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特許7455692情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04815 20220101AFI20240318BHJP
   G06F 3/04817 20220101ALI20240318BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20240318BHJP
   G08G 5/00 20060101ALI20240318BHJP
   G01W 1/00 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
G06F3/04815
G06F3/04817
G09B29/00 F
G08G5/00 A
G01W1/00 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020126467
(22)【出願日】2020-07-27
(65)【公開番号】P2022023492
(43)【公開日】2022-02-08
【審査請求日】2023-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】石川 理仁
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-089538(JP,A)
【文献】特開2014-173958(JP,A)
【文献】特表2009-503666(JP,A)
【文献】特開2008-108147(JP,A)
【文献】特開2007-310528(JP,A)
【文献】特開2009-251730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01、3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元空間における風に関する情報を取得する取得部と、
前記3次元空間における地表面を所定の視点位置から見た鳥瞰図に、前記風に関する情報を示すアイコンを配置して画面に表示させる表示制御部と、
を有し、
前記取得部は、前記3次元空間における飛行ルートを示す情報を取得し、
前記表示制御部は、前記アイコンを、前記3次元空間内における高度の異なる少なくとも2つの3次元格子点に配置し、前記飛行ルートの高度を含む所定範囲の高度に対応する前記3次元格子点の間隔を、前記所定範囲の高度以外の高度に対応する前記3次元格子点の間隔よりも狭くする、
情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記所定の視点位置の高度と3次元格子点の高度との高度差が大きいほど、前記アイコンのサイズが小さくなるように前記アイコンを表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記所定の視点位置と3次元格子点との間の距離が遠いほど、前記アイコンのサイズが小さくなるように前記アイコンを表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記所定の視点位置と3次元格子点との距離が遠いほど、前記アイコンの透明度が上がるように前記アイコンを表示させる、
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記アイコンを表示する3次元格子点から、前記3次元空間の地表面に垂線を下した地点に、前記アイコンに対応する影を示すアイコンを表示させる、
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記所定の視点位置から所定範囲に含まれない各3次元格子点には、前記アイコンを表示しない、
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記所定の視点位置から所定範囲に含まれない各3次元格子点に表示する前記アイコンの透明度を、前記所定の視点位置から該所定範囲に含まれる各3次元格子点に表示する前記アイコンの透明度よりも上げて表示する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記3次元空間における飛行ルートを示す情報を取得し、
前記表示制御部は、前記飛行ルートから所定範囲に含まれない各3次元格子点には、前記アイコンを表示しない、
請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、前記3次元空間における飛行ルートを示す情報を取得し、
前記表示制御部は、前記飛行ルートから所定範囲に含まれない各3次元格子点に表示する前記アイコンの透明度を、前記飛行ルートから該所定範囲に含まれる各3次元格子点に表示する前記アイコンの透明度よりも上げて表示する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記風の情報には、風向及び風速に関する情報が含まれており、
前記アイコンは風向き方向を示す形状であり、風速が強いほど前記風向き方向のサイズが長くなるか、又は、前記風速に対応する色で表示される、
請求項1~9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置が行う情報処理方法であって、
3次元空間における風に関する情報を取得するステップと、
前記3次元空間における地表面を所定の視点位置から見た鳥瞰図に、前記風に関する情報を示すアイコンを配置して画面に表示させるステップと、
を含み、
前記取得するステップは、前記3次元空間における飛行ルートを示す情報を取得し、
前記表示させるステップは、前記アイコンを、前記3次元空間内における高度の異なる少なくとも2つの3次元格子点に配置し、前記飛行ルートの高度を含む所定範囲の高度に対応する前記3次元格子点の間隔を、前記所定範囲の高度以外の高度に対応する前記3次元格子点の間隔よりも狭くする、
情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
3次元空間における風に関する情報を取得するステップと、
前記3次元空間における地表面を所定の視点位置から見た鳥瞰図に、前記風に関する情報を示すアイコンを配置して画面に表示させるステップと、
を実行させ、
前記取得するステップは、前記3次元空間における飛行ルートを示す情報を取得し、
前記表示させるステップは、前記アイコンを、前記3次元空間内における高度の異なる少なくとも2つの3次元格子点に配置し、前記飛行ルートの高度を含む所定範囲の高度に対応する前記3次元格子点の間隔を、前記所定範囲の高度以外の高度に対応する前記3次元格子点の間隔よりも狭くする、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
2次元の地図上に、風に関する情報を重畳して表示することが可能な技術が知られている。例えば非特許文献1には、世界の風向・風速の予報データを、2次元の地図上に表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】“世界版リアルタイム風向きマップ”,[online],[令和2年7月10日検索],インターネット<URL:http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/gpv/wind/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドローン技術の向上により、今後は、様々な空域をドローンが飛行することが予想される。ドローンは3次元空間を様々な高度で飛行可能であるため、ドローンの管理者等は、ドローンが飛行する3次元空間における各高度の風向及び風速を一目で把握できることが望ましい。しかしながら、非特許文献1に記載の技術は、指定された高度についての風向及び風速のみを2次元の地図に重ねて表示することしかできないことから、管理者等が、3次元空間における各高度について風向及び風速を把握するためには、風向及び風速を表示する高度を何度も切り替えなければならないという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、3次元空間における風に関する情報を容易に把握可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、3次元空間における風に関する情報を取得する取得部と、前記3次元空間における地表面を所定の視点位置から見た鳥瞰図に、前記風に関する情報を示すアイコンを配置して画面に表示させる表示制御部と、を有し、前記表示制御部は、前記アイコンを、前記3次元空間内における高度の異なる少なくとも2つの3次元格子点に配置する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、3次元空間における風に関する情報を容易に把握可能とする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図2】画像生成装置及び端末のハードウェア構成例を示す図である。
図3】画像生成装置の機能ブロック構成例を示す図である。
図4】端末の機能ブロック構成例を示す図である。
図5】画像生成装置が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6】3次元空間において、風アイコンを配置する位置を説明する図である。
図7】3次元空間において、風アイコンを配置する位置を説明する図である。
図8】風アイコンを重畳させた鳥瞰図の表示例を示す図である。
図9】風アイコンを重畳させた鳥瞰図の他の表示例を示す図である。
図10】風アイコンの真下に影を表示する場合の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。図1に係る情報処理システムは、画像生成装置10と、端末20と、CP(Contents Provider)サーバ30とを含む。画像生成装置10と、端末20と、CPサーバ30とは、無線又は有線の通信ネットワークNを介して接続され、相互に通信を行うことができる。
【0011】
画像生成装置10は、CPサーバ30から取得した、3次元空間における風に関する情報に基づき、3次元空間を任意の高さの視点位置から見下ろした様子を示す鳥瞰図に、風に関する情報を示すアイコン(以下、「風アイコン」と言う。)を重畳させた画像を生成する装置である。風に関する情報は、例えば、風速及び/又は風向きである。
【0012】
画像生成装置10は、1又は複数の物理的なサーバ等から構成されていてもよいし、ハイパーバイザー(hypervisor)上で動作する仮想的なサーバを用いて構成されていてもよいし、クラウドサーバを用いて構成されていてもよい。
【0013】
端末20は、画像生成装置10で生成された画像を表示する装置である。端末20は、ユーザ(例えば、後述する飛行体等の管理者等)が利用する端末であり、パーソナルコンピュータ(PC)、ノート型PC、スマートフォン、タブレット端末など、ディスプレイを備えた端末であればあらゆる端末を用いることができる。
【0014】
CPサーバ30は、3次元空間における高度ごとの風に関する情報を提供する装置である。
【0015】
画像生成装置10は、どのような用途に利用されてもよいが、例えば、ドローンや飛行船等の飛行体の飛行経路を管理するシステムにおいて、飛行体の飛行ルートにおける風の状態を端末20に表示させるために利用されてもよい。
【0016】
<ハードウェア構成>
図2は、画像生成装置10及び端末20のハードウェア構成例を示す図である。画像生成装置10は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサ11、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、及び情報の出力を行う出力デバイス15を有する。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ、タッチパネル及び/又はスピーカ等である。
【0017】
<機能ブロック構成>
図3は、画像生成装置10の機能ブロック構成例を示す図である。画像生成装置10は、記憶部100と、取得部101と、受付部102と、表示制御部103とを含む。記憶部100は、画像生成装置10が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、取得部101と、受付部102と、表示制御部103とは、画像生成装置10のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0018】
記憶部100は、CPサーバ30から取得した風に関する情報を格納する風情報100aと、3次元空間の鳥瞰図を生成するための地図データ100bとを記憶する。地図データ100bは、2次元の地図データであってもよいし、地表や建物の凹凸を3次元で表現した3次元の地図であってもよい。
【0019】
取得部101は、CPサーバ30から、風に関する情報を取得して、風情報100aに格納する。
【0020】
受付部102は、端末20を介して、ユーザから、端末20の画面に表示させる鳥瞰図に関する各種の操作を受け付ける。例えば、受付部102は、鳥瞰図を表示する方向、地表面を見下ろす角度、見下ろす高さ(地表からの高度)、及び、風アイコンの表示方法等に関する各種の操作を受け付ける。
【0021】
表示制御部103は、受付部102で受け付けた、端末20の画面に表示させる鳥瞰図に関する各種の操作に基づいて、3次元空間における地表面を所定の視点位置から見た鳥瞰図に、風アイコンを配置して画面に表示させる。より具体的には、表示制御部103は、風アイコンを重畳させた鳥観図の画像データを生成して端末20に送信することで、鳥瞰図に風アイコンを配置した画面を端末20に表示させる。
【0022】
なお、本実施形態では、以上説明した画像生成装置10が備える機能ブロックの一部を端末20側に実装することとしてもよい。例えば、画像生成装置10の表示制御部103は、生成した鳥観図の画像データと、風に関する情報(風アイコンを鳥瞰図上に表示させるためのデータ)とを別々に端末20に送信するようにしてもよい。この場合、端末20は、図4に示す記憶部200、取得部201、受付部202及び表示制御部203を備えることとし、それぞれ、以下の処理を行うこととしてもよい。
【0023】
記憶部200は、取得部201が画像生成装置10から取得した情報を記憶する。
【0024】
取得部201は、画像生成装置10から、風に関する情報(風アイコンを鳥瞰図上に表示させるためのデータ)と鳥瞰図を表示するための画像データとを取得する。当該風に関する情報は、例えば、風アイコンごとに、風アイコンの表示態様を示す情報(風アイコンの方向及び長さを示すベクトルデータ、表示色、透明度等)及び風アイコンを鳥瞰図に重畳させる位置を示す情報等が格納された情報であってもよい。
【0025】
受付部202は、ユーザから、端末20の画面に表示させる鳥瞰図に関する各種の操作を受け付ける。例えば、受付部202は、鳥瞰図を表示する方向、地表面を見下ろす角度、見下ろす高さ(地表からの高度)、及び、風アイコンの表示方法等に関する各種の操作を受け付ける。また、受付部202は、受け付けた各種の操作の内容を画像生成装置10に送信する。
【0026】
表示制御部203は、取得部201で取得した画像データ及び風に関する情報に基づいて、3次元空間における地表面を所定の視点位置から見た鳥瞰図に、風アイコンを配置して画面に表示させる。
【0027】
本実施形態では、画像生成装置10及び/又は端末20を、情報処理装置と称してもよい。
【0028】
<処理手順>
図5は、画像生成装置10が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。また、風アイコンは矢印の形状であるものとする。また、画像生成装置10は、鳥瞰図に、ドローンの飛行ルートを重畳して表示させる機能を有しており、ユーザは、端末20の画面に表示される鳥瞰図を参照することで、ドローンの飛行経路における風速や風向を把握することができるものとする。
【0029】
ステップS10で、取得部101は、CPサーバ30から、所定の3次元空間における風速及び風向に関する情報を取得し、風情報100aとして記憶部100に格納する。CPサーバ30から取得する風に関する情報には、所定のエリアにおける複数の高度の各々について風速及び風向に関する情報が含まれている。後述するように、画像生成装置10は、3次元空間内における各3次元格子点に、各3次元格子点が存在する位置における風速及び風向を示す風アイコンを配置する。そのため、CPサーバ30から取得可能な風速及び風向に関する情報には、各3次元格子点における風速及び風向を示す情報が含まれていてもよい。また、CPサーバ30から取得可能な風速及び風向に関する情報は、上下方向の成分を含まないベクトルデータ(つまり、水平面における風向及び風速を示すデータ)であってもよいし、上下成分を含むベクトルデータ(つまり、3次元空間における風向及び風速を3次元方向で示すデータ)であってもよい。
【0030】
また、取得部101は、所定の周期で風速及び風向に関する情報を取得することで、風情報100aを当該所定の周期で更新することとしてもよい。
【0031】
ステップS11で、受付部102は、端末20の画面を介して、ユーザから、鳥瞰図を表示させる際に必要な各種情報を受け付ける。例えば、受付部102は、当該各種情報として、視点位置の平面座標(X及びY座標又は緯度及び経度)、視点位置から地表面を見下ろす角度、視点位置の地表面からの高さ(つまり、地表面を見下ろす高さ)、視点位置から地表面を見下ろす際の方向(例えば水平面において北を0度とした場合の角度等)の指定を受け付ける。また、受付部102は、ドローンの飛行ルートの表示有無の指定や風アイコンの表示有無の指定等を受け付ける。
【0032】
ステップS12で、表示制御部103は、風情報100a、地図データ100b及び受付部102で受け付けた各種情報に基づいて、鳥瞰図の画像データ又は風アイコンを重畳させた鳥観図の画像データを生成する。
【0033】
ここで、表示制御部103は、3次元空間内における各3次元格子点に、各3次元格子点が存在する位置における風速及び風向を示す風アイコンを配置し、各3次元格子点に風アイコンが配置された3次元空間を、視点位置から見下ろした鳥瞰図を生成する。若しくは、表示制御部103は、3次元空間を視点位置から見下ろした鳥瞰図を生成し、更に、3次元空間内における各3次元格子点に、各3次元格子点が存在する位置における風速及び風向を示す風アイコンを配置するための情報(すなわち、画像生成装置10から端末20に送信する、風に関する情報)を生成する。また、表示制御部103は、風アイコンを、3次元空間内における高度の異なる少なくとも2つの3次元格子点に配置することとしてもよい。若しくは、表示制御部103は、風アイコンが、3次元空間内における高度の異なる少なくとも2つの3次元格子点に配置されるように、風アイコンを配置するための情報を生成するようにしてもよい。高度の異なる少なくとも2つの3次元格子点に配置することで、ユーザは、3次元空間において異なる高さの風に関する情報を容易に把握することが可能になる。
【0034】
ステップS13で、表示制御部103は、ステップS12の処理手順で生成した画像データを端末20に送信し、当該画像データを端末20の画面に表示させる。なお、表示制御部103は、ステップS12の処理手順で生成した画像データと、風に関する情報と端末20に送信するようにしてもよい。この場合、端末20の表示制御部203は、取得した画像データと風に関する情報とに基づいて、風アイコンを鳥瞰図に重畳させて表示する。
【0035】
ステップS14で、受付部102は、鳥瞰図の表示を終了するとの指示をユーザから受けた場合、処理を終了する。鳥瞰図の表示を終了するとの指示をユーザから受けていない場合、自動的に又はユーザの指示に従ってステップS10の処理手順に戻る。
【0036】
画像生成装置10は、ステップS10~ステップS14の処理手順を繰り返し行う。このとき、画像生成装置10は、CPサーバ30から取得した風情報100aが更新されると、鳥瞰図に重畳する風アイコンを風情報100aに合わせて更新する。また、ステップS11の処理手順で、ユーザから受け付けた各種情報が変更された場合、表示制御部103は、変更された情報に従って画像データを更新する。なお、表示制御部103は、CPサーバ30から取得した風情報100aが更新されると、端末20に送信する風に関する情報(風アイコンを鳥瞰図上に表示させるためのデータ)を、風情報100aに合わせて更新するようにしてもよい。
【0037】
<表示例>
図6及び図7は、3次元空間において、風アイコンを配置する位置を説明する図である。図6は、3次元空間を所定の垂直方向の平面上において、風アイコンが配置される位置を示している。図7は、3次元空間における、所定の高さの平面上において、風アイコンが配置される位置を示している。
【0038】
また、図6及び図7は、3次元格子点における点と点との間の距離が、x、y及びz方向(x及びyは平面座標、zは高度方向の座標)に50m間隔である場合の例を示している。なお、3次元格子点における点と点との間隔は一例であり、50m間隔に限定されない。例えば500m間隔でもよいし、1km間隔であってもよい。また、受付部102は、3次元格子点における点と点との間隔について、任意の値の指定を受け付けるようにしてもよい。
【0039】
3次元格子点は、全て等間隔である必要はない。例えば、地表に近い高度や、ドローンの飛行ルートに近い高度には高密度に風アイコンを配置するために、3次元格子点の間隔は、高度ごとに任意に設定可能としてもよい。例えば、ドローンの飛行ルートが高度300mである場合、高度0m~高度200mまでは3次元格子点の間隔を50mとし、高度200mから400mまでは3次元格子点の間隔を25m間隔とし、高度400mを超える高度については、3次元格子点の間隔を100m間隔とするように設定可能であってもよい。また、3次元格子点は、水平面における間隔と、上下方向における間隔が異なっていてもよい。例えば、水平面については200m間隔とし、上下方向については50m間隔とするようにしてもよい。
【0040】
図8は、風アイコンを重畳させた鳥瞰図の表示例を示す図である。図8は、同一間隔の3次元格子点に、矢印の形状である風アイコンが配置されている様子を示している。また、風アイコンF10~F18、風アイコンF20~F26、及び、風アイコンF30~F35は、それぞれ、高度(z座標)が同一である3次元格子点に配置された風アイコンを示している。また、風アイコン(F10及びF20)、(F13及びF23)、(F16及びF24)、(F11、F21及びF30)、(F14及びF32)、(F17、F25及びF34)、(F12、F22及びF31)、(F15及びF33)、(F18、F26及びF35)は、それぞれ、平面座標(x及びy座標)が同一であるが高度(z座標)のみが異なる風アイコンを示している。また、図8の例では、説明の便宜上、視点位置から遠い位置に存在する風アイコンについては図示を省略している。
【0041】
図8において、視点位置から地表面を見下ろす角度が変わると、当該角度に応じて、画面に表示される風アイコンの数が変化する。例えば、視点位置から地表面を見下ろす角度が水平面と平行に近くなるほど、遠方まで表示されることから、画面に表示される風アイコンの数も多くなる。一方、視点位置から地表面を見下ろす角度が水平面に対して垂直に近くなるほど、近い範囲のみが表示されることから、画面に表示される風アイコンの数も少なくなる。
【0042】
表示制御部103又は表示制御部203は、所定の視点位置の高度と3次元格子点の高度との高度差が大きいほど、風アイコンのサイズが小さくなるように風アイコンを表示させるようにしてもよい。この場合、所定の視点位置の高度と同一の高度である風アイコンについては、同じ大きさで表示されることになるため、ユーザは、視点位置と同一の高度における遠方の風向及び風速を容易に認識することが可能になる。また、図8の例に示すように、表示制御部103又は表示制御部203は、所定の視点位置と3次元格子点との間の距離が遠いほど、風アイコンのサイズが小さくなるように風アイコンを表示させている。風アイコンが小さいほど遠くの位置の風向及び風速を示すように表示されることから、ユーザは、各アイコンが、3次元空間におけるどの位置の風向及び風速を示しているのかを、一目で把握することが可能になる。
【0043】
また、表示制御部103又は表示制御部203は、所定の視点位置と3次元格子点との距離が遠いほど、風アイコンの透明度が上がるように風アイコンを表示させるようにしてもよい。画面内に多くの風アイコンが表示された場合であっても、多数の風アイコンが画面内に表示されることで、手前の風アイコンが見難くなってしまうことを抑制することが可能になる。
【0044】
また、表示制御部103又は表示制御部203は、所定の視点位置から所定範囲に含まれない各3次元格子点には、風アイコンを表示しないようにしてもよい。所定範囲は任意であるが、例えば、3次元格子点の間隔がXであった場合、所定の視点位置からX×n(nは任意の正の整数)離れた位置の3次元格子点については、風アイコンを配置しないようにしてもよい。これにより、遠方の風アイコンが大量に画面内に表示されることで、手前の風アイコンの視認性が悪化することを抑制することができる。
【0045】
また、表示制御部103又は表示制御部203は、所定の視点位置から所定範囲に含まれない各3次元格子点に表示する風アイコンの透明度を、所定の視点位置から該所定範囲に含まれる各3次元格子点に表示する風アイコンの透明度よりも上げて表示するようにしてもよい。これにより、遠方の風アイコンについては透明度を上げて表示されるため、手前の風アイコンの視認性が悪化することを抑制することができる。
【0046】
また、取得部101又は取得部201は、3次元空間におけるドローンの飛行ルートを示す情報を取得し、表示制御部103又は表示制御部203は、飛行ルートから所定範囲に含まれない各3次元格子点には、風アイコンを配置しない(表示しない)ようにしてもよい。ドローンの飛行ルートから離れた位置については風アイコンが表示されないことから、複数の風アイコンが大量に画面内に表示されることで、ドローンの飛行ルートの近くに存在する風アイコンの視認性が悪化することを抑制することができる。
【0047】
また、表示制御部103又は表示制御部203は、飛行ルートから所定範囲に含まれない各3次元格子点に表示する風アイコンの透明度を、飛行ルートから該所定範囲に含まれる各3次元格子点に表示する前記アイコンの透明度よりも上げて表示するようにしてもよい。これにより、ドローンの飛行ルートから離れた位置の風アイコンについては透明度を上げて表示されるため、ドローンの飛行ルートの近くに存在する風アイコンの視認性が悪化することを抑制することができる。
【0048】
また、風アイコンは、風向き方向を示す形状であり、表示制御部103又は表示制御部203は、風速が強いほど、風向き方向のサイズが長くなるように風アイコンを表示するようにしてもよい。例えば図8の例では、矢印の向きが風向を示しており、矢印が1つである風アイコンは、風速が弱く、矢印が2つである風アイコンは、風速が中程度であり、矢印が3つである風アイコンは、風速が強いことを示している。また、風アイコンは、風速に対応する色で表示されるようにしてもよい。例えば、表示制御部103又は表示制御部203は、風速が弱い場合は青色、風速が中程度である場合は黄色、風速が強い場合は赤色といったように風アイコンの色を、風速に応じた色で表示させるようにしてもよい。また、風速が所定の閾値以上である場合、表示制御部103又は表示制御部203は、画面にアラートを表示するようにしてもよい。アラートは、例えば風アイコンを点滅させることや、アラートを意味する所定の色で表示する等であってもよい。
【0049】
図9は、風アイコンを重畳させた鳥瞰図の他の表示例を示す図である。図9の例は、所定の視点位置から真下に見下ろした場合(つまり、視点位置から地表面を見下ろす角度が、地表面に対して90度に指定された場合)の表示例を示している。ここで、所定の視点位置から真下に見下ろした鳥瞰図を表示する場合、地表面における位置は同一であり、かつ高度が異なる複数の風アイコンが、重なって表示されることになる。そこで、表示制御部103又は表示制御部203は、所定の視点位置から真下に見下ろした鳥瞰図を表示する場合、風アイコンについては、図9に示すように、最も視点位置に近い高度の風アイコンのみを表示させるようにしてもよい。
【0050】
図10は、風アイコンの真下に影を表示する場合の表示例を示す図である。表示制御部103又は表示制御部203は、風アイコンを表示する3次元格子点から、3次元空間の地表面に向かって垂線を下した地点に、風アイコンに対応する影を示すアイコン(以下、「影アイコン」と言う。)を表示させるようにしてもよい。また、影アイコンは、風アイコンが配置される3次元格子点と地表面との間の距離が遠いほど小さく表示されるようにしてもよい。影アイコンを端末20で鳥瞰図に重畳して表示させる場合、画像生成装置10から端末20に送信される風に関する情報には、影アイコンごとに、影アイコンの表示態様を示す情報(影アイコンの方向及び長さを示すベクトルデータ)及び影アイコンを鳥瞰図に重畳させる位置を示す情報等が含まれていてもよい。
【0051】
図10の例では、風アイコンF100から垂線L1を下した地点に影アイコンS100が表示されている。同様に、風アイコンF101から垂線L2を下した地点に影アイコンS101が表示されている。また、風アイコンF100よりも風アイコンF101の方が地表面からの距離が遠いことから、影アイコンS101は、影アイコンS100よりも小さく描かれている。
【0052】
なお、影アイコンを表示する場合、地表面における位置が同一であり、かつ高度が異なる複数の風アイコンごとに影アイコンを全て表示すると、地表面において複数の影アイコンが重なって表示されてしまい、どの風アイコンの影が表示されているのか分からなくなる。そこで、表示制御部103又は表示制御部203は、ユーザが画面で指示した風アイコンについてのみ影アイコンを表示するようにしてもよいし、ドローンの飛行ルートに最も近い風アイコンについてのみ影アイコンを表示するようにしてもよい。
【0053】
<まとめ>
以上説明した実施形態によれば、3次元空間における風に関する情報を容易に把握可能とする技術を提供することが可能になる。
【0054】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0055】
10…画像生成装置、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、20…端末、30…CPサーバ、100…記憶部、100a…風情報、100b…地図データ、101…取得部、102…受付部、103…表示制御部、200…記憶部、201…取得部、202…受付部、203…表示制御部
図1
図2
図3
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図7
図8
図9
図10