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  • 特許-パッケージ型真空ポンプユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】パッケージ型真空ポンプユニット
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/06 20060101AFI20240318BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20240318BHJP
   F04B 41/00 20060101ALI20240318BHJP
   F04C 18/18 20060101ALI20240318BHJP
   F04C 29/04 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
F04B39/06 M
F04B39/00 101T
F04B41/00 B
F04C18/18 A
F04C29/04 D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022066701
(22)【出願日】2022-04-14
(65)【公開番号】P2023157053
(43)【公開日】2023-10-26
【審査請求日】2023-05-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000127123
【氏名又は名称】株式会社アンレット
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】横井 隆志
(72)【発明者】
【氏名】林 晋司
(72)【発明者】
【氏名】竹田 昌史
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-75076(JP,A)
【文献】特開2004-68658(JP,A)
【文献】特開2009-108696(JP,A)
【文献】特開平10-159780(JP,A)
【文献】特開昭63-36088(JP,A)
【文献】特開平3-189394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00、39/06、41/00
F04C 18/18、29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングにロータ室とロータ室に連通する吸込口及び吐出口を設け、ロータ室に一対のルーツロータを回転可能に組み付け、ルーツロータの回転に伴い空気を吸込口から吸引し、吐出口から吐出するルーツ式真空ポンプと、
ルーツ式真空ポンプを冷却する冷却装置を備え
ルーツ式真空ポンプと冷却装置を、吸音材を備えたボックスに格納したパッケージ型真空ポンプユニットであって、
冷却装置として、ケーシングに貫通して設けられ、冷却オイルが流れる循環路と、
冷却オイルのリザーブタンクと循環路を接続する配管と、
リザーブタンクから循環路へ冷却オイルを圧送して冷却オイルをリザーブタンクとケーシングの循環路との間で循環させる圧送ポンプと、
リザーブタンク内の冷却オイルとの間で熱交換を行う熱交換器と、
熱交換器で冷却オイルとの間で熱交換した冷媒が流れるラジエターと、
ラジエターに送風してラジエターを冷却し、ラジエターからボックスの外に放熱するラジエターの冷却用ファンと、
ボックスの上部に内設され、ボックス内の空気をボックスの外部へ排気する排気ファンで構成したことを特徴とするパッケージ型真空ポンプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はルーツ式真空ポンプとルーツ式真空ポンプを冷却する冷却装置を、吸音材を備えたボックスに格納したパッケージ型真空ポンプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のパッケージ型真空ポンプユニットの一形式が特開2007‐127114号に開示されている。
このパッケージ型真空ポンプユニットでは、真空ポンプの稼働時に発生する騒音によって作業環境が悪化するのを防止するため、吸音材を備えたボックスに真空ポンプを格納している。
また、真空ポンプの稼働時に発生する発熱によってボックス内の温度が上昇し、真空ポンプが過熱して作動不良を来すのを防止するため、ボックス内に真空ポンプを冷却する冷却装置を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-127114号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来のパッケージ型真空ポンプユニットは、冷却装置として水冷式の冷却器と排気ファンをボックス内に格納し、冷却器の上に排気ファンを配置している。真空ポンプは冷却器の下方に配置され、真空ポンプの下部周辺には真空ポンプが吸引する空気をボックスの外から内に引き込むための排気用配管が設置されている。この排気用配管は冷却器に接続されている。
【0005】
上記のパッケージ型真空ポンプユニットによれば、排気ファンによって外気がボックスの下方から上方へ流れ、冷却器へ流入する。また、真空ポンプの発熱によって排気管内の空気が加熱され、加熱空気が冷却器へ流入し、排気用配管も冷却される。そして、外気と加熱空気が冷却器内で混合し、排気ファンによってボックスから排気される。
【0006】
従来のパッケージ型真空ポンプユニットでは排気ファンでボックスに外気を導入してボックス内部を冷却するとともに、冷却器で排気用配管を冷却している。しかし、冷却器によって直接真空ポンプを冷却するわけではなく、真空ポンプの下部に配管した排気用配管を冷却器で冷却して間接的に真空ポンプを冷却しているので、冷却効果が低い。
本発明は、騒音を抑制でき、かつ真空ポンプを効果的に冷却できるパッケージ型真空ポンプユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の本発明は、ケーシングにロータ室とロータ室に連通する吸込口及び吐出口を設け、ロータ室に一対のルーツロータを回転可能に組み付け、ルーツロータの回転に伴い空気を吸込口から吸引し、吐出口から吐出するルーツ式真空ポンプと、
ルーツ式真空ポンプを冷却する冷却装置を備え
ルーツ式真空ポンプと冷却装置を、吸音材を備えたボックスに格納したパッケージ型真空ポンプユニットであって、
冷却装置として、ケーシングに貫通して設けられ、冷却オイルが流れる循環路と、
冷却オイルのリザーブタンクと循環路を接続する配管と、
リザーブタンクから循環路へ冷却オイルを圧送して冷却オイルをリザーブタンクとケーシングの循環路との間で循環させる圧送ポンプと、
リザーブタンク内の冷却オイルとの間で熱交換を行う熱交換器と、
熱交換器で冷却オイルとの間で熱交換した冷媒が流れるラジエターと、
ラジエターに送風してラジエターを冷却し、ラジエターからボックスの外に放熱するラジエターの冷却用ファンと、
ボックスの上部に内設され、ボックス内の空気をボックスの外部へ排気する排気ファンで構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吸音材を備えたボックスにオイルクーラ、ルーツ式真空ポンプ及び排気ファンを格納しているので、稼働時にルーツ式真空ポンプ、オイルクーラ、排気ファン等から発生する騒音によって作業環境が悪化するのを防止できる。
そして、ボックスに格納したオイルクーラからルーツ式真空ポンプのケーシングに貫通して設けた循環路へ冷却オイル圧送してケーシングを冷却し、排気ファンでボックス内の空気をボックスの外に排気するので、ルーツ式真空ポンプが過熱して作動不良を来すのを効果的に防止できる。
また、冷却媒体として冷却オイルを循環させているので、循環路の内部に錆やスケールが付着し難く、長期間にわたって高い冷却効率を維持でき、ランニングコストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施例に係るパッケージ型真空ポンプユニットを示す斜視図である。
図2】同パッケージ型真空ポンプユニットの内部構造を示す右側面図である。
図3】同パッケージ型真空ポンプユニットの内部構造を示す左側面図である。
図4】同パッケージ型真空ポンプユニットのルーツ式真空ポンプを示す断面図である。
図5】同パッケージ型真空ポンプユニットのオイルクーラの機能的構成を示す説明図である。
【実施例
【0010】
以下に本発明を図面に基づき説明する。図1図3には本発明の一実施例に係るパッケージ型真空ポンプユニット10が示されている。このパッケージ型真空ポンプユニット10はボックス11を備え、ボックス11にルーツ式真空ポンプ12とオイルクーラ13及び排気ファン14が格納されている。
【0011】
ボックス11は複数枚のパネル11aをフレーム15に固定して四角の箱型に組み立てられている。
図2及び図3に示すように、ボックス11の各側面を構成するパネル11aの表面には吸音材11bが貼り付けられている。ボックス11の上面にはルーツ式真空ポンプ12の吐出管12aが突出して設けられるとともに、排熱口11dが設けられている。またボックス11の正面には、外気取入口11eとオイルクーラ13の給油蓋11fが設けられている。ボックス11の背面にはルーツ式真空ポンプ12の吸引管12bが突出して設けられている。ルーツ式真空ポンプ12とオイルクーラ13はボックス11の底面11cに載置して固定されている。排気ファン14は排熱口11dに対向するようにルーツ式真空ポンプ12の上方の排熱口11dの直下に設置されている。
【0012】
図4に示すように、ルーツ式真空ポンプ12は、二つのロータ室12e、12fを形成したケーシング12gを有し、各ロータ室12e,12fに一対のルーツロータ12hを回転可能に組み付けた多段のルーツ式真空ポンプ構造を備えている。ケーシング12gには一方のロータ室12eに連通する吸引口12iと、他方のロータ室12fに連通する吐出口12j及び両ロータ室12e,12fを連通する連通路12kが設けられている。また、ケーシング12gにはオイルクーラ13から圧送される冷却オイル16(図5参照)が循環する循環路12mが貫通して設けられている。吸引口12iには吸引管12bが接続され、吐出口12jには吐出管12aが接続されている。
【0013】
オイルクーラ13の機能的構成を図5に示す。オイルクーラ13は冷却オイル13aのリザーブタンク13bと、リザーブタンク13bに浸漬した熱交換器13fと、リザーブタンク13bからルーツ式真空ポンプ12へ冷却オイル13aを圧送する圧送ポンプ13cとラジエター13d及びラジエター13dの冷却用ファン13eを備えている。そして、オイルクーラ13と循環路12mが熱交換前オイル配管16及び熱交換後オイル配管17で接続されている。また、ラジエター13dと熱交換器13fが高温伝熱パイプ18及び放熱後伝熱パイプ19で接続されている。図2中、符号20はオイルクーラ13の給油口で、給油蓋11fで覆われている。また、符号21はルーツ式真空ポンプのモータである。
【0014】
本実施例に係る多段ルーツ式真空ポンプ10の構造は以上の通りであって、ルーツロータ12hの回転に伴い空気が吸込管12bから吸引され、ロータ室で圧縮されて吐出管12aから吐出する。
本実施例に係るパッケージ型真空ポンプユニット10によれば、吸音材11bを貼り付けたパネル11aで組み立てたボックス11にルーツ式真空ポンプ12、オイルクーラ13及び排気ファン14を格納しているので、稼働時にルーツ式真空ポンプ12、オイルクーラ13、排気ファン14等から発生する騒音によって作業環境が悪化するのを防止できる。
【0015】
ボックス11に格納したオイルクーラ13からルーツ式真空ポンプ12のケーシング12gに貫通して設けた循環路12mへ冷却オイル13aを圧送してケーシング12gを冷却し、排気ファン14でボックス11内の空気をボックス11の外に排気するので、ルーツ式真空ポンプ12が過熱して作動不良を来すのを効果的に防止できる。
【0016】
冷却媒体として冷却オイル13aを循環させているので、循環路12mの内部に錆やスケールが付着し難く、長期間にわたって高い冷却効率を維持でき、ランニングコストを低く抑えることができる。
【符号の説明】
【0017】
10…パッケージ型真空ポンプユニット
11…ボックス
11a…パネル
11b…吸音材
12…ルーツ式真空ポンプ
12a…吐出管
12b…吸引管
12e、12f…ロータ室
12g…ケーシング
12h…ルーツロータ
12i…吸引口
12j…吐出口
12m…循環路
13…オイルクーラ
13a…冷却オイル
13b…リザーブタンク
13c…圧送ポンプ
13d…ラジエター
13e…冷却用ファン
13f…熱交換器
14…排気ファン
図1
図2
図3
図4
図5