特許 7455183 スピーカボックス

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-03-14

(45)【発行日】2024-03-25

(54)【発明の名称】スピーカボックス

(51)【国際特許分類】

   H04R 1/02 20060101AFI20240315BHJP

   G10K 11/165 20060101ALI20240315BHJP

   H05K 5/02 20060101ALI20240315BHJP

   H05K 5/04 20060101ALI20240315BHJP

   H05K 5/06 20060101ALI20240315BHJP

【ＦＩ】

H04R1/02 101Z

G10K11/165

H05K5/02 H

H05K5/04

H05K5/06 E

【請求項の数】 7

(21)【出願番号】P 2022203990

(22)【出願日】2022-12-21

(65)【公開番号】P2023155142

(43)【公開日】2023-10-20

【審査請求日】2023-05-24

(31)【優先権主張番号】202220797325.7

(32)【優先日】2022-04-07

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】517409583

【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック（チャンヂョウ）カンパニー リミテッド

【住所又は居所原語表記】Ｎｏ．３ ｃｈａｎｇｃａｏ ｒｏａｄ， Ｈｉ－ＴＥＣＨ Ｉｎｄｕｓｔｒｉａｌ Ｚｏｎｅ， Ｗｕｊｉｎ Ｄｉｓｔｒｉｃｔ， Ｃｈａｎｇｚｈｏｕ Ｃｉｔｙ， Ｊｉａｎｇｓｕ Ｐｒｏｖｉｎｃｅ， Ｐ．Ｒ． Ｃｈｉｎａ

(73)【特許権者】

【識別番号】511027518

【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ（シンセン）カンパニーリミテッド

【氏名又は名称原語表記】ＡＡＣ Ａｃｏｕｓｔｉｃ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ（Ｓｈｅｎｚｈｅｎ）Ｃｏ．，Ｌｔｄ

(74)【代理人】

【識別番号】100128347

【弁理士】

【氏名又は名称】西内 盛二

(72)【発明者】

【氏名】▲楊▼ ▲海▼娟

(72)【発明者】

【氏名】▲呉▼ 立峰

【審査官】中嶋 樹理

(56)【参考文献】

【文献】米国特許出願公開第２０２０／０４１３２０１（ＵＳ，Ａ１）

【文献】中国特許出願公開第１１２３５１３５６（ＣＮ，Ａ）

【文献】中国実用新案第２０７２００９７４（ＣＮ，Ｕ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｈ０４Ｒ １／０２

Ｇ１０Ｋ １１／１６５

Ｈ０５Ｋ ５／０２

Ｈ０５Ｋ ５／０４

Ｈ０５Ｋ ５／０６

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

ハウジングと、前記ハウジング内に収容されたスピーカ単体とを備えるスピーカボックスであって、
前記スピーカボックスは、前記ハウジング内に収容された通気隔離部材アセンブリをさらに備え、
前記通気隔離部材アセンブリと前記ハウジングとによって取り囲まれて吸音粉体を充填する収容スペースが形成され、
前記通気隔離部材アセンブリは、ブラケット及び前記ブラケットに固定された通気隔離部材を備え、
前記ハウジングは、底壁及び前記底壁から延在する側壁を備え、
前記ブラケットは、リング状本体部及び前記リング状本体部から延在する取付足を備え、
前記通気隔離部材は前記リング状本体部に貼り付けられ、
前記リング状本体部は前記側壁に固定され、
前記取付足は前記底壁に固定され、
前記底壁は、第１部分及び第２部分を備え、前記第２部分は、前記第１部分に対して前記リング状本体部に近接し、前記取付足は、前記第１部分に固定された第１取付足と前記第２部分に固定された第２取付足とを備え、前記第１取付足の長さは、前記第２取付足の長さよりも大きい、ことを特徴とするスピーカボックス。

【請求項2】

前記取付足は、前記リング状本体部の内周縁から延在する、ことを特徴とする請求項１に記載のスピーカボックス。

【請求項3】

前記ハウジングは、前記側壁から延在する天井壁をさらに備え、前記天井壁は、前記底壁と対向して設置され、前記スピーカ単体は前記天井壁に固定される、ことを特徴とする請求項１に記載のスピーカボックス。

【請求項4】

前記ハウジングは、互いにカバーし合う上ハウジング及び下ハウジングを備え、前記スピーカ単体は、前記上ハウジングに固定され、前記通気隔離部材アセンブリは、前記下ハウジングに固定される、ことを特徴とする請求項１に記載のスピーカボックス。

【請求項5】

前記ハウジングと前記ブラケットはいずれも金属で製造され、前記リング状本体部は、前記側壁にレーザ溶接により固定され、前記取付足は、前記底壁にレーザ溶接により固定される、ことを特徴とする請求項１に記載のスピーカボックス。

【請求項6】

前記底壁には、前記収容スペースと連通する粉体注入孔と前記粉体注入孔を密封するシール部材とが設けられ、前記粉体注入孔は、前記第１部分に形成される、ことを特徴とする請求項１に記載のスピーカボックス。

【請求項7】

前記第１部分には、凹み形成された凹み部が形成され、前記粉体注入孔は、前記凹み部に形成され、前記シール部材は、前記凹み部内に収容されかつ前記第１部分の表面よりも高くない、ことを特徴とする請求項６に記載のスピーカボックス。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、電気音響変換の分野に関し、特に携帯型電子製品に応用されるスピーカボックスに関する。

【背景技術】

【0002】

関連技術のスピーカボックスは、ハウジング、ハウジング内に収容されたスピーカ単体及び立体構造造形を有する通気隔離部材を備え、通気隔離部材とハウジングが取り囲んで吸音粉体を充填する収容スペースを形成する。

【0003】

しかしながら、ハウジングの形状が複雑な場合、立体構造造形を有する通気隔離部材は、ハウジングの形状に適合する必要があり、それにより通気隔離部材の立体構造造形が複雑で成形しにくいという問題がある。また、通気隔離部材は、ハウジングに接着固定されるため、接着の信頼性を確保するために、通気隔離部材の接着バーリングが一定の幅を確保する必要があり、それによりスペースの無駄になり、吸音粉体の充填量を向上させることに不利である。

【0004】

したがって、上記技術課題を解決するために、新たなスピーカボックスを提供する必要がある。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

上記技術課題を克服するために、本発明は、通気隔離部材アセンブリを備え、吸音粉体の充填量を高めることができるスピーカボックスを提供し、前記通気隔離部材アセンブリは、各種の複雑な形状のハウジングに簡便に適合することができるとともに、成形しやすいシート状構造の通気隔離部材を採用することができる。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記目的を達成するために、本発明は、スピーカボックスを提供し、当該スピーカボックスは、ハウジングと前記ハウジング内に収容されたスピーカ単体とを備え、前記スピーカボックスは、前記ハウジング内に収容された通気隔離部材アセンブリをさらに備え、前記通気隔離部材アセンブリと前記ハウジングが取り囲んで吸音粉体を充填する収容スペースを形成し、前記通気隔離部材アセンブリは、ブラケット及び前記ブラケットに固定された通気隔離部材を備え、前記ハウジングは、底壁及び前記底壁から延在する側壁を備え、前記ブラケットは、リング状本体部及び前記リング状本体部から延在する取付足を備え、前記通気隔離部材は、前記リング状本体部に貼り付けられ、前記リング状本体部は、前記側壁に固定され、前記取付足は、前記底壁に固定される。

【0007】

好ましくは、前記底壁は、第１部分及び第２部分を備え、前記第２部分は、前記第１部分に対して前記リング状本体部に近接し、前記取付足は、前記第１部分に固定された第１取付足と前記第２部分に固定された第２取付足とを備え、前記第１取付足の長さは、前記第２取付足の長さより大きい。

【0008】

好ましくは、前記取付足は、前記リング状本体部の内周縁から延在する。

【0009】

好ましくは、前記ハウジングは、前記側壁から延在する天井壁をさらに備え、前記天井壁は、前記底壁と対向して設置され、前記スピーカ単体は前記天井壁に固定される。

【0010】

好ましくは、前記ハウジングは、互いにカバーし合う上ハウジングと下ハウジングとを備え、前記スピーカ単体は、前記上ハウジングに固定され、前記通気隔離部材アセンブリは、前記下ハウジングに固定される。

【0011】

好ましくは、前記ハウジングと前記ブラケットは、いずれも金属で製造され、前記リング状本体部は、前記側壁にレーザ溶接により固定され、前記取付足は、前記底壁にレーザ溶接により固定される。

【0012】

好ましくは、前記底壁には、前記収容スペースと連通する粉体注入孔と前記粉体注入孔を密封するシール部材とが設けられ、前記粉体注入孔が前記第１部分に形成される。

【0013】

好ましくは、前記第１部分には、凹み形成された凹み部が設けられ、前記粉体注入孔は、前記凹み部に形成され、前記シール部材は、前記凹み部内に収容されかつ前記第１部分の表面よりも高くない。

【発明の効果】

【0014】

本発明のスピーカボックスの通気隔離部材アセンブリは、ブラケットと前記ブラケットに固定された通気隔離部材とを備え、前記ブラケットは、リング状本体部及び前記リング状本体部から延在する取付足を備え、前記通気隔離部材は、前記リング状本体部に貼り付けられ、前記リング状本体部は前記側壁に固定され、前記取付足は前記底壁に固定され、それにより、前記通気隔離部材は、成形しやすいシート状構造を採用することができると同時に、前記ブラケットは、前記リング状本体部と前記取付足によって、各種の複雑な形状のハウジングに簡便に適合することができる。また、吸音粉体を充填する収容スペースは、ハウジングまで十分に広げることができ、吸音粉体の充填量を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【0015】

本発明の実施形態における技術案をより明確に説明するために、以下では、実施形態の説明で使用される必要がある図面を簡単に説明するが、以下の説明における図面は、本発明の実施形態に過ぎず、本発明が属する技術分野の当業者にとって、創造的労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を取得することもできることは明らかである。

【図1】本発明のスピーカボックスの構成を示す斜視模式図である、

【図2】図１に示すスピーカボックスの構成を示す分解斜視模式図である、

【図3】図１におけるＡ－Ａ線に沿った断面図である、

【図4】図１に示すスピーカボックスの通気隔離部材アセンブリの構成を示す分解斜視模式図である。

【発明を実施するための形態】

【0016】

以下、本発明の実施形態における図面を参照して、本発明の実施形態における技術案を明確かつ完全に説明するが、説明された実施形態は、本発明の実施形態の一部だけであり、全ての実施形態ことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、当該分野の当業者が創造的な労働をしない前提で得られた全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。

【0017】

図１～４に示すように、本発明は、スピーカボックス１００を提供し、前記スピーカボックス１００は、ハウジング１と、前記ハウジング１内に収容されたスピーカ単体２と通気隔離部材アセンブリ３とを備え、前記通気隔離部材アセンブリ３と前記ハウジング１が取り囲んで吸音粉体を充填する収容スペース４を形成する。

【0018】

前記ハウジング１は、互いにカバーし合う上ハウジング１１及び下ハウジング１２を備え、前記スピーカ単体２は、前記上ハウジング１１に固定され、前記通気隔離部材アセンブリ３は、前記下ハウジング１２に固定される。本実施形態では、前記ハウジング１は、底壁１２１、前記底壁１２１から延在する側壁１１２２及び前記側壁１１２２から延在する天井壁１１１を備え、前記天井壁１１１は、前記底壁１２１と対向して設置され、前記上ハウジング１１は、前記天井壁１１１及び前記側壁１１２２の一部１１２を備え、前記下ハウジング１２は、前記底壁１２１及び前記側壁１１２２の他の一部１２２を備え、前記スピーカ単体２は、前記天井壁１１１に固定される。

【0019】

前記通気隔離部材アセンブリ３は、ブラケット３１及び前記ブラケット３１に固定された通気隔離部材３２を備え、前記ブラケット３１は、リング状本体部３１１と前記リング状本体部３１１の内周縁から延在する取付足３１２とを備え、前記通気隔離部材３２は、前記リング状本体部３１１に貼り付けられ、前記リング状本体部３１１は、前記側壁１１２２に固定され、前記取付足３１２は、前記底壁１２１に固定される。

【0020】

前記底壁１２１は、第１部分１２１１と第２部分１２１２とを備え、前記第２部分１２１２は、前記第１部分１２１１に対して前記リング状本体部３１１に近接し、前記取付足３１２は、前記第１部分１２１１に固定された第１取付足３１２１と前記第２部分１２１２に固定された第２取付足３１２２とを備え、前記第１取付足３１２１の長さは、前記第２取付足３１２２の長さよりも大きい。

【0021】

前記底壁１２１には、前記収容スペース４と連通する粉体注入孔１２１０と前記粉体注入孔１２１０を密封するシール部材１２３とが設けられ、本実施形態では、前記粉体注入孔１２１０は、前記第１部分１２１１に形成される。改良された実施形態として、前記第１部分１２１１には凹み形成された凹み部が設けられ、前記粉体注入孔１２１０は、前記凹み部１２１１１に形成され、前記シール部材１２３は、前記凹み部１２１１１内に収容されかつ前記第１部分１２１１の表面よりも高くない。

【0022】

本実施形態では、前記ハウジング１と前記ブラケット３１は、いずれも金属で製造され、前記リング状本体部３１１は、前記側壁１１２２にレーザ溶接により固定され、前記取付足３１２は、前記底壁１２１にレーザ溶接により固定される。

【0023】

本発明のスピーカボックスの通気隔離部材アセンブリは、ブラケットと前記ブラケットに固定された通気隔離部材とを備え、前記ブラケットは、リング状本体部と前記リング状本体部から延在する取付足とを備え、前記通気隔離部材は、前記リング状本体部に貼り付けられ、前記リング状本体部は前記側壁に固定され、前記取付足は前記底壁に固定され、それにより、前記通気隔離部材は、成形しやすいシート状構造を採用することができると同時に、前記ブラケットは、前記リング状本体部と前記取付足によって、各種の複雑な形状のハウジングに簡便に適合することができる。また、吸音粉体を充填する収容スペースは、ハウジングまで十分に拡張することができ、吸音粉体の充填量を向上させることができる。

【0024】

上述したのは、本発明の実施形態だけであり、本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱しない範囲において種々変更可能であるが、これらはいずれも本発明の保護範囲に属するものと理解されるべきである。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】