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特許7455213窒素発泡によって発泡材料を調製する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】窒素発泡によって発泡材料を調製する方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/12 20060101AFI20240315BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20240315BHJP
   B29C 44/36 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
C08J9/12 CER
C08J9/12 CEZ
B29C44/00 F
B29C44/36
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022540863
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 CN2022079783
(87)【国際公開番号】W WO2023019920
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】202110935419.6
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522262898
【氏名又は名称】江▲蘇▼大毛牛新材料有限公司
【氏名又は名称原語表記】Jiangsu Damaoniu New Material Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.19, Qinhuai North Road, Lishui Economic Development Zone, Nanjing City, Jiangsu, China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159916
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】白朋
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼振秀
【審査官】大村 博一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108047702(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108102338(CN,A)
【文献】特表2017-518211(JP,A)
【文献】特開2013-060508(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112476929(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102229708(CN,A)
【文献】特開2019-044123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/00- 9/42
B29C 44/00-44/60;67/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整のための原材料としてポリマーを含む発泡マトリックスを架橋して複数の架橋プリフォームを得、
極性液体を入れた反応窯に前記架橋プリフォームを添加し、
窒素を加えて発泡させ、
圧力を放出し、
加熱して発泡させて発泡材料を得る工程を含み、
隣接する前記架橋プリフォームの間の距離と、前記架橋プリフォームの厚さとの比は、(1.5~2):1であり、
前記反応窯に入れた前記極性液体の温度は、40℃以上であり、かつ、前記ポリマーの軟化点より20~30℃低い温度であり、
前記窒素を加えて発泡させる時、加える前記窒素の温度は30~40℃であり、加える前記窒素の圧力は10~20MPaであり、1~2時間保圧した後、前記窒素を30~40MPaに加圧し、3~5時間保圧することを特徴とする、
窒素発泡によって発泡材料を調製する方法。
【請求項2】
記ポリマーは、ゴムおよび/またはプラスチックであることを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発泡マトリックスを架橋する方法は、熱硬化、紫外線硬化、放射線硬化のいずれかから選択されることを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記極性液体の官能基は、ヒドロキシル基、カルボニル基およびエステル基の少なくとも1つから選択されることを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記官能基がヒドロキシル基を含む場合、極性液体にはヒドロキシル基非炭素化合物が含まれることを特徴とする、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記極性液体には、さらに、ヒドロキシル炭素化合物、アルカン化合物、および脂肪酸の少なくとも1種が含まれることを特徴とする、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記圧力を放出する速度は、3~4MPa/sであることを特徴とする、
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理的発泡分野に関し、具体的には、本発明はC08J9/12に関する。
【背景技術】
【0002】
発泡材料は、材料の内部に多くの気泡が分布している高分子材料の一種である。現在の発泡方法は、主に化学発泡と物理発泡であり、化学発泡と比較して、物理発泡は化学変化を起こさず、物理的状態だけ変化するので、環境保護に役立つ方法である。
【0003】
特許文献1(CN110343330A)は、架橋ポリプロピレン発泡材料およびその調製方法を開示している。前記発泡材料には、マトリックス樹脂、発泡材、抗酸化剤、気泡安定剤および増感剤などが含まれる。その調製方法には、押出成形、放射線架橋、発泡材浸漬などの手順が含まれる。本発明では、調製工程で汚染なしの二酸化炭素を発泡剤として使用され、従来の架橋ポリプロピレン発泡材料と比較して、二次汚染を引き起こさず、グリーン環境保護の要件を満たしている。
【0004】
しかし、現在の発泡材料の調製工程では、発泡率が不安定で気泡が不均一であるという問題があるので、発泡率の安定性と気泡の均一性を向上させるための新しい調製方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題を解決するために、本発明の第一の態様は、窒素発泡によって発泡材料を調製する方法を提供し、以下を含む。発泡マトリックスを架橋して複数の架橋プリフォームを得、極性液体を入れた反応窯に架橋プリフォームを添加し、窒素を加えて発泡させ、圧力を放出し、加熱して発泡させ、前記発泡材料を得る。本発明は、極性液体の使用量を特に制限していない、発泡マトリックスが極性液体に完全に浸漬される状態でよいことである。
【0006】
一実施形態では、本発明の前記発泡マトリックスを調製する原料にはポリマーが含まれ、前記ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、EPDMゴム、ポリビニルアルコール、ポリアミドなどのゴムおよび/またはプラスチックであり、特に限定されていない。
【0007】
一実施形態では、本発明の前記発泡マトリックスを調製する原材料にはまた、架橋剤を含み、前記架橋剤は、ポリマーの1~5wt%を占める。
【0008】
前記架橋剤は、ポリマーの官能基によって、ペルオキシ架橋剤、イソシアネート架橋剤、ポリビニル架橋剤等、異なる架橋剤を選択でき、特に限定されていない。
【0009】
ペルオキシ架橋剤の例として、1,1-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、tert-ブチル-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート、1,1-ジ-tert-ペンチルペルオキシドシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、tert-ブチルペルオキシイソノナノエートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0010】
イソシアネート架橋剤の例として、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】
ポリビニル架橋剤の例として、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、トリエチレングリコールビスメタクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
一実施形態では、本発明の前記発泡マトリックスを調製する原材料にはまた、開始剤が含まれ、前記開始剤は、ポリマーの1~5wt%を占める。例えば光開始剤または熱開始剤など、特に限定されていない。その例として、ジフェニルエタノン、α、α-ジメトキシ-α-フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルオキシピバレート、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソヘプタニトリルが挙げられるが、特に限定されていない。
【0013】
一実施形態では、本発明の前記発泡マトリックスを調製する原材料にはまた、充填剤、抗酸化剤、核化剤、相溶化剤および他の補助剤が含まれるが、特に限定されていない。
【0014】
一実施形態では、本発明の前記発泡マトリックスを架橋する方法は、熱硬化、紫外線硬化、および放射線効果の1つから選択され、特に限定されていない。発泡マトリックスが架橋して成形した後、特定の形状とサイズを有する架橋プリフォームが得られ、発泡に使用して発泡材料を得る。
【0015】
一実施形態では、本発明の前記極性液体の官能基は、ヒドロキシル基、カルボニル基およびエステル基の少なくとも1種から選択される。官能基にヒドロキシルを含む場合、前記極性液体には、水などのヒドロキシル非炭素化合物が含まれ、好ましくは、前記極性液体には、アルコール、ヒドロキシ酸、ペンタン、ヘキサンなどのヒドロキシル炭素化合物、アルカン化合物が含まれる。本発明は、極性液体中のヒドロキシル非炭素化合物の使用量を特に限定されていない、その例として、1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、25wt%、30wt%、35wt%、40wt%、45wt%、50wt%、55wt%、60 wt%、65wt%、70wt%、75wt%、80wt%、85wt%、90wt%、95wt%、100wt%があげられ、例えば1~100 wt%である。
【0016】
現在の物理的発泡工程では、窒素などの物理的発泡剤を架橋プリフォームに入り、架橋プリフォーム中の窒素の飽和濃度を促進するために、一般的に前生成物の軟化点さらに融点付近にし、高圧窒素を使用する必要があるが、大きな気泡が発生し、気泡が不均一になり、表面が内側に凹んで発泡率の高い製品を得るには難しいという問題があることに対し、本発明は、極性液体の環境に窒素を加えて発泡する方法を採用することにより、窒素と架橋プリフォームの相溶性と飽和濃度を改善し、低い極性液体温度条件下でも、より高い発泡率と均一な気泡構造を得ることができる。
【0017】
一実施形態では、本発明の前記隣接する架橋プリフォームの間の距離と、架橋プリフォームの厚さとの比は(1.5~2):1である。本発明は、複数のプリフォームを一緒に添加して窒素で発泡することができ、プリフォーム間に一定の距離を維持する必要がある。隣接する架橋プリフォームを架橋プリフォームAと架橋プリフォームBとする場合、隣接する架橋プリフォーム間の距離は、架橋プリフォームBに接近する架橋プリフォームAの表面A1から架橋プリフォームBまでの距離であり、架橋プリフォームの厚さは、架橋プリフォームBから離れた架橋プリフォームAの表面A2から架橋プリフォームAが架橋プリフォームBの表面に接近する距離A1であり、A1とA2は定数ではない場合、A2からA1までの最大距離を架橋プリフォームの厚さとする。
【0018】
また、発明者は、極性液体環境において、窒素などの一般的な超流動環境と比較して、架橋プリフォームが窒素-極性液体とよりよく相互作用し、架橋プリフォームの飽和点と核形成点の増加を制御し、窒素を添加した後の同ロットのプリフォームの発泡率の大きな違いを回避し、その後の発泡に影響を与えないように、架橋プリフォーム間の距離を合理的に選択する必要があることを発見した。そして、発明者は、窒素を添加する過程において、添加窒素の温度を低く、極性液体の温度を高く制御して、気相と液相の間の物質移動により、極性液体における窒素の相溶と分散を促進することができ、さらに窒素の発泡率の安定性を促進できると発見した。
【0019】
一実施形態では、本発明の前記ポリマーの軟化点と極性液体の温度との差は、20~30℃である。
【0020】
本発明の前記極性液体の温度は、以下を満足する:極性液体の温度は40℃以上であり、および/またはポリマーの軟化点と極性液体の温度との差は20~30℃である。本発明によって提供されるポリマーの軟化点は60℃以上である。軟化点はASTM D1525に従って測定され、ヴィカット軟化点である。
【0021】
本発明の前記温度差は、ポリマーの軟化点温度と極性液体の温度との差であり、本発明は、特に極性液体の温度を限定されていない、極性液体の温度はポリマーの軟化点の温度より20~30℃低いであればよいことである。
【0022】
一実施形態では、本発明の前記窒素を添加して発泡するとき、添加窒素の温度は30~40℃、添加窒素の圧力は10~20MPaであり、1~2時間保圧した後、30~40MPaに加圧し、3~5時間保圧する。
【0023】
一実施形態では、本発明の前記圧力放出速度は3~4MPa/sである。
【0024】
本発明は、窒素を添加して発泡する時間と加熱発泡の時間を特に限定されていない、異なるポリマーによって制御する。一実施形態では、本発明の前記加熱発泡の温度は100~200℃、時間は0.5~3時間である。
【0025】
また、発明者は、窒素を添加して発泡するとき、最初に一定期間低圧に維持し、次に一定期間高圧に維持することは、高い気泡密度の形成に有利で、発泡率を向上させ、大きな気泡の発生を回避することができると発見した。これは、より低い圧力、つまり、低窒素が極性液体の濃度下で保圧するとき、低濃度の窒素がポリマーに浸透させて核形成を促進し、さらに適切なポリマー骨格を形成することができ、圧力が上昇して極性液体への窒素の溶解度が増加し、高圧によって引き起こされる気泡増加と抵抗の増加、そしてポリマー骨格と窒素核形成部位の固定作用の下で、より多くの窒素がポリマーに入るのを促進して均一な核形成部位を形成することができ、これはその後の圧力放出と加熱発泡時の過飽和窒素の使用に便利を図り、大きな気泡の形成を回避することができる原因であると考えられる。
【0026】
さらに、発明者は、急速減圧によって高圧システムの圧力を放出するとき、より高い発泡率を実現する同時に、適切な発泡チャンネルを得ることができ、引き続き加熱して発泡するとき、発泡のさらなる進行を促進し、均一な発泡材料を得ることができると発見した。
【発明の効果】
【0027】
従来技術と比較して、本発明は以下の有益な効果を有する:
【0028】
(1)一般に、無機発泡は、ポリマー材料に高圧発泡剤を長時間浸透させることによって発泡することである。発泡は、主に無機発泡剤とポリマーの相溶性に関係する。しかし、無機発泡剤の特性は、ポリマーとは異なるので、無機発泡剤がポリマーの内部に入って良好な気泡を形成することが困難であり、窒素を添加して発泡および圧力放出後の発泡率が低いである。本発明は、水を含む極性液体で行っているので、無機発泡剤の浸透は、無機発泡剤と水の相溶性、水とポリマーの相溶性、無機発泡剤と水の相溶性に関連している。発明者は、予期せることに、これは発泡剤のポリマーへの浸透を促進し、予備発泡率を向上させることができると発見した。
【0029】
(2)極性液体において、発明者は、隣接する架橋プリフォーム間の距離およびプリフォームとの厚さの比、およびポリマー溶融温度と極性液体との温度差を制御し、隣接するプリフォームが極性液体との十分な接触を促進し、および本発明によって提供されるシステムを介して、温度差が比較的低く、つまり、極性液体の温度がより低い条件下で予備発泡を行うことで、発泡率と気泡の均一性を促進できると発見した。
【0030】
(3)また、添加窒素の圧力と温度、および極性液体との温度差を制御することにより、窒素添加と加圧工程で、温度差で窒素の溶解を促進し、窒素の密度を高め、さらに予備発泡の安定性を促進し、最終的に発泡率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】実施例1のSEM図である。
図2】実施例2のSEM図である。
図3】実施例3のSEM図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<実施例1>
この実施例は、窒素発泡によって発泡材料を調製する方法を提供し、以下を含む。発泡マトリックスを架橋して複数の架橋プリフォームを得、極性液体を入れた反応窯に架橋プリフォームを添加し、窒素を加えて発泡させ、圧力を放出し、加熱して発泡させ、前記発泡材料を得る。前記隣接する架橋プリフォームの間の距離と架橋プリフォームの厚さとの比は2:1であり、前記ポリマーの軟化点と極性液体との温度の差は20℃であり、前記窒素を加えて発泡するときに添加する窒素の温度は40℃、添加窒素の圧力は20MPaであり、1時間保圧した後、40MPaに加圧し、3時間保圧する、前記圧力放出速度は4MPa/s、前記加熱発泡の温度は130℃、時間は1時間である。前記発泡マトリックスを調製する原材料には、ポリマー、架橋剤、開始剤が含まれ、前記ポリマーはEVA(軟化点70℃)で、台湾プラスチック社から購入された7320Mであり、前記架橋剤は、1,1-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンであり、前記開始剤はアゾビスイソブチロニトリルであり、前記架橋剤はポリマーの5wt%、前記開始剤はポリマーの4wt%を占める。
【0033】
<実施例2>
この実施例は、窒素発泡によって発泡材料を調製する方法を提供し、以下を含む。発泡マトリックスを架橋して複数の架橋プリフォームを得、極性液体を入れた反応窯に架橋プリフォームを添加し、窒素を加えて発泡させ、圧力を放出し、加熱して発泡させ、前記発泡材料を得る。前記隣接する架橋プリフォーム間の距離と架橋プリフォームの厚さとの比は1.5:1であり、前記ポリマーの軟化点と極性液体との温度の差は30℃であり、前記窒素を加えて発泡するときに添加する窒素の温度は30℃、添加窒素の圧力は10MPaであり、2時間保圧した後、30MPaに加圧し、5時間保圧する、前記圧力放出速度は3MPa/s、前記加熱発泡の温度は160℃、時間は0.8時間である。前記発泡マトリックスを調製する原材料には、ポリマー、架橋剤、開始剤が含まれ、前記ポリマーはPP(軟化点150℃)で、韓国暁星社から購入されたB240Pであり、前記架橋剤は、tert-ブチル-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネートであり、前記開始剤はアゾビスイソヘプタニトリルであり、前記架橋剤はポリマーの3wt%、前記開始剤はポリマーの2wt%を占める。
【0034】
<実施例3>
この実施例は、窒素発泡によって発泡材料を調製する方法を提供し、以下を含む。発泡マトリックスを架橋して複数の架橋プリフォームを得、極性液体を入れた反応窯に架橋プリフォームを添加し、窒素を加えて発泡させ、圧力を放出し、加熱して発泡させ、前記発泡材料を得る。前記隣接する架橋プリフォーム間の距離と架橋プリフォームの厚さとの比は1.8:1であり、前記ポリマーの軟化点と極性液体との温度の差は25℃であり、前記窒素を加えて発泡するときに添加する窒素の温度は35℃、添加窒素の圧力は15MPaであり、1.5時間保圧した後、35MPaに加圧し、4時間保圧する、前記圧力放出速度は3.5MPa/s、前記加熱発泡の温度は150℃、時間は1時間である。前記発泡マトリックスを調製する原材料には、ポリマー、架橋剤、開始剤が含まれ、前記ポリマーはPP(軟化点150℃)で、大韓油化社から購入された5010であり、前記架橋剤は、1,1-ジ-tert-ペンチルペルオキシドシクロヘキサンであり、前記開始剤はアゾビスイソヘプタニトリルであり、前記架橋剤はポリマーの3wt%、前記開始剤はポリマーの3wt%を占める。
【0035】
<実施例4>
この実施例は、窒素発泡によって発泡材料を調製する方法を提供し、以下を含む。発泡マトリックスを架橋して複数の架橋プリフォームを得、極性液体を入れた反応窯に架橋プリフォームを添加し、窒素を加えて発泡させ、圧力を放出し、加熱して発泡させ、前記発泡材料を得る。前記隣接する架橋プリフォーム間の距離と架橋プリフォームの厚さとの比は1.8:1であり、前記ポリマーの軟化点と極性液体との温度の差は5℃であり、前記窒素を加えて発泡するときに添加する窒素の温度は35℃、添加窒素の圧力は15MPaであり、1.5時間保圧した後、35MPaに加圧し、4時間保圧する、前記圧力放出速度は3.5MPa/s、前記加熱発泡の温度は150℃、時間は1時間である。前記発泡マトリックスを調製する原材料には、ポリマー、架橋剤、開始剤が含まれ、前記ポリマーはPP(軟化点150℃)で、大韓油化社から購入された5010であり、前記架橋剤は、1,1-ジ-tert-ペンチルペルオキシドシクロヘキサンであり、前記開始剤はアゾビスイソブチロニトリルであり、前記架橋剤はポリマーの3wt%、前記開始剤はポリマーの3wt%を占める。
【0036】
<実施例5>
この実施例は、窒素発泡によって発泡材料を調製する方法を提供し、以下を含む。発泡マトリックスを架橋して複数の架橋プリフォームを得、極性液体を入れた反応窯に架橋プリフォームを添加し、窒素を加えて発泡させ、圧力を放出し、加熱して発泡させ、前記発泡材料を得る。前記隣接する架橋プリフォーム間の距離と架橋プリフォームの厚さとの比は1.8:1であり、前記ポリマーの軟化点と極性液体との温度の差は25℃であり、前記窒素を加えて発泡するときに添加する窒素の温度は35℃、添加窒素の圧力は35MPaであり、4.5時間保圧し、前記圧力放出速度は3.5MPa/s、前記加熱発泡の温度は150℃、時間は1時間である。前記発泡マトリックスを調製する原材料には、ポリマー、架橋剤、開始剤が含まれ、前記ポリマーはPP(軟化点150℃)で、大韓油化社から購入された5010であり、前記架橋剤は、1,1-ジ-tert-ペンチルペルオキシドシクロヘキサンであり、前記開始剤はアゾビスイソブチロニトリルであり、前記架橋剤はポリマーの3wt%、前記開始剤はポリマーの3wt%を占める。
【0037】
[性能評価]
1、予備発泡率:窒素を添加して発泡し、圧力を放出して得られた発泡前材料と架橋製品の厚さを測定し、それぞれL2とL1であり、つまり事前発泡率はL2/L1である。同ロットの10つの架橋プリフォームの厚さの平均予備発泡率と発泡率の標準偏差を計算する。標準偏差は0.1倍未満であれば良好であると判断される、その結果を表1に示す。
【0038】
2、発泡率:発泡材料と架橋製品の厚さを測定し、それぞれL3とL2であり、つまり、発泡率はL3/L1である。その結果を表1に示す。
【0039】
3、気泡均一性:顕微鏡で発泡材料の断面の気泡均一性を観察し、気泡が均一で、大きな気泡がなければ良好と判断される。ここで、実施例1~3の発泡材料のSEM図を図1~3に示しており、気泡が均一である、その結果を表1に示す。
【表1】
【0040】
試験結果からわかるように、本発明によって提供される発泡材料の調製方法では、発泡マトリックスを極性液体および窒素環境に添加して浸漬し、次に発泡させることにより、発泡安定性および気泡の均一性を改善することができ、高い発泡率および均一な発泡材料を得ることができる。
本明細書に記載の実施形態は、説明のためのものであり、本発明の実施形態を限定するものではないことを理解すべきである。各実施形態内の特徴、利点または態様の説明は、他の実施形態における他の同様の特徴、利点または態様について利用可能であると見なされるものとする。
図1
図2
図3