IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社平和の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
A63F7/02 332A
A63F7/02 301C
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021212859
(22)【出願日】2021-12-27
(65)【公開番号】P2023096842
(43)【公開日】2023-07-07
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】根岸 大悟
(72)【発明者】
【氏名】小林 和広
(72)【発明者】
【氏名】筒井 隆介
(72)【発明者】
【氏名】久保田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】今重 智貴
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-233635(JP,A)
【文献】特開2013-078542(JP,A)
【文献】特開2013-048775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報の変動表示を行うことが可能な遊技機であって、
前記識別情報の変動表示に関連する変動表示関連画像を表示可能な画像表示手段を備え、
前記遊技機は、遊技に使用される遊技媒体の残りが所定数になったことを第1の報知態様および第2の報知態様にて遊技者に報知可能であり、
前記画像表示手段は、遊技に使用される遊技媒体の残りが所定数以下になったことを特定可能な特定画像を前記第1の報知態様として表示可能であり、
前記特定画像は、前記特定画像を所定時間表示することを含む所定条件の成立により表示終了し、
前記所定時間は、前記特定画像を表示するときの残りの遊技媒体を使用しうるまでの時間よりも長く、
前記第2の報知態様の時間は、前記所定時間より短い、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機として、遊技価値である遊技球を遊技領域に発射し、入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると賞球が遊技者に払い出され、さらに、識別情報の変動表示の結果に応じて遊技状態を変更可能な遊技機(例えば、パチンコ機)が知られている。
【0003】
また、遊技価値を用いて1ゲームに対して賭数を設定した後に遊技開始操作を行うと識別情報の変動表示が開始され、変動表示の開始後に停止操作を行うと識別情報の変動表示が停止し、このときに導出された表示結果にもとづいて入賞が発生可能であり、入賞の種類に応じて遊技状態を変更可能な遊技機(例えば、スロットマシン)が知られている。
【0004】
そのような遊技機において、遊技に使用される遊技媒体の数を表示可能であるとともにエラーが発生したときに遊技媒体の使用を停止することが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-111294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技に使用される遊技媒体が遊技者の気付かないうちに尽きると、遊技が継続できなくなり、例えば有利状態中に遊技媒体を使用できなくなるなど、遊技者に不利益を及ぼす可能性がある。
【0007】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者に不利益を及ぼすことを防止できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(手段1)上記の課題を解決するため、本発明は、識別情報の変動表示を行うことが可能な遊技機であって、前記識別情報の変動表示に関連する変動表示関連画像を表示可能な画像表示手段を備え、前記遊技機は、遊技に使用される遊技媒体の残りが所定数になったことを第1の報知態様および第2の報知態様にて遊技者に報知可能であり、前記画像表示手段は、遊技に使用される遊技媒体の残りが所定数以下になったことを特定可能な特定画像を前記第1の報知態様として表示可能であり、前記特定画像は、前記特定画像を所定時間表示することを含む所定条件の成立により表示終了し、前記所定時間は、前記特定画像を表示するときの残りの遊技媒体を使用しうるまでの時間よりも長く、前記第2の報知態様の時間は、前記所定時間より短い
よって、遊技に使用する遊技媒体が尽きる前に遊技媒体の貸与を受けることができるので、遊技媒体が尽きて遊技が継続できなくなることを防止でき、遊技者に不利益を及ぼすことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】管理遊技機と専用ユニットの接続イメージを示す図である。
図2】タッチパネル式液晶表示器を示す図である。
図3】管理遊技機の斜視図を示す図である。
図4】管理遊技機の裏面図(裏カバー有りの状態)を示す図である。
図5】管理遊技機の裏面図(裏カバー無しの状態)を示す図である。
図6】管理遊技機に搭載する装置を示す図である。
図7】改良形態の管理遊技機の動作原理を示す図である。
図8】改良形態の管理遊技機の動作原理を示す図である。
図9】管理遊技機のブロック図を示す図である。
図10】管理遊技機のブロック図を示す図である。
図11】管理遊技機のブロック図を示す図である。
図12】管理遊技機が管理するエラーの一覧を示す図である(1/2)。
図13】管理遊技機が管理するエラーの一覧を示す図である(2/2)。
図14】エラー発生コマンド送信処理の手順例を示すフローチャートである。
図15】エラー解除コマンド送信処理の手順例を示すフローチャートある。
図16】演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。
図17】エラー報知管理処理の手順例を示すフローチャートである。
図18】エラーが発生した場合のシーケンスを示す図である。
図19】エラーが発生した場合のシーケンスを示す図である。
図20】エラーが発生した場合のシーケンスを示す図である。
図21】持球数減少報知を実行する場合のシーケンスを示す図である。
図22】持球数減少報知管理処理の手順例を示すフローチャートである。
図23】持球数減少報知の具体例を示す説明図である。
図24】持球数減少報知機能の設定の具体例を示す説明図である。
図25】持球数減少報知機能の設定の具体例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
[管理遊技機の構成]
本発明に係る管理遊技機は、不正対策並びに不法投棄による環境問題等の市場要求に対応した新しいパチンコ機を低価格で市場投入することを目的にしている。管理遊技機とは、管理遊技機枠と管理遊技機遊技盤とで構成され、機械単体内で一定数の遊技球を循環させ、遊技に用いる遊技球や遊技者に遊技球を直接払い出すことを不要とした遊技機である。
【0012】
そして、従来のICカードユニットの機能に、管理遊技機の不正監視機能や遊技の出球情報を遊技者に分かり易く表示する機能を追加した管理遊技機専用のICカードユニット(以下「専用ユニット」という。)と管理遊技機とを接続することで遊技が可能になる。
【0013】
図1は、管理遊技機と専用ユニットの接続イメージを示す図である。
【0014】
図1に示すように、管理遊技機500と専用ユニット700とは、専用ケーブル600で接続される。管理遊技機500は遊技球を用いて遊技が行われるパチンコ機である。管理遊技機500は、ハンドル510、遊技球数表示装置520、エラー表示モニタ521、計数スイッチ530、及び、メニュースイッチ540、液晶表示器42、特別図柄表示器47等を備えている。
【0015】
専用ユニット700は、紙幣挿入口711、カード挿入口720及びタッチパネル式液晶表示器730等を備えている。メニュースイッチ540は、十字キー540aと決定ボタン540bとから構成されている(図24参照)。
【0016】
図2は、タッチパネル式液晶表示器730を示す図である。
【0017】
タッチパネル式液晶表示器730は、球貸表示部分A1、残高表示領域A2、返却表示部分A3を表示する。そして、球貸表示部分A1をタッチすることにより、専用ユニット700の本体から貸球数の個数情報が送信され、枠制御基板550(図9参照)は、その個数情報と遊技球数を加算した個数を遊技球数として遊技球数表示装置520に表示する。また、タッチパネル式液晶表示器730は、専用ユニット700の本体から残高の情報も受信し、タッチパネル式液晶表示器内の残高表示領域A2に表示する。なお、球貸表示部分A1は、球貸可の時には表示部分が光っており、球貸不可の場合は暗くなっている。また、返却表示部分A3をタッチすることにより、専用ユニットから遊技終了の情報が送信され、枠制御基板は、遊技球数の情報を専用ユニットに送信する。なお、本実施形態では、球貸表示部分A1を1回タッチすると125個の遊技球の貸与を受けることができる。
【0018】
図3は、管理遊技機の斜視図を示す図である。
【0019】
管理遊技機500では、その本体として主に前飾り512、裏機構部515、外枠516を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には前飾り512が位置している。前飾り512の背面側(奥側)には裏機構部515が位置しており、裏機構部515の外側を囲むようにして、外枠516が配置されている。
【0020】
外枠516は、木材および金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠516は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
【0021】
前飾り512および裏機構部515は、外枠516を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、管理遊技機500の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0022】
そして、前飾り512を開放状態にすることが可能となっている。前飾り512を開放状態にすると、前飾り512及びガラス板513が開放し、ガラス板513の後方に配置されている管理遊技機遊技盤が露出する。
【0023】
また、前飾り512の下方には内枠下ユニット810が設けられている。そして、内枠下ユニット810の前面にハンドル510が設けられている。また、内枠下ユニット810内部には発射装置が設けられている。
【0024】
図4は、管理遊技機の裏面図(裏カバー有りの状態)を示す図である。
【0025】
外枠516の内側には、裏機構部515が配置されており、裏機構部515の左側(図中では右側)には、遊技球循環装置551Aが配置されている。
【0026】
管理遊技機500の中央には、主制御基板560が配置されており、管理遊技機500の下部には裏カバー552Aが配置されている。裏カバー552Aの中央には、枠制御基板550が配置されており、枠制御基板550の左側(図中では右側)には、サブ接続基板553及び遊技球等貸出装置接続端子板554が配置されている。
【0027】
図5は、管理遊技機の裏面図(裏カバー無しの状態)を示す図である。
【0028】
管理遊技機500の下部右側(図中では下部左側)には、電源装置570が配置されており、管理遊技機500の下部中央には、鉄の遊技球を検出する鉄球検出装置571、及び、遊技球を研磨する球磨き装置572が配置されている。なお、本実施形態では、鉄球検出装置571を設ける例を挙げて説明しているが、鉄球検出装置571は必ずしも設けなくてもよい。
【0029】
図6は、管理遊技機に搭載する装置を示す図である。
【0030】
管理遊技機500に搭載する装置は本図に示すような構成となる。管理遊技機500には遊技球を払い出す機能が不要となり、従来のパチンコ機にはない新たな装置を管理遊技機枠590に搭載している。
【0031】
具体的には、管理遊技機500は、管理遊技機遊技盤580及び管理遊技機枠590を備えている。なお、管理遊技機枠590は、主に、裏機構部515や外枠516及びこれに付随する部品や装置により構成される。
【0032】
管理遊技機遊技盤580は、遊技板(アクリル板)、図柄表示装置(特別図柄表示装置、普通図柄表示装置)、入賞検知機構(各種スイッチ)、風車、遊技くぎ、その他の演出用装置(演出用可動体、液晶表示器、情報表示装置、演出用ランプ、スピーカ)、入賞表示装置、落下の方向に変化を与える装置(可動部材、蓋部材)等により構成されている。
【0033】
一方、管理遊技機枠590は、遊技球、発射装置、電源装置、球磨き装置、遊技球循環装置、遊技球数表示装置520、ガラス板、夜間監視装置、その他演出用装置、鉄球検出装置等により構成されている。
【0034】
[管理遊技機での遊技の進行の概略]
管理遊技機500では、遊技者は専用ユニット700の紙幣挿入口711に紙幣を挿入した後にタッチパネル式液晶表示器730の球貸表示部分A1をタッチすることにより、遊技球の貸与を受ける。貸与を受けた遊技球の数、換言すると、遊技者の持球の数は遊技球数表示装置520に表示される。なお、本実施形態では、1回のタッチで125個の貸与を受けることができる。
【0035】
なお、貸与を受けた遊技者の持球が尽きるとハンドル510を操作しても遊技球が発射されない、いわゆる空打ちが発生する。よって、遊技を継続するためには遊技球の貸与を受ける必要がある。そして、本実施形態では、遊技者の持球が所定個数(本例では、30個以下)まで減少したときに持球数減少報知が行われる構成になっている。具体的には、スピーカ518から持球数減少報知音が出力されるとともに、持球数減少報知画像が液晶表示器42から表示される。そして、持球数減少報知音は一度の出力で終了(例えば、1秒程度)するが、持球数減少報知画像は30秒経過すると消去され、表示終了する。
【0036】
なお、本実施形態では、持球数減少報知機能は、メニュースイッチ540の操作によりオン/オフを切り替えることができる(図22図24図25)。
【0037】
遊技球の貸与を受けた後に、遊技者は、ハンドル510の操作(発射操作)を行う。ハンドル510の操作が行われると、管理遊技機遊技盤の遊技領域に遊技球が発射される。そして、遊技盤の始動入賞口に遊技球が進入すると、特別図柄表示器47(図1参照)で特別図柄の変動表示が開始される。なお、特別図柄の変動表示の実行中の期間に、遊技球が始動入賞口へ入賞した場合には、当該入賞に基づく特別図柄の変動表示は所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
【0038】
また、遊技球が遊技盤の始動ゲートを通過すると、普通図柄の変動表示が開始される。この普通図柄の変動表示では、普図当り図柄が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、普図当り図柄以外の普通図柄(普図はずれ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図はずれ」となる。「普図当り」となると、いわゆる電チューを所定期間開放状態とする開放制御が行われる。そして、電チューに形成された始動入賞口に遊技球が進入すると、特別図柄表示器47(図1参照)で特別図柄の変動表示が開始される。なお、普通図柄の変動表示の実行中の期間等に遊技球が始動ゲートを通過した場合には、当該通過に基づく普通図柄の変動表示は所定の上限数(例えば4)まで保留される。
【0039】
特別図柄の変動表示において大当り図柄が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる小当り図柄が停止表示されれば、「小当り」となる。また、はずれ図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。
【0040】
特別図柄の変動表示での表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特別図柄の変動表示での表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態および小当り遊技状態のいずれにおいてもハンドルユニット510への遊技者による回転操作により、発射操作が行われる。
【0041】
大当り遊技状態では、いわゆるアタッカにより形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば10個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数に達するまで繰り返し実行可能となっている。
【0042】
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。
【0043】
小当り遊技状態では、アタッカにより形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば10個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。小当り遊技状態では、1ラウンドのみ実行可能となっている。
【0044】
そして、小当り遊技状態において、大入賞口に進入した遊技球が特定領域を通過すると、小当り遊技状態の終了後に大当り遊技状態に制御される。このとき、小当り遊技状態が1ラウンド目とされ、2ラウンド目から大当り遊技状態が開始される。
【0045】
大当り遊技状態に制御されることなく小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。
【0046】
一方で、大入賞口に進入した遊技球が非特定領域を通過すると、大当り遊技状態に発展することなく小当り遊技状態は終了する。
【0047】
[管理遊技機での演出の進行など]
管理遊技機500では、遊技の進行に応じて種々の演出が実行される。当該演出は、液晶表示器42(図1参照)に各種の演出画像を表示することによって行われる。
【0048】
遊技の進行に応じて実行される演出として、液晶表示器42に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。換言すると特別図柄の変動表示と並行して演出画像の変動表示が行われる。そして、特別図柄の変動表示において表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、演出図柄の変動表示の表示結果となる確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)も停止表示される。
【0049】
演出図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示の態様が所定のリーチ態様となることがある。ここで、リーチ態様とは、液晶表示器42の画面上にて停止表示された演出図柄が後述の大当り組合せや小当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動表示が継続している態様などのことである。
【0050】
また、演出図柄の変動表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。管理遊技機500では、演出態様に応じて表示結果(特別図柄の変動表示の表示結果や演出図柄の変動表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)や「小当り」となる割合(小当り信頼度、小当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
【0051】
特別図柄の変動表示の表示結果が「大当り」となるときには、液晶表示器42の画面上において、演出図柄の変動表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定演出図柄が導出される(演出図柄の変動表示の表示結果が「大当り」となる)。例えば、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の演出図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
【0052】
特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となるときには、液晶表示器42の画面上において、演出図柄の変動表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定演出図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(演出図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となる)。例えば、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する演出図柄が停止表示される。
【0053】
特別図柄の変動表示の表示結果が「はずれ」となる場合には、演出図柄の変動表示の態様がリーチ態様とならずに、演出図柄の変動表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定演出図柄(「非リーチはずれ」ともいう。)が停止表示される(演出図柄の変動表示の表示結果が「非リーチはずれ」となる)ことがある。また、表示結果が「はずれ」となる場合には、演出図柄の変動表示の態様がリーチ態様となった後に、演出図柄の変動表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチはずれ」ともいう)の確定演出図柄が停止表示される(演出図柄の変動表示の表示結果が「リーチはずれ」となる)こともある。
【0054】
管理遊技機500が実行可能な演出には、保留表示や変動表示中表示を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が演出図柄の変動表示中に実行される。予告演出には、実行中の変動表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の変動表示(実行が保留されている変動表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出(以下、先読み演出と称することもある)として、変動表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
【0055】
また、大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。
【0056】
なお、本実施形態では、エラーが発生すると、発生したエラーの種類が液晶表示器42から表示される。
【0057】
[管理遊技機の動作原理]
図7及び図8は、管理遊技機の動作原理を示す図である。図7は、内枠下ユニット810の斜視図を示しており、図8は、内枠下ユニット810からの斜視図を示しており、球通路819や整流器820等を取り外した状態を示している。
【0058】
管理遊技機の下部には、内枠下ユニット810が配置されている。内枠下ユニット810の上部には、アウト通路811が配置されている。アウト通路811は、左下がりの通路となっており、アウト通路811の下流には、アウトスイッチ812が配置されている(図8参照)。遊技領域に打ち出された遊技球は、遊技領域を流下し、入賞口又はアウト口に入球するが、いずれの場合であっても、アウト通路811に導かれ、アウトスイッチ812により検出される。アウトスイッチ812で検出された遊技球は、放出口813から球タンク814に放出される(図8参照)。
【0059】
図8に示すように、球タンク814は、左下がりの通路を含んでおり、球タンク814に貯留されている遊技球は、球タンク814の下流に配置された揚送ユニット815に導かれる。球タンク814には、球数過多センサ828及び球数過少センサ829が配置されており、これらのセンサにより循環球数を管理する。管理遊技機では、数十球程度(45球程度)の遊技球を循環させている。なお、球タンク814の遊技球は、球抜きレバーL1を操作することで、遊技球を外部に取り出す経路が現れるので、この経路により
取り出すことができる。
【0060】
揚送ユニット815は、揚送モータ816、スクリューコンベア817及び清掃ユニット818を備えている。揚送モータ816が動作すると、スクリューコンベア817及び清掃ユニット818が回転し、遊技球を研磨しながら、遊技球を下部から上部に揚送することができる。清掃ユニット818の外周には、清掃用の研磨布が配置されている。研磨布は、定期的にホールで交換することが望ましい。
【0061】
図7に示すように、揚送ユニット815によって上部に揚送された遊技球は、球通路819に進入する。球通路819は、右下がりの通路となっており、球通路819の下流には整流器820が配置されている。整流器820の下流(後方)には、発射装置821が配置されており、発射装置821によって遊技球が発射される。発射装置821は、ソレノイドによって遊技機を発射する装置であってもよく、モータによって遊技機を発射する装置であってもよい。球通路819では、鉄球を検知することができ、整流器820では、遊技球数の減算処理を実行することができる。整流器820は、どつきゴト等で遊技球数が増減しない構造であることが好ましい。
【0062】
球通路819の上流には、鉄球検知センサ823が配置されており、球通路819の中流には、磁石825が配置されており、球通路819の下流(整流器820の入口)には、整流器入口センサ826が配置されている。整流器820と発射装置821とを連結する通路には、整流器出口センサ827が配置されている。
【0063】
[遊技球の補給について]
遊技球は、アウト通路811から補給する。ガラス扉開放時は、補給とみなし、アウトスイッチ812の検出や、ファール球センサ822の検出は行わない。図8の矢印Aは、ファール球の経路(ファール通路)を示しており、矢印Bは、アウト球の経路(アウト通路)を示している。ファール球センサ822は、ファール球の経路の最下流に配置されている。なお、各種センサやスイッチは、遊技球の通過を検出するものであってもよく、近接センサであってもよく、フォトセンサであってもよい(以下、同様)。ファール通路を用いてファール球の加算処理を実行することができる。ファール通路は、遊技終了時に、発射装置821に遊技球が残らない構成にすることが好ましい。
【0064】
[揚送モータの動作契機について]
揚送モータ816は、鉄球検知センサ823がオフの時に動作する。揚送出口センサ824は、球詰まりのみを監視している。揚送モータ816の動作契機は、鉄球検知センサ823から揚送出口センサ824に変更してもよい。
【0065】
[発射について]
遊技球数が1以上かつ整流器入口センサ826がオンかつ整流器出口センサ827がオフの時に、発射ソレノイドの動作タイミングに合わせて整流器ソレノイド831をオンにする。整流器ソレノイド831はソフトで制御することができる。整流器ソレノイド831をオンにすることにより、整流器820から発射装置821に遊技球を送ることができ、発射ソレノイドをオンにすることにより、発射装置821から遊技球を発射することができる。
【0066】
[遊技球数の減算について]
整流器入口センサ826がオフとなり、整流器出口センサ827がオン→オフとなった場合に遊技球数を1減算する。
【0067】
[鉄球検知について]
鉄球が混在すると、磁石825により循環が止まる。循環が止まった状態で遊技球の発射を継続すると、整流器入口センサ826で遊技球を検出しなくなる。整流器入口センサ826がオフかつ鉄球検知センサ823がオンの状態が一定時間(例えば10秒)続くと鉄球検知エラーとなる。
【0068】
[遊技球数の加算について]
ファール球が発生した場合、ファール球の経路に沿って配置されたファール球センサ822によりファール球が検出される。ファール球センサ822でファール球(遊技球)を検出したタイミングで遊技球数を1加算する。発射時に遊技球数を減算しているため、発射されなかった分の遊技球数を加算する。専用ユニットと通信を行うことで遊技球数を増やし、計数スイッチを押下することで遊技球数を減らすことができる。
【0069】
[球数過多エラーについて]
管理遊技機内の遊技球が多いと球数過多センサ828がオンとなり、一定時間継続すると球数過多エラーとなる。球数過多センサ828は、球タンク814の左側であって放出口813の下方に配置されている。
【0070】
[球数過少エラーについて]
管理遊技機内の遊技球が少ないと球数過少センサ829がオフとなり、一定時間継続すると球数過少エラーとなる。球数過少センサ829は、球タンク814の右側であってファール球センサ822の下流側に配置されている。
【0071】
[回転検知エラーについて]
揚送モータ816を回転させても回転検知センサ830のオンを検出しない場合、回転検知エラーとなる。この場合、揚送モータ816を再度回転させるリトライ動作を行ってもよい。回転検知エラーとなると、揚送モータ816の動作を停止させる。回転検知センサ830は、スクリューコンベア817の下方に配置されている。
【0072】
[その他エラーについて]
アウトスイッチ球詰まり:アウトスイッチ812が一定時間オン状態である場合に発生するエラーである。この場合、揚送モータ816を停止させる。
【0073】
ファール球センサ詰まり:ファール球センサ822が一定時間オン状態である場合に発生するエラーである。
【0074】
整流器出口センサ詰まり:整流器出口センサ827が一定時間オン状態である場合に発生するエラーである。
【0075】
整流器ソレノイド異常:整流器ソレノイド831を動作後、整流器出口センサ827が3回連続で非検出である場合に発生するエラーである。
【0076】
エラー解除スイッチで復帰するエラーは、回転検知エラー、鉄球検知エラー等である。ただし、これらのエラーは、整流器入口センサ826で遊技球を検出した場合に自動復帰させることができる。上記以外のエラーは、一定時間経過で復帰させることができる。
【0077】
[全体ブロック図]
図9図11は、管理遊技機のブロック図を示す図である。
【0078】
電源装置570は、メインスイッチ310を備えている。
【0079】
枠制御基板550(管理遊技機枠制御基板)は、遊技球数表示7セグ311、球抜きスイッチ954、エラー解除スイッチ956、遊技球クリアスイッチ312、RAMクリアスイッチ304、発射強度ボリューム313、ハンドル開始回転角調整ボリューム314を備えている。
【0080】
また、枠制御基板550は、中央演算処理装置である枠制御CPU550a、ROM550b、RAM(RWM)550cを備えている。枠制御CPU550aはROM550bに記憶されたプログラムを実行することにより、管理遊技機枠590の機能(図6参照)を制御する処理(枠制御基板550の機能を実現する処理)を行う。
【0081】
枠制御基板550には、管理遊技機枠用電波センサ315、前飾り開放スイッチ316、夜間監視装置448、球詰りセンサ938、入賞センサ555、非入賞センサ556、ハンドルボリューム910、発射停止スイッチ912、タッチセンサ914、球監視センサ963、発射入口センサ922、減算センサ920、揚上入口センサ934、揚上モータセンサ基板929、カセットスイッチ944、研磨モータセンサ946、研磨入口センサ952、アウトスイッチ812、球数過多センサ828、球数過少センサ829、整流器入口センサ826、整流器出口センサ827が接続されている。
【0082】
これらの部材からは、枠制御基板550に対して、SW信号(スイッチ信号)又はVL信号(ボリューム信号、接続確認用電源)が送信される。
【0083】
また、枠制御基板550には、球送りソレノイド918、発射ソレノイド916、揚上モータ932、カセットモータ940、研磨モータ942、遊技球数表示装置520、計数スイッチ530、揚送モータ816、整流器ソレノイド831が接続されている。
【0084】
これらの部材に対して、枠制御基板550は、ソレノイド制御信号、モータ制御信号、LED制御信号を送信する。
【0085】
さらに、枠制御基板550には、計数スイッチ530が接続されている。計数スイッチ530からは、枠制御基板550に対して、SW信号が送信される。計数スイッチ530に対して、枠制御基板550は、LED制御信号を送信する。
【0086】
さらにまた、枠制御基板550には、遊技球等貸出装置接続端子板554が接続されている。枠制御基板550と遊技球等貸出装置接続端子板554とは、暗号化された制御コマンドを送受信することができる。
【0087】
枠制御基板550と主制御基板560(管理遊技機主制御基板)とは、暗号化された制御コマンドを送受信することができる。主制御基板560には、各入賞センサ555、磁石センサ317及び電波センサ318が接続されている。
【0088】
これらの部材からは、主制御基板560に対して、SW信号が送信される。
【0089】
主制御基板560は、演出制御基板900に対して、制御コマンドを送信する。
【0090】
また、主制御基板560は、中央演算処理装置である主制御CPU560a、ROM560b、RAM(RWM)560cを備えている。主制御CPU560aはROM560bに記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主制御基板560の機能を実現する処理)を行う。
【0091】
また、演出制御基板900は、中央演算処理装置である演出制御CPU900a、ROM900b、RAM(RWM)900cを備えている。演出制御CPU900aはROM560bに記憶されたプログラムを実行することにより、演出の実行を制御する処理(演出制御基板900の機能を実現する処理)を行う。
【0092】
演出制御基板900には、光量・音量調整基板319、メニュースイッチ540及び管理遊技機遊技盤演出用センサ321が接続されている。これらの部材からは、演出制御基板900に対して、SW信号が送信される。また、演出制御基板900には、管理遊技機遊技盤用の液晶表示器42が接続されている。管理遊技機遊技盤用の液晶表示器42に対して、演出制御基板900は、LED制御信号を送信する。
【0093】
演出制御基板900には、管理遊技機枠演出用LED基板322が接続されている。管理遊技機枠演出用LED基板322に対して、演出制御基板900は、LED信号を送信する。
【0094】
演出制御基板900には、スピーカ518が接続されている。スピーカ518に対して、演出制御基板900は、音声出力信号を送信する。
【0095】
演出制御基板900には、管理遊技機遊技盤演出用LED基板323が接続されている。管理遊技機遊技盤演出用LED基板323に対して、演出制御基板900は、LED信号を送信する。
【0096】
演出制御基板900には、管理遊技機遊技盤遊技用アクチュエータ324が接続されている。管理遊技機遊技盤遊技用アクチュエータ324に対して、演出制御基板900は、アクチュエータ制御信号を送信する。
【0097】
主制御基板560には、普通電動役物ソレノイド88、大入賞口ソレノイド87,90が接続されている。これらの部材に対して、主制御基板560は、ソレノイド制御信号を送信する。
【0098】
主制御基板560には、メイン表示・入賞表示基板325、特別図柄表示器47が接続されている。特別図柄表示器47、メイン表示・入賞表示基板325に対して、主制御基板560は、LED制御信号を送信する。
【0099】
遊技球等貸出装置接続端子板554には、専用ユニット700が接続されている。遊技球等貸出装置接続端子板554と専用ユニット700とは、暗号化された制御コマンドを送受信することができる。
【0100】
主要電源は、電源装置570から枠制御基板550及び演出制御基板900に対して供給される。また、主要電源は、枠制御基板550から主制御基板560に対して供給される。
【0101】
[管理遊技機が管理するエラーの一覧]
図12及び図13は、管理遊技機500が管理する枠制御エラーの一覧を示す図である。なお、各エラーが発生したときに、各エラーに対応するエラーコマンドが枠制御基板550から主制御基板560に送信される。よって、エラーの一覧で示されるエラーの種類はエラーコマンドの種類ということもできる。なお、エラーが発生しているときに全エラーが解除されると全枠制御エラー未発生コマンドが主制御基板56に送信される(図12参照)。また、本実形態では、枠制御エラーは故障が絡むため、時間によるエラー解除は行っていない。
【0102】
「エラー表示モニタ」は、管理遊技機枠590に設けられたエラー表示モニタ521に表示するエラーコードの内容を示している。エラーが発生した場合、エラー表示モニタ521ではエラーコードが表示される。
【0103】
「揚送モータ停止」、「整流器ソレノイド停止」及び「発射モータ停止(※4)」は、丸印(〇)が記載されている場合に、これらの装置を停止することを意味している。「発射モータ」は「発射ソレノイド」に代えて用いるものである。「発射モータ」は「発射ソレノイド」であってもよい。
【0104】
「主制御通信後のみ」は、丸印(〇)が記載されている場合に、主制御装置との通信が終了した後に発生するエラーであることを示している。
【0105】
「球抜き状態時に有効」は、丸印(〇)が記載されている場合に、球抜き状態だけで発生するエラーであることを示している。
【0106】
「解除方法(※6)」は、エラーの解除方法を示している。
【0107】
「優先順位」は、エラーの優先順位を示している。複数のエラーが同時に発生した場合、最も優先順位の高いエラーだけを報知することができる。
【0108】
「サブ報知」は、丸印(〇)が記載されている場合に、演出制御装置(本実施形態では、液晶表示器42)で報知するエラーであることを示している。
【0109】
「発生条件」は、エラーの発生条件を示している。
【0110】
以下、各エラーの詳細について説明する。なお、エラー一覧で示すエラーの種類と優先順位は、枠制御基板550のRAM550c、主制御基板560のRAM560c、演出制御基板900のRAM900cで記憶されている。
【0111】
なお、エラー一覧で示すエラーの種類と優先順位は、枠制御基板550のRAM550c、主制御基板560のRAM560c、演出制御基板900のRAM900cで記憶されている。
【0112】
[球数過少エラー]
エラー表示モニタ:H01
解除方法:自動復帰
優先順位:17(※8)
サブ報知:○
発生条件:球数過少センサのオフを10s検知
エラーコマンドの種類:球数過少エラーコマンド
【0113】
[球数過多エラー]
エラー表示モニタ:H02
解除方法:自動復帰
優先順位:16(※8)
サブ報知:○
発生条件:球数過多センサのオンを10s検知
エラーコマンドの種類:球数過多エラーコマンド
【0114】
[整流器ソレノイド異常]
エラー表示モニタ:H03
揚送モータ停止:(※1)
球抜き状態時に有効:○
解除方法:解除ボタン(エラー解除スイッチ)
優先順位:9
サブ報知:○
発生条件:整流器ソレノイドを動作させたが、整流器出口センサがオンにならないこと
が3回連続で発生
エラーコマンドの種類:整流器ソレノイド異常コマンド
【0115】
[回転検知エラー]
エラー表示モニタ:H04
揚送モータ停止:〇
球抜き状態時に有効:○
解除方法:解除ボタン
優先順位:8
サブ報知:○
発生条件:揚送モータを回転させたが、回転検知センサで遊技球を検出しない場合
エラーコマンドの種類:回転検知エラーコマンド
【0116】
[整流器出口センサ詰まり]
エラー表示モニタ:H05
揚送モータ停止:(※1)
整流器ソレノイド停止:○
解除方法:自動復帰
優先順位:12
サブ報知:○
発生条件:整流器出口センサでの遊技球の滞留を100ms検知
エラーコマンドの種類:整流器出口センサ詰まりコマンド
【0117】
[ファール球センサ詰まり]
エラー表示モニタ:H06
揚送モータ停止:(※2)
解除方法:自動復帰
優先順位:13
サブ報知:○
発生条件:ファール球センサでの遊技球の滞留を250ms検知
エラーコマンドの種類:ファール球センサ詰まりコマンド
【0118】
[アウトスイッチ球詰まり]
エラー表示モニタ:H07
揚送モータ停止:○
解除方法:自動復帰
優先順位:11
サブ報知:○
発生条件:アウトスイッチでの遊技球の滞留を100ms検知
エラーコマンドの種類:アウトスイッチ球詰まりコマンド
【0119】
[近接センサ異常]
エラー表示モニタ:H08
揚送モータ停止:○
解除方法:自動復帰
優先順位:10
サブ報知:○
発生条件:アウトスイッチの断線を100ms検知
エラーコマンドの種類:近接センサ異常コマンド
【0120】
[主コマンド許可信号エラー]
エラー表示モニタ:H09
解除方法:自動復帰
優先順位:14
発生条件:主制御のコマンド許可信号のオフを所定時間検知
エラーコマンドの種類:主コマンド許可信号エラーコマンド
【0121】
[専用ユニット通信エラー]
エラー表示モニタ:H10
主制御通信後のみ:○
解除方法:自動復帰
優先順位:3
サブ報知:○
発生条件:専用ユニットとの通信に異常が発生した場合
エラーコマンドの種類:専用ユニット通信エラーコマンド
【0122】
[主制御通信エラー]
エラー表示モニタ:H11
主制御通信後のみ:○
解除方法:解除ボタン
優先順位:4
発生条件:主制御との通信に異常が発生した場合
エラーコマンドの種類:主制御通信エラーコマンド
【0123】
[メーカコード不一致エラー]
エラー表示モニタ:H12
主制御通信後のみ:○
解除方法:自動復帰
優先順位:2
発生条件:主制御のメーカコードと枠制御のメーカコードが一致しない場合
エラーコマンドの種類:メーカコード不一致エラーコマンド
【0124】
[専用ユニットVL信号エラー]
エラー表示モニタ:H13
整流器ソレノイド停止:○
発射モータ停止:○
解除方法:自動復帰
優先順位:15
サブ報知:○
発生条件:所定条件(例えば、VL信号が確認できない場合)
エラーコマンドの種類:専用ユニットVL信号エラーコマンド
【0125】
[バックアップ異常]
エラー表示モニタ:H14
揚送モータ停止:〇
整流器ソレノイド停止:○
発射モータ停止:○
解除方法:電源再投入
優先順位:1
サブ報知:○
発生条件:チェックサム異常
エラーコマンドの種類:バックアップ異常コマンド
【0126】
[RWM(RAM)異常]
揚送モータ停止:〇
整流器ソレノイド停止:○
発射モータ停止:○
解除方法:なし(※5)
発生条件:CPUの異常(報知なしで、表示も行わない)
エラーコマンドの種類:RWM(RAM)異常コマンド
【0127】
[ガラス扉開放]
エラー表示モニタ:H64(※3)
整流器ソレノイド停止:○
解除方法:自動復帰
優先順位:19
サブ報知:(※7)
発生条件:ガラス枠信号のオンを100ms検知
エラーコマンドの種類:ガラス扉開放コマンド
【0128】
[本体枠開放]
エラー表示モニタ:H65(※3)
解除方法:自動復帰
優先順位:18
サブ報知:(※7)
発生条件:本体枠信号のオンを100ms検知
エラーコマンドの種類:本体枠開放コマンド
【0129】
[不正電波検知エラー]
エラー表示モニタ:H66(※3)
解除方法:解除ボタン
優先順位:5
サブ報知:○
発生条件:電波センサのオンを100ms検知
エラーコマンドの種類:不正電波検知エラーコマンド
【0130】
[入賞球異常]
エラー表示モニタ:H69(※3)
解除方法:解除ボタン
優先順位:7
サブ報知:○
発生条件:発射数とアウトスイッチの検知数が、100球以上差がある
エラーコマンドの種類:入賞球異常コマンド
【0131】
[鉄球検知エラー]
エラー表示モニタ:H73(※3)
揚送モータ停止:(※1)
解除方法:解除ボタン
優先順位:6
サブ報知:○
発生条件:整流器入口センサがオフかつ鉄球検知センサのオンを10s検知
エラーコマンドの種類:鉄球検知エラーコマンド
【0132】
[球抜き状態中]
エラー表示モニタ:1個のハイフン(-)
解除方法:電源再投入
サブ報知:○
発生条件:遊技球数が0、かつ、球抜きボタンを押下しながら電源投入時
エラーコマンドの種類:球抜き状態中コマンド
【0133】
[起動準備中]
エラー表示モニタ:全点滅、全点灯、又は、6個のハイフン(-)
解除方法:主制御交換
発生条件:主制御からのコマンド未受信
エラーコマンドの種類:起動準備中コマンド
【0134】
(※1)揚送モータから整流器出口までの間のエラーによる循環停止は行わない(鉄球検
知センサのオンで揚送モータが停止するため)。
(※2)ファール通路から遊技球を補給するとファール球センサ詰まりが発生するため、
循環停止は行わない。
(※3)「01H」~「63H」の値は、自由に変更可能である。
(※4)発射モータは停止しない。
(※5)解除できない。
(※6)自動復帰の場合、発生条件と同じ時間だけ、逆条件となった場合に解除する。
(※7)主制御にも同信号が入力されているため、主制御で報知することができる。
(※8)球数過多エラーの方が球数過少エラーよりも優先順位が高い。球数過少センサが断線した場合、球数過少エラーが発生し、遊技球をさらに補給すると球数過多エラーが発生し、球数過多エラーのエラーコードが表示される。
【0135】
エラーの種類及び検出タイマの時間は任意に変更することができる。なお、管理遊技機に外部端子板はない。よって、外部信号は、専用ユニットからホールコンピュータへ出力する。
「優先順位」の記載がないエラーについては、以下のように優先度を設定することができる。
RWM異常は、バックアップ異常よりも優先度を高くすることができる。
球抜き状態中は、バックアップ異常よりも優先度を低く、メーカコード不一致エラーよりも優先度を高くすることができる。
起動準備中は、球抜き準備中よりも優先度を低く、メーカコード不一致エラーよりも優先度を高くすることができる。
【0136】
[エラー発生時コマンド送信処理]
次に、枠制御CPU550aが実行するエラー発生時コマンド送信処理について図14を用いて説明する。エラー発生時コマンド送信処理は、管理遊技機枠590でエラーが発生したときに枠制御CPU550aが主制御CPU560aにエラーコマンドを送信するための処理である。このエラー発生時コマンド送信処理は、例えば図示しないタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。枠制御CPU550aは、所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。なお、本処理は図13でサブ報知の対象となっているエラーに関して実行される。
【0137】
ステップS1000:エラー発生時コマンド送信処理では、枠制御CPU550aは、まず、エラーが発生したか否かを確認する。エラーが発生していない場合(ステップS1000:No)は処理を終了する。エラーが発生した場合(ステップS1000:Yes)はS1002を実行する。
【0138】
ステップS1002:枠制御CPU550aは、他のエラーが発生しているか否かを確認する。他のエラーが発生している場合(ステップS1002:Yes)はS1004を実行する。一方で、他のエラーが発生していない場合(ステップS1002:No)はS1008を実行する。
【0139】
ステップS1004:枠制御CPU550aは、新たに発生したエラーの優先順位が発生中の優先順位よりも高いか否かを確認する(図13参照)。新たに発生したエラーの優先順位が発生中の優先順位よりも高い場合(ステップS1004:Yes)はS1006を実行する。一方で、新たに発生したエラーの優先順位が発生中の優先順位よりも高くない場合、すなわち、新たに発生したエラーの優先順位が発生中の優先順位よりも低い場合(ステップS1004:No)は処理を終了する。
【0140】
ステップS1006:枠制御CPU550aは、新たに発生したエラーの優先順位の高いエラーのエラーコマンドを主制御CPU560aに送信して処理を終了する。なお、主制御CPU560aは、受信したエラーコマンドを演出制御CPU900aに送信する。
【0141】
ステップS1008:枠制御CPU550aは、発生したエラーのエラーコマンドを主制御CPU560aに送信して処理を終了する。なお、主制御CPU560aは、受信したエラーコマンドを演出制御CPU900aに送信する。
【0142】
[エラー解除時コマンド送信処理]
次に、枠制御CPU550aが実行するエラー解除時コマンド送信処理について図15を用いて説明する。エラー解除時コマンド送信処理は、管理遊技機枠590で発生したエラーが解除されたときに枠制御CPU550aが主制御CPU560aにエラー解除コマンドに相当するコマンドを送信するための処理である。このエラー解除時コマンド送信処理は、例えば図示しないタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。なお、本処理は図13でサブ報知の対象となっているエラーに関して実行される。
【0143】
ステップS1100:エラー解除時コマンド送信処理では、枠制御CPU550aは、まず、エラーが解除されたか否かを確認する。エラーが解除されていない場合(ステップS1100:No)は処理を終了する。エラーが解除された場合(ステップS1100:Yes)はS1102を実行する。
【0144】
ステップS1102:枠制御CPU550aは、他のエラーが発生しているか否かを確認する。他のエラーが発生している場合(ステップS1102:Yes)はS1104を実行する。一方で、他のエラーが発生していない場合(ステップS1102:No)はS1108を実行する。
【0145】
ステップS1104:枠制御CPU550aは、解除されたエラーの優先順位が発生中の優先順位よりも高いか否かを確認する(図13参照)。解除されたエラーの優先順位が発生中の優先順位よりも高い場合(ステップS1104:Yes)はS1006を実行する。一方で、解除されたエラーの優先順位が発生中の優先順位よりも高くない場合、すなわち、解除されたエラーの優先順位が発生中の優先順位よりも低い場合(ステップS1104:No)は処理を終了する。
【0146】
ステップS1106:枠制御CPU550aは、発生中のエラーのうち最も優先順位の高いエラーのエラーコマンドを主制御CPU560aに送信して処理を終了する。なお、主制御CPU560aは、受信したエラーコマンドを演出制御CPU900aに送信する。
【0147】
ステップS1008:枠制御CPU550aは、全枠制御エラー未発生コマンド(図12参照)を主制御CPU560aに送信して処理を終了する。なお、主制御CPU560aは、受信した全枠制御エラー未発生コマンドを演出制御CPU900aに送信する。
【0148】
[演出制御処理]
図16は、演出制御CPU900aにより実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU900aは、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
【0149】
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、エラー報知管理処理(ステップS403)、持球数減少報知管理処理(ステップS404)、表示出力処理(ステップS405)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音出力処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)およびその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
【0150】
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU900aは主制御CPU560aから送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU900aは受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。
【0151】
なお、主制御CPU560aから送信される演出用のコマンドには、例えば、(特別図柄、普通図柄)作動記憶数(すなわち、保留記憶数)増加時演出コマンド、(特別図柄、普通図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動入賞口に入賞したことを示す始動口入賞音制御コマンド、デモ状態に移行したことを示すデモ演出用コマンド、内部抽選や普図抽選の結果を示す抽選結果コマンド、変動パターンを示す変動パターンコマンド、特別図柄や普通図柄が変動開始したことを示す変動開始コマンド、特別図柄や普通図柄の停止図柄を示す停止図柄コマンド、特別図柄や普通図柄が変動後の停止することを示す図柄停止時コマンド、遊技状態を示す状態指定コマンド、大当りのラウンド数を示すラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラーの発生およびエラーの種類を示すエラーコマンド、大当りの終了時のエンディング期間の演出を行うことを示す大当り終了演出コマンド、残りの時短回数を示す回数切りカウンタ値コマンド、保留された変動表示の変動パターンの判定結果を示す変動パターン先判定コマンド、図柄の変動終了時の停止表示時間が終了したことを示す停止表示時間終了コマンド等がある。
【0152】
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU900aは記憶数表示演出や、保留表示M1、M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する。
【0153】
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU900aは演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において、演出制御CPU900aは演出図柄の表示態様を初期設定したり(素材設定手段)、初期の設定を変化させたりする(素材設定変化手段)。また、この処理において演出制御CPU900aは、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。
【0154】
ステップS403:エラー報知関連処理では、演出制御CPU900aは、主制御CPU560aからエラーコマンドを受信した場合にエラー報知を実行する。このとき、複数のエラーが重複して発生しているときは優先順位の高いエラーのエラー報知を実行する。また、発生中のエラーのエラーコマンドよりも優先順位の低いエラーのエラーコマンドを受信した場合や全枠制御エラー未発生コマンドを受信した場合にエラー報知を終了する。
【0155】
ステップS404:持球数減少報知管理処理では、演出制御CPU900aは、主制御CPU560aから後述する持球数減少コマンドを受信した場合に遊技者が所有する遊技球の数が所定個数(本例では30個以下)であることを報知する持球数減少報知を実行する。そして、持球数減少報知としては、スピーカ518から持球数減少報知音が出力されるとともに、持球数減少報知画像が液晶表示器42から表示される。そして、持球数減少報知音は一度の出力で終了(例えば、1秒程度)するが、持球数減少報知画像は30秒経過すると表示終了する。
【0156】
ステップS405:表示出力処理では、演出制御CPU900aは液晶表示器42に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄および第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、液晶表示器42は指示された演出内容に基づいて表示動作を行う。また、演出制御CPU900aは、エラー報知や持球数減少報知の実行データがRAM900cにセットされた場合やRAM900cからクリアされた場合にも、これらの処理に基づく表示動作を液晶表示器42から行わせる。
【0157】
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU900aはランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプや盤面ランプ等を駆動(点灯または消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
【0158】
ステップS408:次の音出力処理では、演出制御CPU900aは音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ518から演出内容に応じた音が出力される。また、演出制御CPU900aは、エラー報知や持球数減少報知の実行データがRAM900cにセットされた場合にも、これらの処理に基づいてスピーカ518から音声を出力させる。
【0159】
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU900aはRAM900cのカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
【0160】
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU900aは演出用の可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。演出用の可動体は対応するソレノイドを駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、または単独で演出を行う。
【0161】
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU900aは管理遊技機500における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
【0162】
[エラー報知管理処理]
図17は、図16の演出制御処理のステップS403で実行するエラー報知管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0163】
ステップS4000:先ず演出制御CPU900aは、主制御CPU560aからエラーコマンド(図14図18参照)を受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU900aはRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、エラーコマンドが保存されているか否かを確認する。エラーコマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS4000:Yes)、演出制御CPU900aはステップS4002を実行する。なお、エラーコマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS4000:No)、演出制御CPU900aはステップS4004を実行する。
【0164】
ステップS4002:演出制御CPU900aは、受信したエラーコマンドを種類に応じたエラー報知の実行データをRAM900cにセットする。これにより、図16のS405、S406、S407で実行データに応じたエラー報知が実行される。なお、エラー報知の実行データがすでにセットされている場合は実行データを上書きする。よって、実行中のエラー報知が新たに上書きされたエラー報知に切り替わる。具体的には、優先順位の高いエラー報知から優先順位の低いエラー報知に切り替わる(図18参照)。
【0165】
ステップS4004:演出制御CPU900aは、全枠制御エラー未発生コマンド(図14図18参照)を受信したか否かを確認する。全枠制御エラー未発生コマンドを受信した場合(ステップS4004:Yes)、演出制御CPU900aはステップS4006を実行する。一方、全枠制御エラー未発生コマンドを受信していない場合(ステップS4004:No)、処理を終了する。
【0166】
ステップS4006:演出制御CPU900aは、主制御CPU560aから全枠制御エラー未発生コマンドを受信した場合はRAM900cにセットされているエラー報知の実行データをクリアして処理を終了する。
【0167】
以上の手順を終えると、演出制御CPU900aは、演出制御処理(図16)に復帰する。
【0168】
[エラー報知の開始からエラー報知終了までの具体例]
図18図20は、エラー報知の開始からエラー報知の終了までのシーケンス図である。図18図20はエラーの発生パターンが異なる例である。なお、本処理は図13でサブ報知の対象となっているエラーに関して実行される。
【0169】
図18は不正電波検知エラーのみが発生した例を示す。
【0170】
図18に示すように、例えば、優先順位が「5」の不正電波検知エラーが発生したとする(図13参照)。
【0171】
F1001:この場合、枠制御基板550は主制御基板560に対して不正電波検知エラーコマンドを送信する(図14参照)。
【0172】
F1002:枠制御基板550から不正電波検知エラーコマンドを受信すると、主制御基板560は演出制御基板900に対して不正電波検知エラーコマンドを送信する。
【0173】
演出制御基板900は不正電波検知エラーコマンドを受信すると、不正電波検知エラーであることを特定可能な不正電波検知エラー報知を実行する(図17参照)。
【0174】
ここで、不正電波検知エラーが解除されたとする。
【0175】
F1003:この場合、枠制御基板550は主制御基板560に対して全枠制御エラー未発生コマンドを送信する(図15参照)。
【0176】
F1004:枠制御基板550から全枠制御エラー未発生コマンドを受信すると、主制御基板560は演出制御基板900に対して全枠制御エラー未発生コマンドを送信する。
【0177】
演出制御基板900は全枠制御エラー未発生コマンドを受信すると不正電波検知エラー報知を終了する(図17参照)。
【0178】
図19は不正電波検知エラーが発生し、不正電波検知エラーが発生しているときに入賞球異常エラーが発生し、さらに、鉄球検知エラーが発生した例を示す。
【0179】
図19に示すように、例えば、優先順位が「5」の不正電波検知エラーが発生したとする(図13参照)。
【0180】
F1101:この場合、枠制御基板550は主制御基板560に対して不正電波検知エラーコマンドを送信する(図14参照)。
【0181】
F1102:枠制御基板550から不正電波検知エラーコマンドを受信すると、主制御基板560は演出制御基板900に対して不正電波検知エラーコマンドを送信する。
【0182】
演出制御基板900は不正電波検知エラーコマンドを受信すると、不正電波検知エラーであることを特定可能な不正電波検知エラー報知を実行する(図17参照)。
【0183】
次いで、例えば、優先順位が「7」の入賞球異常エラーが発生したとする(図13参照)。この場合、優先順位の高い不正電波検知エラー報知を実行しているので、枠制御基板550は主制御基板560に対してエラーコマンドを送信しない(図14参照)。よって、演出制御基板900は不正電波検知エラー報知を継続して実行する。
【0184】
次いで、例えば、優先順位が「6」の鉄球検知エラーが発生したとする(図13参照)。この場合、優先順位の高い不正電波検知エラー報知を実行しているので、枠制御基板550は主制御基板560に対してエラーコマンドを送信しない(図14参照)。よって、演出制御基板900は不正電波検知エラー報知を継続して実行する。
【0185】
ここで、不正電波検知エラーが解除されたとする。
【0186】
F1103:この場合、枠制御基板550は、不正電波検知エラーより優先度の低い入賞球異常エラーと鉄球検知エラーのうち優先度の高いエラーに対応するエラーコマンドを主制御基板560に対して送信する(図15参照)。具体的には、枠制御基板550は主制御基板560に対して鉄球検知エラーコマンドを送信する。
【0187】
F1104:枠制御基板550から鉄球検知エラーコマンドを受信すると、主制御基板560は演出制御基板900に対して鉄球検知エラーコマンドを送信する。
【0188】
演出制御基板900は鉄球検知エラーコマンドを受信すると、不正電波検知エラー報知を終了するとともに、鉄球検知エラーであることを特定可能な鉄球検知エラー報知を開始する(図17参照)。
【0189】
そして、鉄球検知エラーが解除されたとする。
【0190】
F1105:この場合、枠制御基板550は、枠制御基板550は主制御基板560に対して鉄球検知エラーより優先度の低い入賞球異常エラーに対応する入賞球異常エラーコマンドを送信する(図15参照)。
【0191】
F1106:枠制御基板550から入賞球異常エラーコマンドを受信すると、主制御基板560は演出制御基板900に対して入賞球異常エラーコマンドを送信する。
【0192】
演出制御基板900は入賞球異常エラーコマンドを受信すると、鉄球検知エラー報知を終了するとともに、入賞球異常エラーであることを特定可能な入賞球異常エラー報知を開始する(図17参照)。
【0193】
そして、入賞球異常エラーが解除されたとする。
【0194】
F1107:この場合、枠制御基板550は主制御基板560に対して全枠制御エラー未発生コマンドを送信する(図15参照)。
【0195】
F1108:枠制御基板550から全枠制御エラー未発生コマンドを受信すると、主制御基板560は演出制御基板900に対して全枠制御エラー未発生コマンドを送信する。
【0196】
演出制御基板900は全枠制御エラー未発生コマンドを受信すると入賞球異常エラー報知を終了する(図17参照)。
【0197】
図20は、鉄球検知エラーが発生し、鉄球検知エラーが発生しているときに不正電波検知エラーが発生し、さらに、入賞球異常エラーが発生した例を示す。
【0198】
図20に示すように、例えば、優先順位が「7」の鉄球検知エラーが発生したとする(図13参照)。
【0199】
F1201:この場合、枠制御基板550は主制御基板560に対して鉄球検知エラーコマンドを送信する(図14参照)。
【0200】
F1202:枠制御基板550から鉄球検知エラーコマンドを受信すると、主制御基板560は演出制御基板900に対して鉄球検知エラーコマンドを送信する。
【0201】
演出制御基板900は鉄球検知エラーコマンドを受信すると、鉄球検知エラーであることを特定可能な鉄球検知エラー報知を実行する(図17参照)。
【0202】
次いで、例えば、優先順位が「5」の不正電波検知エラーが発生したとする(図13参照)。
【0203】
F1203:この場合、不正電波検知エラーよりも優先順位の低い鉄球検知エラー報知を実行しているので、枠制御基板550は主制御基板560に対して不正電波検知エラーコマンドを送信する(図14参照)。
【0204】
F1204:枠制御基板550から不正電波検知エラーコマンドを受信すると、主制御基板560は演出制御基板900に対して不正電波検知エラーコマンドを送信する。
【0205】
演出制御基板900は不正電波検知エラーコマンドを受信すると、鉄球検知エラー報知を終了するとともに、不正電波検知エラーであることを特定可能な不正電波検知エラー報知を実行する(図17参照)。
【0206】
次いで、例えば、優先順位が「7」の入賞球異常エラーが発生したとする(図13参照)。この場合、優先順位の高い不正電波検知エラー報知を実行しているので、枠制御基板550は主制御基板560に対してエラーコマンドを送信しない(図14参照)。よって、演出制御基板900は入賞球異常エラー報知を継続して実行する。
【0207】
ここで、不正電波検知エラーが解除されたとする。
【0208】
F1205:この場合、枠制御基板550は、不正電波検知エラーより優先度の低い入賞球異常エラーと鉄球検知エラーのうち優先度の高いエラーに対応するエラーコマンドを主制御基板560に対して送信する(図15参照)。具体的には、枠制御基板550は主制御基板560に対して鉄球検知エラーコマンドを送信する。
【0209】
F1206:枠制御基板550から鉄球検知エラーコマンドを受信すると、主制御基板560は演出制御基板900に対して鉄球検知エラーコマンドを送信する。
【0210】
演出制御基板900は鉄球検知エラーコマンドを受信すると、不正電波検知エラー報知を終了するとともに、鉄球検知エラーであることを特定可能な鉄球検知エラー報知を開始する(図17参照)。
【0211】
そして、鉄球検知エラーが解除されたとする。
【0212】
F1207:この場合、枠制御基板550は、枠制御基板550は主制御基板560に対して鉄球検知エラーより優先度の低い入賞球異常エラーに対応する入賞球異常エラーコマンドを送信する(図15参照)。
【0213】
F1208:枠制御基板550から入賞球異常エラーコマンドを受信すると、主制御基板560は演出制御基板900に対して入賞球異常エラーコマンドを送信する。
【0214】
演出制御基板900は入賞球異常エラーコマンドを受信すると、鉄球検知エラー報知を終了するとともに、入賞球異常エラーであることを特定可能な入賞球異常エラー報知を開始する(図17参照)。
【0215】
そして、入賞球異常エラーが解除されたとする。
【0216】
F1209:この場合、枠制御基板550は主制御基板560に対して全枠制御エラー未発生コマンドを送信する(図15参照)。
【0217】
F1210:枠制御基板550から全枠制御エラー未発生コマンドを受信すると、主制御基板560は演出制御基板900に対して全枠制御エラー未発生コマンドを送信する。
【0218】
演出制御基板900は全枠制御エラー未発生コマンドを受信すると入賞球異常エラー報知を終了する(図17参照)。
【0219】
従来、管理遊技機の枠制御基板550で検出されるエラーにおいて、エラー毎にエラーコマンドを設けて、割り込み処理によりエラーを検出して優先順位にしたがってエラーコマンドを送信する一方で、例えば、基板の容量の制限により、どのエラーが解除されたかまでは判定できず、エラー解除コマンド(本例では、全枠制御エラー未発生コマンド)を1種類しか設けられないことがあった。よって、解除されたエラー毎にエラー報知を終了させることができないことがあった。しかし、本実施形態では、エラーの優先順位にしたがってエラー報知を行うとともに、報知中のエラーよりも優先順位の低いエラーコマンドが送信された場合に報知中のエラー報知を終了し、優先順位の低いエラー報知を行う構成とした。これにより、エラー毎のエラー解除コマンドを設けなくても、エラー毎にエラー報知を行うとともに、エラー報知を終了させることができる。
【0220】
なお、本実施形態では、全枠制御エラー未発生コマンドの受信、優先順位の低いエラーに対応するエラーコマンドの受信によりエラー報知を解除する構成としたが、例えば、電断時にエラー解除された場合は電断復帰時にエラー報知を終了させるなど、本実施形態と異なる契機にエラー報知を終了させる構成を追加することも可能である。
【0221】
また、エラー報知に関して、本実施形態では液晶表示器42でエラー報知を行う構成としたが、例えば、スピーカ518からエラー音を出力する、エラーの種類に応じた色でLEDを点灯させる、これらを適宜組み合わせてエラー報知を行うなど、エラー報知の方法は適宜に設定してよい。
【0222】
また、本実施形態では、枠制御基板550から主制御基板560にエラーコマンドや全枠制御エラー未発生コマンドが送信される構成としているが、枠制御基板550がエラー発生やエラー解除を検出したか否かを主制御基板560が確認し、主制御基板560がエラー発生やエラー解除を確認した場合にエラーコマンドや全枠制御エラー未発生コマンドを演出制御基板900に送信する構成としてもよい。
【0223】
次に持球減少報知について説明する。図21は、持球減少報知の開始から終了までのシーケンス図である。
【0224】
図21に示すように、専用ユニット700において球貸表示部分A1(図2参照)がタッチされたとする。球貸表示部分A1をタッチすると125個の遊技球を貸し受けることができる。
【0225】
F1301:この場合、専用ユニット700は枠制御基板550に対し貸出通知コマンドを送信する。
【0226】
F1302:専用ユニット700から貸出通知コマンドを受信すると、枠制御基板550は主制御基板560に対して遊技者が遊技球の貸与を受けたことを特定可能な貸出発生コマンドを送信する。
【0227】
F1303:貸出発生コマンドを受信すると、主制御基板560は演出制御基板900に対して貸出発生コマンドを送信する。
【0228】
そして、枠制御基板550は遊技球数表示装置520から遊技者の持球数を特定可能な持球数表示を行う。このとき、125個の遊技球の貸与を受けているので持球数表示により125個を特定可能な表示が行われる。
【0229】
F1304:遊技が行われて遊技球が発射されると、そのたびに枠制御基板550は持球数表示で表示されている持球数を減少させるとともに、主制御基板560に対して持球情報コマンドを送信する。このため、主制御基板560は遊技者の持球数を特定可能である。
【0230】
F1305:そして、遊技者の持球が30個まで減少し、持球数表示が30個を示したときに、主制御基板560は演出制御基板900に対して持球減少数コマンドを送信する。
【0231】
これを受けて演出制御基板900は、持球数減少報知の実行データをセットすることにより、持球数が30個以下になったことを特定可能な持球数減少報知を実行する(図22参照)。具体的には、液晶表示器42において持球数減少報知画像を表示するとともにスピーカ518から持球数減少報知音を出力する。
【0232】
そして、持球数減少報知音は1秒程度で出力を終了するが、持球数減少報知音の出力後も持球数減少報知画像は表示が継続される。また、持球数減少報知画像は、その表示時間が30秒経過すると表示終了する。よって、持球数減少報知画像が表示するときに、演出制御基板900では持球数減少報知画像の表示時間をカウントするタイマにより30秒のカウントダウンが開始される(図22参照)。
【0233】
この後、例えば、遊技者の持球が10個になったときに、専用ユニット700において球貸表示部分A1(図2参照)がタッチされたとする。球貸表示部分A1をタッチすると新たに125個の遊技球を貸し受けることができる。
【0234】
F1306:そして、専用ユニット700は枠制御基板550に対し貸出通知コマンドを送信する。
【0235】
F1307:専用ユニット700から貸出通知コマンドを受信すると、枠制御基板550は主制御基板560に対して遊技者が遊技球の貸与を受けたことを特定可能な貸出発生コマンドを送信する。
【0236】
F1308:貸出発生コマンドを受信すると、主制御基板560は演出制御基板900に対して貸出発生コマンドを送信する。
【0237】
貸出発生コマンドを受信すると、演出制御基板900は、持球数減少報知の実行データをクリアすることにより持球数減少画像を表示終了する(図22参照)。
【0238】
そして、枠制御基板550は遊技球数表示装置520から遊技者の持球数を特定可能な持球数表示を行う。このとき、持球が残り10個で125個の遊技球の貸与を受けているので持球数表示により135個を特定可能な表示が行われる。
【0239】
F1309:遊技が行われて遊技球が発射されると、そのたびに枠制御基板550は持球数表示で表示されている持球数を減少させるとともに、主制御基板560に対して持球情報コマンドを送信する。
【0240】
F1310:そして、遊技者の持球が30個まで減少し、持球数表示が30個を示したときに、主制御基板560は演出制御基板900に対して持球減少数コマンドを送信する。
【0241】
これを受けて演出制御基板900は上記と同様に持球数減少報知を実行する。
【0242】
そして、遊技者が新たに遊技球の貸与を受けずに30秒が経過したとする。この場合、演出制御基板900は、持球数減少報知の実行データをクリアすることにより持球数減少報知画像を消去する(図22参照)。
【0243】
なお、持球数減少報知画像を消去するまでの時間(本例では、30秒)は、持球数減少画像を表示したときに遊技領域に発射されていない残りの遊技球、すなわち残りの持球(本例では、30個)を全て発射し、発射した遊技球を管理遊技機遊技盤の盤面から回収するための処理が終了するまでの時間よりも長い時間に設定されている。すなわち、残り遊技球を使用しうるまでの時間よりも長い時間に設定されている。よって、全ての持球を発射して持球が「0」になって尽きた後にも持球数減少画像の表示が継続するようになっている。これにより、持球が尽きるまで持球が減少したことを遊技者に確実に知らせることができる。
【0244】
従来のパチンコ機では、遊技球の受皿上の遊技球を視認しながら遊技者が任意のタイミングで遊技球の貸与を受けることができた。しかし、遊技球が遊技機内で循環する封入式の管理遊技機では受皿が設けられていないため、遊技球数表示装置520の表示に慣れていないと持球数の確認を忘れてしまい、気付かないうちに持球が尽きてしまうおそれがある。また、昨今では、スマートフォンを操作しながら遊技を行う遊技者が増加したため、そのような遊技者であっても使用しやすい機能が望まれる。これらのことから、持球が減少したことを遊技者に分かりやすく報知する必要がある。
【0245】
よって、本実施形態では、遊技球が遊技機内で循環する封入式の管理遊技機において、遊技者の持球が30個になったときに持球数減少報知を行う構成とした。よって、持球が尽きたことに気づかずに、いわゆる空打ちを行うなど、遊技を継続することができなくなることを防止できる。このため、例えば、大当り発生時に遊技球が尽きるなど、遊技球の発射が途切れて遊技者に不利益を及ぼすことを防止できる。
【0246】
また、持球が尽きてから遊技球の貸与を受けるとタイムラグが生じて遊技が途切れるおそれがある。しかし、持球数減少報知により、持球が尽きる前に遊技球を補充することができるので、遊技者の持球が尽きたことに気付かずに遊技球の貸与を受けるための時間のロスが生じることを防ぐことができ、これにより、一旦遊技が途切れることを防止してスムーズに遊技を進行させることができる。
【0247】
さらには、音と画像により持球数減少報知を行うので遊技者が気付きやすい報知を行うことができる。なお、持球減少報知は、ハンドル510やボタン(例えば、演出用のボタンや決定ボタン540b)を振動させる、風を遊技者にあてるなど、上記実施形態と異なる態様でもよい。
【0248】
なお、持球数減少画像は、液晶表示器42で表示されるエラー表示(例えば、図12に示すエラーのエラー表示)と同時に表示可能な構成とすることも可能である。
【0249】
また、持球数減少画像は、液晶表示器42で表示されるエラー表示(例えば、図12に示すエラーのエラー表示)よりも表示の優先度(レイヤーの下位上位、表示時間など)を低くすることも可能である。この場合、特定エラー表示より優先度を低くし、特定エラー表示以外のエラー表示に関しては同時に表示可能な構成とすることも可能である。
【0250】
さらに、持球数減少報知は、エラー報知が行われているときは実行しない構成とすることも可能である。また、持球数減少報知は持球が30個以下になったときに限らず、貸与を受けてから所定時間が経過したときなど、他の条件が成立したときに実行してしてもよい。
【0251】
また、持球数減少報知画像の表示を終了するまでの時間は、持球数減少報知画像が表示されたときの持球が処理されるまでの時間よりも長い時間であれば、30秒に限らず他の時間にしてもよい。また、持球数減少報知画像の表示を終了するまでの時間は、特定のエラー報知(例えば、自動で復帰するエラー報知)よりも長くしてもよい。
【0252】
[持球数減少報知管理処理]
図22は、図16の演出制御処理のステップS404で実行する持球数減少報知管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0253】
ステップS4100:先ず演出制御CPU900aは、持球数減少コマンド(図21参照)を受信したときにステップS4106でセットされる持球数減少報知の実行データがRAM900cにセットされているか否かを確認する。そして、持球数減少報知の実行データがセットされていることを確認した場合(ステップS4100:Yes)、演出制御CPU900aはステップS4110を実行する。なお、持球数減少報知の実行データがセットされていることを確認できない場合(ステップS4100:No)、演出制御CPU900aはステップS4102を実行する。
【0254】
ステップS4102:演出制御CPU900aは、持球数減少報知機能がオフであるか否かを確認する。そして、持球数減少報知機能がオフであることを確認した場合(ステップS4102:Yes)、演出制御CPU900aは処理を終了する。持球数減少報知機能がオフであることを確認できない場合(ステップS4102:No)、演出制御CPU900aはステップS4104を実行する。
【0255】
ステップS4104:演出制御CPU900aは、持球数減少コマンドを受信したか否かを確認する。そして、持球数減少コマンドを受信したことを確認していない場合(ステップS4104:No)、演出制御CPU900aは処理を終了する。持球数減少コマンドを受信したことを確認した場合(ステップS4104:Yes)、演出制御CPU900aはステップS4106を実行する。
【0256】
ステップS4106:演出制御CPU900aは、持球数減少報知を実行するための持球数減少報知の実行データをRAM900cにセットする。これにより、図16のS405、S406、S407で持球数減少報知が実行される。そして、演出制御CPU900aはステップS4108を実行する。
【0257】
ステップS4108:演出制御CPU900aは、持球数減報知における持球数減少報知画像の表示時間をカウントするタイマに30秒をセットし、処理を終了する。
【0258】
ステップS4110:演出制御CPU900aは、持球数減少報知画像の表示時間をカウントするタイマの値が「0」になったか否かを確認する。そして、持球数減少報知画像の表示時間をカウントするタイマの値が「0」になったことを確認した場合(ステップS4110:Yes)、演出制御CPU900aはステップS4112を実行する。持球数減少報知画像の表示時間をカウントするタイマの値が「0」になったことを確認できない場合(ステップS4110:No)、演出制御CPU900aはステップS4114を実行する。
【0259】
ステップS4112:演出制御CPU900aは、RAM900cにセットされている持球数減少報知の実行データをクリアして処理を終了する。
【0260】
ステップS4114:演出制御CPU900aは、貸球発生コマンド(図21参照)を受信したか否かを確認する。そして、貸球発生コマンドを受信したことを確認した場合(ステップS4114:Yes)、演出制御CPU900aはステップS4112を実行する。貸球発生コマンドを受信したことを確認できない場合(ステップS4114:No)、演出制御CPU900aは処理を終了する。
【0261】
以上の手順を終えると、演出制御CPU900aは、演出制御処理(図16)に復帰する。
【0262】
[持球数減少報知の具体例]
次に、持球数減少報知の具体例について図23を用いて説明する。
【0263】
図23に示すように、持球数減少報知が実行されるとスピーカ518から持球数減少報知音(図中の例では「ピンポーン」という効果音)が出力される。また、液晶表示器42では、持球数減少報知画像44が表示される。具体的には、赤枠に白い字で「所持数が少なくなっています」という文字が表示される。そして、持球数減少報知音の出力が終了した後も持球数減少報知画像44の表示が継続される。
【0264】
持球数減少報知画像44は、主制御基板560側の特別図柄表示器47での特別図柄の変動表示に関連して表示される演出図柄45の表示位置以外の位置に表示される。また、持球数減少報知画像44は、背景やキャラクタなどの演出画像46よりも上位レイヤーに表示されるが、演出図柄45よりは下位レイヤーで表示される。
【0265】
そして、遊技者が遊技球の貸与を受けずに30秒経過すると、持球数減少報知画像44は消去される。また、遊技者が遊技球の貸与を受けた場合も持球数減少報知画像44は消去される。よって、持球数減少報知画像44が遊技の邪魔になることを防止できる。
【0266】
なお、特別図柄の変動表示に関連する変動表示関連画像として、液晶表示器42に保留表示やミニ図柄、第4図柄を表示する場合に、これらの画像の表示位置以外の位置に持球数減少報知画像44が表示される。また、遊技者の利益の示唆に関わる役物を設けた場合は役物の位置以外の位置に持球数減少報知画像44が表示される。
【0267】
[持球数減少報知機能のキャンセルの具体例]
次に、持球数減少報知機能のキャンセルの具体例について図24及び図25を用いて説明する。本実施形態では、持球数減少報知機能は、遊技者が様々な機能を設定するメニュー設定の一部でオン/オフを切り替えることができる。
【0268】
なお、本実施形態では、メニュー画面で遊技者が設定可能な機能は、設定した機能を初期化する「カスタム初期化」、自動ボタンの切り替えを行う「自動ボタンPUSH」、3D映像のオン/オフの切り替えを行う「3D映像ON/OFF」、演出の一種として吹き付けられる風のオン/オフの切り替えを行う「風ON/OFF」、高音カットモードのオン/オフの切り替えを行う「高温カットモードON/OFF」、累計データ/個人データの切り替えを行う「個人データ表示」、個人データをリセットする「個人データリセット」、持球減少時に報知する機能のオン/オフの切り替えを行う「持球減少報知機能ON/OFF」がある。
【0269】
図24(a),(b)に示すように、デフォルトの状態においてメニュースイッチ540の十字キー540aの下を押下するとメニュー画像43が表示される。メニュー画像43は上段のメニュー表示43aと下段の選択表示43bとから構成されている。
【0270】
次いで、図24(c)に示すように、十字キー540aの上下を押下することにより、メニューを切り替えることにより、持球減少報知機能のメニューを選択する。
【0271】
次いで、図25(d)に示すように、十字キー540aの左右を押下することにより、持球減少報知機能のオン/オフを切り替える。なお、本例ではデフォルトではオフになっている。よって、本機能を使用したい遊技者はオンに切り替える。
【0272】
そして、図25(e)に示すように、決定ボタン540bを押下すると、選択したメニューの設定が確定し、メニュー画像43が消去される。
【0273】
以上のように、持球数減少報知機能のオン/オフを切り替えることができるので、遊技者の好みに合わせた遊技を行わせることができる。
【0274】
なお、持球数減少報知は、遊技球が封入された管理式遊技機に限らず、貸与を受けた遊技球を受皿に移し、受皿の遊技球を発射するパチンコ機で行ってもよい。
【0275】
また、持球数減少報知は、遊技球を用いるパチンコ機に限らず、遊技媒体としてメダル並びにクレジットを用いて賭数を設定し、スタートレバーの操作によりリールを回転させ、回転するリールをストップボタンによる停止操作により停止させ、リールが停止したときの図柄の種類や図柄の組み合わせにより入賞が発生可能なスロットマシンで行ってもよい。
【0276】
[上記実施形態の効果]
(a)上記実施形態では、
識別情報(本例では、特別図柄)の変動表示を行うことが可能な遊技機(本例では、管理遊技機500)であって、
前記識別情報の変動表示に関連する変動表示関連画像を表示可能な画像表示手段(本例では、液晶表示器42)を備え、
前記画像表示手段は、遊技に使用される遊技媒体(本例では、遊技球)の残りが所定数(本例では、30個以下)になったことを特定可能な特定画像(本例では、持球数減少報知画像)を表示可能であり、
前記特定画像は、前記特定画像を所定時間(本例では、30秒)表示することを含む所定条件の成立により表示終了し(本例では、図21図22)、
前記所定時間は、前記特定画像を表示するときの残りの遊技媒体を使用しうるまでの時間よりも長い(本例では、図22)。
よって、遊技に使用する遊技媒体が尽きる前に遊技媒体の貸与を受けることができるので、遊技媒体が尽きて遊技が継続できなくなることを防止でき、遊技者に不利益を及ぼすことを防止できる。
なお、特定画像を表示するときの残りの遊技媒体を使用しうるまでの時間とは、残りの遊技媒体の使用を終了するまでの時間や、残りの遊技媒体が全て使用され、使用された遊技媒体の処理(回収処理など)を終了するまでの時間を含む。
【0277】
なお、上記実施形態は下記の発明を含む。
識別情報(本例では、特別図柄)の変動表示を行うことが可能であり、遊技領域に遊技球が発射可能であるとともに、遊技機内で遊技球が循環する封入式の遊技機(本例では、管理遊技機500)であって、
前記識別情報の変動表示に関連する変動表示関連画像(本例では、演出図柄45)を表示可能な画像表示手段(本例では、液晶表示器42)を備え、
前記画像表示手段は、前記遊技領域に発射可能な遊技球数が所定個数(本例では、30個以下)になったことを特定可能な特定画像(本例では、持球数減少報知画像)を表示可能であり、
前記特定画像は、前記変動表示関連画像の表示位置以外の位置に表示されるとともに、所定条件の成立により表示終了し(本例では、図23)、
前記所定条件は、前記特定画像を所定時間(本例では、30秒)表示することを含み(本例では、図21図22)、
前記所定時間は、前記特定画像を表示したときに前記遊技領域に発射されていない残りの遊技球が前記遊技領域に発射され、発射された遊技球が処理されるまでの時間よりも長い(本例では、図22)。
よって、遊技領域に発射可能な遊技者の持球数が尽きる前に遊技球の貸与を受けることができるので、遊技者の持球が尽きて遊技が継続できなくなることを防止でき、遊技者に不利益を及ぼすことを防止できる。
【0278】
(b1)上記実施形態では、エラー報知を実行可能な遊技機(本例では、管理遊技機500)において、
遊技の進行を制御可能な第1制御手段(本例では、主制御CPU560a)と、
前記第1制御手段と通信可能であるとともに前記第1制御手段と異なる制御を実行可能な第2制御手段(本例では、枠制御CPU560a)と、
前記第2制御手段に関する特定のエラー(本例では、枠制御エラー)を報知する特定エラー報知を実行可能な第3制御手段(本例では、演出制御CPU900a)と、を備え、
前記特定のエラーは複数種類のエラーを含むとともに、前記特定エラー報知の実行に関して前記特定のエラーの種類に応じた優先度が割り当てられており(本例では、図13)、
前記第1制御手段は、前記特定のエラーが発生した場合に発生した前記特定のエラーの種類に応じたエラーコマンドを前記第3制御手段に送信可能であるとともに、前記特定のエラーが解除された場合に一のエラー解除コマンド(本例では、全枠制御エラー未発生コマンド)を前記第3制御手段に送信可能であり(本例では、図18図20)、
前記第3制御手段は、前記第1制御手段から受信した前記エラーコマンドに基づいて前記特定エラー報知を実行可能であるとともに、前記特定エラー報知を実行しているときに前記エラー解除コマンドを受信した場合または実行中の前記特定エラー報知に対応する前記特定のエラーよりも前記優先度の低い前記特定のエラーに対応する前記エラーコマンドを受信した場合に、実行している前記特定エラー報知を終了する(本例では、図17図18図20)。
よって、エラーの優先順位にしたがってエラー報知やエラー報知の解除を行うことができる。
【0279】
(b2)前記第3制御手段は、優先度が異なる前記特定エラー報知に対応する複数種類の前記特定のエラーが同時期に発生している場合は、優先度の高い前記特定エラー報知のみを実行可能である(本例では、図19図20)。
よって、エラーの優先順位にしたがってエラー報知やエラー報知の解除を行うことができる。
【0280】
なお、上記実施形態は下記発明を含む。
エラー報知を実行可能な遊技機(本例では、管理遊技機500)において、
遊技の進行を制御可能な遊技制御手段(本例では、主制御CPU560a)と、前記遊技制御手段から送信される情報に基づいて前記エラー報知を制御可能なエラー報知制御手段(本例では、演出制御CPU900a)と、前記遊技制御手段と通信可能な枠制御手段(本例では、枠制御CPU560a)とを備え、
前記枠制御手段は、エラー発生条件が満たされた場合に複数種類のエラーのうちのいずれが発生したかを判定可能であるとともに、発生したエラーのエラー解除条件が満たされたかを判定可能であり、
前記枠制御手段で前記エラー発生条件が満たされたと判定された場合に前記遊技制御手段から前記エラー報知制御手段にエラー情報を送信可能であり(本例では、図14図18図20)、
前記エラー解除条件が満たされたと判定された場合に前記遊技制御手段から前記エラー報知制御手段にエラー解除情報を送信可能であり(本例では、図15図18図20)、
前記エラー報知制御手段は、前記エラー情報を受信したときに前記エラー報知を実行可能であるとともに、前記エラー解除情報を受信したときに前記エラー報知を終了可能であり(本例では、図17図18図20)、
前記エラー情報は前記エラーの種類に応じて複数種類設けられており(本例では、図13)、
前記エラー解除情報は1種類のみ設けられており(本例では、図13)、
前記複数種類のエラーには優先順位が割り当てられており(本例では、図13)、
前記複数種類のエラーは、第1エラーと、該第1エラーよりも優先順位の低い第2エラーとを含み(本例では、図13)、
前記第1エラーと前記第2エラーとが重複して発生しているときに前記第1エラーのエラー解除条件が先行して満たされた場合は、前記第2エラーに対応する低順位エラー情報が前記遊技制御手段から前記エラー報知制御手段に送信され、前記第1エラーのエラー解除条件が満たされた後に前記第2エラーのエラー解除条件が満たされた場合は、前記エラー解除情報が前記遊技制御手段から前記エラー報知制御手段に送信され(本例では、図15図18図20)、
前記エラー報知制御手段は、
前記低順位エラー情報を受信したときに前記第1エラーのエラー報知を終了可能であり(本例では、図17図18図20)、
前記エラー解除情報を受信したときに前記第2エラーのエラー報知を終了可能である(本例では、図17図18図20)。
よって、エラーの優先順位にしたがってエラー報知やエラー報知の解除を行うことができる。
【0281】
また、上記実施形態は下記発明を含む。
前記エラー報知制御手段は、前記第1エラーと前記第2エラーとが重複して発生しているときに前記第1エラーのエラー報知のみを実行可能である(本例では、図17図18図20)。
よって、エラーの優先順位にしたがってエラー報知やエラー報知の解除をより確実に行うことができる。
【0282】
[遊技機について]
本実施形態では、本発明を遊技用価値として遊技球を用いるパチンコ機タイプの管理遊技機に適用した例について説明したが、スロットマシンタイプの管理遊技機に本発明を適用してもよい。例えば、遊技用価値としてメダルや遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンタイプの管理遊技機や、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンタイプの管理遊技機に適用しても良い。
【符号の説明】
【0283】
500 管理遊技機
550 枠制御基板
560 主制御基板
700 専用ユニット
900 演出制御基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25