(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】盤龍七(Polygoni milletii Rhizome)組成物およびその調製方法
(51)【国際特許分類】
A61K 36/185 20060101AFI20240318BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240318BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240318BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240318BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20240318BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
A61K36/185
A61P29/00
A61P19/02
A61K9/08
A61K9/70 401
A61P43/00 121
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022112403
(22)【出願日】2022-07-13
【審査請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】202110797470.5
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110797477.7
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522281350
【氏名又は名称】シャンシー・パンロン・ファーマシューティカル・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHAANXI PANLONG PHARMACEUTICAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO. 2801, BALIU 2ND ROAD, MODERN TEXTILE INDUSTRIAL PARK, BAQIAO DISTRICT, XI’AN, 710025 SHAANXI, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】シャオリン・シエ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥジュー・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】チェンユアン・リャン
(72)【発明者】
【氏名】シュージュン・ディン
(72)【発明者】
【氏名】ユイジー・リュウ
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ・マー
(72)【発明者】
【氏名】シュイファ・ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・マン
(72)【発明者】
【氏名】ジャングオ・マン
【審査官】佐々木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第1718211(CN,A)
【文献】特表2014-501260(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0095443(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102441113(CN,A)
【文献】"盤龍七薬酒", 中人民共和国生部品准中成方制第20册,中人民共和国生部典委会編,1998年,p.323
【文献】中薬大辞典 第4巻,株式会社 小学館,1985年,pp.2202-2203
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00-36/9068
A61K 9/00- 9/72
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)チンキ剤を調製する方法であって、
盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)10~20質量部、ジンギョウ(Gentianae Macrophyllae Radix)10~20質量部、牛膝(Achyranthis Bidentatae Radix)5~10質量部、丹参(Salviae Miltiorrhizae Radix Et Rhizoma)20~30質量部、五加皮(Acanthopanacis Cortex)10~20質量部、纈草(Valerianae Officinalis Rhizoma Et Radix)5~10質量部、八里麻(Sambuci Rhizoma)5~10質量部、および蛇葡萄(Ampelopsis Humulifoliae Cortex)5~10質量部を混合して第1混合物を形成するステップ、
前記第1混合物を還流条件下で70~90%エタノールで抽出し、第1抽出液を得るステップ、
当帰(Angelicae Sinensis Radix)30~50質量部、重楼(Paridis Rhizoma)20~30質量部、青蛙七(Qingwaqi(Iris tectorum Maxim.))1~3質量部、川烏(Aconiti Radix)1~3質量部、草烏(Aconiti Kusnezoffii Radix)1~3質量部、鉄棒鎚(Aconiti Penduli Radix)1~3質量部、珠子参(Panacis Majoris Rhizoma)1~3質量部、絡石藤(Trachelospermi Caulisetfolium)5~10質量部、羊角七(Aconitisungpanensis Radix)5~10質量部、木香(Aucklandiae Radix)5~10質量部、乳香(Olibanum)5~10質量部、祖司麻(Daphnes Cortex)1~3質量部、白毛七(Chloranthi Radix Et Rhizoma)1~5質量部、老鼠七(Hylomeconis Rhizoma)1~5質量部、杜仲(Eucommiae Cortex)10~20質量部、紅花(Carthami Flos)5~10質量部、壮筋丹(Silene Radix)1~5質量部、没薬(Myrrha)5~10質量部、伸筋草(Lycopodii Herba)1~5質量部、支柱蓼(Polygoni Suffulti Rhizoma)5~10質量部および竹根七(Tupistrae Rhizoma)5~10質量部を混合して、第2混合物を形成するステップ、
前記第2混合物を50~70%エタノールで抽出して第2抽出液を得るステップ、および、
前記第1抽出液と前記第2抽出液とを混合して、前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)チンキ剤を得るステップ、とを含
み、
ここで、前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)チンキ剤を得るために、前記第1抽出液および前記第2抽出液が、2:3の体積比で混合される、方法。
【請求項2】
盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤を調製する方法であって、
盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)10~30質量部、壮筋丹(Silene Radix)2~8質量部、五加皮(Acanthopanacis Cortex)10~30質量部、杜仲(Eucommiae Cortex)10~30質量部、当帰(Angelicae Sinensis Radix)25~90質量部、珠子参(Panacis Majoris Rhizoma)1~4質量部、青蛙七(Qingwaqi(Iris tectorum Maxim.))1~4質量部、蛇葡萄(Ampelopsis Humulifoliae Cortex)5~15質量部、ジンギョウ(Gentianae Macrophyllae Radix)10~30質量部、木香(Aucklandiae Radix)5~15質量部、祖司麻(Daphnes Cortex)1~4質量部、絡石藤(Trachelospermi Caulisetfolium)5~15質量部、川烏(Aconiti Radix)1~4質量部、白毛七(Chloranthi Radix Et Rhizoma)2~8質量部、鉄棒鎚(Aconiti Penduli Radix)1~4質量部、草烏(Aconiti Kusnezoffii Radix)1~4質量部、老鼠七(Hylomeconis Rhizoma)2~8質量部、支柱蓼(Polygoni Suffulti Rhizoma)5~15質量部、紅花(Carthami Flos)5~15質量部、没薬(Myrrha)5~15質量部、竹根七(Tupistrae Rhizoma)5~15質量部、纈草(Valerianae Officinalis Rhizoma Et Radix)10~30質量部、伸筋草(Lycopodii Herba)2~8質量部、牛膝(Achyranthis Bidentatae Radix)10~30質量部、丹参(Salviae Miltiorrhizae Radix Et Rhizoma)15~40質量部、羊角七(Aconitisungpanensis Radix)5~15質量部、八里麻(Sambuci Rhizoma)5~15質量部、重楼(Paridis Rhizoma)15~40質量部、および乳香(Olibanum)5~15質量部を混合して、盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)混合物を形成するステップ、
前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)混合物および皮膚浸透促進剤を水中で混合して第1溶液を形成するステップ、
保湿剤および結合剤を水中で混合して第2溶液を形成するステップ、
増粘剤を水中に添加して第3溶液を形成するステップ、
メチルパラベンおよびエチルパラベンを90%エタノール中で混合して第4溶液を形成するステップ、
前記第1溶液、前記第2溶液、前記第3溶液、および前記第4溶液を混合して混合物を形成するステップ、および、
前記混合物を不織布に塗布して乾燥させて、前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤を形成するステップ、とを含
み、
ここで、前記皮膚浸透促進剤が、アゾン、オレイン酸、またはアゾンとオレイン酸との混合物であり、前記保湿剤が、グリセロール、ブチレングリコール、またはポリエチレングリコールであり、前記結合剤が、ポリアクリル酸ナトリウムまたはカオリナイトであり、前記増粘剤が、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、またはヒドロキシエチルセルロースナトリウムである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年7月14日に出願された中国特許出願番号202110797470.5、および2021年7月14日に出願された202110797477.7の優先権を主張し、その両方は、本明細書に完全に記載されているかのようにすべての目的のために参照により組み込まれている。
【0002】
本発明は、漢方組成物およびその調製方法の技術分野に関し、特に、盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)チンキ剤、盤龍七(PolygoniMilletii Rhizome)パップ剤、およびそれらの調製方法に関する。
【背景技術】
【0003】
盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)錠剤は、経口投与後の薬物含量が少なく、バイオアベイラビリティが低い。高いバイオアベイラビリティを有する盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)組成物が必要とされている。
【0004】
(発明の概要)
1つの実施形態では、本出願は、盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)チンキ剤を調製する方法を開示する。当該方法は、以下のステップ:盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)10~20質量部、ジンギョウ(Gentianae Macrophyllae Radix)10~20質量部、牛膝(Achyranthis Bidentatae Radix)5~10質量部、丹参(Salviae Miltiorrhizae Radix Et Rhizoma)20~30質量部、五加皮(Acanthopanacis Cortex)10~20質量部、纈草(Valerianae Officinalis Rhizoma Et Radix)5~10質量部、八里麻(Sambuci Rhizoma)5~10質量部、および蛇葡萄(Ampelopsis Humulifoliae Cortex)5~10質量部を混合して第1混合物を形成するステップ、前記第1混合物を還流条件下で70~90%エタノールで抽出し、第1抽出液を得るステップ、当帰(Angelicae Sinensis Radix)30~50質量部、重楼(Paridis Rhizoma)20~30質量部、青蛙七(Qingwaqi(Iris tectorum Maxim.))1~3質量部、川烏(Aconiti Radix)1~3質量部、草烏(Aconiti Kusnezoffii Radix)1~3質量部、鉄棒鎚(Aconiti Penduli Radix)1~3質量部、珠子参(Panacis Majoris Rhizoma)1~3質量部、絡石藤(Trachelospermi Caulisetfolium)5~10質量部、羊角七(Aconitisungpanensis Radix)5~10質量部、木香(Aucklandiae Radix)5~10質量部、乳香(Olibanum)5~10質量部、祖司麻(Daphnes Cortex)1~3質量部、白毛七(Chloranthi Radix Et Rhizoma)1~5質量部、老鼠七(Hylomeconis Rhizoma)1~5質量部、杜仲(Eucommiae Cortex)10~20質量部、紅花(Carthami Flos)5~10質量部、壮筋丹(Silene Radix)1~5質量部、没薬(Myrrha)5~10質量部、伸筋草(Lycopodii Herba)1~5質量部、支柱蓼(Polygoni Suffulti Rhizoma)5~10質量部および竹根七(Tupistrae Rhizoma)5~10質量部を混合して、第2混合物を形成するステップ、前記第2混合物を50~70%エタノールで抽出して第2抽出液を得るステップ、前記第1抽出液と前記第2抽出液とを混合して、前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)チンキ剤を得るステップ、を含む。
【0005】
別の実施形態では、前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)チンキ剤を得るために、前記第1抽出液および前記第2抽出液が、2:3の体積比で混合される。
【0006】
別の実施形態では、本願は、盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤を調製する方法を開示する。当該方法は、盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)10~30質量部、壮筋丹(Silene Radix)2~8質量部、五加皮(Acanthopanacis Cortex)10~30質量部、杜仲(Eucommiae Cortex)10~30質量部、当帰(Angelicae Sinensis Radix)25~90質量部、珠子参(Panacis Majoris Rhizoma)1~4質量部、青蛙七(Qingwaqi(Iris tectorum Maxim.))1~4質量部、蛇葡萄(Ampelopsis Humulifoliae Cortex)5~15質量部、ジンギョウ(Gentianae Macrophyllae Radix)10~30質量部、木香(Aucklandiae Radix)5~15質量部、祖司麻(Daphnes Cortex)1~4質量部、絡石藤(Trachelospermi Caulisetfolium)5~15質量部、川烏(Aconiti Radix)1~4質量部、白毛七(Chloranthi Radix Et Rhizoma)2~8質量部、鉄棒鎚(Aconiti Penduli Radix)1~4質量部、草烏(Aconiti Kusnezoffii Radix)1~4質量部、老鼠七(Hylomeconis Rhizoma)2~8質量部、支柱蓼(Polygoni Suffulti Rhizoma)5~15質量部、紅花(Carthami Flos)5~15質量部、没薬(Myrrha)5~15質量部、竹根七(Tupistrae Rhizoma)5~15質量部、纈草(Valerianae Officinalis Rhizoma Et Radix)10~30質量部、伸筋草(Lycopodii Herba)2~8質量部、牛膝(Achyranthis Bidentatae Radix)10~30質量部、丹参(Salviae Miltiorrhizae Radix Et Rhizoma)15~40質量部、羊角七(Aconitisungpanensis Radix)5~15質量部、八里麻(Sambuci Rhizoma)5~15質量部、重楼(Paridis Rhizoma)15~40質量部、および乳香(Olibanum)5~15質量部を混合して、盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)混合物を形成するステップ、前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)混合物および皮膚浸透促進剤を水中で混合して第1溶液を形成するステップ、保湿剤および結合剤を水中で混合して第2溶液を形成するステップ、増粘剤を水中に添加して第3溶液を形成するステップ、メチルパラベンおよびエチルパラベンを90%エタノール中で混合して第4溶液を形成するステップ、前記第1溶液、前記第2溶液、前記第3溶液、および前記第4溶液を混合して混合物を形成するステップ、前記混合物を不織布に塗布して乾燥させて、前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤を形成するステップ、を含む。
【0007】
別の実施形態では、前記皮膚浸透促進剤は、アゾン、オレイン酸、またはアゾンとオレイン酸との混合物であり、前記保湿剤は、グリセロール、ブチレングリコール、またはポリエチレングリコールであり、前記結合剤は、ポリアクリル酸ナトリウムまたはカオリナイトであり、前記増粘剤は、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、またはヒドロキシエチルセルロースナトリウムである。
【0008】
(詳細な説明)
以下、本発明を限定するのではなく、説明するための具体的な実施形態を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明する。
【0009】
(実施例1)
盤龍七(Polygoni milletii Rhizome)10g、ジンギョウ(Gentianae Macrophyllae Radix)10g、牛膝(Achyranthis Bidentatae Radix)5g、丹参(Salviae Miltiorrhizae Radix Et Rhizoma)20g、五加皮(Acanthopanacis Cortex)10g、纈草(Valerianae Officinalis Rhizoma Et Radix)5g、八里麻(Sambuci Rhizoma)5g、および蛇葡萄(Ampelopsis Humulifoliae Cortex)5gを混合して粉砕し、20メッシュの篩に通し、70%エタノール1,200mLに加え、1時間ずつ3回還流抽出し、濾過して冷却し、24時間後に濾過して、1,118mLの第1抽出液を得た。当帰(Angelicae Sinensis Radix)30g、重楼(Paridis Rhizoma)20g、青蛙七(Qingwaqi(Iris tectorum Maxim.))1g、川烏(Aconiti Radix)1g、草烏(Aconiti Kusnezoffii Radix)1g、鉄棒鎚(Aconiti Penduli Radix)1g、珠子参(Panacis Majoris Rhizoma)1g、絡石藤(Trachelospermi Caulisetfolium)5g、羊角七(Aconitisungpanensis Radix)5g、木香(Aucklandiae Radix)5g、乳香(Olibanum)5g、祖司麻(Daphnes Cortex)1g、白毛七(Chloranthi Radix Et Rhizoma)1g、老鼠七(Hylomeconis Rhizoma)1g、杜仲(Eucommiae Cortex)10g、紅花(Carthami Flos)5g、壮筋丹(Silene Radix)1g、没薬(Myrrha)5g、伸筋草(Lycopodii Herba)1g、支柱蓼(Polygoni Suffulti Rhizoma)5g、竹根七(Tupistrae Rhizoma)5gを1,800mLの50%エタノールに加え、1時間ずつ3回還流抽出し、濾過、冷却し、24時間後に濾過して、1,695mLの第2抽出液を得た。前記第1抽出液および前記第2抽出液を2:3の容量比で混合し、盤龍七(Polygoni milletii Rhizome)チンキ剤2,795mLを得た。
【0010】
(実施例2~5)
実施例1と同様にして、しかし以下の表1に示すように成分を変えて、実施例2~5を調製した。
【0011】
【0012】
(比較例1~6)
実施例1と同様にして、しかし以下の表2に示すように成分を変えて、比較例2~6を調製した。
【0013】
【0014】
(実施例6)
鎮痛実験(捻り法)を行い、実施例1~5および比較例1~6の組成物の鎮痛活性を測定した。その結果を表3に示す。
【0015】
【0016】
(実施例7)
抗炎症実験(マウス耳介腫脹法)を行い、実施例1~5および比較例1~6の組成物の抗炎症活性を測定した。その結果を表4に示す。
【0017】
【0018】
(実施例8)
抗関節炎実験(ボランティア39名:男性15名、女性14名、13群に分けた)を行い、抗関節炎活性を測定した。
【0019】
実施例1~5の組成物を投与した患者については、投薬後11日以内に発赤および腫脹が消失し、14日以内に疼痛が消失し、30日以内に再発しなかった。
【0020】
比較例1~6の組成物を投与した患者については、投薬後26日以内に発赤および疼痛が消失し、30日以内の再発率は22.2%であった。
【0021】
(実施例9)
盤龍七(Polygoni milletii Rhizome)、壮筋丹(Silene Radix)、五加皮(Acanthopanacis Cortex)、杜仲(Eucommiae Cortex)、当帰(Angelicae Sinensis Radix)、珠子参(Panacis Majoris Rhizoma)、青蛙七(Qingwaqi(Iris tectorum Maxim.))、蛇葡萄(Ampelopsis Humulifoliae Cortex)、ジンギョウ(Gentianae Macrophyllae Radix)、木香(Aucklandiae Radix)、祖司麻(Daphnes Cortex)、絡石藤(Trachelospermi Caulisetfolium)5、川烏(Aconiti Radix)、白毛七(Chloranthi Radix Et Rhizoma)、鉄棒鎚(Aconiti Penduli Radix)、草烏(Aconiti Kusnezoffii Radix)、老鼠七(Hylomeconis Rhizoma)、支柱蓼(Polygoni Suffulti Rhizoma)、紅花(Carthami Flos)、没薬(Myrrha)、竹根七(Tupistrae Rhizoma)、纈草(Valerianae Officinalis Rhizoma Et Radix)、伸筋草(Lycopodii Herba)、牛膝(Achyranthis Bidentatae Radix)、丹参(Salviae Miltiorrhizae Radix Et Rhizoma)を表5に示す割合で混合して、盤龍七(Polygoni milletii Rhizome)混合物を形成させた。
【0022】
【0023】
盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤の調製:
(1)上記で調製した前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)混合物、およびアゾンとオレイン酸との混合物(6:4)5gを脱イオン水100mLに加え、撹拌して均一に分散させ、
(2)ポリアクリル酸ナトリウム30gをグリセリン250mLに分散させ、蒸留水420mLを加え、混合物を攪拌して完全に溶解させ、
(3)アルギン酸ナトリウム30gを水150mLに溶解し、一晩静置して完全に膨潤させて溶解させ、
(4)90%エタノール70mLにメチルパラベン6gおよびエチルパラベン6gを溶解して、保存液を調製し、
(5)ステップ(3)の溶液を(2)の溶液に加え、ステップ(1)の溶液およびステップ(4)の溶液を連続的に加え、粘性流体を形成した。この粘性流体を直ちに4枚の不織布(55cm×49cm)に塗布した。この不織布を40℃のオーブンで乾燥させた。この不織布を70枚に切断した。1枚あたり1.24gの盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤が含まれており、これにより、関節炎を効果的に改善および治療することができる。
【0024】
(実施例10)
盤龍七(Polygoni milletii Rhizome)、壮筋丹(Silene Radix)、五加皮(Acanthopanacis Cortex)、杜仲(Eucommiae Cortex)、当帰(Angelicae Sinensis Radix)、珠子参(Panacis Majoris Rhizoma)、青蛙七(Qingwaqi(Iris tectorum Maxim.))、蛇葡萄(Ampelopsis Humulifoliae Cortex)、ジンギョウ(Gentianae Macrophyllae Radix)、木香(Aucklandiae Radix)、祖司麻(Daphnes Cortex)、絡石藤(Trachelospermi Caulisetfolium)5、川烏(Aconiti Radix)、白毛七(Chloranthi Radix Et Rhizoma)、鉄棒鎚(Aconiti Penduli Radix)、草烏(Aconiti Kusnezoffii Radix)、老鼠七(Hylomeconis Rhizoma)、支柱蓼(Polygoni Suffulti Rhizoma)、紅花(Carthami Flos)、没薬(Myrrha)、竹根七(Tupistrae Rhizoma)、纈草(Valerianae Officinalis Rhizoma Et Radix)、伸筋草(Lycopodii Herba)、牛膝(Achyranthis Bidentatae Radix)、丹参(Salviae Miltiorrhizae Radix Et Rhizoma)を表6に示す割合で混合して、盤龍七(Polygoni milletii Rhizome)混合物を形成させた。
【0025】
【0026】
盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤の調製:
(1)上記で調製した前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)混合物、およびアゾンとオレイン酸との混合物(6:4)10gを脱イオン水100mLに加え、撹拌して均一に分散させ、
(2)ポリアクリル酸ナトリウム40gをグリセリン270mLに分散させ、蒸留水600mLを加え、混合物を攪拌して完全に溶解させ、
(3)アルギン酸ナトリウム30gを水180mLに溶解し、一晩静置して完全に膨潤させて溶解させ、
(4)90%エタノール70mLにメチルパラベン12gおよびエチルパラベン12gを溶解して、保存液を調製し、
(5)ステップ(3)の溶液を(2)の溶液に加え、ステップ(1)の溶液およびステップ(4)の溶液を連続的に加え、粘性流体を形成した。この粘性流体を直ちに4枚の不織布(55cm×49cm)に塗布した。この不織布を40℃のオーブンで乾燥させた。この不織布を70枚に切断した。1枚あたり2.05gの盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤が含まれており、これにより、関節炎を効果的に改善および治療することができる。
【0027】
(実施例11)
盤龍七(Polygoni milletii Rhizome)、壮筋丹(Silene Radix)、五加皮(Acanthopanacis Cortex)、杜仲(Eucommiae Cortex)、当帰(Angelicae Sinensis Radix)、珠子参(Panacis Majoris Rhizoma)、青蛙七(Qingwaqi(Iris tectorum Maxim.))、蛇葡萄(Ampelopsis Humulifoliae Cortex)、ジンギョウ(Gentianae Macrophyllae Radix)、木香(Aucklandiae Radix)、祖司麻(Daphnes Cortex)、絡石藤(Trachelospermi Caulisetfolium)5、川烏(Aconiti Radix)、白毛七(Chloranthi Radix Et Rhizoma)、鉄棒鎚(Aconiti Penduli Radix)、草烏(Aconiti Kusnezoffii Radix)、老鼠七(Hylomeconis Rhizoma)、支柱蓼(Polygoni Suffulti Rhizoma)、紅花(Carthami Flos)、没薬(Myrrha)、竹根七(Tupistrae Rhizoma)、纈草(Valerianae Officinalis Rhizoma Et Radix)、伸筋草(Lycopodii Herba)、牛膝(Achyranthis Bidentatae Radix)、丹参(Salviae Miltiorrhizae Radix Et Rhizoma)を表7に示す割合で混合して、盤龍七(Polygoni milletii Rhizome)混合物を形成させた。
【0028】
【0029】
盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤の調製:
(1)上記で調製した盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)混合物、およびアゾンとオレイン酸との混合物(6:4)10gを脱イオン水100mLに加え、撹拌して均一に分散させ、
(2)ポリアクリル酸ナトリウム60gをグリセリン300mLに分散させ、蒸留水800mLを加え、混合物を攪拌して完全に溶解させ、
(3)アルギン酸ナトリウム60gを水210mLに溶解し、一晩静置して完全に膨潤させて溶解させ、
(4)90%エタノール70mLにメチルパラベン20gおよびエチルパラベン20gを溶解して、保存液を調製し、
(5)ステップ(3)の溶液を(2)の溶液に加え、ステップ(1)の溶液およびステップ(4)の溶液を連続的に加え、粘性流体を形成した。この粘性流体を直ちに4枚の不織布(55cm×49cm)に塗布した。この不織布を40℃のオーブンで乾燥させた。この不織布を70枚に切断した。1枚あたり3.99gの盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤が含まれており、これにより、関節炎を効果的に改善および治療することができる。
【0030】
(実施例12)
実施例12は、ポリアクリル酸ナトリウム40gをブチレングリコール(グリセリンではない)270mLに分散させたこと以外は、実施例10と同様にして実施した。1枚あたり2.06gの前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤が含まれており、これにより、関節炎を効果的に改善および治療することができる。
【0031】
(実施例13)
実施例13は、ポリアクリル酸ナトリウム40gをポリエチレングリコール(グリセリンではない)270mLに分散させたこと以外は、実施例10と同様にして実施した。1枚あたり2.06gの前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤が含まれており、これにより、関節炎を効果的に改善および治療することができる。
【0032】
(実施例14)
実施例14は、カオリナイト(ポリアクリル酸ナトリウムではない)40gをグリセリン270mLに分散させたこと以外は、実施例10と同様にして実施した。1枚あたり2.05gの前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤が含まれており、これにより、関節炎を効果的に改善および治療することができる。
【0033】
(実施例15)
実施例15は、100mLの脱イオン水に前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)混合物およびアゾン10g(アゾンとオレイン酸との混合物ではない)を加えたこと以外は、実施例10と同様にして実施した。1枚あたり2.05gの前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤が含まれており、これにより、関節炎を効果的に改善および治療することができる。
【0034】
(実施例16)
実施例16は、100mLの脱イオン水に前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)混合物およびオレイン酸10g(アゾンとオレイン酸との混合物ではない)を加えたこと以外は、実施例10と同様にして実施した。1枚あたり2.05gの前記盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)パップ剤が含まれており、これにより、関節炎を効果的に改善および治療することができる。
【0035】
(比較例7~13)
比較例7~13は、盤龍七(Polygoni Milletii Rhizome)を加えない(比較例7)、重楼(Paridis Rhizoma)を加えない(比較例8)、牛膝(Achyranthis Bidentatae Radix)を加えない(比較例9)、杜仲(Eucommiae Cortex)を加えない(比較例10)、五加皮(Acanthopanacis Cortex)、ジンギョウ(Gentianae Macrophyllae Radix)、および纈草(Valerianae Officinalis Rhizoma Et Radix)を加えない(比較例11)、丹参(Salviae Miltiorrhizae Radix Et Rhizoma)、および当帰(Angelicae Sinensis Radix)を加えない(比較例12)、川烏(Aconiti Radix)、草烏(Aconiti Kusnezoffii Radix)、および鉄棒鎚(Aconiti Penduli Radix)を加えない(比較例13)こと以外は、実施例10と同様にして実施した。
【0036】
(実施例18)
鎮痛実験(捻り法)を行い、実施例9~11、実施例15~16および比較例7~13の組成物の鎮痛活性を測定した。その結果を表8に示す。
【0037】
【0038】
(実施例19)
抗炎症実験(マウス耳介腫脹法)を行い、実施例9~11、実施例15~16および比較例7~13の組成物の抗炎症活性を測定した。その結果を表9に示す。
【0039】
【0040】
(実施例20)
抗関節炎実験(ボランティア42名:各群3名ずつ14群に分けた)を行い、抗関節炎活性を測定した。
【0041】
実施例9~16の組成物を投与した患者については、投薬後11日以内に発赤および腫脹が消失し、21日以内に痛みが消失し、30日以内に再発がなかった。
【0042】
比較例7~13の組成物を投与した患者については、投薬後28日以内に発赤および疼痛が消失し、30日以内の再発率は47.6%であった。
【0043】
上記の内容は、本発明の技術的思想を説明するためのものであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の技術的思想に従って提案された技術的解決策に基づいてなされたいかなる変更も、本発明の特許請求の範囲に記載された保護範囲に含まれる。