(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】適応的アンテナマウントを備えたGPRデバイス
(51)【国際特許分類】
G01C 15/00 20060101AFI20240315BHJP
G01C 9/00 20060101ALI20240315BHJP
G01S 13/88 20060101ALI20240315BHJP
H01Q 1/12 20060101ALI20240315BHJP
G01V 3/12 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
G01C15/00 102Z
G01C9/00
G01S13/88 200
H01Q1/12
G01V3/12 B
(21)【出願番号】P 2023509728
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 EP2020072817
(87)【国際公開番号】W WO2022033697
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】503003234
【氏名又は名称】プロセク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】トーマス クノール
(72)【発明者】
【氏名】ザームエル レーナー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ガイザー
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ カバレロ
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-093075(JP,A)
【文献】特開2005-076194(JP,A)
【文献】特開2005-069921(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0285375(US,A1)
【文献】特開2012-229931(JP,A)
【文献】特開平04-159145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 1/00-1/14
5/00-15/14
G01S 7/00-7/42
13/00-13/95
G01V 1/00-99/00
H01Q 1/12-1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中レーダデバイスであって、
フレーム(1)と、
レーダアンテナ(21)と、
アンテナアセンブリ(2)であって、前記レーダアンテナ(21)は前記アンテナアセンブリ(2)の一部である、アンテナアセンブリ(2)と、
前記アンテナアセンブリ(2)を前記フレーム(1)に適応的に取り付けるためのマウント(3)と、
前記フレーム(1)をグラウンド上に支持するためのグラウンド支持体(12)と、
を備え、
動作状態において、
前記マウント(3)は、前記フレーム(1)に対する前記アンテナアセンブリ(2)の水平変位を、2つの水平方向において防止し、
前記マウント(3)は、前記フレーム(1)に対する前記アンテナアセンブリ(2)の鉛直変位と、前記フレーム(1)に対する前記アンテナアセンブリ(2)の傾斜と、を許容
し、
前記マウント(3)は、
少なくとも3つのスライドレール(41、42、43、44)と、
少なくとも3つのスライド要素(31、32、33、34)と、
を備え、
前記動作状態において、前記スライド要素は、前記スライドレールに沿ってスライド可能であり、
前記スライド要素(31、32、33、34)は、前記スライドレールに沿ったスライド方向と直交する軸線の周りに、前記スライドレール(41、42、43、44)に対して傾斜可能である、
デバイス。
【請求項2】
前記動作状態において、前記マウント(3)は、前記アンテナアセンブリ(2)が前記グラウンド支持体(12)の底部レベルまで降下するのを許容する、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記動作状態において、前記アンテナアセンブリ(2)の最大鉛直変位は、前記アンテナアセンブリ(2)の最大水平変位よりも大きく、最大水平変位の特に5倍、より特に10倍である、
請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記動作状態において、
前記アンテナアセンブリ(2)の最大水平変位が、1cmよりも小さく、特に0.5cmよりも小さい、ことと、
前記アンテナアセンブリ(2)の最大鉛直変位が、5cmよりも大きく、特に10cmよりも大きい、ことと
前記アンテナアセンブリ(2)の最大傾斜角度が、10度よりも大きく、特に20度よりも大きい、ことと、
のうちの少なくとも1つを満たすように構成される、請求項1から3までのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記動作状態において、前記アンテナアセンブリ(2)は、2つの、特に水平の、軸線(A1、A2)の周りに前記フレーム(1)に対して傾斜可能である、
請求項1から4までのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記マウント(3)は
、スライドレールごとに1つのスライド要
素を備え、
特に、前記動作状態において、前記スライド要素は
、前記アンテナアセンブリ(2)の鉛直変位を容易にする、
請求項1から5までのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記スライドレール(41、42、43、44)は前記アンテナアセンブリ(2)に固定的に取り付けられており、前記スライド要素(31、32、33、34)は前記フレーム(1)に取り付けられており、及び/又は
前記スライド要素(31、32、33、34)は、はめ込みネジ(31a、32a、33a、34a)によって前記フレーム(1)に取り付けられている、
請求項
1から6までのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記スライドレール(41、42、43、44)及び/又は前記スライド要素(31、32、33、34)が、前記スライドレールと前記スライド要素との間にスライド表面を形成する非金属材料から構成されており、
特に、前記非金属材料がプラスチック、より詳細にはPTFE、である、
請求項
1から
7までのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記マウント(3)が、4つのスライドレール(41、42、43、44)及び4つのスライド要素(31、32、33、34)を備え、
第1のスライド要素(31)及び第2のスライド要素(32)は前記フレーム(1)に対して第1の傾斜軸線(A1)の周りに傾斜可能であり、第3のスライド要素(33)及び第4のスライド要素(34)は前記フレーム(1)に対して第2の傾斜軸線(A2)の周りに傾斜可能である、
請求項
1から
8までのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の傾斜軸線(A1)及び前記第2の傾斜軸線(A2)は、互いに横切って、特に垂直に、延びており、
特に、前記第1の傾斜軸線(A1)は、前記デバイスの意図された移動方向(5)に沿って延びている、
請求項
9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の傾斜軸線(A1)と前記第2の傾斜軸線(A2)とは交点(P)で交差しており、
特に、前記交点(P)は、前記第3のスライド要素(33)と前記第4のスライド要素(34)との間の中間にある、
請求項
9又は
10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記交点(P)は、前記第1のスライド要素(31)よりも前記第2のスライド要素(32)に近く、
特に、前記交点(P)が、前記第1のスライド要素(31)と前記第2のスライド要素(32)との間の前記第1の傾斜軸線(A1)を9:1よりも大きい比率で分割する、
請求項
11に記載のデバイス。
【請求項13】
更に、
前記デバイスを前記動作状態とブロック状態との間で切り替えるためのブロック機構(14)、
を備え、
前記ブロック状態において、前記マウント(3)は、前記フレーム(1)に対する前記アンテナアセンブリ(2)の鉛直変位及び傾斜をブロックする、
請求項1から
12までのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記ブロック機構(14)は、前記アンテナアセンブリ(2)を前記フレーム(1)に対して、上方位置において、特に前記グラウンド支持体(12)の底面レベルから最大距離において、ブロックするように構成される。
請求項
13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記ブロック機構(14)は、前記アンテナアセンブリ(2)を前記フレーム(1)に対して上昇させるためのケーブル、特にBowdenケーブル、を備え、
特に、前記ケーブルは、レバー又はターンスイッチによって操作可能である、
請求項
13又は
14に記載のデバイス。
【請求項16】
更に、
前記アンテナアセンブリ(2)の前記フレーム(1)に対する又は重力方向に対する傾斜、特に2つの、特に水平の、軸線(A1、A2)の周りの傾斜、を測定するように構成された角度センサ(15)、
を備え、
特に、前記デバイスの制御ユニットは、前記角度センサ(15)から傾斜データを受信するように、かつ、前記傾斜データを前記レーダアンテナ(21)からの対応するレーダデータと共に保存すること及びこれらを送信することの少なくとも1つを行うように、構成されている、
請求項1から
15までのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項17】
更に、
前記フレーム(1)に取り付けられて前記デバイスの位置を測定するように構成された、測位ユニット(15)、特にGNSSユニット、
を備え、
特に、前記デバイスの制御ユニットは、前記測位
ユニット(15)から位置データを受信するように、かつ、前記位置データを前記レーダアンテナ(21)からの対応するレーダデータと共に保存すること及びこれらを送信することの少なくとも1つを行うように、構成されている、
請求項1から
16までのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記マウント(3)は、前記アンテナアセンブリ(2)から上方向に延びており、
前記フレーム(1)は、前記アンテナアセンブリ(2)の上方に位置しており、
特に、前記アンテナアセンブリ(2)及び前記マウント(3)は、前記フレーム(1)から吊り下げられている、
請求項1から
17までのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記アンテナアセンブリ(2)は、平坦な底表面(22)を有しており、
特に、前記平坦な底表面(22)は、少なくとも1つの、特に少なくとも2つの、水平方向に、少なくとも10cm拡がっている、
請求項1から
18までのいずれか1項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、地中レーダ(GPR)デバイスであって、アンテナアセンブリをGPRデバイスのフレームに適応的に取り付けるためのマウントを備えたGPRデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
地下構造物の非破壊検査や地球物理学探査の分野において、例えばコンクリート構造物の鉄筋又は地中のパイプもしくはその他の異常を検出するために、地中レーダがよく使われる方法である。特にS/N(信号対雑音)比について、良好な信号及びデータの品質のために、地下構造物に対するレーダアンテナの良好な結合が有利である。同時に、レーダデータが測定された場所について、正確な位置データ(例えば、1cmオーダの分解能)を、例えばグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)ユニットによって、取得することが望まれている。
【0003】
従来のGPRデバイスは、車輪の付いたカートとして作られることが多い。GPRアンテナは、カートに固定されるか、例えばストラップによりカートから吊り下げられる。固定式アンテナの欠点は、特に凸凹のグラウンド表面の場合に、グラウンドとの結合が弱いことにある。一方、吊り下げ式のアンテナの欠点は、位置データの精度が低いことにある。これは、例えばストラップによるアンテナの吊り下げが、カート上のGNSSユニットに対してアンテナを固定位置で保持しない、という事実に起因する。
【発明の概要】
【0004】
発明の開示
したがって、本発明の一般的な目的は、特に、S/N比について、及び、同時に、正確な位置決めについて、高いデータ品質を有するGPRデバイスを提供することである。
【0005】
本発明のこれらの目的及びさらに他の目的(これらは、説明が進むにつれてより容易に明らかになる。)を実施するために、GPRデバイスは以下を備える。
フレーム。フレームは、通常、グラウンドに対して移動可能である。フレームは、特に、グラウンド上を例えば押され又は牽引されてもよいカートの一部であってもよい。
レーダアンテナ:レーダアンテナは、通常、レーダ波をグラウンドに/から送信及び/又は受信するように構成されている。
アンテナアセンブリであって、レーダアンテナがアンテナアセンブリの一部である、アンテナアセンブリ。アンテナアセンブリは、レーダアンテナの周囲に保護板又は箱を備えてもよい。特に、アンテナアセンブリを、例えばグラウンド上を押され又は牽引されるときに、レーダアンテナを保護するように構成してもよい。
アンテナアセンブリをフレームに適応的に取り付けるためのマウント。適応的に、というのは、マウントが、グラウンドのトポロジに応じて少なくとも部分的にその位置を適応させてもよいように、フレームに対するアンテナアセンブリの少なくとも1つの移動の自由度を提供してもよい、ということを意味する。特に、適応的(アダプティブ)マウントは、例えば、凸凹のグラウンド表面の場合にも、アンテナアセンブリがグラウンドに当接すること及びグラウンド表面に適応して追従することを許容する。これにより、レーダ波のグラウンドへの良好な結合が可能となり、したがって高いS/N比が可能となる。
フレームをグラウンド上に支持するためのグラウンド支持体。グラウンド支持体は、車輪、典型的には3つもしくは4つの車輪、又は、ランナもしくはソリを備えてもよい。
【0006】
動作状態において、マウントは、フレームに対するアンテナアセンブリの水平変位を2つの水平方向において防止する。特に、マウントは、アンテナアセンブリの変位を任意の水平方向において防止する。これにより、レーダデータと同時に位置データを高精度に取得することが可能になる。
【0007】
通常、GNSS受信機などの測位ユニットは、デバイスのフレームに取り付けられ、アンテナアセンブリに取り付けられない。このような測位ユニットは、1cmのオーダの測位精度に達してもよい。このように、フレームに対するアンテナアセンブリの水平変位を防止することにより、レーダデータの位置精度が直接的に向上される。このようにして、特に、種々のデバイス位置で得られた複数のレーダパルスからのデータを1つの画像にコンパイルするときに、レーダデータ自体の高解像度が達成されてもよい。
【0008】
一方、マウントは、動作状態において、フレームに対するアンテナアセンブリの鉛直変位と、フレームに対するアンテナアセンブリの傾斜と、を許容する。上述したように、このことは、アンテナアセンブリがグラウンド表面に適応するのを許容し、ひいてはレーダ波のグラウンド内への良好な結合及び高いS/N比が促進されるのを許容する。
【0009】
この文脈では、方向は次のように定義される。デバイスのグラウンド支持体は、デバイスの底部を画定する。GPRデバイスの意図された使用において、底部、すなわちグラウンド支持体は、グラウンドに当接する。
【0010】
デバイスのグラウンド支持体と反対側の部分であって、意図された動作においてグラウンドから遠ざかる方向を向いている部分は、頂部と定義される。底部と頂部との間の方向は「鉛直」と呼ばれ、意図された使用において、通常、グラウンドに対して垂直である。
【0011】
通常、デバイスは「水平」方向に動き、この「水平」方向は、意図された使用において、グラウンドと平行である。
【0012】
すべての水平方向を含む水平平面は、デバイスのグラウンド支持体によって定義される。特に、グラウンド支持体は、平坦平面上でデバイスを支持するのに適した少なくとも3つの接触点を提供し、この平面は、定義上、水平グラウンド平面である。
【0013】
「傾ける」というのは特に、水平軸線を中心とした回転を意味する。
【0014】
さらに、或る変位又は或る傾きを「許容」及び「防止」という用語を、以下のように理解してもよい。「防止」:フレームに対するアンテナアセンブリの最大水平変位が、有利には1cmよりも小さく、特に0.5cmよりも小さい。「許容」:フレームに対するアンテナアセンブリの最大鉛直変位が、有利には5cmよりも大きく、特に10cmよりも大きい。フレームに対するアンテナアセンブリの最大傾斜が、有利には10度よりも大きく、特に20度よりも大きい。このような変位又は傾斜は、動作状態では可能であるが、デバイスのブロック状態(下記参照)ではブロックされてもよく、すなわち完全に防止されてもよい。
【0015】
一実施形態において、フレームに対するアンテナアセンブリの最大鉛直変位は、動作状態において、フレームに対するアンテナアセンブリの最大水平変位よりも大きく、特に5倍、更に特に10倍、大きい。
【0016】
有利には、マウントは、動作状態において、アンテナアセンブリがグラウンド支持体の底部レベルまで低下されるのを許容する。特に、マウントは、アンテナアセンブリが上記で定義されるような水平グラウンド平面まで低下されるのを許容する。
【0017】
一実施形態において、アンテナアセンブリは、動作状態において、2つの、特に水平な、軸線の周りでフレームに対して傾斜又は傾動可能である。したがって、アンテナアセンブリは、グラウンドが完全に平坦でなくても、グラウンドに当接してグラウンドに追従してもよく、このことにより、レーダ波のグラウンド内への良好な結合が可能になる。
【0018】
スライドレール及びスライド要素
一実施形態において、マウントは、少なくとも3つのスライドレールと、少なくとも3つのスライド要素と、を備える。特に、マウントは、スライドレールごとに1つのスライド要素を備える。動作状態において、スライド要素は、スライドレールに沿ってスライド可能である。したがって、それらは、フレームに対するアンテナアセンブリの鉛直変位を促進してもよい。有利には、スライドレールは、本質的に鉛直に延びている。したがって、マウントによって保持されたアンテナアセンブリは、重力の影響下で滑り落ちてもよく、例えばグラウンドによって上向きに押されたときに滑り上がってもよい。
【0019】
スライドレールの実施形態は、少なくとも1つのスリット及び/又は少なくとも1つのレール要素を備えてもよく、しかしこれに限定されるものではない。スライド要素は、スライドレール(単数又は複数)内又はそれに沿ってスライド可能な少なくとも1つのボルト、及び/又は、スライドレール(単数又は複数)に沿って転がるのに適した少なくとも1つのローラを備えてもよい。
【0020】
さらに、スライド要素は、スライド方向に対して垂直な軸線の周りにスライドレールに対して傾斜可能であり、スライド方向は、スライドレールに沿って延びる。このように、マウントは、フレームに対するアンテナアセンブリの、鉛直変位だけでなく、傾きも促進する。
【0021】
一実施形態では、スライドレールはアンテナアセンブリに固定的に取り付けられ、スライド要素はフレームに取り付けられ、別の実施形態ではその逆であってもよい。
【0022】
有利なことに、スライド要素は、はめ込みネジによってフレームに取り付けられている。はめ込みネジは、ネジ山が、ネジの先端からネジの頭部まで全てではなく、先端に隣接するネジの一部分に沿ってのみ延びているネジである。ネジの先端に近い部分には、ネジ山がない。このようなはめ込みネジは、フレームに対するスライド要素の回転、ひいてはアンテナアセンブリの傾きを許容しながら、フレーム上のスライド要素の位置を固定するのを許容する。
【0023】
一実施形態において、スライドレール及び/又はスライド要素は、スライドレールとスライド要素との間のスライド表面を形成する非金属材料を備える。非金属材料は、例えば、ポリマ、更に特にPTFEであってよい。スライド表面のために非金属材料を使用することにより、金属性の従って導電性の屑又はチップが例えば摩擦による摩耗によって形成されるのが防止される。そのような導電性の屑は、さもなければ、デバイスの電子部品と接触し、短絡を発生させ、その結果、電子部品を損傷するおそれがある。このように、非金属材料を使用することで、デバイスの信頼性及びロバスト性が高められる。
【0024】
有利な実施形態では、マウントは、4つのスライドレール及び4つのスライド要素を備える。このことは、マウントの特に簡単かつ堅牢なセットアップを許容する。有利には、第1のスライド要素及び第2のスライド要素は、フレームに対して、第1の傾斜軸線を中心として、傾斜可能であり、第3のスライド要素及び第4のスライド要素は、フレームに対して、第2の傾斜軸線を中心として、傾斜可能である。第1の傾斜軸線及び第2の傾斜軸線は、互いに横切って、特に垂直に、延びていてもよい。特に、第1の傾斜軸線は、デバイスの意図された移動方向に沿って延び、この方向は、例えば、デバイスのグラウンド支持体によって、特に車輪によって、与えられてもよい。
【0025】
追加的に又は代替的に、第1の傾斜軸線及び第2の傾斜軸線は、交点で交差してもよい。一実施形態では、交点は、第3のスライド要素と第4のスライド要素との間の中間にある。さらに、交点は、第1のスライド要素よりも第2のスライド要素に近くてもよい。特に、交点は、第1スライド要素と第2スライド要素との間で第1傾斜軸線を、9:1よりも大きい比率で分割してもよい。第1のスライド要素が、意図された移動方向におけるデバイスの前部に最も近いスライド要素である場合、交点のそのような位置は、アンテナアセンブリが第2の傾斜軸線の周りで容易に傾斜するのを促進し、したがって、デバイスの移動中にアンテナアセンブリがグラウンドに滑らかに追従するのを促進する。
【0026】
マウントのセットアップは、上記のようなスライドレール及びスライド要素を使用することに限定されない、ということが理解されるべきである。さらなる実施形態において、マウントは、例えば、ジンバル又はボールジョイントを備える。両方とも、フレームに対するアンテナアセンブリの傾斜を許容する。有利には、そのようなマウントは、フレームに対するアンテナアセンブリの鉛直変位を許容するサスペンションと組み合わされる。さらに、アンテナがジンバル又はボールジョイントの幾何学的中心に、又は少なくともその近くに、配置されるのが有利である。このようにして、アンテナアセンブリが傾いたときに、フレームに対するアンテナアセンブリの水平変位が防止される。
【0027】
ブロック機構
一実施形態において、デバイスは、デバイスを動作状態とブロック状態との間で切り替えるためのブロック機構をさらに備える。ブロック状態において、マウントは、フレームに対するアンテナアセンブリの鉛直変位及び傾斜をブロック又は妨害する。このことは、ブロック状態において、アンテナアセンブリの位置及び向きがフレームに対して固定される、ことを意味する。このようなブロック機構は、例えば、地下の局所的な異常の詳細な調査においてアンテナの送信及び/又は受信方向を固定すべきときに、有用である。
【0028】
有利には、ブロック機構は、アンテナアセンブリをフレームに対し、上方位置において、特にグラウンド支持体の底部レベルから、特に上記で定義された水平グラウンド平面から、最大距離において、ブロックするように構成される。その場合、アンテナアセンブリは、少なくともグラウンドがあまり凸凹していない場合には、グラウンドに当接しない。したがって、そのようなブロック状態は、例えば機械的損傷を防止するために、デバイスの輸送に有用である。さらに、アンテナアセンブリの摩擦による摩耗を避けるために、硬いグラウンド、例えば道路、での調査に有用であってよい。
【0029】
一実施形態において、ブロック機構は、アンテナアセンブリをフレームに対して上昇させるためのケーブル、特にBowdenケーブルを備える。このようなケーブルは、例えばフレームに取り付けられた、レバー又はターンスイッチを介し操作可能であってよい。
【0030】
更なる特徴
デバイスは更に、フレームに対する又は重力方向に対するアンテナアセンブリの傾斜を測定するように構成された角度センサを備えてもよい。具体的には、角度センサは、2つの、特に水平方向の、軸線の周りの傾斜を測定するように構成されてもよい。有利には、デバイスの制御ユニットは、角度センサから傾斜データを受信するように、かつ、傾斜データをアンテナからの対応するレーダデータと共に記憶すること及び送信することの少なくとも1つを行うように、構成される。このようにして、アンテナにおけるレーダ波の送信及び/又は受信の方向を再構築してもよい。傾斜データを、例えばアンテナアセンブリの傾斜を補正するために、レーダデータを処理するための入力として使用して、地下の画像がよりよくなるように、特に解像度がより高く及び/又はSN比がより高くなるように、してもよい。
【0031】
代替的又は追加的に、デバイスは測位ユニット、特にGNSSユニットを備えてもよい。測位ユニットは、通常、フレームに、例えばレーダアンテナとの干渉を避けるために、特にレーダアンテナの上に、取り付けられる。さらに、測位ユニットは、デバイスの位置を測定するように構成される。有利には、デバイスの制御ユニットは、測位ユニットから位置データを受信するように、かつ、位置データをアンテナからの対応するレーダデータと共に記憶すること及び送信することの少なくとも1つを行うように、構成される。フレームに対するアンテナアセンブリの水平変位を防止することに関連して、このことは、レーダデータが取得される場所を正確な位置決め又は測位を許容する。さらに、広い調査領域で高解像度のレーダデータを取得するのが許容される。
【0032】
有利な実施形態では、マウントは、アンテナアセンブリから上方向に延びている。その場合、フレームは、アンテナアセンブリの上方に位置する。次いで、アンテナアセンブリ及びマウントを、フレームから吊り下げてもよい。これは、重力の効果を利用して、アンテナアセンブリを動作状態において変化するグラウンドに適応させるための、簡単な方法である。
【0033】
有利には、アンテナアセンブリは、平坦な底表面を有する。特に、平坦な底表面は、少なくとも1つの水平方向に、特に少なくとも2つの水平方向に、少なくとも10cm拡がってもいてもよい。このことは、アンテナアセンブリがグラウンドに適応し、グラウンドの変動にスムーズに、すなわち、ぎくしゃくした動きなく追従するのを許容する。
【0034】
図面の簡単な説明
以下の詳細な説明を考慮すれば、本発明がよりよく理解され、上記以外の目的も明らかになるであろう。かかる説明は、添付の図面を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るGPRデバイスの概略図である。
【0036】
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係るGPRデバイスの機能的要素を示すブロック図である。
【0037】
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係るアンテナフレーム、マウント、及びフレームの部分を含むGPRデバイスの一部分を示す斜視図である。
【0038】
【
図4】
図4から
図6は、
図3の部分の側面図であって、それぞれ、鉛直変位、第2の傾斜軸線周りの傾斜、及び、第1の傾斜軸線周りの傾斜、を説明するための側面図である。
【
図5】
図4から
図6は、
図3の部分の側面図であって、それぞれ、鉛直変位、第2の傾斜軸線周りの傾斜、及び、第1の傾斜軸線周りの傾斜、を説明するための側面図である。
【
図6】
図4から
図6は、
図3の部分の側面図であって、それぞれ、鉛直変位、第2の傾斜軸線周りの傾斜、及び、第1の傾斜軸線周りの傾斜、を説明するための側面図である。
【0039】
【
図7】
図7は、動作状態にある
図3のデバイスの部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
発明を実施するための態様
図1は、本発明の一実施形態に係るGPRデバイスの概略図である。GPRデバイスはフレーム1を備え、フレーム1は車輪12によってグラウンドに支持され、フレーム1をハンドル13によってグラウンド上で押したり引いたりしてもよい。通常、三輪又は四輪である車輪12は、水平方向H1及びH2を有する水平平面を画定する。鉛直方向Vは、水平平面に対して垂直である。車輪12は、通常の使用では、デバイスの最も低い部分である。
【0041】
図1のデバイスは更に、レーダアンテナ21を備え、レーダアンテナ21は、箱内に収容されて箱により保護されている。有利には、箱は、レーダアンテナ21の機械的な保護体として機能し、少なくとも或る程度までは防水である。箱及びレーダアンテナ21は、アンテナアセンブリ2の一部である。アンテナアセンブリ2は底表面22を備え、底表面22は有利には、耐久性のある材料から作られ、特に研磨摩耗に耐える。このことは、アンテナアセンブリ2をグラウンドに沿って引っ張るのを許容し、このことは次いで、送信及び受信されるレーダ波のグラウンドとの結合を改善する。
【0042】
アンテナアセンブリ2は、マウント3によってデバイスのフレームに取り付けられる。マウント3を、例えば、
図3から
図7に描かれているようにスライドレール内でスライド可能なスライドブロックとして具現化してもよい。動作状態において、マウント3は、アンテナアセンブリ2がフレーム1に対し、鉛直方向に移動すること及び傾くことを許容する。しかしながら、マウント3は、上述した水平方向HI、H2両方への水平変位を防止する。
【0043】
デバイスは更に、ブロック手段14を備え、ブロック手段14は、ブロック状態においてアンテナアセンブリ2をフレーム1に対しブロックするように、すなわち、フレームに対するアンテナアセンブリ2の、水平変位の防止に加えて、鉛直変位及び傾斜を防止するように、適応されている。ブロック手段14は、例えば、ケーブル、特にBowdenケーブル、を備えてもよい。ケーブルを、デバイスのユーザがレバー又はターンスイッチを介し操作して、アンテナアセンブリ2をフレーム1に対し上向きに持ち上げてもよく、かつ/又は、アンテナアセンブリ2をフレーム1に対して定められた鉛直位置に、特に最上位置に、ブロックしてもよい。
【0044】
図2は、本発明によるGPRデバイスの機能要素、特に電子部品、のブロック図である。このデバイスは、制御ユニット6、例えばプロセッサ又はFPGAを備える。アンテナ21は、制御ユニット6に接続され、これにより制御される。
【0045】
更に、このデバイスは、有利には、制御ユニット6に接続された角度センサ35を備える。角度センサ35は、フレーム1に対する又は重力方向に対する、アンテナアセンブリ2の角度を測定するように構成される。後者の場合、角度センサ35は、加速度計を備えてもよい。フレーム1に対する又は重力方向に対する角度に関するデータを、レーダアンテナ21の傾斜についての取得済みレーダデータを補償するために使用してもよい。
【0046】
更に、このデバイスは、有利には、制御ユニット6に接続された測位ユニット15、例えばGNSS受信機、を備える。通常、測位ユニット15は、GNSS信号のよりよい視認性又は受信の理由から、アンテナアセンブリ2ではなく、フレーム1に取り付けられる。測位ユニット15からのデータは、取得済みレーダデータを基準フレームで位置決めするのに使用される。現在の測位方法、例えば差分GNSS測定、でもって、1cmのオーダの測位精度を実現可能である。レーダデータの処理又は解釈の際に測位精度を十分に活用するために、フレーム1に対するアンテナアセンブリ2の水平変位を防止する必要がある。
【0047】
図3は、本発明の実施形態によるGPRデバイスの一部分を示す斜視図である。示された特徴は、フレーム1の部分を含んでおり、当該部分は、動作時にデバイスの残りに取り付けられており、例えば
図1に示されるようなカートであってGPR調査中にグラウンド上を移動されるカートを備える。特に、
図3に示すフレーム1の部分は、6つのネジ穴11にねじ込まれた6つのネジによって、デバイスの残りの部分にネジ止めされる。フレームは、アルミニウムを含んでもよいし、アルミニウムで作られてもよい。
【0048】
レーダアンテナ21は、アンテナアセンブリ2の一部であり、かつ、アンテナアセンブリ2内に収容されている。このようなアンテナアセンブリ2は、有利には、アンテナを機械的損傷、例えば摩擦摩耗、から保護するために、堅牢である。さらに、雨又は高湿度のような様々な条件下でのデバイスの信頼性の高い動作を容易にするために、アンテナアセンブリを、閉鎖された、特に防水性の、箱として具現化してもよい。さらに、アンテナアセンブリ2は、アンテナのための制御電子機器を収容してもよい。対照的に、アンテナのための電源は、典型的には、フレーム1に取り付けられている。有利には、アンテナアセンブリ2の少なくとも底部側は、プラスチックであってよい非金属材料で作られており、これにより、動作時に、アンテナは、より大きな損失なしにグラウンドへ/グラウンドからレーダ波を送受信してもよい。
【0049】
アンテナアセンブリ2は、マウントを介してフレーム1に適応的に取り付けられる。マウントは、アンテナアセンブリ2に、特にアンテナアセンブリ2の頂部側に、固定されたスライドレール41、42、43、44を備える。スライドレールは、少なくとも10cm、特に少なくとも20cmの長さを有して、したがってフレーム1に対するアンテナアセンブリ2の同じオーダの鉛直変位を許容するようにしてもよい。
図4には、アンテナアセンブリ2がフレーム1に対して最下位置及び最上位置にある2つの状況が示されている(それぞれ、上側の図及び下側の図)。
【0050】
さらに、スライドレール41、42、43、44は、アルミニウム製であってもよい。
図3の実施形態では、スライドレールは、直線状のスリットを備える。しかし、他の実施形態において、それらは湾曲していてもよい。
【0051】
マウントはさらに、フレーム1に取り付けられたスライド要素31,32,33,34を備える。スライド要素はそれぞれ、スライドレール41、42、43、44のスリット内をスライド可能である。有利には、スライド要素は、摩擦摩耗によって形成される導電性の屑を回避するために、スライド表面を形成する非金属材料から構成される。
【0052】
図3において、スライド要素31、32、33、34は2つの平坦な側表面を有し、側表面同士間の距離は、スライドレール41、42、43、44のスリットの幅から公差を引いたものに相当する。スライド要素とスライドレールとの間の公差は、好ましくは1cmよりも小さく、特に0.5又は0.1cmのオーダである。このようにして、フレーム1に対するアンテナアセンブリ2の水平変位は、防止され、すなわち前記公差までしかできない。
【0053】
更に、スライド要素31、32、33、34は、はめ込みネジ31a、32a、33a、34aによってフレーム1に取り付けられている。これにより、アンテナアセンブリ2がその向きをグラウンド上の変化する傾斜又は凹凸に適応するときに、スライド要素がフレーム1に対し容易に、すなわち低摩擦で、回転することが可能となり、したがってアンテナアセンブリ2がフレーム1に対し傾斜することが可能になる。
【0054】
図5及び
図6はそれぞれ、第2の傾斜軸線A2周り及び第1の傾斜軸線A1周りの、フレーム1に対するアンテナアセンブリ2のそのような傾斜を示す。第1の傾斜軸線A1は、スライド要素31,32の間を延びており、一方、第2の傾斜軸線A2は、スライド要素33,34の間を延びていることが分かる。動作中の第1の傾斜軸線A1は、典型的には、意図された移動方向5に延びる。第1の傾斜軸線A1及び第2の傾斜軸線A2は、例えば
図3又は
図7から分かるように、交点Pにおいて直交する。交点Pは、スライド要素33,34の中間に位置するが、スライド要素31よりもスライド要素32に近い。
【0055】
図3では、アンテナアセンブリ2は、フレーム1に対しその最上位置に示されている。これは、例えば、道路のような硬い表面で測量するときに、アンテナアセンブリ2を摩擦摩耗から保護するために、有用であってよい。それゆえ、アンテナアセンブリ2は、ブロック機構14によって、そのような最上位置においてブロック状態にブロックされてもよい(
図1参照)。
【0056】
これに対して、
図7は、動作状態にある、先の図のデバイスの一部を示している。
したものである。アンテナアセンブリ2は、ブロックされておらず、しかしながら鉛直方向に自由にスライドされてもよく、水平軸線周りに傾斜されてもよい。
【0057】
例えば
図7から分かるように、本発明の実施形態によるGPRデバイスは、グラウンドに対するアンテナの良好な結合を常に確保しつつ、種々のグラウンド、特に凸凹のグラウンドにも、適応可能である。さらに、マウントは、フレーム1に対するアンテナアセンブリ2の、例えば1cmを超えるような大きな水平方向のずれを防止する。これにより、地中レーダ探査中の正確な位置決めと、高解像度の地中レーダ画像と、が可能になる。
【0058】
本発明の現在好ましい実施形態が示され説明されているが、本発明がこれに限定されず、本発明を以下の請求項の範囲内において、これ以外で様々に具体化し実施してもよいことを明確に理解されたい。
[構成1]
地中レーダデバイスであって、
フレーム(1)と、
レーダアンテナ(21)と、
アンテナアセンブリ(2)であって、前記レーダアンテナ(21)は前記アンテナアセンブリ(2)の一部である、アンテナアセンブリ(2)と、
前記アンテナアセンブリ(2)を前記フレーム(1)に適応的に取り付けるためのマウント(3)と、
前記フレーム(1)をグラウンド上に支持するためのグラウンド支持体(12)と、
を備え、
動作状態において、
前記マウント(3)は、前記フレーム(1)に対する前記アンテナアセンブリ(2)の水平変位を、2つの水平方向において防止し、
前記マウント(3)は、前記フレーム(1)に対する前記アンテナアセンブリ(2)の鉛直変位と、前記フレーム(1)に対する前記アンテナアセンブリ(2)の傾斜と、を許容する、
デバイス。
[構成2]
前記動作状態において、前記マウント(3)は、前記アンテナアセンブリ(2)が前記グラウンド支持体(12)の底部レベルまで降下するのを許容する、
構成1に記載のデバイス。
[構成3]
前記動作状態において、前記アンテナアセンブリ(2)の最大鉛直変位は、前記アンテナアセンブリ(2)の最大水平変位よりも大きく、最大水平変位の特に5倍、より特に10倍である、
構成1又は2に記載のデバイス。
[構成4]
前記動作状態において、
前記アンテナアセンブリ(2)の最大水平変位が、1cmよりも小さく、特に0.5cmよりも小さい、ことと、
前記アンテナアセンブリ(2)の最大鉛直変位が、5cmよりも大きく、特に10cmよりも大きい、ことと
前記アンテナアセンブリ(2)の最大傾斜角度が、10度よりも大きく、特に20度よりも大きい、ことと、
のうちの少なくとも1つを満たす、構成1から3までのいずれか1に記載のデバイス。
[構成5]
前記動作状態において、前記アンテナアセンブリ(2)は、2つの、特に水平の、軸線(A1、A2)の周りに前記フレーム(1)に対して傾斜可能である、
構成1から4までのいずれか1に記載のデバイス。
[構成6]
前記マウント(3)は、
少なくとも3つのスライドレール(41、42、43、44)と、
少なくとも3つのスライド要素(31、32、33、34)、特にスライドレールごとに1つのスライド要素、と、
を備え、
前記動作状態において、前記スライド要素は、前記スライドレールに沿ってスライド可能であり、特に前記アンテナアセンブリ(2)の鉛直変位を容易にする、
構成1から5までのいずれか1に記載のデバイス。
[構成7]
前記スライド要素(31、32、33、34)は、前記スライドレールに沿ったスライド方向と直交する軸線の周りに、前記スライドレール(41、42、43、44)に対して傾斜可能である、
構成6に記載のデバイス。
[構成8]
前記スライドレール(41、42、43、44)は前記アンテナアセンブリ(2)に固定的に取り付けられており、前記スライド要素(31、32、33、34)は前記フレーム(1)に取り付けられており、及び/又は
前記スライド要素(31、32、33、34)は、はめ込みネジ(31a、32a、33a、34a)によって前記フレーム(1)に取り付けられている、
構成6又は7に記載のデバイス。
[構成9]
前記スライドレール(41、42、43、44)及び/又は前記スライド要素(31、32、33、34)が、前記スライドレールと前記スライド要素との間にスライド表面を形成する非金属材料から構成されており、
特に、前記非金属材料がプラスチック、より詳細にはPTFE、である、
構成6から8までのいずれか1に記載のデバイス。
[構成10]
前記マウント(3)が、4つのスライドレール(41、42、43、44)及び4つのスライド要素(31、32、33、34)を備え、
第1のスライド要素(31)及び第2のスライド要素(32)は前記フレーム(1)に対して第1の傾斜軸線(A1)の周りに傾斜可能であり、第3のスライド要素(33)及び第4のスライド要素(34)は前記フレーム(1)に対して第2の傾斜軸線(A2)の周りに傾斜可能である、
構成6から9までのいずれか1に記載のデバイス。
[構成11]
前記第1の傾斜軸線(A1)及び前記第2の傾斜軸線(A2)は、互いに横切って、特に垂直に、延びており、
特に、前記第1の傾斜軸線(A1)は、前記デバイスの意図された移動方向(5)に沿って延びている、
構成10に記載のデバイス。
[構成12]
前記第1の傾斜軸線(A1)と前記第2の傾斜軸線(A2)とは交点(P)で交差しており、
特に、前記交点(P)は、前記第3のスライド要素(33)と前記第4のスライド要素(34)との間の中間にある、
構成10又は11に記載のデバイス。
[構成13]
前記交点(P)は、前記第1のスライド要素(31)よりも前記第2のスライド要素(32)に近く、
特に、前記交点(P)が、前記第1のスライド要素(31)と前記第2のスライド要素(32)との間の前記第1の傾斜軸線(A1)を9:1よりも大きい比率で分割する、
構成11又は12に記載のデバイス。
[構成14]
更に、
前記デバイスを前記動作状態とブロック状態との間で切り替えるためのブロック機構(14)、
を備え、
前記ブロック状態において、前記マウント(3)は、前記フレーム(1)に対する前記アンテナアセンブリ(2)の鉛直変位及び傾斜をブロックする、
構成1から13までのいずれか1に記載のデバイス。
[構成15]
前記ブロック機構(14)は、前記アンテナアセンブリ(2)を前記フレーム(1)に対して、上方位置において、特に前記グラウンド支持体(12)の底面レベルから最大距離において、ブロックするように構成される。
構成14に記載のデバイス。
[構成16]
前記ブロック機構(14)は、前記アンテナアセンブリ(2)を前記フレーム(1)に対して上昇させるためのケーブル、特にBowdenケーブル、を備え、
特に、前記ケーブルは、レバー又はターンスイッチによって操作可能である、
構成14又は15に記載のデバイス。
[構成17]
更に、
前記アンテナアセンブリ(2)の前記フレーム(1)に対する又は重力方向に対する傾斜、特に2つの、特に水平の、軸線(A1、A2)の周りの傾斜、を測定するように構成された角度センサ(15)、
を備え、
特に、前記デバイスの制御ユニットは、前記角度センサ(15)から傾斜データを受信するように、かつ、前記傾斜データを前記レーダアンテナ(21)からの対応するレーダデータと共に保存すること及びこれらを送信することの少なくとも1つを行うように、構成されている、
構成1から16までのいずれか1に記載のデバイス。
[構成18]
更に、
前記フレーム(1)に取り付けられて前記デバイスの位置を測定するように構成された、測位ユニット(15)、特にGNSSユニット、
を備え、
特に、前記デバイスの制御ユニットは、前記測位センサ(15)から位置データを受信するように、かつ、前記位置データを前記レーダアンテナ(21)からの対応するレーダデータと共に保存すること及びこれらを送信することの少なくとも1つを行うように、構成されている、
構成1から17までのいずれか1に記載のデバイス。
[構成19]
前記マウント(3)は、前記アンテナアセンブリ(2)から上方向に延びており、
前記フレーム(1)は、前記アンテナアセンブリ(2)の上方に位置しており、
特に、前記アンテナアセンブリ(2)及び前記マウント(3)は、前記フレーム(1)から吊り下げられている、
構成1から18までのいずれか1に記載のデバイス。
[構成20]
前記アンテナアセンブリ(2)は、平坦な底表面(22)を有しており、
特に、前記平坦な底表面(22)は、少なくとも1つの、特に少なくとも2つの、水平方向に、少なくとも10cm拡がっている、
構成1から19までのいずれか1に記載のデバイス。