(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/06 20060101AFI20240318BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20240318BHJP
F25D 17/08 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
F25D23/06 G
F25D23/06 M
F25D23/00 305
F25D17/08 307
(21)【出願番号】P 2020087004
(22)【出願日】2020-05-18
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早川 隆人
(72)【発明者】
【氏名】秋吉 浩一
(72)【発明者】
【氏名】燕 鵬
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-059673(JP,A)
【文献】特開2009-052808(JP,A)
【文献】特開2012-002394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/06
F25D 23/00
F25D 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に開口する貯蔵室が内部に設けられた内箱と、前記内箱の外側に配置された外箱と、前記内箱と前記外箱との間に設けられた断熱空間に収納された断熱材とを備えた冷蔵庫本体と、
前記貯蔵室を冷却する冷気を生成する冷却装置と、
前記貯蔵室の背面を区画する後壁板と、
を備えた冷蔵庫において、
前記内箱は、内箱背面と、前記内箱背面の上端及び左右側端より前方へ延びる前延面と、前記内箱背面と前記前延面とを連結する連結部を備え、
前記連結部は、後方に行くほど前記貯蔵室の内方へ向かうように後方へ膨らんだ湾曲面、又は、前記湾曲面とその後端から接線方向へ延びる平面とからなる面、を有する段部を備え、
前記後壁板は、前記後壁板の前面に平行であって前記後壁板の周縁から離れる方向に前記段部と重なり、かつ、前記段部の一部を前方から覆うように前記内箱背面の前方に配置され
、
前記後壁板と前記内箱背面との間に前記後壁板より幅方向に狭く前記冷却装置で生成された冷気が流れる流路を備え、
前記流路の側方に前記後壁板を貫通する貫通孔を備え、前記貫通孔と前記内箱背面との間に冷蔵庫の操作パネルが収納され、
前記操作パネルのリード線に設けられたコネクタと他の電気部品のリード線に設けられたコネクタとを収納するハウジングケースを備え、前記ハウジングケースが前記操作パネルの下方に設けられている冷蔵庫。
【請求項2】
前方に開口する貯蔵室が内部に設けられた内箱と、前記内箱の外側に配置された外箱と、前記内箱と前記外箱との間に設けられた断熱空間に収納された断熱材とを備えた冷蔵庫本体と、
前記貯蔵室を冷却する冷気を生成する冷却装置と、
前記貯蔵室の背面を区画する後壁板と、
を備えた冷蔵庫において、
前記内箱は、内箱背面と、前記内箱背面の上端及び左右側端より前方へ延びる前延面と、前記内箱背面と前記前延面とを連結する連結部を備え、
前記連結部は、後方に行くほど前記貯蔵室の内方へ向かうように後方へ膨らんだ湾曲面、又は、前記湾曲面とその後端から接線方向へ延びる平面とからなる面、を有する段部を備え、
前記後壁板は、前記後壁板の前面に平行であって前記後壁板の周縁から離れる方向に前記段部と重なり、かつ、前記段部の一部を前方から覆うように前記内箱背面の前方に配置され、
前記後壁板は、背面周縁部に前記連結部と係合する係合部を備える、冷蔵庫。
【請求項3】
前方に開口する貯蔵室が内部に設けられた内箱と、前記内箱の外側に配置された外箱と、前記内箱と前記外箱との間に設けられた断熱空間に収納された断熱材とを備えた冷蔵庫本体と、
前記貯蔵室を冷却する冷気を生成する冷却装置と、
前記貯蔵室の背面を区画する後壁板と、
を備えた冷蔵庫において、
前記内箱は、内箱背面と、前記内箱背面の上端及び左右側端より前方へ延びる前延面と、前記内箱背面と前記前延面とを連結する連結部を備え、
前記連結部は、後方に行くほど前記貯蔵室の内方へ向かうように後方へ膨らんだ湾曲面、又は、前記湾曲面とその後端から接線方向へ延びる平面とからなる面、を有する段部を備え、
前記後壁板は、前記後壁板の前面に平行であって前記後壁板の周縁から離れる方向に前記段部と重なり、かつ、前記段部の一部を前方から覆うように前記内箱背面の前方に配置され
前記後壁板の背面から後方へ突出する突条を備え、前記突条の厚みが前記後壁板の板厚より小さい、冷蔵庫。
【請求項4】
前記後壁板の前面が前記貯蔵室の幅方向に平坦に設けられている請求項
1~3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記後壁板の前面は、平面、又は、上方に行くほど上下方向に対する傾きが大きくなる面から構成されている請求項
1~3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記後壁板の前面は、上下方向に対する傾きが異なる複数の平面を上方に行くほど前記傾きが大きくなるように上下に並べて連結した面を備え、
前記複数の平面のうち最も上方に位置する平面が、上下方向に長い請求項
5に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記後壁板と前記内箱背面との間に前記後壁板より幅方向に狭く前記冷却装置で生成された冷気が流れる流路を備え、
前記流路の側方に前記後壁板を貫通する貫通孔を備え、前記貫通孔と前記内箱背面との間に冷蔵庫の操作パネルが収納されている請求項
2又は3に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記流路は幅方向中心が前記貯蔵室の幅方向中心より幅方向一方側に寄せて配置された第1流路部を備え、前記第1流路部の幅方向他方に前記貫通孔が設けられている請求項
1又は7に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記流路は、前記第1流路部に接続された第2流路部を備え、
前記第2流路部は幅方向中心が前記第1流路部の幅方向中心より前記貯蔵室の幅方向中央に寄せて配置されている請求項
8に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記操作パネルのリード線に設けられたコネクタと他の電気部品のリード線に設けられたコネクタとを収納するハウジングケースを備え、前記ハウジングケースが前記操作パネルの下方に設けられている請求項
7に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記ハウジングケースの前方に引き出し式の容器が設けられている請求項
1又は10に記載の冷蔵庫。
【請求項12】
前記ハウジングケースは、前記流路の側方に設けられ、
前記操作パネルのリード線が、前記流路の縁部に沿って設けられている請求項
1又は10に記載の冷蔵庫。
【請求項13】
前記後壁板は、前記流路に連通する吹出口を備え、
前記吹出口が前記後壁板の幅方向中央部に設けられている請求項
1又は7に記載の冷蔵庫。
【請求項14】
前記後壁板は、前記流路に連通する吹出口を備え、
前記吹出口が前記後壁板の幅方向中央部からずれた位置に設けられている請求項
1又は7に記載の冷蔵庫。
【請求項15】
前記後壁板は、背面周縁部に前記連結部と係合する係合部を備える請求項
1に記載の冷蔵庫。
【請求項16】
前記後壁板の背面から後方へ突出する突条を備え、前記突条の厚みが前記後壁板の板厚より小さい請求項
1に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、冷蔵室などの冷蔵庫の貯蔵室の背面には、冷却器で冷却した冷気を流通させる供給路(ダクト)や電気配線等の内部部材が設けられているが、これらの内部部材が貯蔵空間に露出すると見栄えが悪い。そこで、貯蔵室に後壁板を設けて内部部材を前方から覆い隠すことがある(下記特許文献1参照)。
【0003】
この後壁板は、内箱の左右側面や天井面とともに貯蔵室の内壁面を構成し、使用者に目立ちやすく冷蔵庫の美観に影響しやすい部材であるが、後壁板の形状について充分に検討されず改良の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、上記事情を考慮してなされたものであり、貯蔵室内部の美観に優れた冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態の冷蔵庫は、前方に開口する貯蔵室が内部に設けられた内箱と、前記内箱の外側に配置された外箱と、前記内箱と前記外箱との間に設けられた断熱空間に収納された断熱材とを備えた冷蔵庫本体と、前記貯蔵室を冷却する冷気を生成する冷却装置と、前記貯蔵室の背面を区画する後壁板と、を備えた冷蔵庫において、前記内箱は、内箱背面と、前記内箱背面の上端及び左右側端より前方へ延びる前延面と、前記内箱背面と前記前延面とを連結する連結部を備え、前記連結部は、後方に行くほど前記貯蔵室の内方へ向かうように後方へ膨らんだ湾曲面、又は、前記湾曲面とその後端から接線方向へ延びる平面とからなる面、を有する段部を備え、前記後壁板は、前記後壁板の前面に平行であって前記後壁板の周縁から離れる方向に前記段部と重なり、かつ、前記段部の一部を前方から覆うように前記内箱背面の前方に配置され、前記後壁板と前記内箱背面との間に前記後壁板より幅方向に狭く前記冷却装置で生成された冷気が流れる流路を備え、前記流路の側方に前記後壁板を貫通する貫通孔を備え、前記貫通孔と前記内箱背面との間に冷蔵庫の操作パネルが収納され、前記操作パネルのリード線に設けられたコネクタと他の電気部品のリード線に設けられたコネクタとを収納するハウジングケースを備え、前記ハウジングケースが前記操作パネルの下方に設けられたものである。
また、一実施形態の冷蔵庫は、前方に開口する貯蔵室が内部に設けられた内箱と、前記内箱の外側に配置された外箱と、前記内箱と前記外箱との間に設けられた断熱空間に収納された断熱材とを備えた冷蔵庫本体と、前記貯蔵室を冷却する冷気を生成する冷却装置と、前記貯蔵室の背面を区画する後壁板と、を備えた冷蔵庫において、前記内箱は、内箱背面と、前記内箱背面の上端及び左右側端より前方へ延びる前延面と、前記内箱背面と前記前延面とを連結する連結部を備え、前記連結部は、後方に行くほど前記貯蔵室の内方へ向かうように後方へ膨らんだ湾曲面、又は、前記湾曲面とその後端から接線方向へ延びる平面とからなる面、を有する段部を備え、前記後壁板は、前記後壁板の前面に平行であって前記後壁板の周縁から離れる方向に前記段部と重なり、かつ、前記段部の一部を前方から覆うように前記内箱背面の前方に配置され、前記後壁板は、背面周縁部に前記連結部と係合する係合部を備えたものである。
また、一実施形態の冷蔵庫は、前方に開口する貯蔵室が内部に設けられた内箱と、前記内箱の外側に配置された外箱と、前記内箱と前記外箱との間に設けられた断熱空間に収納された断熱材とを備えた冷蔵庫本体と、前記貯蔵室を冷却する冷気を生成する冷却装置と、前記貯蔵室の背面を区画する後壁板と、を備えた冷蔵庫において、前記内箱は、内箱背面と、前記内箱背面の上端及び左右側端より前方へ延びる前延面と、前記内箱背面と前記前延面とを連結する連結部を備え、前記連結部は、後方に行くほど前記貯蔵室の内方へ向かうように後方へ膨らんだ湾曲面、又は、前記湾曲面とその後端から接線方向へ延びる平面とからなる面、を有する段部を備え、前記後壁板は、前記後壁板の前面に平行であって前記後壁板の周縁から離れる方向に前記段部と重なり、かつ、前記段部の一部を前方から覆うように前記内箱背面の前方に配置され前記後壁板の背面から後方へ突出する突条を備え、前記突条の厚みが前記後壁板の板厚より小さいものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態の冷蔵庫の概略構成を示す縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態の冷蔵庫1について図面に基づき説明する。なお、以下の実施形態は例示であり、発明の範囲はこれに限定されない。以下の実施形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な省略、置換、変更を行うことができる。以下の実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0009】
なお、以下の説明において、左右方向、前後方向、上下方向とは、冷蔵庫を正面から見たときの方向を示し、左右方向は冷蔵庫の幅方向に相当する。また、右、左、上、下、奥、背、手前とは、特に規定がない場合には冷蔵庫を正面から見たときの位置や側などを示す。また、冷蔵庫1の内箱4において貯蔵室に向く側を庫内側とし、断熱材を介して外箱3と対向する側を断熱空間側とする。
【0010】
(1)冷蔵庫1の構成
冷蔵庫1の構成について図面を参照して説明する。冷蔵庫1は、
図1~
図3に示すように、前面に開口する冷蔵庫本体2を備える。冷蔵庫本体2は、鋼板製の外箱3と合成樹脂製の内箱4とを備え、外箱3及び内箱4との間に発泡断熱材や真空断熱パネルなどの断熱材を収納する断熱空間5が形成されている。冷蔵庫本体2は内箱4の内側に複数の貯蔵室が設けられている。具体的には、
図1に示すように、上段から順に、冷蔵室6、野菜室7が設けられ、その下方に冷凍室10が設けられている。
【0011】
冷蔵室6及び野菜室7は、その後面に設けられた冷蔵室温度センサ36の検出温度に基づいて冷蔵温度帯(例えば、1~4℃)に冷却される貯蔵室である。冷蔵室6と野菜室7の間は、合成樹脂製の仕切板11により上下に仕切られているが、仕切板11の後端部に設けられた連通孔17を介して冷蔵室6の空気が野菜室7へ流れるようになっている。冷蔵室6の前面開口部には、ヒンジで枢支された回動式の断熱扉6aが設けられている。
【0012】
冷蔵室6の後面は、内箱背面4eの前方に間隔をあけて設けられた後壁部材40によって区画されている。後壁部材40は、内箱背面4eとの間で、冷蔵室6へ供給する冷気が流れる冷蔵側流路24の一部を構成する第1流路部24b及び第2流路部24cを形成する。また、後壁部材40には、使用者が冷蔵室6や冷凍室10等の温度設定等の各種設定を行うための操作パネル39や、冷蔵室6内の温度を検出する冷蔵室温度センサ36が設けられている。
【0013】
冷蔵室6の内部空間には、上下に間隔をあけて複数の棚板12が設けられている。仕切板11と最下段の棚板12aとで上下に仕切られた空間には、給水タンク30や収納容器14のような引き出し式の容器を収納する下側貯蔵室6bが形成され、最下段の棚板12aの上方に区画された空間には、棚板12を設ける上側貯蔵室6cが形成されている。
【0014】
下側貯蔵室6bは、冷蔵室6の一方側壁(左側壁)に寄せて配設された縦仕切壁13によって冷蔵庫幅方向に区画されている(
図3参照)。冷蔵室6の左側壁と縦仕切壁13に挟まれた空間には、給水タンク30及び給水装置31が設けられている。給水タンク30は、仕切板11に設けられた不図示の位置決め部によって前後方向における所定位置に収納される引き出し式の容器である。
【0015】
縦仕切壁13と冷蔵室6の他方側壁(右側壁)に挟まれた空間には、引き出し式の収納容器14が収納されている。縦仕切壁13は、
図3に示すように収納容器14の前側部分の後方に隠れるように配置されている。
【0016】
下側貯蔵室6bでは、その後部に配置された後壁部材40や後述するハウジングケース38が、前方から給水タンク30及び収納容器14によって覆い隠されている。
【0017】
上側貯蔵室6cは、冷蔵庫1において最上段に配置された貯蔵室であり、貯蔵品を収納しない状態において、上側貯蔵室6cの後部に配置された後壁部材40の後壁板41が露出し前方から視認可能となっている。
【0018】
なお、最下段の棚板12aは、内箱4の左右側面4a、4bに固定されていてもよく、あるいは、内箱4の左右側面4a、4bに対して着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0019】
冷蔵室6の天井面を形成する冷蔵庫本体2の天井壁には、庫内側から上方(断熱空間側)へ陥没する照明収納凹部8が形成されており、その照明収納凹部8内に冷蔵室6内を照明する照明装置80が収納されている。
【0020】
野菜室7の前面開口部には、引き出し式の断熱扉7aが設けられている。この断熱扉7aの背面部には、貯蔵容器を構成する収納容器15が連結されており、開扉動作とともに収納容器15が庫外に引き出されるように構成されている。
【0021】
冷凍室10は、その後面に設けられた冷凍室温度センサ37の検出温度に基づいて冷凍温度帯(例えば、-10~-20℃)に冷却される貯蔵室である。野菜室7と冷凍室10との間は、内部に断熱材が設けられた断熱仕切壁16により上下に仕切られている。冷凍室10の前面開口部には、引き出し式の断熱扉10aが設けられている。
【0022】
冷凍室10には、
図1に示すように、下段容器100、中段容器101及び上段容器102とからなる3つの収納容器が上下に並べて設けられている。断熱扉10aの背面部には、下段容器100が連結されており、開扉動作とともに下段容器100と、下段容器100に上面に支持された中段容器101が庫外に引き出されるように構成されている。
【0023】
上段容器102の上方には、製氷皿と離氷機構を含む製氷装置105が設けられており、製氷装置105で作製した氷は上段容器102へ落下され上段容器102で貯氷される。製氷装置105は、冷蔵室6に設けられた給水タンク30及び給水装置31とともに自動製氷装置を構成し、給水装置31によって吸い上げられた給水タンク30の水が製氷皿に供給されるようになっている。
【0024】
冷凍室10の奥部には、貯蔵室6,7,10を冷却する冷気を生成する冷却器21と、冷却器ファン22を収納する冷却器室23が設けられている。冷却器室23には、冷却器21で生成した冷気を冷蔵室6へ供給する冷蔵側流路24と、冷却器21で生成した冷気を冷凍室10へ供給する冷凍側流路26と、各貯蔵室6、7、10を流れた空気を冷却器室23へ戻すリターンダクト19が接続されている。冷却器室23と冷蔵側流路24との接続部分には冷蔵ダンパ25が設けられ、冷却器室23と冷凍側流路26との接続部分には冷凍ダンパ27が設けられている。
【0025】
冷蔵側流路24は、野菜室7の後面に設けられた野菜室流路24aと、冷蔵室6の後方に設けられた第1流路部24b及び第2流路部24cを下方から順に接続して形成される。
【0026】
野菜室流路24aは、その幅方向中心が野菜室7の幅方向中心より幅方向一方側(本実施形態では、右側)に寄せて配置されている。野菜室流路24aは、冷蔵ダンパ25から上方に行くに従い流路幅が広がり第1流路部24bの下端部に接続されている。
【0027】
第1流路部24bは、下側貯蔵室6bの下端から上方に延び、最下段の棚板12aより上方位置まで延びており、下側貯蔵室6bの後方及び上側貯蔵室6cの下部後方に設けられている。第1流路部24bは、その幅方向中心が冷蔵室6の幅方向中心より幅方向一方側(本実施形態では、右側)に寄せて配置されている。
【0028】
第1流路部24bの上端は、上下方向に対して幅方向内方(本実施形態では、左側)へ向けて斜めに傾斜した傾斜部24dを介して第2流路部24cに接続されている。第2流路部24cは、その幅方向中心が第1流路部24bの幅方向中心より冷蔵室6の幅方向中央に寄せて配置されている。
【0029】
第1流路部24bの前面には、下側貯蔵室6bに開口する吹出口18bが設けられ、第2流路部24cの前面には、上側貯蔵室6cに開口する吹出口18cが設けられている。
【0030】
冷却器21は、冷蔵庫本体2の背面下部に形成された機械室28に収納された圧縮機29や凝縮器とともに冷凍サイクルを構成し、圧縮機29から吐出された冷媒によって冷却される。冷却器21は、冷却器室23の空気を冷却して各貯蔵室6,7,10を冷却するための冷気を生成する。
【0031】
冷蔵庫本体2の背面上部には、
図6~
図8に示すように、前方へ陥没する基板収納部60が設けられ、その内部に冷蔵庫1を制御する制御基板70と、リアクトル等の電気部品71が設けられている。
【0032】
制御基板70は、各種センサ36、37や操作パネル39から入力される検出信号と予めメモリに記憶された制御プログラムに基づいて、冷蔵ダンパ25及び冷凍ダンパ27の開閉や、冷却器ファン22の回転速度や、圧縮機29の運転周波数を制御して冷蔵庫1の動作全般を制御する。
【0033】
このような構成の冷蔵庫1では、冷却器ファン22の回転と、冷蔵ダンパ25及び冷凍ダンパ27の開閉を制御して、冷却器21が生成した冷気を冷蔵室6及び野菜室7と、冷凍室10へ切り替えて供給することによって、冷蔵室温度センサ36や冷凍室温度センサ37の検出温度が所定の温度条件を満たすように、各貯蔵室6,7,10を冷却する。
【0034】
具体的には、冷蔵室6及び野菜室7を冷却する場合、圧縮機29を駆動することで冷却器21を低温化しつつ、冷蔵ダンパ25を開放し冷凍ダンパ27を閉止した状態で冷却器ファン22を駆動する。これにより、冷却器21で冷却された空気は、野菜室流路24a、第1流路部24b、傾斜部24d及び第2流路部24cを通って上方へ流れ、吹出口18b、18cより冷蔵室6に供給され、冷蔵室6を冷却する。冷蔵室6を流れた空気は、仕切板11に設けられた連通孔17を通って野菜室7に流れ込み、野菜室7内を冷却した後、野菜室7の背面に設けられた吸込口19aからリターンダクト19に取り込まれ、冷却器室23に戻り、再び冷却器21と熱交換して冷却される。
【0035】
また、冷凍室10を冷却する場合、圧縮機29を駆動することで冷却器21を低温化しつつ、冷凍ダンパ27を開放し冷蔵ダンパ25を閉止した状態で冷却器ファン22を駆動する。これにより、冷却器21で冷却された空気は、冷凍側流路26を通って吹出口34より冷凍室10に供給され、冷凍室10を冷却する。冷凍室10を流れた空気は、冷凍室10の背面に設けられた吸込口19bからリターンダクト19に取り込まれ、冷却器室23に戻り、再び冷却器21と熱交換して冷却される。
【0036】
(2)冷蔵庫本体2
次に、冷蔵庫本体2の構成について説明する。
【0037】
内箱4は、真空成形機で一体成形された合成樹脂成形体からなり、内箱左側面4a、内箱右側面4b、内箱上面4c、内箱底面4d及び内箱背面4eを有する前面に開口した箱状をなしている。
【0038】
図1及び
図6に示すように、内箱背面4eにおいて冷蔵室6の後方に位置する部分は、上方に行くほど上下方向に対する傾きが大きくなる面から構成されている。本実施形態では、内箱背面4eは、冷蔵室6の下端から上下方向に平行に延びる内箱鉛直面4e1と、内箱鉛直面4e1の上側に設けられ上方に行くほど前方へ向かうように傾斜する内箱傾斜面4e2と、内箱鉛直面4e1と内箱傾斜面4e2とをなめらかに連結する内箱連結面4e3とを有している。
【0039】
なお、上方に行くほど上下方向に対する傾きが大きくなる面とは、上記のように内箱鉛直面と1の内箱傾斜面とを連結した面に限定されず、例えば、内箱鉛直面と上下方向に対する傾きが異なる複数の内箱傾斜面とを上方に行くほど上下方向に対する傾きが大きくなるように上下に並べて連結した面や、内箱鉛直面を設けることなく上下方向に対する傾きが異なる複数の内箱傾斜面を上方に行くほど上下方向に対する傾きが大きくなるように上下に並べて連結した面や、上方に行くほど上下方向に対する傾きが大きくなるように漸次湾曲する面であってもよい。また、上記した実施形態では、内箱鉛直面と内箱傾斜面を内箱連結面を介してなめらかに連結したが、内箱鉛直面と内箱傾斜面を介することなく直接連結したり、上下方向に対する傾きが異なる傾斜面を連結面を介することなく直接連結してもよい。
【0040】
また、内箱左側面4a、内箱右側面4b及び内箱上面4cにおいて上側貯蔵室6cを区画する部分は、連結部4fを介して内箱背面4eに連結されている。本実施形態では、上側貯蔵室6cを区画する内箱左側面4a、内箱右側面4b及び内箱上面4cが、内箱背面4eの左右側端及び上端より連結部4fを介して前方へ延びる前延面である。
【0041】
図3、
図6、
図10及び
図11に示すように、連結部4fは、前延面4a、4b、4cの後端に接続された段部4gと、段部4gの後端に設けられた凹形成部4hとを備え、内箱背面4eとともに内箱4の奥部に段付きの凹部を形成する。
【0042】
段部4gは、前延面4a,4b,4cの後端に連結された湾曲面4g1と、湾曲面4g1の後端から後方向へ延びる平面4g2とを備える。湾曲面4g1は、後方に行くほど上側貯蔵室6cの内方へ向かうように後方へ膨らんだ曲面からなる。湾曲面4g1は、前延面4a,4b,4cとの連結箇所において共通の接線を持っており、前延面4a,4b,4cとなめらかに連結されている。平面4g2は、湾曲面4g1の後端から接線方向に延びる平面からなり、その後端に凹形成部4hが連結されている。
【0043】
凹形成部4hは、平面4g2の後端から後方へ向けて折れ曲がり後方へ向けて延びる後延部4h1と、後延部4h1の後端から後方に行くほど幅方向内方へ向かうように傾斜する傾斜部4h2とを備える。
【0044】
また、凹形成部4hには、
図3及び
図11に示すように、後壁部材40の後壁板41の背面周縁部に設けられた係止片50と係合する内箱係合部4iが間隔を開けて複数設けられている。
【0045】
なお、本実施形態では、凹形成部4hの前後方向の長さが、段部4gの前後方向の長さより短く設けられている。また、前後方向に対する凹形成部4hの傾斜部4h2の角度θhが、前後方向に対する段部4gの平面4g2の角度θgより小さく、傾斜部4h2が平面4g2より前後方向に沿う方向に延びている(
図10参照)。
【0046】
冷蔵庫本体2の外郭を構成する鋼板製の外箱3は、内箱4の内箱左側面4a、内箱右側面4b、内箱上面4c、内箱底面4d及び内箱背面4eとそれぞれ対向する外箱左側面3a、外箱右側面3b、外箱上面3c、外箱底面3d及び外箱背面3eを有する前面に開口した箱状をなしている。外箱左側面3a、外箱右側面3b、外箱上面3cは、一枚の長尺な鋼板をほぼU字状に折曲することにより形成されている。外箱底面3d及び外箱背面3eは、外箱左側面3a、外箱右側面3b、及び外箱上面3cと別個に設けられた部材である。外箱底面3dには、機械室28を形成するための段差部が折曲形成されている。
【0047】
図7~
図8に示すように、外箱背面3eの左右上端には、左右一対の手掛け部35が設けられている。左右の手掛け部35はそれぞれ、外箱背面3eより前方へ陥没するえぐり部35aと、えぐり部35aに連通する上面開口を形成する把持部35bとを備える。
図8に示すような背面視において、えぐり部35aは、冷蔵庫1の幅方向内側の下側角部に幅方向外方へ凹んだ逃げ部35cが形成されている。また、外箱背面3eの上端部には、
左右の手掛け部35の間に、制御基板70及び電気部品71を収納する基板収納部60が設けられている。
【0048】
(3)基板収納部60
次の基板収納部60の構成について、主に
図6~
図8を参照して説明する。基板収納部60は、後方に開口する前後方向に扁平な皿状をなしている。基板収納部60は、その底面を構成する収納部底面61が、断熱材を介して内箱傾斜面4e2と前後に対向するように内箱傾斜面4e2の後方に配置されている。
【0049】
具体的には、
図7及び
図8に示すように、収納部底面61は、下側に設けられた背面視略矩形状の基板取付面61aと、基板取付面61aの上側に設けられた部品取付面61bとを備える。部品取付面61bは、左右一対の手掛け部35と左右方向に重なるように一対の手掛け部35の間に設けられ、上方に行くほど幅狭となる形状なしている。
【0050】
図6に示すように、基板収納部60は、収納部底面61の下端(基板取付面61aの下端)が、内箱傾斜面4e2の下端(内箱連結面4e3との連結箇所)より上方に位置するように外箱背面3eに設けられている。
【0051】
基板取付面61aは、その前方に位置する内箱傾斜面4e2と同様、上方に行くほど前方へ向かうように傾斜する収納傾斜面を構成する。部品取付面61bは、基板取付面61aの上端から上下方向に対して平行に延びる延長面を構成し、基板取付面61aより前方に設けられている。
【0052】
本実施形態では、上下方向に対する基板取付面61aの傾斜角度θ1が、上下方向に対する内箱傾斜面4e2の傾斜角度θ2より小さく設定されている。なお、基板取付面61aの傾斜角度θ1は、内箱傾斜面4e2の傾斜角度θ2より小さく設定する場合に限定されず、内箱傾斜面4e2の傾斜角度θ2と同じであってもよく、内箱傾斜面4e2の傾斜角度θ2より大きくてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、基板取付面61a全体が内箱傾斜面4e2と前後に対向するように設けられ、部品取付面61bの上側部分が内箱4の連結部4fと前後に対向するように、基板収納部60が外箱背面3eに設けられている。
【0054】
基板取付面61aには、プリント基板70aの板面が基板取付面61aに対して平行になるように制御基板70が取り付けられている。つまり、制御基板70は、プリント基板70aが上方に行くほど前方へ向かうような傾斜状態で冷蔵庫本体2に設けられている。
【0055】
部品取付面61bには、
図8に示すように、電気部品71が取り付けられており、電気部品71を挟んで幅方向両側に第1挿入孔62及び第2挿入孔63が設けられている。
【0056】
基板収納部60は、
図6及び
図7に示すように、内部に制御基板70及び電気部品71を収納した状態で後方開口部が蓋体64によって覆われている。蓋体64は、ネジなどの固定具65によって外箱背面3eに固定される。このように外箱背面3eに固定された状態で蓋体64は、手掛け部35の把持部35bの後端より前方に位置している。
【0057】
(4)制御基板70及び電気部品71
次に、制御基板70及び電気部品71の構成について、主に
図6~
図8を参照して説明する。
【0058】
制御基板70は、冷蔵庫1を制御するマイコンや、制御プログラム等を記憶するメモリや、整流回路の一部を構成する平滑コンデンサ等の複数の実装部品72がプリント基板70aに実装されるとともに、部品取付面61bに取り付けられた電気部品71が接続されている。
【0059】
制御基板70に実装された実装部品72のうちプリント基板70aからの突出高さが最も大きい部品(以下、この部品を「背高部品」ということもある)72aが、プリント基板70aの中央からいずれかの周縁部に寄った位置に実装されている。
【0060】
このような制御基板70は、背高部品72aがプリント基板70aの上下方向中央部より上側に位置するように基板取付面61aに取り付けられている。また、本実施形態では、
図8に示すように、背高部品72aの少なくとも一部が、部品取付面61bに取り付けられた電気部品71の下方に位置するようにプリント基板70aに実装されている。
【0061】
電気部品71は、リアクトルや制御基板70と別に設けられた追加基板など、制御基板70に接続される1又は複数の部品である。電気部品71を構成するリアクトルは、
図6に示すように、部品取付面61bに取り付けた状態における前後方向の大きさが、プリント基板70aから背高部品72aの先端までの高さ(突出高さ)より大きい。
【0062】
制御基板70には、外部から電源が供給される電源線73が接続されるとともに、冷蔵庫1に設けられたセンサや電気機器に対する電源供給や信号通信に用いられる1または複数の導線を有する第1基板リード線74a及び第2基板リード線74bが接続されている。
【0063】
第1基板リード線74aは、冷蔵室温度センサ36、冷凍室温度センサ37、冷却器ファン22、冷蔵ダンパ25、冷凍ダンパ27、操作パネル39、及び照明装置80に接続された機器リード線75a,75b,75c,75dと接続され、これらのセンサや電気機器に対して電源を供給したり、信号の授受を行う。
【0064】
第1基板リード線74aは、部品取付面61bに設けられた第1挿入孔62を通って基板収納部60から冷蔵庫本体2の断熱空間5へ進入し、断熱空間5の後部の左右一方側(例えば左側)を通ってハウジングケース38へ引き出され、ハウジングケース38内において、機器リード線75a,75b,75c,75dとコネクタを介して接続されている。
【0065】
また、第2基板リード線74bは、部品取付面61bに設けられた第2挿入孔63を通って基板収納部60から冷蔵庫本体2の断熱空間5へ進入し、断熱空間5を通って機械室28へ引き出され、圧縮機29に接続されている。なお、第2基板リード線74bは、第2挿入孔63を通って断熱空間5へ進入した後、第1基板リード線74aが配線された断熱空間5の後部の左右一方側を避け、断熱空間5の後部の左右他方側を通って機械室28へ配線することが好ましい。
【0066】
(5)後壁部材40
冷蔵室6の奥部に設けられた後壁部材40は、
図4~
図6に示すように、その前面部分を構成する後壁板41と、後壁板41の背面に取り付けられた流路形成部材42と、後壁板41の背面から後方へ突出する突条52a、52bとを備える。
【0067】
後壁板41は、上側貯蔵室6cの後面を区画する板状体からなり、その前面は、上方へ行くほど上下方向に対する傾きが大きくなる面から構成されている。
【0068】
具体的には、後壁板41の前面は、冷蔵室6の下端から上下方向に平行に延びる鉛直面41aと、鉛直面41aの上側に設けられ上方に行くほど前方へ向かうように傾斜する傾斜面41bと、鉛直面41aと傾斜面41bとをなめらかに連結する連結面41cとを有している。
【0069】
つまり、後壁板41の前面は、上下方向に対する傾きが異なる鉛直面41a及び傾斜面41bを、上方に行くほど上下方向に対する傾きが大きくなるように上下に並べ、連結面41cを介して連結した面から構成されている。
【0070】
なお、上方に行くほど上下方向に対する傾きが大きくなる面とは、上記のように鉛直面と1の傾斜面とを連結した面に限定されず、例えば、鉛直面と上下方向に対する傾きが異なる複数の傾斜面とを上方に行くほど上下方向に対する傾きが大きくなるように上下に並べて連結した面や、鉛直面を設けることなく上下方向に対する傾きが異なる複数の傾斜面を上方に行くほど上下方向に対する傾きが大きくなるように上下に並べて連結した面や、上方に行くほど上下方向に対する傾きが大きくなるように漸次湾曲する面であってもよい。また、上記した実施形態では、鉛直面と傾斜面を連結面を介してなめらかに連結したが、鉛直面と傾斜面を直接連結したり、上下方向に対する傾きが異なる傾斜面を連結面を介することなく直接連結してもよい。
【0071】
また、後壁板41を構成する鉛直面41a、傾斜面41b及び連結面41cは、内箱背面4eに設けられた内箱鉛直面4e1、内箱傾斜面4e2及び内箱連結面4e3と前後方向に一定間隔を保つように平行に設けられていることが好ましい。
【0072】
鉛直面41a及び傾斜面41bは、幅方向に凹凸のない平坦な平面からなり、連結面41cは幅方向に凹凸のない曲面からなる。ここで、幅方向に凹凸のない平坦な平面、及び、幅方向に凹凸のない曲面とは、後壁板41の実質的な板厚を変化させずに後壁板41の前面及び背面が対応して前後方向に突出したり凹んだりすることのない面をいい、後壁板41の板厚が変化するように後壁板41の前面を凹凸させて後壁板41の前面に目印や模様を設けた面も含む。
【0073】
後壁板41において上側貯蔵室6cの後面を区画している平面のなかで、最も上方に位置する平面が、他の面より上下方向に長く設けられている。本実施形態では、鉛直面41aのうち最下段の棚板12aより上方に位置する部分(以下、この部分を「鉛直面上部」ということもある)41a1及び傾斜面41bが、上側貯蔵室6cの後面を区画しており、最も上方に位置する傾斜面41bの上下方向の高さh1が、鉛直面上部41a1の上下方向の高さh2より長く設けられている。
【0074】
また、
図10及び
図11に示すように、後壁板41の周縁の前側角部41dは、後側角部41eに比べて曲面又は平面によって大きく面取りされている。
【0075】
図2及び
図4に示すように、下側貯蔵室6bの後面を区画する後壁板41の下端部には、流路形成部材42の前面を覆う部分を残して左右両側に切欠部45a、45bが設けられている。一方側の切欠部45aに給水装置31及びハウジングケース38が配置され、他方の切欠部45bの下方に冷蔵室6と野菜室7とを連通する連通孔17が設けられている。
【0076】
このような後壁板41は、
図2に示すように冷蔵室6の奥部に取り付けられると、上側貯蔵室6cにおいて、内箱背面4e及びその外側に設けられた凹形成部4hの全面と、凹形成部4hの外側に設けられた段部4gの一部を前方から覆う。
【0077】
具体的には、
図2,3、6、10及び11に示すように、後壁板41の左右側縁が、段部4gの平面4g2と左右方向及び前後方向に重なり、後壁板41の上縁が、段部4gの平面4g2と上下方向及び前後方向に重なるように、後壁板41は、上側貯蔵室6cの奥部に配置される。つまり、後壁板41は、内箱背面4eの左右側方及び上方に連続して内箱4の段部4gの凹形成部4h側(後側)を前方から覆う。
【0078】
後壁板41の背面には、後壁板41より幅狭の流路形成部材42が取り付けられている。流路形成部材42は、発泡断熱材などの断熱材を後方に開口する水平断面を略コ字状に成形した断熱成形体からなる。流路形成部材42の後端面42aは、ソフトテープなどシール部材を介して内箱背面4eに当接する(
図3参照)。これにより、流路形成部材42は、内箱背面4eとの間に第1流路部24bと第2流路部24cを形成する。
【0079】
第1流路部24bの前面には、流路形成部材42の前面及び後壁板41を貫通し下側貯蔵室6bに開口する吹出口18bが設けられ、第2流路部24cの前面には、流路形成部材42の前面及び後壁板41を貫通し上側貯蔵室6cに開口する吹出口18cが設けられている。本実施形態では、吹出口18b及び吹出口18cの幅方向中央部が、後壁板41の幅方向中央部に位置するように設けられ、下側貯蔵室6b及び上側貯蔵室6cの幅方向中央部に設けられている。
【0080】
図5及び
図6に示すように、後壁板41の背面には、外突起51aと、内突起51bと、第1突条52aと、第2突条52bが設けられている。
【0081】
外突起51aは、流路形成部材42の幅方向外側において後壁板41の背面から後方へ突出し、内箱背面4eより前方へ突出する保持具51c(
図6参照)と係合することで、内箱背面4eに後壁板41を固定する。内突起51bは、後壁板41の背面から流路形成部材42を貫通して後方へ突出し、内箱背面4eから前方へ突出する不図示の突起と係合することで、内箱背面4eとの間で流路形成部材42を挟んだ状態で内箱背面4eに後壁板41を固定する。
【0082】
後壁部材40は、外突起51a及び内突起51bによって内箱背面4eに固定されると、後壁板41の周縁部が、上側貯蔵室6cにおいて、後壁板41の前面に平行で、かつ、後壁板41の周縁から離れる方向(以下、この方向を「後壁板41の面外方向」ということもある)に内箱4の段部4gと重なるように、冷蔵室6の奥部に配置される。本実施形態では、後壁板41の前面左右側縁は、内箱4の段部4gと上側貯蔵室6cの幅方向に重なり、後壁板41の前面上縁は、内箱4の段部4gと上下方向に重なるように、後壁板41が冷蔵室6の奥部に配置される。
【0083】
第1突条52aは、冷蔵室6に後壁部材40を取り付けた状態で内箱4の凹形成部4hと所定間隔あけて対向するように、後壁板41の背面周縁部に沿って設けられている。第1突条52aは、凹形成部4hに設けられた内箱係合部4iと対向する位置に係止片50が設けられている。係止片50は、対向する内箱係合部4iと係合すると、後壁板41の周縁が後壁板41の面外方向に内箱4の段部4gの平面4g2と重なるように内箱4に対して固定される。
【0084】
第2突条52bは、流路形成部材42の幅方向両側に沿って設けられ、第2突条52bの上端が後壁板41の上縁部に沿って冷蔵庫幅方向に延びる第1突条52aに連結されている。第2突条52bは、流路形成部材42へ向けて突出する突起52b1が流路形成部材42に係止することで流路形成部材42を保持する。
【0085】
このような第1突条52a及び第2突条52bの板厚は、後壁板41の板厚より薄く設けられている。
【0086】
また、後壁板41の背面には、突起51a、51bや突条52a,52b以外にも、操作パネル39に接続された機器リード線75aを保持する爪部53やリード線ガイド部54や、冷蔵室温度センサ36を後壁板41の背面に固定するセンサ取付部55が設けられている。
【0087】
図4に示すように、後壁板41には、操作パネル39を収納する左右方向に長い横長の矩形状の貫通孔56と冷気導入窓57が設けられている。貫通孔56は、冷蔵室6の幅方向中心より幅方向一方側に寄せて配置された第1流路部24bの幅方向他方側(本実施形態では、左側)に鉛直面上部41a1を貫通するように設けられている。
【0088】
(6)操作パネル39及び冷蔵室温度センサ36
図4及び
図5に示すように、貫通孔56の周縁部には、後方へ突出する枠体58が設けられており、貫通孔56に挿入された操作パネル39が枠体58に係止する。枠体58の下側には、操作パネル39に接続された機器リード線75aを後壁板41の背面における枠体58の外側へ引き出す孔部58aが設けられている。操作パネル39は、操作ボタンや表示部を前方へ向けて貫通孔56とその後方にある内箱背面4eとの間に収納された状態で固定される。操作パネル39は、後壁板41の切欠部45aに設けられたハウジングケース38の上方に配置される。
【0089】
操作パネル39に接続された機器リード線75aは、枠体58の孔部58aを通って操作パネル39の下方へ引き出され、ハウジングケース38へ後壁板41の背面を沿って配線されている。
【0090】
具体的には、
図4、
図5及び
図9に示すように、枠体58の孔部58aから下方へ引き出された機器リード線75aは、操作パネル39の下方に設けられた爪部53において幅方向中央部へ向けて(第1流路部24bへ向けて)曲げられ、リード線ガイド部54に沿って配線される。リード線ガイド部54は、操作パネル39から離れるほど(本実施形態では第1流路部24bに近づくほど)上方に位置するように機器リード線75aを傾斜させつつ第2突条52bに設けられた挿通孔52b2へ案内する。
【0091】
機器リード線75aは、挿通孔52b2を通って第2突条52bの内側(流路形成部材42側)へ進入し、第2突条52bと流路形成部材42との間に形成されたリード線収納部59を通って下側貯蔵室6bの下端まで第1流路部24bの縁部に沿って配線される。そして、機器リード線75aは、第2突条52bの下端部に設けられた導出孔52b3を通ってハウジングケース38の下方へ引き出される。
【0092】
また、貫通孔56の上方には、後壁板41の背面にセンサ取付部55が設けられ、センサ取付部55に冷蔵室温度センサ36が固定されている。冷蔵室温度センサ36の前方には、後壁板41を貫通する冷気導入窓57が設けられ、上側貯蔵室6c内の空気が、冷気導入窓47を通って冷蔵室温度センサ36と接触可能となっている。
【0093】
冷蔵室温度センサ36に接続された機器リード線75bも、操作パネル39の機器リード線75aと同様、第2突条52bに設けられた挿通孔52b4を通って第2突条52bの内側へ進入し、リード線収納部59を通って下側貯蔵室6bの下端まで配線され、操作パネル39の機器リード線75aとともに導出孔52b3を通ってハウジングケース38の下方へ引き出される。
【0094】
(7)ハウジングケース38
図9に示すように、ハウジングケース38は、前面に開口部が設けられたケース本体38aと、開口部を閉塞する蓋体38bとを備える箱体からなり、ケース本体38aの下面に設けられた下面孔部38a1から機器リード線75a、75bがハウジングケース38内部へ進入する。
【0095】
ハウジングケース38には、操作パネル39や冷蔵室温度センサ36に接続された機器リード線75a、75b以外にも、冷凍室温度センサ37、冷却器ファン22、冷蔵ダンパ25、冷凍ダンパ27に接続された機器リード線75cや、照明装置80に接続された機器リード線75dが、下面孔部38a1からハウジングケース38内部へ進入する。
【0096】
下面孔部38a1の前方には、蓋体38bの下端から下方及び第1流路部24b側へ突出する遮蔽板38b1が設けられている。遮蔽板38b1は、ハウジングケース38の下方から下面孔部38a1へ進入する機器リード線75a、75b,75c,75dを前方から覆い隠す。
【0097】
ケース本体38aの背面には、内箱背面4eに設けられた孔部と連通し断熱空間5へ開口する背面孔部38a2が設けられ、制御基板70から延びる第1基板リード線74aが背面孔部38a2を通ってハウジングケース38内部へ進入する。
【0098】
背面孔部38a2からハウジングケース38内部へ進入した第1基板リード線74aは、下面孔部38a1からハウジングケース38内部へ進入した機器リード線75a、75b,75c,75dとハウジングケース38内部においてコネクタを介して接続される。
【0099】
(8)効果
以上のような本実施形態では、後壁板41が上方に行くほど上下方向に対する傾きが大きくなる面から構成されているため、前方から視認可能な上側貯蔵室6cの背面において上下方向に凹凸形状が形成されず、上側貯蔵室6c内部の美観を向上することができる。
【0100】
特に、後壁板41の前面が、上方に行くほど前方へ向かうように傾斜する面からなる場合、有効活用されにくい上側貯蔵室6cの上奥部を、視覚的な違和感を抑えつつ後壁板41で前後に区画し、その後方に制御基板70等の冷蔵庫構成部品を配設するための空間を形成することができる。つまり、上側貯蔵室6cの実質的な収納容積や断熱性能や内部の美観を損なうことなく、冷蔵庫構成部品を配置するための空間を確保することができる。
【0101】
本実施形態において、後壁板41が、後壁板41の面外方向に段部4gと重なり、かつ、段部4gの一部を前方から覆うように内箱背面4eの前方に配置されている場合、後壁板41の周縁を、左右方向及び前後方向において内箱4の段部4gに近接させることができる。これにより、後壁板41が、内箱4から不自然に飛び出たように見えることなく、前延面4a、4b、4cから段部4gを介して一続きに繋がっているように見え、上側貯蔵室6c内部の美観を向上することができる。
【0102】
本実施形態において、後壁板41の周縁の前側角部41dが、後側角部41eに比べて曲面又は平面によって大きく面取りされている場合、後壁板41の周縁が、より一層目立ちにくくなり、上側貯蔵室6c内部の美観を向上することができる。
【0103】
本実施形態において後壁板41の前面を構成する平面41a1、41bのうち最も上方に位置する傾斜面41bを上下方向に長く設ける場合、傾斜面41bによる視覚的な違和感を極力抑えることができる。
【0104】
本実施形態において後壁板41の前面が上側貯蔵室6cの幅方向に平坦に設けられている場合、上側貯蔵室6cの背面全体に凹凸形状が形成されず、上側貯蔵室6c内部の美観を更に向上することができる。
【0105】
本実施形態において後壁板41に設けられた貫通孔56と内箱背面4eとの間に操作パネル39を収納する場合、冷蔵庫本体2における断熱空間の厚みを犠牲にすることなく、操作パネル39の前側周縁部を後壁板41の前面より僅かに前方に突出させ見栄えよく操作パネル39が強調されるように配置したり、操作パネル39の前面が後壁板41の前面と段差なく同一面を構成するように配置するなど、操作パネル39の配置の自由度が高くなる。
【0106】
本実施形態において、後壁板41と内箱背面4eとの間に形成する第1流路部24bを上側貯蔵室6cの幅方向中心より幅方向一方側に寄せて配置し、幅方向他方側に操作パネル39を収納する貫通孔56を配置する場合、後壁板41に貫通孔56を設けやすくなり、操作パネル39の大きさや配置の自由度が高くなる。
【0107】
本実施形態において、操作パネル39を収納する貫通孔56を後壁板41の鉛直面41aに設ける場合、冷蔵庫1の正面を向いた鉛直面41aに操作パネル39を取り付けることができ、操作しやすい位置に操作パネル39を配置することができる。
【0108】
本実施形態において、内箱背面4eと前延面4a,4b,4cとを連結する連結部4fが、後方に行くほど上側貯蔵室6cの内方へ向かうように後方へ膨らんだ湾曲面4g1と、内箱背面4eとの間で後方へ陥没する凹部を形成する凹形成部4hとを備える場合、断熱空間5に断熱材を発泡充填する際に内箱4の連結部4fに生じる変形を抑制することができる。
【0109】
つまり、断熱空間5に断熱材を発泡充填するには、外箱3及び内箱4の外側にそれぞれに対応した形状の治具によって外側を支持しつつ断熱材を充填する。その際、連結部4fに湾曲面4g1が形成されていると、内箱4の成形時に生じる誤差等により、内箱4を支持する治具に内箱4の形状が合いにくく、発泡充填時に湾曲面4g1が変形しやすい。上記のように内箱4が湾曲面4g1の後方に凹形成部4hを備える場合、内箱4を支持する治具に内箱4の形状が合いやすくなり、湾曲面4g1をきれいな湾曲形状に成形することができる。
【0110】
本実施形態において、後壁板41と内箱背面4eとの間に形成された冷蔵側流路24が、上側貯蔵室6cの幅方向中心より幅方向一方側に寄せて配置した第1流路部24bと、第1流路部24bより上側貯蔵室6cの幅方向中央部に寄せて配置された第2流路部24cとを備える場合、第1流路部24bの側方に操作パネル39を配置する空間を確保しつつ、上側貯蔵室6cの幅方向に均一に冷気を供給して冷却することができる。
【0111】
本実施形態において、操作パネル39に接続された機器リード線75aのコネクタと、冷蔵室温度センサ36、冷凍室温度センサ37、冷却器ファン22、冷蔵ダンパ25、冷凍ダンパ27、操作パネル39、及び照明装置80に接続された機器リード線75b,75c,75dのコネクタが、操作パネル39の下方に配置されたハウジングケース38に設けられ、ハウジングケース38内部で制御基板70に接続された第1基板リード線74aに接続されている場合、各リード線の長さを短くすることができるとともに、冷蔵庫正面から各コネクタを接続することができ作業性を向上することができる。
【0112】
本実施形態において、操作パネル39の下側に機器リード線75aが接続されている場合、機器リード線75aに結露した水が機器リード線75aを伝って操作パネル39へ進入することがない。また、操作パネル39から離れるほど上方に位置するように機器リード線75aを傾斜させた状態で案内するリード線ガイド部54が後壁板41に設けられている場合、機器リード線75aに結露した水が機器リード線75aを伝って操作パネル39へ進入することがない。
【0113】
本実施形態において、ハウジングケース38の前方に引き出し式の給水タンク30や収納容器14が設けられているため、冷蔵庫の使用時にハウジングケース38が目立ちにくく冷蔵室6内部の美観を損ねない。
【0114】
本実施形態において、操作パネル39に接続された機器リード線75aが、ハウジングケース38の側方に設けられた第1流路部24bの縁部に沿ってハウジングケース38へ配線されている場合、機器リード線75aの長さを短くすることができるとともに、第1流路部24bを区画する後壁部材40に機器リード線75aを保持させることができ、組み立て作業性に優れている。
【0115】
本実施形態において、後壁板41の背面周縁部に設けられた係止片50が、内箱4の連結部4fに設けられた内箱係合部4iと係合するため、後壁板41の周縁部を内箱4の所望位置に配置することができ、上側貯蔵室6c内部の美観を向上することができる。
【0116】
本実施形態において、後壁板41の板厚より厚みが小さい突条52a、52bが後壁板41の背面から後方へ突出する場合、後壁板41の反りやねじれ等の変形を抑えることができるとともに、後壁板41の前面に突条52a,52bによるヒケ(凹み)の発生を抑えることができる。
【0117】
また、本実施形態では、制御基板70及び電気部品71を取り付ける基板収納部60の収納部底面61が、上方に行くほど前方へ傾斜する内箱傾斜面4e2と前後に対向するように配置されている。これにより、本実施形態では、上側貯蔵室6cの背面に凹凸形状を発生させることなく、有効活用されにくい上側貯蔵室6cの上奥部を内箱背面4eで前後に区画し、その後方に制御基板70と電気部品71を収納することができる。そのため、上側貯蔵室6cの実質的な収納容積や断熱性能や内部の美観を損なうことなく、冷蔵庫構成部品を配置するための空間を確保することができる。
【0118】
本実施形態において、基板収納部60の収納部底面61が、制御基板70を取り付ける基板取付面61aの上側に電気部品71を取り付ける部品取付面61bを備える場合、リアクトル等のように高さがあり取付時に出っ張りやすい電気部品71を、内箱傾斜面4e2の傾斜によって空間を形成しやすい上方に配置することができ、効率的に制御基板70及び電気部品71を冷蔵庫本体2に設けることができる。
【0119】
本実施形態において、内箱傾斜面4e2と前後に対向するように設けられた基板収納部60の収納部底面61が、上方に行くほど前方へ傾斜する基板取付面61aを備える場合、上側貯蔵室6cの収納容積や断熱性能等を維持したまま基板収納部60の容積を拡大することができ、更に効率的に制御基板70及び電気部品71を冷蔵庫本体2に設けることができる。
【0120】
本実施形態において、基板取付面61aに沿って上方に行くほど前方へ傾斜するように制御基板70を基板取付面61aに取り付ける場合、より一層、効率的に制御基板70を冷蔵庫本体2に設けることができる。
【0121】
本実施形態において、背高部品72aが制御基板70の上下方向中央部より上側に位置するように、制御基板70が基板取付面61aに取り付けられている場合、基板取付面61aにおいて前方へ寄った位置に背高部品72aを配置することができ、効率的に制御基板70を冷蔵庫本体2に設けることができる。
【0122】
本実施形態において、部品取付面61bが、上下方向に平行に延びる平面をなしている場合、部品取付面61bに取り付ける電気部品71がリアクタルのような大きな電気部品であっても安定して固定することができる。
【0123】
本実施形態において、電気部品の側方に制御基板70に接続された第1基板リード線74a及び第2基板リード線74bを断熱空間へ挿入する挿入孔62、63が設けられているため、第1基板リード線74a及び第2基板リード線74bの長さを短くすることができる。しかも、電気部品71の幅方向一方側に第1挿入孔62が設けられ、電気部品71の幅方向他方側に第2挿入孔63が設けられている場合、第1基板リード線74a及び第2基板リード線74bの一方から発生するノイズの影響を他方が受けにくくなり、誤動作などを抑えることができる。
【0124】
本実施形態において、基板収納部60の収納部底面61の下端が、内箱傾斜面4e2の下端より上方に位置するように、基板収納部60が外箱背面3eに設けられている場合、上下方向に対する内箱傾斜面4e2の傾斜角度を小さく設けても、基板収納部60に必要な前後方向のスペースを確保することができる。そのため、上側貯蔵室6cの背面を緩やかに傾斜させて視覚的な違和感を抑えることができ、上側貯蔵室6c内部の美観を向上することができる。
【0125】
本実施形態において、上下方向に対する基板取付面61aの角度θ1が、上下方向に対する内箱傾斜面4e2の角度θ2より小さい場合、上下方向に対する制御基板70の角度を小さくすることができる。加えて、基板収納部60の上側において内箱背面4eから収納部底面61までの距離を大きくすることができ、発熱しやすいリアクトル等の電気部品71の周りにおいて断熱空間5を厚くすることができる。
【0126】
本実施形態において、基板取付面61aから上方に延びる部品取付面61bが、冷蔵庫本体の背面上端に幅方向に間隔をあけて設けられた一対の手掛け部35の間に位置する場合、冷蔵庫本体2の背面上端部の手掛け部35に挟また空間を有効利用することができる。
【0127】
(9)変更例
上記した実施形態の変更例について説明する。
【0128】
上記した実施形態では、後壁板41の幅方向中央部に吹出口18b及び吹出口18cを設ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、後壁板41の幅方向中央部からずれた位置に吹出口18b及び吹出口18cの幅方向中央部を設けてもよい。
【0129】
また、上記した実施形態では、連結部4fを構成する段部4gが、前延面4a,4b,4cの後端に連結された湾曲面4g1と、湾曲面4g1の後端から後方向へ延びる平面4g2とを備える場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、段部4gが湾曲面4g1のみを備え、湾曲面4g1の後端に凹形成部4hが連結されてもよい。
【0130】
また、上記した実施形態では、後壁板41の周縁部が、後壁板41の面外方向に内箱4の段部4gと重なる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、湾曲面4g1と後壁板41の面外方向に重なるように後壁板41を配置してもよい。
【0131】
また、上記した実施形態では、後壁板41が上方に行くほど前方へ向かうように傾斜する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、上方に行くほど後方へ向かうように傾斜するように後壁板41を傾斜させてもよい。
【符号の説明】
【0132】
1…冷蔵庫、2…冷蔵庫本体、3…外箱、4…内箱、4a…内箱左側面、4b…内箱右側面、4c…内箱上面、4d…内箱底面、4e…内箱背面、4e1…内箱鉛直面、4e2…内箱傾斜面、4e3…連結面、4f…連結部、4g…段部、4g1…湾曲面、4g2…平、4h…凹形成部、4h1…後延部、4h2…傾斜部、4i…内箱係合部、6…冷蔵室、6b…下部冷蔵室、6c…上側冷蔵室、21…冷却器、24…冷蔵側流路、24b…第1流路部、24c…第2流路部、35…手掛け部、36…冷蔵室温度センサ、38…ハウジングケース、39…操作パネル、40…後壁部材、41…後壁板、41a…鉛直面、41a1…鉛直面上部、41b…傾斜面、41c…連結面、41d…幅狭部、42…流路形成部材、42a…後端面、50…係止片、52a…第1突条、52b…第2突条、56…貫通孔、60…基板収納部、61…収納部底面、61a…基板取付面、61b…部品取付面、62…第1挿入孔、63…第2挿入孔、64…蓋体、65…固定具、70…制御基板、71…電気部品、72…実装部品、72a…背高部品、74a…第1基板リード線、74b…第2基板リード線、75a…機器リード線、75b…機器リード線、75c…機器リード線、75d…機器リード線