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特許7455299シート状甘味料及びそれに用いられるスプーン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】シート状甘味料及びそれに用いられるスプーン
(51)【国際特許分類】
   A47G 21/04 20060101AFI20240318BHJP
   A47G 21/00 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
A47G21/04 Z
A47G21/00 V
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022045672
(22)【出願日】2022-03-22
(62)【分割の表示】P 2018081698の分割
【原出願日】2018-04-20
(65)【公開番号】P2022087127
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2022-03-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520172661
【氏名又は名称】合同会社Folium Floris TAKARAZUKA
(74)【代理人】
【識別番号】100109014
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 充
(72)【発明者】
【氏名】福室 文美
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-016036(JP,A)
【文献】実開昭60-146471(JP,U)
【文献】登録実用新案第3187964(JP,U)
【文献】登録実用新案第3164335(JP,U)
【文献】実開昭63-066975(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 21/00 - 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の柄と、
前記柄の一方端に設けられた平面形状のつぼと、
を備え、シート状のシート状甘味料を前記つぼ上に乗せて飲料に浮かべるためのスプーンであって、
前記柄の軸の方向と、前記つぼの平面とのなす角度が60度~88度であり、
前記つぼの表面の形状が平板状であることを特徴とするスプーン。
【請求項2】
請求項1に記載のスプーンであって、
前記柄の他方端に接続する棒状の柄尻、
をさらに備えたスプーンであって、
前記柄尻は、前記柄に対して、前記柄の軸の方向と、前記柄尻の軸の方向とが所定の角度をなすように折り曲げられて接続しており、
前記柄尻は、前記柄に対して、前記つぼとは反対方向に折り曲げられて
おり、
前記柄尻と前記柄とのなす角度が、前記柄の軸の方向と、前記つぼの平面とのなす角度のプラスマイナス2度の範囲内であることを特徴とするスプーン。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1項に記載のスプーンであって、
前記つぼに1個又は2個以上の孔が設けられており、前記つぼ上に乗せた前記シート状甘味料を飲料とをより早く接触させることが可能なことを特徴とするスプーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状甘味料に関する。特に、紅茶等の飲料の水面上に浮かべて徐々に飲料中に溶解させる甘味料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紅茶等の甘味料として角砂糖が広く利用されている。また、紅茶等をより楽しむために様々な美しい形状をした角砂糖も広く利用されている。しかしながら、この角砂糖は、水より密度が大きく、すぐに沈んでしまう。したがって、折角美しい形状の角砂糖を利用しても、その形状を長く楽しむことは困難である。
【0003】
そこで、本願発明者は、飲料の水面上に浮かべることができる砂糖(甘味料)(フローティングシュガー(登録商標))を鋭意研究の上、開発するに至った。特に、丈夫で破損しにくい甘味料を完成させることができ、その技術内容について、既に特許出願(特願2016-058415号)を行い、特許を取得している(特許登録第6117962号)。
【0004】
本願発明者が発明した甘味料(商品名:フローティングシュガー(商標))は、シート状の形状をなしており、主として表面張力によって飲料の水面上に浮かべることができる。その後、徐々に飲料中に溶解していき、溶解しきるまでのひととき、フローティングシュガーの形状を楽しむことができる。したがって、ティータイムをより楽しいひとときとすることが可能であった。
【0005】
先行特許文献
下記特許文献1には、球形に形成したシュガーボールが開示されている。従って、スプーンで掬いやすく、摩擦による砂糖の無駄をなくすことができると記載されている。
下記特許文献2には、固形砂糖を型崩れすることなく押し出せる固形砂糖の成型方法が開示されている。この特許文献2に係る方法によれば、多数の固形砂糖を効率よく成型できると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-335901号公報
【文献】特開2001-8700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明者が発明したフローティングシュガーのように、従来のシート状の甘味料(以下、シート状甘味料と称する)は、シート状をなしているので表面張力によって、飲料の水面上に浮かべることができる。しかし、実際に水面上に浮かべるためには、利用者が、シート状の甘味料を水平に把持し、その水平状態を維持したまま、滑らかに水面上にシート状の甘味料を浮かべることが望ましい。乱暴に水面上に投入することや、斜めに入水させた場合等は、そのまま沈んでしまう場合もある。
【0008】
また、例えば、利用者が手でシート状甘味料の水平状態を維持するように把持して、飲料の水面の直上まで持っていき、そこから手を放して落下させることが考えられる。この手法を採用する場合は、利用者の慎重な作業が要求されることになる。ここで、飲料の水面から遠い位置からシート状甘味料を放したのでは、シート状甘味料が水面上ではねてしまうことも考えられ、飲料の飛沫が周囲に飛び散ることも想定される。さらに、シート状甘味料が水面上ではねない場合でも、シート状甘味料が勢いでそのまま飲料中に沈降してしまうことも考えられる。
【0009】
一方、シート状の甘味料を飲料の水面上に浮かべるためには、人間の「手」ではなく、スプーン(特に、ティースプーン)を利用して入水させることも考えられる。スプーンの先端のいわゆる「つぼ」の部位にシート状甘味料を載置し、そのまま、シート状甘味料の水平を維持したまま(スプーンの角度を変えずに)飲料中に入れるのである。しかし、従来のスプーンは、柄の部分と、つぼの部分がほぼ平行であるので、シート状甘味料の水平を維持したまま(スプーンの角度を変えずに)飲料中に入れることは困難な場合もあった。なお、「つぼ」は、スプーンの食品を掬う部位であり、「掬い部」と称する場合もある。
【0010】
従来の一般的なスプーンは、「柄」の部分と、「つぼ」の部分とが、ほぼ一直線上になるように構成されている。
【0011】
従来の一般的な形状のスプーンを用いてフローティングシュガーを飲料の水面上に浮かべることも考えられた。利用者の手によって飲料に投入されるより、より静かにフローティングシュガーを飲料中に投入することができると考えられるからである。従来も、角砂糖を、一度スプーンのつぼ上に載せてから紅茶に投入すること等が実際に行われている。
【0012】
しかし、従来の形状のスプーンは、柄とつぼとがほぼ平行であるため、つぼ上に載置したフローティングシュガーを、その水平性を維持したまま、つまりスプーンの角度を変えず(つぼ6の水平性を維持したまま)に、飲料中に投入しようとすると、柄の部分も飲料に非常に近づいてしまう。または、柄の部分もつぼと同様に飲料中に入れる必要がある場合もある。
実際には、飲料の器(例えばティーカップ)があるため、柄の部分が、器の縁に衝突し、シート状甘味料を載置したままつぼを飲料「中」に入れることは、困難である場合も多い。
そのためスプーンを用いる場合も、結局は、シート状甘味料を飲料の水面の上空から落下させるか、スプーンを傾けて(シート状甘味料を斜めにして)飲料中に投入するか、のいずれかの手法を取らざるを得ない場合も多い。
【0013】
このように、従来のシート状甘味料は、飲料の水面上に浮揚させるための動作に一定の正確性が要求されるので、小さい子供やお年寄りには使いにくい面があった。また、スプーンの用いる場合も、シート状甘味料の水平を維持したまま、飲料中に投入することは困難である場合も多かった。
【0014】
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであり、その目的は、飲料の水面上で、より一層浮きやすい甘味料を提供し、従来と比べて容易に飲料の水面上に浮かべることができる甘味料を実現することである。
また、本発明は、かかる課題を解決するために、シート状甘味料を飲料の水面上に従来と比べて容易に浮かべることができるスプーンを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)本発明は、上記課題を解決するために、飲料の水面上に浮揚させることができるシート状の甘味料であって、前記水面上に浮揚させた場合に、前記飲料に接する裏面に凹部が設けられていることを特徴とするシート状甘味料である。
【0016】
(2)本発明は、上記課題を解決するために、飲料の水面上に浮揚させることができるシート状の甘味料であって、前記水面上に浮揚させた場合に、前記飲料には接しない表面に凹部が設けられていることを特徴とするシート状甘味料である。
【0017】
(3)本発明は、上記課題を解決するために、飲料の水面上に浮揚させることができるシート状の甘味料であって、前記シート状の甘味料の縁部を、前記水面上に浮揚させた場合に、前記飲料には接しない表面方向に、所定角度曲げてあることと特徴とするシート状甘味料。
【0018】
(4)また、本発明は、上記(3)記載のシート状甘味料において、前記所定角度は、5度以上85度以下であることを特徴とするシート状甘味料である。
【0019】
(5)また、本発明は、上記(3)記載のシート状甘味料において、前記所定角度は、30度以上60度以下であることを特徴とするシート状甘味料である。
【0020】
(6)本発明は、上記課題を解決するために、飲料の水面上に浮揚させることができるシート状の甘味料であって、前記シート状の甘味料の縁部に、前記シート状甘味料の前記シート形状と垂直方向に伸展する壁部が設けられていることを特徴とするシート状甘味料。
【0021】
(7)本発明は、上記課題を解決するために、柄と、前記柄の一方端に設けられたつぼと、を備えたスプーンであって、前記柄の軸の方向と、前記つぼの平面とのなす角度が60度~88度であることを特徴とするスプーンである。
【0022】
(8)また、本発明は、(7)に記載のスプーンであって、前記柄の他方端に接続する柄尻、をさらに備えたスプーンであって、前記柄尻は、前記柄に対して、前記柄の軸の方向と、前記柄尻の軸の方向とが所定の角度をなすように折り曲げられて接続しており、前記柄尻は、前記柄に対して、前記つぼとは反対方向に折り曲げられていることを特徴とするスプーンである。
【0023】
(9)また、本発明は、(8)に記載のスプーンであって、前記つぼに、1個または2個以上の孔が設けられていることを特徴とするスプーンである。
【発明の効果】
【0024】
このように、本発明によれば、従来と比較して、飲料の水面上に浮きやすいシート状甘味料を得ることができ、以て、取り扱いが容易なシート状甘味料を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態1(2)に係るシート状甘味料の形状を表す説明図である。
図2】本実施形態1(2)に係るシート状甘味料の形状を表す説明図である。
図3】本実施形態1(2)に係るシート状甘味料の断面図である。
図4】本実施形態1(2)に係るシート状甘味料の断面図である。
図5】本実施形態3に係るシート状甘味料の断面図である。
図6】本実施形態3に係るシート状甘味料の縁部を所定の型を用いて折り曲げる様子を示す説明図である。
図7】本実施形態4に係るシート状甘味料の断面図である。
図8】本実施形態4に係るシート状甘味料の断面図である。
図9】本実施形態7に係るスプーンの形状を説明する説明図である。
図10】本実施形態7に係るスプーンの形状及び表面の装飾を示す説明図である。
図11】本実施形態8に係るスプーンのつぼの孔の様子を示す写真である。
図12】穴が開けられている様子を示す他の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施形態に係るシート状甘味料の形状や製造方法を図面に基づき説明する。
【0027】
実施形態1.凹部を設けたシート状甘味料
本実施形態1に係るシート状甘味料は、所定の成分のシュガーペーストを利用して作成する。そのシュガーペーストを平板状に形成し、乾燥させて、最終的なシート状甘味料を形成する。
【0028】
利用するシュガーペーストとしては、特願2016-058415号に記載された成分を利用してよいし、他の成分でもよい。本実施形態1では、シュガーペーストとして、特願2016-058415号に記載されている成分を使用する例を説明するが、他の成分でもよい。
【0029】
例えば、粉砂糖(グラニュー糖を粉砕し細粒化した砂糖)、シロップ、コーンスターチ、水、CMC(カルボキシメチルセルロース)、蜂蜜、等を含むシュガーペーストを用いてよい。また、適宜他の成分、例えば、グリセリンやパーム油を含めてもよい。
【0030】
このような成分からなるシュガーペーストを、本実施形態1では利用するが、他の組成のペーストを用いてもよく、従来から知られているシュガーペーストであってもよい。このようなシュガーペーストを所定の型に入れて、乾燥させて、シート状甘味料を形成する。
【0031】
得られたシート状甘味料の形状が図1図4に示されている。
図1に示すように、本実施形態で示すシート状甘味料10は、平面形状が円形のシート状に形成されている。また、ここでは、飲料の水面上に浮かべた(浮揚させた)際に、飲料に接する側を裏面10bと呼び、飲料に接しないで、外部から観察することができる面を表面10aと呼ぶ。表面10aは、飲料の水面上にシート状甘味料10を浮かべたときに外部から観察されるため、美しい模様等が施されていてもよい。例えば図1では、太陽形の模様が描かれているが、どのような模様でもよいし、また模様はなくてもよい。
【0032】
図1は、表面10a側からシート状甘味料10を見た斜視図であるが、裏面12b側から見た斜視図が図2に示されている。この図に示すように、裏面には窪み12a、12b、12c、12dが設けられている。また、図2のIII-III’に係る断面図が図3に示されている。この図3によれば、窪み12c、12dの形状が概ね「お椀型」「レンズ型」に窪んでいることが理解されよう。
【0033】
本実施形態1のシート状甘味料10において特徴的な点は、裏面10bに、窪み12a、12b、12c、12dが設けられている点である。このような窪み12が裏面10bに設けられていることによって、飲料の水面上にシート状甘味料10を浮かべる際にこの窪み12に空気がたまり、したがって浮力が増大するのである。
【0034】
従来のシート状甘味料がいわゆる表面張力で浮いているのに対して、本実施形態1のシート状甘味料によれば、裏面10bの窪み12にたまった空気によって強い浮力を得ることができ、より浮きやすいシート状甘味料10を得ることができる。したがって、シート状甘味料10の利用者は、シート状甘味料10を飲料の水面上に注意して静かに投入しなくても、容易に水面上にシート状甘味料10を浮かせることができる。
【0035】
例えば、窪み12を裏面10bに十分設ければ、数cm高いところから、水面に落下させてもシート状甘味料10を浮かせることができる場合もあることが、本願発明者の実験によって確認された。
【0036】
窪みの数、大きさ
窪み12の個数や大きさは、種々のものを選択することができる。大きな窪み12を数少なく設けてもよいし、小さい窪み12を数多く設けてもよい。一般的には小さい窪み12を数多く設けた方が、空気が逃げにくく、静かな浮かべ方でなくても、飲料の水面上に浮く可能性が高い。しかし、あまり小さすぎても、窪み12と窪み12との間のある程度の厚みの壁が必要になることから、それほど浮力の向上は期待できない場合もある。そのため、概ね、窪み12としては直径1mmを超える程度の大きさが好ましい。
【0037】
窪み12の他の形態
図1図3では、お椀型、レンズ型の窪み12を説明した。しかし、空気を蓄えることができれば、まっすぐに掘った垂直穴14のようなものを、窪み12の代わりに設けてもよい。このような垂直穴14を裏面10bに設けた例が図4に示されている。図4は、垂直な壁を備えた「穴」である垂直穴14c、14dが設けられた場合のシート状甘味料10の断面図であり、窪み12の図3に対応する図である。垂直穴14cが設けられている場合の斜視図は、図1図2と同様である。つまり、図4で示す垂直穴14の断面形状は、窪み12と同様に円形である。
【0038】
さらに他の形態
これまで説明した実施形態1では、シート状甘味料10の裏面10bに1個又はそれ以上の個数の窪み12や、垂直穴14を設けているが、これらは請求の範囲の凹部の好適な例である。窪み12や、垂直穴14の他、断面が矩形や楕円形の凹部でもよい。また、深さも自由に設定できるし、1個の凹部において、深さを段階的に変化させてもよい。また、個数も1個でもよいし、多数設けてもよい。断面形状を複数種設けてもよいし、複数種類の深さの穴を設けてもよい。また、窪み12や、垂直穴14は、模様や装飾としてもよい。例えば、花や、自然物等をモチーフにした模様の形であってもよい。いずれの形態でも、請求の範囲の凹部の例に該当する。
【0039】
窪み12や垂直穴14の設け方
シート状甘味料10に窪み12や垂直穴14を設ける手法は特に限定はなく、どのような方法でもよい。例えば、シリコン等の型を用いて、シート状甘味料10の外形を形成すると共に、窪み12や垂直穴14を形成されるような型を作成し、用いることも好適である。裏面10bにのみ窪み12や垂直穴14を形成する場合は、そのような型を、例えばシリコン等で作成することが好適である。また、裏面10b及び表面10aに、窪み12や垂直穴14を形成する場合は、表面10a用の型と、裏面10b用の型を作成し、シュガーペーストをそのような型で挟み込むようにして形成することも好適である。
【0040】
また、一旦、凹凸のない平板状にシート状甘味料10を形成してから、乾燥する前のまだ柔らかいうちに所定の型をシート状甘味料10に押しつけるようにして、窪み12や垂直穴14を表面10aや裏面10bに形成してもよい。
【0041】
また、一旦、凹凸のない平板状にシート状甘味料10を形成してから、所定の治具で、表面10aや裏面10bを削ることによって、窪み12や垂直穴14を形成してもよい。この作業は、削る作業を円滑に実行するために、ある程度乾燥して(又は完全に乾燥して)固化してから行ってもよい。
【0042】
治具は、シュガーペーストの形状を削って調整するための治具であればどのような形状でもよい。「へら」のような形状やスプーンのような形状でもよい。また、表面10aや裏面10bを削るためのナイフや彫刻刀(切削用バイト)のような形状のものでもよい。また、治具は、人間が手作業で操作するための治具でもよいが、工作機械で加工するための治具でもよい。
【0043】
実施形態2.凹部を表面及び裏面に設けた構成
上記実施形態1においては、窪み12や垂直穴14を裏面10bに設けた構成を説明した。しかし、裏面10bだけでなく、表面10aにも(つまり両面に)設けてもよい。
【0044】
実施形態3.縁を曲げた構成
実施形態3においては、シート状甘味料20の縁部22を表面方向に折り曲げて、浮力を増加させる構成を説明する。
【0045】
図5には、このような構成のシート状甘味料20の断面図が描かれている。この図に示すように、シート状甘味料20の縁部22が表面20a側に所定角度で折り曲げられている。このように、縁部22を表面20a方向に折り曲げることによって、いわゆる船のように内部が空洞の形状(舟形)とすることができ、飲料の水面上に浮かべる際の浮力を増加させることができる。
【0046】
なお、シート状甘味料20の表面20aは、シート状甘味料20を飲料の水面上に浮かべた際、飲料に触れない側を言い、裏面20bは、シート状甘味料20を飲料の水面上に浮かべた際に飲料に触れる側を言う。
【0047】
折り曲げる角度としては、5度程度(5度以上)から~85度程度(85度以下)が好ましい。5度未満では、舟形の効果が十分に得られない場合もある。また、85度超の場合は、ほぼ垂直に近いので、シート状甘味料20が割れてしまいやすく、加工が難しいからである。85度超の場合は、むしろ後述する実施形態4で説明するリブ(壁部)の如き構成の方が作りやすいと考えられる。
【0048】
特に、作成しやすさを考慮すると、30度以上~60度以下程度が好ましい。この範囲であれば、舟形形状としての浮力の増加が十分期待でき、また、折り曲げる加工も比較的容易だからである。
【0049】
折り曲げる縁部22の量(長さ)は、どのような長さでもよい。2mm程度から~10mm程度が好ましいが、もっと長い部分を折り曲げてもよい。折り曲げる量(長さ)が短すぎると、折り曲げることが困難になり、また、折り曲げる量(長さ)が長すぎる場合は、飲料の水面上で安定して浮かない場合も考えられる。
【0050】
なお、シート状甘味料20の平面形状はどのような形状でもよい。図1のように円形でもよいし、矩形でもよい。また、シート状甘味料20の平面形状は、船のような長い楕円の形状でもよいし、笹の葉のような形状も趣があってよい。
【0051】
縁部22の折り曲げ方
縁部22を折り曲げる方法は、どのような方法でもよい。所定の角度に折り曲げた治具を用いて、シート状甘味料20の縁をその治具で折り曲げていくことも好適である。また、人間が手作業で、折り曲げていってもよい。
【0052】
また、シート状甘味料20の全体形状を構成する際に、所定の角度で縁部22が形成されるような型を用いて、シート状甘味料20を形成してもよい。
【0053】
また、シート状甘味料22を、その縁部22が表面20側に9所定角度で折り曲げられた形状となるように、凹部や凸部を有する型を用いることも好適である。このような型の一例が図6に示されている。図6に示すように、シート状甘味料20の表面20a側の型24aと、裏面20b側の型24bとで、シュガーペーストを挟み込むようにして形成すれば、縁部22が所定角度で折曲がった形状のシート状甘味料20が形成される。図6に示すように、型24は凸部を有する型であり、型24bは、その凸部と勘合するような凹部を備えた型である。これらの型24a、24bは、種々の材料で構成してよい。例えば、シリコンで構成してもよいし、木、金属、所定の種類のプラスチックで構成してもよい。
【0054】
このように、実施形態3によれば、縁部22を表面20a側の折り曲げた構成を採用しているので、シート状甘味料20をいわば舟形にすることによって浮力を増加させることができる。その結果、シート状甘味料20を、飲料の水面上に注意して静かに投入しなくても、水面上に容易に浮かせることができる。すなわち、扱いやすいシート状甘味料20を提供することができる。
【0055】
実施形態4.縁部にリブ(壁部)を設けた構成
本実施形態4に係るシート状甘味料30は、その縁部32にリブ34が設けられていることを特徴とする。このリブ34の存在によって、シート状甘味料30の浮力を増加させることができる。
【0056】
図7には、このような構成のシート状甘味料300の断面図が描かれている。この図に示すように、シート状甘味料30の縁部32に、その表面30a側に向かって、リブ34が伸展している。このように、縁部32にリブ34が設けられていることによって、シート状甘味料30をいわゆる船の形状(舟形)とすることができ、飲料の水面上に浮かべる際の浮力を増加させることができる。
【0057】
なお、シート状甘味料30の表面30aは、シート状甘味料30を飲料の水面上に浮かべた際、飲料に触れない側を言い、裏面30bは、シート状甘味料30を飲料の水面上に浮かべた際に飲料に触れる側を言う(図7)。
【0058】
このリブ34は、いうなれば壁部であり、請求の範囲の「壁部」の好適な一例に想到する。リブ34の高さ(量)としては、シート状甘味料30の厚みの0.5倍以上~1.5倍以下程度が好ましい。特に、シート状甘味料の厚みと同程度の高さ(量)であれば、作りやすく、かつ、浮力も十分得られやすいことが実験の結果判明した。
【0059】
リブ34の高さ(量)が、シート状甘味料30の厚みの0.5倍未満の場合は、浮力が十分ではないか、飲料の水面に浮かべる際に、飲料が壁部34を越えて入ってくる可能性が高く、結果として浮力が十分得られない場合もあった。
また、リブ34の高さ(量)が、シート状甘味料30の厚みの1.5倍超の場合は、リブ34が高く、運搬中に欠けやすくなる。その結果、リブ34が欠けた箇所から飲料が入っている場合もあり、また、見た目がスマートではなくなる。さらに、リブ34の高さ(量)が、シート状甘味料30の厚みの1.5倍を超える場合は、シート状甘味料30の作成がしにくくなる場合もある。例えば、そのような高いリブ34を形成するための型を用いる場合は、その型からシート状甘味料30を抜く際に、割れや欠けが生じる場合もあり、その結果、商品価値が下がってしまう場合もあった。
【0060】
リブ34の幅(シート状甘味料30を表面30aと垂直な方向からみた場合の平面図におけるリブ34の幅)は、どのような長さでもよい。概ね、この幅も高さと同様にシート状甘味料30の厚みと同程度が好ましいが、シート状甘味料30の厚みの概ね0.5倍以上であれば割れにくいので良好である。
なお、シート状甘味料300の平面形状は、これまでの実施形態1~3と同様に、どのような形状でもよい。図1のように円形でもよいし、矩形でもよいし、楕円や星形でもよい。
【0061】
このように、本実施形態3によれば、リブ34を、縁部32から表面30a側に伸展するように設けた。これによって、実施形態3と同様に、シート状甘味料30を、いわゆる舟形(船のように内部が空洞の形状)にすることができ、浮力を増加させることができる。その結果、シート状甘味料30を、飲料の水面上に注意して静かに投入しなくても、水面上に容易に浮かせることができる。すなわち、取り扱いの容易なシート状甘味料30を提供することができる。
【0062】
裏面30b側にリブを設ける
図7においては、リブ34を、縁部32から、表面30a方向に伸展させる構成を示した。しかし、リブ34を、縁部32から、裏面30b方向に伸展させることもできる。そのようなリブ34を縁部32から裏面30b方向に伸展させた場合のシート状甘味料40の断面図が図8に示されている。図8に示すように、このシート状甘味料40は、裏面30b側にリブ34が設けられているので、飲料の水面上に浮かべた場合、裏面30b側に空気が溜まることになる。その結果、実施形態1で説明した窪み12等と同様の効果が得られ、浮力が増加したシート状甘味料40が得られる。
【0063】
表面30aと裏面30bの両面にリブを設ける
図8では、裏面30bにリブ34を設け、図7では表面30aにリブ34を設ける構成を説明したが、両面にリブ34を設けてもよい。
【0064】
実施形態5.組み合わせ変形例
上述した実施形態1又は実施形態2は、明らかに、実施形態3又は実施形態4と組み合わせて実施することができることは、容易に理解されよう。
【0065】
実施形態6.他の用途
本実施形態1~5で説明した各形態のシート状甘味料は、飲料の水面上で浮揚させるような使用形態を前提としているが、他の使用形態に供することも可能である。
【0066】
実施形態7.スプーン
本実施形態7においては、シート状甘味料を飲料に浮かべやすいスプーンについて説明する。
【0067】
従来の技術で説明したように、従来のスプーンは、柄4とつぼ6とがほぼ平行、または10度~15度程度の角度をつけて取り付けられていた。このような形態の場合、シート状甘味料を乗せたつぼ6を飲料の水面と平行に維持したまま(シート状甘味料を水平に維持したまま)、つぼ6を飲料の水面に近づければ、柄4が飲料の器の縁に衝突する可能性が高かった。
【0068】
そこで、本実施形態では、柄とつぼとが、平行ではなく、60度~88度程度の角度を持つように形成されているスプーンを作成した。このような角度を持たせて柄54とつぼ56とが形成されているスプーンの様子が図9に示されている。図9においては、本実施形態7に係るスプーン50の形状(外観形状)のみが示されている。特に、図9においては、柄54とつぼ56との角度を把握しやすいように、模様等は省略して図示されていない。
【0069】
図9では、柄54の一方端に、つぼ56が設けられ、柄54の他方端に柄尻58が設けられている構成が示されているが、柄尻58については、実施形態7Aで後述する。
図9に示すように、スプーン50の「柄」54と、食品等を乗せる「つぼ」56とは平行(角度0度)ではなく70度程度で交差するように形成されている。より正確に言えば、柄54の長手方向の軸(の方向)と、つぼ56の平面とのなす角度が70度、またはおよそ70度程度で交差するように形成されている(設けられている)。この角度は、本文では単に柄54とつぼ56とのなす角度のように記述する場合もある。
【0070】
柄54の軸の方向と、つぼ56の平面
柄54はおよそ棒状をなしているので、その棒の伸びる方向を、柄54の軸の方向とすることができる。また、つぼ56はおよそ平面形状をしているので、その平面形状の平面を、つぼ56の平面とすることができる。つぼ56は凹面を形成しており、凹面が深い場合、つぼ56の平面を認定しにくい場合もあるが、例えば、そのつぼ56でシート状甘味料を水平に支持した場合のその水平面が、そのつぼ56の平面であると認定してよい。
このようにして、柄54の軸(の方向)とつぼ56の平面とのなす角度とは、柄54の軸の方向ベクトルと、つぼ56の平面とのなす角度である。
【0071】
このように概ね70度程度の角度で、柄54とつぼ56とが接続するように形成されていれば、シート状甘味料をつぼ56に乗せて、飲料の水面上に容易に(柄54が器の縁に接触・衝突せずに)浮かせることができることが判明した。この角度は、飲料の器の大きさ、直径、飲料の水面と器の縁の位置等、にも依存するが、概ね60度~88度の角度範囲であれば、シート状甘味料を好適に飲料の水面上に浮かべることができた。
つまり、このような角度を設けて柄54とつぼ56とが接続するように形成すれば、つぼ54を(その上にあるシート状甘味料とともに)飲料の水面につけても、柄54が、飲料の器(例えば、ティーカップ、紅茶カップ、コーヒーカップ等)の縁と衝突(接触)することを回避できる可能性が高いことが、実験的に確認できたものである。
【0072】
図9の例では、角度として70度の例を示したが、概ね60度から88度程度であればよい。また、特に65~80度の角度範囲がより一層好ましいことが確認された。また、紅茶等の通常のティーカップであれば上述した70度近傍がさらにより一層好ましいことが実験的に確認された。市販されているさまざまなサイズ・形状のティーカップで試験したところ、適切で好ましいと思われる角度は、この70度を中心として、概ね68度~72度の範囲(プラスマイナス2度の範囲)に収まることが判明した。
【0073】
実施形態7A スプーンの柄の端部(柄尻)の角度
図9の例では、スプーン50の柄54の端部近辺(柄54の他方端)に柄尻58が設けられている。そして、この柄尻58が、柄54に対してつぼ56と反対側に折り曲げられるように形成されている。このように柄尻58を形成する(設けている)ことによって、より持ちやすい柄54を実現することができる。
【0074】
本実施形態7においては、柄54とつぼ56とが角度60度~88度程度となるように形成されているので、つぼ56の上にシート状甘味料を乗せたまま、飲料の水面につぼ56をつけた(接した)場合や、飲料中に沈めた場合でも、柄54が飲料の器に衝突する可能性を少なくすることができる。しかし、この結果、スプーン50の柄54が垂直方向により「立った」状態で使用されることになり、柄54を持つ手から柄54が滑り落ちやすい場合も想定される。そこで、図9に示す例では、柄54の端部である柄尻58(柄54の他方端に設けられた柄尻58)を、柄54に対して、つぼ56が取り付けられている方向とは反対の方向に折り曲げるように形成している(接続している)。その結果、その柄尻58が、利用者の手に当接して、柄56が手から滑り落ちることを防止する効果が得られる。
【0075】
なお、柄尻58と柄54とがなす角度は任意の角度でよいが、好ましくはつぼ56と柄54とがなす角度と同じ角度、又は、概ね同様の角度となるように形成することが好ましい。
なお、同様の角度とは、所定の角度とプラスマイナス2度程度の範囲内であるときを、同様の角度と呼んでよい。例えば、つぼ56と柄54とが70度で接続している場合(つぼ56と柄54とがなす角度が70度である場合)、柄尻58と柄54とがなす角度が概ね68度~72度であれば、同様の角度としてよい。
柄尻58も柄54も、概ね棒状をしているので、それらの軸の方向を認定することは容易である。すなわち、柄尻58と柄54とがなす角度とは、柄尻58の軸の方向ベクトルと、柄54の軸の方向ベクトルとのなす角度である。
【0076】
なお、この角度は、概ね60度から88度程度が好ましいことは上述した通りである。また、特に65~80度の角度範囲がより一層好ましい。また、紅茶等の通常のティーカップであれば上述した例で示した70度近傍がさらに好ましいことは上で説明した通りである。
柄54と柄尻58とがなす角度が、柄54とつぼ56とがなす角度と概ね同様の角度としたのは、つぼ56を水平にすれば、柄尻58も水平となり、比較的持ちやすくなると考えられるからである。なお、このように、柄尻58と柄54とのなす角度を、つぼ56と柄54とのなす角度と概ね同様の角度とした場合、柄尻58と柄54とのなす角度も、概ね60度~88度が好ましい角度範囲となる。
【0077】
実施形態7B つぼ56の表面の形状
本実施形態7Bでは、上述したスプーン50に関して、そのつぼ56の表面形状に関して工夫を行っている。従来のスプーンのつぼ6は、浅い皿状の形状をしていることが多く、本実施形態に係るスプーン50でも、そのような形状のつぼ56を採用することもできる。
【0078】
本実施形態7Bでは、例えば、図10に示すように、ほぼ花びら状の平面形状を有するつぼ56cを採用してよい。従来と同様に、浅い皿状でもよいし、より凹部の深さが小さい平板状でもよい。
【0079】
図10で示す花びら状のつぼ56cは、例えば、バラやボタン等の多弁型の花を模したものであるが、花弁がより多い八重桜等の形状でもよいし、花弁がより少ない花の形状でもよい。また、花びらが融合した合弁花冠でもよいし、花びらがそれぞれ離隔している離弁花冠でもよい。
【0080】
特に、図10に示す例では、花びらを立体的に彫刻して構成している。この結果、つぼ56c上に置いたシート状甘味料が滑ることなく、確実に支持することができる。つぼ56cの花びら状の立体的な彫刻は、例えば鋳造(鋳物)で形成してよいし、また切削加工で彫刻してもよい。
【0081】
図10には、スプーン50の平面図が4種示されている(スプーン50i、50j、50k、50l)。この平面図は、図9における方向Aから見た平面図である。このように、図10に示すスプーン50のつぼ56cは、いずれも離弁花冠を模しており、一つ一つの花びらを立体的に形成している。この結果、例えば、シート状甘味料を滑ることなく載せるのに適している。
【0082】
4種のスプーン50i、50j、50k、50lは、つぼ56cの形状としては同様であるが、柄54に施されている(に設けられている)模様が異なる。このようにスプーン50(50i、50j、50k、50l)の柄54には種々の模様を装飾として施してよい。模様は、刻印として付してもよいし、所定の顔料等を焼き付けてもよい。また、印刷等の技術で模様を付してもよい。
【0083】
実施形態7、7A、7B まとめ
以上説明したように、本実施形態7では、つぼ56の部分を、柄54に対してより急峻な角度で曲げた構成のスプーン50を提案した。このような形状によれば、シート状甘味料を、飲料の水面上に置く場合でも、柄54が飲料の容器(例えば、紅茶カップ)の縁に接触してしまう恐れを小さくすることができる。
【0084】
さらに、柄尻58の部分を、つぼ56とは反対の方向に折り曲げて形成すれば、利用者の指が柄尻58部分に係ることによって、スプーン50をより確実に支持することができる。
【0085】
さらに、スプーン50のつぼ56の平面形状を、載せるシート状甘味料の形状に合わせて円形やスコップ形状等に形成することも好適である。またさらに、スプーン50のつぼ56に立体的な模様を施せば、載せたシート状甘味料が滑ってしまうことを防止することができ、シート状甘味料をよりしっかりと支持することができる。
【0086】
実施形態8 つぼに孔が設けられたスプーン
本実施形態8では、つぼ56に孔60が設けられたスプーン50の構成を説明する。本実施形態8に係るスプーン50mの写真が図11に示されている。この図に示すように、スプーン50mのつぼ56dには、孔60(60a、60b)が設けられている。
【0087】
このような構成によって、スプーン50mのつぼ56d上にシート状甘味料を載置して飲料中に投入した場合、孔60を通じて、飲料がつぼ56dの上面、すなわちシート状甘味料の下面に容易に浸入させることができる。したがって、シート状甘味料と飲料とをより早く接触させることができ、シート状甘味料を飲料の水面上により円滑に浮かべることができる。
【0088】
なお、本実施形態8における孔60a、60bは、いわゆる貫通孔を意味し、つぼ56mの表面から裏面に貫通する孔である。このような貫通する孔60a、60bをつぼ56に設けることによって、シート状甘味料と飲料とをより早く接触させることができたものである。
【0089】
また、本実施形態8では、2個の孔60a、60bを設けているが、孔60の個数は1個、又は2個以上でよい。また、孔60の大きさや形状も任意でよい。図11の例では、つぼ56dに花状の装飾(模様)を施し、その花と合わせて孔60a、60bを設けているが、模様とは別に設けてもよいし、模様に沿って孔60を設けてもよい。
【0090】
模様にそって穴60を設けたスプーン50n、50o(オー)の例が図12に示されている。図12に示すスプーン50n、50oは、図12に示すスプーン50i~50l(エル)のように、つぼ56cに彫造で花びらの形状が設けられているスプーンである。
【0091】
スプーン50nは、その花びら模様に沿って孔60c、60d、60eが設けられている。図12では、この孔60c、60d、60eの部分にハッチングが示されている。スプーン50oは、その花びら模様に沿って孔60fが設けられている。図12では、この孔60fの部分にハッチングが示されている。
【0092】
このように、つぼ56cに設けられた立体的な模様に沿って孔60c、60d、60e、60fが設けられているので、模様と孔60c~60fとが一体に構成することができ、スプーン50n、50oの美観を損ねることがない。また、図12に示す例では、花びら模様を彫造すると同時に孔60c、60d、60e、60fを形成することができるので、効率的にスプーンの模様と孔60c~60fとを形成することができる。なお、模様は、つぼ56の上面に設けられていてもよいし、つぼ56の下面に設けられていてもよい。また、つぼ56の両面に設けられていてもよい。
【0093】
まとめ(実施形態全体)
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0094】
2 スプーン
4 柄
6 つぼ
10、20、30、40 シート状甘味料
10a、20a、30a 表面
10b、20b、30b 裏面
12a、12b、12c、12d 窪み
14c、14d 垂直穴
22、32 縁部
24a、24b 型
34 リブ
50、50a、50b、50c、50d スプーン
50e、50f、50g、50h、スプーン
50i、50j、50k、50l、50m、50n、50o スプーン
54 柄
56、56a、56b、56c、56d つぼ
58 柄尻
60、60a、60b、60c、60d、60e、60f 孔
A 矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12