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特許7455452情報処理システム、プログラム及び情報処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】情報処理システム、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240318BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023217456
(22)【出願日】2023-12-22
【審査請求日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2023119535
(32)【優先日】2023-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521470490
【氏名又は名称】株式会社Stayway
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 淳
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-035019(JP,A)
【文献】特開2002-312713(JP,A)
【文献】特開2023-018624(JP,A)
【文献】特開2021-120790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備える情報処理システムであって、
前記プロセッサが、
選択表示ステップでは、申請文書の種類の選択操作を受け付ける選択画面を第1ユーザ端末に表示させ、
指示ステップでは、文章作成機能を有する人工知能に対して、前記選択操作により選択された種類の申請文書の文章の作成を指示し、
編集表示ステップでは、前記指示により作成された申請文書を編集可能に前記第1ユーザ端末に表示させ、
添削表示ステップでは、前記第1ユーザ端末において編集された申請文書の添削の依頼を、選択された申請文書の種類に詳しい添削者の第2ユーザ端末に表示させ、
前記指示ステップでは、前記選択された種類の申請文書のテンプレートに従い文章を作成するように前記人工知能に指示し、
前記テンプレートは、前記申請文書の種類ごとに用意され、各種類の申請文書に含まれる項目を示し、
複製ステップでは、選択された既存の前記テンプレートの複製を生成し、
編集表示ステップでは、生成された前記複製を編集可能に第3ユーザ端末に表示させ、 保存ステップでは、前記第3ユーザ端末において編集された複製を、新たな種類の前記申請文書のテンプレートとして保存する、
情報処理システム。
【請求項2】
プロセッサを備える情報処理システムであって、
前記プロセッサが、
選択表示ステップでは、申請文書の種類の選択操作を受け付ける選択画面を第1ユーザ端末に表示させ、
指示ステップでは、文章作成機能を有する人工知能に対して、前記選択操作により選択された種類の申請文書の文章の作成を指示し、
編集表示ステップでは、前記指示により作成された申請文書を編集可能に前記第1ユーザ端末に表示させ、
添削表示ステップでは、前記第1ユーザ端末において編集された申請文書の添削の依頼を、選択された申請文書の種類に詳しい添削者の第2ユーザ端末に表示させ、
結果表示ステップでは、前記添削の依頼に対して前記添削者により行われた添削結果を前記第1ユーザ端末に表示させ、
前記添削の依頼は前記申請文書が完成するまで繰り返し行われ、
前記結果表示ステップでは、前記添削の回数とともに前記添削結果を前記第1ユーザ端末に表示させる、
情報処理システム。
【請求項3】
プロセッサを備える情報処理システムであって、
前記プロセッサが、
選択表示ステップでは、申請文書の種類の選択操作を受け付ける選択画面を第1ユーザ端末に表示させ、
指示ステップでは、文章作成機能を有する人工知能に対して、前記選択操作により選択された種類の申請文書の文章の作成を指示し、
編集表示ステップでは、前記指示により作成された申請文書を編集可能に前記第1ユーザ端末に表示させ、
添削表示ステップでは、前記第1ユーザ端末において編集された申請文書の添削の依頼を、選択された申請文書の種類に詳しい添削者の第2ユーザ端末に表示させ、
添削表示ステップでは、前記添削を依頼する文章を前記第2ユーザ端末に表示させる際に、前記人工知能が作成した文章と、前記第1ユーザ端末において編集された部分とを、互いに異なる態様で表示させる、
情報処理システム。
【請求項4】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【請求項5】
情報処理方法であって、
情報処理システムが備えるプロセッサが、
請求項1~請求項の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行する
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、補助金を受けようとする事業者に対して質問を送信し、事業者から質問の回答を受信すると、その回答に基づき、事業者が申請することができる助成金を選択し、選択した助成金情報を、事業者に送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-15100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
補助金等の申請にAIの文書作成機能を活用したいというニーズがあるが、作成される文書内容の正確性及び適格性等がまだ十分とは言えない。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、文章作成の容易化と文章の品質向上を両立させることができる情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、プロセッサを備える情報処理システムが提供される。この情報処理システムでは、プロセッサが、選択表示ステップでは、申請文書の種類の選択操作を受け付ける選択画面を第1ユーザ端末に表示させる。指示ステップでは、文章作成機能を有する人工知能に対して、選択操作により選択された種類の申請文書の文章の作成を指示す。編集表示ステップでは、指示により作成された申請文書を編集可能に第1ユーザ端末に表示させる。添削表示ステップでは、第1ユーザ端末において編集された申請文書の添削の依頼を、選択された申請文書の種類に詳しい添削者の第2ユーザ端末に表示させる。
【0007】
上記態様によれば、文章作成の容易化と文章の品質向上を両立させることができる情報処理システム等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】申請支援システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】サーバ装置10のハードウェア構成を示す図である。
図3】申請者端末30のハードウェア構成を示す図である。
図4】各制御部の機能構成の一例を示す図である。
図5】申請支援処理の一例を示すアクティビティ図である。
図6】メニュー画面の一例を示す図である。
図7】指示画面の一例を示す図である。
図8】申請文書のドラフト画面の一例を示す図である。
図9】入力及び修正がされた申請文書の一例を示す図である。
図10】申請文書テーブルの一例を示す図である。
図11】申請文書の添削依頼画面の一例を示す図である。
図12】添削された申請文書の一例を示す図である。
図13】添削された申請文書のドラフト画面の一例を示す図である。
図14】指示画面の別の一例を示す図である。
図15】申請文書のドラフト画面の別の一例を示す図である。
図16】申請文書の添削依頼画面の別の一例を示す図である。
図17】添削された申請文書の別の一例を示す図である。
図18】サーバ装置10の制御部11の機能構成の別の一例を示す図である。
図19】申請支援処理の別の一例を示すアクティビティ図である。
図20】メニュー画面の一例を示す図である。
図21】テンプレートデータベースの一例を示す図である。
図22】固有情報データベースの一例を示す図である。
図23】申請支援システムの全体構成の別の一例を示す図である。
図24】テンプレートの編集画面の一例を示す図である。
図25】テンプレートの編集画面の一例を示す図である。
図26】テンプレートの編集画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係る申請支援システムのハードウェア構成について説明する。
【0014】
図1は、申請支援システムの全体構成の一例を示す図である。図1に示す申請支援システム1は、補助金、助成金及び支援金等の申請文書の作成を支援するための処理を実行する情報処理システムである。申請支援システム1は、通信回線2と、サーバ装置100と、AIサーバ装置20と、申請者端末30と、複数の支援者端末40とを備える。通信回線2は、インターネット等を含み、自回線に接続する装置同士の通信を仲介する。通信回線2には、サーバ装置100及びAIサーバ装置20が有線で接続され、申請者端末30及び複数の支援者端末40が無線で接続されている。なお、通信回線2との接続は、有線でも無線でもよい。
【0015】
AIサーバ装置20は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)により文章を作成する機能を有する。AIサーバ装置20は、文章の作成指示(いわゆるプロンプト)を受け付けることで、文章を作成して出力する。サーバ装置100は、AIサーバ装置20への文章の作成指示の入力画面及びAIサーバ装置20から出力された文章の表示画面等を生成し、申請者端末30及び支援者端末40に表示させる処理等を行う。
【0016】
申請者端末30は、申請文書を作成する申請者が利用する端末である。申請者は、企業の従業員、個人事業主又は個人等である。申請者端末30は、申請者による文章の作成指示の入力を受け付け、AIサーバ装置20から出力された文章を表示する。支援者端末40は、申請者による申請文書の作成を支援する支援者が利用する端末である。申請者は、AIが作成した文章を用いて申請文書を作成し、支援者は、申請者が作成した申請文書を添削することで、申請文書の作成を支援する。
【0017】
申請文書の添削とは、文章を削ったり付け加えたりして申請文書をよりよい内容、すなわち、申請が採択されやすい内容に修正することである。なお、申請文書の添削には、文章自体の修正だけでなく、コメントを記載したり、添付すべき書類を指示したりすることも含まれる。支援者は、該当する申請に詳しい者であり、例えば、弁護士、弁理士、公認会計士、行政書士又は社労士等の士業の資格保持者である。ただし、支援者は、士業の資格保持者に限定する必要はなく、申請に詳しい者であれば誰でもよい。申請支援システム1においては、複数の支援者が登録されており、申請者が申請しようとしている申請文書に詳しい者が支援する。
【0018】
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、バス14とを備える。バス14は、サーバ装置10が備える各部を電気的に接続する。
【0019】
(制御部11)
制御部11は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)等のプロセッサを備える。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、申請支援システム1に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0020】
(記憶部12)
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行される申請支援システム1に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行される申請支援システム1に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0021】
(通信部13)
通信部13は、サーバ装置10から種々の電気信号を外部の構成要素に送信可能に構成される。また、通信部13は、外部の構成要素からサーバ装置10への種々の電気信号を受信可能に構成される。さらに好ましくは、通信部13がネットワーク通信機能を有し、これにより通信回線2を介して、サーバ装置10と外部機器との間で種々の情報を通信可能に実施してもよい。
【0022】
図3は、申請者端末30のハードウェア構成を示す図である。申請者端末30は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、入力部44と、表示部45と、バス46とを備える。バス46は、申請者端末30が備える各部を電気的に接続する。
【0023】
(入力部44)
入力部44は、ボタン及びタッチスクリーン等を有し、ユーザによる入力を受け付ける。
(表示部45)
表示部45は、ディスプレイ等を有し、表示面に画像を表示する。表示部25は、本実施形態では、入力部44のタッチスクリーンに含まれる。表示部45は、例えば、ブラウザ又はアプリケーションによりHTML(Hypertext Markup Language)等で記述された商品ページを表示する。
【0024】
図2に示すAIサーバ装置20は、サーバ装置10と同様のハードウェア構成を備える。AIサーバ装置20については、制御部21のみ、サーバ装置10の制御部11と異なる符号を付して説明する。図3に示す支援者端末40は、申請者端末30と同様のハードウェア構成を備える。支援者端末40については、制御部41のみ、申請者端末30の制御部31と異なる符号を付して説明する。
【0025】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、申請支援システム1が備える各装置の記憶部に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部によって具体的に実現されることで、各制御部に含まれる各機能部が実行されうる。
【0026】
図4は、各制御部の機能構成の一例を示す図である。制御部11は、サーバ表示部111と、ユーザ認証部112と、フォーム処理部113と、作成指示部114と、種類特定部115と、依頼先決定部116と、添削依頼部117と、バージョン管理部118とを備える。制御部21は、指示受付部211と、文章作成部212と、文章出力部213とを備える。制御部31は、ユーザ表示部311と、操作受付部312とを備える。制御部41は、ユーザ表示部411と、操作受付部412とを備える。
【0027】
サーバ表示部111は、申請支援システム1に関するシステム画面を各端末に表示させるための処理を実行する。サーバ表示部111は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)ファイルの生成及び送信等の処理を行い、システム画面を示すウェブページを申請者端末30及び支援者端末40に表示させる。なお、サーバ表示部111は、申請支援システム1を利用するためのアプリケーションの表示用データの生成及び送信等の処理を行ってもよい。
【0028】
ユーザ認証部112は、登録されたユーザID(Identification)及びパスワード等の認証情報に基づいて、申請者端末30及び支援者端末40等を介してログインしてきたユーザを認証する。この認証により、サーバ装置10は、申請者端末30及び支援者端末40とやり取りしたデータを、そのデータに関連するユーザに対応付けて処理することができる。フォーム処理部113は、申請者が申請する申請文書のフォームに関する処理を実行する。申請文書のフォームとは、申請文書に必要な書面、様式及び添付書類等を示す情報である。
【0029】
作成指示部114は、申請者端末30への申請者による操作に基づいて、文章の作成指示をAIサーバ装置20に対して入力する。種類特定部115は、申請者が申請文書を作成する申請の種類を特定する。依頼先決定部116は、申請文書の添削の依頼先となる支援者を決定する。添削依頼部117は、依頼先決定部116により決定された依頼先の支援者に申請文書の添削を依頼するための依頼処理を実行する。バージョン管理部118は、申請文書のバージョンを管理するための管理処理を実行する。
【0030】
指示受付部211は、作成指示部114からの文章作成の指示を受け付ける。文章作成部212は、指示受付部211により受け付けられた指示に従い、文章を作成する。文章出力部213は、文章作成部212により作成された文章を出力する。文章出力部213は、例えば、作成された文章をサーバ装置10に対して出力する。サーバ表示部111は、例えば、出力されてきた文章を含む画面を申請者端末30に表示させる。
【0031】
申請者端末30のユーザ表示部311は、申請者端末30が有する表示手段であるディスプレイへの表示を制御する。ユーザ表示部311は、例えば、サーバ表示部111から送信されてくるウェブページ又はアプリの画面を表示手段に表示させる。操作受付部312は、申請者が行う操作を受け付ける。
【0032】
支援者端末40のユーザ表示部411は、支援者端末40が有する表示手段であるディスプレイへの表示を制御する。ユーザ表示部411は、例えば、サーバ表示部111から送信されてくるウェブページ又はアプリの画面を表示手段に表示させる。操作受付部412は、支援者が行う操作を受け付ける。
【0033】
3.情報処理
本節では、本実施形態の情報処理について説明する。申請支援システム1は、申請者による申請を支援する申請支援処理を実行する。申請支援システム1は、申請支援処理に含まれる各ステップがなされるようにプログラムを実行可能なプロセッサを備える。
【0034】
図5は、申請支援処理の一例を示すアクティビティ図である。申請支援処理は、申請者が申請者端末30を操作して申請支援システム1のメニュー画面を表示させる操作を行うことを契機に開始される。まず、サーバ装置10は、サーバ表示部111により、申請支援システム1のメニュー画面を示す画面データを生成する(A11)。サーバ表示部111は、生成した画面データを申請者端末30に送信する。申請者端末30は、ユーザ表示部311により、送信されてきた画面データが示すメニュー画面を表示する(A12)。
【0035】
図6は、メニュー画面の一例を示す図である。図6に示すメニュー画面G1には、「申請対象を選択してください。」という文字列と、検索入力欄E11と、「お勧めの申請」という文字列と、複数の申請対象ボタンB11とが表示されている。各申請対象ボタンB11には、「補助金AP01」、「補助金AP02」、「助成金AP03」、「助成金AP04」、「補助金AP05」及び「給付金AP06」という文字列が示されている。
【0036】
検索入力欄E11にキーワードを入力すると、そのキーワードに関連する申請に関する情報が表示され、申請対象として選択することができる。また、申請対象ボタンB11を操作すると、その申請対象ボタンB11に示されている申請を申請対象として選択することができる。申請者端末30は、操作受付部312により、申請対象を選択する操作を受け付ける(A13)。操作受付部312は、選択された申請対象を示す選択データをサーバ装置10に送信する。
【0037】
サーバ装置10は、送信されてきた選択データを受信すると、フォーム処理部113により、選択データが示す申請文書のフォームを取得する(A14)。フォーム処理部113は、例えば、該当する申請文書のフォームを掲載したウェブページからそのフォームを示す文書データをダウンロードすることで、申請文書のフォームを取得する。なお、フォーム処理部113は、他にも、例えば、予めインターネット上で配布されている申請文書のフォームの文書データをダウンロードして申請文書の種類に対応付けて保存しておき、保存した文書データから選択された申請文書のフォームを取得してもよい。
【0038】
次に、サーバ装置10は、フォーム処理部113により、選択された申請文書に含まれる文章項目を抽出する(A15)。申請文書に含まれる書面には、氏名、住所、年月日及び金額等の文章ではない情報だけを入力する非文章項目と、申請理由、事業説明、事業計画、事業状況及び事業実績等のように文章で入力する文章項目とがある。フォーム処理部113は、例えば、取得したフォームに含まれている特定のキーワード(「事業」、「計画」、「理由」、「状況」、「実績」及び「報告」等)を含む項目を文章項目として抽出する。
【0039】
次に、サーバ装置10は、サーバ表示部111により、抽出された文章項目、すなわち、取得されたフォームの申請文書に含まれる文章項目についてAIサーバ装置20への文章作成指示をするための指示画面データを生成する(A16)。サーバ表示部111は、生成した指示画面データを申請者端末30に送信する。申請者端末30は、ユーザ表示部311により、送信されてきた指示画面データが示す指示画面を表示する(A17)。
【0040】
図7は、指示画面の一例を示す図である。図7に示す指示画面G2には、「文章作成の指示を入力してください。」という文字列と、文章作成指示(プロンプト)の入力欄P21、P22、P23と、文章の作成指示ボタンB21とが表示されている。入力欄P21、P22、P23は、それぞれ「申請理由」、「事業計画書」及び「事業実績報告書」という文章項目に対応付けられている。申請者は、各入力欄に、各文章項目に記載したい内容を示す文又は語句を入力する。
【0041】
申請者端末30は、操作受付部312により、各入力欄への入力を、文章作成の指示入力として受け付ける(A21)。操作受付部312は、入力を受け付けた文章作成の指示を示す入力データ(例えば文章項目とプロンプトを対応付けたデータ)をサーバ装置10に送信する。
【0042】
サーバ装置10は、作成指示部114により、送信されてきた入力データに基づき、文章の作成を指示する指示データを生成する(A22)。作成指示部114は、例えば、入力データと同様に、文章項目とプロンプトを対応付けたデータを指示データとして生成する。作成指示部114は、文章作成を指示された文章項目が2以上ある場合は、各文章項目にそれぞれ対応する2以上の文章を作成するよう指示する指示データを生成する。作成指示部114は、生成した指示データをAIサーバ装置20に送信する。
【0043】
AIサーバ装置20は、送信されてきた指示データを受信すると、指示受付部211により、受信した指示データが示す文章作成の指示を受け付ける(A23)。次に、AIサーバ装置20は、文章作成部212により、受け付けられた指示に従い文章を作成する(A24)。文章作成部212は、具体的には、指示データが示す文章項目ごとに、それらの文章項目に対応付けられたプロンプトに応じた文章を作成する。文章作成部212は、作成した文章を、対応する文章項目に対応付けた作成結果データを生成し、サーバ装置10に対して出力する。
【0044】
サーバ装置10は、出力されてきた作成結果データを受信すると、サーバ表示部111により、受信した作成結果データが示す文章、すなわち、AIサーバ装置20による文章の作成結果を含めた申請文書のドラフト画面データを生成する(A25)。サーバ表示部111は、生成したドラフト画面データを申請者端末30に送信する。申請者端末30は、ユーザ表示部311により、送信されてきたドラフト画面データが示す申請文書のドラフト画面を表示する(A26)。
【0045】
図8は、申請文書のドラフト画面の一例を示す図である。図8に示す申請文書のドラフト画面G3には、「申請文書ドラフト画面」というタイトルと、「空いている入力欄に入力をしてください。」及び「AIが作成した文章を確認し、必要に応じて修正してください。」という文字列と、申請文書のドラフトDF1と、次ページボタンB31と、添削依頼ボタンB32と、一時保存ボタンB33と、申請ボタンB34とが表示されている。
【0046】
申請文書のドラフトDF1には、非文章項目E31(氏名、住所、事業計画名、事業の開始日及び終了日、事業に要する費用及び補助対象経費)と、文章項目E32(申請理由、事業計画)とが含まれている。文章項目E32には、AIサーバ装置20により作成された文章D31及びD32が入力されている。図8を含む各図では、AIが作成した文章に含まれる文字は「*」で表すものとする。申請者は、非文章項目E31を自分で入力し、文章D31及びD32について自分なりに修正する。申請者端末30は、操作受付部312により、申請文書のドラフトDF1を作成する操作を受け付ける(A31)。
【0047】
図9は、入力及び修正がされた申請文書の一例を示す図である。図9では、図8に示す申請文書のドラフト画面G3において、申請者が入力及び修正した箇所が「#」という文字で表されている。例えば、文章D31では修正箇所F31が表され、文章D32では修正箇所F32、F33が表されている。なお、「*」及び「#」という文字はあくまでAIが作成した部分と申請者が入力した部分とを区別するための表現であり、実際の文字列ではこれらが同じ態様で表示されていて、図9の例では、申請者によって修正された箇所が識別することができないようになっているものとする。
【0048】
次ページボタンB31が操作されると、申請文書の次のページ(2枚めの書面)が表示される。申請文書は複数枚の書面を含む場合があるので、申請者は、ページを捲りながらそれぞれのページについて入力及び修正を行う。一時保存ボタンB33が操作されると、入力及び修正した内容が一時的に保存される。申請ボタンB34は、申請文書が完成して申請の手続きを行う際に操作するボタンである。
【0049】
添削依頼ボタンB32は、申請者が自分で作成した内容では不安な場合に、支援者に添削を依頼するために操作するボタンである。ここでは、申請者が添削依頼ボタンB32を操作したものとして説明する。操作受付部312は、支援者に添削が依頼されたことを示す依頼データを生成してサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、依頼データが送信されてくると、種類特定部115により、受信した依頼データが示す申請文書の種類、すなわち、添削を依頼された申請文書の種類を特定する(A32)。種類特定部115は、申請文書の種類に関する情報を対応付けた申請文書テーブルを用いて申請文書の種類を特定する。
【0050】
図10は、申請文書テーブルの一例を示す図である。図10では、「キーワード」と、「申請文書種類」と、「士業」と、「登録支援者」とを対応付けた申請文書テーブルTB1が示されている。例えば、「特許、実用新案、意匠、商標、著作権、出願、侵害、知的財産、・・・」というキーワードには、「外国特許出願費用、外国侵害調査費用、特許調査費用、外国著作権登録費用、・・・」という申請文書種類と、「弁理士」という士業と、「BR001,BR002,BR003,・・・」という登録支援者とが対応付けられている。
【0051】
他にも、「弁護士」、「公認会計士」、「行政書士」及び「社労士」等の士業が、それぞれキーワード、申請文書種類及び登録支援者と対応付けられている。各キーワードは、それに対応付けられている申請文書の種類に含まれる可能性が高い語句を表している。各士業は、それに対応付けられている申請文書に詳しい可能性が高い士業を表している。登録支援者は、それに対応付けられている資格を保有し、申請支援システム1に登録されている者を表している。
【0052】
種類特定部115は、例えば、添削を依頼された申請文書のタイトルと一致する申請文書種類が申請文書テーブルTB1に含まれている場合、その申請文書種類を、添削を依頼された申請文書の種類として特定する。また、種類特定部115は、そのような申請文書種類が含まれていなくとも、添削を依頼された申請文書に含まれる語句と一致するキーワードが申請文書テーブルTB1に含まれている場合、そのキーワードに対応付けられている申請文書種類を、添削を依頼された申請文書の種類として特定する。
【0053】
次に、サーバ装置10は、依頼先決定部116により、特定された申請文書の種類について詳しい支援者を、添削相手として決定する(A33)。依頼先決定部116は、A32で特定された申請文書種類に申請文書テーブルTB1において対応付けられている登録支援者から、例えば、無作為に選択した支援者を、添削相手として決定する。
【0054】
なお、添削相手の決定方法はこれに限らない。例えば、各支援者の申請文書作成の支援実績(支援した申請文書種類及び件数等の情報)も登録しておき、依頼先決定部116は、特定された申請文書種類の支援実績が多い登録支援者を添削相手として決定してもよい。また、依頼先決定部116は、反対に、申請文書種類の支援実績が少ない登録支援者を添削相手として決定してもよい(支援作業の負荷を分散させるため)。
【0055】
続いて、サーバ装置10は、サーバ表示部111により、決定された添削相手に添削を依頼するための添削依頼画面データを生成する(A34)。サーバ表示部111は、生成した添削依頼画面データを、決定された添削相手が利用する支援者端末40に送信する。支援者端末40は、ユーザ表示部411により、送信されてきた添削依頼画面データが示す申請文書の添削の依頼画面を表示する(A35)。
【0056】
図11は、申請文書の添削依頼画面の一例を示す図である。図11に示す添削依頼画面G4には、「申請文書添削依頼画面」というタイトルと、「申請文書のドラフトを添削してください。」という文字列と、申請文書のドラフトDF2と、次ページボタンB41と、添削完了ボタンB42とが表示されている。申請文書のドラフトDF2は、図9に示す申請文書のドラフトDF1の表示態様を少し変化させたものである。
【0057】
具体的には、ドラフトDF2は、AIによって作成された文章(D31及びD32)のうち、ドラフトDF1で申請者によって修正された箇所(F31、F32及びF33)の表示態様を変化させたものである。サーバ表示部111は、図11の例では、申請者によって修正された箇所に下線を引くことで、表示態様を変化させている。支援者は、文章のうちAIが作成した部分と、申請者が入力した部分とを見分けながら添削する。
【0058】
図12は、添削された申請文書の一例を示す図である。図12では、図11に示す添削依頼画面G4において、支援者が添削した箇所が「$」という文字で表されている。例えば、文章D31では添削箇所H41が表され、文章D32では添削箇所H42、H43が表されている。この「$」という文字も「#」と同様に、あくまでAIが作成した「*」で表された部分と支援者が入力した部分とを区別するための表現であり、実際の文字列では「*」及び「$」が同じ態様で表示されている。
【0059】
なお、図12では、文章を修正する形式での添削が示されているが、他にも、コメントを残す形式での添削が行われてもよい。次ページボタンB41が操作されると、申請文書の次のページ(2枚めの書面)が表示される。支援者は、ページを捲りながらそれぞれのページについて添削を行う。支援者端末40は、操作受付部412により、以上で述べた添削の操作を受け付ける(A41)。操作受付部412は、添削された申請文書を示す添削文書データをサーバ装置10に送信する。
【0060】
サーバ装置10は、添削文書データが送信されてくると、サーバ表示部111により、受信した添削文書データが示す添削された申請文書を示す添削結果画面データを生成する(A42)。サーバ表示部111は、生成した添削結果画面データを、添削を依頼した申請者が利用する申請者端末30に送信する。申請者端末30は、ユーザ表示部311により、送信されてきた添削結果画面データが示す添削された申請文書を表示する(A43)。
【0061】
図13は、添削された申請文書のドラフト画面の一例を示す図である。図13に示す添削された申請文書のドラフト画面G5には、「申請文書ドラフト画面(添削済み)」というタイトルと、「添削内容を確認して必要なら再度修正してください。」及び「完成したら申請してください。」という文字列と、カウンタCT51と、申請文書のドラフトDF3と、次ページボタンB51と、添削依頼ボタンB52と、一時保存ボタンB53と、申請ボタンB54とが表示されている。
【0062】
カウンタCT51は、申請文書のドラフトが添削された回数を示している。図13の例では、カウンタCT51には、「1回」という回数が示されている。サーバ装置10は、バージョン管理部118により、例えば、図5に示すA42において支援者端末40が添削文書データを送信してきた際に、受信した添削文書データに添削の回数をカウントアップして(1回増やして)付加する。例えば、添削文書データに付加された回数がまだなければ、バージョン管理部118は、「1回」という添削回数を付加する。また、添削文書データに「1回」が付加されている場合は、バージョン管理部118は、「2回」という添削回数を付加する。サーバ表示部111は、添削文書データに付加されている回数をカウンタCT51に示す添削画面データを生成する。
【0063】
申請者は、添削結果を見て、自分で完成させることができるか否かを判断し(A51)、まだ完成させることができないと判断した場合、申請文書のドラフトDF3をさらに修正する。申請者端末30は、操作受付部312により、申請文書の修正を受け付ける(A52)。そして、申請者が添削依頼ボタンB52への操作を行うと、操作受付部312は、その操作を受け付け、支援者に添削が依頼されたことを示す依頼データを生成してサーバ装置10に送信する。この場合、添削の依頼相手が既に決まっているので、サーバ装置10は、A34の添削の依頼画面データの生成を実行する。
【0064】
上記のとおり、A34(添削依頼画面の生成)、A35(添削依頼画面の表示)、A41(添削の受け付け)、A42(添削画面の生成)、A43(添削画面の表示)、A52(申請文書の修正)を繰り返すことで、申請者は、支援者に何度も添削してもらうことができる。A51において、申請者が、あとは自分で完成させることができると判断し、申請文書を完成させて申請ボタンB54が操作されると、申請者端末30は、操作受付部312により、申請ボタンB54への操作を申請操作として受け付ける(A53)。
【0065】
申請操作が行われると、例えば、ユーザ表示部311が、申請を受け付けているウェブページを表示する。そして、操作受付部312が、申請用のウェブページに申請文書をアップロードする操作を受け付ける。このようにして、申請者が作成した申請文書に基づく申請が行われる。
【0066】
以上のとおり、申請支援システム1においては、サーバ表示部111が、人工知能への文章作成の指示を受け付ける指示画面を第1ユーザ端末に表示させるための第1処理を実行する第1表示部の一例として機能する。ここでいう文章作成の指示は、申請文書に記載する文章の作成の指示である。図1に示すAIサーバ装置20が人工知能の一例であり、申請者端末30が第1ユーザ端末の一例である。また、図7に示す指示画面G2が指示画面の一例である。また、図5に示すA16で行われる指示画面データを生成する処理及び指示画面データを申請者端末30に送信する処理が、第1処理の一例である。
【0067】
また、サーバ表示部111は、指示画面において行われた指示に基づいて人工知能により出力された文章を第1ユーザ端末に編集可能に表示させるための第2処理を実行する第2表示部の一例として機能する。図8に示す申請文書のドラフトDF1に含まれる文章D31及びD32が、人工知能により出力された文章の一例である。また、図5に示すA25で行われるドラフト画面データを生成する処理及びドラフト画面データを申請者端末30に送信する処理が、第2処理の一例である。
【0068】
また、サーバ表示部111は、第1ユーザ端末において編集された文章の添削依頼を第2ユーザ端末に表示させるための第3処理を実行する第3表示部の一例として機能する。支援者端末40が第2ユーザ端末の一例である。第2ユーザ端末は、申請文書に詳しい者が利用する端末として登録されている端末である。申請文書に詳しい者は、本実施形態では、士業の資格保有者である。また、図5に示すA34で行われる添削依頼画面データを生成する処理及び添削依頼画面データを支援者端末40に送信する処理が、第3処理の一例である。
【0069】
また、サーバ表示部111は、編集された文章が表示された第2ユーザ端末において入力された添削結果を第1ユーザ端末に表示させるための第4処理を実行する第4表示部の一例として機能する。図12に示す添削箇所H41、H42、H43が添削結果の一例である。また、図5に示すA42で行われる添削結果画面データを生成する処理及び添削結果画面データを支援者端末40に送信する処理が、第4処理の一例である。
【0070】
上記のような態様によれば、人工知能がベースとなる文章を作成しくれるので、一から文章を作成する場合に比べて、文章作成が容易になる。また、支援者に添削してもらうことで、申請者だけで申請文書を作成する場合に比べて、文章の品質を向上させることができる。このように、申請支援システム1においては、文章作成の容易化と文章の品質向上を両立させることができる。
【0071】
また、申請支援システム1においては、申請文書には、複数の種類がある。そして、サーバ表示部111(第3表示部の一例)は、文章作成が指示された申請文書の種類に詳しい者が利用する端末を第2ユーザ端末として第3処理を実行する。具体的には、サーバ装置10が、A32(申請文書の種類の特定)及びA33(添削相手の決定)を行うことで、申請文書の種類に詳しい者が支援者として決定される。このような態様によれば、添削相手を完全に不作為に選ぶ場合に比べて、文章の品質をより向上させることができる。
【0072】
また、申請文書には、複数の種類がある。そして、サーバ表示部111(第1表示部の一例)は、指示により作成される文章が記載される申請文書の種類に応じた項目の文章作成指示(プロンプト)を入力させる画面を指示画面として表示させる。図7に示す「申請理由」、「事業計画書」及び「事業実績報告書」という文章項目が、申請文書の種類に応じた項目の一例である。このような態様によれば、文章項目が明示されない場合に比べて、より適切な作成指示(プロンプト)を作りやすくなるので、作成される文章の精度を向上させることができる。
【0073】
また、サーバ表示部111(第2表示部の一例)は、申請文書の作成指示に基づいて人工知能により出力された文章を、申請文書においてその作成指示がされた項目に応じた箇所に配置した文書を第1ユーザ端末に編集可能に表示させる。サーバ表示部111は、例えば、図8に示すドラフト画面G3において、AIサーバ装置20により出力された文章D31及びD32を、それぞれ「申請理由」及び「事業計画」の項目に応じた箇所に配置させている。このような態様によれば、人工知能により出力された文章を文章項目に応じた箇所に配置しない場合に比べて、申請文書の編集作業を始めやすくすることができる。
【0074】
図5で説明したように、添削依頼は、申請文書が完成するまで繰り返し行われる。その場合に、バージョン管理部118は、第2ユーザ端末における添削の回数を管理する管理処理を実行する管理部の一例として機能する。バージョン管理部118は、例えば、図5に示すA42において添削文書データに添削の回数をカウントアップする処理を管理処理として実行する。そして、サーバ表示部111(第4表示部の一例)は、管理処理により管理されている添削の回数とともに添削結果を第1ユーザ端末に表示させる。図13に示す申請文書のドラフトDF3が、カウンタCT51が示す添削回数とともに表示される添削結果の一例である。このような態様によれば、編集が繰り返される文章のバージョンを管理することができる。
【0075】
サーバ表示部111(第3表示部の一例)は、人工知能により出力された文章と、第1ユーザ端末において編集された部分とを、互いに異なる態様で表示させる。サーバ表示部111は、例えば、図11に示す添削依頼画面G4において、AIによって作成された文章(D31及びD32は下線なし)と、申請者によって修正された箇所(F31、F32及びF33は下線あり)を、互いに異なる態様で表示させている。このような態様によれば、支援者は、これらの態様に違いがない場合に比べて、AIが作成した箇所と申請者が作成した箇所を見分けやすくなるので、添削をしやすくすることができる。
【0076】
<その他の実施形態>
(1)文章項目の態様
サーバ表示部111(第1表示部の一例)は、文章項目が複数ある場合、各文章項目の入力欄を異なる態様で表示させてもよい。サーバ表示部111は、例えば、図7に示す指示画面G2において、自然な文章で作成指示を記述することが向いている「申請理由」と、項目を羅列して整然と作成指示を記述することが向いている「事業計画書」及び「事業実績報告書」とで、異なる態様(例えば後者を箇条書きの態様にする)で表示させる。このような態様によれば、全ての文章項目の態様を一律にする場合に比べて、入力する項目の違いを意識しやすくすることができる。
【0077】
(2)質問形式での指示
サーバ表示部111(第1表示部の一例)は、文章項目の入力内容を質問する文章を示す画面を指示画面として表示させてもよい。サーバ表示部111は、例えば、文章項目に応じた入力内容の質問を予め記憶しておき、文章項目の入力内容を質問する文章を表示させる。そして、申請者が質問への回答を入力すると、作成指示部114は、入力された回答を文章の作成指示(プロンプト)として示す指示データを生成し、AIサーバ装置20に送信する。このような態様によれば、質問が表示されない場合に比べて、指示を入力しやすくすることができる。
【0078】
(3)文章項目の修正
申請文書は、フォームが更新される場合がある。そのため、フォーム処理部113が抽出した文章項目が最新のものでない場合がある。その場合に、サーバ表示部111は、申請者端末30に表示させた文章項目の修正を受け付ける第1受付部の一例として機能してもよい。サーバ表示部111は、例えば、図7に示す指示画面G2において、文章項目を選択して修正する操作を受け付け、修正された文章項目を表示させる。
【0079】
そして、サーバ表示部111(第1表示部)は、修正が行われた文章項目の文章作成指示(プロンプト)を入力させる画面を指示画面として表示させる。サーバ表示部111は、例えば、図7の例で、「事業実績報告書」という文章項目の「事業状況報告書」への修正を受け付ける。そして、作成指示部114は、「事業状況報告書」の文章の作成指示を示す指示データを生成してAIサーバ装置20に送信する。このような態様によれば、文章項目の修正を受け付けない場合に比べて、人工知能への指示の精度を向上させることができる。
【0080】
(4)文章項目の態様
申請文書は、フォームが更新される場合がある。そのため、フォーム処理部113が抽出した文章項目の申請文書における記載箇所が最新のものでない場合がある。例えば、申請文書の冒頭に記載されていた事業計画が申請文書の後半に記載されるようになるといった具合である。その場合に、サーバ表示部111は、文章項目に応じた箇所の修正を受け付ける第2受付部の一例として機能してもよい。
【0081】
図14は、指示画面の別の一例を示す図である。図14に示す指示画面G6には、図7に示す指示画面G2に表示されている文章項目等に加え、文章項目の記載箇所を指定する指定欄Q61、Q62及びQ63が表示されている。指定欄Q61、Q62及びQ63には、申請文書において各文章項目が記載されている箇所がそれぞれ「1頁目下段」、「1頁目下段」及び「3頁目上段」と表されている。申請者は、申請文書のフォームが更新されていることに気づいた場合、記載箇所を修正することができる。
【0082】
申請者端末30は、図5に示すA21において、操作受付部312により、記載箇所の修正入力も、文章作成の指示入力として受け付ける。図13の例では、「事業計画」という文章項目の記載箇所が「1頁目下段」から「3頁目上段」に修正され、「事業実績報告書」という文章項目の記載箇所が「3頁目上段」から「3頁目中段」に修正されている。操作受付部312は、例えば、文章項目とプロンプトと記載箇所とを対応付けたデータを入力データとしてサーバ装置10に送信する。
【0083】
サーバ装置10は、図5に示すA25において、サーバ表示部111により、AIサーバ装置20による文章の作成結果を含めた申請文書のドラフト画面データを生成する。その際、サーバ表示部111(第2表示部の一例)は、作成指示に基づいて人工知能により出力された文章を、申請文書においてその作成指示がされた文章項目について修正された記載箇所に配置した申請文書を第1ユーザ端末に編集可能に表示させる。文章項目の記載箇所が変更された申請文書のドラフトの例を、図14を参照して説明する。
【0084】
図15は、申請文書のドラフト画面の別の一例を示す図である。図15に示す申請文書のドラフト画面G7には、申請文書のドラフトDF7と、前ページボタンB71と、次ページボタンB72とが表示されている。図15の例では、申請文書のドラフトDF7の3頁目が表示されており、上段に「事業計画」という文章項目が配置され、中段に「事業実施報告書」という文章項目が配置されている。このような態様によれば、文章項目の記載箇所の修正ができない場合に比べて、編集時の修正を減らすことができる。
【0085】
(5)文章項目の態様
サーバ表示部111(第3表示部の一例)は、添削依頼に加え、人工知能への指示の内容(プロンプト)を第2ユーザ端末に表示させてもよい。
【0086】
図16は、申請文書の添削依頼画面の別の一例を示す図である。図16に示す添削依頼画面G8には、図11に示すドラフトDF2の1頁目に加え、1頁目に表示されている「申請理由」という文章項目の作成指示P81と、同じく1頁目に表示されている「事業計画」という文章項目の作成指示P82とが表示されている。支援者は、ドラフトDF2を添削するだけではなく、作成指示P81及びP82を添削してもよい。その場合、サーバ表示部111(第4表示部)は、この場合の添削者による添削結果、すなわち、申請文書の作成指示の方法を含む添削結果を第1ユーザ端末に表示させる。
【0087】
図17は、添削された申請文書の別の一例を示す図である。図17に示す添削された申請文書のドラフト画面G9には、図13に示す各ボタンに加えて再作成ボタンB91が表示されている。また、ドラフト画面G9では、図12に示すドラフト画面G5と異なり、申請文書のドラフトDF9に加え、添削された作成指示P91及びP92が表示されている。ドラフトDF9には、AIによって作成された文章D31及びD32が含まれているが、申請者は、再作成ボタンB91を操作することで、作成指示P91及びP92を用いてドラフトを再作成することができる。このような態様によれば、作成指示の添削が行われない場合に比べて、人工知能への再指示の精度を向上させることができる。
【0088】
(6)自動プロンプト作成
前述の実施形態では、文章作成の指示を示す文章であるプロンプトをユーザが入力したが、ユーザがプロンプトを入力しなくてもよいように、プロンプトが自動的に作成されるようにしてもよい。その場合の機能構成及び情報処理について図18以降を参照して説明する。
【0089】
図18は、サーバ装置10の制御部11の機能構成の別の一例を示す図である。制御部11は、図4に示すフォーム処理部113に代えて、テンプレート処理部119を備える。テンプレート処理部119は、申請文書のテンプレートに関する処理を実行する。テンプレートについては後ほど詳しく説明する。
【0090】
図19は、申請支援処理の別の一例を示すアクティビティ図である。図19に示す申請支援処理は、図5に示す例と同様に、申請者が申請者端末30を操作して申請支援システム1のメニュー画面を表示させる操作を行うことを契機に開始される。具体的には、サーバ装置10が、サーバ表示部111により、メニュー画面を示す画面データを生成し(A61)、申請者端末30が、ユーザ表示部311により、送信されてきた画面データが示すメニュー画面を表示する(A62)。
【0091】
図20は、メニュー画面の一例を示す図である。図20に示すメニュー画面G11では、「作成する申請文書を選択してください。」という文字列と、検索入力欄E111と、申請文書名の表示欄E112と、申請文書の作成ボタンB111とが表示されている。検索入力欄E111にキーワードを入力する操作が行われると、サーバ表示部111は、そのキーワードに関連する申請文書の一覧を例えばプルダウンリスト等に表して表示させる。
【0092】
サーバ表示部111は、表示された一覧から選択された申請文書を表示欄E112に表示させる。図20の例では、「申請A」という申請文書が選択されて表示されている。作成ボタンB111が操作されると、表示欄E112に表示されている申請文書に記載する文章の作成が指示される。具体的には、申請者端末30は、操作受付部312により、これらの操作(申請文書の選択操作及び文章作成の指示操作)を受け付け、選択された申請文書と作成指示とを示す指示データをサーバ装置10に送信する(A63)。
【0093】
サーバ装置10は、送信されてきた指示データを受信すると、テンプレート処理部119により、指示データが示す申請文書のテンプレートを取得する(A64)。テンプレートとは、申請文書の雛形となるデータであり、例えば、各申請文書に記載する文章項目を、記載する順番で示すデータである。サーバ装置10は、申請文書のテンプレートを格納するテンプレートデータベースを記憶している。
【0094】
図21は、テンプレートデータベースの一例を示す図である。図21に示すテンプレートデータベースDB1には、申請文書の名称(図21の例では「申請A」、「申請B」及び「申請C」等)に対応付けて、それらの申請文書のテンプレートが格納されている。テンプレートには、申請文書に含まれる文章項目ごとに、「項目名」、「参照情報」及び「プロンプト」が含まれている。
【0095】
「項目名」は、申請文書において記載する順番に並べられており、例えば、「申請A」の場合は、「事業名」、「事業主体」、「事業内容」及び「事業計画」等の順番に並べて示されている。また、「申請B」の場合は、「企業概要」、「沿革」、「経営計画」及び「事業名」等の順番に並べて示されている。また、「申請C」の場合は、「事業概要」、「事業の目的」、「事業計画」及び「費用明細」等の順番に並べて示されている。
【0096】
各文章項目の粒度は申請文書の種類によって異なっており、申請Aのように「事業名」、「事業主体」、「事業内容」を別々に記載させる申請文書もあれば、申請Cのようにそれらを「事業概要」としてまとめて記載させる申請文書もある。また、文章項目を記載する順序も、申請文書ごとに決められている。
【0097】
「参照情報」は、各文章項目の文章を作成する際に参照する情報を示している。参照情報は、基本的に、申請文書を申請する申請者に固有の情報(以下「固有情報」と言う)であり、申請者によって予め登録されている。サーバ装置10は、登録された固有情報を格納する固有情報データベースを記憶している。
【0098】
図22は、固有情報データベースの一例を示す図である。図22に示す固有情報データベースDB2には、申請者である「企業C1」、「企業C2」、「企業C3」、「企業C4」及び「企業C5」等の固有情報が格納されている。固有情報には、例えば、各企業の会社名、代表者氏名、設立年月日及び資本金等の企業に関する情報と、事業名、事業の目的、事業計画及び予算情報等の事業に関する情報とが含まれている。なお、固有情報は、これらの情報に限らず、申請に必要になり、かつ、申請者に固有の情報であればよい。
【0099】
図21に示す「プロンプト」は、各文章項目に記載する文章の作成を指示する文章である。プロンプトは、例えば、「申請者の『固有情報1』及び『固有情報2』に基づいて、『文章項目1』を示す文章を作成すること」(『固有情報1』や『文章項目1』には具体的な情報名や項目名が入る)というように、そのプロンプトに対応する文章項目の文章を作成するために必要な1以上の固有情報と、その文章項目の文章作成の指示とを含む文章を示すテキストデータである。なお、固有情報が不要な文章項目があった場合は、固有情報を示さないプロンプトが用いられればよい。
【0100】
サーバ装置10は、A64でテンプレートを取得すると、テンプレート処理部119により、取得したテンプレートに基づいて固有情報を取得する(A65)。テンプレート処理部119は、具体的には、テンプレートに含まれる参照情報が示す固有情報を固有情報データベースDB2から読み出して取得する。
【0101】
次に、サーバ装置10は、作成指示部114により、AIサーバ装置20に対して文章作成を指示する指示データを生成する(A66)。作成指示部114は、具体的には、取得されたテンプレートが示す各文章項目について取得された固有情報と、それらの固有情報に基づいて文章を作成するように指示するプロンプトとを、それらの文章項目のそれぞれについて示す指示データを生成する。
【0102】
AIサーバ装置20は、送信されてきた指示データを受信すると、指示受付部211により、受信した指示データが示す文章作成の指示を受け付け(A71)、文章作成部212により、受け付けられた指示に従い文章を作成する(A72)。文章作成部212は、具体的には、指示データが示す固有情報及びプロンプトに従い、各プロンプトが示す文章項目の文章を各固有情報に基づいて作成する。文章作成部212は、作成した文章を、対応する文章項目に対応付けた作成結果データを生成し、サーバ装置10に対して出力する。
【0103】
以降、A73、A74、A75において、図5に示すA25(ドラフト画面データの生成)、A26(ドラフト画面の表示)、A31(ドラフト作成操作の受け付け)と同じ情報処理が行われる。図19の例では、A63で選択された種類の申請文書について文章が作成されているので、図5に示すA32(申請文書の種類の特定)は行われない。
【0104】
A75の後は、A76、A77、A78において、図5に示すA33(添削相手の決定)、A34(添削依頼画面の生成)、A35(添削依頼画面表示)と同じ情報処理が行われる。そして、図5に示すA41(添削の受け付け)からA43(添削画面の表示)までが行われ、再度添削が必要である場合はA52(申請文書の修正)を経由して再度添削が行われ、申請文書が完成した場合はA53(申請の実行)が行われる。
【0105】
以上のとおり、申請支援システム1においては、サーバ表示部111が、申請文書の種類の選択操作を受け付ける選択画面を第1ユーザ端末に表示させるための選択表示処理(例えばA61の処理)を実行する選択表示部の一例として機能する。申請者端末30は第1ユーザ端末の一例であり、図20に示すメニュー画面G11は選択画面の一例である。また、作成指示部114が、文章作成機能を有する人工知能に対して、選択操作により選択された種類の申請文書の文章の作成を指示する指示処理(例えばA66の処理)を実行する指示部の一例として機能する。AIサーバ装置20が人工知能の一例である。
【0106】
作成指示部114(指示部の一例)は、作成する文章を指示するプロンプトを作成して人工知能に文章の作成を指示する。作成指示部114は、上述したように、文章を作成するために必要な固有情報と、文章作成の指示とを含む文章を示すテキストデータをプロンプトとして作成する。このような態様によれば、ユーザがプロンプトを作成する場合に比べて、申請文書を作成する際のユーザの手間を少なくすることができる。
【0107】
また、上記のプロンプト、すなわち、人工知能への文章作成の指示を表したプロンプトは、図21に示すように、テンプレートに含まれている。このような態様によれば、テンプレートと同様に、申請文書の種類ごとにプロンプトも用意されるので、異なる申請文書で共通のプロンプトを用いる場合に比べて、申請文書の内容に対してプロンプトの内容をより合致させることができる。
【0108】
また、作成指示部114(指示部の一例)は、選択操作により選択された種類の申請文書のテンプレートに従い文章を作成するように人工知能に指示する。このテンプレートは、図21に示すように、申請文書の種類ごとに用意され、各種類の申請文書に含まれる項目を示す。このような態様によれば、同じ種類の申請文書の作成には同じテンプレートが用いられるので、テンプレートを用いない場合に比べて、申請文書の品質を均一化させることができる。
【0109】
また、サーバ表示部111は、作成指示部114からの指示により作成された申請文書を編集可能に第1ユーザ端末に表示させるための編集表示処理(例えばA73の処理)を実行する編集表示部の一例として機能する。そして、サーバ表示部111は、第1ユーザ端末において編集された申請文書の添削の依頼を、選択された申請文書の種類に詳しい添削者の第2ユーザ端末に表示させるための添削表示処理(例えばA77の処理)を実行する添削表示部の一例としても機能する。支援者端末40は第2ユーザ端末の一例である。
【0110】
このような態様によれば、選択操作により選択可能な種類の申請文書については、それらの種類の申請文書に詳しい添削者による添削を受けることができるので、添削を受けることができない又は添削可能な申請文書の種類が限られている場合に比べて、多様な種類の申請文書の品質を高めることができる。
【0111】
図21に示すように、テンプレートには、1以上の項目が含まれている。また、テンプレート処理部119は、申請文書を提出するユーザ、すなわち申請者、の固有情報を取得する取得処理(例えばA65の処理)を実行する取得部の一例として機能する。そして、作成指示部114(指示部の一例)は、文章項目に対応する固有情報を定めた定義情報を参照し、取得されたユーザの固有情報を、その固有情報に対応する文章項目に埋め込むように文章の作成を指示する。
【0112】
ここで言う定義情報は、例えば、図21に示す参照情報である。例えば、申請Bの文章項目1(企業概要)においては、「会社名」、「代表者氏名」、「設立年月日」及び「資本金」等の企業概要を示す固有情報が対応することが参照情報で定義されている。また、申請Bの文章項目4(事業名)においては、「事業名」という固有情報が対応することが参照情報で定義されている。このような態様によれば、各文章項目の文章作成に必要な固有情報が必ず用いられるので、定義情報を用いない場合に比べて、各項目の文章をより正確に作成させることができる。
【0113】
(7)テンプレート編集
上述したテンプレートを編集するための構成について説明する。
図23は、申請支援システムの全体構成の別の一例を示す図である。図23に示す申請支援システム1aは、図1に示す各装置に加えて、運用者端末50を備える。運用者端末50は、申請支援システム1aの運用者が利用する端末である。運用者端末50は、申請者端末30と同様のハードウェア構成及び機能構成を備える。サーバ装置10は、サーバ表示部111により、テンプレートの編集用画面を運用者端末50に表示させる。
【0114】
図24は、テンプレートの編集画面の一例を示す図である。図24に示すテンプレート編集画面G12では、「編集又はコピーするテンプレートを選択してください。」という文字列と、テンプレートの一覧L1と、選択ボタンB121と、コピーボタンB122とが表示されている。一覧L1には、「申請A」、「申請B」、「申請C」、「申請D」及び「申請E」等の申請文書の名称と、各申請文書の文章項目とが含まれている。
【0115】
運用者が一覧L1からいずれかの申請文書を選択して選択ボタンB121を操作すると、サーバ表示部111は、選択された申請文書のテンプレートを編集するための編集画面に切り替える。また、運用者が一覧L1からいずれかの申請文書を選択してコピーボタンB122を操作すると、サーバ表示部111は、選択された申請文書のテンプレートの複製を編集するための編集画面に切り替える。以下では、「申請A」のテンプレートがコピーされた場合を説明する。
【0116】
図25は、テンプレートの編集画面の一例を示す図である。図25に示すテンプレート編集画面G13では、「編集する文章項目を選択してください。」という文字列と、選択された申請文書の名称の表示欄E131と、その申請文書の文章項目の表示欄E132、E133、E134及びE135等と、戻るボタンB131と、保存ボタンB132と、編集ボタンB133とが表示されている。
【0117】
表示欄E131には、「申請Aのコピー」というテンプレートのコピー元である申請文書の名称と、テンプレートがコピーであることを示す語句が表示されている。表示欄E131に表示された申請文書の名称は編集可能である。例えば、申請Aのテンプレートをコピーして、文章項目が申請Aと似ている申請Fのテンプレートを作成する場合、運用者は、表示欄E131に表示されている申請文書の名称を「申請F」に編集する。
【0118】
文章項目の表示欄E132、E133、E134及びE135等は、表示されている順番が申請文書における記載順序を示しているものとする。例えば、申請Fにおいて文章項目は申請Aと同じだが記載順序が異なる場合、この画面において表示欄を上下に移動させる操作(ドラッグ又は矢印キーの操作等)を行うことで、記載順序を変更することができる。
【0119】
戻るボタンB131が操作されると、サーバ表示部111は、図24に示すテンプレート編集画面G12の表示に戻す。保存ボタンB132が操作されると、テンプレート処理部119は、表示されているテンプレートを、編集後の状態(例えば文章項目の記載順序が変更された状態)で保存する。文章項目の内容を編集する場合は、編集対象の表示欄を選択して編集ボタンB133を操作すると、サーバ表示部111が、選択された文章項目を編集するための編集画面に切り替える。
【0120】
図26は、テンプレートの編集画面の一例を示す図である。図26に示すテンプレート編集画面G14では、「文章項目を編集してください。」という文字列と、選択された文章項目の名称の表示欄E141と、その文章項目のプロンプトの表示欄E142と、その文章項目の参照情報の表示欄E143と、戻るボタンB141と、保存ボタンB142とが表示されている。戻るボタンB141が操作されると、サーバ表示部111は、図25に示すテンプレート編集画面G13の表示に戻す。
【0121】
表示欄E141に表示された文章項目の名称、表示欄E142に表示されたプロンプト、及び表示欄E143に表示された参照情報はいずれも編集可能である。運用者がこれらの表示欄を編集して保存ボタンB142を操作すると、テンプレート処理部119が、表示されているテンプレートの文章項目を、編集後の状態(例えば参照情報が示す固有情報が変更された状態)で保存する。
【0122】
このように、申請支援システム1aにおいては、テンプレート処理部119は、例えば運用者によって選択された既存のテンプレートの複製を生成する生成処理(図24の例ではコピーボタンB122が操作された場合に実行する処理)を実行する複製部の一例として機能する。そして、サーバ表示部111は、生成された複製を編集可能に第3ユーザ端末に表示させる編集表示処理を実行する編集表示部の一例として機能する。運用者端末50は第3ユーザ端末の一例である。
【0123】
また、テンプレート処理部119は、第3ユーザ端末において編集された複製を、新たな種類の申請文書のテンプレートとして保存する保存処理(図25の例では保存ボタンB132及び図26の保存ボタンB142が操作された場合に実行する処理)を実行する保存部の一例として機能する。このような態様によれば、テンプレートのコピーができない場合に比べて、人工知能に文章を作成させることが可能な申請書の種類を容易に増やすことができる。
【0124】
(8)その他のバリエーション
前述の実施形態は、申請支援システム1のような情報処理システムの構成として説明したが、情報処理システムが実行する各ステップを備える情報処理方法が提供されてもよい。また、コンピュータに、情報処理システムが実行する各ステップを実行させるプログラムが提供されてもよい。
【0125】
図1等に示す構成は一例であり、実施に不都合が無い限り、他の態様を取り得る。例えば、1台の装置は、2台以上の装置に分散されてもよいし、クラウドコンピューティングシステムに代替されてもよい。また、1台の装置の機能が2台以上の装置に分散して実現されてもよいし、2台以上の装置の機能が1台の装置により集中して実現されてもよい。また、1つの機能が行う動作を2以上の機能が分散して行ってもよいし、2以上の機能が1つの機能に統合されてもよい。要するに、情報処理システムの全体で必要な各機能が実現されていれば、それらの機能を実現する装置はどのような構成であってもよい。
【0126】
情報又はデータ(以下「情報等」と言う)の出力先は、他の装置、ディスプレイ、記憶部(内蔵の記憶部及び外部の記憶部を含む)等であってもよい。情報等の取得には、他の装置から送信されてきた情報等を取得する態様に加え、自装置で生成された情報等を取得する態様を含む。パラメータを対応付けたテーブルは、図示したテーブルに限らず、パラメータの数を少なくしたり多くしたりしてもよい。また、テーブルを用いずに、数式又は条件式等によりパラメータに応じた情報等を求めてもよい。
【0127】
<付記>
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0128】
(1)プロセッサを備える情報処理システムであって、前記プロセッサが、選択表示ステップでは、申請文書の種類の選択操作を受け付ける選択画面を第1ユーザ端末に表示させ、指示ステップでは、文章作成機能を有する人工知能に対して、前記選択操作により選択された種類の申請文書の文章の作成を指示し、編集表示ステップでは、前記指示により作成された申請文書を編集可能に前記第1ユーザ端末に表示させ、添削表示ステップでは、前記第1ユーザ端末において編集された申請文書の添削の依頼を、選択された申請文書の種類に詳しい添削者の第2ユーザ端末に表示させる、情報処理システム。
【0129】
このような態様によれば、多様な種類の申請文書の品質を高めることができる。
【0130】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記指示ステップでは、前記選択された種類の申請文書のテンプレートに従い文章を作成するように前記人工知能に指示し、前記テンプレートは、前記申請文書の種類ごとに用意され、各種類の申請文書に含まれる項目を示す、情報処理システム。
【0131】
このような態様によれば、申請文書の品質を均一化させることができる。
【0132】
(3)上記(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、複製ステップでは、選択された既存の前記テンプレートの複製を生成し、編集表示ステップでは、生成された前記複製を編集可能に第3ユーザ端末に表示させ、保存ステップでは、前記第3ユーザ端末において編集された複製を、新たな種類の前記申請文書のテンプレートとして保存する、情報処理システム。
【0133】
このような態様によれば、作成可能な申請書の種類を容易に増やすことができる。
【0134】
(4)上記(2)又は(3)に記載の情報処理システムにおいて、前記テンプレートには、前記人工知能への文章作成の指示を表したプロンプトが含まれる、情報処理システム。
【0135】
このような態様によれば、申請文書の内容に対してプロンプトの内容をより合致させることができる。
【0136】
(5)上記(2)~(4)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記テンプレートには、1以上の項目が含まれており、前記プロセッサが、取得ステップでは、前記申請文書を提出するユーザの固有情報を取得し、前記指示ステップでは、前記項目に対応する固有情報を定めた定義情報を参照し、取得された前記ユーザの固有情報を、当該固有情報に対応する項目に埋め込むように文章の作成を指示する、情報処理システム
【0137】
このような態様によれば、各項目の文章をより正確に作成させることができる。
【0138】
(6)上記(1)~(5)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、結果表示ステップでは、前記添削の依頼に対して前記添削者により行われた添削結果を前記第1ユーザ端末に表示させ、前記添削の依頼は前記申請文書が完成するまで繰り返し行われ、前記結果表示ステップでは、前記添削の回数とともに前記添削結果を前記第1ユーザ端末に表示させる、情報処理システム。
【0139】
このような態様によれば、編集が繰り返される文章のバージョンを管理することができる。
【0140】
(7)上記(1)~(6)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、添削表示ステップでは、前記添削を依頼する文章を前記第2ユーザ端末に表示させる際に、前記人工知能が作成した文章と、前記第1ユーザ端末において編集された部分とを、互いに異なる態様で表示させる、情報処理システム。
【0141】
このような態様によれば、添削をしやすくすることができる。
【0142】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、指示表示ステップでは、前記選択操作により選択された申請文書の種類に応じた項目の文章作成の指示を示すプロンプトを入力させる画面を前記第1ユーザ端末に表示させる、情報処理システム。
【0143】
このような態様によれば、作成される文章の精度を向上させることができる。
【0144】
(9)上記(1)~(8)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記指示ステップでは、作成する文章を指示するプロンプトを作成して前記人工知能に文章の作成を指示し、前記添削表示ステップでは、前記プロンプトを前記第2ユーザ端末に表示させ、前記編集表示ステップでは、前記添削者による添削の結果を前記第1ユーザ端末に表示させる、情報処理システム。
【0145】
このような態様によれば、人工知能への再指示の精度を向上させることができる。
【0146】
(10)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【0147】
このような態様によれば、多様な種類の申請文書の品質を高めることができる。
【0148】
(11)情報処理方法であって、上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを備える、情報処理方法。
【0149】
このような態様によれば、多様な種類の申請文書の品質を高めることができる。
もちろん、この限りではない。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0150】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0151】
1 :申請支援システム
2 :通信回線
10 :サーバ装置
11 :制御部
20 :AIサーバ装置
21 :制御部
30 :申請者端末
31 :制御部
40 :支援者端末
41 :制御部
50 :運用者端末
100 :サーバ装置
111 :サーバ表示部
112 :ユーザ認証部
113 :フォーム処理部
114 :作成指示部
115 :種類特定部
116 :依頼先決定部
117 :添削依頼部
118 :バージョン管理部
119 :テンプレート処理部
211 :指示受付部
212 :文章作成部
213 :文章出力部
311 :ユーザ表示部
312 :操作受付部
411 :ユーザ表示部
412 :操作受付部
【要約】
【課題】文章作成の容易化と文章の品質向上を両立させることができる情報処理システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、プロセッサを備える情報処理システムが提供される。この情報処理システムでは、プロセッサが、選択表示ステップでは、申請文書の種類の選択操作を受け付ける選択画面を第1ユーザ端末に表示させる。指示ステップでは、文章作成機能を有する人工知能に対して、選択操作により選択された種類の申請文書の文章の作成を指示す。編集表示ステップでは、指示により作成された申請文書を編集可能に第1ユーザ端末に表示させる。添削表示ステップでは、第1ユーザ端末において編集された申請文書の添削の依頼を、選択された申請文書の種類に詳しい添削者の第2ユーザ端末に表示させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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