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特許7455505システム、方法、物品の製造方法及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】システム、方法、物品の製造方法及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20240318BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240318BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2018216417
(22)【出願日】2018-11-19
(65)【公開番号】P2019117627
(43)【公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】P 2017250193
(32)【優先日】2017-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江澤 光晴
【審査官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-151995(JP,A)
【文献】特開2004-000119(JP,A)
【文献】特開2015-176389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ワークを識別するための第1ワークIDと、前記第1ワークの位置の情報と、が対応付けられて記憶され、第2ワークを識別するための第2ワークIDと、前記第2ワークの位置の情報と、が対応付けられて記憶され、前記第1ワークと前記第2ワークの関連を示す情報が記憶される記憶部と、
前記第1ワークを移動させる場合に、前記記憶部において前記第1ワークIDに対応付けられている前記第1ワークの位置の情報と、前記第1ワークと前記第2ワークの関連を示す情報と、を変更させる制御部と、を備え、
前記第1ワークの位置の情報および前記第2ワークの位置の情報は、前記第1ワークの位置と前記第2ワークの位置の関係を示す、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記第1ワークの位置の情報は、複数のワークを保持可能な保持部における、前記第1ワークの保持位置アドレスであり、前記第2ワークの位置の情報は、前記保持部における、前記第2ワークの保持位置アドレスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1ワークと前記第2ワークの関連を示す情報は、各々が複数のワークを保持可能な複数の保持部のうちの、前記第1ワークを保持する保持部と前記第2ワークを保持する保持部とを識別するための情報である、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記記憶部は、前記第1ワークIDと前記第1ワークに実行された処理の情報とを対応付けて記憶させ、前記第2ワークIDと前記第2ワークに実行された処理の情報とを対応付けて記憶させており、
前記制御部は、前記第1ワークの位置の情報に基づいて、前記第1ワークIDと前記第1ワークに実行された処理の情報とを対応付けて、前記記憶部に記憶させ、前記第2ワークの位置の情報に基づいて、前記第2ワークIDと前記第2ワークに実行された処理の情報とを対応付けて、前記記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のシステム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1ワークを、第一の位置から第二の位置へ移動させた後、前記第二の位置から前記第二の位置とは異なる第四の位置へと移動させる場合、
前記第1ワークを前記第一の位置から前記第二の位置に移動させるまでの間に行なわれた処理に関する情報を、前記記憶部において前記第一の位置に対応付けられていることに基づいて、前記第1ワークIDに対応付けて前記記憶部に記憶させ、
前記第1ワークを前記第二の位置から前記第二の位置とは異なる第四の位置に移動させるまでの間に行なわれた処理に関する情報を、前記記憶部において前記第二の位置に対応付けられていることに基づいて、前記第1ワークIDに対応付けて前記記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記処理の情報には、前記処理における異常情報を含む、
ことを特徴とする請求項4又は5記載のシステム。
【請求項7】
前記記憶部は、前記第2ワークに対して行なわれる前記処理を行なう装置とともにネットワークに接続されたデータベースの一部を構成している、
ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
複数のワークを保持可能な保持部の保持位置を表示可能な表示部と、
前記保持部の保持位置を選択可能な入力部と、を有し、
前記表示部には、前記保持位置のいずれかが選択された場合、前記選択された保持位置に対応付けられた前記第2ワークIDに対応付けられて前記記憶部に記憶された処理の情報の履歴が表示される、
ことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
複数のワークを保持可能な保持部の保持位置を表示可能な表示部を有し、
前記表示部は、前記記憶部に記憶された処理の情報の履歴に異常情報が含まれている前記第2ワークIDと対応付けられた前記保持部の保持位置については、異常であることを示す表示がなされる、
ことを特徴とする請求項6記載のシステム。
【請求項10】
前記表示部は、前記保持位置を含む保持部の全体のレイアウトを表示可能である、
ことを特徴とする請求項8又は9記載のシステム。
【請求項11】
前記表示部は、前記保持部の全体のレイアウトとともに前記処理の情報の履歴が表示される、
ことを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記第2ワークに実行された処理の情報は、加工条件である、
ことを特徴とする請求項4乃至11のいずれか1項記載のシステム。
【請求項13】
前記加工条件が変更された場合、変更前の前記第2ワークに実行された処理の情報に対応付けられたワークIDと対応付けられた保持部の保持位置に異常であることを示す表示がなされる、
ことを特徴とする請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記制御部は、第1ケース内の第一の位置に保持されている前記第1ワークを、第2ケースにおける第三の位置に移動させる場合、前記記憶部において前記第1ワークIDと対応付けられている前記第1ワークの位置の情報を、前記第一の位置を示す情報から前記第三の位置を示す情報に変更させ
ことを特徴とする請求項乃至13のいずれか1項記載のシステム。
【請求項15】
前記制御部は、前記第1ワークが第一の位置から移動された後、前記第一の位置にある第3ワークを識別するための第3ワークIDを付与し、前記第3ワークIDと、前記第3ワークの位置の情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする請求項乃至14のいずれか1項記載のシステム。
【請求項16】
前記記憶部には、
前記第1ケース及び第2ケースのケースIDと、前記第1ケース及び前記第2ケースにおけるワークを保持可能な位置の情報と、が対応付けられて記憶されている、
ことを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記第1ケース及び前記第2ケースのそれぞれには、ケースIDを識別可能なケースIDタグが、物理的に装着されている、
ことを特徴とする請求項16記載のシステム。
【請求項18】
表示部と、
前記ケースIDタグが備える識別情報を読み取る読み取り装置と、を備え、
前記表示部は、前記読み取り装置によって読み取られた識別情報を有するケースに対応した情報を表示する、
ことを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記記憶部は、前記第1ワークおよび前記第2ワークが同じケースに収容されている状態で、前記第1ワークIDおよび前記第2ワークIDを記憶する、
ことを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項20】
前記第一の位置は前記第1ケースにあり、前記第2ケースへの組み立て手順を表示する表示部を備えた、
ことを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項21】
前記表示部は、前記第1ケース全体のレイアウトを表示するとともに、前記第2ケースへ組み付ける部品を前記第1ケース全体のレイアウトから選択可能である、
ことを特徴とする請求項20記載のシステム。
【請求項22】
前記第一の位置は前記第1ケースにあり、前記第二の位置は前記第2ケースにある、
ことを特徴とする請求項20又は21記載のシステム。
【請求項23】
請求項乃至22のいずれか1項記載のシステムを用いて前記第1ワークに対する処理を実行し、物品を製造する物品の製造方法。
【請求項24】
前記第1ワークを、レンズ鏡筒、カメラ内部のレンズ保持部、もしくは回路基板の上に保持させる、請求項23記載の物品の製造方法。
【請求項25】
複数のワークに関する処理の履歴を管理する方法であって、
前記複数のワークを保持可能なケースを用いて、前記複数のワークに対する処理が実行され、前記複数のワークのうちの或るワークを保持するケースが、第1ケースから、前記或るワークに対する処理を経て、第2ケースに変更される場合に、
前記第1ケースに物理的に装着され、前記第1ケースを識別可能な第1ケースIDタグと、前記第2ケースに物理的に装着され、前記第2ケースを識別可能な第2ケースIDタグと、ワーク毎の処理の履歴を記録するデータベースと、を用い制御部が、前記データベースに記録された前記第1ケースIDタグを識別する第1ケースIDと、前記データベースに記録された前記第2ケースIDタグを識別する第2ケースIDと、前記第1ケース内の前記或るワークの保持位置アドレスおよび前記第2ケース内の前記或るワークの保持位置アドレスに対応付けられたワークIDと、を用いて、前記或るワークに関する処理の履歴を管理する、
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法を前記制御部に実行させる制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項27】
請求項25に記載の方法を用いて前記複数のワークに関する処理の履歴を管理し、前記或るワークを用いて物品を製造する、物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、方法、物品の製造方法及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
工場などの生産現場において、生産工程がロボットなどの生産装置によって自動実行されるか、あるいは作業者の手作業によって行なわれるかに拘らず、例えば生産工程ごとにその工程の履歴をデータベースに記録することが行われている。
【0003】
また、この種のデータベース利用においては、例えば特定のワークに対する加工や組み立ての工程履歴を参照できるよう、工程ごとではなくワークごとの生産履歴を管理することが行われている。このため、例えば、特定のワークを識別するため、固有の識別コード(バーコード)や、小容量データが保存できるICチップなどの記録機器などを利用したIDタグをワークごとに取り付ける構成が知られている。このようなIDタグを用いるとIDタグによってワークの個体を識別し、例えばその特定のワークに関して、データベースから取得した前工程までの生産(工程)履歴の情報を参照できる。その場合、参照した生産(工程)履歴の情報に基づき、その後の工程や加工条件などを選択したりする制御も可能になる。
【0004】
IDタグは、工程を通過するワークやシステムが取り扱う物品に直接付与できれば都合がよいが、物品によってはそのような取扱いが不可能なものもある。例えば、細胞や微生物のような物件ではIDタグを直接付与できないため、その容器にIDタグを付与し、工程管理、例えば例えば培養履歴の管理などを行う手法が知られている(特許文献1)。また、パレットなどに積載された複数のワークに対してパレット単位で同じ処理を行う場合に、IDタグをパレットに付与することにより、パレット単位で生産情報を収集する構成が知られている(特許文献2)。
【0005】
また、製品製造単位としての基板上の電子部品のようなワークの不良情報を基板上の位置と関連づけて管理する構成が知られている(特許文献3)。また、作業者を基点として、作業者の複数のワークプロセス毎での作業状況情報を管理し、俯瞰的に表示する技術が知られている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-119号公報
【文献】特開2000-66705号公報
【文献】特開2001-273019号公報
【文献】特開2001-84305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
生産ライン(システム)によっては、品種が同一か否かを問わず、複数のワークをパレット(ケースないし容器)に収容して供給、工程間の移送や、搬出を行うことがある。そのような場合でも、個々のワークごとに工程や作業の履歴情報をデータベースにより管理できるのが望ましい。また、工程履歴データベースを用いる場合には、データベースに保管されている前工程の工程(履歴)情報に応じて、特定のワークに対する工程選択を行うことが考えられる。その場合、工程選択に作業者が介在する、あるいは工程進捗状況を管理者などが確認する必要があれば、データベース情報を例えば表示出力を介して参照できるような構成が必要になる。
【0008】
特許文献1の技術によると、容器のバーコードでワーク(細胞)の履歴を管理しているので、IDタグを直接取り付けることができない物件でも履歴管理可能である。ところが、特許文献1では細胞のような物件を対象としている関係で、1つのワークに対して1つの容器を用いる構成となっている。そのため、特許文献1では、例えば複数のワークが1つの容器に保持されている場合に、個々のワークの履歴管理をどのように行うかに関しては開示されていない。また、特許文献2の技術では、パレットなどに積載された複数のワークに対してパレット単位で同じ処理を行うことが前提とされ、IDタグはパレットに付与される構成であり、パレット単位でしか生産情報を管理できない。そのため、例えば1つのパレット内のワーク毎に異なる生産工程が実施される場合には対応できない。
【0009】
また、特許文献3記載の技術によると、基板上のワークの品質を管理することは可能であるが、複数の工程を経て生産されるワークの工程履歴を管理することはできない。また、特許文献4の技術によると、ワークごとに生産工程が異なるワークの工程進捗を管理することが可能である。しかしながら、特許文献4の構成では、IDタグを直接取り付けることができないワークには対応できず、また、1つの保持ケースに複数のワークが保持されている場合にワークごとの生産状況を管理することができない。
【0010】
そこで、本発明は、各ワークに対して適切に管理を行うことが可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、第1ワークを識別するための第1ワークIDと、前記第1ワークの位置の情報と、が対応付けられて記憶され、第2ワークを識別するための第2ワークIDと、前記第2ワークの位置の情報と、が対応付けられて記憶され、前記第1ワーク前記第2ワークの関連を示す情報が記憶される記憶部と、前記第1ワークを移動させる場合に、前記記憶部において前記第1ワークIDに対応付けられている前記第1ワークの位置の情報と、前記第1ワークと前記第2ワークの関連を示す情報と、を変更させる制御部と、を備え、前記第1ワークの位置の情報および前記第2ワークの位置の情報は、前記第1ワークの位置と前記第2ワークの位置の関係を示す、ことを特徴とするシステムである。
【0013】
本発明の一態様は、複数のワークに関する処理の履歴を管理する方法であって、前記複数のワークを保持可能なケースを用いて、前記複数のワークに対する処理が実行され、前記複数のワークのうちの或るワークを保持するケースが、第1ケースから、前記或るワークに対する処理を経て、第2ケースに変更される場合に、前記第1ケースに物理的に装着され、前記第1ケースを識別可能な第1ケースIDタグと、前記第2ケースに物理的に装着され、前記第2ケースを識別可能な第2ケースIDタグと、ワーク毎の処理の履歴を記録するデータベースと、を用い、制御部が、前記データベースに記録された前記第1ケースIDタグを識別する第1ケースIDと、前記データベースに記録された前記第2ケースIDタグを識別する第2ケースIDと、前記第1ケース内の前記或るワークの保持位置アドレスおよび前記第2ケース内の前記或るワークの保持位置アドレスに対応付けられたワークIDと、を用いて、前記或るワークに関する処理の履歴を管理することを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、各ワークに対して適切に管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る生産管理システムと、表示例を示した説明図である。
図2】本発明の実施形態に係る生産管理システムの概要を示す説明図である。
図3】本発明の実施形態に係る生産管理システムにおけるデータベース構成を示す説明図である。
図4】本発明の実施形態に係る搬送ケースへの供給と排出を行う場合のデータベース操作を例示する説明図である。
図5】(a)は本発明の実施形態に係る工程履歴の参照手法を示す説明図、(b)は同実施形態で用いられる工程間搬送ケースとワークを示した説明図である。
図6】本発明の実施形態に係る工程履歴の参照内容の表示画面の一例を示す説明図である。
図7】本発明の実施形態に係るワークごとに生産工程が異なる場合のワークフローを示した説明図である。
図8】本発明の実施形態に係るワークフローが異なる場合のデータベース内容を示す説明図である。
図9】(a)、(b)は本発明の実施形態において、それぞれ異なるワークフローに係る工程履歴の表示画面を示す説明図である。
図10】本発明の実施形態において、遠隔地にある製品に搭載される部品の工程履歴表示画面を示す説明図である。
図11】本発明の実施形態に係る生産管理システムにおけるデータベース制御部の構成例を示すブロック図である。
図12】本発明の実施形態に係る生産管理システムにおけるデータベース制御部の制御手順を示すフローチャート図である。
図13】本発明の実施形態に係る組立て手順および組立て部品レイアウト表示例を示す説明図である。
図14】本発明の実施形態に係る工程履歴の参照内容の表示画面の回路基板への応用例を示す説明図である。
図15】本発明の実施形態に係る生産管理システムにおけるネットワークおよび生産装置の構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す構成はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
【0017】
上述のように、生産システムの取り扱うワークや製造される製品によっては、刻印、バーコードやICチップなどのIDタグを付与することが適さない場合がある。例えば、カメラの交換レンズのような光学製品の生産システムにおいて、光学素子(レンズ)に固有の識別コードの刻印、バーコードやICチップなどのIDタグを付与すると、組み立て後、その光学製品の性能・品質に影響を与える可能性がある。そのため、交換レンズのような光学製品の生産工程では、例えば光学素子(レンズ)に物理的なIDタグを取り付けるのは好ましくない。
【0018】
本実施形態は、光学素子(レンズ)、ないしそれを含む光学製品の生産を例として説明する。その場合、IDタグを直接取り付けられない例えば光学素子(レンズ)ワークは、その複数が1つのケースに保持されて工程間を移動する。この1つのケースに保持される複数ワークは、ワークごとに生産工程が異なる複数のワークであってよい。本実施形態では、上記のような生産形態において、生産(工程)履歴を管理するための生産管理と、生産(工程)履歴の表示出力方式について説明する。
【0019】
図1に、本実施形態における生産管理システムにおける記憶部に記憶された工程履歴データベース(101、102)の構成、製造工程1022で用いられる複数のワーク1を収容する工程間搬送ケース2、および履歴情報を表示するモニタ13を示している。また、図1では、下部に生産管理の対象である製造工程1022の一例を示している。
【0020】
図1の製造工程1022は、「1.受入れ」、「2.加工A」、「3.検査A」、「4.加工B」、「5.検査B」、「6.組立て」、「7.出荷検査」などの各工程から成る。この製造工程1022は、光学素子としてのレンズ母材となるワークを受入れ(「受入れ」)、2種類の加工および検査工程(「加工A,B」、「検査A,B」)を経て、レンズ鏡筒への組立て(「組立て」)を行い出荷検査(「出荷検査」)する一例である。本実施形態では、主にこのような製造工程1022を前提とし、工程履歴データベース(101、102)による生産管理と、生産工程が進捗中の工程履歴の表示の手法などについて説明する。なお、添付図面では、スペースの関係からデータベースを”DB”と省略表記している場合がある。
【0021】
図1の下部に示すように、製造工程1022の工程履歴は、工程履歴データベースを構成するケース情報データベース101、特にその工程稼働履歴データベース103の各工程ごとに保存、管理される。工程稼働履歴データベース103には、製造工程1022の各工程が実行されると、その工程を実行した時の設定条件、環境、センサデータなどの加工条件の詳細履歴が保存される。例えば、「1.受入れ」工程では、ワークの出荷元情報、ロット番号、納品日、受入検査結果などが保存される。また、「2.加工A」工程では、使用する加工装置の識別名称、加工日時、加工レシピ、加工設定条件、消耗部品の状態、温度・湿度などの装置のセンサー履歴などが保存される。
【0022】
ワーク履歴データベース102はワークごとの工程履歴を管理する。例えば、生産ラインがワークを受入れると、個々のワークに対してそのワーク履歴がワーク履歴データベース102に新規作成され、保存される。各生産工程の履歴が、工程稼働履歴データベース103に保存される度に、当該のワークに係る工程稼働履歴データベース103の履歴レコードのアドレス(リンク情報)を工程順にワーク履歴データベース102に追記する。このようにして、ワークごとの生産工程進捗、および、その工程稼働履歴データベース103の参照先を管理することができる。
【0023】
本実施形態の生産ラインでは、工程間搬送ケース2に複数のワーク1を保持して生産工程間のワーク搬送を行う。工程履歴データベースを構成するケース情報データベース101には工程間搬送ケース2のケース内のワークレイアウト情報、および保持されている個々のワークの情報などが格納されるよう構成されている。ケース情報データベース101は、各工程に供給ないし排出される時に参照され、また登録、更新が行われる。例えば、図1の工程間搬送ケース2はワーク1を複数保持できるように、ワークとワークの間が仕切られており、本実施形態の場合は3行6列に仕切られている。これにより、工程間搬送ケース2は、18個までの複数のワーク1を保持可能である。
【0024】
本実施形態では、個々の工程間搬送ケース2には、そのケース固有の識別情報を有し、特定のケースを識別可能なIDタグ3(ケースIDタグ)を装着する。IDタグ3は、例えばケース固有の識別情報を記録したバーコードやICチップなどを備える。このIDタグ3によって、工程間搬送ケース2ごとにユニークな識別コードを付与することができる。本実施形態では、工程間搬送ケース2の側面にバーコードを用いたIDタグ3を装着している。
【0025】
IDタグ3のバーコードはバーコードリーダ11で読み込むことができる。しかしながら、ICチップその他の他の形式のIDタグ3を用いてもよく、工程間搬送ケース2への装着位置は任意である。例えば、IDタグ3に、固有のケース番号などを文字列により付与した銘板のような部材を用いてもよい。その場合、IDタグ3の読み取り手段は、デジタルカメラのような撮像装置と、OCR処理を行うハードウェアないしソフトウェアによって構成することが考えられる。
【0026】
なお、IDタグ3の読み取り手段(装置)、例えばバーコードリーダ11は、作業者によって手動で操作されてもよく、また、ロボット装置の予めプログラムされた自動的な動作によって操作されてもよい。あるいは、工程間搬送ケース2が生産ラインの所定位置に搬入(排出)された時に、その近傍に配置されたIDタグ3の読み取り手段(装置)が自動的にIDタグ3を検知してその識別情報を読み取るような構成であってもよい。
【0027】
本実施形態では、工程間搬送ケース2、あるいはこのケースからのワーク1の取り出しや保持は、生産ラインにおいて自動搬送などを行うロボット装置によって行う。このロボット装置(詳細不図示)ないしそのロボット制御装置は、いわゆるパレタイジング処理が可能であるものとする。工程間搬送ケース2のワーク保持位置(保持部)には、自動搬送を行うロボット装置のパレタイジングのルールに従い、仮想的なパレタイジング番号4(”1”~”18”)が付与される。このパレタイジング番号は、工程間搬送ケース2ないしワーク1を取り扱うロボット装置を制御する制御情報に相当する。ロボット制御データにおいて、パレタイジング番号4は、ケースのジオメトリ(保持部の配列や寸法)に関連付けられている。これにより、例えば、あるパレタイジング番号4に対応する保持位置に対する操作を教示すると、教示点の座標変換などを介して他のパレタイジング番号4に対応する保持位置に対する操作を生成することができる。本実施形態では、工程間搬送ケース2内の保持位置アドレスとして、このパレタイジング番号を用いる。なお、工程間搬送ケース2内の保持位置アドレスの形式は、必ずしもパレタイジング番号を用いる必要はなく、例えばケースの所定部位に原点を有する座標系の3次元座標などを用いてもよく、保持位置アドレスの形式は任意である。本明細書において、保持位置あるいは保持位置アドレスは、単に、位置と称する場合がある。
【0028】
図1では、工程履歴データベース(101、102、103)を参照する端末として、モニタ13を備えたコンピュータ12を図示してある。同図では、モニタ13およびコンピュータ12はデスクトップ型のPC(パーソナルコンピュータ)のような形態で図示しているが、コンピュータ12の設置場所や実施態様は任意である。例えば、モニタ13およびコンピュータ12は、タッチパネルなどを備えたパッド型コンピュータや、携帯端末(スマートフォンや携帯電話など)によって構成されていてもよい。あるいは、モニタ13およびコンピュータ12は他の形態のPC(ノート型、小型のいわゆるUMPCなどを含む)であってもよい。モニタ13およびコンピュータ12が携帯可能な構成であれば、例えば生産ラインを管理する作業者が、現場を移動しながら工程履歴データベース(101、102、103)を検索して、モニタ13に表示させるような作業形態が可能である。
【0029】
ここで、図11に、図1のモニタ13を備えたコンピュータ12や、工程履歴データベース(101、102、103)を稼働させるデータベース装置(サーバ)に共通して用いることができる制御系のハードウェア構成を示す。図示のようにこの制御系は、CPU1601廻りに配置された各ブロックから成る構成である。以下では、図11の制御系を図1のモニタ13を備えたコンピュータ12の構成を例に説明するが、工程履歴データベース(101、102、103)を稼働させるデータベース装置(サーバ)については、必要に応じて説明を加える。
【0030】
図11のCPU1601廻りの制御系は、他の装置BがネットワークNWを介して接続されている。もしCPU1601廻りの制御系が図1のモニタ13を備えたコンピュータ12であれば、他の装置Bは、工程履歴データベース(101、102、103)を稼働させるデータベース装置(サーバ)に対応付けて考えることができる。逆にCPU1601廻りの制御系が、データベース装置(サーバ)であれば、他の装置Bは、図1のモニタ13を備えたコンピュータ12に対応付けられる。
【0031】
図11の制御系は、CPU1601、ROM1602、RAM1603などを主たる制御手段(制御装置)として用いた構成である。図11の制御手段は、主制御部としてのCPU1601、記憶部としてのROM1602、およびRAM1603を備える。ROM1602には、後述する制御手順を実現するためのCPU1601の制御プログラムや定数情報などを格納しておくことができる。また、RAM1603は、後述の各図に示したデータベース制御手順を実行する時にCPU1601のワークエリアなどとして使用される。
【0032】
図11の構成が、図1のコンピュータ12のようなデータベース参照用の端末であれば、ユーザーインターフェース装置として、例えばディスプレイ1608(図1などのモニタ13)、および操作部1609をインターフェース1607に接続する。操作部(入力部)1609は、例えばフルキーボードおよびポインティングデバイスなどから構成することができ、シミュレーション、検証を行う作業者のためのユーザーインターフェースを構成する。あるいは、ディスプレイ1608および操作部1609は、タッチパッドなどのハードウェアとして一体化されていてもよい。
【0033】
図11の制御系は、ネットワークNWを介して通信する通信手段としてネットワークインターフェース1605を備えている。CPU1601は、ネットワークインターフェース1605~ネットワークNWを介して例えば、工程履歴データベース(101、102、103)の制御に必要な制御信号(パケット)を送受信することができる。また、ネットワークNWは、生産ライン(システム)に配置された生産装置(ロボット装置や搬送装置など)から工程の進捗に係る制御信号を受信するためにも利用される。ネットワークインターフェース1605は、例えばIEEE 802.3のような有線通信、IEEE 802.11、802.15のような無線通信による通信規格で構成することができる。しかしながら、ネットワークNWには、もちろん、それ以外の任意の通信規格を採用しても構わない。
【0034】
なお、後述の制御手順を実現するためのCPU1601の制御プログラムは、HDDやSSDなどから成る外部記憶装置1604や、ROM1602(の例えばEEPROM領域)のような記憶部に格納しておくこともできる。その場合、後述の制御手順を実現するためのCPU1601の制御プログラムは、ネットワークインターフェース1605を介して、上記の各記憶部に供給し、また新しい(別の)プログラムに更新することができる。あるいは、後述の制御手順を実現するためのCPU1601の制御プログラムは、各種の磁気ディスクや光ディスク、フラッシュメモリなどの記憶手段と、そのためのドライブ装置を経由して、上記の各記憶部に供給し、またその内容を更新することができる。上述の制御手順を実現するためのCPU1601の制御プログラムを格納した状態における各種の記憶手段や記憶部は、本発明の制御手順を格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成することになる。
【0035】
また、図11の構成が工程履歴データベース(101、102、103)を稼働させるデータベース装置(サーバ)の制御系であれば、そのデータベースレコードを記録したデータベースファイルは外部記憶装置1604に格納される。なお、外部記憶装置1604は、必ずしもデータベース装置(サーバ)の制御系のハードウェアインターフェースに接続されていなくてもよい。例えば、外部記憶装置1604はNAS(ネットワーク接続ストレージ)のようなディスク装置から構成し、ハードウェア単体でネットワークNWに接続されていてもよい。
【0036】
ここで、図1のモニタ13に表示されている工程履歴の表示画面内容について説明しておく。なお、本実施の形態においてモニタ13は、保持部としてのケース内におけるワークの保持位置などを表示可能な表示部を構成している。図1の表示例は、工程間搬送ケース2に保持された個々のワークの工程履歴画面5aをコンピュータ12に読み込み、モニタ13に表示した状態に相当する。図1の左側の工程履歴画面5bは、同図中央のモニタ13の工程履歴画面5aを拡大表示したものである。この例では、工程履歴画面5bは、工程間搬送ケースの個別識別番号を表示および入力可能なケース識別番号表示部8と、工程間搬送ケース内のワークレイアウト表示部6と、それぞれのワークの工程履歴を表示する工程履歴表示部7で構成されている。
【0037】
工程間搬送ケース2に取り付けられたIDタグ3(バーコード)をバーコードリーダ11で読み込むと、モニタ13のケース識別番号表示部8にバーコード番号が表示される。そして、このバーコードデータに基づいて、ケース情報データベース101から、工程間搬送ケース2の個別情報を検索することができる。さらに、工程間搬送ケース2の個別情報から、ケース情報データベース101から「工程間搬送ケース内のワークレイアウト情報」と「保持されている個々のワークの情報」を取得することができる。
【0038】
そして、取得した「工程間搬送ケース内のワークレイアウト情報」に基づいて、保持位置を含むケース全体のレイアウトであるワークレイアウトをワークレイアウト表示部6に表示することができる。この例では、ワークレイアウト表示部6は、ケースの18個の保持位置のレイアウトに対応した3行6列の構成である。なお、工程間搬送ケース2の保持位置のジオメトリが異なるものである場合には、それに対応してワークレイアウト表示部6に他の任意の態様を用いて構わない。本実施形態では、ワークレイアウト表示部6の3行6列の各保持位置ないしそこに保持されているワークに対応する各表示セルの中には、ケース保持位置アドレスに相当するパレタイジング番号(1~18)を表示している。
【0039】
モニタ13にはタッチパネル構成のものを用いるか、あるいは不図示のマウスやトラックパッドのようなポインティングデバイスとともに用いて、ワークレイアウト表示部6の個々のワーク(ないし保持位置)の部分に対する選択操作を行えるように構成する。このワークレイアウト表示部6で選択されたワークは強調表示(図1中では10の太枠)される。
【0040】
また、ケース情報データベース101から取得した、保持されている個々のワークの情報に基づいて、ワーク履歴データベース102から、対応するワーク工程履歴を検索することができる。そして、固有のワークごとの工程稼働履歴データベース103の参照先を取得することができる。これにより、ワークレイアウト表示部6で選択された選択ワーク10の工程稼働履歴を工程稼働履歴データベース103から取得し、工程履歴表示部7に表示することができる。図1では、ワークレイアウト表示部6で選択(10)された保持位置に相当するワークに対する工程履歴が、工程履歴表示部7に表示されている。
【0041】
工程履歴表示部7の表示は、その上部のタブ(製造工程「1.受入れ」、「2.加工A」、「3.検査A」…)に対する操作によって内容表示を切り替えられるよう構成する。従って、タブを順次操作すれば、工程履歴表示部7の表示は生産工程順に進捗済みの工程内容を参照できる。また、この工程履歴表示部7のタブは、進捗済みの工程分のみ生成され、表示される。例えば、図1の表示例では、選択されたワークレイアウト表示部6で選択されたパレタイジング番号”6”のワークは、最右端のタブ、「5.検査B」の工程まで進捗していることが判る。タブ切り替えで選択された生産工程の詳細履歴は一覧で表示される。
【0042】
また、あらかじめ設定された所定の工程条件の許容範囲にある項目と、許容範囲になかった項目(異常の情報)では、表示態様を変更することができる。この場合、表示態様の変更には表示色(少なくとも2色以上で色分け)や濃度(同様の濃度の切り替え)の変更を用いることができる。このような表示態様の選択は、例えば、予め定めた工程条件許容値と、ケースの特定の保持位置アドレスに収容されている特定のワークの特定の工程に係る工程履歴データと、を比較した結果に基づき行うことができる。
【0043】
また、ワークレイアウト表示部6では、全ての生産工程の全ての項目で所定のプロセス条件の許容範囲にあったワークの表示セルは「OK」、一部許容範囲になかったワークは「Gray」、明らかに不良品のワークは「NG」に分類されて、表示される。その場合、「OK」(例えば良品)、「Gray」(例えば良品と不良品の間)、「NG」(例えば不良品)のクラス分けは、ワークレイアウト表示部6に異なる表示態様、例えば色分けによって表示する。一部許容範囲になかったワーク、および明らかに不良品のワークは、異常情報が含まれるとして異常を示す表示を行なってもよい。また、図1の例のように工程間搬送ケース内にワークが存在しない保持位置アドレス(パレタイジング番号17と18の表示セル)にはワーク不存在を意味する「Null」の表示を行う。なお、加工条件が変更された場合に、変更前のワークに実行された工程の情報に対応付けられたワークIDと対応付けられた保持位置(ワークの表示セル)に異常であることを示す表示をしてもよい。
【0044】
また、工程間搬送ケース2の個別情報の検索は、ケース識別番号表示部8に工程間搬送ケース2のバーコード番号を直接入力し、検索ボタン9を操作することによっても行えるようにしてある。工程間搬送ケース2が手元になくてもバーコード番号が分かれば、その工程間搬送ケースに保持されている個々のワークの生産工程進捗、および、工程履歴を参照することができる。
【0045】
次に、図2を参照して、本実施形態における生産管理システムの構成例について説明する。図2では、各々の製造工程(1022)を、種々の保持態様で工程間搬送ケース2に保持されたワークが各生産工程間ワークを搬送される。図示した製造工程(1022)は、図1で例示したものと同様の光学製品の製造工程(1022)の流れと同様である。
【0046】
各製造工程(1022)には、供給用の工程間搬送ケース2に保持されたワークが供給され、供給用の工程間搬送ケースからワークを取出し、各工程が順次実行される。その場合、例えば、検査の結果、前工程に戻して再加工を行ったり、基準に満たない不良品を除去したりする操作が存在すると、供給用の工程間搬送ケースと排出用工程間搬送ケースのワーク収容数は異なっている場合がある(1023)。各生産工程が終わるとワークは排出用の工程間搬送ケース(2)に保持され、排出用の工程間搬送ケース(2)が排出され、次の工程まで搬送される(1023)。次工程でも同様に前工程から搬送されてきた工程間搬送ケース(2)からワークが取出され、その工程が実行される。
【0047】
図2においても、工程履歴データベースは、ケース情報データベース101、ワーク履歴データベース102、工程稼働履歴データベース103を含む。製造工程(1022)を構成する各工程ごとの履歴が保存される工程稼働履歴データベース103は、データベース記憶装置とデータベース計算機(サーバ)などのハードウェアにより生産工程ごとに管理されている。このようなデータベース管理のためのハードウェアは、例えばそれぞれ別の生産工場に設置されていてもよい。
【0048】
ワーク履歴データベース102、および、ケース情報データベース101は、例えばネットワーク(不図示)を介して接続される。その場合、ワーク履歴データベース102は全工程からアクセス可能で、ケース情報データベース101は、少なくとも搬送する各工程からアクセス可能とする。
【0049】
製造工程(1022)の各工程(「1.受入れ」、「2.加工A」、「3.検査A」…)には、各々の工程ごとの履歴を保存する工程稼働履歴データベース103が配置される。そして各工程が実行されると、その工程を実行した時の設定条件、環境、センサデータなどの詳細履歴データが工程稼働履歴データベース103に集積され、保存される。
【0050】
工程稼働履歴データベース103に各製造工程の履歴が保存されると、工程稼働履歴データベース103中のそのワークに係るデータベースレコードのアドレス(リンク情報)を工程順にワーク履歴データベース102に追記する。ケース情報データベース101には工程間搬送ケース2のケース内のワークレイアウト情報、保持されている位置に対応した個々のワークの情報の他に、生産装置、例えばロボット装置による自動搬送や組立に必要な教示データなどが登録されている。
【0051】
次に、図2に示したワーク履歴データベース102、ケース情報データベース101、および工程稼働履歴データベース103の内部構成について説明する。
【0052】
図3に、本発明の実施形態に係るデータベース構成例を示す。ケース情報データベース101には、教示情報301、およびワーク保持情報(ワーク収納情報)302が登録されている。教示情報301には、ケースの種類(3011)、そのケースに保持するワークの部番(3012)の名称、上述のロボット装置のパレタイジングに必要な工程間搬送ケース2の行数・列数(3013、3014)と教示データ(3015)などが登録されている。
【0053】
ワーク保持情報302には、個々の工程間搬送ケースに対するケースID(3021)、ケースの種類(3022)、ケースに取り付けられているIDタグのバーコード(3023)が登録されている。また、ワーク保持情報302には、そのレコードのケースの各保持位置(パレタイジング番号)に保持されているワークのワークID(3024)が登録されている。
【0054】
ワーク履歴303には、受入れ工程において、ワークID(3031)と、そのワークの部番(3032)の名称が個々のワークについて登録される。そして、そのワークに対して各生産工程が実行される度に、その工程稼働履歴データベース103のアドレス(addr:リンク情報)が「工程1」、「工程2」…のように工程順に追記されていく。なお、工程稼働履歴データベース103のアドレスは、図中では「addr」と省略表記することがある。なお、データベースに登録可能な工程数はワークの生産工程数に基づいて必要十分な数を確保しておく。
【0055】
次に、図2で示した製造工程の「1.受入れ」工程において、受入工程稼働履歴を保存した後、受入工程稼働履歴とワークの保持場所を関連付けるためのデータベース制御について図3を用いて説明する。図3では、データベース制御手順のステップを「Step1」、「Step2」…のような参照符号によって示している(後述の同じ形式の添付図面においても同様)。
【0056】
まず、生産ラインへのワークの搬入に応じて、「1.受入れ」工程において、ワーク履歴データベース102に、ワークID「W0012345」(フィールド3031)と、部番名称「L0003」(フィールド3032)を新規登録する([Step1])。
【0057】
続いて、当該のワークの出荷元情報、ロット番号、納品日、受入検査結果などの情報が工程稼働履歴データベース103に保存される。そして、このワークに関して(受入)工程稼働履歴データベース103に保存したレコードのアドレス(リンク情報)がワークID「W0012345」の「工程1」のフィールド(3033)に記録する([Step2])。
【0058】
続いて、ワークを工程間搬送ケースに保持する時に、バーコードリーダ11(図1)でケースに取り付けたIDタグ3のバーコード(フィールド3023)を読み取り、保持するケース種「CT0003」(フィールド3022)を特定する([Step3])。
【0059】
さらに、ケース種「CT0003」(フィールド3022)から、ケース情報データベース101を参照し、ワーク(W0012345)が収容されたパレタイジングに必要な行数、列数、教示データ(3013、3014、3015)など取得する。即ち、当該のケースの各保持部の構成と、ケースの各保持部に保持されたワークを取り扱うための教示データ、パレタイジング番号などを取得する([Step4])。
【0060】
続いて、ワークID「W0012345」のワークを工程間搬送ケース2のパレタイジング番号”1”に保持する場合、ワーク保持情報302のパレタイジング番号“1”にワークID「W0012345」を登録する([Step5])。
【0061】
以下、パレタイジング番号“2”以降についても同様に、保持されるワークを工程間搬送ケースに保持する度にこの登録を繰り返すことで、個々のワークが保持されている場所(パレタイジング番号)とそのワークIDが関連付けられる。
【0062】
次に、図4を参照して、図2で示した製造工程の「1.受入れ」工程でワークが保持された工程間搬送ケース2を次工程の「2.加工A」工程に供給し、排出されるまでの工程を説明する。即ち、この例は、工程間搬送ケース2へワークの供給と排出を行うときのデータベース制御である。図4は、図3と同等の形式で、同様の参照符号を用いて、工程間搬送ケースへの供給と排出を行う工程のデータベース操作例を示している。
【0063】
図4のワーク保持情報302では、供給用(I)の工程間搬送ケースが上記のケースID「C150154」、排出用(O)の工程間搬送ケースがケースID「C150158」として、ケース情報データベース101に登録されている。
【0064】
供給用(I)の工程間搬送ケースのケースID「C150154」のパレタイジング番号”1”には、その位置(第一の位置)に保持されているワークID「W0012345」が登録されている。また、排出用(O)の工程間搬送ケースにはまだワークが保持されていないため、ケースID「C150158」のパレタイジング番号にワークIDが登録されていない状態から説明する。
【0065】
まず、供給用(I)の工程間搬送ケースおよび排出用(O)の工程間搬送ケースのIDタグからバーコードリーダ11でバーコードを読み取る。そして、読み取ったケース種「CT0003」、「CT0004」から、ケース情報データベース101、ワーク保持情報302を参照し、それぞれのケース内の個々の保持場所の教示位置とパレタイジング番号を取得する([Step1])。
【0066】
続いて、供給用(I)の工程間搬送ケースのパレタイジング番号”1”(第一の位置)からワークを取り出す時、供給用(I)の工程間搬送ケースのワーク保持情報302に基づき、このワークID「W0012345」を取得する。このワークを取出した時には、供給用工程間搬送ケースのケースID「C150154」のパレタイジング番号”1”のワークIDの登録を削除することになる([Step2])。
【0067】
取出したワークに対して「加工Aの工程を実行すると、加工Aの工程稼働履歴データベース103に使用した加工装置の識別名称、加工日時、加工レシピ、加工設定条件、消耗部品の状態、装置のセンサー履歴(温度・湿度など)の工程履歴が保存される。そして、この「加工A」について、工程稼働履歴データベース103に保存したこれらの工程履歴レコードのアドレス(リンク情報)がワークID「W0012345」の「工程2」の位置(3033)に記録する([Step3])。
【0068】
続いて、加工後のワークを排出用工程間搬送ケースに保持する時には、ワーク保持情報302において、排出用(O)のケースID「C150158」のワークを保持するパレタイジング番号(第三の位置)にワークID「W0012345」を登録する([Step4])。なお、このとき、加工時の装置のセンサデータによって、排出するパレタイジング番号の変更や、複数の排出用(O)の工程間搬送ケースに振り分けをして排出する工程変更が行われてもよい。その場合には、上記と同様にして、図示したものとは別の工程間搬送ケースへの保持位置がデータベースに記録される。この例では、複数の排出用(O)の工程間搬送ケースのパレタイジング番号”2”に加工後のワークが保持される場合を示している。また、排出用のケースは、供給用のケース「C150154」と同じケース「C150154」の、異なる位置(第二の位置)例えばパレタイジング番号”10”に保持させてもよい。
【0069】
以後、図1図2で示した製造工程の「2.加工A」以降の工程に対しても同様のデータベース登録を繰り返すことで、ワーク履歴のワークID「W0012345」には全ての工程稼働履歴データベース103のアドレスが登録されていく。そして、「7.出荷検査」の工程後には、本ワークが保持されて出荷するケースのケースIDのパレタイジング番号にワークID「W0012345」が登録されている状態になる。例えば、レンズ鏡筒のように異なる種類の光学素子を組み合わせて組み立てる場合であっても、同様のデータベース操作で、レンズ鏡筒のケースIDのパレタイジング番号に異なる光学素子のワークIDを登録することができる。なお、例えば、上記パレタイジング番号”1”に保持されたワークが他の位置に保持された後、パレタイジング番号”1”の位置に別のワークが保持される場合、第1ケースの第一の位置としてのパレタイジング番号”1”に新たなワークIDが付与される。そして、上記別のワークと新たに付与されたワークIDとが対応付けられてサーバーに記憶される。
【0070】
次に、本実施形態において、図5図6を参照して、ワークごとの個々の工程履歴を参照する方法について説明する。ここでは、図1に示した生産管理システムの「3.検査A」の工程の後に、それまでの「1.受入れ」、「2.加工A」、「3.検査A」の各工程履歴を参照する場合を例に説明する。
【0071】
図5(a)、(b)に本実施形態に係る工程履歴の参照方法を示す。図5(a)は、図3および図4と同様の形式でデータベース構成を示している。また、図5(b)は、「3.検査A」工程の後に、ワークが工程間搬送ケース2に保持された状態を示している。また、図6は、本実施形態における工程履歴を参照する表示画面を示している。
【0072】
例えば、ここでは「3.検査A」工程の後、図5(b)に示すように工程間搬送ケース2に保持されたワークWの工程履歴を参照する。図6の表示は、上述の図1に示した操作によって取得した工程履歴情報を画面表示している。以下では、初期状態でパレタイジング番号“3”(図5(b)のワークWの保持位置)が選択されている状態を例に説明する。以下では、図3図4の場合と同様に、図5(a)のデータベース制御をステップ「Step1」、「Step2」…のような参照符号によって説明する。
【0073】
図5(a)のデータベース制御においては、まず、工程履歴を参照したいワークWが保持されている工程間搬送ケース2のIDタグ3がバーコードリーダ11で読み取られる。そして、そのケース種「CT1554」を図6のケース識別番号表示部8に表示する([Step1])。
【0074】
さらに、取得したケース種「CT1554」から図5(a)の教示情報301を検索し、当該の行数(フィールド3013)、列数(同3014)と、教示データ(同3015)などを読み出し、図6のワークレイアウト表示部6に表示する([Step2])。
【0075】
また、図6のワークレイアウト表示部6でワークW(図5(b))の保持位置に相当するパレタイジング番号”3”が選択されると、それに基づきワーク保持情報302が検索される。そして、パレタイジング番号“3”に登録されているワークID「W0503265」が取得され、これに基づきワーク履歴303から当該の工程履歴データレコードを検索する([Step3])。
【0076】
このワークID「W0503265」に関しては、「工程3」までの履歴が登録されている。そこで、ワークID「W0503265」によって、工程稼働履歴データベース103を構成する受入れ(103a)、加工A(103b)、検査A(103c)などのデータベースを参照する。これにより例えば工程名が取得されるので、図6の工程履歴表示部7のタブをその工程順に表示する。また、同じデータベースの参照結果に基づき、ワークID「W0503265」に対して実行した工程ごとの工程履歴が得られる。例えば、受入れ(103a)、加工A(103b)、検査A(103c)などのデータベースを参照するアドレス(リンク情報)を用いて、工程稼働履歴データベース103から各工程履歴の詳細を読み出して、工程履歴表示部7に表示する([Step4])。
【0077】
より多くの製造工程が実行されている場合でも、上記と同様の制御によって、工程稼働履歴データベース103からワークごとの工程履歴および工程進捗状態に係る履歴データを取得し、図6と同様の態様で表示出力することができる。
【0078】
次に、図7図8、および図9(a)、(b)を参照して、ワークごとに生産工程が異なるワークの生産履歴を管理する場合の制御について説明する。図7は、本実施形態において、ワークごとに生産工程が異なるワークフロー例を示している。図7では、図2の製造工程(1022)と、工程間搬送ケース(2)の取り扱い(1023)の一部に相当する、「2.加工A」、「3.検査A」および「4.加工B」の部分を示している。
【0079】
工程間搬送ケース(2)の取り扱い(1023)は、各工程間に704、705、706の各参照符号で示してある。
【0080】
この製造工程(1022)では、「2.加工A」工程の後、「3.検査A」工程を行い、検査OKだったワークは「4.加工B」の供給用(I)の工程間搬送ケース2にワークを保持し、「4.加工B」工程へ進める(706の最上段の工程間搬送ケース)。
【0081】
また、「3.検査A」工程で検査NGだったワークの中で、「2.加工A」工程を再び実行する。例えば、「2.加工A」工程の再実行で検査OKとなるレベルのワークは再び「2.加工A」の供給用(I)の工程間搬送ケースにワークを保持し「2.加工A」工程へ戻す(706の最下段の工程間搬送ケース)。
【0082】
また、「3.検査A」工程で検査NGだったワークの中で、「2.加工A」工程を再び実行しても検査OKとなる見込みのないワークは706の中段の廃棄用の工程間搬送ケースに保持する。また、「2.加工A」工程を例えば2回(以上)実行したワークも706の中段の廃棄用の工程間搬送ケースに保持する。そして、この706の中段の廃棄用の工程間搬送ケースは、廃棄工程(707)へ送られる。
【0083】
各工程(1022)の工程履歴は、工程稼働履歴データベース103の加工A(103b)、検査A(103c)、加工B(103d)の各データベースに記録される。上記のような工程変更に係る工程間搬送ケースへの入れ換え、ケースの使い分けは、ケース情報データベース101によって管理される。この工程間搬送ケースへの入れ換え、ケースの使い分けがロボット装置などによって行うことができる。その場合、ロボット装置のパレタイジング操作を制御するための制御情報に基づき、ケース情報データベース101の当該のケースIDや、パレタイジング番号(ケース内の保持位置)をケースへの入れ換えや使い分けに応じた内容に更新される。
【0084】
次に、例えば図7のようにワークごとに生産工程のワークフローが異なっている場合、工程稼働履歴データベース103、ワーク履歴データベース102、およびケース情報データベース101に係るデータベース制御は図8のように行われる。図8は、図3図5(a)と同等の形式によって、工程履歴データベース(101、102、103)のデータベース制御の様子を示している。
【0085】
ここでは、最初、あるケース(ケースID「C950160」)の2つの保持位置、パレタイジング番号”1”、”2”にそれぞれ収容されたワークID「W0583266」、「W0583265」の2つのワークの生産工程が進む様子を示している。工程の進捗の様子は、[Step1]から[Step6]のような表示によって示されている。
【0086】
図8において、ワークID「W0583266」のワークは、本ワークは図7で示した「3.検査A」工程を1回目で検査OKとなり、工程を戻ることなく「4.加工B」工程まで進んでいる(ワーク履歴データベース102の各工程のフィールド3033)。一方、ワークID「W0583265」のワークは、「3.検査A」工程の後、「2.加工A」工程が再度、実行され、2回目の「3.検査A」工程で検査OKとなり、「4.加工B」工程まで完了したワークとなる。
【0087】
ワークID「W0583265」の場合のように、「2.加工A」工程と「3.検査A」工程を2回実行した場合でも、生産工程を実行される度に、その工程稼働履歴データベース103のアドレスを工程順にワーク履歴データベース102に追記していく。
【0088】
そして、[Step1]から[Step6]まで実行すると、図8のようにワーク履歴データベースに工程履歴が登録される。図8の状態では、実行した生産工程数が異なるワークID「W0583266」と「W0583265」では、登録されている工程稼働履歴データベース103のアドレスの数が異なっているのが判る。
【0089】
なお、この例では、ワークID「W0583266」と「W0583265」のワークでは、「W0583265」の方が通過工程数が多く、「2.加工A」工程と「3.検査A」工程を2回通過している。しかしながら、その段階でも、ワークID「W0583266」と「W0583265」のワークは、同じケースID「C950160」を持つ工程間搬送ケース(2)のパレタイジング番号”1”、”2”にそれぞれ収容されている。
【0090】
図8のようにデータ登録されたワークの工程履歴は、例えば図9に示すような表示態様でモニタ13(図1)に表示し、作業者や管理者に参照させることができる。図9は、図7図8のようにワークごとにワークフローが異なる場合の工程履歴表示画面の一例を示している。この表示例は、例えば図8に示したように工程が進捗した後で、例えばケース識別番号表示部8でケースID「C950160」を指定した状態に相当する。
【0091】
図9(a)は、ケースID「C950160」を持つ工程間搬送ケース(2)のパレタイジング番号“1”が選択されたときの工程履歴表示画面、図9(b)はパレタイジング番号“2”が選択された時の工程履歴表示画面である。これらの保持位置には、それぞれワークID「W0583266」、および「W0583265」のワークが保持されている。
【0092】
図9(a)、(b)において、前述のように工程履歴表示部7のタブは生産工程順に並んでいるため、図8に示したようなパレタイジング番号”1”と”2”で生産工程が異なる場合、タブ表示を見ることで進捗済みの生産工程履歴を知ることができる。また、作業者ないし管理者は工程履歴表示部7のタブを選択することにより、その詳細な工程履歴を表示することができる。また、パレタイジング番号“2”のワーク「W0583265」はパレタイジング番号“1”のワーク「W0583266」のワークと異なるワークフローを経ている。従って、これらの2つのワークの表示態様は、例えば、図9(a)、(b)のワークレイアウト表示部6や、工程履歴表示部7において互いに異なる表示態様とするとよい。その場合、再検査や再加工の行われているワーク「W0583265」については、該当するワークレイアウト表示部6や、工程履歴表示部7の表示セルの例えば表示色を「W0583266」のものとは異なる表示色に変更する。これにより、通常と異なる工程を経ているワーク「W0583265」の識別情報や、その工程履歴を際立たせることができる。
【0093】
また、ワークに係る工程稼働履歴データベース103の履歴レコードのアドレス(リンク情報)をワーク履歴データベース102に記述しているため、更新された最新の工程稼働履歴を参照することができる。そのため、加工設定ミス等で不良ワークが後工程に流出してしまっても、工程稼働履歴を更新した時点で、当該ワークが不良ワークであることを後工程の作業者や管理者に参照させることができる。例えば、図8の[Step4]の「加工A」の工程において、正常に工程が完了したとして、「加工B」の工程まで進んだ時に、「加工A」の設定ミスが発覚したとする。このミスが発覚した時点で加工工程データベースの内容を修正し、不良品と設定すれば、「加工B」の工程において、ワークレイアウト表示部6に不良品のワークとして「NG」に分類されて、表示される。また、図示していないが、ワークが保持されているケースIDがワーク履歴データベースに登録されており、かつ、ケース情報データベースにケースの所有者情報が登録されていれば、ワーク履歴に変更があったことを該当ワークの所有者に通知することもできる。
【0094】
図10は、遠隔地にある製品に搭載される部品の工程履歴表示例を示している。この例では、ワークを組付ける(カメラの交換レンズなどの)レンズ鏡筒、あるいはカメラ内部のレンズ保持部も工程間搬送ケースとみなし、レンズ鏡筒あるいはレンズ保持部のシリアル番号をその「ケース」のIDタグ(3)として用いている。
【0095】
一般にこの種(カメラの交換レンズなど)のレンズ鏡筒の製品には視覚的に理解できるシリアル番号がレンズ鏡筒に識別コードとして付与されている。従って、完成し、出荷された製品、即ちレンズ鏡筒を工程間搬送ケースとみなし、その製品のシリアル番号をその「ケース」のIDタグ(3)として、ケース情報データベース101に記録、保存しておくことができる。
【0096】
このようなデータベース運用を行えば、生産期間中だけではなく、工程履歴データベース(101、102、103)は、出荷後の製品の各部を構成するワーク(例えばレンズ素子)の工程履歴を追跡、調査する、などの目的で利用できる。
【0097】
例えば、製品であるレンズ鏡筒に搭載されたレンズ(ワーク)の生産工程履歴を表示することができる。例えば、シリアルナンバーを店舗2002や顧客2003から取得し、コンピュータ12のモニタ13が備えるケース識別番号表示部8に入力し、工程履歴データベース(101、102、103)を検索することができる。これにより、ケース情報データベース101から鏡筒内のワークレイアウト表示部6に表示し、また、選択ワーク10の工程稼働履歴を工程稼働履歴データベース103から取得し、工程履歴表示部7に表示することができる。
【0098】
図10のワークレイアウト表示部6は、これまでの例の工程間搬送ケース(2)の18マスの矩形表示とは異なり、製品であるレンズ鏡筒の模式的な表示となっている。この例では、ワークレイアウト表示部6に、1~9までの鏡筒内の収容位置に9つのワーク(レンズ素子)が収容されている様子が模式的に表示されている。従って、例えば、サポートセンター(2001)などで製品の修理や補修を行う作業者は、コンピュータ12、モニタ13を備えた端末によりレンズ鏡筒(工程間搬送ケース)を特定できる。その場合、例えば、図10左側に示したような表示態様を利用して、ケース識別番号表示部8からシリアル番号を指定することによりレンズ鏡筒を特定できる。また、それによりワークレイアウト表示部6に表示された例えば問題のあるレンズ素子(ワーク)を指定(例えばクリックやタップ)することにより、ワークの詳細な工程履歴を表示させ、参照することができる。
【0099】
図13は、組立工程における組立て手順および組立て部品レイアウト表示例を示している。この例では、レンズ鏡筒の組み立て工程で表示される表示例を示している。本表示例は、組立て手順表示部501と、組立て詳細説明表示部502と、組立て部品レイアウト表示部504から構成されている。組み立てる鏡筒のバーコードを読み込むと、その鏡筒のバーコード番号またはシリアル番号が識別番号表示部500に表示され、組立工程手順がその工程順に組立て手順表示部501に表示される。即ち、表示部であるモニタ13には、第2ケースとしてのレンズ鏡筒への組み立て手順が表示されるようになっている(組立て手順表示部501)。組立て手順表示部501のそれぞれの手順を選択すると、組立て詳細説明表示部502にその組立ての詳細説明が、図と文章で表示される。そして組立て対象となる部品505がハイライト表示され、その部品が保持されているケースのバーコード番号が識別番号表示部503に表示され、ケースの組立て部品レイアウト表示部504に表示される。
【0100】
組立て部品には、部品の生産工程履歴によって、どの組み合わせでも良否規格を満たすものと、組み合わせ条件付きで良品規格を満たすものが、統計的な処理によって分類される。組立て部品レイアウト表示部504には、ケースの中で当該鏡筒に組立て可能な部品(OK)と、組立て不可能な部品(NG)と、どちらとも言えない部品(Gray)で文字および色分けで表示されている。即ち、表示部であるモニタ13に第1ケース全体のレイアウトを表示すると共に、第2ケースとしてのレンズ鏡筒へ組み付ける部品を第1ケース全体のレイアウトから選択可能に表示されている(組立て部品レイアウト表示部504)。また、実際に部品を鏡筒に組付けてみて、組立て部品レイアウト表示部504の内容と異なる場合、修正ボタン(505a、505b)でデータを修正することで、組み合わせで良品規格を満たす統計データを補正する。また、どの組み合わせでも規格を満たさない部品は、前工程の検査工程の検査基準を修正し、不良品を後工程に流さないようにする。
【0101】
以上のような製品としてのレンズ鏡筒を構成するワークの工程履歴の検索、参照表示は、図9までに説明した前述した工程間搬送ケースに収容されたワークの工程履歴の参照と同様の制御過程によって行うことができる。
【0102】
図10に示したように、製品を製造工程で用いられるケースに、そのシリアル番号をケースID(IDタグ)に、また、製品中のワーク装着位置をワークIDにそれぞれ対応付けてデータベース管理する。これにより、シリアル番号さえ分かれば、特定製品中の特定ワークの生産履歴を参照し、表示させることができ、作業者の補修や修理を大いに支援することができる。図10のようなデータベース管理によれば、特に、鏡筒内のレンズ素子のように、製品内に組み込まれている状態でも、特定ワークの生産履歴を参照することができる。即ち、図10のような手法によれば、製品のシリアル番号さえ分かれば、現品がなくとも非破壊で特定製品中の特定ワークの生産履歴を参照し、表示させることができるため製品の保守作業が極めて容易になる。
【0103】
なお、以上では、レンズ鏡筒の製品の場合を考えたが、その製造工程で用いられるケースと同等に扱う特定製品はレンズ鏡筒以外のどのようなものでもよく、装着位置をワークIDに割り当てるワークは、その製品に装着されるどのような部品でもよい。例えば、回路基板をケースと見立て、回路基板上の特定位置アドレス(ワークID)に実装するICチップの工程履歴を管理することができる。図14に、本発明の実施形態に係る工程履歴の参照内容の表示画面の回路基板への応用例を示す。製品に複数の回路基板やユニットがある場合は、表示画面に階層表示部14を表示してもよい。ケース識別番号表示部8に、製品のシリアル番号を入力し検索すると、階層表示部14には内蔵されている回路基板やユニット群が表示される。例えば、内部基板階層の基盤Aを選択すると、基盤Aの回路レイアウトがワークレイアウト表示部6に表示される。ワークレイアウト表示部6にあるICを選択すると、選択部品名称表示部15にICの名称が表示され、工程履歴表示部7に、ICの製造工程履歴を表示することができる。
【0104】
以上では、保持(装着)位置に対応付けられたワークIDによって管理するワーク(例えば上記のレンズ素子)には、IDタグに相当する情報、例えばシリアル番号や製品コードは付与されないものと考えた。しかしながら、上述の保持(装着)位置に対応付けられたワークIDによってワークを管理する手法は、例えばシリアル番号や製品コードが付与されているワークについて用いても構わない。
【0105】
図15に、本発明の実施形態に係る生産管理システムにおけるネットワークおよび生産装置の構成例を示す。工程稼働履歴データベース103、ケース情報データベース101、ワーク履歴データベース102はそれぞれデータベースサーバー(5110、5210、5310)によって管理され、グローバルネットワークと工程間ネットワークと工程ネットワークの階層になっている。工程ネットワークは、加工A工程ネットワーク5120a、検査A工程ネットワーク5120b、加工B工程ネットワーク5120c、検査B工程ネットワーク5120d、のように工程毎にグループ化されている。全て図示していないが、各ネットワークにはデータベース、データベースサーバーが接続されている。加工Aの生産装置(5101a~5101d)、検査Aの生産装置(5102a、5102b)、加工Bの生産装置(5103a~5103c)、検査Bの生産装置(5104a、5104b)はそれぞれ工程ネットワークにつながっている。図15下部に加工Bの生産装置5103bの詳細を示している。装置コントローラはメイン制御部5006と加工制御部5007と搬送制御部5008から構成されており、ネットワークIF5009を介して加工B工程ネットワーク5120cにつながっている。
【0106】
装置に供給用ケース4001および排出用ケース4002がセットされるとバーコードリーダ5011でケースのバーコードを読み取り、バーコード読み取り装置5010から搬送制御部5008に送られる。読み取ったバーコードからケース情報データベース101を参照し、供給用ケース4001と排出用ケース4002のケースIDと、ワーク仮想IDタグ(例えばパレタイジング番号)を取得する。そして、メイン制御部5006に接続されたモニタ5012に、供給用ケース4001および排出用ケース4002に保持されている個々のワークの工程履歴画面(5001、5002)が表示される。
【0107】
搬送ロボット5004は搬送制御部5008によって制御され、ケース情報データベース101から取得した情報(例えば教示情報、パレタイジング番号)に基づいてワークを搬送する。搬送ロボット5004によって、供給用ケース4001からワークを加工室5003へ搬送する。加工室5003は加工制御部5007に制御され、加工工程履歴を工程稼働履歴データベース103に保存する。記録した工程履歴データのアドレス(リンク情報)をワーク履歴データベースに追記する。加工室5003で加工を終了したワークがロボット装置などによって特定の排出用ケース4002の特定のパレタイジング番号の保持位置に格納される。そして、このワーク収容動作に対応し、排出用ケース4002のケースIDとパレタイジング番号の保持位置に相当するワーク仮想IDタグを用いて、ケース情報データベース101を更新する。
【0108】
図12は、ある生産ライン(システム)の製造工程の進行に応じて上述の工程履歴データベース(101、102、103)、特にそのデータベースを実装するデータベース装置(サーバ)によって行われるデータベース制御(管理)の流れを示している。図12の制御手順は、例えば上述の工程履歴データベース(101、102、103)を実装するデータベース装置(サーバ)のCPU1601(図11)が実行する制御プログラムとして記述できる。その制御プログラムは、例えば図11の外部記憶装置1604や、ROM1602(の例えばEEPROM領域)のような記憶部に格納しておくことができる。
【0109】
図12の手順では、ある製造工程において、供給用(I)と排出用(O)の工程間搬送ケース(4001、4002)が用いられている。そして、同図は、製造工程の終了後、ワーク(群)が供給用(I)から排出用(O)の工程間搬送ケース(4001->4002)に移送されていく様子を示している。この例では、供給用(I)の工程間搬送ケース(4001)中にワークがN個収容されており、その全てに当該の製造工程を実施する。その後、工程を終了したワークは排出用(O)工程間搬送ケース(4002)に移される。
【0110】
図12のステップS101では、供給用(I)と排出用(O)の工程間搬送ケース(4001、4002)が、作業者の手作業や、生産システムに含まれるロボット装置のプログラムされた自動動作によって生産装置の所定位置にセットされる。供給用(I)の工程間搬送ケース(4001)には、予め例えば複数のワークが既に保持された状態であるものとする。
【0111】
ステップS102では、供給用(I)と排出用(O)の工程間搬送ケース(4001、4002)のIDタグ(ケースID)が読み取り手段(装置)を介して読み取られる。この読み取り処理は、作業者の手作業や、生産システムに含まれるロボット装置のプログラムされた自動動作によって行われ、読み取り手段(装置)には前述のバーコードリーダ11などが用いられる。
【0112】
ステップS103では、供給用(I)の工程間搬送ケース(4001)から、ワークが取り出され、以後、第一~第四のステップ(S201~S204)によって当該の製造工程が進捗する。そして、製造工程の進捗に同期して、その工程履歴が工程履歴データベース(101、102、103)に記録されていく。なお、図12では、第一~第四のステップとして、ステップS201~S204を示してあるが、この第一~第四のステップは便宜上のもので、必ずしも上述の[Stepxxx]表記で用いた処理ステップとは一致していない。
【0113】
第一のステップ、S201では、供給用(I)の工程間搬送ケース(4001)のケースIDと、ワーク仮想IDタグ(例えばパレタイジング番号)を用いてケース情報データベース101が参照される(S2011)。そして、ワーク取り出し(S103)に対応して、ケース情報データベース101の当該ケースのワーク仮想IDタグの保持位置にある当該のワークのワークIDを削除する(S2012)。
【0114】
第二のステップ、S202では、ロボット装置などによって製造工程を実行し、その内容に応じた工程履歴を工程稼働履歴データベース103に記録する(S2021)。
【0115】
第三のステップ、S203では、ロボット装置などによって工程稼働履歴データベース103に記録した工程履歴データのアドレス(リンク情報)をワーク履歴データベース102に追記する(S2031)。
【0116】
第四のステップ、S204では、工程を終了したワークがロボット装置などによって特定の排出用(O)の工程間搬送ケース(4002)の特定のパレタイジング番号の保持位置に格納される(S2041)。そして、このワーク収容動作に対応し、排出用(O)の工程間搬送ケース(4002)のケースIDとパレタイジング番号の保持位置に相当するワーク仮想IDタグを用いて、ケース情報データベース101を更新する(S2042)。ここでは、排出用(O)の工程間搬送ケース(4002)のケースIDのワーク仮想IDタグを関連づけて、ケース情報データベース101の当該のレコードを変更(または作成)する。
【0117】
ステップS301では、供給用(I)の工程間搬送ケース(4001)に最初N個、保持されていたワークを全て処理したか否かを判定する。この判定は、例えば、ステップS301の位置でワーク残数をカウントするカウンタ(N)を1だけデクリメントしてから0と比較することにより行うことができる。まだ供給用(I)の工程間搬送ケース(4001)に未処理のワークが残っており、最初N個のワークを全て処理していない場合には、ステップS301からステップS103に戻り、上記の処理を繰り返す。最初N個のワークを全て処理済みの場合には、ステップS301からステップS401に進み、供給用(I)と排出用(O)の工程間搬送ケース(4001、4002)が生産装置の所定位置から取り出される。
【0118】
図12の制御によれば、ワークが保持されている供給用(I)の工程間搬送ケース(4001:第1のケース)からワークを取出し、そのワークに対して工程作業を実行し、排出用(O)の工程間搬送ケース(4002:第2のケース)保持する。その場合、ワーク工程履歴データベース(101、102、103)においては、次の第1~第3のデータベース情報が工程履歴およびワークのケースへの入れ換えに応じて適切に更新される。
(1)第1のケースのケースIDと、第1のケース内の特定のワークの保持位置アドレスと、を含む仮想ワークIDタグに相当する第1のデータベース情報。
(2)特定のワークに対して実行した工程作業に係る工程履歴を記録した第2のデータベース情報。
(3)特定のワークが保持される第2のケースのケースIDと、第2のケース内の特定のワークの保持位置アドレスと、を関連付ける仮想ワークIDタグに相当する第3のデータベース情報。
【0119】
図12に示したような制御により、製造工程の進捗に同期して、実行した工程履歴によって工程履歴データベース(101、102、103)を逐次、更新することができる。また、その際、ワークの移設に応じて、供給用(I)と排出用(O)の工程間搬送ケース(4001、4002)中のワーク仮想IDタグ(例えばパレタイジング番号のようなワーク保持位置アドレスに相当する)が適宜更新される。これにより、作業者、管理者、あるいは図10のサポートセンター(2001)の担当者による上述のようなモニタ(13)の表示画面を用いたデータベース参照が可能となる。即ち、特定のケース(あるいは製品)に収容された特定のワークの工程履歴を誤りなく参照することができる。
【0120】
以上のように、本実施形態の生産管理システムによれば、IDタグを直接取り付けることができない光学(レンズ)素子などがワークであっても、容易に対応できる。本実施形態の生産管理システムにおいては、それぞれ複数のワークを保持可能な第1及び第2ケース(I,O)を含む保持部において、複数のワークが保持されている保持位置と、各ワークを識別するためのワークIDと、が対応付けられて記憶されている。例えば、ケース(工程間搬送ケース)にIDタグを付与し、ケース内のワークは前記ケース内の特定のワークの保持位置アドレスに対応付けられたワークIDで管理している。そして、記憶部(302)においてワークIDと対応付けられている保持位置の情報を、第1ケース内の第一の位置から第二の位置へと変更される場合、記憶部においてワークIDと対応付けられている保持位置の情報を、第一の位置から第二の位置に変更する。また、第2ケースにおける第三の位置に新たに保持させる場合は、記憶部においてワークIDと対応付けられている保持位置の情報を、第一の位置から第二の位置あるいは第三の位置に変更している。加えて、記憶部(102)は、ワークIDとワークに実行された工程の情報とを対応付けて記憶させており、制御部(1601)は、保持位置の情報に基づいて、ワークIDとワークに実行された工程の情報とを対応付けて、記憶部に記憶させるように構成されている。なお、工程の情報には、上述した加工条件などが含まれる。
【0121】
例えば、第1ワークを第一の位置から第二の位置へ移動させた後、第二の位置から第二の位置とは異なる第四の位置へと移動させる場合について考える。この時、制御部としてのCPU(1601)は、第一の位置から取り出し、第二の位置に新たに保持させるまでの間に行なわれた工程に対する情報を、記憶部(302)において第一の位置に対応付けられていることに基づいて、第1ワークのワークIDに対応付けて記憶部(102)に記憶させる。また、第二の位置から取り出し、第二の位置とは異なる位置に新たに保持させるまでの間に行なわれた工程に対する情報を、記憶部(302)において第二の位置に対応付けられていることに基づいて、第1ワークのワークIDに対応付けて記憶部(303)に記憶させる。
【0122】
これによって、ワーク工程履歴データベース(101、102、103)は、IDタグを直接取り付けられない個々の特定ワークの工程履歴を管理することができる。仮想ワークIDタグ、特に、ケース内の特定のワークの保持位置アドレスには、例えば、ケースないしワークを取り扱うロボット装置の教示データで用いられるパレタイジング番号を利用することができる。
【0123】
即ち、本実施形態によれば、IDタグを直接取り付けることができないワークに対応することができる。例えば、1つの保持ケースに生産工程がワーク毎に異なるワークが保持された状態で物品(製品)の製造が行われる生産システムにおいて、ワーク毎の生産履歴を適切に管理することができる。従って、作業者や管理者は、表示装置を介して、データベースによって管理される生産履歴を、適切な表示出力を介して参照することができる。
【符号の説明】
【0124】
W…ワーク、2…工程間搬送ケース、3…IDタグ、6…ワークレイアウト表示部、7…工程履歴表示部、8…ケース識別番号表示部、11…バーコードリーダ、13…モニタ、101…ケース情報データベース、102…ワーク履歴データベース、103…工程稼働履歴データベース、301…教示情報、302…ワーク保持情報、1022…製造工程、1601…CPU、1602…ROM、1603…RAM、1608…ディスプレイ、2002…店舗、2003…顧客。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15