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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】モータ駆動装置およびモータ制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 8/02 20060101AFI20240318BHJP
   G04C 3/14 20060101ALI20240318BHJP
   H02K 37/16 20060101ALN20240318BHJP
【FI】
H02P8/02
G04C3/14 S
H02K37/16 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018132226
(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公開番号】P2020010570
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-05-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】野邉 哲也
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134049(JP,A)
【文献】国際公開第2017/141994(WO,A1)
【文献】特開2015-061467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 8/02
G04C 3/14
H02K 37/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2極に磁化されたロータと、内周面に一対の切欠部を有しロータ収容孔が形成されているヨークと、第1のコイルおよび第2のコイルとを有する2相ステッピングモータのモータ駆動装置であって、
前記2相ステッピングモータに、前記ロータを回転させる駆動パルスを印加するパルス生成回路を備え、
前記駆動パルスは、前記第1のコイルによって生成される第1のパルスである駆動パルスP1と、前記第2のコイルによって生成される第2の駆動パルスP2とによって構成され、
前記パルス生成回路は、無励磁状態である基準位置からロータ回転角度が90度以下の位置かつ前記基準位置とは異なる位置に第1安定静止位置を持ち、前記ロータ回転角度が前記基準位置から前記第1安定静止位置までの間において前記ロータに正回転方向のトルクを発生させ、前記ロータ回転角度が前記第1安定静止位置を超えた場合には前記ロータに負回転方向のトルクを発生させる前記駆動パルスP1を印加し、前記駆動パルスP1の印加に連続して、前記基準位置から前記ロータ回転角度が90度以上で第2安定静止位置を持ち、前記ロータ回転角度が少なくとも前記第1安定静止位置から前記第2安定静止位置までの間において前記ロータに正回転方向のトルクであって、前記駆動パルスP1のトルクよりも大きいトルクを発生させ、かつ、前記駆動パルスP1の印加時間よりも長い印加時間を有する前記駆動パルスP2を印加し、
前記駆動パルスP2の印加に連続して、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルのいずれもが駆動されずにパルスの印加を停止して前記ロータ回転角度を前記基準位置から180度まで回転させる待機期間を設け、さらなるパルス印加をせずに、慣性により回転させた前記ロータを、前記基準位置から180度まで回転させた位置であって、前記ヨークの切欠部の位置であって、無励磁状態で磁気的に安定する位置である第3安定静止位置まで回転させ、前記第3安定静止位置において制動パルスを印加せずに無励磁状態を維持する、
モータ駆動装置。
【請求項2】
前記駆動パルスP2のエネルギーは、前記駆動パルスP1のエネルギーより大きい、請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項3】
前記駆動パルスP1の印加時間は、前記駆動パルスP2の印加時間の1/2以下である、請求項1または請求項2に記載のモータ駆動装置。
【請求項4】
前記駆動パルスP1の印加時間は、前記駆動パルスP2の印加時間の1/5以上である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
【請求項5】
前記待機期間は、0.5ms以上かつ2ms以下である、請求項に記載のモータ駆動装置。
【請求項6】
前記駆動パルスP1は、基準位置からロータ回転角度が90度以下の第1角度で安定静止位置を持つ第1の駆動パルスP1と、基準位置からロータ回転角度が前記第1角度より大きく且つ90度以下の第2角度で安定静止位置を持つ第2の駆動パルスP1と、を更に備え、
前記駆動パルスP2は、基準位置からロータ回転角度が90度以上の第3角度で安定静止位置を持つ第1の駆動パルスP2と、基準位置からロータ回転角度が90度以上かつ前記第3角度より大きい第4角度で安定静止位置を持つ第2の駆動パルスP2と、を更に備える、請求項に記載のモータ駆動装置。
【請求項7】
2極に磁化されたロータと、内周面に一対の切欠部を有しロータ収容孔が形成されているヨークと、第1のコイルおよび第2のコイルとを有する2相ステッピングモータと、前記2相ステッピングモータ、前記ロータを回転させる駆動パルスを印加するパルス生成回路と、を有するモータ駆動装置におけるモータ制御方法であって、
前記パルス生成回路が、無励磁状態である基準位置からロータ回転角度が90度以下の位置かつ前記基準位置とは異なる位置に第1安定静止位置を持ち、前記ロータ回転角度が前記基準位置から前記第1安定静止位置までの間において前記ロータに正回転方向のトルクを発生させ、前記ロータ回転角度が前記第1安定静止位置を超えた場合には前記ロータに負回転方向のトルクを発生させる前記駆動パルスP1を前記第1のコイルによって印加するステップと、
前記パルス生成回路が、前記駆動パルスP1の印加に連続して、前記基準位置から前記ロータ回転角度が90度以上で第2安定静止位置を持ち、前記ロータ回転角度が少なくとも前記第1安定静止位置から前記第2安定静止位置までの間において前記ロータに正回転方向のトルクであって、前記駆動パルスP1のトルクよりも大きいトルクを発生させ、かつ、前記駆動パルスP1の印加時間よりも長い印加時間を有する前記駆動パルスP2を前記第2のコイルによって印加するステップと、
前記駆動パルスP2の印加に連続して、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルのいずれもが駆動されずにパルスの印加を停止して前記ロータ回転角度を前記基準位置から180度まで回転させる待機期間を設け、さらなるパルス印加をせずに、慣性により回転させた前記ロータを、前記基準位置から180度まで回転させた位置であって、前記ヨークの切欠部の位置であって、無励磁状態で磁気的に安定する位置である第3安定静止位置まで回転させ、前記第3安定静止位置において制動パルスを印加せずに無励磁状態を維持するステップと、
を含むモータ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動装置およびモータ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ式の電子時計には、時針や分針、秒針等の指針を運針させるために2つのコイルを有するステッピングモータが使用されている。このようなステッピングモータは、コイル、ステータ、および二極に着磁されたロータを有している。
【0003】
特許文献1および特許文献2には、モータに適宜パルスを印加することで、正逆回転可能な2個のコイルを有するステッピングモータが開示されている。
【0004】
また、2個のコイルを有するステッピングモータにおいて、モータの負荷変動や電源電圧変動、温度、振動等の外乱に対して、ロータの回転に応じて発生する誘起電圧を検出し、検出した誘起電圧に応じて誘起電圧を検出する期間の駆動パルス幅を調整することが提案されている(例えば特許文献3参照)。
【0005】
また、アナログ式の電子時計では、例えば、ボタン電池、太陽電池、二次電池等のうちの少なくとも1つが使用されている。これらの電池で起動する際、電池から供給される電圧値は、モータの負荷変動や温度や電池の残量等によって変化する。このため、アナログ式の電子時計では、モータの制御回路を広い電圧範囲に対応させたい要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭56-15163号公報
【文献】特公平2-016679号公報
【文献】特開2006-101618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の技術では、広い電圧範囲に対応させる場合、高電圧時に回転力過多や、低電圧時に回転力不足による脱調が発生する恐れがある。また、特許文献3に記載の技術では、広い電圧範囲に対応させる場合、回転検出を行ってパルス調整を行うため、システムが複雑になる。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、広い電圧で安定した動作を可能にするモータ駆動装置およびモータ制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るモータ駆動装置は、2極に磁化されたロータと、内周面に一対の切欠部を有しロータ収容孔が形成されているヨークと、第1のコイルおよび第2のコイルとを有する2相ステッピングモータのモータ駆動装置であって、前記2相ステッピングモータに、前記ロータを回転させる駆動パルスを印加するパルス生成回路を備え、前記駆動パルスは、前記第1のコイルによって生成される第1のパルスである駆動パルスP1と、前記第2のコイルによって生成される第2の駆動パルスP2とによって構成され、前記パルス生成回路は、無励磁状態である基準位置からロータ回転角度が90度以下の位置かつ前記基準位置とは異なる位置に第1安定静止位置を持ち、前記ロータ回転角度が前記基準位置から前記第1安定静止位置までの間において前記ロータに正回転方向のトルクを発生させ、前記ロータ回転角度が前記第1安定静止位置を超えた場合には前記ロータに負回転方向のトルクを発生させる前記駆動パルスP1を印加し、前記駆動パルスP1の印加に連続して、前記基準位置から前記ロータ回転角度が90度以上で第2安定静止位置を持ち、前記ロータ回転角度が少なくとも前記第1安定静止位置から前記第2安定静止位置までの間において前記ロータに正回転方向のトルクであって、前記駆動パルスP1のトルクよりも大きいトルクを発生させ、かつ、前記駆動パルスP1の印加時間よりも長い印加時間を有する前記駆動パルスP2を印加し、前記駆動パルスP2の印加に連続して、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルのいずれもが駆動されずにパルスの印加を停止して前記ロータ回転角度を前記基準位置から180度まで回転させる待機期間を設け、さらなるパルス印加をせずに、慣性により回転させた前記ロータを、前記基準位置から180度まで回転させた位置であって、前記ヨークの切欠部の位置であって、無励磁状態で磁気的に安定する位置である第3安定静止位置まで回転させ、前記第3安定静止位置において制動パルスを印加せずに無励磁状態を維持する。
【0010】
また、本発明の一態様に係るモータ駆動装置において、前記駆動パルスP2のエネルギーは、前記駆動パルスP1のエネルギーより大きいようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様に係るモータ駆動装置において、前記駆動パルスP1の印加時間は、前記駆動パルスP2の印加時間より短いようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様に係るモータ駆動装置において、前記駆動パルスP1の印加時間は、前記駆動パルスP2の印加時間の1/2以下であるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様に係るモータ駆動装置において、前記駆動パルスP1の印加時間は、前記駆動パルスP2の印加時間の1/5以上であるようにしてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様に係るモータ駆動装置において、前記待機期間は、0.5ms以上かつ2ms以下であるようにしてもよい。
【0016】
また、本発明の一態様に係るモータ駆動装置において、前記駆動パルスP1は、基準位置からロータ回転角度が90度以下の第1角度で安定静止位置を持つ第1の駆動パルスP1と、基準位置からロータ回転角度が前記第1角度より大きく且つ90度以下の第2角度で安定静止位置を持つ第2の駆動パルスP1と、を更に備え、前記駆動パルスP2は、基準位置からロータ回転角度が90度以上の第3角度で安定静止位置を持つ第1の駆動パルスP2と、基準位置からロータ回転角度が90度以上かつ前記第3角度より大きい第4角度で安定静止位置を持つ第2の駆動パルスP2と、を更に備えるようにしてもよい。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るモータ制御方法は、2極に磁化されたロータと、内周面に一対の切欠部を有しロータ収容孔が形成されているヨークと、第1のコイルおよび第2のコイルとを有する2相ステッピングモータと、前記2相ステッピングモータ、前記ロータを回転させる駆動パルスを印加するパルス生成回路と、を有するモータ駆動装置におけるモータ制御方法であって、前記パルス生成回路が、無励磁状態である基準位置からロータ回転角度が90度以下の位置かつ前記基準位置とは異なる位置に第1安定静止位置を持ち、前記ロータ回転角度が前記基準位置から前記第1安定静止位置までの間において前記ロータに正回転方向のトルクを発生させ、前記ロータ回転角度が前記第1安定静止位置を超えた場合には前記ロータに負回転方向のトルクを発生させる前記駆動パルスP1を前記第1のコイルによって印加するステップと、前記パルス生成回路が、前記駆動パルスP1の印加に連続して、前記基準位置から前記ロータ回転角度が90度以上で第2安定静止位置を持ち、前記ロータ回転角度が少なくとも前記第1安定静止位置から前記第2安定静止位置までの間において前記ロータに正回転方向のトルクであって、前記駆動パルスP1のトルクよりも大きいトルクを発生させ、かつ、前記駆動パルスP1の印加時間よりも長い印加時間を有する前記駆動パルスP2を前記第2のコイルによって印加するステップと、前記駆動パルスP2の印加に連続して、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルのいずれもが駆動されずにパルスの印加を停止して前記ロータ回転角度を前記基準位置から180度まで回転させる待機期間を設け、さらなるパルス印加をせずに、慣性により回転させた前記ロータを、前記基準位置から180度まで回転させた位置であって、前記ヨークの切欠部の位置であって、無励磁状態で磁気的に安定する位置である第3安定静止位置まで回転させ、前記第3安定静止位置において制動パルスを印加せずに無励磁状態を維持するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、広い電圧で安定した動作を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係るアナログ電子時計を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係るステッピングモータの概略図である。
図3】ステッピングモータに各種の駆動パルスを印加した場合のロータの停止位置との関係を示す図である。
図4】ステッピングモータに各種の駆動パルスを印加した場合のロータの停止位置との関係を示す図である。
図5】各駆動パルスの際に第1コイルおよび第2コイルそれぞれの端子に印加する電圧レベルと、第1磁極部と第2磁極部および第3磁極部それぞれの極性をまとめた図である。
図6】本実施形態で用いる駆動パルスのトルク発生領域について説明するための図である。
図7】ロータ回転角度とトルクの関係を示す図である。
図8】本実施形態で用いる駆動パルスのトルク発生方向を示す図である。
図9】第1実施形態に係る正転時の駆動パルス波形を示す図である。
図10】第1実施形態に係る正転方向の駆動パルスを印加したときのステッピングモータの状態を示す図である。
図11】第1実施形態に係る正転方向の駆動パルスを印加したときのステッピングモータの状態を示す図である。
図12】第1実施形態に係る逆極時に駆動パルスを印加したときのステッピングモータ3の状態を示す図である。
図13】第1実施形態に係る逆転時の駆動パルス波形を示す図である。
図14】第1実施形態に係る駆動パルスP1と駆動パルスP2と待機期間との組み合わせを示す図である。
図15】第2実施形態に係る正転時の駆動パルス波形を示す図である。
図16】第2実施形態に係る駆動パルスP1と駆動パルスP2と待機期間との組み合わせを示す図である。
図17】第3実施形態に係る正転時の駆動パルス波形を示す図である。
図18】第3実施形態に係る駆動パルスP1と駆動パルスP2と待機期間との組み合わせを示す図である。
図19】最大動作電圧と最低動作電圧と、駆動パルスP1と駆動パルスP2との比の関係を示す図である。
図20】駆動パルスP1比率、駆動パルスP2比率、P1/P2比、最大動作電圧、最低動作電圧、最大動作電圧と最低動作電圧との差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0021】
<第1実施形態>
[アナログ電子時計1の構成例]
図1は、本実施形態に係るアナログ電子時計1を示すブロック図である。
図1に示すように、アナログ電子時計1は、制御部2、ステッピングモータ3、アナログ表示部100、時計用ムーブメント101、時計ケース102、および竜頭103を備えている。
制御部2は、発振回路11、分周回路12、制御回路13、および駆動パルス生成回路14を備えている。
【0022】
アナログ表示部100は、時針111、分針112、秒針113、および日にち表示用のカレンダ表示部114を備えている。なお、以下の説明では、時針111と分針112と秒針113および日にち表示用のカレンダ表示部114のうち1つを特定しない場合、指針110という。
【0023】
時計ケース102の外面側には、アナログ表示部100が配設されている。また、時計ケース102の内部には、輪列(不図示)を含む時計用ムーブメント101が配設されている。
【0024】
発振回路11は、所定周波数の信号を生成する。
分周回路12は、発振回路11が生成した信号を分周して計時の基準となる時計信号を生成する。
制御回路13は、アナログ電子時計1を構成する各電子回路要素の制御や、モータ回転駆動用のパルス信号の制御を行う。
【0025】
駆動パルス生成回路14は、制御回路13が出力する制御信号に基づいてモータ回転駆動用の駆動パルス信号を生成し、生成したパルス信号をステッピングモータ3出力する。
ステッピングモータ3は、駆動パルス生成回路14が出力する駆動パルス信号によって回転駆動する。このステッピングモータ3の回転によって、輪列を介して指針110が運針される。
【0026】
ステッピングモータ3は、2相ステッピングモータである。ステッピングモータ3は、ステータ20(固定子)、第1ヨーク22、一対の第2ヨーク23、24、ロータ30(回転子)、第1コイル50A、および第2コイル50Bを含んで構成されている。
【0027】
[ステッピングモータ3の構成例]
次に、ステッピングモータ3の構成例を説明する。
図2は、本実施形態に係るステッピングモータ3の概略図である。
図2に示すように、ステッピングモータ3は、ロータ収容孔25を有するステータ20と、径方向に2極に着磁されることにより磁気的な極性を有し、ロータ収容孔25に回転可能に配設されたロータ30と、を備えている。ステッピングモータ3は、単位ステップ毎に動作し、輪列を介して、時針111と分針112と秒針113および日にち表示用のカレンダ表示部114を回転させる。
【0028】
ステータ20は、ステータ本体21と、ステータ本体21と磁気的に接合された第1磁心40Aおよび第2磁心40Bと、各磁心40A、40Bに巻回された第1コイル50Aおよび第2コイル50Bと、を備えている。
【0029】
ステータ本体21は、例えばパーマロイ等の高透磁率材料を用いた板材により形成されている。ステータ本体21は、所定の第1方向に延びる直状部22a、および直状部22aの一端部から第1方向に直交する第2方向の両側に張り出した一対の張出部22b、22cを備えたT字状の第1ヨーク22と、直状部22aの他端部から第2方向の両側に張り出した一対の第2ヨーク23、24と、を有し、平面視H状に形成されている。第1ヨーク22および第2ヨーク23、24は、一体形成されている。第2ヨーク23は、直状部22aから、第2方向における張出部22bと同じ側に張り出している。第2ヨーク24は、直状部22aから、第2方向における張出部22cと同じ側に張り出している。
【0030】
ステータ本体21の第1ヨーク22と第2ヨーク23,24との交点には、上述した円孔状のロータ収容孔25が形成されている。ロータ収容孔25の内周面には、一対の切欠部25aが第2方向に並んで互いに対向するように形成されている。切欠部25aは、円弧状に切り欠かれている。これら切欠部25aは、ロータ30の停止位置を決めるための位置決め部として構成されている。ロータ30は、その磁極軸が一対の切欠部25aを結ぶ線分と直交する位置、すなわち磁極軸が第1方向に沿う位置にあるときに、最もポテンシャルエネルギーが低くなり、安定して停止する。以下、ロータ30の磁極軸が第1方向に沿い、かつロータ30のS極が第1ヨーク22側を向くときのロータ30の停止位(図2に示す位置)を第1停止位置という。この位置を基準位置ともいう。また、ロータ30の磁極軸が第1方向に沿い、かつロータ30のN極が第1ヨーク22側を向くときのロータ30の停止位置を第2停止位置という。
【0031】
また、ステータ本体21におけるロータ収容孔25の周囲には、平面視におけるステータ本体21の外周縁からロータ収容孔25に向かって切り欠かれた切欠部26が3箇所に形成されている。各切欠部26は、第1ヨーク22と第2ヨーク23とが接続する隅部と、第1ヨーク22と第2ヨーク24とが接続する隅部と、第2ヨーク23と第2ヨーク24とが接続する部分と、に形成されている。各切欠部26は、円弧状に切り欠かれている。
【0032】
ステータ本体21におけるロータ収容孔25の周囲は、各切欠部26によって局所的に狭くなっている。これにより、ステータ本体21は、狭小部が磁気飽和しやすく、かつ磁気飽和が生じることによってロータ収容孔25の周囲において磁気的に3つに分割されている。ステータ本体21は、ロータ30の周囲における第2ヨーク23に対応する位置に配設された第1磁極部20Aと、ロータ30の周囲における第2ヨーク24に対応する位置に配設された第2磁極部20Bと、ロータ30の周囲における第1ヨーク22の直状部22aに対応する位置に配設された第3磁極部20Cと、を有している。第1磁極部20Aおよび第2磁極部20Bは、第1停止位置に位置するロータ30のN極(第2停止位置に位置するロータ30のS極)に対向配置されている。第3磁極部20Cは、第1停止位置に位置するロータ30のS極(第2停止位置に位置するロータ30のN極)に対向配置されている。
【0033】
第1コイル50Aは、第1磁心40Aに巻回され、第1磁極部20Aおよび第3磁極部20Cに磁気的に結合している。第1コイル50Aは、第1端子Out3および第2端子Out4を有している。第1コイル50Aは、第2端子Out4から第1端子Out3に向けて電流を流したときに、第1コイル50A内に張出部22b側から第2ヨーク23側に向かう磁界が発生するように巻回されている。
【0034】
第2コイル50Bは、第2磁心40Bに巻回され、第2磁極部20Bおよび第3磁極部20Cに磁気的に結合している。第2コイル50Bは、第1端子Out1および第2端子Out2を有している。第2コイル50Bは、第1端子Out1から第2端子Out2に向けて電流を流したときに、第2コイル50B内に張出部22c側から第2ヨーク24側に向かう磁界が発生するように巻回されている。
【0035】
第1コイル50Aおよび第2コイル50Bは、導線の線径、および巻線回数がそれぞれ同じとなっている。第1コイル50A、第2コイル50Bの端子は、駆動パルス生成回路14に接続されている。以下の説明では、第1コイル50Aの第2端子Out4の電位をV4とし、第1コイル50Aの第1端子Out3の電位をV3とし、第2コイル50Bの第2端子Out2の電位をV2とし、第2コイル50Bの第1端子Out1の電位をV1とする。
【0036】
このように構成されたステータ20は、第1コイル50A、第2コイル50Bから磁束が生じると、各磁心40A、40Bおよびステータ本体21に沿って磁束が流れる。そして、各コイル0A、50Bへの通電状態に応じて、上述した第1磁極部20A、第2磁極部20Bおよび第3磁極部20Cの極性が切り替えられる。
【0037】
[印加する駆動パルスとロータの静止位置との関係]
次に、ステッピングモータ3に各種の駆動パルスを印加した場合のロータ30の停止位置との関係を、図3図4を用いて説明する。図3図4は、ステッピングモータ3に各種の駆動パルスを印加した場合のロータ30の停止位置との関係を示す図である。なお、図3図4において、ステッピングモータ3は、説明に必要な構成要素のみを簡素化して図示している。
【0038】
符号g101は、第1コイル50A、第2コイル50Bに電流を流していない状態であるので、磁心40A、40Bに磁界が発生していない。このため、ロータ30は、第1停止位置に停止している状態であり、回転角度が0度である状態である。
【0039】
符号g102は、駆動パルス生成回路14がコイル50Bに駆動パルスを印加した状態であり、第2コイル50Bの第1端子Out1に印加する電圧V1がH(ハイレベル)、第2コイル50Bの第2端子Out2に印加する電圧V2がL(ローレベル)の状態である。また、第1コイル50Aの第1端子Out3に印加する電圧V3がL、第1コイル50Aの第2端子Out4に印加する電圧V4がLである。以下の説明において、このような駆動パルスを45度の駆動パルスという。
45度の駆動パルスの印加により、第2コイル50B内に張出部22c側から第2ヨーク24側に向かう磁界が発生する。これにより、第2磁極部20BがN極に励磁され、第1磁極部20Aと第3磁極部20CとがS極となるように励磁される。この結果、ロータ30のS極が第2磁極部20BのN極と引きあって、ロータ30は、正方向に45度の角度で安定静止位置を持つ。なお、ステータ設計に応じて安定静止位置は、15~75度程度変化する場合がある。ロータ30は、駆動電圧や負荷の大きさに応じて安定静止位置を超えて回転することがあるが、安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
本実施形態では、無励磁状態や、励磁状態(駆動パルス)を継続した場合に、ロータ30が磁気的に安定して静止する位置を安定静止位置という。
【0040】
符号g103は、符号g102の状態において、駆動パルス生成回路14が、さらに第1コイル50Aに駆動パルスを印加した状態である。第1コイル50Aの第1端子Out3に印加する電圧V3がH、第1コイル50Aの第2端子Out4に印加する電圧V4がLの状態である。以下の説明において、このような駆動パルスを90度の駆動パルスという。
90度の駆動パルスの印加により、第2コイル50B内における張出部22c側から第2ヨーク24側に向かう磁界の発生に加えて、第1コイル50A内に第1ヨーク23側から張出部22b側に向かう磁界が発生する。これにより、第2磁極部20BがN極に励磁され、第1磁極部20AがS極となるように励磁される。この結果、ロータ30のS極が第2磁極部20BのN極に引かれ、さらにロータ30のN極が第1磁極部20AのS極に引かれ、ロータ30は、正方向に90度の角度で安定静止位置を持つ。ロータ30は、駆動電圧や負荷の大きさに応じて安定静止位置を超えて回転することがあるが、安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0041】
符号g104は、符号g103の状態において、駆動パルス生成回路14がコイル50Bに印加していた駆動パルスを停止した状態である。以下の説明において、このような駆動パルスを135度の駆動パルスという。
135度の駆動パルスの印加により、第1コイル50A内に第1ヨーク23側から張出部22b側に向かう磁界が発生する。これにより、第2磁極部20Bと第3磁極部20CとがN極に励磁され、第1磁極部20AがS極となるように励磁される。この結果、ロータ30のS極が第3磁極部20CのN極に引かれ、ロータ30は、正方向に135度の角度で安定静止位置を持つ。ステータ設計に応じて安定静止位置は、135度に対して±15度程度変化する場合がある。なお、ロータ30は、駆動電圧や負荷の大きさに応じて安定静止位置を超えて回転することがあるが、安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0042】
符号g105は、符号g104の状態において、駆動パルス生成回路14が、再びコイル50Bに駆動パルスを印加した状態である。第2コイル50Bの第1端子Out1に印加する電圧V4がL、第2コイル50Bの第2端子Out2に印加する電圧V2がHの状態である。以下の説明において、このような駆動パルスを180度の駆動パルスという。
180度の駆動パルスの印加により、第1コイル50A内における第1ヨーク23側から張出部22b側に向かう磁界の発生に加えて、第2コイル50B内における第2ヨーク24側から張出部22c側に向かう磁界の発生が発生する。これにより、第3磁極部20CがN極に励磁され、第1磁極部20Aと第2磁極部20BとがS極となるように励磁される。この結果、ロータ30のS極が第3磁極部20CのN極に引かれ、さらにロータ30のN極が第1磁極部20AのS極と第2磁極部20BのS極とに引かれ、ロータ30は、正方向に180度の角度の第2停止位置である安定静止位置を持つ。ロータ30は、駆動電圧や負荷の大きさに応じて安定静止位置を超えて回転することがあるが、安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0043】
図4に移って説明を続ける。
符号g106は、ロータ30が、正方向に180度の角度の第2停止位置で停止している状態である。
【0044】
符号g107は、駆動パルス生成回路14がコイル50Bに駆動パルスを印加した状態であり、第2コイル50Bの第1端子Out1に印加する電圧V1がL、第2コイル50Bの第2端子Out2に印加する電圧V2がHの状態である。以下の説明において、このような駆動パルスを225度の駆動パルスという。
225度の駆動パルスの印加により、第2コイル50B内に第2ヨーク24側から張出部22c側に向かう磁界が発生する。これにより、第2磁極部20BがS極に励磁され、第1磁極部20Aと第3磁極部20CとがN極となるように励磁される。この結果、ロータ30のS極が第1磁極部20Aと第3磁極部20CのN極と引きあって、ロータ30のN極が第2磁極部20BのS極と引きあって、ロータ30は、正方向に225度の角度で安定静止位置を持つ。なお、ステータ設計に応じて安定静止位置は、225度に対して±15度程度変化する場合がある。ロータ30は、駆動電圧や負荷の大きさに応じて安定静止位置を超えて回転することがあるが、安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0045】
符号g108は、符号g107の状態において、駆動パルス生成回路14が、さらに第1コイル50Aに駆動パルスを印加した状態である。第1コイル50Aの第1端子Out3に印加する電圧V3がL、第2端子Out4に印加する電圧V4がHの状態である。以下の説明において、このような駆動パルスを270度の駆動パルスという。
270度の駆動パルスの印加により、第2コイル50B内における第2ヨーク24側から張出部22c側に向かう磁界の発生に加えて、第1コイル50A内に第2ヨーク23側から張出部22b側に向かう磁界が発生する。これにより、第1磁極部20AがS極となるように励磁され、第2磁極部20BがN極に励磁される。この結果、ロータ30のS極が第1磁極部20AのN極に引かれ、さらにロータ30のN極が第2磁極部20BのS極に引かれ、ロータ30は、正方向に270度の角度で安定静止位置を持つ。ロータ30は、駆動電圧や負荷の大きさに応じて安定静止位置を超えて回転することがあるが、安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0046】
符号g109は、符号g108の状態において、駆動パルス生成回路14がコイル50Bに印加していた駆動パルスを停止した状態である。以下の説明において、このような駆動パルスを315度の駆動パルスという。
315度の駆動パルスの印加により、第1コイル50A内に張出部22b側から第1ヨーク23側に向かう磁界が発生する。これにより、第2磁極部20Bと第3磁極部20CとがS極に励磁され、第1磁極部20AがN極となるように励磁される。この結果、ロータ30のN極が第2磁極部20Bと第3磁極部20CのS極に引かれ、ロータ30は、正方向に315度の角度で安定静止位置を持つ。なお、ステータ設計に応じて安定静止位置は、315度に対して±15度程度変化する場合がある。ロータ30は、駆動電圧や負荷の大きさに応じて安定静止位置を超えて回転することがあるが、安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0047】
符号g110は、符号g109の状態において、駆動パルス生成回路14が再びコイル50Bに駆動パルスを印加した状態である。第2コイル50Bの第1端子Out1に印加する電圧V4がH、第2コイル50Bの第2端子Out2に印加する電圧V2がLの状態である。以下の説明において、このような駆動パルスを0度の駆動パルスという。
0度の駆動パルスの印加により、第1コイル50A内における張出部22b側から第1ヨーク23側に向かう磁界の発生に加えて、第2コイル50B内に張出部22c側から第2ヨーク24側に向かう磁界の発生が発生する。これにより、第3磁極部20CがS極に励磁され、第1磁極部20Aと第2磁極部20BとがN極となるように励磁される。この結果、ロータ30のN極が第3磁極部20CのS極に引かれ、ロータ30のS極が第1磁極部20Aと第2磁極部20BのN極に引かれ、ロータ30は、正方向に0度(360度)の角度で安定静止位置を持つ。ロータ30は、駆動電圧や負荷の大きさに応じて安定静止位置を超えて回転することがあるが、安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0048】
図3図4に示した関係をまとめると図5のようになる。図5は、各駆動パルスの際に第1コイル50Aおよび第2コイル50Bそれぞれの端子に印加する電圧レベルと、第1磁極部20Aと第2磁極部20Bおよび第3磁極部20Cそれぞれの極性をまとめた図である。
【0049】
[本実施形態で用いる駆動パルスのトルク発生領域]
次に、本実施形態で用いる駆動パルスのトルク発生領域について、図6図8を用いて説明する。
図6は、本実施形態で用いる駆動パルスのトルク発生領域について説明するための図である。図6において符号g151と符号1Aは、一対の切欠部25aを結ぶ線分であり、この角度を0度とする。符号g152と符号1Bは、ロータ30が45度回転する駆動パルスを印加した場合のトルク発生領域を表している。符号g152は、ロータ30が135度回転する駆動パルスを印加した場合のトルク発生領域を表している。
【0050】
図7は、ロータ回転角度とトルクの関係を示す図である。図7において、横軸はロータ回転角度[度]であり、縦軸はトルク[μNm]である。符号g161は、ロータ30が45度回転する駆動パルスを印加した場合のトルク特性である。符号g162は、ロータ30が135度回転する駆動パルスを印加した場合のトルク特性である。
【0051】
図8は、本実施形態で用いる駆動パルスのトルク発生方向を示す図である。図8において、符号1Aは、図6における符号1Aに対応し、図7における符号g161のトルク特性に対応している。符号1Bは、図6における符号1Bに対応し、図7における符号g162のトルク特性に対応している。
【0052】
図8に示すように、ロータ回転角度が0から45度に正方向に回転する際のトルクの極性は、図7に示したように1Aの場合が正方向であり1Bの場合が正方向である。また、無励磁の場合が負方向である。
ロータ回転角度が45から90度に正方向に回転する際のトルクの極性は、図7に示したように1Aの場合が負方向であり1Bの場合が正方向である。また、無励磁の場合が負方向である。
【0053】
ロータ回転角度が90から135度に正方向に回転する際のトルクの極性は、図7に示したように1Aの場合が負方向であり1Bの場合が正方向である。また、無励磁の場合が正方向である。
ロータ回転角度が135から180度に正方向に回転する際のトルクの極性は、図7に示したように1Aの場合が負方向であり1Bの場合が負方向である。また、無励磁の場合が正方向である。
【0054】
ここで、トルク発生方向が正方向とは、正方向へ回転させるトルクが発生していることを表す。トルク発生方向が負方向とは、戻すように回転させるトルクが発生していることを表す。なお、図7において正から負の切り替わり位置が、安定静止位置となる。
【0055】
[本実施形態の正転時の駆動パルス]
次に、本実施形態の正転時の駆動パルスについて、図9図11を用いて説明する。
図9は、本実施形態に係る正転時の駆動パルス波形を示す図である。図9において、横軸は時刻である、縦軸は電圧である。Hはハイレベル、Lはローレベルである。Hは例えば3Vであり、Lは例えば0Vである。符号g171は、第2コイル50Bの第1端子Out1に印加する駆動パルスである。符号g172は、第2コイル50Bの第2端子Out2に印加する駆動パルスである。符号g173は、第1コイル50Aの第1端子Out3に印加する駆動パルスである。符号g174は、第1コイル50Aの第2端子Out4に印加する駆動パルスである。
【0056】
図10図11は、本実施形態に係る正転方向の駆動パルスを印加したときのステッピングモータ3の状態を示す図である。
【0057】
まず、0~180度の回転について説明する。
図10の符号g201は、第1コイル50Aと第2コイル50Bに駆動パルスが印加されていず、停止している状態である。この場合のロータ30の回転角度は0度である。
【0058】
(ステップS1)時刻0~t1の期間、駆動パルス生成回路14は、45度の駆動パルスを駆動パルスP1(第1のパルス)としてステッピングモータ3に印加する。すなわち、図9の符号g171と符号g172に示すように、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1にHを印加し、第2コイル50Bの第2端子Out2にLを印加する。また、符号g173と符号g174に示すように、駆動パルス生成回路14は、第1コイル50Aの第1端子Out3と第2端子Out4とにLを印加する。駆動パルスP1の期間は、約0.75msである。
駆動パルスP1を印加した結果、図10の符号g202に示すように磁界が発生し、ロータ30は正方向(時計回り)に回転を開始する。駆動電圧や負荷の大きさに応じて45度の駆動パルスの安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0059】
(ステップS2)続けて、時刻t1~t2の期間、駆動パルス生成回路14は、135度の駆動パルスを駆動パルスP2(第2のパルス)としてステッピングモータ3に印加する。すなわち、図9の符号g171と符号g172に示すように、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1と第2端子Out2とにLを印加する。また、符号g173と符号g174に示すように、駆動パルス生成回路14は、第1コイル50Aの第1端子Out3にHを印加し、第1コイル50Aの第2端子Out4にLを印加する。駆動パルスP2の期間は、約2.25msである。
駆動パルスP2を印加した結果、図10の符号g203に示すように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を続け、90度以上回転する。
【0060】
(ステップS3)続けて、時刻t2~t3の期間、駆動パルス生成回路14は、待機期間(Wait)を設ける。待機期間において、図9の符号g171と符号g172に示すように、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1と第2端子Out2とにLを印加する。また、符号g173と符号g174に示すように、駆動パルス生成回路14は、第1コイル50Aの第1端子Out3と第2端子Out4とにLを印加する。すなわち、待機期間は、パルスの印加が停止される期間である。待機期間は、約0.5~2msである。
この待機期間によって、図10の符号g204に示すように、ロータ30は、135度の回転位置から安定な停止位置である第2停止位置の180度まで慣性によって回転して無励磁状態の安定静止位置へ停止する。
【0061】
次に、180~0度の回転について説明する。
図11の符号g205は、第1コイル50Aと第2コイル50Bに駆動パルスが印加されていず、停止している状態である。この場合のロータ30の回転角度は180度である。
【0062】
(ステップS4)続けて、時刻t3~t4の期間、駆動パルス生成回路14は、225度の駆動パルスを駆動パルスP1としてステッピングモータ3に印加する。すなわち、図9の符号g171と符号g172に示すように、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1にLを印加し、第2コイル50Bの第2端子Out2にHを印加する。また、符号g173と符号g174に示すように、駆動パルス生成回路14は、第1コイル50Aの第1端子Out3と第2端子Out4とにLを印加する。駆動パルスP1の期間は、約0.75msである。
駆動パルスP1を印加した結果、図11の符号g206に示すように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を開始する。駆動電圧や負荷の大きさに応じて225度の駆動パルスの安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0063】
(ステップ5)続けて、時刻t4~t5の期間、駆動パルス生成回路14は、315度の駆動パルスを駆動パルスP2としてステッピングモータ3に印加する。すなわち、図9の符号g171と符号g172に示すように、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1と第2端子Out2とにLを印加する。また、符号g173と符号g174に示すように、駆動パルス生成回路14は、第1コイル50Aの第1端子Out3にLを印加し、第1コイル50Aの第2端子Out4にHを印加する。駆動パルスP2の期間は、約2.25msである。
駆動パルスP2を印加した結果、図11の符号g207に示すように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を続け、90度以上回転する。
【0064】
(ステップS6)続けて、時刻t5~t6の期間、駆動パルス生成回路14は、待機期間を設ける。待機期間において、符号g171と符号g172に示すように、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1と第2端子Out2とにLを印加する。また、符号g173と符号g174に示すように、駆動パルス生成回路14は、第1コイル50Aの第1端子Out3と第2端子Out4とにLを印加する。待機期間は、約0.5~2msである。
この待機期間によって、図11の符号g208に示すように、ロータ30は、315度の回転位置から安定な停止位置である第1停止位置の0度まで慣性によって回転して無励磁状態の安定静止位置へ停止する。
【0065】
このように、本実施形態では、正転時、45度の駆動パルスP1、135度の駆動パルスP2、待機期間、225度の駆動パルスP1、315度の駆動パルスP2、および待機期間の順に印加する。
また、本実施形態では、時刻0~t3までの処理と時刻t3~t6までの処理を、1Stepという。1Stepには、駆動パルスP1と駆動パルスP2と待機期間を含む。
【0066】
以上のように、本実施形態の正転時に使用する駆動パルスは、図3図8を用いて説明した駆動パルスのうち、駆動パルスP1は45度または225度の駆動パルスであり、駆動パルスP2は135度または315度の駆動パルスである。すなわち、本実施形態では、正転時に、まず基準位置(0度)から45度回転して90度以下で安定静止位置を持つ第1のパルスである駆動パルスP1をステッピングモータ3に印加する。本実施形態では、正転時に、駆動パルスP1に連続して、基準位置(0度)から135度回転して90度以上で安定静止位置を持つ第2のパルスである駆動パルスP2をステッピングモータ3に印加する。そして、駆動パルスP2に連続して待機期間を設ける。
【0067】
[本実施形態の逆極時の駆動パルス]
次に、本実施形態の逆極時の駆動パルスについて、図9図11図12を用いて説明する。
図12は、本実施形態に係る逆極時に駆動パルスを印加したときのステッピングモータ3の状態を示す図である。なお、図12は、例えばアナログ電子時計1が落下されて、ロータ30と駆動パルスとの極性がずれた例である。
【0068】
図12の符号g301は、第1コイル50Aと第2コイル50Bに駆動パルスが印加されていず、停止している状態である。この場合のロータ30の回転角度は180度である。
【0069】
図9の時刻0~t1の期間、駆動パルス生成回路14は、45度の駆動パルスを駆動パルスP1としてステッピングモータ3に印加する。
駆動パルスP1を印加した結果、図12の符号g302に示すように磁界が発生し、ロータ30は、負方向(反時計回り)に回転を開始する。この処理により、ロータ30は脱調した状態となる。
【0070】
続けて、図9の時刻t1~t2の期間、駆動パルス生成回路14は、135度の駆動パルスを駆動パルスP2としてステッピングモータ3に印加する。
駆動パルスP2を印加した結果、図12の符号g303に示すように磁界が発生し、ロータ30は、反転し正方向に回転を開始する。
【0071】
続けて、図9の時刻t2~t3の期間、駆動パルス生成回路14は、待機期間を設ける。
この待機期間によって、図12の符号g304に示すように、ロータ30は、-45度の回転位置から安定な停止位置である第2停止位置の180度まで慣性によって回転して無励磁状態の安定静止位置へ停止する。
【0072】
時刻0~t13の処理によって、ロータ30は回転していず、元の回転角度に戻っている。このように、ロータ30と駆動パルスとの極性がずれた場合は、1stepの脱調した後、駆動パルスと極性が一致する。
時刻t13~t16の期間の処理は、時刻t3~t6の駆動パルス(図9)と同様であり、ロータ30の回転角度は図10の符号g205~g208と同様である。
すなわち、時刻t3~t6の期間、ロータ30は、駆動パルスP1によって180度から225度まで回転し、駆動パルスP2によって225度から315度まで回転し、その後の待機期間に慣性によって315度から0度まで回って、正常な位置に戻る。
【0073】
[本実施形態の逆転時の駆動パルス]
次に、逆転時の駆動パルスについて説明する。
図13は、本実施形態に係る逆転時の駆動パルス波形を示す図である。符号g181は、第2コイル50Bの第1端子Out1に印加する駆動パルスである。符号g182は、第2コイル50Bの第2端子Out2に印加する駆動パルスである。符号g183は、第1コイル50Aの第1端子Out3に印加する駆動パルスである。符号g184は、第1コイル50Aの第2端子Out4に印加する駆動パルスである。
【0074】
(ステップS11)図13の時刻0~t11の期間、駆動パルス生成回路14は、315度の駆動パルスを駆動パルスP1としてステッピングモータ3に印加する。すなわち、駆動パルス生成回路14は、符号g181と符号g182に示すように、第2コイル50Bの第1端子Out1と第2端子Out2にLを印加する。また、符号g183と符号g184に示すように、駆動パルス生成回路14は、第1コイル50Aの第1端子Out3にLを印加し、第1コイル50Aの第2端子Out4にHを印加する。駆動パルスP1の期間は、約0.75msである。
駆動パルスP1を印加した結果、ロータ30は、負方向に回転を開始する。駆動電圧や負荷の大きさに応じて-45度の駆動パルスの安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0075】
(ステップS12)続けて、時刻t11~t12の期間、225度の駆動パルスを駆動パルスP2としてステッピングモータ3に印加する。すなわち、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1にLを印加し、第2コイル50Bの第2端子Out2にHを印加する。また、駆動パルス生成回路14は、第1コイル50Aの第1端子Out3と第2端子Out4とにLを印加する。駆動パルスP2の期間は、約2.25msである。
駆動パルスP2を印加した結果、ロータ30は、負方向に回転を続け、-90度以上回転する。
【0076】
(ステップS13)続けて、時刻t12~t13の期間、駆動パルス生成回路14は、待機期間を設ける。
この待機期間によって、ロータ30は、-135度の回転位置から安定な停止位置である第2停止位置の-180度まで慣性によって回転して無励磁状態の安定静止位置へ停止する。
【0077】
(ステップS14)続けて、時刻t13~t14の期間、駆動パルス生成回路14は、135度の駆動パルスを駆動パルスP1としてステッピングモータ3に印加する。すなわち、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1と第2端子Out2にLを印加する。また、駆動パルス生成回路14は、第1コイル50Aの第1端子Out3にHを印加し、第1コイル50Aの第2端子Out4にLを印加する。駆動パルスP1の期間は、約0.75msである。
駆動パルスP1を印加した結果、ロータ30は、負方向に回転を開始する。駆動電圧や負荷の大きさに応じて-225度の駆動パルスの安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0078】
(ステップS15)続けて、時刻t14~t15の期間、駆動パルス生成回路14は、45度の駆動パルスを駆動パルスP2としてステッピングモータ3に印加する。すなわち、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1にHを印加し、第2コイル50Bの第2端子Out2にLを印加する。また、符号g183と符号g184に示すように、駆動パルス生成回路14は、第1コイル50Aの第1端子Out3と第2端子Out4とにLを印加する。駆動パルスP2の期間は、約2.25msである。
駆動パルスP2を印加した結果、ロータ30は、負方向に回転を続け、-90度以上回転する。
【0079】
(ステップS16)続けて、時刻t15~t16の期間、待機期間を設ける。
この待機期間によって、ロータ30は、-315度の回転位置から安定な停止位置である第1停止位置の0度まで慣性によって回転して無励磁状態の安定静止位置へ停止する。
【0080】
以上のように、逆転時、駆動パルス生成回路14は、315度の駆動パルスP1、225度の駆動パルスP2、待機期間、135度の駆動パルスP1、45度の駆動パルスP2、および待機期間の順に印加する。
【0081】
[変形例]
なお、上述した例では、駆動パルスP1が45度の駆動パルスと、駆動パルスP2が135度の駆動パルスである例を説明したが、これに限らない。図14に示すように駆動パルスP1が90度の駆動パルスと、駆動パルスP2が135度の駆動パルスとの組み合わせであってもよい。図14は、本実施形態に係る駆動パルスP1と駆動パルスP2と待機期間との組み合わせを示す図である。
【0082】
ここで、90度の駆動パルスとは、上述したように第2コイル50Bの第1端子Out1がH、第2コイル50Bの第2端子Out2とがL、第1コイル50Aの第1端子Out3がH、第1コイル50Aの第2端子Out4がLである。
【0083】
駆動パルスP1が90度の駆動パルスと、駆動パルスP2が135度の駆動パルスとの組み合わせにおける正転時について説明する。
(ステップS21)まず、駆動パルス生成回路14は、90度の駆動パルスP1をステッピングモータ3に印加する。これにより、図3の符号g103のように磁界が発生し、ロータ30は、基準位置(0度)から正方向に回転を開始する。駆動電圧や負荷の大きさに応じて90度の駆動パルスの安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0084】
(ステップS22)続けて、駆動パルス生成回路14は、135度の駆動パルスP2をステッピングモータ3に印加する。これにより、図3の符号g104のように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を続け、90度以上回転する。
【0085】
(ステップS23)続けて、駆動パルス生成回路14は、待機期間を設ける。待機期間によって、ロータ30は、135度の回転位置から安定な停止位置である第2停止位置の180度まで慣性によって回転して無励磁状態の安定静止位置へ停止する。
【0086】
(ステップS24)続けて、駆動パルス生成回路14は、270度の駆動パルスP1をステッピングモータ3に印加する。これにより、図4の符号g108のように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を開始する。駆動電圧や負荷の大きさに応じて270度の駆動パルスの安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0087】
(ステップS25)続けて、駆動パルス生成回路14は、315度の駆動パルスP2をステッピングモータ3に印加する。これにより、図4の符号g109のように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を続け、90度以上回転する。
【0088】
(ステップS26)続けて、駆動パルス生成回路14は、待機期間を設ける。待機期間によって、ロータ30は、315度の回転位置から安定な停止位置である第1停止位置の0度まで慣性によって回転して無励磁状態の安定静止位置へ停止する。
【0089】
以上のように、変形例において正転時、駆動パルス生成回路14は、90度の駆動パルスP1、135度の駆動パルスP2、待機期間、270度の駆動パルスP1、315度の駆動パルスP2、および待機期間の順に印加する。
なお、変形例において逆転時、駆動パルス生成回路14は、315度の駆動パルスP1、270度の駆動パルスP2、待機期間、135度の駆動パルス、90度の駆動パルス、および待機期間の順に印加する。
【0090】
このように、変形例では、正転時に、まず基準位置(0度)から90度回転して90度以下で安定静止位置を持つ第1のパルスである駆動パルスP1をステッピングモータ3に印加する。変形例では、正転時に、駆動パルスP1に連続して、基準位置(0度)から135度回転して90度以上で安定静止位置を持つ第2のパルスである駆動パルスP2をステッピングモータ3に印加する。そして、駆動パルスP2に連続して待機期間を設ける。
【0091】
以上のように、本実施形態では、駆動パルス生成回路14が、正転時に45度または90度の駆動パルスP1を印加した後、135度の駆動パルスP2を印加し、駆動パルスP2の印加後に待機期間を設けるようにした。そして、本実施形態では、駆動パルスP2の印加時間(例えば2.25ms)が駆動パルスP1の印加時間(例えば0.75ms)より長くなるようにした。また、本実施形態では、待機期間を0.5ms以上に設定する。この待機期間は、逆極性時にロータ30が戻る時間を確保する必要があるため、0.5ms~2ms程度となる。
【0092】
なお、送り角度の比が45度:90度であるためであり、この比から駆動パルスP1の印加時間を駆動パルスP2の印加時間の1/2以下にしてもよい。
また、高電圧時にブレーキ効果を得る必要があるためである。実験により、高電圧時にブレーキ効果を得ることができる駆動パルスP1の印加時間が0.75ms、駆動パルスP2の印加時間が2.25msであった。このため、駆動パルスP1の印加時間は、駆動パルスP2の印加時間の1/5以上に設定する。
なお、動作電圧と、駆動パルスP1と駆動パルスP2とのP1/P2比の関係については、後述する。
【0093】
以上のように、本実施形態によれば、上記の構成とすることで、高電圧時では駆動パルスP1によってブレーキがかかり回転力過多を抑制することができる。また、本実施形態によれば、上記の構成とすることで、低電圧時にロータ30の回転不足が生じても、駆動パルスP1でトルクを確保することができる。この結果、本実施形態によれば、回転方向検出回路等の複雑なシステムを用いずに、広い電圧範囲で脱調を抑制することができる。
【0094】
<第2実施形態>
第2実施形態では、90度の駆動パルスP1と180度の駆動パルスP2と待機期間と1Stepとする例を説明する。
図15は、本実施形態に係る正転時の駆動パルス波形を示す図である。符号g301は、第2コイル50Bの第1端子Out1に印加する駆動パルスである。符号g302は、第2コイル50Bの第2端子Out2に印加する駆動パルスである。符号g303は、第1コイル50Aの第1端子Out3に印加する駆動パルスである。符号g304は、第1コイル50Aの第2端子Out4に印加する駆動パルスである。
【0095】
(ステップS31)図15に示すように、時刻t21~t22の期間、駆動パルス生成回路14は90度の駆動パルスP1をステッピングモータ3に印加する。すなわち、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1にHを印加し、第2コイル50Bの第2端子Out2にLを印加し、第1コイル50Aの第1端子Out3にHを印加し、第1コイル50Aの第2端子Out4にLを印加する。
90度の駆動パルスP1の印加により、図3の符号g103のように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を開始する。駆動電圧や負荷の大きさに応じて90度の駆動パルスの安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0096】
(ステップS32)続けて、時刻t22~t23の期間、駆動パルス生成回路14は180度の駆動パルスP2をステッピングモータ3に印加する。すなわち、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1にLを印加し、第2コイル50Bの第2端子Out2にHを印加し、第1コイル50Aの第1端子Out3にHを印加し、第1コイル50Aの第2端子Out4にLに印加する。
180度の駆動パルスの印加により、図3の符号g105のように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を続け、90度以上回転する。
【0097】
(ステップS33)続けて、時刻t23~t24の期間、駆動パルス生成回路14は待機期間の状態にする。
この結果、ロータ30は、正方向に180度の角度の第2停止位置で停止する。
【0098】
(ステップS34)続けて、時刻t24~t25の期間、駆動パルス生成回路14は270度の駆動パルスをステッピングモータ3に印加する。すなわち、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1にLを印加し、第2コイル50Bの第2端子Out2にHを印加し、第1コイル50Aの第1端子Out3にLを印加し、第1コイル50Aの第2端子Out4にHを印加する。
270度の駆動パルスの印加により、図3の符号g108のように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を開始する。駆動電圧や負荷の大きさに応じて270度の駆動パルスの安定静止位置を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0099】
(ステップS35)続けて、時刻t25~t26の期間、駆動パルス生成回路14は0度の駆動パルスをステッピングモータ3に印加する。すなわち、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1にHを印加し、第2コイル50Bの第2端子Out2にLを印加し、第1コイル50Aの第1端子Out3にLを印加し、第1コイル50Aの第2端子Out4にHを印加する。
0度の駆動パルスの印加により、図3の符号g110のように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を続け、90度以上回転する。
【0100】
(ステップS36)続けて、時刻t25~t26の期間、駆動パルス生成回路14は待機期間の状態にする。
この結果、ロータ30は、0度の角度の第1停止位置で停止する。
【0101】
以上のように、本実施形態において正転時、駆動パルス生成回路14は、90度の駆動パルスP1、180度の駆動パルスP2、待機期間、270度の駆動パルスP1、0度の駆動パルスP2、および待機期間の順に印加する。
なお、駆動パルスP2の印加時間(エネルギー)は、駆動パルスP1の印加時間(エネルギー)より大きい。
【0102】
このように、本実施形態では、正転時に、まず基準位置(0度)から90度回転して90度以下で安定静止位置を持つ第1のパルスである駆動パルスP1をステッピングモータ3に印加する。本実施形態では、正転時に、駆動パルスP1に連続して、基準位置(0度)から180度回転して90度以上で安定静止位置を持つ第2のパルスである駆動パルスP2をステッピングモータ3に印加する。そして、駆動パルスP2に連続して待機期間を設ける。
【0103】
なお、本実施形態においても、待機期間は、図16に示すように0.5ms以上であり、例えば0.5~2msである。
【0104】
なお、逆転時、駆動パルス生成回路14は、0度の駆動パルスP1、270度の駆動パルスP2、待機期間、180度の駆動パルスP1、90度の駆動パルスP2、および待機期間の順に印加する。
【0105】
なお、上述した例では、正転時の駆動パルスP1が90度の例を説明したが、図16に示すように駆動パルスP1が45度であってもよい。図16は、本実施形態に係る駆動パルスP1と駆動パルスP2と待機期間との組み合わせを示す図である。
【0106】
<変形例>
駆動パルスP1が45度の場合、正転時、駆動パルス生成回路14は、45度の駆動パルスP1、180度の駆動パルスP2、待機期間、225度の駆動パルスP1、0度の駆動パルスP2、および待機期間の順に印加するようにしてもよい。
また、逆転時、駆動パルス生成回路14は、0度の駆動パルスP1、225度の駆動パルスP2、待機期間、180度の駆動パルスP1、45度の駆動パルスP2、および待機期間の順に印加するようにしてもよい。
【0107】
このように、変形例では、正転時に、まず基準位置(0度)から45度回転して90度以下で安定静止位置を持つ第1のパルスである駆動パルスP1をステッピングモータ3に印加する。変形例では、正転時に、駆動パルスP1に連続して、基準位置(0度)から180度回転して90度以上で安定静止位置を持つ第2のパルスである駆動パルスP2をステッピングモータ3に印加する。そして、駆動パルスP2に連続して待機期間を設ける。
【0108】
以上のように、本実施形態によれば、上記の構成とすることで、第1実施形態と同様に、高電圧時では駆動パルスP1によってブレーキがかかり回転力過多を抑制することができる。また、本実施形態によれば、上記の構成とすることで、低電圧時にロータ30の回転不足が生じても、駆動パルスP1でトルクを確保することができる。この結果、本実施形態によれば、回転方向検出回路等の複雑なシステムを用いずに、広い電圧範囲で脱調を抑制することができる。
【0109】
<第3実施形態>
第3実施形態では、45度の第1の駆動パルスP1と90度の第2の駆動パルスP1と、135度の第1の駆動パルスP2と180度の駆動パルスP2と、待機期間とを1Stepとする例を説明する。
【0110】
図17は、本実施形態に係る正転時の駆動パルス波形を示す図である。符号g401は、第2コイル50Bの第1端子Out1に印加する駆動パルスである。符号g402は、第2コイル50Bの第2端子Out2に印加する駆動パルスである。符号g403は、第1コイル50Aの第1端子Out3に印加する駆動パルスである。符号g404は、第1コイル50Aの第2端子Out4に印加する駆動パルスである。
【0111】
(ステップS41)図17に示すように、時刻t31~t32の期間、駆動パルス生成回路14は45度の第1の駆動パルスP1をステッピングモータ3に印加する。すなわち、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1にHを印加し、第2コイル50Bの第2端子Out2にLを印加し、第1コイル50Aの第1端子Out3と第2端子Out4にLを印加する。
45度の第1の駆動パルスP1の印加により、図3の符号g102のように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を開始する。駆動電圧や負荷の大きさに応じて45度の駆動パルスの安定静止位置(第1角度)を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0112】
(ステップS42)続けて、時刻t32~t33の期間、駆動パルス生成回路14は90度の第2の駆動パルスP1をステッピングモータ3に印加する。すなわち、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1にHを印加し、第2コイル50Bの第2端子Out2にLを印加し、第1コイル50Aの第1端子Out3にHを印加し、第1コイル50Aの第2端子Out4にLを印加する。
90度の第2の駆動パルスP1の印加により、図3の符号g103のように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を開始する。駆動電圧や負荷の大きさに応じて90度の駆動パルスの安定静止位置(第2角度)を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0113】
(ステップS43)続けて、時刻t33~t34の期間、駆動パルス生成回路14は135度の第1の駆動パルスP2をステッピングモータ3に印加する。すなわち、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1と第2端子Out2にLを印加し、第1コイル50Aの第1端子Out3にHを印加し、第1コイル50Aの第2端子Out4にLを印加する。
135度の第1の駆動パルスP2の印加により、図3の符号g104のように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を続け、45度(135度(第3角度)=90+45度)以上回転する。
【0114】
(ステップS44)続けて、時刻t35~t36の期間、駆動パルス生成回路14は180度の第2の駆動パルスP2をステッピングモータ3に印加する。すなわち、駆動パルス生成回路14は、第2コイル50Bの第1端子Out1にLを印加し、第2コイル50Bの第2端子Out2にHを印加し、第1コイル50Aの第1端子Out3にHを印加し、第1コイル50Aの第2端子Out4にLを印加する。
180度の駆動パルスP1の印加により、図3の符号g105のように磁界が発生し、ロータ30は、正方向に回転を続け、45度(180度(第4角度)=135+45度)以上回転する。
【0115】
(ステップS45)続けて、時刻t35~t36の期間、駆動パルス生成回路14は待機期間の状態にする。
この結果、ロータ30は、180度の角度の第2停止位置である無励磁状態の安定静止位置へ停止する。
【0116】
(ステップS46)続けて、時刻t36~t37の期間、駆動パルス生成回路14は、225度の第1の駆動パルスP1をステッピングモータ3に印加する。この結果、ロータ30は、正方向に回転を開始する。駆動電圧や負荷の大きさに応じて225度の駆動パルスの安定静止位置(第1角度)を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
(ステップS47)続けて、時刻t37~t38の期間、駆動パルス生成回路14は、270度の第2の駆動パルスP1をステッピングモータ3に印加する。この結果、ロータ30は、正方向に回転を開始する。駆動電圧や負荷の大きさに応じて270度の駆動パルスの安定静止位置(第2角度)を超えた場合、トルクがブレーキとして働く。
【0117】
(ステップS48)続けて、時刻t38~t39の期間、駆動パルス生成回路14は、315度の第1の駆動パルスP2をステッピングモータ3に印加する。この結果、ロータ30は、正方向に回転を続け、45度(315度(第3角度)=270+45度)以上回転する。
(ステップS49)続けて、時刻t39~t40の期間、駆動パルス生成回路14は、0度の第2の駆動パルスP2を印加する。この結果、ロータ30は、正方向に回転を続け、45度(0度(第4角度)=315+45度)以上回転する。
【0118】
(ステップS50)続けて、時刻t40~t41の期間、駆動パルス生成回路14は待機期間の状態にする。この結果、ロータ30は、0度の角度の第1停止位置である無励磁状態の安定静止位置へ停止する。
【0119】
なお、駆動パルスP2(第1の駆動パルスP2と第2の駆動パルスP2)の印加時間(エネルギー)は、駆動パルスP1(第1の駆動パルスP1と第2の駆動パルスP1)の印加時間(エネルギー)より大きい。
【0120】
図18は、本実施形態に係る駆動パルスP1と駆動パルスP2と待機期間との組み合わせを示す図である。
図17図18のように、正転時、駆動パルス生成回路14は、45度の第1の駆動パルスP1、90度の第2の駆動パルスP1、135度の第1の駆動パルスP2、180度の第2の駆動パルスP2、待機期間、225度の第1の駆動パルスP1、270度の第2の駆動パルスP1、315度の第1の駆動パルスP2、0度の第2の駆動パルスP2、および待機期間の順に印加する。
また、待機期間は、図18に示すように、0.5ms以上であり、例えば0.5~2msである。
【0121】
なお、逆転時、駆動パルス生成回路14は、0度の第1の駆動パルスP1、315度の第2の駆動パルスP1、270度の第1の駆動パルスP2、225度の第2の駆動パルスP2、待機期間、180度の第1の駆動パルスP1、135度の第2の駆動パルスP1、90度の第1の駆動パルスP2、45度の第2の駆動パルスP2、および待機期間の順に印加する。
【0122】
このように、正転時に、本実施形態では、まず基準位置(0度)から45度(第1角度)回転して90度以下で安定静止位置を持つ第1の駆動パルスP1をステッピングモータ3に印加する。続けて、本実施形態では、第1の駆動パルスP1に連続して、基準位置(0度)から90度(第2角度)回転して90度以下で安定静止位置を持つ第2の駆動パルスP1をステッピングモータ3に印加する。続けて、本実施形態では、第2の駆動パルスP1に連続して、基準位置(0度)から135度(第3角度)回転して90度以上で安定静止位置を持つ第1の駆動パルスP2をステッピングモータ3に印加する。続けて、本実施形態では、第1の駆動パルスP2に連続して、基準位置(0度)から180度(第4角度)回転して90度以上で安定静止位置を持つ第2の駆動パルスP2をステッピングモータ3に印加する。そして、駆動パルスP2に連続して待機期間を設ける。
【0123】
以上のように、本実施形態によれば、駆動パルスP1を連続する45度の第1の駆動パルスP1と90度の第2の駆動パルスP1で構成し、駆動パルスP2を連続する135度の第1の駆動パルスP2と180度の第2の駆動パルスP2で構成した。
上記の構成とすることで、第1実施形態と同様に、高電圧時では駆動パルスP1によってブレーキがかかり回転力過多を抑制することができる。また、本実施形態によれば、上記の構成とすることで、低電圧時にロータ30の回転不足が生じても、駆動パルスP1でトルクを確保することができる。この結果、本実施形態によれば、回転方向検出回路等の複雑なシステムを用いずに、広い電圧範囲で脱調を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、駆動パルスP1およびP2を2つに分けため、トルクの変動が抑制され回転時の振動や騒音が低減されるという効果がさらに得られる。
【0124】
<駆動電圧と駆動パルスP1と駆動パルスP2の比について>
次に、駆動電圧と駆動パルスP1と駆動パルスP2の比について、図19図20を用いて説明する。
図19は、最大動作電圧と最低動作電圧と、駆動パルスP1と駆動パルスP2との比の関係を示す図である。図19において、横軸は駆動パルスP1と駆動パルスP2とのP1/P2比であり、縦軸は動作電圧[V]である。
符号g501は、最大動作電圧におけるP1/P2比である。符号g502は、最低動作電圧におけるP1/P2比である。符号g503は、最大動作電圧時の安定動作するP1/P2比が33%と50%に対する直線近似した直線である。
符号g511は、ブレーキ不足領域を表す。符号g512は、動作範囲を表す。符号g513は、逆極性時反転領域を表す。なお、逆極性時反転領域とは、逆極性時に反転してしまう動作が発生する領域である。
【0125】
図20は、駆動パルスP1比率、駆動パルスP2比率、P1/P2比、最大動作電圧、最低動作電圧、最大動作電圧と最低動作電圧との差を示す図である。
図19図20に示すように、駆動パルスP1が駆動パルスP2の1/5(20%)以下になると、高電圧(最大動作電圧)時のブレーキ効果が低下し、動作範囲が縮小してしまう。このため、第1実施形態~第3実施形態において、広い電圧範囲に対応するため、駆動パルスP1は、駆動パルスP2の1/5(20%)以上とすることが好ましい。なお、ブレーキ効果は、実験により確認を行った。
【0126】
また、図19図20に示すように、駆動パルスP1が駆動パルスP2の1/2(50%)を以上となると、逆極性時に反転する領域が増加する。このため、第1実施形態~第3実施形態において、広い電圧範囲に対応するため、駆動パルスP1は、駆動パルスP2の1/2(50%)以下とすることが好ましい。
【0127】
このように、第1実施形態~第3実施形態において、ステッピングモータ3への入力エネルギーが、駆動パルスP2>駆動パルスP1となるように設定する。
そして、このステッピングモータ3への入力エネルギーは、駆動パルス生成回路14が制御回路13の制御に基づいて、印加時間により調整する。
または、ステッピングモータ3へのエネルギーは、駆動パルス生成回路14が制御回路13の制御に基づいて、PWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)による駆動パルスのDuty比で調整するようにしてもよい。
あるいは、ステッピングモータ3へのエネルギーは、駆動パルス生成回路14が制御回路13の制御に基づいて、電圧の大きさで調整するようにしてもよい。
【0128】
なお、上述した第1実施形態~第3実施形態を組み合わせて実施することも可能である。例えば、正転を第1実施形態の手法で制御し、反転を第2実施形態の手法で制御してもよい。
【0129】
なお、本発明における制御部2の機能の全てまたは一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより制御部2が行う処理の全てまたは一部を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0130】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0131】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0132】
1…アナログ電子時計、2…制御部、3…ステッピングモータ、11…発振回路、12…分周回路、13…制御回路、14…駆動パルス生成回路、100…アナログ表示部、101…時計用ムーブメント、102…時計ケース、103…竜頭、111…時針、112…分針、113…秒針、114…日にち表示用のカレンダ表示部
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