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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】イオン化空気送風機の方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/08 20060101AFI20240315BHJP
   F24F 8/30 20210101ALI20240315BHJP
【FI】
F04D25/08 307E
F24F8/30
F04D25/08 305P
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021519144
(86)(22)【出願日】2019-10-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2019054754
(87)【国際公開番号】W WO2020076641
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】62/742,652
(32)【優先日】2018-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/591,846
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エー.ゴルチツァ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ジェイ.マンドラキア
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル シー.ブランコ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ディー.ロドリゴ
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-054579(JP,A)
【文献】特開2001-043992(JP,A)
【文献】特開2007-258108(JP,A)
【文献】国際公開第2018/131074(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/103785(WO,A1)
【文献】特開平02-267880(JP,A)
【文献】特開2010-282877(JP,A)
【文献】特開平11-287196(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0221150(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/08
F24F 8/30
H05F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン化空気送風機において、
目標表面へ向けて空気流を生成するように構成されているファンと、
前記空気流中に陽イオン及び陰イオンを生成するように構成されているイオナイザーと、
記空気流のイオン化を制御するように構成されている制御回路部とを具備し、
前記イオン化が、イオン不均衡モードまたはイオン均衡モードの選択された一方のモードによって行われるようにし
前記目標表面の表面電荷を検出するように構成されている第1のセンサーと、前記イオン化空気送風機によって生成された前記空気流の電荷を検出するように構成されている第2のセンサーと、を更に備え、
前記イオン化空気送風機を通り抜ける空気のイオン化を制御するために、前記第1のセンサーからの情報及び前記第2のセンサーからの情報が用いられ、
前記第2のセンサーは、前記第1のセンサーよりも広い検知電圧範囲を有する、
イオン化空気送風機。
【請求項2】
記イオン不均衡モードが選択された場合、前記制御回路部は、前記第1のセンサーから検出された前記表面電荷に基づいて前記イオナイザーを制御する請求項1に記載のイオン化空気送風機。
【請求項3】
前記第2のセンサーは、前記空気流が前記イオン化空気送風機から流出するセンサー組立体の一部である請求項に記載のイオン化空気送風機。
【請求項4】
前記表面電荷が第1の閾値よりも高い場合、前記制御回路部は、陽イオンに対する陰イオンの比率を高めるように前記イオナイザーを制御するように構成されており
前記表面電荷が第2の閾値よりも小さい場合、前記制御回路部は、陽イオンに対する対陰イオンの比率を低減するように前記イオナイザーを制御するように構成されており
前記表面電荷が略中性である場合、前記制御回路部は、最後に設定した陽イオン対陰イオンの比率を維持するように前記イオナイザーを制御するように構成されている、請求項2に記載のイオン化空気送風機。
【請求項5】
前記検出された表面電荷を無線接続又は有線接続により受信するように構成されている制御ステーションを備える請求項2に記載のイオン化空気送風機。
【請求項6】
グリル、センサー組立体、及びイオナイザーを含むイオン化組立体を更に備える請求項1に記載のイオン化空気送風機。
【請求項7】
前記イオナイザーを清掃するように構成されているイオナイザークリーニングブラシを更に備える請求項に記載のイオン化空気送風機。
【請求項8】
前記イオナイザークリーニングブラシは、前記イオン化空気送風機のための人間-機械インターフェースにより手動で、プログラマブルロジックコントローラーにより、或いは、前記イオン化空気送風機の起動時に作動するように構成されている、請求項に記載のイオン化空気送風機。
【請求項9】
前記イオナイザークリーニングブラシは、前記イオナイザー用のイオン電流がイオン電流閾値を下回ると作動するように構成されている、請求項に記載のイオン化空気送風機。
【請求項10】
前記イオン化空気送風機は、前記イオン化空気送風機のための人間-機械インターフェースと、プログラマブルロジックコントローラーの一方又は双方によって制御されるように構成されている、請求項1に記載のイオン化空気送風機。
【請求項11】
前記イオン化空気送風機は、該イオン化空気送風機のための人間-機械インターフェースによって、プログラマブルロジックコントローラーから該人間-機械インターフェースへの命令により制御されるように構成されている、請求項1に記載のイオン化空気送風機。
【請求項12】
前記制御回路部は、前記空気の前記イオン化のバランス調整のための入力デバイスを含み、該入力デバイスの範囲は、ソフトウェアマッピングを用いて可変である請求項1に記載のイオン化空気送風機。
【請求項13】
前記ファンを駆動させるための送風機モーターと、
人間-機械インターフェースと、を備え、
前記制御回路部は、前記送風機モーターにおいて電力が利用可能かどうかに関する情報を前記人間-機械インターフェースへ供給するように構成されている、請求項1に記載のイオン化空気送風機。
【請求項14】
前記送風機モーターへの電力がないという情報の場合に、前記人間-機械インターフェースは警告を与える請求項13に記載のイオン化空気送風機。
【請求項15】
イオン化空気送風機において、
目標表面へ向けて空気流を生成するように構成されているファンと、
陰イオンに対する陽イオンの調節可能な比率で前記空気流中に陽イオンと陰イオンとを生成するように構成されているイオナイザーと、
前記目標表面上に存在する表面電荷を測定するように構成されている第1のセンサーと、
制御回路部であって、
イオン化空気送風機からの前記空気流の速度を制御し、
前記第1のセンサーによって検出された前記表面電荷に基づいて陰イオンに対する陽イオンの比率を調整するように前記イオナイザーを制御する
ように構成されている制御回路部と
を具備し、
前記イオン化空気送風機によって生成された前記空気流の電荷を検出するように構成されている第2のセンサーを更に備え、
前記イオン化空気送風機を通り抜ける空気のイオン化を制御するために、前記第2のセンサーからの情報が用いられ、
前記第2のセンサーは、前記第1のセンサーよりも広い検知電圧範囲を有する、
イオン化空気送風機。
【請求項16】
前記表面電荷が正である場合、前記制御回路部は、陰イオンに対する陽イオンの比率を低減するように前記イオナイザーを制御するように構成されており
前記表面電荷が負である場合、前記制御回路部は、陰イオンに対する陽イオンの比率を高めるように前記イオナイザーを制御するように構成されており
前記表面電荷が略中性である場合、前記制御回路部は、最後に設定した陰イオンに対する陽イオンの比率を維持するように前記イオナイザーを制御するように構成されている、請求項15に記載のイオン化空気送風機。
【請求項17】
イオン化空気送風機において、
目標表面へ向けて空気流を生成するように構成されているファンと、
陰イオンに対する陽イオンの調節可能な比率で前記空気流中に陰イオンと陽イオンを生成するように構成されているイオナイザーと、
前記目標表面上に存在する表面電荷を測定するように構成されている第1のセンサーと、
前記表面電荷を表示するためのディスプレイと、
ユーザー入力を受け付けるように構成されているユーザーインターフェースと
を具備し、
前記イオン化空気送風機によって生成された前記空気流の電荷を検出するように構成されている第2のセンサーを更に備え、
前記イオン化空気送風機を通り抜ける空気のイオン化を制御するために、前記第1のセンサーからの情報及び前記第2のセンサーからの情報が用いられ、
前記第2のセンサーは、前記第1のセンサーよりも広い検知電圧範囲を有する、
イオン化空気送風機。
【請求項18】
前記ユーザーインターフェースは、
前記ファンからの前記空気流の速度を制御する入力、および
陰イオンに対する陽イオンの比率を調整するために前記イオナイザーを制御する入力
を受け付ける請求項17に記載のイオン化空気送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
この特許は、「Method and Apparatus for an Ionized Air Blower」と題された、2018年10月8日に出願された米国仮特許出願第62/742,652号、及び「Method and Apparatus for an Ionized Air Blower」と題された、2019年10月3日に出願された米国特許出願第16/591,846号に対する優先権を主張する。米国仮特許出願第62/742,652号及び米国特許出願第16/591,846号の全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
【背景技術】
【0002】
本開示は送風機に関し、より詳細には、イオン化空気送風機の方法及び装置に関する。
【0003】
イオン化デバイスの従来のシステムの制限及び不利点が、そのような手法を、図面を参照して本開示の残りの部分において記載されている本方法及びシステムのいくつかの態様と比較すると、当業者には自明となるであろう。
【発明の概要】
【0004】
実質的に、図のうちの少なくとも1つの図によって示されるとともにこれに関連して説明されるように、また、特許請求の範囲においてより完全に述べられるように、イオン化空気送風機の方法及びシステムが提供される。
【0005】
これらの態様及び/又は他の態様は、添付図面に関して行う、実施形態のいくつかの例の以下の説明から明らかになり、より容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】本開示の態様による例示のイオン化空気送風機の複数の図である。
図1B】本開示の態様による図1Aの上記例示のイオン化空気送風機を、制御ステーション及びセンサーとともに示す図である。
図1C】本開示の態様による図1Aの上記例示のイオン化空気送風機を、制御ステーション及びセンサーとともに示す別の図である。
図1D】本開示の態様による図1Aの上記例示のイオン化空気送風機を、制御ステーションとともに示す図である。
図1E】本開示の態様による目標表面上に送風する図1Aの上記例示のイオン化空気送風機の例示の構成図である。
図1F】本開示の態様による目標表面に送風する図1Aの上記例示のイオン化空気送風機の別の例示の構成図である。
図2】本開示の態様によるイオン化空気送風機の例示の制御回路部図である。
図3A】本開示の態様によるイオン化空気送風機の出力部の様々な図である。
図3B】本開示の態様によるイオナイザークリーニングブラシ及びイオナイザーの例示の構成図である。
図3C】本開示の態様によるイオナイザーの例示の構成図である。
図4】本開示の態様によるイオン化空気送風機の例示のファンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面は必ずしも縮尺通りに描かれている訳ではない。同様な、又は同一の参照番号を適宜用いて、同様な、又は同一の要素を識別する。
【0008】
本開示の様々な態様は、目標表面上の静電荷を中和するか、又は目標表面上に電荷を与えるために用いることができるイオン化空気送風機を規定することができる。いくつかの物体、例えば、プラスチックシートロール又は新聞紙ロールは、その表面の静電荷が中和されている場合がある。他の物体、例えば、プラスチックバッグ又は雑誌のページは静電荷が帯電していて、バッグ又はページをくっつけている場合がある。本開示の他の態様は、イオン化空気を、例えば環境中のフィルター微粒子に供給することができる。
【0009】
図1Aは、例示のイオン化空気送風機の様々な図を提示している。斜視図100Aに、吸気領域102及び排気領域104を有する上記例示のイオン化空気送風機100を示す。空気は、例えばファンにより引き込まれてもよい。本開示の様々な態様において、図4に示すファン400を用いてもよい。本開示の他の態様は、他のタイプのファン又はデバイスを用いて空気を動かすことを開示することができる。
【0010】
空気は、例えば図3Aに示すイオナイザー302によってイオン化することができる。排気領域104はまた、センサー106を通り過ぎる空気の正味電荷を測定するセンサー106を有してもよい。センサーは、グリルの一部であるか、又はグリルとは別個であってもよい。センサー106を1つのデバイスとして示すが、本開示の様々な態様は、別個のグリル及びセンサーを規定することができる。例えば、センサー106はグリルの形状の中に形成されていてもよく、センサー及びグリルは永久的に結合されて単一の部品を形成してもよく、又はセンサー及びグリルは互いに分離できるように互いに重ねられてもよい。グリルと結合される/重ねられるセンサーは、センサー又はセンサー組立体と呼ばれる場合がある。
【0011】
センサー16は、例えば、図1Eに示すターゲット物体150の表面電荷を測定する静電電圧計であってもよい。代替的に、センサー16は例えば、ターゲット物体150の表面電荷を測定する静電場計であってもよい。さらに、ターゲット物体150の表面電荷を測定するのに好適な任意の他のデバイスを用いてもよい。
【0012】
上記例示のイオン化空気送風機100の上面図100B、上記例示のイオン化空気送風機100の側面図100C、及び上記例示のイオン化空気送風機100の正面図100Dも示す。
【0013】
イオン化空気送風機100の様々な構成要素は、例えば、送風機制御回路部101によって制御することができる。例えば、送風機制御回路部101は、ファン400の速度、及びイオン化空気送風機100によって供給される空気のイオン化を制御することができる。送風機制御回路部101は、コネクタパネル101A上にコネクタを備えて、センサー106から外部デバイス、例えば、図1B図1Dに示す制御ステーション110へ情報を通信するための少なくとも1本のケーブルを接続してもよい。制御ステーション110は、様々なデバイスを制御するとともに、制御ステーション110に関する情報及び制御ステーション110に接続されたデバイスのステータスを表示するために使用してもよい。通信は有線及び/又は無線であってもよい。送風機制御回路部101のコネクタは一般に、センサー情報及び他の情報を通信するために使用することができる。
【0014】
図1Bは、図1Aの上記例示のイオン化空気送風機を、制御ステーション110及び外部センサー116とともに示す図である。外部センサー116は、ケーブル118によりイオン化空気送風機100のコネクタパネル101Aに接続することができる。その場合、ケーブル112は、外部センサー116から制御ステーション110へ情報を通信するために使用することができる。ケーブル112はまた、排気領域104にあるセンサー106から制御ステーション110へ情報を通信するために使用することができる。電源プラグ102及び114はそれぞれ、イオン化空気送風機100及び制御ステーション110に電力を供給するために使用することができる。しかしながら、本開示の様々な態様は、電源プラグ102及び114のうちの1つのみを開示してもよく、あらゆる必要な電力は、イオン化空気送風機100から制御ステーション110へ、又はその逆に供給してもよい。ケーブルは、コネクタ115を介して制御ステーション110に接続してもよい。
【0015】
本開示の様々な態様は、送風機制御回路部101の機能のうちのいくつかを、制御ステーション110の一部として規定することができる。
【0016】
図1Cは、図1Aの上記例示のイオン化空気送風機を、制御ステーション及びセンサーとともに示す別の図である。図1Cを参照すると、イオン化空気送風機100を介さずに制御ステーション110に直接接続された外部センサー116が示されている。したがって、制御ステーション110は、ケーブル112を介してセンサー106からの情報を受信するとともに、ケーブル118を介して外部センサー116からの情報を受信する。
【0017】
図1Dは、図1Aの上記例示のイオン化空気送風機を、制御ステーションとともに示す図である。図1Dを参照すると、ハブセンサー110が、ケーブル112を介してセンサー106から情報を受信する。この構成に外部センサー116はない。これは例えば、イオン化空気送風機100が、陽イオンに対する陰イオンの比率を一定で供給するように構成されているからであり得る。したがって、外部センサー116により目標表面150(図1E)の表面電荷を測定する必要がない。
【0018】
したがって、制御ステーション110は、センサー106及び116から情報を搬送する様々なケーブルに接続するための複数のコネクタを有することができる。
【0019】
制御ステーション110はイオン化送風機100とは別個であるものとして示しているが、本開示の様々な態様は、制御ステーション110を送風機100と一体化されるものとして規定することができる。その場合、制御ステーション110は送風機制御回路部101を備えることができる。制御ステーション110は、制御回路部200の一部又は全ての機能を有していてもよく、制御回路部200については図2に関してより詳細に説明する。本開示の様々な態様はまた、送風機制御回路部101が制御回路部200の一部又は全ての機能を有するようにしてもよい。
【0020】
図1Eは、目標表面上に送風する図1Aの上記例示のイオン化空気送風機の例示の構成図である。図1Eを参照すると、矢印151で示す方向に移動する目標表面150と、目標表面150の表面電荷を測定する外部センサー116と、イオン化空気の空気流153を目標表面150上に供給するイオン化空気送風機100とが示されている。目標表面150上に送風される空気のイオン化は、外部センサー116からのフィードバックに基づいて調整される。本開示の様々な態様はまた、空気流153の現在のイオン化を目標表面150の表面電荷に関連付けることによって、センサー106からの情報を考慮に入れることができる。
【0021】
図1Fは、目標表面上に送風する図1Aの上記例示のイオン化空気送風機の別の例示の構成図である。図1Fの構成は、外部センサー116と同様であり得る別の外部センサー120を追加していることを除いて、図1Eの構成と同様である。この構成において、外部センサー120は、目標表面150の表面電荷の初期フィードバックを提供することができる。この情報は、空気流153をイオン化するために使用することができる。外部センサー116は次に、イオン化された空気流153を目標表面150に送風した後の表面電荷に関する情報を提供することができる。外部センサー116は、イオン化後に目標表面150上に電荷が残存する場合にイオン化を追加補正することを可能にする。したがって、センサー120は粗補正を提供するものとして考えることができ、外部センサー116は微補正を提供するものとして考えることができる。
【0022】
センサー106、116、及び120からの情報はそれぞれのケーブルを介して送信されるものとして説明したが、センサーのうちの1つ以上からの情報は制御ステーション110へ無線送信されてもよい。
【0023】
図2は、本開示の1実施形態による例示の制御回路部のブロック図を示している。図2を参照すると、本開示の様々な実施形態とともに使用することができる例示の制御回路部200が示されている。制御回路部200は例えば、プロセッサ210、メモリ220、通信回路部230、及びIOインターフェース240を備えていてもよい。電源250もまた制御回路部200の一部として考えてもよい。プロセッサ210は例えば、1つ以上のプロセッサ及び/又はプロセッサ毎に複数のコアを含んでもよい。
【0024】
メモリ220は、不揮発性メモリ226及び揮発性メモリ228を含んでもよい。ローカルデータを保持するために記載するストレージは、メモリ220の一部であっても、別個のメモリを備えていてもよい。オペレーティングシステム222及びアプリケーション224は例えば、不揮発性メモリ226に記憶してもよく、プロセッサ210によって実行されるように揮発性メモリ228にコピーしてもよい。本開示の様々な態様は、設計及び/又は実施に依存する異なるメモリアーキテクチャを使用することができる。例えば、本開示のいくつかの態様では、不揮発性メモリ226内のオペレーティングシステム222及びアプリケーション224を、少なくとも部分的に不揮発性メモリ226から実行してもよい。
【0025】
通信回路部230は、制御回路部200が他のデバイスと、例えば、USB、イーサネット(登録商標)、ファイアワイア等の有線プロトコル、又はBluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、Wi-Fi等の無線プロトコルにより通信できるようにすることができる。有線又は無線プロトコルはまた、例えば、専用プロトコルであってもよい。単純化のために、様々なタイプの通信用無線を送受信機として参照することができる。通信は例えば、センサーデータを中継することのできる様々なセンサー及び/又はデバイスを用いて行ってもよい。通信回路部230はまた、ローカルネットワーク、セルラーネットワーク等の他のネットワークと通信するためにも用いることができる。
【0026】
制御回路部200はまた、入力デバイス242(ユーザーインターフェース242)を介してユーザーと通信するとともに、例えばディスプレイ244aを含み得る出力デバイス244上に表示する情報を出力するためのIOインターフェース240を備えていてもよい。入力デバイス242は例えば、スイッチ、スライドスイッチ、ボタン、ポテンショメータ、ディスプレイ244aの一部であり得るタッチセンシティブスクリーン、マイク等を含んでもよい。タッチセンシティブスクリーンは、それらの物理的対応物をエミュレートするソフトボタン、スイッチ、スライドスイッチ等を有してもよい。入力デバイス242はまた、例えば、様々なセンサー、カメラ等を備えていてもよい。出力デバイス244は例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED等を含んでもよい。
【0027】
プロセッサ210は、異なる実施形態における異なるアーキテクチャを用いて動作することができる。例えば、プロセッサ210はメモリ220を用いて、実行するための命令を記憶してもよい、及び/又はプロセッサ210は独自のメモリ(図示せず)及び/又は他のストレージデバイスを有して、命令を記憶してもよい。
【0028】
様々な実施形態が、異なる機能が異なる方法で分類され得る他のアーキテクチャを用いてもよい。例えば、複数の集積回路チップを1つの集積回路チップに分類してもよい。付加的に又は代替的に、分類は、IOインターフェース240及び通信回路部230等の異なるデバイスを結合してもよい。さらに、制御回路部200は、様々な物理デバイスを論理的に参照してもよい。例えば、出力デバイス244のうちの1つ以上は、入力デバイス242のうちの1つ以上とは異なる場所にあってもよい。
【0029】
タッチパネルを含む様々な物理デバイスは、イオン化空気送風機100の様々な機能を制御するために用いることができるが、音声も用いて様々な機能を制御するためのコマンドを与えてもよい。音声入力は例えば、制御回路部200の入力デバイス242の一部であるマイクによって受け付けてもよい。デジタル化されたコマンドは、特定のコマンドを決定するために、例えばプロセッサ210によって処理することができる。その場合、特定のコマンドは、イオン化空気送風機100を制御するために用いることができる。音声認識用のソフトウェアは例えば、メモリ220内のオペレーティングシステム222及び/又はアプリケーション224の一部であってもよい。
【0030】
さらに、電源は通常、制御回路部200とは別に分類されるが、本開示の様々な態様は、電源を制御回路部200と一緒に分類してもよい。例えば、無線又は有線で受け取った電力は、I/Oインターフェース240の機能として考えることができ、入力デバイス242は電力を受け取って管理する。代替的に、電源250は、イオン化空気送風機100に入力される電力の受け取り及びイオン化空気送風機100の様々なモジュールへの電力の供給を担当する別個のモジュールであってもよい。
【0031】
図3Aは、本開示の態様による、イオン化空気送風機の出力部の様々な図を提示している。図3Aを参照すると、イオナイザー302及びセンサー106を備えるイオン化組立体300の斜視図300Aが示されている。上記したように、センサー106はセンサー及びグリルを備えていてもよい。図300Bはイオン化組立体300の上面図である。図300Cはイオン化組立体300の正面図である。図300Dはイオン化組立体300の側面図である。
【0032】
イオナイザー302は例えば、イオナイザー302を通り過ぎる分子の少なくとも一部にコロナモードのイオン化を提供してもよい。イオン化された空気分子は、適切なイオン化電圧をイオナイザー302に供給することによって生成することができる。イオナイザー302は、コロナモードのイオン化を提供する場合、イオンエミッター302Aを備えていてもよい。イオンエミッター302Aへのイオン化電圧は、例えば、4KV~10KVの範囲とすることができる。しかしながら、イオン化電圧範囲は、使用される特定のイオナイザー302によって異なり得ることに留意すべきである。
【0033】
図300Eに示すように、センサー106がグリルとは別個である場合、センサー106-1はグリル106-2に重ねられてもよく、両方のデバイスが排気領域104と同様の寸法を有することができる。本開示のいくつかの例において、センサー106-1の他に、グリル106-2もまたセンサーであってもよい。そのような例において、センサー106-1は、センサー106-2よりも調整範囲が狭くてもよい。
【0034】
センサー106-1は例えば、送風機100によってイオン均衡モード(ion balanced mode)に使用してもよく、センサー106-2は例えば、送風機100によってイオン不均衡静的中和モード(ion imbalanced mode for static neutralization)に使用してもよい。センサー106-1及び/又はセンサー106-2は、少なくとも1つの寸法が排気領域104よりも小さくてもよい。例えば、センサー106-1及び/又はセンサー106-2は、排気領域104にわたって水平方向に延びる棒形状であってもよい。
【0035】
センサーは当業者にとって既知であるため、センサー106-1及び/又は106-2の特定の詳細はこれ以上説明しない。
【0036】
本開示の様々な態様は、ユーザーがイオン化組立体300の一部又は全体を交換できるようにしてもよい。例えば、特定の実施態様に応じて、ユーザーは、イオン化組立体300の1つ以上の構成要素を交換できてもよい。イオン化組立体300の1つ以上の部品が、取り除くために取り外された場合、送風機制御回路部101はファン400を無効にしてもよく、送風機制御回路部101はまた、例えば、イオナイザー302への電力を無効にしてもよい。
【0037】
センサー106(又はセンサー106-1)からの情報及び/又は外部センサー116からの情報は、空気イオナイザー送風機100を通り抜ける空気のイオン化を制御するために用いることができる。センサー106は外部センサー116よりも広い検知範囲(例えば、電圧範囲)を有し得るため、センサー106からの情報は、例えば、粒度の粗い情報として使用することができ、外部センサー116からの情報は、例えば、粒度の細かい情報として使用することができる。
【0038】
本開示の様々な態様は、様々な動作モードを有する空気イオナイザー送風機100を規定することができる。例えば、第1のモードは目標表面150のイオン不均衡静的中和モードであってもよく、第2のモードはイオン均衡モードであってもよい。イオン不均衡モードの時、外部センサー116からの情報は、目標表面150の表面電荷を測定するために使用することができる。目標表面150は、図1E、1F中の矢印151によって示すように、左から右へ移動していてもよい。外部センサー116は、ケーブル118(及び図1Fのケーブル122)を介して空気イオナイザー送風機100へ情報を供給することができる。この情報は、空気イオナイザー送風機100から目標表面150へと向けられる空気のイオン化を調整して、目標表面150上に存在し得る静電荷を中和するために用いられる。陰イオンに対する陽イオンの比率を必要に応じて調整して、目標表面150について中性の表面電荷を達成することができる。
【0039】
このフィードバック機構は外部センサー116(及び本開示の他の態様に開示されるように外部センサー120)からの情報を使用することができるが、外部センサー120からの情報はまた、空気イオナイザー送風機100からの空気流中のイオン比を更に調整するためにも使用することができる。すなわち、外部センサー116からの情報は、イオン化空気が目標表面150に送風された後の表面電荷を提供し、センサー106からの情報は、目標表面150に送風される空気のイオン比を提供する。
【0040】
本開示の様々な態様は、統計的、数学的、又は他の方法を使用して、制御信号を制御の振動について監視し、警戒警報を与えて必要に応じて再起動することを規定することができる。
【0041】
外部センサー116からの情報が、ターゲットの表面電荷が中和されていることを示す場合、イオン比は、目標表面150の表面電荷が変化して閾値を超えるまで維持されてもよい。例えば、表面電荷が第1の閾値よりも高い場合、制御回路部200は、陽イオンに対する陰イオンの比率を高めるように、イオナイザー302を制御することができる。表面電荷が第2の閾値よりも低い場合、制御回路部200は、陽イオンに対する陰イオンの比率を下げるようにイオナイザー302を制御することができる。表面電荷が略中性である場合、制御回路部200は、現在の陽イオンに対する陰イオンの比率(最後に設定した比率)を維持するようにイオナイザーを制御することができる。第1の閾値及び第2の閾値は、動的に変えることができるデフォルト値を有していてもよい。
【0042】
イオン均衡モードは、陰イオンに対する陽イオンの比率を一定に保つために用いることができる。したがって、表面電荷が必要ないため、外部センサー116は必要ない場合がある。この比率は通常、略50対50とすることができるが、本開示の様々な態様は、この比率を別の比率に設定するようにできる。結果として得られる空気流中のイオン比は、望ましい比率を近似し得ることに理解されたい。陽イオンに対する陰イオンの比率、すなわちバランスは、入力デバイス242を介して入力されてもよい。入力は、例えば、タッチセンシティブスクリーン、キーボード、マウスにより、ポテンショメータを回すことによって等により行うことができる。
【0043】
比率の範囲は、例えば、ソフトウェアにより制御されて、異なる時に異なる範囲を表示することを可能にしてもよい。例えば、入力が、ポテンショメータを回すことによって行われる場合、範囲は特定の電圧範囲に限定されてもよい。すなわち、イオン化電圧は例えば4KV~10KVの範囲であり得るが、較正は、実際の電圧範囲が例えば6KV~8KVであればよいと判定し得る。したがって、イオン化空気送風機100は、4KV~10KVではなく、例えば6KV~8KVの範囲を提供するように事実上構成されるn回転型ポテンショメータを有することができる。したがって、電圧の選択は、ポテンショメータを調整した場合に、より正確に選択することができる。これはソフトウェアにより制御されるため、各イオン化空気送風機100は個別の構成が可能である。
【0044】
イオナイザー302は、電源250からイオン化電圧を、また電源250からイオン化電流を受け取ることができる。電源250は、例えば、出力電圧センサー252及び出力電流センサー254を備えていてもよい。出力電圧センサー252は、出力電圧の正の極性及び/又は負の極性を検出できてもよく、出力電流センサー254は、出力電流の正の極性及び/又は負の極性を検出できてもよい。本開示のいくつかの例は、複数の出力電圧センサー252を使用して出力電圧の正及び負の極性を検出するとともに、複数の出力電流センサー254を使用して出力電流の正及び負の極性を検出してもよい。
【0045】
したがって、電源250は、イオナイザー302に供給されるイオン化電流及びイオン化電圧を測定することができる。
【0046】
送風機300を制御するために自動化された方法を説明したが、本開示の様々な態様は、送風機300を手動で制御することを可能にしてもよい。例えば、送風機300は、制御回路部200の一部としてディスプレイ244aを備えていてもよい。ディスプレイ200は、外部センサー116からのターゲットの表面電荷を表示してもよい。その場合、オペレーターは、例えば入力デバイス242を用いて陰イオンに対する陽イオンの比率を調節することができる。オペレーターはまた、ファン400(図4)の速度を制御することによって空気流を調節してもよい。
【0047】
本開示の他の態様は、プロセッサ210に、ターゲットの表面電荷、現在の陰イオンに対する陽イオンの比率(最後に設定した比率)、及び/又はファン400の速度を使用させて、例えばディスプレイ244a上に、入力デバイス242のうちの1つ以上を用いて設定する適切な比率及び/又はファン速度を表示してもよい。
【0048】
図3Bは、イオナイザークリーニングブラシ及びイオナイザーの例示の構成図である。図3Bを参照すると、イオン化空気送風機100は、イオナイザー302を洗浄するために作動させることができるイオナイザークリーニングブラシ350を備えていてもよい。本開示の一態様において、送風機制御回路部101は、イオン化空気送風機100用の人間-機械インターフェース360への入力により、制御ステーション362により、プログラマブルロジックコントローラー(PLC)364により、又はイオン化空気送風機の起動時に、イオナイザークリーニングブラシ350を作動させてイオナイザー302のイオンエミッター302Aを洗浄してもよい。クリーニングブラシ350はまた、例えば入力デバイス242を介して手動で作動させることもできる。
【0049】
図3Cは、例示のイオナイザーの構成図である。図3Cを参照すると、イオン化空気送風機100、人間-機械インターフェース(HMI)360、制御ステーション362、及びPLC364が示されている。HMI360は、イオン化空気送風機100に接続されてイオン化空気送風機100にコマンドを入力する及び/又はイオン化空気送風機100のステータスを表示する入力/出力デバイスとすることができる。HMI360は例えば、I/Oインターフェース240の一部であってもよい。
【0050】
制御ステーション362は、例えば、イオン化空気送風機100、外部センサー116、製造ライン又は工場の部門で用いられる産業デバイス等の1つ以上のデバイスを制御するデバイスとすることができる。PLC364は、工場の部門、製造ライン等における機器を管理する同様の制御デバイスとすることができる。制御ステーション362及び/又はPLC364はそれぞれ対応するHMIを有して、手入力を可能にしてもよい。
【0051】
したがって、HMI360、制御ステーション362、及びPLC364のいずれかを用いて、イオナイザークリーニングブラシ350を作動させてイオナイザー302を洗浄することができる。さらに、イオン化空気送風機100は、イオン化空気送風機100の起動時に及び/又はイオン化空気送風機100の動作中に定期的にイオナイザークリーニングブラシ350を作動させるように構成してもよい。さらに、イオン化電流302がイオン電流閾値を下回った場合、送風機制御回路部101はイオナイザークリーニングブラシ350を作動させてもよい。イオン電流閾値は規定値を有してもよいが、閾値はユーザーによって、又は例えば、使用されるイオナイザー302のタイプによって変更されてもよい。
【0052】
本開示の様々な態様は、イオン化空気送風機100がイオナイザークリーニングブラシ350によるクリーニングフェーズ中はイオンの生成を中止することを規定することができ、本開示の他の態様は、イオン化空気送風機100がクリーニングフェーズ中にイオンの生成を継続できるようにする。クリーニングフェーズの長さは、規定時間を有してもよい。しかしながら、規定時間はユーザーによって、又は使用されるイオナイザー302のタイプによって制御回路部200によって自動で変更されてもよい。
【0053】
HMI360、制御ステーション362、及び/又はPLC364は、イオン化空気送風機100の一部又は全ての機能を直接的又は間接的に制御することができる。例えば、PLC364は、命令をHMI360へ、又は制御ステーション362へ通信してイオン化空気送風機100を制御することができる。同様に、HMI360又は制御ステーション362は、命令を他のデバイスへ通信してイオン化空気送風機100を制御することができる。
【0054】
図4は、本開示の態様による、イオン化空気送風機の例示のファンを示す。ファン400には貫流送風機(tangential style blower)を示すが、様々な他のタイプのファン/送風機のいずれかを用いてもよい。ファンモーター402がファン400を駆動することができる。ファンモーター402は、電源250から電力を受け取ってもよく、制御回路部200によって制御されてもよい。HMI360は、ファンモーター402において電力が利用可能であるかどうかを検出することができてもよい。ファンモーター402に電力が検出されないと、HMI360は警告を出力することができる。警告は、音声、視覚、及び/又は触覚警告のいずれであってもよい。本開示のいくつかの例において、ファンモーター402はAC電力を用いてもよく、ACコンセント等の電源から直接AC電力を、又は電源250からAC電力を得てもよい。
【0055】
したがって、本開示の様々な態様は、目標表面150へ向けて空気流を生成するファン400と、空気流中に陽イオン及び陰イオンを生成するイオナイザー302と、イオン化空気送風機100からの空気流の速度及び空気流のイオン化のうちの一方又は双方を制御する制御回路部200とを備えるイオン化空気送風機100を規定することが分かる。イオン化は、目標表面のイオン不均衡静的中和モード及びイオン均衡モードのうちの選択された一方によって行われる。
【0056】
イオン化空気送風機100は、目標表面150の表面電荷を検出する第1のセンサー116を備えていてもよく、イオン不均衡モードが選択された場合、制御回路部200は第1のセンサー116からの検出された表面電荷に基づいてイオナイザー302を制御する。第1のセンサー116は例えば、現在知られているか又は将来開発されるかに関わらず、静電電圧計、静電場計、又は表面電荷を検出するために用いることができる任意の他のセンサー又は任意の他のタイプのセンサーとすることができる。
【0057】
イオン化空気送風機100は更に、イオン化空気送風機100によって生成される空気流の電荷を検出する第2のセンサー106-1を備えていてもよい。第2のセンサー106-1は、空気流がイオン化空気送風機100から排気されるグリル106-2の少なくとも一部であってもよい。第2のセンサー106は、第1のセンサー116よりも広い検知範囲を有していてもよい。
【0058】
表面電荷が第1の閾値よりも高い場合、陽イオンに対する陰イオンの比率を高めることができる。表面電荷が第2の閾値よりも小さい場合、陽イオンに対する陰イオンの比率を低減することができる。表面電荷が略中性である場合、制御回路部200は、現在の陽イオンに対する陰イオンの比率(最後に設定した比率)を維持するようにイオナイザー302を制御するように構成してもよい。
【0059】
イオン化空気送風機100は、検出された表面電荷を無線接続又は有線接続により受信する制御ステーション110を備えていてもよい。制御ステーション110は、コネクタ115を備えて、第1のセンサー116から信号ケーブル118を受け入れてもよい。
【0060】
イオナイザー302は、少なくとも1つのイオンエミッター302Aを有するユーザーが交換可能なコロナイオナイザー302を含んでもよい。イオン化空気送風機100は、センサー106-1、グリル106-2、及びイオナイザー302を含むイオン化組立体300を備えていてもよく、イオン化組立体300はユーザーが交換可能である。
【0061】
制御回路部200は、イオン化組立体300がイオン化空気送風機100から取り外された場合にファン400を無効にするように構成してもよい。ファン400は貫流送風機であってもよい。
【0062】
イオン化空気送風機100は、イオナイザー302を清掃するイオナイザークリーニングブラシ350を更に備えていてもよい。イオナイザークリーニングブラシ350は、イオン化空気送風機100用の人間-機械インターフェース360により手動で作動させるか、又はプログラマブルロジックコントローラー364により、或いは、イオン化空気送風機100の起動時に自動で作動するように構成してもよい。
【0063】
イオン化空気送風機100は、イオナイザー302と、イオナイザー302にイオン電流を供給する電源250とを更に備えていてもよい。イオン化空気送風機は、作動されてイオナイザー302を清掃するイオナイザークリーニングブラシ350を更に備えていてもよい。イオナイザークリーニングブラシ350は、イオン電流がイオン電流閾値を下回ると作動されるように構成されてもよい。
【0064】
イオナイザークリーニングブラシ350は、イオナイザー302を或る時間間隔にわたって洗浄するように構成されてもよく、この時間間隔は規定時間間隔である。時間間隔は可変であってもよい。
【0065】
イオン化空気送風機100は、イオン化空気送風機100用の人間-機械インターフェース360及びプログラマブルロジックコントローラー364のうちの一方又は双方によって制御されるように構成することができる請求項1に記載のイオン化空気送風機。
【0066】
イオン化空気送風機100は、イオン化空気送風機100用の人間-機械インターフェース360によって、プログラマブルロジックコントローラー364から該人間-機械インターフェース360への命令により制御される。
【0067】
制御回路部200は、空気のイオン化のバランス調整のための入力デバイス242を備え、入力デバイス242の範囲は、ソフトウェアマッピングを用いて可変である。入力デバイス242はポテンショメータを含む。
【0068】
イオン化空気送風機100は、ファン400を駆動させるための送風機モーター402と、人間-機械インターフェース360とを備えていてもよく、制御回路部200は、送風機モーター402において電力が利用可能かどうかに関する情報を人間-機械インターフェース360へ供給する。
【0069】
本開示の他の態様は、目標表面150へ向けて空気流を生成するファン400と、調節可能な比率で空気流中に陰イオンと陽イオンを生成するイオナイザー302と、目標表面150上に存在する表面電荷を測定するセンサー116と、制御回路部200とを備えるイオン化空気送風機100を規定することができる。制御回路部200は、ファン400からの空気流の速度を制御し、陰イオンに対する陽イオンの比率をセンサー116によって検出された表面電荷に基づくようにイオナイザー302を制御するように構成してもよい。
【0070】
表面電荷が正である場合、制御回路部200は、陰イオンに対する陽イオンの比率を低減するようにイオナイザー302を制御する。表面電荷が負である場合、制御回路部200は、陰イオンに対する陽イオンの比率を高めるようにイオナイザー302を制御する。表面電荷が略中性である場合、制御回路部200は、現在の陰イオンに対する陽イオンの比率(最後に設定した比率)を維持するようにイオナイザー302を制御する。
【0071】
本開示の更に他の態様は、目標表面150へ向けて空気流を生成するファン400と、調節可能な比率で空気流中に陰イオンと陽イオンを生成するイオナイザー302と、目標表面150上に存在する表面電荷を測定するセンサー116と、表面電荷を表示するためのディスプレイ244aと、ユーザー入力を受け付けるように構成されるユーザーインターフェース242とを備える、イオン化空気送風機100を規定することができる。ユーザーインターフェース242は、ファン400からの空気流の速度を制御し、陰イオンに対する陽イオンの比率を調整するためにイオナイザーを制御するための入力を受け付けるように構成することができる。
【0072】
本明細書で使用する「回路」及び「回路部」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書で用いる場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの第1の1つ以上のラインを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの第2の1つ以上のラインを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本明細書で使用する「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は双方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書で使用する「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書で使用する「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本明細書で使用する場合、回路部は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かに関わりなく、回路部はその機能を実行するように「構成」されるか又は「動作可能」である。
【0073】
本方法及び/又はシステムは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを使用して実現することができる。本方法及び/又はシステムは、例えば、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又はいくつかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散的に、実現することができる。本明細書に記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本明細書に記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。いくつかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピューター可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本明細書に記載したようなプロセスを実施させる。
【0074】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義通りにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
[構成1]
イオン化空気送風機において、
目標表面へ向けて空気流を生成するファンと、
前記空気流中に陽イオン及び陰イオンを生成するイオナイザーと、
前記送風機からの空気流の速度と、前記空気流のイオン化の一方又は双方を制御する制御回路部とを具備し、
前記イオン化が、イオン不均衡モードまたはイオン均衡モードの選択された一方のモードによって行われるようにしたイオン化空気送風機。
[構成2]
前記目標表面の表面電荷を検出する第1のセンサーを更に備え、前記イオン不均衡モードが選択された場合、前記制御回路部は、前記第1のセンサーからの前記検出された表面電荷に基づいて前記イオナイザーを制御する構成1に記載のイオン化空気送風機。
[構成3]
前記イオン化空気送風機によって生成される前記空気流の電荷を検出する第2のセンサーを更に備える構成2に記載のイオン化空気送風機。
[構成4]
前記第2のセンサーは、前記空気流が前記イオン化空気送風機から流出するセンサー組立体の一部である構成3に記載のイオン化空気送風機。
[構成5]
前記第2のセンサーは、前記第1のセンサーよりも広い検知範囲を有する構成3に記載のイオン化空気送風機。
[構成6]
前記表面電荷が第1の閾値よりも高い場合、前記制御回路部は、陽イオンに対する陰イオンの比率を高めるように前記イオナイザーを制御し、
前記表面電荷が第2の閾値よりも小さい場合、前記制御回路部は、陽イオンに対する対陰イオンの比率を低減するように前記イオナイザーを制御し、
前記表面電荷が略中性である場合、前記制御回路部は、最後に設定した陽イオン対陰イオンの比率を維持するように前記イオナイザーを制御する構成2に記載のイオン化空気送風機。
[構成7]
前記検出された表面電荷を無線接続又は有線接続により受信する制御ステーションを備える構成2に記載のイオン化空気送風機。
[構成8]
グリル、センサー組立体、及びイオナイザーを含むイオン化組立体を更に備える構成1に記載のイオン化空気送風機。
[構成9]
前記イオナイザーを清掃するイオナイザークリーニングブラシを更に備える構成8に記載のイオン化空気送風機。
[構成10]
前記イオナイザークリーニングブラシは、前記イオン化空気送風機のための人間-機械インターフェースにより手動で、プログラマブルロジックコントローラーにより、或いは、前記イオン化空気送風機の起動時に作動する構成9に記載のイオン化空気送風機。
[構成11]
前記イオナイザークリーニングブラシは、前記イオナイザー用のイオン電流がイオン電流閾値を下回ると作動する構成9に記載のイオン化空気送風機。
[構成12]
前記イオン化空気送風機は、前記イオン化空気送風機のための人間-機械インターフェースと、プログラマブルロジックコントローラーの一方又は双方によって制御される構成1に記載のイオン化空気送風機。
[構成13]
前記イオン化空気送風機は、該イオン化空気送風機のための人間-機械インターフェースによって、プログラマブルロジックコントローラーから該人間-機械インターフェースへの命令により制御される構成1に記載のイオン化空気送風機。
[構成14]
前記制御回路部は、前記空気の前記イオン化のバランス調整のための入力デバイスを含み、該入力デバイスの範囲は、ソフトウェアマッピングを用いて可変である構成1に記載のイオン化空気送風機。
[構成15]
前記ファンを駆動させるための送風機モーターと、
人間-機械インターフェース(HMI)とを備え、
前記制御回路部は、前記送風機モーターにおいて電力が利用可能かどうかに関する情報を前記人間-機械インターフェースへ供給する構成1に記載のイオン化空気送風機。
[構成16]
前記送風機モーターへの電力がないという情報の場合に、前記HMIは警告を与える構成15に記載のイオン化空気送風機。
[構成17]
イオン化空気送風機において、
目標表面へ向けて空気流を生成するファンと、
陰イオンに対する陽イオンの調節可能な比率で前記空気流中に陽イオンと陰イオンとを生成するイオナイザーと、
前記目標表面上に存在する表面電荷を測定するセンサーと、
制御回路部であって、
該送風機からの前記空気流の速度を制御し、
前記センサーによって検出された前記表面電荷に基づいて陰イオンに対する陽イオンの比率を調整するように前記イオナイザーを制御する制御回路部とを具備するイオン化空気送風機。
[構成18]
前記表面電荷が正である場合、前記制御回路部は、陰イオンに対する陽イオンの比率を低減するように前記イオナイザーを制御し、
前記表面電荷が負である場合、前記制御回路部は、陰イオンに対する陽イオンの比率を高めるように前記イオナイザーを制御し、
前記表面電荷が略中性である場合、前記制御回路部は、最後に設定した陰イオンに対する陽イオンの比率を維持するように前記イオナイザーを制御する構成17に記載のイオン化空気送風機。
[構成19]
イオン化空気送風機において、
目標表面へ向けて空気流を生成するファンと、
陰イオンに対する陽イオンの調節可能な比率で前記空気流中に陰イオンと陽イオンを生成するイオナイザーと、
前記目標表面上に存在する表面電荷を測定するセンサーと、
前記表面電荷を表示するためのディスプレイと、
ユーザー入力を受け付けるように構成されるユーザーインターフェースとを具備するイオン化空気送風機。
[構成20]
前記ユーザーインターフェースは、
前記ファンからの前記空気流の速度を制御する入力、および
陰イオンに対する陽イオンの比率を調整するために前記イオナイザーを制御する入力を受け付ける構成19に記載のイオン化空気送風機。
【符号の説明】
【0075】
100 イオン化空気送風機
101 送風機制御回路部
101A コネクタパネル
102 電源プラグ
104 排気領域
106 第2のセンサー
110 制御ステーション
112 ケーブル
114 電源プラグ
115 コネクタ
116 第1のセンサー
118 信号ケーブル
120 外部センサー
122 ケーブル
150 目標表面
153 空気流
200 制御回路部
210 プロセッサ
220 メモリ
222 オペレーティングシステム
224 アプリケーション
226 不揮発性メモリ
228 揮発性メモリ
230 通信回路部
240 IOインターフェース
242 入力デバイス
244 出力デバイス
244a ディスプレイ
250 電源
252 出力電圧センサー
254 出力電流センサー
300 イオン化組立体
302 イオナイザー
302A イオンエミッター
350 イオナイザークリーニングブラシ
360 機械インターフェース
362 制御ステーション
364 プログラマブルロジックコントローラー
400 ファン
402 ファンモーター
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3A
図3B
図3C
図4