IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 朝日インテック株式会社の特許一覧

特許7455212超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法
<>
  • 特許-超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法 図1
  • 特許-超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法 図2
  • 特許-超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法 図3
  • 特許-超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法 図4
  • 特許-超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法 図5
  • 特許-超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法 図6
  • 特許-超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法 図7
  • 特許-超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法 図8
  • 特許-超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法 図9
  • 特許-超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法 図10
  • 特許-超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法 図11
  • 特許-超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法 図12
  • 特許-超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】超音波プローブ操作装置および超音波プローブを操作するロボットの制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
A61B8/14
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022539968
(86)(22)【出願日】2020-07-31
(86)【国際出願番号】 JP2020029527
(87)【国際公開番号】W WO2022024375
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大島 史義
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-535560(JP,A)
【文献】特開2001-128992(JP,A)
【文献】特開2002-132283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管を含む超音波エコー画像を取得する超音波プローブと、
前記超音波プローブを操作するセンサ操作部と、
前記センサ操作部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記超音波プローブにより取得された超音波エコー画像から血管内の医療デバイスを検出し、前記検出された医療デバイスが前記超音波エコー画像中の所定領域に位置するように前記センサ操作部を制御し、
前記制御部は、所定の音声指示に基づいて、前記検出された医療デバイスが前記超音波エコー画像中の前記所定領域に位置するように前記センサ操作部を制御し、
前記所定の音声指示は、前記医療デバイスを血管内で前進させる指示であ
超音波プローブ操作装置。
【請求項2】
血管を含む超音波エコー画像を取得する超音波プローブと、
前記超音波プローブを操作するセンサ操作部と、
前記センサ操作部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記超音波プローブにより取得された超音波エコー画像から血管内の医療デバイスを検出し、前記検出された医療デバイスが前記超音波エコー画像中の所定領域に位置するように前記センサ操作部を制御し、
前記制御部は、前記医療デバイスの先端の移動方向を検出するデバイス先端移動方向検出部を備え、
前記デバイス先端移動方向検出部は、前記医療デバイスの先端の移動方向の変化を検出し、
前記デバイス先端移動方向検出部は、前記センサ操作部を介して前記超音波プローブの姿勢を変化させることにより、前記医療デバイスの先端の位置を検出する
音波プローブ操作装置。
【請求項3】
血管を含む超音波エコー画像を取得する超音波プローブと、
前記超音波プローブを操作するセンサ操作部と、
前記センサ操作部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記超音波プローブにより取得された超音波エコー画像から血管内の医療デバイスを検出し、前記検出された医療デバイスが前記超音波エコー画像中の所定領域に位置するように前記センサ操作部を制御し、
前記制御部は、前記医療デバイスの先端の移動方向を検出するデバイス先端移動方向検出部を備え、
前記デバイス先端移動方向検出部は、前記医療デバイスの先端の移動方向の変化を検出し、
前記デバイス先端移動方向検出部は、前記医療デバイスの血管への送り量と、前記超音波エコー画像における前記医療デバイスの画像とに基づいて、前記医療デバイスの先端の移動方向の変化を検出する
音波プローブ操作装置。
【請求項4】
血管を含む超音波エコー画像を取得する超音波プローブと、
前記超音波プローブを操作するセンサ操作部と、
所定の音声指示に基づいて前記センサ操作部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記所定の音声指示が前記超音波プローブを前進させる指示である場合、前記超音波プローブにより取得された超音波エコー画像から検出される医療デバイスが前記超音波エコー画像中の所定領域に位置するように前記センサ操作部を制御する
音波プローブ操作装置。
【請求項5】
超音波プローブを操作するロボットの制御方法であって、
前記ロボットが、
ロボットに取り付けられた超音波プローブにより超音波エコー画像を取得する画像取得ステップと、
前記取得された超音波エコー画像から血管内の医療デバイスを検出するデバイス検出ステップと、
前記検出された医療デバイスが前記超音波エコー画像中の所定領域に位置するように、前記超音波プローブを操作する制御ステップと、
を実行し、
前記制御ステップでは、所定の音声指示に基づいて、前記検出された医療デバイスが前記超音波エコー画像中の前記所定領域に位置するように前記超音波プローブを操作し、
前記所定の音声指示は、前記医療デバイスを血管内で前進させる指示である
ロボットの制御方法。
【請求項6】
超音波プローブを操作するロボットの制御方法であって、
前記ロボットが、
ロボットに取り付けられた超音波プローブにより超音波エコー画像を取得する画像取得ステップと、
前記取得された超音波エコー画像から血管内の医療デバイスを検出するデバイス検出ステップと、
前記検出された医療デバイスが前記超音波エコー画像中の所定領域に位置するように、前記超音波プローブを制御する制御ステップと、
を実行し、
前記制御ステップは、前記医療デバイス先端の移動方向の変化を検出すると、前記ロボットを介して前記超音波プローブの姿勢を変化させることにより、前記医療デバイスの先端の位置を検出する
ロボットの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波プローブ操作装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下肢虚血などのカテーテル治療では、術者(医者)は、滅菌された状態でガイドワイヤを操作するため、超音波プローブを直接操作することは難しい。また、超音波プローブを操作する者とガイドワイヤを操作する者とが別々の場合、両者が息を合わせて互いに微妙な操作をする必要があり、各操作者の負担が大きい。なお、音声により患者の体内の医療機器を操作する技術は知られている(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-128992号
【文献】特開2002-132283号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、患者の体内に挿入される医療機器を音声で操作するものであり、患者の体内に挿入される医療デバイスと協調して患者の体外で動く超音波プローブの操作を制御するものではなく、使い勝手の点で改善の余地がある。
【0005】
本開示の目的は、ユーザにとっての使い勝手を改善できるようにした超音波プローブ操作装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本開示の一つの観点に従う超音波プローブ操作装置は、血管を含む超音波エコー画像を取得する超音波プローブと、超音波プローブを操作するセンサ操作部と、センサ操作部を制御する制御部を備え、制御部は、超音波プローブにより取得された超音波エコー画像から血管内の医療デバイスを検出し、検出された医療デバイスが超音波エコー画像中の所定領域に位置するようにセンサ操作部を制御する。
【0007】
制御部は、所定の音声指示に基づいて、検出された医療デバイスが超音波エコー画像中の所定領域に位置するようにセンサ操作部を制御してもよい。
【0008】
所定の音声指示は、医療デバイスを血管内で前進させる指示でもよい。
【0009】
所定領域は、超音波エコー画像の幅方向の中心から医療デバイスの進行方向手前側の領域に設定されてもよい。
【0010】
制御部は、医療デバイスの先端の移動方向を検出するデバイス先端移動方向検出部を備えることもできる。
【0011】
デバイス先端移動方向検出部は、医療デバイスの移動方向の変化を検出してもよい。
【0012】
デバイス先端移動方向検出部は、センサ操作部を介して超音波プローブの姿勢を変化させることにより、医療デバイスの先端の位置を検出してもよい。
【0013】
デバイス先端移動方向検出部は、医療デバイスの血管への送り量と、超音波エコー画像における医療デバイスの画像とに基づいて、医療デバイスの移動方向の変化を検出してもよい。
【0014】
本開示は、超音波プローブ操作方法として把握されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、医療デバイスが超音波エコー画像中の所定領域に位置するように、超音波プローブを操作させることができ、ユーザにとっての使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の概要を示す説明図。
図2】制御部の機能構成を示す説明図。
図3】実施例のシステム構成図。
図4】超音波プローブの操作を説明するための基本図。
図5】超音波プローブの向きと超音波エコー画像の関係を示す説明図。
図6】ガイドワイヤの移動に超音波プローブが追従する様子を示す説明図。
図7】超音波プローブの操作を制御する処理を示すフローチャート。
図8】第2実施例に係る超音波プローブ操作装置の制御部の機能構成図。
図9】超音波プローブの操作を制御する処理を示すフローチャート。
図10】第3実施例に係り、超音波プローブの操作を制御する処理を示すフローチャート。
図11】第4実施例に係り、ガイドワイヤの移動方向を検出する処理を示すフローチャート。
図12】ガイドワイヤ先端の移動方向の変化を検出する処理のフローチャート。
図13】第5実施例に係り、ガイドワイヤ先端の移動方向の変化を検出する処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示に用いられる医療デバイスの例としては、ガイドワイヤ、ガイディングカテーテル、マイクロカテーテル、バルーンカテーテル、カッティングバルーン、およびステントデリバリーデバイスが挙げられる。
【0018】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。なお、本開示では、医療用デバイスとして長尺状医療用デバイスを例に挙げる。長尺状医療デバイスは、例えば、ガイドワイヤである。上述のように、医療デバイスは、ガイドワイヤに限定されない。
【0019】
本開示では、血管内に挿入されているガイドワイヤの先端の位置に、超音波プローブを追従させる。超音波プローブは「センサ操作部」としてのロボットにより、その位置および姿勢が制御される。これにより、超音波プローブの取得する超音波エコー画像内において、ガイドワイヤの先端は所定領域に位置する。ガイドワイヤが血管内を前進すると、超音波プローブも体表面上で進む。ガイドワイヤが血管内を後退すると、超音波プローブも体表面上で後退する。
【0020】
本開示に係る超音波プローブ操作装置は、超音波プローブ操作装置のユーザである術者の音声指示にしたがって超音波プローブを動かすこともできるし、超音波エコー画像内のガイドワイヤの先端位置に基づいて超音波プローブを自動で動かすこともできる。
【0021】
さらに、本開示の超音波プローブ操作装置は、血管内におけるガイドワイヤ先端の移動方向を検出することもできる。ガイドワイヤ先端の移動方向は、複数の段階(例えば2段階)で検出してもよい。第1段階は、ガイドワイヤ先端の移動方向が変化したことの検出である。第2段階は、ガイドワイヤ先端の現在位置の検出である。例えば、血管内を直進させていたはずのガイドワイヤ先端が現在の血管から分岐する他の血管内へ進んだ場合、超音波プローブ操作装置は、ガイドワイヤ先端の移動方向が変化したことを検出することができる。次に、超音波プローブ操作装置は、超音波プローブの位置または/および姿勢を変化させることにより、ガイドワイヤ先端の現在位置を検出することができる。
【0022】
これにより、術者は、ガイドワイヤが予定の進行方向から逸れたことを知ることができる。そして、術者は、ガイドワイヤを少し手元に引き戻して(後退させて)、ガイドワイヤを長軸方向に時計回りまたは反時計回りに回転させ、再びガイドワイヤを前進させる。
【0023】
予定の血管から外れたガイドワイヤ先端を検出するために、本開示の超音波プローブ操作装置は、超音波プローブを血管に対して異なる方向に位置させる。これにより、ガイドワイヤ先端の現在位置を検出することができる。
【0024】
一例として、本開示では、超音波プローブを、血管の横方向の断面の画像を取得する第1配置と血管の長手方向の断面の画像を取得する第2配置とで切り替えることにより、血管の位置を検出することができる。「血管の横方向の断面」とは、血管をその中心軸に交差する平面に沿って切断した断面を意味する。
【0025】
図1を用いて、本開示の概要を説明する。本開示に含まれる複数の実施例については、図を改めて後述する。図1は、本開示の概要を示しており、本開示の範囲を規定するものではない。図1に開示された構成の一部から本開示が構成されてもよいし、図1に開示されていない構成を含んで本開示が構成されてもよい。
【0026】
本開示に係る超音波プローブ操作装置(以下、プローブ操作装置)は、例えば、制御部1と、超音波プローブ2と、ロボット3と、音声指示受付部4と、表示部5を含むことができる。音声指示受付部4は、後述の実施例で使用される。
【0027】
「センサ操作部」としてのロボット3は、例えば、6軸ロボットとして構成されてもよい。ロボット3の先端には、超音波プローブ2が回動可能に取り付けられている。超音波プローブ2で撮影された超音波エコー画像は、制御部1に送られて処理される。以下では、超音波エコー画像をエコー画像または画像と省略する場合がある。
【0028】
制御部1は、例えば、操作指示部11と、超音波エコー画像処理部12と、デバイス検出部13を含む。
【0029】
操作指示部11は、ロボット3の動作を制御するためのコマンドをロボット3へ送信する機能を有する。操作指示部11は、超音波プローブ2を被検体SUの体表面上を血管7に沿って移動させたり、血管7を横切る方向に体表面に押し当てたままで回転させたりすることができる。あるいは、操作指示部11は、超音波プローブ3を被検体SUの体表面に斜めから押し当てることもできる。
【0030】
超音波エコー画像処理部12は、超音波プローブ2から超音波エコー画像を取得する機能を有する。制御部1は、超音波エコー画像を解析することにより、超音波エコー画像内の血管7の形状、傾き、経路を算出することもできる。さらに、制御部1は、超音波エコー画像に基づいて、血管7とガイドワイヤ6の先端との位置関係(血管とガイドワイヤとの距離)を算出することもできる。
【0031】
デバイス検出部13は、医療デバイスの一例としてのガイドワイヤ6の先端を検出する機能を有する。
【0032】
制御部1は、デバイス検出部13により検出されたガイドワイヤ6の先端が、超音波エコー画像50の幅方向(図4で後述の水平方向WL)の中心500からガイドワイヤ6の進行方向手前側の所定領域501に位置するように、操作指示部11を介して超音波プローブ2の位置を制御する。ガイドワイヤ6の進行方向手前側とは、ガイドワイヤ6の基端側に向かう方向である。ガイドワイヤ6の先端が超音波エコー画像50内に映る長さが、超音波エコー画像50の幅方向の長さの半分以下となるように、超音波プローブ2の位置が制御される。
【0033】
ガイドワイヤ6の先端は、画像50の幅方向の中心500と一致してもよい。所定領域501は、超音波エコー画像50の水平走査の始端を0%とし、水平走査の終端を100%としたときに、例えば、1~99%の範囲内で設定されてもよい。例えば、5~20%の範囲、10~40%の範囲、20~50%の範囲、30~60%の範囲、40~50%の範囲、60~80%の範囲、10~90%の範などのように、所定領域501は任意に設定可能である。
【0034】
所定領域501は、ユーザによって調整されてもよい。さらに、手術の種類などに応じて所定領域501の推奨値を定めておき、その推奨値を初期設定値として用いてもよい。これにより、ユーザは、ガイドワイヤ6の先端と血管7との関係、および血栓などの患部71までの距離などを把握しやすくなり、ユーザにとっての使い勝手が向上する。デバイス検出部13の構成例は図2で後述する。
【0035】
なお、図中の各機能を結ぶ矢印は、一例を示したものである。各機能の関係は、図中に示す矢印、あるいは矢印の向きに限定されない。
【0036】
表示部5は、超音波エコー画像をそのままで、あるいは加工して、ユーザへ提示する機能を持つ。表示部5は、複数の画像50を同時に表示させることもできる。例えば、表示部5は、血管7の軸方向に沿った断面の画像(縦断面画像)と、血管7の軸方向と直交する断面の画像(横断面画像)とを同時に表示させることもできる。さらに、表示部5は、複数の画像を時系列で並べて表示させてもよい。これにより、ユーザは、ガイドワイヤ6がどのように血管7内へ挿入されたかを複数の静止画像により観察できる。表示部5は、ガイドワイヤ6が血管7内に挿入される様子を、縦断面または横断面の動画像として観察することもできる。
【0037】
このように構成される本開示によれば、ガイドワイヤ6の先端が超音波エコー画像50の幅方向の所定領域に入るように、超音波プローブ2の位置が制御されるため、ユーザはガイドワイヤ6の先端の血管7内での様子を容易に把握することができ、ガイドワイヤ6の操作が容易となり、ユーザにとっての使い勝手が向上する。
【0038】
さらに、本開示によれば、ユーザは、音声によって超音波プローブ2を操作することができる。したがって、ユーザは、ガイドワイヤ6を手で持って操作したままで、超音波プローブ2を動かしてその位置を変えることができる。
【0039】
さらに、本開示によれば、デバイス検出部13は、ガイドワイヤ6の先端の移動方向の変化を検出することができる。したがって、ユーザは、ガイドワイヤ6が進行中の血管7から外れたことを知ることができ、ガイドワイヤ6を手元側に少し引き戻して、ガイドワイヤ6の先端の移動方向を修正することができる。
【0040】
さらに、本開示によれば、デバイス検出部13は、ガイドワイヤ6の先端の移動方向が変化したことを検出した場合に、その場で超音波プローブ2を回転させることにより、ガイドワイヤ6の先端の現在位置を探索することができる。これにより、ユーザは、どの方向へガイドワイヤ6の先端が向かおうとしているのかを容易に把握でき、ユーザにとっての使い勝手が向上する。
【0041】
上述した本開示の複数の作用のうち一つでも実現する構成は、本開示の範囲に含まれるであろう。本開示の範囲は、上述した各作用の全てを含む構成に限定されない。以下では、「センサ」としての超音波プローブをセンサまたはプローブと呼ぶことがある。「医療デバイス」としてのガイドワイヤをデバイスと呼ぶことがある。
【実施例1】
【0042】
図2図7を用いて第1実施例を説明する。図2は、制御部1の機能構成を示す。上述のように、制御部1は、「センサ操作部」としてのロボット3と超音波プローブ2とに接続される。制御部1は、操作指示部11と、超音波エコー画像処理部12と、デバイス検出部13を備える。
【0043】
デバイス検出部13は、超音波エコー画像処理部12から受領する超音波エコー画像に基づいて、血管7内のガイドワイヤ6を検出し、その検出結果を操作指示部11へ出力する。デバイス検出部13は、例えば、所定領域設定部131と、デバイス位置検出部132と、センサ移動量算出部133と、デバイス先端移動方向検出部134を備える。デバイス先端移動方向検出部134は、後述の実施例で使用される。
【0044】
所定領域設定部131は、超音波エコー画像50内におけるガイドワイヤ6の先端が位置すべき範囲(所定領域501)を規定する機能を有する。所定領域設定部131は、ガイドワイヤ6の先端が画像50内で位置すべき範囲を所定領域501として設定する。所定領域501の下限値および/または上限値は、ユーザにより調整されてもよい。ユーザは、音声によって所定領域501の値を制御部1に指示してもよい。所定領域501の下限値および/または上限値を、いわゆる機械学習の手法により定めてもよい。
【0045】
デバイス位置検出部132は、超音波プローブ2により取得された超音波エコー画像50からガイドワイヤ6の画像を特定することにより、血管7内でのガイドワイヤ6の位置を検出する。
【0046】
センサ移動量算出部133は、ガイドワイヤ6の先端位置が所定領域501に入るために必要な、超音波プローブ2の移動量を算出し、その算出結果を操作指示部11へ与える機能を有する。
【0047】
デバイス先端移動方向検出部134は、ガイドワイヤ先端の移動方向を検出する。以下、移動方向検出部134と略記する場合がある。移動方向検出部134は、超音波エコー画像処理部12から受領する画像に基づいて、ガイドワイヤ6の先端の移動方向を検出する機能を有する。詳しくは、移動方向検出部134は、ガイドワイヤ6の先端の移動方向が変化したかと、ガイドワイヤ6の先端の移動方向が変化した場合にガイドワイヤ6の先端が現在どこにあるのかを、検出する機能を有する。
【0048】
ガイドワイヤ6の先端の移動方向が変化したことを移動方向検出部134が検出したときに、制御部1は、ユーザに警告を発することができる。警告を受けたユーザは、ガイドワイヤ6の送り込みをいったん停止させることができる。そして、移動方向検出部134がガイドワイヤ6の先端の現在位置を検出したときに、制御部1は、その位置を超音波エコー画像によりユーザに知らせることができる。
【0049】
図3は、超音波診断装置用超音波プローブ操作装置の構成例を示す説明図である。本実施例のプローブ操作装置は、例えば、超音波診断装置200と、ロボット制御装置300と、ロボット3と、ユーザインターフェース(図中、UI)装置200を含む。
【0050】
超音波診断装置200は、超音波プローブ2により撮影された超音波エコー画像に基づいて診断する装置である。超音波診断装置200は、超音波エコー画像を処理する超音波エコー画像処理部210を備える。この超音波エコー画像処理部210は、超音波エコー画像処理部12に対応することができる。
【0051】
ロボット制御装置300は、例えば6軸ロボットとして構成されるロボット3を制御する。ロボット制御装置300は、超音波診断装置200に対して撮影を制御するための信号を出力することもできる。ロボット制御装置300は、図2の操作指示部11に対応することができる。
【0052】
ロボット制御装置300は、例えば、マイクロプロセッサ(図中CPU:Central Processing Unit)310と、メモリ320と、媒体インターフェース330と、通信部34
0と、記憶装置350を含む。ロボット制御装置300は、専用回路を備える専用装置でもよいし、所定のコンピュータプログラムを実行させる汎用計算機でもよい。さらに、ロボット制御装置300は、複数の装置を連携させてもよい。例えば、複数の計算機を協調させることにより、一つまたは複数のロボット制御装置300を生成してもよい。
【0053】
記憶装置350は、例えば超音波プローブ操作装置の機能を実現させるための所定のコンピュータプログラム351を記憶する。
【0054】
マイクロプロセッサ10は、記憶装置350に格納された所定のコンピュータプログラム351をメモリ320に読み込んで実行することにより、超音波プローブ操作装置としての各機能を実現させる。
【0055】
媒体インターフェース330は、例えば、半導体メモリまたはハードディスクなどの記憶媒体MMとの間でデータを通信する回路である。所定のコンピュータプログラム351の少なくとも一部を記憶媒体MMに格納しておき、その記憶されたコンピュータプログラムを記憶媒体MMから記憶装置350へインストールさせることができる。あるいは、記憶装置350に格納された所定のコンピュータプログラム351の少なくとも一部を記憶媒体MMに転送して格納させることもできる。なお、記憶媒体MMに代えて、ロボット制御装置300の通信部340に接続された通信ネットワークCNを所定のコンピュータプログラムの伝送媒体として用いることもできる。
【0056】
ユーザインターフェース装置400は、超音波診断装置200およびロボット制御装置300との間で情報を交換する。ユーザインターフェース装置400は、情報入力装置と情報出力装置とを含む。情報入力装置と情報出力装置とが一体化されてもよい。情報入力装置としては、例えば、キーボード、押釦、音声入力装置、タッチパネル、マウスなどのポインティングデバイスなどがある。情報出力装置としては、例えば、モニタディスプレイ、プリンタ、音声合成装置、ライトなどがある。
【0057】
図4(1)は、超音波プローブ2を正面から見た図であり、超音波プローブ2の先端のレンズの中央部には中心点CPが設定される。この中心点CPを固定したままで、超音波プローブ2の位置を水平方向に回転させてもよい。
【0058】
図4(2)は、超音波プローブ2の斜視図である。超音波プローブ2の短軸方向の中心軸をX軸と、超音波プローブ2の長軸方向の中心軸をY軸と、超音波プローブ2の深さ方向の中心軸をZ軸と、それぞれ呼ぶ。
【0059】
図4(3)は、超音波プローブ2で撮影された超音波エコー画像50を示し、画像50の水平方向WLを画像50の幅方向と、画像50の垂直方向DLを画像50の深さ方向と、それぞれ呼ぶことができる。ガイドワイヤ6の先端が、画像50の水平方向WLに設定される所定領域501に位置するように、超音波プローブ2の位置が制御される。
【0060】
図5は、超音波プローブ2の向きと超音波エコー画像50との関係を示す。ここでは、超音波エコー画像50のうち血管7の縦断面の画像に符号51を付し、超音波エコー画像50のうち血管7の横断面の画像に符号52を付す。画像51,52を特に区別しない場合は、超音波エコー画像50と呼ぶ。
【0061】
図5(1)は、血管7の縦断面画像51を撮影する様子を示す。図5(2)は、血管7の横断面画像52を撮影する様子を示す。
【0062】
ガイドワイヤ6の先端61は、若干曲がって形成されている。このわずかに曲がった先端61を備えることにより、ユーザは、複雑な血管7の所望の方向へガイドワイヤ6を送り込むことができる。換言すれば、ガイドワイヤ6の先端61がわずかに曲がっているために、ユーザがガイドワイヤ6を血管7内へ送り込むと、ガイドワイヤ6の先端が意図しない方向へ進もうとする場合がある。
【0063】
なお、本開示において、ガイドワイヤ6の先端とは、わずかに曲がった部分61を含む領域である。
【0064】
図5に示すように、超音波プローブ2を血管7の長手方向に沿って配置させれば縦断面画像51を得ることができる。超音波プローブ2の中心点CPを固定したままで例えば水平に回転させることにより、横断面画像52を得ることができる。
【0065】
図5では、縦断面画像51と横断面画像52の2つの画像を示すが、超音波プローブ2を回転させながら撮影することにより、より多くの(2以上の)超音波エコー画像50を得ることができる。すなわち、超音波エコー画像の縦断面画像51においてガイドワイヤ6の先端61を見失った場合でも、超音波プローブ2を例えば一回転または半回転などさせることにより、ガイドワイヤ6の先端61の映る超音波エコー画像を少なくとも一つ得ることができる。
【0066】
図6は、超音波プローブ2の位置が血管7内のガイドワイヤ6の先端に追従する様子を示す。図6(1)に示す状態から図6(2)に示すように、ガイドワイヤ6の先端が前進すると、図6(3)に示すように、超音波プローブ2も被検体SUの体表面上を所定距離だけ進む。所定距離とは、ガイドワイヤ6の先端を超音波エコー画像50の幅方向の所定領域501に位置させるために超音波プローブ2が移動する距離である。
【0067】
図7は、超音波プローブ操作装置の制御処理S10を示すフローチャートである。超音波プローブ操作装置のデバイス位置検出部132は、ガイドワイヤ6の先端位置を検出する(S11)。センサ移動量算出部133は、検出された超音波プローブ2の先端位置と所定領域501との差分を算出し(S12)、超音波プローブ2を移動させる距離(移動量)を算出する(S13)。
【0068】
ここで、ガイドワイヤ6の先端位置と所定領域501との差分は、例えば、所定領域501の下限値までの距離として求めてもよいし、あるいは、ガイドワイヤ6の先端位置と所定領域501の中心値までの距離として求めてもよいし、あるいは、ガイドワイヤ6の先端位置と所定領域501の上限値までの距離として求めてもよい。すなわち、ガイドワイヤ6の先端を所定領域501に位置させるための目標値を算出できればよい。
【0069】
そして、センサ移動量算出部133は、ステップS13の算出結果を操作指示部11へ出力する。操作指示部11は、ロボット3に操作指示を送信することにより、超音波エコー画像50内においてガイドワイヤ6の先端が所定領域501に入るように、超音波プローブ2の位置を変化させる(S14)。
【0070】
このように構成される本実施例によれば、ガイドワイヤ6の先端が超音波エコー画像50の幅方向の所定領域501に位置するように、超音波プローブ2の位置が制御されるため、ユーザはガイドワイヤ6の先端の血管7内での様子を容易に把握することができ、ガイドワイヤ6の操作が容易となり、ユーザにとっての使い勝手が向上する。
【実施例2】
【0071】
図8および図9を用いて第2実施例を説明する。以下の各実施例では第1実施例との相違を中心に述べる。本実施例では、ユーザからの所定の音声指示にしたがって、超音波プローブ2を操作する。
【0072】
図8は、制御部1Aの機能構成図である。図9は、超音波プローブ2を制御する処理S20のフローチャートである。
【0073】
制御部1Aは、音声指示受付部4により受け付けられた音声指示により、超音波プローブ2の位置を変化させる。音声指示受付部4は、制御部1Aの内部に設けられてもよいし、あるいは、図8に示すように制御部1Aの外部に設けられてもよい。
【0074】
音声指示受付部4は、ユーザの発した音声をマイクロフォン401により検出し(S21)、検出された音声を認識し(S22)、その認識結果に対応するコマンドが存在するか判定する(S23)。すなわち、音声指示受付部4は、検出された音声が超音波プローブ2を操作するコマンドに対応する所定の音声指示であるか判定する(S23)。
【0075】
コマンド402としては、例えば、「前進」「後退」「回転」などがある。「前進」は、超音波プローブ2を所定量前進させるコマンドである。「後退」は超音波プローブ2を所定量後退させるコマンドである。「回転」は超音波プローブ2を所定角度回転させるコマンドである。
【0076】
音声指示により決まった量だけ超音波プローブ2を動かすのではなく、ユーザが停止を指示するまで超音波プローブ2を操作できるようにしてもよい。または、ユーザが前進を指示した場合、超音波エコー画像50の所定領域501に超音波プローブ2が位置するようにして、超音波プローブ2を前進させるようにしてもよい。
【0077】
所定の音声指示ではない場合(S23:NO)、ステップS21へ戻る。所定の音声指示である場合(S23:YES)、操作指示部11は、対応するコマンドをロボット3へ送信する(S24)。
【0078】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例では、ユーザは、音声によって超音波プローブ2を自在に操作することができるため、使い勝手が向上する。ユーザは、ガイドワイヤ3の先端位置を確認するために、任意のタイミングで超音波プローブ2を回転させて、横断面画像52を見ることができる。
【実施例3】
【0079】
図10を用いて第3実施例を説明する。本実施例では、超音波プローブ2を音声指示または自動で操作できるようにしている。ここでは、ユーザの音声により超音波プローブ2を操作することを手動と呼ぶ。
【0080】
図10は、超音波プローブ2を操作する処理S30のフローチャートである。超音波プローブ操作装置の制御部1は、超音波プローブ2を自動または手動のいずれで操作するか判定する(S31)。自動で超音波プローブ2を操作する場合(S31:自動)、制御部1は自動処理に設定し(S32)、図7で述べた処理S10を実行する。これに対し、手動で超音波プローブ2を操作する場合(S31:手動)、制御部1は手動処理に設定し(S33)、図9で述べた処理S20を実行する。
【0081】
ユーザは、例えば音声で指示することにより、自動処理と手動処理のいずれかを選択することができる。あるいは、ユーザは、足踏みスイッチなどを操作することにより、自動処理と手動処理のいずれかを選択することもできる。
【0082】
このように構成される本実施例も第1,第2実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、自動または手動で超音波プローブ2を操作できるため、状況に応じて自動操作と手動操作とを使い分けることができ、ユーザにとっての使い勝手が向上する。
【実施例4】
【0083】
図11および図12を用いて第4実施例を説明する。本実施例では、ガイドワイヤ6の先端の移動方向が変化したときに、ガイドワイヤ6の先端の位置を検出する。図11は、ガイドワイヤ6の移動方向を検出する処理S40を示すフローチャートである。
【0084】
超音波プローブ操作装置のデバイス先端移動方向検出部134は、ガイドワイヤ6の先端の移動方向が変化したことを検出すると、その旨をユーザへ通知する(S41)。検出方法は後述する。超音波プローブ操作装置は、ガイドワイヤ6の先端の移動方向の変化を、ユーザインターフェース装置400からユーザへ通知する。
【0085】
その通知を受けたユーザは、例えば音声操作により、あるいは足踏みスイッチなどを操作することにより、超音波プローブ2を回転させてガイドワイヤ6の先端を探索する(S42)。
【0086】
超音波プローブ2を回転させることによりガイドワイヤ6の先端が発見されると、超音波プローブ操作装置の制御部1は、横断面画像52の略中央部にガイドワイヤ6の先端が位置するように、超音波プローブ2の回転角度(必要に応じて超音波プローブ2の姿勢)を調整する(S43)。
【0087】
横断面画像52を確認したユーザは、ガイドワイヤ6を少し手前に引き戻して(S44)、ガイドワイヤ6を軸周りに時計方向または反時計方向へ十数度~数十度回転させてから、再びガイドワイヤ6を前進させる(S45)。ステップS44およびステップS45は、ユーザによる手動操作である。ただし、ステップS44およびステップS45の少なくとも一部を、ガイドワイヤ6を操作するためのロボット(不図示)により実行させてもよい。
【0088】
図12は、ガイドワイヤ先端の移動方向の変化を検出する処理S41の詳細を示すフローチャートである。
【0089】
デバイス先端移動方向検出部134は、ガイドワイヤ6が血管7内へ送り込まれた量を取得する(S411)。例えば、ガイドワイヤ6の手元側にリニアエンコーダなどの送り量検出センサを設けることにより、ガイドワイヤ6が血管7内へ送り込まれる量を検出すればよい。
【0090】
移動方向検出部134は、超音波プローブ2から超音波エコー画像を取得し(S412)、ガイドワイヤ6の送り量と超音波エコー画像とから、ガイドワイヤ先端の位置が変化したか判定する(S413)。
【0091】
移動方向検出部134は、ガイドワイヤ6の先端位置が変化した場合(S413:YES)、ステップS411へ戻る。
【0092】
移動方向検出部134は、ガイドワイヤ6を送り込んでいるにもかかわらずガイドワイヤ6の先端位置が変化しない場合(S413:NO)、ガイドワイヤ先端が本来の移動方向から変化したと判定し、その旨をユーザへ通知する(S414)。
【0093】
ガイドワイヤ6を送り込んでいるのに超音波エコー画像(縦断面画像51)においてガイドワイヤ6の先端位置が変化しない場合、ガイドワイヤ6の先端が現在の超音波エコー画像では映らない領域において、本来の移動方向から外れていると判定できる。例えば、ガイドワイヤ6の先端が現在の超音波エコー画像では見えない箇所で他の血管へ侵入しているような場合が考えられる。
【0094】
ガイドワイヤ6の先端が本来の移動方向から外れたと判定された場合、図11のステップS42およびステップS43で述べたように、超音波プローブ2をその場で回転させてガイドワイヤ先端を探し出し、超音波プローブ2の位置などを調整すればよい。これにより、ユーザは、ガイドワイヤ6の先端が現在どこにあるのかを確認できる。
【0095】
このように構成される本実施例は、前記各実施例と結合させることができる。本実施例によれば、ガイドワイヤ先端の移動方向が変化した場合に、ガイドワイヤ6の先端を速やかに検出することができるため、ユーザにとっての使い勝手がさらに向上する。
【実施例5】
【0096】
図13を用いて第5実施例を説明する。本実施例では、ガイドワイヤ6の先端の形状に基づいて、ガイドワイヤ先端の移動方向が変化したか検出する。図13は、ガイドワイヤ先端の移動方向の変化を検出する処理S41Aを示すフローチャートである。
【0097】
移動方向検出部134は、ガイドワイヤ6が血管7内へ送り込まれた量を取得し(S415)、超音波エコー画像に映っているガイドワイヤの先端部分の形状を検出する(S416)。
【0098】
そして、移動方向検出部134は、ガイドワイヤ6の先端部分の形状が変化したかを判定する(S417)。ガイドワイヤ6の先端61はわずかに曲がっているため、ガイドワイヤが本来の移動方向から外れて前進した場合、その先端部分の形状が変化すると考えられる。または、ガイドワイヤ6の先端がテーパ状に形成されている場合、ガイドワイヤ先端が他の血管へ侵入すると、ガイドワイヤ先端の太さ寸法が変化すると考えられる。
【0099】
そこで、移動方向検出部134は、ガイドワイヤ6が血管7内へ送り込まれている場合に、ガイドワイヤ先端部分の形状変化を検出すると、ガイドワイヤ先端が他の血管に侵入していると判断し、その旨をユーザへ通知する(S418)。
【0100】
このように構成される本実施例も第4実施例と同様の作用効果を奏する。本実施例と第4実施例とを結合させて、ガイドワイヤの送り量と、ガイドワイヤ先端の位置変化の有無と、ガイドワイヤの先端部分の形状変化の有無とから、ガイドワイヤ先端の移動方向が変化したか検出してもよい。
【0101】
なお、本開示は上述の実施形態に限定されず、様々な変形例が含まれる。上記実施形態は本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることもできる。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることもできる。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成を追加・削除・置換することもできる。
【0102】
本開示の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本開示に含まれる。さらに特許請求の範囲に記載された構成は、特許請求の範囲で明示している組合せ以外にも組み合わせることができる。上述した各実施例は、任意に組合せ可能である。
【0103】
なお、ガイドワイヤを例に挙げて説明したが、本開示は、本出願の時点でガイドワイヤと呼ばれる物体に限定されない。管の内部に挿入されて移動する物体であって、その位置の検出が必要とされる物体であれば、本開示を適用可能である。
【符号の説明】
【0104】
1,1A:制御部、2:超音波プローブ、3:ロボット、4:音声指示受付部、5:表示部、6:ガイドワイヤ、7:血管、11:操作指示部、12:超音波エコー画像処理部、13:デバイス検出部、50:超音波エコー画像、131:所定領域設定部、132:デバイス位置検出部、133:センサ移動量算出部、134:デバイス先端移動方向検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13