(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】組合せ秤
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
G01G19/387 D
G01G19/387 E
(21)【出願番号】P 2020114768
(22)【出願日】2020-07-02
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】田中 悠太
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-093463(JP,A)
【文献】特開2003-214937(JP,A)
【文献】特開平08-114492(JP,A)
【文献】実開平05-040831(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0108404(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387-19/393
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のホッパと、前記複数のホッパから排出される被計量物を集合させる複数の集合シュートとを備える組合せ秤であって、
前記複数の集合シュートにそれぞれ装着されて、前記集合シュートの前記被計量物が滑落する滑落面と直交あるいは略直交して滑落径路を閉止するシャッタを有するシャッタ機構を備え、
前記シャッタ機構の前記シャッタは、前記被計量物の滑落方向に沿うように前記滑落径路を開放
するものであり、
前記滑落径路を開放、閉止する前記シャッタを開閉駆動する開閉駆動機構を備え、
前記シャッタ機構は、係合、離脱可能に前記開閉駆動機構に係合連動されている、
組合せ秤。
【請求項2】
前記複数の集合シュートは、支持フレームに着脱自在に支持され、
前記シャッタ機構は、前記複数の集合シュートの終端側にそれぞれ装着され、
前記集合シュートの前記支持フレームへの着脱に応じて、前記集合シュートに装着された前記シャッタ機構は、前記開閉駆動機構に係合、離脱可能である、
請求項1に記載の組合せ秤。
【請求項3】
複数の前記シャッタ機構は、共通の前記開閉駆動機構に係合連動されている、
請求項1または2に記載の組合せ秤。
【請求項4】
前記複数のシャッタ機構は、上下に回動して前記シャッタを開閉する受動部材と、前記受動部材に連結された係合アームとをそれぞれ備え、
前記共通の開閉駆動機構は、上下に往復移動する駆動部材と、該駆動部材から延出されて、前記複数のシャッタ機構の各係合アームにそれぞれ係合される複数の係合ローラとを備える、
請求項3に記載の組合せ秤。
【請求項5】
前記シャッタ機構の前記シャッタは、回動可能であって、該シャッタと前記受動部材とが、トグルリンクを介して連結されている、
請求項4に記載の組合せ秤。
【請求項6】
前記シャッタ機構は、前記集合シュートに連結固定されるブラケットを備え、該ブラケットに、前記シャッタ及び前記受動部材が、回動可能に支持されている、
請求項4または5に記載の組合せ秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定重量の被計量物を計量して排出する組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ秤としては、例えば、特許文献1に示されているように、計量ホッパから排出された被計量物を、集合シュートを介して包装機へ投入する供給径路に、緩衝部材を有する開閉可能なシャッタを設け、被計量物を緩衝部材に当接させて一旦貯留した後に包装機へ投入するようにして、被計量物の割れや欠けを防止するように構成したものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示された構造は、被計量物の割れや欠けを防止することを目的として提案されたものであって、シャッタを開放して一時貯留した被計量物を排出する際の被計量物の排出姿勢については特に考慮されていない。例えば、細長い被計量物は、排出方向での先端位置が揃わない状態で排出されることになる。
【0005】
上記組合せ秤では、組合せ演算によって選択された複数の計量ホッパから集合シュートに排出された被計量物が、集合シュートを滑落して所定の集合箇所に集められる際、集合シュートから最も早く排出される被計量物の先端から、最も遅く排出される被計量物の最後尾までの寸法長さ(以下「ストリングアウト長」という)が長くなるほど、集合箇所の下方の包装機へ被計量物を投入供給するのに時間を要することになる。従って、計量速度を高めるためには、上記「ストリングアウト長」を短くする必要がある。
【0006】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、集合シュートを滑落する被計量物を、滑落方向に纏めて一挙に排出して、組合せ秤の計量速度の向上を図ることを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0008】
(1)本発明は、複数のホッパと、前記複数のホッパから排出される被計量物を集合させる複数の集合シュートとを備える組合せ秤であって、
前記複数の集合シュートにそれぞれ装着されて、前記集合シュートの前記被計量物が滑落する滑落面と直交あるいは略直交して滑落径路を閉止するシャッタを有するシャッタ機構を備え、前記シャッタ機構の前記シャッタは、前記被計量物の滑落方向に沿うように前記滑落径路を開放する。
【0009】
本発明によると、複数のホッパから排出された被計量物は、対応する集合シュートに排出されて、滑落面に沿って滑落するが、滑落面と直交あるいは略直交して滑落径路を閉止するシャッタによって受止められ、例えば、細長い被計量物では、下端が揃った一定姿勢に整列されて一時貯留される。
【0010】
複数のホッパからの被計量物の排出が終了すると、集合シュートにおけるシャッタ機構のシャッタが、滑落方向に沿うように開放され、集合シュートに一時貯留された被計量物が、下端を揃えた状態に纏まって滑落方向へ一挙に排出される。
【0011】
これによって、複数の集合シュートから最も早く排出される被計量物の先端から、最も遅く排出される被計量物の最後尾までの寸法長さである、ストリングアウト長を短くして、計量速度を向上させることができる。
【0012】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記滑落径路を開放、閉止する前記シャッタを開閉駆動する開閉駆動機構を備え、前記シャッタ機構は、係合、離脱可能に前記開閉駆動機構に係合連動されている。
【0013】
この実施態様によると、集合シュートに装着されたシャッタ機構のシャッタは、開閉駆動機構の駆動に係合連動して開閉される一方、当該組合せ秤の洗浄時などには、シャッタ機構と開閉駆動機構との係合を解除して、シャッタ機構を、集合シュートと共に開閉駆動機構から簡単に分離して、洗浄等を行うことができる。
【0014】
(3)本発明の一実施態様では、前記複数の集合シュートは、支持フレームに着脱自在に支持され、前記シャッタ機構は、前記複数の集合シュートの終端側にそれぞれ装着され、前記集合シュートの前記支持フレームへの着脱に応じて、前記集合シュートに装着された前記シャッタ機構は、前記開閉駆動機構に係合、離脱可能である。
【0015】
この実施態様によると、当該組合せ秤の洗浄時などには、集合シュートを支持フレームから取り外すことで、開閉駆動機構に対するシャッタ機構の係合を離脱させることができる。また、集合シュートを支持フレームへ取り付けることで、開閉駆動機構に対してシャッタ機構を係合することができ、洗浄などを終えてから再稼働するまでの時間短縮を図ることができる。
【0016】
(4)本発明の他の実施態様では、複数の前記シャッタ機構は、共通の前記開閉駆動機構に係合連動されている。
【0017】
この実施態様によると、個々のシャッタ機構を個別の開閉駆動機構でそれぞれ駆動する場合に比べて、開閉駆動機構の数を少なくすることができ、コスト低減を図ることができる。
【0018】
(5)本発明の更に他の実施態様では、前記複数のシャッタ機構は、上下に回動して前記シャッタを開閉する受動部材と、前記受動部材に連結された係合アームとをそれぞれ備え、前記共通の開閉駆動機構は、上下に往復移動する駆動部材と、該駆動部材から延出されて、前記複数のシャッタ機構の各係合アームにそれぞれ係合される複数の係合ローラとを備える。
【0019】
この実施態様によると、各シャッタ機構における受動部材に連結された各係合アームと、開閉駆動機構における、前記各係合アームにそれぞれ係合される複数の係合ローラとによって、各シャッタ機構と開閉駆動機構とを係合、離脱可能とすることができると共に、開閉駆動機構の駆動部材の上下作動によって、複数のシャッタ機構の各シャッタを開閉することができる。
【0020】
(6)本発明の一実施態様では、前記シャッタ機構の前記シャッタは、回動可能であって、該シャッタと前記受動部材とが、トグルリンクを介して連結されている。
【0021】
この実施態様によると、シャッタの閉止状態において、受動部材の回動支点、受動部材とトグルリンクとの連結点、及び、トグルリンクとシャッタとの連結点が、直線状あるいは略直線状に並ぶように設定しておくことで、閉止状態のシャッタに開放方向への外力が作用しても、トグルリンクの突っ張り作用によって開放方向への回動が阻止され、集合シュートの閉止状態が確実に保持される。これによって、ホッパからの被計量物が、集合シュートを滑落して閉止状態のシャッタに受け止められる際の衝撃によって、シャッタが開くのを防止することができる。
【0022】
(7)本発明の他の実施態様では、前記シャッタ機構は、前記集合シュートに連結固定されるブラケットを備え、該ブラケットに、前記シャッタ及び前記受動部材が、回動可能に支持されている。
【0023】
この実施態様によると、ブラケットに各部材を組み付けてシャッタ機構を構成し、前もって作動の良否を確認してから集合シュートに取り付けることが可能であり、比較的大型の部材である集合シュートに各部材を組み付けながら作動調整を行う場合に比べて組み付け作業性に優れたものとなる。
【発明の効果】
【0024】
このように、本発明によれば、複数のホッパから排出された被計量物は、集合シュートを滑落して閉止状態のシャッタによって受止められて纏められ、シャッタが、被計量物の滑落方向に沿うように開放されて、集合シュートから纏まった被計量物が一挙に排出されるので、複数の集合シュートから最も早く排出される被計量物の先端から、最も遅く排出される被計量物の最後尾までの寸法長さである、ストリングアウト長を短くして、計量速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す縦断正面図である。
【
図2】
図2は
図1の開閉駆動機構21及びシャッタ機構20付近を概略的に示す平面図である。
【
図5】
図5はシャッタ閉止状態を示す要部の側面図である。
【
図6】
図6はシャッタ開放状態を示す要部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す縦断正面図である。
【0028】
この実施形態の組合せ秤は、各種の菓子や食品などの被計量物を所定量ずつ計量して下方へ排出するものであって、計量された被計量物を図示しない下方の包装機に投入して袋詰めする包装ラインに利用される。
【0029】
この組合せ秤は、櫓状に組み上げ立設された図示しないフレームの階上床面Fに設置されるものであり、中央部が大きく上下に貫通開口された中空構造の基台1の上方に、略円柱形のセンター基体2が複数の脚部3を介して支持されている。センター基体2の上部中心には、図示されていない供給コンベヤの終端から投下供給される被計量物を振動によって放射状に分散搬送する分散フィーダ4が装備されている。この分散フィーダ4の周囲には、分散搬送された被計量物を振動によって外方に向けて直進搬送する多数台のリニアフィーダ5が放射状に設けられている。
【0030】
センター基体2の外周部には、各リニアフィーダ5からの被計量物を一旦貯留して排出する複数台の供給ホッパ6と、各供給ホッパ6から排出された被計量物の重量を計測するための複数台の計量ホッパ7とが装備されている。そして、これらリニアフィーダ5、供給ホッパ6、及び、計量ホッパ7を一連とする多数連(例えば14連)の計量ユニットによって被計量物の組合せ計量及び排出が行われる。
【0031】
各計量ホッパ7の下方には、組合せ演算によって所定重量範囲となる適量組合せに選択された計量ホッパ7から排出された被計量物を集合させる幅狭樋状の細長い集合シュート8が、所定の傾斜角度で配備されている。これら集合シュート8の下端部には、集合シュート8から滑落してきた被計量物をセンター基体2の中心下方に集める円形漏斗状の集合ファネル9、10が配備されている。
【0032】
更に、集合ファネル9、10の下方に、集合ファネル9、10で集められた所定重量範囲の被計量物を一旦受け止め貯留する集合ホッパ11が配置されている。集合ホッパ11は、水平スライド式のシャッタ機構12を備えており、階下に設置された包装機からの排出要求指令に基づいてシャッタ機構12が排出制御されるようになっている。
【0033】
センター基体2の上部の分散フィーダ4は、トップコーン13と、これを振動駆動する電磁式の加振機構14とを備えている。分散フィーダ4の周囲のリニアフィーダ5は、内外方向に向かう樋形のトラフ16とこれを振動駆動する電磁式の加振機構17とを備えている。
【0034】
センター基体2の外周部には、供給ホッパ6及び計量ホッパ7のゲート開閉用の駆動機構、及び、計量ホッパ7内の被計量物の重量を計測する重量センサ、等を組み込んだ駆動ユニット18が装着されている。この駆動ユニット18の外方に、供給ホッパ6及び計量ホッパ7が着脱可能に装着支持されている。
【0035】
集合シュート8は、基台1の上方において脚部3間に亘って環状に架設固定された支持フレーム19に、着脱自在に引っ掛け支持されている。
【0036】
この実施形態では、例えば、棒状のプレッツェル、ジャーキーなどの細長い被計量物に好適であり、被計量物を整列させて速やかに集合ホッパ11に集合投入できるようにするために、以下のような構造を備えている。
【0037】
すなわち、この実施形では、各集合シュート8の終端部には、被計量物の滑落径路を開閉するシャッタ23を有するシャッタ機構20がそれぞれ装着されている。また、センター基体2の下面中央には、全てのシャッタ機構20のシャッタ23を開閉する開閉駆動機構21が装備されている。
【0038】
図2は開閉駆動機構21及びシャッタ機構20付近を概略的に示す平面図であり、
図3はシャッタ機構20の側面図であり、
図4はシャッタ機構20の斜視図である。
【0039】
集合シュート8は、被計量物が滑落する滑落径路を構成する底壁8a、及び、底壁8aの幅方向の両側から起立した対向する側壁8bを有している。計量ホッパ7から排出される被計量物は、集合シュート8の底壁8aの内面に沿って滑落する。すなわち、集合シュート8の底壁8aの内面が、被計量物が滑落する滑落面を構成する。
【0040】
シャッタ機構20は、
図3及び
図4に示すように、集合シュート8の下部上端縁に被せて溶接固定されるブラケット22、ブラケット22の下部に横向きの支点a周りに回動可能に支持されるシャッタ23、ブラケット22の上部に横向きの支点b周りに回動可能に支持される受動部材24、シャッタ23と受動部材24を連動連結するトグルリンク25、及び、受動部材24に連結された係合アームとしてのフォークアーム26を備えている。
【0041】
ブラケット22は、集合シュート8の終端側の上端縁に跨って溶接連結された連結板22aと、この連結板22の上に溶接固定されたブラケット本体22bとを備えている。ブラケット本体22bは、下部に屈折起立させた一対の枢支部22cと、上部に屈折起立させた枢支部22dとを備えている。ブラケット本体22bの一対の枢支部22cには、シャッタ23の上部に屈折連設された一対の支点基部23aがそれぞれ回動可能に連結される。また、ブラケット本体22bの上部に屈折起立させた枢支部22dには、受動部材24が回動可能に連結される。この受動部材24とシャッタ23の一方の支点基部23aに亘ってトグルリンク25が回動可能に連結されている。
【0042】
図5に示すように、シャッタ23は、集合シュート8側へ回動することで集合シュート8の滑落面と直交して集合シュート8の下端、すなわち、被計量物wの滑落経路を閉止し、細長い被計量物wを先端が揃った姿勢で受止め貯留する。なお、シャッタ23は、集合シュート8の滑落面に直交して閉止する場合に限らず、滑落面に略直交して閉止してもよい。集合シュート8の滑落面とシャッタ23とが交差する好ましい角度範囲は、例えば、90度±10度程度であり、より好ましくは、90度±5度程度である。
【0043】
シャッタ23は、
図6に示すように、集合シュート8から離間する側へ回動することによって、集合シュート8の下端を開放する。このとき、シャッタ23の回動の初期においては、被計量物wの滑落方向に沿うように集合シュート8の下端を開放し始め、回動が進むにつれて集合シュート8の下端を完全に開放する。
【0044】
このようにシャッタ23は、被計量物wの滑落方向に沿うように集合シュート8の下端を開放するので、例えば、滑落方向に交差する方向に沿ってシャッタを開放するのに比べて、先端が揃った状態で貯留した被計量物wを円滑に排出することができる。
【0045】
シャッタ23を開閉駆動する開閉駆動機構21には、センター基体2の下面に連結された駆動ケース27、駆動ケース27から下方に垂設された一対のガイド軸28、このガイド軸28に沿って平行に上下スライド移動可能に支持された円板状の駆動部材29、等が備えられている。
【0046】
駆動ケース27の前面には、ケース内蔵のモータで駆動回動される駆動アーム30が配備されている。この駆動アーム30と駆動部材29とが、連結ロッド31で連動連結されている。駆動アーム30が一定角度範囲に亘って正逆に回動することで、駆動部材29が、所定のストロークで平行に上下移動するようになっている。なお、駆動アーム30の作動角度範囲は、駆動ケース27に取り付けたストッパ32で当接規制される。
【0047】
円板状の駆動部材29からはシャッタ機構20の数に相当する複数の操作アーム33が放射状に延出されている。各操作アーム33の先端部側面に横向き片持ち状に軸支した係合ローラ34が、各シャッタ機構20におけるフォークアーム26に係合され、駆動部材29の上下作動に連動してフォークアーム26と一体の受動部材24が正逆に回動され、シャッタ23が開閉される。
【0048】
上記のように構成された本実施形態では、組合せ演算によって、所定重量範囲となる適量組合せに選択された複数の計量ホッパ7から排出された被計量物、例えば、細長い被計量物wは、対応する集合シュート8に排出され、閉止姿勢にあるシャッタ23で受止められ、
図5の仮想線で示すように、滑落面に直角な面に下端が揃った一定姿勢に整列されて一時貯留される。
【0049】
複数の計量ホッパ7からの被計量物wを排出して所定時間が経過すると、開閉駆動機構21の駆動部材29が上昇作動して、全ての集合シュート8におけるシャッタ機構20のシャッタ23が開放され、選択された計量ホッパ7に対応する複数の集合シュート8に一時貯留された被計量物wが、
図6の仮想線で示すように、下端を揃えた整列状態で一挙に排出され、集合ファネル9、10を経て集合ホッパ11に送り込まれる。
【0050】
このように、下端が揃った一定姿勢に整列された被計量物を、纏めて一挙に排出するので、複数の集合シュートから最も早く排出される被計量物の先端から、最も遅く排出される被計量物の最後尾までの寸法長さである、ストリングアウト長を短くすることができ、計量速度を向上させることができる。
【0051】
なお、シャッタ23が開放されてから設定時間後に、駆動部材29が下降作動し、全てのシャッタ機構20が閉止状態に復帰され、次回の被計量物wの計量排出に備えられる。
【0052】
シャッタ23が閉止状態に在る時には、
図3に示されるように、受動部材24の支点b、受動部材24とトグルリンク25との連結点c、及び、トグルリンク25とシャッタ23との連結点dが一直線状、あるいは、略直線状に並ぶように位置設定されており、被計量物wがシャッタ23に強く受け止められて、シャッタ23に開放方向への外力が作用しても、トグルリンク25の突っ張り作用によってシャッタ23の開放方向への回動が阻止される。すなわち、計量ホッパ7からの被計量物が、集合シュート8を滑落して閉止状態のシャッタ23に受け止められる際の衝撃によって、シャッタ23が開くのを防止することができる。
【0053】
また、食品を計量処理する組合せ秤では、定期的な洗浄作業が行われるが、かかる洗浄作業などの際には、分散フィーダ4のトップコーン13、リニアフィーダ5のトラフ16、供給ホッパ6、及び、計量ホッパ7、等を取り外すと共に、集合シュート8を支持フレーム19から取り外すことになる。この時、集合シュート8を、支持フレーム19から外方に引き出すことで、係合ローラ34からフォークアーム26を離脱させることができる。すなわち、集合シュート8に設けられたシャッタ機構20のフォークアーム26と開閉駆動機構21の係合ローラ34との係合を解除して分離することができる。
【0054】
このように洗浄作業等に際しては、集合シュート8を支持フレーム19から取り外すことで、センター基体2の下面に設けられた開閉駆動機構21に対するシャッタ機構20の係合連係が解除されることになる。これによって、工具などを用いて係合連係を解除するような手間なく、簡単かつ速やかにシャッタ機構20を備えた集合シュート8を取り外すことができる。
【0055】
また、集合シュート8を支持フレーム19に取り付けることで、開閉駆動機構21の係合ローラ34に対してシャッタ機構20のフォークアーム26を容易に係合させることができ、洗浄作業を終えてから再稼働するまでの時間短縮を図ることができる。
【0056】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0057】
(1)上記実施形態では、各計量ホッパ7に対応して集合シュート8をそれぞれ備えているが、複数台、例えば、2、3台の計量ホッパ7に対応して一つの集合シュート8を備えるようにしてもよい。
【0058】
(2)上記実施形態では、全部のシャッタ機構20を単一の開閉駆動機構21で駆動するようにしているが、複数のシャッタ機構20を、複数に区分して、各区分に対応する複数の開閉駆動機構21でそれぞれ駆動するようにしてもよい。
【0059】
(3)シャッタ機構20のシャッタ23の開閉形態は、トグルリンク25を含む上記実施形態に限らず、単純に、バネ等で閉止方向に回動付勢したシャッタ23を駆動部材29で開閉操作する形態とすることもできる。
【符号の説明】
【0060】
7 計量ホッパ
8 集合シュート
20 シャッタ機構
21 開閉駆動機構
22 ブラケット
23 シャッタ
24 受動部材
25 トグルリンク
26 フォークアーム
29 駆動部材
34 係合ローラ
w 被計量物