基台(11)に着脱自在に取付けられて収容空間(2)を覆う蓋体(21)との2分割体で構成されている。基台(11)の側壁(13)の複数箇所には、係合爪(18)が側壁(13)に沿って設けられている。また、蓋体(21)の側壁(23)の複数箇所に、垂直下方に突出して弾性的に側壁(23)と直交する方向に撓む矩形板状の弾性突片(27)が設けられている。そして、弾性突片(27)の先端部には基台(11)の側壁(13)の係合爪(18)と係合する弾性爪(27a)が形成されている。蓋体(21)は、基台(11)に上方から押込まれることにより、弾性突片(27)の弾性爪(27a)が基台(11)の係合爪(18)と係合して、基台(11)に着脱自在に組付けられる。組付け後、該蓋体(21)の側壁(23)を側方から強く押圧して弾性突片(27)を内部側に撓ませ、基台(11)の係合爪(18)との係合を解除することにより、蓋体(21)が基台(11)から取り外される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のチーズ部材(以下、保護カバー)では、基台と蓋体を分離する際、三方に分岐した受口の一の箇所で係合爪同士の係合を解除し、当該箇所で基台と蓋体とを部分的に離反させた後、他の受口の箇所において係合爪同士の係合を解除する。しかしながら、一の箇所の係合爪同士の係合を解除したとしても、他の箇所では係合爪同士の係合が維持されているので、一の箇所で基台と蓋体とを部分的に離反させるには、基台および蓋体の少なくとも一方を弾性的に撓ませることが必要となる。換言すると、一の箇所で基台と蓋体とを部分的に離反させた状態では、元の閉じた形態に戻ろうとする弾性力が常に発生している。そのため、一の箇所で係合爪同士の係合を一旦解除した上で、他の箇所で係合爪同士の係合を解除操作している間に、この弾性復帰力により、一端係合解除した一の箇所で基台と蓋体が閉じて係合爪同士が再度係合してしまうことが起こり易く、基台および蓋体の分離に関する作業性が低下することが問題であった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、第1分割体と第2分割体とを容易に分離することを可能とする配線・配管材の保護カバー、および、該保護カバーに係る連結機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の保護カバーは、内部に配線・配管材の配設経路を構成する配線・配管材の保護カバーであって、
第1分割体と、
前記第1分割体に組み付けられる第2分割体と、
前記第1分割体および前記第2分割体の離反方向に互いに係合する一対の係止片および被係止片からなり、前記配設経路の複数の箇所に形成された複数の係止手段と、を備え、
前記係止片および前記被係止片は、非係合位置に相対的に弾性変位することで前記係止手段の係合状態を解除可能に構成され、
前記複数の係止手段のうちの一方の係止手段および他方の係止手段が、前記配設経路に沿って離隔して配置されており、
少なくとも前記一方の係止手段は、係合状態において、前記係止片および前記被係止片が互いに当接する当接部と、前記当接部よりも前記他方の係止手段に近い側で前記係止片および前記被係止片が互いに離隔した空隙部とを備え、
前記他方の係止手段の係合が解除され、前記第1分割体および前記第2分割体が部分的に離反したときに、前記一方の係止手段において、前記空隙部内で前記係止片および前記被係止片が相対的に近接移動することが許容されることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の保護カバーは、請求項1に記載の保護カバーにおいて、前記一方の係止手段の係合状態において、前記係止片および前記被係止片は、それぞれ互いに対面する係止面および被係止面を有し、前記係止面および前記被係止面の間に前記空隙部を形成するように、前記係止面および前記被係止面の少なくとも一方は、他方に対して後退した部位を有することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の保護カバーは、請求項2に記載の保護カバーにおいて、前記係止面および前記被係止面の一方は、他方に対して傾斜する傾斜面を少なくとも部分的に含むことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の保護カバーは、請求項2または3に記載の保護カバーにおいて、前記他方の係止手段において、前記第1分割体および前記第2分割体の離反方向に前記係止面および前記被係止面がすれ違ったときに、前記一方の係止手段において、前記空隙部内で前記係止面および前記被係止面が対面状態で離隔していることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の保護カバーは、請求項1から4のいずれか一項に記載の保護カバーにおいて、前記保護カバーの少なくとも1つの側壁には、異なる方向に直線的に延在する2つの直状部、および、前記2つの直状部を屈曲させて連結する曲がり部が連続して設けられ、
前記一方の係止手段および前記他方の係止手段は、前記2つの直状部にそれぞれ形成され、連続する前記側壁上で前記曲がり部を介して隣接して配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の保護カバーは、請求項1から5のいずれか一項に記載の保護カバーにおいて、前記配設経路の複数の端部で別の保護カバーを接続するための複数の接続口をさらに備え、
前記係止手段は、前記複数の接続口の各々に対して、一対一組として前記保護カバーの両側壁に対向して設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の保護カバーは、請求項6に記載の保護カバーにおいて、前記配設経路は、所定の接続方向に開口する第1接続口、および、前記所定の接続方向に対して直交するとともに互いに相反する接続方向に開口する2つの第2接続口を端部に有する略T字形状を有し、前記第1接続口に対して前記一方の係止手段が設けられ、且つ、前記第2接続口に対して前記他方の係止手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明の一形態の連結機構は、第1分割体と第2分割体とを連結するための連結機構であって、
連続する側壁上に設けられ、各々が前記第1分割体および前記第2分割体の離反方向に互いに係合する一対の係止片および被係止片からなる、第1および第2係止手段と、
前記係止片および前記被係止片を非係合位置に相対的に弾性変位させて前記各係止手段の係合状態を解除する係止解除手段と、を備え、
前記第1係止手段は、係合状態において、前記係止片および前記被係止片が互いに当接する当接部と、前記当接部よりも前記第2係止手段に近い側で前記係止片および前記被係止片が互いに離隔した空隙部とを備えており、
前記第2係止手段の係合が解除され、前記第1分割体および前記第2分割体が部分的に離反したときに、前記第1係止手段において、前記空隙部内で前記係止片および前記被係止片が相対的に近接移動することが許容されることを特徴とする。
【0015】
本発明の一形態の連結機構は、第1分割体と第2分割体とを連結するための連結機構であって、
連続する側壁上に設けられ、各々が前記第1分割体および前記第2分割体の離反方向に互いに係合する一対の係止部および被係止部からなる、第1および第2係止手段と、
前記係止部および前記被係止部を非係合位置に相対的に弾性変位させて前記各係止手段の係合状態を解除する係止解除手段と、を備え、
前記第1係止手段は、係合状態のまま、前記第2係止手段の係合を解除し、前記第1分割体および前記第2分割体を部分的に離反させることを許容するとともに、前記第2係止手段の係合位置に戻ろうとする弾発力の発生を抑えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の保護カバーによれば、一方の係止手段には、係止片および被係止片の係合状態を維持するための当接部に加えて、当接部よりも他方の係止手段に近い側で係止片および被係止片の間に空隙部が設けられている。当該空隙部は、一方の係止手段から離隔した位置で第1分割体および第2分割体が部分的に離反したときに、係止片および被係止片が相対的に近接移動することを許容する。すなわち、第1分割体および第2分割体の離反とともに空隙部内で係止片および被係止片が相対的に変位するように遊動することにより、離反に伴う力を空隙部内で逃がして、一方の係止手段の係合を支点として、第1分割体および第2分割体の少なくとも一方が弾性的に撓むことが抑えられる。このように、第1分割体および第2分割体を離反させたときに生じ得る保護カバーの撓み変形量が軽減または消失することにより、第1分割体および第2分割体を元の形態(閉じた状態)に戻す弾発力の発生を抑えることができる。その結果、他方の係止手段の係合を解除した状態をより安定的に維持しつつ、一方の係止手段の係合解除作業を容易に実施することが可能となる。したがって、本発明の保護カバーは、第1分割体と第2分割体とを容易に分離することを可能とするものである。
【0017】
請求項2に記載の保護カバーによれば、請求項1の発明の効果に加え、係止面および被係止面の少なくとも一方に、他方に対して後退した部位を設けることにより、係止面および被係止面を対面させた状態で、空隙部内で係止面および被係止面を互いに近接させる方向に傾動させることができる。
【0018】
請求項3に記載の保護カバーによれば、請求項2の発明の効果に加え、係止面および被係止面の一方の少なくとも一部が傾斜面であることにより、係止面または被係止面が相対的に傾動したときに、傾斜面が対面する係止面または被係止面に係合し、係止解除の前段階で、一方の係止手段の係合を維持することができる。これにより、一方の係止手段における係合が弱くなることが抑えられる。
【0019】
請求項4に記載の保護カバーによれば、請求項2または3の発明の効果に加え、空隙部は、他方の係止手段近傍の箇所において第1分割体および第2分割体の離反方向に係止面および被係止面がすれ違った時点で、第1係止手段の係止面および被係止面が未だ遊動可能な大きさで形成されている。これにより、他方の係止手段での係合解除状態が維持された状態において、一方の係止手段の係止面および被係止面間に力を作用させずに、保護カバーの第1分割体または第2分割体が撓み変形することを防止することができる。
【0020】
請求項5に記載の保護カバーによれば、請求項1から4のいずれかの発明の効果に加え、曲がり部を有する保護カバーにおいても、第1分割体と第2分割体とを容易に分離することが可能である。
【0021】
請求項6に記載の保護カバーによれば、請求項1から5のいずれかの発明の効果に加え、一対一組の係止手段が、各接続口において第1および第2分割体を強固に連結することができる。
【0022】
請求項7に記載の保護カバーによれば、請求項6の発明の効果に加え、3又に分岐した保護カバーにおいても、第1分割体と第2分割体とを容易に分離することが可能である。特には、2つの第2接続口の第2係止手段を解除し、残りの第1接続口において第1分割体および第2分割体を離反させた後、第1接続口の一方の係止手段で係止片および被係止片が空隙部内で遊動することにより、保護カバーに弾発力が生じることを抑え、第1分割体および第2分割体の取り外しが容易となる。
【0023】
本発明の一形態(段落0014)の連結機構によれば、第1係止手段には、係止片および被係止片の係合状態を維持するための当接部に加えて、当接部よりも第2係止手段に近い側で係止片および被係止片の間に空隙部が設けられている。当該空隙部は、第1係止手段と離隔した位置で第1分割体および第2分割体が部分的に離反したときに、係止片および被係止片が相対的に近接移動することを許容する。すなわち、第1分割体および第2分割体の離反とともに空隙部内で係止片および被係止片が遊動することにより、離反に伴う力を空隙部内で逃がして、第1係止手段の係合に起因して第1分割体および/または第2分割体が弾性的に撓むことが抑えられる。このように、第1分割体および第2分割体を離反させたときに生じ得る撓み変形量が軽減または消失することにより、第1分割体および第2分割体を元の形態(閉じた状態)に戻す弾発力の発生を抑えることができる。その結果、第2係止手段の係合を解除した状態をより安定的に維持しつつ、第1係止手段の係合解除作業を容易に実施することが可能となる。したがって、本発明の連結機構は、第1分割体と第2分割体とを容易に分離することを可能とするものである。
【0024】
本発明の一形態(段落0015)の連結機構によれば、第1係止手段は、係合状態のまま、第2係止手段の係合を解除し、第1分割体および第2分割体を部分的に離反させることを許容するとともに、第2係止手段の係合位置に戻ろうとする弾発力の発生を抑えるように構成されている。すなわち、第1分割体および第2分割体を離反させたときに生じ得る撓み変形量が軽減または消失することにより、第2係止手段の係合を解除した状態をより安定的に維持しつつ、第1係止手段の係合解除作業を容易に実施することが可能となる。したがって、本発明の連結機構は、第1分割体と第2分割体とを容易に分離することを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態の保護カバーの概略斜視図。
【
図2】
図1の保護カバーの(a)平面図、(b)底面図、(c)正面図、(d)背面図および(e)側面図。
【
図3】
図1の保護カバーの(a)A-A断面図、(b)B-B断面図、および(c)C-C断面図。
【
図6】
図5の基台の(a)平面図、(b)底面図、(c)正面図、(d)背面図および(e)側面図。
【
図7】
図5の基台の(a)D-D断面図、および、(b)E矢視図。
【
図8】
図5の基台の(a)F-F断面図、および、(b)G矢視図。
【
図10】
図9の蓋体の(a)平面図、(b)底面図、(c)正面図、(d)背面図および(e)側面図。
【
図11】
図10の(a)H-H断面図、および、(b)I矢視図。
【
図12】
図10の(a)J-J断面図、および、(b)K矢視図。
【
図13】
図1の保護カバーにおいて、第1係止手段の係合状態を示す模式図であって、(a)その概略断面図、および、(b)保護カバーの内側から見た模式図。なお、
図13(b)において、灰色に着色した部分が基台および係止片を示す。
【
図14】
図1の保護カバーにおいて、第2係止手段の係合状態を示す模式図であって、(a)その概略断面図、および、(b)保護カバーの内側から見た模式図。なお、
図14(b)において、灰色に着色した部分が基台および係止片を示す。
【
図15】本発明の一実施形態の保護カバーにおいて、押圧部の操作によって側壁を撓ませて係止片および被係止片の係合を解除した形態を示す。
【
図16】本発明の一実施形態の保護カバーにおいて、第2係止手段の係合状態を解除し、第2係止手段側で基台および蓋体を部分的に離反させた形態を示す(a)概略正面図、および、(b)第2係止手段の概略断面図。
【
図17】本発明の一実施形態の保護カバー(連結機構)の第1係止手段の係合状態を示す模式図であって、(a)基台および蓋体が完全に連結された形態、および、(b)基台および蓋体が部分的に離反した形態を示す。なお、灰色に着色した部分が基台および係止片を示す。
【
図18】本発明の別実施形態の保護カバーの概略斜視図。
【
図19】本発明の別実施形態の保護カバーの概略斜視図。
【
図20】本発明の別実施形態の保護カバー(連結機構)の第1係止手段の係合状態を示す模式図であって、(a)基台および蓋体が完全に連結された形態、および、(b)基台および蓋体が部分的に離反した形態を示す。なお、灰色に着色した部分が基台および係止片を示す。
【
図21】本発明の別実施形態の保護カバー(連結機構)の第1係止手段の係合状態を示す模式図であって、(a)基台および蓋体が完全に連結された形態、および、(b)基台および蓋体が部分的に離反した形態を示す。なお、灰色に着色した部分が基台および係止片を示す。
【
図22】本発明の別実施形態の保護カバー(連結機構)の第1係止手段の係合状態を示す模式図であって、(a)基台および蓋体が完全に連結された形態、および、(b)基台および蓋体が部分的に離反した形態を示す。なお、灰色に着色した部分が基台および係止片を示す。
【
図23】本発明の別実施形態の保護カバーの分解斜視図。
【
図24】
図23の保護カバーにおいて、第1係止手段の係合状態を示す模式図であって、(a)その概略断面図、および、(b)保護カバーの内側から見た模式図。なお、
図24(b)において、灰色に着色した部分が基台および係止片を示す。
【
図25】
図23の保護カバーにおいて、第2係止手段の係合状態を示す模式図であって、(a)その概略断面図、および、(b)保護カバーの内側から見た模式図。なお、
図25(b)において、灰色に着色した部分が基台および係止片を示す。
【
図26】
図23の保護カバーにおいて、第2係止手段の係合状態を解除し、第2係止手段側で基台および蓋体を部分的に離反させた形態を示す(a)概略正面図、および、(b)第2係止手段の概略断面図。
【
図27】
図23の保護カバー(連結機構)の第1係止手段の係合状態を示す模式図であって、(a)基台および蓋体が完全に連結された形態、および、(b)基台および蓋体が部分的に離反した形態を示す。なお、灰色に着色した部分が基台および係止片を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0027】
本発明の一実施形態の保護カバー100は、建物の壁や天井などの設置面に固定され、内部に配線・配管材を敷設するための配設経路を構成するものである。本実施形態の保護カバー100は、他の配線・配管材用カバーを接続する三方継ぎ手(またはチーズ)として構成されているが、本発明の保護カバーは当該実施形態に限定されないことはいうまでもない。まず、
図1乃至
図4を参照して、本実施形態の保護カバー100の構成を説明する。
図1は、本実施形態の保護カバー100の概略斜視図である。
図2(a)~(e)は、該保護カバー100の平面図、底面図、正面図、背面図および側面図である。
図3(a)~(c)は、該保護カバー100のA-A断面図、B-B断面図およびC-C断面図である。
図4は、該保護カバー100の分解斜視図である。
【0028】
保護カバー100は、
図1乃至
図4に示すとおり、第1分割体(第2分割体であってもよい)としての基台101と、該基台101に組み付けられる第2分割体(第1分割体であってもよい)としての蓋体102とから構成されている。また、保護カバー100は、設置面に固定される底壁103と、該底壁103の幅方向両端から略直角に立ち上がる側壁(104,105)と、底壁103に対向して延在する頂壁106とを備えてなる。底壁103、側壁および頂壁106は、保護カバー100の周壁を構成し、配線・配管材を配設するための閉塞された内部空間を定める。ここで、底壁103は、基台101に設けられ、頂壁106は蓋体102に設けられている。また、側壁は、基台101の基台側壁部104および蓋体102の蓋体側壁部105を組み合わせたものである。当該保護カバー100では、後述する連結機構によって基台101(基台側壁部104)の端面と蓋体102(蓋体側壁部105)の端面とが接合されることで、保護カバー100の側壁は、段差を有しない一体の側壁として形成される。
【0029】
保護カバー100は、T字形状の底壁103および頂壁106を有し、T字形状の各端部が開放されている。そのため、保護カバー100は、互いに独立して配設経路に沿って延在する3つの側壁を有する。3つの側壁のうちの2つの側壁は、異なる方向に直線的に延在する2つの直状部、および、該2つの直状部を略直角に屈曲させて連結する曲がり部が連続して設けられたL字形状の壁部である。3つの側壁のうちの1つは、直線的に延在する直状部のみからなる直線形状の壁部である。
【0030】
また、保護カバー100の各端部には、他の配線・配管材用カバーを接続するための接続口107が設けられている。各接続口107は、配設経路に沿って配設される他の配線・配管材用カバーの端部を内挿する形状寸法を有する。また、各接続口107では、周壁のうちの底壁103が他の周壁よりも接続方向内側に後退している。なお、接続方向は、接続口107の軸心に沿って保護カバー100の端部が接続される方向を意味する。さらに、底壁103の端縁には、接続方向外側に突出する接続片107aが設けられている。接続片107aは、保護カバー100が設置面に固定されたときに、接続口107に内挿された他の配線・配管材用カバーの底壁を設置面側に付勢するように構成されている。本実施形態では、3つの接続口107は、1つの接続方向に開口する第1接続口1071、および、該第1接続口1071の接続方向に対して直交するとともに互いに相反する接続方向に開口する2つの第2接続口1072,1072から構成される。
【0031】
本実施形態の保護カバー100では、基台101と蓋体102とが連結機構を介して離反しないように着脱式に連結されている。連結機構は、基台101および蓋体102を互いに離反しないように係止する複数の係止手段110,120と、係止手段110,120の係合解除を操作するための押圧部(係止解除手段)108と、基台101および蓋体102の連結を補強する補強手段109と、を備える。
【0032】
各係止手段110,120は、
図3(a),(b)に示すように、基台側壁部104および蓋体側壁部105の端面を隙間無く合わせた状態で基台101および蓋体102を連結するものであり、各接続口107に対してそれぞれ設けられている。また、各係止手段110,120は、接続口107の各々に対して、一対一組として(配設経路の同じ位置の)両側壁に対向して設けられている。複数の係止手段110,120は、配線経路の異なる位置に設けられた第1係止手段110および第2係止手段120から構成された。そして、本実施形態では、第1係止手段110および第2係止手段120の構成が互いに相違する。第1係止手段110は、第1接続口1071に対して設けられており、第2係止手段120は、第2接続口1072,1072に対してそれぞれ設けられている。すなわち、L字状の壁部において、第1係止手段110および第2係止手段120が2つの直状部にそれぞれ形成され、連続する側壁上で曲がり部を介して隣接して配置されている。他方、直線状の壁部には、第2係止手段120のみが設けられている。
【0033】
また、複数の係止手段110,120に対応する位置には、係止解除を操作するための押圧部108がそれぞれ設けられている。押圧部108は、蓋体側壁部105の表面に刻み目として形成されている。押圧部108を操作することで、対向する側壁(蓋体側壁部105)を押圧して内側に撓ませることで係止手段110、120の係合を解除する。すなわち、保護カバー100では、連結機構により、基台101および蓋体102が着脱自在に組み付けられている。なお、押圧部108は、作業者の押圧操作を補助するためのものであるが、省略されてもよい。
【0034】
以下、連結機構(特に、第1係止手段110および第2係止手段120)の構成をより詳細に説明するために、
図5乃至
図8を参照して基台101の構成を説明し、且つ、
図9乃至
図12を参照して蓋体102の構成を説明する。
【0035】
図5は、基台101の概略斜視図である。
図6(a)~(e)は、該基台101の平面図、底面図、正面図、背面図および側面図である。
図7(a),(b)は、該基台101の第1係止手段110(係止片111)を示すD-D断面図およびE矢視図である。
図8(a),(b)は、該基台101の第2係止手段120(係止片121)を示すF-F断面図およびG矢視図である。
図9は、蓋体102の概略斜視図である。
図10(a)~(e)は、該蓋体102の平面図、底面図、正面図、背面図および側面図である。
図11(a),(b)は、該蓋体102の第1係止手段110(被係止片114)を示すH-H断面図およびI矢視図である。
図12(a),(b)は、該蓋体102の第2係止手段120(被係止片124)を示すJ-J断面図およびK矢視図である。
【0036】
基台101は、
図5乃至
図8に示すように、配設経路を形成するようにT字形状に延在する底壁103と、該底壁103の幅方向両端から立上がる基台側壁部104とを備える。基台101は、配設経路に直交する方向に切断した断面視において、上方に開口するコ字形状を有し、底壁103に対向する面が開放されている。また、T字形状の端部が接続方向に開放されている。そして、各端部において、底壁103の端縁には、接続方向外側に延びる接続片107aが形成されている。
【0037】
基台側壁部104は、独立した3つの部位から構成される。基台側壁部104の2つの部位は、異なる方向に直線的に延在する2つの直状部、および、該2つの直状部を略直角に屈曲させて連結する曲がり部が連続して設けられたL字型部位104aである。基台側壁部104の1つの部位は、直線的に延在する直状部のみからなる直線型部位104bである。
【0038】
また、基台101の底壁103には、設置面にビスで固定するためのビス孔が複数形成されている。さらに、L字型部位104aの曲がり部、および、直線型部位104bの曲がり部に対向する位置には、それぞれ、基台側壁部104の上端から突出する係合凸部109aが設けられている。各係合凸部109aは、壁部内面に一体的に設けられている。後述するように、係合凸部109aは、蓋体102の係合凹部109bと協働し、保護カバー100を補強する補強手段109として機能する。
【0039】
さらに、対向する一対のL字型部位104a,104aの第1接続口1071に対応する位置には、それぞれ、第1係止手段110の係止片111が配設経路を介して互いに対向するように形成されている。つまり、1組の対となる係止片111が、第1接続口1071近傍に設けられている。各係止片111は、
図7(a)に示すように、L字型部位104aの直状部の上端近傍の内面から内側にテーパー状に隆起し、その下面に底壁103側を向く係止面112を有する。
図7(b)に示すように、係止面112は、接続方向に所定の長さを有し、底壁103に平行に延在する水平面として形成されている。また、係止片111は、基台側壁部104の内側且つ開口側を向くとともに、テーパー状に傾斜するガイド面113を有する。
【0040】
他方、対向するL字型部位104aおよび直線型部位104bの第2接続口1072に対応する位置には、それぞれ、第2係止手段120の係止片121が互いに対向するように形成されている。つまり、2組の対となる係止片121が2箇所の第2接続口1072,1072近傍に設けられている。各係止片121は、
図8(a)に示すように、基台側壁部104の直状部の上端近傍の内面から内側にテーパー状に隆起し、その下面に底壁103側を向く係止面122を有する。
図8(b)に示すように、係止面122は、接続方向に所定の長さを有し、底壁103に平行に延在する水平面として形成されている。また、係止片121は、基台側壁部104の内側且つ開口側を向くとともに、テーパー状に傾斜するガイド面123を有する。なお、本明細書において、係止片111,121は係止部とも称される。
【0041】
蓋体102は、
図9乃至
図12に示すように、配設経路を形成するようにT字形状に延在する頂壁106と、該頂壁106の幅方向両端から垂下する蓋体側壁部105とを備える。蓋体102は、配設経路に直交する方向に切断した断面視において、下方に開口するコ字形状を有し、頂壁106に対向する面が開放されている。また、T字形状の端部が接続方向に開放されている。すなわち、蓋体102は、基台101と組み合わさって、内部に配線・配管材の収容空間を形成するように形成されている。
【0042】
蓋体側壁部105は、基台側壁部104と同様に、独立した3つの部位から構成される。蓋体側壁部105の2つの部位は、異なる方向に直線的に延在する2つの直状部、および、該2つの直状部を略直角に屈曲させて連結する曲がり部が連続して設けられたL字型部位105aである。蓋体側壁部105の1つの部位は、直線的に延在する直状部のみからなる直線型部位105bである。
【0043】
また、L字型部位105aの曲がり部、および、直線型部位105bの曲がり部に対向する位置には、それぞれ、係合凸部109aを嵌入可能な形状を有する係合凹部109bが設けられている。
図3(c)に示すように、係合凸部109aおよび係合凹部109bが合わさることで、保護カバー100を補強する補強手段109として機能する。
【0044】
さらに、対向する一対のL字型部位105a,105aの第1接続口1071に対応する位置には、それぞれ、第1係止手段110の被係止片114が互いに反対側を向くように形成されている。つまり、1組の対となる被係止片114が、第1接続口1071近傍における基台101側の1組の対となる係止片111に対応する位置に設けられている。各被係止片114は、
図11(a)に示すように、L字型部位105aの直状部の下端から下方(底壁103側)に突出する板状の延設部115を有している。また、被係止片114は、該延設部115の外面から外側にテーパー状に隆起し、その上面に頂壁106側を向く被係止面116を有する。
図11(b)に示すように、被係止面116は、接続方向に所定の長さを有し、底壁103に対して傾斜して延在する傾斜面として形成されている。つまり、被係止面116は、第1係止手段110の係合状態で、係止面112に対して傾斜して対面するように延在している。被係止面116は、第2係止手段120に近い側(接続口107の反対側)が下方(底壁103側)に後退するように傾斜している。さらに、被係止片114は、蓋体側壁部105の外側且つ開口側を向くとともに、テーパー状に傾斜するガイド面117を有する。
【0045】
他方、対向するL字型部位105aおよび直線型部位105bの第2接続口1072に対応する位置には、それぞれ、第2係止手段120の被係止片124が互いに反対側を向くように形成されている。つまり、2組の対となる被係止片124が、2箇所の第2接続口1072,1072近傍における、基台101側の2組の対となる係止片121に対応する位置に設けられている。各被係止片124は、
図12(a)に示すように、蓋体側壁部105の直状部の下端から下方(底壁103側)に突出する板状の延設部125を有している。また、被係止片124は、該延設部125の外面から外側にテーパー状に隆起し、その上面に頂壁106側を向く被係止面126を有する。
図12(b)に示すように、被係止面126は、接続方向に所定の長さを有し、第1係止手段110の被係止面116と異なり、底壁103に平行に延在する水平面として形成されている。つまり、被係止面126は、第2係止手段120の係合状態で、係止面122に対して平行に対面するように延在している。さらに、被係止片124は、蓋体側壁部105の外側且つ開口側を向くとともに、テーパー状に傾斜するガイド面127を有する。なお、本明細書において、被係止片114,124は被係止部とも称される。
【0046】
また、各被係止片114,124の直上の蓋体側壁部105の外面に、押圧部108が形成されている。すなわち、被係止片114,124の直上の押圧部108を押圧して蓋体側壁部105を内側に撓ませることにより、被係止片114,124をより効率的に内側に変位させることが可能である。
【0047】
以上の説明を踏まえて、
図13および
図14を参照して、第1係止手段110および第2係止手段120における係合状態を対比しつつ説明する。
図13(a),(b)は、第1係止手段110の係合状態を示す模式図である。
図14(a),(b)は、第2係止手段120の係合状態を示す模式図である。ここで係合状態とは、係止片111,121および被係止片114,124が当接または係合し、基台101および蓋体102の離反が規制されている状態である。本発明において、基台101および蓋体102が組み付いた状態で、必ずしも係止面112,122および被係止面116,126が係合または当接していなくてもよく、両者の間に隙間があってもよい。
【0048】
図13(a)に示すように、第1係止手段110の係合状態では、係止片111の係止面112および被係止片114の被係止面116が対面するように係合している。
図13(b)に示すように、被係止面116が係止面112に対して後退した傾斜部位を有することから、係止面112および被係止面116が一部分(接続口107側の端部)で係合し、その他の部分(接続口107の遠位側)で離隔している。すなわち、第1係止手段110は、係合状態において、係止片111(係止面112)および被係止片114(被係止面116)が互いに当接する当接部118と、係止片111(係止面112)および被係止片114(被係止面116)が互いに離隔した空隙部119とを有する。具体的には、当接部118は、係止面112および被係止面116が一端で当接する箇所である。少なくとも、当接部118において係止面112および被係止面116が係合することにより、第1係止手段110の連結状態が維持され得る。空隙部119は、互いに対面する係止面112と被係止面116との間に形成された隙間である。被係止面116の第2係止手段120に近い側が、係止面112から後退するように傾斜していることから、空隙部119は、当接部118よりも第2係止手段120に近い側に形成されている。この空隙部119は、係止片111および被係止片114が遊動することを許容する所謂「遊び」として機能する。
【0049】
図14(a)に示すように、第2係止手段120の係合状態では、係止片121の係止面122および被係止片124の被係止面126が対面するように係合している。
図14(b)に示すように、係止面122および被係止面126が互いに平行に延在していることから、係止面122および被係止面116が面全体で係合し、第2係止手段120がより強固な連結状態を維持している。つまり、第2係止手段120の係合状態は、第1係止手段110の係合状態と相違する。
【0050】
すなわち、上述のとおり、第1係止手段110および第2係止手段120が連結状態を維持することによって、保護カバー100の基台101および蓋体102は、強固且つ安定的に組み付けられ得る。特には、本実施形態の保護カバー100は、第1係止手段110および第2係止手段120を混在させたことにより、基台101および蓋体102間の強固な連結状態を確保しつつ、その分離作業の容易化を図ったものである。
【0051】
次に、第1係止手段110および第2係止手段120の係合状態を解除する方法を説明する。一般に、第1係止手段110および第2係止手段120の係合解除操作は同時ではなく個別に行われる。
図15に示すように、各々の押圧部108を押圧操作すると、側壁(蓋体側壁部105)を内側に傾動させるように弾性変形させることができる。これにより、被係止面116,126が係止面112,122に対面しない非係合位置に変位する。この状態で、蓋体102を基台101に対して離反する方向に持ち上げると、被係止面116,126を係止面112、122の上方に移動させ、係止片111,121および被係止片114,124の係合を解除することができる。
【0052】
次いで、本実施形態の保護カバー100の基台101および蓋体102を組み付ける工程について説明する。まず、該保護カバー100において、基台101に蓋体102を被せて、第1係止手段110および第2係止手段120の位置を合わせる。そして、蓋体102の頂壁106を基台101に対して押圧することにより、第1係止手段110および第2係止手段120のそれぞれに係合状態を形成して、基台101および蓋体102を係合状態に組み付けることができる。より具体的には、基台101に蓋体102を被せると、第1係止手段110および第2係止手段120において、係止片111,121のガイド面113,123が被係止片114,124のガイド面117,127に当接する。蓋体102を基台101に対して押圧すると、当接するガイド面同士が摺接しつつ、蓋体側壁部105とともに被係止片114,124が相対的に内側に弾性変位する。そして、他方のガイド面117,127が一方のガイド面113,123を乗り越えると、被係止片114,124が外側に弾性復帰し、被係止面116,126が係止面112,122に対面する位置に移動する。その結果、
図13および
図14に示すように、連結機構(第1係止手段110および第2係止手段120)を介して、基台101および蓋体102の連結が維持される。
【0053】
続いて、
図16および
図17を参照して、本実施形態の保護カバー100の基台101および蓋体102を分離させる工程について説明する。
図16(a),(b)は、第2係止手段120の係合状態を解除し、第2係止手段120側で基台101および蓋体102を部分的に離反させた保護カバー100の概略正面図、および、第2係止手段120の概略断面図である。
図17(a)は、基台101および蓋体102が完全に組み付けられた形態の第1係止手段110の係合状態を示す模式図である。
図17(b)は、基台101および蓋体102が部分的に離反した形態の第1係止手段110の係合状態を示す模式図である。
【0054】
保護カバー100をより簡単に分離させるには、2組の第2係止手段120の係合状態を先に解除した上で、第1係止手段110の係合状態を解除するように操作する。2つの第2接続口1072,1072において、押圧部108を押圧操作して、2組の第2係止手段120の係止片121および被係止片124の係合を同時または順番にそれぞれ解除する。そして、
図16(a)に示すように、第1係止手段110による連結箇所を支点として、蓋体102を基台101に対して離反方向に傾動させ、基台101および蓋体102を部分的に離反させる。そして、押圧部108の押圧操作を解除する。このとき、
図16(b)に示すように、第2係止手段120において、被係止片124が係止片121の上側の非係合位置に移動し、蓋体側壁部105の弾性復帰力によって、被係止片124のガイド面127が係止片121のガイド面123に付勢されている。すなわち、
図16(a)の状態では、2組の第2係止手段120の係合状態が解除されている一方で、1組の第1係止手段110において未だ係合状態が維持されている。
【0055】
第1係止手段110では、2つの第2接続口1072における離反による蓋体102の傾動に従って、
図17(a)の形態から、被係止片114が空隙部119内で傾動して、
図17(b)の形態に変位する。この変位の過程において、第2係止手段120で離反方向に係止面122および被係止面126がすれ違ったときに、第1係止手段110において、空隙部119内で係止面112および被係止面116が対面状態で未だ離隔していることが好ましい。そして、
図16(b)に示すような係止片121および被係止片124が完全に外れた状態において、
図17(b)に示すように、傾斜する被係止面116が、対向する係止面112に対して近接移動し、係止面112に係止されている。つまり、第2係止手段120側に形成された空隙部119がなくなるまで、係止片111および被係止片114が空隙部119内で相対移動する。これにより、第1係止手段110が支点となって基台101または蓋体102が撓み変形することが抑えられる。また、
図17(b)の状態では、被係止面116の傾斜面が対面する係止面112に係合していることから、係止解除の前段階で、第1係止手段110の係合を安定的に維持することができる。これにより、第2係止手段120の係合を解除した状態で、第1係止手段110における係合が弱くなることが抑えられる。すなわち、
図16(a),(b)および
図17(b)に示した基台101および蓋体102が部分的に離反した姿勢では、離反前の元の形態に復帰させようとする弾発力が発生しないので、作業者が一旦手を離したとしても、当該姿勢が安定的に維持され得る。換言すれば、第1係止手段110は、係合状態のまま、第2係止手段120の係合を解除し、基台101および蓋体102を部分的に離反させることを許容するとともに、第2係止手段120の係合位置に戻ろうとする弾発力の発生を抑えるように構成されている。
【0056】
そして、基台101および蓋体102が部分的に離反した状態から、1組1対の第1係止手段110の係合解除操作を行うことにより、基台101および蓋体102を分離させることができる。このとき、2組の第2係止手段120の係合解除状態が安定的に維持されていることから、作業者は、第1係止手段110の解除操作のみに注力すればよく、第1係止手段110の係合解除操作を容易に行うことができ、そして、基台101および蓋体102を完全に分離することができる。
【0057】
以下、本発明に係る一実施形態の保護カバー100の作用効果について説明する。
【0058】
従来の保護カバーでは、全ての係止手段が、水平面で係合する係止片および被係止片から構成されていることから、一方の係止手段から離隔する他方の係止手段を解除したときに、基台および蓋体が互いに遊動することができない。それ故、他方の係止手段の係合解除後、蓋体を基台から部分的に離反させるには、基台および/または蓋体に撓み変形をさせざるをえない。この撓み変形による弾性復帰力が、例えば
図16(a)の状態で、被係止片を係止片の下方(つまり、係合可能な位置)に付勢するように作用し、一方の係合手段の係合解除操作の反動で、一旦解除した他方の係合手段が再び係合状態に変位してしまうという不具合が起こり得る。
【0059】
本実施形態の保護カバー100は、このような不具合を解消する。保護カバー100によれば、第1係止手段110には、係止片111および被係止片114の係合状態を維持するための当接部118に加えて、該当接部118よりも第2係止手段120に近い側で係止片111および被係止片114の間に空隙部119が設けられている。当該空隙部119は、係合解除された第2係止手段120に対応する位置で基台101および蓋体102が部分的に離反したときに、係止片111の係止面112および被係止片114の被係止面116が相対的に近接移動することを許容する。すなわち、基台101および蓋体102の離反とともに空隙部119内で係止片111および被係止片114が相対的に変位するように遊動することにより、離反に伴う力を空隙部119内で逃がして、第1係止手段110の係合を支点として、基台101および蓋体102の少なくとも一方が弾性的に撓むことが抑えられる。このように、基台101および蓋体102を離反させたときに生じ得る保護カバー100の撓み変形量が軽減または消失することにより、基台101および蓋体102を元の形態(閉じた状態)に戻す弾発力の発生を抑え、第2係止手段120の係合を解除した状態をより安定的に維持しつつ、第1係止手段110の係合解除作業を実施することが可能となる。したがって、本実施形態の保護カバー100は、基台101および蓋体102を容易に分離することを可能とするものである。
【0060】
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の実施形態や変形例を取り得る。以下、本発明の別実施形態を説明する。各実施形態において、下二桁の符番が共通する構成要素は、特定のない限り、同一又は類似の特徴を有し、その説明を一部省略する。
【0061】
(1)本発明の保護カバーは、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。上記実施形態では、保護カバーは、T字形状のチーズとして構成されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。
図18の保護カバー200は、L字形状のエルボとして構成されている。保護カバー200は、基台201と、該基台201に組み付けられる蓋体202とから構成されている。また、保護カバー200は、2つの接続口2071,2072を有し、第1接続口2071近傍に第1係止手段210が設けられ、第2接続口2072近傍に第2係止手段220が設けられている。また、エルボのコーナー部分にも第2係止手段220が設けられている。第1係止手段210は、基台201側の係止片211、および、蓋体202側の被係止片214を有し、係止片211の係止面212および被係止片214の被係止面216が係合することにより、基台201および蓋体202間の連結状態を維持するように構成されている。第2係止手段220は、基台201側の係止片221、および、蓋体202側の被係止片224を有し、係止片221の係止面222および被係止片224の被係止面226が係合することにより、基台201および蓋体202間の連結状態を維持するように構成されている。
【0062】
図18に示すように、第1係止手段210の被係止面216は、隣接する第2係止手段220側が係止面212から離隔するように傾斜している。そして、第1係止手段210は、
図17と同様に、係合状態において、係止片211および被係止片214が互いに当接する当接部218と、該当接部218よりも第2係止手段220に近い側で係止片211および被係止片214が互いに離隔した空隙部219とを備える。これにより、第2係止手段220の係合が解除され、基台201および蓋体202が部分的に離反したときに、第1係止手段210において、空隙部219内で係止片211および被係止片214が相対的に近接移動することが許容される。したがって、L字形状の保護カバー200は、上記実施形態の保護カバー100と同様に、基台201および蓋体202を容易に分離することを可能とするものである。
【0063】
(2)本発明の保護カバーは、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。上記実施形態では、保護カバーは、T字形状のチーズとして構成されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。
図19の保護カバー300は、直線形状のカバーとして構成されている。保護カバー300は、基台301と、該基台301に組み付けられる蓋体302とから構成されている。また、保護カバー300は、2つの接続口307,307を有し、各接続口307,307に第1係止手段310,310が設けられている。各第1係止手段310は、基台301側の係止片311、および、蓋体302側の被係止片314を有し、係止片311の係止面312および被係止片314の被係止面316が係合することにより、基台301および蓋体302間の連結状態を維持するように構成されている。
【0064】
図19に示すように、各第1係止手段310の被係止面316は、隣接する他方の係止手段310側が係止面312から離隔するように傾斜している。そして、両方の第1係止手段310,310は、
図17と同様に、係合状態において、係止片311および被係止片314が互いに当接する当接部318と、該当接部318よりも、互いに隣接する他方の第1係止手段310に近い側で係止片311および被係止片314が互いに離隔した空隙部319とを備える。これにより、いずれかの第1係止手段310の係合が解除され、基台301および蓋体302が部分的に離反したときに、未だ係合状態の第1係止手段310において、空隙部319内で係止片311および被係止片314が相対的に近接移動することが許容される。したがって、保護カバー300は、上記実施形態の保護カバー100と同様に、基台301および蓋体302を容易に分離することを可能とするものである。さらに、保護カバー300では、いずれの接続口307側から係止手段310の係合を解除しても、本発明の連結機構の作用効果が発揮され、基台301および蓋体302を容易に分離することができる。
【0065】
(3)本発明の保護カバーおよび連結機構は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。上記実施形態では、第2分割体(蓋体)の開口から延設された被係止片の被係止面が後退するように傾斜して形成されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態とは逆に、第1分割体(基台)の側壁内面に突出する係止片の係止面が、被係止面に対して後退するように形成されてもよい。
図20に示す保護カバー400では、第1係止手段410の係止片411の係止面412が傾斜面であり、被係止片414の被係止面416が水平面である。そして、
図20(a)に示すように、第1係止手段410の係合状態において、係止面412および被係止面416の間に当接部418および空隙部419が形成されている。空隙部419は、(図示しない)他方の係合手段に近い側に位置している。
図20(b)に示すように、他方の係止手段の係合が解除され、基台401および蓋体402が部分的に離反したときに、第1係止手段410において、空隙部419内で係止片411および被係止片414が相対的に近接移動することが許容される。したがって、当該連結機構は、上記実施形態の連結機構と同様に、基台401および蓋体402を容易に分離することを可能とするものである。
【0066】
(4)本発明の保護カバーおよび連結機構は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。上記実施形態では、第2分割体(蓋体)の開口から延設された被係止片の被係止面が後退するように傾斜して形成されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、第1分割体(基台)の係止片の係止面および被係止片の被係止面の両方が、互いに対して後退するように形成されてもよい。
図21に示す保護カバー500では、第1係止手段510の係止片511の係止面512が水平面および傾斜面を有し、且つ、被係止片414の被係止面516が水平面および傾斜面を有する。そして、
図21(a)に示すように、第1係止手段510の係合状態において、係止面512および被係止面516の間に、水平面同士が係合する部位に当接部518、および、傾斜面同士が離隔する部位に空隙部519が形成されている。空隙部519は、(図示しない)他方の係合手段に近い側に位置している。
図21(b)に示すように、他方の係止手段の係合が解除され、基台501および蓋体502が部分的に離反したときに、第1係止手段510において、空隙部519内で係止片511および被係止片514が相対的に近接移動することが許容される。
図21(b)の形態では、空隙部519がなくなり、当接部518側に隙間が新たに形成されている。したがって、当該連結機構は、上記実施形態の連結機構と同様に、基台501および蓋体502を容易に分離することを可能とするものである。
【0067】
(5)本発明の保護カバーおよび連結機構は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。上記実施形態では、空隙部を形成するために、係止面および/または被係止面に傾斜面が少なくとも部分的に設けられているが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、傾斜面の代わりに、係止片および/または被係止片に互いに対して後退した、段状の凹部を設けてもよい。
図22に示す保護カバー600では、第1係止手段610の係止片611の係止面612が水平面および該水平面から段状に後退した段状凹部からなり、且つ、被係止片614の被係止面616が水平面である。そして、
図22(a)に示すように、第1係止手段610の係合状態において、係止面612および被係止面616の間に、水平面同士が係合する部位に当接部618、および、段状凹部によって後退した部位に空隙部619が形成されている。空隙部619は、(図示しない)他方の係合手段に近い側に位置している。
図22(b)に示すように、他方の係止手段の係合が解除され、基台601および蓋体602が部分的に離反したときに、第1係止手段610において、空隙部619内で係止片611および被係止片614が相対的に近接移動することが許容される。
図22(b)の形態では、空隙部619が小さくなり、当接部618側に隙間が新たに形成されている。したがって、当該連結機構は、上記実施形態の連結機構と同様に、基台601および蓋体602を容易に分離することを可能とするものである。
【0068】
(6)本発明の連結機構は、上記実施形態の係止片および被係止片の形態に限定されず、異なる形態の係止部および被係止部の形態をとってもよい。あるいは、本発明の係止片および被係止片は、以下で説明する、孔もしくは凹部の内周面や、ピンのような要素をも含んで解釈され得る。例えば、
図23に示す保護カバー700は、第1分割体としての基台701と第2分割体としての702とを連結するための連結機構を備える。当該連結機構によって基台701の端面と蓋体702の端面とが接合されることで、保護カバー700の側壁は、段差を有しない一体の側壁として形成される。連結機構は、連続する側壁704,705上に設けられ、各々が基台701および蓋体702を離反方向に係止する第1係止手段710および第2係止手段720と、各係止手段710,720の係合状態を解除する係止解除手段として機能する押圧部708と、を備える。
【0069】
図24および
図25は、第1係止手段710および第2係止手段720の係合状態にある形態をそれぞれ示している。
図24に示すように、第1係止手段710は、基台701に形成された係止部711と、蓋体702に形成された被係止部714とから構成される。係止部711は、基台側壁部704の端部近傍に穿設された孔(凹部であってもよい)として形成された。被係止部714は、蓋体側壁部705の下端から延在する延設部715の外面側(内面側であってもよい)に突出するピンとして形成された。すなわち、孔状の係止部711内にピン状の被係止部714が収まることにより、第1係止手段710の係合状態が形成される。係止部711は、被係止部714を遊動可能に収容する大きさを有している。すなわち、係止部711の孔の周縁と被係止部714との間には空隙部が形成される。他方、
図25に示すように、第2係止手段720は、基台701に形成された係止部721と、蓋体702に形成された被係止部724とから構成される。係止部721は、基台側壁部704の端部近傍に設けられた孔(凹部であってもよい)として形成された。被係止部724は、蓋体側壁部705の下端から延在する延設部715の外面側(内面側であってもよい)に形成されたピンとして形成された。すなわち、孔状の係止部721内にピン状の被係止部724が収まることにより、第2係止手段720の係合状態が形成される。係止部721は、被係止部724がぴったりと嵌合する大きさを有している。
【0070】
図26(a)に示すように、2つの第2係止手段720,720の係合状態を解除し、基台701および蓋体702を部分的に離反させたとき、第1係止手段710は係合状態を維持している。このとき、第2係止手段720では、
図26(b)に示すように、蓋体側壁部705が内側に撓むことにより、係合部(孔)721から被係合部(ピン)724が離反方向に抜け出ている。
【0071】
第1係止手段710では、基台701および蓋体702の部分的な離反動作に従って、
図26(a)の形態から、被係止部714が係止部711内で移動して、
図26(b)の形態に変位する。
図26(b)に示すような係止部721および被係止部724が完全に外れた状態において、
図27(b)に示すように、被係止部714が、係止部711内で相対移動し、係止部711の内周面に係止されている。被係止部714の相対移動(遊動)により、第1係止手段710が支点となって基台701または蓋体702が撓み変形することが抑えられる。すなわち、
図26(a),(b)および
図27(b)に示した基台701および蓋体702が部分的に離反した姿勢では、離反前の元の形態に復帰させようとする弾発力が発生しないので、作業者が一旦手を離したとしても、当該姿勢が安定的に維持され得る。換言すれば、第1係止手段710は、係合状態のまま、第2係止手段720の係合を解除し、基台701および蓋体702を部分的に離反させることを許容するとともに、第2係止手段720の係合位置に戻ろうとする弾発力の発生を抑えるように構成されている。したがって、本実施形態の連結機構は、第1分割体としての基台701と第2分割体としての蓋体702とを容易に分離することを可能とするものである。
【0072】
(7)本発明の保護カバーは、上記実施形態に限定されず、種々の形状寸法を取り得る。例えば、保護カバーは、横断面視矩形状に限らず、断面視において、円形状、長円形状、半円形状、楕円形状、他の多角形状等の任意の形状を有してもよい。
【0073】
(8)本発明の保護カバーは、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。上記実施形態では、係止片および被係止片は、側壁の内面側に形成されたが、側壁の外面側に形成されてもよい。また、基台側壁部および蓋体側壁部は、少なくとも部分的に互いに重合するように構成されてもよい。
【0074】
(9)上記実施形態の保護カバーでは、対となる係止手段が対向する側壁に設けられたが、本発明はこれに限定されない。例えば、対向する一方の側壁のみに係止手段が設けられてもよい。
【0075】
(10)本発明の連結機構は、保護カバーに限定されず、第1分割体および第2分割体を着脱式に組み付ける種々の用途の物品に応用されてもよい。
【0076】
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
【符号の説明】
【0077】
100 保護カバー
101 基台(第1分割体)
102 蓋体(第2分割体)
103 底壁
104 基台側壁部
104a L字型部位
104b 直線型部位
105 蓋体側壁部
105a L字型部位
105b 直線型部位
106 頂壁
107 接続口
107a 接続片
1071 第1接続口
1072 第2接続口
108 押圧部
109 補強手段
109a 係合凸部
109b 係合凹部
110 第1係止手段
111 係止片(係止部)
112 係止面
113 ガイド面
114 被係止片(被係止部)
115 延設部
116 被係止面
117 ガイド面
118 当接部
119 空隙部
120 第2係止手段
121 係止片(係止部)
122 係止面
123 ガイド面
124 被係止片(被係止部)
125 延設部
126 被係止面
127 ガイド面