(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】セルフ給油システム
(51)【国際特許分類】
B67D 7/24 20100101AFI20240318BHJP
【FI】
B67D7/24 B
(21)【出願番号】P 2020193641
(22)【出願日】2020-11-20
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000110099
【氏名又は名称】トキコシステムソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】弁理士法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野澤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 栄三
(72)【発明者】
【氏名】赤見 裕介
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-100289(JP,A)
【文献】特開2018-052570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給油制御装置を有する複数台の給油機と、複数台の前記給油機を制御するためのセルフコントローラと、管理員が保持する無線式の複数の携帯端末と、を備えたセルフ給油システムにおいて、
前記給油制御装置は、給油ノズルをノズル掛けから外してノズルスイッチのオン信号が入力されたときに、その給油機
を特定するための識別信号と給油要求信号を前記セルフコントローラに送信し、
前記セルフコントローラは、前記識別
信号と前記給油要求信号を受信したときに、前記識別
信号と給油許可待ち信号を全ての前記携帯端末に送信し、
いずれかの前記携帯端末が前記識別
信号の前記給油機に対して給油を許可したときに、その携帯端末は、前記識別
信号と確認信号を前記セルフコントローラに送信し、
前記セルフコントローラは、前記携帯端末から前記識別
信号と前記確認信号を受信したときに、前記識別
信号の前記給油機が有する前記給油制御装置に給油許可信号を送信し、前記確認信号を送信した前記携帯端末に前記識別信号と給油中信号を送信し、
前記識別
信号の前記給油機が有する前記給油制御装置は、前記セルフコントローラから前記給油許可信号を受信したときに、前記給油機のポンプを駆動し、
前記携帯端末は、前記セルフコントローラから前記識別信号と前記給油中信号を受信したときに、前記識別
信号の前記給油機が給油中であることを表示することを特徴とするセルフ給油システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、前記セルフコントローラから前記識別
信号と前記給油許可待ち信号を受信したときに、前記識別
信号で特定された給油機が給油許可待ち状態であることを表示することを特徴とする請求項1に記載のセルフ給油システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、セルフサービス給油を行う給油所に適用されるセルフ給油システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、係員が事務所から給油機の近傍に移動したときに、係員がリモートコントローラを操作することによって、給油機の給油許可を行うことができるセルフ給油システムが開示されている。これにより、特許文献1に開示されたシステムでは、給油機の給油許可を行うときに、係員が事務所に戻る必要がなく、給油所の運営効率が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されたシステムでは、リモートコントローラを操作したときに、その操作内容をリモートコントローラで確認することができない。このため、給油許可状態であるか否かは、給油機の動作状態を確認する、または事務所内に設けられた給油所制御装置の表示画面を確認する必要があった。
【0005】
本発明の一実施形態の目的は、操作内容を携帯端末で確認することが可能なセルフ給油システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態は、給油制御装置を有する複数台の給油機と、複数台の前記給油機を制御するためのセルフコントローラと、管理員が保持する無線式の複数の携帯端末と、を備えたセルフ給油システムにおいて、前記給油制御装置は、給油ノズルをノズル掛けから外してノズルスイッチのオン信号が入力されたときに、その給油機を特定するための識別信号と給油要求信号を前記セルフコントローラに送信し、前記セルフコントローラは、前記識別信号と前記給油要求信号を受信したときに、前記識別信号と給油許可待ち信号を全ての前記携帯端末に送信し、いずれかの前記携帯端末が前記識別信号の前記給油機に対して給油を許可したときに、その携帯端末は、前記識別信号と確認信号を前記セルフコントローラに送信し、前記セルフコントローラは、前記携帯端末から前記識別信号と前記確認信号を受信したときに、前記識別信号の前記給油機が有する前記給油制御装置に給油許可信号を送信し、前記確認信号を送信した前記携帯端末に前記識別信号と給油中信号を送信し、前記識別信号の前記給油機が有する前記給油制御装置は、前記セルフコントローラから前記給油許可信号を受信したときに、前記給油機のポンプを駆動し、前記携帯端末は、前記セルフコントローラから前記識別信号と前記給油中信号を受信したときに、前記識別信号の前記給油機が給油中であることを表示することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、操作内容を携帯端末で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態によるセルフ給油システムを模式的に示す全体構成図である。
【
図2】
図1中の給油機を模式的に示す構成図である。
【
図3】給油機、セルフコントローラおよび携帯端末の制御処理を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態によるセルフ給油システムを、添付図面に従って詳細に説明する。
【0010】
図1は、セルフ給油システムを実施した給油所1を模式的に示している。
図1において、給油所1の敷地には複数(例えば4個)のアイランド2A~2Dが設けられている。アイランド2A~2Dには、それぞれ給油機3A~3Dが設置されている。給油機3A~3Dは、例えば2つの給油系統を備えている。なお、給油機は、単一の給油系統を備えたものでもよく、3つ以上の給油系統を備えたものでもよい。
【0011】
給油所1には、管理所4が設けられている。管理所4には、給油機3A~3Dに対する給油許可の制御処理等を行うセルフコントローラ5と、販売時点情報管理を行うPOS端末6とが設けられている。セルフコントローラ5およびPOS端末6は、信号線7を介して、給油機3A~3Dに接続されている。このとき、セルフコントローラ5と給油機3A~3Dは、信号線7によるLAN(Local Area Network)によって相互に接続されている。これにより、セルフコントローラ5と給油機3A~3Dは、相互に各種の信号の送信と受信が可能となっている。
【0012】
給油所1には、管理員が保持する複数(例えば3個)の携帯端末8A~8Cが設けられている。携帯端末8A~8Cとセルフコントローラ5は、無線により相互に信号の送信と受信が可能になっている。
【0013】
図2は、給油機3A~3Dに設けられた一の給油系統の構成を示す構成図である。給油機3A~3Dは、いずれも同じ構成を備えている。このため、以下では、給油機3Aを例に挙げて、その給油系統について説明する。
【0014】
図2において、給油機3Aのハウジング9内には給油管10が配設されている。給油管10の基端は、貯油タンクTに接続されている。給油管10の途中には、ポンプ11、流量計12および制御弁13が設けられている。給油管10の先端には、給油ホース14が接続されている。
【0015】
給油ホース14の先端には、給油ノズル15が設けられている。給油ノズル15はノズル掛け16に係止される。ノズル掛け16には、ノズルスイッチ17が設けられている。
【0016】
給油機3Aのハウジング9には、上述した機器に加えて、給油制御装置18および給油量表示器19が設けられている。給油機3Aに設けられている各機器は、信号伝達ラインにより給油制御装置18に接続されている。
【0017】
給油制御装置18は、ノズルスイッチ17からオン信号を受けて、給油機3Aを特定する識別信号と給油要求信号(給油機3Aが給油要求の状態である旨の信号)をセルフコントローラ5へ送信する。セルフコントローラ5は、給油機3Aからの識別信号と給油要求信号をPOS端末6へ送信する。その後、セルフコントローラ5がPOS端末6から給油許可信号を受信すると、セルフコントローラ5は、給油制御装置18へ識別信号と給油許可信号を送信する。なお、POS端末6は、セルフコントローラ5から給油要求信号を受信すると、POS端末6に給油要求信号を送信した給油機3Aを特定する識別信号と給油許可信号とをセルフコントローラ5に送信するようになっている。
【0018】
給油制御装置18は、セルフコントローラ5から識別信号と給油許可信号を受信して、制御弁13を開弁すると共に、ポンプ11を駆動させる機能を有している。また、給油制御装置18は、流量計12から流量信号を受信して、流量信号から給油量を演算する機能と、演算結果である給油量を給油量表示器19に表示すると共に、識別信号と給油量信号をセルフコントローラ5へ送信する機能とを有している。
【0019】
さらに、給油制御装置18は、ノズルスイッチ17からオフ信号(給油が終了した旨の信号)を受信してポンプ11を停止し、識別信号と給油終了信号をセルフコントローラ5へ送信する機能をも有している。
【0020】
携帯端末8A~8Cは、例えばタブレット端末、スマートフォンによって構成されている。携帯端末8A~8Cは、セルフコントローラ5との間で信号の送信および受信が可能となっている。携帯端末8A~8Cは、セルフコントローラ5から識別信号と給油許可待ち信号を受信すると、給油許可操作を待機する状態になる。この状態で、管理員が携帯端末8A~8Cを用いて給油許可操作を行うと、携帯端末8A~8Cは、識別信号と確認信号をセルフコントローラ5へ送信する。
【0021】
携帯端末8A~8Cは、セルフコントローラ5から識別信号と給油中信号を受信すると、表示画面に識別信号で特定された給油機(例えば給油機3A)が給油中である旨を表示する。携帯端末8A~8Cは、セルフコントローラ5から識別信号と給油量を受信すると、表示画面に識別信号で特定された給油機の給油量を表示する。通常、給油量は連続的に受信するので、表示画面上、給油量は連続的にカウントアップされる。
【0022】
携帯端末8A~8Cは、セルフコントローラ5から識別信号と給油終了信号を受信すると、表示画面に識別信号で特定された給油機の給油が終了して次回の給油を待機している状態である旨を表示する。
【0023】
次に、
図3を参照して、本実施形態によるセルフ給油システムの制御処理について説明する。なお、
図3に示す流れ図のステップは、それぞれ「S」という表記を用い、例えばステップ1を「S1」として示す。
【0024】
図3は、給油機3A~3D、セルフコントローラ5および携帯端末8A~8Cの制御処理を示している。なお、ここでは、給油機3Aによる給油を携帯端末8Aによって許可する場合を例に挙げて説明する。他の給油機3B~3Dや他の携帯端末8B,8Cを用いる場合でも、セルフ給油システムの制御処理は同様である。
【0025】
給油に際して、まず、給油客(顧客)は、燃料の被供給対象となる自動車を給油機3Aの前に停車させて、油種、定量/定額/満タン給油等をプリセット入力した後、給油ノズル15をノズル掛け16から外して自動車の給油口へ挿入する。給油ノズル15をノズル掛け16から外すことにより、ノズルスイッチ17からオン信号が給油制御装置18に入力される。
【0026】
図3のステップS1では、給油機3Aの給油制御装置18は、ノズルスイッチ17のオン信号が入力されたか否かを判断する。ノズルスイッチ17のオン信号が給油制御装置18に入力された場合、ステップS1で「YES」と判定し、ステップS2に移行する。ステップS2では、給油機3Aの給油制御装置18は、複数の給油機3A~3Dのうち給油機3Aを特定する識別信号と、給油要求信号と、をセルフコントローラ5へ送信する。そして、ステップS3に進む。
【0027】
図3において、セルフコントローラ5は、ステップS11で、識別信号と給油要求信号を給油機3A~3Dから受信したか否かを判断する。給油機3Aが発信した識別信号と給油要求信号をセルフコントローラ5が受信した場合、ステップS11で「YES」と判定する。このとき、セルフコントローラ5は、給油機3Aの識別信号と給油要求信号、および給油客のプリセット入力情報をPOS端末6へ転送する。
【0028】
セルフコントローラ5から発信された給油機3Aの識別信号と給油要求信号、および給油客のプリセット入力情報をPOS端末6が受信した際には、POS端末6は、給油要求の可否を判断して、給油機3Aの識別信号と給油許可信号をセルフコントローラ5へ送信する。POS端末6から給油機3Aの識別信号と給油許可信号を受信したセルフコントローラ5は、ステップS12で、給油機3Aの識別信号と給油許可待ち信号を携帯端末8A~8Cに送信する。
【0029】
管理員が所持している携帯端末8Aは、ステップS21で、セルフコントローラ5から識別信号と給油許可待ち信号を受信したか否かを判断する。携帯端末8Aは、給油機3Aの識別信号と給油許可待ち信号を受信した場合、ステップS21で「YES」と判定し、ステップS22に移行する。ステップS22では、携帯端末8Aは、給油機3Aの給油許可待ち状態を表示する。
【0030】
この状態で、管理員が給油客の給油行為等の安全を直視にて確認し、携帯端末8Aに対して給油機3Aの給油許可操作を行った場合、ステップS23で「YES」と判定し、ステップS24に移行する。ステップS24では、携帯端末8Aは、給油機3Aの識別信号と確認信号をセルフコントローラ5に送信する。
【0031】
セルフコントローラ5が携帯端末8Aから給油機3Aの識別信号と確認信号を受信した場合、ステップS13で「YES」と判定し、ステップS14に移行する。ステップS14では、セルフコントローラ5は、給油機3Aの識別信号と給油許可信号を給油制御装置18に送信する。続くステップS15では、セルフコントローラ5は、給油機3Aの識別信号と給油中信号を携帯端末8Aに送信する。
【0032】
もちろん、携帯端末8B、あるいは携帯端末8Cにて給油機3Aの給油許可操作を行った場合も同様の処理を行う。また、携帯端末8A~8Cが同時に給油機3Aの給油許可操作を行った場合、最初にセルフコントローラ5が受信し処理した携帯端末の操作が優先されるようになっている。
【0033】
携帯端末8Aがセルフコントローラ5から給油機3Aの識別信号と給油中信号を受信した場合、ステップS25で「YES」と判定し、ステップS26に移行する。ステップS26では、携帯端末8Aは、表示画面に給油機3Aが給油中である旨を表示する。
【0034】
なお、ステップS15では、セルフコントローラ5は、携帯端末8Aに限らず、携帯端末8B,8Cにも、給油機3Aの識別信号と給油中信号を送信してもよい。この場合、携帯端末8B,8Cも、携帯端末8Aと同様に、セルフコントローラ5から給油機3Aの識別信号と給油中信号を受信して、表示画面に給油機3Aが給油中である旨を表示してもよい。
【0035】
給油機3Aの給油制御装置18がセルフコントローラ5から給油機3Aの識別信号と給油許可信号を受信した場合、ステップS3で「YES」と判定し、ステップS4に移行する。ステップS4では、給油機3Aの給油制御装置18は、制御弁13を開弁すると共に、ポンプ11を駆動する。ステップS4でポンプ11が駆動すると、給油管10内の油はポンプ11で圧送され、流量計12で軽量され、給油ホース14を介して給油ノズル15から自動車へ給油される。
【0036】
図3のステップS5では、給油機3Aの給油制御装置18は、流量計12の流量信号が入力されたか否かを判断する。給油機3Aの給油制御装置18に流量信号が入力された場合、ステップS5で「YES」と判定し、ステップS6に移行する。ステップS6では、給油機3Aの給油制御装置18は、給油量を演算して給油機3Aの給油量表示器19に表示すると共に、給油機3Aの識別信号と給油量をセルフコントローラ5に送信する。
【0037】
セルフコントローラ5が給油機3Aの識別信号と給油量を受信した場合、ステップS16で「YES」と判定し、ステップS17に移行する。ステップS17では、セルフコントローラ5は、給油機3Aの識別信号と給油量を携帯端末8Aに送信する。携帯端末8Aが給油機3Aの識別信号と給油量を受信した場合、ステップS27で「YES」と判定し、ステップS28に移行する。ステップS28では、携帯端末8Aは、表示画面に給油機3Aの給油量を表示する。
【0038】
なお、ステップS17では、セルフコントローラ5は、携帯端末8Aに限らず、携帯端末8B,8Cにも、給油機3Aの識別信号と給油量を送信してもよい。この場合、携帯端末8B,8Cも、携帯端末8Aと同様に、セルフコントローラ5から給油機3Aの識別信号と給油量を受信して、表示画面に給油機3Aの給油量を表示してもよい。
【0039】
図3のステップS7では、給油ノズル15がノズル掛け16に係止されて、ノズルスイッチ17のオフ信号が給油機3Aの給油制御装置18へ入力されたか否かを判断する。ノズルスイッチ17のオフ信号が給油制御装置18に入力された場合、ステップS7で「YES」と判定し、ステップS8に移行する。ステップS8では、給油制御装置18は、制御弁13を閉弁すると共に、ポンプ11の駆動を停止し、給油機3Aの識別信号と給油終了信号をセルフコントローラ5へ送信する。これにより、給油機3Aにおける給油に係る制御が終了する。
【0040】
セルフコントローラ5が給油機3Aの識別信号と給油終了信号を受信した場合ステップS18で「YES」と判定し、ステップS19に移行する。ステップS19では、セルフコントローラ5は、給油機3Aの識別信号と給油終了信号を携帯端末8Aに送信する。これに加えて、セルフコントローラ5は、給油機3Aの識別信号、給油量信号および給油終了信号をPOS端末6へ送信する。これにより、セルフコントローラ5における給油に係る制御が終了する。
【0041】
携帯端末8Aが給油終了信号を受信した場合、ステップS29で「YES」と判定し、ステップS30に移行する。ステップS30では、携帯端末8Aは、給油機3Aの給油が終了して待機状態である旨を表示画面に表示する。これにより、携帯端末8Aにおける給油に係る制御が終了する。
【0042】
なお、ステップS19では、セルフコントローラ5は、携帯端末8Aに限らず、携帯端末8B,8Cにも、給油機3Aの識別信号と給油終了信号を送信してもよい。この場合、携帯端末8B,8Cも、携帯端末8Aと同様に、セルフコントローラ5から給油機3Aの識別信号と給油終了信号を受信して、表示画面に給油機3Aの給油が終了して待機状態である旨を表示してもよい。
【0043】
上述したように、給油機3Aから識別信号と給油要求信号を受信したセルフコントローラ5は、給油機3Aの識別信号と給油要求信号をPOS端末6に送信する(
図3のS11が「YES」)。給油機3Aの識別信号と給油要求信号を受信したPOS端末6は、セルフコントローラ5へ給油機3Aの識別信号と給油許可信号を送信する。給油機3Aの識別信号と給油許可信号を受信したセルフコントローラ5は、携帯端末8Aからの給油許可操作を受けたことを条件(
図3のS13が「YES」)に、給油機3Aに対して給油機3Aの識別信号と給油許可信号を送信する(S14)。給油機3Aの識別信号と給油許可信号を受けた給油機3Aは、ポンプ11の駆動を開始する(S4)。
【0044】
また、セルフコントローラ5は、給油機3Aに対して給油機3Aの識別信号と給油許可信号を送信し、給油機3Aからアンサーバック信号を受信したことを条件に、携帯端末8Aに対して給油機3Aの識別信号と給油中を示す信号を送信する(S15)。
【0045】
なお、セルフコントローラ5、携帯端末8A、給油機3Aなどの各機器においては、送信を行った機器(送信側機器)は、受信側機器からアンサーバック信号を受信しないと、次のステップには進まない制御構成となっている。即ち、送信側機器は受信側機器からアンサーバック信号を受信しない場合は、再度受信側機器に送信を行う。さらに、これを複数回行ったにも拘わらず受信側機器からアンサーバック信号が送信されてこない場合は異常(通信異常)を検出する。
【0046】
かくして、本実施形態によれば、例えば給油機3Aの給油制御装置18は、給油ノズル15をノズル掛け16から外してノズルスイッチ17のオン信号が入力されたときに、給油機3Aの識別信号と給油要求信号をセルフコントローラ5に送信し、セルフコントローラ5は、識別信号と給油要求信号を受信したときに、識別信号と給油許可待ち信号を全ての携帯端末8A~8Cに送信する。これにより、全ての携帯端末8A~8Cは、給油機3Aが給油許可待ち状態であることを把握することができる。
【0047】
例えば携帯端末8Aが識別信号の給油機3Aに対して給油を許可したときに、携帯端末8Aは、識別信号と確認信号をセルフコントローラ5に送信する。これにより、セルフコントローラ5は、給油機3Aの給油が許可されたことを把握することができる。
【0048】
このため、セルフコントローラ5は、携帯端末8Aから識別信号と確認信号を受信したときに、識別信号の給油機3Aが有する給油制御装置18に給油許可信号を送信する。給油機3Aの給油制御装置18は、セルフコントローラ5から給油許可信号を受信したときに、給油機3Aのポンプ11を駆動する。これにより、給油機3Aは、自動車等の被供給対象に燃料を供給することができる。
【0049】
また、セルフコントローラ5は、携帯端末8Aから識別信号と確認信号を受信したときに、給油制御装置18に給油許可信号を送信するのに加えて、確認信号を送信した携帯端末8Aに識別信号と給油中信号を送信する。携帯端末8Aは、セルフコントローラ5から識別信号と給油中信号を受信したときに、識別信号の給油機3Aが給油中であることを表示する。これにより、携帯端末8Aを操作した管理員は、携帯端末8Aを目視することによって、給油機3Aの給油が許可されて、正常に給油が開始されたことを把握することができる。
【0050】
さらに、携帯端末8A~8Cは、セルフコントローラ5から識別信号と給油許可待ち信号を受信したときに、識別信号で特定された給油機3Aが給油許可待ち状態であることを表示する。これにより、携帯端末8A~8Cを所持している管理員は、携帯端末8A~8Cを目視することによって、給油許可待ち状態の給油機(例えば給油機3A)を把握することができる。
【0051】
なお、上述の実施態様では、4台の給油機3A~3Dを備えた給油所1を例に挙げて説明したが、本発明は、2台または3台の給油機を備えた給油所に適用してもよく、5台以上の給油機を備えた給油所に適用してもよい。また、上述の実施態様では、3個の携帯端末8A~8Cを備えた給油所1を例に挙げて説明したが、本発明は、2個の携帯端末を備えた給油所に適用してもよく、4個以上の携帯端末を備えた給油所に適用してもよい。
【0052】
また、上述の実施態様では、セルフコントローラ5とPOS端末6とが別々に設けられたセルフ給油システムを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らない。例えばセルフコントローラにPOS端末の機能を持たせることにより、セルフコントローラとPOS端末とを一体に設けたセルフ給油システムに適用できることは言うまでもなく、そのようなシステムも本発明に含まれる。
【0053】
次に、上記実施形態に含まれるセルフ給油システムとして、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
【0054】
第1の態様としては、給油制御装置を有する複数台の給油機と、複数台の前記給油機を制御するためのセルフコントローラと、管理員が保持する無線式の複数の携帯端末と、を備えたセルフ給油システムにおいて、前記給油制御装置は、給油ノズルをノズル掛けから外してノズルスイッチのオン信号が入力されたときに、その給油機の識別信号と給油要求信号を前記セルフコントローラに送信し、前記セルフコントローラは、前記識別番号と前記給油要求信号を受信したときに、前記識別番号と給油許可待ち信号を全ての前記携帯端末に送信し、いずれかの前記携帯端末が前記識別番号の前記給油機に対して給油を許可したときに、その携帯端末は、前記識別番号と確認信号を前記セルフコントローラに送信し、前記セルフコントローラは、前記携帯端末から前記識別番号と前記確認信号を受信したときに、前記識別番号の前記給油機が有する前記給油制御装置に給油許可信号を送信し、前記確認信号を送信した前記携帯端末に前記識別信号と給油中信号を送信し、前記識別番号の前記給油機が有する前記給油制御装置は、前記セルフコントローラから前記給油許可信号を受信したときに、前記給油機のポンプを駆動し、前記携帯端末は、前記セルフコントローラから前記識別信号と前記給油中信号を受信したときに、前記識別番号の前記給油機が給油中であることを表示することを特徴としている。
【0055】
第2の態様としては、第1の態様において、前記携帯端末は、前記セルフコントローラから前記識別番号と前記給油許可待ち信号を受信したときに、前記識別番号で特定された給油機が給油許可待ち状態であることを表示することを特徴としている。
【符号の説明】
【0056】
1 給油所
3A~3D 給油機
5 セルフコントローラ
6 POS端末
8A~8C 携帯端末
11 ポンプ
15 給油ノズル
16 ノズル掛け
17 ノズルスイッチ
18 給油制御装置