(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
F25B1/00 399Y
F25B1/00 304H
(21)【出願番号】P 2022542706
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(86)【国際出願番号】 KR2020015127
(87)【国際公開番号】W WO2021149896
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】10-2020-0007676
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジスン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ,アレ
(72)【発明者】
【氏名】サ,ヨンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ソン,チウ
(72)【発明者】
【氏名】シン,イヨン
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/171781(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/157481(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/118198(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 25/00
F24F 1/0059 ~ 1/0067
F24F 1/32
F24F 5/00
F24F 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機および室外熱交換器を含み、冷媒が循環する室外機と、
水が循環する室内機と、
前記冷媒と水の熱交換を行う熱交換器と、
前記室内機と前記熱交換器を循環する水をガイドする水配管と、
前記水配管に設置されるポンプと、
前記ポンプの出力信号を分析して前記水配管内の空気層比率を計算し、計算された空気層比率に応じて前記熱交換器の目標過冷度または目標過熱度を制御する制御部と、を含む、空気調和装置。
【請求項2】
前記ポンプの出力信号は、前記ポンプに印加される電流量または前記ポンプが消費する電力量のうちいずれか一つ以上を含む、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記水配管内の空気層比率を予め定められた基準比率と比較し、
前記水配管内の空気層比率が基準比率以上であると判断されると、水供給弁を開放して前記水配管に水を供給するように制御する、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記圧縮機および前記ポンプの作動を停止させた状態で前記水供給弁を開放させる、請求項3に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記水配管内の空気層比率を予め定められた基準比率と比較し、
前記水配管内の空気層比率が基準比率未満であると判断されると、前記熱交換器の目標過冷度または目標過熱度を減少させる、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記室内機の運転モードに応じて前記熱交換器の目標過冷度および前記目標過熱度のいずれか一つを減少させる、請求項5に記載の空気調和装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記室内機の暖房運転時、前記熱交換器の目標過冷度を減少させる、請求項6に記載の空気調和装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記圧縮機の吐出側で感知された高圧と、予め設定された目標高圧との差が基準値を超えるか否かをさらに判断する、請求項7に記載の空気調和装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記圧縮機の吐出側で感知された高圧と、予め設定された目標高圧との差が基準値を超える場合、前記目標過冷度をさらに減少させる、請求項8に記載の空気調和装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記室内機の冷房運転時、前記熱交換器の目標過熱度を減少させる、請求項6に記載の空気調和装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記圧縮機の吸入側で感知された低圧と、予め設定された目標低圧との差が基準値を超えるか否かをさらに判断する、請求項10に記載の空気調和装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記圧縮機の吸入側で感知された低圧と、予め設定された目標低圧との差が基準値を超える場合、前記目標過熱度をさらに減少させる、請求項11に記載の空気調和装置。
【請求項13】
前記室外機の液管から前記熱交換器に延びる液ガイド管に設置される流量弁をさらに含む、請求項6に記載の空気調和装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記熱交換器の目標過冷度および目標過熱度のいずれか一つが減少した状態で、前記流量弁の開度を増加させる、請求項13に記載の空気調和装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記熱交換器に流入する冷媒温度と前記熱交換器から吐出される冷媒温度との差値に基づいて前記熱交換器の過冷度および過熱度を測定する、請求項1に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置(空気調整調整、空調装置、エアコン装置)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置は、所定の空間の空気を用途および目的に応じて、最適な状態に維持するための機器である。一般に、前記空気調和装置は、圧縮機、凝縮器、膨張装置および蒸発器を含み、冷媒の圧縮、凝縮、膨張および蒸発過程を行う冷凍サイクルが駆動されて、前記所定の空間の暖房または冷房を行うことができる。
【0003】
前記所定の空間は、前記空気調和装置が使用される場所に応じて様々に提案され得る。一例として、前記所定の空間は、家庭または事務空間であり得る。
【0004】
前記空気調和装置が冷房運転を行う場合、室外機に備えられる室外熱交換器が凝縮器の機能を果たし、室内機に備えられる室内熱交換器が蒸発器の機能を果たす。一方、前記空気調和装置が暖房運転を行う場合、前記室内熱交換器は、凝縮器の機能を果たし、前記室外熱交換器は、蒸発器の機能を果たす。
【0005】
最近は、環境規制政策に応じて空気調和装置に使用される冷媒の種類を制限し、冷媒使用量を減らす傾向が現れている。
【0006】
冷媒使用量を減らすために、冷媒と所定の流体との間で熱交換を行い、冷房または暖房を行う技術が提案されている。一例として、所定の流体には水が含まれ得る。
【0007】
先行文献である米国特許US 2011-0302941(公開日付:2011年12月15日)には、冷媒と水の熱交換を通じて冷房または暖房を行う空気調和装置が開示される。
【0008】
前記先行文献に開示された空気調和装置は、圧縮機を含む室外機と、室内熱交換器を含む室内機と、冷媒と水が熱交換して蒸発器または凝縮器として作動する複数の熱交換器と、を含む。複数の熱交換器は、弁装置の制御を通じて作動モードが決定され得る。
【0009】
一方、水が流動する水配管の場合、水温度の上昇による気体溶解度の減少、配管のシーリング不良(漏水)または微生物の繁殖等により、水配管内に空気(気体)層が形成され得る。水配管内に空気層が形成されると、水配管を流動する水の循環流量が減少し、これにより冷暖房性能が低減することがある。
【0010】
また、水をポンピングするポンプの吸入端には、空気と水が混ざった状態で吸入されるので、これによりポンプの耐久性にも悪影響を及ぼすことがある。
【0011】
このような問題を解決するために、前記先行文献は、正常運転時の熱交換器の入出水の温度差を利用して水配管内の空気層の形成の有無を判断する技術が開示される。しかし、入出水の温度差の変化を引き起こす要因は、配管内の空気層以外にも多様な変数(例えば、室内/外の温度変化、温度センサーの脱去または故障など)が存在するので、水配管内の空気層比率が正確に知ることができないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような問題点を改善するために提案されたものであって、本発明の目的は、水配管内の空気層の形成の有無(または比率)を正確に知ることができる空気調和装置を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、水配管内の空気層比率を計算して正常運転が持続的に可能か否かを判断し、それに応じた適切な措置を取ることができる空気調和装置を提供することにある。
【0014】
本発明のまた他の目的は、水配管内の空気層の形成による水流量の減少による冷暖房性能の低減を最小限に抑えることができる空気調和装置を提供することにある。
【0015】
本発明のまた他の目的は、別途の装置がなくても簡単な制御アルゴリズムにより水配管内の空気層の形成の有無を判断できる空気調和装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記のような目的を達成するための本発明の実施例に係る空気調和装置は、室外機、室内機、冷媒と水の熱交換を行う熱交換器と、前記室内機と前記熱交換器を循環する水をガイドする水配管と、前記水配管に設置されるポンプと、前記ポンプの出力信号を分析して前記水配管内の空気層比率を計算し、計算された空気層比率に応じて前記熱交換器の目標過冷度または目標過熱度を制御する制御部と、を含む。
【0017】
このような構成によると、水配管内の空気層比率を正確に判断して熱交換器の目標過冷度または目標過熱度を制御できるので、水流量の減少による冷暖房性能の低下を最小限に抑えることができるという利点がある。
【0018】
前記ポンプの出力信号は、前記ポンプに印加される電流量または前記ポンプが消費する電力量のうちいずれか一つ以上を含むことができる。
【0019】
前記制御部は、前記水配管内の空気層比率を予め定められた基準比率と比較し、前記水配管内の空気層比率が基準比率以上であると判断されると、水供給弁を開放して前記水配管に水を供給するように制御することができる。
【0020】
このとき、前記制御部は、前記圧縮機および前記ポンプの作動を停止させた状態で前記水供給弁を開放させることができる。
【0021】
前記制御部は、前記水配管内の空気層比率が基準比率未満であると判断されると、前記熱交換器の目標過冷度または目標過熱度を減少させることができる。
【0022】
ここで、前記目標過冷度または目標過熱度は、予め決められることがある。一例として、目標過冷度または目標過熱度は、5度であり得る。
【0023】
また、前記制御部は、前記室内機の運転モードに応じて前記熱交換器の目標過冷度および前記目標過熱度のいずれか一つを減少させることができる。
【0024】
具体的には、前記制御部は、前記室内機の暖房運転時、前記熱交換器の目標過冷度を減少させることができる。そして、前記制御部は、前記圧縮機の吐出側で感知された高圧と、予め設定された目標高圧との差が基準値を超えるか否かをさらに判断することができる。
【0025】
前記制御部は、前記圧縮機の吐出側で感知された高圧と、予め設定された目標高圧との差が基準値を超える場合、前記目標過冷度をさらに減少させることができる。
【0026】
また、前記制御部は、前記室内機の冷房運転時、前記熱交換器の目標過熱度を減少させることができる。そして、前記制御部は、前記圧縮機の吸入側で感知された低圧と、予め設定された目標低圧との差が基準値を超えるか否かをさらに判断することができる。
【0027】
このとき、前記制御部は、前記圧縮機の吸入側で感知された低圧と、予め設定された目標低圧との差が基準値を超える場合、前記目標過熱度をさらに減少させることができる。
【0028】
このような構成によると、熱交換器の目標過冷度または目標過熱度を適正レベルに維持することができるので、空気調和装置の信頼性および性能を向上させることができる。
【0029】
前記空気調和装置は、前記室外機の液管から前記熱交換器に延びる液ガイド管に設置される流量弁をさらに含むことができる。
【0030】
前記制御部は、前記熱交換器の目標過冷度および目標過熱度のいずれか一つが減少した状態で、前記流量弁の開度を増加させることができる。これにより、水流量の減少による高圧上昇量または低圧下降量が減少して、圧縮機の運転周波数の減少量が最小限に抑えられ得る。
【0031】
前記制御部は、前記熱交換器に流入する冷媒温度と前記熱交換器から吐出される冷媒温度との差値に基づいて前記熱交換器の過冷度および過熱度を測定することができる。
【0032】
本発明の他の実施例に係る空気調和装置は、室外機、室内機、冷媒と水の熱交換を行う熱交換器、前記室内機と前記熱交換器を循環する水をガイドする水配管、前記水配管に設置されるポンプと水供給弁と、前記ポンプで消費される消費電力を測定し、測定された消費電力に基づいて前記水供給弁の開閉を制御する制御部と、を含む。
【0033】
具体的には、前記制御部は、前記ポンプで消費される消費電力が一定比率以上減少するか否かを判断することができる。
【0034】
前記制御部は、前記ポンプで消費される消費電力が一定比率以上減少したと判断されると、前記水供給弁を開放して前記水配管に水を供給することができる。このとき、前記制御部は、前記圧縮機および前記ポンプの作動を停止させた状態で前記水供給弁を開放することができる。
【0035】
前記制御部は、前記ポンプが最大出力で運転される状態で、前記ポンプで消費される消費電力を測定することができる。
【0036】
1つ以上の実施例の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載される。その他の特徴は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0037】
上記のような構成をなす本発明の実施例に係る空気調和装置によると、次のような効果がある。
【0038】
第1に、ポンプの出力信号を用いて水配管内の空気層比率を正確に知ることができるので、正常運転が持続的に可能か否かを判断でき、それに応じた適切な措置を取ることができるという利点がある。
【0039】
第2に、水配管内の空気層比率が基準比率未満であると判断されると、熱交換器の目標過冷度または目標過熱度を減少させるように制御するので、水流量減少による冷暖房性能の低下を最小限に抑えることができるという利点がある。
【0040】
第3に、水配管内の空気層比率が基準比率以上であると判断されると、システムの作動を中断させ、水配管に水を安定的に供給できるので、製品の信頼性が大きく向上するという利点がある。
【0041】
第4に、熱交換器の目標過冷度または目標過熱度を減少させた状態で熱交換器側の流量弁の開度を増加させるように制御するので、水流量の減少による高圧上昇量または低圧下降量が減少して、結果として圧縮機の運転周波数が減少することを最小限に抑えることができるという利点がある。
【0042】
第5に、別途の装置がなくても簡単な制御アルゴリズムにより水配管内の空気層の形成の有無を判断できるので、単価が安くなり互換性が容易であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施例に係る空気調和装置を示す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施例に係る空気調和装置の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施例に係る空気調和装置の制御方法を簡略に示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、水配管内の空気層比率によるポンプ出力および消費電力を示すグラフである。
【
図5】
図5、本発明の第1実施例に係る空気調和装置の制御方法を詳細に示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の第2実施例に係る空気調和装置の制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明のいくつかの実施例を例示的な図面を通して詳細に説明する。図面の構成要素に参照符号を追加するにおいて、同一の構成要素については、たとえ他の図面に表示されても可能な限り同一の符号を付すことに留意 しなければならない。また、本発明の実施例の説明するにおいて、関連する公知の構成または機能の具体的な説明が本発明の実施例の理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0045】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけで、その用語によって該当の構成要素の本質や、順番または順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」、または「連結」されると記載された場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結されるかまたは結合され得るが、各構成要素の間にまた他の構成要素が「連結」、「結合」、または「連結」され得ると理解されるべきである。
【0046】
図1は、本発明の第1実施例に係る空気調和装置を示す概略図である。
【0047】
図1を参照すると、本発明の実施例に係る空気調和装置1は、室外機10と、室内機50と、前記室外機10を循環する冷媒と前記室内機50を循環する水が熱交換する熱交換装置100と、を含むことができる。
【0048】
前記熱交換装置100は、水と冷媒が熱交換する熱交換器101、102と、冷媒の流動を制御する切換ユニットRとを含むことができる。前記切換ユニットRは、前記熱交換器101、102と前記室外機10とを連結することができる(
図2参照)。
【0049】
ここで、前記室外機10は、冷暖房同時型室外機を含むことができる。
【0050】
そして、前記切換ユニットRは、備えられる弁の作動により冷媒の流動方向を切り替えることができる。また、前記切換ユニットRは、前記弁の作動により冷媒の流量を調節することができる。
【0051】
前記室外機10と前記熱交換装置100は、第1流体によって流動的に連結され得る。一例として、前記第1流体は、冷媒を含むことができる。
【0052】
前記冷媒は、前記熱交換装置100に備えられた冷媒流路および前記室外機10を循環するように流動することができる。
【0053】
前記室外機10は、圧縮機11および室外熱交換器15を含むことができる。
【0054】
そして、前記室外熱交換器15の一側には、室外ファン16が備えられ得る。
【0055】
前記室外ファン16は、外気を前記室外熱交換器15側に吹くことができる。前記室外ファン16の駆動により、外気と室外熱交換器15の冷媒の間で熱交換が行われ得る。
【0056】
また、前記室外機10は、メイン膨張弁18(EEV)をさらに含むことができる。
【0057】
前記空気調和装置1は、前記室外機10と前記熱交換装置100とを連結する3つの配管20、25、27をさらに含むことができる。
【0058】
前記3つの配管20、25、27は、高圧の気相冷媒が流動する高圧気管20と、低圧の気相冷媒が流動する低圧気管25、および液冷媒が流動する液管27を含むことができる。
【0059】
一例として、前記高圧気管20は、前記圧縮機11の吐出側と連結され得る。そして、前記低圧気管25は、前記圧縮機11の吸入側と連結され得る。また、前記液管27は、前記室外熱交換器15と連結され得る。
【0060】
すなわち、前記室外機10と前記熱交換装置100とは、「3配管連結構造」を有することができる。そして、前記冷媒は、前記3つの配管20、25、27を介して前記室外機10と前記熱交換装置100を循環することができる。
【0061】
前記熱交換装置100と室内機50は、第2流体によって流動的に連結され得る。一例として、前記第2流体は、水を含むことができる。
【0062】
前記水は、前記熱交換装置100に備えられる水流路および前記室内機50を流動するように構成され得る。すなわち、前記熱交換器101、102は、冷媒流路および前記水流路が互いに熱交換を行うように備えられ得る。一例として、前記熱交換器101、102は、水と冷媒との間で熱交換が可能な板状熱交換器を含むことができる。
【0063】
前記室内機50は、複数の室内機51、52、53、54を含むことができる。
【0064】
前記複数の室内機50は、それぞれ室内空気と水が熱交換する室内熱交換器(図示せず)および前記室内熱交換器の一側から送風を提供する室内ファン(図示せず)を含むことができる。
【0065】
そして、前記空気調和装置1は、前記室内機50および前記熱交換装置100を循環するように流動する水をガイドする水配管30、40をさらに含むことができる。前記水配管30、40は、水の循環サイクルW(
図2参照)を形成することができる。
【0066】
前記水配管30、40は、前記熱交換装置100と前記室内機50の一側を連結する排出配管30および前記熱交換装置100と前記室内機50の他側を連結する流入配管40を含むことができる。
【0067】
前記流入配管40は、前記室内機50の出口と連結されて、前記室内機50を通過した水を前記熱交換装置100にガイドすることができる。
【0068】
前記排出配管30は、前記室内機50の入口と連結されて、前記熱交換装置100から排出される水を前記室内機50にガイドすることができる。
【0069】
すなわち、前記水は、前記水配管30、40を介して前記熱交換装置100と前記室内機50を循環することができる。
【0070】
このような構成によると、前記室外機10および前記熱交換装置100を循環する冷媒と、前記熱交換装置100および前記室内機50を循環する水は、前記熱交換装置100に備えられる熱交換器101、102を介して熱交換することができる。
【0071】
そして、前記熱交換により、冷却または加熱された水は、前記室内機50に備えられる室内熱交換器(図示せず)と熱交換して、室内空間の冷房または暖房を行うことができる。
【0072】
一例として、冷房モードで運転される室内機50には、前記冷媒から熱を放出した冷却された水が循環することができる。そして、暖房モードで運転される室内機50には、前記冷媒から熱を吸収した加熱された水が循環することができる。これによると、前記室内ファンによって吸入された室内空気は、冷却または加熱されて、再び前記室内に排出され得る。
【0073】
図2は、本発明の第1実施例に係る空気調和装置の構成を示す図である。
【0074】
図2を参照して、熱交換装置100と室内機50を循環する水循環サイクルWおよび前記熱交換装置100について詳細に説明する。
【0075】
図2を参照すると、前記熱交換装置100は、前記第1流体と前記第2流体が熱交換する熱交換器101、102を含むことができる。
【0076】
上述したように、前記第1流体は冷媒を含み、前記第2流体は水を含む。
【0077】
そして、前記熱交換器101、102は、前記室内機50で冷房と暖房を同時に提供できるように複数で備られ得る。例えば、前記熱交換器101、102は、第1熱交換器101および第2熱交換器102を含むことができる。前記第1熱交換器101および前記第2熱交換器102は。大きさと容量が同一に備えられ得る。
【0078】
以下では、選択的に作動モードを切り替えることができる熱交換器101、102に対する理解を助けるために、前記熱交換器101、102が2つで備えられる場合を基準に説明する。
【0079】
ただし、前記熱交換器101、102の数は、これに限定されない。
【0080】
したがって、前記水は、冷房または暖房モードで運転する室内機に応じて、前記第1熱交換器101または前記第2熱交換器102に選択的に流入されて冷媒と熱交換することができる。
【0081】
そして、前記熱交換器101、102は、板状熱交換器を含むことができる。一例として、前記熱交換器101、102は、冷媒が流動する冷媒流路と水が流動する水流路が交互に積層するように構成され得る。
【0082】
また、前記熱交換装置100は、前記熱交換器101、102と室外機10を連結する切替ユニットRをさらに含むことができる。
【0083】
前記切換ユニットRは、前記第1熱交換器101と前記第2熱交換器102を循環する冷媒の流動方向と流量を制御することができる。前記切換ユニットRの詳細な説明は後述する。
【0084】
前記室内機50は、複数で備得られ得る。一例として、前記室内機50は、第1室内機51と、第2室内機52と、第3室内機53、および第4室内機54を含むことができる。勿論、前記室内機50の数は、これに限定されない。
【0085】
上述したように、前記室内機50と前記熱交換装置100は、水が流動する水配管30、40によって連結され得る。そして、前記水配管30、40は、室内機50と熱交換装置100を循環する水循環サイクルWを形成することができる。すなわち、前記水は、前記水配管30、40を介して、前記熱交換器101、102と前記室内機50を流動することができる。
【0086】
詳細に、前記水配管30、40は、前記熱交換器101、102に水が流入されるようにガイドする流入配管41、45および前記熱交換器101、102から排出される水をガイドする排出配管31 、35を含むことができる。
【0087】
前記流入配管41、45は、前記室内機50を通過した水が前記熱交換器101、102に流動するようにガイドすることができる。そして、前記排出配管31、35は、前記熱交換器101、102を通過した水が前記室内機50に流動するようにガイドすることができる。
【0088】
前記流入配管41、45は、前記第1熱交換器101に水をガイドする第1流入配管41および前記第2熱交換器102に水をガイドする第2流入配管45を含むことができる。
【0089】
前記排出配管31、35は、前記第1熱交換器101を通過した水を前記室内機50にガイドする第1排出配管31および前記第2熱交換器102を通過した水を前記室内機50にガイドする第2排出配管35を含むことができる。
【0090】
詳細に、前記第1流入配管41は、前記第1熱交換器101の水入口に延びることができる。そして、前記第1排出配管31は、前記第1熱交換器101の水出口から延びることができる。
【0091】
同様に、前記第2流入配管45は、前記第2熱交換器102の水入口に延びることができる。そして、前記第2排出配管35は、前記第2熱交換器102の水出口から延びることができる。
【0092】
そして、前記排出配管31、35は、前記熱交換器101、102の水出口から前記室内機51、52、53、54に向かって延びることができる。
【0093】
したがって、前記流入配管41、45から前記熱交換器101、102の水入口に流入された水は、冷媒と熱交換した後、前記熱交換器101、102の水出口を介して前記排出配管31、35に流入され得る。
【0094】
前記空気調和装置1は、前記流入配管41、45に設置されるポンプ42、46をさらに含むことができる。
【0095】
前記ポンプ42、46は、前記流入配管41、45の水が前記熱交換器101、102に向かうように圧力を提供することができる。すなわち、前記ポンプ42、46は、第2流体の流動方向を設定するように前記水配管に設置され得る。
【0096】
前記ポンプ42、46は、前記第1流入配管41に設置される第1ポンプ42および前記第2流入配管45に設置される第2ポンプ46を含むことができる。
【0097】
前記ポンプ42、46は、水の流動を強制的に行うことができる。一例として、前記第1ポンプ42が駆動すると、前記室内機50と前記第1熱交換器101を水が循環することができる。
【0098】
すなわち、前記第1ポンプ42は、前記第1流入配管41と、第1熱交換器101と、第1排出配管31と、室内流入管51aと、室内機51、52、53、54、および室内排出管51bを介して水の循環を提供することができる。
【0099】
前記空気調和装置1は、前記流入配管41、45から分岐される配管に設置される水供給弁44a、48aおよびリリーフ(relief)弁44b、48bをさらに含むことができる。
【0100】
前記水供給弁44a、48aは、開閉作動を通じて前記流入配管41、45に水を提供または制限することができる。
【0101】
そして、前記水供給弁44a、48aは、前記第1流入配管41に水を提供するように開閉される第1水供給弁44aおよび前記第2流入配管45に水を提供するように開閉される第2水供給弁48aを含むことができる。
【0102】
一方、前記リリーフ弁44b、48bは、開閉作動を通じて前記水配管内部の圧力が設計圧力を超える非常時に圧力を噴出するように備えられ得る。前記リリーフ弁44b、48bは、安全弁と称することもできる。
【0103】
前記リリーフ弁44b、48bは、前記第1流入配管41に連結される配管に設置される第1リリーフ弁44bおよび前記第2流入配管45に連結される配管に設置される第2リリーフ弁48bを含むことができる。
【0104】
前記空気調和装置1は、前記流入配管41、45に設置される水配管ストレーナー43、47および流入センサー41b、45bをさらに含むことができる。
【0105】
前記水配管ストレーナー43、47は、前記水配管を流動する水の中の老廃物を濾過するために備えられ得る。例えば、前記水配管ストレーナー43、47は、金属網で形成され得る。
【0106】
前記水配管ストレーナー43、47は、前記第1流入配管41に設置されるストレーナー43および前記第2流入配管45に設置されるストレーナー47を含むことができる。
【0107】
前記水配管ストレーナー43、47は、前記ポンプ42、47の入口側に位置することができる。
【0108】
前記流入センサー41b、45bは、前記流入配管41、45を流動する水の状態を感知することができる。一例として、前記流入センサー41b、45bは、温度および圧力を感知するセンサーとして備えられ得る。
【0109】
前記流入センサー41b、45bは、前記第1流入配管41に設置される第1流入センサー41bおよび前記第2流入配管45に設置される第2流入センサー45bを含むことができる。
【0110】
前記空気調和装置1は、前記排出配管31、35に設置するパージ弁31c、35cをさらに含むことができる。
【0111】
詳細に、前記パージ弁31c、35cは、前記第1排出配管31に設置する第1パージ弁31cおよび第前記2排出配管35に設置する第2パージ弁35cを含むことができる。
【0112】
前記パージ弁31c、35cは、開閉作動によって前記水配管内部の空気を外部に排出させることができる。
【0113】
前記空気調和装置1は、前記排出配管31、35に設置する温度センサー31b、35bをさらに含むことができる。
【0114】
前記温度センサー31b、35bは、冷媒と熱交換された水の状態を感知することができる。一例として、前記温度センサー31b、35bは、サーミスタ温度センサーを含むことができる。
【0115】
前記温度センサー31b、35bは、第1排出配管31に設置される第1温度センサー31bおよび第2排出配管35に設置される第2温度センサー35bを含むことができる。
【0116】
前記排出配管31、35は、複数の室内機51、52、53、54のそれぞれの流入側に分岐されて延びることができる。
【0117】
すなわち、前記排出配管31、35の一側端部には、それぞれの前記室内機51、52、53、54に分岐される分岐点31aを形成することができる。前記排出配管31、35は、前記分岐点31aから分岐されて、前記それぞれの室内機51、52、53、54の入口に結合される室内流入管51aに延びることができる。
【0118】
前記水配管は、前記室内機51、52、53、54の入口に結合される室内流入管51aをさらに含むことができる。
【0119】
前記室内流入管51aは、前記第1室内機51の入口に結合される第1室内流入管51aと、前記第2室内機52の入口に結合される第2室内に流入管と、前記第3室内機53の入口に結合される第3室内流入管、および前記第4室内機54の入口に結合される第4室内流入管を含むことができる。
【0120】
前記第1排出配管31は、それぞれの室内流入管51aに分岐される第1分岐点31aを形成することができる。前記第2排出配管35は、前記それぞれの室内流入管51aに分岐される第2分岐点35aを形成することができる。
【0121】
すなわち、前記第1分岐点31aから分岐されて延びる前記第1排出配管31と前記第2分岐点35aから分岐されて延びる前記第2排出配管35は、前記それぞれの室内流入管51aで接合され得る。
【0122】
前記空気調和装置1は、前記室内機50に流入される水の流量を調節するための開閉弁32、36をさらに含むことができる。
【0123】
前記開閉弁32、36は、開閉作動を通じて前記室内流入管51aに流入される水の流量を制限することができる。
【0124】
すなわち、前記開閉弁32、36は、前記第1排出配管31に設置される第1開閉弁32および前記第2排出配管35に設置される第2開閉弁36を含むことができる。
【0125】
詳細に、前記第1開閉弁32は、前記第1分岐点31aから分岐されて、前記室内流入管51aに延びる配管に設置され得る。
【0126】
前記第1開閉弁32は、前記第1分岐点31aから分岐される配管ごとにそれぞれ設置され得る。したがって、前記第1開閉弁32は、前記室内機50の数に対応する数で備えられ得る。
【0127】
一例として、前記第1開閉弁32は、前記第1室内機51に連結される配管に設置される弁32aと、前記第2室内機52に連結される配管に設置される弁32bと、前記第3室内機53に連結される配管に設置される弁32c、および前記第4室内機54に連結される配管に設置される弁32dを含むことができる。
【0128】
前記第2開閉弁36は、前記第2分岐点35aから分岐されて、前記それぞれの室内流入管51aに延びる配管に設置され得る。
【0129】
前記第2開閉弁36は、前記第2分岐点35aから分岐される配管ごとにそれぞれ設置され得る。したがって、前記第2開閉弁36は、前記室内機50の数に対応する数で備えられ得る。
【0130】
一例として、前記第2開閉弁36は、前記第1室内機51に連結される配管に設置される弁36aと、前記第2室内機52に連結される配管に設置される弁36bと、前記第3室内機53に連結される配管に設置される弁36c、および前記第4室内機54に連結される配管に設置される弁36dを含むことができる。
【0131】
前記水配管は、前記室内機51、52、53、54の出口に結合される室内排出管51bをさらに含むことができる。
【0132】
前記室内排出管51bは、前記第1室内機51の出口に結合される第1室内排出管51bと、前記第2室内機52の出口に結合される第2室内排出管と、前記第3室内機53の出口に結合される第3室内排出管、および前記第4室内機54の出口に結合される第4室内排出管を含むことができる。
【0133】
前記空気調和装置1は、前記室内排出管51bに設置される検出センサー51cをさらに含むことができる。
【0134】
前記検出センサー51cは、前記室内排出管51bを流動する水の状態を感知することができる。一例として、前記検出センサー51cは、前記水の温度と圧力を感知するセンサーとして備えられ得る。
【0135】
前記検出センサー51cは、前記第1室内排出管51bに設置される第1検出センサー51cと、前記第2室内排出管に設置される第2検出センサーと、前記第3室内排出管に設置される第3検出センサー、および前記第4室内排出管に設置された第4検出センサーを含むことができる。
【0136】
前記空気調和装置1は、前記室内排出管51bが結合される流路ガイド弁49をさらに含むことができる。
【0137】
前記流路ガイド弁49は、開閉作動を通じて、前記室内機50を通過した水の流動方向を制御することができる。すなわち、前記流路ガイド弁49は、水の流動方向を転換するように制御することができる。
【0138】
一例として、前記流路ガイド弁49は、三方弁を含むことができる。
【0139】
詳細に、前記流路ガイド弁49は、前記第1室内排出管51bに設置される第1流路ガイド弁49aと、前記第2室内排出管に設置される第2流路ガイド弁49bと、前記第3室内排出管に設置される第3流路ガイド弁49c、および前記第4室内排出管に設置される第4流路ガイド弁49dを含むことができる。
【0140】
前記流路ガイド弁49は、前記流入配管41、45から分岐されて、それぞれの室内機51、52、53、54に延びる配管がそれぞれの各室内排出管51bと連結される接合点に位置し得る。
【0141】
詳細に、前記流路ガイド弁49の第1ポートには、前記室内排出管51bが結合され、第2ポートには、前記第1流入配管41から分岐されて延びる配管が結合され、第3ポートには、前記第2流入配管45から分岐されて延びる配管が結合され得る。
【0142】
したがって、前記流路ガイド弁49の開閉作動により、前記室内機51、52、53、54を通過した水は、冷房または暖房モードによって作動する第1熱交換器101または第2熱交換器102に流動することができる。
【0143】
すなわち、前記流路ガイド弁49は、前記流入配管41、45に設置されて、それぞれの室内機51、52、53、54の出口から排出される水の流動を制御することができる。
【0144】
前記流入配管41、45は、それぞれの前記室内機51、52、53、54に分岐される分岐点41a、45aを形成することができる。
【0145】
詳細に、前記第1流入配管41は、それぞれの室内機51、52、53、54に分岐される第1分岐点41aを形成することができる。
【0146】
前記第1流入配管41は、前記第1分岐点41aから分岐されて、それぞれの室内機51、52、53、54に向かって延びることができる。そして、前記第1分岐点41aから分岐されて延びる第1流入配管41は、前記流路ガイド弁49に結合することができる。
【0147】
前記第2流入配管45は、それぞれの前記室内機51、52、53、54に分岐される第2分岐点45aを形成することができる。
【0148】
前記第2流入配管45は、前記第2分岐点45aから分岐されて、それぞれの室内機51、52、53、54に向かって延びることができる。そして、前記第2分岐点45aから分岐されて延びる前記第2流入配管45は、前記流路ガイド弁49に結合することができる。
【0149】
前記流入配管が形成する分岐点41a、45aは、「流入配管分岐点」と称することができる。そぢて、前記排出配管31、35が形成する分岐点31a、35aは、「排出配管分岐点」と称することができる。
【0150】
一方、前記熱交換装置100は、前記第1熱交換器101と前記第2熱交換器102を出入する冷媒の流動方向と流量を調節するための切替ユニットRを含むことができる。
【0151】
詳細に、前記切替ユニットRは、前記熱交換器101、102の一側に結合される冷媒管110、115および前記熱交換器101、102の他側に結合される液ガイド管141、142を含むことができる。
【0152】
前記冷媒管110、115は、前記熱交換器101、102の一側に形成される冷媒出入口に結合することができる。そして、前記液ガイド管141、142は、前記熱交換器101、102の他側に形成される冷媒出入口に結合することができる。
【0153】
したがって、前記冷媒管110、115と前記液ガイド管141、142は、前記水と熱交換するために前記熱交換器101、102に備えられる冷媒流路と連結され得る。
【0154】
そして、前記冷媒管110、115と前記液ガイド管141、142は、前記冷媒が前記熱交換器101、102を通過するようにガイドすることができる。
【0155】
詳細に、前記冷媒管110、115は、前記第1熱交換器101の一側に結合される第1冷媒管110および前記第2熱交換器102の一側に結合される第2冷媒管115を含むことができる。
【0156】
また、前記液ガイド管141、142は、前記第1熱交換器101の他側に結合される第1液ガイド管141および前記第2熱交換器102の他側に結合される第2液ガイド管142を含むことができる。
【0157】
一例として、前記冷媒は、前記第1冷媒管110および前記第1液ガイド管141によって、前記第1熱交換器101を循環することができる。そして、前記冷媒は、第2冷媒管115および前記第2液ガイド管142によって、前記第2熱交換器102を循環することができる。
【0158】
前記液ガイド管141、142は、前記液管27と連結され得る。
【0159】
詳細に、前記液管27は、前記第1液ガイド管141と前記第2液ガイド管142に分岐される液管分岐点27aを形成することができる。
【0160】
すなわち、前記第1液ガイド管141は、前記液管分岐点27aから前記第1熱交換器101に延び、前記第2液ガイド管142は、前記液管分岐点27aから前記第2熱交換器102に延びることができる。
【0161】
前記空気調和装置1は、前記冷媒管110、115に設置される気相冷媒センサー111、116および前記液ガイド管141、142に設置される液冷媒センサー146、147をさらに含むことができる。
【0162】
前記気相冷媒センサー111、116および前記液冷媒センサー146、147は、共に「冷媒センサー」と称することができる。
【0163】
そして、前記冷媒センサーは、前記冷媒管110、115と前記液ガイド管141、142を流動する冷媒の状態を感知することができる。一例として、前記冷媒センサーは、冷媒の温度と圧力を感知することができる。
【0164】
前記気相冷媒センサー111、116は、前記第1冷媒管110に設置される第1気相冷媒センサー111および前記第2冷媒管115に設置される第2気相冷媒センサー116を含むことができる。
【0165】
前記液冷媒センサー146、147は、前記第1液ガイド管141に設置される第1液冷媒センサー146および前記第2液ガイド管142に設置される第2液冷媒センサー147を含むことができる。
【0166】
また、前記空気調和装置1は、前記液ガイド管141、142に設置される流量弁143、144および前記流量弁143、144の両側に設置されるストレーナー148a、148b、149a、149bをさらに含むことができる。
【0167】
前記流量弁143、144は、開度調節を通じて冷媒の流量を調節することができる。
【0168】
前記流量弁143、144は、電子膨張弁(EEV)を含むことができる。そして、前記流量弁143、144は、開度調節を通じて通過する冷媒の圧力を調節することができる。
【0169】
前記流量弁143、144は、前記第1液ガイド管141に設置される第1流量弁143および前記第2液ガイド管142に設置される第2流量弁144を含むことができる。
【0170】
前記ストレーナー148a、148b、149a、149bは、前記液ガイド管141、142を流動する冷媒の老廃物を濾過するために備えられ得る。一例として、前記ストレーナー148a、148b、149a.149bは、金属網で形成され得る。
【0171】
前記ストレーナー148a、148b、149a.149bは、前記第1アクイド管141に設置される第1ストレーナー148a、148bおよび前記第2アクイド管142に設置される第2ストレーナー149a.149bを含むことができる。
【0172】
そして、前記第1ストレーナー148a、148bは、前記第1流量弁143の一側に設置されるストレーナー148aと、前記第1流量弁143の他側に設置されるストレーナー148bとを含むことができる。これによると、前記冷媒の流動方向が転換されても、前記老廃物を濾過することができるという利点がある。
【0173】
同様に、前記第2ストレイテナー149a、149bは、前記第2流量弁144の一側に設置されるストレーナー149aおよび前記第2流量弁144の他側に設置されるストレーナー149bを含むことができる。
【0174】
前記冷媒管110、115は、高圧気管20と低圧気管25に連結され得る。そして、前記液ガイド管141、142は、前記液管27と連結され得る。
【0175】
詳細に、前記冷媒管110、115は、一側端部に冷媒分岐点112、117を形成することができる。そして、前記冷媒分岐点112、117には、前記高圧気管20と低圧気管25が互いに接合されるように連結され得る。
【0176】
すなわち、前記冷媒管110、115の一側端部は、冷媒分岐点112、117が形成され、他側端部は、熱交換器101、102の冷媒出入口と結合することができる。
【0177】
前記切替ユニットRは、前記高圧気管20から前記冷媒管110、115に延びる高圧ガイド管121、122をさらに含むことができる。
【0178】
前記高圧ガイド管121、122は、前記高圧気管20と前記冷媒管110、115を連結することができる。
【0179】
一例として、前記高圧ガイド管121、122は、前記冷媒管110、115と一体に形成され得る。すなわち、前記冷媒管110、115は、前記高圧ガイド管121、122に含まれ得る。
【0180】
前記高圧ガイド管121、122は、前記高圧気管20の高圧分岐点20aから分岐されて、前記冷媒管110、115に延びることができる。
【0181】
詳細に、前記高圧ガイド管121、122は、前記高圧分岐点20aから前記第1冷媒管110に延びる第1高圧ガイド管121および前記高圧分岐点20aから前記第2冷媒管115に延びる第2高圧ガイド管122を含むことができる。
【0182】
前記第1高圧ガイド管121は、前記第1冷媒分岐点112に連結され、前記第2高圧ガイド管122は、前記第2冷媒分岐点117に連結され得る。
【0183】
すなわち、前記第1高圧ガイド管121は、前記高圧分岐点20aから前記第1冷媒分岐点112まで延び、前記第2高圧ガイド管122は、前記高圧分岐点20aから前記第2冷媒分岐点117まで延びることができる。
【0184】
前記空気調和装置1は、前記高圧ガイド管121、122に設置される高圧弁123、124をさらに含むことができる。
【0185】
前記高圧弁123、124は、開閉動作を通じて、前記高圧ガイド管121、122への冷媒の流動を制限することができる。
【0186】
前記高圧弁123、124は、前記第1高圧ガイド管121に設置される第1高圧弁123および前記第2高圧ガイド管122に設置される第2高圧弁124を含むことができる。
【0187】
前記第1高圧弁123は、前記高圧分岐点20aと前記第1冷媒分岐点112との間に設置することができる。
【0188】
前記第2高圧弁124は、前記高圧分岐点20aと前記第2冷媒分岐点117との間に設置することができる。
【0189】
前記第1高圧弁123は、前記高圧気管20と前記第1冷媒管110の間の冷媒の流動を制御することができる。そして、前記第2高圧弁124は、前記高圧気管20と前記第2冷媒管115の間の冷媒の流動を制御することができる。
【0190】
前記切替ユニットRは、前記低圧気管25から前記冷媒管110、115に延びる低圧ガイド管125、126をさらに含むことができる。
【0191】
前記低圧ガイド管125、126は、前記低圧気管25と前記冷媒管110、115とを連結することができる。
【0192】
前記低圧ガイド管125、126は、前記低圧気管25の低圧分岐点25aから分岐されて前記冷媒管110、115に延びることができる。
【0193】
詳細に、前記低圧ガイド管125、126は、前記低圧分岐点25aから前記第1冷媒管110に延びる第1低圧ガイド管125および前記低圧分岐点25aから前記第2冷媒管115に延びる第2低圧ガイド管122を含むことができる。
【0194】
前記第1低圧ガイド管125は、前記第1冷媒分岐点112に連結され、前記第2低圧ガイド管126は、前記第2冷媒分岐点117に連結され得る。
【0195】
すなわち、前記第1低圧ガイド管125は、前記低圧分岐点25aから前記第1冷媒分岐点112まで延び、前記第2低圧ガイド管126は、前記低圧分岐点25aから第2冷媒分岐点117まで延びることができる。したがって、前記冷媒分岐点112、117では、前記高圧ガイド管121、122および前記低圧ガイド管125、126が互いに接合されるように連結され得る。
【0196】
前記空気調和装置1は、前記低圧ガイド管125、126に設置される低圧弁127、128をさらに含むことができる。
【0197】
前記低圧弁127、128は、開閉動作を通じて、前記低圧ガイド管125、126への冷媒の流動を制限することができる。
【0198】
前記低圧弁127、128は、前記第1低圧ガイド管125に設置される第1低圧弁127および前記第2低圧ガイド管126に設置される第2低圧弁128を含むことができる。
【0199】
前記第1低圧弁127は、前記第1冷媒分岐点112と後述する第1平圧配管131が連結される地点との間に設置され得る。
【0200】
前記第2低圧弁128は、前記第2冷媒分岐点117と後述する第2平圧配管132が連結される地点との間に設置され得る。
【0201】
前記切替ユニットRは、前記低圧ガイド管125、126に分岐されて前記冷媒管110に延びる平圧配管131、132をさらに含むことができる。
【0202】
前記平圧配管131、132は、前記第1冷媒管110の一地点から分岐されて前記第1低圧ガイド管125に延びる前記第1平圧配管131および前記第2冷媒管115の一地点から分岐されて前記第2低圧ガイド管126に延びる前記第2平圧配管132を含むことができる。
【0203】
前記平圧配管131、132と前記低圧ガイド管125、126が連結される地点は、前記低圧分岐点25aと前記低圧弁127、128との間に位置することができる。
【0204】
すなわち、前記第1平圧配管131は、前記第1冷媒管110から分岐されて前記低圧分岐点25aと前記第1低圧弁127との間に位置する第1低圧ガイド管125に延びることができる。
【0205】
同様に、前記第2平圧配管132は、前記第2冷媒管115から分岐されて前記低圧分岐点25aと前記第2低圧弁128との間に位置する第2低圧ガイド管126に延びることができる。
【0206】
前記空気調和装置1は、前記平圧配管131、132に設置される平圧弁135、136および平圧ストレーナー137、138をさらに含むことができる。
【0207】
前記平圧弁135、136は、開度調節を通じて、前記冷媒管110、115の冷媒を前記低圧ガイド管125、126にバイパスさせることができる。
【0208】
前記平圧弁135、136は、電子膨張弁(EEV)を含むことができる。
【0209】
前記平圧弁135、136は、前記第1平圧配管131に設置される前記第1平圧弁135および前記第2平圧配管132に設置される前記第2平圧弁136を含むことができる。
【0210】
前記平圧ストレーナー137、138は、前記第1平圧配管131に設置される第1平圧ストレーナー137および前記第2平圧配管132に設置される第2平圧ストレーナー138を含むことができる。
【0211】
前記平圧ストレーナー137、138は、前記平圧弁135、136と前記冷媒管110、115との間に位置することができる。これによると、前記冷媒管110、115から前記平圧弁135、136に流動する冷媒の老廃物を濾過するか、異物を防止することができる。
【0212】
一方、前記平圧配管131、132および前記平圧弁135、136は、「平圧回路」と称することができる。
【0213】
前記平圧回路は、前記熱交換器101、102の作動モードが切り替える場合、前記冷媒管110、115の高圧冷媒と低圧冷媒の間の圧力差を減少させるように作動することができる。
【0214】
ここで、前記熱交換器101、102の作動モードは、凝縮器として作動する凝縮器モードと蒸発器として作動する蒸発器モードを含むことができる。
【0215】
一例として、前記熱交換器101、102が凝縮器から蒸発器に作動モードを切り替える場合、前記高圧弁123、124は閉鎖(close)され、前記低圧弁127、128は開放(open)され得る。
【0216】
一方、前記空気調和装置1は、制御部(図示せず)をさらに含むことができる。
【0217】
前記制御部(図示せず)は、複数の室内機51、52、53、54から要求される冷房または暖房モードに応じて前記熱交換器101、102の作動モードを切り替えるように切換ユニットRに備えられる複数の弁と冷媒循環流路Wに備えられる複数の弁32、49、31c、44a、44b、35c、48a、48bを制御することができる。
【0218】
一例として、前記制御部は、前記熱交換器101、102の作動モードに応じて、前記高圧弁123、124と、前記低圧弁127、128と、前記圧力平衡弁135、136、および前記流量弁143、144の作動を制御することができる。
【0219】
前記制御部は、前記熱交換器101、102の過冷度および過熱度を測定することができる。具体的には、前記制御部は、前記室内機50が暖房運転時、前記熱交換器101、102の過冷度を測定することができる。
【0220】
例えば、前記過冷度は、前記熱交換器101、101に設置された温度センサーを用いて前記熱交換器101、102に流入される冷媒温度と吐出される冷媒温度との差から求めることができる。
【0221】
また、前記制御部は、前記室内機50が冷房運転時、前記熱交換器101、102の過熱度を測定することができる。
【0222】
例えば、前記過熱度は、前記熱交換器101、102に設置された温度センサーを用いて前記熱交換器101、102に流入される冷媒温度と吐出される冷媒温度との差から求めることができる。
【0223】
本実施例における熱交換器の目標過冷度および目標過熱度は、予め設定され得る。前記目標過冷度および目標過熱度は、一例として、5度に設定され得る。
【0224】
前記制御部は、冷房運転時、設定された目標過冷度を合わせるために前記圧縮機11の運転周波数および/または前記流量弁143、144の開度を制御することができる。
【0225】
前記制御部は、暖房運転時、設定された目標過熱度を合わせるために前記圧縮機11の運転周波数または前記流量弁143、144の開度を制御することができる。
【0226】
一方、前記複数の熱交換器101、102の作動モードがすべて同一の運転は「専用運転」と称する。
【0227】
前記専用運転は、前記複数の熱交換器が専ら蒸発器として作動するか、または専ら凝縮器として作動する場合と理解できる。ここで、前記複数の熱交換器101、102は、オフ(OFF)された熱交換器ではなく作動(ON)する熱交換器を基準とする。
【0228】
そして、前記複数の熱交換器101、102の作動モードが互いに異なる運転は「同時運転」と称する。
【0229】
前記同時運転は、前記複数の熱交換器の一部が凝縮器として作動し、残りの一部が蒸発器として作動する場合と理解できる。
【0230】
以下では、前記第1熱交換器101および前記第2熱交換器102が蒸発器として作動する場合の冷媒の流動を簡単に説明する。すなわち、前記熱交換器101、102が蒸発器専用運転を行う場合の冷媒の流動を説明する。
【0231】
ここで、前記第1熱交換器101および前記第2熱交換器102を通過しながら冷却された水は、冷房モードで作動(ON)される室内機51、52、53、54を循環することができる。
【0232】
前記室外機10の前記室外熱交換器15を通過した凝縮冷媒は、液管27を介して前記切替ユニットRに流入され得る。
【0233】
そして、前記凝縮冷媒は、前記液管分岐点27aから分岐されて、前記第1液ガイド管141と前記第2液ガイド管142に流動することができる。
【0234】
前記第1液ガイド管141に流入された凝縮冷媒は、前記第1流量弁143を通過しながら膨張され得る。そして、前記膨張冷媒は、前記第1熱交換器101を通過しながら水の熱を吸収して蒸発され得る。
【0235】
同様に、前記第2液ガイド管142に流入された凝縮冷媒は、前記第2流量弁144を通過しながら膨張され得る。そして、前記膨張冷媒は、前記第2熱交換器102を通過しながら水の熱を吸収して蒸発され得る。
【0236】
前記第1熱交換器101から排出される蒸発冷媒は、前記第1冷媒管101を介して第1低圧ガイド管125に流入されて、前記低圧気管25に流動することができる。ここで、前記第1低圧弁127は開放され、前記第1高圧弁123は閉鎖される。
【0237】
同様に、前記第2熱交換器102から排出される蒸発冷媒は、前記第2冷媒管115を介して第2低圧ガイド管126に流入されて、前記低圧気管25に流動することができる。このとき、前記第2低圧弁128は開放され、前記第2高圧弁124は閉鎖される。
【0238】
以下では、前記第1熱交換器101および前記第2熱交換器102が凝縮器として作動する場合の冷媒の流動を簡単に説明する。すなわち、前記熱交換器101、102が凝縮器専用運転を行う場合の冷媒の流動を説明する。
【0239】
ここで、前記第1熱交換器101および前記第2熱交換器102を通過しながら加熱された水は、暖房モードで作動(ON)される室内機51、52、53、54を循環することができる。
【0240】
前記室外機10の圧縮機11で圧縮された圧縮冷媒は、高圧気管20を介して前記切換ユニットRに流入され得る。
【0241】
そして、前記圧縮冷媒は、高圧分岐点20aで分岐されて前記第1高圧ガイド管121と第2高圧ガイド管122に流動することができる。
【0242】
前記第1高圧ガイド管121に流入された圧縮冷媒は、前記第1冷媒管110を介して前記第1熱交換器101に流入され得る。そして、前記第1熱交換器101で凝縮された凝縮冷媒は、前記第1液ガイド管141を介して前記液管分岐点27aに流動することができる。
【0243】
冷媒は、前記第1熱交換器101を通過しながら水から熱を奪われて凝縮され得る。このとき、前記第1低圧弁127は閉鎖され、第1高圧弁123は開放される。
【0244】
前記第2高圧ガイド管122に流入された圧縮冷媒は、前記第2冷媒管115を介して前記第2熱交換器102に流入され得る。そして、前記第2熱交換器102で凝縮された凝縮冷媒は、前記第2液ガイド管142を介して前記液管分岐点27aに流動することができる。
【0245】
冷媒は、前記第2熱交換器102を通過しながら水から熱を奪われて凝縮され得る。このとき、前記第2低圧弁128は閉鎖され、第2高圧弁124は開放される。
【0246】
前記液管分岐点27aに流動した各冷媒は合流し、前記液管27を通過して前記室外機10の室外熱交換器15に流入され得る。そして、前記室外熱交換器15で蒸発された冷媒は、前記圧縮機11に吸入され得る。
【0247】
一方、初期起動は、前記複数の室内機50のうち少なくともいずれか一つの室内機が運転を始めて、室内に冷房または暖房を提供するために前記熱交換器101、102が作動を始める空気調和装置1の運転段階と理解できる。
【0248】
以下では、空気調和装置の制御方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0249】
図3は、本発明の第1実施例に係る空気調和装置の制御方法を簡略に示すフローチャートである。
【0250】
図3を参照すると、ステップS10で前記空気調和装置1は、ポンプの出力信号を感知する。
【0251】
具体的には、前記空気調和装置1は、流入配管41、45に設置されるポンプ42、46の出力信号を感知することができる。
【0252】
ここで、ポンプの出力信号には、ポンプに印加される電流量またはポンプが消費する電力量(消費電力)を含むことができる。
【0253】
例えば、前記空気調和装置1の駆動が始まると、前記圧縮機11および前記ポンプ42,46に電流が印加されて、前記圧縮機11およびポンプ42,46が駆動され得る。前記ポンプ42、46が駆動されると、前記空気調和装置1に備えられた制御部または電力測定器(power meter)を介して前記ポンプ42、46に印加される電流量またはポンプ42、46の消費電力をリアルタイムで感知することができる。
【0254】
ステップS11で前記空気調和装置1は、感知された出力信号を分析して水配管内の空気層比率を計算する。
【0255】
前記空気調和装置1は、前記ポンプ42、46が駆動されることによって出力される出力信号(電流量または消費電力)を通じて水が流動する水配管30、40内の空気層比率を予測することができる。
【0256】
図4は、水配管内の空気層比率によるポンプ出力および消費電力を示すグラフである。
【0257】
図4を参照すると、グラフの横軸は、ポンプの最大出力比(%)を示し、グラフの縦軸は、ポンプの消費電力Wを示す。
【0258】
グラフを見ると、前記ポンプ42、46が正常運転時、ポンプ出力が60%のとき、ポンプの消費電力は40Wを示し、ポンプ出力が95%のとき、ポンプの消費電力は120Wを示す。
【0259】
これに反して、前記水配管30,40内の空気層比率が10%の場合、ポンプ出力が60%のとき、ポンプの消費電力は23Wを示し、ポンプ出力が95%のとき、ポンプの消費電力は65Wを示す。
【0260】
すなわち、前記水配管30,40内の空気層比率が増加するほど、同じポンプ出力時、ポンプ42,46の消費電力は低くなる。このような理由は、水配管内に空気層が形成されると、水配管を流動する循環流量が減少することによってポンプの負荷が小さくなる可能性があるためである。
【0261】
したがって、このような原理により、ポンプの出力信号を通じて水配管内の空気層比率を計算または予測することができる。
【0262】
ステップS12で前記空気調和装置1は、計算された空気層比率に応じて目標過冷度または目標過熱度を減少させる。
【0263】
具体的には、前記空気調和装置1は、計算された空気層比率が正常水準の比率であるか否かを判断する。そして、正常水準の比率であると判断されると、運転モードに応じて目標過冷度または目標過熱度を減少させることができる。
【0264】
一実施例によると、前記空気調和装置1は、計算された空気層比率が正常水準の比率(例:10%未満)であると判断すると、現在の運転モードが暖房運転であれば目標過冷度を減少させ、現在の運転モードが冷房運転であれば目標過熱度を減少させることができる。
【0265】
例えば、水配管内に空気層が形成された状態で暖房運転されると、水配管を循環する流量が減少するようになり、このとき、圧縮機は目標高圧/低圧(熱交換器の目標過冷度)を合わせるために圧縮機の運転周波数(圧縮機出力)を低減させることができる。圧縮機の運転周波数が減少されると、結果的にシステム冷媒循環量が減少されて、冷暖房性能が低下することがある。
【0266】
したがって、本発明においては、水配管内に空気層が形成されると、熱交換器の目標過冷度または目標過熱度を減少させ、水流量減少による高圧上昇量または低圧下降量を減少させ、結果的に圧縮機の運転周波数が減少されることを緩和して、冷暖房性能の低下を最小限に抑えることができる。
【0267】
図5は、本発明の第1実施例に係る空気調和装置の制御方法を詳細に示すフローチャートである。
【0268】
図5を参照すると、ステップS20で前記空気調和装置1は初期起動を行い、ステップS21でポンプの運転を始める。
【0269】
具体的には、前記空気調和装置1は、室内機50の運転が始まると、室内に冷房または暖房を提供するために熱交換器101、102が最初に作動する初期起動を行うことができる。
【0270】
すなわち、前記初期起動では、複数の室内機50のうち少なくともいずれか一つの室内機51、52、53、54が運転を始めることができる。
【0271】
一例として、在室者は、複数の室内機50のうちの少なくともいずれか一つの室内機を作動させて、冷房または暖房モードを入力することができる。
【0272】
ここで、前記在室者の入力は、多様な入力手段で行うことができる。一例として、前記入力手段は、前記空気調和装置1に備えられた入力部またはリモコン、携帯電話など多様な通信機器を含むことができる。
【0273】
初期起動が行われることにより、圧縮機11およびポンプ42、46が駆動され得る。このとき、前記ポンプ42、46は、最大出力で駆動され得る。
【0274】
ステップS22で前記空気調和装置1は、ポンプの出力信号を感知する。
【0275】
上述したように、前記空気調和装置1は、前記ポンプ42、46の出力信号を感知することができる。ここで、ポンプの出力信号には、ポンプに印加される電流量またはポンプが消費する電力量(消費電力)が含まれ得る。
【0276】
例えば、前記空気調和装置1が駆動されると、圧縮機11およびポンプ42、46に電流が印加されて、前記圧縮機11およびポンプ42、46が駆動され得る。このとき、前記ポンプ42、46が駆動されると、前記空気調和装置1に備えられた制御部または電力測定器(power meter)を介して前記ポンプ42、46に印加される電流量または前記ポンプ42、46の消費電力をリアルタイムで感知することができる。
【0277】
ステップS23で前記空気調和装置1は、感知された出力信号を分析して水配管内の空気層比率を計算する。
【0278】
上述したように、前記空気調和装置1は、前記ポンプ42、46に印加される電流量または前記ポンプ42、46の消費電力を通じて水が流動する水配管30、40内の空気層比率を計算することができる。
【0279】
例えば、前記ポンプ42、46に印加される電流量または前記ポンプ42、46の消費電力が一定比率以上低くなる場合、前記水配管30、40内の空気層比率が相対的に高いと見ることがある。すなわち、前記ポンプ42、46に印加される電流量または消費電力が低くなるほど、前記水配管30、40内の空気層比率は増加することがある。
【0280】
ステップS24で前記空気調和装置1は、水配管内の空気層比率が基準比率以上であるか否かを判断する。
【0281】
具体的には、前記空気調和装置1は、水配管内の空気層比率が正常水準であるか否かを判断するために、計算された水配管内の空気層比率が基準比率以上であるか否かを判断する。
【0282】
ここで、前記基準比率は一例として、10%となり得る。しかし、これに限定されず、基準比率は任意に設定され得る。
【0283】
水配管内の空気層比率が正常水準以以内の場合には、前記空気調和装置1の正常運転が継続的に可能であると見ることがある。
【0284】
一方、水配管内の空気層比率が正常水準以上の場合には、前記空気調和装置1の正常運転が不可能であると見ることがある。この場合、前記ポンプ42、46に水と空気が混ざった状態で流入されるので、前記ポンプ42、46の故障が発生する危険がある。
【0285】
水配管内の空気層比率が基準比率以上の場合、ステップS25で前記空気調和装置1は、水供給弁を開放させ、ステップS26で水供給プロセスを実行する。
【0286】
具体的には、前記空気調和装置1は、水配管内の空気層比率が異常水準に高まったと判断されると、流入配管41、45に設置された水供給弁44a、48aを開放させて水配管30、40に水を流入させる。
【0287】
このとき、前記空気調和装置1は、前記ポンプ42、46の損傷を防止するために前記ポンプ42、46の運転を中断させることができる。
【0288】
前記水配管30、40に一定量の水が供給されると、前記水供給弁44a、48aを閉鎖させ、排出配管31、35に設置されたパージ弁31c、35cを開放させて、水配管内部の空気を外部に排出させることができる。そして、水配管内部の空気が外部に排出されると、前記パージ弁31c、35cを閉鎖させた後、前記ポンプ42、46を再起動することができる。
【0289】
一方、水配管内の空気層比率が基準比率未満の場合、ステップS27で前記空気調和装置1は、運転モードに応じて目標過冷度または目標過熱度を減少させる。
【0290】
具体的には、前記空気調和装置1は、水配管内の空気層比率が正常水準であると判断されると、現在の運転モードを判断する。
【0291】
暖房モードであれば、前記熱交換器101、102の目標過熱度を減少させ、冷房モードであれば、前記熱交換器101、102の目標過熱度を減少させる。
【0292】
ここで、前記熱交換器101、102の目標過冷度および目標過熱度は、予め設定され得る。一例として、前記目標過冷度および目標過熱度は、5度に設定され得る。
【0293】
前記熱交換器101、102の過冷度および過熱度は、温度センサーを用いて前記熱交換器101、102に流入される冷媒温度と吐出される冷媒温度の差から求めることができる。
【0294】
前記空気調和装置1は、暖房運転時、設定された目標過冷度を一定値減少させる。一例として、前記空気調和装置1は、設定された目標過冷度を-1度だけ減少させることがある。そして、前記空気調和装置1は、前記流量弁143、144の開度を増加させて、水流量減少による高圧上昇量を減少(緩和)させる。
【0295】
また、前記空気調和装置1は、冷房運転時、設定された目標過熱度を一定値減少させる。一例として、前記空気調和装置1は、設定された目標過熱度を-1度だけ減少させることがある。そして、前記空気調和装置1は、前記流量弁143、144の開度を増加させて、水流量減少による低圧下降量を減少(緩和)させる。
【0296】
このような制御方法によると、水流量減少による高圧上昇または低圧下降を緩和することができる。これにより、圧縮機の運転周波数が減少することを最小限に抑えて、システム性能(冷暖房性能)の低下を最小限に抑えることができる。
【0297】
そして、ステップS28で前記空気調和装置1は、現在圧力と目標圧力に対する差値が基準圧力範囲内であるか否かを判断する。
【0298】
具体的には、前記空気調和装置1は、各運転モードによる現在圧力(高圧または低圧)と目標圧力(目標高圧または目標低圧)とを比較して、この2つの差値が基準圧力以内であるか否かを判断する。
【0299】
前記空気調和装置1は、暖房運転時、高圧センサーで感知された高圧と予め設定された目標高圧との差が基準圧力範囲内であるか否かを判断することができる。
【0300】
例えば、前記制御部は、前記圧縮機11の吐出側で感知された高圧と予め設定された目標高圧との差が基準圧力範囲内であるか否かを判断する。
【0301】
また、前記空気調和装置1は、暖房運転時、低圧センサーで感知された低圧と予め設定された目標低圧との差が基準圧力範囲内であるか否かを判断することができる。
【0302】
例えば、前記制御部は、前記圧縮機11の吸入側で感知された低圧と予め設定された目標低圧との差が基準圧力範囲内であるか否かを判断する。
【0303】
ここで、現在圧力と目標圧力に対する差値が基準圧力範囲内であるか否かを判断する理由は、各運転モードによる目標過冷度および目標過熱度を適切に調節するためである。すなわち、熱交換器101、102の目標過冷度および目標過熱度をあまりに減少させると、熱交換器101、102で凍破が発生するか、冷暖房性能が低下するなど、システム信頼性における悪影響を及ぼすことがある。
【0304】
したがって、現在圧力と目標圧力との差を一定範囲内に維持するようにすることで、熱交換器をより安定した状態で稼働させ、システム性能を向上させることができる。
【0305】
一方、現在圧力と目標圧力との差が基準圧力範囲を外れる場合、前記空気調和装置1は、ステップS27に進入して、目標過冷度または目標過熱度を追加的に減少させる。
【0306】
万一、現在圧力と目標圧力との差値が基準圧力範囲に該当する場合、ステップS29で前記空気調和装置1は、システムのオフ可否を入力される。
【0307】
例えば、在室者は、前記入力手段を通じて複数の室内機50のうち少なくともいずれか一つの室内機の作動を停止させるオフ命令を入力することができる。
【0308】
システムのオフ指令の入力されない場合、前記空気調和装置1は、ステップS28に進入し、システムのオフ指令を入力された場合、ステップS25に進入する。
【0309】
すなわち、前記空気調和装置1のシステムオフ指令が入力されると、圧縮機11およびポンプ42、46の運転を中止させ、水供給弁44a、48aを開放させて、水配管に水を流入させることができる。これにより、水配管内の空気層が除去され、水配管を流動する水流量が増加することがある。
【0310】
図6は、本発明の第2実施例に係る空気調和装置の制御方法を示すフローチャートである。
【0311】
図6を参照すると、ステップS30で前記空気調和装置1は、初期起動を行い、ステップS31でポンプの最大出力運転を行う。
【0312】
具体的には、前記空気調和装置1は、室内機50の運転が始まると、室内に冷房または暖房を提供するために熱交換器101、102が最初に作動する初期起動を行うことができる。
【0313】
すなわち、前記初期起動では、複数の室内機50のうち少なくともいずれか一つの室内機51、52、53、54が運転を始めることができる。
【0314】
一例として、在室者は、複数の室内機50のうちの少なくともいずれか一つの室内機を作動させて、冷房または暖房モードを入力することができる。
【0315】
また、初期起動が行われることによってポンプ42、46が駆動され得る。このとき、前記ポンプ42、46は、最大出力で駆動され得る。
【0316】
ここで、前記ポンプ42、46を最大出力で駆動する理由は、前記ポンプ42、46に対する消費電力を正確に測定するためである。
【0317】
ステップS32で前記空気調和装置1は、ポンプの消費電力を測定する。
【0318】
例えば、前記空気調和装置1が駆動されると、前記ポンプ42、46に電流が印加されて、前記ポンプ42、46が最大出力で駆動され得る。
【0319】
前記ポンプ42、46が最大出力で駆動されると、前記空気調和装置1に備えられた制御部または電力測定器(power meter)を通じて前記ポンプ42、46で消費される電力量を測定することができる。
【0320】
ステップS33で前記空気調和装置1は、測定された消費電力が一定比率以上減少するか否かを判断する。
【0321】
前記空気調和装置1は、水配管30、40内の空気層形成可否を確認するために、測定されたポンプの消費電力が一定比率以上減少するか否かを判断することができる。
【0322】
上述したように、水配管30、40内の空気層比率が相対的に高いほど、ポンプ42、46の消費電力が低減することがある。したがって、測定された消費電力を通じて水配管30、40内の空気層比率を予測することができる。
【0323】
測定された消費電力が一定比率以上減少した場合は、水配管30,40内の空気層比率が基準比率を超えたと理解できる。すなわち、この場合、水配管内の空気層比率が異常に多いと理解できる。
【0324】
逆に、測定された消費電力が一定比率以上減少していない場合は、水配管内の空気層比率が基準比率を超えないと理解できる。すなわち、この場合、水配管内の空気層比率が正常であると理解できる。
【0325】
万一、測定された消費電力が一定比率以上減少したと判断されると、ステップS34で前記空気調和装置1は、水供給弁を開放させ、ステップS35で水供給プロセスを実行する。
【0326】
具体的には、前記空気調和装置1は、水配管内の空気層比率が異常水準に高まったと判断されると、流入配管41,45に設置された水供給弁44a,48aを開放させて、水配管30,40に水を流入させる。
【0327】
このとき、前記空気調和装置1は、前記ポンプ42、46の損傷を防止するために前記ポンプ42、46の運転を中断させることができる。
【0328】
前記水配管30、40に一定量の水が供給されると、前記水供給弁44a、48aを閉鎖させ、排出配管31、35に設置されたパージ弁31c、35cを開放させて、水配管内部の空気を外部に排出させることができる。そして、水配管内部の空気が外部に排出されると、前記パージ弁31c、35cを閉鎖させた後、前記ポンプ42、46を再起動することができる。
【0329】
実施例は、そのいくつかの例示的な実施例を参照して説明されたが、この原理の思想および範囲内に属する当業者によって、他の多くの修正および実施例を考案できることを理解されるべきである。より具体的には、本発明、図面および添付の請求の範囲内で、構成部品の組み合わせおよび/または配置において様々な変形および修正が可能である。構成部品および/または配置の変形および修正に加えて、代替の使用法も当業者には明らかであろう。