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特許7455465電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造
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  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図1
  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図2
  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図3
  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図4
  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図5
  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図6
  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図7
  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図8
  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図9
  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図10
  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図11
  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図12
  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図13
  • 特許-電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造 図14
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20240318BHJP
   F16B 12/10 20060101ALI20240318BHJP
   F16B 12/32 20060101ALI20240318BHJP
   F16B 21/04 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
H05K7/18 B
F16B12/10 A
F16B12/32 Z
F16B21/04 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020023953
(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公開番号】P2021129062
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水上 実
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-96891(JP,A)
【文献】登録実用新案第3007155(JP,U)
【文献】特開平10-37924(JP,A)
【文献】特開2018-175389(JP,A)
【文献】特開2003-017875(JP,A)
【文献】特開2001-345577(JP,A)
【文献】実開平05-095355(JP,U)
【文献】特開2001-241412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/18
F16B 21/04
F16B 21/02
F16B 12/10
F16B 12/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部材を用いて台板の移動を抑制する台板の取付構造であって、台板の端部に形成された側面部に挿入孔を備え、固定部材は、台板の移動を抑制した固定状態とする際に操作される操作部と、固定状態とする際に他部材に引っ掛けられる位置に移動させる固定部と、を備え、挿入孔に固定部材を挿入した後に挿入方向を軸に固定部材を回転させることで固定状態とすることができ、前記操作部は、固定状態においては側面視において台板の側面部より上方に突出せず、固定状態を解除した解除状態においては台板の側面部よりも上方若しくは下方に突出する電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造。
【請求項2】
固定部材を用いて台板の移動を抑制する台板の取付構造であって、固定部材は、台板の移動を抑制した固定状態とする際に操作される操作部と、固定状態とする際に他部材に引っ掛けられる位置に移動させる固定部と、を備え、前記操作部は、固定状態においては側面視において台板の側面部より上方に突出せず、固定状態を解除した解除状態においては台板の端部の外側で台板の側面部よりも上方若しくは下方に突出する電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造。
【請求項3】
固定部材を用いて台板の移動を抑制する台板の取付構造であって、固定部材は、台板の移動を抑制した固定状態とする際に操作される操作部と、固定状態とする際に他部材に引っ掛けられる位置に移動させる固定部と、を備え、前記操作部は、固定状態においては側面視において台板の側面部より上方に突出せず、固定状態を解除した解除状態においては台板の側面部よりも上方若しくは下方に突出し、
解除状態においては、側面視において、操作部が台板の側面部よりも上方及び下方に突出する電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造。
【請求項4】
固定部材を用いて台板の移動を抑制する台板の取付構造であって、固定部材は、台板の移動を抑制した固定状態とする際に操作される操作部と、固定状態とする際に他部材に引っ掛けられる位置に移動させる固定部と、を備え、前記操作部は、固定状態においては側面視において台板の側面部より上方に突出せず、固定状態を解除した解除状態においては台板の側面部よりも上方若しくは下方に突出し、
固定状態における操作部は、回動軸側から左右端側に向けて、上辺が下向きに傾斜しており、下辺が上向きに傾斜している電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造。
【請求項5】
固定部材を用いて台板の移動を抑制する台板の取付構造であって、固定部材は、台板の移動を抑制した固定状態とする際に操作される操作部と、固定状態とする際に他部材に引っ掛けられる位置に移動させる固定部と、を備え、前記操作部は、固定状態においては側面視において台板の側面部より上方に突出せず、固定状態を解除した解除状態においては台板の側面部よりも上方若しくは下方に突出し、
操作部は、側面視において、回動軸上を通る溝部を備え、前記溝部から操作部の両端側に向けて平面上の平板部を備える電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、通信機器等を収納するキャビネットに使用する台板の取付構造として、キャビネットの左右側内面に取り付けた水平支持板に、回転ブッシュを使用して台板を固定し、ねじ固定を不要とした技術が開示されている。このような形状の回転ブッシュの場合、回転ブッシュ表面に設けられた溝にマイナスドライバーやコインなどのツールをはめ合わせて回転させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-017875号公報
【0004】
ところで、台板の固定にはマイナスドライバーやコインなどのツールが必要となり、これらのツールが無い場合は、台板の固定が困難となってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、マイナスドライバーやコインなどのツールが無くても、電気電子機器収納用キャビネットの台板の固定ができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、固定部材を用いて台板を固定する台板の取付構造であって、固定部材は、台板の移動を抑制した固定状態とする際に操作される操作部と、固定状態とする際に他部材に引っ掛けられる位置に移動させる固定部と、を備え、前記操作部は、固定状態においては側面視において台板の側面部より上方に突出せず、固定状態を解除した解除状態においては台板の側面部よりも上方若しくは下方に突出する電気電子機器収納用キャビネットの台板の取付構造とする。
【0007】
また、固定状態においては、側面視において、操作部が台板の側面部よりも上方及び下方に突出しない構成とすることが好ましい。
【0008】
また、解除状態においては、側面視において、操作部が台板の側面部よりも上方及び下方に突出する構成とすることが好ましい。
【0009】
また、固定状態における操作部は、回動軸側から左右端側に向けて、上辺が下向きに傾斜しており、下辺が上向きに傾斜している構成とすることが好ましい。
【0010】
また、操作部は、側面視において、回動軸上を通る溝部を備え、前記溝部から操作部の両端側に向けて平面上の平板部を備える構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、マイナスドライバーやコインなどのツールが無くても、電気電子機器収納用キャビネットの台板の固定ができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態における電気電子機器収納用キャビネットの斜視図である。
図2】実施形態における電気電子機器収納用キャビネットの内部構造の一部を示した斜視図である。
図3】実施形態における固定された台板周辺の構造を示す部分拡大図である。
図4図3に示された台板と水平支持板と固定部材の分解斜視図である。
図5図3の固定部周りのV-V断面図である。
図6】実施形態の固定部材を操作部側から見た斜視図である。
図7】実施形態の固定部材を固定部側から見た斜視図である。
図8】実施形態の固定部材が解除状態にある場合と固定状態にある場合における、台板の側面部と操作部の位置関係を表した図である。
図9】固定部材の操作部の別形態例を示す図である。
図10】固定部材の操作部の別形態例を示す図である。
図11】固定部材の操作部の別形態例を示す図である。
図12】固定部材の操作部の別形態例を示す図である。
図13図1の上から2番目に位置する扉周りを前側からみた部分拡大図である。
図14図13の固定部材周りのXIV-XIV断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に発明を実施するための形態を示す。本実施形態の電気電子機器収納用キャビネット8の台板5の取付構造は、固定部材6を用いて台板5の移動を抑制するものである。この台板5の取付構造の固定部材6は、台板5の移動を抑制した固定状態とする際に操作される操作部61と、固定状態とする際に他部材に引っ掛けられる位置に移動させる固定部62と、を備えている。また、この操作部61は、固定状態においては側面視において台板5の側面部51より上方に突出せず、固定状態を解除した解除状態においては台板5の側面部51よりも上方若しくは下方に突出する。このため、マイナスドライバーやコインなどのツールが無くても、電気電子機器収納用キャビネット8の台板5の固定ができる。
【0014】
ここで、台板5の取付構造の適用により台板5が取り付けられる電気電子機器収納用キャビネット8について説明する。電気電子機器収納用キャビネット8は開口部を有するキャビネット本体81と、キャビネット本体81の開口部を塞ぐために用いられる扉82を備えている。
【0015】
また、図1及び図2に示すことから理解されるように、実施形態のキャビネット本体81は、骨格をなす略直方形状のフレーム83と、フレーム83に取り付けられた上下方向に延びる機器取付部材84を備えている。また、フレーム83の外側に配置され、外表面を形成する側板88などを備えている。なお、図3に示すことから理解されるように、実施形態では、水平支持板85を介して台板5が機器取付部材84に固定される。
【0016】
図2から図4に示すことから理解されるように、実施形態では水平支持板85を、電気電子機器収納用キャビネット8の左右に配置された機器取付部材84に固定するが、この水平支持板85には台板5との固定に用いられる係止孔86が備えられている。なお、図4に示す例の係止孔86は、断面略L字状となる水平支持板85の水平方向に延びる部位に設けられている。
【0017】
これに対して、実施形態の台板5の前端及び後端には、折り曲げ形成した側面部51を備えている。また、この側面部51には、係止孔86と対応する位置に、固定部材6を挿入できる挿通孔52を備えている。この挿通孔52に固定部材6を挿入した後に、固定部材6を回転させて、固定部材6を水平支持板85に設けられた係止孔86に嵌めると、台板5の移動を抑制した固定状態とすることができる。
【0018】
実施形態の固定部材6は、台板5の移動を抑制するよう他部材に引っ掛けられる固定部62と、固定操作時に操作される操作部61と、を備えている。図5に示すことから理解されるように、実施形態の固定部62は、台板5を水平支持板85に固定するために用いられる。このうちの固定部62は固定部材6を台板5の挿通孔52に外側から挿入した際に、台板5の側面部51の裏側に位置することになる部分であり、水平支持板85に設けられた係止孔86に嵌ることができる係止突起64を備えている。
【0019】
図6及び図7に示されていることから理解されるように、実施形態の係止突起64は、固定部62の一部から径方向に突出するように構成されている。係止突起64を備えた固定部62は、操作部61を回すように操作することで回動軸63を中心に回動するため、係止突起64が係止孔86に嵌った状態と、係止突起64が係止孔86に嵌っていない状態を適宜切り替えることができる。なお、この例では、固定部材6を上下入れ替えても使用できるように、係止突起64を二か所、互いが固定部材6の周方向に180度離れた位置となるように設けている。
【0020】
固定部材6の操作部61は、固定操作時に、作業者から直接的に力がかけられる場所であり、固定部材6を台板5の挿通孔52に挿入した場合であっても、台板5の側面部51の表側に位置することになる部分である。実施形態の操作部61は、図3から図7に示すことから理解されるように、挿通孔52に挿通した際に台板5の側面部51の前面に露出する略平板状の部位である。
【0021】
図8に示すことから理解されるように、実施形態の操作部61には、側面視で回動軸63上となる位置に直線状に延びる溝部65を備えている。また、溝部65の両端側には、平板状の平板部67を備えている。このように、側面視において、回動軸63上を通る溝部65を備え、前記溝部65の両端側に向けて平面上の平板部67を備える構成とすると、操作部61の厚みを抑えつつ、溝部65にマイナスドライバーやコインなどのツールをはめ合わせて回動操作を行うほかに、作業者が平板部67に指をかけてツールを使用せずに回動操作を行うことができ、操作部61の操作方法を増やすことができる。
【0022】
また、図8に示すことから理解されるように、固定状態における操作部61は、回動軸63側から左右端側に向けて、上辺が下向きに傾斜しており、下辺が上向きに傾斜している構成となるものであることが好ましい。このようにすると、操作部61が固定状態よりも、やや解除状態側になったとしても、操作部61が台板5よりも上方又は下方に飛び出す状態とはなりにくい。
【0023】
ところで、図8に示すことから理解されるように、固定状態においては、側面視において、操作部61が台板5の側面部51よりも上方及び下方に突出しないものとなるように構成することが好ましい。この場合、台板5を固定する固定状態においては、側面視で台板5の側面部51の上下幅内に操作部61が位置することになり、操作部61が台板5より上方若しくは下方に飛び出すことによる不具合を防ぐことができる。このため、キャビネット本体81の内部に機器を設置する際や、配線を行う際に、操作部61が障害となることを抑制することができる。
【0024】
また、解除状態においては、側面視において、操作部61が台板5の側面部51よりも上方及び下方に突出するように構成することが好ましい。このようにすると、解除状態において操作部61に指を掛けやすくなり、操作部61の回動操作がやりやすくなる。
【0025】
なお、操作部61はこれらの形態に限る必要が無いことは勿論のことである。例えば、図9に示すことから理解されるように、解除状態においては、操作部61が台板5の側面部51よりも上方に突出するが下方には突出しないように構成しても良い。また図10に示すことから理解されるように、固定状態においては、側面視において、操作部61が台板5の側面部51よりも上方には突出しないが、下方には突出するように構成しても良い。
【0026】
また、図11に示すことから理解されるように、1/4回転程度の回転で解除状態と固定状態を変更できるように構成しても良い。また、図12に示すことから理解されるように、側面視で非多角形状(楕円形状など)の操作部61としても良い。
【0027】
ここで、台板5を電気電子機器収納用キャビネット8に固定する方法について説明する。先ず、機器取付部材84に固定された水平支持板85に台板5を搭載する。その後、挿通孔52から固定部材6を挿通し、操作部61に力をかけて固定部材6を回動させ、台板5をキャビネット本体81に固定した固定状態とする。なお、固定状態においては、固定部62の係止突起64が水平支持板85の係止孔86に係止されていることから、台板5の移動を抑制する状態となる。
【0028】
ここで、台板5によって電気電子機器収納用キャビネット8を分割して使用する際の例について説明する。ここでは、フレーム83や機器取付部材84などに固定した水平支持板85に台板5を固定させ、電気電子機器収納用キャビネット8を上下分割して使用する。内部空間を上下に分割した電気電子機器収納用キャビネット8は、台板5に仕切られた空間の使用者が異なる場合があり、この場合、それぞれの空間を異なる使用者が占有して使用できるようにする必要がある。このようなことを可能とするために、図13及び図14に示すことから理解されるように、扉82を閉じた状態において、台板5の前側に位置する側面部51は扉82と密接した状態となる構成とすることが好ましい。このようにすると、閉じている扉82の存在により、台板5が勝手に移動させられることを防ぐことができる。なお、操作部61を略平板状とすることで、扉82と操作部61の接触が回避できる。
【0029】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。
【符号の説明】
【0030】
5 台板
6 固定部材
8 電気電子機器収納用キャビネット
51 側面部
61 操作部
62 固定部
63 回動軸
65 溝部
67 平板部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14