(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】隔離された光学エンコーダを備えるロボット駆動装置
(51)【国際特許分類】
G01D 5/347 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
G01D5/347 110S
(21)【出願番号】P 2021191622
(22)【出願日】2021-11-26
(62)【分割の表示】P 2017554577の分割
【原出願日】2017-03-21
【審査請求日】2021-11-26
(32)【優先日】2016-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514062448
【氏名又は名称】パーシモン テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PERSIMMON TECHNOLOGIES, CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】プール デニス
(72)【発明者】
【氏名】ホシェク マルチン
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-139086(JP,A)
【文献】特開2014-123673(JP,A)
【文献】実開昭61-32663(JP,U)
【文献】特開2009-271076(JP,A)
【文献】特開2011-227084(JP,A)
【文献】特開2013-114152(JP,A)
【文献】特表2014-527314(JP,A)
【文献】特開平6-300587(JP,A)
【文献】特開2004-163202(JP,A)
【文献】特表2013-513929(JP,A)
【文献】特表2011-526068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12-5/38
G01B 11/00-11/30
H01L 21/67-21/687
F16J 12/00-15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータアセンブリのハウジングの外部に少なくとも部分的に配置される読取ヘッドの複数の個別の発光器によって、前記ハウジングの内部に配置される参照部材を照射することと、
前記読取ヘッドの複数の個別の光センサによる光センサ配列によって、前記参照部材の少なくとも1つのイメージを映すことと、
を含み、
前記光センサ配列は前記ハウジングの外部に少なくとも部分的に配置され、
前記イメージは、前記ハウジングの開口部を通して、および前記開口部に配置された透明な環境分離壁を通して、前記光センサ配列によって映され、
前記透明な環境分離壁は、前記ハウジングの内部の第1の環境を、前記光センサ配列が内部に配置されている第2の環境から封止し、
前記光センサ配列は前記第1の環境の外部に配置され、前記透明な環境分離壁は、該環境分離壁及び前記開口部を通じて前記ハウジングの内部から到達する前記少なくとも1つのイメージを、前記光センサ配列が映すことを可能にする、
方法であって、
隔壁保持部が前記環境分離壁をシールに押し付けることを含み、
前記隔壁保持部は、フレームによって前記開口部に押し付けられ、
前記フレームは前記開口部に近接して取り付けられ、
前記隔壁保持部と前記フレームとの間の弾性を有する接続部を使用して、前記隔壁保持部が前記フレームに対して動くことを可能とする
、方法。
【請求項2】
方法であって、
モータアセンブリのハウジングの外部に少なくとも部分的に配置される読取ヘッドの少なくとも1つの放射体によって、前記ハウジングの内部に配置される参照部材に電磁放射を当てることと;
前記読取ヘッドの少なくとも1つのセンサにより、前記参照部材からの前記電磁放射の少なくとも1つの反射を観測することと;
を含み、
前記センサは前記ハウジングの外部に少なくとも部分的に配置され、
前記少なくとも1つの反射は、前記ハウジングの開口部を通して、および前記開口部に配置された少なくとも部分的に透明な環境分離壁を通して、前記少なくとも1つのセンサによって観測され、
前記少なくとも部分的に透明な環境分離壁は、前記ハウジングの内部の第1の環境を、前記センサの少なくとも一部が内部に配置されている第2の環境から少なくとも部分的に封止し、
前記センサの少なくとも一部は前記第1の環境の外部に配置され、前記少なくとも部分的に透明な環境分離壁は、該環境分離壁及び前記開口部を通じて前記ハウジングの内部から到達する前記少なくとも1つの反射を、前記センサの少なくとも一部が観測することを可能にし、
隔壁保持部が前記環境分離壁をシールに押し付け、
前記隔壁保持部は、フレームによって前記開口部に押し付けられ、
前記フレームは前記開口部に近接して取り付けられ、
前記隔壁保持部は前記環境分離壁を前記シールに対して付勢し、
更に前記方法は、前記隔壁保持部と前記フレームとの間の弾性を有する接続部を使用して、前記隔壁保持部が前記フレームに対して動くことを可能とすることを含む、
方法。
【請求項3】
前記電磁放射は可視光を含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの放射体は光放射体を含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのセンサは複数のセンサを含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセンサは少なくとも1つのカメラを含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセンサは複数のカメラを含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサはセンサ配列を含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項9】
モータアセンブリのハウジングの外部に少なくとも部分的に配置される、読取ヘッドの複数の個別の電磁波照射器によって、前記ハウジングの内部に配置される参照部材を照射することと、
前記読取ヘッドの複数の個別の電磁波センサによって、前記参照部材の少なくとも1つのイメージを映すことと、
を含み、
前記電磁波センサは前記ハウジングの外部に少なくとも部分的に配置され、
前記少なくとも1つのイメージは、前記ハウジングの開口部を通して、および前記開口部に配置された少なくとも部分的に透明な環境分離壁を通して、前記電磁波センサによって映され、
前記少なくとも部分的に透明な環境分離壁は、前記ハウジングの内部の第1の環境を、前記電磁波センサが内部に配置されている第2の環境から少なくとも部分的に封止し、
前記電磁波センサは前記第1の環境の外部に配置され、
ここで、前記少なくとも部分的に透明な環境分離壁は、該環境分離壁及び前記開口部を通じて前記ハウジングの内部から到達する前記少なくとも1つのイメージを、前記電磁波センサが映すことを可能にし、
前記電磁波センサは少なくとも1つのカメラを有する、
方法であって、
隔壁保持部が前記少なくとも部分的に透明な環境分離壁をシールに押し付けることを含み、
前記隔壁保持部は、フレームによって前記開口部に押し付けられ、
前記フレームは前記開口部に近接して取り付けられ、
前記方法は更に、前記隔壁保持部が前記環境分離壁を前記シールに対して付勢することと、前記隔壁保持部と前記フレームとの間の弾性を有する接続部を使用して、前記隔壁保持部が前記フレームに対して動くことを可能とすることとを含む、方法。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれかに記載の方法を遂行する手段を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的かつ非限定的実施形態は概して位置センシングに関し、より具体的には、光学エンコーダを備えるロボット駆動装置位置センサに関する。
【先行開発技術の簡単な説明】
【0002】
参照することにより全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開公報第2009/0243413号および第2015/0303764号に、非光学エンコーダ読取ヘッドとエンコーダディスクとの間の隔壁が開示されている。
【摘要】
【0003】
以降の摘要は、単に例として示されたものである。この摘要は特許請求の範囲を制限するものではない。
【0004】
一態様では、装置の例示的実施形態が提供される。前記装置は、モータアセンブリのハウジングに、前記ハウジングを貫通して延在する開口部に近接して取り付けられるように構成されるフレームと、前記フレームに接続される、カメラを含む光センサと、前記開口部において前記ハウジングに接続されるように構成される環境分離壁と、を備える。前記環境分離壁は、少なくとも部分的に透明であり、前記カメラが前記環境分離壁および前記開口部を通して前記ハウジング内のイメージを映すことができるように、前記カメラと相対的に配置される。
【0005】
別の態様では、次のような方法が提供される。この方法は、フレームと、前記フレームに接続されるカメラとを備える読取ヘッドを設けることと、前記読取ヘッドをモータアセンブリのハウジングに接続することと、を含む。ここで前記読取ヘッドの前記フレームは、前記ハウジングを貫通して延在する開口部に近接して、前記ハウジングに接続される。前記方法はさらに、前記開口部に環境分離壁を配置して、前記ハウジング内部の第1の環境領域を、前記カメラが内部に配置された第2の環境領域から分離することを含む。前記環境分離壁は、少なくとも部分的に透明であり、前記カメラが前記環境分離壁および前記開口部を通して前記ハウジング内のイメージを映すことができるように、前記カメラと相対的に配置される。
【0006】
別の態様では、次のような方法が提供される。この方法は、モータアセンブリのハウジング外部に少なくとも部分的に配置される読取ヘッドの少なくとも1つの発光器によって、前記ハウジング内部に配置される参照部材を照射することと、前記読取ヘッドの光センサ配列によって、前記参照部材の少なくとも1つのイメージを映すこととを含む。前記光センサ配列は前記ハウジング外部に少なくとも部分的に配置され、前記イメージは、前記ハウジングの開口部を通して、および前記開口部に配置された透明な環境分離壁を通して、前記光センサ配列によって映される。前記透明な環境分離壁は、前記ハウジング内部の第1の環境を、前記光センサ配列が内部に配置されている第2の環境から封止する。前記光センサ配列は前記第1の環境の外部に配置され、前記透明な環境分離壁は、該環境分離壁及び前記開口部を通じて前記ハウジング内部から到達する前記少なくとも1つのイメージを、前記光センサ配列が映すことを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
前述の態様や他の特徴は以降の記述で説明されるが、次の添付図面を参照している。
【0008】
【0009】
【
図2】
図2は、
図1に示す装置の構成要素の一部を示す図である。
【0010】
【0011】
【0012】
【
図4】
図4は、
図3に示す構成要素の一部を示す概略図である。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【
図6】
図6は、
図3および
図4に示すハウジングへのセンサの接続タイプの例を示す図である。
【0017】
【
図7】
図7は、別の例示的実施形態を示す、
図4に類似する図である。
【0018】
【
図8】
図8は、別の例示的実施形態を示す、
図4に類似する図である。
【0019】
【
図9】
図9は、別の例示的実施形態を示す、
図4に類似する図である。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【実施例の詳細説明】
【0026】
図1を参照すると、基板搬送装置12を備える例示的基板処理装置10の上平面略図が示されている。本発明を、図面に示す実施形態を参照して説明するが、他の様々な実施形態の態様によっても実現可能であることを理解されたい。また、任意の適切なサイズ、形状、または種類の要素や材料を使用可能である。
【0027】
基板処理装置10は、基板搬送装置12に加えて、真空チャンバ15に接続された複数の基板処理チャンバ14と基板カセットエレベータ16とを備える。搬送装置12は、少なくとも部分的にチャンバ15内に配置され、チャンバ14とエレベータ16との間で半導体ウェハや平面ディスプレイ等の平面基板を搬送するように構成される。別の実施形態では、搬送装置12は任意の適切なタイプの基板処理装置で用いることができる。
【0028】
従来の真空環境ロボットマニピュレータは通常、アクチュエータやセンサ等の、ロボットマニピュレータのすべての能動部品を収容する駆動部と、その駆動部によって駆動される1つ以上のアームとを備える。アームは通常は受動的なメカニズムである。すなわち、アームは、アクチュエータやセンサのような能動部品を含まない。これは主に、真空環境におけるガス放出、配電、および熱除去が困難なためである。
【0029】
図2も参照すると、基板搬送装置12(または真空対応ロボットシステム)は、駆動部18とアーム20とを備える。駆動部18は2つの回転軸を備える。アーム20は駆動部18に結合される。本例示的実施形態では、アーム20は、第1のリンク22と、第2のリンク24と、エンドエフェクタ26とを備える。第1のリンク22は、駆動部18の第1の回転軸に直接取り付けられる。第2のリンク24は、第1の回転関節28を介して第1のリンク22に結合される。エンドエフェクタ26は、第2の回転関節30を介して第2のリンク24に結合される。図示されている実施形態において、アーム20は、駆動部18および関節28、30においてそれぞれ形成された3つの回転軸90、92、94を備える。本実施形態において、第2のリンク24はベルト/バンド駆動部を介して駆動される。このベルト/バンド駆動部は、第1のプーリと、第1のベルト/バンドと、第2のプーリとを備えてもよい。第1のプーリは駆動部18の第2の回転軸に取り付けられ、第2のプーリはアーム20の第2のリンク24に取り付けられる。エンドエフェクタ26は、別のベルト/バンド機構を介して、駆動部18に対してほぼ径方向を指すように制約される。別のベルト/バンド機構は、第3のプーリと、第2のベルト/バンドと、第4のプーリとを備えてもよい。第3のプーリは第1のリンク22に枢結され、第4のプーリはエンドエフェクタ26に取り付けられる。様々な例示的実施形態において、任意の適切な駆動部、アクチュエータ、センサ等は、本明細書に開示される特徴を有してもよく、米国特許第9,202,733号および第8,716,909号との組合せおよび/または該特許に開示されるとおりの特徴を有してもよい。これらの参照文献はすべて、参照することにより全体が本明細書に組み込まれる。
【0030】
基板搬送装置12は真空ロボットに関連して記述されているが、大気用またはそれ以外の任意の適切な基板搬送装置が、本開示に記載するような特徴を有して提供されてもよい。基板搬送装置12は、コントローラ54と、駆動部18と、アーム20とを備え、基板Sを搬送するように構成される。コントローラ54は、少なくとも1つのプロセッサ32と、少なくとも1つのメモリ34と、駆動部18を制御しセンサからの入力を処理するように構成されたソフトウェアまたはコンピュータコード36とを備えてもよい。アーム20は、スカラ(Selective Compliance Assembly Robot Arm(選択的コンプライアンスアセンブリロボットアーム):SCARA)型アームとして示され、駆動部18によって駆動されるが、別の実施形態では、任意の適切なアームを設けることができる。基板搬送装置12は2リンクアームに関して示されているが、任意の適切な数のリンクを設けてもよい。また、任意の適切な数のアームを設けてもよい。さらに、回転軸および/または直線軸の任意の組合せを、任意の適切なアームに設けてもよい。
【0031】
駆動部18はロボットモータアセンブリを形成する。この例において、ロボットモータアセンブリは固定子と回転子とを備える。これらの固定子と回転子は、第1のリンク22に接続されたシャフトと、第1のリンク内のプーリのうちの1つに接続されたシャフトとを駆動するように構成される。
図3も参照すると、駆動部18はハウジング38を備える。ハウジング38は、駆動部18およびチャンバ15の内部の環境領域40を、駆動部およびチャンバの外部の環境領域42から分離する。位置エンコーダ参照部材またはディスクは、駆動部18の回転子またはシャフトのそれぞれに接続される。
図3にこの例を示している。ここでは、位置エンコーダ参照部材ディスク44がシャフト/回転子46に取り付けられている。モータアセンブリのハウジング38は、ハウジングを貫通する開口部48を有する。開口部48は、位置エンコーダ参照部材ディスク44と整列している。ハウジング38には、位置読取ヘッド50が取り付けられる。位置読取ヘッド50は、回転子/シャフト46の回転に応じて位置エンコーダ参照部材ディスク44が回転する際に、該ディスク44の場所または位置を感知するために、ハウジング38を貫通する開口部48に配置される。読取ヘッド50からの出力はコントローラ54に供給される。別の例を
図3Aに示している。
図3Aは、米国特許出願公開公報第2014/0077637における、
図1に示すような例示的ロボット等の、ロボットのダイレクトドライブモジュールを概略的に示している。この図には、シャフト46a、モータ47の固定子および回転子、ダイレクトドライブモジュールハウジング38a、エンコーダトラックまたは参照部材44a、軸受49、およびエンコーダセンサ60aが示されている。
【0032】
図4も参照すると、この実施形態では、位置読取ヘッド50は概して、フレーム56と、発光器58と、光センサ60と、環境分離壁62と、電子回路59とを備える。あるタイプの例示的実施形態において、センサ60は、少なくとも1つのイメージを映すために配列として配置された複数の光センサであり、発光器58は複数の発光器を含む。この例を、読取ヘッド50'と共に
図4Aに示している。別の実施形態では、
図4Bに示すように、装置は、発光器と光センサの構成が異なるが、ハウジング38に取り付けられて同じ参照部材44を読み取る複数の読取ヘッド50''、50'''を備えてもよい。
【0033】
図5も参照すると、この例示的実施形態では、センサ60とフレーム56の間に第1の接続部64、および分離壁62とフレーム56の間に第2の接続部66を設けている。しかしながら、
図6に示すように、センサ60と分離壁62はセンサフレームと一体のアセンブリであってもよく、ハウジング38に対する1タイプの接続部68を備えてもよい。接続部64、66、68は、固定的に取り付けられてもよく、調整可能であってもよい。
図4に示す例において、接続部64は固定的に取り付けられ、接続部66は弾性的に屈折可能な接続であり、接続部68は調整可能である。
【0034】
この例示的実施形態において、環境分離壁62は透明窓であり、光センサ60はカメラである。透明窓62を保持するために、保持部70が設けられる。保持部70は、接続部66によってフレーム56に接続される。保持部70は、接続部66によって開口部48の方向に付勢され、透明窓62をシール72に押し付ける。これにより、シール72および窓62によって開口部48が封止され、開口部48において2つの環境領域40、42の間に光学的に透明な隔壁が形成される。隔壁62は光学的に透明であるため、カメラ60は参照部材44からのイメージを映すことができる。カメラ60、発光器58、および電子回路59を含む読取ヘッド50の構成要素はすべて環境領域40の外にあるため、領域40内において、これらの構成要素からのガス放出のおそれはない。カメラ60、発光器58、および電子回路59を含む読取ヘッド50の構成要素はすべて環境領域40の外にあるため、読取ヘッド50またはその構成要素の特別な設計や格納は不要である。
【0035】
本明細書に記載する特徴と共に、位置エンコーダをロボットダイレクトドライブモジュールに組み込んでもよい。ロボットダイレクトドライブモジュールは、例えば、駆動部18や、組み立てられて駆動部18を形成する複数のドライブモジュールのうちの1つ等である。例えば図面に示す例示的実施形態に示すように、ディスク44上等の位置エンコーダトラックはダイレクトドライブモジュールの被駆動部分46に結合されてもよく、位置読取ヘッドはダイレクトドライブモジュールのハウジング38の外側に設けられてもよい。
【0036】
ある例示的実施形態において、
図4に概略的に示すように、ダイレクトドライブモジュールのハウジング38は、ダイレクトドライブモジュールのハウジングの外側から位置エンコーダトラックの光学的経路(視野)を設けるように配置される開口部(スロット)48を特徴としてもよい。開口部48は、ダイレクトドライブモジュールのハウジング内部の真空または他の非大気環境を、ダイレクトドライブモジュールのハウジング外部の環境から分離する分離壁62を特徴としてもよい。分離壁62は、例えばガラスやアクリル等の実質的に透明な材料から成ってもよい。分離壁62は、例えばOリングや接合継手等を用いて、または他の任意の適切な方法で、ダイレクトドライブモジュールのハウジングに封止されてもよい。
【0037】
参照部材44上のエンコーダトラックは、エンコーダトラックの場所の感知のために用いることができる特徴を有してもよい。例として、これらの特徴は増分トラックであってもよく、場合によっては、増分トラックを絶対トラックによって補完してもよい。別の例として、これらの特徴は、イメージ処理技術を用いて復号できるパターンであってもよい。
【0038】
図4に示すように、読取ヘッド50は、ダイレクトドライブモジュールのハウジングの開口部を介してエンコーダトラックの場所を感知できるように、ダイレクトドライブモジュールの外側に設けてもよい。読取ヘッドは、ダイレクトドライブモジュールのハウジングに実質的に固定的に取り付けてもよく、または、ダイレクトドライブモジュールのハウジングに移動可能に結合して、エンコーダトラックに対して読取ヘッドを調整できるようにしてもよい。この調整には、読取ヘッドとエンコーダトラックとの間の距離や、エンコーダトラックに対する読取ヘッドの向き(例えば、ピッチ、ロール、およびヨー)が含まれてもよい。あるいは、読取ヘッドは開口部の近傍に任意の適切な方法で保持されてもよい。
【0039】
さらに
図4を参照すると、読取ヘッドはエンクロージャ56と(センサ60を含む)光学系とを備えてもよい。読取ヘッドは、読取ヘッドの制御、データの処理、および通信の促進のための電子部品等の他の構成要素をさらに備えてもよい。
【0040】
光学系は、読取ヘッドに対するエンコーダトラックの位置を検出するように構成してもよい。例として、光学系は、1つ以上の発光器、1つ以上の受光器、および、レンズ、ミラー、マスク等の他の光学要素を含んでもよい。発光器および受光器は、エンコーダトラック上の特徴を検出するように配置してもよい。例えば、受光器は、発光器によって生成される光の反射に基づいて特徴を検出してもよい。
【0041】
別の例として、光学系は、1つ以上の光源、1つ以上のデジタルカメラ、および、レンズ、ミラー、マスク等の他の光学要素を含んでもよい。光源は、デジタルカメラの視野においてエンコーダトラックの照明を提供するように配置してもよい。デジタルカメラは、エンコーダトラックの写真(イメージ)を定期的に撮影するように配置してもよい。これらの写真は、エンコーダ読取ヘッドに対するエンコーダトラックの場所を特定するために、エンコーダ読取ヘッドによって、および/または例えばコントローラ54等のエンコーダ読取ヘッドの外部で処理してもよい。
【0042】
別の例示的実施形態において、
図7に概略的に示すように、ダイレクトドライブモジュールのハウジング38は、ダイレクトドライブモジュールのハウジングの外側から位置エンコーダトラック44の光学的経路(視野)を設けるように配置される開口部(スロット)48を特徴としてもよい。読取ヘッド50aは、ダイレクトドライブモジュールのハウジングの開口部を介してエンコーダトラック44の場所を感知できるように、ダイレクトドライブモジュールの外側に設けてもよい。
【0043】
エンコーダトラック44は、エンコーダトラックの場所の感知のために用いることができる特徴を有してもよい。例として、これらの特徴は増分トラックであってもよく、場合によっては、増分トラックを絶対トラックによって補完してもよい。別の例として、これらの特徴は、イメージ処理技術を用いて復号できるパターンであってもよい。
【0044】
読取ヘッド50aは、エンクロージャ56aと、窓62と、58、60を含む光学系とを備えてもよい。読取ヘッド50aは、読取ヘッドの制御、データの処理、および通信の促進のための電子部品等の他の構成要素をさらに備えてもよい。
【0045】
図7に示すように、ダイレクトドライブモジュールのハウジング38の開口部48を介して光学系58、60とエンコーダトラック44との間に光学的経路(視野)を設けるために、読取ヘッドのエンクロージャに窓62を設けてもよい。窓62は、ガラスやアクリル等の実質的に透明な材料から成ってもよい。
【0046】
光学系は、読取ヘッドに対するエンコーダトラック44の位置を検出するように構成してもよい。例として、光学系は、1つ以上の発光器、1つ以上の受光器、および、レンズ、ミラー、マスク等の他の光学要素を含んでもよい。発光器および受光器は、エンコーダトラック上の特徴を検出するように配置してもよい。例えば、受光器は、発光器によって生成される光の反射に基づいて特徴を検出してもよい。光源は、デジタルカメラの視野においてエンコーダトラックの照明を提供するように配置してもよい。デジタルカメラ60は、エンコーダトラックの写真(イメージ)を定期的に撮影するように配置してもよい。これらの写真は、エンコーダ読取ヘッドに対するエンコーダトラックの場所を特定するために、エンコーダ読取ヘッドによって処理してもよい。
【0047】
読取ヘッド50aをダイレクトドライブモジュールのハウジング38に取り付けて、ダイレクトドライブモジュールの開口部48周囲でダイレクトドライブモジュールのハウジング38に対して読取ヘッドの窓62を封止し、ダイレクトドライブモジュールのハウジング内部の真空または他の非大気環境を、ダイレクトドライブモジュール外部の環境から分離してもよい。これによって、読取ヘッド50aのエンクロージャ内部の構成要素がダイレクトドライブモジュールのハウジング内部の真空または他の非大気環境にさらされない。
【0048】
図7に示すように、読取ヘッドはダイレクトドライブモジュールのハウジングに実質的に固定的に取り付けてもよく、窓62は、Oリングまたは他の任意の適切なシールを用いてダイレクトドライブモジュールのハウジング38に封止してもよい。シール構成のさらなる例を
図8、
図9(読取ヘッドの設置方向に対して垂直方向にシールが圧縮される)および
図10(読取ヘッドの設置方向に沿ってOリングが圧縮される)に概略的に示している。
図8はハウジング38bと読取ヘッド50bとを示している。ハウジング38bは開口部48bを備え、読取ヘッド50bは、フレーム56bと、シール72bと、窓62bと、発光器58およびセンサ60を含む光学要素とを備える。
図9はハウジング38cと読取ヘッド50cとを示している。ハウジング38cは開口部48cを備え、読取ヘッド50cは、フレーム56cと、シール72bと、窓62bと、発光器58およびセンサ60を含む光学要素とを備える。
図10はハウジング38bと読取ヘッド50dとを示している。ハウジング38bは開口部48bを備え、読取ヘッド50dは、フレーム56cと、シール72dと、窓62dと、発光器58およびセンサ60を含む光学要素とを備える。窓62は、シールのために十分な空間を提供すると同時に、
図11に示すように、センサの構成要素をエンコーダトラックに所望のように近接させるような形状であってもよい。
図11はハウジング38bと読取ヘッド50eとを示している。ハウジング38bは開口部48bを備え、読取ヘッド50eは、フレーム56cと、シール72dと、窓62eと、発光器58およびセンサ60を含む光学要素とを備える。
【0049】
図7から
図11の例示的構成のすべてにおいて、窓62はセンサのエンクロージャ56に対して必ずしも封止されず、機械的に固定されているだけであってもよく、封止は、窓62とダイレクトドライブモジュールのハウジング38との間で行われることに留意されたい。
図7から
図11の例における窓62は、個別の構成要素でなくてもよいことに留意されたい。窓62は、読取ヘッドの光学系のレンズ等の構成要素によって、または他の任意の適切な構成要素によって便宜的に形成されてもよい。
【0050】
あるいは、読取ヘッドをダイレクトドライブモジュールのハウジングに移動可能に結合し、エンコーダトラックに対してセンサを調整できるようにしてもよい。この調整には、読取ヘッドとエンコーダトラックとの間の距離や、エンコーダトラックに対する読取ヘッドの向き(例えば、ピッチ、ロール、およびヨー)が含まれてもよい。センサの窓は、Oリング、ベローズ、フレクシャ、または、封止を維持しつつセンサに十分な可動域を与える他の任意の適切なシールによってダイレクトドライブモジュールのハウジングに封止してもよい。
【0051】
さらに別の例示的実施形態において、
図12に概略的に示すように、ダイレクトドライブモジュールのハウジングは、ダイレクトドライブモジュールのハウジングの外側から位置エンコーダトラックの光学的経路(視野)を設けるように配置される開口部(スロット)を特徴としてもよい。読取ヘッドは、ダイレクトドライブモジュールのハウジングの開口部を介してエンコーダトラックの場所を感知できるように、ダイレクトドライブモジュールの外側に設けてもよい。
図12はハウジング38と読取ヘッド50fとを示している。ハウジング38は開口部48を備え、読取ヘッド50fは、フレーム56fと、シール72と、窓62fと、シール72fと、発光器58およびセンサ60を含む光学要素とを備える。
【0052】
エンコーダトラックは、エンコーダトラックの場所の感知のために用いることができる特徴を有してもよい。例として、これらの特徴は増分トラックであってもよく、場合によっては、増分トラックを絶対トラックによって補完してもよい。別の例として、これらの特徴は、イメージ処理技術を用いて復号できるパターンであってもよい。
【0053】
読取ヘッドは、エンクロージャと、窓と、光学系とを備えてもよい。読取ヘッドは、読取ヘッドの制御、データの処理、および通信の促進のための電子部品等の他の構成要素をさらに備えてもよい。
【0054】
図12に示すように、ダイレクトドライブモジュールのハウジングの開口部を介して光学系とエンコーダトラックとの間に光学的経路(視野)を設けるために、読取ヘッドのエンクロージャに窓を設けてもよい。窓は、ガラスやアクリル等の実質的に透明な材料から成ってもよい。窓は、例えばOリングや接合継手を用いてセンサのエンクロージャに封止してもよい。
【0055】
光学系は、読取ヘッドに対するエンコーダトラックの位置を検出するように構成してもよい。例として、光学系は、1つ以上の発光器、1つ以上の受光器、および、レンズ、ミラー、マスク等の他の光学要素を含んでもよい。発光器および受光器は、エンコーダトラック上の特徴を検出するように配置してもよい。例えば、受光器は、発光器によって生成される光の反射に基づいて特徴を検出してもよい。
【0056】
別の例として、光学系は、1つ以上の光源、1つ以上のデジタルカメラ、および、レンズ、ミラー、マスク等の他の光学要素を含んでもよい。光源は、デジタルカメラの視野においてエンコーダトラックの照明を提供するように配置してもよい。デジタルカメラは、エンコーダトラックの写真(イメージ)を定期的に撮影するように配置してもよい。これらの写真は、エンコーダ読取ヘッドに対するエンコーダトラックの場所を特定するために、エンコーダ読取ヘッドによって処理してもよい。
【0057】
読取ヘッドをダイレクトドライブモジュールのハウジングに取り付けて、ダイレクトドライブモジュールの開口部周囲および読取ヘッドの窓周囲でダイレクトドライブモジュールのハウジングに対してセンサのエンクロージャを封止し、ダイレクトドライブモジュールのハウジング内部の真空または他の非大気環境をダイレクトドライブモジュール外部の環境から分離し、さらに、読取ヘッドのエンクロージャ内部の構成要素をダイレクトドライブモジュールのハウジング内部の真空または他の非大気環境から分離してもよい。これによって、読取ヘッドのエンクロージャ内部の構成要素がダイレクトドライブモジュールのハウジング内部の真空または他の非大気環境にさらされなくなる。
【0058】
図12に示すように、読取ヘッドはダイレクトドライブモジュールのハウジングに実質的に固定的に取り付けてもよく、センサのエンクロージャは、Oリングまたは他の任意の適切なシールを用いてダイレクトドライブモジュールのハウジングに封止してもよい。
図14および
図15に、さらなる例示的実施形態を示している。ここでは、窓が読取ヘッドのエンクロージャに封止され、読取ヘッドのエンクロージャはダイレクトドライブモジュールのハウジングに封止されている。
図14はハウジング38hと読取ヘッド50hとを示している。ハウジング38hは開口部48hを備え、読取ヘッド50hは、フレーム56hと、シール72h1、72h2と、窓62hと、発光器58およびセンサ60を含む光学要素とを備える。
図15はハウジング38hと読取ヘッド50iとを示している。ハウジング38hは開口部48hを備え、読取ヘッド50iは、フレーム56iと、シール72h1、72h2と、窓62hと、発光器58およびセンサ60を含む光学要素とを備える。
【0059】
図12の例における窓は、個別の構成要素でなくてもよい。窓は、センサの光学系のレンズ等の構成要素によって、または他の任意の適切な構成要素によって便宜的に形成されてもよい。
【0060】
あるいは、読取ヘッドをダイレクトドライブモジュールのハウジングに移動可能に結合し、エンコーダトラックに対して読取ヘッドを調整できるようにしてもよい。この調整には、読取ヘッドとエンコーダトラックとの間の距離や、エンコーダトラックに対する読取ヘッドの向き(例えば、ピッチ、ロール、およびヨー)が含まれてもよい。読取ヘッドのエンクロージャは、Oリング、ベローズ、フレクシャ、または、封止を維持しつつ読取ヘッドに十分な可動域を与える他の任意の適切なシールによってダイレクトドライブモジュールのハウジングに封止してもよい。
【0061】
さらに別の例示的実施形態において、
図13に概略的に示すように、ダイレクトドライブモジュールのハウジングは、ダイレクトドライブモジュールのハウジングの外側から位置エンコーダトラックの光学的経路(視野)を設けるように配置される開口部(スロット)を特徴としてもよい。
図13はハウジング38gと読取ヘッド50gとを示している。ハウジング38gは開口部48gを備え、読取ヘッド50gは、フレーム部材56g1、56g2と、シール72g1、72g2と、窓62gと、発光器58およびセンサ60を含む光学要素とを備える。センサは、ダイレクトドライブモジュールのハウジングの開口部を介してエンコーダトラックの場所を感知できるように、ダイレクトドライブモジュールの外側に設けてもよい。
【0062】
エンコーダトラックは、エンコーダトラックの場所の感知のために用いることができる特徴を有してもよい。例として、これらの特徴は増分トラックであってもよく、場合によっては、増分トラックを絶対トラックによって補完してもよい。別の例として、これらの特徴は、イメージ処理技術を用いて復号できるパターンであってもよい。
【0063】
読取ヘッドは、第1のエンクロージャと、窓と、光学系とを備えてもよい。センサは、読取ヘッドの制御、データの処理、および通信の促進のための電子部品等の他の構成要素をさらに備えてもよい。
【0064】
図13に示すように、ダイレクトドライブモジュールのハウジングの開口部を介して光学系とエンコーダトラックとの間に光学的経路(視野)を設けるために、読取ヘッドの第1エンクロージャに窓を設けてもよい。窓は、読取ヘッドの第1のエンクロージャに機械的に固定し、第2のエンクロージャに封止してもよく(
図13の窓のシール)、ここではいずれのエンクロージャもダイレクトドライブモジュールのハウジングではない。その後、第2のエンクロージャをダイレクトドライブモジュールのハウジングに封止してもよい(
図13のエンクロージャのシール)。これによって、読取ヘッドのエンクロージャが、大気環境と、用いられる非大気環境との間の隔壁として機能することを意図しないようにできる。
【0065】
窓は、ガラスやアクリル等の実質的に透明な材料から成ってもよい。あるいは、
図6から
図12の例において説明したように、窓は、読取ヘッドの光学系のレンズ等の構成要素、光に影響を及ぼす別の光学要素、または他の任意の適切な構成要素によって便宜的に形成されてもよい。
【0066】
窓は、例えばOリングや接合継手を用いて読取ヘッドの第1のエンクロージャに封止してもよい。所望であれば、フランジ等の特徴を窓に追加することによって封止を達成してもよい。あるいは、市販の読取ヘッドにおいて利用可能な特徴を用いて封止を達成してもよい。
【0067】
光学系は、読取ヘッドに対するエンコーダトラックの位置を検出するように構成してもよい。例として、光学系は、1つ以上の発光器、1つ以上の受光器、および、レンズ、ミラー、マスク等の他の光学要素を含んでもよい。発光器および受光器は、エンコーダトラック上の特徴を検出するように配置してもよい。例えば、受光器は、発光器によって生成される光の反射に基づいて特徴を検出してもよい。
【0068】
別の例として、光学系は、1つ以上の光源、1つ以上のデジタルカメラ、および、レンズ、ミラー、マスク等の他の光学要素を含んでもよい。光源は、デジタルカメラの視野においてエンコーダトラックの照明を提供するように配置してもよい。デジタルカメラは、エンコーダトラックの写真(イメージ)を定期的に撮影するように配置してもよい。これらの写真は、エンコーダ読取ヘッドに対するエンコーダトラックの場所を特定するために、エンコーダ読取ヘッドによって処理してもよい。
【0069】
読取ヘッドをダイレクトドライブモジュールのハウジングに取り付けて、第2のエンクロージャをダイレクトドライブモジュールのハウジングに封止してもよい。その後、第2のエンクロージャを読取ヘッドの窓に封止して、ダイレクトドライブモジュールのハウジング内部の真空または他の非大気環境をダイレクトドライブモジュール外部の環境から分離し、さらに、第2のエンクロージャ内部の構成要素をダイレクトドライブモジュールのハウジング内部の真空または他の非大気環境から分離してもよい。これによって、第2のエンクロージャ内部の構成要素がダイレクトドライブモジュールのハウジング内部の真空または他の非大気環境にさらされなくなる。
【0070】
あるいは、第2のエンクロージャをダイレクトドライブモジュールのハウジングに移動可能に結合し、エンコーダトラックに対して読取ヘッドを調整できるようにしてもよい。この調整には、読取ヘッドとエンコーダトラックとの間の距離や、エンコーダトラックに対する読取ヘッドの向き(例えば、ピッチ、ロール、およびヨー)が含まれてもよい。第2のエンクロージャは、Oリング、ベローズ、フレクシャ、または、封止を維持しつつ読取ヘッドに十分な可動域を与える他の任意の適切なシールによってダイレクトドライブモジュールのハウジングに封止してもよい。
【0071】
前述の例示的実施形態では、読取ヘッドは径方向内側を向いているが、径方向外側を向く、例えばディスクの円筒形の内側表面を指すように、または、軸方向上側または下側を向く、例えば、ディスクの平面の1つを指すように、配置してもよい。
【0072】
本明細書に記載した特徴は、光学エンコーダを備える駆動機構(例えば、ロボット駆動機構)を提供するために用いてもよい。ここで、この光学エンコーダのディスクはある環境(例えば真空環境)にあり、光学エンコーダの読取ヘッドの、光学系および制御電子機器を含む構成要素は別の環境(例えば大気環境)にあり、ディスクと、読取ヘッドの構成要素との間には実質的に透明な隔壁がある。
【0073】
例示的実施形態では、読取ヘッドは径方向内側を向いているが、センサは、ディスクの円筒形の内側表面へと径方向外側を向くように、または、ディスク44の平面の1つのへと軸方向(上側または下側)を向くように、配置してもよい。この配置は、例えば、米国特許出願公開公報第2015/0214086号、第2016/0229296号、および2017/0036358号に記載される例示的なリニアロボットを含む、線形の用途へと拡張されてもよい。これらの参照文献は、参照することにより全体が本明細書に組み込まれる。
【0074】
例示的装置は、モータアセンブリのハウジングに、前記ハウジングを貫通して延在する開口部に近接して取り付けられるように構成されるフレームと、前記フレームに接続される、カメラを含む位置センサと、前記開口部において前記ハウジングに接続されるように構成される環境分離壁と、を備える。前記環境分離壁は、少なくとも部分的に透明であり、前記カメラが前記環境分離壁および前記開口部を通して前記ハウジング内のイメージを映すことができるように、前記カメラと相対的に配置される。前記環境分離壁は、前記開口部において前記ハウジングに直接接続されてもよく、例えば前記装置の前記フレームを介して、前記ハウジングに間接的に接続されてもよい。ただし、前記環境分離壁は、前記ハウジングを貫通する前記開口部の環境封止を少なくとも部分的に構成すると共に、光学的経路も提供する。
【0075】
前記装置は、前記環境分離壁と前記モータアセンブリの前記ハウジングとの間に直接配置されるように構成されるシールを備えてもよい。前記装置は、前記環境分離壁と前記フレームとの間に直接接続される第1のシールを備えてもよい。前記装置は、前記フレームと前記モータアセンブリの前記ハウジングとの間に直接配置されるように構成される第2のシールを備えてもよい。前記装置は、シールと、前記環境分離壁を前記シールに押し付けるように構成される隔壁保持部を備えてもよい。前記隔壁保持部は、前記フレームによって前記開口部へと押し付けられるように構成される。前記装置は、前記隔壁保持部と前記フレームとの間に、前記隔壁保持部が前記フレームに対して移動できるように弾性を有する接続部を備えてもよく、前記フレームが前記ハウジングに接続されると、前記接続部は、前記隔壁保持部を前記開口部に対して付勢する。前記環境分離壁は透明窓であってもよく、前記透明窓は前記フレームに直接接触し、前記フレームが前記ハウジングに接続されると、前記透明窓は前記フレームによって前記開口部へと押し付けられるように構成される。前記装置は、前記ハウジングと、前記ハウジング内にあり、前記カメラによって撮像されるように構成される位置参照部材を備える回転子と、少なくとも1つのシールとを備えてもよい。前記フレームは、前記少なくとも1つのシールによって前記ハウジングに接続され、前記環境分離壁が前記開口部を封止することで、前記ハウジング内部の第1の環境領域を前記ハウジング外部の第2の環境領域から分離する。前記フレームは、前記ハウジング内部の前記第1の環境領域にさらされなくてもよい。
【0076】
例示的方法は、フレームと、前記フレームに接続されるカメラとを備える読取ヘッドを設けることと、前記読取ヘッドをモータアセンブリのハウジングに接続することと、を含んでもよい。ここで前記読取ヘッドの前記フレームは、前記ハウジングを貫通して延在する開口部に近接して、前記ハウジングに接続される。前記方法はさらに、前記開口部に環境分離壁を配置して、前記ハウジング内部の第1の環境領域を、前記カメラが内部に配置された第2の環境領域から分離することを含んでもよい。前記環境分離壁は、少なくとも部分的に透明であり、前記カメラが前記環境分離壁および前記開口部を通して前記ハウジング内のイメージを映すことができるように、前記カメラと相対的に配置される。
【0077】
前記方法は、前記環境分離壁と前記モータアセンブリの前記ハウジングとの間にシールを直接配置することを含んでもよい。前記方法は、前記環境分離壁と前記フレームとの間に第1のシールを直接接続することを含んでもよい。前記方法は、前記フレームと前記モータアセンブリの前記ハウジングとの間に第2のシールを直接配置することを含んでもよい。前記方法は、前記環境分離壁をシールに対して付勢する隔壁保持部を設けることを含んでもよく、前記隔壁保持部は、前記フレームによって前記開口部へと押し付けられる。前記方法は、前記隔壁保持部と前記フレームとの間に、前記隔壁保持部が前記フレームに対して移動できるように弾性を有する接続部を設けることを含んでもよく、前記フレームが前記ハウジングに接続されると、前記接続部は、前記隔壁保持部を前記開口部に対して付勢する。前記環境分離壁は透明窓であってもよく、前記透明窓は前記フレームに直接接触し、前記フレームが前記ハウジングに接続されると、前記透明窓は前記フレームによって前記開口部へと押し付けられる。前記ハウジング内部に回転子があってもよく、前記回転子は、前記カメラによって撮像されるように構成される位置参照部材を備えてもよく、前記フレームは、少なくとも1つのシールによって前記ハウジングに接続され、前記環境分離壁が前記開口部を封止することで、前記ハウジング内部の第1の環境領域を前記ハウジング外部の第2の環境領域から分離する。前記フレームは、前記ハウジング内部の前記第1の環境領域にさらされなくてもよい。
【0078】
例示的方法は、モータアセンブリのハウジング外部に配置されるセンサの発光器によって、前記ハウジング内部に配置される参照部材を照射することと、前記センサの、前記ハウジング外部に配置されるカメラによって、前記参照部材のイメージを映すことと、を含んでもよい。前記イメージは、前記ハウジングの開口部を通して、および前記開口部に配置された透明な環境分離壁を通して、前記カメラによって視認され、前記透明な環境分離壁は、前記ハウジング内部の第1の環境を、前記センサが内部に配置されている第2の環境から封止し、前記カメラは前記第1の環境の外部に配置され、前記透明な環境分離壁によって、前記カメラが前記第1の環境の外部にあっても、前記ハウジング内部からの前記イメージを、前記カメラが映すことができる。
【0079】
図4の例は、前記ダイレクトドライブモジュールの前記ハウジングの覗き窓を示している。
図7から
図11の例は、前記窓と前記ダイレクトドライブモジュールの前記ハウジングとの間に直接配置されたシールを示している。
図12、
図14、および
図15の例は、前記窓と前記読取ヘッドのエンクロージャとの間のシールと、前記読取ヘッドの前記エンクロージャと前記ダイレクトドライブモジュールの前記ハウジングとの間の別のシールとを示している。
図13の例は、2つのエンクロージャを示している。
【0080】
装置の例示的実施形態が提供されてもよい。前記装置は、モータアセンブリのハウジングに、前記ハウジングを貫通して延在する開口部に近接して取り付けられるように構成されるフレームと、前記フレームに接続される少なくとも1つの発光器と、前記フレームに接続される光センサ配列と、前記開口部において前記ハウジングに接続されるように構成される環境分離壁と、を備える。前記環境分離壁は、少なくとも部分的に透明であり、前記光センサ配列が前記環境分離壁および前記開口部を通して前記ハウジング内のイメージを映すことができるように、前記光センサ配列と相対的に配置される。
【0081】
例示的方法が提供されてもよい。前記方法は、フレームと、前記フレームに接続される少なくとも1つの発光器と、前記フレームに接続される光センサ配列とを備える読取ヘッドを設けることと、前記読取ヘッドをモータアセンブリのハウジングに接続することと、を含む。ここで前記読取ヘッドの前記フレームは、前記ハウジングを貫通して延在する開口部に近接して、前記ハウジングに接続される。前記方法はさらに、前記開口部に環境分離壁を配置して、前記ハウジング内部の第1の環境領域を、前記光センサ配列が内部に配置された第2の環境領域から分離することを含む。前記環境分離壁は、少なくとも部分的に透明であり、前記光センサ配列が前記環境分離壁および前記開口部を通して前記ハウジング内のイメージを映すことができるように、前記光センサ配列と相対的に配置される。
【0082】
例示的方法が提供されてもよい。前記方法は、モータアセンブリのハウジング外部に少なくとも部分的に配置される読取ヘッドの、少なくとも1つの発光器によって、前記ハウジング内部に配置される参照部材を照射することと、前記読取ヘッドの、前記ハウジング外部に少なくとも部分的に配置される光センサ配列によって、前記参照部材の少なくとも1つのイメージを映すことと、を含む。前記少なくとも1つのイメージは、前記ハウジングの開口部を通して、および前記開口部に配置された透明な環境分離壁を通して、前記光センサ配列によって視認され、前記透明な環境分離壁は、前記ハウジング内部の第1の環境を、前記光センサ配列が内部に配置されている第2の環境から封止し、前記光センサ配列は前記第1の環境の外部に配置され、前記透明な環境分離壁によって、前記光センサ配列が前記第1の環境の外部にあっても、前記ハウジング内部からの前記少なくとも1つのイメージを、前記光センサ配列が映すことができる。
【0083】
なお、前述した説明は単なる例に過ぎないことにも注意されたい。種々の変形および修正を当業者が考えることができる。例えば、特許請求の範囲にある種々の従属請求項に記載の特徴は、任意の適切な組合せで互いに組合せ可能である。加えて、前述した様々な実施形態からの特徴を選択的に組み合わせて新たな実施形態とすることも可能である。したがって本明細書は、添付の特許請求の範囲に含まれる変更や修正、変形等のすべての事項を包含するものである。