(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】ジルコニア材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
C04B 41/87 20060101AFI20240318BHJP
C01B 25/32 20060101ALI20240318BHJP
C01G 25/00 20060101ALI20240318BHJP
C04B 35/486 20060101ALI20240318BHJP
A61F 2/28 20060101ALI20240318BHJP
A61L 27/10 20060101ALI20240318BHJP
A61L 27/32 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
C04B41/87 A
C01B25/32 P
C01G25/00
C04B35/486
A61F2/28
A61L27/10
A61L27/32
(21)【出願番号】P 2020556170
(86)(22)【出願日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 JP2019044718
(87)【国際公開番号】W WO2020100984
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2018215669
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000240477
【氏名又は名称】Orbray株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】305027401
【氏名又は名称】東京都公立大学法人
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】武藤 光
(72)【発明者】
【氏名】小林 訓史
【審査官】宮脇 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-128335(JP,A)
【文献】特開昭63-201076(JP,A)
【文献】特開昭60-203263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 41/87
C01B 25/32
C01G 25/00
C04B 35/486
A61F 2/28
A61L 27/10
A61L 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水にハイドロキシアパタイト粉末を分散させてスラリーを用意し、
次にスラリーにジルコニアを浸漬し、
ジルコニア上にハイドロキシアパタイトから成る被覆層を形成するジルコニア材料の製造方法において、
スラリーのハイドロキシアパタイト粉末の濃度を1%と
し、かつ
前記ジルコニアを1050℃に加熱し、
次に前記スラリーに前記ジルコニアを浸漬する、ジルコニア材料の製造方法。
【請求項2】
前記被覆層の厚みを0.5μmとする、請求項
1に記載のジルコニア材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジルコニア材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人工骨等の所謂インプラント材料は、生来の骨が欠損した場合に残っている骨に接合され、骨とほぼ同様に使用可能な生体親和性材料である。特にハイドロキシアパタイトは、骨の欠損部の治療に有用である。
【0003】
またジルコニア(二酸化ジルコニウム:ZrO2)等のセラミックスは、化学的な耐久性、強度特性、耐熱性、衛生面での無害性、生体親和性等の諸特性を有する為、生体補強材として人工骨等に使用されている。
【0004】
しかしハイドロキシアパタイトの機械的強度はジルコニアの4分の1~10分の1程度と低く、精密な形状への加工性が悪い為、用途が限定されていた。
【0005】
この様な欠点を解消する為、基材であるジルコニアの表面に、ハイドロキシアパタイトを被覆層として生成させる事が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1は、ジルコニアが示す良好な機械的特性(機械的強度及び加工性)と、ハイドロキシアパタイトが示す生体親和性とを併せ持ち、骨の欠損部を修復する為のセラミックス複合材の提供を目的としている。特にセラミックス上の被覆層を焼結して、セラミックスと被覆層との間の結合強度を増大させる事を特徴としている。
【0007】
また特許文献1では、ジルコニア上にスラリー塗布法及びスラリー加圧含浸法等により、被覆層を形成する製造方法も開示されている。スラリー塗布法及びスラリー加圧含浸法等に於ける原料の粒度は、粒径1μm以下である。その粒径1μm以下の粉末が100%を占める微細粉末を、水或いは有機溶剤に加えて固体分比率50%~70%であるスラリーを用意する。そのスラリーを使用して被覆層を形成後に、100℃~500℃の温度範囲で乾燥させて微細粉末のみの被覆層を形成している。
【0008】
更に被覆層の形成後に、被覆層及びジルコニアを焼結する事で、溶融した被覆層とジルコニアを混合させて混合中間層を形成し、被覆層及びジルコニアの相互と良好な密着性を有する焼結体を生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記の通り、ジルコニアとハイドロキシアパタイトが生体補強材に適用される為には、生来の骨との生体親和性及び接合部分の機械的強度を確保する事が求められる。しかし本出願人が特許文献1のセラミックス複合材を検証したところ、微細粉末の固体分比率が50%~70%のスラリーでは、ハイドロキシアパタイトから成る被覆層の基材からの剥離を招き、生体補強材として機能しない事が判明した。
【0011】
本発明は上記各課題に鑑みて為されたものであり、その目的はハイドロキシアパタイトから成る被覆層と、ジルコニアとの間での剥離が防止され、生体補強材として機能するジルコニア材料が提供可能な、ジルコニア材料の製造方法を実現する事である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題は、以下の本発明により達成される。即ち、本発明のジルコニア材料の製造方法は、水にハイドロキシアパタイト粉末を分散させてスラリーを用意し、次にスラリーにジルコニアを浸漬し、ジルコニア上にハイドロキシアパタイトから成る被覆層を形成するジルコニア材料の製造方法において、スラリーのハイドロキシアパタイト粉末の濃度を1%とする事を特徴とする。
【0013】
また本発明のジルコニア材料の製造方法の一実施形態は、ジルコニアを1050℃に加熱し、次にスラリーにジルコニアを浸漬する事が好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るジルコニア材料の製造方法に依れば、ハイドロキシアパタイトから成る被覆層と、ジルコニアとの間での剥離が防止され、生体補強材として機能するジルコニア材料が提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例に係るジルコニア材料の製造方法により製造された、ジルコニア材料の被覆層表面のSEM写真である。
【
図2】
図1に示すジルコニア材料の被覆層表面を、SBF浸漬12時間後に観察した被覆層表面のSEM写真である。
【
図3】比較例により得られたジルコニア材料の被覆層表面のSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施の形態の第一の特徴は、水にハイドロキシアパタイト粉末を分散させてスラリーを用意し、次にスラリーにジルコニアを浸漬し、ジルコニア上にハイドロキシアパタイトから成る被覆層を形成するジルコニア材料の製造方法において、スラリーのハイドロキシアパタイト粉末の濃度を1%とする事である。
【0017】
第二の特徴は、更にジルコニアを1050℃に加熱し、次にスラリーにジルコニアを浸漬する事である。
【0018】
これらの製造方法に依れば、ハイドロキシアパタイトから成る被覆層と、ジルコニアとの間での剥離が防止され、生体補強材として機能するジルコニア材料が提供可能となる。
【0019】
なお本発明に於いて水とは、イオン交換水である。
【0020】
またジルコニア(二酸化ジルコニウム:ZrO2)とは、焼結された孔の無い緻密体か、又は孔径が10μm以上の複数の孔を有する多孔体を指す。
【0021】
またスラリーのハイドロキシアパタイト粉末の濃度とは、体積パーセント濃度である。
【0022】
スラリーのハイドロキシアパタイト粉末の濃度を1%未満に設定すると、被覆層から骨類似アパタイトを生成するのに、擬似体液(Simulated Body Fluid:SBF)への被覆層の浸漬時間が丸7日以上必要となる。従って、生体活性を有するジルコニア材料の量産性が悪化してしまう事を、本出願人は検証により見出した。
【0023】
一方、スラリーのハイドロキシアパタイト粉末の濃度を1%超に設定すると、ハイドロキシアパタイトから成る被覆層と、ジルコニアとの間で剥離が発生してしまう。従って、被覆層とジルコニア間の機械的強度が不足してしまい、生体補強材として機能するジルコニア材料が提供不可能となる。
【0024】
更に、被覆層から骨類似アパタイトを生成するのに、SBFへの被覆層の浸漬時間が24時間以上必要となる。従って、やはり生体活性を有するジルコニア材料の量産性が悪化してしまう事を、本出願人は検証により見出した。
【0025】
第三の特徴は、更に被覆層の厚みを0.5μmとする事である。
【0026】
この製造方法に依れば前記効果に加えて、ハイドロキシアパタイトから成る被覆層に骨類似アパタイトが形成可能となる。
【0027】
なお本発明に於いて被覆層の厚みとは、被覆層の平面方向での全面に亘る、平均厚みを指す。
【0028】
被覆層の厚みを0.5μm未満及び0.5μm超に設定すると、被覆層から骨類似アパタイトを生成させる為に、SBFへの被覆層の浸漬時間を丸1日以上(24時間以上)設定しなければならない事が、本出願人の検証により判明した。従って生体活性を有するジルコニア材料の量産性が悪化してしまう事を、本出願人は検証により見出した。
【0029】
以下に本発明に係る実施例を説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【実施例】
【0030】
本実施例に係るジルコニア材料の製造方法を、以下に説明する。まず、基材となるジルコニア(二酸化ジルコニウム:ZrO2)と、スラリーを用意する。ジルコニアは、焼結された孔の無い緻密体か、又は孔径が10μm以上の複数の孔を有する多孔体とする。ジルコニアは生体補強材への適用を考慮すると、より高い機械的強度(特に曲げ強度)の確保の点から、イットリア(酸化イットリウム:Y2O3)含有のジルコニアがより好ましい。具体的には、2Yジルコニア(イットリア2mol%含有ジルコニア)、2.5Yジルコニア(イットリア2.5mol%含有ジルコニア)、3Yジルコニア(イットリア3mol%含有ジルコニア)、8Yジルコニア(イットリア8mol%含有ジルコニア)が挙げられる。本実施例ではイットリアを含まず、1350℃~1450℃の温度範囲で2時間焼結させた密度99%の緻密体の多結晶ジルコニアを用意した。
【0031】
一方スラリーとしては、水にハイドロキシアパタイト粉末を分散させた物を用意した。水はイオン交換水とする。粉末原料のハイドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)は、市販品の焼結水酸アパタイトとし、ボールミルで平均粒径が0.1μmとなるように粉砕した。この様な平均粒径0.1μmのハイドロキシアパタイト粉末を100重量部、水に分散させた。分散の際、スラリーのハイドロキシアパタイト粉末の濃度を、体積パーセント濃度で1%に設定した。スラリーには必要に応じて、分散剤、バインダー、増粘剤等を添加しても良いが、本実施例では用いなかった。
【0032】
このスラリーに、ジルコニアの一部表面を接触させて、スラリーにジルコニアを浸漬する。浸漬方法としては、スラリー中へのジルコニアの投入や、ジルコニアの一部表面上へのスラリーの塗布でも良い。本実施例ではスラリーの浸漬の前に、ジルコニアを1050℃に予め加熱しておいた。スラリーへの浸漬前にジルコニアを1050℃に加熱する事で、ジルコニアに対するスラリーの濡れ性や付着性、塗布性が改善される事を、本出願人は検証により見出した。
【0033】
ジルコニアを加熱した後、冷却しその後スラリーにジルコニアの一部表面を浸漬した。スラリーを浸漬させるジルコニアの表面は研磨面とした。浸漬時間は5分間に設定した。
【0034】
浸漬後にスラリーから水を除去して乾燥させ、ハイドロキシアパタイトから成りジルコニア上を覆う被覆層を形成して、ジルコニアと被覆層から成るジルコニア材料を作製した。
【0035】
形成された被覆層表面のSEM写真(倍率は1万倍)を、
図1に示す。形成された被覆層は、
図1に示す様にハイドロキシアパタイト粉末が粒子結合すると共に、結合した粒子間に気孔が連通された多孔質構造体の形態を示す事が確認された。また、形成された被覆層の厚みは0.5μmとした。なお被覆層の厚みとは、被覆層の平面方向に於いて被覆層の全面に亘る、平均厚みを指す。
【0036】
被覆層の形成後に、被覆層に対し1050℃~1250℃の温度範囲で2時間熱処理を行った。更にこの熱処理後に、pH7.4、温度36.5℃に調整した擬似体液(SBF)に被覆層を浸漬し、骨類似アパタイトが生成される浸漬時間を測定した。用いたSBFは、ヒトの血漿とほぼ等しい無機イオン濃度([mM]:Na+ 142.0、K+ 5.0、Mg2+ 1.5、Ca2+ 2.5、Cl- 148.8、HCO3- 4.2、HPO4
2- 1.0、SO4
2- 0.5)を有していた。
【0037】
その結果、被覆層から骨類似アパタイトを生成するのは、少なくとも12時間経過後である事が判明した。12時間の浸漬後、被覆層の表面に
図2(倍率は1万倍)に示す様に骨類似アパタイトが生成される事が確認された。
【0038】
また本実施例に係るジルコニア材料の製造方法に依れば、
図1に示す様にハイドロキシアパタイトから成る被覆層と、ジルコニアとの間での剥離が防止されているジルコニア材料を実現可能である事が確認された。従って、生体補強材として機能するジルコニア材料が提供可能となった。
【0039】
更に本実施例に係るジルコニア材料の製造方法に依れば、前記効果に加えて
図2から明らかな様に、ハイドロキシアパタイトから成る被覆層に骨類似アパタイトが形成可能となる。
【0040】
また、ジルコニアのスラリーへの浸漬後の熱処理により、被覆層とジルコニアの間に、ジルコニア面内にカルシウムが入り込んだ改質層(カルシウムジルコニウムオキサイド)が形成されている事が確認された。このような改質層の形成により、被覆層及びジルコニアの相互の密着性が向上される。
【0041】
スラリー浸漬後のジルコニアの加熱温度が1050℃未満では、ジルコニアとハイドロキシアパタイトが殆ど反応せず、ハイドロキシアパタイトから成る被覆膜のジルコニアへの接合力が増大しない事を、本出願人は検証により見出した。
【0042】
またジルコニアの加熱温度が1250℃超では、被覆層から骨類似アパタイトを生成しない事が、本出願人の検証により判明した。
【0043】
次に比較例1に係るジルコニア材料の製造方法を、以下に説明する。基材となるジルコニアは前記実施例と同じ物を用意した。一方でスラリーは、スラリーのハイドロキシアパタイト粉末の濃度のみ、1%超である10%に変更した。このスラリーに、ジルコニアの一部表面を接触させて、スラリーにジルコニアを浸漬した。浸漬条件は、前記実施例と同一とした。なお比較例1でも、スラリーの浸漬の前に、ジルコニアを1050℃に予め加熱しておいた。
【0044】
浸漬後にスラリーから水を除去して乾燥させ、ハイドロキシアパタイトから成りジルコニア上を覆う被覆層の形成を試みた。作製の結果得られた被覆層表面のSEM写真(倍率は50倍)を、
図3に示す。
図3に示す様に、比較例1では被覆層がジルコニア表面から剥離している事が観察された。
【0045】
図3の観察結果より、スラリーのハイドロキシアパタイト粉末の濃度を1%超に設定すると、ハイドロキシアパタイトから成る被覆層と、ジルコニアとの間で剥離が発生してしまう事が判明した。比較例1のジルコニア材料では、前記剥離の発生により被覆層とジルコニア間の機械的強度が不足してしまい、生体補強材として機能するジルコニア材料が提供出来ない事が導き出された。
【0046】
また
図3に示す被覆層の、剥離していない箇所の厚みを測定したところ6.0μm~8.0μmの範囲の値が得られた。剥離していない被覆層の箇所に1050℃で2時間熱処理を行い、熱処理後にpH7.4、温度36.5℃のSBFに被覆層を浸漬し、骨類似アパタイトが生成される浸漬時間を測定した。
【0047】
その結果、被覆層から骨類似アパタイトを生成するのは、少なくとも24時間経過後である事が判明した。従って、スラリーのハイドロキシアパタイト粉末の濃度を1%超に設定すると、被覆層から骨類似アパタイトを生成するのに、SBFへの被覆層の浸漬時間が24時間以上必要となり、前記実施例に比較して生体活性を有するジルコニア材料の量産性が悪化してしまう事が見出された。
【0048】
次に比較例2に係るジルコニア材料の製造方法を、以下に説明する。基材となるジルコニアは前記実施例と同じ物を用意した。一方でスラリーは、スラリーのハイドロキシアパタイト粉末の濃度のみ、1%未満である0.30%に変更した。このスラリーに、ジルコニアの一部表面を接触させて、スラリーにジルコニアを浸漬した。浸漬条件は、前記実施例と同一とした。なお比較例2でも、スラリーの浸漬の前に、ジルコニアを1050℃に予め加熱しておいた。
【0049】
浸漬後にスラリーから水を除去して乾燥させ、ハイドロキシアパタイトから成りジルコニア上を覆う被覆層を形成して、ジルコニアと被覆層から成るジルコニア材料を作製した。形成された被覆層の厚みは0.1μm~0.3μmの範囲内であった。
【0050】
被覆層に1050℃で2時間熱処理を行い、熱処理後にpH7.4、温度36.5℃のSBFに被覆層を浸漬し、骨類似アパタイトが生成される浸漬時間を測定した。
【0051】
その結果、被覆層から骨類似アパタイトを生成するのは、少なくとも丸7日(168時間)経過後である事が判明した。従って、スラリーのハイドロキシアパタイト粉末の濃度を1%未満に設定すると、被覆層から骨類似アパタイトを生成するのに、SBFへの被覆層の浸漬時間が丸7日以上必要となり、前記実施例に比較して生体活性を有するジルコニア材料の量産性が悪化してしまう事が見出された。
【0052】
以上の実施例、比較例1、及び比較例2より、被覆層の厚みを0.5μm未満及び0.5μm超に設定すると、被覆層から骨類似アパタイトを生成させる為には、SBFへの被覆層の浸漬時間を丸1日以上(24時間以上)設定しなければならない事が判明した。従って被覆層の厚みを0.5μmに設定した実施形態に比べて、生体活性を有するジルコニア材料の量産性が悪化してしまう事が見出された。
【0053】
一方で被覆層の厚みを0.5μmに設定しても、SBFへの被覆層の浸漬時間が12時間未満では、被覆層から骨類似アパタイトが生成されず、生体補強材として機能するジルコニア材料が得られない事も判明した。