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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】ワックスサーモアクチュエーター
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/70 20060101AFI20240318BHJP
   F01P 7/16 20060101ALI20240318BHJP
   F16K 31/68 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
F16K31/70 Z
F01P7/16 502B
F16K31/68 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020027800
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021131142
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】391026287
【氏名又は名称】富士精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(74)【代理人】
【識別番号】100198214
【弁理士】
【氏名又は名称】眞榮城 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 賢
(72)【発明者】
【氏名】中山 徹
(72)【発明者】
【氏名】中島 良太
【審査官】上野 力
(56)【参考文献】
【文献】特許第6293955(JP,B1)
【文献】国際公開第2012/063547(WO,A1)
【文献】特開2003-222072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/70
F01P 7/16
F16K 31/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワックスが封入されたハウジングと、このハウジングに対して突没自在なピストンロッドと、を備え、このピストンロッドの内部に発熱手段を有するワックスサーモアクチュエーターであって、
前記ハウジングは、前記ワックスを収容する有底円筒状のハウジングカップを備え、
前記ピストンロッドに遊嵌されて前記発熱手段で熱せられた前記ワックスから離れた前記ワックスに前記ハウジングの軸方向に伝熱する伝熱パイプが前記ハウジングカップの内部に挿置され、
前記伝熱パイプは、前記ワックスの熱伝導率より高い金属材料の熱伝導率と同程度以上の所定の熱伝導率の材料からなる円筒状のパイプ本体と、前記パイプ本体の上端部又は下端部の外周に形成された断熱材からなる上フランジ又は下フランジとを有し、前記伝熱パイプは、必ず前記上フランジ又は前記下フランジを介して前記ハウジングカップと接触することで前記パイプ本体が前記ハウジングカップの内周面と離間した構成となっていること
を特徴とするワックスサーモアクチュエーター。
【請求項2】
前記伝熱パイプの前記パイプ本体の上端部及び下端部の外周には、それぞれ断熱材からなる上フランジ及び下フランジが形成されており、前記伝熱パイプは、前記上フランジ及び前記下フランジを介して前記ハウジングカップと接触することで前記パイプ本体が前記ハウジングカップの内周面と離間した構成となっていること
を特徴とする請求項1に記載のワックスサーモアクチュエーター。
【請求項3】
前記伝熱パイプの前記パイプ本体は、一枚の板材から成形されて、その繋ぎ目が前記上フランジ及び前記下フランジと連続する一体の断熱材で固着されていること
を特徴とする請求項2に記載のワックスサーモアクチュエーター。
【請求項4】
前記パイプ本体の周面には、多数の孔が穿設されており、
前記伝熱パイプの繋ぎ目を固着する断熱材は、前記パイプ本体の前記孔の少なくとも一部に入り込んで一体化されていること
を特徴とする請求項3に記載のワックスサーモアクチュエーター。
【請求項5】
前記伝熱パイプは、前記ハウジングカップが外側からカシメられることで前記上フランジ又は前記下フランジが固定されて前記ハウジングカップ内の所定の位置に位置決めされていること
を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のワックスサーモアクチュエーター。
【請求項6】
前記パイプ本体は、所定の熱伝導率以上の素材からなり、ワックスの膨張や移動を拘束しないように多数の孔が穿設されているか又はメッシュ状に形成されていること
を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のワックスサーモアクチュエーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車等に使用される内燃機関の冷却水温度を可変制御する冷却水温度制御系の水温可変制御を行う電子制御サーモスタット装置におけるワックスサーモアクチュエーターに関する。詳しくは、本発明は、ピストン内部に発熱手段を有し、この発熱手段でワックスを加熱融解してその体積膨張をピストン突没動作に変換する発熱手段を有するワックスサーモアクチュエーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電制でないサーモスタットにおいては、高負荷運転時を想定して、予め低い水温に制御するサーモスタットを選定していた。しかし、電制化により、エンジンが高負荷運転となったら、ワックスの融解温度より低い冷却水温度でもサーモスタットを開弁させることができる。エンジンが低負荷運転される領域(常用域)では、従来より高温で融解するワックスを使用して、非通電時に冷却水温をより高温に制御するサーモスタットを使用できる。その結果、常用域での燃費向上効果を発揮できる。
【0003】
この種の発熱手段を有するワックスサーモアクチュエーターとしては、例えば、特許文献1に、ハウジング40内に固定されたピストン4に対して進退動作するシリンダ容器3と、シリンダ容器3内に設けられ、温度変化に伴う体積変化によりシリンダ容器3を進退動作させるワックスWと、ピストン4のケーシング15内に設けられ、通電によりワックスWに熱を与える発熱素子12と、を備えたサーモスタット装置1が開示されている。
【0004】
このサーモスタット装置1の発熱素子12は、ピストン4のケーシング15外からケーシング15内に貫通して形成された熱伝導性を有する延設部材16と、ケーシング15内の延設部材16内に形成された発熱部18と、ケーシング15外の延設部材16に形成され、発熱部18と電気的に接続された電極部17とにより構成され、発熱部18に電圧供給するターミナル端子21が電極部17に当接することにより、電圧供給源と発熱部18が電気的に接続され、高耐久性、且つ組立、メンテナンスが容易とされている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0016]~[0029]、図面の図1図2等参照)。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の発熱素子12を備えたサーモスタット装置1は、発熱素子12が設けられたピストン4がリフトして上昇すると、熱源である発熱素子12も上昇することとなる。このため、ピストン4の上昇に伴って熱源から内部底面付近のワックスが離間することとなり、熱伝導率が低いパラフィンワックスで熱が遮られて熱源から離れた内部底面付近のワックスが熱膨張せず、所望のリフト量が得られないという問題があった。
【0006】
また、発熱手段が発生した熱を効率よくワックスに伝達させるための技術として、特許文献2に、筒型ケース2,3内に封入され温度変化に伴う体積変化により作動ピストン7をケース外に進退動作させるための熱膨張体4と、ケース内部に配設され熱膨張体に熱影響を与える発熱素子12とを備えるサーモエレメント1が開示されている。
【0007】
このサーモエレメント1は、発熱素子12がほぼ筒型形状を呈し、ケース内のほぼ中央位置に熱膨張体であるワックス4中に埋設された状態で配設されている。この発熱素子12の内側には、ケースの反ピストン側の端部に設けた端子取り出し部5を介して外部電源と接続される電極部材13が配設されている。そして、発熱素子12の外側でケース内壁部との間には、ワックス4への放熱を行う放熱フィンを兼ねた板ばね材14が配設されている。
【0008】
このため、特許文献2に記載のサーモエレメント1によれば、ケース内に封入されたワックス4を全体にわたって効率よく温度上昇させ得るとともに、発熱素子12への通電制御用の端子取り出し部での確実なシール構造を得ることができるとされている(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0031]~[0040]、図面の図1図2等参照)。
【0009】
しかし、特許文献2に記載のサーモエレメント1は、熱源である発熱素子12が固定式でるため、前述の問題は発生しないものの、発熱素子12で発生した熱が、熱伝導率の高い板ばね材14を介して板ばね材14と接触する筒型ケース2から外に逃げてしまう。このため、発熱素子12で発生した熱が届かないワックスの量が増え、結果として所望のリフト量が得られないという問題が発生する。
【0010】
そこで、これらの問題点を解決するために、出願人は、特許文献3に記載のワックスサーモアクチュエーターを提案した。特許文献3に記載のワックスサーモアクチュエーターは、ピストンロッドの周りに熱伝導率が良い伝熱パイプを組み込むことで、ヒーターの熱がカップ内のワックス全体に伝達し、ワックス内部の温度を均質化して、ワックスの融解点近方温度域(ワックスが固容体域)のリフト量を増加させることができた。
【0011】
しかし、特許文献3に記載のワックスサーモアクチュエーターは、伝熱パイプとカップが接触する部位が存在し、そこからヒーターの熱が冷却水に直接放熱してしまい、ヒーターで発生させた熱をワックスの融解に効率よく利用できていないという問題があった。このため、特許文献3に記載のワックスサーモアクチュエーターでは、伝熱パイプを設けないときより、通電時と非通電時の作動開始冷却水温度の幅が小さくなり、冷却水温度が低温の時に、リフト量を稼げないという問題点があった(図10参照)。この原因は、伝熱パイプを設けない場合は、ワックスそのものが断熱壁となり、ヒーターで発生させた熱が冷却水に逃げるのを防止できていたと考えられる。
【0012】
その上、伝熱パイプ(孔あき金属パイプ)は、ワックスを通すため、多数の孔が穿設されているが、ピストンロッドが動作する時に、ワックスがその孔を通る抵抗力で、パイプの円筒状端部の繋ぎ目が開いてしまうという問題があった。このため、伝熱パイプの繋ぎ目をカシメ等の何等かの手段で固定する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特開2005-155831号公報
【文献】特開2003-222072号公報
【文献】特許第6293955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本発明は、前記問題点を解決するために案出されたものであり、その目的とするところは、ヒーターで発生させた熱を効率よくワックスの融解に使用でき、通電と非通電時の作動開始(開弁)温度差を大きくとれるため、常用運転域の水温を高く設定でき、燃費を改善することができるワックスサーモアクチュエーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1発明に係るワックスサーモアクチュエーターは、ワックスが封入されたハウジングと、このハウジングに対して突没自在なピストンロッドと、を備え、このピストンロッドの内部に発熱手段を有するワックスサーモアクチュエーターであって、前記ハウジングは、前記ワックスを収容する有底円筒状のハウジングカップを備え、前記ピストンロッドに遊嵌されて前記発熱手段で熱せられた前記ワックスから離れた前記ワックスに前記ハウジングの軸方向に伝熱する伝熱パイプが前記ハウジングカップの内部に挿置され、前記伝熱パイプは、前記ワックスの熱伝導率より高い金属材料の熱伝導率と同程度以上の所定の熱伝導率の材料からなる円筒状のパイプ本体と、前記パイプ本体の上端部又は下端部の外周に形成された断熱材からなる上フランジ又は下フランジとを有し、前記伝熱パイプは、必ず前記上フランジ又は前記下フランジを介して前記ハウジングカップと接触することで前記パイプ本体が前記ハウジングカップの内周面と離間した構成となっていることを特徴とする。
【0016】
第2発明に係るワックスサーモアクチュエーターは、第1発明において、前記伝熱パイプの前記パイプ本体の上端部及び下端部の外周には、それぞれ断熱材からなる上フランジ及び下フランジが形成されており、前記伝熱パイプは、前記上フランジ及び前記下フランジを介して前記ハウジングカップと接触することで前記パイプ本体が前記ハウジングカップの内周面と離間した構成となっていることを特徴とする。
【0017】
第3発明に係るワックスサーモアクチュエーターは、第2発明において、前記伝熱パイプの前記パイプ本体は、一枚の板材から成形されて、その繋ぎ目が前記上フランジ及び前記下フランジと連続する一体の断熱材で固着されていることを特徴とする。
【0018】
第4発明に係るワックスサーモアクチュエーターは、第3発明において、前記パイプ本体の周面には、多数の孔が穿設されており、前記伝熱パイプの繋ぎ目を固着する断熱材は、前記パイプ本体の前記孔の少なくとも一部に入り込んで一体化されていることを特徴とする。
【0019】
第5発明に係るワックスサーモアクチュエーターは、第1発明ないし第4発明のいずれかの発明において、前記伝熱パイプは、前記ハウジングカップが外側からカシメられることで前記上フランジ又は前記下フランジが固定されて前記ハウジングカップ内の所定の位置に位置決めされていることを特徴とする。
【0020】
第6発明に係るワックスサーモアクチュエーターは、第1発明ないし第5発明のいずれかの発明において、前記パイプ本体は、所定の熱伝導率以上の素材からなり、ワックスの膨張や移動を拘束しないように多数の孔が穿設されているか又はメッシュ状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
第1発明~第6発明によれば、ヒーターの熱が伝熱パイプと直接接触するハウジングから逃げることを防止して、ヒーターで発生させた熱を効率よくワックスの融解に使用することができる。このため、第1発明~第6発明によれば、通電と非通電時の作動開始(開弁)温度差を大きくとることができるため、通常ワックスサーモスタットとしての開弁温度を高温域での仕様とすることができ、常用運転域の水温を高く設定できる。つまり、エンジン冷却水を高水温化することができる。よって、第1発明~第6発明によれば、エンジン内のフリクション低減等で燃費向上効果を発揮することができる。
【0022】
特に、第2発明によれば、伝熱パイプの上端部及び下端部の外周には、それぞれ断熱材からなる上フランジ及び下フランジが形成されているので、ピストンロッドの動作時にも、伝熱パイプが傾いてハウジングカップと接触してそこから放熱されることを確実に防ぐことができる。このため、第2発明によれば、低温域(ワックスが融解しない冷却水温度が低い範囲)での高いリフト量を確保してエンジン冷却水を高水温化することができる。
【0023】
特に、第3発明によれば、伝熱パイプの繋ぎ目が上フランジ及び下フランジと連続する一体の樹脂で固着されているので、ピストンロッドの動作時にも、伝熱パイプが開くことを防止することができ、伝熱パイプの端部をカシメて固定する手間や伝熱パイプの位置決め用の部材を省くことができる。
【0024】
特に、第4発明によれば、ピストンロッドの動作時にも、伝熱パイプに形成された多数の孔をワックスが通過する際の抵抗力に対しても多数の孔の一部に入り込んだ樹脂で掛け止めることができ、伝熱パイプの繋ぎ目が開くことを確実に防止することができる。
【0025】
特に、第5発明によれば、伝熱パイプの位置決め固定がハウジングカップの外側からカシメるだけの動作で達成することができ、従来必要であった伝熱パイプをハウジングカップの軸中心位置に位置決めのための治具や作業手間を削減することができる。このため、第5発明によれば、伝熱パイプが浮き上がったり傾いたりするおそれを払拭することができるとともに、製品単価を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るワックスサーモアクチュエーターを示す鉛直断面図である。
図2図2は、同上のワックスサーモアクチュエーターを示す斜視図である。
図3図3は、同上のワックスサーモアクチュエーターのハウジングのみを示す鉛直断面図である。
図4図4は、同上のワックスサーモアクチュエーターのピストンロッドのみを示す斜視図である。
図5図5は、同上のピストンロッドのみを示す鉛直断面図である。
図6図6は、同上のワックスサーモアクチュエーターの伝熱パイプを樹脂で一体成形する前を示す斜視図である。
図7図7は、同上の伝熱パイプを樹脂で一体成形した状態を示す斜視図である。
図8図8は、図1のA部拡大図である。
図9図9は、図1のB部拡大図である。
図10図10は、温度とリフト量との関係をプロットして本実施形態に係るワックスサーモアクチュエーターと従来品との性能を比較した測定結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態に係るワックスサーモアクチュエーターについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態に係るワックスサーモアクチュエーター1を示す鉛直断面図であり、図2は、ワックスサーモアクチュエーター1を示す斜視図である。ここで、ワックスサーモアクチュエーターとは、ワックスエレメントやサーモペレット、又はサーモエレメントなどと呼ばれる温度センサと制御動作を行うアクチュエーターの機能を併せ持つ感温制御装置を指している。
【0029】
例えば、ワックスサーモアクチュエーターは、自動車等に使用される内燃機関の冷却水温度を可変制御する冷却水温度制御系において、水温可変制御を行う電子制御のアクチュエーターとして用いられる。ワックスサーモアクチュエーターの主な用途としては、キャブやスロットルチャンバーに組み込込まれてファーストアイドル・オートチョークの解除機能や、二輪車のオートスターターに用いられる。
【0030】
図1図2に示すように、ワックスサーモアクチュエーター1は、ワックスWが封入されたハウジング2と、このハウジング2に対して突没自在なピストンロッド3と、このピストンロッド3に遊嵌された円筒状の伝熱パイプ4と、ハウジング2の上部を密閉して封止する蓋体5など、を備えた感温制御装置である。
【0031】
このワックスサーモアクチュエーター1は、後述のように、ピストンロッド3の内部に電熱ヒーター32が設けられている。つまり、ワックスサーモアクチュエーター1は、ワックスWが充分に熱膨張しない低温環境下でもピストンロッド3の突出動作を可能とする電熱ヒータ付きワックスサーモアクチュエーターである。
【0032】
ここで、ワックスサーモアクチュエーター1に用いるワックスWは、本実施形態では、常温で固形のパラフィンワックスである。このパラフィンワックスとは、炭化水素化合物の一種で、炭素原子の数が20以上となる長大なアルカンを指している。
【0033】
勿論、ワックスサーモアクチュエーター1のハウジング2に封入することのできる物質は、パラフィンワックスに限られず、マイクロワックスなど、比較的体積変化の大きい所定の熱膨張特性を有する物質であれば本発明に適用可能である。また、本発明に係るワックスは、組合せにより、常温より低い温度域において固形であり、常温で固容体又は液体のワックスもワックスサーモアクチュエーターの用途に応じて適宜適用可能である。
【0034】
<ハウジング>
ハウジング2は、ワックスサーモアクチュエーター1を構成する黄銅からなる金属容器であり、主に、ワックスWを収容するハウジングカップ20から構成されている。また、ハウジング2は、特許文献3に記載されたように、ハウジングカップ20とハウジングキャップとを別体として複数の部材から構成してよいことは云うまでもない。
【0035】
(ハウジングカップ)
図3は、上端を丸める前の状態のハウジング2のハウジングカップ20のみを示す鉛直断面図である。図1図3に示すように、ハウジングカップ20は、ワックスWを収容する容器となるカップ本体部20aと、このカップ本体部20aの上方に形成された拡径部20bと、この拡径部20bの上方に形成された封止部20cなど、から構成されている。
【0036】
カップ本体部20aは、外径が12.5mm、内径が8.0mm程度の図示上下方向を長手方向(軸方向)とする長さ31mm程度の縦長な有底円筒状の部位であり、円筒状の内部がワックスW及び伝熱パイプ4を収容するスペースとなっている。
【0037】
拡径部20bは、図3に示すように、外径が13.0mm、内径が9.0mm程度に、カップ本体部20aより内径及び外径が拡径された部位であり、後述の伝熱パイプ4の上フランジ41を収容するとともに、ピストンロッド3のゴムパッキン35やワッシャ36を収容する部位である。
【0038】
封止部20cは、図3に示すように、加工前の状態で外径が17.5mm、内径が13.5mm程度と、拡径部20bよりも内径及び外径がさらに拡径された部位であり、蓋体5を嵌め込んだ状態で上端を丸めてハウジング2の上端を閉塞して封止する機能を有している(図1も参照)。
【0039】
<ピストンロッド>
図4は、ピストンロッド3のみを示す斜視図であり、図5は、ピストンロッド3のみを示す鉛直断面図である。図4図5に示すように、ピストンロッド3は、下端が閉塞された外径4mmの有底円筒状のロッド本体30と、このロッド本体30の軸線上の上部に固着されたリング状のフランジ31と、から主に構成されたステンレス製の部材である。このピストンロッド3は、ハウジング2に対して相対的に突出動作又は後退動作することにより、図示しない他部材を押圧して、ハウジング2とハウジング2と一体化されたバルブとが駆動され、流路を開閉する機能を有している。
【0040】
(電熱ヒータ:発熱手段)
ロッド本体30の内部には、発熱手段(熱源)として通電により発熱する電熱ヒーター32が設けられている。本実施形態に係る電熱ヒーター32は、配線33,34により電気的に車のバッテリー等の12Vの直流電源に接続されている。この電熱ヒーター32は、ワックスサーモアクチュエーター1の周囲の温度環境に拘わらず、通電により発熱してワックスWを熱膨張可能とする機能を有している。勿論、本発明に係る発熱手段は、交流電源と接続するものでも構ないし、電熱ヒータに限られず、スイッチ等の操作により発熱の開始及び終了を制御可能な発熱手段であればよい。
【0041】
(ゴムパッキン及びワッシャ)
また、図4図5に示すように、ピストンロッド3のロッド本体30の周りには、ドーナツ状のゴムパッキン35及びワッシャ36が嵌着されている。このため、ゴムパッキン35及びワッシャ36により、ピストンロッド3の上下の突没動作を許容するとともに、ピストンロッド3との隙間を封止することができ、ワックスサーモアクチュエーター1の周りの流体がハウジング2内に流入したり、ワックスWが漏れ出したりすることを確実に防止することができる。
【0042】
<伝熱パイプ>
次に、図6図7を用いて、本実施形態に係る伝熱パイプ4について説明する。図6は、本実施の形態に係る銅板からなる伝熱パイプ4単品を示す斜視図であり、図7は、その伝熱パイプ4に樹脂で上フランジ41及び下フランジ42を形成するとともに、継ぎ目40bを樹脂で固化した状態を示す斜視図である。本実施形態に係る伝熱パイプ4は、電熱ヒーター32の熱を優先的にハウジング2の軸方向に伝熱する0.2mm程度の厚さの矩形の銅板から円筒状に丸められた概略円筒状の部材である。
【0043】
このように伝熱パイプ4を銅製としたのは、ワックスWより熱伝導率を充分に高くし、優先的にハウジングの軸方向に伝熱するためである。銅の熱伝導率は、391[W/m・K]であり、ワックスWの熱伝導率0.25[W/m・K]より大幅に高くなっている。勿論、本発明に係る伝熱パイプは、カーボン製や銅以外の金属製(例えば、アルミニウム製、金製、銀製)など熱伝導率が、ワックスWより高い他の素材から構成してもよいことは云うまでもない。
【0044】
例えば、ハウジングカップ20などに用いられる黄銅の熱伝導率は、117[W/m・K]であり、ピストンロッド3に用いられるステンレスの熱伝導率は、16.3[W/m・K](100℃)である。これに対して、後述の伝熱パイプ4の上フランジ41及び下フランジ42等に用いる樹脂の熱伝導率は、0.3[W/m・K]であり、ゴムパッキン35に用いるゴム材の熱伝導率は、0.25[W/m・K]である。
【0045】
要するに、本発明に係る伝熱パイプは、銅製に限られず、金属やカーボンのような熱伝導率が良い(例えば、ワックスWの熱伝導率0.25[W/m・K]より大幅に高く、且つ、容易に入手可能な金属材料の熱伝導率(例えば、前述のようにステンレスの熱伝導率は、16.3[W/m・K](100℃))と同程度である所定値15.0[W/m・K]以上の)材料からなり、且つ、ワックスWの移動が可能なように、多数の孔が開孔しているかメッシュ状となったものであればよい。ここで、メッシュ状とは、縦横の繊維が織り込まれて溶着されずにメッシュ状となっているものを含むものとする。
【0046】
(パイプ本体)
先ず、伝熱パイプ4のパイプ本体40について説明する。本実施形態に係る伝熱パイプ4は、図6に示すように、矩形の銅板の端部同士を円筒状に丸めてパイプ本体40を成形した後、図7に示すように、後述の上フランジ41、下フランジ42、連結部43等を同一樹脂からそれぞれ成形して一体化した樹脂一体型伝熱パイプである。
【0047】
図6に示すパイプ本体40の長さH1は、30.0mm~31.5mm程度に設定されている。これは、図1に示すように、ハウジングカップ20の内部の底面からゴムパッキン35の下端付近に至るまでのハウジング2の長手方向の内法略全長と略同じ程度の長さである。このように伝熱パイプ4の長さH1を設定することにより、ピストンロッド3の移動(上昇)により電熱ヒーター32から最も距離が離れてしまうハウジングカップ20の底面付近のワックスWにも確実に伝熱パイプ4で熱を伝えることができる。
【0048】
パイプ本体40の外径D1は、好ましくは、5.0mm~6.0mm程度、本実施形態では、外径5.0mm程度に設定されている。これは、伝熱パイプ4の外径D1が、ハウジングカップ20の内径(8.0mm程度)より小さく、伝熱パイプ4の内径D2(D1-厚さ0.2mm×2=4.6mm程度)がピストンロッド3の外径(4mm程度)より大きくなるように設定したものである。
【0049】
これにより、伝熱パイプ4を、ハウジングカップ20の内周面と離間するものとし、且つ、ピストンロッド3に内接しないものとすることができる。このため、伝熱パイプ4とハウジングカップ20の内周面との間に熱伝導率が低いワックスWが存在することとなり、電熱ヒーター32の熱がハウジング2から外部へ逃げるのを防ぐことができる。
【0050】
また、伝熱パイプ4がピストンロッド3に内接しないため、ピストンロッド3の突没動作を伝熱パイプ4で阻害することを防ぐことができる。よって、ワックスWの熱膨張を効率よくピストンロッド3の突出動作(リフト動作)に変換することができる。
【0051】
そして、図6に示すように、このパイプ本体40の円周面には、直径0.3mm程度の小径の多数の孔40aが穿設されている。これらの多数の孔40aは、伝熱パイプ4の内部に存在したワックスWが熱膨張又は収縮した際に伝熱パイプ4を通り抜けられるようにするための孔である。
【0052】
(上フランジ及び下フランジ)
また、図7に示すように、伝熱パイプ4の上端部及び下端部の外周には、それぞれ断熱材である樹脂製のドーナツ状(リング状)の上フランジ41及び下フランジ42が形成されており、図8図9に示すように、伝熱パイプ4は、断熱材である上フランジ41及び下フランジ42を介してハウジングカップ20と接触する構成となっている。
【0053】
即ち、この伝熱パイプ4は、図7に示すように、銅板からなる円筒状のパイプ本体40と、このパイプ本体40の上端部及び下端部の外周面から外側へ張り出す鍔状の上フランジ41及び下フランジ42など、を有している。ここで、上フランジ41及び下フランジ42は、図示したドーナツ状(リング状)にパイプ本体40の外周面から外側へ全周に亘り一続きに張り出す形状に限られず、左右一対の棒状の突出物や放射状に複数の突出物がとびとびにパイプ本体40の外周面から外側へ鍔状に突出する形状となっていても構わない。
【0054】
このように、断熱材からなるフランジ41及び下フランジ42が介在するため、図8図9に示すように、熱伝導率の高い銅板からなるパイプ本体40が、熱伝導率の高い黄銅からなるハウジングカップ20と直接接触せず、必ず、熱伝導率が低い0.3[W/m・K]程度の樹脂やゴム、セラミックスなどの断熱材を介する構成となっている。よって、特許文献3に記載のワックスサーモアクチュエーターで問題となっていた伝熱パイプとカップが接触する部位が存在し、そこから放熱するため、通電時と非通電時の作動開始冷却水温度の幅が小さくなり、冷却水温度が低温の時に、リフト量を稼げないという問題を解決することができる。
【0055】
また、図1図2図9に示すように、ハウジングカップ20の外周面が外側からカシメられることで矩形の凹部20dが複数個所(図示形態では4か所)均等に形成され、この凹部20dで伝熱パイプ4の下フランジ42がハウジングカップ20内の所定の位置に位置決めされて固定されている。このため、従来必要であった伝熱パイプ4の軸中心を、ハウジングカップ20の軸中心に一致させて、ハウジングカップ20と伝熱パイプ4との距離を均等にしてワックス等に偏りが生じないようにするための位置決めのための治具が不要となっている。また、この位置決め作業の作業手間を削減することができる。
【0056】
勿論、ハウジングカップ20の上部(拡径部20bの直下)をカシメて凹部を形成し、伝熱パイプ4の上フランジ41を固定するようにしてもよい。その場合でも、伝熱パイプ4の軸中心をハウジングカップ20の軸中心に一致させて、ハウジングカップ20と伝熱パイプ4との距離を均等にすることができるからである。
【0057】
(連結部及びフランジ連絡部)
そして、図6に示すパイプ本体40の銅板の端部の繋ぎ目40bは、図7に示すように、樹脂で固化されて一体化されており、上フランジ41と下フランジ42とを繋ぐ連結部43が形成されている。それに加え、この連結部43と同様に、上フランジ41と下フランジ42とを繋ぐ3本のフランジ連絡部44が形成されている。
【0058】
連結部43とフランジ連絡部44との関係は、パイプ本体40の外周面に沿って中心線が略等間隔となっており、パイプ本体40の鋼板の繋ぎ目40bに連結部43が形成され、残りの3方に、3本のフランジ連絡部44が形成されている。
【0059】
連結部43は、図6に示したパイプ本体40の繋ぎ目40bに沿って形成されているとともに、その両脇の孔40aに跨って、且つその孔40aに入り込んで一体化されて形成されている。このため、ワックスWが孔40aを通過してパイプ本体40の繋ぎ目40bを押し広げる力に対して、多数の孔40aの一部に入り込んだ樹脂で掛け止めることができ、伝熱パイプ4の繋ぎ目40bが開くことを確実に防止することができる。
【0060】
また、前述のドーナツ状(リング状)の上フランジ41及び下フランジ42も、伝熱パイプ4の繋ぎ目40bが開くことを防止する効果を有している。
【0061】
フランジ連絡部44は、連結部43と協働して、上フランジ41と下フランジ42とを等間隔に繋ぐことにより、ワックスWが孔40aを通過する際に働く不均等なパイプ本体40を押し広げる力に対抗する機能を有している。このため、フランジ連絡部44は、多数の孔40aの一部に入り込む必要は必ずしもない。
【0062】
<蓋体>
蓋体5は、金属からなる部材であり、図1に示すように、ピストンロッド3を挿通する上下に開孔する円形のロッド孔50が穿設されている。蓋体5は、ゴムパッキン35及びワッシャ36とともに協働して、ピストンロッド3の上下の突没動作を許容するとともに、ピストンロッド3との隙間を封止しして、ワックスサーモアクチュエーター1の周りの流体がハウジング2内に流入したり、ワックスWが漏れ出したりすることを防止する機能を有している。
【0063】
[比較測定結果]
次に、図10を用いて、本実施形態に係るワックスサーモアクチュエーター1と従来品との性能を比較した測定結果について説明する。図10は、温度とリフト量との関係をプロットして本実施形態に係るワックスサーモアクチュエーター1と従来品との性能を比較した測定結果のグラフである。ここで、伝熱パイプ無とは、伝熱パイプが無い従来のワックスサーモアクチュエーターを指し、▲-▲で示している。また、伝熱パイプ有とは、特許文献3に示したワックスサーモアクチュエーターを指し、■-■で示している。そして、樹脂一体型伝熱パイプとは、本実施形態に係るワックスサーモアクチュエーター1を指し、●-●で示している。
【0064】
図10のグラフでは、伝熱パイプ無、伝熱パイプ有、樹脂一体型伝熱パイプとも電熱ヒーター32に12Vの直流電圧を印加して通電した場合(12V印加時)を示し、電熱ヒーター32に通電せずにワックスWを熱膨張させた場合(非通電時)を〇-〇の破線で示している。
【0065】
図10に示すように、いずれの場合も非通電時においては、殆ど差はないが、12V印加時では、明らかな差がでている。つまり、伝熱パイプ有は、伝熱パイプ無と比べて、ワックスの融解点近方温度域(ワックスが固容体域)のリフト量を増加させることができることが分かる。一方、伝熱パイプ有は、伝熱パイプ無と比べて、低温域(ワックスが固体域)では、伝熱パイプ組み込み前よりリフト量が低下していることが分かる。これは、前述のように、伝熱パイプとハウジングカップとが接触する部位が存在し、そこから放熱するためと考えらえる。
【0066】
これに対して、本実施形態に係るワックスサーモアクチュエーター1である樹脂一体型伝熱パイプは、全ての温度領域において、リフト量がアップしていることが分かる。つまり、本実施形態に係るワックスサーモアクチュエーター1は、低温域(ワックスが固体域)ばかりか全ての温度領域において高いリフト量を達成することができることを確認することができた。
【0067】
以上説明したワックスサーモアクチュエーター1は、ハウジング2と接触する部位を熱伝導率の低い樹脂などの断熱材で被覆している。このため、ワックスサーモアクチュエーター1によれば、電熱ヒーター32の熱がハウジング2から逃げることを防止して、低温域(ワックスが固体域)だけでなく、全ての温度領域において高いリフト量を達成することができる。よって、ワックスサーモアクチュエーター1によれば、通常ワックスサーモスタットとしての開弁温度を高温域での仕様とすることができ、エンジン冷却水を高水温化することができる。このため、エンジン内のフリクション低減等で燃費向上効果を発揮することができる。
【0068】
また、ワックスサーモアクチュエーター1は、伝熱パイプ4の上下にそれぞれ断熱材からなる鍔状の上フランジ41及び下フランジ42が形成されている。このため、ワックスサーモアクチュエーター1によれば、ピストンロッド3の動作時にも、伝熱パイプ4が傾いてハウジングカップ20と接触してそこから放熱されることを確実に防ぐことができる。
【0069】
そして、ワックスサーモアクチュエーター1は、伝熱パイプ4の繋ぎ目40bが上フランジ41及び下フランジ42と連続する連結部43で固着されて一体化されている。このため、ワックスサーモアクチュエーター1によれば、ピストンロッド3の動作時にも、伝熱パイプ4が開くことを防止することができ、伝熱パイプ4の端部である繋ぎ目40bをカシメて固定する手間や伝熱パイプ4の位置決め用の部材を省くことができる。
【0070】
それに加え、ワックスサーモアクチュエーター1は、連結部43が繋ぎ目40bに沿って形成されているとともに、その両脇の孔40aに跨って、且つその孔40aに入り込んで一体化されて形成されている。このため、ワックスサーモアクチュエーター1によれば、伝熱パイプ4に形成された多数の孔40aをワックスWが通過する際の抵抗力に対しても、多数の孔40aの一部に入り込んだ樹脂で掛け止めることができ、伝熱パイプ4の繋ぎ目40bが開くことを確実に防止することができる。
【0071】
さらに、ワックスサーモアクチュエーター1は、ハウジングカップ20の外周面に矩形の凹部20dが複数個所均等に形成され、この凹部20dで伝熱パイプ4の下フランジ42がハウジングカップ20内の所定の位置に位置決めされて固定されている。このため、ワックスサーモアクチュエーター1によれば、従来必要であった伝熱パイプ4の軸中心を、ハウジングカップ20の軸中心に一致させて、ハウジングカップ20と伝熱パイプ4との距離を均等にしてワックス等に偏りが生じないようにするための位置決めのための治具が不要となっている。また、この位置決め作業の作業手間を削減することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態に係るワックスサーモアクチュエーター1について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
【0073】
特に、リフト量とは、ワックスサーモアクチュエーターのハウジングを固定してピストンロッドを上下動させる場合のピストンロッドの突出長さを指している。よって、ワックスサーモアクチュエーターの用途や固定の仕方によっては、前述のリフト量を、ピストンロッドの突出長さと読み替える必要がある。また、上フランジや下フランジは、伝熱パイプの熱伝導率より低い断熱材であればよく、樹脂に限られず、ゴム弾性体からなるゴム材や、セラミックス製のものとすることもできる。
【符号の説明】
【0074】
1:ワックスサーモアクチュエーター
2:ハウジング
20:ハウジングカップ
20a:カップ本体部
20b:拡径部
20c:封止部
20d:凹部
3:ピストンロッド
30:ロッド本体
31:フランジ
32:電熱ヒーター(発熱手段)
33,34:配線
35:ゴムパッキン
36:ワッシャ
4:伝熱パイプ
40:パイプ本体
40a:孔
40b:繋ぎ目
41:上フランジ
42:下フランジ
43:連結部
44:フランジ連絡部
5:蓋体
50:ロッド孔
W:ワックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10