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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】ウエアラブル機器
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
A61B5/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021550777
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2019038624
(87)【国際公開番号】W WO2021064824
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】507365592
【氏名又は名称】トリニティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】星川 哲視
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-160621(JP,A)
【文献】特表2005-536260(JP,A)
【文献】国際公開第2011/094876(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/070560(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0214122(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーと接することで、そのユーザーのデータを収集するためのセンサーを具備する端末と、
前記端末を前記ユーザーに取り付けるベルト部と、を有し、
前記端末は、前記センサーと対向する位置に、前記ベルト部に取り付けられる取り外し可能な取り付け部と、
前記ベルト部は、前記取り付け部に取り付ける被取り付け部と、をさらに有し、
前記端末のセンサーをユーザーに接触する位置に配置するため、前記ベルト部をユーザーに配置したときに、前記被取り付け部に、前記取り付け部を取り付けることにより、前記ベルト部の裏面に前記端末が配置されるウエアラブル機器。
【請求項2】
ユーザーと接することで、そのユーザーのデータを収集するためのセンサーを具備する端末と、
前記端末を取り付けるプレート部と、を有し、
前記端末は、前記センサーと対向する位置に、前記プレート部に取り付けられる取り外し可能な取り付け部と、
前記プレート部は、前記取り付け部と取り付ける被取り付け部と、
前記プレート部は、その両端に、取替え可能かつ前記ユーザーに取り付ける時計バンドと、をさらに有し、
前記取付け部は、先端部とその下部に配置した柱状部とを有し、前記先端部は平面視円形状を呈し、その下部の柱状部の断面形状は楕円形状を呈し、
前記被取り付け部は、変形可能な合成樹脂からなる円盤状のものであり、その中央に、楕円形の孔部を有し、
前記端末のセンサーをユーザーに接触する位置に配置するため、前記時計バンドをユーザーに配置したときに、前記孔部に、前記先端部が入り込み、前記柱状部が、被取り付け部と嵌合することで、前記プレート部の裏面に前記端末が配置されるウエアラブル機器。
【請求項3】
前記ベルトは、天然皮革または人工皮革で構成されている請求項1記載のウエアラブル機器。
【請求項4】
前記時計バンドは、天然皮革または人工皮革で構成されている請求項2記載のウエアラブル機器。
【請求項5】
前記ベルトは、合成樹脂で構成されている請求項1記載のウエアラブル機器。
【請求項6】
前記時計バンドは、合成樹脂で構成されている請求項2記載のウエアラブル機器。
【請求項7】
前記時計バンドは、金属で構成されている請求項2記載のウエアラブル機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーと接することでそのユーザーの脈拍等のデータを収集するためのセンサーを具備する端末と、そのセンサーを人体に接触させるためのベルトを有するウエアラブル機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
いわゆるウエアラブル機器という腕時計に類似する電子機器が知られている。これは、各種センサー類や、通信機能を有する端末を有しその端末をベルトに配置するとともにそのベルトをユーザーに取り付けることにより、その端末に配置した各種センサーで収集したユーザーの各データをスマートフォンなどの携帯端末に送信することで、そのユーザーの脈拍等のデータを計測することができるというものである。
【0003】
このようなものとして、特開2016-81059号公報において、「支持体と、表示部と、を有し、 前記支持体は曲面を有し、 前記表示部は、前記支持体上に設けられ、 前記表示部は、上面と、上面の少なくとも一つの辺に接する第1の側面と、を有し、前記第1の側面は、曲面を有し、前記上面には第1の表示領域が設けられ、前記第1の側面には第2の表示領域が設けられ、前記第1の表示領域と、前記第2の表示領域と、は連続して設けられる電子機器」が開示されている。
【0004】
上記電子機器であるいわゆるウエアラブル機器は、その端末である表示部が、ベルトに相当する支持体上に設けられているために、その端末である表示部に配置されている各センサーがユーザーの腕等に直接触れることがないために、そのユーザーの脈拍、体温等の計測が確実ではない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-81059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、端末に配置したセンサーをユーザーに接するようにしたウエアラブル機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、第1観点のウエアラブル機器は、ユーザーと接することで、そのユーザーのデータを収集するためのセンサーを具備する端末と、端末をユーザーに取り付けるベルト部と、を有し、端末は、センサーと対向する位置に、ベルト部に取り付けられる取り外し可能な取り付け部と、ベルト部は、取り付け部に取り付ける被取り付け部と、をさらに有し、端末のセンサーをユーザーに接触する位置に配置するため、ベルト部をユーザーに配置したときに、被取り付け部に、取り付け部を取り付けることにより、ベルト部の裏面に端末が配置されているというものである。
【0008】
また、第2観点のウエアラブル機器は、ユーザーと接することで、そのユーザーのデータを収集するためのセンサーを具備する端末と、端末を取り付けるプレート部と、を有し、端末は、前記センサーと対向する位置に、前記プレート部に取り付けられる取り外し可能な取り付け部と、プレート部は、前記取り付け部と取り付ける被取り付け部と、プレート部は、その両端に、取替え可能かつ前記ユーザーに取り付ける時計バンドと、をさらに有し、端末のセンサーをユーザーに接触する位置に配置するため、時計バンドをユーザーに配置したときに、被取り付け部に、取り付け部を取り付けることにより、プレート部の裏面に端末が配置されているというものである。
【0009】
また、第3観点のウエアラブル機器は、第1観点において、ベルトは、天然皮革または人工皮革で構成されているというものである。
【0010】
また、第4観点のウエアラブル機器は、第2観点において、時計バンドは、天然皮革または人工皮革で構成されているというものである。
【0011】
また、第5観点のウエアラブル機器は、第1観点において、ベルトは、合成樹脂で構成されているというものである。
【0012】
また、第6観点のウエアラブル機器は、第2観点において、時計バンドは、合成樹脂で構成されているというものである。
【0013】
また、第7観点のウエアラブル機器は、第2観点において、時計バンドは、金属で構成されているというものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、端末に配置したセンサーをユーザーに接するようにしたウエアラブル端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施例のウエアラブル機器の斜視図である。
図2】端末とベルト部と分離した状態のウエアラブル機器の斜視図である。
図3】Aは、端末の平面図である。Bは、端末の側面図である。Cは、端末の右側面図である。Dは、端末の裏面図である。
図4】Aは、ベルト部の平面図である。Bは、ベルト部の裏面図である。
図5】第2実施例のウエアラブル機器の斜視図である。
図6】端末とプレート部と分離した状態の第2実施例のウエアラブル機器の斜視図である。
図7】Aは、プレート部の斜視図である。Bは、プレート部の裏面からの斜視図である。
図8】第1実施例のウエアラブル機器をユーザーに取り付けた状態を示す状態図である。
図9】第2実施例のウエアラブル機器をユーザーに取り付けた状態を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図示の実施形態を参照して本実施例について説明する。第1実施例のウエアラブル機器10は、端末20とベルト部40とを有するものである。端末20は、ほぼ直方体形状を呈し、第1面21に、突起状の取り付け部22を有する。また、第1面21に対向する位置に配置された第2面31に、センサー32が配置されている。また、端末20の側面である第1側面部35、35のいずれかに、点燈可能な複数のLED38が配置されている。また、端末20はその側面である前方および後方に第2側面部36、36を有する。
【0017】
端末20は、スマートフォンと通信可能なものであり、例えば、その通信は、近接無線通信として、Felica(登録商標)、Bluetooth(ブルートゥース)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identifier)等を用いることができる(図示せず)。
【0018】
第2面31に配置されたセンサー32は、例えば、ユーザーの体温を測る体温計、ユーザーの心拍を測定する心拍計、またユーザーの睡眠時間を計測する睡眠計測部、さらにユーザーの睡眠時の呼気を検出する呼気検出部を有する。また、センサー32は、ユーザーが転倒した場合を検知する転倒検知機能を有することができる。また、センサー32は、ユーザーの動脈血の酸素飽和度を計測することができる。
【0019】
また第1面21に配置した突起状の取り付け部22は、先端部23とその下部に配置した柱状部24とを有する。先端部23は平面視円形状を呈し、その下部の柱状部24の断面形状は楕円形状を呈し、その楕円形状の長軸の長さは、先端部23の直径よりも小としている。また、柱状部24における楕円形状の長軸の軸方向は、端末20における短手方向と一致する。
【0020】
ベルト部40は、所定の長さを有する帯状を呈し、一端部41に突起状の留め具42を有する。また他端部45に複数の孔である留め孔部46を複数有する。複数の孔である留め孔部46は、裏面52において、その複数の孔部46全体を覆うように段差状に彫りこまれた長楕円形状を呈する底部47に配置されている。また、さらにベルト部40のほぼ中央部分に、被取り付け部48を有する。被取り付け部48は、楕円形状を呈する孔を有する。この被取り付け部48における楕円形の孔の長軸は、ベルト部40における幅方向と一致する。この状態において、端末20をベルト部40に取り付けると、その端末20の取り付け部22が、楕円形の孔である被取り付け部48と嵌合する。このとき、端末20の長手方向は、ベルト部40の長手方向と一致する。このように、端末20は、ベルト部40に覆われるように配置されることでこの端末20は、ベルト部40に対して正しい方向に固定することができる。また、ベルト部40は、ベルト部40の他端部45を押さえる環状のベルト押さえ部49が一端部41付近に移動可能に配置されている。
【0021】
突起状の留め具42は、ベルト部40の表面51から上方に突出するように配置されている。また、裏面52において、多数の凸状を呈する凸部53を有する。ユーザーの腕にまいたときの蒸れを防止するためでる。
【0022】
ベルト部40は、合成皮革または天然皮革で構成することができる。また、合成樹脂であっても好ましい。例えばシリコン樹脂、エラストマー、ナイロン樹脂が好ましい。また、上述のとおり、ベルト部40の形状が、シンプルであることにより、コストをかけることなく、このベルト部40の着せ替えが容易となるものである。
【0023】
第2実施例のウエアラブル機器100は、端末20と、プレート部200と、時計バンド300、301とを有する。端末20は、すでに説明したとおりであり、同様の符号を付しその説明は省略する。
【0024】
プレート部200は端末20を取り付けるためのものであり、アーチ状を呈し、その両端部210、210は、端末20を配置したときに第2側面部50、50にそれぞれ接するものである。また、両端部210、210はそれぞれ、後述する時計バンド300、301を取り付けるための図示しない公知のバネ棒を取り付けるためのラグと呼ばれるものである。従って、両端部210、210は、図示しない公知のバネ棒を取り付けるためのラグ孔211を有している。従って、図示しないバネ棒を介して時計バンド300、301を取り付けることができる。時計バンド300、301は文字通り、腕時計に使用することができる公知のベルトである。また、時計バンド300、301は、金属で構成されたものあるいは合成皮革または天然皮革製で構成されたものが市販され公知のものである。ユーザーの好みに応じて、プレート部200に取り付けた時計バンド300、301を交換することができる。また、時計バンド300、301は、合成樹脂で構成されたものであっても好ましい。例えばシリコン樹脂、エラストマー、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。上記のとおり、時計バンド300、301は公知のものである。従ってこれ以上の説明は省略する。
【0025】
プレート部200に中央部201に、端末20を取り付けるための第2被取り付け部220を有する。プレート部200は金属製であるために、第2被取り付け部220は、変形可能な合成樹脂からなる円盤状のものであり、その中央に、楕円形の孔部221を有している。また、アーチ状を呈するプレート部200と両端部210、210によりその裏面201に、端末20が嵌合するように配置することができる。
【0026】
第1実施例のウエアラブル機器10の使用方法について説明する。ベルト部40における、楕円形状を呈する孔を有する被取り付け部48に、端末20における第1面21に配置した突起状の取り付け部22を取り付ける。ベルト部40は、柔軟性を有するために、楕円形状を呈する孔を有する被取り付け部48が若干変形することで、端末20における先端部23が入り込み、柱状部24が、その被取り付け部48と嵌合する。これにより、ベルト部40の裏面52に、端末20の第1面21が接するように配置される。
【0027】
この状態で、端末20の第2面31が、ユーザーの腕に接するように、ベルト部40をそのユーザーの腕に配置する。すなわち、ユーザーに腕に巻きつけるように配置する。これにより、第2面31に配置されたセンサー32は、常にユーザーの腕に接するようにそのベルト部40によって押圧されているので、例えば、ユーザーの体温を測ったり、ユーザーの心拍を測定することや、ユーザーの睡眠時間を計測したり、さらにユーザーの睡眠時の呼気を検出することができる。
【0028】
また、端末20の幅をベルト部40と同様か、それ以下にすることで、端末20を有している場合であっても、ベルト部40が露出することで、そのベルト部40に配置した端末20が隠れる。従ってこの場合は、第1実施例のウエアラブル機器10を、リストバンドとして活用することができるのでファッション性が高まるというものである。なお、この場合のベルト部40の幅は18ミリメートルが好ましい。従って、端末20の幅も同様に18ミリメートルあるいはそれ以下が好ましい。
【0029】
次に、第2実施例のウエアラブル機器100の使用方法について説明する。プレート部200における、楕円形状を呈する孔を有する第2被取り付け部220に、端末20における第1面21に配置した突起状の取り付け部22を取り付ける。楕円形の孔部221は柔軟性を有するために、その第2被取り付け部220における孔部221が若干変形することで、端末20における先端部23が入り込み、柱状部24が、その第2被取り付け部220と嵌合する。これにより、プレート部200の裏面201に、端末20の第1面21が接するように配置される。
【0030】
この状態で、端末20の第2面31が、ユーザーの腕に接するように、時計バンド300、301をそのユーザーの腕に配置する。すなわち、ユーザーに腕に巻きつけるように配置する。これにより、第2面31に配置されたセンサー32は、常にユーザーの腕に接するようにその時計バンド300、301によって押圧されているので、例えば、ユーザーの体温を測ったり、ユーザーの心拍を測定することや、ユーザーの睡眠時間を計測したり、さらにユーザーの睡眠時の呼気を検出することができる。
【0031】
また、端末20の幅をプレート部200と同様か、それ以下にすることで、端末20を有している場合であっても、プレート部200が露出し、そのプレート部200に端末20が隠れる。従ってこの場合は、第2実施例のウエアラブル機器100を、ブレスレットとして活用することができるのでファッション性が高まるというものである。
【符号の説明】
【0032】
10 第1実施例のウエアラブル機器
20 端末
21 第1面
22 取り付け部
31 第2面
32 センサー
40 ベルト部
48 被取り付け部
52 裏面
100 第2実施例のウエアラブル機器
200 プレート部
201 裏面
220 第2被取り付け部
300 301 時計バンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9