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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】画像読取装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
B65H5/06 D
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020017441
(22)【出願日】2020-02-04
(65)【公開番号】P2021123450
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-205463(JP,A)
【文献】特開2005-001828(JP,A)
【文献】特開2016-127381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に間隔をあけて並んで配置された複数のローラを有し、シートを搬送する搬送回転体と、
シートが搬送される搬送経路において、前記搬送回転体の軸方向から見て、湾曲した湾曲搬送路の内側を形成する内ガイド部材と、
搬送されるシートの画像を読み取る読取手段と、
シートの搬送方向において、前記搬送回転体と前記読取手段との間の位置で前記内ガイド部材に設けられ、従動回転可能な第1従動回転体と、
前記搬送方向において前記搬送回転体と前記読取手段との間であり、前記搬送方向において前記第1従動回転体とは異なる位置で前記内ガイド部材に設けられ、従動回転可能な第2従動回転体と、を備え、
前記第1従動回転体は、前記軸方向から見て前記第2従動回転体と一部が重複し、且つ、前記搬送方向から見て前記第2従動回転体及び前記複数のローラと重複しない位置に配設され
前記第2従動回転体は、前記搬送方向から見て前記複数のローラと重複する位置に配設されている、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
複数の前記第1従動回転体と、複数の前記第2従動回転体と、を備え、
前記複数の第1従動回転体は、前記搬送方向から見て前記複数の第2従動回転体と重複しない位置に配設されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記複数の第1従動回転体と前記複数の第2従動回転体とは、前記軸方向において交互に配設されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記第2従動回転体は、前記軸方向から見て前記搬送方向において前記第1従動回転体の外周面と前記第2従動回転体の外周面とが重複する位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記搬送回転体と、前記第1従動回転体と、前記第2従動回転体と、は、前記搬送方向において前記読取手段よりも上流側に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記搬送回転体と、前記第1従動回転体と、前記第2従動回転体と、は、前記搬送方向において前記読取手段よりも下流側に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記搬送回転体は、前記搬送方向において前記読取手段よりも上流側に設けられた第1搬送回転体であり、
前記搬送方向において前記読取手段よりも下流側に設けられた第2搬送回転体と、
前記搬送方向において前記第2搬送回転体と前記読取手段との間の位置で前記内ガイド部材に設けられ、従動回転可能な第3従動回転体と、
前記搬送方向において前記第2搬送回転体と前記読取手段との間であり、前記搬送方向において前記第3従動回転体とは異なる位置で前記内ガイド部材に設けられ、従動回転可能な第4従動回転体と、を備え、
前記第3従動回転体は、前記軸方向から見て前記第4従動回転体と一部が重複し、且つ、前記搬送方向から見て前記第4従動回転体と重複しない位置に配設されている、
ことを特徴とする請求項に記載の画像読取装置。
【請求項8】
複数の前記第3従動回転体と、複数の前記第4従動回転体と、を備え、
前記複数の第3従動回転体は、前記搬送方向から見て前記複数の第4従動回転体と重複しない位置に配設されている、
ことを特徴とする請求項に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記複数の第3従動回転体と前記複数の第4従動回転体とは、前記軸方向において交互に配設されている、
ことを特徴とする請求項に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記第4従動回転体は、前記軸方向から見て前記搬送方向において前記第3従動回転体の外周面と前記第4従動回転体の外周面とが重複する位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項11】
前記第1搬送回転体の前記複数のローラは、前記軸方向において第1の間隔を有して一列に並ぶ複数の第1ローラであり、
前記第2搬送回転体は、前記軸方向においての第2の間隔を有して一列に並ぶ複数の第2ローラから構成され、
前記第4従動回転体は、前記搬送方向から見て前記軸方向において前記複数の第2ローラと重複しない位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項12】
前記第3従動回転体は、前記搬送方向から見て前記軸方向において前記複数の第2ローラと重複する位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項11に記載の画像読取装置。
【請求項13】
前記読取手段は、シートの一方の面の画像を読み取る第1読取手段と、前記搬送経路において対向して配設され、シートの他方の面の画像を読み取る第2読取手段と、を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置によって読み取られた画像を記録材に形成する画像形成部と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの表面の画像を読み取る画像読取装置及び画像読取装置が読み取った画像を記録材に形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置においては、湾曲した搬送路を有する搬送経路を用いてシートを搬送する際に、湾曲した搬送路を構成するガイド部材に搬送されるシートが摺擦されることで搬送抵抗が大きくなる。このような画像読取装置においては、搬送抵抗を軽減させるために、ガイド部材に従動回転するコロ部材を複数設ける構成が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-297780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、画像読取装置においては、装置の小型化を実現するために、搬送経路の湾曲の曲率を大きくし、搬送経路を短縮することが求められている。しかしながら、特許文献1に記載の画像読取装置のように、従動回転するコロ部材を軸方向において一列に並べて配設した場合においては、湾曲した搬送路とコロ部材とによってシートの姿勢が不安定となり、安定したシートの搬送が困難となる虞があった。
【0005】
本発明は、湾曲した搬送路を有する場合において、安定してシートを搬送するとともに、搬送されるシートに形成された画像を良好に読取可能な画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、軸方向に間隔をあけて並んで配置された複数のローラを有し、シートを搬送する搬送回転体と、シートが搬送される搬送経路において、前記搬送回転体の軸方向から見て、湾曲した湾曲搬送路の内側を形成する内ガイド部材と、搬送されるシートの画像を読み取る読取手段と、シートの搬送方向において、前記搬送回転体と前記読取手段との間の位置で前記内ガイド部材に設けられ、従動回転可能な第1従動回転体と、前記搬送方向において前記搬送回転体と前記読取手段との間であり、前記搬送方向において前記第1従動回転体とは異なる位置で前記内ガイド部材に設けられ、従動回転可能な第2従動回転体と、を備え、前記第1従動回転体は、前記軸方向から見て前記第2従動回転体と一部が重複し、且つ、前記搬送方向から見て前記第2従動回転体及び前記複数のローラと重複しない位置に配設され、前記第2従動回転体は、前記搬送方向から見て前記複数のローラと重複する位置に配設されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、湾曲した搬送路を有する場合において、安定してシートを搬送するとともに、搬送されるシートに形成された画像を良好に読取可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)は、本実施形態に係る画像形成装置の正面図、(b)は、画像形成エンジンを示す模式図である。
図2】本実施形態に係る画像読取装置の斜視図である。
図3】本実施形態に係る画像読取装置の断面図である。
図4】本実施形態に係る画像読取装置のうち読取手段近傍を示す断面図である。
図5】本実施形態に係る画像読取装置のうち読取手段近傍を示す正面図である。
図6】本実施形態に係る画像読取装置のうち読取手段近傍のうち内ガイド部材を非表示にした断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態において、図1図6を参照しながら詳細に説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。図1(a)は、電子写真方式の画像形成装置200の正面図であり、図1(b)は、画像形成装置200が備える画像形成エンジンの模式図である。
【0010】
[画像形成装置]
図1(a)に示すように、画像形成装置200は、記録紙に画像を形成する画像形成エンジン60を有する画像形成部202と、画像形成部202の下部に装着され、記録紙を積載する給紙カセット203と、を備えている。また、画像形成装置200は、画像形成部202の上部に装着され、原稿の画像読取を行う画像読取装置201と、を備えている。
【0011】
画像形成部202は、画像形成部202の略中央部に画像形成手段が配置されている。また、画像形成部202の下方には、給紙カセット203を含む記録紙を給紙するための給紙手段が配設されている。また、画像形成部202の上方には、原稿の画像を読み取るための読取手段として、CCD等を備えた画像読取装置201が配設されている。そして、画像形成装置200は、画像読取装置201と画像形成部202との間に、空間を設けており、該空間が画像形成部202から搬送された記録紙を排紙積載するための本体排紙部204を形成している。
【0012】
画像形成部202の有する画像形成エンジン60は、図1(b)に示すように、電子写真方式の画像形成部としての画像形成ユニットPUと、定着装置7と、を備えている。画像形成動作の開始が指令されると、感光体である感光ドラム1が回転し、ドラム表面が帯電装置2によって一様に帯電される。すると、露光装置3が、画像読取装置201又は外部のコンピュータから送信された画像データに基づいてレーザ光を変調して出力し、感光ドラム1の表面を走査して静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像装置4から供給されるトナーによって可視化(現像)されてトナー像となる。
【0013】
このような画像形成動作に並行して、給紙カセット203又は不図示の手差しトレイに積載された記録紙を画像形成エンジン60へ向けて給送する給送動作が実行される。給送された記録紙は、画像形成ユニットPUによる画像形成動作の進行に合わせて搬送される。そして、感光ドラム1に担持されたトナー像は、転写ローラ5によって記録紙に転写される。トナー像転写後に感光ドラム1上に残ったトナーは、クリーニング装置6によって回収される。未定着のトナー像が転写された記録紙は、定着装置7へと受け渡されて、ローラ対に挟持されて加熱及び加圧される。トナーが記録紙に対して溶融及び固着して画像が定着した記録紙は、排出ローラ対等の排出手段によって、本体排紙部204に排出される。
【0014】
[画像読取装置]
図2は、本実施形態の画像読取装置201の斜視図である。図2に示すように、画像読取装置201は、複数枚の原稿を分離給紙し、原稿に印字された画像を読取るためのADF(Auto Document Feeder)300を備えている。ADF300には、これから給紙するシートを載置するための給紙トレイ302と、給紙トレイ302上に載置されたシートを分離給紙し、搬送し、排出するための排紙トレイ303と、が設けられている。そして、ADF300の下方には、ADF300によって搬送された原稿の画像を読み取ったり、開閉可能なADF300を開き、書籍など厚みのある原稿の画像を読み取ったりするためのリーダ301が設けられている。
【0015】
なお、以下において、シートとは、普通紙の他にも、コート紙等の特殊紙、封筒やインデックス紙等の特殊形状からなる記録材、及びオーバーヘッドプロジェクタ用のプラスチックフィルムや布などを含むものとし、原稿もシートの一例である。
【0016】
図3は、画像読取装置201の断面図である。図3に示すように、ADF300には、給紙トレイ302に載置された複数枚の原稿Sを分離給紙するためのピックアップローラ401及び分離ローラ402が設けられている。また、ADF300には、分離ローラ402によって分離給紙された原稿Sを搬送するための複数の搬送ローラ403,404,405,406が設けられている。
【0017】
搬送ローラ403は、原稿Sの搬送方向(以下、単に「搬送方向」とも記載)において分離ローラ402の下流側に設けられ、分離ローラ402から搬送された原稿を引き抜き、搬送経路50内に搬送する。搬送ローラ404は、搬送方向において搬送ローラ403の下流側に設けられ、搬送ローラ405は、搬送方向において搬送ローラ404の下流側に設けられている。そして、搬送ローラ405の搬送方向下流側には、搬送ローラ406が設けられており、リーダ301に画像を読み取られた原稿Sが、搬送ローラ406によって排紙トレイ303に排出される。
【0018】
搬送ローラ403と搬送ローラ404との間は、各搬送ローラの軸方向から見て搬送経路50の内側を構成する内ガイド部材100と、搬送経路50の外側を構成する外ガイド部材500と、によって、湾曲した湾曲搬送路510が形成されている。湾曲搬送路510を設けることで、ADF300では、原稿Sが搬送される方向を変更することができ、ADF300内の搬送経路50を短くし、ADF300を小型化することができる。ADF300では、湾曲搬送路510の湾曲の曲率を大きくすることで、ADF300の高さ方向のサイズを小型化することができる。
【0019】
搬送ローラ404,405は、原稿Sをリーダ301で安定して読み取るために設けられている。搬送ローラ404,405は、搬送ローラ405の方が搬送ローラ404よりもわずかに速い回転速度で回転することで、搬送される原稿Sを搬送方向の下流側へ引っ張るように搬送し、搬送経路50内でたわむことを防止している。
【0020】
図3に示すように、リーダ301は、原稿Sの表面の画像を読み取る第1読取手段409を有している。第1読取手段409は、ADF300の下方に設けられたリーダ301内に配設されており、ADF300から原稿Sが搬送された場合、第1流し読みガラス407と対向する位置で静止し、第1流し読みガラス407を介して原稿Sの表面の画像を読み取る。また、第1読取手段409は、ADF300が開かれた場合において、リーダ301の内部に設けられたレール(不図示)上を図3中左右方向に移動して、原稿台ガラス408上に載置された原稿画像を読み取る。
【0021】
図4は、ADF300のうち搬送ローラ404,405近傍の拡大断面図である。図4に示すように、ADF300は、給紙トレイ302から搬送された原稿Sの裏面の画像を、第2流し読みガラス411を介して読み取る第2読取手段410を有している。第2読取手段410は、ADF300の内部のうち、搬送ローラ404と搬送ローラ405との間に配設されており、第1読取手段409が第1流し読みガラス407と対向する位置に静止している場合において、第1読取手段409と対向する。
【0022】
搬送ローラ404,405の間において、第1読取手段409と第2読取手段410とが、搬送経路50を跨いで対向配置されることで、画像読取装置201は、ADF300によって搬送される原稿Sの表面及び裏面の画像を読み取ることができる。
【0023】
図5は、図3に示したADF300のうち内ガイド部材100と第2流し読みガラス411とが配設された位置における搬送経路50を正面視した図である。まず、搬送方向A1のうち第2流し読みガラス411よりも上流側の構成について説明する。
【0024】
図5に示すように、搬送ローラ404は、搬送方向A1と直行する方向に回転軸を有するように配設されている。搬送ローラ404は、搬送ローラ404の軸方向と平行な方向である方向A2において、それぞれ所定の間隔(第1の間隔)を有して一列に配設されたローラ404a,404b,404cを有している。
【0025】
内ガイド部材100には、ローラ404a,404bの間に、搬送ローラ404の軸方向と平行な回転軸600aを有し、従動回転可能な第1コロ部材104aが配設さている。また、内ガイド部材100には、ローラ404b,404cの間に、回転軸600aと同軸上の回転軸600bを有し、従動回転可能な第1コロ部材104bが配設されている。
【0026】
また、内ガイド部材100には、搬送ローラ404に対して搬送方向A1の下流側で、かつ第2流し読みガラス411よりも搬送方向A1の上流側の位置に、回転軸601a~601cを有する第2コロ部材105a~105cが配設されている。
【0027】
方向A2において、第2コロ部材105aは、ローラ404aと重複する位置に配設され、第2コロ部材105bは、ローラ404bと重複する位置に配設され、第2コロ部材105cは、ローラ404cと重複する位置に配設されている。また、第2コロ部材105a~105cは、第1コロ部材104a,104bよりも搬送方向A1の下流側に配設されている。
【0028】
つまり、ADF300では、方向A2において、第2コロ部材105a、第1コロ部材104a、第2コロ部材105b、第1コロ部材104b、第2コロ部材105cの順に、内ガイド部材100に配設されている。換言すると、ADF300では、第2コロ部材105a~105cと、第1コロ部材104a,104bと、について、方向A2において異なる位置に交互に配設されることで、搬送方向から見た場合に、互いに重複しない位置に配設されている。
【0029】
また、図5に示すように、ADF300では、第1コロ部材104a,104bと、第2コロ部材105a~105cと、について、搬送方向A1において異なる位置となるように内ガイド部材100に配設されている。
【0030】
次に搬送方向A1のうち第2流し読みガラス411よりも下流側の構成について説明する。図5に示すように、搬送ローラ405は、方向A2において、それぞれ所定の間隔(第2の間隔)を有して一列に配設されたローラ405a,405b,405cを有している。
【0031】
内ガイド部材100には、搬送ローラ405に対して搬送方向A1の上流側で、かつ第2流し読みガラス411よりも搬送方向A1の下流側の位置に、回転軸602a~602cを有する第3コロ部材106a~106cが配設されている。
【0032】
方向A2において、第3コロ部材106aは、ローラ405aと重複する位置に配設され、第3コロ部材106bは、ローラ405bと重複する位置に配設され、第3コロ部材106cは、ローラ405cと重複する位置に配設されている。
【0033】
また、内ガイド部材100には、ローラ405a,405bの間に、搬送ローラ405の軸方向と平行な回転軸603aを有し、従動回転可能な第4コロ部材107aが配設さている。また、内ガイド部材100には、ローラ405b,405cの間に、回転軸603aと同軸上の回転軸603bを有し、従動回転可能な第4コロ部材107bが配設されている。第4コロ部材107a,107bは、第3コロ部材106a~106cよりも搬送方向A1の下流側に配設されている。
【0034】
つまり、ADF300では、方向A2において、第3コロ部材106a、第4コロ部材107a、第3コロ部材106b、第4コロ部材107b、第3コロ部材106cの順に、内ガイド部材100に配設されている。換言すると、ADF300では、第3コロ部材106a~106cと、第4コロ部材107a,107bと、について、方向A2において異なる位置に交互に配設されることで、搬送方向から見た場合に、互いに重複しない位置に配設されている。
【0035】
また、図5に示すように、ADF300では、第3コロ部材106a~106cと、第4コロ部材107a,107bと、について、搬送方向A1において異なる位置となるように内ガイド部材100に配設されている。
【0036】
なお、第1コロ部材104a,104bと回転軸600a,600bとは、方向A2における配設された位置が異なることを除いて実質的に同一の構成を有している。以下の記載において、特に区別を要しない場合は、符号に添えた添え字a,bを省略し、第1コロ部材104、回転軸600のように総括的に説明する。また、他のコロ部材及び回転軸についても、略同様に、特に区別を要しない場合は、第2コロ部材105、回転軸601、第3コロ部材106、回転軸602、第4コロ部材107、回転軸603、のように総括的に説明する。
【0037】
図6は、ADF300のうち内ガイド部材100を非表示にした搬送ローラ404,405近傍の拡大断面図である。図6に示すように、第2コロ部材105は、軸方向から見た場合において、第1コロ部材104の外周面と第2コロ部材105の外周面とが搬送方向において重複する位置に配設されている。また、第4コロ部材107は、軸方向から見た場合において、第3コロ部材106の外周面と第4コロ部材107の外周面とが搬送方向において重複する位置に配設されている。
【0038】
[本実施形態のまとめ]
画像読取装置201では、内ガイド部材100に第1コロ部材104~第4コロ部材107を設けることで、内ガイド部材100に原稿Sが摺擦される際の搬送負荷を従動回転する第1コロ部材104~第4コロ部材107によって抑制することができる。ここで、画像読取装置201では、湾曲搬送路510の湾曲の曲率が大きくなるほど、搬送経路50を搬送される原稿Sが第1コロ部材104~第4コロ部材107に押し付けられるようになる。
【0039】
画像読取装置201では、仮に、第1コロ部材104と第2コロ部材105とが、搬送方向から見て同じ位置に配設された場合、原稿Sの幅方向において同じ位置で原稿Sと第1コロ部材104、第2コロ部材105が当接する。これにより、原稿Sには、第1コロ部材104、第2コロ部材105に起因する筋状のへこみが発生する虞がある。また、画像読取装置201では、仮に、第3コロ部材106と第4コロ部材107とが、搬送方向から見て同じ位置に配設された場合も、同様に、原稿Sに第3コロ部材106、第4コロ部材107に起因する筋状のへこみが発生する虞がある。
【0040】
画像読取装置201では、原稿Sに第1コロ部材104~第4コロ部材107に起因する筋状のへこみが発生してしまった場合、原稿Sの安定した搬送及び原稿Sに形成された画像を読み取る際に良好な画質で読み取ることが困難となってしまう。
【0041】
本実施形態の画像読取装置201は、搬送ローラ404と第2読取手段410との間に、第1コロ部材104と第2コロ部材105とが配設されている。また、第1コロ部材104a,104bは、回転軸600a,600b上において、搬送方向A1から見て第2コロ部材105a~105cと重複しない位置に配設されている。そして、第2コロ部材105a~105cは、回転軸601a~601c上において、搬送方向A1から見て第1コロ部材104a,104bと重複しない位置に配設されている。
【0042】
また、本実施形態の画像読取装置201は、搬送ローラ405と第2読取手段410との間に、第3コロ部材106と第4コロ部材107とが配設されている。また、第3コロ部材106a~106cは、回転軸602a~602c上において、搬送方向A1から見て第4コロ部材107a,107bと重複しない位置に配設されている。そして、第4コロ部材107a,107bは、回転軸603a,603b上において、搬送方向A1から見て第3コロ部材106a~106cと重複しない位置に配設されている。
【0043】
このような構成により、画像読取装置201は、搬送される原稿Sに対して、第1コロ部材104と第2コロ部材105とが異なる位置で当接し、第3コロ部材106と第4コロ部材107とが異なる位置で当接する。
【0044】
この、第1コロ部材104が、本実施形態における第1従動回転体を構成し、第1コロ部材104の回転軸600が、本実施形態における第1軸を構成する。また、第2コロ部材105が、本実施形態における第2従動回転体を構成し、第2コロ部材105の回転軸601が、本実施形態における第2軸を構成する。第3コロ部材106が、本実施形態における第3従動回転体を構成し、第3コロ部材106の回転軸602が、本実施形態における第3軸を構成する。また、第4コロ部材107が、本実施形態における第4従動回転体を構成し、第4コロ部材107の回転軸603が、本実施形態における第4軸を構成する。
【0045】
また、シートとしての原稿Sの一方の面である表面の画像を読み取る第1読取手段409と、原稿Sの他方の面である裏面の画像を読み取る第2読取手段410と、が、本実施形態における読取手段を構成する。また、第2読取手段410よりも上流側に設けられた搬送ローラ404が、本実施形態における第1搬送回転体を構成し、搬送ローラ404が有する複数のローラ404a~404cが、本実施形態における複数のローラ及び複数の第1ローラを構成する。また、第2読取手段410よりも下流側に設けられた搬送ローラ405が、本実施形態における第2搬送回転体を構成し、搬送ローラ405が有する複数のローラ405a~405cが、本実施形態における複数の第2ローラを構成する。
【0046】
以上のように、本実施形態の画像読取装置201は、搬送される原稿Sに対して、第1コロ部材104と第2コロ部材105とが搬送ローラ404の軸方向において異なる位置で当接する。このため、画像読取装置201は、第1コロ部材104、第2コロ部材105に起因する原稿Sの筋状のへこみの発生を抑制できる。また、画像読取装置201は、搬送される原稿Sに対して、第1コロ部材104と第2コロ部材105とが搬送方向においても異なる位置で当接する。このような構成により、画像読取装置201は、搬送される原稿Sの姿勢を安定させ、原稿Sの安定した搬送を実現することができる。また、画像読取装置201は、原稿Sに形成された画像を第2コロ部材105の搬送方向下流側に位置する第1読取手段409、第2読取手段410で読み取る際に、姿勢が安定した原稿Sから良好な画質で読み取ることができる。
【0047】
また、本実施形態の画像読取装置201は、搬送される原稿Sに対して、第3コロ部材106と第4コロ部材107とが搬送ローラ405の軸方向において異なる位置で当接する。このため、画像読取装置201は、第3コロ部材106、第4コロ部材107に起因する原稿Sの筋状のへこみの発生を抑制できる。また、画像読取装置201は、搬送される原稿Sに対して、第3コロ部材106と第4コロ部材107とが搬送方向においても異なる位置で当接する。このような構成により、画像読取装置201は、原稿Sの安定した搬送を実現することができる。また、画像読取装置201は、原稿Sに形成された画像を第3コロ部材106の搬送方向上流側に位置する第1読取手段409、第2読取手段410で読み取る際に、良好な画質で読み取ることができる。
【0048】
また、本実施形態の画像読取装置201は、搬送ローラ404と第2読取手段410との間において、軸方向から見て第1コロ部材104の外周面と第2コロ部材105の外周面とが重複する位置に第1コロ部材104及び第2コロ部材105が配設されている。
【0049】
この構成により、画像読取装置201は、第1コロ部材104及び第2コロ部材105を配設するために必要なスペースを省スペース化することができ、第1コロ部材104及び第2コロ部材105を設けることで装置が大型化することを防ぐことができる。
【0050】
また、本実施形態の画像読取装置201は、搬送ローラ405と第2読取手段410との間において、軸方向から見て第3コロ部材106の外周面と第4コロ部材107の外周面とが重複する位置に第3コロ部材106及び第4コロ部材107が配設されている。
【0051】
この構成により、画像読取装置201は、第3コロ部材106及び第4コロ部材107を配設するために必要なスペースを省スペース化することができ、第3コロ部材106及び第4コロ部材107を設けることで装置が大型化することを防ぐことができる。
【0052】
なお、本実施形態において、画像読取装置201は、2個の第1コロ部材104a,104bと、3個の第2コロ部材105a~105cと、を有しているが、これに限定されない。画像読取装置201は、少なくとも1つの第1コロ部材と第2コロ部材とを有していればよい。1個の第1コロ部材と1個の第2コロ部材とを有するように構成された場合、画像読取装置201は、該1個の第1、第2コロ部材について、軸方向において異なる位置に配設する。また、画像読取装置201において、1個の第1コロ部材は、第1軸上において、搬送方向から見て1個の第2コロ部材がない位置に配設され、1個の第2コロ部材は、第2軸上において、搬送方向から見て1個の第1コロ部材がない位置に配設されればよい。
【0053】
また、本実施形態において、画像読取装置201は、2個の第1コロ部材104a,104bのすべてが、回転軸600a,600b上において3個の第2コロ部材105a~105cがない位置に配設されている。また、画像読取装置201は、3個の第2コロ部材105a~105cのすべてが、回転軸601a~601c上において2個の第1コロ部材104a,104bがない位置に配設されている。画像読取装置201は、本実施形態の構成に限らず、少なくとも1個の第1コロ部材が、第1軸上において第2コロ部材がない位置に配設され、少なくとも1個の第2コロ部材が、第2軸上において第1コロ部材がない位置に配設されていればよい。
【0054】
また、画像読取装置201は、3個の第3コロ部材106a~106cと、2個の第4コロ部材107a,107bと、を有しているが、これに限定されない。画像読取装置201は、少なくとも1つの第3コロ部材と第4コロ部材とを有していればよい。1個の第3コロ部材と1個の第4コロ部材とを有するように構成された場合、画像読取装置201は、該1個の第3、第4コロ部材について、軸方向において異なる位置に配設する。また、画像読取装置201において、1個の第3コロ部材は、第3軸上において、搬送方向から見て1個の第4コロ部材がない位置に配設され、1個の第4コロ部材は、第4軸上において、搬送方向から見て1個の第3コロ部材がない位置に配設されればよい。
【0055】
また、本実施形態において、画像読取装置201は、3個の第3コロ部材106a~106cのすべてが、回転軸602a~602c上において2個の第4コロ部材107a,107bがない位置に配設されている。また、画像読取装置201は、2個の第4コロ部材107a,107bのすべてが、回転軸603a,603b上において3個の第3コロ部材106a~106cがない位置に配設されている。画像読取装置201は、本実施形態の構成に限らず、少なくとも1個の第3コロ部材が、第3軸上において第4コロ部材がない位置に配設され、少なくとも1個の第4コロ部材が、第4軸上において第4コロ部材がない位置に配設されていればよい。
【0056】
また、本実施形態において、画像読取装置201は、第1コロ部材104aが配設された回転軸600aと、第1コロ部材104bが配設された回転軸600bと、同軸上に独立した2本の回転軸を有しているが、これに限定されない。画像読取装置201は、例えば、1本の第1軸上に第1コロ部材104aと第1コロ部材104bとを有するように構成されていてもよい。また、画像読取装置201は、第2コロ部材105~第4コロ部材107のそれぞれについても、第1コロ部材104と略同様に、1本の第2軸~第4軸上に複数の第2コロ部材105~第4コロ部材107を有するように構成されていてもよい。
【0057】
また、本実施形態では、搬送ローラ404と第2読取手段410との間に第1コロ部材104、第2コロ部材105が配設され、搬送ローラ405と第2読取手段410との間に第3コロ部材106、第4コロ部材107が配設されているが、これに限定されない。画像読取装置201は、搬送ローラ404と第2読取手段410との間に第1コロ部材104、第2コロ部材105を配設し、搬送ローラ405と第2読取手段410との間には、従動回転体を配設しないように構成されていてもよい。
【0058】
また、画像読取装置201は、搬送ローラ405と第2読取手段410との間に第3コロ部材106、第4コロ部材107を配設し、搬送ローラ404と第2読取手段410との間には、従動回転体を配設しないように構成されていてもよい。このように構成された場合、搬送ローラ405が、搬送回転体を構成し、第3コロ部材106が、第1従動回転体を構成し、第3コロ部材106を有する回転軸602が、第1軸を構成する。また、このように構成された場合、第4コロ部材107が、第2従動回転体を構成し、第4コロ部材107を有する回転軸603が、第2軸を構成する。
【0059】
また、本実施形態において、画像読取装置201は、第2コロ部材105a~105cと、第1コロ部材104a,104bと、について、搬送ローラ404の軸方向において異なる位置に交互に配設されているが、これに限定されない。画像読取装置201は、例えば、軸方向において、第2コロ部材、第1コロ部材、第1コロ部材、第2コロ部材の順に配設されていてもよく、それぞれ異なる位置に配置されていればよい。
【0060】
また、画像読取装置201は、第3コロ部材106a~106cと、第4コロ部材107a,107bと、について、搬送ローラ405の軸方向において異なる位置に交互に配設されているが、これに限定されない。画像読取装置201は、例えば、軸方向において、第3コロ部材、第4コロ部材、第4コロ部材、第3コロ部材の順に配設されていてもよく、それぞれ異なる位置に配置されていればよい。
【符号の説明】
【0061】
50…搬送経路:104,104a,104b…第1従動回転体(第1コロ部材):105,105a,105b,105c…第2従動回転体(第2コロ部材):106,106a,106b,106c…第1従動回転体、第3従動回転体(第3コロ部材):107,107a,107b…第2従動回転体、第4従動回転体(第4コロ部材):201…画像読取装置:202…画像形成部:404…搬送回転体、第1搬送回転体(搬送ローラ):404a,404b,404c…ローラ、第1ローラ:405…搬送回転体、第2搬送回転体(搬送ローラ):405a,405b,405c…ローラ、第2ローラ:409…読取手段、第1読取手段:410…読取手段、第2読取手段:510…湾曲搬送路:600,600a,600b…第1軸(回転軸):601,601a,601b,601c…第2軸(回転軸):602,602a,602b,602c…第1軸、第3軸(回転軸):603,603a,603b…第2軸、第4軸(回転軸):S…シート(原稿)
図1
図2
図3
図4
図5
図6