(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
D06F 58/02 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
D06F58/02 F
(21)【出願番号】P 2023192206
(22)【出願日】2023-11-10
【審査請求日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】202310358072.2
(32)【優先日】2023-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523107190
【氏名又は名称】木衛智能科技(深▲せん▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Morus Technology (Shenzhen) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 801, Qianhai E-Metro, 99 Gangcheng Street, Nanshan District, Shenzhen, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宜 尓軒
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-076694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 58/00-58/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、導流アセンブリ及び切換弁を備え、
前記ハウジングは、第1流路を有し、前記導流アセンブリは、第2流路を有し、前記第1流路は、前記第2流路と端と端で連通し、前記切換弁は、前記ハウジングと前記導流アセンブリとの間に設けられる衣類処理装置であって、
前記切換弁は、
第1吸気口及び第1吹出口が設けられた第1空気室と、第2吸気口及び第2吹出口が設けられた第2空気室と、を含む換気室と、
駆動部材、第1シール部材及び第2シール部材を含む密封アセンブリと、を含み、
前記第1吸気口は、前記第2流路と連通し、前記第1吹出口は外界環境と連通し、前記第2吸気口は、前記外界環境と連通し、前記第2吹出口は、前記第1流路と連通し、前記第1空気室と前記第2空気室との間には通気孔が設けられており、
前記駆動部材は、前記第1シール部材と伝導可能に連接されて、前記第1シール部材を駆動して回動させ、
前記第2シール部材は、前記第1シール部材とヒンジを介して連接され、
前記第1シール部材は、前記第1吹出口と前記通気孔に移動可能にカバーされ、前記第2シール部材は、前記第2吹出口に移動可能にカバーされ、
前記衣類処理装置は、第1循環状態と第2循環状態とを有し、
前記第1循環状態では、前記第1シール部材が前記第1吹出口を閉鎖し、かつ前記通気
孔を閉鎖せず、前記第2シール部材が前記第2吸気口を閉鎖し、
前記第2循環状態では、前記第1シール部材が前記第1吹出口を閉鎖していないが前記通気
孔を閉鎖し、前記第2シール部材が前記第2吹出口を閉鎖していない
し、
前記第1シール部材は、第1シール板と、前記第1シール板に連接される第2シール板と、を含み、
前記駆動部材は、前記第1シール板と前記第2シール板とが両者の連結箇所を中心に回転するように駆動し、前記第1シール板は、前記第1吹出口に移動可能にカバーされ、前記第1シール板と前記第2シール板は、前記通気孔に移動可能にカバーされ、前記第2シール部材は、前記第2シール板の前記第1シール板から離れる側に回動可能に接続されていることを特徴とする衣類処理装置。
【請求項2】
前記第2シール部材は、
第3シール板とガイドポストとを含み、前記ガイドポストは、前記第3シール板の対向する両側に設けられ、前記第2空気室には、前記第3シール板の対向側に向かってガイド溝が凹設されており、
前記ガイドポストは、前記ガイド溝に移動可能に収容されて、前記第3シール板の位置を制限することを特徴とする請求項
1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記第2シール板の前記第3シール板に向かう一端には、第1取付部が間隔をあけて設けられ、前記第3シール板には、前記第1取付部に対応して第2取付部が設けられ、
前記シール部材は、回転ピンをさらに含み、
前記回転ピンは、前記第1取付部と前記第2取付部に穿設されて、前記第3シール板が前記第2シール板に対して回動できるようにすることを特徴とする請求項
2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記第1シール板と前記第2シール板との接続箇所には回転取付部が設けられ、前記駆動部材は、前記換気室の外側に設けられ、前記駆動部材の伝動軸は、前記回転取付部に連接されることを特徴とする請求項
2に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記第1シール板と前記第2シール板は、互いに連接してリミット空間を形成し、前記第1空気室は、前記第1吹出口に位置規制板が設けられ、前記位置規制板は、前記リミット空間に対応して配置され、
前記第1循環状態は、前記位置規制板が前記第1シール板に当接されて、前記第1シール板の継続的な回動を阻止することを含むことを特徴とする請求項
2に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記第1吸気口は、前記第1吹出口とずらして設けられ、前記第2吸気口は、前記第2吹出口と対向して設けられ、前記第1吹出口は、前記第2吸気口と並んで設けられていることを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記第2流路内に配置され、空気が前記第1流路から前記第2流路に入るように駆動するためのファンをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記第2流路内に配置され、前記第2流路内の空気湿度を低下させるための除湿器をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記第2吸気口と前記第1流路との間に設けられ、前記第1流路内に入り込んだ空気を加熱するためのヒータをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電気機器の技術分野に関し、特に衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類乾燥機には、主に内循環と外循環との2つの動作モードがある。内循環モードでは、乾燥空気流は乾燥機の内部だけを循環し、外部の温度と湿度に与える影響が小さい。しかし、その欠点は水蒸気の排出が困難であり、乾燥時間が長いことである。一方、外循環モードは乾燥空気流が外部環境と交換を行い、乾燥時間は短いが、外部の温度と湿度に対する影響が大きい。
【0003】
異なる条件下での乾燥需要に対応するために、乾燥機は上述の2つの動作モード間の切り替えを実現するために気流交換弁を設置する必要がある。しかしながら、従来の気流交換弁は、殆んど分離式であり、吸風弁と排風弁との間に連動構造を形成するのが困難であり、内循環と外循環との間の切り替え効率が低く、かつ循環不良を招きやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の状況に鑑みて、本願は、上記の問題を解決するための衣類処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の実施形態による衣類処理装置は、ハウジング、導流アセンブリ及び切換弁を備え、前記ハウジングは第1流路を有し、前記導流アセンブリは第2流路を有し、前記第1流路は前記第2流路と端と端で連通し、前記切換弁は前記ハウジングと前記導流アセンブリとの間に設けられる衣類処理装置であって、前記切換弁は、
第1吸気口及び第1吹出口が設けられた第1空気室と、第2吸気口及び第2吹出口が設けられた第2空気室とを含む換気室と、
前記駆動部材、第1シール部材及び第2シール部材を含む密封アセンブリと、を含み、
前記第1吸気口は前記第2流路と連通し、前記第1吹出口は外界環境と連通し、前記第2吸気口は前記外界環境と連通し、前記第2吹出口は前記第1流路と連通し、前記第1空気室と前記第2空気室との間には通気孔が設けられており、
前記駆動部材は、前記第1シール部材と伝導可能に連接されて、前記第1シール部材を駆動して回動させ、
前記第2シール部材は、前記第1シール部材とヒンジを介して連接され、
前記第1シール部材は、前記第1吹出口と前記通気孔に移動可能にカバーされ、前記第2シール部材は、前記第2吹出口に移動可能にカバーされ、
前記衣類処理装置は、第1循環状態と第2循環状態とを有し、
前記第1循環状態では、前記第1シール部材が前記第1吹出口を閉鎖し、かつ前記通気口を閉鎖せず、前記第2シール部材が前記第2吸気口を閉鎖し、
前記第2循環状態では、前記第1シール部材が前記第1吹出口を閉鎖していないが前記通気口を閉鎖し、前記第2シール部材が前記第2吹出口を閉鎖していない。
【0006】
幾つかの可能な態様では、前記第1シール部材は、前記第1シール板と、前記第1シール板に連接される第2シール板とを含み、前記駆動部材は、前記第1シール板と前記第2シール板とが両者の連結箇所を中心に回転するように駆動し、前記第1シール板は、前記第1吹出口に移動可能にカバーされ、前記第1シール板と前記第2シール板は、前記通気孔に移動可能にカバーされ、前記第2シール部材は、前記第2シール板の前記第1シール板から離れる側に回動可能に接続されている。
【0007】
幾つかの可能な態様では、前記第2シール部材は、前記第3シール板とガイドポストとを含み、前記ガイドポストは、前記第3シール板の対向側に設けられ、前記第2空気室には、前記第3シール板の対向側に向かってガイド溝が凹設されており、
前記ガイドポストは、前記ガイド溝に移動可能に収容されて、前記第3シール板の位置を制限する。
【0008】
幾つかの可能な態様では、前記第2シール板の前記第3シール板に向かう一端には、第1取付部が間隔をあけて設けられ、前記第3シール板には、前記第1取付部に対応して第2取付部が設けられ、
前記シール部材は、回転ピンをさらに含み、
前記回転ピンは、前記第1取付部と前記第2取付部に穿設されて、前記第3シール板が前記第2シール板に対して回動できるようにする。
【0009】
幾つかの可能な態様では、前記第1シール板と前記第2シール板との接続箇所には回転取付部が設けられ、前記駆動部材は前記換気室の外側に設けられ、前記駆動部材の伝動軸は前記回転取付部に連接される。
【0010】
幾つかの可能な態様では、前記第1シール板と前記第2シール板は、互いに連接してリミット空間を形成し、前記第1空気室は、前記第1吹出口に位置規制板が設けられ、前記位置規制板は、前記リミット空間に対応して配置され、
第1循環状態では、前記位置規制板が前記第1シール板に当接されて、前記第1シール板が継続的に回動することを阻止する。
【0011】
幾つかの可能な態様では、前記第1吸気口は前記第1吹出口とずらして設けられ、前記第2吸気口は前記第2吹出口と対向して設けられ、前記第1吹出口は前記第2吸気口と並んで設けられている。
【0012】
幾つかの可能な態様では、前記衣類処理装置は、第2流路内に配置され、空気が前記第1流路から前記第2流路に入るように駆動するためのファンをさらに備える。
【0013】
幾つかの可能な態様では、前記衣類処理装置は、前記第2流路内に配置され、前記第2流路内の空気湿度を低下させるための除湿器をさらに備える。
【0014】
幾つかの可能な態様では、前記衣類処理装置は、前記第2吸気口と前記第1流路との間に設けられ、前記第1流路内に入り込んだ空気を加熱するためのヒータをさらに備える。
【0015】
本願発発明に係る衣類処理装置は、第1シール部材と第2シール部材との連動構造を設け、且つ駆動部材を設けて第1シール部材を駆動して回動させることによって、第1吹出口と第2吸気口との同期開閉を実現するとともに、通気孔に対する閉鎖と開閉を実現することができる。本願発明の切換弁は、全体構造がコンパクトであり、開閉効率が高く、衣類処理装置の内外循環の効率的な切換を実現すること及び空気の滞留を減少するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願の一実施形態によって提供される衣類処理装置の全体概略図である。
【
図2】
図1に示す衣類処理装置のII-II線に沿った断面図である。
【
図3A】
図1に示す衣類処理装置の内循環状態での簡略化された概略図である。
【
図3B】
図1に示す衣類処理装置の外循環状態での簡略化された概略図である。
【
図4】
図1に示す衣類処理装置の切換弁の第1循環状態での概略図である。
【
図5】
図4に示す切換弁のV-V線に沿った断面図である。
【
図6】
図1に示す衣類処理装置の切換弁の第2循環状態での概略図である。
【
図7】
図6に示す切換弁のVII-VII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本願の実施形態の図面を参照しながら、本願の実施形態の技術的態様を明確に且つ完全に説明する。明らかに、説明された実施形態は本願の一部の実施形態にすぎず、全ての実施形態ではない。
【0018】
なお、ある部品が他の部品に「固定される」と称される場合、それは直接に他の部品に存在してもよいし、他の要素を介して固定されてもよい。また、1つの部品が他の部品に「接続される」と称される場合、それは直接に他の部品に接続されてもよいし、同時に中間媒体が存在してもよい。また、1つの部品が他の部品に「設けられる」と称される場合、それは直接に他の部品に設けられてもよいし、同時に中間媒体が存在してもよい。本文で使用される用語「垂直」、「水平」、「左」、「右」及びこれらに類似する表現は、説明の目的のためだけに使用される。
【0019】
特に定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本願の技術分野に属する技術者が一般に理解するものと同じ意味である。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、本願を制限することを目的とするものではない。本明細書で使用される用語「または/及び」は、1つまたは複数の関連する列挙された項目の任意の及び全ての組合せを含む。
【0020】
本願の一実施形態によれば、ハウジング、導流アセンブリ及び切換弁を備え、前記ハウジングは第1流路を有し、前記導流アセンブリは第2流路を有し、前記第1流路は前記第2流路と端と端で連通し、前記切換弁は前記ハウジングと前記導流アセンブリとの間に設けられる衣類処理装置であって、前記切換弁は、第1吸気口及び第1吹出口が設けられた第1空気室と、第2吸気口及び第2吹出口が設けられた第2空気室とを含む換気室と、駆動部材、第1シール部材及び第2シール部材を含む密封アセンブリと、を含み、前記第1吸気口は前記第2流路と連通し、前記第1吹出口は外界環境と連通し、前記第2吸気口は前記外界環境と連通し、前記第2吹出口は前記第1流路と連通し、前記第1空気室と前記第2空気室との間には通気孔が設けられており、前記駆動部材は、前記第1シール部材と伝導可能に連接されて、前記第1シール部材を駆動して回動させ、前記第2シール部材は、前記第1シール部材とヒンジを介して連接され、前記第1シール部材は、前記第1吹出口と前記通気孔に移動可能にカバーされ、前記第2シール部材は、前記第2吹出口に移動可能にカバーされ、前記衣類処理装置は、第1循環状態と第2循環状態とを有し、前記第1循環状態では、前記第1シール部材が前記第1吹出口を閉鎖し、かつ前記通気口を閉鎖せず、前記第2シール部材が前記第2吸気口を閉鎖し、前記第2循環状態では、前記第1シール部材が前記第1吹出口を閉鎖していないが前記通気口を閉鎖し、前記第2シール部材が前記第2吹出口を閉鎖していない。
【0021】
上記の実施形態では、衣類処理装置は、第1循環状態において、空気は第1吸気口から、第2流路を通って第1空気室内に入り、次いで通気孔から第2空気室の内部に入り、且つ第2吹出口を通って第2空気室から第1流路内に入る。即ち、空気は衣類処理設備内を循環して流れる。第2循環状態では、空気は第1吸気口から、第2流路を通って第1空気室内に入り、その後、第1吹出口を介して外部環境に入る。これと同時に、外界環境の空気は第2吸気口から第2空気室の内部に入り、且つ第2吹出口を介して第2空気室から第1流路内に入ることができる。即ち、空気は衣類処理装置と外界環境との間で循環して流れる。
【0022】
本願が提供する衣類処理装置は、第1シール部材と第2シール部材との連動構造を設け、且つ駆動部材を設けて第1シール部材を駆動して回動させることによって、第1吹出口と第2吸気口との同期開閉を実現するとともに、通気孔に対する閉鎖と開閉を実現することができる。本願発明の切換弁は、全体構造がコンパクトであり、開閉効率が高く、衣類処理装置の内外循環の効率的な切換を実現でき、空気の滞留を減少するのに有利である。
【0023】
以下、本願の幾つかの実施形態を詳細に説明する。矛盾しない場合には、以下の実施形態及び実施形態における特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0024】
図1及び
図2に示すように、幾つかの実施形態では、衣類処理装置100は、ハウジング10と、導流アセンブリ20と、切換弁30とを含む。ハウジング10は、第1流路11を有する。具体的には、ハウジング10は、ドラム(図示せず)を含む。当該ドラムの内部は、湿った衣類を収容するための第1流路11を有する。導流アセンブリ20は、第2流路21を有する。ハウジング10は、第1流路11と第2流路21が端と端で連通し、第1流路11及び第2流路21内を空気が循環して流れることができるように、導流アセンブリ20と端と端で接続されている(
図3Aを参照)。切換弁30は、第2流路21内の空気を外部環境に排出し、且つ外部環境中の空気を第1流路11に導入することを可能にするために、ハウジング10と導流アセンブリ20との間に設けられている(
図3Bを参照)。
【0025】
図4、
図5及び
図6に示すように、具体的には、切換弁30は、換気室31と、換気室31に設けられたシールアセンブリ32とを含む。
【0026】
換気室31は、第1空気室311と、第1空気室311に連接される第2空気室312とを含む。第1空気室311と第2空気室312との間には、通気孔313が穿設される。通気孔313は、第1空気室311と第2空気室312とを連通する。
【0027】
第1空気室311には、第1吸気口311aと第1吹出口311bが設けられている。第1吸気口311aは第2流路21(
図1または
図2を参照)に連通し、第1吹出口311bは外部環境に連通する。第2空気室312には、第2吸気口312aと第2吹出口312bが設けられている。第2吸気口312aは、外部環境に連通可能である。第2吹出口312bは、第1流路11に連通する(
図1または
図2を参照)。
【0028】
第1吸気口311aは、第1吹出口311bと略ずれて設けられている。第2吸気口312aと第2吹出口312bとは、略対応して設けられている。第1吹出口311bは、第2吸気口312aとほぼ並列して配置されている。このように、第1吹出口311bと第2吸気口312aをハウジング10の同側に設置するのに有利である。組立過程において、ハウジング10の一方と壁(図示せず)との間に通気隙間を保留するだけで、衣類処理装置100のインストールに必要なスペースを節約し、衣類処理装置100のインストール要件を低減するのに有利である。理解できるように、第1吹出口311bと第2吸気口312aがハウジング10の異なる側に向いている場合、ハウジング10の両側と壁との間に通気隙間を保留する必要がある。
【0029】
図4、
図5及び
図6に示すように、シールアセンブリ32は駆動部材321、第1シール部材322及び第2シール部材323を含む。駆動部材321は、換気室31の外側に設けられ、且つ第1シール部材322に連結されて第1シール部材322を回転させる。第1シール部材322は、第2シール部材323とヒンジを介して連接されて、第2シール部材323を動かして移動させる。
【0030】
第1シール部材322は、第1吹出口311b及び通気孔313に移動可能にカバーされている。即ち、第1シール部材322は、第1吹出口311bを閉鎖するが通気孔313(以下、第1循環状態Aを参照)を閉鎖してもよく、第1吹出口311bを閉鎖しないが通気孔313(以下、第2循環状態Bを参照)を閉鎖してもよい。第2シール部材323は、第2吸気口312aに移動可能にカバーされている。即ち、第2シール部材323は、第2吸気口312a(以下、第1循環状態Aを参照)を閉鎖してもよく、第2吸気口312a(以下、第2循環状態Bを参照)を閉鎖しなくてもよい。
【0031】
図4~
図7に示すように、駆動部材321が第1シール部材322を駆動して回動させる過程では、第2シール部材323もそれに伴って移動し、これによって、衣類処理装置100が第1循環状態Aと第2循環状態Bとの間で切り換えることを実現する。
【0032】
図4及び
図5を参照すると、第1循環状態Aにおいて、第1シール部材322は第1吹出口311bを閉鎖するが通気孔313を閉鎖せず、第2シール部材323は第2吸気口312aを閉鎖している。このとき、第1流路11または第2流路21内の空気は外界環境と交換することができず、第2流路21内の空気は第1吸気口311aのみから第1空気室311に流入し、その後、通気孔313を介して第1空気室311から第2空気室312に流入し、次いで、第2吹出口312bを介して第2空気室312から第1流路11に流入することができる。即ち、空気は衣類処理装置100内で内部循環のみを行う。
【0033】
図6及び
図7に示すように、第2循環状態Bにおいて、第1シール部材322は第1吹出口311bを閉鎖せず、通気孔313を閉鎖し、第2シール部材323は第2吸気口312aを閉鎖していない。このとき、第1流路11または第2流路21内の空気は外界環境と交換することができる。第2流路21内の空気は、第1吸気口311aから第1空気室311内に流入した後、第1吹出口311bを介して第1空気室311から外界環境に流入することができる。一方、外界環境中の空気は、第2吸気口312aから第2空気室312内に流入し、その後、第2吹出口312bを介して第1流路11に入る。即ち、衣類処理装置100と外界環境との間で空気を交換し、外循環を実現することができる。
【0034】
図5及び
図7を参照すると、幾つかの実施形態では、第1シール部材322は、略「L」字状を呈し、第1シール板322aと第2シール板322bとを含む。第1シール板322aは、第2シール板322bに連接されて、リミット空間322cを形成する。駆動部材321は、第1シール板322a及び第2シール板322bを両者の接続箇所の回りに回動させる。第1シール板322aは、第1吹出口311bに移動可能にカバーされる。第1シール板322a及び第2シール板322bは、通気孔313に移動可能にカバーされるためのものである。第2シール部材323は、第2シール板322bの第1シール板322aから離れる側に回動可能に接続されている。
図5に示すように、第1循環状態Aのとき、第1シール板322aは第1吹出口311bを閉鎖するが、第1シール板322aと第2シール板322bは通気孔313を閉鎖していない。
図7に示すように、第2循環状態Bにおいて、第1シール板322aは第1吹出口311bを閉鎖していなく、第1シール板322aと第2シール板322bは共同で通気孔313を閉鎖している。
【0035】
図5及び
図7に示すように、幾つかの実施形態では、第1空気室311は、第1吹出口311bに位置規制板314を設ける。位置規制板314はストッパ空間322cに対応して設けられている。第1循環状態Aのとき、位置規制板314は第1シール板322aに当接して第1シール板322aの継続的な回動を阻止する。第2循環状態Bでは、位置規制板314は第2シール板322bに当接して、第2シール板322bの継続的な回動を阻止する。このように、位置規制板314は、第1シール部材322の回動範囲を規定するために使用される。他の実施形態では、位置規制板314または第2空気室312と第2シール部材323とが垂直に対向する内壁に微動スイッチなどのセンサーを設置することもできる。前述のセンサーが第1シール部材322または第2シール部材323が予め設定された位置にあることを検出すると、コントローラ、即ち駆動部材321は動作を停止し、第1シール板322a及び第2シール板322bが回動し続けることを阻止する。
【0036】
図6に示すように、幾つかの実施形態では、第2シール部材323は、第3シール板323aとガイドポスト323bとを含む。ガイドポスト323bは、第3シール板323aの対向する両側に設けられる。第2空気室312には、第3シール板323aの対向側に向かってガイド溝312cが凹設されている。ガイドポスト323bは、第3シール板323aの移動範囲を制限するために、ガイド溝312cに移動可能に収容されている。具体的には、ガイド溝312cは略三日月状を呈する。ガイド溝312cの形状は、ほぼ第3シール板323aが移動中にスイープする領域の第2空気室312の内側への投影によって決定される。
【0037】
図4及び
図5に示すように、幾つかの実施形態では、第1シール部材322は、第1取付部33をさらに含む。第1取付部33は、第2シール板322bの第3シール板323aに向かう一端に間隔をあけて設けられる。第2シール部材323は、第3シール板323aの第1取付部33に対応する箇所に設けられる第2取付部34をさらに含む。シールアセンブリ32は、回動ピン(図示せず)をさらに含む。回動ピンは、第1取付部33と第2取付部34とに穿設されて、第3シール板323aが第2シール板322bに対して回動可能にする。即ち、第2シール板322bと第3シール板323aとの互いに対して回動可能な連結を実現する。
【0038】
幾つかの実施形態では、シールアセンブリ32は、第1シール板322aと第2シール板322bとの接続箇所に設けられた回転取付部36をさらに含む。駆動部材321の伝動軸321aは、回転取付部36に接続されている。具体的には、回転取付部36には、角形溝(図示せず)が設けられる。伝動軸321aの断面形状は方形をなし、伝動軸321aは角形溝内に挿入可能である。このように、伝動軸321aが回動すると、回転取付部36がそれに伴って回動し、第1シール部材322を動かして回動させる。ここで、駆動部材321は、モータである。
【0039】
図3A及び
図3Bに示すように、幾つかの実施形態では、導流アセンブリ20は、第2流路21内に設けられたファン50をさらに備える。ファン50は、空気が第1流路11から第2流路21内に入るように駆動することによって、第1流路11内の湿った衣類の乾燥を実現する。
【0040】
図3A及び
図3Bに示すように、幾つかの実施形態では、導流アセンブリ20は、第2流路21内に設置された除湿器60をさらに備える。除湿器60は、第2流路21内の空気の湿度を低下させ、湿った空気が第1流路11に吹き込まれることを減少させ、第1流路11内の衣類の乾燥を加速させることができる。
【0041】
図3A及び
図3Bに示すように、幾つかの実施形態では、導流アセンブリ20は、第2吸気口312aと第1流路11との間に配置されたヒータ70をさらに備える。ヒータ70は、第1流路11内に入った空気を加熱する。
【0042】
以上の実施形態は、本願の技術的態様を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではない。上述の好ましい実施形態を参照して本願について詳細に説明したが、当業者は、本願の技術提案に対して修正するかまたは同等に置き換えて得られたものがいずれも本願発明の精神及び範囲内に属されることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0043】
100 衣類処理装置
10 ハウジング
11 第1流路
20 導流アセンブリ
21 第2流路
30 切換弁
31 換気室
32 シールアセンブリ
321 駆動部材
311 第1空気室
311a 第1吸気口
311b 第1吹出口
312 第2空気室
312a 第2吸気口
312b 第2吹出口
312c ガイド溝
313 通気孔
314 位置規制板
322 第1シール部材
322a 第1シール板
322b 第2シール板
322c リミット空間
323 第2シール部材
323a 第3シール板
323b ガイドポスト
33 第1取付部
34 第2取付部
36 回転取付部
50 ファン
60 除湿器
70 ヒータ
A 第1循環状態
B 第2循環状態
【要約】 (修正有)
【課題】全体構造がコンパクトであり、開閉効率が高く、衣類処理装置の内外循環の効率的な切換を実現でき、空気の滞留を減少するのに有利な切換弁を提供する。
【解決手段】ハウジング10、導流アセンブリ20及び切換弁30を備える。切換弁30は、第1吸気口311a及び第1吹出口311bが設けられた第1空気室と、第2吸気口312a及び第2吹出口312bが設けられた第2空気室とを含む換気室と、駆動部材、第1シール部材及び第2シール部材を含む密封アセンブリとを含み、第1吸気口は第2流路21と連通し、第1吹出口は外界環境と連通し、第2吸気口は外界環境と連通し、第2吹出口は第1流路と連通し、第1空気室と第2空気室との間には通気孔313が設けられており、駆動部材は、第1シール部材と伝導可能に連接されて、第1シール部材を駆動して回動させる。
【選択図】
図3A