IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像形成装置 図1
  • 特許-画像形成装置 図2
  • 特許-画像形成装置 図3
  • 特許-画像形成装置 図4
  • 特許-画像形成装置 図5
  • 特許-画像形成装置 図6
  • 特許-画像形成装置 図7
  • 特許-画像形成装置 図8
  • 特許-画像形成装置 図9
  • 特許-画像形成装置 図10
  • 特許-画像形成装置 図11
  • 特許-画像形成装置 図12
  • 特許-画像形成装置 図13
  • 特許-画像形成装置 図14
  • 特許-画像形成装置 図15
  • 特許-画像形成装置 図16
  • 特許-画像形成装置 図17
  • 特許-画像形成装置 図18
  • 特許-画像形成装置 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240318BHJP
   B65H 29/58 20060101ALI20240318BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20240318BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240318BHJP
   B65H 45/16 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
G03G21/16 104
G03G21/16 147
B65H29/58 A
B65H37/04 A
G03G15/00 460
B65H45/16
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020129963
(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公開番号】P2022026474
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河村 浩司
(72)【発明者】
【氏名】嶋野 努
(72)【発明者】
【氏名】松田 考平
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-102522(JP,A)
【文献】特開2007-193004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
B65H 29/58
B65H 37/04
G03G 15/00
B65H 45/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷用トナーを用いてシートにトナー像を形成すると共に、粉末接着剤をシートに塗布する画像形成手段と、前記画像形成手段によりシートに形成された前記トナー像及びシートに塗布された前記粉末接着剤を加熱してシートに定着させる定着手段と、前記定着手段を通過したシートを排出する排出手段と、を備える装置本体と、
前記装置本体から排出されたシートを折り畳む折り手段と、
前記折り手段により折り畳まれたシートを加熱して前記粉末接着剤によってシートを接着する接着手段と、
前記装置本体から排出された後、前記折り手段及び前記接着手段を経由しないシートが積載される積載部と、
前記装置本体の外部に設けられてシート搬送方向における前記排出手段の下流に配置され、前記排出手段によって前記装置本体から排出されるシートの搬送経路を、前記積載部に向かう第1経路と前記折り手段に向かう第2経路とに切替える切替部材と、
を有し、
前記切替部材は、画像形成装置の上方の空間に向かって開放された位置に配置されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記切替部材は、前記装置本体から排出されるシートを前記第2経路に案内する場合に、前記画像形成手段によって前記粉末接着剤が塗布されたシートの面と接触するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記切替部材は、前記装置本体から排出されるシートを前記第2経路に案内する場合に、前記画像形成手段によって前記粉末接着剤が塗布されたシートの面とは反対側の面と接触するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
上方から見た場合に、前記切替部材の少なくとも一部が画像形成装置の外部に露出している、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記切替部材の上方に設けられたカバー部材を有し、
前記カバー部材には、前記切替部材及び前記カバー部材の間の空間と画像形成装置の上方の空間とを連通する開口部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カバー部材は、前記折り手段及び前記接着手段を有し前記装置本体に対して着脱される処理ユニットの外装の一部である、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カバー部材は、前記装置本体の外装の一部である、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記切替部材、前記折り手段及び前記接着手段は、前記装置本体に対して着脱される処理ユニットに設けられており、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記折り手段及び前記接着手段は、前記装置本体に対して着脱される処理ユニットに設けられており、
前記切替部材は、前記処理ユニットとは独立して前記装置本体に対して着脱される、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記切替部材を駆動して、シートを前記第1経路に案内する位置とシートを前記第2経路に案内する位置とに移動させるソレノイドをさらに有する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記折り手段又は前記接着手段を駆動する駆動源を有し、
前記切替部材は、前記駆動源によって駆動されて、シートを前記第1経路に案内する位置とシートを前記第2経路に案内する位置とに移動する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記粉末接着剤の融点は、前記印刷用トナーの融点より低い、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給与明細書等の内容に秘匿性があり密封が必要な書類を作成する場合は、プレプリント紙を事前に用意した上で、バリアブルデータを個々のプレプリント紙に印刷し、さらに、後処理として密封処理が行われていた。この方式では、罫線等の書式フォーマットの印刷及び接着剤の塗布を必要とするプレプリント紙の作成に時間が掛かる上、必要数量の少ない用途では高コスト、非効率であった。
【0003】
特許文献1、2では、印刷用トナーに加えて粉末接着剤を使用して電子写真プロセスを実行することにより、プレプリント紙を用意する工程を省略しながら密封された成果物を出力する画像形成装置を提案している。これらの装置では、印刷用トナー及び粉末接着剤をシートに転写し、転写されたトナーをシートに熱定着した後、シートを折り畳み、さらにシートを加熱しながら加圧することで接着処理を行う。また、特許文献2には、シートの折り畳み及び接着を行う経路と、折り畳み及び接着を行わずにそのまま排出する経路との間でシートの搬送経路を切り換える切替フラップが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-171607号公報
【文献】特開2007-193004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記文献の切替フラップは、画像形成装置本体内で、かつ、定着装置の付近に配置されていたため、定着装置が発する熱で昇温しやすい配置であった。切替フラップが高温になっていると、シートが切替フラップに接触しながら通過する際にシート上の粉末接着剤が溶融して切替フラップに付着する場合がある。そして、切替フラップの表面に粉末接着剤が多量に付着すると、粉末接着剤によってシートの搬送不良が生じる可能性があった。
【0006】
そこで、本発明は、シートの搬送不良が生じる可能性を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、印刷用トナーを用いてシートにトナー像を形成すると共に、粉末接着剤をシートに塗布する画像形成手段と、前記画像形成手段によりシートに形成された前記トナー像及びシートに塗布された前記粉末接着剤を加熱してシートに定着させる定着手段と、前記定着手段を通過したシートを排出する排出手段と、を備える装置本体と、前記装置本体から排出されたシートを折り畳む折り手段と、前記折り手段により折り畳まれたシートを加熱して前記粉末接着剤によってシートを接着する接着手段と、前記装置本体から排出された後、前記折り手段及び前記接着手段を経由しないシートが積載される積載部と、前記装置本体の外部に設けられてシート搬送方向における前記排出手段の下流に配置され、前記排出手段によって前記装置本体から排出されるシートの搬送経路を、前記積載部に向かう第1経路と前記折り手段に向かう第2経路とに切替える切替部材と、を有し、前記切替部材は、画像形成装置の上方の空間に向かって開放された位置に配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シートの搬送不良が生じる可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1に係る画像形成装置の概略図。
図2】実施例1に係る画像形成装置の装置本体に対する後処理ユニットの装着を説明するための図。
図3】実施例1においてシートに転写されるトナー像の状態を説明するための模式図。
図4】実施例1に係る画像形成装置におけるシートの搬送経路を表す図(a、b)。
図5】実施例1に係る折り工程の内容を説明するための図(a~f)。
図6】実施例1に係る画像形成装置の外観を示す斜視図。
図7】実施例1に係る画像形成装置が出力する成果物を例示する図(a~c)。
図8】実施例1に係るプロセスカートリッジの概略図。
図9】実施例1に係る第2切替ガイドの駆動機構を説明する斜視図。
図10】実施例1においてシートに転写される粉末接着剤の状態を説明するための模式図。
図11】実施例1に係る画像形成装置の変形例を示す概略図。
図12】実施例1に係る画像形成装置の変形例の装置本体に対する後処理ユニットの装着を説明するための図。
図13】実施例2に係る画像形成装置の概略図。
図14】実施例2に係る画像形成装置の装置本体に対する後処理ユニットの装着を説明するための図。
図15】実施例2に係る画像形成装置におけるシートの搬送経路を表す図(a、b)。
図16】実施例2に係る画像形成装置の外観を示す斜視図。
図17】実施例2に係る第2切替ガイドの駆動機構を示す斜視図。
図18】実施例2に係る第2切替ガイドの駆動機構の一部の分解斜視図。
図19】実施例2においてシートに転写される粉末接着剤の状態を説明するための模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0011】
(全体の装置構成)
最初に、画像形成装置の全体構成について、図1図2図6を用いて説明する。図1は、実施例1に係る画像形成装置本体(以下、装置本体10と記載する)と、装置本体10と接続された後処理ユニット30と、を備えた画像形成装置1の断面構成を表す概略図である。画像形成装置1は、電子写真方式の印刷機構を備えた装置本体10と、シート処理装置としての後処理ユニット30とによって構成される電子写真画像形成装置(電子写真システム)である。
【0012】
図6は画像形成装置1の外観を表す斜視図である。後処理ユニット30は、装置本体10の上部に装着されている。画像形成装置1は、下部にシートカセット8を有し、右側面部に開閉可能なトレイ20を有している。
【0013】
まず、装置本体10の内部構成を説明する。図1に示すように、装置本体10は、記録媒体としてのシートPを収納するシート収納部としてのシートカセット8と、画像形成手段としての画像形成ユニット1eと、定着手段としての第1定着器6と、これらを収容する筐体19と、備えている。装置本体10は、シートカセット8から給送されるシートPに画像形成ユニット1eによってトナー像を形成し、第1定着器6によって定着処理を施した印刷物を作成する印刷機能を有する。なお、記録媒体であるシートPとしては、例えば紙が用いられる。
【0014】
シートカセット8は、装置本体10の下部において筐体19に対して引き出し可能に挿入されており、多数枚のシートPを収納している。シートカセット8に収納されたシートPは、給送ローラ8f等の給送部材でシートカセット8から給送され、分離ローラ対によって1枚ずつ分離された状態で、搬送ローラ8aによって搬送される。また、開いた状態のトレイ20(図6)にセットされたシートを1枚ずつ給送することも可能である。
【0015】
画像形成ユニット1eは、4つのプロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cと、スキャナユニット2と、転写ユニット3と、を備えたタンデム型の電子写真ユニットである。プロセスカートリッジとは、画像形成プロセスを担う複数の部品を一体的に交換可能にユニット化したものである。装置本体10には、筐体19に支持されるカートリッジ支持部9が設けられており、各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cはカートリッジ支持部9に設けられた装着部9n,9y,9m,9cに着脱可能に装着される。なお、カートリッジ支持部9は、筐体19から引き出し可能なトレイ部材であってもよい。
【0016】
各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cは、4つの粉体収容部104n,104y,104m,104cに収容される粉体の種類を除いて実質的に共通の構成を備えている。即ち、各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cは、像担持体である感光ドラム101、帯電器である帯電ローラ102、粉体を収容する粉体収容部104n,104y,104m,104c、及び粉体を用いて現像を行う現像ローラ105と含む。
【0017】
4つの粉体収容部のうち、図中右側3つの粉体収容部104y,104m,104cには、シートPに可視像を形成するためのトナー(粉体現像剤)として、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンの印刷用トナーTy,Tm,Tcが収容されている。これに対し、図中最も左側の粉体収容部104nには、印刷後に接着処理を行うための粉体である粉末接着剤Tnが収容されている。粉体収容部104y,104m,104cは、いずれも印刷用トナーを収容する第1収容部の例であり、粉体収容部104nは粉末接着剤を収容する第2収容部の例である。また、プロセスカートリッジ7y,7m,7cは、いずれも印刷用トナーを用いてトナー像を形成する第1プロセスユニットの例であり、プロセスカートリッジ7nは、所定の塗布パターンで粉末接着剤の像を形成する第2プロセスユニットの例である。
【0018】
本実施例では、テキスト等の黒色の画像を印刷する場合は、イエロー(Ty)、マゼンタ(Tm)、シアン(Tc)のトナーを重畳したプロセスブラックで表現する。ただし、例えば画像形成ユニット1eにブラックの印刷用トナーを用いる5つ目のプロセスカートリッジを追加し、黒色の画像をブラックの印刷用トナーで表現できるようにしてもよい。これに限らず、画像形成装置1の用途に応じて印刷用トナーの種類及び数は変更可能である。
【0019】
スキャナユニット2は、プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの下方、かつシートカセット8の上方に配置されている。スキャナユニット2は、各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの感光ドラム101にレーザ光を照射して静電潜像を書き込む本実施例の露光手段である。
【0020】
転写ユニット3は、中間転写体(二次的な像担持体)としての転写ベルト3aを備えている。転写ベルト3aは、二次転写内ローラ3b及び張架ローラ3cに巻き回されたベルト部材であり、外周面において各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの感光ドラム101に対向している。転写ベルト3aの内周側には、各感光ドラム101に対応する位置に一次転写ローラ4が配置されている。また、二次転写内ローラ3bに対向する位置に、転写手段としての二次転写ローラ5が配置されている。二次転写ローラ5と転写ベルト3aとの間の転写ニップ5nは、転写ベルト3aからシートPにトナー像が転写される転写部(二次転写部)である。
【0021】
第1定着器6は、二次転写ローラ5の上方に配置されている。第1定着器6は、定着部材としての加熱ローラ6aと、加圧部材としての加圧ローラ6bとを有する熱定着方式の定着器である。加熱ローラ6aは、ハロゲンランプやセラミックヒータ等の発熱体や誘導加熱方式の発熱機構によって加熱される。加圧ローラ6bは、バネ等の付勢部材によって加熱ローラ6aに押圧されており、加熱ローラ6aと加圧ローラ6bのニップ部(定着ニップ6n)を通過するシートPを加圧するための加圧力を発生させる。なお、ここでは回転体対としてのローラ対がシートを挟持搬送する構成を例示したが、例えば筒状のフィルムの内側にヒータを配置し、フィルムを挟んでヒータに対向する加圧ローラとヒータとの間のニップ部にシートを挟持して搬送する構成としてもよい。
【0022】
筐体19には、装置本体10からシートPを排出するための開口部である排出口12(第1の排出口)が設けられており、排出口12には排出ユニット34が配置されている。本実施例の排出手段である排出ユニット34は、第1排出ローラ34aと、中間ローラ34bと、第2排出ローラ34cと、を有するいわゆる三連ローラを使用している。また、第1定着器6と排出ユニット34との間には、シートPの搬送経路を切替えるフラップ状の切替部材である第1切替ガイド33が設けられている。第1切替ガイド33は、軸部33aを中心に先端33bが図中矢印c方向に往復するように回動可能である。また、筐体19の上面には本実施例の積載部としての第1排出トレイ66が設けられている。後処理ユニット30による折り処理及び接着処理を施さないシートPは、排出口12から排出されるとそのまま第1排出トレイ66に積載される。
【0023】
装置本体10には、第1排出トレイ66の下側に送風手段としての冷却ファン64が備えられている。冷却ファン64から送り出される風は、図2に示すように第1排出トレイ66の下側を経由して(矢印64a)、一部がシート搬送路内の第1切替ガイド33に向かって流れ(矢印64b)、他の一部が第1排出トレイ66に向かって流れる(矢印64c)。上記2つの経路(矢印64b、64c)で流れる風は、いずれも第1定着器6による熱を冷ますために利用されている。即ち、矢印64bの経路で流れる風は、第1定着器6で加熱されたシートPを冷却すると共に第1切替ガイド33を冷却する。また、矢印64cの経路で流れる風は、第1定着器6で加熱された後に第1排出トレイ66に積載されるシートPを冷却する。
【0024】
なお、装置本体10は、両面印刷を行うための機構を備えている。排出ユニット34には不図示のモータが接続され、中間ローラ34bの回転方向を正転及び逆転可能に構成されている。また、主搬送路1mに対してループ状に接続された搬送路としての両面搬送路1rが設けられている。主搬送路1mを通過する間に第1面に画像形成されたシートPは、時計方向に回動した第1切替ガイド33(破線位置)によって第1排出ローラ34aと中間ローラ34bとによって挟持搬送される。シートPの進行方向後端が第1切替ガイド33を通過した後、第1切替ガイド33が反時計方向に回動する(実線位置)と共に中間ローラ34bが逆転し、シートPは両面搬送路1rへと反転搬送される。つまり、第1排出ローラ34a及び中間ローラ34bは第1面に画像形成されたシートを反転させて再び画像形成ユニット1eへ向けて搬送する反転ユニットとして機能する。そして、シートPが表裏を反転した状態で主搬送路1mを再び通過する間に、シートPの第2面に画像が形成される。なお、シートPの進行方向後端が第1切替ガイド33を通過したとき、シートPの進行方向の先端側は機外に露出している。両面印刷後のシートPの搬送経路は、片面印刷の場合と同じく第1切替ガイド33によって切替えられる。
【0025】
また、装置本体10において搬送ローラ8a、転写ニップ5n及び定着ニップ6nを通る搬送経路は、シートPに対する画像形成が行われる主搬送路1mを構成している。主搬送路1mは、画像形成時の主走査方向(主搬送路1mを搬送されるシートの搬送方向に垂直なシートの幅方向)から見た場合に、画像形成ユニット1eに対して水平方向Hの一方側を通って下方から上方に延びている。言い換えると、本実施例の装置本体10は、主搬送路1mが略鉛直方向Vに延びる、いわゆる垂直搬送型(縦パス型)の電子写真画像形成装置である。なお、鉛直方向Vに見た場合、第1排出トレイ66、中間パス15及びシートカセット8は互いに重なっている。そのため、水平方向Hに関して排出ユニット34がシートPを排出するときのシートの移動方向は、水平方向Hに関してシートカセット8からシートPが給送されるときのシートの移動方向とは反対向きとなる。
【0026】
(後処理ユニット)
図2に示すように、後処理ユニット30は装置本体10の上部に取り付けられている。後処理ユニット30は、折り手段としての折り器31と、接着手段(第2の定着手段)としての第2定着器32とが、筐体(第2の筐体)39に収容されて一体化された後処理ユニットである。また、後処理ユニット30には、第2切替ガイド61と、中間パス15と、第2排出トレイ35とが設けられている。後処理ユニット30が備える各部の機能は後述する。第2切替ガイド61は、装置本体10から排出されるシートの搬送経路を切替えるための切替部材として機能する。
【0027】
図9は、第2切替ガイド61とこの第2切替ガイド61を移動させる駆動部としてのソレノイド63を示した斜視図である。第2切替ガイド61は、軸部61a、61bを中心に揺動可能な状態で後処理ユニット30の筐体39に支持されている。ソレノイド63は、通電及び通電停止に応じて往復移動するプランジャ63aを有し、プランジャ63aの先端部が第2切替ガイド61の一部と係合している。ソレノイド63に通電すると、プランジャ63aが矢印63bの方向に吸引されることで、第2切替ガイド61は矢印61cの方向に揺動する。ソレノイド63への通電を停止すると、プランジャ63aに吸引力が発生せず、第2切替ガイド61は自重によって矢印61dの方向に揺動する。本実施例では、図4(a)に示す第2切替ガイド61の位置がソレノイド63の通電状態に対応し、図4(b)に示す第2切替ガイド61の位置がソレノイド63の通電停止状態に対応する。これにより、第2切替ガイド61は、排出ユニット34から排出されるシートPの搬送経路を、第1排出トレイ66に向かう第1経路R1(図4(a))と、折り器31に向かう第2経路R2(図4(b))とに切替える。
【0028】
図1図2及び図6に示すように、後処理ユニット30は、第2切替ガイド61の上方に設けられたカバー部材として上部カバー62を有している。上部カバー62は、後処理ユニット30の外装の一部であると共に、開口部としてのルーバー62aが設けられている。ルーバー62aは、第2切替ガイド61と上部カバー62との間の空間(シートが通過する空間)と、画像形成装置1の上方の空間(外部空間)とを連通し、第2切替ガイド61等の排出口12付近の部材の温度上昇を抑制する作用を有する。即ち、第1定着器6で熱せられたシートPが排出口12から排出されて排出口12の周辺が昇温し始めると、図4(b)の矢印62bに示すように熱せられた空気がルーバー62aを介して後処理ユニット30の外部(画像形成装置1の外部)に放出される。また、後処理ユニット30の外部(画像形成装置1の外部)の相対的に冷たい空気が、ルーバー62aを介して排出口12の付近に流れ込んで第2切替ガイド61等を冷却する。ルーバー62aは、このような自然対流を可能とすることで冷却作用を生じさせる。
【0029】
なお、例えば画像形成装置1の上方から鉛直方向に見た場合に、ルーバー62aの開口を介して第2切替ガイド61が露出する位置関係とすると好適である。また、本実施例ではルーバー62aを有する上部カバー62が後処理ユニット30の外装の一部である構成例を説明したが、上部カバー62を装置本体10の外装の一部として構成してもよい。
【0030】
上記の通り、本実施例では、折り手段としての折り器31及び接着手段としての第2定着器32を、画像形成手段としての画像形成ユニット1eの上方に配置している。そのため、電子写真画像形成装置において比較的大きな空間を画像形成ユニット1eの上方の空間を活用して、第1定着器6(第1の加熱装置)とは別の第2定着器(第2の加熱装置)を配置できる。即ち、本実施例によれば、2つ又はそれ以上の加熱装置を備えた画像形成装置1を十分に小型化することが可能である。
【0031】
また、本実施例では、図1の視点(画像形成時の主走査方向に見た場合)に、シートPを搬送しながら後述の接着印刷物を出力するための搬送経路として、画像形成ユニット1eの三方(下方、図1の右側、上方)を通るC字状の搬送経路が形成されている。つまり、画像形成ユニット1eの下方に収納されていたシートPは、給送ローラ8fによって水平方向Hの一方側(図1の右側)に送り出される。また、第1定着器6を通過したシートPは、搬送部材としての排出ユニット34によって水平方向Hの他方側(図1の左側)に搬送される。このような構成において、第1定着器6は、画像形成ユニット1eに対して水平方向の一方側で給送ローラ8fから排出ユニット34に向かって延びるシート搬送経路上(主搬送路1m)に配置されている。また、第2定着器32は、画像形成ユニット1eの上方で排出ユニット34から折り器31を介して水平方向Hの他方側に延びるシート搬送経路上に配置されている。
【0032】
このように、C字状の搬送経路を構成して搬送経路上に第1定着器6、折り器31及び第2定着器32等を配置することで、画像形成装置1を十分に小型化することが可能な具体的な構成を実現できる。なお、接着印刷物を出力する際の具体的な動作については、図4(b)等を用いて後述する。また、C字状の搬送経路に限らず、例えばS字状の搬送経路を構成してもよい。
【0033】
特に、図1の視点(画像形成時の主走査方向に見た場合)において、後処理ユニット30の第2排出トレイ35を除いた本体部分(折り器31及び第2定着器32)の水平方向Hの占有範囲は、装置本体10の占有範囲内に収まっていると好適である。このように後処理ユニット30を装置本体10の上方の空間に収めることで、接着印刷機能を備えた画像形成装置1を、通常の縦パス型電子写真画像形成装置と同程度の設置空間に設置することが可能となる。
【0034】
後処理ユニット30には、筐体39を装置本体10の筐体19(第1の筐体)に対して位置決めするための位置決め部(例えば、筐体19の凹部に係合する凸形状)が設けられている。また、後処理ユニット30には、装置本体10とは別の駆動源及び制御部が設けられており、後処理ユニット30のコネクタ36と装置本体10のコネクタ37が結合することで装置本体10と電気的に接続される。これにより、後処理ユニット30は、装置本体10を介して供給される電力を用いて、装置本体10に設けられた制御部からの指令に基づいて動作する状態となる。
【0035】
(プロセスカートリッジ)
各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cは、先述したように、4つの粉体収容部104n,104y,104m,104cに収容される粉体の種類を除いて実質的に共通の構成を備えている。ここでは代表してプロセスカートリッジ7nについて説明する。図8はプロセスカートリッジ7nの概略構成を表す断面図である。プロセスカートリッジ7nは、感光ドラム101等を備えた感光体ユニットCCと、現像ローラ105等を備えた現像ユニットDTと、から成り立っている。
【0036】
感光体ユニットCCには、不図示の軸受を介して、ドラム状に成形された電子写真感光体(像担持体)である感光ドラム101が回転可能に取り付けられている。また感光ドラム101は、不図示の駆動手段(駆動源)としてのモータの駆動力を受けることによって、画像形成動作に際して図中時計回り方向(矢印w)に回転駆動される。さらに感光体ユニットCCには、感光ドラム101の周囲に感光ドラム101を帯電するための帯電ローラ102、クリーニング部材103が配置されている。
【0037】
現像ユニットDTには、感光ドラム101と接触して図中反時計回り方向(矢印d)に回転する現像剤担持体としての現像ローラ105が設けられている。現像ローラ105と感光ドラム101は、対向部(接触部)において互いの表面が同方向に移動するようにそれぞれ回転する。
【0038】
また現像ユニットDTには、図中時計回り方向(矢印e)に回転する現像剤供給部材としての現像剤供給ローラ(以下、単に「供給ローラ106」という。)が配置されている。供給ローラ106と現像ローラ105は、対向部(接触部)において互いの表面が同方向に移動するようにそれぞれ回転する。供給ローラ106は、現像ローラ105上に粉末接着剤(プロセスカートリッジ7y,7m,7cの場合は、印刷用トナー)を供給する。同時に、供給ローラ106は、現像ローラ105上に残留した粉末接着剤(プロセスカートリッジ7y,7m,7cの場合は、印刷用トナー)を現像ローラ105から剥ぎ取る作用をなす。また、現像ユニットDTには、供給ローラ106によって現像ローラ105上に供給された粉末接着剤(プロセスカートリッジ7y,7m,7cの場合は、印刷用トナー)の層厚を規制する現像剤規制部材としての現像ブレード107が配置されている。
【0039】
粉体収容部104nには、粉体として粉末接着剤(プロセスカートリッジ7y,7m,7cの場合は、印刷用トナー)が収納されている。また粉体収容部104n内には、回転自在に支持された搬送部材108が設けられている。搬送部材108は、図中時計回り方向(矢印f)に回転して粉体収容部104n内に収納された粉体を撹拌すると共に、上記現像ローラ105や供給ローラ106が設けられた現像室109へと粉体を搬送する。
【0040】
ここで、感光体ユニットCC、現像ユニットDTをそれぞれ別体として、感光体ユニットカートリッジ、現像ユニットカートリッジとし、画像形成装置本体に着脱可能に構成することも可能である。また、感光体及び現像剤担持体を有するプロセスカートリッジとは別に、粉体収容部104n及び搬送部材108だけを有し、装置本体に着脱可能な粉体カートリッジとして構成することも可能である。
【0041】
(画像形成時の動作)
次に、本実施例の画像形成装置1が行う画像形成動作について、図1図8を用いて説明する。図3は、シートPに転写されるトナー像の状態を説明するための模式図である。図4(a、b)は、画像形成装置1におけるシートの搬送経路を表す図である。図5(a~f)は、折り工程の内容を説明するための図である。図7(a~c)は、画像形成装置1が出力する成果物を例示する図である。
【0042】
画像形成装置1に対して印刷すべき画像のデータ及び印刷の実行指令が入力されると、画像形成装置1の制御部はシートPを搬送して画像を形成し、必要に応じて後処理ユニット30による後処理を施す一連の動作(画像形成動作)を開始する。画像形成動作では、まず、図1に示すように、シートPがシートカセット8から1枚ずつ給送され、搬送ローラ8aを介して転写ニップ5nへ向けて搬送される。
【0043】
シートPの給送に並行して、プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cが順次駆動され、感光ドラム101が図中時計回り方向(矢印w)に回転駆動される。このとき感光ドラム101は、帯電ローラ102によって表面に一様な電荷を付与される。また、スキャナユニット2が、画像データに基づいて変調したレーザ光を各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの感光ドラム101に照射して、感光ドラム101の表面に静電潜像を形成する。次に、各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの現像ローラ105に担持されたトナーによって、感光ドラム101上の静電潜像がトナー像に現像される。
【0044】
なお、粉末接着剤Tnによって現像されることで感光ドラム101上に形成される粉末接着剤層は、視覚情報の伝達を目的としない点で、図形やテキスト等の画像を記録媒体に記録するための印刷用トナーの画像(通常のトナー像)とは異なっている。ただし、シートPに所定の塗布パターンで粉末接着剤Tnを塗布するために電子写真プロセスによって現像された粉末接着剤層も「トナー像」の1つとして考えてもよい。
【0045】
転写ベルト3aは、図中反時計回り方向(矢印v)に回転する。各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cにおいて形成されるトナー像は、感光ドラム101と一次転写ローラ4との間に形成される電界によって、感光ドラム101から転写ベルト3aに一次転写される。
【0046】
ここで、図1に示すように、転写ベルト3aの回転方向において、粉末接着剤Tnを用いるプロセスカートリッジ7nが4つのプロセスカートリッジの中で最も上流に位置する。また、プロセスカートリッジ7nから転写ベルト3aの回転方向下流側に向かって、イエロー、マゼンタ、シアンのプロセスカートリッジ7y,7m,7cが順に並んでいる。従って、図3に示すように、4種類のトナー像が転写ベルト3a上で重なると、粉末接着剤Tnが最下層(転写ベルト3aに接触する層)となり、その上にイエロー(Ty)、マゼンタ(Tm)、シアン(Tc)の印刷用トナーが順に重なった状態となる。
【0047】
転写ベルト3aに担持されて転写ニップ5nに到達したトナー像は、二次転写ローラ5と二次転写内ローラ3bとの間に形成される電界によって、主搬送路1mを搬送されてきたシートPに二次転写される。その際、トナー層の上下は反転する。即ち、転写ニップ5nを通過したシートPには、最下層(シートPに接触する層)からシアン(Tc)、マゼンタ(Tm)、イエロー(Ty)の印刷用トナーが重なり、さらにその上に粉末接着剤Tnの層が形成される。従って、シートPに転写されたトナー像において、粉末接着剤Tnの層が最表面となる。
【0048】
その後、シートPは、第1定着器6に搬送されて熱定着処理を受ける。即ち、シートPが定着ニップ6nを通過する際にシートP上のトナー像が加熱及び加圧されることで印刷用トナーTy,Tm,Tc及び粉末接着剤Tnが溶融し、その後固着することで、シートPに定着した画像が得られる。
【0049】
片面印刷・両面印刷に依らず、装置本体10より排出されるシートPは、図4(a、b)に示すように、中間ローラ34bと第2排出ローラ34cにより挟持され、第2切替ガイド61により第1経路R1もしくは第2経路R2へと搬送される。
【0050】
図4(a)に示す第1経路R1は、後処理ユニット30を使わない通常印刷のモードにおいて、第1定着器6を通過したシートPが排出ユニット34によって第1排出トレイ66に排出される経路である。図4(b)に示す第2経路R2は、接着印刷のモードにおいて、第1定着器6を通過したシートPが排出ユニット34、折り器31及び第2定着器32を介して第2排出トレイ35に排出される経路である。
【0051】
第2経路R2における第1定着器6と折り器31との間には、中間パス15が設けられている。中間パス15は、画像形成装置1の上面部(天面部)を通るシート搬送路である。なお、中間パス15は、水平方向に対して折り器31に向かって鉛直方向の上方に傾斜している。従って、折り器31の入口(下記のガイドローラ対(31c,31d)は、装置本体10の出口(中間ローラ34bと第2排出ローラ34cのニップ)よりも鉛直方向で上方に位置する。
【0052】
折り器31は、第1ガイドローラ31c、第2ガイドローラ31d、第1折りローラ31a及び第2折りローラ31bの4本のローラと、引き込み部31eと、を有している。第1ガイドローラ31c及び第2ガイドローラ31dは、折り器31の上流側の搬送パス(本実施例では中間パス15)から受け取ったシートPを挟持して搬送するガイドローラ対である。第1折りローラ31a及び第2折りローラ31bは、シートPを折り曲げながら送り出す折りローラ対である。
【0053】
なお、第2経路R2に沿ったシートの搬送方向における第2排出ローラ34cから第1ガイドローラ31cまでの間隔M(図1)は、折り処理前のシートPの搬送方向の全長L(図5(a))よりも短くなるように構成されている。言い換えると、第2排出ローラ34cから第1ガイドローラ31cまでの間隔Mにより、後処理ユニット30によって処理可能なシートの搬送方向の長さの下限が定まる。この構成により、排出ユニット34からガイドローラ対に滞りなくシートPが受け渡される。
【0054】
図5(a~f)に沿って折り器31による折り処理を説明する。折り処理を実行する場合、第1ガイドローラ31c及び第1折りローラ31aは図中時計回り方向に、第2ガイドローラ31d及び第2折りローラ31bは図中反時計回りに回転する。まず、排出ユニット34から送り出されたシートPの先端qが、図5(a)に示すようにガイドローラ対(31c,31d)に引き込まれる。シートPの先端qは、図5(b)に示すように、ガイド壁31fにより下向きに案内されて第1折りローラ31aに接触し、互いに対向している第1折りローラ31aと第2ガイドローラ31dに引き込まれて引き込み部31eの壁31gに当接する。
【0055】
ガイドローラ対(31c,31d)によるシートPの引き込みに連れて、先端qは壁31gに摺接しながら引き込み部31eの奥へと進む。やがて、先端qは図5(c)に示すように引き込み部31eの端部31hに突き当たる。なお、引き込み部31eは、図4(a)に示すように中間パス15の下方側で中間パス15と略平行に延びた空間を形成しており、図5(c)の段階で、シートPは第2ガイドローラ31dに巻き付いてU字型に曲がった状態となる。
【0056】
図5(c)の状態からガイドローラ対(31c,31d)によってさらにシートPが引き込まれると、図5(d)に示すように中腹部rでたわみが生じはじめる。やがて図5(e)に示すように、中腹部rが第2折りローラ31bに接することで、第2折りローラ31bから受ける摩擦力により折りローラ対(31a,31b)のニップ部に引き込まれる。そして、図5(f)に示すように、中腹部rを折り目として折り畳まれた状態で、折りローラ対(31a,31b)によって中腹部rを先頭にシートPが排出される。
【0057】
ここで、引き込み部31eの深さN(図5(e))、即ち折りローラ対(31a,31b)のニップ部から引き込み部31eの端部31hまでの距離は、シートPの全長Lの半分の長さに設定している。これにより、折り器31は、シートPを半分の長さで二つ折りにする処理(中折り)を実行可能である。なお、引き込み部31eの深さNを変えることで、折り目の位置を任意に変えることができる。
【0058】
以上説明した折り器31は折り手段の一例であり、例えばシートPにブレードを押し当ててローラ対のニップ部に押し込むことで折り目を形成する折り機構を用いてもよい。なお、本実施例の折り器31は、回転するローラと固定された引き込み部31eで構成されるため、往復運動をするブレードを用いる折り機構に比べて駆動機構の簡素化が可能である。また、本実施例の折り器31は、4本のローラ以外に、シート長さの半分の深さNを有する引き込み部31eを設ければよいため、後処理ユニット30の小型化が可能である。
【0059】
折り器31を通過したシートPは、図4(b)に示すように第2定着器32に搬送される。第2定着器32は、第1定着器6と同様に熱定着方式の構成を有する。即ち、第2定着器32は、加熱部材としての加熱ローラ32bと、加圧部材としての加圧ローラ32aとを有する。加熱ローラ32bは、ハロゲンランプやセラミックヒータ等の発熱体や誘導加熱方式の発熱機構によって加熱される。加圧ローラ32aは、バネ等の付勢部材によって加熱ローラ32bに押圧されており、加熱ローラ32bと加圧ローラ32aのニップ部(接着ニップ)を通過するシートPを加圧するための加圧力を発生させる。なお、ここでは回転体対としてのローラ対がシートを挟持搬送する構成を例示したが、例えば筒状のフィルムの内側にヒータを配置し、フィルムを挟んでヒータに対向する加圧ローラとヒータとの間のニップ部にシートを挟持して搬送する構成としてもよい。
【0060】
折り器31で折り畳まれたシートPは、第2定着器32によって接着処理(粉末接着剤が塗布された画像面に対する2回目の熱定着)を受けることで、折り畳まれた状態のまま接着される。即ち、シートPが接着ニップを通過する際にシートP上の粉末接着剤Tnが加熱されて再び軟化した状態で加圧されることで、接着面(折り畳まれた状態で、粉末接着剤Tnの層を介して互いに対向するシートの面)上の接着剤同士が密着する。そして、粉末接着剤Tnが冷えて固まることで、粉末接着剤Tnを接着剤としてシートPの画像面と対向面が結合(圧着)される。
【0061】
ここで、第1定着器6の加熱ローラ6aがトナー像に直接接触するのに対し、第2定着器32の加熱ローラ32bは折られた状態のシートPを介して間接的に粉末接着剤Tnを加熱することになる。このとき、前述したように粉末接着剤Tnの融点を印刷用トナーTy,Tm,Tcの融点より低く設定することで、第2定着器32の定着温度を画像の転移が生じない程度に抑えることができる。即ち、第2定着器32の定着温度を高くした場合に懸念される、印刷用トナーTy,Tm,Tcの再溶融が発生して画像面から対向面に画像の一部が転移してしまうこと(ホットオフセット)を回避することができる。なお、第2定着器32の定着温度(加熱ローラ32bの設定温度)は、第1定着器6の定着温度(加熱ローラ6aの設定温度)より低く設定してもよいし、間接的な加熱となることを考慮して第1定着器6の定着温度以上に設定してもよい。
【0062】
第2定着器32による接着処理を受けたシートPは、図4(b)に示すように、後処理ユニット30の筐体39に設けられた排出口32c(第2の排出口)から図中左側に排出される。そして、装置本体10の左側面に設けられた第2排出トレイ35(図1参照)に収納される。以上で、シートPが第2経路R2を搬送される場合の画像形成の動作が終了する。
【0063】
なお、シートPに対する粉末接着剤Tnの塗布パターンによって、折り畳まれたシートPの結合箇所を変えることが可能となる。図7(a~c)は、粉末接着剤Tnの塗布パターンが異なる成果物(画像形成装置の出力物)を例示している。図7(a、b)は、受け取った人が開封する用途の成果物(半接着の成果物)の例である。図7(a)の圧着ハガキ51の場合、原紙の片面の全面51aに粉末接着剤Tnが塗布され、中央の折り目51bで折り畳まれた状態で接着される。図7(b)の給与明細書52の場合、原紙の片面の外周部の全周52aに粉末接着剤Tnが塗布され、中央の折り目52bで折り畳まれた状態で接着される。図7(c)は、開封されることを前提としない用途の成果物(完全接着の成果物)の例としての袋(薬袋)を表している。この場合、折り畳まれた状態のシートの折り目53b以外の二辺が結合されるように、L字状の領域53aに粉末接着剤Tnが塗布される。
【0064】
また、本実施例の画像形成装置1は、図7(a~c)に例示したいずれの成果物についても、プレプリント紙を用意することなくノンストップで出力することが可能である。即ち、印刷用トナーを用いて原紙の片面又は両面に画像を記録する動作に並行して、所定の塗布パターンで粉末接着剤を塗布し、折り処理及び接着処理を施した状態の成果物を出力することが可能である。例えば、図7(a~c)の成果物を出力する場合、原紙として用いるシートの一方の面が成果物の外側となり、他方の面が成果物の内側となる。そこで、両面印刷における第1面の画像形成動作として、印刷用トナーで外側面用の画像を形成し、第2面の画像形成動作として、印刷用トナーで内側面用の画像を形成すると共に所定の塗布パターンで粉末接着剤を塗布すればよい。
【0065】
画像形成装置1が印刷用トナーを用いて記録する画像には、プレプリント紙を用いる場合のフォーマット(不変部分)と、個人情報等の可変部分とを含めることができる。従って、上記のように本実施例ではプレプリント紙ではない白紙等の原紙から、接着処理によって接着された成果物を出力することができる。ただし、プレプリント紙を記録媒体として使用し、可変部分の印刷処理と接着処理を行う用途で本実施例の画像形成装置1を使用することもできる。
【0066】
ところで、図7(a~c)に示したような接着印刷物を作成する際、転写部においてシートPに転写された粉末接着剤Tnは、図10に示すように第1定着器6の加熱ローラ6aによって加熱される。粉末接着剤Tnが塗布されたシートPの面(接着工程で接着される面。以下、接着剤塗布面とする)は、図10における左下側の面である。そのため、シートPが第1切替ガイド33の下方側及び第2切替ガイド61の上方側に案内されて第2経路R2に向かう際、シートPの接着剤塗布面は、第1切替ガイド33には接触せず、第2切替ガイド61に接触しながら搬送される。
【0067】
粉末接着剤Tnの融点は、通常、印刷用トナーTy,Tm,Tcの融点よりも低く設定される。これにより、第2定着器32で印刷用トナーTy,Tm,Tcが溶融しない温度で粉末接着剤Tnを溶融させて接着することが可能となる。しかし、仮に第2切替ガイド61の温度が高くなっているときに融点の低い粉末接着剤Tnが接触すると、粉末接着剤Tnが溶融して第2切替ガイド61に付着する可能性ある。
【0068】
ここで、本実施例では、第2切替ガイド61の上方に開口としてのルーバー62aが設けられた上部カバー62を配置している。言い換えると、切替部材としての第2切替ガイド61を、画像形成装置の上方の空間に向かって開放された位置に配置している。上述した通り、ルーバー62aがあることで第2切替ガイド61を含む排出口12付近の空気の自然対流が促進され、第2切替ガイド61の温度上昇が抑制される。これにより、第2切替ガイド61に接着剤塗布面を接触させながらシートPが連続的に搬送される場合であっても、接着剤塗布面上の粉末接着剤Tnは溶融しにくく、第2切替ガイド61への粉末接着剤Tnの付着は生じにくい。従って、本実施例の構成によれば、接着剤の付着に起因するジャム等が生じにくくなるため、シートの搬送不良が生じる可能性を低減することができる。
【0069】
(変形例)
実施例1の変形例を図11図12を用いて説明する。実施例1では、第2切替ガイド61を後処理ユニット30に配置していたが、本変形例では第2切替ガイド65を装置本体10に配置する。図11は、本変形例に係る画像形成装置1の一部を示す概略図である。図12は装置本体10に対する後処理ユニット30の装着を説明するための図である。
【0070】
本変形例に係る切替部材としての第2切替ガイド65は、装置本体10によって回動可能に支持されている。図11に示すように、第2切替ガイド65は軸部65aを中心に矢印65bの方向に回動することで図中の破線位置と実線位置とに移動可能である。第2切替ガイド65の駆動部としては、実施例1と同様のソレノイドを用いることができる。これにより、第2切替ガイド65は、排出ユニット34から排出されるシートPの搬送経路を、第1排出トレイ66に向かう第1経路R1と、折り器31に向かう第2経路R2とに切替える。なお、軸部65aはシート搬送方向における第2切替ガイド65の上流端に設けられている。
【0071】
図12に示すように、第2切替ガイド65は、後処理ユニット30とは独立して装置本体10に組み付けられる。装置本体10への組み付け順に関しては、装置本体10に第2切替ガイド65を組み付けた後に、後処理ユニット30を組み付ける構成となっている。このように装置本体10に対して第2切替ガイド65を単独で組み付けることで、排出口12の付近に配置する必要のある第2切替ガイド65が組み付け時に装置本体10と衝突して破損する可能性を低減することができる。
【0072】
また、本変形例においても、第2切替ガイド65の上方に開口としてのルーバー62aが設けられた上部カバー62を配置している。従って、第2切替ガイド61への粉末接着剤Tnの付着を抑制して、シートの搬送不良が生じる可能性を低減することができる。
【実施例2】
【0073】
実施例2に係る画像形成装置について、図13図19を用いて説明する。以下、実施例1と共通の符号を付した要素は実施例1と実質的に同一の構成及び作用を有するものとし、実施例1と異なる部分について説明する。
【0074】
図13は、実施例2に係る装置本体10と、装置本体10と接続された後処理ユニット30と、を備えた画像形成装置1の断面構成を表す概略図である。図14は、装置本体10に対する後処理ユニット30の装着を説明するための図である。図15(a、b)は画像形成装置1のシートの搬送経路を表す図である。図16は画像形成装置1の外観を表す斜視図である。
【0075】
本実施例において、折り処理及び接着処理を施さずにそのままシートが排出される本実施例の積載部としての第1排出トレイ13は、図13に示すように後処理ユニット30の上部に備えられている。第2切替ガイド71は、シート搬送方向における第1排出トレイ13の上流側に設けられ、第1排出トレイ13によって回動可能に支持されている。第2切替ガイド71の上部は、画像形成装置1の上方の空間に露出しており、画像形成装置1の上方から目視可能である(図16)。言い換えると、本実施例の構成も、切替部材としての第2切替ガイド71は画像形成装置の上方の空間に向かって開放された位置に配置されている。
【0076】
図14に示すように、第2切替ガイド71は後処理ユニット30に配置されており、後処理ユニット30と共に装置本体10に組み付けられる。後処理ユニット30の組み付け後の状態で、第2切替ガイド61は、排出ユニット34から排出されるシートPの搬送経路を、第1排出トレイ66に向かう第1経路R1(図15(a))と、折り器31に向かう第2経路R2(図15(b))とに切替える。
【0077】
図17は第2切替ガイド71の駆動機構を示す斜視図であり、図18は、駆動機構の一部の分解斜視図である。第2切替ガイド71は、軸部71a、71bを中心に矢印71c又は矢印71d方向に揺動可能に構成されている。本実施例において、第2切替ガイド71を揺動させる駆動源は、折り器31の4本のローラ(31a~31d)を駆動する駆動源と共用になっている。つまり1つのモータM1によって、第2切替ガイド71及び折り器31の4本のローラ(31a~31d)が駆動される構成になっている。
【0078】
モータM1の回転はギア72に入力される。モータM1が折り器31の4本のローラ(31a~31d)を図5(a~f)に示す回転方向に回転させる場合にギア72が矢印72a方向に回転するように、ギア72とモータM1が連結されている。ギア72の回転は、ギア74,75,76を介して伝達され第2切替ガイド71の軸部71bに取り付けられたギア76が回転することで第2切替ガイド71が揺動する。なお、ギア74とギア75は噛み合ってはおらず、次に説明する摩擦機構で駆動伝達を行う構成とした。
【0079】
図18の分解斜視図に示すように、ギア74は圧縮バネ73によって矢印74bの方向に押圧されている。このバネ力によって、ギア74の円環リブ74aがギア75の面75aに押し付けられて摩擦力が発生する。
【0080】
上記の構成により、モータM1が第1の方向(折り器31に折り処理を実行させるときの回転方向)に回転すると、第2切替ガイド71は矢印71cの方向に揺動する。そして凸部71eが不図示の突き当て部に突き当たったところで、ギア74の円環リブ74aとギア75の面75aの摩擦機構がスリップしてギア75、ギア76、及び第2切替ガイド71は停止する。このように折り器31の4本のローラ(31a~31d)がシートPを折る方向に回転しているとき、第2切替ガイド71は矢印71cの方向に揺動した位置で保持される。この場合、第2切替ガイド71は、中間ローラ34bと第2排出ローラ34cから排出されたシートPを後処理ユニット30に向かう第2経路R2(図15(b))に導くことができる。なお、モータM1が停止した際も、ギア74の円環リブ74aとギア75の面75aで発生している摩擦力によって、第2切替ガイド71は矢印71cの方向に揺動した位置のまま保持される。
【0081】
第2切替ガイド71を矢印71dの方向に揺動させたい場合は、モータM1を逆回転させればよい。ギア72が矢印72bの方向に回転し、第2切替ガイド71の凸部71eが不図示の突き当て部に突き当たったところで、ギア74の円環リブ74aとギア75の面75aの摩擦機構がスリップしてギア75、ギア76、及び第2切替ガイド71は停止する。この場合、第2切替ガイド71は、中間ローラ34bと第2排出ローラ34cから排出されたシートPを第1排出トレイ13に向かう第1経路R1(図15(a))に導くことができる。
【0082】
ところで、図7(a~c)に示したような接着印刷物を作成する際、転写部においてシートPに転写された粉末接着剤Tnは、図19に示すように第1定着器6の加熱ローラ6aによって加熱される。粉末接着剤Tnが塗布されたシートPの面(接着工程で接着される面。以下、接着剤塗布面とする)は、図19における左下側の面である。本実施例では、シートPを第2経路R2に案内する場合に第2切替ガイド71はシートPの接着剤塗布面と直接には接触しない。
【0083】
しかしながら、このような構成においても、第2切替ガイド71への接着剤の付着が生じる可能性がある。例えば、シートPの保管状態が悪い場合や、シートカセット8に対して適切なセット位置からずれた位置にシートPがセットされた場合が挙げられる。このような場合に、シートPに対する転写や定着の工程でシートPが通常と異なる挙動を示すことで、図19に示すように、シートPの本来の接着剤塗布面とは反対側の面に粉末接着剤Tn’が付着する可能性がある。また、シートPの第1面に印刷用トナーで画像を記録し、第2面に粉末接着剤Tnを塗布する動作を装置本体10が繰り返すことで、先行シートの第2面から搬送ガイド又は搬送ローラに付着した粉末接着剤Tnが後続シートの第1面に付着することも考えられる。このように、シートPの本来の接着剤塗布面とは反対側の面に付着した粉末接着剤は、シートPが第2経路R2に搬送される過程で第1切替ガイド33及び第2切替ガイド71に接触する。
【0084】
仮に第1切替ガイド33又は第2切替ガイド71の温度が高くなっているときに融点の低い粉末接着剤Tnが接触すると、粉末接着剤Tnが溶融して第1切替ガイド33又は第2切替ガイド71に付着する可能性がある。しかしながら、実施例1で説明したように第1切替ガイド33は冷却ファン64から送られる風で冷却されており、第1切替ガイド33の温度上昇が抑制される。これにより、第1切替ガイド33への粉末接着剤Tnの付着は抑制される。なお、冷却ファン64で第1切替ガイド33を冷却する構成に代えて、第1切替ガイド33を粉末接着剤Tnが付着しにくい材料で形成し、又は第1切替ガイド33の表面に粉末接着剤Tnが付着しにくいコーティングを施してもいい。
【0085】
一方、第2切替ガイド71の上部は開放されており、第2切替ガイド71の温度が上昇し始めると、第2切替ガイド71の付近で自然対流が生じて第2切替ガイド71の温度上昇が抑制される。これにより、第2切替ガイド71への粉末接着剤Tnの付着を抑制し、シートの搬送不良が生じる可能性を低減することができる。
【0086】
なお、冷却ファン64は、後処理ユニット30が組み付けられていない装置本体10を画像形成装置として使用する場合でも画像形成装置に備えられる構成である。装置本体10内に設けられる第1切替ガイド33については、この冷却ファン64を用いることでより効率的な冷却を可能としている。一方、オプションとしての後処理ユニット30と共に装置本体10に組み付けられる第2切替ガイド71については、ファンを利用せずに上方が開放された配置とする簡易な構成により温度上昇を抑制している。このように、実施例2では簡易な構成で第1切替ガイド33及び第2切替ガイド71の温度上昇を抑制することができる。
【0087】
(その他の実施形態)
上述の実施例1~3で説明した形態では画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジ7nの一部として粉末接着剤Tnの粉体収容部104nが設けられている構成を例示した。これに代えて、粉体収容部104nを有するトナーカートリッジ又はトナーボトル等のユニットがプロセスカートリッジとは別々に画像形成装置に対して着脱される構成であってもよい。また、粉体収容部104nは画像形成装置に組み込まれていて、粉末接着剤Tnを外部から補給する構成であってもよい。いずれの場合でも、粉体収容部104nに関して実施例1~3で説明した構成を適用可能である。
【0088】
また、画像形成装置の装置本体10に後処理ユニット30がオプションとして取り付けられる構成に代えて、後処理ユニット30の各部の機能が装置本体に一体に組み込まれた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1…画像形成装置/1e…画像形成手段(画像形成ユニット)/6…定着手段(第1定着器)/10…装置本体/13、66…積載部(第1排出トレイ)/30…処理ユニット(後処理ユニット)/31…折り手段(折り器)/32…接着手段(第2定着器)/34…搬送部材(排出ユニット)/34…排出手段(排出ユニット)/61,65,71…切替部材(第2切替ガイド)/62…カバー部材(上部カバー)/R1…第1経路/R2…第2経路/Tn…粉末接着剤/Ty,Tm,Tc…印刷用トナー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19