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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】宿泊施設支払システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240318BHJP
   G06Q 30/04 20120101ALI20240318BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q30/04
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019177985
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021056675
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000222624
【氏名又は名称】株式会社アルメックス
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【弁理士】
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】野邊 正利
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3223033(JP,U)
【文献】特開2000-011052(JP,A)
【文献】特開2007-219820(JP,A)
【文献】特開2018-195008(JP,A)
【文献】特開2018-190308(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106600015(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107944582(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107229985(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103366462(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106127620(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106022499(CN,A)
【文献】特開2017-107564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用客が所持する携帯端末と通信可能な管理装置と、客室内に設置されている客室端末を含んで構成される宿泊施設支払システムであって、
客室端末は、当該客室端末が設置されている客室を示す客室識別情報を少なくとも含んだコード情報を表示可能とし、
携帯端末は、コード情報が読み取られた場合、読み取られたコード情報に含まれる客室識別情報を少なくとも含んだ利用情報を管理装置に送信し、
管理装置は、受信した利用情報に含まれる客室識別情報に対応する客室について、当該客室の利用料金を支払う支払処理を、携帯端末で実行させるとともに、携帯端末から利用情報を受信した後、当該携帯端末で支払処理が完了するまでの期間、支払処理が実行可能な状態を維持し、支払処理を終えたことを条件として、客室の電気錠を解錠させ、
支払処理は、支払確認画面を携帯端末に表示させ、
支払確認画面は、利用料金、及び、支払ボタンを含んで構成され、
支払ボタンが操作された場合、利用料金に変更がなければ支払を確定させ、利用料金に変更があれば、変更後の利用料金に変更した支払確認画面を表示させる
宿泊施設支払システム。
【請求項2】
管理装置は、携帯端末から送信された利用情報に基づき、会員登録されている利用客に対して、ポイントの付与、もしくは、ポイントの利用を行わせるポイント関連処理を携帯端末で実行させるとともに、携帯端末から利用情報を受信した後、当該携帯端末で支払処理が完了するまでの期間、ポイント関連処理が実行可能な状態を維持する
請求項に記載の宿泊施設支払システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホテル等の宿泊施設の利用に際し、ユーザー(利用客)が所持する携帯端末でポイントに関する処理、及び、客室料金の支払い処理を可能とさせる宿泊施設支払システムに関する。
【背景技術】
【0002】
宿泊施設では、利用客を1泊以上、宿泊させる営業形態に加え、時間貸しを行う営業形態も行われている。このような営業形態の宿泊施設では、フロントでの受付、利用料金の支払い以外に、客室内で利用料金を支払う場合がある。
【0003】
特許文献1には、客室内に設置された精算機を利用して利用料金を支払うことで、客室に設けられた電気錠が解錠される宿泊施設が開示されている。利用客が客室に入室した後、電気錠は施錠され、精算機を使用して利用料金の支払いを完了することで、電気錠が解錠される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-26404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、客室内で利用料金の支払いを可能とする宿泊施設では、客室内に精算機を設置する必要があるため、精算機の設置コスト、並びに管理コストが生じることになる。特に、客室数の多い宿泊施設では、各客室に精算機を設置する必要があるため、設置コスト、管理コストは大幅に増額することになる。
【0006】
現在、スマートホン等の携帯端末が個人によって所有されることが一般的でとなっている。携帯端末は、インターネットに通信接続され、各種情報の閲覧に加え、インターネットショッピング等での決済も行うことが可能となっている。
【0007】
本発明は、上述するような宿泊施設において、個人(利用客)が所持する携帯端末を利用して、宿泊料金の支払いを行う宿泊施設支払システムを提案することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのため、第の構成に係る宿泊施設支払システムは、
利用客が所持する携帯端末と通信可能な管理装置と、客室内に設置されている客室端末を含んで構成される宿泊施設支払システムであって、
客室端末は、当該客室端末が設置されている客室を示す客室識別情報を少なくとも含んだコード情報を表示可能とし、
携帯端末は、コード情報が読み取られた場合、読み取られたコード情報に含まれる客室識別情報を少なくとも含んだ利用情報を管理装置に送信し、
管理装置は、受信した利用情報に含まれる客室識別情報に対応する客室について、当該客室の利用料金を支払う支払処理を、携帯端末で実行させるとともに、携帯端末から利用情報を受信した後、当該携帯端末で支払処理が完了するまでの期間、支払処理が実行可能な状態を維持し、支払処理を終えたことを条件として、客室の電気錠を解錠し、
携帯端末から利用情報を受信した後、当該携帯端末で支払処理が実行されるまでの期間、支払処理を開始するための操作部を当該携帯端末で使用可能な状態で表示させる
【0009】
さらに、第2の構成に係る宿泊施設支払システムにおいて、
管理装置は、携帯端末から送信された利用情報に基づき、会員登録されている利用客に対して、ポイントの付与、もしくは、ポイントの利用を行わせるポイント関連処理を携帯端末で実行させるとともに、携帯端末から利用情報を受信した後、当該携帯端末で支払処理が完了するまでの期間、ポイント関連処理が実行可能な状態を維持する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る宿泊施設支払システムによれば、ユーザー(利用客)が所持する携帯端末で、宿泊に伴って付与されるポイントに関する客室料金の支払処理を、客室内で行うことが可能となる。その際、携帯端末で一度、コード情報を読み取ることで、帯端末で支払処理が完了するまでの期間、支払処理が実行可能な状態が維持されるため、ユーザーの使い勝手の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る客室内の構成を示す図
図2】本実施形態に係る宿泊施設用システムの構成を示す図
図3】本実施形態に係る管理コンピューターの構成を示す図
図4】本実施形態に係る精算機の構成を示す図
図5】本実施形態に係る携帯端末の構成を示す図
図6】本実施形態に係るテレビ画面(トップメニュー画面)を示す図
図7】本実施形態に係るテレビ画面(料金確認画面)を示す図
図8】本実施形態に係るテレビ画面(コード表示画面)を示す図
図9】本実施形態に係るコード読み取り処理を示すフロー図
図10】本実施形態に係るコード情報の形成工程を説明する図
図11】本実施形態に係るタッチパネル画面(支払トップ画面)を示す図
図12】本実施形態に係るタッチパネル画面(ログイン画面)を示す図
図13】本実施形態に係るタッチパネル画面(ポイント関連画面)を示す図
図14】本実施形態に係るタッチパネル画面(支払確認画面)を示す図
図15】本実施形態に係るタッチパネル画面(完了画面)を示す図
図16】本実施形態に係るタッチパネル画面(トップ画面)を示す図
図17】他の実施形態に係るテレビ画面(トップメニュー画面)を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態に係る客室内の構成を示す図である。本実施形態の客室内には、客室内で客室料金の支払いが可能なように客室内に精算機3が設置されている。また、客室Aの出入口Bには、電気錠42が設けられている。この電気錠42は、遠隔操作により施錠状態、開錠可能状態に変更することが可能であり、後で説明する管理コンピューター5によって制御される。なお、精算機3は、このように各客室A内に配置することに代え、ホテルのフロントなどに配置することとしてもよい。顧客は退出する際、ホテルのフロントの精算機3にて、ホテルの業務員を介して、あるいは、自己の操作(セルフ)によって精算処理を行うこととなる。
【0014】
図2は、本発明の実施形態に係る宿泊施設用システムの構成を示す図である。図1で説明したように、各客室A内には精算機3、客室Aの出入口Bを施錠可能な電気錠42、セットトップボックス7、テレビ71が設置されている。また、電気錠42の施錠、解錠を管理する管理機41が設けられている。この管理機41は、LAN60(ネットワーク)に接続され、電気錠42、及び、客室A内の照明装置等、各種機器の遠隔操作を可能としている。
【0015】
セットトップボックス7(本発明における「客室端末」)は、テレビ71に接続され、ユーザーに対して各種情報を提供することが可能である。このセットトップボックス7は、管理コンピューター5、あるいは、インターネット上の各種サーバと通信することで、ユーザーが所望する映画等を再生可能なVOD(ビデオオンデマンド)、客室に飲食物を提供するルームオーダー等、各種サービスを実行することが可能である。
【0016】
なお、図2では、2つの客室A-1、A-2について示しているが、本宿泊施設用システムは、さらに複数の客室Aについても管理することが可能である。ネットワークを構成するLAN60には、各客室Aの精算機3、セットトップボックス7、管理機41、アクセスポイント61が接続されている。この他、LAN60には、管理コンピューター5、ルータ62が接続されている。
【0017】
アクセスポイント61は、無線LAN規格に従った無線通信を実行可能とする装置であり、本実施形態では、各客室Aに配置されている。客室Aでは、ユーザー(利用客)が所持するスマートホン等の携帯端末8が持ち込まれることが想定される。携帯端末8は、ユーザーが契約している携帯通信網を介して通信することも可能であるが、客室A内に設置されたアクセスポイント61を介してインターネットに接続させる通信サービスを利用することも可能となっている。
【0018】
ルータ62はインターネットに接続され、外部サーバ装置と各種情報の送受信を可能としている。LAN60に無線接続された携帯端末8では、インターネットを介した通信、そして、LAN60に設けられている管理コンピューター5と通信することが可能である。
【0019】
管理コンピューター5(本発明における「管理装置」)は、客室に関する各種処理、例えば、利用料金の管理等を行うことが可能である。管理コンピューター5は、通常、ホテルのフロント等、管理者が在所する場所に設置され、各客室の各種管理に使用される。なお、管理コンピューター5は、本実施形態のように宿泊施設内に設置することのみならず、インターネット上のサーバとして構成することも可能である。
【0020】
図3は本発明の実施形態に係る管理コンピューター5の構成を示す図である。管理コンピューター5は、ホテルのフロントなどに設置され、管理者が使用可能な装置である。この管理コンピューター5は、通常のパーソナルコンピュータにて構成することが可能である。管理コンピューター5は、制御部として、CPU51a、ROM51b、RAM51c、画像処理部51d、音声処理部51eを有する。画像処理部51dは、CPU51aで処理したデータを表示装置に表示出力する。また、音声処理部51eは、CPU51aで処理したデータをスピーカに音声出力する。
【0021】
また、管理コンピューター5は、記憶手段としてHDD52(ハードディスク)を有している。記憶手段としてはHDD52以外に、SSD(Solid State Drive)など各種形態を採用することが可能である。HDD52は、管理コンピューター5の各種処理を実行するために必要なプログラムやデータを記憶する。
【0022】
通信部53は、管理コンピューター5をLAN60に有線接続することで、管理コンピューター5をネットワークに参加可能としている。管理コンピューター5は、通信部53を介して、各客室Aに設置された管理機41、精算機3、そして、アクセスポイント61を介して通信接続された携帯端末8と通信することが可能である。なお、携帯端末8は、携帯端末網、及び、インターネットを介して管理コンピューター5と通信することも可能である。
【0023】
インターフェイス54には、キーボードやマウスなどの入力手段が接続可能となっている。管理者はこの入力手段を介して、管理コンピューター5を操作可能としている。
【0024】
図4は、本発明の実施形態に係る精算機3の構成を示す図である。精算機3は、各客室A内に設置され、顧客による客室料金の支払いを可能としている。客室料金の支払い形態は、各ホテルによって異なるが、前払い方式と後払い方式に分けられる。前払い方式は、基本客室料をホテルのフロント、あるいは精算機3などで入室時など事前に支払い、客室退去時に、精算機3にて滞在中に使用したサービスや、飲食物などの差額の精算を行う方式である。後払い方式は、客室退去時に、基本客室料とサービス、飲食物などをまとめて精算する方式である。何れの方式においても、顧客は、客室退去時に精算機3による精算(チェックアウト)を行うこととなる。なお、前述したように精算機3は、ホテルのフロント等に配置して各客室Aの顧客が共用する形態としてもよい。
【0025】
この精算機3は、制御部としてのCPU31a、ROM31b、RAM31c、画像処理部31d、音声処理部31eを備えて構成される。画像処理部31dは、CPU31aで処理されたデータを表示部37aに表示出力する。音声処理部31eは、CPU31aで処理されたデータをスピーカに音声出力する。
【0026】
本実施形態の精算機3は、入力手段としてタッチパネル37bを備えている。このタッチパネル37bは、表示部37aの表面に配置されタッチパネル表示部37を構成している。タッチパネル37bに対する操作は、インターフェイス34bを介してCPU31aに伝達される。
【0027】
SSD32(Solid State Drive)は、精算機3の記憶手段として機能する。SSD32には、精算機3を制御するためのプログラム、データが記憶されている。記憶手段としてはSSD32以外にHDD(ハードディスクなど各種メディアを使用することが可能である。
【0028】
精算機3は、精算時にレシートや領収書を発行するための印刷部36を備えて構成されている。印刷部36は、感熱方式あるいはインクジェット方式など各種形態を使用することが可能であり、精算処理時にレシート、領収書などを印字出力する。
【0029】
カード読取部33a、現金受領部33b、現金返却部33cは、顧客との支払い取引を行うための構成であり、インターフェイス34aを介してバスに接続されている。
【0030】
カード読取部33aは、クレジットカードやデビットカードなど、顧客の保持する各種カードからカード情報を読み取るための手段である。読み取られるカードの記憶形式には、ICメモリに情報を記憶させたICカード、情報を磁気的に記憶する磁気カード、バーコードや二次元コードに情報を記憶させたコードカード等がある。カード読取部33aは、使用されるカードに応じた読取手段を備えて構成することが可能である。読み取られたカード情報は、通信部35を介してインターネット上に設けられたカード会社の認証サーバ装置等に送信され、支払い処理等に用いられる。
【0031】
現金受領部33bは、精算処理のため、顧客から紙幣や貨幣などの現金を受け取るための手段である。そして、精算処理で算出された釣り銭などは現金返却部33cを介して顧客に返還される。
【0032】
また、本実施形態では、インターフェイス34aを介して、人感センサ33dが設けられている。この人感センサ33dは、赤外線、超音波などを使用して人間の所在を検知するセンサである。本実施形態では、精算機3の前に位置する人を検知することで、精算処理を開始させる、もしくは、精算処理開始のためのアナウンスを表示部37aあるいはスピーカの少なくとも何れか一方にて報知させることを可能としている。
【0033】
通信部35は、精算機3をLAN60に有線接続することで、精算機3をネットワークに参加可能としている。精算機3は、通信部53を介して、管理コンピューター5などと通信を行うことが可能である。また、ルータ62を介してインターネット上の認証サーバ装置などと各種通信を行うことも可能となっている。
【0034】
図5は、本実施形態に係る携帯端末8の構成を示す図である。携帯端末8は、ユーザー(利用客)によって所持される端末であって、制御部として、CPU81a、各種プログラム等を記憶したROM81b、情報を一時記憶するためのRAM81c、画像処理部81d、音響処理部81eを備えている。画像処理部81dには、撮影を可能とするカメラ84の他、タッチパネルモニタ85の表示部が接続されている。タッチパネルモニタ85は、各種情報を表示する表示部852と、ユーザーによるタッチ操作を受け付けるタッチパネル851を有して構成されている。
【0035】
音響処理部81eには、スピーカ88a、マイクロホン88bが接続されている。CPU81aには、インターフェイス83を介して、各種通信部(携帯回線通信部86a、無線LAN通信部86b、Bluetooth通信部86c(Bluetoothは登録商標))の他、各種入力を受け付ける入力スイッチ87、タッチパネルモニタ85を構成するタッチパネル851が接続されている。
【0036】
図1で説明した形態の宿泊施設では、客室A内に設置されている精算機3を使用して、客室料金の支払いを行うことが主流であった。そのため、宿泊施設では、各部屋に精算機3を設置する必要があり、精算機3の導入コスト、及び、管理コストが生じていた。現在、スマートホン等の携帯端末8は、個人所有されるものであって、携帯端末8を利用した各種決済も活発に行われている。本実施形態の宿泊施設用システムは、このような携帯端末8を使用して、宿泊施設で利用可能なポイントの管理、及び、客室料金の支払いを行うことを可能とする。
【0037】
そのため、本実施形態では、客室Aに設置されるセットトップボックス7を使用し、テレビ71にコード情報を表示させ、携帯端末8に読み取らせることで、携帯端末8を使用したポイントに関する処理、及び、客室の利用料金の支払い処理を行うこととしている。
【0038】
図6には、セットトップボックス7によってテレビ71に表示させるトップメニュー画面が示されている。このトップメニュー画面は、利用客が客室Aに入室後、テレビ71の電源を投入した場合、テレビ画面71aに最初に表示される画面である。利用客は、このトップメニュー画面から希望する各種サービスを選択して利用することが可能となっている。トップメニュー画面、及び、他の各種画面においては、セットトップボックス7に対応するリモコン装置(図示せず)を使用して行うことが可能である。図6に示されているように、リモコン装置のカーソルキーでメニュー選択を行い、決定ボタンを押下することで当該メニューを選択することが可能となっている。
【0039】
トップメニュー画面は、VOD(ビデオオンデマンド)、ルームオーダー、会員情報、ホテルからのご案内といった各種メニューに対応したボタンが設けられており、これらボタンを選択することで、対応するサービスに関する処理が実行される。また、トップメニュー画面には、料金確認と表記されたボタン712が設けられている。このボタン712を選択することで、現時点における料金を確認可能な料金確認画面に移行する。
【0040】
図7は、テレビ画面71aに表示される料金確認画面が示されている。図6のボタン712が操作された場合、この料金確認画面が表示される。本実施形態では、現時点における請求額の他、入室時間、及び、現在の請求額で利用可能な時刻が表示される。また、この料金確認画面には、「チェックアウトする」と表記されたボタン713、「コードで決済する」と表記されたボタン714、「ホテルメニューに戻る」と表記されたボタン715が表示されており、ユーザーは、これらボタン713~715を選択することが可能となっている。
【0041】
ボタン713を操作した場合、客室A内に設置された精算機3を使用した支払処理が実行される。この精算機3を使用した支払処理については、従来から行われている処理であるため、本明細書での説明は割愛する。
【0042】
また、図6のトップメニュー画面には、「ポイント・チェックアウト用コード表示」と表記されたボタン711が設けられている。このボタン711、もしくは、図7のボタン714を操作した場合、携帯端末8で読み取るためのコード情報が表示されるコード表示画面へと遷移する。本実施形態では、このようにトップメニュー画面に設けられたボタン711、もしくは、料金画面に設けられた714から、コード表示画面へと遷移することが可能となっている。
【0043】
図8は、本実施形態のコード情報716を表示するコード表示画面である。コード表示画面には、2次元バーコードで構成されたコード情報716が表示されている。本実施形態では、コード情報716に、QRコード(登録商標)を使用した形態となっている。このコード情報716を携帯端末8のカメラ84で読み取ることで、ポイントに関連する処理、及び、客室の利用料金を支払う支払処理を、携帯端末8で実行させることが可能となっている。
【0044】
図9は、携帯端末8で実行されるコード読み取り処理を示すフロー図である。このコード読み取り処理は、利用客が所持する携帯端末8のカメラ84を使用し、図8のコード表示画面に表示されるコード情報を読み取ることで開始される処理である。
【0045】
ここで、本実施形態のコード情報のデータ構成について説明しておく。図10は、本実施形態に係るコード情報の形成工程を説明するための図である。コード情報は、管理コンピューター5によって形成される。管理コンピューター5は、図10(A)に示されるように、携帯端末8でアクセスするためのURL、並びに、必要なパラメータを示す情報を形成する。ここで、URLとパラメータ間に配置された「?Q=」は、それ以降の記述がパラメータであることを示す識別情報でアル。パラメータには、宿泊施設を識別するための施設ID、部屋番号等、客室を識別するための客室ID、この情報が形成された発行年月日、及び、発行時分秒が含まれている。また、末尾には確認のためのチェックデジットが含まれている。
【0046】
管理コンピューター5は、図10(B)に示されるように、図10(A)の情報中、パラメータ部分の暗号化を行った後、図10(C)に示されるような2次元バーコードの形態のコード情報716に変換し、対象となる客室Aのセットトップボックス7に表示させる。なお、このコード情報716は、期限付きとなっており、所定時間経過する毎に新たなコード情報716に変更される。例えば、図8の状態において、所定時間(例えば、1分)経過した場合、コード情報716は新たなコード情報に変更される。このようにコード情報716を期限付きとすることで、外部アクセス等による不正利用を抑制し、適切な処理を行うことが可能となっている。
【0047】
このようなコード情報716が携帯端末8で読み取られると、携帯端末8は、コード情報中のURL部分を抽出(S101)し、URLで指定された管理コンピューター5のWebページにアクセスし、通信を実行する(S102)。その際、暗号化されたパラメータ部分を利用情報として、管理コンピューター5に送信する。管理コンピューター5は、受信した利用情報の暗号化の解除を行った後、アクセスしてきた携帯端末8に対し、パラメータに基づく支払トップ画面を表示させる(S103)。ここで、管理コンピューター5は、パラメータに含まれる施設ID、及び、客室ID(本発明に係る「客室識別情報」に相当)によって、利用料金の支払い対象となる客室を特定する。また、管理コンピューター5は、パラメータに含まれる発行年月日、及び、発行時分秒(「発行日時」に相当)によって、管理コンピューター5がコード情報716を発行してから所定時間以内(例えば、5分以内)であるかを判定する。所定時間以内であれば、携帯端末5に支払トップ画面を表示させる。一方、所定時間を超えていた場合には、支払トップ画面を表示させず、再度、コード情報716を読み取る指示等のエラー情報を表示させる。このように、コード情報716に使用可能期間を設けることで、他人のなりすまし等による不正利用を抑制している。
【0048】
また、管理コンピューター5は、支払トップ画面を表示させた携帯端末8については、当該携帯端末で支払処理が完了するまでの期間、支払処理が実行可能な状態を維持することとしている。このような構成により、客室での滞在中、一度、コード情報716を携帯端末8で読み取ることで、滞在中、いつでも支払処理を行うことが可能となる。例えば、客室に入室してから直ぐにコード情報716を読み取った場合でも、退室直前において、再度、コード情報716を読み取ることなく支払処理を行うことが可能となる。特に、本実施形態のように、支払処理を終えることで電気錠42が解錠される形態の宿泊施設では、支払処理を終えるまでは、利用客は客室に滞在することになるため有効である。
【0049】
さらに本実施形態では、管理コンピューター5は、支払トップ画面を表示させた携帯端末8については、携帯端末から利用情報を受信した後、当該携帯端末で支払処理が完了するまでの期間、ポイント関連処理が実行可能な状態を維持することとしている。このような構成により、客室での滞在中、一度、コード情報716を携帯端末8で読み取ることで、適宜タイミングでポイント関連処理を行うことが可能となる。ポイント関連処理とは、宿泊施設に会員登録されている利用客に対して、ポイントの付与、もしくは、ポイントの利用を行わせる処理である。利用客は、このようなポイント関連処理を、コード情報716を読み取ってから、支払処理が完了するまでの適宜タイミングで実行することが可能であるため、会員としてログインしないことによるポイントの受領忘れ、あるいは、ポイントの利用忘れ等を抑制することが可能である。また、支払処理のためにコード情報を一度、読み取ることで、ポイント関連処理も利用可のとなるため、例えば、客室での滞在中、ポイント関連処理のためにコード情報を読み取る必要が無い。言い換えると、利用客は、客室に入室してから、一度、コード情報716を読み取ることで、支払処理が完了するまでの滞在期間にポイント関連処理を適宜タイミングで実行することが可能となる。
【0050】
図11には、携帯端末8のタッチパネル画面85aに表示される支払トップ画面が示されている。なお、図11図16は、何れもタッチパネル画面85aを示しているが、縦方向の長さで異なっている。これは、タッチパネル画面85a内に表示される(縦方向の短い場合)、あるいは、タッチパネル画面85aをスクロールすることによって、全領域が表示される(縦方向の長い場合)。支払トップ画面には、パラメータ内の施設ID、客室IDをそれぞれ使用して、宿泊施設名(ホテルアルメックス 目黒店)、203号室が表記されている。また、支払トップ画面では、会員を対象としたポイントサービスを行うことを目的としたログイン画面へ移行させることが可能となっている。会員である、あるいは、新規会員としてのサービスを希望する場合、支払トップ画面中、「こちらからログイン」と表記された箇所を操作することで、ログイン画面に移行する(S104:ログイン)。
【0051】
図12には、携帯端末8のタッチパネル画面85aに表示されるログイン画面が示されている。ログイン画面には、各会員を識別するための会員IDとしてのログインID、もしくは、メールアドレスを入力するための会員ID入力欄854、パスワード入力欄855が設けられている。既に会員登録しているユーザーは、これらの欄に情報を入力し、ログインボタン856を操作することで、ログインを実行する。一方、まだ、会員登録していないユーザーは、新規会員登録と表記された箇所を操作して、新たに会員登録を実行した後、ユーザーをログインさせる。ログインが実行された場合(S105:Yes)、携帯端末8は、管理コンピューター5と通信を行い(S106)、ポイント関連画面を表示する(S107)。
【0052】
図13には、携帯端末8のタッチパネル画面85aに表示されるポイント関連画面が示されている。ポイント関連画面では、支払時に使用するポイントを選択することが可能となっている。本実施形態では、ポイントを全部使う、あるいは、ユーザーが指定したポイントを使うことを可能とするポイント選択欄857が設けられている。ポイントを使用する場合、このポイント選択欄857で使用するポイントを選択し、「ポイントを使う」と表記されたボタン858を操作することで、支払に使用するポイントが確定される。ポイントの使用に関する処理を終えたユーザーは、「料金確認画面へ」と表記された料金確認ボタン859を操作すること(S108:Yes)で、支払処理を実行可能な支払確認画面へと移行させる(S109)。
【0053】
図14には、利用料金の確認、及び、利用料金の支払いを可能とする支払確認画面が示されている。本実施形態の支払確認画面には、宿泊施設名、客室番号、そして、会員の場合には、会員IDが表示されている。また、宿泊施設の利用料金の詳細、及び、合計額が表示されている。また、本実施形態では、クレジットカードによる支払のみが可能となっている。そのため、支払確認画面には、クレジットカードに関する各種情報を入力するカード情報入力欄860が設けられている。また、本実施形態では、前回使用したクレジットカードを使用することも可能となっている。その場合、「前回カード」と表記されたタブを選択することで、前回使用したクレジットカードに関する情報が読み出されて使用される。
【0054】
クレジットカードに関する情報を入力したユーザーは、「支払・チェックアウト」と表記された支払ボタン861を操作する。支払確認画面において、支払ボタン861が操作された場合(S110:Yes)、携帯端末8は、管理コンピューター5に対して、表示されている料金に変更が無いか否かを確認する。本実施形態では、携帯端末8で支払処理が完了するまでの期間、支払処理が実行可能な状態が維持される。
【0055】
そのため、利用客は、一度、コード情報716を読み取れば、退室するまでの適宜タイミングで、ポイントに関する処理、及び、客室の利用料金を支払う支払処理を行うことが可能である。一方、このような期間にわたって、支払処理が実行可能な期間が維持されるため、その間に、利用時間が延長される、あるいは、ルームサービスを追加して注文する等、追加料金が発生し、料金が変更されることが考えられる。そのため、支払確認画面において、支払ボタン861が操作された場合(S110:Yes)、管理コンピューター5に料金に変更が無いかを確認し、料金に変更がある場合(S111:Yes)には、新たな料金の支払確認画面に更新する。一方、料金に変更がない場合(S111:No)には、クレジットカードの決済サーバと通信し、クレジットカードによる支払処理を実行する。
【0056】
クレジットカードによる支払い処理が完了した場合(S112:Yes)、携帯端末8のタッチパネル画面85aには、完了画面が表示される(S114)。図15には、タッチパネル画面85aに表示される完了画面が示されている。完了画面には、宿泊施設名、客室番号、そして、会員の場合には、会員IDが表示される。また、支払に関する情報として、支払った料金、決済番号、決済IDが表示される。さらに、会員登録されている場合には、今回の支払によって獲得したポイントも表示される。
【0057】
このように、携帯端末8を使用した利用料金の支払処理が完了した後、電気錠42を解錠することで、利用客は客室Aから退室可能となる。
【0058】
以上、本発明に係る宿泊施設支払システムについて、宿泊施設用システムを例にとって説明した。本発明に係る宿泊支払システムによれば、ユーザー(利用客)が所持する携帯端末を使用し、宿泊に伴って付与されるポイントに関するポイント関連処理、及び、客室料金の支払処理を、客室内で行うことが可能となる。その際、携帯端末で支払処理が完了するまでの期間、少なくとも支払処理が実行可能な状態が維持されるため、ユーザー(利用客)は、客室に入室後、複数回、コード情報716を読み取る必要が無く、容易に支払処理を終え、退室することが可能となる。
【0059】
なお、本発明に係る宿泊施設支払システムは、他の実施形態を採用することも可能である。本実施形態8では、携帯端末で支払処理が完了するまでの期間、支払処理が実行可能な状態を維持することとしている。携帯端末8を利用する場合、ユーザーは、支払処理を行うための画面(図11図14)を離れることが考えられる。例えば、汎用ブラウザであれば、他のサイトを開く、また、専用アプリの場合であれば、専用アプリを閉じるといったことが考えられる。このような場合であっても、本実施形態の管理コンピューター3は、支払処理が可能な状態を維持している。これをユーザー(利用客)に分かり易くするため、汎用ブラウザを使用した宿泊施設のサイト閲覧時、あるいは、専用アプリのトップ画面等の適宜箇所に、支払処理を開始するための操作部を設けることとしてもよい。
【0060】
図16は、携帯端末8のタッチパネル画面85aに表示されるトップ画面を示す図である。図16(a)は、通常時のトップ画面である。このトップ画面からは、ホテルの予約、検索など、各種操作を行うことが可能となっている。一方、図16(b)は、客室に入室後、携帯端末8でコード情報716を読み取った後であって、支払処理を完了する前の画面である。図16(b)の画面には、新たなボタン862(本発明に係る「操作部」)が表示されている。ユーザーは、このボタン862を操作することで、コード情報716を再度、読み込ませることなく、タッチパネル画面85aを、例えば、図11の支払トップ画面に遷移させることが可能である。したがって、ユーザーは、汎用ブラウザを使用して他のサイトを開いた場合であっても、宿泊施設のサイト(例えば、トップ画面)に戻ることで、ボタン862が表示され、容易に支払処理を開始することが可能となる。また、専用アプリについても、再度、専用アプリを起動することで、ボタン862が表示され、容易に支払処理を開始することが可能となる。また、支払処理が完了後は、このボタン862は、図16(a)のように非表示の状態となる。なお、ボタン862は、支払処理を実行可能な状態では表示状態、支払処理が実行できない状態では、非表示状態としているが、このような形態に限られるものではない。例えば、支払処理を実行可能な状態では、ボタン862が携帯端末8で使用可能なことがユーザーに判別可能な状態で表示させ、支払処理を実行できない状態では、ボタン862が携帯端末8で使用できないことがユーザーに判別可能な状態で表示させることとすればよい。
【0061】
なお、支払処理を開始するための画面は、図11の支払トップ画面、図13のポイント関連画面、図14の支払確認画面の何れであってもよい。例えば、それまでにユーザーによる各種選択(ポイントの利用等)が終えられていた場合には、その後の処理から継続して行うようにすることが考えられる。
【0062】
また、本実施形態では、図6で説明したトップメニュー画面に表示されるボタン711を操作する、あるいは、料金確認画面に表示されるボタン714を操作することで、コード情報716を表示させることとしていた。このような形態に代え、コード情報は、トップメニュー画面に表示させることとしてもよい。図16には、他の実施形態に係るトップメニュー画面が示されている。このトップメニュー画面には、コード情報716が表示されている。トップメニュー画面は、テレビ71を起動した後、最初に表示される画面であるため、利用客は、テレビ71の起動、直後に、このコード情報716を読み取らせることが可能である。また、トップメニュー画面は、各種メニューを選択することができる画面であって、表示頻度の高い画面であるため、利用客に対して、コード情報の利用を促し、携帯端末8を利用した新たな機能の利用促進を図ることも可能となる。
【0063】
また、本明細書で説明した実施形態では、携帯端末8を使用した宿泊料金の支払にクレジットカードのみを使用可能としているが、クレジットカードのみならず、電子マネー、デビットカード等、他の支払形態を採用することも可能である。ユーザー(利用客)は、複数の支払形態から選択可能としてもよい。
【0064】
また、本実施形態では、図10で説明したように、2次元バーコードの形態のコード情報を使用している。このような形態のみならず、無線(電波、あるいは、音)により、携帯端末8でコード情報を読み取らせることとしてもよい。電波、あるいは、音に少なくとも施設ID、客室IDのような客室識別情報を含ませておき、携帯端末8で受信することで、説明した実施形態と同様、携帯端末8による支払処理を行うことが可能となる。
【0065】
以上、本発明に係る発明について、各種実施形態について説明を行ったが、本発明はこれら各種実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの各種実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0066】
3:精算機 62:ルータ
5:管理コンピューター 71:テレビ
7:セットトップボックス 71a:テレビ画面
8:携帯端末 81a:CPU
31a:CPU 81b:ROM
31b:ROM 81c:RAM
31c:RAM 81d:画像処理部
31d:画像処理部 81e:音響処理部
31e:音声処理部 83:インターフェイス
33a:カード読取部 84:カメラ
33b:現金受領部 85:タッチパネルモニタ
33c:現金返却部 85a:タッチパネル画面
33d:人感センサ 86a:携帯回線通信部
34a、34b:インターフェイス 86b:無線LAN通信部
35:通信部 86c:通信部
36:印刷部 87:入力スイッチ
37:タッチパネル表示部 88a:スピーカ
37a:表示部 88b:マイクロホン
37b:タッチパネル 711~715:ボタン
41:管理機 716:コード情報
42:電気錠 851:タッチパネル
51a:CPU 852:表示部
51b:ROM 854:会員ID入力欄
51c:RAM 855:パスワード入力欄
51d:画像処理部 856:ログインボタン
51e:音声処理部 857:ポイント選択欄
52:HDD 858:ボタン
53:通信部 859:料金確認ボタン
54:インターフェイス 860:カード情報入力欄
61:アクセスポイント 861:支払ボタン
図1
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