(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
G01G19/387 C
(21)【出願番号】P 2020139054
(22)【出願日】2020-08-20
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】末道 亮
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-085208(JP,A)
【文献】特開平07-103810(JP,A)
【文献】特開2000-175557(JP,A)
【文献】特開2002-107210(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110888356(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387-19/393
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を貯留する貯留ホッパを備え、該貯留ホッパからの物品を組合せ計量する組合せ計量装置であって、
前記貯留ホッパよりも低位置に配置された貯留タンクの物品を供給する物品供給部と、
前記物品供給部から供給される物品を、前記貯留ホッパへ搬送して該貯留ホッパへ搬出するリフト搬送部と
、を備え、
前記物品供給部は、前記貯留タンク及び該貯留タンクを振動させる振動装置を有し、
前記リフト搬送部は、傾斜コンベヤを有し、
前記貯留ホッパから物品が供給される直線状に並設された複数の直進フィーダを備え、
前記リフト搬送部から前記貯留ホッパへ搬出される前記物品を流下案内して、その案内供給位置を、前記複数の直進フィーダの前記並設方向に沿って変更する供給案内機構を備える、
ことを特徴とする組合せ計量装置。
【請求項2】
前記供給案内機構は、前記複数の直進フィーダの前記並設方向に沿って独立して移動す
る複数の供給ガイドを備える、
請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
前記供給ガイドは、前記物品を流下案内する流下案内面を有する、
請求項2に記載の組合せ計量装置。
【請求項4】
前記直進フィーダによって搬送される物品が供給される供給ホッパ及び該供給ホッパから排出される物品を保持してその重量を計量する計量ホッパを、上下に一連に有する計量ユニットの複数連が、直線状に並設されている、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を組合せ計量する組合せ計量装置に関し、更に詳しくは、多品種の物品を混合計量するのに好適な組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多品種の物品の混合計量を行う組合せ計量装置として、例えば、特許文献1に示されているように、供給ホッパ、計量ホッパ、及び、メモリホッパからなる計量ユニットの多数連を横一列に並列配備し、混合計量した物品を下方に設置した包装装置に投入して袋詰めするようにしたものが知られている。
【0003】
この組合せ計量装置では、各計量ユニットの供給ホッパへ物品を供給する直進フィーダの始端部上方に貯留ホッパを配備し、稼動時間の経過に応じて残量が少なくなった貯留ホッパへの物品の補給を人手によって行うように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような多品種の物品の混合計量では、他の品種に比べて混合比率の高い特定の品種の物品、すなわち、一袋当たりの内容量の大きい特定の品種の物品については、稼動時間の経過に伴う消費量が多くなる。したがって、消費量が多い特定の品種の物品については、貯留ホッパの容量を大きくして多量の物品を貯留しておかないと補給作業を頻繁に行う必要が生じる。
【0006】
また、貯留ホッパの下方には、各品種に割り当てられた計量ユニットの連数と同数の直進フィーダが並列配備されることになり、貯留ホッパの横幅は、各品種に割り当てられた直進フィーダ群の横幅と略同程度に制約される。
【0007】
従って、貯留ホッパの容量を大きくするにはホッパ高さを高くするしかないが、背が高く嵩高い貯留ホッパは取扱いにくいものとなり、また、建屋の条件によっては、組合せ計量装置の上方の天井高さを十分確保できず、所望の高さの貯留ホッパを導入できないことがある。
【0008】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、消費量の多い物品を貯留ホッパに容易に補給することができ、かつ、天井高さの低い建屋での利用が可能な組合せ計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0010】
(1)本発明に係る組合せ計量装置は、物品を貯留する貯留ホッパを備え、該貯留ホッパからの物品を組合せ計量する組合せ計量装置であって、
前記貯留ホッパよりも低位置に配置された貯留タンクの物品を供給する物品供給部と、前記物品供給部から供給される物品を、前記貯留ホッパへ搬送して該貯留ホッパへ搬出するリフト搬送部とを備える。
【0011】
本発明によると、消費量の多い物品を貯留している貯留ホッパには、低位置に配置した貯留タンクからの物品をリフト搬送部で揚送して補給できるので、低位置の大容量の貯留タンクに必要な量の物品を貯留しておけばよい。
【0012】
また、消費量の多い物品を貯留する貯留ホッパの上に、背丈の高い大容量の貯留タンクを配備する必要がないので、天井高さが低い建屋においても当該組合せ計量装置を設置することができる。
【0013】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記物品供給部は、前記貯留タンク及び該貯留タンクを振動させる振動装置を有し、前記リフト搬送部は、傾斜コンベヤを有する。
【0014】
この実施態様によると、貯留タンク及び振動装置を有する、いわゆる、ストックフィーダによって物品を傾斜コンベヤに供給し、この傾斜コンベヤによって、上方位置にある貯留ホッパへ物品を揚送することができる。
【0015】
(3)本発明の一実施態様では、前記貯留ホッパから物品が供給される直線状に並設された複数の直進フィーダを備え、前記リフト搬送部から前記貯留ホッパへ搬出される前記物品を流下案内して、その案内供給位置を、前記複数の直進フィーダの前記並設方向に沿って変更する供給案内機構を備える。
【0016】
この実施態様によると、リフト搬送部によって搬送されてきた物品を流下案内して、その案内供給位置を、複数の直進フィーダの並設方向に沿って変更できるので、貯留ホッパから物品が供給される複数の直進フィーダにおける物品の偏りを是正することができる。
【0017】
(4)本発明の他の実施態様では、前記供給案内機構は、前記複数の直進フィーダの前記並設方向に沿って独立して移動する複数の供給ガイドを備える。
【0018】
この実施態様によると、複数の供給ガイドを複数の直進フィーダの並設方向に沿って移動させることによって、複数の直進フィーダに対する物品の供給量を調整して、複数の直進フィーダにおける物品の偏りを的確に是正することができる。
【0019】
(5)本発明の更に他の実施態様では、前記供給ガイドは、前記物品を流下案内する流下案内面を有する。
【0020】
この実施態様によると、供給ガイドの流下案内面を用いて物品を所望の位置に流下案内することができ、物品の偏りを効率よく速やかに是正することが可能となる。
【0021】
(6)本発明の他の実施態様では、前記直進フィーダによって搬送される物品が供給される供給ホッパ及び該供給ホッパから排出される物品を保持してその重量を計量する計量ホッパを、上下に一連に有する計量ユニットの複数連が、直線状に並設されている。
【0022】
この実施態様によると、供給ホッパ及び計量ホッパを上下に一連に有する計量ユニットの複数連が、直線状に並設され、各供給ホッパへ物品を供給する直進フィーダの複数が、直線状に並設されるので、例えば、物品の品種が多品種に亘る場合のように、計量ユニットの複数連を構成する連の数を多くしたい場合には、直線状に列設される計量ユニット及び直進フィーダを、直線状に増設すればよく、平面的にコンパクトなものとなる。
【発明の効果】
【0023】
このように、本発明によれば、消費量の多い物品を貯留ホッパに容易に補給することができ、かつ、天井高さの低い建屋での利用が可能な組合せ計量装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置の全体側面図である。
【
図6】
図6は供給案内機構を備えた貯留ホッパの平面図である。
【
図7】
図7は供給案内機構を備えた貯留ホッパの縦断側面図である。
【
図8】
図8は供給案内機構を備えた貯留ホッパの縦断正面図である。
【
図10】
図10は供給案内機構を備えた貯留ホッパの一部を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置の全体側面図、
図2はその平面図であり、また、
図3は計量装置の概略側面図、
図4は計量装置の概略正面図である。
【0027】
この実施形態の組合せ計量装置は、各種の食品や菓子、等の多品種(例えば10品種)の物品を所定重量ずつ組合せ計量するものであり、例えば、ナッツ、あられ、豆菓子などを混合したおつまみセットを混合計量するような場合に好適である。
【0028】
この実施形態の組合せ計量装置は、床面Fに設置されて、計量された物品を床面下方に設置した図示されていない包装装置に投入して袋詰めする包装ラインに利用される。
【0029】
なお、構造を理解し易くするために、以下の説明では、
図1、
図2及び
図3における図面横方向、及び、
図4における紙面表裏方向を、前後方向と呼称し、この前後方向と直交する水平方向、すなわち、
図1と
図3における紙面表裏方向、
図2における上下方向、及び、
図4における図面横方向を、左右方向と呼称することとする。
【0030】
図1に示すように、この組合せ計量装置は、作業者Wが左右に通過移動可能な中央通路Rを挟んで、前後1組の計量装置1A,1Bが向い合せに配置された構造となっている。各計量装置1A,1Bは、基本的には同仕様に構成されており、
図3及び
図4には、一方の計量装置1Aが示されている。
【0031】
計量装置1Aにおける内側(中央通路R側)には、床面Fに設置した台枠2上に、
図2等に示すように、横長箱状に形成された2台の基体3が左右に並べて設置されている。各基体3の外側(中央通路Rと反対側)には、複数連(この例では、7連)の計量ユニット4が左右一列状に装備されている。従って、この例では、1台の計量装置1Aにそれぞれ一列14連の計量ユニット4が装備され、前後の計量装置1A,1Bによって、計28連の計量ユニット4で、多品種の物品の混合組合せ計量を行う。
【0032】
各計量装置1A,1Bにおける計量ユニット4群の更に外側には、物品を収容する貯留ホッパ13と、各貯留ホッパ13の上部に連通配備された貯留タンク14が備えられている。また、貯留ホッパ13の下端から繰り出された物品を14連の各計量ユニット4に向けて振動搬送する14台の直進フィーダ15が、
図3等に示すように、支持台16の上部に左右に並列して配備されている。直進フィーダ15は、物品を樋状のトラフに載置して振動搬送する上段フィーダ15aと下段フィーダ15bとを、搬送方向に向けて先下がり階段状に縦列配置して構成されている。
【0033】
計量ユニット4自体は、基本的に従来と同様であり、直進フィーダ15の下段フィーダ15bから搬送されてきた物品を受け取って一旦貯留して排出する開閉自在なゲートを有する供給ホッパ6と、供給ホッパ6から排出された物品を貯留してその重量を測定して排出する開閉自在なゲートを有する計量ホッパ7と、計量ホッパ7で計量され排出された物品を受け取って一時貯留して排出する開閉自在なゲートを有するメモリホッパ8とを上下縦列状に配置した構造となっている。
【0034】
計量ホッパ7には、
図3に示すように、中央通路Rから遠い側の外ゲート7aと、中央通路R側の内ゲート7bがそれぞれ独立して開閉作動可能に備えられている。計量ホッパ7の外ゲート7aのみを揺動開放させることで、計量した物品が直接下方に排出され、計量ホッパ7の内ゲート7bのみを揺動開放させることで、計量した物品がメモリホッパ8へ投入されて一時貯留されるようになっている。
【0035】
各計量ユニット4には、メモリホッパ8が備えられているので、組合せ演算に参加できる有効なホッパの数を増やすことができる。
【0036】
計量ホッパ7とメモリホッパ8の下方には、所定の重量となるように組合せ演算によって選択された複数の計量ホッパ7、あるいは、メモリホッパ8から排出された物品を集める4台の第1集合シュート9が左右一列状に配備される。隣接する2台ずつの第1集合シュート9の下方に、第1集合シュート9で集められた物品を一時的に受け止め貯留する2台の第1集合ホッパ10が配備されている。また、第1集合ホッパ10の下方には、各第1集合ホッパ10から排出された物品を滑落案内して集める第2集合シュート11と、14連の計量ユニット4を用いて計量され集められた物品を一か所に集めて一時貯留する第2集合ホッパ12が配置されている。
【0037】
前後の計量装置1A,1Bに1台ずつ備えた第2集合ホッパ12は、
図1に示すように、中央通路Rの下方において前後に近接して配備され、包装装置からの排出要求指令に基づいて同時に開閉制御され、混合組合せ計量された10種の物品が、階下の包装装置へ排出される。
【0038】
図2の平面図に示すように、7台ずつ計量ユニット4を並列装備した各基体3は、横端部の縦向き支点pを中心として旋回可能に台枠2の上部にそれぞれ支持されている。計量ユニット4のメンテナンスに際しては、
図2中の仮想線で示すように、基体3を中央通路R側に旋回して開放することで、計量ユニット4群を大きく露出させ、ホッパ類の脱着やメンテナンスを容易に行うことができるようになっている。また、基体3を開放することで、直進フィーダ15等を中央通路R側からメンテナンス、あるいは、洗浄することができる。
【0039】
直進フィーダ15の上方には、
図3に示すように、下段フィーダ15bの始端側及び終端側における物品の積層高さを、例えば、レーザで検知する物品検知センサ17a,17bが配備されており、その検知情報に基づいて上段フィーダ15a及び下段フィーダ15bが駆動制御され、直進フィーダ15毎に均一な物品の搬送が行われるようになっている。
【0040】
直進フィーダ15が設けられた支持台16には、計量ホッパ7に過剰に供給された物品を排出するためのリジェクト機構20が備えられている。リジェクト機構20には、前後水平に進退移動可能なリジェクトシュート21と、リジェクトシュート21に導入した物品を回収する回収シュート22と回収容器23とが装備されている。
【0041】
リジェクトシュート21は、計量ホッパ7から第1集合シュート9への送出径路に外側から対向して配備されており、エアーシリンダなどのアクチュエータ24によって進退駆動されるようになっている。
【0042】
通常時、
図3中の実線で示すように、リジェクトシュート21は外側に退避しており、計量ホッパ7における外ゲート7aの開放に伴う物品の第1集合シュート9への排出を妨げることがない。
【0043】
この実施形態では、多品種少量の混合計量を行うものであり、目標組合せ重量が小さいので、計量ホッパ7に供給される物品の重量が所定重量範囲を超える過量である場合には、
図3中の仮想線で示すように、リジェクトシュート21が進出するリジェクト状態となる。この状態で、外ゲート7aが開放作動されることで、計量ホッパ7内の物品がリジェクトシュート21に排出され、過量の物品が回収シュート22を介して回収容器23に流下案内されて回収される。また、回収が完了するとリジェクトシュート21は元の退避位置に後退移動され、計量ホッパ7の外ゲート7aが閉じられて次の計量に備えられる。
【0044】
この実施形態では、多品種、例えば、10品種の物品を混合計量するものであり、予め28連の計量ユニット4を、品種等を考慮して、例えば、5連、4連、3連、2連など品種毎に連を適宜割り当て、図示しない制御装置に割り当てた品種毎の連を登録する。登録した計量ユニット4の各連に対応する貯留ホッパ13に、対応する品種の物品を貯留して運転を行う。
【0045】
組合せ演算は、各品種の物品にそれぞれ対応する計量ユニット4の計量ホッパ7及びメモリホッパ8の各品種の物品の重量に基づいて行われる。この組合せ演算は、特に限定されず、従来公知の混合計量の組合せ演算を行えばよい。例えば、それぞれ所定重量範囲にある第1品種から第9品種までの9品種の物品について排出するホッパを決定し、それら9品種の物品の合計重量に、加算した重量が、目標組合せ重量を下限値とする許容重量範囲となる第10品種のホッパを選択し、決定した前記9品種の物品のホッパ、及び、選択した第10品種の物品のホッパを適量組合せのホッパとし、この適量組合せのホッパから物品を排出し、第1集合シュート9、第1集合ホッパ10、第2集合シュート11及び第2集合ホッパ12を介して包装装置へ投入する。
【0046】
これによって、合計重量が、許容重量範囲となる10品種の物品が混合された混合物品が、包装装置で包装される。
【0047】
この実施形態では、最も混合比率が高くなる一つの品種、例えば、上記の組合せ演算であれば、最終的に目標組合せ重量を下限値とする許容重量範囲となるように重量調整に使用される第10品種の物品に、5連の計量ユニット4及び直進フィーダ15が割り当てられると共に、他の9種の品種の物品に、それぞれ2連ないし4連の計量ユニット4及び直進フィーダ15が割り当てられる。
【0048】
貯留ホッパ13は、品種数に合わせて10台備えられており、割り当てられた直進フィーダ15の並列台数に応じてホッパ横幅が規定される。
【0049】
最も混合比率が高い品種以外の混合比率の低い9種の品種に対する貯留ホッパ13の上には、ホッパ横幅に対応した横幅の貯留タンク14が配備されている。各貯留タンク14は、
図1に示すように、ダンパを組み込んだ四連リンク構造の昇降リンク機構18を介して手動昇降可能に支持されている。物品が消費されて貯留残量が少なくなると、人手によって貯留タンク14を下降させ、低位置で物品を補給した後、貯留ホッパ13に連通接続される元のセット位置に上昇操作するようになっている。この際、昇降リンク機構18は組み込まれたダンパによって重量バランスがとられており、軽く昇降操作することができる。
【0050】
最も混合比率が高くて消費量の多い品種の物品については、貯留ホッパ13への物品補給が自動的に行われるようになっており、以下、その詳細な構造を、上記
図1,
図2及び
図5ないし
図10を参照して説明する。
【0051】
【0052】
この計量装置1Aは、最も混合比率が高くて消費量の多い品種の物品を貯留する貯留ホッパ13を備えており、この貯留ホッパ13への物品の補給を自動的に行うように次のように構成している。
【0053】
すなわち、この計量装置1Aは、物品を自動的に供給する物品供給部27と、この物品供給部27から供給される物品を、上方位置の貯留ホッパ13へ搬送するリフト搬送部31と、リフト搬送部31から搬出される物品を、貯留ホッパ13内に供給案内する後述の供給案内機構とを備えている。
【0054】
物品供給部27は、貯留ホッパ13よりも低位置の貯留タンク30及び振動装置32を有するストックフィーダ28と、このストックフィーダ28からの物品を、リフト搬送部31に案内する案内シュート34とを備えている。
【0055】
この実施形態のリフト搬送部31は、傾斜コンベヤで構成されており、外周に搬送バー33aを突設した幅広の搬送ベルト33を、ストックフィーダ28から貯留ホッパ13に亘って斜めに巻回配備されている。
【0056】
ストックフィーダ28は、リフト搬送部31の始端部横側に設置されており、貯留ホッパ13よりも大容量の貯留タンク30の物品が、振動装置32によってリフト搬送部31の始端部に横側方から送り込まれる。また、リフト搬送部31の始端部上方には、三角形状の案内シュート34が配備され、貯留タンク30によって横側方から送り込まれた物品が、案内シュート34で直角に方向転換されて、搬送ベルト33の横幅に亘って広く分散供給される。
【0057】
また、リフト搬送部31の始端部上方には、搬送ベルト33に供給された物品の積層高さを、例えば、レーザで検知する物品検知センサ35が配備されており、その検知情報に基づいてストックフィーダ28が制御され、リフト搬送装部31による搬送量が制御されるようになっている。
【0058】
リフト搬送部31からの物品が搬出される貯留ホッパ13に対応して並設された5台の直進フィーダ15は、それぞれの物品の消費速度が異なることがあり、このような場合、貯留ホッパ13においては、直進フィーダ5の並設方向で貯留量に差異が生じる。このため、物品供給装置5は、リフト搬送部31から搬出される物品を、貯留ホッパ13のホッパ横幅方向、すなわち、5台の直進フィーダ15の並設方向に沿って分散案内する供給案内機構が装備されている。
【0059】
図6は、この供給案内機構40が設けられた貯留ホッパ13の平面図であり、
図7は、供給案内機構40が設けられた貯留ホッパ13の縦断側面図である。また、
図8は、供給案内機構40が設けられた貯留ホッパ13の縦断正面図であり、
図9は、供給案内機構40が設けられた貯留ホッパ13の斜視図であり、
図10は、供給案内機構40が設けられた貯留ホッパ13の一部を示す分解斜視図である。
【0060】
貯留ホッパ13は、薄板材で横長角筒状に形成されたホッパ本体13aの上端に全周に亘るフランジ部13bが連設されると共に、このフランジ部13bの下面に沿って厚板材からなる周枠部材41を重ねて接合した構造となっている。
【0061】
ホッパ本体13aの後側板13cは、その下半部が前方下方に向けて傾斜されており、この後側板13cの内面に沿って左右移動可能に左右一対の供給ガイド42が、左右間隔をもって並列配備されている。
【0062】
両供給ガイド42は、互いに内向きに対向する内側面Saが鉛直に形成されると共に、この内側面Saの上端辺から横外方に向けて、先下がり傾斜する平面形状が三角形の流下案内面Sbが連設されている。
【0063】
これら供給ガイド42は、周枠部材41の後部下方に配備された左右一対のエアーシリンダ43に以下のように連動連結され、エアーシリンダ43の個別の伸縮作動よって各供給ガイド42が、独立して左右移動制御されるようになっている。
【0064】
また、貯留ホッパ13の上方には、
図6,
図7に示すように、ホッパ内の物品の積層高さを、例えば、レーザで検知する物品検知センサ44が設置されている。これら物品検知センサ44からの検知情報に基づいてホッパ内に貯留される物品の左右偏り認識し、その偏りを是正するように各供給ガイド42が独立して左右に移動制御される。
【0065】
これによって、貯留ホッパ13内に貯留された物品の積層高さが刻々変化しても、その変化が物品検知センサ44で検知されて自動的に供給ガイド42が制御されることになり、常に偏りの少ない貯留状態を維持することができる。
【0066】
供給ガイド42を左右移動させる駆動手段としてのエアーシリンダ43は、周枠部材41の下方においてブラケット45を介して背中合わせに設置固定されている。エアーシリンダ43の横外端から突出されたピストンロッド43aの先端には、縦板状の作動部材46が連結されると共に、この作動部材46の外側面に、逆L形に屈折された可動板47が連結されている。
【0067】
作動部材46には、上下一対のガイド軸48が内向き片持ち状に備えられ、エアーシリンダ43のケーシングにスライド自在に挿入支持されており、ピストンロッド43aの進退に応じて、作動部材46が一定姿勢で左右に平行移動するようになっている。そして、作動部材46の左右移動に伴って可動板47上辺部が、周枠部材41の下面に沿って左右移動するようになっている。
【0068】
貯留ホッパ13におけるホッパ本体13aの後側のフランジ部13bには、横長く凹部13dが切欠き形成されて周枠部材41の上面が部分的に露出されている。また、露出した周枠部材41には、横長のスリット49が可動板47と重なるように左右一対形成され、各スリット49に重なるスライド板50が、周枠部材41の上面に載置されている。スライド板50の下面からは、左右一対の連係ピン51が突設されて、スリット49を貫通している。スリット49を貫通した連係ピン51は、可動板47の連結孔53に挿入支持され、可動板47の左右移動に伴ってスライド板50が、一体に左右移動するようになっている。
【0069】
他方、供給ガイド42には、ホッパ本体13aにおける後側板13cに沿う「く」の字形に屈折された背板42aが備えられると共に、この背板42aの上端から後方に連結片42bが屈折延出されている。この連結片42bが、スライド板50に形成された凹部50aに位置決め係合支持されると共に、連結片42bの下面に突設した連結ピン52が、スリット49を通して可動板47の連結孔54に挿入支持されている。
【0070】
従って、可動板47が、エアーシリンダ43によって左右に移動されるのに伴って、これにピン係合支持されたスライド板50と供給ガイド42とが、左右に移動され、リフト搬送部31の終端から幅広く投下された物品が、供給ガイド42の左右位置に応じた流下案内作用によってホッパ内での案内供給位置が変更される。これによって、貯留ホッパ13内で、直進フィーダ15によって受止め貯留される物品の積層高さが、5台の直進フィーダ15の並設方向で大きく偏ることがないように供給される。
【0071】
上記のように、供給ガイド42は、ホッパ本体13aの後側板13cに沿った一定姿勢に受止め支持されると共に、ピン係合によって可動板47に連動連結されているので、供給ガイド42を持ち上げることによって貯留ホッパ13から簡単に取り外すことができ、洗浄等の際に、供給ガイド42の着脱が容易に行えるものとなっている。
【0072】
なお、リフト搬送部31によって物品が搬送補給される貯留ホッパ13の上部には、リフト搬送部31の終端から排出された物品が四方に飛び出るのを阻止する上部カバー55が設けられている。また、貯留ホッパ13におけるホッパ本体13aの前側板13eには、出口板56が上下にスライド調節可能にネジ連結されており、貯留ホッパ13における下部前端の出口高さを、直進フィーダ15における上段フィーダ15aの高さに応じて変更調節できるようになっている。
【0073】
上記のように本実施形態によれば、消費量の多い品種の物品が貯留される貯留ホッパ13には、該貯留ホッパ13よりも大容量の低位置に設置した貯留タンク30の物品を、リフト搬送部30で揚送して自動的に補給するようにしたので、消費量の少ない他の品種のように、幅広で大型の貯留タンク14を昇降操作して頻繁に物品を貯留ホッパ13に補給する必要がなく、低位置の大容量の貯留タンク30に必要な量の物品を貯留しておけばよい。これによって、消費量の多い品種を貯留する貯留ホッパ13に物品の供給を確実に行うことができると共に、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
【0074】
また、消費の多い品種を貯留する貯留ホッパ13の上に、背丈の高い大容量の貯留タンクを配備する必要がないので、天井高さが低い建屋においても当該組合せ計量装置を設置することができる。
【0075】
消費量の多い品種の物品が貯留される貯留ホッパ13からの物品は、直線状の並設された複数、この例では、5台の直進フィーダ15に供給されるが、その並設方向の長さが大きく、また、各直進フィーダ15に対応する計量ユニット4毎の物品の消費量の相違等によって、貯留ホッパ13内に貯留される物品は、前記並設方向で異なるものとなる。
【0076】
本実施形態では、リフト搬送部31からの物品を貯留ホッパ13に投入する際に、供給案内機構40によって案内供給位置を直進フィーダ15の並設方向に沿って変更することができるので、貯留ホッパ13内における物品の偏りを是正することができ、各計量ユニット4へ物品を安定して搬送することができる。
【0077】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0078】
(1)リフト搬送部31の形態は如何なるものでもよく、巻回した左右一対のチェーンに横長のバケットを架設した形態のコンベヤを用いることもできる。
【0079】
(2)上記実施形態では、据付けスペースの制約の関係で、貯留タンク30をリフト搬送部31の始端部に対して直交して配置した場合を示しているが、据付けスペースに余裕のある場合には、貯留タンク30をリフト搬送部31の始端部に縦列状に配置してもよい。
【0080】
(3)上記実施形態では、混合計量される10種の物品のうちの一種のみの混合比率が高くて物品の消費が多い場合を示しているが、消費量の多い品種が複数ある場合には、その品種において上記形態の自動補給を行い、混合比率が低くて消費量の少ない他の品種については、手作業による補給を行うようにすればよい。
【0081】
(4)貯留ホッパ13に備える供給案内機構40は、上記実施形態で示すように、貯留の偏り検知に基づいて自動的に供給ガイド42を移動制御することが望ましいが、作業者が貯留ホッパ13内を適時覗いて、物品の偏り具合を目視確認し、偏りが大きい場合には手動で供給ガイド42を移動操作する簡易かつ安価な構造で実施することも可能である。
【符号の説明】
【0082】
1A,1B 計量装置
4 計量ユニット
13 貯留ホッパ
14 貯留タンク
15 直進フィーダ
27 物品供給部
28 ストックフィーダ
30 貯留タンク
31 リフト搬送部
40 供給案内機構
42 供給ガイド
44 物品検知センサ
Sb 流下案内面