(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】セグメントパッチ位相配列放射器
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/28 20060101AFI20240315BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20240315BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20240315BHJP
H01Q 21/24 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
H01Q21/28
H01Q13/08
H01Q21/06
H01Q21/24
(21)【出願番号】P 2022543386
(86)(22)【出願日】2021-01-15
(86)【国際出願番号】 US2021013569
(87)【国際公開番号】W WO2021146514
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-09-14
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シキナ,トーマス ヴイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヘイヴン,ジョン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】フェイガーランド,グレゴリー エム.
(72)【発明者】
【氏名】ベネディクト,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】サウスワース,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ワイルダー,ケヴィン
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0013580(US,A1)
【文献】特開平04-227302(JP,A)
【文献】特許第6490319(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 21/00- 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナであって:
放射器供給層;
前記放射器供給層に取り付けられた第1放射器パッチアセンブリ;及び
前記放射器供給層に取り付けられた第2放射器パッチアセンブリであり、前記第1放射器パッチアセンブリが当該第2放射器パッチアセンブリから空隙により分離されている、第2放射器パッチアセンブリ;
を含むアンテナ
であって、
前記放射器供給層が、前記第1放射器パッチアセンブリに取り付けられた第1伝送線路と、前記第2放射器パッチアセンブリに取り付けられた第2伝送線路を含む、アンテナ。
【請求項2】
前記第1放射器パッチアセンブリが第1マウントに取り付けられた第1パッチ表面を含み、前記第2放射器パッチアセンブリが第2マウントに取り付けられた第2パッチ表面を含み、前記第2マウントが空隙によって前記第1マウントから分離されている、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記第1放射器パッチアセンブリはさらに中心給電伝送線路を含む、請求項2に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記第1放射器パッチアセンブリは、独立した薄い誘電体基板層上のインピーダンス整合回路又は関連回路をさらに含む、請求項1記載のアンテナ。
【請求項5】
前記中心給電伝送線路が銅又は関連する導電性材料で作られている、請求項3に記載のアンテナ。
【請求項6】
前記第1伝送線路と前記第2伝送線路の少なくとも一方が二重偏波伝送線路である、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記放射器供給層が連続誘電体材料である、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項8】
アンテナの製造方法であって:
放射器供給層を形成するステップ;
前記放射器供給層に第1放射器パッチアセンブリを取り付けるステップ;及び
前記放射器供給層に第2放射器パッチアセンブリを取り付けるステップであり、前記第1放射器パッチアセンブリが前記第2放射器パッチアセンブリから空隙により分離されている、ステップ;
を含む
製造方法。
【請求項9】
前記放射器供給層の第1伝送線路を前記第1放射器パッチアセンブリに結合するステップ;及び
前記放射器供給層の第2伝送線路を前記第2放射器パッチアセンブリに結合するステップ;
をさらに含む、請求項8に記載の
製造方法。
【請求項10】
前記第1放射器パッチアセンブリは、第1マウントに取り付けられた第1パッチ表面を含み、前記第2放射器パッチアセンブリは、第2マウントに取り付けられた第2パッチ表面を含み、
前記第1マウントを前記放射器供給層に結合し、前記第2マウントを前記第1マウントから空隙で隔てられた前記放射器供給層に結合するステップ;
をさらに含む、請求項8に記載の
製造方法。
【請求項11】
前記第1放射器パッチアセンブリを取り付けるステップは、加算製造を使用して同時に中心給電伝送線路と前記第1マウントを形成することをさらに含む、請求項10に記載の
製造方法。
【請求項12】
放射器パッチ表面の連続シートを形成し、
第1パッチ表面を含む前記連続シートの第1セグメントを除去して前記第1放射器パッチアセンブリを形成し、
第2パッチ表面を含む前記連続シートの第2セグメントを除去して前記第2放射器パッチアセンブリを形成するステップ
をさらに含む、請求項8に記載の
製造方法。
【請求項13】
前記中心給電伝送線路が二重偏波放射器給電伝送線路である、請求項11に記載の
製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相配列システム用アンテナアセンブリ及びアンテナアセンブリの製造方法、特に、セグメント化されたパッチ放射器を有するパッチアンテナアセンブリ及びその製造方法に関する。
【0002】
本出願は、2020年1月16日に出願された米国出願第16/744774号の利益を主張するものであり、その全体が参照により本出願に組み込まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パッチアンテナは、基板 (通常は誘電体材料) によって接地層から分離されたパッチ(patch)又は平坦な金属表面によって形成されるアンテナである。パッチと接地層は空洞(cavity)を形成し、パッチの電気励起が伝送のために空洞内に電磁波を発生させる。パッチアンテナのフェーズドアレイ又は位相配列(phased array)は、間隔を空けた複数のパッチを基板上に配置して、誘電体材料上に秩序だったパッチのアレイを形成することによって形成することができる。位相配列の励起によって形成される表面波は、基板内に含まれる導波である。これらの表面波は、一般にすべての位相配列システムに存在することが知られており、実空間内の格子ローブの存在に影響を与え、それによって性能を制限する。誘電体材料を通る表面波の存在により、位相配列で可能なスキャンボリュームのサイズが小さくなる。そのため、表面波のスキャン量への影響を低減するパッチアンテナが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態によれば、アンテナが開示される。アンテナは、放射器供給層、放射器供給層に取り付けられた第1放射器パッチアセンブリ、及び放射器供給層に取り付けられた第2放射器パッチアセンブリを含み、ここで、第1放射器パッチアセンブリは、空隙又はエアギャップによって第2放射器パッチアセンブリから分離される。
【0005】
本開示の別の実施形態によれば、アンテナの製造方法が開示される。この方法は、放射器供給層を形成し、放射器供給層に第1放射器パッチアセンブリを取り付け、放射器供給層に第2放射器パッチアセンブリを取り付けることを含み、第1放射器パッチアセンブリは第2放射器パッチアセンブリから空隙により分離されている。
【0006】
追加の特徴と利点は、本発明の技術によって実現される。本発明の他の実施形態及び側面は、ここに詳細に記載され、請求項に記載された発明の一部とみなされる。本発明の利点及び特徴をよりよく理解するには、説明及び図面を参照されたい。
【0007】
本開示をより完全に理解するために、添付の図面及び詳細な説明に関連して与えられた以下の簡単な説明をここで参照し、ここで、同様の参照番号は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態における例示的なアンテナ構造を示す。
【
図2】
図1のパッチアンテナアセンブリの断面の分解図を示し、セグメント化されたパッチアンテナアセンブリのさまざまな層を示している。
【
図3】従来のパッチアンテナアセンブリの側面図を示し、単一の基板が連続的な誘電体材料を提供し、その上に複数のパッチが形成されている。
【
図4】本発明の一実施形態によるセグメント化されたパッチアンテナアセンブリの側面図を示す。
【
図5】説明のためにパッチに関連した座標系を示し、連続的導電性の接地面と表面がない、例示的なパッチを示している。
【
図6】従来のパッチアンテナアセンブリ及びセグメント化されたパッチアンテナアセンブリの両方のアクティブ電圧定在波比(VSWR) に対する表面波効果を示す2つのグラフを示している。
【
図7】連続導波管モデル及びセグメント化パッチアンテナアセンブリの両方について、スキャン損失対極角を示す2つのグラフを示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態における例示的なアンテナ構造100を示す。アンテナ構造100は、取付け構造体104に取り付けられたセグメント化パッチアンテナアセンブリ(segmented patch antenna assembly)102を含む。セグメント化パッチアンテナアセンブリ102は、その上に形成された複数のパッチアンテナ110を伴う接地平面106を含む。パッチアンテナ110は、はんだリフロー、加算製造技術 (AMT)その他の適切な製造技術を使用して、接地平面に取り付けることも、接地平面106の頂部に構築することもできる。
【0010】
図2は、
図1のセグメント化パッチアンテナアセンブリ102の一部又はセクションの分解
図200を示し、セグメント化パッチアンテナアセンブリのさまざまな層を示している。分解図には、パッチ層202、放射器(radiator)供給層204、ビーム形成層206、制御論理層208、電力接続層210が示されている。パッチ層202は、放射器層204の独立して動作可能な伝送フィード204a 、204b 、...、204n に取り付けられた複数のパッチアセンブリ202a 、202b 、...、202n を含む。複数のパッチアセンブリ202a 、202b 、...、202n のそれぞれは、それぞれの伝送フィード204a 、204b 、...、204n の上に形成される。各パッチアセンブリ202a 、202b 、...、202n には、精密マウントと、精密マウントの上面のパッチ表面とが含まれており、パッチアセンブリが対応する伝送フィードに貼り付けられると、パッチ表面が空間に露出する。精密マウントは一般に、2つの表面間の圧縮境界、又は導電性表面間のはんだリフローのいずれかである。
図4に示すように、選択されたパッチアセンブリの精密マウントは、空隙によって隣接するパッチアセンブリの精密マウントから分離される。
【0011】
さらに
図2を参照すると、放射器層204は、様々な実施形態において単一の誘電体層を含むことも、複数の薄層上にインピーダンス整合及び関連回路を含むこともできる。放射器層204のエッジにはエッジプレートがない。放射器層204は、パッチ表面に電気刺激を与えるための伝送フィードを含むことができる。伝送フィード(
図4において、別々の薄い誘電体層412a 、412b 、412c 上の伝送線路410a 、410b 、410c 及びインピーダンス整合回路411a、411b 、411c として示されている)は、様々な実施形態において二重偏波伝送フィードとすることができる。
【0012】
放射器層204はビーム形成層206の頂部に位置する。ビーム形成層206は、複数のパッチ202a 、202b 、...、202n での建設的及び破壊的干渉のパターンを介してビームの透過角度を制御するために、その関連パッチで生成される結合RF信号の位相及び/又は相対振幅に影響を与えたり制御したりするための様々な回路及び電子回路を含む。ビーム形成層206は制御論理層208上に形成され、ビーム形成層206の電子回路は制御論理層208の制御回路によって制御される。制御論理層208は、電源接続層210に接続される。
【0013】
図3は、従来のパッチアンテナアセンブリの側面図であり、単一の基板が連続的な誘電体材料を提供しており、その上に複数のパッチが形成され、ここでは導波管パッチアンテナアセンブリ300とも呼ぶ。連続誘電体材料は、アンテナのアクティブ化中に形成される表面波のガイドを提供する。導波管パッチアンテナアセンブリ300は、導電性接地層302と、接地層302上に形成された基板又は誘電体層304とを含む。誘電体層304上には、間隔をあけて離れた位置に複数のパッチ面306a 、306b 、306c が形成されている。誘電体は、複数のパッチ面306a 、306b 、306c の間の空間に広がり、パッチ面306a 、306b 、306c で作成される表面波の平行板導波管として機能する。パッチ表面306a 、306b 、306c のそれぞれには関連する伝送線路(図示せず)があり、伝送線路は、関連するパッチ表面を、パッチに通電する電源に電気的に接続し、インピーダンス整合させる。伝送線路は、誘電体層304の頂部に形成することもでき、またそれに関連するパッチ表面に接続するために接地層302と誘電体層304を通過する伝導経路を形成する中心給電伝送線路とすることもできる。
【0014】
図4は、本発明の一実施形態によるセグメント化パッチアンテナアセンブリ400の側面図を示す。セグメント化されたパッチアンテナアセンブリ400は、導電性の接地層402と、接地層402上で離れた場所に形成された複数のパッチアセンブリ404a 、404b 、404c を含む。各パッチアセンブリ404a 、404b 、404c は、関連する精密マウント408a 、408b 、408c 及び関連するインピーダンス整合回路層411a 、411b 、411c 及び412a 、412b 、412c 上に形成され又は存在するパッチ表面406a 、406b 、406c を含む。例えば、パッチアセンブリ404a は精密マウント408a 上に形成されたパッチ面406a を含み、パッチアセンブリ404b は精密マウント408b 上に形成されたパッチ面406b を含み、パッチアセンブリ404c は精密マウント408c に形成されたパッチ面406c を含む。各精密マウント408a 、408b 、408c は、導電性接地層402及びアレイ素子の意図された周期的位置に精密に位置合わせされている。各パッチアセンブリ404a 、404b 、404c には、関連する伝送線路410a 、410b 、410c があり、関連するパッチ表面406a 、406b 、406c を、パッチ表面406a 、406b 、406c にエネルギーを与える電源に電気的に接続する。伝送線路は、関連するインピーダンス整合層411,412の頂部に形成することもでき、関連するパッチ表面に取り付けるために接地層402と関連する精密マウントとを通過する伝導経路を形成する中心給電伝送線路(center-fed transmission line)にすることもできる。伝送線路(410a 、410b 、410c )は銅製でもよい。さまざまな実施形態において、精密マウント(例えば、精密マウント408a )とそれに関連する伝送線路(例えば、伝送路410a )は、めっきスルーホール (PTH) 技術又は加算製造技術を使用して同時に形成することができる。一実施例では、放射器パッチ表面の連続シートを形成することができる。連続シートは、その中に形成された伝送線路を含むことができる。第1パッチ表面を含む連続シートの第1セグメントを除去して、第1放射器パッチアセンブリ404 aを形成することができ、第2パッチ面を含む連続シートの第2セグメントを除去して第2放射器パッチアセンブリ404b を形成することができる。
【0015】
図5は、説明のためにパッチに関連する座標系を示す例示的なパッチ表面(例えばパッチ表面406a )を示す。パッチ表面には連続伝導接地平面がないことが示されている。z軸はパッチとアレイの表面に垂直に延び、表面はx-y平面内に存在する。x軸に対して方位角φを、z軸に対して極角θを定義する。
【0016】
図6は、セグメント化されたパッチアンテナアセンブリの表面波に対する全波シミュレーション効果を示す2つのグラフ600及び610を示す。グラフ600は、
図3に示すような従来の (導波管) パッチアンテナアセンブリの走査電圧定在波比 (走査VSWR) を示している。VSWRは、対象の放射器アセンブリ内の反射エネルギーの大きさを示す。高いVSWRは、システム内での大きな反射を示す。エネルギー保存により、高いVSWRは、放射に利用できるエネルギーが比例して少なくなることも意味し、後者はアレイ放射システムの主要な目的である。グラフ610は、
図4に示すようなセグメント化されたパッチアンテナアセンブリのための同様の全波シミュレーション走査VSWRを示している。グラフ600と610の両方について、y軸に沿ってスキャンVSWRを示し、x軸に沿って法線からの極角θを度数で示している。走査VSWRの強度は極角に依存し、アンテナを通る表面波共鳴の存在に因る。これらの共鳴は、
図3の導波管パッチアンテナアセンブリと
図4のセグメント化パッチアンテナアセンブリの両方に対してほぼ同じ一般的な角度で現れるが、明確な違いがある。両方のグラフ(600,610)は、表面波に関連する漸近的なVSWRの動作を示すが、その性質が異なっていても、位相配列システムのパフォーマンスとコストに大きな影響を与える可能性がある。
【0017】
グラフ600では、選択された動作周波数(F3 )において、曲線602a はφ=0度の方位角に向けられた第1平面における立位(standing)VSWRを示し、曲線602b はφ=60度の方位角に向けられた第2平面における立位VSWRを示している。この例の計算では、これらの一定ファイφ平面の両方が、格子ローブ及び関連する表面波と交差している。602a と602b の両方の曲線で、VSWRは、約0度から約40度の極角θ範囲でほぼ最小である。曲線602a は、約40度から約58度の極角範囲で、走査VSWRの中程度の増加領域を示し、約58度を超える極角で高度に垂直な傾斜(勾配)を示している。曲線602b は、約40度から約62度の間の中程度の増加領域でスキャンVSWRの増加が緩やかで、約62度を超える極角で高度に垂直な傾斜(勾配)を示している。曲線602a と602b の高度な垂直勾配は、従来のパッチでは60度、セグメント化されたパッチでは71度の限界角度において、許容できないVSWR値に達する。これにより、セグメント化パッチアンテナの走査ボリューム(scan volume)は、従来のパッチアンテナの走査ボリュームよりも大きくなる。
【0018】
グラフ610では、曲線612a はφ=0度の方位を向いた第1平面における立位VSWRを示し、曲線612b はφ=60度の方位を向いた第2平面における立位VSWRを示している。曲線612a と612b の両方で、VSWRは極角θ=0度から約40度の間でほぼ最小となる。曲線612a と612b は、約θ=40度から約θ=70度の極角領域において、対応する曲線602a と602b よりも緩やかに強度が増加する。特に、曲線612a は、極角が約40度から約70度の範囲の中程度の増加領域において、走査VSWRの緩やかな増加を示し、極角が約70度を超えると高い垂直勾配を示す。曲線612b は、極角が約40度から約68度の範囲の中程度の増加領域において、走査VSWRの増加がわずかに大きく (曲線612a と比較して)、極角が約68度を超えると高度に垂直な傾きを示している。曲線612a と612b の適度な増加領域の角度範囲により、曲線602a と602b と比較して、曲線612a と612b に関連するセグメント化されたパッチアセンブリは、曲線602 aと602 bに関連する導波管パッチアンテナよりも広い走査角度を持つ。
【0019】
図7は、連続導波管モデルとセグメント化パッチアンテナアセンブリの両方について、走査損失対極角を示す2つのグラフ700と710を示している。グラフ700は、
図3に示すような従来の導波管パッチアセンブリの走査損失を示している。グラフ710は、
図4に示すセグメント化パッチアセンブリモデルの走査損失を示している。スキャン損失はy軸に沿って、法線からの極角θはx軸に沿って度数で示されている。
【0020】
曲線702は、グラフ700の一方向走査損失を示している。走査損失は方位 (φ) 角に関係なくほぼ同じである。したがって、曲線702は一般的にφ=0度の平面とφ=60度の平面の両方に沿った走査損失を表す。同様に、曲線712はグラフ710の走査損失を示している。走査損失は方位 (φ) 角に関係なくほぼ同じである。したがって、曲線712は一般的にφ=0度の平面とφ=60度の平面の両方に沿った走査損失を表す。
【0021】
曲線702は比較的小さな走査損失を示しており、走査損失は極角 (θ) とともに増加し、約θ=75度で最大走査損失値に達し、これは
図6に示された最大VSWRに対応する。曲線712は極座標角度とともに増加する走査損失も示しており、最小値に達する。ただし、曲線712の最大走査損失は、曲線702の最大走査損失よりもかなり小さい。従来のパッチアンテナで62度、セグメント化パッチアンテナで71度の限界角度において、総走査損失の点でセグメント化パスアンテナにさらにパフォーマンス上の利点がある。
【0022】
走査VSWR (
図6の600,610)と走査損失データ(
図7の700,710)は、従来のパッチアンテナよりもパフォーマンスを向上させたことを示している。それは、セグメント化パッチアンテナが、既存の位相配列ラティスに対する追加の走査カバレッジ、又は等価な走査ボリュームに対するアレイの要素数の超越的な削減のいずれかによる。要素数と走査カバレッジの関係は超越的であるため、セグメント化されたパッチの利点は不釣り合いに大きくなる可能性がある。例えば、ここに開示されたケーススタディでは、要素数の減少は6.7%である。これは、位相配列システム(熱・構造・電子)内の関連するすべてのサポートシステムの線形比例削減を表す。
【0023】
添付の請求項に記載されているすべての手段又はステッププラス機能要素の対応する構造、材料、行為、及び同等物は、特に請求項に記載されている他の請求項に記載されている要素と組み合わせて機能を実行するための構造、材料、又は行為を含むことを意図している。本発明の説明は、説明及び例示の目的のために提示されたものであるが、開示された形式の発明を網羅したり、限定したりすることを意図したものではない。多くの修正及び変形が、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。これらの実施形態は、本発明の原理及び実用化を最もよく説明し、当業者が、特定の用途に適した様々な変更を加えた様々な実施形態の発明を理解できるようにするために選択され、記述された。
【0024】
本発明の好ましい実施形態が説明されているが、当業者は、現在及び将来の両方において、添付のクレームの範囲内にある様々な改良及び強化を行うことができることが理解されるであろう。これらのクレームは、最初に記載された発明の適切な保護を維持するために解釈されるべきである。