(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】改善した引き抜き強度を有するストリンガ補強複合パネル
(51)【国際特許分類】
B64C 1/06 20060101AFI20240318BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20240318BHJP
B32B 1/00 20240101ALI20240318BHJP
【FI】
B64C1/06
B64C1/00 B
B32B1/00 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019038502
(22)【出願日】2019-03-04
【審査請求日】2022-03-03
(32)【優先日】2018-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ビフザードプール, フォルザン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ジアンティエン
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-534295(JP,A)
【文献】特開2018-83362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 1/00, 3/18,
B32B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面(702、902)と、
前記第1の表面の反対側に位置し、かつ航空機(100)の複合構造体(208)に連結される第2の表面(704、904)と、
前記第2の表面から前記第1の表面に向かって延びるエッジ(230)と、
前記第1の表面から前記エッジまで、前記第1の表面に対して12度から18度の間の角度(708、908)で延びる面取り部(226)と
を含
み、
前記エッジが、前記第2の表面から前記第1の表面に向かう方向において少なくとも0.25cm(0.10インチ)の厚さ(706、906)を有する、ストリンガ(200)。
【請求項2】
前記角度がおよそ15度である、請求項1に記載のストリンガ。
【請求項3】
前記第1の表面と前記第2の表面との間に位置する複数のプライ(710、910)を更に含み、前記複数のプライは長さが互いに異なる、請求項1
又は2に記載のストリンガ。
【請求項4】
前記第1の表面、前記第2の表面、前記エッジ、及び前記面取り部が、補強セグメント(204)の一部を構成する、請求項1から
3のいずれか一項に記載のストリンガ。
【請求項5】
前記第2の表面が前記第1の表面に平行であり、前記エッジが前記第2の表面に垂直である、請求項1から
4のいずれか一項に記載のストリンガ。
【請求項6】
航空機(100)の複合構造体(208)と、
前記複合構造体に連結されたストリンガ(200)と
を含
む装置であって、
前記ストリンガが、
第1の表面(702、902)と、
前記第1の表面の反対側に位置し、かつ前記複合構造体に連結された第2の表面(704、904)と、
前記第2の表面から前記第1の表面に向かって延びるエッジ(230)と、
前記第1の表面から前記エッジまで、前記第1の表面に対して12度から18度の間の角度(708、908)で延びる面取り部(226)と
を含
み、
前記エッジが、前記第2の表面から前記第1の表面に向かう方向において少なくとも0.25cm(0.10インチ)の厚さ(706、906)を有する、装置。
【請求項7】
前記角度がおよそ15度である、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記ストリンガが、前記第1の表面と前記第2の表面との間に位置する複数のプライ(710、910)を更に含み、前記複数のプライは長さが互いに異なる、請求項
6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の表面、前記第2の表面、前記エッジ、及び前記面取り部が、前記ストリンガの補強セグメント(204)の一部を構成する、請求項
6から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の表面が前記第1の表面に平行であり、前記エッジが前記第2の表面に垂直である、請求項
6から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記ストリンガが、前記第1の表面と前記第2の表面との間に位置する複数のプライ(710、910)を更に含み、前記複数のプライは長さが互いに異なり、
前記第1の表面、前記第2の表面、前記エッジ、及び前記面取り部が、前記ストリンガの補強セグメント(204)の一部を構成し、
前記角度、前記厚さ、及び前記複数のプライのそれぞれの長さが、前記複合構造体に対する前記補強セグメントの剥離モーメントを低減するように構成される、請求項
6又は7に記載の装置。
【請求項12】
ストリンガ(200)を航空機(100)の複合構造体(208)に連結することを含む方法であって、前記ストリンガが、
第1の表面(702、902)と、
前記第1の表面の反対側に位置し、かつ前記複合構造体に連結される第2の表面(704、904)と、
前記第2の表面から前記第1の表面に向かって延びるエッジ(230)と、
前記第1の表面から前記エッジまで、前記第1の表面に対して12度から18度の間の角度(708、908)で延びる面取り部(226)と
を含
み、
前記エッジが、前記第2の表面から前記第1の表面に向かう方向において少なくとも0.25cm(0.10インチ)の厚さ(706、906)を有する、方法。
【請求項13】
前記面取り部を形成することと、
前記面取り部が形成された後で、かつ前記ストリンガが前記複合構造体に連結される前に、前記ストリンガを硬化させることと
を含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記面取り部を形成することと、
前記面取り部が形成された後で、かつ前記ストリンガが前記複合構造体に連結された後に、前記ストリンガ及び前記複合構造体を共硬化させることと
を含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項15】
前記ストリンガが、前記第1の表面と前記第2の表面との間に位置する複数のプライ(710、910)を更に含み、前記複数のプライは長さが互いに異なる、請求項
12から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ストリンガ補強複合パネルに関し、より詳細には、改善された引き抜き強度を有するストリンガ補強複合パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の胴体及び翼は、胴体及び翼が様々な応力条件及び歪み条件下でそれらの形状を維持するのを助けるための、ストリンガなどの支持構造体を含みうる。いくつかの実施例では、各ストリンガは、胴体又は翼の外板に隣接した間隙を含みうる。間隙は、ストリンガアセンブリに強度及び/又は剛性を提供するために充填されることがある。ストリンガのサイズ、形状、及び/又は構成は、ストリンガに関連する1つ又は複数の性能属性に影響を及ぼしうる。例えば、ストリンガのサイズ、形状、及び/又は構成は、ストリンガが胴体又は翼の外板などの航空機の複合構造体に連結されるときに、ストリンガに関連する引き抜き強度に影響を及ぼしうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
改善された引き抜き強度を有するストリンガ補強複合パネルが開示される。いくつかの例では、ストリンガが開示される。いくつかの開示された例では、ストリンガは、第1の表面、第2の表面、エッジ、及び面取り部を含む。いくつかの開示された例では、第2の表面は、第1の表面の反対側に位置し、航空機の複合構造体に連結される。いくつかの開示された例では、エッジは、第2の表面から第1の表面に向かって延びる。いくつかの開示された例では、面取り部は、第1の表面からエッジまで、第1の表面に対して12度から18度の間の角度で延びる。
【0005】
いくつかの例では、装置が開示される。いくつかの開示された例では、装置は、航空機の複合構造体と、複合構造体に連結されたストリンガとを含む。いくつかの開示された例では、ストリンガは、第1の表面、第2の表面、エッジ、及び面取り部を含む。いくつかの開示された例では、第2の表面は、第1の表面の反対側に位置し、かつ複合構造体に連結される。いくつかの開示された例では、エッジは、第2の表面から第1の表面に向かって延びる。いくつかの開示された例では、面取り部は、第1の表面からエッジまで、第1の表面に対して12度から18度の間の角度で延びる。
【0006】
いくつかの例では、方法が開示される。いくつかの開示された例では、方法は、ストリンガを航空機の複合構造体に連結することを含む。方法のいくつかの開示された例では、ストリンガは、第1の表面、第2の表面、エッジ、及び面取り部を含む。いくつかの開示された例では、第2の表面は、第1の表面の反対側に位置し、かつ複合構造体に連結される。いくつかの開示された例では、エッジは、第2の表面から第1の表面に向かって延びる。いくつかの開示された例では、面取り部は、第1の表面からエッジまで、第1の表面に対して12度から18度の間の角度で延びる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本明細書に記載の例示的複合構造体が実施されうる胴体を含む航空機を示す。
【
図2】本明細書に記載の例示的填隙材を含む例示的ストリンガを示す。
【
図3】本明細書に記載の例示的填隙材の例示的製造プロセスを示す。
【
図4】本明細書に記載の例示的填隙材の例示的製造プロセスを示す。
【
図5】本明細書に記載の例示的填隙材の例示的製造プロセスを示す。
【
図6】
図1から
図5の例示的填隙材を製造する例示的方法を表す例示的フローチャートを示す。
【
図7】
図2の例示的ストリンガの第1の例示的補強セグメントの例示的第2の部分の第1の例示的構成を示す。
【
図8】
図7の例示的な補強セグメントの例示的第2の部分の第1の例示の構成に関連する例示的な製造プロセスを示す。
【
図9】
図2の例示的ストリンガの第1の例示的補強セグメントの例示的第2の部分の第2の例示的構成を示す。
【
図10】
図9の例示的補強セグメントの例示的第2の部分の第2の例示的構成に関連する例示的製造プロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
いくつかの例が上記の図に示され、かつ以下で詳細に説明される。これらの実施例を説明する際に、同一又は類似の要素を識別するために、類似又は同一の参照番号が使用される。図面は必ずしも縮尺通りではなく、図の特定の特徴及び特定の視界は、明瞭に及び/又は簡潔にする目的で、縮尺又は概略図で誇張されて示されることがある。本特許出願で使用されるように、任意の部分(例えば、層、フィルム、エリア、又はプレート)が、任意の方式で、別の部分の(例えば、上に配置される、上に位置される、上に設置される、上に形成される、など)の表現は、言及される部分がもう一方の部分と接触している、又は、言及される部分が、もう一方との間に一又は複数の中間部分を伴ってもう一方の部分の上部にある、のいずれをも示す。任意の部分が別の部分と接触しているとの表現は、当該2つの部分の間に中間部分がないことを意味する。
【0009】
航空機の胴体及び/又は翼は、胴体及び/又は翼が、様々な応力及び歪み条件下で形状を維持し、及び/又は胴体及び/又は翼の強度を高める助けとなるような、ストリンガといった支持構造体を含みうる。いくつかの実施例では、間隙が胴体又は翼の外板に隣接して形成されるように、ストリンガが成形される。間隙は、ラミネート構造体又は単一ヌードルを使用して充填されうる。しかしながら、ラミネート填隙材並びにストリンガ及び/又は外板の熱的特性及び機械的特性が異なるため、ラミネート填隙材に亀裂が生じる可能性がある。例えば、ストリンガは、ラミネート填隙材と異なる熱膨張率を有しており、熱膨張率が異なるため、間隙にかかる応力及び/又は歪みにより、填隙材に亀裂が生じることがある。ラミネート填隙材又は単一ヌードルにおける亀裂は、ストリンガ界面を弱め、補強材の引き抜き荷重運搬能力を低下させる可能性があり、追加的補強及びストリンガプライが必要となる。
【0010】
本明細書に記載の例示的実施例では、ストリンガは、多方向の短炭素繊維充填材によって充填された間隙を含む。より具体的には、填隙材は、填隙材の任意の所与の平面で多方向に配向された炭素繊維を有する。炭素繊維を多方向に配向させることにより、填隙材、ストリンガ及び/又は外板の熱膨張率が異なるため、填隙材にかかる熱応力が緩和される。本明細書に記載の例示的填隙材は、特に面外方向(例えば、外板の平面に垂直な方向)に、熱応力を緩和する。
【0011】
本明細書に記載の例示的実施例では、複合構造体(例えば、航空機の胴体)が、支持のために一又は複数のストリンガに連結される。例示的ストリンガはまた、複合材料から作られてもよく、又はいくつかの実施例では、アルミニウムから作られてもよい。例示的ストリンガは、およそ15度のエッジ面取りを有し、このエッジ面取りは、荷重を低減し、接合部分(例えば、硬化後のストリンガ及び填隙材)の剥離モーメントを改善しうる。ストリンガが複合構造体に連結されると、ストリンガ及び複合構造体は、ストリンガ半径間隙を形成する。追加の構造的補強を提供するために、填隙材がストリンガ半径間隙内に配置される。本明細書に記載の例示的填隙材は、多方向に配向されたチョップドファイバーを含む。いくつかの実施例では、填隙材はまた、チョップドファイバーが配置及び分散された熱硬化性樹脂を含む。
【0012】
繊維は、填隙材の全体積又は実質的に全体積にわたってランダムに分散され、填隙材の任意の所与の平面(例えば、x-y平面、x-z平面、y-z平面、又は任意の歪んだ平面)において多方向に配向される。例えば、填隙材の任意の所与の平面上で、繊維の縦軸は、多方向に配向されてもよく、並びに/又は平面を横切って及び/若しくは平面を通って移動してもよい。本明細書で使用されるように、「実質的に全体積」という表現は、75%を上回る填隙材の体積が、少なくとも1つの繊維の少なくとも一部を含むことを意味する。加えて、繊維は、填隙材全体にわたって、繊維の密度が実質的に同一(例えば、0.04ポンド/立方インチから0.06ポンド/立方インチの間)であるように、均一に分散又は分布されうる。填隙材全体にわたる繊維の密度は、ストリンガ全体にわたる繊維の密度と実質的に同一であり、填隙材とストリンガとの間に亀裂が形成される可能性を低減する。いくつかの実施例では、個々の繊維が多方向に湾曲及び/又は屈曲するように、繊維を填隙材内にも位置付けることができる。多方向(例えば、実質的に無指向性)の繊維は、いくつかの実施例では、航空機の外板に平行な平面に実質的に垂直であってもよく、又は外板に対して平行な平面に対して任意の他の方向(例えば、平行な方向、平行でない方向)に配向されてもよい。
【0013】
填隙材を製造する方法は、チョップドファイバーフレークを生成すること、チョップドファイバーフレークを填隙材内に形成すること、チョップドファイバーフレークによって形成された填隙材を硬化させることを含む。例示的方法は、チョップドファイバーフレークを樹脂と混合することを更に含むことができる。いくつかの実施例では、チョップドファイバーフレークを填隙材内に形成することは、填隙材を配置すべき間隙の断面プロファイルと一致するように切断されたダイを通してチョップドファイバーフレークを押し出すことを含む。代替的には、チョップドファイバーフレークを填隙材内に形成することは、複数の可変直径ローラダイ形成プロセスを使用することを含む。他の例として、チョップドファイバーフレークを填隙材内に形成することは、熱及び圧力を型に配置された填隙材に加えることを含む。いくつかの実施例では、チョップドファイバーフレークを生成することは、繊維シートを細長片及び/又は正方形に切断することを含む。いくつかの実施例では、ファイバーフレークは、1インチの正方形である。代替的には、フレークは、任意の他の適切なサイズとすることができる。
【0014】
ストリンガ間隙で填隙材を使用する方法は、硬化した填隙材をストリンガの間隙に挿入することと、ストリンガアセンブリを形成するために填隙材を外板で覆うことと、ストリンガアセンブリを硬化させることとを含む。いくつかの実施例では、ストリンガアセンブリを硬化させることは、圧力及び熱をストリンガアセンブリに加えることを含む。例示的方法は、ストリンガアセンブリを真空バッグ内に置くことを更に含む。例えば、真空バッグは、圧力をストリンガアセンブリに加えるために使用することができ、熱源(例えば、オートクレーブ)は、熱を供給することができる。方法は、硬化したストリンガアセンブリを航空機内に設置することを更に含むことができる。
【0015】
図1は、本明細書に記載の例示的装置及び方法が実施されうる例示的航空機100を示す。例示的航空機100は、客室及び/又は貨物エリアを囲みうる胴体102を含む。例示的胴体102は、外板及びストリンガを含みうる。ストリンガは、胴体の外板に構造的支持を提供する。いくつかの実施例では、胴体102は、炭素繊維強化プラスチック胴体などのマルチプライ複合胴体102であってもよい。代替的には、胴体102は、異なる種類の複合材料から作ることができる。例示的航空機100は、胴体102から外に向かって横方向に延びる翼104(例えば、右翼及び左翼)を含む。例示的翼104はまた、翼104の外板に構造的支持を提供するためにストリンガを含む。例示的翼104は、複合胴体102と実質的に同一の複合材料から作ることができる。代替的には、翼104は、異なる複合材料から作ることができる。
【0016】
図2は、本明細書に記載の、チョップドファイバーを使用して作られた填隙材202を含む例示的ストリンガアセンブリ200を示す。例示的ストリンガ200は、構造体(例えば、胴体102、翼104)を支持するために外板208(例えば、航空機100の外板)に連結された2つの補強セグメント204、206を含む。いくつかの実施例では、ストリンガ200は、胴体102又は翼104を支持するために、航空機100で実施されうる。そのような例では、航空機100の例示的翼104及び/又は胴体102は、翼104及び/又は胴体102の長さに沿って、複数のストリンガ200を含むことができる。代替的には、ストリンガは、別の種類の航空機、船舶、陸上車両などの別の構造体を支持するために使用することができる。本明細書に記載の例示的ストリンガ200は、複合材料から作ることができる。代替的には、ストリンガ200は、任意の別の適切な材料とすることができる。
【0017】
例示的ストリンガ200は、補強セグメント204、206のそれぞれの第1の部分210、212が、ストリンガ200を連結させる外板208から垂直に延びるように、2つの補強セグメント204、206を連結することによって形成される。ストリンガ200が胴体102に連結される場合、ストリンガ200の例示的第1の部分210は、胴体102の長さに沿ったストリンガ200の任意の所与の断面において、外板208から実質的に垂直である。各補強セグメント204、206は、合わせ面218、220を有するそれぞれの第2の部分214、216を含む。補強セグメント204、206の第2の部分214、216の各々は、外板208に連結される。補強セグメント204、206の第2の部分214、216は、第1の部分210、212に実質的に垂直である。それぞれの補強セグメント204、206の第2の部分214、216は、ストリンガ200から反対方向に延びる。即ち、第1の部分210、212は、ストリンガ200のそれぞれの第2の部分214、216の間で共に連結されて配置される。
【0018】
例示的な第2の部分214、216の各々は、ストリンガ200の剥離モーメント能力を低減することによってストリンガ200の引き抜き荷重を改善し、ひいては外板剥離応力を低減する面取り226、228を有するそれぞれの端部222、224を含む。
図2に示す例示的ストリンガ200の面取り226、228は、15度±3度の面取り(例えば、面取り角度が12度から18度までの範囲を有する)である。およそ15度の面取り角度は、ストリンガ200の引き抜きに必要な最大の力を提供するように選択された。面取り角度をおよそ15度まで低減すると、90度又は45度に比べて必要な引き抜き強度が大幅に増加する。また、およそ15度の面取り角度は、45度の面取り角度と比較して、ストリンガの外板への横引張強度を高める。
【0019】
面取り226、228は、ある点まで先細りしないが、その代わりに0.10±0.05インチの厚さのエッジ230、232まで先細りし、早期故障を引き起こすことなくストリンガ200の剥離モーメント能力を低下させる。本明細書に記載の例示的填隙材202により、結合された複合部分(例えば、填隙材202、ストリンガ200)の剥離モーメントを低下させるために、より小さいストリンガフランジ面取り角度(例えば、15度)が使用可能になる。およそ15度の例示的な面取り角度は、ストリンガ200の結合強度と剥離モーメントのバランスをとる。上述の引き抜き荷重及び剥離モーメント性能の利点を実現するために実施されうるストリンガ200の対応するそれぞれの補強セグメント204、206のそれぞれの第2の部分214、216の例示的な構成は、
図7から
図10に関連して以下で更に説明される。
【0020】
図示された例では、各補強セグメント204、206の第1及び第2の部分210、212、214、216は、それぞれのフィレット234、236によって接合される。フィレット234、236は、例示的ストリンガ200の強度を増加させるように作用することができ、かつ/又は補強セグメント204、206の2つの部分210、212、214、216の交差部分における例示的ストリンガ200の亀裂の可能性を低減しうる。フィレット234、236の反対側で、例示的な補強セグメント204、206のコーナー(例えば、アーチ形状)238、240はまた、それぞれの補強セグメント204、206の第1及び第2の部分210、212、214、216が交差する交差部分でアーチ状であるか、又は丸みを帯びている(radiused)。要するに、例示的補強セグメント204、206は、第1及び第2の部分210、212、214、216と、第1及び第2の部分210、212、214、216が接するエッジとの両方を通って実質的に同じ幅である。それぞれの補強セグメント204、206の例示的アーチ形状238、240は、アーチ形状238、240及び外板208に隣接した、ストリンガ200の2つの補強セグメント204、206が接する間隙242(例えば、ストリンガ半径間隙)を形成する。図示された実施例の間隙242は、填隙材202(例えば、ヌードル、半径充填材、炭素繊維填隙材、複合填隙材、チョップドファイバー填隙材、又はそれらの組み合わせ)で充填される。
【0021】
例示的填隙材202は、短炭素繊維材料244から作られる。填隙材202が、ストリンガ200(例えば、補強セグメント204、206)及び外板208の他の構成要素の膨張速度及び収縮速度と類似した速度で膨張し収縮するので、短炭素繊維材料244は、ストリンガ200の熱応力の緩和に役立つ。填隙材202、補強セグメント204、206、及び外板208の膨張速度が類似しているので、填隙材202及び/又は補強セグメント204、206は、亀裂に対して著しく強くより耐性がある。填隙材202及び補強セグメント204、206の膨張速度及び収縮速度が類似しているので、本明細書に記載の例示的填隙材202はまた、接合線246(例えば、補強セグメント204、206と外板208との間の平面)での分離を防止する。いくつかの実施例では、短炭素繊維244は、樹脂248と混合される。填隙材202に使用される材料(例えば、炭素繊維シート)は、ストリンガ200の補強セグメント204、206及び外板208に使用される材料に類似していてもよい。即ち、外板208及び補強セグメント204、206は、填隙材202のファイバーフレークを作るためにも使用されうる炭素繊維シートを使用して作られてもよい。
【0022】
填隙材202はまた、チョップドファイバー強化熱硬化性樹脂複合材又はチョップドファイバー強化熱可塑性樹脂複合材を含むことができる。いくつかの実施例では、Toray又はZoltekによって供給されるような、炭素繊維強化エポキシ樹脂熱硬化性シート材料は、填隙材202を作るために使用することができる。連続的プリプレグシートは、填隙材202の全体積にわたって比較的ランダムかつ均等な繊維分布を有するように、1インチ幅の細長片に切断し、次に1インチの正方形(例えば、フレーク)に切断することができる。代替的には、フレークは、任意の適切なサイズ(例えば、フレークの各エッジは、0.005インチから3インチまで、好ましくは0.125インチから1インチまでの範囲でありうる)とすることができる。ファイバーフレークの繊維は、繊維が填隙材202内で多方向になるように配向されうる(即ち、繊維は、填隙材202の任意の所与の平面において多方向に配向されうる)。
【0023】
樹脂を強化するために、ナノ粒子などの粒子の追加的フレークをオプションで加えることができる。したがって、チョップドファイバー又はマイクロファイバーを、最小化された熱膨張率、妥当な破壊靭性(例えば、少なくとも2in-lb/平方インチ)、及び補強セグメント材料と比べ、類似した又はより柔らかい弾性率(例えば、0.5msiから8msiの間)を有する、炭素繊維のミクロン粒子又はナノ粒子サイズの炭素ファイバーフレーク及び熱硬化性又は熱可塑性樹脂若しくは発泡複合材料と統合することによって、例示的填隙材202を形成することができる。
【0024】
いくつかの例では、填隙材202は、填隙材202の靭性を高めるためにナノ粒子を含むことができる。填隙材202のチョップドファイバー244は、炭素繊維(例えば、華氏350度まで耐えることができる繊維)、ガラス繊維、アラミド、ケブラー、又はナイロンを含む。填隙材202は、少なくとも2in-lb/平方インチの破壊靭性及び15ksiの最小引張強度を有する。填隙材202は、0.5msiから8msiの間の弾性率を有する。填隙材202の繊維体積分率は、45%から65%の間、好ましくは50%の分率である。例示的チョップドファイバー長は、0.005インチから3インチの間、好ましくは0.125インチから1インチまでの範囲である。エポキシ又はPEEK樹脂などの高分子量樹脂は、華氏250度以上の最終硬化温度(Tg)を供給するために使用される。填隙材202の密度は、0.04ポンド/立方インチから0.06ポンド/立方インチの間である。温度変化による填隙材202の収縮は、0.001インチから0.008インチの間である。線熱膨張率は、すべての方向において、0.1×10-6インチ/インチ華氏度から10.0×10-6インチ/インチ華氏度の間である。
【0025】
本明細書に記載の例示的填隙材202及びストリンガ200の製造方法は、多くの利点を有する。多方向の繊維配向及び実質的に均一の繊維分布は、半径界面形状を維持する(即ち、填隙材202の形状を維持する)。填隙材202の炭素繊維材料は、熱応力を最小化して、亀裂発生の可能性を最小化し、硬化中のストリンガの熱歪みを最小化し、運航中に填隙材202におけるクリープ緩和又はクリープ歪みを低減するために、ストリンガ200及び外板208に適合可能な特性を有する。例示的填隙材202は、高い生産速度のための成形又は押出プロセスを使用して形成することができる。面取り部226、228の小さなテーパ角は、ストリンガアセンブリ200の剥離モーメント/負荷を低減する。
【0026】
加えて、例示的な填隙材202は、処理及び運航中の温度変化に起因して発生する熱歪みを低減するために、厚さ方向を含むあらゆる方向の熱膨張のより小さい係数(即ち、ラミネート填隙材と比較して)を有する。例示的填隙材202はまた、処理及び運航中の冷却及び/又は加熱における充填材の圧縮及び/又は膨張を低減し、亀裂発生を防止する。例示的な填隙材202は、填隙材202内で、並びに填隙材202と補強セグメント204、206及び/又は外板208との間の界面で亀裂を引き起こす熱応力を低減し、界面の静的及び疲労性能を改善するために、中程度の熱膨張率を有する。例示的填隙材202内の3D繊維分布の微細構造により、応力緩和は、亀裂発達を防止することができる。例示的填隙材202はまた、硬化中にそれらの充填された間隙位置での半径寸法制御のサポート及び部品品質サービスを提供することによって、フィレット(例えば、補強半径)234、236又はその下の外板208におけるプライのシワを防止する。例示的填隙材202は、間隙242における応力集中を最小化して、使用中の補強材界面の強度を改善する。例示的な填隙材202はまた、構造的信頼性を増大させる引き抜き荷重を改善し、翼、尾部、胴体、及び/又はフロアビームの構造に適した補強複合パネルを作製する。
【0027】
図3は、本明細書に記載の填隙材202の例示的製造プロセス300を示す。
図3の例示的製造プロセス300は、例示的填隙材202を形成するために成形プロセスを使用する。ファイバーフレーク304が空洞305の体積全体に分散する(例えば、ファイバーフレーク304、更には、ファイバーフレーク304を構成する個々の繊維が多方向に配向されるように、ランダムかつ均等に分散する)ように、第1段階302の間、チョップドファイバーフレーク304は、型306の空洞305に挿入される。ファイバーフレーク304は、空洞305内に配置される前に、樹脂308と混合されてもよく、及び/又はファイバーフレーク304が型306の空洞305に挿入された後に、樹脂308を型306内に注ぐこともできる。チョップドファイバー混合物(例えば、ファイバーフレーク304と樹脂308との混合物)は、いくらかの過剰充填(例えば、15%以下の過剰充填)で型306に挿入することができる。例示的填隙材202は、第1段階の硬化プロセスを用いて型306に形成することができる。第1段階の硬化プロセスは、プレート310及び熱源を使用して、チョップドファイバー混合物に熱及び圧力を加えることを含むことができる。いくつかの実施例では、熱源は、プレート310と統合されうる。熱及び圧力は、チョップドファイバー混合物が硬化して例示的填隙材202を形成するのに十分な時間にわたって加えることができる。例示的填隙材202は、型306内で冷却することができる。
【0028】
いくつかの例では、第1段階302の間に、填隙材202を圧縮し、填隙材202内部の空気空隙を抽出するために、真空バッグが約5~10分間適用される。圧縮後、填隙材202及び型306をオーブンに入れ、これを250℃で約10~15分間加熱して第1段階の硬化を完了する。この例の第1段階の硬化は、ストリンガ200の間隙242への最終的な適合のための初期形状を形成するために、約85%までの架橋を硬化させることができる。第1段階の硬化後、オーブンは室温まで冷却される。
【0029】
第2段階312の間、例示的填隙材202は、次いで、填隙材202が形成され硬化された後に、型306から除去されうる。例示的填隙材202は、充填材202の体積全体にわたって、実質的に均一な繊維の分布を有する(例えば、ファイバーフレークの分布は、繊維の分布が実質的に均一であり、個々の繊維が配向される方向がランダムであるような分布である)。次いで、填隙材202を第3段階314でストリンガ200の間隙242に挿入することができる。
【0030】
填隙材202がストリンガ200の間隙に挿入された後に、補強セグメント204、206は、ストリンガアセンブリ200を形成するための最終段階316(例えば、第4段階)中に外板208に連結される。いくつかの例では、ストリンガアセンブリ200は、最終的な硬化プロセスを用いて硬化される。最終的な硬化プロセスは、例示的ストリンガアセンブリ200に圧力及び/又は熱を加えることを含みうる。いくつかの例では、真空バッグは、最終的な硬化プロセスの間、例示的ストリンガアセンブリ200の周りに配置される。いくつかの例では、ストリンガ200及び外板208との最終的な共硬化は、高圧及び華氏350度までの温度で、オートクレーブ内で実行される。最終的な硬化プロセスの後、ストリンガアセンブリ200は、例えば、例示的航空機100に設置することができる。
【0031】
図4は、本明細書に記載の填隙材202のもう1つの例示的製造プロセス400を示す。
図4の例示的製造プロセス400は、例示的填隙材202を形成するために押出プロセスを使用する。第1段階402の間、例示的チョップドファイバーフレーク404は、押出機408のホッパー406に挿入される。例示的チョップドファイバーフレーク404及び樹脂410は、切断されたダイ412を通って押し出されて、ストリンガ200の間隙242内に一致する填隙材202を形成する。押出プロセスの間に、熱を押出機408に加え、樹脂410及びチョップドファイバー404の混合物を押し出してもよい。混合物がダイ412を通って押し出されて填隙材202を形成した後、填隙材202は、第2段階414中に冷却することができる。次いで、填隙材202を第3段階416でストリンガ200の間隙242に挿入することができる。
【0032】
填隙材202がストリンガ200の間隙242に挿入された後に、補強セグメント204、206は、ストリンガアセンブリ200を形成するための最終段階418(例えば、第4段階)中に外板208に連結される。いくつかの例では、ストリンガアセンブリ200は、最終的な硬化プロセスを用いて硬化される。最終的な硬化プロセスは、例示的ストリンガアセンブリ200に圧力及び/又は熱を加えることを含みうる。いくつかの例では、真空バッグは、最終的な硬化プロセスの間、例示的ストリンガアセンブリ200の周りに配置される。いくつかの例では、ストリンガ200及び外板208との最終的な共硬化は、高圧及び華氏350度までの温度で、オートクレーブ内で実行される。最終的な硬化プロセスの後、ストリンガアセンブリ200は、例えば、例示的航空機100に設置されうる。
【0033】
図5は、本明細書に記載の填隙材202のもう1つの例示的製造プロセス500を示す。
図5の例示的製造プロセス500は、自動ローラダイプロセスである。第1段階502において、例示的プロセス500は、所望の形状の填隙材202を形成するために、一連のローラ503、504を使用する。ローラ503、504が填隙材202を形成する際に、熱が加えられてもよい。図示の例では、第1段階502の点線は、填隙材202がローラによって形成される際の填隙材202の反対側を示す。ローラ503、504の断面
図505は、ストリンガ200内の間隙242の形状に対応する填隙材202の断面形状を示す。図示された例では、間隙242に対応する形状の填隙材202を形成するために、1組の上部ローラ503と2つの下部ローラ504が、各ローラセットで使用されうる。填隙材202が形成された後に、填隙材202は、第2段階506中に冷却することができる。次いで、填隙材202を第3段階508でストリンガ200の間隙242に挿入することができる。
【0034】
填隙材202がストリンガ200の間隙242に挿入された後に、補強セグメント204、206は、ストリンガアセンブリ200を形成するための最終段階510(例えば、第4段階)中に外板208に連結される。いくつかの例では、ストリンガアセンブリ200は、最終的な硬化プロセスを用いて硬化される。最終的な硬化プロセスは、例示的ストリンガアセンブリ200に圧力及び/又は熱を加えることを含むことができる。いくつかの例では、真空バッグは、最終的な硬化プロセスの間、例示的ストリンガアセンブリ200の周りに配置される。いくつかの例では、ストリンガ200及び外板208との最終的な共硬化は、高圧及び華氏350度までの温度で、オートクレーブ内で実行される。最終的な硬化プロセスの後、ストリンガアセンブリ200は、例えば、例示的航空機100に設置することができる。
【0035】
図6は、
図1から
図4の例示的填隙材202を製造する例示的方法600を表す例示的フローチャートを示す。いくつかの実施例では、ブロックを再配置若しくは除去することができ、又は追加のブロックが追加されてもよい。例示的な方法600は、炭素繊維シート(例えば、プリプレグシート)を得ることによって開始することができる(ブロック602)。チョップドファイバーフレーク304は、シートを細長片及び/又は正方形に切断することによって炭素繊維シートから作成することができる(ブロック604)。いくつかの例では、細長片は1インチ幅であり、正方形は1インチの正方形である。例示的細長片又は四角形は、次いで、成形装置(例えば、型306、押出機408のホッパー406、又はローラ504など)に挿入することができる(ブロック606)。フレーク304を型306に挿入することができる実施例では、フレーク304は、填隙材202の体積全体にわたってファイバーフレーク304のランダムな分布を生成するように配置することができる。ファイバーフレーク304は、樹脂308(例えば、エポキシ)と混合することができる(ブロック608)。いくつかの例では、ファイバーフレーク304は、成形装置に挿入される前に、樹脂308と混合される(例えば、ブロック608がブロック606の前に生じる)。図示された例示的な方法600では、ブロックの実行順序が変更されてもよく、及び/又は記載されたブロックのうちのいくつかが、特にブロック602~608が、変更、削除、又は結合されてもよい。
【0036】
ファイバーフレーク304及び樹脂308が成形装置に挿入された後に、成形装置は、熱及び圧力の組み合わせを使用して、例示的フレーク及び樹脂混合物を填隙材202に形成する(ブロック610)。例示的な填隙材202は、次いで、第1段階の硬化プロセスを使用して(例えば、熱と圧力の組み合わせを使用して)、硬化させることができる(ブロック612)。填隙材202は、硬化後に冷却させる(ブロック614)。いくつかの実施例では、填隙材202は、冷却中に成形装置内に留まることができる。このような例では、填隙材202は次に、冷却後に成形装置から除去される(ブロック616)。ブロック614での冷却中に、填隙材202が成形装置内に残らない場合、填隙材202は、冷却前に除去されうる。
【0037】
填隙材202が硬化され冷却された後に、例示的填隙材202がストリンガ200の間隙242に挿入される(ブロック618)。填隙材202及びストリンガ200は、外板208(例えば、胴体の外板、翼の外板)によって覆われ、ストリンガアセンブリ200が形成される(ブロック620)。例示的外板208は、例示的填隙材202と類似の材料を含む炭素繊維複合材外板でありうる。例示的ストリンガアセンブリ200は、真空バッグ及び/又はオートクレーブ内に配置することができ(ブロック622)、熱及び圧力を含む最終段階のプロセスを用いて硬化させることができる(ブロック624)。ブロック622は、例示的方法600から削除することができる。例示的ストリンガアセンブリ200は、その後、航空機100に設置することができる(ブロック626)。代替的には、例示的な方法600は、ブロック624で終了する。
【0038】
本明細書に記載の例示的填隙材202は、ストリンガ200との容易な組み立てのために、構築時間を短縮し、填隙材202を適切な形状に予め成形することができる迅速成形又は押出プロセスを用いて製造することができる。したがって、補強セグメント204、206の填隙材202及び外板208との共硬化がより効率的である。例示的填隙材及び例示的填隙材の製造プロセスは、必要な最終硬化が1つだけであり、例示的填隙材がより大きな耐熱性を有するので、(典型的な共硬化サイクル時間(typical co-bon curing cycle time)と比較して)サイクル時間を短縮することができる。加えて、例示的填隙材は、補強セグメントと外板208との間の界面品質を改善し、追加の処理及び設置コストを削減する。填隙材の材料が補強セグメントの材料と類似しており、したがって、填隙材及び補強セグメントが加熱及び冷却と同じように反応するので、界面品質を改善することができる。複合ストリンガに関連するメンテナンスのための工場内修理関連のダウンタイムは、ストリンガの強固な耐熱性、品質、及び信頼性のために削減される。
【0039】
例示的な填隙材202は、ミクロン粒子又はナノ粒子又はフレークを有するチョップドファイバー又はマイクロファイバーを使用して作成される。繊維は、最小限の熱膨張率、妥当な靱性、及び類似の又はより柔らかい弾性率(補強セグメント204、206と比較して)を有する熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、又は発泡複合材を補強する。填隙材202は、半径又は曲率変化交点で補強セグメント204、206と外板208との間の間隙を充填するために使用される。
【0040】
填隙材は、迅速な組み立てのために填隙材202を指定された形状に迅速に事前成形するために、自動プロセスを用いて形成することができるので、本明細書に記載の例示的填隙材202により、ツーリング及び処理の開発コストが削減される。最終的な硬化は、アセンブリを硬化させるために既存のオートクレーブプロセスを使用するため、追加の及び/又は高価なツーリング及び複雑なプロセス開発が不要になる。更に、填隙材の設計された熱機械的特性による改良された耐熱性は、界面の破壊によって生じる熱歪み及び/又は応力を最小限に抑え、熱的亀裂の影響を受けやすく、より大きな拘束ファスナを必要とする様々なラミネート又は単一ニードルの開発に関連する広範な工学コストを削減する。複合補強セグメント及び外板のための本明細書に記載された填隙材202は、界面の完全性を高め、必要とする界面構造からの統合支持が少なくなる。例示的填隙材はまた、軽量化及び燃料性能向上のために、シヤタイのような効率的な界面構造の開発を可能にする。
【0041】
また、例示的填隙材により、填隙材を形成するために使用されうる自動プロセスのために製造及び労働時間が低減される。耐熱性が高い部品は、填隙材の製造時間を短縮するために使用されうる。耐熱性及び填隙材の界面品質が高まるので、表面処理もまた減らすことができる。ラミネート填隙材のトリミング、軟化、又は追加的損傷阻止ファスナ及び半径補強の必要がなくなり、更に製造時間及びコストが削減される。
【0042】
上記より、例えば、航空機内のストリンガの強度を高め、その一方で製造時間及びコストを削減する例示的方法、装置及び製品が開示されたことが理解されるだろう。本明細書に記載の例示的装置は、熱膨張及び収縮に起因したストリンガ及び/又は外板の亀裂を防止するために、複合ストリンガ及び外板と共に使用されてもよい。
【0043】
図7は、
図2の例示的ストリンガ200の第1の例示的補強セグメント204の例示的第2の部分214の第1の例示的な構成700を示す。
図2の例示的ストリンガ200の第2の例示的補強セグメント206の例示的な第2の部分216はまた、本明細書に記載の第1の構成700の相補的バージョンを介して実施されてもよい。
図7に示される第1の構成700では、ストリンガ200の補強セグメント204の第2の部分214は、例示的第1の表面702、例示的第2の表面704、
図2の例示的エッジ230、及び
図2の例示的面取り部226を含む。第2の表面704は、第1の表面702の反対側に位置し、
図2に関連して上述した例示的外板208などの航空機の複合構造体に連結される。エッジ230は、第2の表面704から第1の表面702に向かって延びる。補強セグメント204の第2の部分214は、エッジ230に沿って少なくとも0.10インチの例示的な厚さ706を有する。面取り部226は、第1の表面702からエッジ230まで、第1の表面702に対して12度から18度の間の例示的な角度708で延びる。いくつかの例では、角度708は、およそ15度である。
【0044】
図7の図示された例では、補強セグメント204の第2の部分214の第2の表面704は、補強セグメント204の第2の部分214の第1の表面702と平行である。他の例では、第1の表面702は、第2の表面704が第1の表面702と平行にならないように、
図7に示されるものとは異なる角度で第2の表面704に対して位置決め及び/又は形成されうる。
図7の図示の例では、補強セグメント204の第2の部分214のエッジ230は、補強セグメント204の第2の部分214の第2の表面704に対して垂直である。他の例では、エッジ230は、エッジ230が第2の表面704に対して垂直にならないように、
図7に示されるものとは異なる角度で第2の表面704に対して位置決め及び/又は形成されうる。
【0045】
図7に示される第1の構成700では、ストリンガ200の補強セグメント204の第2の部分214は、第1の表面702と第2の表面704との間に位置する複数の例示的なプライ710を含む及び/又はそれから形成される。8つのそのようなプライ710が、
図7の例示的実施例に示される。他の例では、プライ710の数は、8つよりも多くても少なくてもよい(例えば、6つ、10、12、16など)。例えば、プライ710の数は、ストリンガ200の補強セグメント204の第2の部分214の所望の厚さに対するプライ710のそれぞれの厚さに基づいて決定されてもよい。
図8に関連して以下に更に説明されるように、
図7のプライ710のそれぞれは、例示的なスタガ型の(staggered)プライ端712を提供するように配置される。
【0046】
図7に図示された例では、プライ710は、第1の例示的プライ714、第2の例示的プライ716、第3の例示的プライ718、第4の例示的プライ720、第5の例示的プライ722、第6の例示的プライ724、第7の例示的プライ726、及び第8の実施例プライ728を含む。第1のプライ714は、補強セグメント204の第2の部分214の第1の表面702を形成する。第1のプライ714はまた、補強セグメント204の第2の部分214の面取り部226を形成する。第8のプライ728は、補強セグメント204の第2の部分214の第2の表面704を形成する。第7のプライ726及び第8のプライ728は、補強セグメント204の第2部分214のエッジ230を形成する。
【0047】
上述のように、
図7の補強セグメント204の第2の部分214の第2の表面704は、航空機の複合構造(例えば、
図2の外板208)に連結される。そのような連結(例えば、結合、硬化などによる)の完了により、
図7の補強セグメント204の第2の部分214の角度708、厚さ706、及びスタガ型のプライ端712は、複合構造体に対して補強セグメント204の増加した引き抜き荷重を提供することができ、更に、角度708、厚さ706、及びスタガ型の端712は、複合構造体に対して補強材セグメント204の減少した剥離モーメントを提供することができる。例えば、ASTM規格D4541に従って行われた剥離試験は、面取り部226の角度708をおよそ15度に構成することにより、代替的に面取り部226の角度708をおよそ45度又はおよそ90度(例えば、四角い角)に構成することに関連した、補強セグメント204のそれぞれの引き抜き荷重に対する補強セグメント204の引き抜き荷重を増大させることを証明する。面取り部226の角度708をおよそ15度に構成することによりまた、代替的に面取り部226の角度708をおよそ45度又はおよそ90度に構成することに関連した、それぞれの横方向の引張強度に対するストリンガ対複合構造体の横方向の引張強度を増大させる。
【0048】
図8は、
図7の例示的な補強セグメント204の例示的な第2の部分214の第1の例示的な構成700に関連する例示的な製造工程800を示す。
図8の製造プロセス800の例示的な第1の段階802の間、面取り部226の角度708はまだ形成されておらず、補強セグメント204はまだ硬化されていない。第1の段階802では、補強セグメント204の第2の部分214のプライ710のそれぞれは、互いに平行である。
図8の第1の段階802の図示された例に示されるように、プライ710のそれぞれは、例示的なプライの厚さ804を有する。
図8の例示的実施例では、1つ又は複数のプライ710は、1つ又は複数の連続的に積層されたプライ710に対して、例示的なずれた距離(stagger distance)806だけ横方向にずらして配置される。
【0049】
例えば、
図8に示すように、第1のプライ714、第7のプライ726、及び第8のプライ728は、概して、同じ横方向の範囲を有する。第2のプライ716は、第1のプライ714に対して横方向にずらして配置され、第3のプライ718は、第2のプライ716に対して横方向にずらして配置され、第4のプライ720は、第3のプライ718に対して横方向にずらして配置され、第5のプライ722は、第4のプライ720に対して横方向にずらして配置され、第6のプライ724は、第5のプライ722に対して横方向にずらして配置され、第7のプライ726は、第6のプライ724に対して横方向にずらして配置される。
図8に更に示すように、第2のプライ716の横方向の範囲は第1のプライ714の横方向の範囲よりも小さく、第3のプライ718の横方向の範囲は第2のプライ716の横方向の範囲よりも小さく、第4プライ720の横方向範囲は第3のプライ718の横方向範囲よりも大きく、第5のプライ722の横方向範囲は第4プライ720の横方向範囲よりも大きく、第6のプライ724の横方向範囲は第5のプライ722の横方向範囲よりも大きく、第7のプライ726の横方向範囲は、第6のプライ724の横方向範囲よりも大きく、かつ第8のプライ728の横方向範囲と実質的に等しい。
【0050】
図8の製造プロセス800の例示的な第2の段階808の間に、面取り部226の角度708が形成され、続いて補強セグメント204が硬化される。いくつかの例では、補強セグメント204は、面取り部226の角度708が形成された後で、かつ補強セグメント204の第2の表面704が航空機の複合構造体に連結される前に、
図8の第2の段階808で硬化される。他の例では、補強セグメント204の第2の表面704は、面取り部226の角度708が形成された後に、
図8の第2の段階808で航空機の複合構造体に連結され、次いで補強セグメント204は、
図8の第2の段階808で複合構造体と共硬化される。いくつかの例では、
図8の製造プロセス800は、有利には、
図2の例示的ストリンガ200などのストリンガを製造する過程でそうでなければ必要とされうる後硬化トリミング工程及び/又はエッジ密閉工程を除去する。
【0051】
図9は、
図2の例示的ストリンガ200の第1の例示的補強セグメント204の例示的な第2の部分214の第2の例示的構成900を示す。
図2の例示的ストリンガ200の第2の例示的補強セグメント206の例示的な第2の部分216はまた、本明細書に記載の第2の構成900の相補的バージョンを介して実施されてもよい。
図9に示される第2の構成900では、ストリンガ200の補強セグメント204の第2の部分214は、例示的第1の表面902、例示的第2の表面904、
図2の例示的エッジ230、及び
図2の例示的面取り部226を含む。第2の表面904は、第1の表面902の反対側に位置し、
図2に関連して上述した例示的外板208などの航空機の複合構造体に連結される。エッジ230は、第2の表面904から第1の表面902に向かって延びる。補強セグメント204の第2の部分214は、エッジ230に沿って少なくとも0.10インチの例示的な厚さ906を有する。面取り部226は、第1の表面902からエッジ230まで、第1の表面902に対して12度から18度の間の例示的な角度908で延びる。いくつかの例では、角度908は、およそ15度である。
【0052】
図9の図示された例では、補強セグメント204の第2の部分214の第2の表面904は、補強セグメント204の第2の部分214の第1の表面902と平行である。他の例では、第1の表面902は、第2の表面904が第1の表面902と平行にならないように、
図9に示されるものとは異なる角度で第2の表面904に対して位置決め及び/又は形成されうる。
図9の図示の例では、補強セグメント204の第2の部分214のエッジ230は、補強セグメント204の第2の部分214の第2の表面904に対して垂直である。他の例では、エッジ230は、エッジ230が第2の表面904に対して垂直にならないように、
図9に示されるものとは異なる角度で第2の表面904に対して位置決め及び/又は形成されうる。
【0053】
図9に示される第2の構成900では、ストリンガ200の補強セグメント204の第2の部分214は、第1の表面902と第2の表面904との間に位置する複数の例示的なプライ910を含む及び/又はそれから形成される。8つのそのようなプライ910が、
図9の例示的実施例に示される。他の例では、プライ910の数は、8つよりも多くても少なくてもよい(例えば、6つ、10、12、16など)。例えば、プライ910の数は、ストリンガ200の補強セグメント204の第2の部分214の所望の厚さに対するプライ910のそれぞれの厚さに基づいて決定されてもよい。例えば、プライ910の数は、ストリンガ200の補強セグメント204の第2の部分214の所望の厚さに対するプライ910のそれぞれの厚さに基づいて決定されてもよい。
【0054】
図9に図示された例では、プライ910は、第1の例示的プライ914、第2の例示的プライ916、第3の例示的プライ918、第4の例示的プライ920、第5の例示的プライ922、第6の例示的プライ924、第7の例示的プライ926、及び第8の実施例プライ928を含む。第1のプライ914は、補強セグメント204の第2の部分214の第1の表面902を形成する。第1のプライ914はまた、補強セグメント204の第2の部分214の面取り部226を形成する。第8のプライ928は、補強セグメント204の第2の部分214の第2の表面904を形成する。第7のプライ926及び第8のプライ928は、補強セグメント204の第2部分214のエッジ230を形成する。
【0055】
上述のように、
図9の補強セグメント204の第2の部分214の第2の表面904は、航空機の複合構造(例えば、
図2の外板208)に連結される。そのような連結(例えば、結合、硬化などによる)の完了により、
図9の補強セグメント204の第2の部分214の角度908、厚さ906、及びスタガ型のプライ端912は、複合構造体に対して補強セグメント204の増加した引き抜き荷重を提供することができ、更に、角度908、厚さ906、及びスタガ型の端912は、複合構造体に対して補強材セグメント204の減少した剥離モーメントを提供することができる。例えば、ASTM規格D4541に従って行われた剥離試験は、面取り部226の角度908をおよそ15度に構成することにより、代替的に面取り部226の角度908をおよそ45度又はおよそ90度(例えば、四角い角)に構成することに関連した、補強セグメント204のそれぞれの引き抜き荷重に対する補強セグメント204の引き抜き荷重を増大させることを証明する。面取り部226の角度908をおよそ15度に構成することによりまた、代替的に面取り部226の角度908をおよそ45度又はおよそ90度に構成することに関連した、それぞれの横方向の引張強度に対するストリンガ対複合構造体の横方向の引張強度を増大させる。
【0056】
図10は、
図9の例示的な補強セグメント204の例示的な第2の部分214の第2の例示的な構成900に関連する例示的な製造工程1000を示す。
図10の製造プロセス1000の例示的な第1の段階1002の間、面取り部226の角度908はまだ形成されておらず、補強セグメント204はまだ硬化されていない。第1の段階1002では、補強セグメント204の第2の部分214のプライ910のそれぞれは、互いに平行である。
図10の第1の段階1002の図示された例に示されるように、プライ910のそれぞれは、例示的なプライの厚さ1004を有する。
図10の例示的実施例では、1つ又は複数のプライ910は、1つ又は複数の連続的に積層されたプライ910に対して、例示的なずれた距離(stagger distance)1006だけ横方向にずらして配置される。
【0057】
例えば、
図10に示すように、第1のプライ914、第7のプライ926、及び第8のプライ928は、概して、同じ横方向の範囲を有する。第2のプライ916は、第1のプライ914に対して横方向にずらして配置され、第3のプライ918は、第2のプライ916に対して横方向にずらして配置され、第4のプライ920は、第3のプライ918に対して横方向にずらして配置され、第5のプライ922は、第4のプライ920に対して横方向にずらして配置され、第6のプライ924は、第5のプライ922に対して横方向にずらして配置され、第7のプライ926は、第6のプライ924に対して横方向にずらして配置される。
図10に更に示すように、第2のプライ916の横方向の範囲は第1のプライ914の横方向の範囲よりも小さく、第3のプライ918の横方向の範囲は第2のプライ916の横方向の範囲よりも小さく、第4プライ920の横方向範囲は第3のプライ918の横方向範囲よりも小さく、第5のプライ922の横方向範囲は第4プライ920の横方向範囲よりも小さく、第6のプライ924の横方向範囲は第5のプライ922の横方向範囲よりも小さく、第7のプライ926の横方向範囲は、第6のプライ924の横方向範囲よりも大きく、かつ第8のプライ928の横方向範囲と実質的に等しい。
【0058】
図10の製造プロセス1000の例示的な第2の段階1008の間に、面取り部226の角度908が形成され、続いて補強セグメント204が硬化される。いくつかの例では、補強セグメント204は、面取り部226の角度908が形成された後で、かつ補強セグメント204の第2の表面904が航空機の複合構造体に連結される前に、
図10の第2の段階1008で硬化される。他の例では、補強セグメント204の第2の表面904は、面取り部226の角度908が形成された後に、
図10の第2の段階1008で航空機の複合構造体に連結され、次いで補強セグメント204は、
図10の第2の段階1008で複合構造体と共硬化される。いくつかの例では、
図10の製造プロセス1000は、有利には、
図2の例示的ストリンガ200などのストリンガを製造する過程でそうでなければ必要とされうる後硬化トリミング工程及び/又はエッジ密閉工程を除去する。
【0059】
以上のことから、開示されたストリンガ補強複合パネルが多数の性能上の利点を提供することが理解されよう。例えば、開示されたストリンガ補強複合パネルにより、上記面取り角及びエッジの高さのパラメータを欠くストリンガ、並びに/又は上記スタガ型のプライ端を有するストリンガ補強複合パネルに対する、引き抜き荷重の増加、剥離モーメントの低減、及びストリンガ対複合構造体の横方向の引張強度の増加がもたらされる。
【0060】
いくつかの例では、ストリンガが開示される。いくつかの開示された例では、ストリンガは、第1の表面、第2の表面、エッジ、及び面取り部を含む。いくつかの開示された例では、第2の表面は、第1の表面の反対側に位置し、航空機の複合構造体に連結される。いくつかの開示された例では、エッジは、第2の表面から第1の表面に向かって延びる。いくつかの開示された例では、面取り部は、第1の表面からエッジまで、第1の表面に対して12度から18度の間の角度で延びる。
【0061】
いくつかの開示された例では、角度はおよそ15度である。いくつかの開示された例では、第2の表面は第1の表面に平行であり、エッジは第2の表面に垂直である。いくつかの開示された例では、ストリンガはエッジに沿って少なくとも0.10インチの厚さを有する。いくつかの開示された例では、ストリンガは、第1の表面と第2の表面との間に位置する複数のプライを更に含む。いくつかの開示された例では、それぞれのプライは、スタガ型のプライ端を提供するように配置される。
【0062】
いくつかの開示された例では、ストリンガは、補強セグメントを更に含む。いくつかの開示された例では、補強セグメントは、第1の表面、第2の表面、エッジ、及び面取り部を含む。いくつかの開示された例では、第2の表面は第1の表面に平行であり、エッジは第2の表面に垂直であり、補強セグメントはエッジに沿って少なくとも0.10インチの厚さを有し、補強セグメントはスタガ型のプライ端を有する。
【0063】
いくつかの例では、装置が開示される。いくつかの開示された例では、装置は、航空機の複合構造体と、複合構造体に連結されたストリンガとを含む。いくつかの開示された例では、ストリンガは、第1の表面、第2の表面、エッジ、及び面取り部を含む。いくつかの開示された例では、第2の表面は、第1の表面の反対側に位置し、かつ複合構造体に連結される。いくつかの開示された例では、エッジは、第2の表面から第1の表面に向かって延びる。いくつかの開示された例では、面取り部は、第1の表面からエッジまで、第1の表面に対して12度から18度の間の角度で延びる。
【0064】
いくつかの開示された例では、角度はおよそ15度である。いくつかの開示された例では、第2の表面は第1の表面に平行であり、エッジは第2の表面に垂直である。いくつかの開示された例では、ストリンガはエッジに沿って少なくとも0.10インチの厚さを有する。いくつかの開示された例では、ストリンガは、第1の表面と第2の表面との間に位置する複数のプライを更に含む。いくつかの開示された例では、それぞれのプライは、スタガ型のプライ端を提供するように配置される。
【0065】
いくつかの開示された例では、ストリンガは、補強セグメントを更に含む。いくつかの開示された例では、補強セグメントは、第1の表面、第2の表面、エッジ、及び面取り部を含む。いくつかの開示された例では、第2の表面は第1の表面に平行であり、エッジは第2の表面に垂直であり、補強セグメントはエッジに沿って少なくとも0.10インチの厚さを有し、補強セグメントはスタガ型のプライ端を有する。いくつかの開示された例では、角度、厚さ、及びスタガ型のプライ端が、複合構造体に対する補強セグメントの引き抜き荷重を増大させるように構成される。いくつかの開示された例では、角度、厚さ、及びスタガ型のプライ端が、複合構造体に対する補強セグメントの剥離モーメントを低減するように構成される。
【0066】
いくつかの例では、方法が開示される。いくつかの開示された例では、方法は、ストリンガを航空機の複合構造体に連結することを含む。方法のいくつかの開示された例では、ストリンガは、第1の表面、第2の表面、エッジ、及び面取り部を含む。いくつかの開示された例では、第2の表面は、第1の表面の反対側に位置し、かつ複合構造体に連結される。いくつかの開示された例では、エッジは、第2の表面から第1の表面に向かって延びる。いくつかの開示された例では、面取り部は、第1の表面からエッジまで、第1の表面に対して12度から18度の間の角度で延びる。
【0067】
いくつかの開示された例では、方法は、面取りを形成することを更に含む。いくつかの開示された例では、方法は、面取りが形成された後で、かつストリンガが複合構造体に連結される前に、ストリンガを硬化させることを更に含む。他の開示された例では、方法は、面取りが形成された後で、かつストリンガが複合構造体に連結された後に、ストリンガ及び複合構造体を共硬化させることを更に含む。
【0068】
方法のいくつかの開示された例では、ストリンガはエッジに沿って少なくとも0.10インチの厚さを有し、ストリンガは第1の表面と第2の表面との間に位置する複数のプライを更に含む。いくつかの開示された例では、それぞれのプライは、スタガ型のプライ端を提供するように配置される。
【0069】
更に、本開示は、以下の条項による実施例を含む。
条項1. 第1の表面と;第1の表面の反対側に位置し、かつ航空機の複合構造体に連結される第2の表面と;第2の表面から第1の表面に向かって延びるエッジと;第1の表面からエッジまで、第1の表面に対して12度から18度の間の角度で延びる面取り部とを含むストリンガ。
条項2. 角度がおよそ15度である、条項1に記載のストリンガ。
条項3. 第2の表面が第1の表面に平行であり、エッジが第2の表面に垂直である、条項1又は2に記載のストリンガ。
条項4. ストリンガが、エッジに沿って少なくとも0.10インチの厚さを有する、条項1から3のいずれか一項に記載のストリンガ。
条項5. 第1の表面と第2の表面との間に位置する複数のプライを更に含み、プライのそれぞれが、スタガ型のプライ端を提供するように配置される、条項1から4のいずれか一項に記載のストリンガ。
条項6. 第1の表面、第2の表面、エッジ、及び面取り部を含む補強セグメントを更に含む、条項1から5のいずれか一項に記載のストリンガ。
条項7. 第2の表面が第1の表面に平行であり、エッジが第2の表面に垂直であり、補強セグメントが、エッジに沿って少なくとも0.10インチの厚さを有し、補強セグメントがスタガ型のプライ端を有する、条項6に記載のストリンガ。
条項8. 航空機の複合構造体と、複合構造体に連結されたストリンガとを含み、ストリンガが:第1の表面と;第1の表面の反対側に位置し、かつ複合構造体に連結された第2の表面と;第2の表面から第1の表面に向かって延びるエッジと;第1の表面からエッジまで、第1の表面に対して12度から18度の間の角度で延びる面取り部と
を含む、装置。
条項9. 角度がおよそ15度である、条項8に記載の装置。
条項10. 第2の表面が第1の表面に平行であり、エッジが第2の表面に垂直である、条項8又は9に記載の装置。
条項11. ストリンガが、エッジに沿って少なくとも0.10インチの厚さを有する、条項8から10のいずれか一項に記載の装置。
条項12. ストリンガが、第1の表面と第2の表面との間に位置する複数のプライを更に含む、プライのそれぞれが、スタガ型のプライ端を提供するように配置される、条項8に記載の装置。
条項13. ストリンガが、第1の表面、第2の表面、エッジ、及び面取り部を含む補強セグメントを更に含む、条項8から12のいずれか一項に記載の装置。
条項14. 第2の表面が第1の表面に平行であり、エッジが第2の表面に垂直であり、補強セグメントが、エッジに沿って少なくとも0.10インチの厚さを有し、補強セグメントがスタガ型のプライ端を有する、条項13に記載の装置。
条項15. 角度、厚さ、及びスタガ型のプライ端が、複合構造体に対する補強セグメントの引き抜き荷重を増大させるように構成される、条項14に記載の装置。
条項16. 角度、厚さ、及びスタガ型のプライ端が、複合構造体に対する補強セグメントの剥離モーメントを低減するように構成される、条項14又は15に記載の装置。
条項17. ストリンガを航空機の複合構造体に連結する方法であって、ストリンガが、第1の表面と;第1の表面の反対側に位置し、かつ航空機の複合構造体に連結される第2の表面と;第2の表面から第1の表面に向かって延びるエッジと;第1の表面からエッジまで、第1の表面に対して12度から18度の間の角度で延びる面取り部とを含む、方法。
条項18. 面取り部を形成することと;面取り部が形成された後で、かつストリンガが複合構造体に連結される前に、ストリンガを硬化させることとを含む、条項17に記載の方法。
条項19. 面取り部を形成することと;面取り部が形成された後で、かつストリンガが複合構造体に連結された後に、ストリンガ及び複合構造体を共硬化させることとを含む、条項17又は18に記載の方法。
条項20. ストリンガが、エッジに沿って少なくとも0.10インチの厚さを有し、ストリンガが、第1の表面と第2の表面との間に位置する複数のプライを更に含み、プライのそれぞれが、スタガ型のプライ端を提供するように配置される、条項17から19のいずれか一項に記載の方法。
【0070】
本明細書では特定の例示的な方法、装置、及び製品が開示されるが、本特許出願の範囲はこれらに限定されるものではない。反対に、本特許出願は、本特許出願の特許請求の範囲内に公正に当てはまるすべての方法、装置、及び製品を包含する。