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特許7455218調査手段および糖尿病治療情報を使用して行動的洞察を生成するための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】調査手段および糖尿病治療情報を使用して行動的洞察を生成するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240315BHJP
【FI】
G16H10/00
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2022549498
(86)(22)【出願日】2021-02-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(86)【国際出願番号】 US2021018311
(87)【国際公開番号】W WO2021167938
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-09-07
(31)【優先権主張番号】62/977,773
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】オールデン,レット ガイ
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ,ステファニー スミス
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ジェナル リン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,ダニエル マリー-ヘスラー
(72)【発明者】
【氏名】ポロンスキー, ウィリアム ハワード
(72)【発明者】
【氏名】ウォルパート,ハワード アラン
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-225602(JP,A)
【文献】特開2014-140521(JP,A)
【文献】特開2004-213169(JP,A)
【文献】特開2019-066943(JP,A)
【文献】特表2019-525276(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0148025(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖尿病の人の健康転帰に影響を与える行動的洞察を生成し、ユーザに提示するためのコンピュータ化された方法であって、前記方法は、
1つ以上のプロセッサによって、前記糖尿病の人に関連する装置に、1つ以上の電子患者報告転帰(PRO)調査手段を実行するための電子招待状をネットワークを介して送信することであって、各PRO調査手段は、前記人の社会的な状態、経済的な状態、感情的な状態および心理的な状態のうちの少なくとも1つを測定するように構成されている、送信することと、
前記ネットワークを介して前記1つ以上のプロセッサにおいて、前記人に関連する前記装置から前記1つ以上のPRO調査手段に対する少なくとも1つの電子回答を受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記少なくとも1つの電子回答をスコアリングして、前記人に関連する1つ以上のスコアを生成することであって、前記1つ以上のスコアの各スコアは、前記人が異なる社会的、経済的、感情的または心理的な課題を経験している程度を示す、生成することと、
前記ネットワークを介して前記1つ以上のプロセッサによって、モニタリング期間にわたって収集された前記人についての糖尿病治療情報を受信することであって、前記糖尿病治療情報は、インスリン投与量情報およびグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含む、受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記糖尿病治療情報を分析し、前記モニタリング期間の間に前記人によって経験された1つ以上の有害健康転帰を導出することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、1つ以上の行動的洞察を自動的に生成することであって、各行動的洞察は、前記導出された有害健康転帰のうちの1つと、前記人に関連する前記生成されたスコアのうちの1つ以上との間の相関を含む、生成することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の行動的洞察の指示を生成することであって、前記生成された指示は、前記ユーザに提示されるように適合されている、生成することと、を含み、
前記1つ以上の行動的洞察を生成することは、前記人によって経験されたそれぞれの有害健康転帰について、
前記それぞれの有害健康転帰に関連する課題のセットを生成することであって、前記課題のセットは、社会的な課題、経済的な課題、感情的な課題および心理的な課題のうちの少なくとも1つを含む、生成することと、
前記課題のセットに含まれる各課題について1つ以上のスコア基準を生成することと、
前記人に関連する前記1つ以上の生成されたスコアを前記1つ以上のスコア基準と比較して、前記課題のセット内に含まれる課題のサブセットを決定することであって、前記1つ以上の生成されたスコアは、前記課題のサブセットに含まれる各課題についての前記1つ以上のスコア基準を満たす、決定することと、
前記課題のサブセットに含まれる各課題について、前記1つ以上の行動的洞察のうちの別個の行動的洞察を生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記糖尿病治療情報は、接続されたインスリン供給装置によって収集されたインスリン投与量情報および接続されたグルコース測定装置によって収集されたグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
社会的、経済的、感情的または心理的な課題の前記生成されたセット、および1つ以上のスコア基準の前記生成されたセットは、決定木、ルックアップテーブル、数式またはコードの形で前記1つ以上のプロセッサと通信可能に結合されたメモリに格納されている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の有害健康転帰は、低血糖および高血糖のエピソードのうちの少なくとも一方を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上の有害健康転帰は、グルコースレベルの高い変動、および不十分な目標範囲内時間のうちの少なくとも一方を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上の有害健康転帰は、ボーラスを投与しなかったこと、遅延したボーラス投与、不十分なボーラス投与、過剰なボーラス投与、不適切な上向きの投与量のオーバーライド、および不適切な下向きの投与量のオーバーライドのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の生成されたスコアは、低血糖エピソードの管理における前記人の自信を示すスコア、糖尿病自己効力のレベルを示すスコア、および糖尿病の管理における前記人のモチベーションのレベルを示すスコアのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の生成されたスコアは、低血糖エピソードの管理における前記人の自信を示すスコアを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の生成されたスコアは、前記人の健康リテラシーを示すスコア、前記人の誠実度のレベルを示すスコア、および前記人のうつ状態または不安症状の存在を示すスコアのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の生成されたスコアは、前記人のうつ状態または不安症状の存在を示すスコアを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上の行動的洞察の前記生成された指示は、
前記人によって経験された前記導出された有害健康転帰のうちの1つを表示し、
前記1つ以上の行動的洞察によって前記表示された有害健康転帰と相関する前記1つ以上の生成されたスコアのそれぞれのスコアについて、前記それぞれのスコアによって示される社会的、経済的、感情的または心理的な課題の指示を表示する、視覚的表示を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
糖尿病の人の健康転帰に影響を与える行動的洞察を生成して、ユーザに提示するためのシステムであって、前記システムは、
メモリと、
ネットワークに通信可能に結合された通信装置と、
1つ以上のプロセッサであって、
前記通信装置および前記ネットワークを介して、前記糖尿病の人に関連する装置に、1つ以上の電子患者報告転帰(PRO)調査手段を実行するための電子招待状を送信するように構成された患者報告転帰(PRO)スケジュールロジックであって、前記PRO調査手段は、前記人の社会的な状態、経済的な状態、感情的な状態および心理的な状態のうちの少なくとも1つを測定するように構成されている、PROスケジュールロジックと、
PROスコアリングロジックであって、
前記通信装置および前記ネットワークを介して、前記人に関連する前記装置から、前記1つ以上のPRO調査手段に対する少なくとも1つの電子回答を受信することと、
前記少なくとも1つの電子回答をスコアリングして前記人に関連する1つ以上のスコアを生成することであって、前記1つ以上のスコアの各スコアは、前記人が社会的、経済的、感情的または心理的な問題を経験している程度を示す、生成することと、
前記回答および前記生成された1つ以上のスコアのうち少なくとも一方をメモリに格納することと、を行うように構成された、PROスコアリングロジックと、
健康転帰分析ロジックであって、
前記通信装置および前記ネットワークを介して、前記人に関連する糖尿病治療情報を受信することと、前記糖尿病治療情報は、インスリン投与量情報およびグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含む、受信することと、
前記糖尿病治療情報を分析して、前記人によって経験された1つ以上の有害健康転帰を導出することと、を行うように構成された、健康転帰分析ロジックと、
洞察生成ロジックであって、
1つ以上の行動的洞察を生成することであって、各行動的洞察は、前記導出された有害健康転帰のうちの1つと、前記人に関連する前記生成されたスコアの1つ以上との間の相関を含む、生成することと、
前記1つ以上の行動的洞察の指示を生成することであって、前記生成された指示は、前記ユーザに提示されるように適合されている、生成することと、を行うように構成された、洞察生成ロジックと、を実装するように前記メモリに格納された命令を実行するように構成された、1つ以上のプロセッサと、を備え
前記健康転帰分析ロジックは、前記人によって経験されたそれぞれの有害健康転帰について、
前記それぞれの有害健康転帰に関連する課題のセットを生成することであって、前記課題のセットは、社会的な課題、経済的な課題、感情的な課題および心理的な課題のうちの少なくとも1つを含む、生成することと、
前記課題のセットに含まれる各課題について、1つ以上のスコア基準を生成することと、
前記人に関連する前記1つ以上の生成されたスコアを前記1つ以上のスコア基準と比較して、前記課題のセット内に含まれる課題のサブセットを決定することであって、前記1つ以上の生成されたスコアは、前記課題のサブセットに含まれる各課題についての前記1つ以上のスコア基準を満たす、決定することと、
前記課題のサブセットに含まれる各課題について、前記1つ以上の行動的洞察のうちの別個の行動的洞察を生成することと、を行うように構成されている、システム。
【請求項13】
前記糖尿病治療情報は、接続されたインスリン供給装置によって収集されたインスリン投与量情報および接続されたグルコース測定装置によって収集されたグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
社会的、経済的、感情的または心理的な課題の前記生成されたセット、および1つ以上のスコア基準の前記生成されたセットは、決定木、ルックアップテーブル、数式またはコードの形で前記1つ以上のプロセッサと通信可能に結合されたメモリに格納されている、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ以上の有害健康転帰は、低血糖および高血糖のエピソードのうちの少なくとも一方を含む、請求項12~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ以上の有害健康転帰は、グルコースレベルの高い変動、および不十分な目標範囲内時間のうちの少なくとも一方を含む、請求項12~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ以上の有害健康転帰は、ボーラスを投与しなかったこと、遅延したボーラス投与、不十分なボーラス投与、過剰なボーラス投与、不適切な上向きの投与量のオーバーライド、および不適切な下向きの投与量のオーバーライドのうちの少なくとも1つを含む、請求項12~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上の生成されたスコアは、低血糖エピソードの管理における前記人の自信を示すスコア、糖尿病自己効力のレベルを示すスコア、および糖尿病の管理における前記人のモチベーションのレベルを示すスコアのうちの少なくとも1つを含む、請求項12~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上の生成されたスコアは、低血糖エピソードの管理における前記人の自信を示すスコアを含む、請求項12~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記1つ以上の生成されたスコアは、前記人の健康リテラシーを示すスコア、前記人の誠実度のレベルを示すスコア、および前記人のうつ状態または不安症状の存在を示すスコアのうちの少なくとも1つを含む、請求項12~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記1つ以上の生成されたスコアは、前記人のうつ状態または不安症状の存在を示すスコアを含む、請求項12~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記1つ以上の行動的洞察の前記生成された指示は、
前記人によって経験された前記導出された有害健康転帰のうちの1つを表示し、
前記1つ以上の行動的洞察によって前記表示された有害健康転帰と相関する前記1つ以上の生成されたスコアのそれぞれのスコアについて、前記それぞれのスコアによって示される社会的、経済的、感情的または心理的な課題の指示を表示する、視覚的表示を含む、請求項12~21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
コンピュータ実行可能な命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能な命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ以上のプロセッサに、
糖尿病の人に関連する装置に、1つ以上の電子患者報告転帰(PRO)調査手段を実行するための電子招待状を、ネットワークを介して送信することであって、前記PRO調査手段は、前記人の社会的な状態、経済的な状態、感情的な状態および心理的な状態のうち少なくとも1つを測定するように構成されている、送信することと、
前記ネットワークを介して、前記人に関連する前記装置から前記1つ以上のPRO調査手段に対する少なくとも1つの電子回答を受信することと、
前記少なくとも1つの電子回答をスコアリングして、前記人に関連する1つ以上のスコアを生成することであって、前記1つ以上のスコアの各スコアは、前記人が社会的、経済的、感情的または心理的な課題を経験している程度を示す、生成することと、
前記ネットワークを介して、モニタリング期間にわたって収集された前記人についての糖尿病治療情報を受信することであって、前記糖尿病治療情報は、インスリン投与量情報およびグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含む、受信することと、
前記糖尿病治療情報を分析し、前記モニタリング期間の間に前記人によって経験された1つ以上の有害健康転帰を導出することと、
1つ以上の行動的洞察を自動的に生成することであって、各行動的洞察は、前記導出された有害健康転帰のうちの1つと、前記人に関連する前記生成されたスコアのうちの1つ以上との間の相関を含む、生成することと、
前記1つ以上の行動的洞察の指示を生成することであって、前記生成された指示は、ユーザに提示されるように適合されている、生成することと、を行わせるように動作可能であり、
前記1つ以上の行動的洞察を生成することは、前記人によって経験されたそれぞれの有害健康転帰について、
前記それぞれの有害健康転帰に関連する課題のセットを生成することであって、前記課題のセットは、社会的な課題、経済的な課題、感情的な課題および心理的な課題のうちの少なくとも1つを含む、生成することと、
前記課題のセットに含まれる各課題について1つ以上のスコア基準を生成することと、
前記人に関連する前記1つ以上の生成されたスコアを前記1つ以上のスコア基準と比較して、前記課題のセット内に含まれる課題のサブセットを決定することであって、前記1つ以上の生成されたスコアは、前記課題のサブセットに含まれる各課題についての前記1つ以上のスコア基準を満たす、決定することと、
前記課題のサブセットに含まれる各課題について、前記1つ以上の行動的洞察のうちの別個の行動的洞察を生成することと、を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項24】
前記糖尿病治療情報は、接続されたインスリン供給装置によって収集されたインスリン投与量情報および接続されたグルコース測定装置によって収集されたグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含む、請求項23に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項25】
前記社会的な課題、経済的な課題、感情的な課題または心理的な課題の前記生成されたセット、および前記1つ以上のスコア基準の前記生成されたセットは、決定木、ルックアップテーブル、数式またはコードの形で、前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納されている、請求項23または24に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項26】
前記1つ以上の有害健康転帰は、低血糖および高血糖のエピソードのうちの少なくとも一方を含む、請求項23~25のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項27】
前記1つ以上の有害健康転帰は、グルコースレベルの高い変動、および不十分な目標範囲内時間のうちの少なくとも一方を含む、請求項23~26のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項28】
前記1つ以上の有害健康転帰は、ボーラスを投与しなかったこと、遅延したボーラス投与、不十分なボーラス投与、過剰なボーラス投与、不適切な上向きの投与量のオーバーライド、および不適切な下向きの投与量のオーバーライドのうちの少なくとも1つを含む、請求項23~27のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項29】
前記1つ以上の生成されたスコアは、低血糖エピソードの管理における前記人の自信を示すスコア、糖尿病自己効力のレベルを示すスコア、および糖尿病の管理における前記人のモチベーションのレベルを示すスコアのうちの少なくとも1つを含む、請求項23~28のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項30】
前記1つ以上の生成されたスコアは、低血糖エピソードの管理における前記人の自信を示すスコアを含む、請求項23~29のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項31】
前記1つ以上の生成されたスコアは、前記人の健康リテラシーを示すスコア、前記人の誠実度のレベルを示すスコア、および前記人のうつ状態または不安症状の存在を示すスコアのうちの少なくとも1つを含む、請求項23~30のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項32】
前記1つ以上の生成されたスコアは、前記人のうつ状態または不安症状の存在を示すスコアを含む、請求項23~31のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項33】
前記1つ以上の行動的洞察の前記生成された指示は、
前記人によって経験された前記導出された有害健康転帰のうちの1つを表示し、
前記1つ以上の行動的洞察によって前記表示された有害健康転帰と相関する前記1つ以上の生成されたスコアのそれぞれのスコアについて、前記それぞれのスコアによって示される社会的、経済的、感情的または心理的な課題の指示を表示する、視覚的表示を含む、請求項23~32のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、健康転帰に影響を与える行動的洞察を生成および提示するためのシステムおよび方法に関する。より詳細には、本開示は、糖尿病の人(PwD)の健康転帰に影響を与え得る行動的洞察を生成し、ユーザに提示することに関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病の人はしばしば、高血糖(hyperglycemia)(本明細書では「高血糖(hyper)」とも称され、グルコースレベルが正常なまたは望ましいレベルよりも高い)または低血糖(hypoglycemia)(本明細書では「低血糖(hypo)」とも称され、グルコースレベルが正常なまたは望ましいレベルよりも低い)のエピソードのような、有害健康転帰を呈する。医師の診察の間、医療介護提供者(HCP)は、健康転帰に関する定量的に測定可能な指標を患者と一緒に確認することができる。例えば、HCPは、人の最後の診察以降の、高血糖もしくは低血糖エピソードの頻度および/もしくは重症度、またはPwDのHbA1cレベルの変化のようなデータを、確認および/または議論することができる。
【発明の概要】
【0003】
本開示の例示的な実施形態によれば、糖尿病の人の健康転帰に影響を与える行動的洞察を生成し、ユーザに提示するための方法であって、本方法は、糖尿病の人に関連する装置に、1つ以上の電子患者報告転帰(PRO)調査手段を完了するための電子招待状をネットワークを介して送信することであって、PRO調査手段は、人の社会的な状態、経済的な状態、感情的な状態および心理的な状態のうちの少なくとも1つを測定するように構成されている、送信することと、ネットワークを介して1つ以上のプロセッサにおいて、人に関連する装置から1つ以上のPRO調査手段に対する電子回答を受信することと、1つ以上のプロセッサによって、回答をスコアリングして、人に関連する1つ以上のスコアを生成することであって、1つ以上のスコアの各スコアは、人が異なる社会的、経済的、感情的または心理的な課題を経験している程度を測定する、生成することと、ネットワークを介して1つ以上のプロセッサによって、モニタリング期間にわたって収集された人についての糖尿病治療情報を受信することであって、糖尿病治療情報は、接続されたインスリン供給装置により収集されたインスリン投与量情報、および接続されたグルコース測定装置により収集されたグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含む、受信することと、1つ以上のプロセッサによって、糖尿病治療情報を分析し、モニタリング期間の間に人によって経験された1つ以上の有害健康転帰を導出することと、1つ以上のプロセッサによって、1つ以上の行動的洞察を自動的に生成することであって、各行動的洞察は、導出された有害健康転帰のうちの1つと、人に関連する生成されたスコアのうちの1つ以上との間の相関を含む、生成することと、1つ以上の行動的洞察の指示を生成することであって、生成された指示は、ユーザに提示されるように適合されている、生成することと、を含む、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】いくつかの実施形態による、糖尿病の人についての健康転帰に影響を与える行動的洞察を生成し、ユーザに提示するためのシステムを示す。
図2】いくつかの実施形態による、糖尿病の人についての健康転帰に影響を与え得る行動的洞察を生成し、提示するための、図1のシステムによって実行される例示的なプロセスを示す。
図3A】いくつかの実施形態による、糖尿病の人に送信され得る公開および検証された患者報告転帰(PRO)調査手段のリストを提供する。
図3B】いくつかの実施形態による、糖尿病の人に送信され得る公開および検証された患者報告転帰(PRO)調査手段のリストを提供する。
図4A】いくつかの実施形態による、糖尿病管理に関する課題の第1のカテゴリに属する例示的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題を示す表である。
図4B】いくつかの実施形態による、課題の第1のカテゴリに属する課題を評価するための1つ以上のPRO調査手段によって提示され得る例示的な質問を示す。
図4C】いくつかの実施形態による、課題の第1のカテゴリに属する課題を評価するための1つ以上のPRO調査手段によって提示され得る例示的な質問を示す。
図4D】いくつかの実施形態による、課題の第1のカテゴリに属する課題を評価するための1つ以上のPRO調査手段によって提示され得る例示的な質問を示す。
図4E】いくつかの実施形態による、課題の第1のカテゴリに属する課題を評価するための1つ以上のPRO調査手段によって提示され得る例示的な質問を示す。
図4F】いくつかの実施形態による、課題の第1のカテゴリに属する課題を評価するための1つ以上のPRO調査手段によって提示され得る例示的な質問を示す。
図4G】いくつかの実施形態による、課題の第1のカテゴリに属する課題を評価するための1つ以上のPRO調査手段によって提示され得る例示的な質問を示す。
図5A】いくつかの実施形態による、糖尿病の苦痛に関する課題の第2のカテゴリに属する例示的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題を示す表である。
図5B】いくつかの実施形態による、課題の第2のカテゴリに属する課題を評価するための1つ以上のPRO調査手段によって提示され得る例示的な質問を示す。
図6】いくつかの実施形態による、環境的障壁に関する課題の第3のカテゴリに属する例示的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題を示す表である。
図7】いくつかの実施形態による、人の性格または個人的なスタイルに関する課題の第4のカテゴリに属する例示的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題を示す表である。
図8A】いくつかの実施形態による、人の精神的健康に関する課題の第5のカテゴリに属する例示的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題を示す表である。
図8B】いくつかの実施形態による、課題の第5のカテゴリに属する課題を評価するための1つ以上のPRO調査手段によって提示され得る例示的な質問を示す。
図9A】いくつかの実施形態による、人のグルコースレベルに関連する例示的な有害健康転帰およびそれらの関連する定義を列記した表である。
図9B】いくつかの実施形態による、人のインスリン投与に関連する例示的な有害健康転帰およびそれらの関連する定義を列記した表である。
図10】いくつかの実施形態による、行動的洞察を生成するための図1のシステムにより実行される例示的なロジックを示す表である。
図11】いくつかの実施形態による、糖尿病の人についての糖尿病関連情報を確認するための例示的なユーザインタフェースのスクリーンショットである。
図12】いくつかの実施形態による、人の糖尿病治療情報において検出された有害健康転帰を表示するためのユーザインタフェースにおける例示的なサブパネルのスクリーンショットである。
図13】いくつかの実施形態による、人のPRO調査手段の回答によって表面化された、図12に示された有害健康転帰の少なくとも1つと相関し得る、社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題を表示するためのユーザインタフェースにおける例示的なサブパネルのスクリーンショットである。
図14】いくつかの実施形態による、種々の社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題に関連する人のスコアを表示するスクリーンショットである。
図15図2において説明されたプロセスを実装するためのサーバの論理コンポーネントを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の上述および他の特徴および利点、ならびにそれらを達成する方式は、本発明の実施形態の以下の説明を添付の図面と併せて参照することによってより明らかになり、またより良好に理解されよう。
【0006】
いくつかの図を通して、対応する参照文字は、対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の例示的な実施形態を示し、かかる例示は、いかなる態様でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0007】
接続されたグルコースモニタリング装置および/または接続されたインスリン供給装置は、糖尿病の人およびHCPに、人の糖尿病および治療に関する豊富なデータを提供する。例えば、かかる接続された装置は、モニタリング期間(例えば数日、数週または数ヶ月)にわたる人のグルコースレベル、ならびに/または人に投与されたインスリンの時間および量に関する、より粒度の高いおよび/または正確な糖尿病治療情報を提供し得る。この豊富なデータは、HCPに、患者に対してより良いフィードバックを提供し、患者が有害健康転帰を経験し得る場面をより良く理解する機会を提供する。例えば、このデータは、患者が低血糖、高血糖のエピソードを経験しているとき、または目標範囲内時間もしくはグルコース変動目標を満たしていないときに、HCPに警告することができる。
【0008】
しかしながら、糖尿病治療情報のみでは、これらの観察された有害健康転帰を引き起こしているおよび/または悪化させている要因についての全体像を提供しない場合がある。糖尿病の人における有害健康転帰の多くは、人のインスリンのボーラス投与または食事習慣を改善することなどによって、人の行動を変えることによって改善または軽減され得る。残念ながら、糖尿病は、数ある要因のなかでもグルコースレベル、食事パターンおよびインスリン投与量を常に管理するという重い負担を患者に課す慢性疾患であるため、人の行動を変えることは困難であり得る。また、人の生活には、人が行動を変えることを妨げ得る、社会的、経済的、感情的および/または心理的な多くの複雑な課題があり得る。グルコースおよび/またはインスリン投与量データのみしか含まない糖尿病治療情報は、これらの課題に関する洞察をHCPに提供せず、したがってHCPが患者の健康転帰を改善するために患者に効果的にカウンセリングを行うことを妨げる。
【0009】
例えば、行動に関連する有害健康転帰、または頻繁にインスリンのボーラス投与をしないこと(例えば、糖尿病の人が食事をカバーするため、もしくは既存の高血糖を修正するためにインスリンを摂取しない場合)という有害健康転帰に対処しているHCPは、この行動または転帰を引き起こしている根本的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題に対する洞察から利益を得ることができる。同じ行動または有害健康転帰(ボーラスを投与しないこと)が、異なる糖尿病の人においては異なる課題によって引き起こされている場合がある。種々の関連する課題のいくつかは、(1)低血糖エピソードの管理における恐れもしくは自信の欠如、(2)社会的状況において異常を感じることを避けたい、状況の自発性を阻害したくない、もしくは恥ずかしいという感情を避けたいといった、社会的不名誉を避けたい欲求、(3)体重増加を避けるためにボーラスを減らしたい、もしくは省略したい欲求、(4)糖尿病の管理から離れられないことによる疲労感のような糖尿病の疲弊、または(5)ボーラス投与の努力が望ましい結果をもたらさないことへの不満、グルコースレベルの上昇は危険ではないという信念、もしくは忙しすぎてボーラス投与を管理できないという感情のような、糖尿病を管理することは努力に値しないという感情を含み得る。糖尿病の人は、前述の課題のいずれにも苦しまないか、いくつかまたはすべてに苦しみ得る。
【0010】
同じ行動または転帰(例えば、頻繁にインスリンのボーラスを投与しないこと)に対して、その行動を引き起こす社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題に応じて、異なる治療および/またはカウンセリングが適切なものとなり得る。例えば、上昇したグルコースレベルは危険ではないので糖尿病を管理することは価値がないと人が感じている場合、HCPがとるべき適切なアプローチは、上昇したグルコースレベルの短期的および長期的な結果に関して人をより良く教育することであり得る。しかしながら、同じアプローチは、単に人の罪悪感およびフラストレーションを助長し得るため、糖尿病の疲弊に悩まされている人には適切ではないものとなり得る。むしろ、糖尿病を管理する複雑さおよび負担を軽減するためのツールまたはプロセスに関するツールおよび教育を提供することが、糖尿病の疲弊に対処するためのより効果的な手段であり得る。かかるツールおよびプロセスは、例えば、ボーラスアドバイザもしくは算出器、リマインダ、または糖尿病管理の負担を低減させる他のパーソナライズされた解決策を含み得る。別の例としては、低血糖エピソードの管理における恐れまたは自信の欠如のために、人が意図的にボーラス投与をしていない場合には、適切なアプローチは、低血糖エピソードの捉え方および治療の方法に関して人をより良く教育もしくはトレーニングすること、または低血糖エピソードについてのモニタリングのためのより良いツールおよびプロセスを提供すること(例えば、連続的なグルコースモニタの使用を処方すること)であり得る。他方、人が社会的不名誉を避けたいという欲求からボーラス投与をしていない場合には、このアプローチは効果がないものとなり得る。これらの場合におけるより良いアプローチは、糖尿病に関して人が抱いている恥または羞恥心の感情を正常化するカウンセリングを提供することであり得る。
【0011】
根本的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題に関するかかる洞察は、有害健康転帰を緩和するための効果的なカウンセリングおよび治療を提供するために重要であるが、グルコース測定およびインスリン投与量データのみからは認識することができない。それ故、有害健康転帰を引き起こしている、または悪化させ得る根本的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題に対するこれらの洞察を得るための方法およびシステムに対するニーズが存在する。さらに、これらの洞察を、人の糖尿病治療情報において検出された有害健康転帰と相関させる方法およびシステムに対するニーズが存在する。これらの洞察を相関させることは、HCPが、患者の行動を変える見込みがより大きい、より豊かでより効果的な会話を患者と行うことを可能とする。
【0012】
本明細書で使用される用語「ロジック」、「制御ロジック」、「アプリケーション」、「プロセス」、「方法」、「アルゴリズム」および「命令」は、1つ以上のプログラム可能なプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、配線ロジック、またはこれらの組み合わせにおいて実行されるソフトウェアおよび/またはファームウェアを含み得る。それ故、実施形態に従って様々なロジックが任意の適切な態様で実装されてもよく、ここに開示される実施形態に従ったままとなる。
【0013】
図1は、いくつかの実施形態による、糖尿病の人についての健康転帰に影響を与える行動的洞察を生成して、ユーザに提示するためのシステム100を示す。システム100は、接続されたグルコース感知装置120および/または接続された薬剤供給装置140と無線通信する計算装置110を含む。計算装置110はまた、ネットワーク150を介してサーバ160と通信してもよい。
【0014】
計算装置110は例示的に、スマートフォンのようなモバイル装置を含む。代替としては、限定するものではないが、例えば、ラップトップ、デスクトップ、タブレットまたはサーバコンピュータを含む、任意の好適な計算装置が使用されてもよい。計算装置110は、プロセッサ112、メモリ116、ディスプレイ/ユーザインタフェース(UI)118、および通信装置119を含む。
【0015】
プロセッサ112は、計算装置110のメモリ116に格納されたソフトウェアおよび/またはファームウェアを実行する少なくとも1つのプロセッサを含む。ソフトウェア/ファームウェアのコードは、プロセッサ112によって実行されるときに、本明細書に記載される機能をプロセッサ112に実行させる命令を含む。かかる命令は例示的に、グルコース感知装置120および薬剤供給装置140の一方または両方から糖尿病治療情報を収集することと、ネットワーク150を介してサーバ160にかかる糖尿病治療情報を送信することとを含む。かかる命令はまた例示的に、以下により詳細に議論されるように、計算装置110のユーザが、1つ以上の患者報告転帰(PRO)調査手段を受信して、それに回答することを可能とする、ユーザインタフェースを提供することを含み得る。メモリ116は、プロセッサ112によってアクセス可能である任意の好適なコンピュータ可読媒体である。メモリ116は、単一の記憶装置または複数の記憶装置であってもよく、プロセッサ112の内部または外部に配置されてもよく、揮発性および不揮発性の媒体の両方を含んでもよい。例示的なメモリ116は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気記憶装置、光ディスクストレージ、またはデータを格納するように構成されプロセッサ112によってアクセス可能な任意の他の好適な媒体を含む。
【0016】
計算装置110は、プロセッサ112と通信し、ユーザ入力データをシステムに供給し、システムによって生成されたデータ、情報およびプロンプトを受信して、表示するように動作可能なディスプレイ/ユーザインタフェース118を含む。ユーザインタフェース118は、ユーザ入力を受信し、ユーザ入力をシステムに供給するための、少なくとも1つの入力装置を含む。図示された実施形態においては、ユーザインタフェース118は、データを表示しユーザ入力を受信するように動作可能なタッチスクリーンディスプレイを含むグラフィカルユーザインタフェース(GUI)である。タッチスクリーンディスプレイは、ユーザが、提示された情報、メニュー、ボタンおよびその他のデータと相互作用して、システムから情報を受信すること、およびシステムにユーザ入力を供給することを可能にする。代替としては、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、マウスポインタまたはその他の好適なユーザ入力装置が提供されてもよい。
【0017】
計算装置110はさらに、計算装置110が他の装置と有線および/または無線通信リンクを確立することを可能にする通信装置119を含む。通信装置119は、無線通信を送信および受信するための1つ以上の無線アンテナおよび/もしくは信号処理回路、ならびに/またはデータを送信および受信するための物理ワイヤを受容するための1つ以上のポートを含んでもよい。通信装置119を使用して、計算装置110は、グルコース感知装置120との通信リンク101、および薬剤供給装置140との通信リンク103のうちの1つ以上を含む、1つ以上の短距離通信リンクを確立してもよい。かかる短距離通信リンクは、限定するものではないが、無線周波数通信(例えば、Wi-Fi、Bluetooth Low Energy(BLE)、近接場通信(NFC)、RFIDなど)、赤外線伝送、マイクロ波伝送、および光波伝送を含む、任意の既知の有線または無線通信技術またはプロトコルを利用してもよい。かかる短距離通信リンクは、単方向リンク(例えば、データがグルコースセンサ120および/または装置140から計算装置110にのみ流れる)、または双方向リンク(例えばデータが両方の方向に流れる)であってもよい。通信装置119はまた、計算装置110が、ネットワーク150ならびに通信リンク104および105を介してサーバ160との長距離通信リンクを確立することを可能にしてもよい。サーバ160は、例えば、別の建物、別の都市、またはさらには別の国もしくは大陸に、計算装置110からリモートに配置されてもよい。ネットワーク150は、潜在的に1つ以上の中間ノードまたはスイッチを介して、計算装置110からサーバ160へおよび/またはサーバ160から情報を中継するように適合された任意のセルラまたはデータネットワークを含んでもよい。好適なネットワーク150の例は、セルラネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)およびインターネットを含む。
【0018】
接続されたグルコースセンサ120は例示的に、血中グルコースモニタ(BGM)、連続的グルコースモニタ(CGM)、および/または瞬間的グルコースモニタ(FGM)のような、糖尿病の人のグルコースレベルを測定するように適合された任意のセンサを含む。グルコースセンサ120は、処理回路122、グルコースセンサ124および通信装置126を含む。処理回路122は、データ信号を受信して、処理し、結果として1つ以上の電気信号の形で結果を出力する任意の処理回路を含んでもよい。処理回路122は、プロセッサ(プロセッサ112と同様のもの)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、配線ロジック、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。グルコースセンサ124は、糖尿病の人の身体から検体(例えば、血液または間質液)を抽出および/または分析して、人のグルコースレベルを測定および/または記録することが可能な、任意のセンサを含む。通信装置126は、グルコースセンサ120が、通信リンク101を介して計算装置110と通信し、測定されたグルコースレベルを計算装置110に中継することを可能にする。
【0019】
薬剤供給装置140は例示的に、糖尿病の人にある量のインスリンを供給し、供給された投与の時間および量を測定および/または記録し、この情報を計算装置110に通信するように構成された任意の装置を含む。用語「インスリン」は、インスリン、インスリンリスプロまたはインスリングラルギンのようなインスリン類似体、およびインスリン誘導体を含む1つ以上の治療薬を指す。かかる装置は、インスリンを人に供給するために、患者、介護者または医療専門家によって操作され得る。装置140によって供給されるインスリンは、1つ以上の賦形剤を用いて調製され得る。薬剤供給装置140は、そのインスリンの貯蔵量が尽きるとインスリンで再充填され得る再使用可能な装置として構成されてもよいし、またはそのインスリンの貯蔵量が尽きると廃棄されて交換されるように設計された使い捨て装置として構成されてもよい。薬剤供給装置140は、処理回路142、投与量検出センサ144、および通信装置146を含む。処理回路142は、以上に説明された考えられるタイプの処理回路のいずれかを含み得る。投与量検出センサ144は、供給された投与の時間および量を検出および/または記録するためのいずれの好適なセンサを含み得る。通信装置146は、薬剤供給装置140が、通信リンク103を介して計算装置110と通信することを可能にする。
【0020】
サーバ160は例示的に、ネットワーク150を介して計算装置110から糖尿病の人に関する情報を受信し、当該情報を処理し、任意選択的に、当該情報に応答して回答、通知または命令を計算装置110に送信するように構成された、任意の計算装置を含む。サーバ160はまた、HCP(図示されていない)に、レポート、データおよび/または通知を、サーバ160に対してローカルなユーザインタフェースを通して、またはHCPに関連するリモート装置(同様に図示されていない)を通して閲覧可能なウェブまたはリモートのポータルを介して、送信するように構成されてもよい。サーバ160は、処理回路162、メモリ164および通信装置166を含む。処理回路162は、以上に説明された考えられるタイプの処理回路のいずれかを含んでもよく、また複数の処理回路(例えば、複数のプロセッサ)を含んでもよい。処理回路162は、サーバ160のメモリ164に格納されたソフトウェアおよび/またはファームウェアを実行し得る。ソフトウェア/ファームウェアのコードは、処理回路162によって実行されるときに、本明細書で説明される機能を処理回路162に実行させる命令を含む。メモリ164はまた、経歴情報および/または医療情報(例えば、インスリン投与記録、病歴など)のような、1人以上の糖尿病の人に関する情報を格納するように構成され得る。計算装置110から受信された情報または計算装置110に送信された情報も、メモリ164に格納され得る。メモリ164は、以上に説明された考えられタイプのメモリのいずれかを含み得る。通信装置166は、サーバ160が、通信リンク105、ネットワーク150および通信リンク104を介して計算装置110と通信することを可能にする。
【0021】
それぞれ両端破線関連矢印125、127および129によって示されているように、接続されたグルコース感知装置120、計算装置110、および接続された薬剤供給装置140はそれぞれ、例えば、所有、所持および/または1つ以上の他の方法によって、糖尿病の人128と関連付けされる。
【0022】
いくつかの実施形態においては、システム100は、グルコース感知装置120および薬剤供給装置140の一方または両方を省略することによって変更されてもよい。例えば、図示されるように接続されたグルコース感知装置120を使用する代わりに、システム100のユーザは代わりに、他の方法を使用して(例えばBGMのような接続されていないグルコース感知装置を使用して)自身のグルコースレベルを測定または推定し、次いで測定されたグルコースレベルおよび測定時間を計算装置110に手動で入力してもよい。別の例としては、図示されるように接続された薬剤供給装置140を使用する代わりに、システム100のユーザは代わりに、接続されていない供給装置(例えば、注射器)を使用して自身に手動で注射し、次いで実行されたインスリン投与の時間および量を手動で入力してもよい。
【0023】
他の実施形態においては、システム100は、コンポーネントを追加することによって変更されてもよい。例えば、サーバ160は、協働して情報を処理する複数のネットワーク化されたサーバ160として構成されてもよい。ネットワーク化されたサーバのかかる構成は、本明細書に記載される機能を実行するサーバの「クラウド」と称され得る。サーバ160は、ネットワーク150を介して複数の計算装置110と通信してもよく、各計算装置110は次いで任意選択的に、1つ以上のグルコース感知装置120および1つ以上の薬剤供給装置140と接続されてもよい。
【0024】
図2は、いくつかの実施形態による、糖尿病の人についての健康転帰に影響を与え得る行動的洞察を生成し、提示するための例示的なプロセス200を示す。プロセス200は、図1に示された他の装置からの入力を用いて、サーバ160上で実装されてもよい。
【0025】
プロセス200はステップ202で始まり、ここでサーバ160が、1つ以上の患者報告転帰(PRO)調査手段を完了するための電子招待状を、糖尿病の人に関連する装置(例えば、人128に関連する計算装置110)に送信する。PRO調査手段は、人の社会的、経済的、感情的および/または心理的な状態の種々の側面(例えば、人の履歴、自己報告された傾向、特定のタイプの課題に苦しむ傾向など)について問う電子質問表を含み得る。これらの質問は、数値スケールで自身の回答を評価する(例えば、特定の課題にどの程度苦しんでいるかに応じて、1~6の数字を選択する)こと、または提示された記述の短いリストのなかから自身に最も当てはまる記述(例えば、「私はいつもXの問題を抱えている」、「私は時々Xの問題を抱えている」もしくは「私はXの問題を抱えたことはない」)を選択することを、人に要求し得る。PRO調査手段はまた、調査を受ける人および調査を解釈する人への指示のような、その使用をサポートする情報および/または文書を含んでもよい。PRO調査手段は、治療の利益またはリスクを測定するために使用される患者報告データを捕捉するために使用されてもよい。特に、PRO調査手段は、人の糖尿病に関連する治療および/または健康転帰に影響を与え得る人の社会的、経済的、感情的および/または心理的な状態の側面を測定してもよい。
【0026】
1つ以上のPRO調査手段を完了するための招待状は、様々な形をとり得る。例えば、招待状は、SMSテキストメッセージ、電子メール、またはハイパーリンクを含む好適なインスタントメッセージングサービス(例えば、iMessage、Skype、FaceTime、WhatsApp、WeChatなど)を通したインスタントメッセージを介して、人に送信されてもよい。ハイパーリンクが人の計算装置により起動されると、人の計算装置は、人が1つ以上のPRO調査手段にアクセスしてそれらを完了することができるウェブページまたはポータルを開くように促されてもよい。代替としてまたはこれに加えて、招待状は、人の計算装置にインストールされたモバイルアプリケーションに直接送信されてもよい。モバイルアプリケーションはこのとき、ユーザ通知(例えば、可聴のチャイム、触覚的なタップまたは点滅する照明)を通して、1つ以上のPRO調査手段にアクセスして、完了するように人に促してもよい。
【0027】
図3Aおよび3Bは、ステップ202において人に送信され得る例示的な公開および検証されたPRO調査手段のリストを提供する。列記された参考文献の各々、およびそこに記載されたPRO調査手段は、あらゆる目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される用語「検証されたPRO調査手段」は、科学および/または学術コミュニティのメンバによって研究されたPRO調査手段を指し得、かかるPRO調査手段はそれが測定すると言及することを有効に測定するものであり、その結果が信頼できるということを証明する証拠が存在する。これらのPRO調査手段のいくつかは、手段(3)、(4)、(6)、(7)および(11)のような糖尿病に特有のものであり得る。他のPRO調査手段は、糖尿病に特に言及することなく、人の一般的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な状態を評価し得る。電子的な招待状は、PRO調査手段の全体または一部を完了するよう人に求めてもよく、例えば、複数の質問を含むPRO調査手段においては、人は、含まれる質問のサブセットのみについて回答を提供するよう要求され得る。以前に公開または検証されていない他のPRO調査手段も、ステップ202において使用されてもよい。
【0028】
ステップ204において、サーバ160は、人に関連する装置から1つ以上のPRO調査手段に対する電子回答を受信する。電子回答は、PRO調査手段の質問表部分において提示された質問に対する回答を含み得る。これらの電子回答は、例えばメモリ164のような、サーバ160に通信可能に結合されたメモリに保存されてもよい。
【0029】
ステップ206において、サーバ160は、受信された回答をスコアリングして、人に関連する1つ以上のスコアを生成し、ここで各スコアは、人が異なる社会的、経済的、感情的、または心理的な問題を経験している程度を示すものである。本明細書で使用される「スコア」は、指定された数値範囲内の数値(例えば、1~5の数値)、指定された文字等級範囲内の文字等級(例えば、A~Fの文字)、指定された記述のセット内の1つの記述の選択(例えば、「常に問題になる」、「しばしば問題になる」、「めったに問題にならない」および「問題になったことがない」)、二値指標(例えば、「はい/いいえ」、「真/偽」、「存在/非存在」)などを含んでもよい。いくつかの実施形態においては、1つのスコアが、単一のPROからの1つ以上の質問に対する回答から生成されてもよい。他の実施形態においては、1つのスコアが、複数のPROについての受信された回答から生成されてもよい。他の実施形態においては、複数のスコアが、単一のPROから生成されてもよい。
【0030】
スコアは、複数の方法で生成され得る。例えば、生成されたスコアは、特定の質問に対する人の数値評価回答と単に等しくてもよい。数値回答を引き出さない質問については、人の回答が数値評価に変換されてもよい。例えば、特定の質問が、「常に問題である」、「しばしば問題になる」、「まれに問題になる」および「問題になったことがない」という記述のなかから選択するように人に求める場合、第1の記述に数値評価(4)を、第2の記述に評価(3)を、第3の記述に評価(2)を、最後の記述に評価(1)を割り当てることにより、スコアが生成されてもよい。いくつかの状況においては、複数の質問に対する数値回答の平均値または中央値を算出することによりスコアが生成されてもよい。また、質問のセットに対する数値回答の最大値または最小値をとることによって、スコアが生成されてもよい。適切な場合には、スコアを生成することは、あるスケールから別のスケールへの(例えば、6点スケールから10点スケールへの)人の数値回答を正規化すること、または人の数値スコアを反転すること(例えば、1が「問題ない」であり6が「非常に重大な問題」である代わりに、1が「非常に重大な問題」を意味し、6が「問題なし」を意味するようにスコアが反転されてもよい)を含んでもよい。また、特定のタイプの記述の数(例えば、質問のセットに対する肯定的もしくは否定的な回答の数)を計数することによって、または複数の質問にわたって人の回答を加算することによって、スコアが生成されてもよい。また、加算、減算、乗算および/または除算のような、人の数値回答に対して他の数学的演算を実行することによって、スコアが生成されてもよい。前述の演算のいずれもが、任意の組み合わせでおよび任意の順序で、スコアを生成するために使用され得る。
【0031】
図4Aは、例えば、人が糖尿病に関連する日々のタスクをどれだけ効果的に管理するかのような、糖尿病管理に関する課題の第1のカテゴリに属する12個の例示的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題402を示す表400である。PRO調査手段に対する人の回答をスコアリングすることにより、プロセス200は、これらの12個の課題の各々に異なるスコアを割り当ててもよい。各スコアは、その対応する課題に関連する問題を人が経験している程度を示す。
【0032】
用例として、図4Aに示された課題(1)は、低血糖の管理における人の自信に関するものである。この課題に関して人が問題を経験する程度は、低血糖自信スケール(Polonskyら)に対する人の回答をスコアリングすることによって評価され得る。このスケールは、(1)運動中、(2)睡眠中、(3)運転中、(4)社会的状況下および(5)一人のときに、低血糖による深刻な問題から人が安全でいられることにどれだけ自信があるかを示す、人に求める5つの質問を含む。人は、各質問に対して、「全く自信がない」、「少し自信がある」、「中程度の自信がある」および「とても自信がある」の4つの選択肢のうちの1つを選択することにより、自身の自信のレベルを示す。人の回答をスコアリングするとき、プロセス200は、記述「全く自信がない」に(1)の数値評価を、記述「少し自信がある」に(2)の評価を、記述「中程度の自信がある」に(3)の評価を、記述「とても自信がある」に(4)の評価を割り当てることができる。これらの数値評価は次いで、低血糖自信スケールにおける5つの質問にわたって平均化され、低血糖による深刻な問題を回避することにおける人の自信を示す単一の集計数値スコア(1~4)を生成することができる。
【0033】
図4Aにおける残りの課題(2)~(12)の各々についてスコアを生成するために、同様のプロセスが使用され得る。例えば、人の糖尿病自己効力感のレベルに関する図4Aの課題(2)は、糖尿病自己効力感スケール(Iannottiら)に対する人の回答をスコアリングすることによって評価されてもよい。図4Aの課題(3)は、糖尿病を管理するための人のモチベーションのレベルに関し、MATCHスケール(Hesslerら)の質問1、4および7に対する人の回答をスコアリングすることによって評価されてもよい。各場合において、例えば、選択された記述に数値評価を割り当て、これらの数値評価を単一の代表数値に集計することによって(例えば、平均、合計、積などを算出することによって)、前述の手法のいずれかを使用して、各課題に対する単一の集計された数値スコアが算出されてもよい。
【0034】
この実施形態においては、課題(6)、(7)、(8)、(9)、(10)および(12)は、以前に公開され検証されたPRO調査手段を使用して評価されなくてもよい。むしろ、課題(6)は図4Bに示された質問を使用して評価されてもよく、課題(7)は図4Cに示された質問を使用して評価されてもよく、課題(8)は図4Dに示された質問を使用して評価されてもよく、課題(9)は図4Eに示された質問を使用して評価されてもよく、課題(10)は糖尿病知識試験(Fitzgeraldら)または4Fに示された質問を使用して評価されてもよく、課題(12)は図4Gに示された質問を使用して評価されてもよい。
【0035】
図5Aは、例えば、糖尿病の人が遭遇する心理的な「ストレス」の一般的な領域のような、糖尿病に関連する苦痛または恐れに関する課題の第2のカテゴリに属する7つの例示的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題502(すなわち課題(13)~(19))を示す表500である。ここでもまた、PRO調査手段に対する人の回答をスコアリングすることによって、プロセス200は、これらの7つの問題の各々に異なるスコアを割り当ててもよい。各スコアは、その対応する課題に関連する問題を人が経験している程度を示す。
【0036】
別の用例として、図5Aにおける課題(13)は、人が無力感による糖尿病の苦痛を経験するか否かに関する。人がこの課題による問題を経験する程度は、1型糖尿病を有する成人についての糖尿病苦痛スケール(T1-DDS)(Fisherら)の無力感サブスケールに対する人の回答をスコアリングすることによって評価されてもよい。T1-DDSは、各々が異なるタイプの苦痛、例えば、「無力感」、「低血糖の苦痛」、「管理の苦痛」、「食事の苦痛」などに関連する複数のサブスケールを含む。無力感サブスケールは、以下の5つの課題の各々が生活のなかでどの程度問題であるか人に示すよう求めるものである:(1)「糖尿病管理において完璧でなければならないと感じている」、(2)「糖尿病についてどんなに努力しても十分でないと感じている」、(3)「説明できない高い血中グルコース値を見ると落胆する」、(4)「常に持っていなければならない糖尿病の機器や物が多すぎると感じている」、および(5)「どんなに努力しても深刻な長期的な合併症を引き起こすと心配している」。各質問に対して人は、以下の6つのカテゴリから選んで回答することができる:「問題はない」(数値評価1が割り当てられている)、「わずかに問題がある」(数値評価2)、「中程度に問題がある」(数値評価3)、「やや深刻な問題がある」(数値評価4)、「深刻な問題がある」(数値評価5)、「とても深刻な問題がある」(数値評価6)。以上に議論されたように、各質問に対する人の数値評価は次いで、人が糖尿病を管理する際に無力感に苦しんでいる程度を表す単一の代表スコアに集約(例えば、平均値を算出することによって)されてもよい。
【0037】
図5Aにおける残りの課題(14)~(19)の各々についてスコアを生成するために、同様のプロセスが使用されてもよい。例えば、低血糖の恐れによる人の糖尿病苦痛のレベルに関する第2の課題は、T1-DDSにおける低血糖苦痛サブスケールに対する人の回答をスコアリングすることによって評価されてもよい。各場合において、各課題に対する単一の集計数値スコアが、上述した手法のいずれかを使用して算出されてもよい。
【0038】
この実施形態においては、課題(19)(血中グルコースを管理する際の人のアプローチに関する)は、以前に公開されたPRO調査手段を使用して評価されない。むしろ、課題(19)は、図5Bに示された質問を使用して評価され得る。
【0039】
図6は、環境的障壁に関する課題の第3のカテゴリに属する4つの例示的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題602(すなわち課題(20)~(23))を示す表600である。前述と同様に、プロセス200は、これらの4つの問題の各々に異なるスコアを割り当ててもよい。各スコアは、その対応する課題に関連する問題を人が経験している程度を示す。健康の社会的決定要因(例えば、人の住居の安定/安全、食物、交通、光熱費、教育、雇用、近隣、コミュニティなどのような健康に影響を与える生活の環境的および構造的要素)に関する課題(20)は、CMS AHCスクリーニングツール(Billiouxら)に対する人の回答をスコアリングすることによって評価されてもよい。健康リテラシーに関する課題(23)は、健康リテラシーPRO調査手段(Chewら)に対する人の回答をスコアリングすることによって評価されてもよい。
【0040】
図7は、人の性格または個人的なスタイルに関する課題の第4のカテゴリに属する2つの例示的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題702(すなわち課題(24)および(25))を示す表700である。前述と同様に、プロセス200は、これらの2つの課題の各々に異なるスコアを割り当ててもよい。各スコアは、その対応する課題に関連する問題を人が経験している程度を示す。人の誠実度のレベル(例えば、人が徹底的に仕事をするか否か、計画を立ててそれらに追従するか否か、および/またはタスクが終了するまで忍耐するか否か)に関する課題(24)は、誠実度スケール(Donahueら、Naumannら、Benet-Martinezら)に対する人の回答をスコアリングすることによって評価されてもよい。人が自身を判断する傾向に関する課題(25)は、人の非判断的経験スケール(例えば、質問2および6)(Baerら)をスコアリングすることによって評価されてもよい。
【0041】
図8Aは、人の精神的健康に関する課題の第5のカテゴリに属する2つの例示的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題802(すなわち課題(26)および(27))を示す表800である。前述と同様に、プロセス200は、これら2つの問題の各々に異なるスコアを割り当ててもよい。各スコアは、その対応する課題に関連する問題を人が経験している程度を示す。人がうつ状態に関連する症状を経験しているか否かに関する課題(26)は、PHQ-2のPRO調査手段(Kroenkeら(2003))に対する人の回答をスコアリングすることによって評価されてもよい。人の回答が、その人がうつ状態に関連する症状を経験していることを示す場合、人はさらにPHQ-8のPRO調査手段(Kroenkeら(2001))を完了するように促されてもよい。人が生涯において精神的健康の課題を診断されたことがあるか否かに関する課題(28)は、図8Bに提示された質問に対する人の回答をスコアリングすることによって評価されてもよい。
【0042】
図2に戻ると、ステップ208において、サーバ160は、人に関連する糖尿病治療情報を受信する。糖尿病治療情報は、モニタリング期間(例えば、日、週または月)にわたって、接続されたインスリン供給装置(例えば、装置140)によって収集されたインスリン投与量情報、および接続されたグルコース測定装置(例えば、装置120)によって収集されたグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含み得る。
【0043】
ステップ210において、プロセス200は、糖尿病治療情報を分析して、人によって経験された1つ以上の有害健康転帰を導出する。有害健康転帰は、モニタリング期間中の低血糖のエピソード(グルコースレベルが正常値または望ましい値よりも低い)および/または高血糖のエピソード(グルコースレベルが正常値または望ましい値よりも高い)の数、頻度、継続期間および/または重症度を算出し、かかるエピソードが特定の所定の基準または閾値を超えるか否かを決定することによって、グルコース測定情報から導出されてもよい。有害健康転帰はまた、例えば、分散、範囲、偏差標準または変動係数(CV)(例えば、モニタリング期間にわたる人のグルコースレベルの標準偏差をモニタリング期間にわたる人のグルコースレベルの平均で除算することによって算出される)を算出することによって、モニタリング期間にわたる人のグルコースレベルの変動が、特定の所定の基準または閾値を超えているか否かを算出することによって導出されてもよい。有害健康転帰はまた、人のグルコースレベルが70~180mg/dLのような所望の範囲内にあったモニタリング期間の間の時間の割合(「目標範囲内時間」)が、1つ以上の所定の基準または閾値を満たすか否かを決定することによって導出されてもよい。いくつかの実施形態においては、有害健康転帰は、グルコース測定情報およびインスリン投与量情報の両方から導出されてもよい。例えば、有害健康転帰は、高血糖もしくは低血糖エピソードの発生時刻、またはグルコースレベルの急激な上昇もしくは減少変化の発生時刻を、インスリンのボーラス投与の時間および/または量と比較することにより導出されてもよい。この比較は、人がボーラス投与をしなかった場合の時間、遅延したボーラスを投与した時間、不十分なボーラスを投与した時間(長引く高血糖エピソードに帰着する)、過剰なボーラスを投与した時間(低血糖エピソードに帰着する)、および/または短かすぎる時間で複数のボーラスを投与することにより「重複された」複数のボーラス投与の時間(同様に低血糖エピソードに帰着する)を明らかにし得る。さらに他の実施形態においては、有害健康転帰は、ボーラス算出器によってボーラスのために推奨されたインスリンの量と、人に実際に投与されたインスリンの量とを比較することによって導出され得る。この比較は、人がボーラス算出器によって推奨されたものよりも多いまたはより少ないインスリンを投与した時間を明らかにし得る。人が推奨されるよりも多いまたは少ないインスリンを投与することを決定したときの人のグルコースレベルの変化を分析することにより、プロセス200は、人の決定が人のグルコースレベルにおける望ましくない変化を導いた事例を強調してもよい。
【0044】
図9Aおよび9Bは、人の糖尿病治療情報から健康転帰分析ロジック1506(図15参照)によって導出され、サーバ160のメモリ164に格納され得る、例示的な健康転帰を提供する。図9Aは、人のグルコースレベルに関連する、接続されたグルコース測定装置から収集されたデータから導出され得る、例示的な有害健康転帰902およびそれらの関連する定義904を列記した表900である。図9Bは、人のインスリン投与に関連する、接続されたグルコース測定装置および接続された薬剤供給装置の両方から収集されたデータから導出され得る、例示的な健康転帰952およびそれらの関連する定義954を列記した表950である。例示的な健康転帰902および952は、例えば、グルコースレベル、時間範囲、割合および/または必要とされる発生の回数に関して、列記された数値閾値のいずれかを変化させることによって、変更されてもよい。
【0045】
ステップ212において、サーバ160は、導出された有害健康転帰のうちの1つと生成されたスコアのうちの1つ以上との間の相関を含む1つ以上の行動的洞察を生成する。このことは、人の糖尿病治療情報から導出された有害健康転帰の各々について、人の生活に存在する場合にはその有害健康転帰に関連し得る社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題のセットを決定することを含み得る。社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題は、有害健康転帰と相関し、その原因となり、および/またはそれを悪化させると予想される場合、その有害健康転帰に関連し得る。例えば、(1)低血糖の管理にあまり自信がない、および/または(14)低血糖への恐れによる糖尿病の苦痛といった課題は、頻発な高血糖という有害健康転帰に関連し得る。なぜなら、人は、不注意に低血糖を誘発し得るという恐れから、意図的にインスリンを過小投与して、頻繁な高血糖という観察される有害健康転帰を引き起こすかまたは悪化させ得るからである。いくつかの実施形態においては、プロセス200は、メモリに格納されたルックアップテーブルを参照することによって、有害健康転帰に関連し得る課題のセットを決定してもよい。
【0046】
導出された有害健康転帰に関連し得る課題のセットが決定されると、プロセス200は次いで、ステップ206において生成されたスコアを分析し、人がこれらの関連する課題のいずれかを伴う問題を実際に経験しているか否かを決定する。この決定は、人のスコアを1つ以上の所定の閾値または基準と比較することによって行われてもよい。前の段落における例を続けると、課題(14)(「低血糖の恐れによる糖尿病の苦痛」)に関連する人のスコアが特定の閾値Yよりも高い場合、人は課題(14)を伴う問題を経験していると考えられ得る。人のスコアが、人が関連する課題のセットのうちの1つ以上に実際に苦しんでいることを示す場合、プロセス200は、導出された有害健康転帰(この例においては「頻繁な高血糖」)と生成されたスコアのうちの1つ以上(この例においては課題(14)(「低血糖の恐れによる糖尿病の苦痛」)に関連する人のスコア)との相関を含む行動的洞察を生成する。この決定において使用される閾値は、最小閾値または最大閾値であってもよい。代替としては、使用される閾値は、人のスコアが特定の値の範囲内にある、または特定の値の範囲外にあるという基準であってもよい。
【0047】
図10は、洞察生成ロジック1508(図15参照)によって実行される行動的洞察を生成するための例示的なロジックを示す表1000を示す。表1000において提示されるパラメータXおよびYは、異なるアプリケーションに対して調整され得る構成可能なパラメータである。表1000は論理的な補助としてのみ提示されるものであり、そこに例示される規則は代替の形で提示され得ることは、理解されるべきである。例えば、表1000におけるロジックは、フロー図、数式、決定木、一連の入れ子にされたif-then文、疑似コードもしくはコードで、または他の形式を使用して表されてもよい。表1000によって表されるロジックは、プロセス200を実装する1つ以上のプロセッサと通信可能に結合されたメモリに格納されてもよい。
【0048】
表1000の各行は、人が問題を経験し得る異なる潜在的な社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題1004に対応する。以上に説明されたように、各課題((1)~(27)とラベル付けされた)は、人がその対応する問題を経験している程度を示す単一のスコアと関連付けられてもよい。任意選択的に、課題(1)~(27)はさらに、例えば、糖尿病管理の課題402、糖尿病の苦痛/恐れの課題502、環境的な課題602、個人的スタイルの課題702、および/または精神的健康の課題802のような、課題カテゴリのタイプに分類されてもよい。表1000の各列は、異なる有害健康転帰1002に対応する。例えば、列(A)は、頻繁な高血糖という有害健康転帰に対応する。列(B)、(C)などは、異なる有害健康転帰に対応する。
【0049】
参照の容易さのため、表1000内のセルは、それが属する列の文字と、それが属する行の番号とによって参照されるものとする。したがって、例えば、セルA1は、有害健康転帰(A)(すなわち「頻繁な高血糖」)および課題(1)(「低血糖を管理する自信」)に対応するセルを指すものとする。表1000の各セルには、(i)そのセルが属する列に対応する有害健康転帰と、(ii)そのセルが属する行に対応する社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題とを相関させる行動的洞察を生成するか否かを決定するための基準が記入され得る。行動的洞察を生成するための1つの例示的な規則はこのとき、以下のように表現され得る:人が列X(ここでXは文字である)に関連する有害健康転帰を経験しており、かつ、人の課題スコアがセルXY(ここでYは数字である)における基準を満たす場合、プロセス200は、列Xに関連する有害健康転帰を課題番号Yと相関させる行動的洞察を生成する。したがって例えば、人が列(A)に対応する有害健康転帰(すなわち「頻繁な高血糖」)を経験しており、かつ、人の課題スコアがセルA1における基準を満たす場合(すなわち「課題(1)のスコア<XA1または課題(1)のスコア>YA1」)、プロセス200は、列(A)の有害健康転帰「頻繁な高血糖」を課題(1)(すなわち「低血糖を管理する自信」)と相関させる行動的洞察を生成する。
【0050】
いくつかの実施形態においては、有害健康転帰Xを社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題Yと相関させる行動的洞察を生成するための基準は、課題Y以外の課題に関するスコアを含んでもよい。例示的な表1000においては、このことは、セルA1における基準が、いくつかの例において、課題(1)以外の課題に関連するスコアを評価し得ることを意味する。このことは、課題(1)のために使用するべき適切な閾値が、別の課題についてのスコアに応じて変化し得ることを意味する。擬似コード形式においては、セルA1における基準は以下の通りとなり得る:if{(課題(5)についてのスコア>T AND課題(1)についてのスコア>U1)OR(課題(5)についてのスコア≦T AND課題(1)についてのスコア>U2)}then有害健康転帰(A)と課題(1)との間の相関を含む行動的洞察を生成。この例においては、課題(5)についてのスコアの値がTより大きいか否かに応じて、課題(1)についてのスコアを評価するための閾値がU1とU2との間で変化する。
【0051】
図2に戻ると、ステップ214において、サーバ160は、生成された行動的洞察の指示を生成し、生成された指示は、ユーザに提示されるように適合されている。例えば、プロセス200は、HCPが人に関連する記録情報を閲覧するときに、HCPの電子医療記録(EMR)システム内のウェブポータルまたはウィンドウを介して、生成された行動的洞察の指示をHCPに提示してもよい。提示された指示は、人の糖尿病治療情報において検出された観察された健康転帰を悪化させ得る、考えられる相関、誘因および/または要因についてHCPに警告する。これらの指示は、HCPが、有害健康転帰について単に人に忠告することを越えて、健康転帰の背後にある社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題に関連する、考えられる根本原因に関して人と生産的な会話に入ることを可能とする。
【0052】
プロセス200のステップは、本明細書に記載されるものと並行して、または代替の順序で、実行されてもよい。例えば、ステップ208~210は、ステップ202~206と並行して、またはその前に実行されてもよい。プロセス200のステップの他の配置もまた可能である。
【0053】
図11~14は、糖尿病の人に関連する糖尿病治療情報、人に対する有害健康転帰、およびプロセス200により生成された行動的洞察を確認するための、例示的なユーザインタフェースのスクリーンショットを提供する。このユーザインタフェースは、糖尿病の人に対して治療または助言を提供するHCPによって使用されてもよい。
【0054】
図11は、糖尿病の人であるTimothy K.Hooverについての糖尿病関連情報を確認するための例示的なユーザインタフェースのスクリーンショット1100である。画面1100は、モニタリング期間(この例においては「過去2週間」)にわたる人のグルコースレベルについての要約統計量を提示する第1のパネル1102を含む。これらの要約統計量は、例えば、人のグルコースレベルが範囲内である(70~180mg/dL)、範囲より高い(すなわち高血糖、180mg/dLより高い)、範囲より低い(すなわち低血糖、70mg/dLより低い)、または範囲より著しく低い(すなわち深刻な低血糖、54mg/dLより低い)、時間の比率を含んでもよい。画面1100はまた、モニタリング期間の間に人が1日当たりに投与したインスリンの平均単位数を含む。画面1100はさらに、モニタリング期間の間の人のグルコースレベルについてのアンビュラトリーグルコースプロファイル(AGP)を提示するパネル1104を含む。
【0055】
画面1100はさらに、人のPRO調査手段の結果およびかかる結果から生成されたスコアに基づいて、人が経験し得る社会的、経済的、感情的および/または心理的な問題をユーザに対して強調するパネル1106を表示する。この例においては、パネル1106は、課題の種々のカテゴリ、すなわち「糖尿病管理」、「糖尿病の苦痛および恐れ」、「環境的障壁」、「精神的健康」および「個人的なスタイル」の各々についてのサブパネルを含む。各サブパネルは、対応する課題のカテゴリ内で人が経験し得る重要な課題の数を示す。例えば、人のPRO調査手段の回答から生成されたスコアによれば、画面1100において提示された人は、「糖尿病の苦痛および恐れ」に関連する3つの問題、「糖尿病管理」に関連する2つの問題、および「環境的障壁」に関する2つの問題に悩まされている場合がある。パネル1106は、PRO調査手段がとられた日付(この例においては2019年5月10日)を示す。課題は、その課題に関連する人のスコアが特定の基準または閾値を満たす場合、例えば、人のスコアが閾値より大きい場合、閾値より小さい場合、目標範囲内である場合、または目標範囲外である場合に、「重要」としてフラグを立てられてもよく、それ故パネル1106に表示する価値があるものされてもよい。
【0056】
画面1100は、「所見」ボタン1108をさらに含む。所見ボタン1108をクリックすると、図12に示されたサブパネル1200が開かれる。サブパネル1200は、人の糖尿病治療情報において検出された有害健康転帰を表示する。この例においては、サブパネル1200は、2つの検出された健康転帰、すなわち週末にボーラスを投与しなかったことに関連する転帰1202、および平日の午後の間の食後高血糖に関連する転帰1204を表示する。各転帰は、いくつかの「イベント」、例えば、転帰1202についての4回のイベント、および転帰1204についての8回のイベントと関連付けられている。これらの「イベント」は、モニタリング期間の間のそれぞれの健康転帰の発生の回数を示す。サブパネル1200はさらに、人のPRO調査手段の回答および生成されたスコアによって表面化された社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題を表示するセクション1206を含み、これらは検出された健康転帰のいくつかまたはすべてと関連付けられてもよい。
【0057】
ユーザが、表示された検出された健康転帰のうちの1つ、例えば、週末にボーラス投与をしなかったことに関連する転帰1202をクリックすると、ユーザインタフェースは、図13に示されるサブパネル1300を表示してもよい。サブパネルは、単一の健康転帰、この例においては週末にボーラス投与をしなかったことに関連する転帰1202に関するさらなる詳細を提供してもよい。ユーザが「グルコースデータ」についてのタブをクリックした場合、サブパネル1300は、それらの検出された健康転帰に関連するグルコース情報を表示する。ユーザがタブ「発見」をクリックした場合、サブパネル1300は、人のPRO調査手段の回答および生成されたスコアによって表面化させられた、「週末にボーラス投与をしなかった」という健康転帰と相関させられ得る、社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題を表示する。この例においては、サブパネル1300は、血中グルコースを管理するためのアプローチに関連する課題1304および食事の苦痛に関連する課題1306の2つの課題を表示する。このようにして、サブパネル1200および1300は、人についての健康転帰に影響を与え得る潜在的な要因として、生成された行動的洞察をユーザに表示する。
【0058】
ユーザが、表示された課題1304および/または1306のいずれかをクリックすると、ユーザは、図14に示された画面1400に移動させられる。画面1400は、種々の社会的、経済的、感情的および/または心理的な課題1402、1404、1406、1408および1410に関連する人のスコアを表示する。ドロップダウンボックス1412を操作することによって、ユーザは、例えば、最も深刻なものから最も深刻でないものへの順、または最も深刻でないものから最も深刻なものへの順のように、表示される課題をどのようにソートするかを選択してもよい。ドロップダウンボックス1414を操作することによって、ユーザは、閲覧されるべきPRO調査手段の日付を選択してもよい。ドロップダウンボックス1416を操作することによって、ユーザは、現在の結果が比較されるべきPRO調査手段の日付を選択してもよい。
【0059】
画面1400は、各課題1402、1404、1406、1408および1410についてスコア範囲ライン1418を表示してもよい。範囲ラインは、各課題についての人のスコアが、左側の最も深刻でないものから右側の最も深刻なものまで、スペクトル上のどこに位置するかを絵で示すものである。現在のスコアマーカ1422は、人の現在のスコア(すなわちドロップダウンボックス1414において選択された日に受信されたPRO調査手段の回答から生成されたスコア)がこの範囲ライン上のどこに位置するかを示す。以前のスコアマーカ1420は、人の以前のスコア(すなわちドロップダウンボックス1416において選択された日に受信されたPRO調査手段の回答から生成されたスコア)がこの範囲ライン上のどこに位置するかを示す。このようにして、ユーザは、特定の課題についての人の現在のスコアがどこに位置するかを迅速に見ることができるのみならず、この課題についての人の以前のスコアと比較して、患者のスコアが改善しているか悪化しているかを見ることもできる。傾向インジケータ1424も、人のスコアが改善しているか悪化しているかを絵で示し、上向き矢印は人のスコアが上昇している、すなわち悪化していることを示し、下向き矢印は人のスコアが低下している、すなわちよくなっていることを示す。課題の1つに関連するボタン1426をクリックすると、その課題に関連するPRO調査手段に対する人の実際の回答が表示される。
【0060】
図15は、いくつかの実施形態による、プロセス200を実装するためのサーバ160内の論理コンポーネントを示すブロック図である。図示されるように、サーバ160の処理回路162は、少なくとも4つの異なるタイプのロジック、すなわち患者報告転帰(PRO)スケジューリングロジック1502、PROスコアリングロジック1504、健康転帰分析ロジック1506、および洞察生成ロジック1508を実装してもよい。以上に説明されたように、各タイプのロジックは、本明細書に記載される機能を実装するため、処理回路162において実行される非一時的コンピュータ可読媒体(メモリ164のような)に格納されたソフトウェアおよび/またはファームウェアの形をとってもよい。
【0061】
PROスケジューリングロジック1502は、通信装置166およびネットワーク150を介して、1つ以上の患者報告転帰(PRO)調査手段を完了するための電子招待状を糖尿病の人に関連する装置に送信するように構成されたロジックを含んでもよく、PRO調査手段は、人の社会的、経済的、感情的および心理的な状態のうちの少なくとも1つを測定するように構成される。PROスケジューリングロジック1502はまた、かかる電子招待状を送信するための適切な時間を決定してもよい。例えば、PROスケジューリングロジック1502は、6ヶ月に1回または1年に1回のような、定期的にスケジューリングされた周期的ベースで電子招待状を送信するように構成されてもよい。PROスケジューリングロジック1502は、ユーザ入力(例えば、HCPまたは糖尿病の人からの)に基づいて、または人の以前のPRO調査手段の回答から生成されたスコアが、人がより高い頻度のまたはより少ない頻度のモニタリングを必要とすることを示す場合に、のような種々の要因に基づいて、招待状が送信される周期的な頻度を変更してもよい。PROスケジューリングロジック1502はまた、特定のパラメータ内のランダムな間隔で招待状を送信してもよい。PROスケジューリングロジック1502はまた、HCPによるまたは糖尿病の人による要求時のような、ユーザ入力に基づいてアドホックなスケジューリングされていない時間に電子招待状を送信してもよい。
【0062】
PROスコアリングロジック1504は、通信装置およびネットワークを介して、人に関連する装置から1つ以上のPRO調査手段に対する電子回答を受信するように構成されたロジックを含んでもよい。ロジック1504はまた、本明細書に開示された方法およびプロセスに従って、人に関連する1つ以上のスコアを生成するために回答をスコアリングするように構成されてもよく、1つ以上のスコアの各スコアは、人が異なる社会的、経済的、感情的または心理的な問題を経験している程度を示す。ロジック1504はまた、回答および生成された1つ以上のスコアの少なくとも1つをメモリに格納するように構成されてもよい。
【0063】
健康転帰分析ロジック1506は、通信装置およびネットワークを介して、人に関連する糖尿病治療情報を受信するように構成されたロジックを含んでもよく、糖尿病治療情報は、接続されたインスリン供給装置によって収集されたインスリン投与量情報、および接続されたグルコース測定装置によって収集されたグルコース測定情報の少なくとも1つを含む。ロジック1506は、本明細書に開示される方法およびプロセスに従って、糖尿病治療情報を分析して、人によって経験された1つ以上の有害健康転帰を導出するように構成されてもよい。
【0064】
洞察生成ロジック1508は、本明細書に開示される方法およびプロセスに従って、1つ以上の行動的洞察を生成するように構成されたロジックを含んでもよい。各行動的洞察は、導出された有害健康転帰のうちの1つと、人に関連する生成されたスコアのうちの1つ以上との間の相関を含む。ロジック1508はまた、本明細書に開示される方法およびプロセスに従って、人についての健康転帰に影響を与え得る潜在的な要因として、生成された行動的洞察の指示をユーザに提示する。
【0065】
用語「第1の」、「第2の」、「第3の」などは、本明細書において使用されているか、特許請求の範囲において使用されているかにかかわらず、類似する要素を区別するために提供され、必ずしも順番または時系列的順序を記載するためのものではない。そのように使用される用語は、適切な環境下で交換可能であり(特に明確に開示されていない限り)、本明細書に記載の開示の実施形態は、本明細書に記載または図示されているもの以外の他のシーケンスおよび/または配置で動作可能であることを理解されたい。
【0066】
本発明は例示的な設計を有するものとして記載されてきたが、本発明は、本開示の趣旨および範囲内でさらに修正することができる。それ故、本出願は、本発明の一般的原理を用いた本発明の任意の変形、使用、または適応を包含することが意図される。さらに、本出願は、本発明が関係する技術分野における既知のまたは慣習的な実施内にある、本開示からのかかる逸脱を包含することが意図されている。
【0067】
以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が、本開示に記載されている。
【0068】
1.糖尿病の人の健康転帰に影響を与える行動的洞察を生成し、ユーザに提示するためのコンピュータ化された方法であって、方法は、1つ以上のプロセッサによって、糖尿病の人に関連する装置に、1つ以上の電子患者報告転帰(PRO)調査手段を実行するための電子招待状をネットワークを介して送信することであって、各PRO調査手段は、人の少なくとも1つの社会的な状態、経済的な状態、感情的な状態および心理的な状態を測定するように構成されている、送信することと、ネットワークを介して1つ以上のプロセッサにおいて、人に関連する装置から1つ以上のPRO調査手段に対する少なくとも1つの電子回答を受信することと、1つ以上のプロセッサによって、少なくとも1つの電子回答をスコアリングして、人に関連する1つ以上のスコアを生成することであって、1つ以上のスコアの各スコアは、人が異なる社会的、経済的、感情的または心理的な課題を経験している程度を示す、生成することと、ネットワークを介して1つ以上のプロセッサによって、モニタリング期間にわたって収集された人についての糖尿病治療情報を受信することであって、糖尿病治療情報は、インスリン投与量情報およびグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含む、受信することと、1つ以上のプロセッサによって、糖尿病治療情報を分析し、モニタリング期間の間に人によって経験された1つ以上の有害健康転帰を導出することと、1つ以上のプロセッサによって、1つ以上の行動的洞察を自動的に生成することであって、各行動的洞察は、導出された有害健康転帰のうちの1つと、人に関連する生成されたスコアのうちの1つ以上との間の相関を含む、生成することと、1つ以上の行動的洞察の指示を生成することであって、生成された指示は、ユーザに提示されるように適合されている、生成することと、を含む方法。
2.糖尿病治療情報は、接続されたインスリン供給装置によって収集されたインスリン投与量情報および接続されたグルコース測定装置によって収集されたグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含む、態様1の方法。
3.1つ以上の行動的洞察を生成することは、人によって経験されたそれぞれの有害健康転帰について、それぞれの有害健康転帰に関連する課題のセットを提供することであって、課題のセットは、社会的な課題、経済的な課題、感情的な課題および心理的な課題のうちの少なくとも1つを含む、提供することと、課題のセットのなかの各課題について1つ以上のスコア基準を提供することと、人に関連する1つ以上の生成されたスコアを1つ以上のスコア閾値と比較して、課題のセット内の課題のサブセットを決定することであって、1つ以上の生成されたスコアは、課題のサブセットのなかの各課題についての1つ以上のスコア基準を満たす、決定することと、課題のサブセットのなかの各課題について、1つ以上の行動的洞察のうちの別個の行動的洞察を生成することと、を含む、態様1または2の方法。
4.社会的、経済的、感情的または心理的な課題の提供されたセット、および1つ以上のスコア基準の提供されたセットは、決定木、ルックアップテーブル、数式またはコードの形で1つ以上のプロセッサと通信可能に結合されたメモリに格納されている、態様3の方法。
5.1つ以上の有害健康転帰は、低血糖および高血糖のエピソードのうちの少なくとも一方を含む、態様1~4のいずれか1つの方法。
6.1つ以上の有害健康転帰は、グルコースレベルの高い変動、および不十分な目標範囲内時間のうちの少なくとも一方を含む、態様1~5のいずれか1つの方法。
7.1つ以上の有害健康転帰は、ボーラスを投与しなかったこと、遅延したボーラス投与、不十分なボーラス投与、過剰なボーラス投与、不適切な上向きの投与量のオーバーライド、および不適切な下向きの投与量のオーバーライドのうちの少なくとも1つを含む、態様1~6のいずれか1つの方法。
8.1つ以上の生成されたスコアは、低血糖エピソードの管理における人の自信を示すスコア、スコアが糖尿病自己効力のレベルを示すこと、および糖尿病の管理における人のモチベーションのレベルを示すスコアのうちの少なくとも1つを含む、態様1~7のいずれか1つの方法。
9.1つ以上の生成されたスコアは、低血糖エピソードの管理における人の自信を示すスコアを含む、態様1~7のいずれか1つの方法。
10.1つ以上の生成されたスコアは、人の健康リテラシーを示すスコア、人の誠実度のレベルを示すスコア、および人のうつ状態または不安症状の存在を示すスコアのうちの少なくとも1つを含む、態様1~9のいずれか1つの方法。
11.1つ以上の生成されたスコアは、人のうつ状態または不安症状の存在を示すスコアを含む、態様1~10のいずれか1つの方法。
12.1つ以上の行動的洞察の生成された指示は、人によって経験された導出された有害健康転帰のうちの1つを表示し、1つ以上の行動的洞察によって表示された有害健康転帰と相関する1つ以上の生成されたスコアのそれぞれのスコアについて、それぞれのスコアによって示される社会的、経済的、感情的または心理的な課題の指示を表示する、視覚的表示を含む、態様1~11のいずれか1つの方法。
13.糖尿病の人の健康転帰に影響を与える行動的洞察を生成して、ユーザに提示するためのシステムであって、システムは、メモリと、ネットワークに通信可能に結合された通信装置と、1つ以上のプロセッサであって、通信装置およびネットワークを介して、糖尿病の人に関連する装置に、1つ以上の電子患者報告転帰(PRO)調査手段を実行するための電子招待状を送信するように構成された患者報告転帰(PRO)スケジュールロジックであって、PRO調査手段は、人の社会的な状態、経済的な状態、感情的な状態および心理的な状態のうちの少なくとも1つを測定するように構成されている、PROスケジュールロジックと、PROスコアリングロジックであって、通信装置およびネットワークを介して、人に関連する装置から、1つ以上のPRO調査手段に対する少なくとも1つの電子回答を受信することと、少なくとも1つの電子回答をスコアリングして人に関連する1つ以上のスコアを生成することであって、1つ以上のスコアの各スコアは、人が社会的、経済的、感情的または心理的な問題を経験している程度を示す、生成することと、回答および生成されたスコアのうち少なくとも1つの一方をメモリに格納することとを、行うように構成された、PROスコアリングロジックと、健康転帰分析ロジックであって、通信装置およびネットワークを介して、人に関連する糖尿病治療情報を受信することであって、糖尿病治療情報は、インスリン投与量情報およびグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含む、受信することと、糖尿病治療情報を分析して、人によって経験された1つ以上の有害健康転帰を導出することと、を行うよう構成された、健康転帰分析ロジックと、洞察生成ロジックであって、1つ以上の行動的洞察を生成することと、各行動的洞察は、導出された有害健康転帰の1つと、人に関連する生成されたスコアの1つ以上との間の相関を含む、生成することと、1つ以上の行動的洞察の指示を生成することであって、生成された指示は、ユーザに提示されるように適合されている、生成することと、を行うように構成された洞察生成ロジックと、を実装するようにメモリに格納された命令を実行するように構成された、1つ以上のプロセッサと、を含む、システム。
14.糖尿病治療情報は、接続されたインスリン供給装置によって収集されたインスリン投与量情報および接続されたグルコース測定装置によって収集されたグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含む、態様13のシステム。
15.健康転帰分析ロジックは、人によって経験されたそれぞれの有害健康転帰について、それぞれの有害健康転帰に関連する課題のセットを提供することであって、課題のセットは、社会的な課題、経済的な課題、感情的な課題および心理的な課題のうちの少なくとも1つを含む、提供することと、課題のセットのなかの各課題について1つ以上のスコア基準を提供することと、人に関連する1つ以上の生成されたスコアを1つ以上のスコア基準と比較して、課題のセット内の課題のサブセットを決定することであって、1つ以上の生成されたスコアは、課題のサブセットのなかの各課題についての1つ以上のスコア基準を満たす、決定することと、課題のサブセットのなかの各課題について、1つ以上の行動的洞察のうちの別個の行動的洞察を生成することと、を実行するように構成されている、態様13または14のシステム。
16.社会的、経済的、感情的または心理的な課題の提供されたセット、および1つ以上のスコア基準の提供されたセットは、決定木、ルックアップテーブル、数式またはコードの形で1つ以上のプロセッサと通信可能に結合されたメモリに格納されている、態様15のシステム。
17.1つ以上の有害健康転帰は、低血糖および高血糖のエピソードのうちの少なくとも一方を含む、態様13~16のいずれか1つのシステム。
18.1つ以上の有害健康転帰は、グルコースレベルの高い変動、および不十分な目標範囲内時間のうちの少なくとも一方を含む、態様13~17のいずれかのシステム。
19.1つ以上の有害健康転帰は、ボーラスを投与しなかったこと、遅延したボーラス投与、不十分なボーラス投与、過剰なボーラス投与、不適切な上向きの投与量のオーバーライド、および不適切な下向きの投与量のオーバーライドのうちの少なくとも1つを含む、態様13~18のいずれか1つのシステム。
20.1つ以上の生成されたスコアは、低血糖エピソードの管理における人の自信を示すスコア、糖尿病自己効力のレベルを示すスコア、および糖尿病の管理における人のモチベーションのレベルを示すスコアのうちの少なくとも1つを含む、態様13~19のいずれか1つのシステム。
21.1つ以上の生成されたスコアは、低血糖エピソードの管理における人の自信を示すスコアを含む、態様13~20のいずれかのシステム。
22.1つ以上の生成されたスコアは、人の健康リテラシーを示すスコア、人の誠実度のレベルを示すスコア、および人のうつ状態または不安症状の存在を示すスコアのうちの少なくとも1つを含む、態様13~21のいずれか1つのシステム。
23.1つ以上の生成されたスコアは、人のうつ状態または不安症状の存在を示すスコアを含む、態様13~22のいずれか1つのシステム。
24.1つ以上の行動的洞察の生成された指示は、人によって経験された導出された有害健康転帰のうちの1つを表示し、1つ以上の行動的洞察によって表示された有害健康転帰と相関する1つ以上の生成されたスコアのそれぞれのスコアについて、それぞれのスコアによって示される社会的、経済的、感情的または心理的な課題の指示を表示する、視覚的表示を含む、態様13~24のいずれか1つのシステム。
25.コンピュータ実行可能な命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、コンピュータ実行可能な命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ以上のプロセッサに、糖尿病の人に関連する装置に、1つ以上の電子患者報告転帰(PRO)調査手段を実行するための電子招待状を、ネットワークを介して送信することであって、各PRO調査手段は、人の社会的な状態、経済的な状態、感情的な状態および心理的な状態のうち少なくとも1つを測定するように構成されている、送信することと、ネットワークを介して、人に関連する装置から1つ以上のPRO調査手段に対する少なくとも1つの電子回答を受信することと、少なくとも1つの電子回答をスコアリングして、人に関連する1つ以上のスコアを生成することであって、1つ以上のスコアの各スコアは、人が社会的、経済的、感情的または心理的な課題を経験している程度を示す、生成することと、ネットワークを介して、モニタリング期間にわたって収集された人についての糖尿病治療情報を受信することであって、糖尿病治療情報は、インスリン投与量情報およびグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含む、受信することと、糖尿病治療情報を分析し、モニタリング期間の間に人によって経験された1つ以上の有害健康転帰を導出することと、1つ以上の行動的洞察を自動的に生成することであって、各行動的洞察は、導出された有害健康転帰のうちの1つと、人に関連する生成されたスコアのうちの1つ以上との間の相関を含む、生成することと、1つ以上の行動的洞察の指示を生成することであって、生成された指示は、ユーザに提示されるように適合されている、生成することと、を1つ以上のプロセッサに実行させるよう動作可能な、非一時的コンピュータ可読媒体。
26.糖尿病治療情報は、接続されたインスリン供給装置によって収集されたインスリン投与量情報および接続されたグルコース測定装置によって収集されたグルコース測定情報のうちの少なくとも一方を含む、態様25の非一時的コンピュータ可読媒体。
27.1つ以上の行動的洞察を生成することは、人によって経験されたそれぞれの有害健康転帰について、それぞれの有害健康転帰に関連する課題のセットを提供することであって、課題のセットは、社会的な課題、経済的な課題、感情的な課題および心理的な課題のうちの少なくとも1つを含む、提供することと、課題のセットのなかの各課題について1つ以上のスコア基準を提供することと、人に関連する1つ以上の生成されたスコアを1つ以上のスコア基準と比較して、課題のセット内の課題のサブセットを決定することであって、1つ以上の生成されたスコアは、課題のサブセットのなかの各課題についての1つ以上のスコア基準を満たす、決定することと、課題のサブセットのなかの各課題について、1つ以上の行動的洞察のうちの別個の行動的洞察を生成することと、を含む、態様25または26の非一時的コンピュータ可読媒体。
28.社会的な課題、経済的な課題、感情的な課題または心理的な課題の提供されたセット、および1つ以上のスコア閾値の提供されたセットは、決定木、ルックアップテーブル、数式またはコードの形で1つ以上のプロセッサと通信可能に結合されたメモリに格納されている、態様27の非一時的コンピュータ可読媒体。
29.1つ以上の有害健康転帰は、低血糖および高血糖のエピソードのうちの少なくとも一方を含む、態様25~28のいずれか1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
30.1つ以上の有害健康転帰は、グルコースレベルの高い変動、および不十分な目標範囲内時間のうちの少なくとも一方を含む、態様25~29のいずれか1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
31.1つ以上の有害健康転帰は、ボーラスを投与しなかったこと、遅延したボーラス投与、不十分なボーラス投与、過剰なボーラス投与、不適切な上向きの投与量のオーバーライド、および不適切な下向きの投与量のオーバーライドのうちの少なくとも1つを含む、態様25~30のいずれか1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
32.1つ以上の生成されたスコアは、低血糖エピソードの管理における人の自信を示すスコア、糖尿病自己効力のレベルを示すスコア、および糖尿病の管理における人のモチベーションのレベルを示すスコアのうちの少なくとも1つを含む、態様25~31のいずれか1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
33.1つ以上の生成されたスコアは、低血糖エピソードの管理における人の自信を示すスコアを含む、態様25~32のいずれか1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
34.1つ以上の生成されたスコアは、人の健康リテラシーを示すスコア、人の誠実度のレベルを示すスコア、および人のうつ状態または不安症状の存在を示すスコアのうちの少なくとも1つを含む、態様25~33のいずれか1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
35.1つ以上の生成されたスコアは、人のうつ状態または不安症状の存在を示すスコアを含む、態様25~34のいずれか1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
36.1つ以上の行動的洞察の生成された指示は、人によって経験された導出された有害健康転帰のうちの1つを表示し、1つ以上の行動的洞察によって表示された有害健康転帰と相関する1つ以上の生成されたスコアのそれぞれのスコアについて、それぞれのスコアによって示される社会的、経済的、感情的または心理的な課題の指示を表示する、視覚的表示を含む、視覚的表示を含む、側面25~35のいずれか1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15