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特許7455604ノーマリオン型トランジスタの駆動回路及び駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】ノーマリオン型トランジスタの駆動回路及び駆動方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20240318BHJP
   H03K 17/06 20060101ALN20240318BHJP
   H03K 17/695 20060101ALN20240318BHJP
   H03K 17/687 20060101ALN20240318BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H03K17/06 063
H03K17/695
H03K17/687 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020023314
(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公開番号】P2021129442
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池内 克之
(72)【発明者】
【氏名】間島 秀明
【審査官】井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0047841(US,A1)
【文献】特表2016-540477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/08
H03K 17/06
H03K 17/695
H03K 17/687
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソース、ドレイン、及びゲートを有するGaNトランジスタとして構成されたノーマリオン型トランジスタの前記ソースに接続されたドレインを有し、前記ノーマリオン型トランジスタの主電流路に直列に接続された主電流路を有するノーマリオフ型トランジスタと、
高電位側の第1の電圧と低電位側の第2の電圧でバイアスされ、駆動信号に応答して前記ノーマリオン型トランジスタのオン/オフを制御する制御信号を前記ノーマリオン型トランジスタのゲートに配線を介して供給するバッファ回路と、
前記第1の電圧と前記第2の電圧を前記バッファ回路に供給する電源部と、
を具備し、
前記ノーマリオン型トランジスタをオンさせる第1の期間において前記バッファ回路に供給される前記第1の電圧は、前記ノーマリオフ型トランジスタのソース電圧よりも低い電圧であって、前記配線のインダクタンスに起因するリンギングが生じた場合でも制御信号の電圧が前記ノーマリオフ型トランジスタのソース電圧よりも高くならない様に設定され、
前記ノーマリオン型トランジスタをオフさせる第2の期間において、前記バッファ回路に供給される前記第2の電圧は、前記ノーマリオン型トランジスタのしきい値電圧よりも低い電圧であって、前記配線のインダクタンスに起因するリンギングが生じた場合でも前記制御信号の電圧が前記ノーマリオン型トランジスタのしきい値電圧よりも高くならない様に設定されることを特徴とするノーマリオン型トランジスタの駆動回路。
【請求項2】
前記バッファ回路に前記駆動信号を供給する駆動部を具備することを特徴とする請求項1に記載のノーマリオン型トランジスタの駆動回路。
【請求項3】
入力電圧供給端に接続されたドレインと、ソースと、ゲートを有するGaNトランジスタとして構成された第1のノーマリオン型トランジスタのソースに接続されたドレインと、出力ノードに接続されたソースと、ゲートを有する第1のノーマリオフ型トランジスタと、
高電位側の第1の電圧と低電位側の第2の電圧でバイアスされ、前記第1のノーマリオン型トランジスタのゲートに供給される第1の制御信号を第1の配線を介して出力する第1のバッファ回路と、
前記出力ノードに接続されたドレインと、ソースと、ゲートを有するGaNトランジスタとして構成された第2のノーマリオン型トランジスタのソースに接続されたドレインと、接地端子に接続されたソースと、ゲートを有する第2のノーマリオフ型トランジスタと、
高電位側の第3の電圧と低電位側の第4の電圧でバイアスされ、前記第2のノーマリオン型トランジスタのゲートに印加される第2の制御信号を第2の配線を介して出力する第2のバッファ回路と、
前記第1の電圧と前記第2の電圧を前記第1のバッファ回路に供給し、前記第3の電圧と前記第4の電圧を前記第2のバッファ回路に供給する電源部と、
を具備し、
前記第1のノーマリオン型トランジスタをオンさせる第1の期間において、前記第1のバッファ回路に供給される前記第1の電圧は、前記第1のノーマリオフ型トランジスタのソース電圧よりも低い電圧であって、前記第1の配線のインダクタンスに起因するリンギングが生じた場合でも前記第1の制御信号の電圧が前記第1のノーマリオフ型トランジスタのソース電圧よりも高くならない様に設定され、
前記第1のノーマリオン型トランジスタをオフさせる第2の期間において、前記第1のバッファ回路に供給される前記第2の電圧は、前記第1のノーマリオン型トランジスタのしきい値電圧よりも低い電圧であって、前記第1の配線のインダクタンスに起因するリンギングが生じた場合でも前記第1の制御信号の電圧が前記第1のノーマリオン型トランジスタのしきい値電圧よりも高くならない様に設定され
前記第2のノーマリオン型トランジスタをオンさせる第3の期間において、前記第2のバッファ回路に供給される前記第3の電圧は、前記第2のノーマリオフ型トランジスタのソース電圧よりも低い電圧であって、前記第2の配線のインダクタンスに起因するリンギングが生じた場合でも前記第2の制御信号の電圧が前記第2のノーマリオフ型トランジスタのソース電圧よりも高くならない様に設定され、
前記第2のノーマリオン型トランジスタをオフさせる第4の期間において、前記第2のバッファ回路に供給される前記第4の電圧は、前記第2のノーマリオン型トランジスタのしきい値電圧よりも低い電圧であって、前記第2の配線のインダクタンスに起因するリンギングが生じた場合でも前記第2の制御信号の電圧が前記第2のノーマリオン型トランジスタのしきい値電圧よりも高くならない様に設定されることを特徴とするノーマリオン型トランジスタの駆動回路。
【請求項4】
ソース、ドレイン、及びゲートを有するGaNトランジスタとして構成されたノーマリオン型トランジスタの前記ソースに接続されたドレインを有し、前記ノーマリオン型トランジスタの主電流路に直列に接続された主電流路を有するノーマリオフ型トランジスタと、
力され駆動信号に応答して制御信号を生成し、ノードから配線を介して前記ゲートに供給するバッファ回路と、を備え、前記配線を介して供給される前記制御信号によって前記ノーマリオン型トランジスタのオン/オフを制御するノーマリオン型トランジスタの駆動方法であって、
前記ノーマリオン型トランジスタをオンさせる時に前記ノーマリオン型トランジスタのゲート電圧が前記ノーマリオフ型トランジスタのソース電圧よりも低くなり、前記配線のインダクタンスに起因するリンギングが生じた場合でも前記制御信号の電圧が前記ノーマリオフ型トランジスタのソース電圧よりも高くならない様に前記バッファ回路の高電位側のバイアス電圧を設定し、
前記ノーマリオン型トランジスタをオフさせる時に前記ノーマリオン型トランジスタのゲート・ソース間電圧が前記ノーマリオン型トランジスタのしきい値電圧よりも低くなり、前記配線のインダクタンスに起因するリンギングが生じた場合でも前記制御信号の電圧が前記ノーマリオン型トランジスタのしきい値電圧よりも高くならない様に前記バッファ回路の低電位側のバイアス電圧を設定する
ことを特徴とするノーマリオン型トランジスタの駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、ノーマリオン型トランジスタの駆動回路及び駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノーマリオン型トランジスタとノーマリオフ型トランジスタをカスコード接続して、スイッチング素子として用いる半導体装置が開示されている。例えば、ノーマリオン型トランジスタは、GaN(窒化ガリウム)やSiC(炭化ケイ素)を材料とするトランジスタで構成される。GaNやSiCで構成されるノーマリオン型トランジスタを用いることで、高耐圧で低損失の半導体装置が提供される。
【0003】
ノーマリオン型トランジスタをオンさせる時のゲート電圧を高くしてオン抵抗を小さくすることで、ノーマリオン型トランジスタの駆動能力を高めることが出来る。しかしながら、例えば、ノーマリオン型トランジスタとしてGaNを材料とするGaNトランジスタを用いた場合、ソース電圧に対するゲート電圧、すなわち、ゲート・ソース間電圧VGSが正の値(=VGS>0V)の状態になると、GaNトランジスタのしきい値が変動して、特性が劣化することが知られている。この為、ノーマリオン型トランジスタの特性を劣化させることなく、また、スイッチング素子としてのノーマリオン型トランジスタを確実にオン/オフさせることが出来る駆動回路及び駆動方法が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6470284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一つの実施形態は、ノーマリオン型トランジスタの特性を劣化させることなく、ノーマリオン型トランジスタを確実にオン/オフさせることが出来るノーマリオン型トランジスタの駆動回路及び駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態によれば、ノーマリオン型トランジスタの駆動回路は、ソース、ドレイン、及びゲートを有するGaNトランジスタとして構成されたノーマリオン型トランジスタの前記ソースに接続されたドレインを有し、前記ノーマリオン型トランジスタの主電流路に直列に接続された主電流路を有するノーマリオフ型トランジスタと、高電位側の第1の電圧と低電位側の第2の電圧でバイアスされ、駆動信号に応答して前記ノーマリオン型トランジスタのオン/オフを制御する制御信号を前記ノーマリオン型トランジスタのゲートに配線を介して供給するバッファ回路と、前記第1の電圧と前記第2の電圧を前記バッファ回路に供給する電源部と、を具備し、前記ノーマリオン型トランジスタをオンさせる第1の期間において前記バッファ回路に供給される前記第1の電圧は、前記ノーマリオフ型トランジスタのソース電圧よりも低い電圧であって、前記配線のインダクタンスに起因するリンギングが生じた場合でも制御信号の電圧が前記ノーマリオフ型トランジスタのソース電圧よりも高くならない様に設定され、前記ノーマリオン型トランジスタをオフさせる第2の期間において、前記バッファ回路に供給される前記第2の電圧は、前記ノーマリオン型トランジスタのしきい値電圧よりも低い電圧であって、前記配線のインダクタンスに起因するリンギングが生じた場合でも前記制御信号の電圧が前記ノーマリオン型トランジスタのしきい値電圧よりも高くならない様に設定される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、ノーマリオン型トランジスタの特性を説明する為の図。
図2図2は、第1の実施形態のノーマリオン型トランジスタの駆動回路を示す図。
図3図3は、ノーマリオン型トランジスタの駆動方法を説明する為の図。
図4図4は、ノーマリオン型トランジスタの駆動方法における電圧設定を説明する為の図。
図5図5は、第2の実施形態のノーマリオン型トランジスタの駆動回路を示す図。
図6図6は、ノーマリオン型トランジスタの駆動方法を説明する為の図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかるノーマリオン型トランジスタの駆動回路及び駆動方法を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0009】
図1は、ノーマリオン型トランジスタの特性を説明する為の図である。Nチャンネル型トランジスタの場合の特性曲線100を示す。横軸にゲート・ソース間電圧VGS、縦軸にドレイン電流Idを示す。ゲート・ソース間電圧VGSがゼロ(0)Vの時においてもドレイン電流Idが流れ、ゲート・ソース間電圧VGSがしきい値電圧Vth、例えば、-12Vより低い負の電圧になった時に、ドレイン電流Idが略ゼロ(0)Aとなる。尚、ノーマリオン型トランジスタは、ディプリーションモードトランジスタと呼ばれる場合がある。
【0010】
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態のノーマリオン型トランジスタの駆動回路を示す図である。本実施形態の駆動回路はノーマリオン型トランジスタ1を有する。ノーマリオン型トランジスタ1は、既述した図1の特性曲線100で示す特性を有する。ノーマリオン型トランジスタ1は、例えば、GaNを材料とするNチャネル型MOSトランジスタで構成される。GaNを材料とするMOSトランジスタは、ドレイン・ソース間の主電流路がGaNで構成される。以降、GaNを材料とするMOSトランジスタを、GaNトランジスタと呼ぶ場合がある。
【0011】
ノーマリオン型トランジスタ1をGaNトランジスタで構成した場合、例えば、ノーマリオン型トランジスタ1は、個別の半導体チップ1Aで構成され、共通のプリント基板(図示せず)に他の構成要素と共に一体的に配置される。ノーマリオン型トランジスタ1のドレインは、出力端子80に接続される。出力端子80は、例えば、負荷(図示せず)を介して、400Vの出力電圧Voutを出力する。
【0012】
本実施形態の駆動回路はノーマリオフ型トランジスタ2を有する。ノーマリオフ型トランジスタ2は、例えば、Siを材料とするNチャネル型MOSトランジスタで構成される。Siを材料とするMOSトランジスタは、主電流路となるドレイン・ソース間がSiで構成される。以降、Siを材料とするMOSトランジスタを、Siトランジスタと呼ぶ場合がある。ノーマリオフ型トランジスタ2のしきい値電圧Vthは、例えば、0.7Vである。ノーマリオフ型トランジスタ2のゲート・ソース間電圧VGSが、しきい値電圧Vthより高くなるとノーマリオフ型トランジスタ2は、オンする。ノーマリオフ型トランジスタは、エンハンスメントモードトランジスタと呼ばれる場合がある。
【0013】
ノーマリオフ型トランジスタ2のドレインは、ノーマリオン型トランジスタ1のソースに接続され、ソースは端子81に接続される。ノーマリオン型トランジスタ1とノーマリオフ型トランジスタ2は、主電流路であるソース・ドレイン路が直列に接続されたカスコード接続を構成する。端子81には、例えば、接地電位が供給される。
【0014】
本実施形態の駆動回路は、制御部10、駆動部20、電源部30、バッファ回路40を有する。制御部10は、駆動部20と電源部30を制御する。制御部10は、駆動部20がイネーブル信号EN1をノーマリオフ型トランジスタ2に供給するタイミング、及び駆動信号VG1、VG2をバッファ回路40に供給するタイミングを制御する。制御部10は、電源部30が出力するバイアス電圧V2、V3の値を制御する。
【0015】
電源部30は、制御部10の制御に応答して、バッファ回路40の高電位側のバイアス電圧V2と低電位側のバイアス電圧V3を生成して、バッファ回路40に供給する。電源部30は、例えば、端子81の電位、すなわち、接地電位を基準にして、バイアス電圧V2とV3を生成する。電源部30は、例えば、チャージポンプ、あるいは、ブーストコンバータ等で構成することが出来る。
【0016】
駆動部20は、イネーブル信号EN1、及び駆動信号VG1、VG2を生成して、ノーマリオフ型トランジスタ2、及びバッファ回路40に供給する。駆動部20は、電源部30から供給される端子81の接地電位を基準にして、イネーブル信号EN1、及び駆動信号VG1、VG2を生成する。
【0017】
バッファ回路40は、上段側のPチャネル型MOSトランジスタ41と下段側のNチャネル型MOSトランジスタ42を有する。以降、Pチャネル型MOSトランジスタをPMOSトランジスタ、Nチャネル型MOSトランジスタをNMOSトランジスタと表記する。PMOSトランジスタ41とNMOSトランジスタ42は、CMOS回路を構成する。バッファ回路40は、駆動部20から供給される駆動信号VG1、VG2に応答して制御信号VDを生成し、ノード43から配線1Bを介してノーマリオン型トランジスタ1のゲートに供給する。
【0018】
高電位側のバイアス電圧V2は、ノーマリオン型トランジスタ1をオンさせる時に、バッファ回路40から供給される制御信号VDによってノーマリオン型トランジスタ1のゲート・ソース間電圧VGSが正の値、すなわち、VGS>0にならない様に設定する。例えば、高電位側のバイアス電圧V2はノーマリオフ型トランジスタ2のソースの電圧V1、すなわち、接地電位よりも低い-2Vに設定される。ノーマリオン型トランジスタ1をGaNトランジスタで構成した場合に、ゲート・ソース間電圧VGSが正の電圧になることを回避して、しきい値電圧Vthの変動による特性の劣化を回避する為である。
【0019】
低電位側のバイアス電圧V3は、例えば、ノーマリオン型トランジスタ1のしきい値電圧Vthよりも低い電圧、例えば、-15Vに設定する。ノーマリオン型トランジスタ1をオフさせる場合に、ノーマリオン型トランジスタ1のゲートに、しきい値電圧Vthよりも高い電圧が印加されることを回避して、ノーマリオン型トランジスタ1を確実にオフさせる為である。
【0020】
第1の実施形態によれば、ノーマリオン型トランジスタ1のゲートに制御信号VDを供給するバッファ回路40に、高電位側のバイアス電圧V2と低電位側のバイアス電圧V3を供給する電源部30を有する。バッファ回路40の高電位側のバイアス電圧V2と低電位側のバイアス電圧V3を可変とし、電源部30によって調整することによって、ノーマリオン型トランジスタ1をオン/オフさせる時にゲートに供給される制御信号VDの電圧を制限することが出来る。すなわち、ノーマリオン型トランジスタ1をオンさせる時に、ノーマリオン型トランジスタ1のゲート・ソース間電圧VGSが正の電圧になることを回避し、ノーマリオン型トランジスタ1をオフさせる時に、ノーマリオン型トランジスタ1のゲート・ソース間電圧VGSがしきい値電圧Vthよりも低くなる様に設定することで、ノーマリオン型トランジスタ1を確実にオフさせることが出来る。
【0021】
また、バッファ回路40により、制御信号VDの駆動能力を高めてノーマリオン型トランジスタ1のゲートに印加することが出来る為、ノーマリオン型トランジスタ1のスイッチング制御を高速で行うことが出来る。バッファ回路40の高電位側のバイアス電圧V2と低電位側のバイアス電圧V3を調整して供給することが出来る電源部30を設けることでバッファ回路40がノーマリオン型トランジスタ1に供給する制御信号VDの電圧設定の自由度が高まる為、駆動回路の設計の自由度を高めることが出来る。
【0022】
図3を用いて、第1の実施形態のノーマリオン型トランジスタの駆動方法を説明する。上段は、ノーマリオフ型トランジスタ2のゲートに印加されるイネーブル信号EN1を示す。イネーブル信号EN1は、タイミングt1においてHレベルの電圧EN1Hとなり、ノーマリオフ型トランジスタ2をオンさせる。電圧EN1Hは、例えば、ノーマリオフ型トランジスタ2のしきい値電圧Vthが+0.7Vの場合、+5Vである。ノーマリオフ型トランジスタ2をオンにすることで、ノーマリオン型トランジスタ1のオン/オフがバッファ回路40からの制御信号VDにより制御可能なイネーブル状態になる。
【0023】
次段は、バッファ回路40のPMOSトランジスタ41のゲートに印加される駆動信号VG1を示す。駆動信号VG1のHレベルの電圧VG1Hは、例えば、PMOSトランジスタ41のしきい値電圧Vthが-2.7Vの場合、-2Vに設定される。Lレベルの電圧VG1Lは、例えば、-7Vに設定される。駆動信号VG1のLレベルの電圧VG1Lが印加された時に、PMOSトランジスタ41はオンとなり、高電位側のバイアス電圧V2にほぼ等しい電圧の制御信号VDがバッファ回路40のノード43から出力される。
【0024】
次段は、バッファ回路40のNMOSトランジスタ42のゲートに印加される駆動信号VG2を示す。駆動信号VG2のHレベルの電圧VG2Hは、例えば、NMOSトランジスタ42のしきい値電圧Vthが-14.3Vの場合、-10Vに設定される。Lレベルの電圧VG2Lは、例えば、-15Vに設定される。駆動信号VG2のHレベルの電圧VG2Hが印加された時に、NMOSトランジスタ42はオンとなり、低電位側のバイアス電圧V3にほぼ等しい電圧の制御信号VDがバッファ回路40のノード43から出力される。尚、バッファ回路40を構成するPMOSトランジスタ41とNMOSトランジスタ42が同時にオンした場合の貫通電流を避ける為、所謂、デッドタイムを設けて駆動信号VG1とVG2は生成されるが、省略して、簡易的に示している。
【0025】
下段は、ノーマリオン型トランジスタ1のオン/オフの状態を示す。ノーマリオン型トランジスタ1がNチャンネル型GaNトランジスタの場合を示す。ノーマリオン型トランジスタ1は、バッファ回路40のPMOSトランジスタ41がオンとなるタイミングt3~t4の期間T1でオンとなり、バッファ回路40のNMOSトランジスタ42がオンとなる、タイミングt4~t5の期間T2においてオフとなる。タイミングt2においてイネーブル信号EN1をLレベルの電圧EN1Lにすることで、ノーマリオフ型トランジスタ2はオフとなり、ノーマリオン型トランジスタ1のオン/オフがバッファ回路40からの制御信号VDにより制御することが出来ないディスエ―ブル状態になる。電圧EN1Lは、例えば、接地電位である。
【0026】
ノーマリオン型トランジスタ1のゲートに印加される制御信号VDの電圧は、バッファ回路40の高電位側のバイアス電圧V2と低電位側のバイアス電圧V3によって調整することが出来る。電源部30によってバッファ回路40の高電位側のバイアス電圧V2と低電位側のバイアス電圧V3を適切に調整することによってノーマリオン型トランジスタ1のゲート・ソース間電圧VGSを適正に制御して、特性を劣化させることなくノーマリオン型トランジスタ1を駆動することが出来る。
【0027】
図4は、ノーマリオン型トランジスタの駆動方法における電圧設定とその効果を説明する為の図である。既述した第1の実施形態における電圧設定において用いることが出来、図3における期間T1、T2に対応する。破線101は、端子81の電圧V1、すなわち、0Vの接地電位を示す。破線102は、バッファ回路40の高電位側のバイアス電圧V2を示す。破線103は、ノーマリオン型トランジスタ1のしきい値電圧Vthを示す。破線104は、バッファ回路40の低電位側のバイアス電圧V3を示す。実線110は、制御信号VDを示す。ノーマリオフ型トランジスタ2のオン抵抗を無視した場合、電圧V1は、ノーマリオン型トランジスタ1のソース電圧に相当する。
【0028】
ノーマリオン型トランジスタ1をオンさせる期間T1においてバッファ回路40のPMOSトランジスタ41がオンすると、バッファ回路40のノード43から高電位側のバイアス電圧V2に相当する電圧の制御信号VDが出力される。制御信号VDは、配線1Bを介してノーマリオン型トランジスタ1のゲートに供給される。
【0029】
ノーマリオン型トランジスタ1を個別の半導体チップ1Aで構成した場合には、バッファ回路40のノード43とノーマリオン型トランジスタ1のゲートを接続する配線1Bのインダクタンスが大きくなる場合がある。この為、配線1Bのインダクタンスによってリンギングが生じ、制御信号VDの電圧が変動する。リンギングによる制御信号VDの変動を想定してバッファ回路40の高電位側のバイアス電圧V2を設定する。例えば、リンギングによる制御信号VDの電圧変動が2Vより小さい場合には、高電位側のバイアス電圧V2を電圧V1、すなわち、接地電位0Vよりも2V低い、-2Vに設定する。これにより、ノーマリオン型トランジスタ1のゲート・ソース間電圧VGSが0Vよりも高くなることを回避することが出来る。
【0030】
同様に、ノーマリオン型トランジスタ1をオフさせる期間T2において、バッファ回路40のNMOSトランジスタ42がオンすると、バッファ回路40のノード43から低電位側のバイアス電圧V3に相当する電圧の制御信号VDが出力される。バイアス電圧V3は、しきい値電圧Vthよりも低い電圧に設定し、配線1Bのインダクタンスに起因するリンギングが生じた場合でも制御信号VDがしきい値電圧Vthよりも高くならない様に設定する。係る調整によって、ノーマリオン型トランジスタ1を確実にオフさせることが出来る。
【0031】
電源部30によってバッファ回路40の高電位側のバイアス電圧V2と低電位側のバイアス電圧V3を調整し、バッファ回路40がノーマリオン型トランジスタ1のゲートに供給する制御信号VDの電圧を適切に調整することが出来る為、特性の劣化が回避できる状態でノーマリオン型トランジスタ1をオンさせ、また、ノーマリオン型トランジスタ1を確実にオフさせることが出来る。
【0032】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態のノーマリオン型トランジスタの駆動回路を示す図である。既述した実施形態に対応する構成には、同一符号を付し、重複した記載は必要な場合にのみ行う。本実施形態は、直流の入力電圧Vinが印加される端子83にドレインが接続されたノーマリオン型トランジスタ3を有する。ノーマリオン型トランジスタ3のソースは、ノーマリオフ型トランジスタ4のドレインに接続される。ノーマリオフ型トランジスタ4のソースはノード84に接続される。ノーマリオン型トランジスタ3とノーマリオフ型トランジスタ4の主電流路であるソース・ドレイン路は直列に接続され、カスコード接続を構成する。ノーマリオン型トランジスタ3は、例えば、Nチャンネル型のGaNトランジスタであり、個別の半導体チップ3Aで構成される。ノーマリオフ型トランジスタ4は、例えば、Siを材料とするNチャネル型MOSトランジスタで構成される。
【0033】
本実施形態は、ノード84と接地端85との間に主電流であるソース・ドレイン路が直列に接続され、カスコード接続を構成するノーマリオン型トランジスタ5とノーマリオフ型トランジスタ6を有する。ノーマリオン型トランジスタ5は、例えば、Nチャンネル型のGaNトランジスタであり、個別の半導体チップ5Aで構成される。ノーマリオフ型トランジスタ5は、例えば、Siを材料とするNMOSトランジスタで構成される。
【0034】
ノード84には、インダクタ86の一端が接続され、インダクタ86の他端は、出力端子88に接続される。平滑コンデンサ87の一端は出力端子88に接続され、他端は接地される。出力端子88の出力電圧Voutは、負荷89に供給される。
【0035】
本実施形態は、制御部10、駆動部20、電源部30、及び、バッファ回路60と70を有する。制御部10には、出力電圧Voutの帰還電圧が供給される。制御部10は、例えば、PWM制御部(図示せず)を備える。制御部10は、出力電圧Voutの帰還電圧と所定の参照電圧(図示せず)を比較し、その比較結果に応じて駆動部20がバッファ回路60、70に供給する駆動信号VG11、VG12、VG21、VG22のパルス幅を制御するPWM制御を行う。本実施形態は、直流の入力電圧Vinを所望の直流の出力電圧Voutに変換するDC/DCコンバータを構成する。
【0036】
電源部30は、バッファ回路60の高電位側にバイアス電圧V11を供給し、低電位側にバイアス電圧V12を供給する。また、電源部30は、バッファ回路70の高電位側にバイアス電圧V21を供給し、低電位側にバイアス電圧V22を供給する。電源部30は、接地端85の電圧V1、及び、ノード84の電圧V0に基づいてバイアス電圧V11、V12、V21、V22を出力する。
【0037】
駆動部20は、電源部30から供給される電圧に基づいて、バッファ回路60、70に供給する駆動信号VG11、VG12、VG21、VG22、および、ノーマリオフ型トランジスタ4、6に供給するイネーブル信号EN11、EN21を出力する。
【0038】
バッファ回路60は、配線3Bを介して制御信号VD1をノーマリオン型トランジスタ3のゲートに供給する。バッファ回路70は、配線5Bを介して制御信号VD2をノーマリオン型トランジスタ5のゲートに供給する。
【0039】
図6を用いて、第2の実施形態のノーマリオン型トランジスタの駆動方法を説明する。上段は、駆動部20がノーマリオフ型トランジスタ4のゲートに供給するイネーブル信号EN11を示す。駆動部20は、タイミングt11においてイネーブル信号EN11をHレベルの電圧EN11Hにして、ノーマリオフ型トランジスタ4をオンにする。駆動部20は、電源部30から供給される電圧に基づき電圧EN11Hを、例えば、(V0+5V)に設定し、Lレベルの電圧EN11Lを、例えば、ノード84の電圧V0に設定して出力する。
【0040】
次段は、バッファ回路60のPMOSトランジスタ61のゲートに供給される駆動信号VG11を示す。駆動部20は、電源部30から供給されるバイアス電圧V11とノード84の電圧V0に基づき、Hレベルの電圧VG11HとLレベルの電圧VG11Lを設定する。例えば、既述した第1の実施形態の駆動信号VG1より電圧V0分だけ高い電圧に設定する。駆動信号VG11のLレベルの電圧VG11Lが印加された時にPMOSトランジスタ61はオンとなり、高電位側のバイアス電圧V11にほぼ等しい電圧の制御信号VD1が、バッファ回路60の出力端63から出力される。
【0041】
次段は、バッファ回路60のNMOSトランジスタ62のゲートに供給される駆動信号VG12を示す。駆動部20は、電源部30から供給されるバイアス電圧V12とノード84の電圧V0に基づきHレベルの電圧VG12HとLレベルの電圧VG12Lを設定する。例えば、既述した第1の実施形態の駆動信号VG2より電圧V0分だけ高い電圧に設定する。駆動信号VG12のHレベルの電圧VG12Hが印加された時に、NMOSトランジスタ62はオンとなり、低電位側のバイアス電圧V12にほぼ等しい電圧の制御信号VD1が、バッファ回路60の出力端63から出力される。
【0042】
次段は、ノーマリオン型トランジスタ3のオン/オフの状態を示す。ノーマリオン型トランジスタ3は、バッファ回路60の上段側のPMOSトランジスタ61がオンとなるタイミングt13~t14の期間T3でオンとなり、バッファ回路60の下段側のNMOSトランジスタ62がオンとなるタイミングt14~t15の期間T4においてオフとなる。
【0043】
次段は、ノーマリオフ型トランジスタ6のゲートに印加されるイネーブル信号EN21を示す。イネーブル信号EN21は、タイミングt11においてHレベルの電圧EN21Hとなり、ノーマリオフ型トランジスタ6をオンさせる。
【0044】
次段は、バッファ回路70のPMOSトランジスタ71のゲートに供給される駆動信号VG21を示す。駆動信号VG21のLレベルの電圧VG21Lが印加された時に、PMOSトランジスタ61はオンとなり、高電位側のバイアス電圧V21にほぼ等しい電圧の制御信号VD2がバッファ回路70の出力端73から出力される。
【0045】
次段は、バッファ回路70のNMOSトランジスタ72のゲートに供給される駆動信号VG22を示す。駆動信号VG22のHレベルの電圧VG22Hが印加された時に、NMOSトランジスタ72はオンとなり、低電位側のバイアス電圧V22にほぼ等しい電圧の制御信号VD2が、バッファ回路70の出力端73から出力される。
【0046】
イネーブル信号EN21、駆動信号VG21、VG22のHレベル、Lレベルの電圧は、既述した実施形態1のイネーブル信号EN1、駆動信号VG1、VG2の電圧と同様に設定することが出来る。
【0047】
下段は、ノーマリオン型トランジスタ5のオン/オフの状態を示す。ノーマリオン型トランジスタ5がNチャンネル型GaNトランジスタの場合を示す。ノーマリオン型トランジスタ5は、バッファ回路70の下段側のNMOSトランジスタ72がオンとなるタイミングt13~t14の期間T3でオフとなり、バッファ回路70の上段側のPMOSトランジスタ71がオンとなるタイミングt14~t15の期間T4においてオンとなる。
【0048】
ノーマリオン型トランジスタ3のゲートに印加される制御信号VD1の電圧は、バッファ回路60の高電位側のバイアス電圧V11と低電位側のバイアス電圧V12によって調整することが出来る。この為、ノーマリオン型トランジスタ3のゲート・ソース間電圧VGSを制御することが出来る。これにより、ノーマリオン型トランジスタ3をオンさせる時に、バッファ回路60から供給される制御信号VD1によってノーマリオン型トランジスタ3のゲート電圧がソース電圧よりも高くなることを回避し、ノーマリオン型トランジスタ3のしきい値の変動による特性の劣化を防ぐことが出来る。また、ノーマリオン型トランジスタ3をオフさせる時にバッファ回路60から供給される制御信号VD1の電圧を調整することによってノーマリオン型トランジスタ3のゲート・ソース間電圧VGSが、リンギングによって変動した場合でもノーマリオン型トランジスタ3のゲート電圧がしきい値電圧Vthよりも高い電圧になることを回避して、ノーマリオン型トランジスタ3を確実にオフさせることが出来る。
【0049】
ノーマリオン型トランジスタ5のオン/オフの制御についても同様に、バッファ回路70のバイアス電圧V21、V22を調整することによって、ノーマリオン型トランジスタ5のしきい値電圧Vthの変動を回避し、また、ノーマリオン型トランジスタ5を確実にオフさせる制御を行うことが出来る。
【0050】
本実施形態によれば、ノーマリオン型トランジスタ3、5のゲートに制御信号VD1、VD2を供給するバッファ回路60、70のバイアス電圧V11、V12、V21、V22を供給する電源部30を備える。電源部30により、バイアス電圧V11、V12、V21、V22を任意に調整することが出来る為、ノーマリオン型トランジスタ3、5をオン/オフさせる時のゲート・ソース間電圧VGSの制御が可能となる。これにより、ノーマリオン型トランジスタ3、5をオンさせる時のゲート・ソース間電圧VGSが正になる状態を回避し、しきい値電圧Vthの変動による特性の劣化を防ぐことが出来る。また、ノーマリオン型トランジスタ3、5をオフさせる時のゲート・ソース間電圧VGSがしきい値電圧Vthより高くなる状態を回避して、ノーマリオン型トランジスタ3、5を確実にオフさせることが出来る。
【0051】
尚、バッファ回路40、60、70に供給するバイアス電圧の設定は、ノーマリオフ型トランジスタ2、4、6のオン抵抗を考慮して設定してもよい。ノーマリオフ型トランジスタ2、4、6のオン抵抗が高い場合には、ノーマリオン型トランジスタ1、3、5のソース電圧が基準となる電圧、すなわち、接地電位、あるいはノード84の電圧V0に対して高い電圧となる。従って、バッファ回路40、70の高電位側のバイアス電圧V2、V21をノーマリオフ型トランジスタ2、6のソース電圧、すなわち、接地電位より高くし、あるいは、バッファ回路60の高電位側のバイアス電圧V11をノード84の電圧V0よりも高い電圧に設定した場合でも、ノーマリオン型トランジスタ1、3、5をオンする際に印加される制御信号VD、VD1、VD2の電圧を調整することによって、ノーマリオン型トランジスタ1、3、5のゲート電圧がソース電圧よりも高くなる状態を回避することができる。バッファ回路40、70の高電位側のバイアス電圧V2、V21を高くすることで、ノーマリオン型トランジスタ1、3、5をオンさせる時にゲートに供給される制御信号VD、VD1、VD2の電圧を高くすることが出来る為、ノーマリオン型トランジスタ1、3、5の駆動能力を高めることが出来る。
【0052】
なお、以下の付記に記載されているようなノーマリオン型トランジスタを駆動する駆動回路及び駆動方法が考えられる。
【0053】
(付記1)
前記バッファ回路は、CMOS回路で構成されることを特徴とする請求項1に記載のノーマリオン型トランジスタの駆動回路。
【0054】
(付記2)
前記ノーマリオン型トランジスタは、個別の半導体チップで構成されることを特徴とする請求項1に記載のノーマリオン型トランジスタの駆動回路。
【0055】
(付記3)
前記第2の電圧は、前記ノーマリオン型トランジスタのしきい値電圧よりも低い電圧に設定されることを特徴とする請求項1に記載のノーマリオン型トランジスタの駆動回路。
【0056】
(付記4)
前記駆動部は、前記ノーマリオフ型トランジスタのオン/オフを制御する制御信号を、前記ノーマリオフ型トランジスタのゲートに供給することを特徴とする請求項2に記載のノーマリオン型トランジスタの駆動回路。
【0057】
(付記5)
前記GaNトランジスタはNチャンネル型MOSトランジスタであることを特徴とする請求項4に記載のノーマリオン型トランジスタの駆動回路。
【0058】
(付記6)
前記第1の電圧は、前記ノーマリオフ型トランジスタのソース電圧よりも高い電圧に設定されることを特徴とする請求項1に記載のノーマリオン型トランジスタの駆動回路。
【0059】
(付記7)
前記ノーマリオン型トランジスタはGaNトランジスタであることを特徴とする請求項6に記載のノーマリオン型トランジスタの駆動方法。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1、3、5 ノーマリオン型トランジスタ、2、4、6 ノーマリオフ型トランジスタ、10 制御部、20 駆動部、30 電源部、40、60、70 バッファ回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6