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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】シート処理装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 37/04 20060101AFI20240318BHJP
   B65H 31/34 20060101ALI20240318BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
B65H37/04 D
B65H31/34
G03G15/00 432
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020047782
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2020200187
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】P 2019107294
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 智億
(72)【発明者】
【氏名】阿形 淳
(72)【発明者】
【氏名】中原 康弘
(72)【発明者】
【氏名】辻 寛治
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-207560(JP,A)
【文献】特開平02-158561(JP,A)
【文献】特開2013-086880(JP,A)
【文献】特開平02-182495(JP,A)
【文献】特開2017-13933(JP,A)
【文献】特開平7-237808(JP,A)
【文献】特開2009-242014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 37/04
B65H 31/34-31/40
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されたシートが積載される積載部と、
前記積載部に積載されたシートの搬送方向における端部の位置を規制する第1規制部と、
前記積載部に積載されたシートの前記搬送方向に直交する幅方向における端部の位置を規制する第2規制部と、
前記搬送方向に移動可能に支持され、前記積載部に積載されたシートを綴じ処理する綴じ部と、
前記搬送方向における前記綴じ部の移動に伴って、前記第2規制部を前記搬送方向に移動させる移動部と、を備える、
ことを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記搬送方向において前記第2規制部とは異なる位置に配置され、前記積載部に積載されたシートの前記幅方向における端部の位置を前記第2規制部と共に規制する第3規制部を備え、
前記第3規制部は、前記移動部によって前記第2規制部が移動する際に移動しない、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記搬送方向において、前記綴じ部と前記第2規制部との間の距離は、前記第2規制部と前記第3規制部との間の距離よりも短い、
ことを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記搬送方向において前記第2規制部とは異なる位置に配置され、前記積載部に積載されたシートの前記幅方向における端部の位置を前記第2規制部と共に規制する第4規制部を備え、
前記第2規制部及び前記第4規制部は、互いに独立して前記搬送方向に移動可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記移動部は、駆動源と、前記駆動源によって駆動され、前記綴じ部及び前記第2規制部に連結されるベルトと、を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記綴じ部は、前記搬送方向に視て前記第2規制部に重ならないように配置され、前記第2規制部を横切って前記搬送方向に移動可能である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項7】
前記綴じ部は、前記綴じ処理されるシートの一部が入り込む凹部を有し、
前記第2規制部は、前記綴じ処理されるシートの前記幅方向における前記端部が突き当たる突き当て部を有し、
前記突き当て部は、前記綴じ部が前記第2規制部を横切って前記搬送方向に移動する際に、前記凹部内を通過する、
ことを特徴とする請求項6に記載のシート処理装置。
【請求項8】
前記移動部は、駆動源と、前記綴じ部に接触するように前記第2規制部を付勢する付勢部と、前記第2規制部が突き当たるストッパ部と、前記駆動源によって駆動され、前記綴じ部に連結されるベルトと、を有し、
前記綴じ部は、前記第2規制部が前記ストッパ部に突き当たった状態で前記ベルトが駆動されることで、前記第2規制部に対して前記搬送方向に相対移動する、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のシート処理装置。
【請求項9】
前記積載部に積載されたシートを前記第1規制部及び前記第2規制部に向けて移動させる整合部を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項10】
シートを受け入れる第1搬送路と、
前記第1搬送路から受け取ったシートを反転させる反転部と、
前記第1搬送路の下方に延び、前記反転部によって反転したシートを受け取り、シートを前記積載部に案内する第2搬送路と、
前記積載部から前記搬送方向に沿って延びる第3搬送路と、
前記第3搬送路に配置され、シートを機外に排出する排出部と、を備え、
前記搬送部は、前記第2搬送路に配置されると共にシートを前記積載部に排出する回転体対を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項11】
シートに画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置からシートを受け取る請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート処理装置と、を備える、
ことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを処理するシート処理装置及びシートに画像を形成する画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式複合機を例とする画像形成装置のオプションとして、画像形成装置本体で画像を形成されたシートに綴じ処理やソート処理等の処理を施すシート処理装置が用いられている。特許文献1には、コンパイル用積載部に積載されたシート束をサイドガイド及びタンパによって整合し、整合されたシート束をステイプラ又は針無綴じ装置によって綴じるシート処理装置が記載されている。ステイプラ及び針無綴じ装置は、それぞれステイプラ用レール及び針無綴じ装置用レールによって移動可能に支持され、シート束の端部や角部に移動することができる。
【0003】
特許文献2には、シート束を積載するスタッカ部と、スタッカ部に積載されたシート束を中綴じステイプラによって綴じ処理し、折りローラ手段によって折り処理可能なシート後処理装置が記載されている。スタッカ部には、シート束のシート搬送方向における下流端の位置を規制する先端規制部材が設けられており、先端規制部材は、シートのサイズに応じてシート搬送方向に移動可能に支持されている。また、スタッカ部に積載されたシート束は、シート側縁整合部材によって幅方向における位置が整合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-207560号公報
【文献】特開2015-63387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のサイドガイド及びタンパは、ステイプラ又は針無綴じ装置の移動範囲ではない位置にしか配置することができず、シートを良好に整合できない場合があった。また、特許文献2に記載のシート側縁整合部材も、先端規制部材の移動範囲ではない位置にしか配置することができず、シートを良好に整合できない場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、シートの整合性を向上可能なシート処理装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シート処理装置において、シートを搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送されたシートが積載される積載部と、前記積載部に積載されたシートの搬送方向における端部の位置を規制する第1規制部と、前記積載部に積載されたシートの前記搬送方向に直交する幅方向における端部の位置を規制する第2規制部と、前記搬送方向に移動可能に支持され、前記積載部に積載されたシートを綴じ処理する綴じ部と、前記搬送方向における前記綴じ部の移動に伴って、前記第2規制部を前記搬送方向に移動させる移動部と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、綴じ部と共に第2規制部が搬送方向に移動するので、綴じ部の位置に拘わらず第2規制部によってシートの幅方向における端部の位置を確実に規制し、シートの整合性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る画像形成システムを示す全体概略図。
図2】綴じ処理部を示す斜視図。
図3】(a)は綴じ処理部の動作を説明するための側面図。(b)は綴じ処理部の動作を説明するための正面図。(c)は綴じ処理部の動作を説明するための側面図。(d)は綴じ処理部の動作を説明するための正面図。
図4】(a)は綴じ処理部の動作を説明するための側面図。(b)は綴じ処理部の動作を説明するための正面図。(c)は綴じ処理部の動作を説明するための側面図。(d)は綴じ処理部の動作を説明するための正面図。
図5】(a)は綴じ処理部の動作を説明するための側面図。(b)は綴じ処理部の動作を説明するための正面図。(c)は綴じ処理部の動作を説明するための側面図。(d)は綴じ処理部の動作を説明するための正面図。
図6】(a)は綴じ処理部の動作を説明するための側面図。(b)は綴じ処理部の動作を説明するための正面図。
図7】(a)は比較例に係る綴じ処理部を示す正面図。(b)はシートの回転動作を示す正面図。
図8】(a)は第1の実施の形態に係る移動部を示す側面図。(b)は駆動モータが駆動した状態の移動部を示す側面図。
図9】(a)はLEGALサイズのシートを整合する際の横整合基準板の位置を示す正面図。(b)はA5サイズのシートを整合する際の横整合基準板の位置を示す正面図。
図10】(a)は第2の実施の形態に係る可動横整合基準部材を示す正面図。(b)はA5サイズのシートを整合する際の可動横整合基準部材の位置を示す正面図。
図11】(a)は第3の実施の形態に係る可動横整合基準部材を示す正面図。(b)は可動横整合基準部材を示す正面図。
図12】(a)は第4の実施の形態に係り、整合動作時のステイプラの位置を示す正面図、(b)は綴じ処理完了時のステイプラの位置を示す正面図。
図13】可動横整合基準部材及び移動部を示す斜視図。
図14】ステイプラ、可動横整合基準部材及び移動部を示す斜視図。
図15】ステイプラ及び可動横整合基準部材を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための例示的な形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
<第1の実施の形態>
〔全体構成〕
第1の実施の形態に係る画像形成システム1Sは、画像形成装置1、画像読取装置2、原稿送り装置3及び後処理装置4によって構成される。画像形成システム1Sは、記録材であるシートに画像を形成し、必要に応じて後処理装置4によってシートに処理を施して出力する。以下、各装置の簡単な動作を説明した後、後処理装置4について詳細な説明を行う。
【0012】
原稿送り装置3は、原稿トレイ18に載置された原稿を画像読取部16、19に搬送する。画像読取部16、19はそれぞれ原稿面から画像情報を読み取るイメージセンサであり、1度の原稿搬送で原稿の両面の読み取りが行われる。画像情報を読み取られた原稿は原稿排出部20に排出される。また、画像読取装置2は駆動装置17により画像読取部16を往復移動させることで、原稿台ガラスにセットされた静止原稿(ブックレット原稿などの原稿送り装置3が使用できない原稿を含む)から画像情報を読み取ることができる。
【0013】
画像形成装置1は、直接転写方式の画像形成部1Bを備えた電子写真装置である。画像形成部1Bは、感光ドラム9を備えたカートリッジ8と、カートリッジ8の上方に配置されたレーザスキャナユニット15と、を備えている。画像形成動作を行う場合、回転する感光ドラム9の表面が帯電させられ、レーザスキャナユニット15が画像情報に基づいて感光ドラム9を露光することでドラム表面に静電潜像を書き込む。感光ドラム9に担持された静電潜像は帯電したトナー粒子によってトナー像に現像され、感光ドラム9と転写ローラ10とが対向する転写部にトナー像が搬送される。画像形成装置1のコントローラは、画像読取部16,19によって読み取られた画像情報又は外部のコンピュータからネットワークを介して受信した画像情報に基づいて画像形成部1Bによる画像形成動作を実施する。
【0014】
画像形成装置1は、記録材としてのシートを1枚ずつ所定の間隔で給送する給送装置6を複数備えている。給送装置6から給送されたシートはレジストレーションローラ7にて斜行を補正された後に転写部に搬送され、転写部において、感光ドラム9に担持されたトナー像を転写される。シート搬送方向における転写部の下流には定着ユニット11が配置されている。定着ユニット11は、シートを挟持して搬送する回転体対と、トナー像を加熱するためのハロゲンランプ等の発熱体とを有し、シート上のトナー像を加熱及び加圧することで画像の定着処理を行う。
【0015】
画像形成されたシートを画像形成装置1の外部に排出する場合、定着ユニット11を通過したシートは水平搬送部14を介して後処理装置4に搬送される。両面印刷において第1面の画像形成が終了したシートの場合、定着ユニット11を通過したシートは反転ローラ12に受け渡され、反転ローラ12によってスイッチバック搬送され、再搬送部13を介して再びレジストレーションローラ7に搬送される。そして、シートは、再び転写部及び定着ユニット11を通過することで第2面に画像を形成された後、水平搬送部14を介して後処理装置4に搬送される。
【0016】
上記の画像形成部1Bはシートに画像を形成する画像形成手段の一例であり、感光体に形成したトナー像を中間転写体を介してシートに転写する中間転写方式の電子写真ユニットを用いてもよい。また、インクジェット方式やオフセット印刷方式の印刷ユニットを画像形成手段として用いてもよい。
【0017】
[後処理装置]
後処理装置4は、シートに綴じ処理を施す綴じ処理部4Aを有し、画像形成装置1から受け取ったシートに綴じ処理を施してシート束として排出する。また、後処理装置4は、画像形成装置1から受け取ったシートに綴じ処理を施さずに単に排出することもできる。
【0018】
後処理装置4には、シートを搬送する搬送路として受入パス81、内排出パス82、第1排出パス83及び第2排出パス84が設けられており、シートを排出する排出先として上排出トレイ25及び下排出トレイ37が設けられている。第1搬送路としての受入パス81は、画像形成装置1からシートを受け取って搬送する搬送路であり、第2搬送路としての内排出パス82は、受入パス81の下方に延び、綴じ処理部4Aへ向けてシートを案内する搬送路である。第1排出パス83は、シートを上排出トレイ25に排出する搬送路であり、第3搬送路としての第2排出パス84は、後述するシート排出方向CDに沿って延び、シートを下排出トレイ37に案内する搬送路である。
【0019】
画像形成装置1の水平搬送部14から排出されるシートは、受入パス81に配置された入口ローラ21によって受け取られ、受入パス81を通って反転前ローラ22へ向けて搬送される。入口センサ27は、入口ローラ21と反転前ローラ22との間の検知位置においてシートを検知する。反転前ローラ22は、入口ローラ21から受け取ったシートを第1排出パス83へ向けて搬送する。
【0020】
なお、入口センサ27がシートの後端の通過を検知した後の所定のタイミングで、反転前ローラ22はシートの搬送速度を水平搬送部14における搬送速度より速い速度まで加速する。また、入口ローラ21によるシートの搬送速度を水平搬送部14よりも大きく設定し、反転前ローラ22よりも上流の入口ローラ21で搬送速度を加速してもよい。この場合、水平搬送部14の搬送ローラとこれを駆動するモータとの間にワンウェイクラッチを設置し、入口ローラ21によってシートが引っ張られたとしても搬送ローラが空転するように構成すると好適である。
【0021】
シートの排出先が上排出トレイ25の場合、反転ローラ24は反転前ローラ22から受け取ったシートを上排出トレイ25に排出する。この場合、シート後端が反転前ローラ22を通過した後の所定のタイミングで反転ローラ24は所定の排出速度まで減速する。
【0022】
シートの排出先が下排出トレイ37の場合、反転部としての反転ローラ24は反転前ローラ22から受け取ったシートを反転させるスイッチバック搬送を行って、シートを内排出パス82に搬送する。反転ローラ24によるシートの排出方向において反転ローラ24よりも上流側で受入パス81及び内排出パス82が第1排出パス83から分岐する分岐部には、逆流防止弁23が配置されている。逆流防止弁23は、反転ローラ24によってスイッチバックされたシートが受入パス81に逆流することを規制する機能を有する。
【0023】
内排出パス82に配置された内排出ローラ26、中間搬送ローラ28及び蹴り出しローラ29は、反転ローラ24から受け取ったシートを順に受け渡しながら綴じ処理部4Aへ向けて搬送する。中間積載前センサ38は、中間搬送ローラ28と蹴り出しローラ29との間でシートを検知する。入口センサ27及び中間積載前センサ38としては、光を用いて検知位置におけるシートの有無を検出する光学センサを用いることができる。
【0024】
綴じ処理部4Aは、後述するステイプラ51(図2参照)を有し、内排出パス82から受け取った複数枚のシートを整合した後、ステイプラ51によってシート束の所定位置を綴じる。綴じ処理部4Aの詳細な構成及び動作については後述する。綴じ処理部4Aによって綴じられたシート束は、第2排出パス84を介して束排出ローラ36に受け渡され、排出部としての束排出ローラ36によって機外へ排出されて下排出トレイ37に積載される。
【0025】
上排出トレイ25及び下排出トレイ37は、いずれも後処理装置4の筐体に対して上下に移動可能である。後処理装置4は、上排出トレイ25及び下排出トレイ37におけるシートの上面位置(シートの積載高さ)を検知するシート面検知センサを備えており、いずれかのセンサがシートを検知すると、対応するトレイをA2,B2方向に下降させる。また、上排出トレイ25又は下排出トレイ37のシートが取り除かれたことをシート面検知センサによって検知すると、そのトレイをA1,B1方向に上昇させる。従って、上排出トレイ25及び下排出トレイ37は、積載されたシートの上面を一定に保つように昇降制御される。
【0026】
[綴じ処理部の構成]
次に、綴じ処理部4Aについて説明する。図2は綴じ処理部4Aを示す斜視図であって、一部の枠体等の部品を省略した状態の綴じ処理部4Aを示す斜視図である。
【0027】
図1及び図2に示すように、綴じ処理部4Aは、束押さえフラグ30と、中間上ガイド31及び中間下ガイド32と、押さえガイド56と、横整合基準板52と、整合機構33と、ステイプラ51と、を有している。
【0028】
綴じ処理部4Aは、上搬送ガイド49及び下搬送ガイド50によって形成される内排出パス82から排出されて中間積載部に積載されたシートに対してステイプラ51によって綴じ処理を施し、綴じられたシート束を形成する。中間上ガイド31及び中間下ガイド32は、処理対象のシートが積載される中間積載部を構成している。中間下ガイド32は、内排出パス82における最も下流側のローラである蹴り出しローラ29から排出されるシートの積載部となる。
【0029】
束押さえフラグ30は、搬送部としての蹴り出しローラ29の下流側において回動可能に設けられている。なお、蹴り出しローラ29は、シートを挟持しながら中間下ガイド32に排出する回転体対としてのローラ対を有している。束押さえフラグ30の下面は、中間積載部に先に排出された先行シートの後端部を押さえて、蹴り出しローラ29によって後から排出される後続シートの先端が先行シートの後端の上方を通過させる。つまり、束押さえフラグ30は、蹴り出しローラ29から排出されるシートの後端部を下方に移動させてシート同士の衝突を防ぐ手段として機能する。束押さえフラグ30の下面は、綴じ処理部4Aで処理可能な各サイズのシートについて、シート幅方向の両端部を押さえることができるようなシート幅方向の範囲に設けられている。
【0030】
中間上ガイド31には、可撓性のシート部材である押さえガイド56が固定されており、押さえガイド56は、中間下ガイド32に当接するように配置され、中間積載部に積載されたシートの上面を所定の加圧力で押圧する。整合機構33は、中間上ガイド31及び押さえガイド56の上方に配置され、不図示の枠体に対して移動可能に支持されるホルダ33cと、ホルダ33cに回転可能に支持される軸部33bと、軸部33bに固定される整合ローラ33aと、を有している。
【0031】
ホルダ33cの下面からは、第1規制部としての縦整合基準部39が下方に延出しており、縦整合基準部39の先端は、中間下ガイド32に設けられたスライド溝32aに入り込んでいる。このため、中間下ガイド32に積載されたシートは、整合ローラ33aによって搬送されることで縦整合基準部39に確実に突き当たり、シート排出方向CDにおける端部の位置が規制される。スライド溝32aは、後述するように整合機構33が移動可能となるように、シート排出方向CDに延びている。なお、縦整合基準部39は、整合ローラ33aの搬送方向において整合ローラ33aの下流に配置されている。横整合基準板52は、中間積載部の装置手前側、すなわち幅方向における外側に配置されており、中間積載部に積載されたシートが第2排出パス84へと向かうシート排出方向CDに延びている。
【0032】
整合ローラ33aの軸部33bは、搬送方向としてのシート排出方向CD及びシート排出方向CDに直交する幅方向Wに対して傾斜して設けられている。このため、軸部33bを中心に回転する整合部としての整合ローラ33aは、中間下ガイド32に積載されたシートに接触することで、シートを縦整合基準部39及び横整合基準板52に向けて移動させる。すなわち、縦整合基準部39は、シート排出方向CDにおけるシートの上流端の整合基準となり、横整合基準板52は、幅方向Wにおいてシートの整合基準となる。
【0033】
整合ローラ33aは、不図示の駆動伝達装置により所定のタイミングで1回転ずつ完結回転するように制御されており、軸部33bが回転することで整合ローラ33aも回転する。整合ローラ33aは、合成ゴムもしくはエラストマー樹脂等の弾性材料で成形され、外周面が所定の摩擦係数になるように調整されている。また、整合ローラ33aの外周部は、軸部33bの軸方向から見て非円形である。
【0034】
中間積載部にシートが排出される前の待機状態において、整合ローラ33aは中間上ガイド31からローラ部が露出しないような回転角度で保持される。また、整合ローラ33aが1回転する間に、ホルダ33cに設けられた開口部33d及び中間上ガイド31に設けられた開口部31aからローラ部が一時的に露出する。そして、整合ローラ33aのローラ部は、中間下ガイド32に積載されたシートの最上位シートの上面に接触して搬送力を付与する。整合ローラ33aのシートに対する接触圧は、シートが縦整合基準部39及び横整合基準板52に突き当たった後は整合ローラ33aがスリップするように調整されている。
【0035】
横整合基準板52、縦整合基準部39及び整合機構33によって整合されたシートは、整合機構33が不図示の駆動部によってシート排出方向CDに移動されることで、整合機構33の縦整合基準部39によってシート排出方向CDに押し出される。
【0036】
[綴じ処理部の動作]
次に、図3(a)乃至図6(b)に沿って、綴じ処理部4Aの動作を説明する。図3(a)(b)に示すように、1枚目のシートS1が綴じ処理部4Aの中間積載部に進入を開始すると、束押さえフラグ30がシートS1の進入に伴って持ち上げられ、シートの排出経路から退避する。そして、図3(c)(d)に示すように、シートS1の後端が蹴り出しローラ29を通過後、束押さえフラグ30は待機位置に復帰し、シートS1を中間下ガイド32に落とす。これにより、シートS1は、押さえガイド56と中間下ガイド32によって一時的に挟持された状態となる。
【0037】
次に、図4(a)(b)に示すように、整合ローラ33aが矢印N方向に駆動されることで、シートS1は、縦整合基準部39及び横整合基準板52に突き当てられる。これにより、シートS1は、縦整合基準部39及び横整合基準板52に倣って整合される。図4(c)(d)に示すように、整合ローラ33aが中間上ガイド31の上方に退避すると、後続のシートS2が綴じ処理部4Aへの進入を開始する。これにより、束押さえフラグ30は、シートS2の進入に伴って再び持ち上げられる。
【0038】
図5(a)(b)に示すように、シートS2の後端が蹴り出しローラ29を通過後、束押さえフラグ30は待機位置に復帰し、シートS2を中間下ガイド32に落とす。これにより、シートS2は、押さえガイド56と中間下ガイド32によって一時的に挟持された状態となる。更に、図5(c)(d)に示すように、整合ローラ33aが矢印N方向に駆動されることで、シートS2は、縦整合基準部39及び横整合基準板52に突き当てられる。これにより、シートS2は、縦整合基準部39及び横整合基準板52に倣って整合される。
【0039】
以降、1部のシート束を構成する最終シートの整合が完了するまで、シートの整合動作が繰り返される。そして、最終シートに対する整合動作が完了すると、ステイプラ51がシート束の所定位置を綴じる。図6(a)(b)に示すように、ステイプラ51により綴じ動作が行われると、整合機構33がシート排出方向CDに平行移動し、整合機構33の縦整合基準部39によってシート束がシート排出方向CDに押し出される。その後、シート束は、束排出ローラ36へと受け渡され、下排出トレイ37に積載される。
【0040】
[比較例]
次に、図7(a)(b)を参照して、本実施の形態に対する比較例について説明する。比較例の綴じ処理部400Aは、横整合基準板452が中間下ガイド32に対して移動不能に設けられている点以外は、本実施の形態の綴じ処理部4Aと同様の構成を有している。
【0041】
例えば、綴じ処理部400Aが対応可能なシートサイズがA5~LEGALサイズだとすると、これらA5~LEGALサイズのシートの端部に対してステイプラ51が綴じ処理する際には、位置P1~位置P3の範囲でステイプラ51が移動する。そして、ステイプラ51の位置P1~P3の移動範囲内には、ステイプラ51と衝突してしまうために横整合基準板452を設けることができない。このため、横整合基準板452は、図7(a)(b)に示す位置に固定される。
【0042】
しかしながら、図7(b)に示すように、例えばLEGALサイズのシートに対して整合処理を行う場合、横整合基準板452がステイプラ51及び不図示の縦整合基準部に対して離隔しているために、シートが回転してしまって整合性が低下する虞がある。
【0043】
そこで、本実施の形態では、図8(a)に示すように、綴じ処理部4Aに移動部70を設けている。移動部70は、駆動源としての駆動モータMと、駆動モータMによって駆動される駆動プーリ71と、従動プーリ72と、駆動プーリ71及び従動プーリ72に巻回される無端状のベルト73と、ベルト73に連結されるリンク部材74と、を有している。リンク部材74は、ステイプラ51及び横整合基準板52を支持している。すなわち、ベルト73は、リンク部材74を介して、綴じ部としてのステイプラ51及び第2規制部としての横整合基準板52に連結されている。
【0044】
図8(a)の状態から駆動モータMによって駆動プーリ71が矢印R1方向に回転されると、ベルト73が矢印R2方向に回転し、ベルト73と共にベルト73に固定されるリンク部材74が移動する。これにより、ステイプラ51及び横整合基準板52がシート排出方向CDに移動する。言い換えれば、移動部70は、シート排出方向CDにおけるステイプラ51の移動に伴って、横整合基準板52をシート排出方向CDに移動させる。
【0045】
これにより、比較例で上述したような、ステイプラ51の移動範囲に横整合基準板52を配置できないという設計上の制限が無く、横整合基準板52をステイプラ51及び縦整合基準部39に近接して配置することができる。より具体的には、例えば図9(a)に示すLEGALサイズや、図9(b)に示すA5サイズのシートに対して綴じ処理する場合であっても、横整合基準板52をステイプラ51及び縦整合基準部39により近接して配置することができる。このため、複数のサイズのシートに対して綴じ処理可能な後処理装置4であっても、シートの整合性を向上することができる。
【0046】
<第2の実施の形態>
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明するが、第2の実施の形態は、第1の実施の形態の横整合基準板52の構成を変更したものである。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0047】
第2の実施の形態に係る綴じ処理部40Bは、図10(a)(b)に示すように、第2規制部としての可動横整合基準部材152と、固定横整合基準部材60aと、を有している。第3規制部としての固定横整合基準部材60aは、シート排出方向CDにおいて可動横整合基準部材152を挟んでステイプラ51とは反対側に配置されている。言い換えれば、固定横整合基準部材60aは、シート排出方向CDにおいて可動横整合基準部材152とは異なる位置に配置されている。これら可動横整合基準部材152及び固定横整合基準部材60aは、中間下ガイド32に積載されたシートの幅方向Wにおける端部の位置を規制する。なお、シートの整合方法は、第1の実施の形態で説明した方法と同様である。
【0048】
可動横整合基準部材152は、図8(a)(b)で説明した移動部70と同様の構成により、ステイプラ51の移動に伴ってシート排出方向CDに移動する。一方、固定横整合基準部材60aは、中間下ガイド32に固定されており、移動部70によってステイプラ51及び固定横整合基準部材60aが移動する際に、移動しない。なお、固定横整合基準部材60aは、綴じ処理部40Bが対応可能な最小サイズ(例えばA5サイズ)のシートに対して当接可能な位置に配置される。
【0049】
図10(a)に示すように、LEGALサイズのシートを整合する際には、固定横整合基準部材60aと可動横整合基準部材152との間の距離は、距離D1である。また、この時、可動横整合基準部材152とステイプラ51との間の距離は、距離D3である。一方、図10(b)に示すように、A5サイズのシートを整合する際には、固定横整合基準部材60aと可動横整合基準部材152との間の距離は、距離D2である。この時、可動横整合基準部材152とステイプラ51との間の距離は、図10(a)の場合と同様に距離D3である。
【0050】
このように、可動横整合基準部材152とステイプラ51との間の距離D3は、固定横整合基準部材60aと可動横整合基準部材152との間の距離D1,D2よりも短く設定されている。すなわち、横整合基準板52をステイプラ51及び縦整合基準部39(図9(a)参照)に近接して配置することができる。よって、複数のサイズのシートに対して綴じ処理可能な後処理装置であっても、シートの整合性を向上することができる。
【0051】
以上のように、第1の実施の形態では、一つの大きな部材で構成される横整合基準板52によってシートを幅方向Wに整合していたが、本実施の形態では、可動横整合基準部材152及び固定横整合基準部材60aの2つの部材でシートを整合する。これにより、可動横整合基準部材152及び固定横整合基準部材60aのそれぞれを小型化することができ、装置全体として小型化及びコストダウンすることができる。
【0052】
<第3の実施の形態>
次いで、本発明の第3の実施の形態について説明するが、第3の実施の形態は、第2の実施の形態の固定横整合基準部材60aの構成を変更したものである。このため、第2の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0053】
第3の実施の形態に係る綴じ処理部40Cは、図11(a)(b)に示すように、可動横整合基準部材60b,152を有している。第4規制部としての可動横整合基準部材60bは、シート排出方向CDにおいて可動横整合基準部材152を挟んでステイプラ51とは反対側に配置されている。言い換えれば、可動横整合基準部材60bは、シート排出方向CDにおいて可動横整合基準部材152とは異なる位置に配置されている。これら可動横整合基準部材60b,152は、中間下ガイド32に積載されたシートの幅方向Wにおける端部の位置を規制する。なお、シートの整合方法は、第1の実施の形態で説明した方法と同様である。
【0054】
可動横整合基準部材60b,152は、互いに独立してシート排出方向CDに移動可能に構成されている。例えば、可動横整合基準部材152は、図8(a)(b)で説明した移動部70と同様の構成により、ステイプラ51の移動に伴ってシート排出方向CDに移動する。一方、可動横整合基準部材60bは、駆動モータMとは異なる駆動源によって駆動されるベルトに連結され、ベルトの回転と共に移動可能に構成される。
【0055】
このような構成により、例えば図11(a)に示すように、シートのシート排出方向CDにおける中心線L1に対して可動横整合基準部材60b,152を対称に配置することができる。または、例えば図11(b)に示すように、シートの重量バランスや表面性等の特性に合わせて可動横整合基準部材60b,152を様々な位置に配置可能である。これにより、様々な属性のシートに対して、シートの整合性を向上することができる。
【0056】
<第4の実施の形態>
次いで、本発明の第4の実施の形態について説明するが、第4の実施の形態は、第2の実施の形態の可動横整合基準部材152の構成を変更したものである。このため、第2の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0057】
第4の実施の形態に係る綴じ処理部40Dは、整合動作時は第2の実施の形態と同様の構成であるが、整合動作完了後の綴じ処理時にあたって、図12(a)(b)に示すように、ステイプラ51がシートの図中左上側に移動可能である。第2規制部としての可動横整合基準部材252はステイプラ51の移動に伴って移動するが、ストッパ部32bに突き当たることで固定横整合基準部材60aに当接する前に停止する。
【0058】
図13及び図14を用いてステイプラ51及び可動横整合基準部材252の動作の詳細を説明する。綴じ処理部40Dは、ステイプラ51のシート排出方向CDにおける移動に伴って、可動横整合基準部材252をシート排出方向CDに移動させる移動部70Dを有している。移動部70Dは、駆動モータMと、駆動モータMによって駆動される駆動プーリ71と、従動プーリ72と、駆動プーリ71及び従動プーリ72に巻回される無端状のベルト73と、ホルダ274と、スライダ77と、ストッパ部32bと、を有している。固定横整合基準部材60aは、中間下ガイド32に固定されている。
【0059】
ベルト73には、ホルダ274が連結されており、ホルダ274には、ステイプラ51が固定されている。スライダ77は、中間下ガイド32に設けられたガイドリブ232a及びガイドシャフト75に、シート排出方向CDに滑らかにスライド可能に保持されており、スライダ77には、可動横整合基準部材252が固定されている。また、スライダ77にはバネ76が連結されており、付勢部としてのバネ76は、スライダ77をシート排出方向CD下流に付勢している。スライダ77の被当接部77aは、バネ76の付勢力によって、ホルダ274の当接部274aに押し付けられている。これにより、スライダ77及びスライダ77に固定される可動横整合基準部材252は、ステイプラ51のシート排出方向CDにおける移動に追随する。
【0060】
ステイプラ51がシート排出方向CDにおける下流へ移動すると、スライダ77の一部が中間下ガイド32の下部に設けられたストッパ部32bに突き当たり、スライダ77及びスライダ77に固定された可動横整合基準部材252のスライド動作が停止する。この時、可動横整合基準部材252は、シート排出方向CDにおいて固定横整合基準部材60aの上流で停止する。この状態でベルト73が駆動すると、スライダ77及び可動横整合基準部材252は停止したまま、ステイプラ51がシート排出方向CDにおける下流へ移動する。すなわち、ステイプラ51は、可動横整合基準部材252に対してシート排出方向CDに相対移動する。ステイプラ51がシート排出方向CDにおける上流へ移動してきた時は、ストッパ部32bに当接して停止していたスライダ77とホルダ274の当接部274aが再び当接し、ステイプラ51とスライダ77が一体となって移動する。
【0061】
図15は、ステイプラ51及び可動横整合基準部材252を示す模式図である。図15に示すように、ステイプラ51は、綴じ処理されるシートの一部が入り込む略コ字状の凹部261を有しており、可動横整合基準部材252は、綴じ処理されるシートの幅方向Wにおける端部が突き当たる突き当て部260を有している。突き当て部260の高さL1は、ステイプラ51の凹部261の高さL2よりも小さく構成されている。すなわち、ステイプラ51は、シート排出方向CDに視て、可動横整合基準部材252に重ならないように配置され、移動部70Dによって可動横整合基準部材252を横切ってシート排出方向CDに移動可能である。より具体的には、突き当て部260は、ステイプラ51が可動横整合基準部材252を横切ってシート排出方向CDに移動する際に、凹部261内を通過し、ステイプラ51には干渉しない。また、固定横整合基準部材60aは、可動横整合基準部材252と同様の形状を有している。このため、ステイプラ51は、シート排出方向CDに視て、固定横整合基準部材60aに重ならないように配置され、固定横整合基準部材60a及び可動横整合基準部材252を横切ってシート排出方向CDに移動可能である。
【0062】
このような構成により、図12(a)(b)に示すように、シートの図中左上側に綴じ処理を行う場合において、ステイプラ51と、固定横整合基準部材60a及び可動横整合基準部材252と、の干渉を回避することができる。なお、ステイプラ51は、シートの図中左上側のみならず、図中左下側から左上側の複数の位置に綴じ処理を行ってもよい。また、第3の実施の形態に示したように、固定横整合基準部材60aを可動横整合基準部材60bとして構成しても良い。これにより、様々な属性のシートに対してシートの左上側に綴じ処理を行う場合においても、シートの整合性を向上することができる。
【0063】
(その他の実施形態)
上記第1~第4の実施の形態では、シート処理装置の例として、画像形成装置1に直接連結される後処理装置4について説明した。しかしながら、本技術は、画像形成装置1から中間のユニット(例えば、胴内排出型の画像形成装置において排出空間に装着される中継搬送ユニット)を介してシートを受け取るシート処理装置にも適用可能である。また、シート処理装置及び画像形成装置を備えた画像形成システムとは、画像形成装置1及び後処理装置4の機能を有するモジュールが単一の筐体内に搭載されているものを含む。また、ステイプラ51はシートを綴じ処理する綴じ部の一例であり、例えば針を用いるステイプラ51に代えて針無し綴じ装置を適用してもよい。
【0064】
また、上記第1~第3の実施の形態では、ステイプラ51と横整合基準板52又は可動横整合基準部材152を移動部70によって連結したが、これに限定されない。例えば、ステイプラ51に横整合基準部材を直接固定してもよい。また、第2乃至第4の実施の形態では、2つの横整合基準部材を設けたが、これに限定されず、3つ以上の横整合基準部材を設けてもよい。
【0065】
上記第4の実施の形態では、ステイプラ51は、固定横整合基準部材60a及び可動横整合基準部材252を横切って移動可能に構成されていたが、これに限定されない。例えば、ステイプラ51は、可動横整合基準部材252を横切って移動可能であるが、固定横整合基準部材60aを横切ることはできないように構成されてもよい。また、可動横整合基準部材252は、スライダ77が中間下ガイド32の下部に設けられたストッパ部32bに突き当たることで停止するが、これに限定されない。例えば、ストッパ部32bは、中間下ガイド32以外の他の部材に設けられてもよく、スライダ77又は可動横整合基準部材252が、直接、固定横整合基準部材60aに当接して停止してもよい。また、第1の実施の形態のステイプラ51は、第4の実施の形態のように、横整合基準板52を横切るように構成されてもよい。
【0066】
また、上記第1~第4の実施の形態では、整合機構33によってシートを例えば縦整合基準部39及び横整合基準板52に突き当てて整合する構成を有していたが、これに限定されない。例えば、シートの幅方向と搬送方向をそれぞれジョガーフェンスやパドル部材で整合する構成を適用してもよい。
【0067】
本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0068】
1:画像形成装置/1S:画像形成システム/4:シート処理装置(後処理装置)/24:反転部(反転ローラ)/29:搬送部(蹴り出しローラ)/32:積載部(中間下ガイド)/32b:ストッパ部/33a:整合部(整合ローラ)/36:排出部(束排出ローラ)/39:第1規制部(縦整合基準部)/51:綴じ部(ステイプラ)/52,152,252:第2規制部(横整合基準板、可動横整合基準部材)/60a:第3規制部(固定横整合基準部材)/60b:第4規制部(可動横整合基準部材)/70,70D:移動部/73:ベルト/76:付勢部(バネ)/81:第1搬送路(受入パス)/82:第2搬送路(内排出パス)/84:第3搬送路(第2排出パス)/260:突き当て部/261:凹部/CD:搬送方向(シート排出方向)/D1,D2,D3:距離/M:駆動源(駆動モータ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15