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特許7455169モータ、そのモータを備える回転装置及びその回転装置を備えた空調システムを備える車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】モータ、そのモータを備える回転装置及びその回転装置を備えた空調システムを備える車両
(51)【国際特許分類】
   H02K 13/00 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
H02K13/00 V
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022133173
(22)【出願日】2022-08-24
(62)【分割の表示】P 2020191336の分割
【原出願日】2016-09-02
(65)【公開番号】P2022162071
(43)【公開日】2022-10-21
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】平林 晃一郎
(72)【発明者】
【氏名】松村 行真
(72)【発明者】
【氏名】生田 明子
(72)【発明者】
【氏名】黒田 稔
(72)【発明者】
【氏名】イン ボーラー
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和明
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-136294(JP,A)
【文献】実開昭57-163179(JP,U)
【文献】特表2003-527059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
整流子と、
前記整流子の径方向に延在する第1面及び第2面を有する第1導電性ブラシと、
前記第1導電性ブラシが固定された第1端子部と、
前記第1導電性ブラシの第1面に対向する第1面を有する第1壁部を有するブラケットと、
前記第1導電性ブラシの第1面と前記第1壁部の第1面に接触する第1変形部と、
前記整流子の径方向に延在する第1面及び第2面を有する第2導電性ブラシと、
前記第2導電性ブラシが固定された第2端子部と、
前記第2導電性ブラシの第1面に対向する第1面を有する第2壁部を有するブラケットと、
前記第2導電性ブラシの第1面と前記第2壁部の第1面に接触する第2変形部と、
を備え、
前記第1導電性ブラシは前記整流子に接触しており、
前記第1変形部は前記第1導電性ブラシの第1面が延在する方向に延在しており、
前記第1壁部の第1面は、前記第1導電性ブラシの第1面が延在する方向に延在した前記第1変形部に接触する部分を有し、
前記第1導電性ブラシの第1面は、前記第1導電性ブラシの第1面が延在する方向に延在した前記第1変形部に接触する部分を有し、
前記第1壁部の第1面の前記部分は前記第1導電性ブラシの第1面の前記部分に対して傾斜しており、
前記整流子側における前記第1導電性ブラシの第1面の前記部分と前記第1壁部の第1面の前記部分との間にある前記第1変形部の長さは、前記第1端子部側における前記第1導電性ブラシの第1面の前記部分と前記第1壁部の第1面の前記部分との間にある前記第1変形部の長さよりも小さく、
前記第1導電性ブラシの第1面が延在する方向における前記第1変形部の長さは、前記整流子側における前記第1導電性ブラシの第1面の前記部分と前記第1壁部の第1面の前記部分との距離より長く、
前記第2導電性ブラシは前記整流子に接触しており、
前記第2変形部は前記第2導電性ブラシの第1面が延在する方向に延在しており、
前記第2壁部の第1面は、前記第2導電性ブラシの第1面が延在する方向に延在した前記第2変形部に接触する部分を有し、
前記第2導電性ブラシの第1面は、前記第2導電性ブラシの第1面が延在する方向に延在した前記第2変形部に接触する部分を有し、
前記第2壁部の第1面の前記部分は前記第2導電性ブラシの第1面の前記部分に対して傾斜しており、
前記整流子側における前記第2導電性ブラシの第1面の前記部分と前記第2壁部の第1面の前記部分との間にある前記第2変形部の長さは、前記第2端子部側における前記第2導電性ブラシの第1面の前記部分と前記第2壁部の第1面の前記部分との間にある前記第2変形部の長さよりも小さく、
前記第2導電性ブラシの第1面が延在する方向における前記第2変形部の長さは、前記整流子側における前記第2導電性ブラシの第1面の前記部分と前記第2壁部の第1面の前記部分との距離より長い、モータ。
【請求項2】
前記第1変形部は前記整流子の径方向に長く延在しており、
前記第2変形部は前記整流子の径方向に長く延在している、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記第1導電性ブラシの長さに対する、前記第1導電性ブラシの第1面が延在する方向における前記第1変形部の長さは0.4以上であり、
前記第2導電性ブラシの長さに対する、前記第2導電性ブラシの第1面が延在する方向における前記第2変形部の長さは0.4以上である、請求項1又は2に記載のモータ。
【請求項4】
整流子と、
前記整流子に接触する第2面と、当該第2面の反対側にある第1面とを有する第1導電性ブラシと、
前記第1導電性ブラシが固定される部分を有する第1端子部と、
前記第1導電性ブラシと前記第1端子部の部分を収容する第1収容部と、当該第1端子部の他の部分が配置される第1溝部と、を有するブラケットと、
第1変形部と、
を備え、
前記第1端子部は前記第1収容部から前記第1溝部に向かって折れ曲がっており、
前記ブラケットにおいて、前記第1収容部に対して前記整流子側には、前記第1導電性ブラシの第1面側に設けられた第1壁部が、設けられており、
前記第1変形部は、前記第1導電性ブラシの第1面及び前記第1壁部に接触し、
前記第1変形部は、前記第1壁部及び前記第1端子部に接触する、モータ。
【請求項5】
前記整流子に接触する第2面と、当該第2面の反対側にある第1面とを有する第2導電性ブラシと、
前記第2導電性ブラシが固定される部分を有する第2端子部と、
前記第2導電性ブラシと前記第2端子部の部分を収容する第2収容部と、第2端子部の他の部分が配置される第2溝部と、を有するブラケットと、
第2変形部と、
を備え、
前記第2端子部は前記第2収容部から前記第2溝部に向かって折れ曲がっており、
前記ブラケットにおいて、前記第2収容部に対して前記整流子側には、前記第2導電性ブラシの第1面側に設けられた第2壁部が、設けられており、
前記第2変形部は、前記第2導電性ブラシの第1面、前記第2壁部及び前記第2端子部に接触する、請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記第1壁部の第1面は、前記第1導電性ブラシの第1面が延在する方向に延在した前記第1変形部に接触する部分を有し、
前記第1導電性ブラシの第1面は、前記第1導電性ブラシの第1面が延在する方向に延在した前記第1変形部に接触する部分を有し、
前記第1壁部の第1面の前記部分は前記第1導電性ブラシの第1面の前記部分に対して傾斜しており、
前記整流子側における前記第1導電性ブラシの第1面の前記部分と前記第1壁部の第1面の前記部分との間にある前記第1変形部の長さは、前記第1端子部側における前記第1導電性ブラシの第1面の前記部分と前記第1壁部の第1面の前記部分との間にある前記第1変形部の長さよりも小さく、
前記第1導電性ブラシの第1面が延在する方向における前記第1変形部の長さは、前記整流子側における前記第1導電性ブラシの第1面の前記部分と前記第1壁部の第1面の前記部分との距離より長い、請求項4又は5に記載のモータ。
【請求項7】
整流子と、
前記整流子に接触する第2面と、当該第2面の反対側にある第1面とを有する導電性ブラシと、
前記導電性ブラシが固定される一部分と、他の部分と、を有する端子部と、
前記導電性ブラシと前記端子部の一部分を収容する収容部と、当該端子部の他の部分が配置される溝部と、を有するブラケットと、
変形部と、
を備え、
前記端子部は前記収容部から前記溝部に向かって折れ曲がっており、
前記ブラケットにおいて、前記収容部に対して前記整流子側には、前記導電性ブラシの第1面側に設けられた第1壁部が、設けられており、
前記変形部は、前記導電性ブラシの第1面及び前記第1壁部に接触し
前記変形部は、前記端子部の一部分及び前記収容部に接触している、モータ。
【請求項8】
形部、第1変形部又は第2変形部は、ゲル又はグリスを含んでいる、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項9】
アマチュアと、
フレーム部と、
前記フレーム部に設けられたマグネットと、を備え、
前記フレーム部は、前記アマチュアの回転軸を外部に導出する孔部が設けられた底部と、
前記底部と反対側に開口部を有する前記アマチュアの外周を覆う側壁部と、を有し、
前記マグネットが、前記フレーム部の前記側壁部の前記アマチュアに対向する内壁面に設けられており、
前記ブラケットが前記フレーム部の前記開口部に取り付けられている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のモータと、
前記モータの回転を外部に出力する出力ギアを含む複数のギアと、
複数の前記ギア及び前記モータを収容する筐体と、を備えている回転装置。
【請求項11】
請求項10に記載の回転装置と、
前記回転装置によって制御されるルーバーと、を備えている空調システムを有している車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモータ、そのモータを備える回転装置及びその回転装置を備えた空調システムを備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、車両用空調システムの空気を流す空気通路の途中に設けられた複数のドア(ルーバー)の駆動を行うモータアクチュエータ(回転装置)が開示されている。
このような回転装置では、モータの回転軸の回転を複数のギアを介して出力することでルーバーの回動制御が行われている。
【0003】
一方、特許文献2には、モータの機械ノイズの低減のために、ブラシ付きモータのブラシにダンパー部材を設けたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015―220969号公報
【文献】特開2008-22619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、車両内環境は静音性が高まる傾向にあるが、電気自動車等のモータで駆動する車両に関しては、内燃機関の発する騒音も出ないので車内における静音性が著しく高くなっている。
【0006】
このように静音性が高くなると、内燃機関を搭載した自動車の車内において、それほど気になっていなかった音であっても、その音が車内で目立つようになるため、各種の部品においても、これまで以上に高い静音性が求められるようになると考えられる。
【0007】
そして、回転装置の騒音の発生源の1つは、モータであるが、従来のモータに比較してよりモータの騒音を低減したモータを用いることで一層の静音性の向上を図ることができる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、騒音を低減したモータ、そのモータを備える回転装置及びその回転装置を備えた空調システムを備える車両を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明のモータは、整流子を有するアマチュアと、前記整流子に接触する導電性ブラシと、前記導電性ブラシが設けられるブラケットと、前記ブラケットに設けられ、前記導電性ブラシの第1面に沿って前記整流子側に延在する第1面を有する第1壁部と、前記導電性ブラシの第1面と前記第1壁部の第1面の両方の面に接触するとともに、前記導電性ブラシの動きに応じて変形する第1変形部と、を備えている。
【0010】
(2)上記(1)の構成において、前記第1変形部は、前記導電性ブラシの第1面と前記第1壁部の第1面の両方の面に常時、接触している。
【0011】
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記第1壁部の第1面は、前記導電性ブラシの第1面と平行な面である。
【0012】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つの構成において、前記第1変形部が、前記導電性ブラシの第1面に固定されたゴム部材を含んでいる。
【0013】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つの構成において、前記第1変形部は、ゲル又はグリスを含んでいる。
【0014】
(6)上記(1)から(3)のいずれか1つの構成において、前記第1変形部は、ゲル又はグリスである。
【0015】
(7)上記(1)から(6)のいずれか1つの構成において、前記ブラケットに設けられ、前記導電性ブラシの第1面の反対側に位置する第2面に沿って前記整流子側に延在する第2面を形成する第2壁部と、前記導電性ブラシの第2面と前記第2壁部の第2面の両方の面に接触するとともに、前記導電性ブラシの動きに応じて変形する第2変形部と、を備えている。
【0016】
(8)上記(7)の構成において、前記第2変形部は、前記導電性ブラシの第2面と前記第2壁部の第2面の両方の面に常時、接触している。
【0017】
(9)上記(7)又は(8)の構成において、前記第2壁部の第2面は、前記導電性ブラシの第2面と平行な面である。
【0018】
(10)上記(7)から(9)のいずれか1つの構成において、前記第2変形部が前記導電性ブラシの第2面に固定されたゴム部材を含んでいる。
【0019】
(11)上記(7)から(10)のいずれか1つの構成において、前記第2変形部がゲル又はグリスを含んでいる。
【0020】
(12)上記(7)から(11)のいずれか1つの構成において、前記整流子に接触する一対の前記導電性ブラシと、それぞれの前記導電性ブラシに対応して設けられた2つの前記第1壁部と、それぞれの前記導電性ブラシに対応して設けられた2つの前記第1変形部と、それぞれの前記導電性ブラシに対応して設けられた2つの前記第2壁部と、それぞれの前記導電性ブラシに対応して設けられた2つの前記第2変形部と、を備えている。
【0021】
(13)上記(1)から(12)のいずれか1つの構成において、前記ブラケットは、孔部を有し、前記孔部を通じて外部に導出される端子と前記端子に繋がり一端側が折り曲げられた第1端部とを有する端子部を備え、前記整流子側と反対側にある前記導電性ブラシの端部は、前記端子部の前記第1端部に固定されており、前記ブラケットは、前記端子部の前記第1端部の一部を収容する収容部を有し、前記収容部と前記端子部の前記第1端部の間の隙間に、前記収容部と前記端子部の前記第1端部の一端側の両方に接触するゲル又はグリスが設けられている。
【0022】
(14)上記(1)から(13)のいずれか1つの構成において、フレーム部と、前記フレーム部に設けられたマグネットと、を備え、前記フレーム部は、前記アマチュアの回転軸を外部に導出する孔部が設けられた底部と、前記底部に繋がり、前記底部と反対側に開口部を有する前記アマチュアの外周を覆う側壁部と、を有し、前記マグネットが、前記フレーム部の前記側壁部の前記アマチュアに対向する内壁面に設けられており、前記ブラケットが前記フレーム部の前記開口部に取り付けられている。
【0023】
(15)上記(1)から(14)のいずれか1つの構成において、前記導電性ブラシの前記第1面は、前記整流子に接触する面と反対側に位置する面である。
【0024】
(16)本発明の回転装置は、上記(1)から(15)のいずれか1つの構成を有するモータと、前記モータの回転を外部に出力する出力ギアを含む複数のギアと、複数の前記ギア及び前記モータを収容する筐体と、を備えている。
【0025】
(17)本発明の車両は、上記(16)の構成を有する回転装置と、前記回転装置によって制御されるルーバーと、を備えている空調システムを有している。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、騒音を低減したモータ、そのモータを備える回転装置及びその回転装置を備えた空調システムを備える車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係る第1実施形態のモータの斜視図である。
図2】本発明に係る第1実施形態のモータの分解斜視図である。
図3】本発明に係る第1実施形態のアマチュアの斜視図である。
図4】本発明に係る第1実施形態のブラケットの分解斜視図である。
図5】本発明に係る第1実施形態のブラケットの斜視図である。
図6】本発明に係る第1実施形態のモータが駆動しているときの第2変形部の状態を説明する図であり、(a)はブラケットをフレーム部側から見た平面図であり、(b)は(a)の点線領域A1の拡大図である。
図7】本発明に係る第1実施形態のモータが駆動しているときの第2変形部の状態を説明する図であり、(a)はブラケットをフレーム部側から見た平面図であり、(b)は(a)の点線領域A2の拡大図である。
図8】本発明に係る第2実施形態のブラケットの斜視図である。
図9】本発明に係る実施形態の回転装置を示す斜視図である。
図10】本発明に係る実施形態の回転装置の第1筐体を取り外した斜視図である。
図11】本発明に係る実施形態の回転装置の第2筐体の第2面部側を見た斜視図である。
図12】本発明に係る実施形態の回転装置を備える空調システムを説明するための概略図である。
図13図10の空調システムを備えた車両を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0029】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る第1実施形態のモータ10の斜視図であり、図2は本発明に係る第1実施形態のモータ10の分解斜視図である。
【0030】
図2に示すように、モータ10は、フレーム部20と、フレーム部20内に設けられた複数のマグネット(図示せず)と、アマチュア30と、ブラケット40と、を備えている。
【0031】
(フレーム部)
図2に示すように、フレーム部20は、アマチュア30の回転軸31を外部に導出する孔部21aが設けられた底部21と、底部21に繋がり、底部21と反対側に開口部22aを有するアマチュア30の外周を覆う側壁部22と、を有している。
【0032】
なお、ブラケット40は、フレーム部20の開口部22aを塞ぐように、フレーム部20の開口部22aに取り付けられる。
また、本実施形態では、フレーム部20の側壁部22は、角部が湾曲した四角柱状の外形になっているが、外形は必要に応じて変更してもよい。
【0033】
そして、フレーム部20の側壁部22のアマチュア30に対向する内壁面には、複数のマグネットがアマチュア30から離間して配置されている。
また、フレーム部20の底部21には、回転軸31方向の外側に突出するように形成された軸受部21bが設けられている。
【0034】
この軸受部21bの中央には、回転軸31を導出する孔部21aが設けられている。
そして、軸受部21bの内部には、回転軸31を回転可能に支持する軸受が収納されている。
【0035】
(アマチュア)
図2に示すように、アマチュア30は、コア32と、コア32に巻回されるコイル(図示せず)と、コア32に固定された回転軸31と、を備えている。
回転軸31は、コア32を貫通するようにコア32の中央に配置されている。
なお、コア32は、回転軸31方向に複数の金属板が積層一体化された構成を有している。
これら複数の金属板として、例えば電磁鋼板などが挙げられる。
【0036】
図3は、アマチュア30の斜視図である。
図3に示すように、アマチュア30は、回転軸31の外周面に沿って周方向に設けられた整流子33を備えている。
整流子33は、回転軸31のモータ10の外部に導出される一方の端部と反対側に位置する他方の端部側に設けられた複数の板金33aを有している。
【0037】
そして、コア32の各ポール32aに巻回されたコイル(図示せず)の端部が、整流子33の板金33aに半田等で接続されている。
なお、この整流子33の位置よりも他方側に位置する回転軸31の他端部31aは、後述するブラケット40に設けられる軸受41に回転可能に支持される。
【0038】
(ブラケット)
図4はブラケット40の分解斜視図である。
図4に示すように、ブラケット40は、ブラケット本体40aと、軸受プレート40bと、を備えている。
ブラケット本体40aは底部40abを備え、この底部40abはフレーム部20側と反対側に位置する。
この軸受プレート40bは、底部40abの外側に取り付けられている。
【0039】
軸受プレート40bには、中央に軸受部40baが設けられ、軸受部40baはブラケット本体40aと反対側に突出している。
そして、軸受41が軸受部40ba内に収容され、ブラケット本体40aに軸受プレート40bが取り付けられて一体化されることで、軸受41を備えたブラケット40になっている。
【0040】
また、ブラケット40は、一対の導電性ブラシ(導電性ブラシ42及び導電性ブラシ43)と、導電性ブラシのそれぞれが取り付けられる一対の端子部(端子部44及び端子部45)を備えている。
【0041】
この端子部44及び端子部45は、後述する第1端部44bの一端部44ba側及び第1端部45bの一端部45ba側の折り曲げ方向が反対向きである対称な形状になっている点が異なるだけで、基本的な構成は同じである。
具体的には、端子部44は、外部に導出される端子44aと、端子44aに繋がり一端部44ba側が折り曲げられた第1端部44bと、を備えている。
端子44aは外部と電気的に接続される部位である。
【0042】
端子部45も、外部に導出される端子45aと、端子45aに繋がり一端部45ba側が折り曲げられた第1端部45bと、を備えている。
端子45aは外部と電気的に接続される部位である。
【0043】
図5は、ブラケット40の斜視図である。
図4に示すように、ブラケット本体40aには、端子部44の端子44aが挿入される溝部46が設けられており、この溝部46の底部には、端子44aを導出する孔部が設けられている。
この溝部46の底部は、軸受プレート40bと対向している。
そして、軸受プレート40bには、端子部44の端子44aに対応した開口部48が設けられている。
この開口部48は、端子44aと対向する位置に配置されている。
【0044】
このため、図5に示すように、導電性ブラシ42が固定された端子部44の端子44aをブラケット本体40aの溝部46内に挿入すると、溝部46の底部の孔部を通じて端子44aが外部に導出できるようになっている。
【0045】
同様に、ブラケット本体40aには、図4示すように、端子部45の端子45aが挿入される溝部47が設けられており、この溝部47の底部には、端子45aを導出する孔部が設けられている。
そして、軸受プレート40bには、端子部45の端子45aに対応した開口部49が設けられている。
この開口部49は、端子45aと対向する位置に配置されている。
【0046】
このため、図5に示すように、導電性ブラシ43が固定された状態の端子部45の端子45aをブラケット本体40aの溝部47内に挿入すると、溝部47の底部の孔部を通じて端子45aが外部に導出できるようになっている。
【0047】
なお、図5に示す軸受41の近傍の位置には、アマチュア30の整流子33が位置する。
したがって、図4及び図5を見るとわかるように、径方向において、整流子33側と反対側にある導電性ブラシ42の端部が、端子部44の第1端部44bの一端側に固定されている。
詳細に言えば、導電性ブラシ42の端部が、第1端部44bの一端部44baに固定されており、この一端部44baは第1端部44bの一端側の一部分である。
同様に、導電性ブラシ43も、整流子33側と反対側にある導電性ブラシ43の端部が、端子部45の第1端部45bの一端部45baに固定されており、この一端部45baは第1端部45bの一端側の一部分である。
【0048】
このような構成を有するモータ10の動作について説明しながら、更に詳細な構成について説明する。
端子部44及び端子部45を通して電力が供給されると、導電性ブラシ42及び導電性ブラシ43に接触している整流子33の板金33aを介してコイルに電流が供給される。
【0049】
そうすると、ポール32a(図3参照)がコイルの巻方向に応じてN極又はS極に励磁され、フレーム部20内に設けられたマグネットの磁力との間で、引き合いが発生し、アマチュア30が回転する。
【0050】
そして、アマチュア30の回転に伴って整流子33も回転し、導電性ブラシ42及び導電性ブラシ43は、先ほど接触していた整流子33の板金33aとは異なる板金33aと接触するようになる。
【0051】
これによって、導電性ブラシ42及び導電性ブラシ43に、新たに接触した整流子33の板金33aに接続されているコイルに電流が供給され、その電流が供給されたコイルに対応するポール32aがコイルの巻方向に応じてN極又はS極に励磁される。
【0052】
そうすると、再び、フレーム部20内に設けられたマグネットの磁力との間で、引き合いが発生し、アマチュア30が回転する。
これを繰り返すことでモータ10の回転軸31が回転し続けることになる。
【0053】
ここで、導電性ブラシ42及び導電性ブラシ43が、今まで接触していた整流子33の板金33aから別の板金33aに接触するときに、導電性ブラシ42及び導電性ブラシ43には、振動が発生し、騒音の原因となる。
【0054】
そこで、本実施形態では、導電性ブラシ42の振動を抑制するために第1変形部72及び第2変形部70を設け、導電性ブラシ43の振動を抑制するために第1変形部73及び第2変形部71を設けており、以下、これら変形部に関連する構成について詳細に説明する。
【0055】
(第2変形部70)
図4及び図5に示すように、ブラケット40は、第2壁部60を備えている。
この第2壁部60は、ブラケット本体40aに設けられている。
また、第2壁部60は、導電性ブラシ42の整流子33に接触する面である第2面42aに沿って、整流子33側(ブラケット40の中央側)に延在する第2面60aを有する。
なお、本実施形態において、この第2壁部60の第2面60aは、導電性ブラシ42の第2面42aと平行な面となるように形成されている。
第2壁部60の第2面60aは導電性ブラシ42の第2面42aに平行な面であることに限定されず、導電性ブラシ42の第2面42aに対して傾斜していても構わない。
【0056】
そして、モータ10は、図5に示すように、導電性ブラシ42の第2面42aと第2壁部60の第2面60aの間に、これら両方の面(第2面42a及び第2面60a)に常時接触(常時密着)するように設けられた第2変形部70を備えている。
【0057】
なお、ここでいう常時接触(常時密着)とは、モータ10が使用できなくなるまで接触(密着)状態が保たれることを意味するものではない。
つまり、長期間、モータ10が使用され続けるうちに、第2変形部70と第2面42aとの間に剥離が発生したり、第2変形部70と第2面60aとの間に剥離が発生することはあり得る。
したがって、常時接触(常時密着)とは、剥離等の特異な状況が発生しない間は、常に接触(密着)しているという意味であると解されるべきであり、永遠に接触(密着)し続けるという意味に解されるべきでない点に留意されたい。
【0058】
具体的には、第2変形部70は、導電性ブラシ42の第2面42aに固定された平板状のゴム部材70aと、ゲル又はグリスである緩衝部材70bと、を備えている。
なお、第2変形部70は、ゴム部材70aと緩衝部材70bを有するものに限定される必要はなく、例えば、第2変形部70は、緩衝部材70bだけで構成されていてもよい。
【0059】
例えば、ゴム部材70aは、振動を抑制する観点で、JIS K6253に従ったゴム硬度(ショアA硬度)が25以上60以下であることが好ましい。
また、緩衝部材70bに用いるゲルとしては、2液性硬化タイプ、紫外線硬化タイプ及び熱硬化タイプ等であってよく、振動を抑制する観点で、ゲルの硬度は、ASTM D 2240に従ったタイプ00の硬度で30以上70以下が好ましい。
さらに、緩衝部材70bに用いるグリスは、振動を抑制する観点で、稠度が5号以上で60以上165以下が好ましい。
【0060】
なお、上記のような硬度のゲルや稠度のグリスを用いることで緩衝部材70bの流動性を抑えつつ、良好に振動を抑制することができる柔らかさを持った緩衝部材70bとすることができる。ここで、柔らかさとは、例えば、粘性を持つこと、又は弾性を持っていること、などが挙げられる。
【0061】
このような第2変形部70が導電性ブラシ42の第2面42aと第2壁部60の第2面60aの間に両方の面に常時接触するように設けられていると、導電性ブラシ42が整流子33から離れる方向に動こうとする動きを、第2変形部70が吸収するように柔らかく変形又は変改して引き留めようとするとともに、それによる導電性ブラシ42の振動を大幅に低減し、騒音の発生を抑制することができる。
【0062】
図6を参照しながら、モータ10が駆動しているときの第2変形部70の状態について、より詳細に説明する。
図6はモータ10が駆動しているときの第2変形部70の状態を説明する図であり、図6(a)はブラケット40をフレーム部20側から見た平面図であり、図6(b)は図6(a)の点線領域A1の拡大図である。
なお、図6では、アマチュア30に設けられている整流子33の板金33aも併せて図示している。
【0063】
モータ10が駆動し、導電性ブラシ42が振動すると、例えば、図6(b)に示すように、導電性ブラシ42の第2面42aが、矢印m1で示すように、実線で示す位置から点線で示す位置に変位することが起きる。
このとき、第2変形部70は、導電性ブラシ42の動きに応じて変形することになる。
【0064】
具体的には、図6(b)に示すように、ゴム部材70aが、矢印m2で示すように動くとともに、そのゴム部材70aの動きに合わせるように、緩衝部材70bの形状が斜線で示すハッチングの状態から、クロスハッチングの状態へと変化する。具体的には、緩衝部材70bの形状は、第2壁部60の第2面60aが延在する方向又は導電性ブラシ42の第2面42aが延在する方向であって、整流子33に向けて変形する。
すなわち、緩衝部材70bの一部が、緩衝部材70bがない導電性ブラシ42の第2面42aと第2壁部60の第2面60aとの間に形成された空間へと逃げる(突出する)。
なお、ゴム部材70aもゴム硬度が小さい場合、緩衝部材70bと同様にゴム部材70aの形状は変形しやすい。
【0065】
この緩衝部材70bの形状変化は、第2変形部70が導電性ブラシ42の第2面42aと第2壁部60の第2面60aの両面に接触して挟まれている状態であることによって起きる現象である。
つまり、第2変形部70が導電性ブラシ42の第2面42aに接触していても、第2壁部60の第2面60a側がフリーであるとすれば、第2変形部70に対して圧縮力が加わることがないため、第2変形部70の形状変化は極めて微小である。
【0066】
そして、第2変形部70が圧縮され、形状が変化するのに伴って、導電性ブラシ42に対しては、導電性ブラシ42の動きを止めようとする反力が働くことになる。
このため、導電性ブラシ42の動きが抑制される。
なお、第2変形部70を形成する材料によっては、弾性だけでなく粘性も有するため、この第2変形部70が圧縮され、形状が変化するのに伴って、導電性ブラシ42の動こうとする力を吸収する作用も同時に発生する。
【0067】
一方、導電性ブラシ42が逆の動きをする場合、つまり、導電性ブラシ42の第2面42aが図6(b)に示す点線の位置から矢印m1と反対方向に動き、実線で示す位置に動こうとする場合には、第2変形部70の形状が変化する。
具体的には、緩衝部材70bの形状は、第2壁部60の第2面60aが延在する方向又は導電性ブラシ42の第2面42aが延在する方向であって、導電性ブラシ44の根本F1に向けて変形する。
すなわち、緩衝部材70bの一部が、緩衝部材70bがある導電性ブラシ42の第2面42aと第2壁部60の第2面60aとの間に形成された空間へと戻る。
【0068】
ここで、第2変形部70は、ばねのような弾性体ではないため、自らの弾性力ですぐさま元の形状に戻ることはなく、導電性ブラシ42が実線で示す位置に動こうとするときの第2変形部70の形状の変化は、主に、導電性ブラシ42の撓みにより発生する力(復元力)に起因する。
【0069】
そして、導電性ブラシ42の矢印m1と反対方向の動きにより、第2変形部70が第2壁部60から導電性ブラシ44へ向かう方向に引っ張られる。
この引っ張りにより、第2変形部70の形状が変化するのに伴って、導電性ブラシ42に対しては、第2変形部70による、導電性ブラシ42の第2壁部60の第2面60a側から離れる方向への動きを引き留めようとする反力が働くことになる。
また、この第2変形部70の形状変化に伴って、導電性ブラシ42の動こうとする力を吸収(低減)する作用も同時に発生する。
【0070】
なお、この反力すなわち引き止め作用も第2変形部70が導電性ブラシ42の第2面42aと第2壁部60の第2面60aの両面に接触していることによって起きる現象であり、第2変形部70が第2壁部60の第2面60aに接触していなければ、第2変形部70は導電性ブラシ42とともに同じように動くことになる。
【0071】
このように、第2変形部70は、導電性ブラシ42が、図6(b)に示す実線の位置から点線の位置に動こうとするときにも、逆に、点線の位置から実線の位置に動こうとするときにも、導電性ブラシ42の動きを抑制するように作用する。
【0072】
そして、導電性ブラシ42が振動するとは、導電性ブラシ42が図6(b)に示す実線の位置と点線の位置の間を繰り返し移動することであるが、第2変形部70は、上述のように、導電性ブラシ42がどちらの位置に向かう場合にも、その動きを抑制するように作用し、導電性ブラシ42の振動を抑制する。
【0073】
ところで、形状が変化する前の体積をTとし、圧縮又は引っ張りによって形状が変化した部分の体積をΔTとし、形状変化率VCをΔT/Tとすると、形状の変化に伴う振動を抑制できる度合いは形状変化率VCが大きいほうが高い。
このことから、形状変化率VCを大きくするために、モータ10を駆動させる前の状態で設定される第2変形部70の体積を小さくすることが好ましい。
【0074】
そして、図6(b)を見るとわかるように、第2変形部70は、導電性ブラシ42の第2面42aと第2壁部60の第2面60aの両面に接触するように設けられるので、第2変形部70の体積は、導電性ブラシ42の第2面42aと第2壁部60の第2面60aの間の距離によって調整することになる。
【0075】
具体的には、モータの大きさによって、使用される導電性ブラシの長さ等が変わることから第2変形部70を適切な体積にするための導電性ブラシ42の第2面42aと第2壁部60の第2面60aの間の距離の設定は、導電性ブラシ42の長さに基づいて行われることが好ましい。
【0076】
このため、端子部44側の導電性ブラシ42の根本(図6(b)の導電性ブラシ42の端子部44の支えがなくなる位置F1参照))から導電性ブラシ42の整流子33に接触する位置F11(図6(a)参照)までの長さを1としたときに、0.5以下となるように導電性ブラシ42の第2面42aと第2壁部60の第2面60aの間の距離(以下、第1距離ともいう)が設定されていることが好ましく、0.3以下に設定されていることがより好ましい。
そして、導電性ブラシ42の第2面42aと第2壁部60の第2面60aの間の第1距離が所定の距離となるように、第2壁部60をブラケット本体40aに設けるようにすればよい。
【0077】
なお、この第1距離は、整流子33に導電性ブラシ42を接触させず、ほぼ真直ぐに延びている導電性ブラシ42に対して、第2壁部60の第2面60aに沿った各点から垂線を引いたときの導電性ブラシ42の第2面42aと第2壁部60の第2面60aの間の距離を求め、その求めた距離のうち最も長い距離のことである。
【0078】
一方、第1距離が短すぎると第2変形部70が十分に変形できなくなる場合があることから、第1距離は、0.1以上に設定されていることが好ましく、0.2以上に設定されていることがより好ましい。
【0079】
さらに、第2変形部70は、導電性ブラシ42の第2面42aに沿ってある程度の長さで設けられることが好適であり、そのために第2壁部60の第2面60aが導電性ブラシ42の第2面42aに沿ってある程度の長さ分設けられることが好ましい。
【0080】
具体的には、端子部44側の導電性ブラシ42の根本(図6(b)の位置F1参照))から導電性ブラシ42の整流子33に接触する位置F11(図6(a)参照)までの長さを1としたときに、端子部44側の導電性ブラシ42の根本から整流子33側に0.4以上となる導電性ブラシ42上の点に対して、第2壁部60の第2面60aの点から垂線が引ける程度に、第2面60aが整流子33側に延在していることが好ましい。
なお、このときも整流子33に導電性ブラシ42を接触させず、ほぼ真直ぐに延びている導電性ブラシ42に対して垂線を引くものとする。
【0081】
つまり、第2壁部60の第2面60aの最も整流子33側に近い位置G2(図6(b)参照)から導電性ブラシ42に垂線を引いたときに、その垂線と導電性ブラシ42の交わる交点が、端子部44側の導電性ブラシ42の根本(図6(b)の位置F1参照))からの長さで0.4以上の位置となるように第2壁部60の第2面60aが設けられていることが好ましい。
このようにしておけば、端子部44側の導電性ブラシ42の根本から整流子33側に向かって0.4以上の範囲に対応した第2面60aが設けられることになるため、その0.4以上の範囲にわたって第2変形部70を設けるようにすることができる。
【0082】
(第2変形部71)
ブラケット40は、ブラケット本体40aに設けられ、導電性ブラシ43の整流子33に接触する面である第2面43aに沿って、整流子33側(ブラケット40の中央側)に延在する第2面61aを有する第2壁部61を備えている。
なお、この第2壁部61の第2面61aは、導電性ブラシ43の第2面43aと平行な面となるように形成されている。
第2壁部61の第2面61aは導電性ブラシ43の第2面43aに平行な面であることに限定されず、導電性ブラシ43の第2面43aに対して傾斜していても構わない。
【0083】
そして、モータ10は、導電性ブラシ43の第2面43aと第2壁部61の第2面61aの間に、これら両方の面(第2面43a及び第2面61a)に常時接触(常時密着)するように設けられた第2変形部71を備えている。
【0084】
なお、ここでいう常時接触(常時密着)も、第2変形部70のところで説明したとおり、モータ10が使用できなくなるまで接触(密着)状態が保たれることを意味するものではなく、モータ10が使用され続けるうちに、第2変形部71と第2面43aとの間に剥離が発生したり、第2変形部71と第2面61aとの間に剥離が発生するような特異な状況が発生しない間は、常に接触(密着)しているという意味であり、永遠に接触(密着)し続けるという意味に解されるべきでない点に留意されたい。
【0085】
具体的には、第2変形部71は、導電性ブラシ43の第2面43aに固定された平板状のゴム部材71aと、ゲル又はグリスである緩衝部材71bと、を備えている。
なお、第2変形部71は、ゴム部材71aと緩衝部材71bを有するものに限定される必要はなく、例えば、第2変形部71は、緩衝部材71bだけで構成されていてもよい。
【0086】
例えば、ゴム部材71aは、先ほどと同様に、振動を抑制する観点で、JIS K6253に従ったゴム硬度(ショアA硬度)が25以上60以下であることが好ましい。
また、緩衝部材71bに用いるゲルとしては、2液性硬化タイプ、紫外線硬化タイプ及び熱硬化タイプ等であってよく、振動を抑制する観点で、ゲルの硬度は、ASTM D 2240に従ったタイプ00の硬度で30以上70以下が好ましい。
さらに、緩衝部材71bに用いるグリスは、振動を抑制する観点で、稠度が5号以上で60以上165以下が好ましい。
【0087】
なお、上記のような硬度のゲルや稠度のグリスを用いることで緩衝部材71bの流動性を抑えつつ、良好に振動を抑制することができる柔らかさを持った緩衝部材71bとすることができる。
【0088】
このような第2変形部71が導電性ブラシ43の第2面43aと第2壁部61の第2面61aの間に両方の面に常時接触するように設けられていると、導電性ブラシ43が整流子33から離れる方向に動こうとする動きを、第2変形部71が吸収するように柔らかく変形又は変改して引き留めようとするとともに、それによる導電性ブラシ43の振動を大幅に低減し、騒音の発生を抑制することができる。
【0089】
この第2変形部71は、導電性ブラシ43に対して、導電性ブラシ42に対する第2変形部70と同様の作用を奏する部分であるため、モータ10が駆動しているときの第2変形部71の状態は、第2変形部70で説明したのと同様である。
【0090】
したがって、詳細な説明に関しては省略するが、第2変形部71においても、端子部45側の導電性ブラシ43の根本(図6(a)の導電性ブラシ43の端子部45の支えがなくなる位置F2参照))から導電性ブラシ43の整流子33に接触する位置F21(図6(a)参照)までの長さを1としたときに、0.5以下となるように導電性ブラシ43の第2面43aと第2壁部61の第2面61aの間の距離(以下、第1距離ともいう)が設定されていることが好ましく、0.3以下に設定されていることがより好ましい。
そして、導電性ブラシ43の第2面43aと第2壁部61の第2面61aの間の第1距離が所定の距離となるように、第2壁部61をブラケット本体40aに設けるようにすればよい。
【0091】
なお、この第1距離も第2変形部70で説明した第1距離と同様に、整流子33に導電性ブラシ43を接触させず、ほぼ真直ぐに延びている導電性ブラシ43に対して、第2壁部61の第2面61aに沿った各点から垂線を引いたときの導電性ブラシ43の第2面43aと第2壁部61の第2面61aの間の距離を求め、その求めた距離のうち最も長い距離のことである。
【0092】
また、第2変形部70の第1距離で説明したのと同様に、第2変形部71に対応する第1距離も距離が短いと、第2変形部71が十分に変形できなくなる場合があることから、この第2変形部71に対応する第1距離も、0.1以上に設定されていることが好ましく、0.2以上に設定されていることがより好ましい。
【0093】
さらに、第2変形部71が、導電性ブラシ43の第2面43aに沿ってある程度の長さで設けられるようにするために、第2変形部70で説明したのと同様に、端子部45側の導電性ブラシ43の根本(図6(a)の位置F2参照))から導電性ブラシ43の整流子33に接触する位置F21(図6(a)参照)までの長さを1としたときに、端子部45側の導電性ブラシ43の根本から整流子33側に0.4以上となる導電性ブラシ43上の点に対して、第2壁部61の第2面61aの点から垂線が引ける程度に、第2面61aが整流子33側に延在していることが好ましい。
なお、このときも整流子33に導電性ブラシ43を接触させず、ほぼ真直ぐに延びている導電性ブラシ43に対して垂線を引くものとする。
【0094】
そして、このようにすることで、第2変形部71においても第2変形部70と同様に、端子部45側の導電性ブラシ43の根本から整流子33側に向かって0.4以上の範囲に対応した第2面61aが設けられることになるため、その0.4以上の範囲にわたって第2変形部71を設けるようにすることができる。
【0095】
(第1変形部72)
図5に示すように、ブラケット40は、ブラケット本体40aに設けられ、導電性ブラシ42の第2面42aの反対側に位置する第1面42bに沿って、整流子33側(ブラケット40の中央側)に延在する第1面62aを形成する第1壁部62を備えている。
なお、この第1壁部62の第1面62aは、導電性ブラシ42の第1面42bと平行な面となるように形成されている。
【0096】
そして、モータ10は、図5に示すように、導電性ブラシ42の第1面42bと第1壁部62の第1面62aの間に両方の面に常時接触(常時密着)するように設けられた、ゲル又はグリスで形成される第1変形部72を備えている。
【0097】
なお、ここでいう常時接触(常時密着)も、第2変形部70のところで説明したとおり、モータ10が使用できなくなるまで接触(密着)状態が保たれることを意味するものではなく、モータ10が使用され続けるうちに、第1変形部72と第1面42bとの間に剥離が発生したり、第1変形部72と第1面62aとの間に剥離が発生するような特異な状況が発生しない間は、常に接触(密着)しているという意味であり、永遠に接触(密着)し続けるという意味に解されるべきでない点に留意されたい。
【0098】
例えば、第1変形部72を形成するゲルとしては、2液性硬化タイプ、紫外線硬化タイプ及び熱硬化タイプ等であってよく、振動を抑制する観点で、ゲルの硬度は、ASTM D 2240に従ったタイプ00の硬度で30以上70以下が好ましい。
また、第1変形部72を形成するグリスは、振動を抑制する観点で、稠度が5号で60以上165以下が好ましい。
【0099】
なお、第1変形部72を、第2変形部70と同様に、JIS K6253に従ったゴム硬度(ショアA硬度)が25以上60以下であるゴム部材を含むものとして構成してもよい。
【0100】
そして、上記のような硬度のゲルや稠度のグリスを用いることで、第1変形部72の流動性を抑えつつ、良好に振動を抑制することができる柔らかさを持った第1変形部72とすることができる。
【0101】
このような第1変形部72が導電性ブラシ42の第1面42bと第1壁部62の第1面62aの間に両方の面に常時接触するように設けられていると、導電性ブラシ42が整流子33から離れる方向に動こうとする力を吸収するように、第1変形部72が柔らかく変形又は変改して、大幅に騒音の発生を低減することができる。
【0102】
図7を参照しながら、モータ10が駆動しているときの第1変形部72の状態について、より詳細に説明する。
図7はモータ10が駆動しているときの第1変形部72の状態を説明する図であり、図7(a)はブラケット40をフレーム部20側から見た平面図であり、図7(b)は図7(a)の点線領域A2の拡大図である。
なお、図7では、アマチュア30に設けられている整流子33の板金33aも併せて図示している。
【0103】
モータ10が駆動し、導電性ブラシ42が振動すると、例えば、図7(b)に示すように、導電性ブラシ42の第1面42bが、矢印m3で示すように、実線で示す位置から点線で示す位置に変位することが起きる。
このとき、第1変形部72は、導電性ブラシ42の動きに応じて変形することになる。
【0104】
具体的には、図7(b)に示すように、導電性ブラシ42が、矢印m3で示すように動くのに合わせるように、第1変形部72の形状が斜線で示すハッチングの状態からクロスハッチングの状態へと変化する。
具体的には、第1変形部72の形状は、第1壁部62の第2面62aが延在する方向又は導電性ブラシ42の第1面42bが延在する方向であって、整流子33に向けて変形する。
すなわち、第1変形部72の一部が、第1変形部72がない導電性ブラシ42の第1面42bと第1壁部62の第1面62aとの間に形成された空間へと逃げる(突出する)。
【0105】
この第1変形部72の形状変化は、第1変形部72が導電性ブラシ42の第1面42bと第1壁部62の第1面62aの両面に接触して挟まれている状態であることによって起きる現象である。
つまり、第1変形部72が導電性ブラシ42の第1面42bに接触していても、第1壁部62の第1面62a側がフリーであるとすれば、第1変形部72に対して圧縮力が加わることがないため、第1変形部72の形状変化は極めて微小である。
【0106】
そして、第1変形部72が圧縮され、形状が変化するのに伴って、導電性ブラシ42に対しては、導電性ブラシ42の動きを止めようとする反力が働くことになる。このため、導電性ブラシ42の動きが抑制される。
なお、第1変形部72を形成する材料は、弾性だけでなく粘性も有するため、この第1変形部72が圧縮され、形状が変化するのに伴って、導電性ブラシ42の動こうとする力を吸収する作用も同時に発生する。
【0107】
一方、導電性ブラシ42が逆の動きをする場合、つまり、導電性ブラシ42の第1面42bが図7(b)に示す点線の位置から矢印m3と反対方向に動き、実線で示す位置に動こうとする場合には、第1変形部72の形状が変化することになる。
具体的には、第1変形部72の形状は、第1壁部62の第1面62aが延在する方向又は導電性ブラシ42の第1面42bが延在する方向であって、導電性ブラシ44の根本F1に向けて変形する。
すなわち、第1変形部72の一部が、第1変形部72がある導電性ブラシ42の第1面42bと第1壁部62の第1面62aとの間に形成された空間へと戻る。
【0108】
ここで、第1変形部72は、ばねのような弾性体ではないため、自らの弾性力ですぐさま元の形状に戻ることはなく、導電性ブラシ42が実線で示す位置に動こうとするときの第1変形部72の形状の変化は、主に、導電性ブラシ42の撓みにより発生する力(復元力)に起因する。
【0109】
そして、導電性ブラシ42の矢印m1と反対方向の動きにより、第1変形部72が引っ張られ、形状が変化するのに伴って、導電性ブラシ42に対しては、導電性ブラシ42の第1壁部62の第1面62a側から離れる方向への動きを引き留めようとする反力が働くことになる。
また、この形状の変化に伴って、導電性ブラシ42の動こうとする力を吸収する作用も同時に発生する。
【0110】
なお、この引き止め作用も第1変形部72が導電性ブラシ42の第1面42bと第1壁部62の第1面62aの両面に接触していることによって起きる現象であり、第1変形部72が第1壁部62の第1面62aに接触していなければ、第1変形部72は導電性ブラシ42とともに同じように動くことになる。
【0111】
このように、第1変形部72は、導電性ブラシ42が、図7(b)に示す実線の位置から点線の位置に動こうとするときにも、逆に、点線の位置から実線の位置に動こうとするときにも、導電性ブラシ42の動きを抑制するように作用する。
【0112】
そして、導電性ブラシ42が振動するとは、導電性ブラシ42が図7(b)に示す実線の位置と点線の位置の間を繰り返し移動することであるが、第1変形部72は、上述のように、導電性ブラシ42がどちらの位置に向かう場合にも、その動きを抑制するように作用し、導電性ブラシ42の振動を抑制する。
【0113】
ところで、図7(b)に示すように、導電性ブラシ42の第1面42bが、矢印m3で示すように、実線で示す位置から点線で示す位置に動くときには、導電性ブラシ42の第2面42aも同じように動くことになる。
【0114】
そうすると、第2変形部70のゴム部材71aも矢印m4で示すように動き、第2変形部70の緩衝部材70bの形状が変化(クロスハッチング部H参照)する。
なお、ゴム部材71aもゴム硬度が小さいものの場合、緩衝部材70bと同様に形状が変化する。
【0115】
そして、第2変形部70の形状が変化するときには、既に説明したように、導電性ブラシ42の第2壁部60の第2面60a側から離れる方向への動きを引き留めようとする反力が働くとともに、第2変形部70が導電性ブラシ42の動こうとする力を吸収する。
【0116】
逆に、導電性ブラシ42の第1面42bが図7(b)に示す点線の位置から矢印m3と反対方向に動き、実線で示す位置に動こうとする場合には、第2変形部70の形状が変化する。
【0117】
そして、上述したように、第2変形部70の形状が変化するときにも、導電性ブラシ42に導電性ブラシ42の動きを止めようとする反力が働くとともに、第2変形部70が導電性ブラシ42の動こうとする力を吸収する。
【0118】
したがって、本実施形態においては、第1変形部72と第2変形部70の双方が協業して、導電性ブラシ42の動きを抑制する。
よって、より一層高い導電性ブラシ42の振動の抑制を行うことができ、騒音を大幅に低減することができる。
【0119】
一方、第1変形部72においても、第2変形部70、71と同様に、形状変化率VCを大きくするために、モータ10を駆動させる前の状態で設定される第1変形部72の体積を小さくすることが好ましい。
【0120】
そして、図7(b)を見るとわかるように、第1変形部72も、第2変形部70と同様に、導電性ブラシ42の第1面42bと第1壁部62の第1面62aの両面に接触するように設けられるので、第1変形部72の体積は、導電性ブラシ42の第1面42bと第1壁部62の第1面62aの間の距離によって調整することになる。
【0121】
また、第1変形部72においても、モータの大きさによって、使用される導電性ブラシの長さ等が変わることは第2変形部70と同じであるから、第1変形部72を適切な体積にするための導電性ブラシ42の第1面42bと第1壁部62の第1面62aの間の距離の設定は、導電性ブラシ42の長さに基づいて行われることが好ましい。
【0122】
このため、端子部44側の導電性ブラシ42の根本(図7(b)の導電性ブラシ42の端子部44の支えがなくなる位置F1参照))から導電性ブラシ42の整流子33に接触する位置F11(図7(a)参照)までの長さを1としたときに、0.5以下となるように導電性ブラシ42の第1面42bと第1壁部62の第1面62aの間の距離(以下、第2距離ともいう)が設定されていることが好ましく、0.3以下に設定されていることがより好ましい。
そして、導電性ブラシ42の第1面42bと第1壁部62の第1面62aの間の第2距離が所定の距離となるように、第1壁部62をブラケット本体40aに設けるようにすればよい。
【0123】
なお、この第2距離は、第1距離のときと同様に、整流子33に導電性ブラシ42を接触させず、ほぼ真直ぐに延びている導電性ブラシ42に対して、第1壁部62の第1面62aに沿った各点から垂線を引いたときの導電性ブラシ42の第1面42bと第1壁部62の第1面62aの間の距離を求め、その求めた距離のうち最も長い距離のことである。
【0124】
一方、第2距離が短いと第1変形部72が十分に変形できなくなる場合があることから、第2距離は、0.1以上に設定されていることが好ましく、0.2以上に設定されていることがより好ましい。
【0125】
さらに、第1変形部72においても第2変形部70と同様に、第1変形部72が、導電性ブラシ42の第1面42bに沿ってある程度の長さで設けられることが好適であり、そのために第1壁部62の第1面62aが導電性ブラシ42の第1面42bに沿ってある程度の長さ分設けられることが好ましい。
【0126】
具体的には、端子部44側の導電性ブラシ42の根本(図7(b)の位置F1参照))から導電性ブラシ42の整流子33に接触する位置F11(図7(a)参照)までの長さを1としたときに、第1壁部62の第1面62aの最も導電性ブラシ42の根本(図7(b)の位置F1参照)側に近い点から導電性ブラシ42に垂線を引いた位置F12(図7(b)参照)を基準として、その位置F12から整流子33側に0.4以上となる導電性ブラシ42上の点に対して、第1壁部62の第1面62aの点から垂線が引ける程度に、第1面62aが整流子33側に延在していることが好ましい。
なお、このときも整流子33に導電性ブラシ42を接触させず、ほぼ真直ぐに延びている導電性ブラシ42に対して垂線を引くものとする。
【0127】
このようにしておけば、端子部44側の導電性ブラシ42の根本に近い位置F12から整流子33側に向かって0.4以上の範囲に対応した第1面62aが設けられることになるため、その0.4以上の範囲にわたって第1変形部72を設けるようにすることができる。
【0128】
(第1変形部73)
図5に示すように、ブラケット40は、ブラケット本体40aに設けられ、導電性ブラシ43の第2面43aの反対側に位置する第1面43bに沿って、整流子33側(ブラケット40の中央側)に延在する第1面63aを形成する第1壁部63を備えている。
なお、この第1壁部63の第1面63aは、導電性ブラシ43の第1面43bとほぼ平行な面となるように形成されている。
【0129】
そして、モータ10は、導電性ブラシ43の第1面43bと第1壁部63の第1面63aの間に両方の面に常時接触(常時密着)するように設けられた、ゲル又はグリスで形成される第1変形部73を備えている。
【0130】
なお、ここでいう常時接触(常時密着)も、第2変形部70のところで説明したとおり、モータ10が使用できなくなるまで接触(密着)状態が保たれることを意味するものではなく、モータ10が使用され続けるうちに、第1変形部73と第1面43bとの間に剥離が発生したり、第1変形部73と第1面63aとの間に剥離が発生するような特異な状況が発生しない間は、常に接触(密着)しているという意味であり、永遠に接触(密着)し続けるという意味に解されるべきでない点に留意されたい。
【0131】
例えば、第1変形部73を形成するゲルとしては、2液性硬化タイプ、紫外線硬化タイプ及び熱硬化タイプ等であってよく、振動を抑制する観点で、ゲルの硬度は、ASTM D 2240に従ったタイプ00の硬度で30以上70以下が好ましい。
また、第1変形部73を形成するグリスは、振動を抑制する観点で、稠度が5号以上で60以上165以下が好ましい。
【0132】
なお、第1変形部73を、第2変形部71と同様に、JIS K6253に従ったゴム硬度(ショアA硬度)が25以上60以下であるゴム部材を含むものとして構成してもよい。
【0133】
そして、上記のような硬度のゲルや稠度のグリスを用いることで、第1変形部73の流動性を抑えつつ、良好に振動を抑制することができる柔らかさを持った第1変形部73とすることができる。
【0134】
このような第1変形部73が導電性ブラシ43の第1面43bと第1壁部63の第1面63aの間に両方の面に常時接触するように設けられていると、導電性ブラシ43が整流子33から離れる方向に動こうとする力を吸収するように、第1変形部73が柔らかく変形又は変改して、大幅に騒音の発生を低減することができる。
【0135】
この第1変形部73は、導電性ブラシ43に対して、導電性ブラシ42に対する第1変形部72と同様の作用を奏する部分であるため、モータ10が駆動しているときの第1変形部73の状態は、第1変形部72で説明したのと同様である。
【0136】
したがって、詳細な説明に関しては省略するが、第1変形部73においても、端子部45側の導電性ブラシ43の根本(図7(a)の導電性ブラシ43の端子部45の支えがなくなる位置F2参照))から導電性ブラシ43の整流子33に接触する位置F21(図7(a)参照)までの長さを1としたときに、0.5以下となるように導電性ブラシ43の第1面43bと第1壁部63の第1面63aの間の距離(以下、第2距離ともいう)が設定されていることが好ましく、0.3以下に設定されていることがより好ましい。
そして、導電性ブラシ43の第1面43bと第1壁部63の第1面63aの間の第2距離が所定の距離となるように、第1壁部63をブラケット本体40aに設けるようにすればよい。
【0137】
なお、この第2距離も第1変形部72で説明した第2距離と同様に、整流子33に導電性ブラシ43を接触させず、ほぼ真直ぐに延びている導電性ブラシ43に対して、第1壁部63の第1面63aに沿った各点から垂線を引いたときの導電性ブラシ43の第1面43bと第1壁部63の第1面63aの間の距離を求め、その求めた距離のうち最も長い距離のことである。
【0138】
また、第2変形部70の第1距離で説明したのと同様に、第1変形部73に対応する第2距離も距離が短いと、第1変形部73が十分に変形できなくなる場合があることから、この第1変形部73に対応する第2距離も、0.1以上に設定されていることが好ましく、0.2以上に設定されていることがより好ましい。
【0139】
さらに、第1変形部73が、導電性ブラシ43の第1面43bに沿ってある程度の長さで設けられるようにするために、第1変形部72で説明したのと同様に、端子部45側の導電性ブラシ43の根本(図7(b)の位置F2参照))から導電性ブラシ43の整流子33に接触する位置F21(図7(a)参照)までの長さを1としたときに、第2壁部60の第2面60aの最も導電性ブラシ42の根本(図7(b)の位置F1参照)側に近い点から導電性ブラシ42に垂線を引いた位置F22(図7(a)参照)を基準として、その位置F22から整流子33側に0.4以上となる導電性ブラシ43上の点に対して、第1壁部63の第1面63aの点から垂線が引ける程度に、第1面63aが整流子33側に延在していることが好ましい。
なお、このときも整流子33に導電性ブラシ43を接触させず、ほぼ真直ぐに延びている導電性ブラシ42に対して垂線を引くものとする。
【0140】
このようにしておけば、端子部45側の導電性ブラシ43の根本に近い位置F22から整流子33側に向かって0.4以上の範囲に対応した第1面63aが設けられることになるため、その0.4以上の範囲にわたって第1変形部73を設けるようにすることができる。
【0141】
なお、導電性ブラシ43に対する第1変形部73と第2変形部71の関係は、導電性ブラシ42に対する第1変形部72と第2変形部70の関係と同じである。
したがって、第1変形部72で説明したのと同様に、第1変形部73と第2変形部71の双方が協業して導電性ブラシ43の動きを抑制する。
よって、より一層高い導電性ブラシ43の振動抑制を行うことができ、騒音を大幅に低減することができる。
【0142】
一方、ブラケット40は、図5に示すように、ブラケット本体40aに設けられ、端子部44(図4参照)の第1端部44bの少なくとも一部(第1端部44bの一端側の一端部44ba)を収容する収容部80を有している。
【0143】
そして、その収容部80と端子部44(図4参照)の第1端部44bの一端側の一端部44baとの間の隙間にも、収容部80と端子部44の第1端部44bの一端側の一端部44baの両方に接触するゲル又はグリスで形成される緩衝部材80aが設けられており、導電性ブラシ42の振動を低減し、或いは振動がブラケット40に伝わり難くなり、一層の騒音の低減が行えるようになっている。
【0144】
同様に、ブラケット40は、図5に示すように、ブラケット本体40aに設けられ、端子部45(図4参照)の第1端部45bの少なくとも一部(第1端部45bの一端側の一端部45ba)を収容する収容部81を有している。
【0145】
そして、その収容部81と端子部45(図4参照)の第1端部45bの一端側の一端部45baとの間の隙間にも、収容部81と端子部45の第1端部45bの一端側の一端部45baの両方に接触するゲル又はグリスで形成される緩衝部材81aが設けられており、導電性ブラシ43からの振動がブラケット40に伝わり難く、一層の騒音の低減が行えるようになっている。
【0146】
ところで、上記のような構成を備えるモータ10は、騒音を大幅に低減できることは、既に述べたとおりであるが、第1変形部72及び第2変形部70によって、振動等の影響で、導電性ブラシ42が整流子33から一瞬離間する現象の発生も抑制できる。
【0147】
このため、整流子33と導電性ブラシ42との間でスパークが起きることが抑制され、導電性ブラシ42の摩耗を大幅に低減できる。
【0148】
また、同様に、第1変形部73及び第2変形部71によって、振動等の影響で、導電性ブラシ43が整流子33から一瞬離間する現象の発生も抑制し、整流子33と導電性ブラシ43との間でスパークが起きることが抑制され、導電性ブラシ42の摩耗を大幅に低減できる。
【0149】
したがって、導電性ブラシ42及び導電性ブラシ43の寿命が長くなり、モータ10としての寿命も大幅に長くすることができる。
なお、限定するものではないが、第1変形部72及び第2変形部70は、導電性ブラシ42の長さの1/3以上の範囲に設けられていることが好ましい。
同様に、第1変形部73及び第2変形部71は、導電性ブラシ43の長さの1/3以上の範囲に設けられていることが好ましい。
【0150】
(第2実施形態)
次に、図8を参照しながら、本発明に係る第2実施形態のモータ10について説明する。
第2実施形態においても、基本的な構成は第1実施形態と同様であり、第1実施形態と異なるのは、ブラケット40の構成だけである。
したがって、以下では、第2実施形態のブラケット40について、主に説明を行い、第1実施形態と同様の点に関しては説明を省略する場合がある。
【0151】
第2実施形態のブラケット40は、図8に示すように、第1実施形態のブラケット本体40aと軸受プレート40bとが一体形成されたものとなっている。
そして、第1実施形態では、図4及び図5に示したように、第1壁部62,63及び第2壁部60,61が個別に形成されていた。
【0152】
一方、第2実施形態では、図8に示すように、厚肉のブラケット40に1つの凹部85を形成するようにして、その凹部85の内面(以下、内壁面と呼称する)で、第1面62a,63a、第2面60a,61a及び収容部80,81等を一体に構成するようにしている。
【0153】
この場合、凹部85の第1面62a,63a、第2面60a,61aを構成する部分が、第1実施形態における第1壁部62,63及び第2壁部60,61となる。
【0154】
なお、第2実施形態では、導電性ブラシ42の第1面42bに対して、ブラケット40の凹部85の内壁面の一部で構成される第1面62aは整流子33側(ブラケット40の中央側)に向かうにつれて、導電性ブラシ42の第1面42bからの距離が大きくなる傾斜面として形成されている。
【0155】
このように、導電性ブラシ42の第1面42bからの距離が大きくなる傾斜面として形成された第1面62aにおいても、第1面62aから導電性ブラシ42の第1面42bに対して垂線を引くことが可能であり、導電性ブラシ42の第1面42bと第1面62aの間の距離を、第1実施形態で説明した第2距離に設定することが好ましい。
また、第1面62aの整流子33側に延在する状態も第1実施形態で説明したのと同様にすることが好ましい。
【0156】
同様に、導電性ブラシ43の第1面43bに対して、ブラケット40の凹部85の内壁面の一部で構成される第1面63aは整流子33側(ブラケット40の中央側)に向かうにつれて、導電性ブラシ43の第1面43bからの距離が大きくなる傾斜面として形成されている。
【0157】
この第1面63aにおいても、導電性ブラシ43の第1面43bと第1面63aの間の距離を、第1実施形態で説明した第2距離に設定することが好ましい。
また、第1面63aの整流子33側に延在する状態も第1実施形態で説明したのと同様にすることが好ましい。
【0158】
そして、図8では、図示を省略しているが、凹部85の内壁面で構成される第1面62aと導電性ブラシ42の第1面42bとの間に、ゲル又はグリス等を注入し、凹部85の内壁面で構成される第1面62aと導電性ブラシ42の第1面42bとに常時接触(常時密着)する第1変形部を設けるようにする。
【0159】
また、凹部85の内壁面で構成される第1面63aと導電性ブラシ43の第1面43bとの間に、ゲル又はグリス等を注入し、凹部85の内壁面で構成される第1面63aと導電性ブラシ43の第1面43bとに常時接触(常時密着)する第1変形部を設けるようにする。
【0160】
さらに、凹部85の内壁面で構成される第2面60aと導電性ブラシ42の第2面42aとの間に、ゲル又はグリス等を注入し、凹部85の内壁面で構成される第2面60aと導電性ブラシ42の第2面42aとに常時接触(常時密着)する第2変形部を設けるようにする。
【0161】
加えて、凹部85の内壁面で構成される第2面61aと導電性ブラシ43の第2面43aとの間に、ゲル又はグリス等を注入し、凹部85の内壁面で構成される第2面61aと導電性ブラシ43の第2面43aとに常時接触(常時密着)する第2変形部を設けるようにする。
【0162】
さらに、加えて、収容部80,81内にもゲル又はグリス等を注入する。
なお、上述のゲル又はグリスの注入作業は、個別に行う必要はなく、導電性ブラシ42に対して設けられる第1変形部、収容部80及び第2変形部を形成する部分に一度にゲル又はグリスを注入するようにすればよい。
同様に、導電性ブラシ43に対して設けられる第1変形部、収容部81及び第2変形部を形成する部分に一度にゲル又はグリスを注入するようにすればよい。
このように構成される第2実施形態のブラケット40においても、第1実施形態と同様の優位性を奏することができる。
【0163】
なお、第2実施形態でも、図8に示すように、導電性ブラシ42の第2面42aには、ゴム部材70aが設けられている。
しかし、このゴム部材70aは省略するようにしてもよく、導電性ブラシ42の第1面42b側に設けるようにしてもよく、導電性ブラシ42の第1面42b及び第2面42aの両方に設けるようにしてもよい。
【0164】
同様に、導電性ブラシ43の第2面43aには、ゴム部材71aが設けられているが、このゴム部材71aは省略するようにしてもよく、導電性ブラシ43の第1面43b側に設けるようにしてもよく、導電性ブラシ43の第1面43b及び第2面43aの両方に設けるようにしてもよい。
【0165】
なお、第2実施形態における常時接触(常時密着)も、第1実施形態で説明したのと同じ意味に解されるべきものである。
つまり、モータ10の使用過程で剥離が発生する等の特異な状況が発生しない間は、常に接触(密着)しているという意味であり、永遠に接触(密着)し続けるという意味に解されるべきでない点に留意されたい。
【0166】
(回転装置)
次に、上記のような構成を有するモータ10を使用した一例として、以下、自動車等の空調システム100(図12参照)に用いられるルーバー104(図12参照)を回動制御する回転装置50について、説明する。
【0167】
図9はモータ10を用いた回転装置50を示す斜視図であり、図10は第1筐体53を取り外した回転装置50の斜視図であり、図11は回転装置50の第2筐体56の第2面部54側を見た斜視図である。
【0168】
図9に示すように、回転装置50は、面部としての第1面部51及び第1面部51の外周部に設けられた第1側壁部52を有する第1筐体53と、面部としての第2面部54及び第2面部54の外周部に設けられた第2側壁部55を有する第2筐体56と、を合わせることで構成される筐体57を備えている。
【0169】
なお、筐体57は、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ABS等の樹脂材料で形成されている。
【0170】
そして、第1筐体53の外周には、回転装置50を空調システム100(図12参照)に取り付けるための、取付部A、B、C、Dが第1側壁部52と一体に形成されている。
【0171】
一方、図10に示すように、回転装置50は、筐体57(図9参照)内に収容された各種の部品として、第1実施形態及び第2実施形態で説明した構成を備えるモータ10と、モータ10の回転軸31(図1参照)の回転を外部に機械的に出力する出力ギア95を含む複数のギア90と、出力ギア95の回転角を検出するセンサー97と、を備えている。
【0172】
また、第2筐体56の第2面部54には、出力ギア95の中央側に対応する部分に開口部54a(図11参照)が設けられており、図11に示すように、第2筐体56の第2面部54に設けられた開口部54aを通じて出力ギア95の係合部95aに外部からアクセスできるようになっている。
【0173】
そして、例えば、図示しない自動車等の車両に設けられる空調システム100のルーバー104(図12参照)の駆動軸(図12の回転軸104a参照)が出力ギア95の係合部95aに係合され、モータ10を回転制御することによって、ルーバー104の回動制御が行われる。
【0174】
このモータ10の回転制御は、出力ギア95の回転とルーバー104(図12参照)の駆動との関係に基づいて行われる。
このため、図10に示すように、出力ギア95上に配置されたセンサー97によって、出力ギア95の回転に応じた信号が出力され、その出力信号に基づいて、モータ10の回転が制御されるようになっている。
【0175】
なお、本実施形態では、図10に示すように、複数の伝達ギア94(ウォームギア91、第1二段ギア92及び第2二段ギア93)を介してモータ10の回転軸31(図1参照)の回転を出力ギア95に伝達するようにしている。
【0176】
具体的には、伝達ギア94は、モータ10の回転軸31(図1参照)に固定されたウォームギア91と、ウォームギア91に接続される直径の大きいギア92a及び直径の小さいギア92bを有する第1二段ギア92と、第1二段ギア92の直径の小さいギア92bに接続される直径の大きいギア93a及び出力ギア95に接続される直径の小さいギアを有する第2二段ギア93と、を有している。
【0177】
このようにすることで少ないスペースを活用してモータ10の回転軸31(図1参照)の回転を所定のギア比で出力ギア95に伝達するようにしている。
しかしながら、必ずしも3つの伝達ギアで回転を出力ギア95に伝達する必要はなく、必要に応じて、第1二段ギア92や第2二段ギア93を省略するようにしてもよい。
【0178】
(空調システムを備えた車両)
上記のような回転装置50は、例えば、自動車等の車両の空調システム100に用いられ、以下、簡単に車両の空調システム100に用いられる場合について説明する。
【0179】
図12は実施形態の回転装置50を備える空調システム100を説明するための概略図であり、図13図12の空調システム100を備えた車両を示す図である。
【0180】
図12に示すように、空調システム100は、車両のフロント部分FR(図13参照)に配置される、ブロアファン101と、エバポレータ102と、ヒータ103と、ルーバー104と、を備えている。
【0181】
より具体的には、空調システム100の吸引口100a側にブロアファン101が配置され、ブロアファン101から送り出される空気を冷却するエバポレータ102が空気の流れ方向の下流側に配置されている。
【0182】
さらに、エバポレータ102よりも空気の流れ方向の下流側にヒータ103が配置され、エバポレータ102とヒータ103との間にルーバー104が配置されており、ルーバー104が、エバポレータ102側からヒータ103側に流れる空気の供給量を制御することで、空気の温度が適切な温度に調節される。
【0183】
そして、適切な温度に調整された空気は、さらに、ダクト等を経由して車室内に設けられた吹出口から車室内に供給されるようになっており、上述の空調システム100において、例えば、ルーバー104の回転軸104aが、上述した回転装置50の出力ギア95の係合部95a(図11参照)に接続されている。
したがって、上述したように、回転装置50によって、ルーバー104が回動制御(図12の両矢印参照)され、所定の状態となるようにされる。
【0184】
なお、上記は、空調システム100における回転装置50の一例を示しただけであり、例えば、空調システム100は、車室内の空気を循環させる場合と、車外の空気を車室内に取り込む場合とで空気流路(ダクト経路)の切り替えを行う場合もあり、その切り替え部分にもルーバーが設けられている。
このため、この切り替え部分に設けられたルーバーを制御するのにも回転装置50は好適に用いることができる。
【0185】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更が可能であることも言うまでもない。
したがって、そのような要旨を逸脱しない範囲での種々の変更を行ったものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0186】
10…モータ、20…フレーム部、21…底部、21a…孔部、21b…軸受部、22…側壁部、22a…開口部、30…アマチュア、31…回転軸、31a…他端部、32…コア、32a…ポール、33…整流子、33a…板金、40…ブラケット、40a…ブラケット本体、40ab…底部、40b…軸受プレート、40ba…軸受部、41…軸受、42…導電性ブラシ、42a…第2面、42b…第1面、43…導電性ブラシ、43a…第2面、43b…第1面、44…端子部、44a…端子、44b…第1端部、44ba…一端部、45…端子部、45a…端子、45b…第1端部、45ba…一端部、46…溝部、47…溝部、48…開口部、49…開口部、50…回転装置、51…第1面部、52…第1側壁部、53…第1筐体、54…第2面部、54a…開口部、55…第2側壁部、56…第2筐体、57…筐体、60…第2壁部、60a…第2面、61…第2壁部、61a…第2面、62…第1壁部、62a…第1面、63…第1壁部、63a…第1面、70…第2変形部、70a…ゴム部材、70b…緩衝部材、71…第2変形部、71a…ゴム部材、71b…緩衝部材、72…第1変形部、73…第1変形部、80…収容部、80a…緩衝部材、81…収容部、81a…緩衝部材、85…凹部、90…ギア、94…伝達ギア、91…ウォームギア、92…第1二段ギア、92a…直径の大きいギア、92b…直径の小さいギア、93…第2二段ギア、93a…直径の大きいギア、95…出力ギア、95a…係合部、97…センサー、100…空調システム、101…ブロアファン、102…エバポレータ、103…ヒータ、104…ルーバー、104a…回転軸、A,B,C,D…取付部、FR…フロント部分
図1
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図13