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  • 特許-給電装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】給電装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 11/00 20060101AFI20240318BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240318BHJP
   B60N 2/06 20060101ALI20240318BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20240318BHJP
【FI】
H02G11/00
B60R16/02 620A
B60N2/06
B60N2/90
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020182435
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022072794
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伸次
(72)【発明者】
【氏名】土田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】高須 勝利
(72)【発明者】
【氏名】井口 杉之
(72)【発明者】
【氏名】柴田 友容
(72)【発明者】
【氏名】逑金 志遠
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-187813(JP,A)
【文献】特開2014-124032(JP,A)
【文献】特開2007-137339(JP,A)
【文献】特開平10-112922(JP,A)
【文献】特開2015-185240(JP,A)
【文献】実開平2-60621(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 11/00
B60R 16/02
B60N 2/06
B60N 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドレールに沿って移動可能なスライドシートへと、自動車の車両本体から配策されるワイヤハーネスと、
前記スライドシートに固定されて前記ワイヤハーネスにおける前記スライドシートの位置に応じた余長部分を、前記スライドシートの移動に応じて出し入れ口から出し入れ可能に収容するハーネス収容部と、
一端部が前記スライドレールに連結されるとともに、他端部で前記出し入れ口を出た前記ワイヤハーネスを保持するハーネス保持部と、
前記ハーネス収容部とともに前記スライドシートに固定され、前記ハーネス保持部における前記他端部を前記スライドシートの移動に応じて前記出し入れ口に対して接離させて当該出し入れ口から前記ワイヤハーネスが出し入れされるように前記スライドレールに沿って案内するとともに、前記出し入れ口から出し入れされる前記ワイヤハーネスを収容するハーネスレールと、
を備えたことを特徴とする給電装置。
【請求項2】
前記ハーネスレールが、前記ハーネス収容部と前記スライドレールとの間に当該スライドレールに沿って、前記ハーネス保持部における前記他端部、及び前記出し入れ口から出し入れされる前記ワイヤハーネス、を相互間に挟むように延在する一対の側板部を有していることを特徴とする請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
前記ハーネスレールの両端部を塞ぐように設けられ、前記ハーネス保持部を当接させることで前記出し入れ口に対する前記ハーネス保持部の移動範囲を規制する一対のストッパを更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の給電装置。
【請求項4】
前記一対のストッパのうち前記出し入れ口から遠いストッパが、前記ハーネスレールの端部を塞ぐとともに前記車両本体における前記スライドレールの設置面と前記スライドシートとの間を塞ぐように当該スライドシートの幅方向に延在していることを特徴とする請求項3に記載の給電装置。
【請求項5】
前記一対のストッパのうち前記出し入れ口に近いストッパが、前記ハーネスレールの端部を塞ぐように、前記ハーネス収容部の前記スライドレールの側の端縁における前記出し入れ口寄りの部分から、当該ハーネス収容部と一体の部位として前記スライドレールに向かって突出した突起部であることを特徴とする請求項3又は4に記載の給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドシートに搭載された各種機器にワイヤハーネスを介して電源を供給する給電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のスライドシートに搭載された各種機器に電源を供給する給電装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この給電装置では、スライドシートが、スライドレールに沿って移動可能となっている。スライドレールが設けられる車両本体には、スライドレールにおけるスライドシートの位置に応じた給電用のワイヤハーネスの余長部分を収容するハーネス収容部が設けられている。ワイヤハーネスは、スライドシートと一緒に移動してハーネス収容部からワイヤハーネスを出し入れするスライダを経てスライドシートへと配策される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-227050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述した構成では、車両本体に設けられたハーネス収容部におけるワイヤハーネスの出し入れ口からスライダを経てスライドシートに至るまでの間でワイヤハーネスが露出しがちとなる。露出したワイヤハーネスは、車室内の搭乗者によって見られるとともに触れられる可能性があり、望ましいものではない。
【0005】
従って、本発明は、上記のような問題に着目し、スライドシートに対する給電を、ワイヤハーネスの露出を抑えて行うことができる給電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、給電装置が、スライドレールに沿って移動可能なスライドシートへと、自動車の車両本体から配策されるワイヤハーネスと、前記スライドシートに固定されて前記ワイヤハーネスにおける前記スライドシートの位置に応じた余長部分を、前記スライドシートの移動に応じて出し入れ口から出し入れ可能に収容するハーネス収容部と、一端部が前記スライドレールに連結されるとともに、他端部で前記出し入れ口を出た前記ワイヤハーネスを保持するハーネス保持部と、前記ハーネス収容部とともに前記スライドシートに固定され、前記ハーネス保持部における前記他端部を前記スライドシートの移動に応じて前記出し入れ口に対して接離させて当該出し入れ口から前記ワイヤハーネスが出し入れされるように前記スライドレールに沿って案内するとともに、前記出し入れ口から出し入れされる前記ワイヤハーネスを収容するハーネスレールと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記の給電装置によれば、ワイヤハーネスの余長部分を収容するハーネス収容部がスライドシートに固定されているので、ワイヤハーネスにおけるスライドシートの側の部分が略ハーネス収容部に収容されて隠されることとなる。更に、ハーネス保持部によって保持されてハーネス収容部の出し入れ口から出し入れされる、ワイヤハーネスにおける車両本体の側の部分は、当該部分を収容するハーネスレールによって隠されることとなる。このように上記の給電装置によれば、車両本体からスライドシートに至るワイヤハーネスの殆どが隠れることから、スライドシートに対する給電を、ワイヤハーネスの露出を抑えて行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態にかかる給電装置を示す模式的な斜視図である。
図2図1に示されている給電装置を、スライドシートがスライドレールの上を最も前方側の位置まで進められたフロントモスト状態で示す模式的な斜視図である。
図3図1及び図2に示されている給電装置において、ワイヤハーネスが、ハーネス収容部、ハーネス保持部、及びハーネスレールを介して配策される様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、給電装置の一実施形態について説明する。
【0010】
図1は、一実施形態にかかる給電装置を示す模式的な斜視図である。
【0011】
この図1に示されている給電装置1は、スライドシートSH1を有する自動車C1に搭載される装置である。図1の斜視図における左右方向が自動車C1の前後方向D11に相当し、図中右側が前方に相当し、図中左側が後方に相当する。この点は、給電装置1を図示する他の図2及び図3においても同様である。
【0012】
スライドシートSH1は、自動車C1の車両本体C11における設置面C11aに前後方向D11に延在するように設置されたスライドレールSR1に取り付けられている。スライドシートSH1は、このスライドレールSR1に設けられた前後方向D11のスリットSL1に沿って移動可能となっている。尚、図1には、スライドシートSH1がスライドレールSR1の上を最も後方側の位置まで下げられたリアモスト状態における給電装置1が図示されている。
【0013】
図2は、図1に示されている給電装置を、スライドシートがスライドレールの上を最も前方側の位置まで進められたフロントモスト状態で示す模式的な斜視図である。
【0014】
給電装置1は、スライドシートSH1に搭載された各種機器にワイヤハーネス11を介して電源を供給する装置であり、ワイヤハーネス11と、ハーネス収容部12と、ハーネス保持部13と、ハーネスレール14と、一対のストッパ15と、を備えている。
【0015】
ワイヤハーネス11は、スライドシートSH1へと、自動車C1の車両本体C11から配策される。このワイヤハーネス11が、ハーネス収容部12、ハーネス保持部13、及びハーネスレール14を介して配策されている。また、ハーネス保持部13は、前後方向D11について、後述するようにハーネスレール14によって、ハーネス保持部13に対して相対的に移動可能に保持される。このときのハーネスレール14の内部におけるハーネス保持部13の移動範囲が、一対のストッパ15によって規制される。
【0016】
図3は、図1及び図2に示されている給電装置において、ワイヤハーネスが、ハーネス収容部、ハーネス保持部、及びハーネスレールを介して配策される様子を示す模式図である。この図3には、給電装置1におけるハーネス収容部12、ハーネス保持部13、ハーネスレール14、及び一対のストッパ15が、図1に示されているリアモスト状態と、図2に示されているフロントモスト状態と、で図示されている。リアモスト状態が図中の上段に示され、フロントモスト状態が下段に示されている。また、ハーネス収容部12及びハーネスレール14については、それぞれの内部構造が見えるように示されている。
【0017】
ハーネス収容部12は、スライドシートSH1に固定されてワイヤハーネス11におけるスライドシートSH1の位置に応じた余長部分を、スライドシートSH1の移動に応じて出し入れ可能に収容する。このハーネス収容部12は、扁平な矩形箱状のケースである。そして、図1及び図2に示されているように、厚み方向かつ長辺方向に延在する一側面がスライドレールSR1のスリットSL1に沿うように、当該一側面をスリットSL1に向けて立てられた縦置き姿勢で配置される。このような縦置き姿勢のハーネス収容部12が、上記の一側面がスリットSL1と対面するように、スライドシートSH1における座部SH11の下面における側方寄りに固定される。また、ハーネス収容部12では、スリットSL1と対面する一側面における前後方向D11の前方側に、後方側を向いてワイヤハーネス11の出し入れ口121が開口している。また、ワイヤハーネス11における出し入れ口121とは反対側は、ハーネス収容部12の不図示の出口から出て、スライドシートSH1の各種機器へと向かう。
【0018】
ハーネス保持部13は、一端部131がスライドレールSR1に連結されるとともに、他端部132で出し入れ口121を出たワイヤハーネス11を保持する。本実施形態では、ハーネス保持部13は、矩形筒形状に形成され、その中心軸がスライドレールSR1と交差する縦置き姿勢で、下端部に当たる一端部131がスリットSL1に嵌め込まれて固定されている。ハーネス収容部12の出し入れ口121を出たワイヤハーネス11は、ハーネス保持部13の他端部132から内部に挿通され、不図示の出口を出て車両本体C11に搭載された電源等へと向かう。ハーネス収容部12がスライドシートSH1に固定され、ハーネス保持部13がスライドレールSR1に連結されることから、スライドシートSH1が前方に移動すると、ハーネス保持部13が出し入れ口121から離される。その結果、スライドシートSH1が前方に移動するときにはワイヤハーネス11が後方へと引き出される。逆に、スライドシートSH1が後方に移動すると、ハーネス保持部13が出し入れ口121に接近するので、ワイヤハーネス11が出し入れ口121に差し入れられて余長部分がハーネス収容部12に収容される。
【0019】
ハーネスレール14は、ハーネス収容部12とともにスライドシートSH1に固定される。そして、ハーネス保持部13における他端部132をスライドシートSH1の移動に応じて出し入れ口121に対して接離させて当該出し入れ口121からワイヤハーネス11が出し入れされるようにスライドレールSR1に沿って案内する。また、ハーネスレール14は、出し入れ口121から出し入れされるワイヤハーネス11を収容する。
【0020】
ここで、ハーネスレール14は、各々が長方形状の一対の側板部141と、それら一対の側板部141における一の長辺どうしを繋ぐ端板部142と、を備え、レール端部から見たときにC字形状をなす扁平な矩形溝形状に形成されている。そして、図1図3に示されているように、厚み方向かつ長辺方向に延在する溝開口がスライドレールSR1のスリットSL1に沿うように、当該溝開口をスリットSL1に向けて立てられた縦置き姿勢で配置される。このような縦置き姿勢のハーネスレール14が、溝開口がスライドレールSR1のスリットSL1と対面するようにハーネス収容部12を介してスライドシートSH1に固定される。また、一対の側板部141は、ハーネス収容部12とスライドレールSR1との間に当該スライドレールSR1に沿って延在する。そして、これら一対の側板部141が、ハーネス保持部13における他端部132、及び出し入れ口121から出し入れされるワイヤハーネス11、を相互間に挟んでいる。
【0021】
一対のストッパ15は、ハーネスレール14の両端部を塞ぐように設けられ、ハーネス保持部13を当接させることで出し入れ口121に対するハーネス保持部13の移動範囲を規制する。
【0022】
ここで、一対のストッパ15のうち出し入れ口121から遠い、前後方向D11における後端側ストッパ151は次のように形成されている。即ち、この後端側ストッパ151は、ハーネスレール14の後端部を塞ぐとともに車両本体C11におけるスライドレールSR1の設置面C11aとスライドシートSH1との間を塞ぐように当該スライドシートSH1の幅方向D12に延在している。本実施形態では、後端側ストッパ151が長方形帯板状に形成されている。
【0023】
また、一対のストッパ15のうち出し入れ口121に近い、前後方向D11における前端側ストッパ152は次のように形成されている。即ち、この前端側ストッパ152は、ハーネスレール14の前端部を塞ぐようにハーネス収容部12から突出した突起部となっている。この突起部は、ハーネス収容部12と樹脂で一体成形された部位であり、ハーネス収容部12のスライドレールSR1の側の端縁における出し入れ口121寄りの部分から、スライドレールSR1に向かって突出している。
【0024】
このように構成された給電装置1では、スライドシートSH1がリアモスト状態にあるときにワイヤハーネス11の余長部分がハーネス収容部12の内部に、出し入れ口121から離れた端部近傍まで収容される。このリアモスト状態からスライドシートSH1が前方側に動かされると、ハーネス収容部12とともにスライドシートSH1と一緒に移動するハーネスレール14の内部で、ハーネス保持部13が、出し入れ口121から離隔する。このハーネス保持部13により、ハーネス収容部12の内部のワイヤハーネス11が出し入れ口121から引き出される。他方、フロントモスト状態からスライドシートSH1が後方側に動かされると、給電装置1においてハーネス保持部13が逆向きに移動して出し入れ口121に近づく。このハーネス保持部13により、ワイヤハーネス11がハーネス収容部12の内部へと出し入れ口121から挿入される。このように、給電装置1では、スライドシートSH1の移動に追随してワイヤハーネス11がハーネス収容部12から出し入れされる。
【0025】
以上に説明した実施形態の給電装置1によれば、ワイヤハーネス11の余長部分を収容するハーネス収容部12がスライドシートSH1に固定されている。このハーネス収容部12により、ワイヤハーネス11におけるスライドシートSH1の側の部分が略ハーネス収容部12に収容されて隠されることとなる。更に、ハーネス保持部13によって保持されてハーネス収容部12の出し入れ口121から出し入れされる、ワイヤハーネス11における車両本体C11の側の部分は、当該部分を収容するハーネスレール14によって隠されることとなる。このように上記の給電装置1によれば、車両本体C11からスライドシートSH1に至るワイヤハーネス11の殆どが隠れることから、ワイヤハーネス11の露出を抑えて行うことができる。
【0026】
ここで、本実施形態では、ハーネスレール14の一対の側板部141によって、ハーネス保持部13の他端部132、及び出し入れ口121から出し入れされるワイヤハーネス11が挟まれる。この構成によれば、一対の側板部141でハーネス保持部13における他端部132とワイヤハーネス11挟むことで、ハーネス保持部13の案内とワイヤハーネス11の収容とを部品数を抑えて良好に行うことが出来る。
【0027】
また、本実施形態では、ハーネスレール14の両端部を塞いでハーネス保持部13の移動範囲を規制する一対のストッパ15が設けられている。この構成によれば、スライドシートSH1の側に設けられる一対のストッパ15と、スライドレールSR1の側に設けられるハーネス保持部13と、によってスライドレールSR1からのスライドシートSH1の脱落等を効果的に抑制することができる。また、一対のストッパ15によってハーネスレール14の両端部が塞がれることから、ハーネス収容部12の出し入れ口121から出てハーネスレール14に収容されるワイヤハーネス11の、ハーネスレール14の両端部からの飛出し等も抑えられる。つまり、上記の構成によれば、ワイヤハーネス11の露出を一層抑えることもできる。
【0028】
また、本実施形態では、一対のストッパ15のうち出し入れ口121から遠い後端側ストッパ151が、スライドレールSR1の設置面C11aとスライドシートSH1との間を塞ぐように当該スライドシートSH1の幅方向D12に延在している。ハーネスレール14におけるハーネス収容部12の出し入れ口121から遠い端部の近傍では出し入れ口121からのワイヤハーネス11がスライドレールSR1の設置面C11aへと配策される。上記の構成によれば、後端側ストッパ151が、設置面C11aとスライドシートSH1との間を塞ぐように延在しているので、ワイヤハーネス11における設置面C11aの側の部分がストッパ15によって隠されることとなる。このように、上記の構成によれば、ワイヤハーネス11の露出を一層抑えることができる。
【0029】
また、一対のストッパ15のうち出し入れ口121に近い前端側ストッパ152が、ハーネス収容部12の端縁における出し入れ口121寄りの部分から一体の部位として突出した突起部となっている。この構成によれば、ハーネス収容部12の出し入れ口121に近い前端側ストッパ152が、ハーネス収容部12から、当該ハーネス収容部12と一体の部位として突出した突起部であることから、部品点数等が抑えられ、その分コストを低減させることができる。
【0030】
尚、以上に説明した実施形態は給電装置の代表的な形態を示したに過ぎず、給電装置は、これに限定されるものではなく種々変形して実施することができる。
【0031】
例えば、上述の実施形態では、給電装置の一例として、各々が縦置き姿勢で配置される、矩形箱形状のハーネス収容部12と、矩形筒形状のハイネス保持部13と、矩形溝形状のハーネスレール14と、を備えた給電装置1が例示されている。しかしながら、給電装置における各部の具体的な配置姿勢や形状は、これらに限るものではなく、任意の配置姿勢や形状に設定し得るものである。
【0032】
また、上述の実施形態では、ハーネスレールの一例として、一対の側板部141でハーネス保持部13と出し入れ口121から出し入れされるワイヤハーネス11を挟むハーネスレール14が例示されている。しかしながら、ハーネスレールは、これに限るものではなく、ハーネス保持部の案内と出し入れされるワイヤハーネスの収容が可能であれば、その具体的な形状を問うものではない。ただし、一対の側板部141でハーネス保持部13とワイヤハーネス11挟むことで、ハーネス保持部13の案内とワイヤハーネス11の収容とを部品数を抑えて良好に行うことが出来る点は上述した通りである。
【0033】
また、上述の実施形態では、給電装置の一例として、ハーネスレール14の両端部を塞いでハーネス保持部13の移動範囲を規制する一対のストッパ15が設けられた給電装置1が例示されている。しかしながら、給電装置は、これに限るものではなく、このようなストッパを設けないこととしてもよい。ただし、上記のストッパ15を設けることで、スライドレールSR1からのスライドシートSH1の脱落等を効果的に抑制でき、ワイヤハーネス11の露出を一層抑えることもできる点は上述した通りである。
【0034】
また、上述の実施形態では、一対のストッパのうちハーネス収容部の出し入れ口から遠いストッパの一例として、スライドレールSR1の設置面C11aとスライドシートSH1との間を塞ぐように幅方向D12に延在した後端側ストッパ151が例示されている。しかしながら、出し入れ口から遠いストッパは、これに限るものではなく、ハーネスレールの端部のみを塞ぐように、スライドシートの幅方向について局所的に設けられたもの等であってもよい。ただし、上記のように幅方向D12に延在した後端側ストッパ151を設けることで、ワイヤハーネス11の露出を一層抑えることができる点は上述した通りである。
【0035】
また、上述の実施形態では、一対のストッパのうちハーネス収容部の出し入れ口に近いストッパの一例として、ハーネス収容部12の端縁における出し入れ口121寄りの部分から一体の部位として突出した突起部となった前端側ストッパ152が例示されている。しかしながら、出し入れ口に近いストッパは、これに限るものではなく、ハーネス収容部とは別体に、スライドシートの幅方向に延在するように形成された帯板状の部位等であってもよい。ただし、上記のようにハーネス収容部12と一体の突起部として前端側ストッパ152を設けることで、部品点数等が抑えられ、その分コストを低減させることができる点は上述した通りである。
【符号の説明】
【0036】
1 給電装置
11 ワイヤハーネス
12 ハーネス収容部
13 ハーネス保持部
14 ハーネスレール
15 一対のストッパ
121 出し入れ口
131 一端部
132 他端部
141 一対の側板部
142 端板部
151 後端側ストッパ
152 前端側ストッパ
C1 自動車
C11 車両本体
C11a 設置面
SH1 スライドシート
SH11 座部
SR1 スライドレール
SL1 スリット
D11 前後方向
図1
図2
図3