(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】仮想口座装置、管理口座管理装置、資金移動装置、仮想口座提供システム、及び仮想口座提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/10 20120101AFI20240318BHJP
【FI】
G06Q20/10
(21)【出願番号】P 2019209108
(22)【出願日】2019-11-19
【審査請求日】2022-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】500110267
【氏名又は名称】株式会社SBI新生銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【氏名又は名称】藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】清水 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】庄司 明
(72)【発明者】
【氏名】福永 耕一
(72)【発明者】
【氏名】山田 知弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 智哉
(72)【発明者】
【氏名】菅 真吾
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-157631(JP,A)
【文献】特開2009-086946(JP,A)
【文献】特開2017-058905(JP,A)
【文献】特開2004-110822(JP,A)
【文献】特表2021-536044(JP,A)
【文献】特開2010-003111(JP,A)
【文献】特開2021-196972(JP,A)
【文献】特開2019-168926(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0080197(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想口座に対する入出金信号に基づいて、前記仮想口座の残高を増減する資金移動部と、
前記仮想口座に入金された資金又は前記仮想口座から出金する資金を預かる管理口座の預金残高を
、前記入出金信号に基づいて増減する管理口座管理部とを備え
、
前記資金移動部は、前記管理口座管理部を有する団体を示す団体認識コードを、前記仮想口座に入金又は出金する顧客が操作する顧客端末に提供し、
前記管理口座管理部は、前記仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部から、前記顧客端末に提供された前記団体認識コードに基づいて、仮想口座に対する前記入出金信号を受信し、
前記管理口座は、仮想口座サービス提供会社に設けられ、前記仮想口座は、前記仮想口座サービス会社とは異なる顧客ごとに仮想的に付与される仮想口座装置。
【請求項2】
前記資金移動部は、前記仮想口座に入金又は出金する顧客が操作する顧客端末を用いて、前記仮想口座へ入金又は出金する取引を特定する
請求項1に記載の仮想口座装置。
【請求項3】
前記資金移動部は、前記仮想口座に入金又は出金する顧客が有するカードを用いて、前記仮想口座へ入金又は出金する取引を特定する
請求項1に記載の仮想口座装置。
【請求項4】
前記仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部が、取引を認証するための取引認証コードを提供し、
前記資金移動部は、前記取引認証コードを認識した顧客端末からの信号に応じて前記取引を認証する
請求項
1に記載の仮想口座装置。
【請求項5】
前記管理口座管理部は、前記仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部から出金額を受信して、前記出金額を前記資金移動部に送信し、
前記資金移動部は、受信した前記出金額を前記仮想口座の残高から減算して、出金可能である旨を前記管理口座管理部に送信し、
前記管理口座管理部は、前記出金可能である旨を前記資金移動部から受信した場合に、前記管理口座の残高から前記出金額を減算する
請求項1から
4のいずれかに記載の仮想口座装置。
【請求項6】
前記管理口座管理部は、前記仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部から入金額を受信して、前記入金額を前記資金移動部に送信し、
前記資金移動部は、受信した前記入金額を前記仮想口座の残高に加算して、入金完了した旨を前記管理口座管理部に送信し、
前記管理口座管理部は、前記入金完了した旨を前記資金移動部から受信した場合に、前記管理口座の残高に前記入金額を加算する
請求項1から
5のいずれかに記載の仮想口座装置。
【請求項7】
前記管理口座管理部は、受信した振込金額を前記資金移動部に送信するとともに、前記管理口座の残高に前記振込金額を加算し、
前記資金移動部は、前記管理口座管理部から前記振込金額を受信したとき、前記仮想口座の残高に前記振込金額を加算する
請求項1から
6のいずれかに記載の仮想口座装置。
【請求項8】
仮想口座に対する入出金信号を受信する第1の通信部と、
前記入出金信号に基づいて、前記仮想口座に入金された資金又は前記仮想口座から出金する資金を預かる管理口座の預金残高を増減する管理口座管理部と、
を備え、
前記第1の通信部は、前記入出金信号に基づいて前記仮想口座の残高を増減する資金移動部に対して前記入出金信号を送信
し、
前記資金移動部は、前記仮想口座に対する前記入出金信号に基づいて、前記仮想口座の残高を増減し、また、前記管理口座管理部を有する団体を示す団体認識コードを、前記仮想口座に入金又は出金する顧客が操作する顧客端末に提供し、
前記管理口座管理部は、前記仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部から、前記顧客端末に提供された前記団体認識コードに基づいて、仮想口座に対する前記入出金信号を受信し、
前記管理口座は、仮想口座サービス提供会社に設けられ、前記仮想口座は、前記仮想口座サービス会社とは異なる顧客ごとに仮想的に付与される管理口座管理装置。
【請求項9】
仮想口座に対する入出金信号を受信する第2の通信部と、
前記入出金信号に基づいて前記仮想口座の残高を増減する資金移動部と、
を備え、
前記第2の通信部は、前記入出金信号に基づいて、前記仮想口座に入金された資金又は前記仮想口座から出金する資金を預かる管理口座の残高を増減する管理口座管理部に対して前記入出金信号を送信し、
前記資金移動部は、前記第2の通信部が受信した前記入出金信号に基づいて前記仮想口座の残高を増減する
前記資金移動部は、前記管理口座管理部を有する団体を示す団体認識コードを、前記仮想口座に入金又は出金する顧客が操作する顧客端末に提供し、
前記管理口座管理部は、前記仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部から、前記顧客端末に提供された前記団体認識コードに基づいて、仮想口座に対する前記入出金信号を受信し、
前記管理口座は、仮想口座サービス提供会社に設けられ、前記仮想口座は、前記仮想口座サービス会社とは異なる顧客ごとに仮想的に付与される、
資金移動装置。
【請求項10】
仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部と、
仮想口座に対する入出金信号に基づいて、前記仮想口座の残高を増減する資金移動部と、
前記仮想口座に入金された資金又は前記仮想口座から出金する資金を預かる管理口座の預金残高を
、前記入出金信号に基づいて増減する管理口座管理部と、
前記仮想口座に対する取引を認証する顧客媒体と
を備え
、
前記資金移動部は、前記管理口座管理部を有する団体を示す団体認識コードを、前記仮想口座に入金又は出金する顧客が操作する顧客端末に提供し、
前記管理口座管理部は、前記仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部から、前記顧客端末に提供された前記団体認識コードに基づいて、仮想口座に対する前記入出金信号を受信し、
前記管理口座は、仮想口座サービス提供会社に設けられ、前記仮想口座は、前記仮想口座サービス会社とは異なる顧客ごとに仮想的に付与される仮想口座提供システム。
【請求項11】
資金移動部が、
仮想口座に対する入出金信号に基づいて、顧客ごとに付与される仮想口座の残高を増減する資金移動ステップと、
前記仮想口座に入金された資金又は前記仮想口座から出金する資金を預かる管理口座の預金残高を、前記
入出金信号に基づいて、管理口座管理部が増減する仮想口座提供ステップと
、
前記資金移動部が、前記管理口座管理部を有する団体を示す団体認識コードを、前記仮想口座に入金又は出金する顧客が操作する顧客端末に提供するステップと、
前記管理口座管理部が、前記仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部から、前記顧客端末に提供された前記団体認識コードに基づいて、仮想口座に対する前記入出金信号を受信するステップと
を備え
、
前記管理口座が、仮想口座サービス提供会社に設けられ、前記仮想口座は、前記仮想口座サービス会社とは異なる顧客ごとに仮想的に付与される
仮想口座提供方法。
【請求項12】
前記
入出金信号は出金額を含み、
前記資金移動ステップは、前記資金移動部が、前記出金額を前記仮想口座の残高から減じて、出金可能である旨を前記管理口座管理部に送信するステップを有し、
前記仮想口座提供ステップは、前記管理口座管理部が、前記出金可能である旨を前記資金移動部から受信したとき、前記管理口座の残高から前記出金額を減じるステップを有する
請求項
11に記載の仮想口座提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想口座を提供する仮想口座装置、管理口座管理装置、資金移動装置、仮想口座提供システム、及び仮想口座提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、振込人の特定を、振込人と一意に関連付けた口座を特定する番号により行う振込み処理方法が知られている。この方法では、まず、銀行に口座(取りまとめ口座)を有する企業に対して、振込する予定の人数に合わせて、口座番号をこの企業の振込専用口座として設定する。この企業に対して設定した振込専用の口座番号は、一般の口座開設には使用されない。企業は、振込専用の口座番号を、振込予定者に対して、それぞれ適当に割り当てる。振込予定者は、自分に割り当てられた口座に、所望の金額を振り込む。そして、銀行は、振込人と関連付けた口座を特定する番号等も振込情報の一部に含める。これにより、振り込まれた口座ごとの振込情報を取りまとめ口座の振込情報として集中し、この集中する際に、振込人と関連付けた口座を特定する番号等も振込情報の一部に含める。これにより、振り込まれた口座を特定する番号等により振込人を特定することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の構成では、企業に振込をすることができるが、振込人の口座に振込入金された資金は、企業の取りまとめ口座に全て入金されてしまうため、振込人の口座に所望の金額を保持させることができない。
【0005】
本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、所望の金額を仮想的に保持可能な仮想口座を提供する仮想口座装置、管理口座管理装置、資金移動装置、仮想口座提供システム、及び仮想口座提供方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願第1の発明による仮想口座装置は、仮想口座の残高を増減する資金移動部と、仮想口座に入金された資金又は仮想口座から出金する資金を預かる管理口座の預金残高を増減する管理口座管理部とを備える。
【0007】
資金移動部は、仮想口座に入金又は出金する顧客が操作する顧客端末を用いて、仮想口座へ入金又は出金する取引を特定してもよい。
【0008】
資金移動部は、仮想口座に入金又は出金する顧客が有するカードを用いて、仮想口座へ入金又は出金する取引を特定してもよい。
【0009】
仮想口座に対する入出金信号を受信する第1の通信部をさらに備え、資金移動部は、入出金信号に基づいて仮想口座の残高を増減し、管理口座管理部は、管理口座の預金残高を、入出金信号に基づいて増減することがこのましい。
【0010】
仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部が、取引を認証するための取引認証コードを提供し、資金移動部は、取引認証コードを認識した顧客端末からの信号に応じて取引を認証してもよい。
【0011】
資金移動部は、管理口座管理部を有する団体を示す団体認識コードを顧客端末に提供し、管理口座管理部は、仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部から、顧客端末に提供された団体認識コードに基づいて、仮想口座に対する入出金信号を受信してもよい。
【0012】
管理口座管理部は、仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部から出金額を受信して、出金額を資金移動部に送信し、資金移動部は、受信した出金額を仮想口座の残高から減算して、出金可能である旨を管理口座管理部に送信し、管理口座管理部は、出金可能である旨を資金移動部から受信した場合に、管理口座の残高から出金額を減算することが好ましい。
【0013】
管理口座管理部は、仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部から入金額を受信して、入金額を資金移動部に送信し、資金移動部は、受信した入金額を仮想口座の残高に加算して、入金完了した旨を管理口座管理部に送信し、管理口座管理部は、入金完了した旨を資金移動部から受信した場合に、管理口座の残高に入金額を加算してもよい。
【0014】
管理口座管理部は、受信した振込金額を資金移動部に送信するとともに、管理口座の残高に振込金額を加算し、資金移動部は、管理口座管理部から振込金額を受信したとき、仮想口座の残高に振込金額を加算してもよい。
【0015】
本願第2の発明による管理口座管理装置は、仮想口座に対する入出金信号を受信する第1の通信部と、入出金信号に基づいて、仮想口座に入金された資金又は仮想口座から出金する資金を預かる管理口座の預金残高を増減する管理口座管理部と、備え、第1の通信部は、入出金信号に基づいて仮想口座の残高を増減する資金移動部に対して入出金信号を送信する。
【0016】
本願第3の発明による資金移動装置は、仮想口座に対する入出金信号を受信する第2の通信部と、入出金信号に基づいて仮想口座の残高を増減する資金移動部とを備え、第2の通信部は、入出金信号に基づいて、仮想口座に入金された資金又は仮想口座から出金する資金を預かる管理口座の残高を増減する管理口座管理部に対して入出金信号を送信し、資金移動部は、第2の通信部が受信した入出金信号に基づいて仮想口座の残高を増減する。
【0017】
本願第4の発明による仮想口座提供システムは、仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける入出金受付部と、仮想口座の残高を増減する資金移動部と、仮想口座に入金された資金又は仮想口座から出金する資金を預かる管理口座の預金残高を増減する管理口座管理部と、仮想口座に対する取引を認証する顧客媒体とを備える。
【0018】
本願第5の発明による仮想口座提供方法は、資金移動部が、入金又は出金信号に基づいて、顧客ごとに付与される仮想口座の残高を増減する資金移動ステップと、仮想口座に入金された資金又は仮想口座から出金する資金を預かる管理口座の預金残高を、入金又は出金信号に基づいて、管理口座管理部が増減する仮想口座提供ステップとを備える。
【0019】
入金又は出金信号は出金額を含み、資金移動ステップは、資金移動部が、出金額を仮想口座の残高から減じて、出金可能である旨を管理口座管理部に送信するステップを有し、仮想口座提供ステップは、管理口座管理部が、出金可能である旨を資金移動部から受信したとき、管理口座の残高から出金額を減じるステップを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、所望の金額を仮想的に保持可能な仮想口座を提供する仮想口座装置、管理口座管理装置、資金移動装置、仮想口座提供システム、及び仮想口座提供方法を得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る一実施形態による仮想口座提供システムの概略図である。
【
図2】第1の出金処理を示すフローチャートである。
【
図3】第1の出金処理を示すフローチャートである。
【
図10】第1の入金処理を示すフローチャートである。
【
図11】第1の入金処理を示すフローチャートである。
【
図14】第2の出金処理を示すフローチャートである。
【
図15】第2の入金処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、
図1から13を参照して、本発明による第1の実施形態である仮想口座提供システム100について説明する。
【0023】
仮想口座提供システム100は、資金移動事業者が有する資金移動サーバ(資金移動部、資金移動装置)110と、ATMを提供する銀行(以下、ATM提供銀行ともいう)が有する入出金受付サーバ(入出金受付部)120と、仮想口座サービス提供会社が有する管理口座管理サーバ(管理口座管理部、管理口座管理装置)130と、顧客が有する例えばスマートフォンやタブレット等の顧客端末(顧客媒体)142とを主に備える。
【0024】
仮想口座は、顧客ごとに仮想的に付与される口座であって、仮想口座サービス提供会社の口座番号を有し、管理口座に紐付けられている。仮想口座の残高は資金移動サーバ110によって管理される。管理口座は、仮想口座サービス提供会社に設けられる口座であって、紐付けられている仮想口座に入金された資金又はその仮想口座から出金する資金を預かる口座である。管理口座の預金残高は管理口座管理サーバ130によって管理される。すなわち、顧客から見ると、仮想口座の預金残高は資金移動事業者によって顧客の資金として保持されているように見える一方で、仮想口座サービス提供会社及び資金移動事業者から見ると、仮想口座の預金残高は、管理口座の預金残高として、つまり資金移動事業者の預金として、仮想口座サービスの提供会社によって保持されている。この点において、仮想口座は顧客に仮想的に提供されている。
【0025】
資金移動サーバ110及び入出金受付サーバ120は、顧客端末142とインターネットで接続される。資金移動サーバ110は、管理口座管理サーバ130と接続される第2の通信部を備え、管理口座管理サーバ130は、管理口座管理サーバ130及び入出金受付サーバ120と接続される第1の通信部を備える。資金移動サーバ110と管理口座管理サーバ130は、専用回線で接続される。入出金受付サーバ120と管理口座管理サーバ130は、専用回線151による接続に加えて、全銀内為ネットワーク(全国銀行データ通信システム)152を介して接続される。資金移動サーバ110及び管理口座管理サーバ130は、仮想口座装置を成す。仮想口座装置は、入出金受付サーバ120を含んでもよい。
【0026】
資金移動サーバ110は、顧客ごとに付与される仮想口座に対する入金又は出金を記録し、仮想口座の残高を管理するとともに、管理口座管理サーバ130を有する団体、すなわち仮想口座サービス提供会社を示す団体認識コード(企業コードあるいは企業番号ともいう)を発行し、仮想口座の残高、入金又は出金可能上限額、入金可否、及び出金可否、又はこれらのうちの1以上を管理口座管理サーバ130に送信する。
【0027】
入出金受付サーバ120は、互いに専用回線で接続されるATM端末121とATM管理サーバ122とを備え、仮想口座に対する入金又は出金を受け付ける。
【0028】
ATM管理サーバ122及びATM端末121は、次のような複数の処理、すなわち、ATM端末121に対する顧客の操作に応じて、ATM管理サーバ122が個々の取引を認証するための取引認証コードを発行し、これをATM端末121に表示させる処理、団体認識コードが入力された顧客端末からの信号に応じてATM管理サーバ122が仮想口座サービス提供会社を認識し、入金又は出金可能か否かを当該仮想口座サービス提供会社の管理口座管理サーバ130に照会する処理、ATM管理サーバ122が管理口座管理サーバ130から入金又は出金可能であるとの信号を受信したとき、入金画面又は出金画面をATM端末121に表示させる処理、ATM管理サーバ122が入金又は出金額を管理口座管理サーバ130に送信する処理、及び/又はATM管理サーバ122が管理口座管理サーバ130から入金又は出金指示を受信したとき、入金完了画面をATM端末121に表示、あるいは所定額をATM端末121に出金させる処理等を実行可能である。ATM端末121に表示される取引認証コードは、例えばQRコードであって、例えば、ATM端末121を特定可能な番号、取引日時、取引番号等を含む。
【0029】
管理口座管理サーバ130は、管理口座の預金残高を管理、つまり増減するサーバであって、次のような複数の処理を行う。すなわち、仮想口座への入金額、出金額、及び/又は振り込み額を管理口座の預金残高に加算及び/又は減算する処理、入出金受付サーバ120から入金又は出金可能か否かを照会されたとき、入金又は出金可能か否かの旨を資金移動サーバ110に照会する処理、及び/又は入金又は出金可能か否かの旨を資金移動サーバ110から受信したとき、入出金受付サーバ120に入金又は出金可能か否かの旨を送信する処理等を行う。また、入金時には、入出金受付サーバ120に入金可能な金額を送信する処理、及び/又は入出金受付サーバ120から入金額を受信したとき、入金額を資金移動サーバ110に送信するととともに、管理口座の残高に入金額を加算する処理等を行う。また、振り込み時には、入出金受付サーバ120から振込金額を受信したとき、振込金額を資金移動サーバ110に送信するとともに、管理口座の残高に振込金額を加算する処理等を行う。また、出金時には、入出金受付サーバ120から出金額を受信したとき、出金額を資金移動サーバ110に送信する処理、及び/又は出金可能である旨を資金移動サーバ110から受信したとき、入出金受付サーバ120に出金可能である旨を送信するとともに、管理口座の残高から出金額を減じる処理等を行う。
【0030】
顧客端末142は、カメラ及び仮想口座アプリケーションを備え、これらを用いて、次のような処理を実行する。例えば、ATM端末121に表示された取引認証コードをカメラでスキャンして資金移動サーバ110に送信する。これにより、仮想口座提供システム100において、個々の取引が特定される。また、資金移動サーバ110から団体認識コードを受信する。顧客は、顧客端末142に表示された団体認識コードをATM端末121に入力する。これにより、複数の仮想口座サービス提供会社が存在するとき、その顧客が使用する仮想口座を仮想的に管理する仮想口座サービス提供会社を、仮想口座提供システム100が特定する。
【0031】
次に、
図2から9を用いて、顧客端末142を用いた第1の出金処理について説明する。まず、ステップS211において、顧客がATM端末121を操作して、表示されている画面(
図4参照)において、「スマートフォンでお取引」(カードレスATMメニューともいう)を選択する。
【0032】
次のステップS241において、ATM端末121が「スマートフォンでお取引」が選択された旨をATM管理サーバ122に送信すると、ATM管理サーバ122は、取引認証コード(QRコード)を発行し、これをATM端末121に送信する。
【0033】
次のステップS242において、ATM端末121がATM管理サーバ122から取引認証コードを受信し、表示する(
図6参照)。
【0034】
次のステップS212において、顧客が、顧客端末142を操作して仮想口座アプリケーションを立ち上げ、ログインし、「ATMお引き出し」を選択すると、「ATMお引き出し」の手法を説明する画面(
図5参照)が顧客端末142に表示される。そして、この画面(
図5参照)において顧客が「次へ」を押圧すると、顧客端末142のカメラが起動される。顧客は、カメラを取引認証コード(QRコード)に向けると、顧客端末142は取引認証コード(QRコード)を自動的に撮影し、取引認証コードを資金移動サーバ110に送信する。
【0035】
次のステップS231において、資金移動サーバ110は取引認証コードを受信し、ステップS232において、仮想口座サービスのアカウント(口座番号)と取引認証コードとを結びつけ、これにより、仮想口座のアカウントと現在の取引とが紐付けられる。
【0036】
次のステップS233において、資金移動サーバ110は、団体認識コードを発行し、顧客端末142に送信する。
【0037】
次のステップS213において、顧客端末142が団体認識コードを受信し、画面に表示する(
図7の「企業番号」参照)。そして次のステップS214において、顧客が、画面に表示されている団体認識コードをATM端末121に入力する(
図8参照)。
【0038】
次のステップS243において、ATM端末121が、入力された団体認識コードをATM管理サーバ122に送信すると、次のステップS244において、ATM管理サーバ122が、団体認識コードに対応する銀行に、仮想口座の口座番号を含む照会電文を送信し、管理口座管理サーバ130に出金可能か否か、すなわち、例えば管理口座管理サーバ130がサービス提供時間内であるかについて照会する。
【0039】
ステップS221において、管理口座管理サーバ130は、照会を受信し、ステップS222において、資金移動サーバ110に、この取引に対応する仮想口座から出金可能か否かを照会する。
【0040】
ステップS234において、資金移動サーバ110は、管理口座管理サーバ130からの照会を受信し、次のステップS235において、この取引に対応する仮想口座の残高及び/又は出金上限金額(ステータス)を確認し、残高がある場合及び/又は出金上限金額に達していない場合等に、出金可能との回答と共に残高及び/又は出金上限金額(回答等)を管理口座管理サーバ130に送信し、残高がない場合及び/又は出金上限金額に達している場合等に、出金不可との回答を管理口座管理サーバ130に送信する。なお、出金上限金額は、一日当たりの上限金額と、仮想口座当たりの上限金額とを含む。
【0041】
次のステップS223において、管理口座管理サーバ130は、回答等を受信する。そして、出金可能との回答等を受信している場合には、ステップS224において、ATM管理サーバ122に出金可能との回答と共に残高及び/又は出金上限金額を送信し、出金不可との回答を受信している場合には、管理口座管理サーバ130は、出金不可能である旨をATM管理サーバ122に送信し、ATM管理サーバ122は、ATM端末121に出金不可能である旨を表示させ、処理を終了する。
【0042】
次のステップS245において、ATM管理サーバ122が管理口座管理サーバ130から出金可能との回答と共に残高及び/又は出金上限金額を受信し、次のステップS246において、ATM管理サーバ122がATM端末121に出金画面を表示させる(
図9参照)。
【0043】
次のステップS215において、顧客は、ATM端末121に表示されている出金画面を参照して、所望の出金額と予め登録済みの暗証番号を入力する。
【0044】
次のステップS247において、ATM端末121が出金額及び暗証番号をATM管理サーバ122に送信し、次のステップS248において、ATM管理サーバ122が管理口座管理サーバ130に出金額、口座番号、及び暗証番号を入出金信号として送信する。
【0045】
次のステップS225において、管理口座管理サーバ130は、第1の通信部を用いて、ATM管理サーバ122から出金額、口座番号、及び暗証番号を入出金信号として受信する。そして、ステップS226において、第1の通信部を用いて、資金移動サーバ110に出金額、口座番号、及び暗証番号を送信する。
【0046】
ステップS236において、資金移動サーバ110は、第2の通信部を用いて、出金額、口座番号、及び暗証番号を入出金信号として受信する。次のステップS237において、資金移動サーバ110は、暗証番号が正しいことを確認するとともに、この取引に対応する仮想口座の残高から出金額を減算し、かつ出金額を記録し、暗証番号が正しくかつ減算できた場合には、出金成功の旨及び/又は手数料を管理口座管理サーバ130に第2の通信部を用いて送信し、暗証番号が間違っている又は減算できなかった場合には、出金失敗の旨を管理口座管理サーバ130に第2の通信部を用いて送信する。
【0047】
次のステップS227において、管理口座管理サーバ130は、出金成功の旨及び手数料、又は出金失敗の旨を受信する。そして、ステップS228において、管理口座管理サーバ130は、ATM管理サーバ122に出金成功の旨及び手数料、又は出金失敗の旨を送信し、出金成功の旨を受信した場合には、ステップS229において、管理口座の残高から出金額及び手数料を減算する。
【0048】
次のステップS249において、ATM管理サーバ122が出金成功の旨及び手数料、又は出金失敗の旨を受信する。出金成功の旨及び手数料を受信した場合には、次のステップS250において、ATM端末121は、出金成功の旨及び手数料を画面に表示して、出金額を排出する。出金失敗の旨を受信した場合には、ステップS250において、ATM端末121は、出金失敗の旨を画面に表示する。
【0049】
ステップS216において、顧客が現金を受領、あるいは出金失敗の旨を認識して、この処理が終了する。
【0050】
第1の出金処理によれば、仮想口座サービス提供会社に口座を持たない顧客であっても、仮想口座サービス提供会社に口座を開設せずに、仮想的に口座にお金を保持させて、顧客自身のお金を出金することができる。
【0051】
次に、
図10及び11を用いて第1の入金処理について説明する。第1の出金処理と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。ステップS211、S241、及びS242の処理は第1の出金処理と同様であるため、説明を省略する。
【0052】
ステップS1012において、顧客が、顧客端末142を操作して仮想口座アプリケーションを立ち上げ、ログインし、「ATMご入金」を選択すると、「ATMご入金」の手法を説明する画面が顧客端末142に表示される。そして、この画面において「次へ」を押圧すると、カメラが起動される。顧客がカメラを取引認証コード(QRコード)に向けると、顧客端末142は取引認証コード(QRコード)を自動的に撮影し、取引認証コードを資金移動サーバ110に送信する。ステップS241、S242、S231、S232、S233、S214、S215、及びS243の処理は第1の出金処理と同様であるため、説明を省略する。
【0053】
ステップS1044において、ATM管理サーバ122が、団体認識コードに対応する銀行に照会電文を送信し、すなわち管理口座管理サーバ130に入金可能か否かを照会する。
【0054】
ステップS1021において、管理口座管理サーバ130は、照会を受信する。そして、ステップS1022において、資金移動サーバ110に入金可能か否かを照会する。
【0055】
ステップS1034において、資金移動サーバ110は、管理口座管理サーバ130からの照会を受信し、次のステップS1035において、この取引に対応する仮想口座の入金上限金額を確認し、入金上限金額に達していない場合等に、入金可能との回答と共に入金上限金額を管理口座管理サーバ130に送信し、入金上限金額に達している場合等に、入金不可との回答を管理口座管理サーバ130に送信する。なお、入金上限金額は、一日当たりの上限金額と、仮想口座当たりの上限金額とを含む。
【0056】
次のステップS1023において、管理口座管理サーバ130は、照会を受信する。そして、ステップS1024において、入金可能との回答を受信している場合には、ATM管理サーバ122に入金可能との回答と共に入金上限金額を送信し、入金不可との回答を受信している場合には、管理口座管理サーバ130は、入金不可能である旨をATM管理サーバ122に送信し、ATM管理サーバ122は、ATM端末121に入金不可能である旨を表示させ、処理を終了する。
【0057】
次のステップS1045において、ATM管理サーバ122が管理口座管理サーバ130から入金可能との回答と共に入金上限金額を受信し、次のステップS1046において、ATM管理サーバ122がATM端末121に入金画面を表示させる(
図12参照)。
【0058】
次のステップS1015において、顧客はATM端末121に表示されている入金画面を参照して、ATM端末121に所望の金額を入金する。
【0059】
次のステップS1047において、ATM端末121は、入金された金額を数えて入金額をATM管理サーバ122に送信し、次のステップS1048において、ATM管理サーバ122がATM端末121から入金額を受信し、管理口座管理サーバ130に入金額及び口座番号を入出金信号として送信する。
【0060】
次のステップS1025において、管理口座管理サーバ130は、ATM管理サーバ122から、第1の通信部を用いて、入金額及び口座番号を入出金信号として受信する。そして、ステップS1026において、第1の通信部を用いて、資金移動サーバ110に入金額及び口座番号を入出金信号として送信する。
【0061】
ステップS1036において、資金移動サーバ110は、第2の通信部を用いて、入金額及び口座番号を入出金信号として受信し、次のステップS1037において、この取引に対応する仮想口座の残高に入金額を加算するとともに記録し、加算できた場合には、入金成功の旨を第2の通信部を用いて、管理口座管理サーバ130に送信し、加算できなかった場合には、入金失敗の旨を管理口座管理サーバ130に第2の通信部を用いて送信する。
する。
【0062】
次のステップS1027において、管理口座管理サーバ130は、入金成功の旨又は入金失敗の旨を受信する。そして、ステップS1028において、ATM管理サーバ122に入金成功の旨又は入金失敗の旨を送信し、入金成功の旨を受信した場合には、ステップS1029において、管理口座の残高に入金額を加算する。
【0063】
次のステップS1049において、ATM管理サーバ122が入金成功の旨又は入金失敗の旨を受信する。入金成功の旨を受信した場合には、次のステップS1050において、ATM端末121は、入金成功の旨を画面に表示する。入金失敗の旨を受信した場合には、ステップS1050において、ATM端末121は、入金失敗の旨を画面に表示して、入金額を排出する。
【0064】
ステップS1016において、顧客が入金成功の旨を確認し、あるいは現金を受領して、この処理が終了する。
【0065】
第1の入金処理によれば、仮想口座サービス提供会社に口座を持たない顧客であっても、仮想口座サービス提供会社に口座を開設せずに、顧客自身のお金を仮想的に顧客自身の口座に保持することができる。
【0066】
次に、
図13を用いて振込処理について説明する。第1の出金処理又は第1の入金処理と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。
【0067】
まず、ステップS1311において、第三者が、顧客の仮想口座の口座番号宛てに振込を行うと、第三者の振込人名義と、振込金額と、仮想口座の口座番号とが、全国銀行データ通信システムのサーバに送信される。
【0068】
次のステップS1341において、全国銀行データ通信システムのサーバは、仮想口座の口座番号に対応する仮想口座サービス提供会社の管理口座管理サーバ130に、振込人名義と振込金額と口座番号とを入出金信号として送信する。
【0069】
次のステップS1321において、管理口座管理サーバ130は、第1の通信部を用いて、振込人名義と振込金額と口座番号とを入出金信号として受信して、資金移動サーバ110にこれらを送信した後、ステップS1322とS1331に進む。そして、ステップS1322において、所定の時間間隔をおいた後に、管理口座の預金残高に入金額を加算する。
【0070】
他方、ステップS1331では、資金移動サーバ110は、第2の通信部を用いて入出金信号を受信し、入出金信号に基づいてこの取引に対応する仮想口座の残高に入金額を加算し、振込人名義を記録する。
【0071】
次のステップS1312では、顧客が、顧客端末142を操作して、仮想口座に振込があったか否かを確認可能となる。そして、この処理が終了する。
【0072】
振込処理によれば、仮想口座サービス提供会社に口座を持たない顧客であっても、仮想口座サービス提供会社に口座を開設せずに、第三者からお金を振り込んでもらうことが可能になると共に、顧客自身のお金を仮想的に顧客自身の口座に保持することができる。
【0073】
本実施形態によれば、所望の金額を保持可能な仮想口座を提供する装置、システム、及びその方法を得る。
【0074】
なお、取引認証コードは、QRコードに限定されず、英数字や記号などの文字又は図形を用いてもよい。この場合、ステップS213において、顧客はカメラで文字又は図形を撮影して入力、あるいは顧客端末142のキーボードやタッチパネルを用いて文字又は図形を入力してもよい。
【0075】
以下、
図14及び15を参照して、第2の実施形態による仮想口座提供システムについて説明する。第2の実施形態による仮想口座提供システムは、第1の実施形態に対し、顧客端末142の代わりにカード(顧客媒体)を用いる点において異なる。以下、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0076】
カードは、仮想口座の口座番号及び仮想口座の名義人名称等の情報を予め記憶している。
口座番号は、仮想口座サービス提供会社を特定可能な番号を含む。この番号は、第1の実施形態における団体認識コードに相当する。ATM管理サーバ122及びATM端末121は、前述の処理のうちの少なくとも1つに加えて、ATM端末121に挿入されたカードに記憶されている情報を読み取って、入金又は出金可能か否かを仮想口座サービス提供会社の管理口座管理サーバ130に照会する処理等を実行可能である。
【0077】
次に、
図14を用いて、カードを用いた第2の出金処理について説明する。第1の出金処理と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。まず、ステップS1411において、顧客が、ATM端末121にカードを挿入する。
【0078】
次のステップS1441において、カードに記憶されている仮想口座の口座番号及び仮想口座の名義人名称等の情報をATM端末121が読み出して、ATM管理サーバ122に送信すると、ATM管理サーバ122がこれらの情報を管理口座管理サーバ130に送信する。
【0079】
ステップS221において、管理口座管理サーバ130は、これらの情報を受信し、ステップS222において、資金移動サーバ110に、この取引に対応する仮想口座から出金可能か否かを照会する。以降の処理は、第1の出金処理のステップS234以降と同様である為、説明を省略する。
【0080】
第2の出金処理によれば、仮想口座サービス提供会社に口座を持たない顧客であっても、仮想口座サービス提供会社に口座を開設せずに、仮想的に口座にお金を保持させて、顧客自身のお金を出金することができる。また、スマートフォン等の携帯端末を持たない顧客にも、仮想口座サービス提供会社に口座を開設せずに、仮想的に口座にお金を保持させて、顧客自身のお金を出金することができる。
【0081】
次に、
図15を用いてカードを用いた第2の入金処理について説明する。第1の入金処理と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。まず、ステップS1511において、顧客が、ATM端末121にカードを挿入する。
【0082】
次のステップS1541において、カードに記憶されている仮想口座の口座番号及び仮想口座の名義人名称等の情報をATM端末121が読み出して、ATM管理サーバ122に送信すると、ATM管理サーバ122がこれらの情報を管理口座管理サーバ130に送信する。
【0083】
ステップS1021において、管理口座管理サーバ130は、これらの情報を受信し、ステップS1022において、資金移動サーバ110に、この取引に対応する仮想口座に入金可能か否かを照会する。以降の処理は、第1の入金処理のステップS1034以降と同様である為、説明を省略する。
【0084】
第2の入金処理によれば、仮想口座サービス提供会社に口座を持たない顧客であっても、仮想口座サービス提供会社に口座を開設せずに、顧客自身のお金を仮想的に顧客自身の口座に保持することができる。また、スマートフォン等の携帯端末を持たない顧客であっても、仮想口座サービス提供会社に口座を開設せずに、顧客自身のお金を仮想的に顧客自身の口座に保持することができる。
【0085】
本実施形態によれば、所望の金額を保持可能な仮想口座を提供する装置、システム、及びその方法を得る。
【0086】
なお、第2の出金処理において、ATM端末121を用いて顧客に暗証番号を入力させ、これを用いて顧客を認証してもよい。暗証番号は、カードに記憶されている情報と共に仮想口座提供システムに送信され、資金移動サーバ110で認証される。また、第2の実施形態による仮想口座提供システムは、第1の実施形態による振込処理も実行可能である。
【0087】
なお、いずれの実施形態においても、顧客の認証を資金移動サーバ110で実行するとして説明したが、管理口座管理サーバ130で実行してもよい。
【0088】
また、顧客媒体は前述のものに限定されず、顧客を特定できるもの、例えばICを含む装置やメモリであってもよい。
【0089】
また、仮想口座提供システムは、出金、入金、及び振込処理全てを実行可能として説明したが、いずれか1つの処理のみを実行可能であってもよく、顧客端末142及びカードの両方を利用可能であってもよい。
【0090】
なお、全ての仮想口座の残高を合算した額は、管理口座の残高と一致してもよいし、一致しなくてもよい。管理口座には、仮想口座から出金するに足りる残高があればよい。管理口座の残高は、例えば、仮想口座に対する入出金の見込み額など、適切な額に適宜調整されてもよい。
【0091】
ここに付随する図面を参照して本発明の実施形態が説明されたが、記載された発明の範囲と精神から逸脱することなく、変形が各部の構造と関係に施されることは、当業者にとって自明である。
【符号の説明】
【0092】
100 仮想口座提供システム
110 資金移動サーバ
120 入出金受付サーバ
121 ATM端末
122 管理サーバ
130 管理口座管理サーバ
142 顧客端末
151 専用回線
152 全銀内為ネットワーク(全国銀行データ通信システム)