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特許7455120ミシン管理システム、ミシン管理方法、及び情報端末
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】ミシン管理システム、ミシン管理方法、及び情報端末
(51)【国際特許分類】
   D05B 19/12 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
D05B19/12
【請求項の数】 60
(21)【出願番号】P 2021519468
(86)(22)【出願日】2020-05-13
(86)【国際出願番号】 JP2020019167
(87)【国際公開番号】W WO2020230830
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】P 2019090620
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】恒川 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】丸野 靖則
(72)【発明者】
【氏名】玉木 響一
(72)【発明者】
【氏名】田中 敦
(72)【発明者】
【氏名】一杉 直樹
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-248286(JP,A)
【文献】特開2002-177673(JP,A)
【文献】特開2002-000976(JP,A)
【文献】特開平08-107989(JP,A)
【文献】特開2004-242814(JP,A)
【文献】特開平02-049688(JP,A)
【文献】特開2005-160937(JP,A)
【文献】特開2018-005773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D05B 1/00-97/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1情報端末から送信されたミシンデータを受信するミシンデータ受信部と、
前記ミシンデータに基づいて、分析データを生成する分析部と、
第2情報端末に前記分析データを送信する分析データ送信部と、を備え、
前記ミシンデータは、ミシンの点検結果データを含み、
前記分析データは、ミシンのメンテナンスを要求するメンテナンスデータを含み、
前記点検結果データは、点検に要した時間又は点検対象のミシンの機種を含み、
前記分析データは、点検の実施者のスキルデータを含む、
ミシン管理システム。
【請求項2】
前記ミシンデータは、ミシンの固有データを含み、
前記分析データは、ミシンの使用期間データを含む、
請求項1に記載のミシン管理システム。
【請求項3】
前記ミシンデータは、ミシンの振動データを含み、
前記分析データは、ミシンの使用期間データを含む、
請求項1に記載のミシン管理システム。
【請求項4】
前記ミシンデータは、ミシンの固有データを含み、
前記分析データは、ミシンのメンテナンスを要求するメンテナンスデータを含む、
請求項1に記載のミシン管理システム。
【請求項5】
前記ミシンデータは、ミシンの振動データを含み、
前記分析データは、ミシンのメンテナンスを要求するメンテナンスデータを含む、
請求項1に記載のミシン管理システム。
【請求項6】
前記メンテナンスデータは、メンテナンス箇所を含む、
請求項から請求項のいずれか一項に記載のミシン管理システム。
【請求項7】
ミシンの画像が前記第2情報端末の表示装置に表示され、
前記メンテナンス箇所の画像がミシンの画像に併せて前記表示装置に表示される、
請求項に記載のミシン管理システム。
【請求項8】
前記メンテナンスデータは、メンテナンス方法を含む、
請求項から請求項のいずれか一項に記載のミシン管理システム。
【請求項9】
前記ミシンデータは、ミシンに発生した事象を示す事象データを含み、
前記分析データは、前記事象を解消するための処置を示すガイダンスデータを含む、
請求項1に記載のミシン管理システム。
【請求項10】
前記ミシンデータは、ミシンに係る縫製データを含み、
前記分析データは、ミシンの推奨稼働条件を示すアドバイスデータを含む、
請求項1に記載のミシン管理システム。
【請求項11】
前記縫製データは、縫製対象物、縫製糸、及び縫製針の少なくとも一つのデータを含む、
請求項10に記載のミシン管理システム。
【請求項12】
前記ミシンデータは、ミシンの環境データを含み、
前記分析データは、ミシンの推奨稼働条件を示すアドバイスデータを含む、
請求項1に記載のミシン管理システム。
【請求項13】
前記推奨稼働条件は、推奨縫製条件、及び前記ミシンの照明条件の少なくとも一方を含む、
請求項10から請求項12のいずれか一項に記載のミシン管理システム。
【請求項14】
前記ミシンデータは、ミシンのメンテナンス履歴データを含む、
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のミシン管理システム。
【請求項15】
前記第1情報端末は、ミシンが稼働する稼働施設から前記ミシンデータを送信し、
前記第2情報端末は、前記稼働施設において前記分析データを受信する、
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のミシン管理システム。
【請求項16】
前記第1情報端末と前記第2情報端末とは同一の情報端末である、
請求項15に記載のミシン管理システム。
【請求項17】
前記第1情報端末は、ミシンが稼働する稼働施設から前記ミシンデータを送信し、
前記第2情報端末は、前記稼働施設とは異なる施設において前記分析データを受信する、
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のミシン管理システム。
【請求項18】
前記第1情報端末は、ミシンが稼働する稼働施設とは異なる施設から前記ミシンデータを送信し、
前記第2情報端末は、前記稼働施設とは異なる施設において前記分析データを受信する、
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のミシン管理システム。
【請求項19】
前記第1情報端末は、ミシンが稼働する稼働施設とは異なる施設から前記ミシンデータを送信し、
前記第2情報端末は、前記稼働施設において前記分析データを受信する、
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のミシン管理システム。
【請求項20】
第1情報端末の閲覧可能範囲及び入力可能範囲と、第2情報端末の閲覧可能範囲及び入力可能範囲とは、異なる、
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のミシン管理システム。
【請求項21】
ミシンに係る第1表示データの閲覧が有料化され、ミシンに係る第2表示データの閲覧が無料化される、
請求項1から請求項20のいずれか一項に記載のミシン管理システム。
【請求項22】
第1情報端末に入力されたミシンデータを前記第1情報端末からサーバに送信することと、
前記サーバが、前記ミシンデータに基づいて分析データを生成することと、
前記分析データを前記サーバから第2情報端末に送信することと、
前記第2情報端末が、前記分析データを表示することと、を含み、
前記ミシンデータは、ミシンの点検結果データを含み、
前記分析データは、ミシンのメンテナンスを要求するメンテナンスデータを含み、
前記点検結果データは、点検に要した時間又は点検対象のミシンの機種を含み、
前記分析データは、点検の実施者のスキルデータを含む、
ミシン管理方法。
【請求項23】
ミシンデータを取得するデータ取得部と、
前記ミシンデータを送信し、前記ミシンデータに基づいて生成された分析データを受信する処理部と、を備え、
前記ミシンデータは、ミシンの点検結果データを含み、
前記分析データは、ミシンのメンテナンスを要求するメンテナンスデータを含み、
前記点検結果データは、点検に要した時間又は点検対象のミシンの機種を含み、
前記分析データは、点検の実施者のスキルデータを含む、
情報端末。
【請求項24】
前記ミシンデータは、ミシンの固有データを含み、
前記分析データは、ミシンの使用期間データを含む、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項25】
前記ミシンデータは、ミシンの振動データを含み、
前記分析データは、ミシンの使用期間データを含む、
請求項24に記載の情報端末。
【請求項26】
前記ミシンデータは、ミシンの固有データを含み、
前記分析データは、ミシンのメンテナンスを要求するメンテナンスデータを含む、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項27】
前記ミシンデータは、ミシンの振動データを含み、
前記分析データは、ミシンのメンテナンスを要求するメンテナンスデータを含む、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項28】
前記メンテナンスデータは、メンテナンス箇所を含む、
請求項23から請求項27のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項29】
前記メンテナンスデータは、メンテナンス方法を含む、
請求項23から請求項27のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項30】
前記ミシンデータは、ミシンに発生した事象を示す事象データを含み、
前記分析データは、前記事象を解消するための処置を示すガイダンスデータを含む、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項31】
前記ミシンデータは、ミシンに係る縫製データを含み、
前記分析データは、ミシンの推奨稼働条件を示すアドバイスデータを含む、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項32】
前記縫製データは、縫製対象物、縫製糸、及び縫製針の少なくとも一つのデータを含む、
請求項31に記載の情報端末。
【請求項33】
前記ミシンデータは、ミシンの環境データを含み、
前記分析データは、ミシンの推奨稼働条件を示すアドバイスデータを含む、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項34】
前記推奨稼働条件は、推奨縫製条件、及び前記ミシンの照明条件の少なくとも一方を含む、
請求項33に記載の情報端末。
【請求項35】
前記ミシンデータは、ミシンのメンテナンス履歴データを含む、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項36】
表示装置と、
前記表示装置に表示データを表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記ミシンデータ及び前記分析データを表示させる、
請求項23から請求項35のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項37】
前記表示制御部は、作動モードの選択を要求する表示データを表示させ、
前記作動モードは、ミシンの点検のために必要なミシンデータの入力を要求する点検サービスモードを含む、
請求項36に記載の情報端末。
【請求項38】
前記表示制御部は、ミシンにおいてメンテナンスすべき箇所又はメンテナンスすべき部品を示すメンテナンス箇所の画像をミシンの画像に併せて表示させる、
請求項36又は請求項7に記載の情報端末。
【請求項39】
前記表示制御部は、作動モードの選択を要求する表示データを表示させ、
前記作動モードは、ミシンの部品を検索するパーツ検索モードを含む、
請求項36に記載の情報端末。
【請求項40】
前記表示制御部は、交換を要するミシンの部品を発注するための表示データを表示させる、
請求項36から請求項39のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項41】
前記表示制御部は、ミシンの点検チェックリストを表示させる、
請求項36に記載の情報端末。
【請求項42】
前記表示制御部は、前記点検チェックリストとして、文字データ又は画像データを表示させる、
請求項41に記載の情報端末。
【請求項43】
前記表示制御部は、ミシンの点検箇所の異常の有無の判定基準となる基準画像データを表示させる、
請求項41に記載の情報端末。
【請求項44】
カメラと、
前記カメラにより取得された前記点検箇所の画像データを示すエビデンスデータを記憶する記憶部と、を備える、
請求項43に記載の情報端末。
【請求項45】
複数の前記エビデンスデータが機械学習されることにより、前記点検箇所の画像データを入力とし前記点検箇所の異常の有無を出力とする学習モデルが生成され、
前記表示制御部は、前記カメラにより取得された画像データが前記学習モデルに入力されることにより前記学習モデルから出力された前記点検箇所の異常の有無の判定結果を表示させる、
請求項44に記載の情報端末。
【請求項46】
前記表示制御部は、作動モードの選択を要求する表示データを表示させ、
前記作動モードは、ミシンに発生した事象に対する処置を検索するトラブル検索モードを含む、
請求項36に記載の情報端末。
【請求項47】
前記表示制御部は、ミシンの固有データ及びミシンに発生した事象を示す事象データの入力を要求する表示データを表示させる、
請求項46に記載の情報端末。
【請求項48】
前記事象データの入力を要求する表示データは、ミシンにおいて発生が想定される事象の一覧を示す事象リストを含む、
請求項47に記載の情報端末。
【請求項49】
前記表示制御部は、前記事象を解消するための処置を示すガイダンスデータを表示させる、
請求項46から請求項48のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項50】
前記処理部は、前記事象の内容及び状況を送信し、Web会議システムを通じて前記ガイダンスデータとして音声データ及び映像データを受信する、
請求項49に記載の情報端末。
【請求項51】
前記表示制御部は、ミシンの部品の見積データを表示させる、
請求項36に記載の情報端末。
【請求項52】
入力装置を備え、
前記ミシンデータは、前記入力装置において生成された入力データを含む、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項53】
振動センサを備え、
前記ミシンデータは、前記振動センサにより検出されたミシンの振動データを含む、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項54】
環境センサを備え、
前記ミシンデータは、前記環境センサにより検出されたミシンの環境データを含む、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項55】
カメラを備え、
前記ミシンデータは、前記カメラにより取得されたミシンに係る画像データを含む、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項56】
前記処理部は、ミシンの部品の発注データを送信する、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項57】
ミシンが稼働する稼働施設において、前記処理部は、ミシンの部品の内部見積を送信する、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項58】
前記稼働施設において前記内部見積を受信した処理部は、前記部品の外部見積を送信する、
請求項57に記載の情報端末。
【請求項59】
ミシンデータは、ミシンの使用期間データ又は点検実績データを含み、
前記分析データは、将来の必要部品リストを含む、
請求項23に記載の情報端末。
【請求項60】
ミシンの固有データに基づいて前記ミシンを操作するための操作パネルデータが生成され、
前記処理部は、前記操作パネルデータを受信する、
請求項23から請求項59のいずれか一項に記載の情報端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ミシン管理システム、ミシン管理方法、及び情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
ミシンに係る技術分野において、特許文献1に開示されているようなミシン管理システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-214511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ミシンは、様々な使用者に使用される。また、ミシンのメンテナンスを実施する担当者、縫製対象物会社の担当者、縫製糸会社の担当者、縫製針会社の担当者、及びミシンメーカーの担当者のような、様々な担当者がミシンに関与する。使用者又は担当者に、ミシンに係るデータを適切に提供できる技術が要望される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に従えば、第1情報端末から送信されたミシンデータを受信するミシンデータ受信部と、前記ミシンデータに基づいて、分析データを生成する分析部と、第2情報端末に前記分析データを送信する分析データ送信部と、を備える、ミシン管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、ミシンに係るデータを適切に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係るミシン管理システムを模式的に示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係るサーバ及び情報端末を示す機能ブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係るミシン管理システムの動作を示すフローチャートである。
図4図4は、第1実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係る情報端末の動作を模式的に示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係る情報端末の動作を模式的に示す図である。
図7図7は、第1実施形態に係る情報端末の動作を模式的に示す図である。
図8図8は、第1実施形態に係る情報端末の動作を模式的に示す図である。
図9図9は、第1実施形態に係る情報端末の動作を模式的に示す図である。
図10図10は、第1実施形態に係る情報端末の動作を模式的に示す図である。
図11図11は、第1実施形態に係る情報端末の動作を模式的に示す図である。
図12図12は、第1実施形態に係る情報端末の動作を模式的に示す図である。
図13図13は、第1実施形態に係るコンピュータシステムを示すブロック図である。
図14図14は、第1実施形態の変形例に係る部品の発注方法を模式的に示す図である。
図15図15は、第2実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。
図16図16は、第3実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。
図17図17は、第4実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。
図18図18は、第5実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。
図19図19は、第6実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。
図20図20は、第7実施形態に係る情報端末の動作を模式的に示す図である。
図21図21は、第8実施形態に係る情報端末の動作を模式的に示す図である。
図22図22は、第8実施形態の変形例に係るミシン管理システムを模式的に示す図である。
図23図23は、第8実施形態の変形例に係るミシン管理システムを模式的に示す図である。
図24図24は、第9実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。
図25図25は、第10実施形態に係る情報端末の動作を模式的に示す図である。
図26図26は、第10実施形態に係る情報端末の動作を模式的に示す図である。
図27図27は、第10実施形態の変形例に係るミシン管理システムを模式的に示す図である。
図28図28は、第11実施形態に係るデータ通信を模式的に示す図である。
図29図29は、第12実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。
図30図30は、第13実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。
図31図31は、第14実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。
図32図32は、第15実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。
図33図33は、第16実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。
図34図34は、第17実施形態に係るミシン管理システムを模式的に示す図である。
図35図35は、第18実施形態に係るミシン管理システムを模式的に示す図である。
図36図36は、第19実施形態に係るミシン管理システムを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0009】
[第1実施形態]
<管理システム>
図1は、本実施形態に係るミシン管理システム1を模式的に示す図である。図1に示すように、ミシン管理システム1は、サーバ2と、複数の情報端末3と、情報端末4とを備える。サーバ2は、コンピュータシステムを含む。情報端末3は、スマートフォン又はタブレット型パーソナルコンピュータのような携帯型電子機器である。なお、情報端末3は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような設置型電子機器でもよい。情報端末4は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような設置型電子機器である。なお、情報端末4は、スマートフォン又はタブレット型パーソナルコンピュータのような携帯型電子機器でもよい。
【0010】
縫製工場Faにおいて、複数のミシン5が稼働する。縫製工場Faは、ミシン5が稼働する稼働施設である。縫製工場Faの事業は、縫製品の製造である。ミシン5により縫製糸で縫製対象物が縫合されることにより、縫製品が製造される。縫製工場Faにおいて、管理者Ma及び作業者Mbが勤務する。管理者Maは、1人でもよいし複数人でもよい。作業者Mbは、複数人でもよいし1人でもよい。管理者Maは、作業者Mb及びミシン5を管理する。作業者Mbは、ミシン5を操作して縫製処理を実施する。管理者Ma及び作業者Mbは、ミシン5の使用者である。情報端末3は、管理者Ma及び作業者Mbのそれぞれに所持される。情報端末3は、縫製工場Faから管理者Ma及び作業者Mbのそれぞれに貸し出される。
【0011】
サービス会社Fbおいて、担当者Mcが勤務する。担当者Mcは、1人でもよいし複数人でもよい。サービス会社Fbの事業は、ミシン5の点検又はメンテナンス、ミシン5の調達又は販売、及びミシン5の部品6の調達又は販売である。担当者Mcは、ミシン5の点検又はメンテナンスを実施するメンテナンス担当者である。なお、担当者Mcは、ミシン5の調達又は販売を実施するミシン販売担当者でもよい。担当者Mcは、部品6の調達又は販売を実施する部品販売担当者でもよい。情報端末3は、担当者Mcに所持される。情報端末3は、サービス会社Fbから担当者Mcに貸し出される。
【0012】
サーバ2は、インターネット(internet)のようなコンピュータネットワークを通じて、縫製工場Fa及びサービス会社Fbにサービスを提供する。
【0013】
縫製工場Faは、複数存在する。ミシン5は、複数の縫製工場Faのそれぞれにおいて稼働する。複数の縫製工場Faのそれぞれにおいて、管理者Ma及び作業者Mbが勤務する。サービス会社Fbは、複数存在する。複数のサービス会社Fbのそれぞれにおいて、担当者Mcが勤務する。サーバ2は、複数の縫製工場Faのそれぞれにサービスを提供することができる。サーバ2は、複数のサービス会社Fbのそれぞれにサービスを提供することができる。簡略化のため、図1には、1つの縫製工場Fa及び1つのサービス会社Fbが図示されている。
【0014】
本実施形態において、サーバ2は、クラウドコンピューティングの形態でサービスを提供するクラウドサーバである。サーバ2は、情報端末3にアプリケーションソフトウエア35を提供する。アプリケーションソフトウエア35は、情報端末3にインストールされる。なお、アプリケーションソフトウエア35は、情報端末3にインストールされなくてもよい。情報端末3は、Webアプリケーション等の形態で、アプリケーションソフトウエア35を利用してもよい。サーバ2は、例えばSaaS(Software as a Service)の形態で情報端末3にアプリケーションソフトウエア35を提供してもよい。
【0015】
ミシンメーカーFcは、ミシン5を製造する。ミシンメーカーFcにおいて製造されたミシン5は、サービス会社Fbを介して、縫製工場Faに提供される。ミシンメーカーFcは、サーバ2を管理する。ミシンメーカーFcは、サーバ2を所有する。情報端末4は、ミシンメーカーFcに設置される。情報端末4は、サーバ2の機能を補助する。
【0016】
縫製工場Faにおいて稼働するミシン5は、サーバ2を管理するミシンメーカーFcにより製造されるミシン5Aと、ミシンメーカーFcとは異なるミシンメーカーにより製造されるミシン5Bとを含む。ミシン管理システム1は、ミシン5A及びミシン5Bの一方又は両方を管理する。
【0017】
サーバ2と複数の情報端末3のそれぞれとは、コンピュータネットワークを介して通信する。サーバ2と情報端末4とは、コンピュータネットワークを介して通信する。
【0018】
本実施形態において、サーバ2と情報端末3との間において、ミシンデータDa及び分析データDbが伝達される。ミシンデータDa及び分析データDbのそれぞれは、ミシン5に係るデータである。本実施形態において、ミシンデータDaとは、情報端末3により取得されるミシン5に係るデータをいう。ミシンデータDaは、ミシンメーカーFcにより製造されるミシン5Aに係るデータ、及びミシンメーカーFcとは異なるミシンメーカーにより製造されるミシン5Bに係るデータの一方又は両方を含む。分析データDbとは、ミシンデータDaをデータ処理することにより生成されるデータをいう。
【0019】
<サーバ及び情報端末>
図2は、本実施形態に係るサーバ2及び情報端末3を示す機能ブロック図である。サーバ2と通信可能な情報端末3は、複数存在する。簡略化のため、図2には、1つの情報端末3が図示されている。
【0020】
図2に示すように、サーバ2は、制御装置2Aと、データベース2Bと、通信装置2Cとを有する。
【0021】
制御装置2Aは、ミシンデータ受信部21と、分析部22と、分析データ送信部23とを有する。
【0022】
ミシンデータ受信部21は、通信装置2Cを介して、情報端末3から送信されたミシンデータDaを受信する。
【0023】
分析部22は、ミシンデータ受信部21により受信されたミシンデータDaに基づいて、分析データDbを生成する。分析部22は、ミシンデータDaをデータ処理することにより、分析データDbを生成する。
【0024】
分析データ送信部23は、分析部22により生成された分析データDbを情報端末3に送信する。分析データ送信部23は、通信装置2Cを介して、情報端末3に分析データDbを送信する。
【0025】
データベース2Bは、ミシンデータ受信部21により受信されたミシンデータDaを記憶する。上述のように、縫製工場Faは、複数存在する。ミシン5は、複数存在する。情報端末3は、複数存在する。サーバ2には、複数のミシン5のそれぞれに係るミシンデータDaが、複数の情報端末3のそれぞれから送信される。データベース2Bには、多数のミシンデータDaが蓄積される。
【0026】
また、データベース2Bは、分析部22により生成された分析データDbを記憶する。分析部22において、複数のミシンデータDaのそれぞれに対応するように、複数の分析データDbが生成される。データベース2Bには、多数の分析データDbが蓄積される。
【0027】
通信装置2Cは、コンピュータネットワークを介して、情報端末3と通信する。通信装置2Cは、情報端末3から送信されたミシンデータDaを受信する。通信装置2Cは、情報端末3に分析データDbを送信する。
【0028】
情報端末3は、制御装置3Aと、表示装置3Bと、入力装置3Cと、振動センサ3Dと、環境センサ3Eと、カメラ3Fと、通信装置3Gとを有する。
【0029】
表示装置3Bは、表示データを表示させる表示画面を有する。表示装置3Bは、制御装置3Aから出力された表示データを表示する。表示装置3Bとして、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescence Display)のようなフラットパネルディスプレイが例示される。
【0030】
入力装置3Cは、管理者Ma、作業者Mb、及び担当者Mcに操作される。管理者Ma、作業者Mb、及び担当者Mcに操作されることにより、入力装置3Cは、入力データを生成する。管理者Ma、作業者Mb、及び担当者Mcは、ミシン5に係る入力データが生成されるように、入力装置3Cを操作する。入力装置3Cにおいて生成されたミシン5に係る入力データは、制御装置3Aに出力される。入力装置3Cとして、タッチパネル、コンピュータ用キーボード、及びマウスが例示される。
【0031】
振動センサ3Dは、ミシン5の振動を検出する。ミシン5が稼働することにより、ミシン5又はミシン5を支持する設置台が振動する。ミシン5又は設置台に情報端末3が設置された状態で、ミシン5が稼働することにより、振動センサ3Dは、ミシン5の振動を検出することができる。振動センサ3Dにより検出されたミシン5の振動データは、制御装置3Aに出力される。
【0032】
環境センサ3Eは、ミシン5の環境を検出する。ミシン5の環境は、ミシン5が設置される空間の温度又は湿度を含む。環境センサ3Eは、温度センサ又は湿度センサを含む。なお、ミシン5の環境は、ミシン5が設置される空間の圧力を含んでもよい。環境センサ3Eは、圧力センサを含んでもよい。ミシン5が設置される空間に情報端末3が設置されることにより、環境センサ3Eは、ミシン5の環境を検出することができる。環境センサ3Eにより検出されたミシン5の環境データは、制御装置3Aに出力される。
【0033】
カメラ3Fは、ミシン5に係る画像データを取得する。ミシン5に係る画像データとして、ミシン5の画像データ、縫製対象物の画像データ、縫製糸の画像データ、及び縫製針の画像データが例示される。管理者Maは、カメラ3Fを操作して、ミシン5、縫製対象物、縫製糸、及び縫製針を撮影することができる。カメラ3Fにより取得されたミシン5に係る画像データは、制御装置3Aに出力される。
【0034】
制御装置3Aは、記憶部31と、データ取得部32と、処理部33と、表示制御部34とを有する。
【0035】
記憶部31は、サーバ2から提供されたアプリケーションソフトウエア35を記憶する。制御装置3Aは、アプリケーションソフトウエア35に基づいて作動する。
【0036】
データ取得部32は、ミシンデータDaを取得する。上述のように、ミシンデータDaとは、情報端末3により取得されるミシン5に係るデータをいう。本実施形態において、ミシンデータDaは、入力装置3Cにおいて生成されたミシン5に係る入力データ、振動センサ3Dにより検出されたミシン5の振動データ、環境センサ3Eにより検出されたミシン5の環境データ、及びカメラ3Fにより取得されたミシン5に係る画像データを含む。データ取得部32は、入力装置3Cから入力データを取得する。データ取得部32は、振動センサ3Dから振動データを取得する。データ取得部32は、環境センサ3Eから環境データを取得する。データ取得部32は、カメラ3Fから画像データを取得する。
【0037】
処理部33は、データ取得部32により取得されたミシンデータDaをサーバ2に送信する。処理部33は、通信装置3Gを介して、サーバ2にミシンデータDaを送信する。また、処理部33は、通信装置3Gを介して、サーバ2から送信された分析データDbを受信する。
【0038】
表示制御部34は、表示装置3Bに表示データを表示させる。本実施形態において、表示データは、ミシンデータDa及び分析データDbの一方又は両方を含む。表示制御部34は、ミシンデータDa及び分析データDbの少なくとも一方を表示データに変換して、表示装置3Bに表示させる。
【0039】
通信装置3Gは、コンピュータネットワークを介して、サーバ2と通信する。通信装置3Gは、サーバ2にミシンデータDaを送信する。通信装置3Gは、サーバ2から送信された分析データDbを受信する。
【0040】
<管理方法>
図3は、本実施形態に係るミシン管理システム1の動作を示すフローチャートである。図4は、本実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。図5図6図7図8図9、及び図10のそれぞれは、本実施形態に係る情報端末3の動作を模式的に示す図である。
【0041】
図4に示すように、本実施形態において、サーバ2にミシンデータDaを送信する情報端末3(第1情報端末)と、サーバ2から分析データDbが送信される情報端末3(第2情報端末)とは、作業者Mbに所持される同一の情報端末3であることとする。作業者Mbに所持される情報端末3は、縫製工場Faからサーバ2にミシンデータDaを送信する。作業者Mbに所持される情報端末3は、縫製工場Faにおいてサーバ2から分析データDbを受信する。ミシンデータ受信部21は、作業者Mbに所持される情報端末3から送信されたミシンデータDaを受信する。分析データ送信部23は、作業者Mbに所持される情報端末3に分析データDbを送信する。
【0042】
作業者Mbに係る個人データは、データベース2Bに事前登録される。個人データは、作業者Mbの氏名、役職、連絡先、メールアドレス、及び作業者Mbが勤務する縫製工場Faの固有データを含む。作業者Mbが勤務する縫製工場Faの固有データは、縫製工場Faの名称及び住所を含む。ログインID及びパスワードが、作業者Mbに所持される情報端末3に割り当てられる。
【0043】
作業者Mbは、情報端末3の入力装置3Cを操作して、コンピュータネットワークを介してサーバ2に情報端末3をログインさせる。
【0044】
図5は、初期モードの情報端末3の一例を示す図である。初期モードとは、情報端末3がサーバ2にログインする前のモードをいう。サーバ2にログインする前において、情報端末3は、初期モードに設定される。
【0045】
図5に示すように、表示制御部34は、表示装置3Bに、ログインID及びパスワードの入力を要求する表示データを表示させる。図5に示す例において、表示制御部34は、表示装置3Bに、「ログインID」及び「パスワード」という文字を表示させる。作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、ログインID及びパスワードを入力する。ログインID及びパスワードが入力された後、作業者Mbは、「実行」のシンボルを操作する。これにより、情報端末3は、コンピュータネットワークを介してサーバ2にログインすることができる。
【0046】
なお、情報端末3がサーバ2にログインする方法は、入力装置3Cの操作に限定されない。例えば、作業者Mbの指紋認証又は顔認証により、情報端末3がサーバ2にログインしてもよい。
【0047】
なお、個人データがデータベース2Bに登録されていない場合、作業者Mbは、「新規ユーザ登録」のシンボルを操作する。「新規ユーザ登録」のシンボルが操作されることにより、表示制御部34は、表示装置3Bに、個人データの入力を要求する表示データを表示させる。作業者Mbは、表示データに従って、個人データを入力することができる。
【0048】
図6は、メニュー選択モードの情報端末3の一例を示す図である。メニュー選択モードとは、情報端末3がサーバ2にログインした後、情報端末3の作動モードの選択を要求するモードをいう。サーバ2にログインすることにより、情報端末3は、初期モードからメニュー選択モードに遷移する。
【0049】
図6に示すように、表示制御部34は、表示装置3Bに、情報端末3の作動モードの選択を要求する表示データを表示させる。図6に示す例において、表示制御部34は、表示装置3Bに、情報端末3の作動モードを選択させるためのメニューを表示させる。メニューは、情報端末3が実行可能な作動モードの一覧を示す。表示制御部34は、表示装置3Bに、メニューとして「パーツ検索」、「点検サービス」、「トラブル検索」、「ミシン登録」、及び「ユーザ設定」という文字を含む複数のシンボルを表示させる。作業者Mbは、メニューから、情報端末3の作動モードを選択する。作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、選択した情報端末3の作動モードを入力する。作業者Mbは、メニューのシンボルを操作することにより、情報端末3の作動モードを入力することができる。情報端末3は、選択された作動モードで作動する。
【0050】
本実施形態においては、「点検サービス」が選択されることとする。作業者Mbにより「点検サービス」が選択されることにより、情報端末3は、メニュー選択モードから点検サービスモードに遷移する。
【0051】
図7は、点検サービスモードの情報端末3の一例を示す図である。点検サービスモードとは、ミシン5の点検のために必要なデータの入力を要求するモードをいう。メニュー選択モードにおいて「点検サービス」が選択されることにより、情報端末3は、メニュー選択モードから点検サービスモードに遷移する。
【0052】
図7に示すように、表示制御部34は、表示装置3Bに、ミシンデータDaの入力を要求する表示データを表示させる。本実施形態において、ミシンデータDaは、ミシン5の固有データを含む。ミシン5の固有データは、ミシン5の機種を含む。表示制御部34は、表示装置3Bに、ミシン5の機種の入力を要求する文字を表示させる。図7に示す例において、表示制御部34は、表示装置3Bに、「機種を選択して下さい」という文字を表示させる。
【0053】
本実施形態において、縫製工場Faに存在する複数のミシン5の固有データがデータベース2Bに事前登録されている。表示制御部34は、表示装置3Bの第1表示領域3Baに、データベース2Bに登録されている複数のミシン5の機種をプルダウンリストとして表示させる。プルダウンリストは、ミシン5の機種の一覧を示す。作業者Mbは、プルダウンリストから、点検対象のミシン5の機種を選択する。作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、選択したミシン5の機種を入力する。
【0054】
また、表示制御部34は、表示装置3Bに、点検モードの入力を要求する表示データを表示させる。図7に示す例において、表示制御部34は、表示装置3Bに、「点検メニューを選択して下さい」という文字と、点検モードを選択させるためのプルダウンリストとを表示させる。プルダウンリストは、点検モードの一覧を示す。本実施形態において、点検モードは、自動診断モード及び対話型点検モードを含む。表示制御部34は、表示装置3Bの第2表示領域3Bbに、複数の点検モードをプルダウンリストとして表示させる。プルダウンリストは、「自動診断」及び「対話型点検」という文字を含む。作業者Mbは、プルダウンリストから、点検モードを選択する。作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、選択した点検モードを入力する。これにより、情報端末3は、選択された点検モードで作動する。
【0055】
なお、ミシン5の固有データがデータベース2Bに登録されていない場合、作業者Mbは、メニュー選択モードにおいて、「ミシン登録」のシンボルを操作する。「ミシン登録」のシンボルが操作されることにより、表示制御部34は、表示装置3Bに、ミシン5の固有データの入力を要求する表示データを表示させる。作業者Mbは、表示データに従って、ミシン5の固有データを入力することができる。
【0056】
本実施形態においては、「自動診断」が選択されることとする。作業者Mbにより「自動診断」が選択されることにより、情報端末3は、点検サービスモードから自動診断モードに遷移する。
【0057】
図8は、自動診断モードの情報端末3の一例を示す図である。自動診断モードとは、ミシン5の状態を自動で診断するモードをいう。点検サービスモードにおいて、「自動診断」が選択されることにより、情報端末3は、点検サービスモードから自動診断モードに遷移する。
【0058】
図8に示すように、表示制御部34は、表示装置3Bに、ミシンデータDaの入力を要求する表示データを表示させる。ミシンデータDaは、ミシン5の固有データを含む。ミシン5の固有データは、ミシン5の機種、ミシン5の製造番号、ミシン5が有する電装ボックスの形式、電装ボックスの製造番号、及びミシン5が縫製工場Faに導入された年月日を含む。表示制御部34は、表示装置3Bの第3表示領域3Bcに、ミシン5の固有データの入力を要求する文字を表示させる。
【0059】
作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、ミシンデータDaを入力する(ステップSA1)。
【0060】
入力装置3Cは、入力されたミシンデータDaを示す入力データを生成する。データ取得部32は、入力装置3Cにおいて生成された入力データを取得する。入力データは、ミシン5の固有データを含む。
【0061】
図8に示すように、表示制御部34は、表示装置3Bの第3表示領域3Bcに、データ取得部32により取得されたミシン5の固有データを表示させる。
【0062】
処理部33は、データ取得部32により取得されたミシンデータDaをサーバ2に送信する(ステップSA2)。
【0063】
分析部22は、ミシンデータDaに基づいて、分析データDbを生成する。分析部22は、ミシンデータDaをデータ処理することにより、分析データDbを生成する(ステップSB1)。
【0064】
本実施形態において、分析データDbは、ミシン5の使用期間を示す使用期間データを含む。ミシン5の使用期間は、ミシンメーカーFcにより製造されるミシン5Aの使用期間、及びミシンメーカーFcとは異なるミシンメーカーにより製造されるミシン5Bの使用期間の一方又は両方を含む。分析部22は、ミシン5が縫製工場Faに導入された年月日と現在の年月日とに基づいて、ミシン5の使用期間を算出することができる。
【0065】
ミシン5の使用期間は、ミシン5自体の使用期間を示す。なお、ミシン5の使用期間は、ミシン5の部品6の使用期間を含んでもよい。
【0066】
また、分析データDbは、ミシン5のメンテナンスを要求するメンテナンスデータを含む。本実施形態において、ミシン5の使用期間が使用期間閾値を超えている場合、分析部22は、メンテナンスデータを生成する。使用期間閾値は、予め定められている閾値であり、分析部22に登録されている。使用期間閾値は、例えば12カ月である。
【0067】
分析データ送信部23は、分析部22により生成された分析データDbを情報端末3に送信する。分析データ送信部23は、分析データDbとして、ミシン5の使用期間データ及びミシン5のメンテナンスを要求するメンテナンスデータを送信する(ステップSB2)。
【0068】
情報端末3は、縫製工場Faにおいて分析データDbを受信する。処理部33は、サーバ2から分析データDbを受信する。表示制御部34は、処理部33により取得された分析データDbを表示データに変換して、表示装置3Bに表示させる(ステップSA3)。
【0069】
図8に示すように、表示制御部34は、表示装置3Bの第4表示領域3Bdに、ミシン5の使用期間データ及びミシン5のメンテナンスを要求するメンテナンスデータを表示させる。図8に示す例において、表示制御部34は、表示装置3Bに、「使用期間」が「12カ月」であること、及び「メンテナンス」が「必要」であることを示す文字を表示させる。
【0070】
表示装置3Bに表示される使用期間は、ミシン5自体の使用期間を示す。なお、表示装置3Bに表示される使用期間は、ミシン5の部品6の使用期間を含んでもよい。
【0071】
自動診断モードにおいて、ミシン5のメンテナンスが必要であると分析部22により判定された場合、情報端末3は、自動診断モードからメンテナンスデータ表示モードに遷移する。
【0072】
図9は、メンテナンスデータ表示モードの情報端末3の一例を示す図である。メンテナンスデータ表示モードとは、表示装置3Bにメンテナンスデータを表示させるモードをいう。自動診断モードにおいて、ミシン5のメンテナンスが必要であると判定された場合、情報端末3は、自動診断モードからメンテナンス表示モードに遷移する。
【0073】
本実施形態において、メンテナンスデータは、メンテナンス箇所及びメンテナンス方法を含む。メンテナンス箇所とは、ミシン5においてメンテナンスすべき箇所又はメンテナンスすべき部品6をいう。メンテナンス方法とは、メンテナンス箇所をメンテナンスするときの方法又は手順をいう。メンテナンスは、メンテナンスすべき箇所の調整、メンテナンスすべき部品6の調整、及び部品6の交換を含む。例えばメンテナンスの内容が部品6の交換である場合、メンテナンス方法は、部品6の交換手順を示す。
【0074】
図9に示すように、表示制御部34は、表示装置3Bに、ミシン5のメンテナンス箇所を示す表示データを表示させる。また、表示制御部34は、表示装置3Bに、メンテナンス箇所のメンテナンス方法を示す表示データを表示させる。
【0075】
図9に示す例において、表示制御部34は、表示装置3Bの第5表示領域3Beに、メンテナンス箇所を示す画像IMbを表示させる。
【0076】
本実施形態において、表示制御部34は、表示装置3Bに、ミシン5の画像IMaを表示させる。表示制御部34は、表示装置3Bに、ミシン5の画像IMaと併せて、メンテナンス箇所の画像IMbを表示させる。
【0077】
図9に示す例において、メンテナンス箇所は、ボビンケースである。ボビンケースを示す画像IMbが、ミシン5の画像IMaの周囲の少なくとも一部に表示される。本実施形態において、画像IMbは、吹き出しのようなフレームの中に表示される。フレームの中に画像IMbが表示されることにより、メンテナンス箇所が強調される。
【0078】
ミシン5の画像IMaが情報端末3の表示装置3Bに表示され、メンテナンス箇所の画像IMbがミシン5の画像IMaに併せて表示装置3Bに表示されることにより、表示装置3Bを確認した作業者Mbは、メンテナンス箇所を直感的に且つ円滑に認識することができる。
【0079】
また、図9に示す例において、表示制御部34は、表示装置3Bの第6表示領域3Bfに、メンテナンス箇所のメンテナンス方法を示す文字を表示させる。本実施形態において、メンテナンスの内容は、ボビンケースの交換である。表示制御部34は、ボビンケースの交換手順を示す文字を表示させる。なお、ボビンケースの交換手順が画像(イラスト)により表示されてもよい。作業者Mbは、表示装置3Bに表示されたメンテナンス方法を確認しながら、ボビンケースを交換することができる。
【0080】
なお、本実施形態においては、メンテナンス箇所がボビンケースであり、メンテナンスの内容がボビンケースの交換であることとした。メンテナンス箇所は、例えば針棒でもよいし、糸調子器でもよいし、押えでもよい。メンテナンスの内容は、針棒の交換でもよいし、糸調子器の調整でもよいし、押えの調整でもよい。分析部22は、使用期間が使用期間閾値を超えた場合にメンテナンスを要するメンテナンス箇所を特定し、メンテナンスデータを出力することができる。また、メンテナンス箇所が複数存在する場合、表示制御部34は、ミシン5の画像IMaの周囲に、メンテナンス箇所を示す複数の画像IMbを表示させる。ミシン5の画像IMaの周囲にメンテナンス箇所を示す複数の画像IMbが表示されることにより、表示装置3Bを確認した作業者Mbは、メンテナンス箇所を直感的に且つ円滑に認識することができる。
【0081】
自動診断モードにおいて、部品6の交換が必要であると判定された場合、情報端末3は、メンテナンスデータ表示モードから部品発注モードに遷移する。
【0082】
図10は、部品発注モードの情報端末3の一例を示す図である。部品発注モードとは、部品6を発注するモードをいう。自動診断モードにおいて、部品6の交換が必要であると判定された場合、情報端末3は、メンテナンス表示モードから部品発注モードに遷移する。
【0083】
交換を要する部品6が分析部22により特定された場合、図10に示すように、表示制御部34は、表示装置3Bに、交換を要する部品6を発注するための表示データを表示させる。表示制御部34は、表示装置3Bに、分析部22により特定された部品6の写真、品名、品番、及び価格を表示させる。作業者Mbは、表示装置3Bに表示された表示データを確認して、発注する部品6を選択する。作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、選択した部品6を入力する。作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、発注する部品6の数量を入力することができる。発注する部品6の数量が入力されることにより、表示制御部34は、表示装置3Bに、部品6の見積データを表示させる。部品6の見積データは、発注される部品6に係るデータである。部品6の見積データは、部品6の見積金額、部品6の在庫状況、及び部品6の予定納品日時を含む。図10に示す例においては、表示装置3Bに、部品6の見積データとして、部品6の見積金額が表示されている。
【0084】
なお、表示制御部34は、部品6と交換可能な部品6が複数種類存在する場合、交換の候補となる全ての部品6を表示装置3Bに表示させてもよい。作業者Mbは、表示装置3Bに表示された部品6の候補の中から、発注する部品6を選択してもよい。
【0085】
部品6が入力された後、作業者Mbは、「発注する」のシンボルを操作する。これにより、作業者Mbに所持される情報端末3は、担当者Mcに所持される情報端末3に発注データを送信する(ステップSA4)。
【0086】
担当者Mcに所持される情報端末3は、作業者Mbに所持される情報端末3から送信された発注データをサービス会社Fbにおいて受信する。担当者Mcは、入力装置3Cを操作して、発注データを受領したこと及び納品予定日等を示す受領データを、作業者Mbに所持される情報端末3に送信する(ステップSC1)。
【0087】
なお、縫製工場Faの作業者Mbは、表示装置3Bに表示された分析データDbに基づいて、サービス会社Fbの情報端末3に、ミシン5のメンテナンスを依頼するメンテナンス依頼データが送信されるように、入力装置3Cを操作してもよい。
【0088】
なお、担当者Mcは、作業者Mbに所持される情報端末3から送信された発注データ又はメンテナンス依頼データに基づいて、部品6を調達したり、メンテナンスのために縫製工場Faに出向いたり、不要な部品6を縫製工場Faから回収したりしてもよい。また、担当者Mcは、ミシン5の新規購入を作業者Mb又は管理者Maに提案してもよい。
【0089】
なお、上述したように、縫製工場Faに存在する複数のミシン5の固有データがデータベース2Bに事前登録される。ミシン5の固有データの登録は、カメラ3Fを用いて実施されてもよい。カメラ3Fにより取得されたミシン5の画像データが、サーバ2に送信される。分析部22は、ミシン5の画像データを画像処理することにより、ミシン5を特定し、データベース2Bに登録することができる。なお、ミシン5のハウジングの表面に、機種番号、シリアル番号、又は2次元バーコードのような、ミシン5を特定するための識別マークが設けられている場合、ミシン5の画像データに識別マークが含まれることが好ましい。分析部22は、ミシン5の画像データから識別マークを抽出して、画像処理することにより、ミシン5を高精度に特定することができる。また、ミシン5に設けられている銘版の画像データがカメラ3Fにより取得されてもよい。分析部22は、銘版の画像データを認識し、データベース2Bに登録されているミシン5のリストと銘版の画像データとを照合して、ミシン5を特定してもよい。また、分析部22は、テンプレートマッチング法を用いて、ミシン5の画像データからミシン5を特定してもよい。これらの手法を用いることにより、分析部22は、ミシンメーカーFcにより製造されるミシン5A及びミシンメーカーFcとは異なるミシンメーカーにより製造されるミシン5Bの両方を特定することができる。また、分析部22は、縫製工場Faに存在する、ミシン5とは異なる機器を特定してもよい。ミシン5とは異なる機器として、アイロン、プレス機、及び裁断機が例示される。カメラ3Fにより機器の画像データが取得されることにより、分析部22は、機器の画像データに基づいて、機器を特定することができる。
【0090】
なお、上述の実施形態においては、作業者Mbに機種を選択させる場合、図7に示したように、データベース2Bに登録されている複数のミシン5の機種を示す文字がプルダウンリストとして表示装置3Bに表示されることとした。カメラ3Fで取得されたミシン5の画像データのリストが表示装置3Bに表示されてもよい。作業者Mbは、表示装置3Bに表示されたミシン5の画像データを確認して、機種を選択することができる。
【0091】
図11及び図12のそれぞれは、本実施形態に係る情報端末3の動作を模式的に示す図である。作業者Mbは、自動診断モード及びメンテナンス表示モードを経由せずに、部品6を発注することができる。図6を参照して説明したメニュー選択モードにおいて、作業者Mbにより「パーツ検索」が選択されることにより、情報端末3は、メニュー選択モードからパーツ検索モードを経由して部品発注モードに遷移する。
【0092】
図11は、パーツ検索モードの情報端末3の一例を示す図である。パーツ検索モードとは、ミシン5の部品6を検索するモードをいう。メニュー選択モードにおいて「パーツ検索」が選択されることにより、情報端末3は、メニュー選択モードからパーツ検索モードに遷移する。
【0093】
図11に示すように、表示制御部34は、表示装置3Bに、ミシン5の固有データの入力を要求する表示データを表示させる。図11に示す例において、表示制御部34は、表示装置3Bの第7表示領域3Bgに、「機種」という文字を表示させる。
【0094】
縫製工場Faに存在する複数のミシン5の固有データがデータベース2Bに登録されている。表示制御部34は、表示装置3Bの第7表示領域3Bgに、データベース2Bに登録されている複数のミシン5の機種をプルダウンリストとして表示させる。作業者Mbは、プルダウンリストから、部品6の検索対象のミシン5の機種を選択する。作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、選択したミシン5の機種を入力する。
【0095】
表示制御部34は、表示装置3Bの第8表示領域3Bhに、選択されたミシン5の機種を示す表示データを表示させる。図11に示す例において、表示制御部34は、表示装置3Bに、ミシン5の外観を示す画像及びミシン5の部品6を示す画像を表示させる。作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、発注する部品6を選択する。入力装置3Cがタッチパネルを含む場合、作業者Mbは、表示装置3Bに表示された複数の部品6から、発注対象の部品6の画像をタッチ(クリック)する。
【0096】
図12は、部品発注モードの情報端末3の一例を示す図である。パーツ検索モードにおいて部品6が選択された場合、情報端末3は、パーツ検索モードから部品発注モードに遷移する。
【0097】
発注する部品6が作業者Mbにより選択された場合、図12に示すように、表示制御部34は、表示装置3Bに、発注する部品6を発注するための表示データを表示させる。作業者Mbは、表示装置3Bに表示された表示データを確認して、発注する部品6を選択する。作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、選択した部品6を入力する。部品6が入力された後、作業者Mbは、「発注する」のシンボルを操作する。これにより、作業者Mbに所持される情報端末3は、担当者Mcに所持される情報端末3に発注データを送信する。
【0098】
<コンピュータシステム>
図13は、本実施形態に係るコンピュータシステム100を示すブロック図である。コンピュータシステム100は、上述のサーバ2及び情報端末3の少なくとも一方を含む。コンピュータシステム100は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ101と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ102と、ストレージ103と、入出力回路を含むインターフェース104とを有する。コンピュータシステム100の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ103に記憶されている。コンピュータプログラムは、上述のアプリケーションソフトウエア35を含む。プロセッサ101は、コンピュータプログラムをストレージ103から読み出してメインメモリ102に展開し、コンピュータプログラムに従って上述の処理を実行する。コンピュータプログラムは、コンピュータネットワークを介してコンピュータシステム100に配信されてもよい。
【0099】
コンピュータプログラムは、上述の実施形態に従って、第1情報端末3に入力されたミシンデータDaを第1情報端末3からサーバ2に送信することと、サーバ2が、ミシンデータDaに基づいて分析データDbを生成することと、分析データDbをサーバ2から第2情報端末3に送信することと、第2情報端末3が、分析データDbを表示することと、を実行することができる。
【0100】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、サーバ2は、情報端末3から送信されたミシンデータDaを受信するミシンデータ受信部21と、ミシンデータDaに基づいて、分析データDbを生成する分析部22と、情報端末3に分析データDbを送信する分析データ送信部23と、を備える。これにより、ミシン5に係る分析データDbが、ミシン5の使用者である作業者Mbに適切に提供される。
【0101】
作業者Mbは、ミシンデータDaを情報端末3に入力するだけで、分析データDbをサーバ2から取得することができる。本実施形態おいて、作業者Mbは、ミシン5の固有データを情報端末3に入力するだけで、ミシン5の使用期間データ又はメンテナンスデータをサーバ2から取得することができる。これにより、作業者Mbは、適切なタイミングでミシン5をメンテナンスするための処置を講じることができる。また、ミシン5の故障が未然に防止される。また、縫製品の品質の低下が抑制される。
【0102】
メンテナンスデータは、メンテナンス箇所を含む。メンテナンス箇所が情報端末3の表示装置3Bに表示されることにより、作業者Mbは、表示装置3Bを確認して、メンテナンス箇所を認識することができる。また、図9を参照して説明したように、ミシン5の画像IMaが情報端末3の表示装置3Bに表示され、メンテナンス箇所の画像IMbがミシンの画像IMaに併せて表示装置3Bに表示されることにより、表示装置3Bを確認した作業者Mbは、メンテナンス箇所を直感的に且つ円滑に認識することができる。
【0103】
メンテナンスデータは、メンテナンス方法を含む。メンテナンス方法が情報端末3の表示装置3Bに表示されることにより、作業者Mbは、表示装置3Bを確認しながら、メンテナンス箇所を円滑に且つ適切にメンテナンスすることができる。
【0104】
図9及び図10を参照して説明したように、情報端末3は、メンテナンスデータ表示モードから部品発注モードに遷移することができる。交換を要する部品6が分析部22により自動的に抽出され、表示装置3Bに表示される。表示装置3Bには、部品6の写真、品名、品番、及び価格を含む部品データが自動的に表示される。作業者Mbは、交換を要する部品6を簡単に発注することができる。
【0105】
縫製工場Fa及びミシン5は、多数存在する。多数のミシンデータDaが情報端末3からサーバ2に送信される。ミシンデータ受信部21により取得された多数のミシンデータDaは、データベース2Bに記憶される。分析部22により生成された多数の分析データDbは、データベース2Bに記憶される。これにより、ミシンメーカーFcは、多数のミシンデータDa及び多数の分析データDbを有効活用することができる。ミシンメーカーFcは、多数のミシンデータDa及び多数の分析データDbに基づいて、充実したサービスを提供したり、業務改善を行ったりすることができる。
【0106】
<変形例>
本実施形態においては、作業者Mbに所持される情報端末3が縫製工場Faからサーバ2にミシンデータDaを送信し、作業者Mbに所持される情報端末3が縫製工場Faにおいてサーバ2から分析データDbを受信することとした。管理者Maに所持される情報端末3が縫製工場Faからサーバ2にミシンデータDaを送信し、管理者Maに所持される情報端末3が縫製工場Faにおいてサーバ2から分析データDbを受信してもよい。
【0107】
本実施形態においては、作業者Mbが表示装置3Bに表示されたメンテナンスデータを確認しながらミシン5のメンテナンスを実施することとした。管理者Maが表示装置3Bに表示されたメンテナンスデータを確認しながらミシン5のメンテナンスを実施してもよい。
【0108】
本実施形態において、ミシンデータDaは、ミシン5の使用頻度を含んでもよい。
【0109】
本実施形態においては、交換を要する部品6が特定された場合、図10を参照して説明したように、表示制御部34は、作業者Mbの情報端末3の表示装置3Bに、部品6を発注するための表示データ及び見積データを表示させることとした。また、表示装置3Bに表示された「発注する」のシンボルが作業者Mbにより操作されることにより、作業者Mbの情報端末3の処理部33は、作業者Mbの情報端末3から担当者Mcの情報端末3に発注データを送信することとした。縫製工場Faにおいて管理者Maにより発注する部品6が決定された後、管理者Maの情報端末3から担当者Mcの情報端末3に発注データが送信されてもよい。
【0110】
図14は、本実施形態の変形例に係る部品6の発注方法を模式的に示す図である。図14に示すように、縫製工場Faにおいて、作業者Mbの情報端末3の処理部33は、管理者Maの情報端末3に部品6の内部見積を送信する。縫製工場Faにおいて、複数の作業者Mbの情報端末3から管理者Maの情報端末3に内部見積が送信される。部品6の内部見積とは、作業者Mbによる部品6の発注依頼又は見積依頼をいう。管理者Maは、内部見積に基づいて、部品6の外部見積を作成する。部品6の外部見積とは、複数の作業者Mbからの部品6の発注依頼の集計結果又は複数の作業者Mbからの見積依頼の集計結果をいう。すなわち、外部見積とは、管理者Maによる部品6の発注依頼又は見積依頼をいう。縫製工場Faにおいて内部見積を受信した作業者Mbの情報端末3の処理部33は、担当者Mcの情報端末3に部品6の外部見積を送信する。すなわち、外部見積が作成された後、管理者Maの情報端末3からサービス会社Fbの担当者Mcの情報端末3に外部見積が送信される。これにより、縫製工場Faは、サービス会社Fbに対して部品6の一括発注依頼又は一括見積依頼を実施することができる。外部見積が作成されることにより、ミシンメーカーFc又は管理者Maは、部品6の発注状況又は部品6の納品進捗状況を確認し易くなる。例えば部品6の納品進捗が遅延している場合、ミシンメーカーFcは、サービス会社Fbに部品6を早期に納品するように指示することができる。
【0111】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0112】
上述の実施形態においては、サーバ2にミシンデータDaを送信する情報端末3(第1情報端末)と、サーバ2から分析データDbが送信される情報端末3(第2情報端末)とは、同一の情報端末3であることとした。サーバ2にミシンデータDaを送信する情報端末3(第1情報端末)と、サーバ2から分析データDbが送信される情報端末3(第2情報端末)とは、異なる情報端末3でもよい。
【0113】
図15は、本実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。図15に示すように、管理者Maに所持される情報端末3が縫製工場Faからサーバ2にミシンデータDaを送信し、作業者Mbに所持される情報端末3が縫製工場Faにおいてサーバ2から分析データDbを受信してもよい。
【0114】
なお、作業者Mbに所持される情報端末3が縫製工場Faからサーバ2にミシンデータDaを送信し、管理者Maに所持される情報端末3が縫製工場Faにおいてサーバ2から分析データDbを受信してもよい。
【0115】
なお、担当者Mcが縫製工場Faに存在する場合、担当者Mcに所持される情報端末3が縫製工場Faからサーバ2にミシンデータDaを送信してもよい。担当者Mcに所持される情報端末3が縫製工場Faにおいてサーバ2から分析データDbを受信してもよい。
【0116】
なお、本実施形態において、作業者Mbが表示装置3Bに表示されたメンテナンスデータを確認しながらミシン5のメンテナンスを実施してもよい。管理者Maが表示装置3Bに表示されたメンテナンスデータを確認しながらミシン5のメンテナンスを実施してもよい。担当者Mcが表示装置3Bに表示されたメンテナンスデータを確認しながらミシン5のメンテナンスを実施してもよい。
【0117】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0118】
上述の実施形態においては、情報端末3が縫製工場Faからサーバ2にミシンデータDaを送信し、情報端末3が縫製工場Faにおいてサーバ2から分析データDbを受信することとした。情報端末3が縫製工場Faとは異なる施設からサーバ2にミシンデータDaを送信してもよい。情報端末3が縫製工場Faとは異なる施設においてサーバ2から分析データDbを受信してもよい。
【0119】
図16は、本実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。図16に示すように、管理者Ma又は作業者Mbに所持される情報端末3が縫製工場Faからサーバ2にミシンデータDaを送信し、担当者Mcに所持される情報端末3がサービス会社Fbにおいてサーバ2から分析データDbを受信してもよい。これにより、担当者Mcは、例えばメンテナンスデータに基づいて、ミシン5のメンテナンスが要求されているか否かを認識することができる。
【0120】
また、分析データDbが担当者Mcに所持される情報端末3に送信されることにより、担当者Mcは、分析データDbを有効活用することができる。分析データDbがメンテナンスデータを含む場合、経験が浅い担当者Mcでも、分析データDbに基づいて、ミシン5を円滑に且つ適切にメンテナンスすることができる。サービス会社Fbは、ユーザである管理者Ma又は作業者Mbに適切なサービスを提供することができる。
【0121】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0122】
図17は、本実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。図17に示すように、担当者Mcに所持される情報端末3がサービス会社Fbからサーバ2にミシンデータDaを送信し、管理者Ma又は作業者Mbに所持される情報端末3が縫製工場Faにおいて分析データDbを受信してもよい。サービス会社FbがミシンデータDaを保有している場合、担当者Mcに所持される情報端末3は、サービス会社Fbからサーバ2にミシンデータDaを送信することができる。
【0123】
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0124】
図18は、本実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。図18に示すように、担当者Mcに所持される情報端末3がサービス会社Fbからサーバ2にミシンデータDaを送信し、担当者Mcに所持される情報端末3がサービス会社Fbにおいて分析データDbを受信してもよい。
【0125】
分析データDbが担当者Mcに所持される情報端末3に送信されることにより、担当者Mcは、分析データDbを有効活用することができる。経験が浅い担当者Mcでも、ミシンデータDaを入力するだけで、分析データDbを取得することができる。分析データDbがメンテナンスデータを含む場合、経験が浅い担当者Mcでも、分析データDbに基づいて、ミシン5を円滑に且つ適切にメンテナンスすることができる。サービス会社Fbは、ユーザである管理者Ma又は作業者Mbに適切なサービスを提供することができる。
【0126】
[第6実施形態]
第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0127】
図19は、本実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。図19に示すように、サーバ2は、管理者Maに所持される情報端末3、作業者Mbに所持される情報端末3、及び担当者Mcに所持される情報端末3のそれぞれに、分析データDbを同時に配信してもよい。
【0128】
なお、縫製工場Faに複数の情報端末3が存在する場合、分析データDbは、分析データDbに係るミシン5に最も近い位置に存在する情報端末3のみに送信されてもよい。情報端末3が位置センサを有する場合、位置センサは、情報端末3の位置を検出することができる。位置センサとして、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して位置を検出するGNSSセンサが例示される。分析部22は、位置センサにより検出された情報端末3の位置データに基づいて、分析データDbに係るミシン5に最も近い位置に存在する情報端末3を特定することができる。
【0129】
[第7実施形態]
第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0130】
図20は、本実施形態に係る情報端末3の動作を模式的に示す図である。本実施形態においては、ミシンデータDaがミシン5の点検により取得される点検結果データを含み、点検結果データに基づいてメンテナンスデータが生成される例について説明する。
【0131】
本実施形態においては、図7を参照して説明した点検サービスモードにおいて、点検モードとして、「対話型点検」が選択されることとする。作業者Mbにより「対話型点検」が選択されることにより、情報端末3は、点検サービスモードから対話型点検モードに遷移する。
【0132】
図20は、対話型点検モードの情報端末3の一例を示す図である。対話型点検モードとは、入力装置3Cにおいて生成された入力データに基づいてミシン5の状態を診断するモードをいう。点検サービスモードにおいて「対話型点検」が選択されることにより、情報端末3は、点検サービスモードから対話型点検モードに遷移する。
【0133】
図20に示すように、表示制御部34は、表示装置3Bに、ミシン5の点検チェックリストを示す表示データを表示させる。点検チェックリストは、点検箇所の一覧を示す。点検箇所は、点検すべきミシン5の箇所又は部品6を含む。作業者Mbは、表示装置3Bに表示される点検チェックリストを確認しながらミシン5を点検する。図20に示す例においては、点検チェックリストとして、「針棒」、「糸調子器」、「ボビンケース」、「モータ」が表示装置3Bに表示される。作業者Mbは、「針棒」、「糸調子器」、「ボビンケース」、「モータ」のそれぞれを点検する。点検チェックリスト毎に点検が実施されることにより、点検漏れの発生が抑制される。
【0134】
本実施形態において、ミシンデータDaは、ミシン5の点検により取得される点検結果データを含む。作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、点検チェックリスト毎に、ミシン5の点検結果を示す点検結果データを入力する。作業者Mbは、点検チェックリストにより特定される点検箇所に異常が無い場合、入力装置3Cを操作して、点検結果データとして「○」を入力し、点検箇所に異常が有る場合、入力装置3Cを操作して、点検結果データとして「×」を入力する。
【0135】
処理部33は、点検結果データをサーバ2に送信する。分析部22は、ミシン5の点検結果データに基づいて、分析データDbを生成する。分析データDbは、メンテナンスデータを含む。例えば「ボビンケース」の点検結果データが「×」である場合、分析部22は、ボビンケースのメンテナンスを要求するメンテナンスデータを生成し、情報端末3に送信する。
【0136】
分析部22は、メンテナンス箇所及びメンテナンス方法を含むメンテナンスデータを情報端末3に送信する。図9を参照して説明したように、表示制御部34は、表示装置3Bに、メンテナンス箇所及びメンテナンス方法を示す表示データを表示させる。これにより、作業者Mbは、表示装置3Bを確認しながら、ボビンケースの交換を円滑に実施することができる。また、図10を参照して説明したように、作業者Mbに所持される情報端末3から担当者Mcに所持される情報端末3に部品6の発注データが送信されてもよい。
【0137】
以上説明したように、本実施形態によれば、ミシン5の点検チェックリストが表示装置3Bに表示される。これにより、点検漏れの発生が抑制される。作業者Mbは、表示装置3Bに表示されている点検チェックリストを確認しながら、ミシン5の点検を円滑に且つ適切に実施することができる。ミシンデータDaは、点検チェックリストに対応する点検結果データを含む。これにより、サーバ2は、点検結果データに基づいて、適切なメンテナンスデータを生成し、情報端末3に送信することができる。
【0138】
なお、本実施形態においては、作業者Mbが点検結果データを入力することとした。管理者Maが点検結果データを入力してもよいし、担当者Mcが点検結果データを入力してもよい。
【0139】
本実施形態において、分析データDbは、管理者Maに所持される情報端末3又は担当者Mcに所持される情報端末3に送信されてもよい。
【0140】
なお、本実施形態においては、図20を参照して説明したように、表示制御部34は、ミシン5の点検チェックリストを示す文字データを表示装置3Bに表示させることとした。表示制御部34は、ミシン5の点検チェックリストとして、点検箇所を示す画像データを表示装置3Bに表示させてもよい。
【0141】
[第8実施形態]
第8実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0142】
図21は、本実施形態に係る情報端末3の動作を模式的に示す図である。図21に示すように、表示制御部34は、ミシン5の点検箇所の異常の有無の判定基準となる基準画像データD1を表示装置3Bに表示させてもよい。基準画像データD1は、ミシン5の点検箇所において発生が想定される異常の代表例を示す画像データ又は写真データである。例えば、ミシン5の点検箇所が押さえである場合、基準画像データD1は、押さえにおいて発生が想定される異常の代表例を示す画像データ又は写真データである。図21に示す例においては、表示装置3Bに、基準画像データD1として、曲がった状態の押さえが表示されている。
【0143】
基準画像データD1は、サーバ2のデータベース2Bに記憶されている。例えば押さえを点検する場合、作業者Mbは、情報端末3の入力装置3Cを操作して、データベース2Bから押さえの基準画像データD1を取得する。表示制御部34は、基準画像データD1を表示装置3Bに表示させる。作業者Mbは、表示装置3Bに表示されている基準画像データD1も確認しながら、押さえに異常が有るか否かを判定することができる。点検箇所の異常の有無の判定基準が統一化されるので、作業者Mbは、表示装置3Bに表示された基準画像データD1を確認することにより、点検箇所の異常の有無を適正に判定することができる。
【0144】
<変形例>
図22は、本実施形態の変形例に係るミシン管理システム1を模式的に示す図である。図22に示すように、作業者Mbは、情報端末3のカメラ3Fを用いて、ミシン5の点検箇所の画像データを取得してもよい。情報端末3の記憶部31は、カメラ3Fにより取得された点検箇所の画像データを、エビデンスデータD2として記憶する。管理者Ma又は担当者Mcは、エビデンスデータD2と基準画像データD1とを照合して、作業者Mbによる点検箇所の異常の有無の判定が適正に実施されたか否かを確認することができる。エビデンスデータD2は、作業者Mbの情報端末3の処理部33から、管理者Ma又は担当者Mcの情報端末3に送信されてもよい。エビデンスデータD2が作業者Mbの情報端末3から管理者Ma又は担当者Mcの情報端末3に送信されることにより、管理者Ma又は担当者Mcは、管理者Ma又は担当者Mcが所持する情報端末3の表示装置3Bに表示されたエビデンスデータD2を確認することができる。また、管理者Ma又は担当者Mcが所持する情報端末3の表示装置3Bに基準画像データD1が表示されることにより、管理者Ma又は担当者Mcは、管理者Ma又は担当者Mcが所持する情報端末3の表示装置3Bに表示されたエビデンスデータD2と基準画像データD1とを照合して、作業者Mbによる点検箇所の異常の有無の判定が適正に実施されたか否かを確認することができる。
【0145】
図23は、本実施形態の変形例に係るミシン管理システム1を模式的に示す図である。カメラ3Fにより取得されたエビデンスデータD2がサーバ2に送信されてもよい。分析部22は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)を利用して、点検箇所の異常の有無を判定してもよい。例えば、分析部22は、学習フェーズにおいて、複数のカメラ3Fにより取得された複数の点検箇所のエビデンスデータD2を機械学習して、点検箇所の画像データを入力とし点検箇所の異常の有無を出力とする学習モデルD3を生成する。分析部22は、解析フェーズにおいて、カメラ3Fにより取得された画像データD4を学習モデルに入力して、点検箇所の異常の有無の判定結果D5を出力することができる。分析部22の判定結果D5は、情報端末3に送信される。情報端末3の表示制御部34は、学習モデルD3から出力された、点検箇所の異常の有無の判定結果D5を表示装置3Bに表示させることができる。
【0146】
[第9実施形態]
第9実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0147】
図24は、本実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。図24に示すように、ミシンデータDaが点検結果データを含み、分析データDbが点検の実施者のスキルデータを含んでもよい。点検結果データは、点検に要した時間又は点検対象のミシン5の機種を含む。点検の実施者が担当者Mcである場合、分析データDbは、担当者Mcの点検スキルデータを含む。担当者Mcの点検スキルにより、点検に要した時間が変化する。担当者Mcの点検スキルが高いほど点検に要した時間は短くなり、担当者Mcの点検スキルが低いほど点検に要した時間は長くなる。また、点検対象のミシン5の機種によって、点検の困難度が変化する可能性がある。点検の実施者の点検スキルが把握されることにより、適正な人員計画及び人材育成を実施することができる。
【0148】
[第10実施形態]
第10実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0149】
図25及び図26のそれぞれは、本実施形態に係る情報端末3の動作を模式的に示す図である。本実施形態においては、図6を参照して説明したメニュー選択モードにおいて、「トラブル検索」が選択されることとする。作業者Mbにより「トラブル検索」が選択されることにより、情報端末3は、メニュー選択モードからトラブル検索モードに遷移する。
【0150】
図25は、トラブル検索モードの情報端末3の一例を示す図である。トラブル検索モードとは、ミシン5に発生した事象に対する処置を検索するモードをいう。メニュー選択モードにおいて「トラブル検索」が選択されることにより、情報端末3は、メニュー選択モードからトラブル検索モードに遷移する。
【0151】
図25に示すように、表示制御部34は、表示装置3Bに、ミシン5の固有データの入力を要求する表示データを表示させる。ミシン5の固有データは、ミシン5の機種を含む。表示制御部34は、表示装置3Bに、ミシン5の機種の入力を要求する文字を表示させる。図25に示す例において、表示制御部34は、表示装置3Bに、「機種を選択して下さい」という文字を表示させる。
【0152】
表示制御部34は、表示装置3Bに、データベース2Bに登録されている複数のミシン5の機種をプルダウンリストとして表示させる。作業者Mbは、プルダウンリストから、検索対象のミシン5の機種を選択する。作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、選択したミシン5の機種を入力する。
【0153】
本実施形態において、ミシンデータDaは、ミシン5に発生した事象を示す事象データを含む。表示制御部34は、表示装置3Bに、事象データの入力を要求する表示データを表示させる。図25に示す例において、表示制御部34は、表示装置3Bに、「よくある質問」という文字と、事象を選択させるための事象リストとを表示させる。事象リストは、ミシン5において発生が想定される事象の一覧を示す。表示制御部34は、表示装置3Bに、事象リストとして、「糸が切れない」、「押えが上がらない」、「目飛びが頻発する」という文字を表示させる。作業者Mbは、事象リストから、ミシン5に発生した事象を選択する。作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、選択した事象を入力する。
【0154】
本実施形態においては、トラブル検索モードにおいて、「目飛びが頻発する」が選択されることとする。作業者Mbにより「目飛びが頻発する」が選択されることにより、情報端末3は、トラブル検索モードからガイダンスモードに遷移する。
【0155】
作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、「目飛びが頻発する」を選択する。入力装置3Cは、「目飛びが頻発する」という事象を示す入力データを生成する。データ取得部32は、ミシン5に発生した事象を示す入力データを取得する。処理部33は、サーバ2に事象データを送信する。ミシンデータ受信部21は、事象データを取得する。
【0156】
データベース2Bには、ミシン5に発生した事象とその事象を解消するための処置との関係を示す第1相関データが記憶されている。第1相関データは、予備実験又はシミュレーションにより生成されてもよい。第1相関データは、過去の経験又は知見に基づいて生成されてもよい。サーバ2を管理するミシンメーカーFcは、ミシン5に発生した事象を解消するための経験又は知見を多数保有する。ミシン5に発生した事象を解消するための経験又は知見に基づいて、第1相関データが生成されてもよい。
【0157】
分析部22は、ミシン5に発生した事象データに基づいて、分析データDbを生成する。本実施形態において、分析データDbは、ミシン5に発生した事象を解消するための処置を示すガイダンスデータを含む。分析部22は、情報端末3から送信された事象データと、データベース2Bに記憶されている第1相関データとに基づいて、ガイダンスデータを生成する。
【0158】
分析部22は、「目飛びが頻発する」という事象を解消するための処置として、押えの高さを確認させるガイダンスデータを生成する。ガイダンスデータは、サーバ2から情報端末3に送信される。
【0159】
図26は、ガイダンスモードの情報端末3の一例を示す図である。ガイダンスモードとは、ミシン5に発生した事象を解消するための処置を示すガイダンスデータを表示装置3Bに表示させるモードをいう。トラブル検索モードにおいて「目飛びが頻発する」が選択されることにより、情報端末3は、トラブル検索モードからガイダンスモードに遷移する。
【0160】
図26に示すように、表示制御部34は、表示装置3Bに、ガイダンスデータを示す表示データを表示させる。図12に示す例において、表示制御部34は、表示装置3Bの第9表示領域3Biに、「押えの高さを確認して下さい」という文字を表示させる。また、表示制御部34は、表示装置3Bの第10表示領域3Bjに、押えの高さを調整させるための画像(イラスト)を表示させる。作業者Mbは、表示装置3Bに表示されているガイダンスデータを確認しながら、ミシン5に発生した事象を解消するための処置を講じることができる。
【0161】
なお、表示制御部34は、表示装置3Bに、「サービスマニュアルへ」という文字を表示させる。作業者Mbにより「サービスマニュアルへ」が選択されることにより、表示制御部34は、表示装置3Bに、詳細なガイダンスデータを含むサービルマニュアルを示す表示データを表示させることができる。
【0162】
また、表示制御部34は、表示装置3Bに、「解決しましたか?」という文字を表示させる。作業者Mbが入力装置3Cを操作して「はい」を選択した場合、トラブル検索モード及びガイダンスモードは終了する。作業者Mbが入力装置3Cを操作して「いいえ」を選択した場合、分析部22は、データベース2Bに記憶されている第1相関データに基づいて、他のガイダンスデータを生成し、情報端末3に送信する。
【0163】
以上説明したように、本実施形態によれば、ミシンデータDaは、ミシン5に発生した事象を示す事象データを含む。分析データDbは、ミシン5に発生した事象を解消するための処置を示すガイダンスデータを含む。分析部22は、ミシンデータ受信部21により受信された事象データと、データベース2Bに記憶されている第1相関データとに基づいて、ガイダンスデータを生成することができる。分析データ送信部23は、情報端末3にガイダンスデータを送信する。これにより、作業者Mbは、表示装置3Bに表示されているガイダンスデータを確認しながら、ミシン5に発生した事象を解消するための処置を講じることができる。
【0164】
なお、本実施形態においては、事象リストが表示装置3Bに表示され、事象リストから、ミシン5に発生した事象が選択されることとした。事象リストは表示装置3Bに表示されなくてもよい。作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、ミシン5に発生した事象を文字として入力してもよい。分析部22は、入力装置3Cにおいて生成された入力データに基づいて、事象を解消するためのガイダンスデータを生成してもよい。
【0165】
なお、本実施形態においては、作業者Mbが事象データを入力することとした。管理者Maが事象データを入力してもよいし、担当者Mcが事象データを入力してもよい。
【0166】
本実施形態において、ガイダンスデータは、管理者Maに所持される情報端末3又は担当者Mcに所持される情報端末3に送信されてもよい。ガイダンスデータが担当者Mcに所持される情報端末3に送信されることにより、経験が浅い担当者Mcでも、ガイダンスデータに基づいて、ミシン5に発生した事象を解消するための処置を円滑に且つ適切に講じることができる。サービス会社Fbは、ユーザである管理者Ma又は作業者Mbに適切なサービスを提供することができる。
【0167】
<変形例>
図27は、本実施形態の変形例に係るミシン管理システムを模式的に示す図である。本実施形態において、作業者Mbがガイダンスデータを確認しながら処置を講じても、ミシン5に発生したトラブルを解消できない場合、作業者Mbは、情報端末3を操作して、トラブルの内容及び状況をサービス会社Fbの担当者Mcの情報端末3に送信してもよい。作業者Mbの情報端末3の処理部33から、トラブルの内容及び状況が送信される。サービス会社Fbの担当者Mcは、トラブルの内容及び状況を分析する。サービス会社Fbの担当者Mcは、担当者Mcの情報端末3と作業者Mbの情報端末3とを用いてWeb会議を実施して、音声データ及び画像データの少なくとも一方を用いて、トラブルを解消するための処置方法を作業者Mbに伝達してもよい。作業者Mbの情報端末3の処理部33は、Web会議システムを通じて、トラブルを解消するための処置方法を示すガイダンスデータD6として、音声データ及び画像データを受信する。表示制御部34は、画像データを表示装置3Bに表示させ、音声データを情報端末3が有する音声出力装置から出力させる。作業者Mbは、担当者Mcによる遠隔支援により、トラブルを解消することができる。
【0168】
[第11実施形態]
第11実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0169】
図28は、本実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。上述の実施形態においては、分析部22は、情報端末3に入力されたミシン5の固有データに基づいて、分析データDbを生成することとした。本実施形態において、分析部22は、振動センサ3Dにより検出されるミシン5の振動データに基づいて、分析データDbとしてミシン5の使用期間データ又はメンテナンスデータを生成する。
【0170】
ミシン5が稼働することにより、ミシン5又はミシン5を支持する設置台が振動する。ミシン5又は設置台に情報端末3が設置された状態で、ミシン5が稼働することにより、振動センサ3Dは、ミシン5の振動を検出することができる。振動センサ3Dにより検出されたミシン5の振動データは、制御装置3Aに出力される。ミシン5が振動している期間を示す振動期間は、ミシン5の使用期間と実質的に一致する。そのため、分析部22は、振動センサ3Dにより検出されたミシン5の振動期間に基づいて、ミシン5の使用期間データを生成することができる。分析部22は、ミシン5の振動データに基づいて、ミシン5の使用期間が使用期間閾値を超えていると判定した場合、メンテナンスデータを出力することができる。
【0171】
なお、分析部22は、使用期間を算出することなく、メンテナンスデータを生成してもよい。ミシン5に異常が発生した場合、ミシン5の振動レベルが高くなる可能性が高い。分析部22は、振動センサ3Dにより検出されたミシン5の振動レベルが振動レベル閾値を超えている場合、メンテナンスデータを生成することができる。なお、振動レベル閾値は、予め定められている閾値である。振動レベル閾値は、振幅に係る閾値でもよいし、振動数に係る閾値でもよい。
【0172】
なお、本実施形態においては、ミシンデータDaがミシン5の振動データを含むこととした。ミシンデータDaは、ミシン5の温度データを含んでもよい。例えばミシン5のモータに異常が発生した場合、ミシン5の内部の温度が上昇する可能性が高い。情報端末3が温度センサを有する場合、情報端末3は、ミシン5の温度を検出することができる。なお、ミシン5の内部に温度センサが設けられている場合、作業者Mbが入力装置3Cを操作して、ミシン5の内部に設けられている温度センサの検出値を入力してもよい。分析部22は、ミシン5の温度が温度閾値を超えている場合、メンテナンスデータを生成することができる。
【0173】
なお、ミシンデータDaは、ミシン5の騒音データを含んでもよい。例えばミシン5のモータに異常が発生した場合、ミシン5から騒音が発生する可能性が高い。情報端末3が騒音レベルセンサを有する場合、情報端末3は、ミシン5の騒音レベルを検出することができる。なお、ミシン5の内部に騒音レベルセンサが設けられている場合、作業者Mbが入力装置3Cを操作して、ミシン5の内部に設けられている騒音レベルセンサの検出値を入力してもよい。分析部22は、ミシン5の騒音レベルが騒音レベル閾値を超えている場合、メンテナンスデータを生成することができる。
【0174】
なお、ミシンデータDaは、ミシン5に与えられる電圧データを含んでもよい。例えばミシン5のモータに異常が発生した場合、ミシン5のモータに与えられる電圧が変動する可能性が高い。ミシン5の内部に電圧センサが設けられている場合、作業者Mbが入力装置3Cを操作して、ミシン5の内部に設けられている電圧センサの検出値を入力してもよい。分析部22は、電圧が電圧閾値を超えている場合、メンテナンスデータを生成することができる。
【0175】
なお、図28に示す例において、ミシンデータDaを送信する情報端末3と、分析データDbを受信する情報端末3とは、同一の情報端末3でもよいし、異なる情報端末3でもよい。情報端末3は、縫製工場Faにおいて分析データDbを受信してもよいし、サービス会社Fbにおいて分析データDbを受信してもよい。
【0176】
[第12実施形態]
第12実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0177】
図29は、本実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。本実施形態において、ミシンデータDaは、ミシン5に係る縫製データを含む。分析データDbは、ミシン5の推奨稼働条件を示すアドバイスデータを含む。図29に示すように、情報端末3は、サーバ2に縫製データを送信する。分析部22は、縫製データに基づいて、アドバイスデータを生成する。分析データ送信部23は、情報端末3にアドバイスデータを送信する。
【0178】
縫製データは、ミシン5の縫製対象物、縫製糸、及び縫製針の少なくとも一つのデータを含む。縫製対象物は、布でもよいし革でもよい。本実施形態において、縫製データは、カメラ3Fにより取得された縫製対象物の画像データ、縫製糸の画像データ、及び縫製針の画像データを含む。
【0179】
ミシン5の稼働条件は、ミシン5の縫製条件を含む。ミシン5の縫製条件は、縫い速度[sti/min]、及び縫製糸の張力(糸調子)の少なくとも一方を含む。縫い速度とは、単位時間当たりの針数をいう。針数とは、縫製処理において往復移動する縫製針の往復回数をいい、縫い目の数に相当する。ミシン5の推奨稼働条件とは、縫製異常の発生を抑制するために推奨される稼働条件をいう。推奨稼働条件は、縫い速度の推奨値(最適値)及び縫製糸の張力の推奨値(最適値)の少なくとも一方を含む。推奨稼働条件に基づいてミシン5が稼働することにより、縫製処理において縫製異常の発生が抑制され、縫製処理は円滑に実施される。縫製異常として、縫製対象物が破れること、縫製糸が切れること、及び縫製針が折れることが例示される。
【0180】
また、ミシン5の稼働条件は、ミシン5の照明条件を含む。ミシン5の照明条件は、ミシン5が設置される空間における照明光の照度、照明光の色、ミシン5に対する照明光の照明方向の少なくとも一つをいう。
【0181】
分析部22は、縫製対象物の画像データ、縫製糸の画像データ、及び縫製針の画像データに基づいて、ミシン5の推奨稼働条件を示すアドバイスデータを生成する。分析データ送信部23は、分析部22により生成されたアドバイスデータを情報端末3に送信する。
【0182】
例えば、縫製対象物の仕様に基づいて、ミシン5の推奨稼働条件が変化する。縫製糸の仕様に基づいて、ミシン5の推奨稼働条件が変化する。縫製針の仕様に基づいて、ミシン5の推奨稼働条件が変化する。縫製対象物の仕様は、縫製対象物の材質、厚み、硬さ、及び色の少なくとも一つを含む。縫製糸の仕様は、縫製糸の材質、太さ、硬さ、及び色の少なくとも一つを含む。縫製針の仕様は、縫製針の材質、太さ、硬さ、及び色の少なくとも一つを含む。
【0183】
例えば、縫製対象物の厚みが厚い場合、縫製糸の太さが太い場合、縫製対象物の硬さが硬い場合、縫製糸の硬さが硬い場合、及び縫製針の太さが太い場合等において、縫い速度を低くすることにより、縫製異常が発生する可能性は低くなる。すなわち、縫製対象物の厚みが厚い場合、縫製糸の太さが太い場合、縫製対象物の硬さが硬い場合、縫製糸の硬さが硬い場合、及び縫製針の太さが太い場合等において、縫い速度は低いことが好ましい。
【0184】
一方、縫製対象物の厚みが薄い場合、縫製糸の太さが細い場合、縫製対象物の硬さが軟らかい場合、縫製糸の硬さが軟らかい場合、及び縫製針の太さが細い場合等において、縫い速度を高くしても、縫製異常が発生する可能性は低い。そのため、生産性向上の観点から、縫製対象物の厚みが薄い場合、縫製糸の太さが細い場合、縫製対象物の硬さが軟らかい場合、縫製糸の硬さが軟らかい場合、及び縫製針の太さが細い場合等において、縫い速度は高いことが好ましい。
【0185】
同様に、縫製対象物の仕様、縫製糸の仕様、及び縫製針の仕様に基づいて、縫製糸の張力が低いことが好ましい場合があるし、縫製糸の張力が高いことが好ましい場合がある。
【0186】
また、縫製対象物の色、縫製糸の色、及び縫製針の色に基づいて、作業者Mbが縫製対象物、縫製糸、及び縫製針を視認し易い照明条件が変化する。
【0187】
分析部22は、情報端末3から送信された縫製対象物の画像データを画像処理して、縫製対象物の仕様を推定する。分析部22は、情報端末3から送信された縫製糸の画像データを画像処理して、縫製糸の仕様を推定する。分析部22は、情報端末3から送信された縫製針の画像データを画像処理して、縫製針の仕様を推定する。データベース2Bには、縫製対象物の仕様と、縫製糸の仕様と、縫製針の仕様と、ミシン5の推奨稼働条件との関係を示す第2相関データが記憶されている。なお、第2相関データは、予備実験又はシミュレーションにより予め求められる。分析部22は、情報端末3から送信された縫製データと、データベース2Bに記憶されている第2相関データとに基づいて、ミシン5の推奨稼働条件を決定する。
【0188】
なお、データベース2Bに最適な第2相関データが記憶されていない場合、縫製対象物の仕様、縫製糸の仕様、及び縫製針の仕様に基づいて、ミシン5の推奨稼働条件を決定し、決定したミシン5の推奨稼働条件に基づいて、第2相関データを新たに作成してもよい。データベース2Bには、新たに作成された第2相関データが追加される。
【0189】
分析部22により決定されたミシン5の推奨稼働条件を示すアドバイスデータは、情報端末3に送信される。管理者Ma又は作業者Mbは、情報端末3の表示装置3Bに表示されたアドバイスデータに基づいて、推奨稼働条件(推奨縫製条件)でミシン5を稼働させることができる。これにより、縫製処理において縫製異常の発生が抑制される。また、推奨稼働条件(推奨照明条件)でミシン5が照明されることにより、作業者Mbは、縫製対象物、縫製糸、及び縫製針を良好に視認することができる。したがって、縫製処理は円滑に実施される。
【0190】
なお、縫製データは、縫製対象物の画像データでなくてもよい。縫製対象物の仕様が既知である場合、管理者Ma又は作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、縫製データとして縫製対象物の仕様を入力してもよい。同様に、縫製糸の仕様が既知である場合、管理者Ma又は作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、縫製データとして縫製糸の仕様を入力してもよい。縫製針の仕様が既知である場合、管理者Ma又は作業者Mbは、入力装置3Cを操作して、縫製データとして縫製針の仕様を入力してもよい。縫製データを示す入力装置3Cの入力データは、サーバ2に送信される。サーバ2の分析部22は、縫製対象物の仕様、縫製糸の仕様、及び縫製針の仕様を含む縫製データと、第2相関データとに基づいて、アドバイスデータを生成することができる。
【0191】
なお、データベース2Bに最適な第2相関データが記憶されていない場合、縫製対象物の仕様、縫製糸の仕様、及び縫製針の仕様を含む縫製データに基づいて、ミシン5の推奨稼働条件を決定し、決定したミシン5の推奨稼働条件に基づいて、第2相関データを新たに作成してもよい。データベース2Bには、新たに作成された第2相関データが追加される。
【0192】
なお、本実施形態において、縫製データは、縫製対象物の仕様のみでもよいし、縫製糸の仕様のみでもよいし、縫製針の仕様のみでもよい。縫製データは、縫製対象物の仕様、縫製糸の仕様、及び縫製針の仕様の少なくとも一つであればよい。
【0193】
なお、本実施形態においては、管理者Ma又は作業者Mbが情報端末3に縫製データを入力することとした。担当者Mcが情報端末3に縫製データを入力してもよい。縫製対象物の仕様、縫製糸の仕様、及び縫製針の仕様が既知である場合、担当者Mcは、情報端末3に縫製データを入力することができる。
【0194】
本実施形態において、アドバイスデータは、管理者Maに所持される情報端末3又は担当者Mcに所持される情報端末3に送信されてもよい。アドバイスデータが担当者Mcに所持される情報端末3に送信されることにより、経験が浅い担当者Mcでも、アドバイスデータに基づいて、ミシン5を推奨稼働条件に設定することができる。サービス会社Fbは、ユーザである管理者Ma又は作業者Mbに適切なサービスを提供することができる。
【0195】
[第13実施形態]
第13実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0196】
図30は、本実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。本実施形態において、ミシンデータDaは、ミシン5の環境データを含む。分析データDbは、ミシン5の推奨稼働条件を示すアドバイスデータを含む。
【0197】
環境データは、ミシン5が設置される空間の温度データ、湿度データ、及び圧力データの少なくとも一つを含む。環境データは、情報端末3の環境センサ3Eにより検出される。情報端末3は、環境データをサーバ2に送信する。分析部22は、環境データに基づいて、アドバイスデータを生成する。分析データ送信部23は、情報端末3にアドバイスデータを送信する。
【0198】
ミシン5の稼働条件は、ミシン5の縫製条件、及びミシン5の照明条件の少なくとも一方を含む。
【0199】
ミシン5の環境に基づいて、ミシン5の推奨稼働条件が変化する。例えば、温度、湿度、及び圧力の少なくとも一つに基づいて、縫製対象物が伸縮したり、縫製糸が伸縮したり、縫製針が伸縮したりする可能性がある。そのため、温度、湿度、及び圧力の少なくとも一つに基づいて、縫い速度を変更したり、縫製糸の張力を変更したりすることが好ましい。
【0200】
分析部22は、情報端末3から送信されたミシン5の環境データに基づいて、ミシン5の推奨稼働条件を決定する。データベース2Bには、ミシン5の環境データと、縫製対象物の仕様と、縫製糸の仕様と、縫製針の仕様と、ミシン5の推奨稼働条件との関係を示す第3相関データが記憶されている。なお、第3相関データは、予備実験又はシミュレーションにより予め求められる。分析部22は、情報端末3から送信された環境データと、情報端末3から送信された縫製データと、データベース2Bに記憶されている第3相関データとに基づいて、ミシン5の推奨稼働条件を決定する。
【0201】
分析部22により決定されたミシン5の推奨稼働条件を示すアドバイスデータは、情報端末3に送信される。管理者Ma又は作業者Mbは、表示装置3Bに表示されたアドバイスデータに基づいて、推奨稼働条件(推奨縫製条件)でミシン5を稼働させることができる。これにより、縫製処理において縫製異常の発生が抑制される。また、推奨稼働条件(推奨照明条件)でミシン5が照明されることにより、作業者Mbは、縫製対象物、縫製糸、及び縫製針を良好に視認することができる。したがって、縫製処理は円滑に実施される。
【0202】
なお、分析部22は、環境データに基づいて、ミシン5に係る不具合の発生時期を推定してもよい。分析部22は、例えばミシン5の故障時期を推定してもよい。分析部22により推定された不具合の発生時期を示す不具合データは、サーバ2から情報端末3に送信される。これにより、作業者Mbは、ミシン5に係る不具合の発生時期を認識することができる。
【0203】
なお、本実施形態においては、管理者Ma又は作業者Mbが縫製データを入力することとした。担当者Mcが情報端末3に縫製データを入力してもよい。縫製対象物の仕様、縫製糸の仕様、及び縫製針の仕様が既知である場合、担当者Mcは、情報端末3に縫製データを入力することができる。
【0204】
本実施形態において、アドバイスデータは、管理者Maに所持される情報端末3又は担当者Mcに所持される情報端末3に送信されてもよい。アドバイスデータが担当者Mcに所持される情報端末3に送信されることにより、経験が浅い担当者Mcでも、アドバイスデータに基づいて、ミシン5を推奨稼働条件に設定することができる。サービス会社Fbは、ユーザである管理者Ma又は作業者Mbに適切なサービスを提供することができる。
【0205】
[第14実施形態]
第14実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0206】
図31は、本実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。管理者Ma又は作業者Mbに所持される情報端末3は、縫製工場Faからサーバ2にミシンデータDaを送信する。
【0207】
情報端末3は、縫製工場Faの管理者Ma又は作業者Mb、サービス会社Fbの担当者Mc、縫製対象物会社の担当者、縫製糸会社の担当者、及び縫製針会社の担当者のそれぞれに所持される。サーバ2は、分析データDbを、縫製工場Faの情報端末3、サービス会社Fbの情報端末3、縫製対象物会社の情報端末3、縫製糸会社の情報端末3、及び縫製針会社の情報端末3のそれぞれに送信する。また、サーバ2は、分析データDbを、ミシンメーカーFcの情報端末4に送信する。情報端末3は、縫製工場Faにおいて分析データDbを受信する。情報端末3は、サービス会社Fbにおいて分析データDbを受信する。情報端末3は、縫製対象物会社において分析データDbを受信する。情報端末3は、縫製糸会社において分析データDbを受信する。情報端末3は、縫製針会社において分析データDbを受信する。情報端末4は、ミシンメーカーFcにおいて分析データDbを受信する。
【0208】
このように、分析データDbは、縫製工場Fa及びサービス会社Fbとは異なる施設の情報端末3に配信されてもよい。また、ミシンデータDaが縫製工場Fa及びサービス会社Fbとは異なる施設の情報端末3に配信されてもよい。例えば、事象データ及び縫製データを含むミシンデータDaが縫製対象物会社の情報端末3に送信された場合、縫製対象物会社の担当者は、縫製対象物とミシン5に発生した事象との因果関係を解析することができる。また、縫製対象物会社の担当者は、事象を解消するためのより適切な処置を提案したり、より適切なミシン5の稼働条件を提案したりすることができる。縫製糸会社の担当者及び縫製針会社の担当者についても同様である。
【0209】
[第15実施形態]
第15実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0210】
図32は、本実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。管理者Ma又は作業者Mbに所持される情報端末3は、縫製工場Faからサーバ2にミシンデータDaを送信する。サービス会社Fbの担当者Mcに所持される情報端末3は、サービス会社Fbからサーバ2にミシンデータDaを送信する。縫製対象物会社の担当者に所持される情報端末3は、縫製対象物会社からサーバ2にミシンデータDaを送信する。縫製糸会社の担当者に所持される情報端末3は、縫製糸会社からサーバ2にミシンデータDaを送信する。縫製針会社の担当者に所持される情報端末3は、縫製針会社からサーバ2にミシンデータDaを送信する。ミシンメーカーの情報端末4は、ミシンメーカーからサーバ2にミシンデータDaを送信する。
【0211】
サーバ2は、分析データDbを、縫製工場Faの情報端末3に送信する。情報端末3は、縫製工場Faにおいて分析データDbを受信する。
【0212】
このように、ミシンデータDaは、縫製工場Fa及びサービス会社Fbとは異なる施設の情報端末3からサーバ2に送信されてもよい。例えば、縫製対象物会社の担当者は、情報端末3からサーバ2に、縫製データとして縫製対象物の仕様を送信することができる。縫製糸会社の担当者は、情報端末3からサーバ2に、縫製データとして縫製糸の仕様を送信することができる。縫製針会社の担当者は、情報端末3からサーバ2に、縫製データとして縫製針の仕様を送信することができる。
【0213】
[第16実施形態]
第16実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0214】
図33は、本実施形態に係る通信形態を模式的に示す図である。図33に示すように、ミシンデータDaがミシン5の使用期間データ又はミシン5の点検実績データを含み、分析データDbが将来の必要部品リストを含んでもよい。ミシン5の点検実績データとは、ミシン5について点検が実行された箇所又は交換が実行された部品6をいう。将来の必要部品リストとは、将来において交換を要すると予測される部品6のリストをいう。作業者Mb又は管理者Maは、情報端末3の入力装置3Cを操作して、ミシン5の使用期間又はミシン5の点検実績を入力する。情報端末3のデータ取得部32は、入力装置3Cからミシン5の使用期間データ又はミシン5の点検実績データを取得する。ミシン5の使用期間データ又はミシン5の点検実績データは、情報端末3からサーバ2に送信される。分析部22は、ミシン5の使用期間データ又はミシン5の点検実績データに基づいて、将来の必要部品リストを生成し、情報端末3に送信する。処理部33は、サーバ2から必要部品リストを取得する。これにより、作業者Mb又は管理者Maは、将来の発生経費を予測することができる。
【0215】
[第17実施形態]
第17実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0216】
図34は、本実施形態に係るミシン管理システム1を模式的に示す図である。図34に示すように、管理者Maが所持する情報端末3の閲覧可能範囲及び入力可能範囲と、作業者Mbが所持する情報端末3の閲覧可能範囲及び入力可能範囲と、担当者Mcが所持する情報端末3の情報端末3の閲覧可能範囲及び入力可能範囲とは、異なってもよい。すなわち、管理者Ma、作業者Mb、及び担当者Mcの少なくとも一部に、ミシン管理システム1のユーザ権限が設定されてもよい。例えば担当者Mcにユーザ権限が設定された場合、ユーザ権限が設定された担当者Mcと、ユーザ権限が設定されていない管理者Ma及び作業者Mbとで、閲覧可能な表示データ(ページ)又は実施可能な処理が区別される。
【0217】
一例として、例えば上述した点検サービスモードの場合、管理者Ma又は作業者Mbが所持する情報端末3の閲覧可能範囲及び入力可能範囲は、「日常点検」、「部品交換」、「取扱説明書」、及び「部品リスト」である。担当者Mcが所持する情報端末3の閲覧可能範囲及び入力可能範囲は、「日常点検」、「部品交換」、「取扱説明書」、及び「部品リスト」に加えて、「詳細点検」、「点検管理」、及び「顧客管理」である。
【0218】
[第18実施形態]
第18実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0219】
図35は、本実施形態に係るミシン管理システム1を模式的に示す図である。図35に示すように、ミシン5に係る第1表示データの閲覧が有料化され、ミシン5に係る第2表示データの閲覧が無料化されてもよい。例えば、ミシン5に係るサービスマニュアルを示す表示データの閲覧は有料化され、ミシン5の取扱説明書を示す表示データの閲覧は無料化されてもよい。例えば、サービス会社Fbとの間で保守契約を締結したミシン5の使用者(管理者Ma及び作業者Mb)、又は表示データの閲覧権限を購入したミシン5の使用者が、第1の情報を示す表示データ及び第2の情報を示す表示データを閲覧できるようにしてもよい。
【0220】
[第19実施形態]
第19実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0221】
図36は、本実施形態に係るミシン管理システム1を模式的に示す図である。図36に示すように、情報端末3がミシン5の操作パネルとして機能してもよい。一般にミシン5に操作パネルが設けられる場合が多い。作業者Mbは、操作パネルを操作してミシン5を駆動させる。情報端末3がミシン5の操作パネルとして機能することにより、ミシン5に操作パネルを設けなくてもよい。情報端末3にミシン5の固有データが入力された場合、サーバ2は、ミシン5の機種を特定することができる。ミシン5の固有データに基づいてミシン5の機種を特定した場合、サーバ2の分析部22は、ミシン5を操作するための操作パネルデータを生成し、情報端末3にミシン5の操作パネルデータを送信する。情報端末3の処理部33は、ミシン5の固有データに基づいて特定されたミシン5の操作パネルデータを受信する。処理部33が操作パネルデータを受信することにより、情報端末3は、ミシン5の操作パネルとして機能することができる。
【0222】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、ミシンデータ受信部21の機能が、情報端末4に設けられてもよい。分析部22の機能が、情報端末4に設けられてもよい。分析データ送信部23の機能が、情報端末4に設けられてもよい。例えば、情報端末4において生成された分析データDbが、コンピュータネットワークを介して、サービス会社Fbの情報端末3に送信されてもよい。
【0223】
上述の実施形態において、ミシン5のメンテナンス履歴データがミシンデータDaとしてデータベース2Bに記憶されてもよい。メンテナンス履歴データは、メンテナンス箇所が発生した時期、メンテナンス箇所の不具合の内容、メンテナンスを実施した時期、及びメンテナンスの内容を含む。ミシン5のメンテナンス履歴データは、ミシンメーカーFcにより製造されるミシン5Aのメンテナンス履歴データ、及びミシンメーカーFcとは異なるミシンメーカーにより製造されるミシン5Bのメンテナンス履歴データを含む。これにより、縫製工場Faに存在する全てのミシン5のメンテナンス履歴データがデータベース2Bに記憶され、複数のミシン5を一元管理することができる。分析部22は、データベース2Bに記憶されているメンテナンス履歴データに基づいて、ミシン5に係る不具合の発生時期を推定してもよい。分析部22は、例えばミシン5の故障時期を推定してもよい。分析部22により推定された不具合の発生時期を示す不具合データは、サーバ2から情報端末3に送信される。これにより、作業者Mbは、ミシン5に係る不具合の発生時期を認識することができる。
【0224】
なお、ミシン5のメンテナンス履歴データのみならず、縫製工場Faに存在する、ミシン5とは異なる機器のメンテナンス履歴データがデータベース2Bに記憶されてもよい。上述のように、ミシン5とは異なる機器として、アイロン、プレス機、及び裁断機が例示される。これにより、縫製工場Faに存在する全ての機器のメンテナンス履歴データがデータベース2Bに記憶され、複数の機器を一元管理することができる。
【0225】
上述の実施形態において、分析部22は、ミシンデータDaに基づいて、ミシン5の異常の有無を判定してもよい。ミシン5に異常が有る場合、分析部22は、ミシン5の異常の内容又は異常の箇所を示す異常データを、分析データDbとして複数の情報端末3に配信してもよい。分析部22は、ミシン5の異常データを、縫製工場Fa、サービス会社Fb、縫製対象物会社、縫製糸会社、縫製針会社、及びミシンメーカーFcのそれぞれの情報端末3に配信してもよい。異常データが縫製対象物会社の情報端末3に送信された場合、縫製対象物会社の担当者は、縫製対象物とミシン5の異常との因果関係を解析することができる。また、縫製対象物会社の担当者は、ミシン5の異常を解消するための適切な処置を提案することができる。縫製糸会社の担当者及び縫製針会社の担当者についても同様である。
【符号の説明】
【0226】
1…ミシン管理システム、2…サーバ、2A…制御装置、2B…データベース、2C…通信装置、3…情報端末、3A…制御装置、3B…表示装置、3Ba…第1表示領域、3Bb…第2表示領域、3Bc…第3表示領域、3Bd…第4表示領域、3Be…第5表示領域、3Bf…第6表示領域、3Bg…第7表示領域、3Bh…第8表示領域、3Bi…第9表示領域、3Bj…第10表示領域、3C…入力装置、3D…振動センサ、3E…環境センサ、3F…カメラ、3G…通信装置、4…情報端末、5…ミシン、6…部品、21…ミシンデータ受信部、22…分析部、23…分析データ送信部、31…記憶部、32…データ取得部、33…処理部、34…表示制御部、35…アプリケーションソフトウエア、100…コンピュータシステム、101…プロセッサ、102…メインメモリ、103…ストレージ、104…インターフェース、Db…分析データ、Fa…縫製工場、Fb…サービス会社、Fc…ミシンメーカー、IMa…画像、IMb…画像、Ma…管理者、Mb…作業者、Mc…担当者。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36