(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】装飾フィルム、転写フィルム、転写フィルムの使用、転写フィルムの製造方法、プラスチック成形品の装飾方法、およびプラスチック成形品
(51)【国際特許分類】
B44C 1/17 20060101AFI20240318BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20240318BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
B44C1/17 E
B32B27/00 E
G06F3/041 495
G06F3/041 660
(21)【出願番号】P 2021516594
(86)(22)【出願日】2019-09-16
(86)【国際出願番号】 EP2019074724
(87)【国際公開番号】W WO2020064404
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102018123473.2
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507370644
【氏名又は名称】レオンハード クルツ シュティフトゥング ウント コー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハーン マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ヒルシュベルク シュテヴェン
(72)【発明者】
【氏名】キヤナット ムシュタファ
(72)【発明者】
【氏名】ジグリッツ ライナー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス クリスティアーネ
【審査官】福田 由紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-052277(JP,A)
【文献】特開2014-112273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B44C1/17
B41M5/26,5/382
B32B27/00
G09F13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック成型品(3)を装飾するための装飾フィルム(1)であって、
少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)と、少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)と、透明レーザ保護ワニス層(5)とを備え、前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)と前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)との間に配置され、前記装飾フィルム(1)は、少なくとも1つの電気機能構造を有する1つ以上の電気機能層(10)を有し、前記1つ以上の電気機能層(10)は、観察者(7)と反対の前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)側に配置され、前記少なくとも1つの電気機能構造は、タッチパネル機能を提供するタッチセンサパネルを形成する
、装飾フィルム(1)。
【請求項2】
前記観察者(7)と対向する前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)は、1つ以上の第1領域(16a)において、除去され、および/または完全に除去され、および/または前記観察者(7)と対向する前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)は、前記透明レーザ保護ワニス層(5)が露出されるように、前記1つ以上の第1領域(16a)において、除去されることを特徴とする、請求項1に記載の装飾フィルム(1)。
【請求項3】
前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、380nm~780nmの間の波長範囲の透過光を拡散散乱させ、および/または前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、最大50ヘイズ単位のヘイズ値を有し、および/または、
前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、乳白色の曇った外観を有し、および/または前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、380nm~780nmの間の波長範囲から、30%を超える透過光を入射光ビームの方向から2.5°より大きく偏向することを特徴とする、請求項1または2に記載の装飾フィルム(1)。
【請求項4】
前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、モノマー、オリゴマー、ポリマーおよび/またはコポリマーの層であり、および/または前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、バインダとしてポリアクリレートを有し、および/または、
前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、ポリエーテルイミド(PEI)および/またはポリスルホン、を有することを特徴とする、請求項1~3の1項に記載の装飾フィルム(1)。
【請求項5】
前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)を機械的、物理的、および/または化学的な環境の影響から保護することを特徴とする、請求項1~4の1項に記載の装飾フィルム(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)は、不透明に形成され、および/または前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)は、380nm~780nmの間の波長範囲において、最大50%の透過率を有し、および/または、
前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)は、多層であり、前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)は、2つ以上の第1部分層(4b)から形成され、前記2つ以上の第1部分層(4b)は、それぞれの場合において、0.1μm~50μmの間の層厚を有することを特徴とする、請求項1~5の1項に記載の装飾フィルム(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)は、透明に形成され、および/または前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)は、380nm~780nmの間の波長範囲において、少なくとも10%の透過率を有し、および/または、
前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)は、多層であり、前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)は、2つ以上の第2部分層(6b)から形成され、前記2つ以上の第2部分層(6b)は、それぞれの場合において、0.1μm~50μmの間の層厚を有することを特徴とする、請求項1~6の1項に記載の装飾フィルム(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)は、380nm~780nmの間の波長範囲の光を拡散散乱させ、および/または前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)は、少なくとも50ヘイズ単位のヘイズ値を有し、および/または、
前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)は、380nm~780nmの間の波長範囲から、50%を超える前記透過光を入射光ビームの方向から2.5°より大きく偏向することを特徴とする、請求項1~7の1項に記載の装飾フィルム(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)は、第2金属層(6a)であり、前記第2金属層(6a)は、前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)よりも高い透過率を有し、および/または前記第2金属層(6a)は、380nm~780nmの間の波長範囲において、10%を超える透過率を有することを特徴とする、請求項1~8の1項に記載の装飾フィルム(1)。
【請求項10】
前記装飾フィルム(1)は、保護ワニス層(8)をさらに備え、前記保護ワニス層(8)は、前記装飾フィルム(1)の、観察者(7)と対向する側面に配置されることを特徴とする、請求項1~9の1項に記載の装飾フィルム(1)。
【請求項11】
前記保護ワニス層(8)は、透明であり、前記保護ワニス層(8)は、透過光、380nm~780nmの間の波長範囲の光を、散乱によって、8%未満偏向させることを特徴とする、請求項10に記載の装飾フィルム(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの電気機能構造は、容量式センサパネルを形成することを特徴とする、請求項1~11の1項に記載の装飾フィルム(1)。
【請求項13】
前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、モノマー、オリゴマー、ポリマーおよび/またはコポリマーの層であり、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリウレタン(PU)および/またはポリ塩化ビニル(PVC)を含み、および/または前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、バインダとしてポリアクリレートを有し、および/または、前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、ポリエーテルイミド(PEI)および/またはポリスルホンを有することを特徴とする、請求項1~4の1項に記載の装飾フィルム(1)。
【請求項14】
転写フィルム(2)であって、キャリアフィルム(11)と、前記キャリアフィルム(11)から分離可能な請求項1~13の1項に記載の装飾フィルム(1)とを備えることを特徴とする、転写フィルム(2)。
【請求項15】
ホットスタンピングフィルムおよび/またはインモールドフィルムとしての請求項14に記載の転写フィルム(2)の使用。
【請求項16】
請求項14に記載の転写フィルム(2)の製造方法であって、前記転写フィルムは、キャリアフィルム(11)と、前記キャリアフィルムから分離可能な請求項1~13の1項に記載の装飾フィルム(1)とを備え、前記装飾フィルムは、少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)と、少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)と、前記透明レーザ保護ワニス層(5)とを備え、
前記製造方法は、
a)前記キャリアフィルム(11)を設けるステップと、
b)前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)を印刷方法および/または金属化方法によって塗布するステップと、
c)前記透明レーザ保護ワニス層(5)を印刷方法によって塗布するステップと、
d)前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)を、印刷方法、金属化方法および/またはホットもしくはコールド転写方法によって塗布するステップと、を備え、
これらのステップは、上記順番で実施されることを特徴とする、製造方法。
【請求項17】
プラスチック成形品(3)の装飾方法であって、
前記装飾方法は、
a)請求項1~13の1項に記載の装飾フィルム(1)を設けるステップであって、
前記装飾フィルム(1)は、少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)と、少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)と、透明レーザ保護ワニス層(5)とを備え、前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)と前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)との間に配置されるステップと、
b) 前記装飾フィルム(1)を前記プラスチック成形品(3)にホットまたはコールド転写方法によって、および/またはホットスタンピングおよび/またはインモールド方法によって塗布するステップと、
c)観察者(7)と対向する前記少なくとも1つの第1カラーワニス層を、レーザによって1つ以上の第1領域において除去するステップと、を備え、
前記ステップは、上記順番で実施されることを特徴とする、装飾方法。
【請求項18】
プラスチック成形品(3)の装飾方法であって、
前記装飾方法は、以下の順番で実施される以下のステップa)~c)、
a)装飾フィルム(1)を設けるステップであって、
前記装飾フィルム(1)は、少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)と、少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)と、透明レーザ保護ワニス層(5)とを備え、前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)と前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)との間に配置されるステップと、
b) 前記装飾フィルム(1)を前記プラスチック成形品(3)にホットまたはコールド転写方法によって、および/またはホットスタンピングおよび/またはインモールド方法によって設けるステップと、
c)観察者(7)と対向する前記少なくとも1つの第1カラーワニス層を、レーザによって1つ以上の第1領域において除去するステップと、を備え、
前記装飾方法は、前記ステップa)と前記ステップb)との間に実施される以下のステップd)、
d)少なくとも1つの電気機能構造を有する1つ以上の電気機能層(10)を、前記第2カラーワニス層(6、6a、6b)の、前記観察者と反対の側面に配置するステップをさらに備え、
前記少なくとも1つの電気機能構造は、タッチパネル機能を提供するタッチセンサパネルを形成する、装飾方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)は、前記透明レーザ保護ワニス層(5)が露出されるように、ステップc)において前記レーザ(15a)によって前記1つ以上の第1領域(16a)において除去され、および/または、
前記観察方向において、前記透明レーザ保護ワニス層(5)の上方に配置された全ての層は、ステップc)において前記1つ以上の第1領域(16a)において除去され、および/または完全に除去されることを特徴とする、請求項17
または18に記載の方法。
【請求項20】
ステップa)とb)との間に、
d)少なくとも1つの電気機能構造を有する1つ以上の電気機能層(10)を、前記第2カラーワニス層(6、6a、6b)の、前記観察者と反対の側面に配置するステップ、をさらに備え、
前記少なくとも1つの電気機能構造は、タッチパネル機能を提供するタッチセンサパネルを形成し、および/または、
e)有機発光ダイオード(OLEDs)、無機発光ダイオード(LEDs)、マイクロLED(mLEDs)、および/または量子ドット発光ダイオード(QLEDs)を備えるバックライト装置(13)を配置するステップ、をさらに備え、
前記バックライト装置は、前記プラスチック成形品(3)の、前記装飾フィルム(1)と反対の側面に配置されることを特徴とする、請求項17
~19の1項に記載の方法。
【請求項21】
請求項1~13の1項に記載の装飾フィルム(1)を備えるプラスチック成形品(3)であって、前記装飾フィルム(1)は、少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)と、少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)と、透明レーザ保護ワニス層(5)とを備え、前記透明レーザ保護ワニス層(5)は、前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)と前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)との間に配置され、観察者(7)と対向する前記少なくとも1つの第1カラーワニス層(4、4a、4b)は、レーザ(15a)によって1つ以上の第1領域(16a)において除去され、
前記プラスチック成形品(3)は、前記観察者(7)と反対の前記少なくとも1つの第2カラーワニス層(6、6a、6b)に少なくとも1つの電気機能構造を備える1つ以上の電気機能層(10)を有し、前記少なくとも1つの電気機能構造(10)は、タッチパネル機能を提供するタッチセンサパネルを形成することを特徴とする、プラスチック成形品(3)。
【請求項22】
前記転写フィルム(2)は、ホットスタンピングフィルムおよび/またはインモールドフィルムであることを特徴とする、請求項14に記載の転写フィルム(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾フィルム、転写フィルム、転写フィルムの使用、転写フィルムの製造方法、プラスチック成形品の装飾方法、およびプラスチック成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
表面を装飾するために、装飾フィルムが頻繁に使用される。装飾フィルムは、例えばインモールド方法によってプラスチック成形品に塗布される。このように装飾されたプラスチック成形品の表面は高い要求がある。一方、これらの表面は、例えば、皮膚に見られる指紋またはサンクリームのような物質に起因して、日常的な使用において生じる機械的、物理的および化学的な環境の影響に対して耐性を有する必要がある。このため、装飾フィルムは、多くの場合、その表面に保護ワニス層を有し、装飾フィルムは、その下方に配置された層を環境の影響から保護するためのものである。他方、これらの表面は、視覚的魅力があり、また、シンボルまたは書き込みなどの装飾エレメントを有する。このような装飾エレメントは、通常、印刷技術を用いて装飾フィルムに生成される。しかしながら、これはいくつかの欠点をもたらす。したがって、装飾エレメントの位置決めおよび解像度の両方は、使用される印刷方法によって制限される。特に、個別化された装飾フィルムで装飾されたプラスチック成形品または同様に装飾されたプラスチック成形品を少量製造する場合、印刷版などの印刷ツールを個別化された装飾フィルムのそれぞれに対応して提供し、設定する必要があることから、必要とされる時間が多く、かつロジスティックの労力を伴うことになり、結果、高額な費用にもつながる。代わりに、シンボルまたは書き込みなどの装飾エレメントをレーザ彫刻によって装飾フィルムに生成することもできる。しかしながら、装飾フィルムの表面に配置された保護ワニス層も彫刻中に破壊される。その結果、環境の影響に対する耐性が少なくとも局所的に低減されるか、または装飾プラスチック成形品の表面にさらなる保護ワニス層を設ける必要があり、これは特にさらなる費用を伴う。
【0003】
このように、EP0537668A2は、レーザ照射によって表面を装飾またはマーキングするためのプロセス、およびこのプロセスにおけるスタンピング箔の使用を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、改良された装飾フィルム、およびプラスチック成形品を装飾するための改良された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、特にプラスチック成形品を装飾するための装飾フィルムによって達成される。装飾フィルムは、少なくとも1つの第1カラーワニス層と、少なくとも1つの第2カラーワニス層と、透明レーザ保護ワニス層とを備える。透明レーザ保護ワニス層は、少なくとも1つの第1カラーワニス層と少なくとも1つの第2カラーワニス層との間に配置される。この目的は、キャリアフィルムと、キャリアフィルムから分離可能な装飾フィルムとを備える、請求項1~53の1項に記載の転写フィルム、特にホットスタンピングフィルムおよび/またはインモールドフィルムによってさらに達成される。この目的は、ホットスタンピングフィルムおよび/またはインモールドフィルムとして、特にインモールド装飾フィルム、射出成形フィルム、インモールドラベリングフィルムおよび/または印刷モールドデザインフィルムとして、請求項54または55に記載の転写フィルムの使用よってさらに達成される。この目的は、特に請求項54または55に記載の転写フィルムの製造方法によっても達成される。転写フィルムは、キャリアフィルムと、キャリアフィルムから分離可能な特に請求項1~53の1項に記載の装飾フィルムとを備える。装飾フィルムは、少なくとも1つの第1カラーワニス層と、少なくとも1つの第2カラーワニス層と、透明レーザ保護ワニス層とを備える。この方法は、以下の順番で特に実施される以下のステップ、a)キャリアフィルムを提供するステップと、b)少なくとも1つの第1カラーワニス層を特に印刷方法および/または金属化方法によって塗布するステップと、c)透明レーザ保護ワニス層を特に印刷方法によって塗布するステップと、d)少なくとも1つの第2カラーワニス層を特に印刷方法、金属化方法および/またはホットまたはコールド転写方法によって塗布するステップと、を備える。この目的は、プラスチック成形品の装飾方法によってさらに達成される。この方法は、特に以下の順番で特に実施される以下のステップ、a)特に請求項1~53の1項に記載の装飾フィルムを提供するステップであって、装飾フィルムは、少なくとも1つの第1カラーワニス層と、少なくとも1つの第2カラーワニス層と、透明レーザ保護ワニス層とを備え、透明レーザ保護ワニス層は、少なくとも1つの第1カラーワニス層と少なくとも1つの第2カラーワニス層との間に配置されているステップと、b)装飾フィルムを好ましくはホットまたはコールド転写法によって、さらに好ましくはホットスタンピングおよび/またはインモールド方法によってプラスチック成形品に塗布するステップと、c)特に観察者と対向する少なくとも第1カラーワニス層をレーザによって1つ以上の第1領域において除去するステップと、を備える。さらに、この目的は、特に請求項1~53の1項に記載の装飾フィルムを備えるプラスチック成形品によっても達成される。装飾フィルムは、少なくとも1つの第1カラーワニス層と、少なくとも1つの第2カラーワニス層と、透明レーザ保護ワニス層とを備える。透明レーザ保護ワニス層は、少なくとも1つの第1カラーワニス層と少なくとも1つの第2カラーワニス層との間に配置される。特に観察者と対向する少なくとも1つの第1カラーワニス層は、レーザによって1つ以上の第1領域において除去される。
【0006】
ここでは、以下の点が示された。装飾フィルムの耐性または装飾フィルムで装飾されたプラスチック成形品の耐性は、本発明による装飾フィルム、転写フィルム、転写フィルムの使用、転写フィルムの製造方法、プラスチック成形品の装飾方法、およびプラスチック成形品によって増加し、同時に、装飾フィルムを個別化する能力が保証される。装飾フィルムは、カラーワニス層の間に透明レーザ保護ワニス層を有する。これにより、カラーワニス層およびその上に配置され得る保護ワニス層を除去した後でさえ、例えば保護ワニス層が再び設けられた個別プラスチック成形品なしに、下方に配置されたカラーワニス層を、機械的、物理的および化学的な環境の影響から保護することができる。透明レーザ保護ワニス層は、一方では、除去されるカラーワニス層が完全に、すなわち、残留物なく、下方に配置されたカラーワニス層が損傷されることなく、剥離され得ることも保証する。したがって、透明レーザ保護ワニス層は2つの機能を果たす。第1の機能は、透明レーザ保護ワニス層は、透明レーザ保護ワニス層の下方に配置されたカラーワニス層を環境の影響から保護する。第2の機能は、透明レーザ保護ワニス層は、ストリップレーザのためのスペーサまたはバッファ層として機能する。これにより、製造プロセスの後の時点で、例えば個別にカスタマイズされた記号または書き込みなどの装飾エレメントを有するプラスチック成形品を提供することができる。装飾フィルムが例えば新しい保護ワニス層の塗布などの複雑かつ長時間のフォローアッププロセスを必要とすることなく、耐性に関して要求される仕様を満たすことが保証される。さらに、これにより、レーザの集光において大きな公差が得られ、それによって、製造がさらに単純化される。
【0007】
下方および/または上方という用語は、ここでは、特に、観察者が観察方向から見たときの別の層に対する層の配置を意味する。したがって、有益には、下方および/または上方という用語は、基準系を示す。したがって、例えば、少なくとも1つの第2カラーワニス層を観察方向において透明レーザ保護ワニス層の下方に配置することができる。
【0008】
したがって、少なくとも1つの第1カラーワニス層を透明レーザ保護ワニス層の、観察者と対向する側面に配置することができ、少なくとも1つの第2カラーワニス層を透明レーザ保護ワニス層の、観察者と反対の側面に配置することができる。したがって、少なくとも1つの第1カラーワニス層は、観察者と対向する側面を形成することができる。したがって、少なくとも1つの第2カラーワニス層を、観察方向において透明レーザ保護ワニス層の下方および/または少なくとも第1カラーワニス層の下方に配置することができる。
【0009】
好ましくは、透明レーザ保護ワニス層とは、透明保護ワニス層、特に透明中間保護ワニス層を意味する。透明レーザ保護ワニス層は、少なくとも1つの第2カラーワニス層、特に観察者から見てこの透明中間保護ワニス層の下方に配置された層を、機械的、物理的および/または化学的な環境の影響から保護し、および/またはストリップレーザのためのスペーサまたはバッファ層としてさらに機能するように設計される。したがって、透明レーザ保護ワニス層を透明保護ワニス層、特に透明中間保護ワニス層とすることができる。
【0010】
ここで、領域とは、特に、それぞれの場合において、装飾フィルム、特に少なくとも1つの第1カラーワニス層、透明レーザ保護ワニス層および/または少なくとも1つの第2カラーワニス層による平面に対して垂直に見たときに占められる層またはプライの所定の表面領域を意味する。したがって、例えば、少なくとも1つの第1カラーワニス層は、1つ以上の第1領域を有する。それぞれの場合において、各領域は、少なくとも1つの第1カラーワニス層による平面に垂直に見たときに所定の表面領域を占める。
【0011】
層の除去とは、ここでは、特にレーザ切断および/またはレーザアブレーションによる層の部分的および/または完全な除去を意味する。例えば、ある領域において層が除去される場合、この領域における対応する層は、部分的におよび/または完全に除去されている。好ましくは、除去は、ここでは、レーザ切断および/またはレーザアブレーションに基づいて行われる。除去とは、また、特に機械的または精密的方法によって、例えばミリングおよび/またはグラインディングおよび/またはドリリングによって、層を部分的および/または完全に除去することを意味する。
【0012】
好ましくは、部分的除去とは、ここでは、部分的に除去された層がその所定の特性をもはや満たさないように変更または破壊されることを意味する。したがって、例えば、部分的に除去された保護ワニス層は、化学的、物理的および/または機械的な環境の影響からその下方に配置された保護層の所定の特性を満たさない。
【0013】
ここで、完全除去とは、好ましくは、完全に除去された層が対応する領域において剥離され、および/またはアブレーションされ、および/または燃焼され、および/または蒸発され、留物を含まないことを意味する。したがって、例えば、少なくとも1つの第1カラーワニス層が特にレーザ切断および/またはレーザアブレーションによって1つ以上の第1領域において完全に除去される場合、少なくとも1つの第1カラーワニス層は、1つ以上の第1領域において残留物のない状態で剥離される。
【0014】
本発明のさらに有益な実施態様は従属請求項に記載される。
【0015】
さらに有益には、透明レーザ保護ワニス層は、0.5μm~50μmの間、好ましくは2.0μm~2.5μmの間の層厚を有する。
【0016】
好ましくは、特に観察者と対向する少なくとも1つの第1カラーワニス層は、1つ以上の第1領域において除去され、特に完全に除去され、および/または特に観察者と対向する少なくとも1つの第1カラーワニス層は、透明レーザ保護ワニス層が露出されるように、1つ以上の第1領域において除去される。これにより、透明レーザ保護ワニス層および観察方向において特に透明レーザ保護ワニス層の下方に配置された層は、観察者に見えるようになり、特に、バックライト手段によって装飾フィルムがバックライト点灯されたとき見えるようになる。
【0017】
有益には、1つ以上の第1領域は、シンボルまたは書き込みなどの装飾エレメントを形成する。
【0018】
さらに有益には、1つ以上の第1領域は、ロゴおよび/またはシンボルおよび/またはパターンおよび/または英数字を示す。
【0019】
さらに好ましくは、装飾フィルムに対して垂直に見たとき、1つ以上の第1領域は、少なくとも50μm、好ましくは少なくとも100μmの線幅を有し、および/または装飾フィルムに対して垂直に見たとき、1つ以上の第1領域は、最大2mm、好ましくは最大1mm、さらに好ましくは最大0.5mmの線幅を有する。
【0020】
さらに、少なくとも1つの第1カラーワニス層がレーザによって除去される1つ以上の第1領域における透明レーザ保護ワニス層の層厚が、少なくとも1つの第1カラーワニス層がレーザによって除去されない領域と比較して、25%未満、好ましくは15%未満、さらに好ましくは5%未満減少されるように、透明レーザ保護ワニス層を設計することもできる。
【0021】
また有益には、少なくとも1つの第1カラーワニス層がレーザによって除去される1つ以上の第1領域における透明レーザ保護ワニス層の層厚は、少なくとも1つの第1カラーワニス層がレーザによって除去されない領域における透明レーザ保護ワニス層の層厚に実質的に対応する。
【0022】
特に、好ましくは透明レーザ保護ワニス層の全厚が50%を超えて、好ましくは30%を超えて減少されない限り、個別化中の透明レーザ保護ワニス層の起こりうるわずかな表面損傷を許容することができる。
【0023】
特に、これにより、とりわけ、最終製品において、以下の点が保証される。一方では、透明レーザ保護ワニス層は、下方に配置された層に対する環境の影響からの保護機能を果たすこと、他方では、透明レーザ保護ワニス層は、スペーサまたはバッファ層としての機能も果たすか、または果たしている。
【0024】
好ましくは、透明レーザ保護ワニス層は、特に380nm~780nmの波長範囲において、少なくとも25%、好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも85%の透過率を有する。これにより、とりわけ、観察方向において透明レーザ保護ワニス層の下方に配置された層が観察者に見えるようになる。
【0025】
さらに有益には、赤外線範囲、好ましくは近赤外線範囲、さらに好ましくは780nm~1400nmの間の波長範囲において、さらに好ましくは1064nmの波長を有する光に対して、透明レーザ保護ワニス層は、少なくとも25%、好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも85%の透過率を有する。これにより、透明レーザ保護ワニス層、特に少なくとも1つの第1カラーワニス層の上方に配置された層を除去するための赤外線レーザの光は、透明レーザ保護ワニス層に吸収されず、それを損傷または除去することはない。
【0026】
さらに有益には、透明レーザ保護ワニス層は、特に250℃まで、好ましくは650℃まで、さらに好ましくは1000℃までの耐熱性を有する。
【0027】
有益には、透明レーザ保護ワニス層は、透過光、特に380nm~780nmの間の波長範囲の光を拡散散乱する、および/または透明レーザ保護ワニス層は、最大50ヘイズ単位、特に最大20ヘイズ単位のヘイズ値を有する。
【0028】
好ましくは、ヘイズ値は、ASTM D 1003規格にしたがって透過においてヘイズ単位で決定される。例えば、ヘイズ値は、ドイツ、ゲーレッツリートのByk-Gardener社のBYK haze-gard iメータによって測定される。ここでは、好ましくは、測定される層またはフィルムは、メータのオープンサンプルコンパートメントに保持され、特にヘイズ値については、装置のいわゆる「ヘイズポート」に配置される。有益には、測定は、標準光源D65によって実施される。次いで、好ましくは、測定結果は、メータのスクリーンに表示される。有益には、ヘイズ値はパーセント(%)で与えられる。したがって、この場合、ヘイズ値の単位をパーセント(%)とすることができる。したがって、好ましくは、ヘイズ値の範囲は0~100%である。したがって、ヘイズ単位をパーセンテージ値とすること、またはヘイズ単位をパーセンテージ値で示すことができる。好ましくは、最大値は100%である。100%を超える値は、例えば特に使用される測定原理に応じて、測定中の追加の散乱光効果および/または反射効果によって生じる可能性がある。
【0029】
ここでは、好ましくは、ヘイズとは、特に結像品質の低下をもたらす拡散散乱、特に大角散乱を意味する。好ましくは、特に光が全ての空間方向に散乱される材料における粒子または不均質性は、散乱中心として作用する。有益には、低散乱強度のみが全ての立体角に適用される。特に、コントラストの低下および/または乳白色の曇った外観は、これによってもたらされる。この効果は、好ましくはヘイズまたは曇りと呼ばれる。したがって、好ましくは、ヘイズ値は、透明サンプル、例えばプラスチック層またはフィルムの曇り度合いを示す。
【0030】
さらに有益には、透明レーザ保護ワニス層によって透過される全光に対する透過における入射光の方向から2.5°未満の角度範囲から透明レーザ保護ワニス層によって偏向される光の比率は、0.5未満、好ましくは0.2未満である。すなわち、透明レーザ保護ワニス層は、特に380nm~780nmの間の波長範囲から、50%未満の透過光、好ましくは20%未満の透過光を入射光ビームの方向から2.5°より大きく偏向することができる。
【0031】
しかしながら、さらに、透明レーザ保護ワニス層が乳白色の曇った外観を有すること、および/または透明レーザ保護ワニス層は、特に380nm~780nmの間の波長範囲から、30%を超える、好ましくは45%を超える、さらに好ましくは65%を超える透過光を入射光ビームの方向から2.5°より大きく偏向することもできる。すなわち、透明レーザ保護ワニス層は、特に380nm~780nmの間の波長範囲から、30%未満、好ましくは45%未満、さらに好ましくは65%未満の透過光を入射光ビームの方向から2.5°未満偏向することができる。
【0032】
さらに、透明レーザ保護ワニス層によって透過される全光に対する透過における入射光の方向から2.5°未満の角度範囲からの透明レーザ保護ワニス層によって偏向される光の比率を、0.3よりも大きく、好ましくは0.45よりも大きく、さらに好ましくは0.65よりも大きくすることができる。
【0033】
これにより、透明レーザ保護ワニス層を透過した光を好ましくは広い立体角範囲に、さらに好ましくは全ての空間方向に拡散散乱させることができる。その結果、特に点光源の光が均一に散乱され、その結果、透明レーザ保護ワニス層は、特に点光源で照明されているにもかかわらず、均一に照明されているように観察者に見える。
【0034】
透明レーザ保護ワニス層を染色することもでき、特に、透明レーザ保護ワニス層を染料および/または顔料によって染色することもできる。好ましくは、透明レーザ保護ワニス層の顔料レベルは、15%未満、好ましくは10%未満、さらに好ましくは5%未満である。特に、これにより、透明レーザ保護ワニス層は、透明レーザ保護ワニス層の下方に配置された層と共に、特に少なくとも1つの第2カラーワニス層と共に、例えば色混合効果のような特定の光学的印象を生成することができる。
【0035】
しかしながら、透明レーザ保護ワニス層を無色にすること、および/または透明にすること、および/または透明レーザ保護ワニス層の顔料レベルを0%にすることもできる。
【0036】
有益には、透明レーザ保護ワニス層は、モノマー、オリゴマー、ポリマーおよび/またはコポリマーの層であり、好ましくはポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリウレタン(PU)および/またはポリ塩化ビニル(PVC)を含み、さらに好ましくはPUおよび/またはPVCを含み、および/または透明レーザ保護ワニス層はバインダとしてポリアクリレートを有する。
【0037】
さらに、透明レーザ保護ワニス層は、ポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)などのポリエーテルイミド(PEI)および/またはポリスルホンを有することもできる。
【0038】
さらに、透明レーザ保護ワニス層は、熱および/または高エネルギー放射によって硬化する、または硬化される/硬化状態になることができる。好ましくは、硬化は、装飾フィルムまたは転写フィルムの処理および/または装飾フィルムまたは転写フィルムの基材への塗布の前および/または後に行われる。
【0039】
透明レーザ保護ワニス層のこのような組成により、透明レーザ保護ワニス層の下方に配置された層は、好ましくは機械的、物理的および/または化学的な環境の影響から特に良好に保護されることができる。
【0040】
好ましくは、透明レーザ保護ワニス層は、少なくとも1つの第2カラーワニス層、特に観察者から見て透明レーザ保護ワニス層の下方に配置された層を機械的、物理的および/または化学的な環境の影響から保護する。
【0041】
好ましくは、少なくとも1つの第1カラーワニス層は、不透明に形成され、および/または少なくとも1つの第1カラーワニス層は、特に380nm~780nmの間の波長範囲において、最大50%、好ましくは最大20%、さらに好ましくは最大5%の透過率を有する。これにより以下の点が達成される。装飾フィルムは、特に少なくとも1つの第1カラーワニス層の側面から見たとき、暗い光学印象を生成し、特に可能なバックライトに関して暗く見えるバックグラウンドを提供する。特に、バックライトとこのバックグラウンドとの間の特に高いコントラストは、これによって達成することができ、バックライトは、低いバックライト発光強度で十分良好に知覚することもできる。
【0042】
好ましくは、少なくとも1つの第1カラーワニス層は、0.1μm~50μmの間、好ましくは0.5μm~5.0μmの間の層厚を有する。その結果、一方では、少なくとも1つの第1カラーワニス層の必要な不透明性、および他方では、装飾フィルムを使用した薄く任意で可撓性のプラスチック成形品の製造を保証することができる。
【0043】
さらに、少なくとも1つの第1カラーワニス層を多層化することができ、特に、少なくとも1つの第1カラーワニス層を2つ以上の第1部分層から形成することができる。好ましくは、2つ以上の第1部分層は、それぞれの場合において、0.1μm~50μmの間、さらに好ましくは0.5μm~5.0μmの間の層厚を有する。
【0044】
さらに有益には、2つ以上の第1部分層は、特にRGB色空間またはCMYK色空間とは異なる色を有する。
【0045】
ここでは、色とは、特に色空間内のRGB色モデル(R=赤、G=緑、B=青)またはCMYK色モデル(C=シアン、M=マゼンタ、Y=黄、K=黒)のような色モデルで表すことができる色ドットを意味する。
【0046】
さらに、少なくとも1つの第1カラーワニス層は、領域に形成されることが考えられ、特に少なくとも1つの第1カラーワニス層は、少なくとも1つの第2領域に存在し、少なくとも1つの第3領域には存在しないことが考えられる。
【0047】
有益には、少なくとも1つの第1カラーワニス層が染色される場合、特に少なくとも1つの第1カラーワニス層は、染料および/または顔料によって染色される。好ましくは、少なくとも1つの第1カラーワニス層の顔料レベルは、5%~35%の間、好ましくは20%~25%の間である。
【0048】
したがって、少なくとも1つの第1カラーワニス層を暗く、特に黒く染色することができ、および/または少なくとも1つの第1カラーワニス層は、光吸収粒子、特にカーボンブラックを有することができる。
【0049】
有益には、少なくとも1つの第1カラーワニス層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PMMA、ポリエチレンナフタレート(PEN)、PAおよび/またはアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレンコポリマー(ABS)から形成され、および/または少なくとも1つの第1カラーワニス層は、バインダとしてアクリレートを有する。
【0050】
少なくとも1つの第1カラーワニス層を、第1金属層、特に、好ましくは少なくとも1つの第2カラーワニス層よりも、特に第2金属層よりも低い透過率を有する光学的に密な金属層とすることもできる。
【0051】
さらに、少なくとも1つの第2カラーワニス層を、第2金属層、特に、好ましくは少なくとも1つの第1カラーワニス層よりも、特に第1金属層よりも高い透過率を有する光学的に薄い金属層とすることができる。
【0052】
有益には、第1金属層は、特に380nm~780nmの間の波長範囲において、最大30%、好ましくは最大10%、さらに好ましくは最大5%の透過率を有する。
【0053】
好ましくは、第2金属層は、特に380nm~780nmの間の波長範囲において、10%を超える、好ましくは25%を超える、さらに好ましくは50%を超える、さらに好ましくは75%を超える、さらに好ましくは90%を超える透過率を有する。
【0054】
さらに有益には、第1金属層の層厚は、10nm~1μmの間、好ましくは20nm~300nmの間である。
【0055】
好ましくは、第2金属層の層厚は、1nm~500nmの間、好ましくは10nm~80nmの間である。
【0056】
これにより、特に、第1金属層は、その低い透過率のため観察者によって不透明であると知覚され、その一方では、第2の金属層は透明である。
【0057】
透過率(T)と光学密度(OD)との間の関数関係は以下のように表される:OD=log(100/T[%])。
【0058】
上記透過率値は、特に380nm~780nmの間の波長範囲、すなわち人間の目に見える波長範囲で決定される。
【0059】
金属層の光学密度は、特に使用される層厚に加えて、とりわけ、使用される金属に依存する。
【0060】
したがって、第1金属層および/または第2金属層を、アルミニウム、コバルト、銅、金、鉄、クロム、ニッケル、銀、白金、パラジウムおよび/もしくはチタンまたはそれらの合金から形成することができる。好ましくは、アルミニウムは、人間の目に見える波長範囲からの光に対する浸透深さが小さいことから、光学的により密度の高い第1金属層に使用され、金、銅、クロム、銀、および/または鉄は、人間の目に見える波長範囲からの光に対する浸透深さが大きいことから、光学的により薄い第2金属層に使用される。
【0061】
さらに有益には、少なくとも1つの第2カラーワニス層を透明に形成し、および/または少なくとも1つの第2カラーワニス層は、特に380nm~780nmの間の波長範囲において、少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも90%の透過率を有する。
【0062】
したがって、さらに有益には、少なくとも1つの第2カラーワニス層を照らすことができ、特にバックライト手段によって照らすことができる、および/または、少なくとも1つの第2カラーワニス層は、観察方向において少なくとも1つの第2カラーワニス層の後方に配置されたバックライト手段によって出射される光の10%を超える、好ましくは25%を超える、さらに好ましくは75%を超える、なおさらに好ましくは90%を超える光が透過されるように設計される。
【0063】
これにより、光は、少なくとも1つの第2カラーワニス層を通過することができ、したがって、少なくとも1つの第1カラーワニス層の側面から装飾フィルムを見る観察者によって知覚されることができる。
【0064】
有益には、少なくとも1つの第2カラーワニス層は、0.1μm~50μmの間、好ましくは1.0μm~5.0μmの間の層厚を有する。
【0065】
ここでも、少なくとも1つの第2カラーワニス層を多層化することもでき、特に少なくとも1つの第2カラーワニス層を2つ以上の第2部分層から形成することができる。2つ以上の第2部分層は、好ましくはそれぞれの場合において、0.1μm~50μmの間、さらに好ましくは1.0μm~5.0μmの間の層厚を有する。
【0066】
好ましくは、少なくとも1つの第2カラーワニス層は、全表面に形成され、特に、少なくとも1つの第2カラーワニス層は、装飾フィルムに対して垂直に見たとき全表面を占める。
【0067】
さらに有益には、少なくとも1つの第2カラーワニス層は、特に380nm~780nmの間の波長範囲の光を拡散散乱させ、および/または少なくとも1つの第2カラーワニス層は、少なくとも50ヘイズ単位、好ましくは少なくとも75ヘイズ単位のヘイズ値を有する。
【0068】
さらに有益には、少なくとも1つの第2カラーワニス層は、特に380nm~780nmの間の波長範囲から、50%を超える、好ましくは75%を超える、さらに好ましくは85%を超える透過光を入射光ビームの方向から2.5°より大きく偏向する。すなわち、少なくとも1つの第2のカラーワニス層は、特に380nm~780nmの間の波長範囲から、50%未満、好ましくは75%未満、さらに好ましくは85%未満の透過光を入射光ビームの方向から2.5°未満偏向することができる。
【0069】
少なくとも1つの第2カラーワニス層によって透過された全光に対する透過における入射光の方向から2.5°未満の角度範囲から少なくとも1つの第2カラーワニス層によって偏向された光の比率を、0.5よりも大きく、好ましくは0.75よりも大きく、さらに好ましくは0.85よりも大きくすることができる。
【0070】
これにより、少なくとも1つの第2カラーワニス層を透過した光を、好ましくは広い立体角範囲に、さらに好ましくは全ての空間方向に拡散散乱させることもできる。その結果、特に点光源の光が均一に散乱され、その結果、少なくとも1つの第2カラーワニス層は、特に点光源で照明されているにもかかわらず、均一に照明されているように観察者に見える。
【0071】
したがって、少なくとも1つの第2カラーワニス層は、拡散フィルムを形成すること、および/または少なくとも1つの第2カラーワニス層を拡散フィルムとすることができる。
【0072】
ここで、拡散フィルムとは、例えば、接着、積層、または同様の方法によって塗布することができる特に自立乾燥層を意味する。好ましくは、このような拡散フィルムは、湿式法によって印刷または鋳造される第2カラーワニス層に代わるものである。
【0073】
さらに有益には、少なくとも1つの第2カラーワニス層は、染色される、特に少なくとも1つの第2カラーワニス層は、染料および/または顔料によって染色される。好ましくは、少なくとも1つの第2カラーワニス層の顔料レベルは、5%~80%の間、好ましくは40%~45%の間である。
【0074】
有益には、少なくとも1つの第2カラーワニス層は、PET、PMMA、PEN、PAおよび/またはABSから形成され、および/または少なくとも1つの第2カラーワニス層は、バインダとしてアクリレートを有する。
【0075】
本発明のさらなる実施形態によれば、第2カラーワニス層または第2カラーワニス層に隣接する層は、導光層として形成される。その端面の一方において、この導光層は、好ましくは、特に光源の光が導光層に照射される少なくとも1つの光結合面を有する。視線方向において、装飾フィルムの下方に配置されるのではなく、例えば、それに対して横方向にオフセットされて配置されるように、光源を配置することができる。さらに有益には、少なくとも透明レーザ保護ワニス層に対応する表面の表面領域において、導光層は、例えば表面構造を有する少なくとも1つの光取出面を有する。ここでは、好ましくは、拡散散乱光が少なくとも1つの光結合および光取出面に均一に分布して取り出されるように、少なくとも1つの光結合および光取出面を設計することができる。
【0076】
ここでは、さらに有益には、好ましくは、染料粒子形状の蛍光染料は、第2カラーワニス層の材料に組み込まれる。第2カラーワニス層の材料は、光導光層として、少なくとも1つの光結合および光取出面の領域において構造化する表面に加えるもの、または代わるものとして、実施形態において、例えばポリカーボネートまたはPVCからなる。したがって、第2カラーワニス層は、好ましくは染料粒子形状、特に少なくとも1つの光結合および光取出面の領域において、蛍光染料を有することができる。特に、光が導光層に照射されると、色素粒子は、蛍光に励起され、等方的に、したがって導光層の方向に、蛍光を出射または放射する。したがって、ここでは、プラスチック材料中の蛍光色素に応じて光源を切り替えるとき、結合および取出光の色を定義することができる。
【0077】
ここでは、導光層としての実施形態における第2カラーワニス層を、特に、例えば、接着、積層、または同様の方法によって塗布される自立乾燥層として設計することができる。さらに、導光層としての実施形態における第2カラーワニス層は、湿式法によって印刷または鋳造されることもできる。
【0078】
さらに好ましくは、装飾フィルムは保護ワニス層を備え、特に保護ワニス層は、装飾フィルムの、観察者と対向する側面に配置される。
【0079】
したがって、保護ワニス層は観察者と対向する層を形成する、および/または保護ワニス層を、観察方向において、少なくとも1つの第1カラーワニス層、少なくとも1つの第2カラーワニス層、および/または透明レーザ保護ワニス層の上方に横たわらせる、または配置させることができる。すなわち、保護ワニス層を、少なくとも1つの第1カラーワニス層の、透明レーザ保護ワニス層と反対の側面に配置させることができる。
【0080】
好ましくは、少なくとも1つの第1カラーワニス層、少なくとも1つの第2カラーワニス層および/または透明レーザ保護ワニス層による平面に垂直な観察方向の場合、保護ワニス層は、少なくとも1つの第1カラーワニス層を部分的または完全に覆う。
【0081】
保護ワニス層は、観察方向において、保護ワニス層の下方に配置された層を、特に少なくとも保護ワニス層が除去されない領域において、機械的、物理的および/または化学的な環境の影響から保護する。
【0082】
しかしながら、保護ワニス層を、装飾フィルムの、観察者と反対の側面に配置することもできる。すなわち、保護ワニス層を、少なくとも1つの第2カラーワニス層の、透明レーザ保護ワニス層と反対の側面に配置することができる。
【0083】
有益には、保護ワニス層は透明に形成され、および/または保護ワニス層は、特に380nm~780nmの間の波長範囲において、少なくとも25%、好ましくは少なくとも35%、さらに好ましくは少なくとも85%の透過率を有する。
【0084】
保護ワニス層は、0.5μm~50μmの間、好ましくは4.0μm~4.5μmの間の層厚を有することができる。
【0085】
さらに適切には、保護ワニス層は、モノマー、オリゴマー、ポリマーおよび/またはコポリマーから形成され、好ましくはポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリウレタン(PU)および/またはポリ塩化ビニル(PVC)を含み、さらに好ましくはPUおよび/またはPVCを含み、および/または保護ワニス層は、バインダとしてポリアクリレートを有する。
【0086】
保護ワニス層は、ポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)などのポリエーテルイミド(PEI)および/またはポリスルホンを有することができる。
【0087】
さらに、保護ワニス層は、熱および/または高エネルギー放射によって硬化する、または硬化させる/硬化状態になることができる。好ましくは、硬化は、装飾フィルムまたは転写フィルムの処理および/または装飾フィルムまたは転写フィルムの基材への塗布の前および/または後に行われる。
【0088】
さらに、保護ワニス層を染色することでき、特に、保護ワニス層を染料および/または顔料によって染色することもできる。好ましくは、保護ワニス層の顔料レベルは、15%未満、好ましくは10%未満、さらに好ましくは5%未満である。
【0089】
しかしながら、保護ワニス層を無色にすること、および/または明確に透明にすること、および/または保護ワニス層の顔料レベルを0%にすることもできる。
【0090】
したがって、保護ワニス層を、明るいワニス層、特に着色されていないワニス層にすること、または形成することができる。
【0091】
好ましくは、保護ワニス層は透明であり、特に保護ワニス層は、透過光、特に380nm~780nmの間の波長範囲の光を、散乱によって、8%未満、好ましくは4%未満偏向させる。
【0092】
さらに、特に観察方向において少なくとも1つの第1カラーワニス層の上方に配置された保護ワニス層を、1つ以上の第1領域において、少なくとも部分的に除去、特に完全に除去、および/または特に観察方向において少なくとも1つの第1カラーワニス層の上方に配置された保護ワニス層を、さらに、1つ以上の第1領域において、少なくとも部分的に除去することができる。その結果、保護ワニス層、特に透明レーザ保護ワニス層および/または少なくとも1つの第1および/または第2カラーワニス層の下方に配置された層は、1つ以上の第1領域において化学的、物理的、および/または機械的な環境の影響から保護されない。
【0093】
さらに有益には、装飾フィルムは接着層を備え、特に、接着層は、観察者と対向する、または観察者と反対の装飾フィルムの側面を形成する。
【0094】
しかしながら、装飾フィルムが、少なくとも1つの接着層を備える、特に装飾フィルムは、好ましくは装飾フィルムの対向面を形成する2つ以上の接着層を備えることも考えられる。
【0095】
したがって、接着層は、観察者と対向する、および/または観察者と反対の装飾フィルムの層または表面を形成する、および/または接着層を、観察方向において、少なくとも1つの第1カラーワニス層、少なくとも1つの第2カラーワニス層、および/または透明レーザ保護ワニス層の上方に横たわらせる、または配置させる、および/または接着層を、観察方向において、少なくとも1つの第1カラーワニス層、少なくとも1つの第2カラーワニス層、および/または透明レーザ保護ワニス層の下方に横たわらせる、または配置させることができる。
【0096】
好ましくは、少なくとも1つの第1カラーワニス層、少なくとも1つの第2カラーワニス層、および/または透明レーザ保護ワニス層による平面に垂直な観察方向の場合、接着層は、少なくとも1つの第1カラーワニス層および/または少なくとも1つの第2カラーワニス層を部分的または完全に覆う。
【0097】
これにより、装飾フィルムをプラスチック成形品に塗布する、特にしっかりと塗布する、特に装飾フィルムがプラスチック成形品に強固に接合されるように、塗布することができる。
【0098】
好ましくは、強固に接合されるという用語は、ここでは、2つのエレメントの耐久的な接合を意味する。その結果、少なくとも1つのエレメントを損傷することなく、それらを機械的に分離させることはできない。したがって、例えば、装飾フィルムとプラスチック成形品とは、これら2つのエレメントの間に耐久的な接合があるときに、強固に接合され、2つのエレメントの一方を損傷することなく、装飾フィルムおよび/またはプラスチック成形品を分離させることはできない。
【0099】
有益には、接着層は、0.1μm~50μmの間、好ましくは0.5μm~7μmの間、さらに好ましくは2.5μm~3.0μmの間の層厚を有する。
【0100】
好ましくは、接着層は透明に形成され、および/または接着層は特に380nm~780nmの間の波長範囲において、少なくとも45%、好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも95%の透過率を有する。
【0101】
好ましくは、接着層は、プラスチック成形品への塗布後に明確に透明である材料からなり、特に接着層は、プラスチック成形品への塗布後に散乱によって、380nm~780nmの間の波長範囲の光を8%未満、好ましくは4%未満偏向させる材料からなる。
【0102】
さらに有益には、接着層は、特にPMMA、ポリエステル、PUまたはPVCを備えるポリマーおよび/またはコポリマーの層である、および/または接着層は、バインダとしてアクリレートを有する。
【0103】
接着層を染色すること、特に接着層を染料および/または顔料によって染色することも考えられる。好ましくは、接着層の顔料レベルは、5%~50%の間、好ましくは30%~35%の間である。
【0104】
しかしながら、接着層を無色にすること、および/または明確に透明にすること、および/または接着層の顔料レベルを0%にすることも考えられる。
【0105】
本発明のさらなる実施形態によれば、装飾フィルムは、少なくとも1つの電気機能構造を有する1つ以上の電気機能層を有する。特に、少なくとも1つの電気機能構造は、タッチパネル機能を提供するタッチセンサパネルを形成する。
【0106】
ここでは、タッチセンサパネルとは、特に、シンボルまたは書込みによって識別される、例えばPDAまたは自動車の制御要素などの電気機能要素を制御することを可能にするタッチセンサを意味する。タッチセンサパネルは、同様に、複数の同時タッチを処理することができるマルチタッチセンサパネルを意味する。
【0107】
ここでは、少なくとも1つの電気機能構造は、容量式センサパネルを形成することができる。
【0108】
しかしながら、少なくとも1つの電気機能構造は、抵抗式または誘導式センサパネルを形成することもできる。
【0109】
さらに有益には、少なくとも1つの電気機能構造は、給電線、集積回路などの電気および/または電子部品などのさらなる機能要素を有する。
【0110】
また、少なくとも1つの電気機能構造を単層または多層に形成することも考えられる。さらに、少なくとも1つの電気機能構造は、例えば電気めっきによって、および/または金属顔料層および/またはカーボンなどの他の導電層を用いた印刷によって、少なくとも部分的に塗布される補強層を有することもできる。
【0111】
したがって、装飾フィルムは、タッチセンサを形成する、および/または装飾フィルムをタッチセンサとすることができる。
【0112】
さらに有益には、観察方向において透明レーザ保護ワニス層の上方に配置された全ての層は、不透明である、特に観察方向において透明レーザ保護ワニス層の上方に配置された全ての層は、最大50%、好ましくは最大5%の透過率を有する、および/または観察方向において透明レーザ保護ワニス層の下方に配置された全ての層は、透明である、特に透明レーザ保護ワニス層の下方に配置された全ての層は、少なくとも25%、好ましくは少なくとも45%の透過率を有する。
【0113】
転写フィルムのさらに好ましい設計は、特に以下に記載される。
【0114】
有益には、転写フィルム、特にホットスタンピングフィルムおよび/またはインモールドフィルムは、キャリアフィルムと、キャリアフィルムから分離可能な転写プライとを備える。転写プライは、請求項1~49の1項に記載の装飾フィルムを備える。したがって、装飾フィルムは、特にキャリアフィルムに配置され、キャリアフィルムから分離可能な転写フィルムの転写プライを形成することができる。
【0115】
本発明のさらなる実施形態によれば、転写フィルムは、特にキャリアフィルムと分離可能な装飾フィルムとの間に配置された分離層を備える。
【0116】
好ましくは、分離層は、0.01μm~10μmの間、好ましくは0.1μm~5μmの間の層厚を有し、およびは/または分離層は、ワックス、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、セルロース誘導体および/またはポリ(オルガノ)シロキサンからなる。
【0117】
有益には、キャリアフィルムは、透明なキャリアフィルム、特にPET、PMMA、PC、ABSまたはPUで作られたものであり、および/またはキャリアフィルムは、2μm~250μmの間、好ましくは20μm~125μmの間の層厚を有する。
【0118】
好ましくは、転写フィルムの製造方法において、層、特に少なくとも1つの第1カラーワニス層、透明レーザ保護ワニス層および/または少なくとも1つの第2カラーワニス層は、直接、互いに塗布される。すなわち、好ましくは、ステップb)およびc)にしたがって、層の間、特に少なくとも1つの第1カラーワニス層、透明レーザ保護ワニス層および/または少なくとも1つの第2カラーワニス層の間に、さらなる層を配置することなく、直接、互いに塗布される。したがって、キャリアフィルムから分離可能な装飾フィルムは、少なくとも1つの第1カラーワニス層と、少なくとも1つの第2カラーワニス層と、透明レーザ保護ワニス層とを備えることができる。透明レーザ保護ワニス層は、少なくとも1つの第1カラーワニス層と少なくとも1つの第2カラーワニス層との間に配置される。
【0119】
プラスチック成形品の装飾方法のさらに好ましい設計は、特に以下に記載される。
【0120】
好ましくは、少なくとも1つの第1カラーワニス層が観察者と対向する側面を形成し、少なくとも1つの第2カラーワニス層が観察者と反対の側面する側を形成するように、装飾フィルムは、ステップb)でプラスチック成形品に塗布される。
【0121】
さらに、装飾フィルムを、ステップb)で転写方法、特に、ホットスタンピングなどのホットおよび/またはコールド転写方法、インモールド装飾、射出成形、印刷モールドデザイン、インモールドラベリング、積層および/または結合によって、塗布することができる。
【0122】
さらに有益には、透明レーザ保護ワニス層が露出されるように、少なくとも1つの第1カラーワニス層は、ステップc)でレーザによって1つ以上の第1領域において除去される。
【0123】
さらに好ましくは、少なくとも1つの第1カラーワニス層は、ステップc)でレーザによって1つ以上の第1領域において除去される。その結果、少なくとも1つの第1カラーワニス層がレーザによって除去された1つ以上の第1領域における透明レーザ保護ワニス層の層厚は、少なくとも1つの第1カラーワニス層がレーザによって除去されていない領域における透明レーザ保護ワニス層の層厚に実質的に対応する。特に、好ましくは、透明レーザ保護ワニス層の全厚が50%を超えて、好ましくは30%超えて減少されない限り、透明レーザ保護ワニス層の可能なわずかな表面損傷は、ここでは許容される。特に、最終製品において、一方では、透明レーザ保護ワニス層は、下方に配置された層に対する環境の影響からの保護機能を果たす、他方では、透明レーザ保護ワニス層は、スペーサまたはバッファ層としての機能も果たすか、または果たしている。
【0124】
有益には、少なくとも1つの第1カラーワニス層は、ステップc)で1つ以上の第1領域において完全に除去される。
【0125】
さらに、観察方向において、透明レーザ保護ワニス層の上方および/または少なくとも1つの第1カラーワニス層の上方に配置された装飾フィルムの保護ワニス層を、ステップc)で少なくとも部分的に除去することができる。
【0126】
さらに、観察方向において少なくとも1つの第1カラーワニス層の上方に配置された保護ワニス層がステップc)でレーザによって1つ以上の第1領域において少なくとも部分的に除去されることが考えられる。その結果、保護ワニス層の下方に配置された層、特に透明レーザ保護ワニス層および/または少なくとも1つの第1および/または第2カラーワニス層は、1つ以上の第1領域における化学的、物理的および/または機械的な環境の影響から保護されない。
【0127】
したがって、観察方向において少なくとも1つの第1カラーワニス層の上方に配置された保護ワニス層を、ステップc)でレーザによって1つ以上の第1領域において少なくとも部分的に除去することもできる。その結果、保護ワニス層の下方に配置された層を機械的、物理的、および化学的影響から保護するというその機能をもはや本質的に果たさない。
【0128】
さらに、観察方向において透明レーザ保護ワニス層の上方に配置された全ての層を、ステップc)で1つ以上の第1領域において除去する、特に完全に除去することもできる。
【0129】
本発明のさらなる実施形態によれば、方法は、特にステップa)とb)との間で実施される以下のステップd)をさらに備える。ステップd)は、少なくとも1つの電気機能構造を有する1つ以上の電気機能層を、特に、少なくとも1つの第2カラーワニス層の、観察者と反対の側面に配置するステップ。好ましくは、少なくとも1つの電気機能構造は、タッチパネル機能を提供するタッチセンサパネルを形成する。
【0130】
さらに有益には、少なくとも1つの電気機能構造は、給電線、集積回路などの電気および/または電子部品などのさらなる機能要素をさらに有する。
【0131】
また、少なくとも1つの電気機能構造を単層または多層に形成することも考えられる。さらに、少なくとも1つの電気機能構造は、例えば電気めっきによって、および/または金属顔料層および/またはカーボンなどの他の導電層を用いた印刷によって、少なくとも領域に塗布される補強層を有することもできる。
【0132】
好ましくは、少なくとも1つの電気機能構造を有する1つ以上の電気機能層は、装飾フィルムとプラスチック成形品との間に配置される。したがって、1つ以上の電気機能層を、少なくとも1つの第2カラーワニス層の、透明レーザ保護ワニス層と反対の側面に配置することができる。
【0133】
したがって、プラスチック成形品、特に装飾フィルムで装飾されたプラスチック成形品は、タッチセンサを形成、および/またはタッチセンサとすることができる。
【0134】
さらに有益には、少なくとも1つの電気機能構造を有するステップd)で配置された1つ以上の電気機能層は、ステップb)で装飾フィルムおよびプラスチック成形品に強固に接合される。
【0135】
好ましくは、本方法は、次のステップe)をさらに備える。ステップe)は、バックライト装置を配置するステップであって、特に、有機発光ダイオード(OLEDs)、無機発光ダイオード(LEDs)、マイクロLEDs(mLEDs)、および/または量子ドット発光ダイオード(QLEDs)を備える。好ましくは、バックライト装置は、プラスチック成形品の、装飾フィルムとの反対の側面に配置される。
【0136】
しかしながら、バックライト装置は、白熱灯、ハロゲンランプ、ガス放電ランプおよび/または蛍光ランプ、特に誘導ランプを備えることもできる。
【0137】
あまり好ましくはないが、バックライト装置は、発光塗料またはグロースティックのようなレーザおよび/または化学物理的照明体を備える。
【0138】
有益には、バックライト装置は、ステップe)で強固に取付けられ、特に接着または積層され、または機械的に固定され、例えばネジ止めまたはリベット止めされる。
【0139】
さらに、少なくとも50μm、好ましくは少なくとも100μmの焦点におけるビーム径を有するレーザを、ステップc)で使用することもできる。
【0140】
特に、100mm~500mmの間、好ましくは200mm~300mmの間、さらに好ましくは254mmの焦点距離を有する1つ以上のレンズによってレーザビームを集束させることもできる。
【0141】
さらに好ましくは、レーザ、特にファイバーレーザは、ステップc)で使用される。レーザは、赤外線範囲、好ましくは近赤外線範囲からコヒーレント光、さらに好ましくは780nm~1400nmの間の波長範囲からの光、さらに好ましくは1064nmの波長の光を出射する。
【0142】
好ましくは、ステップc)におけるレーザ出力は、0.05W~100Wの間、好ましくは1W~20Wの間、さらに好ましくは5W~10Wの間である。
【0143】
有益には、ステップc)において、レーザビームは、可動ミラーによって、特にレーザ走査モジュールによって、1つ以上の第1領域に沿って偏向される。
【0144】
本発明のさらなる実施形態によれば、レーザは、最大3000mm/sの書き込み速度、好ましくは500mm/s~2500mm/sの間の書き込み速度で動作し、および/またはレーザは、1Hz~1000kHzの間、好ましくは1kHz~200kHzの間のパルス周波数で動作する。
【0145】
しかしながら、さらに、レーザを連続的に動作させることもできる。
【0146】
さらに、ステップb)において、装飾フィルムをバックインジェクション成形によってプラスチック成形品に塗布することもできる。
ここでは、有益には、本方法は以下のステップをさらに有する。
- 射出金型に装飾フィルムを配置するステップ。
- 装飾フィルムがプラスチック化合物に強固に接合し、特に装飾フィルムがプラスチック成形品の第1表面を形成するように、プラスチック化合物で装飾フィルムをバックインジェクション成形するステップ。
ここでは、好ましくは、硬化したプラスチック化合物は、プラスチック成形品を形成する。
【0147】
さらに、さらなるステップ、特に、プラスチック成形品のさらなる処理を、特にステップa)、b)、c)、d)および/またはe)の後に実施することができる。したがって、例えば、プラスチック成形品、特に装飾フィルムで装飾されたプラスチック成形品を次から選択されたさらなるステップのうちの1つでさらに処理することができる。さらなるステップは、さらなる層によるワニス塗り、PUフラッディング、オーバースプレー、またはさらなるプラスチック部品によるオーバーレイ、ミリング、パンチング、深絞り、ポリッシング、および/またはスタンピングである。
【0148】
プラスチック成形品のさらに好ましい設計は、特に以下に記載される。
【0149】
本発明のさらなる実施形態によれば、装飾フィルムに対して垂直に見たとき、1つ以上の第1領域は、少なくとも50μm、好ましくは少なくとも100μmの線幅を有し、および/または装飾フィルムに対して垂直に見たとき、1つ以上の第1領域は、最大2mm、好ましくは最大1mm、さらに好ましくは最大0.5mmの線幅を有する。
【0150】
プラスチック成形品は、0.5mm~10mmの間、好ましくは0.8mm~5mmの間の層厚を有することもできる。
【0151】
有益には、プラスチック成形品は、熱可塑性材料の少なくとも1つの層を有する。少なくとも1つの層は、特に、少なくとも1つの第2カラーワニス層の、観察者と反対の側面に配置される。
【0152】
したがって、熱可塑性材料の少なくとも1つの層を、観察者と反対の少なくとも1つの第2カラーワニス層に配置することができる。
【0153】
プラスチック成形品は、以下の層構造を有することもできる。特に、第1層は、観察者と反対の側面を形成する。
‐熱可塑性材料の少なくとも1つの層
‐任意に接着層
‐少なくとも1つの第2カラーワニス層
‐透明レーザ保護ワニス層
‐少なくとも1つの第1カラーワニス層
‐任意に保護ワニス層
【0154】
さらに、プラスチック成形品は、以下の層構造を有することもできる。特に、第1層は、観察者と反対の側面を形成する。
‐熱可塑性材料の少なくとも1つの層
‐任意に接着層
‐任意に保護ワニス層
‐少なくとも1つの第1カラーワニス層
‐透過レーザ保護ワニス層
‐少なくとも1つの第2カラーワニス層
【0155】
好ましくは、熱可塑性材料の少なくとも1つの層は透明であり、特に熱可塑性材料の少なくとも1つの層は、特に380nm~780nmの間の波長範囲における5%~98%の間の透明度を有し、および/または熱可塑性材料の少なくとも1つの層は、以下の材料の1つから形成される。材料としては、ABS、PC、ABS/PC、PC/ABS、PMMA、ポリプロピレン(PP)、PA、熱可塑性ポリウレタン(TPU)が挙げられる。これにより、プラスチック成形品の良好なバックライトを確保することができる。
【0156】
特に、少なくとも1つの第1カラーワニス層、少なくとも1つの第2カラーワニス層、および/または透明レーザ保護ワニス層の透明度値および/または光散乱特性の組み合わせまたは変化によって、好ましくは1つ以上の第1領域の設計と組み合わせて、非常に異なる光学特性を達成することができる。
【0157】
例えば、少なくとも1つの第1カラーワニス層を不透明に設計することができ、装飾フィルムに対して垂直に見たとき、1つ以上の第1領域は、最大2mm、好ましくは最大1mm、さらに好ましくは最大0.5mmの線幅を有することができる。例えば、透明レーザ保護ワニス層に加えて、少なくとも1つの第2カラーワニス層も透明に設計され、好ましくは、両方の層は、例えば、45%を超える、さらに好ましくは65%を超える透過率を有し、これらの層のうちの少なくとも1つは、さらに拡散散乱して形成され、特に、プラスチック成形品を熱可塑性材料の少なくとも1つの層と反対の側面から、および/または少なくとも1つの第1カラーワニス層の側面から見たとき、観察者のための光学印象が生成される。この光学印象は、バックライトが不活性化されたとき、プラスチック成形品が不透明であるという光学印象である。しかしながら、例えば、そのようなプラスチック成形品がバックライトで照らされると、透明レーザ保護ワニス層および/または少なくとも1つの第2カラーワニス層の拡散散乱特性のため1つ以上の第1領域は、観察者にとって認識可能であり、さらに、均一にバックライトで照らされているように見える。特に、そのような光学効果は、シンボルまたはパターンまたは書込みなどように1つ以上の第1領域によって形成された装飾エレメントがバックライトされたときにのみ見えるようになることから、「デッドフロント効果」とも呼ばれる。
【0158】
したがって、例えば、除去された1つ以上の第1領域と、少なくとも1つの第1カラーワニス層の除去されていない領域との間のコントラストによって、観察者のために1つ以上の第1領域の視認性を設定または制御することができる。
【0159】
好ましくは、少なくとも1つの第1カラーワニス層は、少なくとも1つの第1カラーワニス層が除去される1つ以上の第1領域と、少なくとも1つの第1カラーワニス層が除去されない領域との間で、少なくとも5%、さらに好ましくは少なくとも10%~95%、さらに好ましくは少なくとも15%~85%の透過率の差を有する。
【0160】
したがって、さらに、少なくとも1つの第2カラーワニス層および/または透明レーザ保護ワニス層および/または熱可塑性材料の少なくとも1つの層の透明度値によって、観察者のために1つ以上の第1領域の視認性を設定または制御することもできる。したがって、例えば、これらの層の透明度値の減少は、1つ以上の第1領域の視認性を低下させ、同時に、第1カラーワニス層の高い不透明度の印象が非バックライト状態で与えられるという結果を有する。この場合、1つ以上の第1領域は、特にバックライト状態においてのみ観察者に認識可能である。
【0161】
さらに、熱可塑性材料の少なくとも1つの層の染色、特に熱可塑性材料の少なくとも1つの層を染色および/または顔料によって染色することが考えられる。好ましくは、熱可塑性材料の少なくとも1つの層の顔料レベルは、15%未満、好ましくは10%未満、さらに好ましくは5%未満である。
【0162】
したがって、さらに有益には、プラスチック成形品は、特に観察者と反対の少なくとも1つの第2カラーワニス層に少なくとも1つの電気機能構造を有する1つ以上の電気機能層を有する。好ましくは、少なくとも1つの電気機能構造は、タッチパネル機能を提供するタッチセンサパネルを形成する。
【0163】
さらに有益には、少なくとも1つの電気機能構造は、給電線、集積回路などの電気および/または電子部品などのさらなる機能要素をさらに有する。
【0164】
また、少なくとも1つの電気機能構造を単層または多層に形成することも考えられる。さらに、少なくとも1つの電気機能構造は、例えば電気めっきによって、および/または金属顔料層および/またはカーボンなどの他の導電層を用いた印刷によって、少なくとも部分的に塗布される補強層を有することも考えられる。
【0165】
好ましくは、少なくとも1つの電気機能構造を有する1つ以上の電気機能層は、装飾フィルムと熱可塑性材料の少なくとも1つの層との間に配置される。したがって、1つ以上の電気機能層を、少なくとも1つの第2カラーワニス層の、透明レーザ保護ワニス層と反対の側面に配置することができる。
【0166】
本発明のさらなる実施形態によれば、プラスチック成形品は、特に、有機発光ダイオード(OLEDs)、無機発光ダイオード(LEDs)、マイクロLED(mLEDs)、および/または量子ドット発光ダイオード(QLEDs)を備えるバックライト装置を有する。好ましくは、バックライト装置は、熱可塑性材料の少なくとも1つの層の、装飾フィルムと反対の側面に配置される。
【0167】
本発明の実施形態は、正確な縮尺ではない添付の図面を参照して例として以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【
図1a】
図1aは装飾フィルムの断面を模式的に示す。
【
図1b】
図1bは装飾フィルムの断面を模式的に示す。
【
図1c】
図1cは装飾フィルムの断面を模式的に示す。
【
図1d】
図1dは装飾フィルムの断面を模式的に示す。
【
図1e】
図1eは装飾フィルムの断面を模式的に示す。
【
図1f】
図1fは装飾フィルムの断面を模式的に示す。
【
図1g】
図1gは装飾フィルムの断面を模式的に示す。
【
図4a】
図4aは転写フィルムを製造するための方法ステップを模式的に示す。
【
図4b】
図4bは転写フィルムを製造するための方法ステップを模式的に示す。
【
図4c】
図4cは転写フィルムを製造するための方法ステップを模式的に示す。
【
図4d】
図4dは転写フィルムを製造するための方法ステップを模式的に示す。
【
図5a】
図5aはプラスチック成形品を装飾するための方法ステップを模式的に示す。
【
図5b】
図5bはプラスチック成形品を装飾するための方法ステップを模式的に示す。
【
図5c】
図5cはプラスチック成形品を装飾するための方法ステップを模式的に示す。
【
図6a】
図6aはプラスチック成形品を装飾するための方法ステップを模式的に示す。
【
図6b】
図6bはプラスチック成形品を装飾するための方法ステップを模式的に示す。
【
図6c】
図6cはプラスチック成形品を装飾するための方法ステップを模式的に示す。
【
図8a】
図8aはプラスチック成形品の断面を模式的に示す。
【
図8b】
図8bはプラスチック成形品の断面を模式的に示す。
【
図8c】
図8cはプラスチック成形品の断面を概略的に示す。
【
図8d】
図8dはプラスチック成形品の断面を概略的に示す。
【
図8e】
図8eはプラスチック成形品の断面を概略的に示す。
【
図9】
図9は装飾フィルムおよび/またはプラスチック成形品の上面図を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0169】
図1a~
図1gは装飾フィルム1の断面を模式的に示す。
【0170】
特にプラスチック成形品を装飾するための
図1aに示された装飾フィルム1は、カラーワニス層4と、カラーワニス層6と、透明レーザ保護ワニス層5とを備える。透明レーザ保護ワニス層5は、カラーワニス層4とカラーワニス層6との間に配置される。
【0171】
ここでは、および以下の記載において、特にカラーワニス層4は第1カラーワニス層であり、カラーワニス層6は、上記意味において第2カラーワニス層である。したがって、特にカラーワニス層4は、第1カラーワニス層を示し、カラーワニス層6は、上記記載によると第2カラーワニス層を示す。
【0172】
したがって、カラーワニス層4を、透明レーザ保護ワニス層5の、観察者と対向する側面に配置することができ、カラーワニス層6を、透明レーザ保護ワニス層5の、観察者と反対の側面に配置することができる。したがって、カラーワニス層4は観察者と対向する側面を形成することができる。したがって、カラーワニス層6を、観察方向において、透明レーザ保護ワニス層5の下方および/またはカラーワニス層4の下方に配置することもできる。
【0173】
透明レーザ保護ワニス層5とは、好ましくは透明保護ワニス層、特に透明中間保護ワニス層を意味する。これは、カラーワニス層6、特に観察者から見て透明中間保護ワニス層の下方に配置された層を、機械的、物理的および/または化学的な環境の影響から保護し、および/またはストリップレーザのためのスペーサまたはバッファ層としてさらに機能するように設計される。したがって、例えば、
図1に示された透明レーザ保護ワニス層5は、透明保護ワニス層、特に透明中間保護ワニス層である。
【0174】
透明レーザ保護ワニス層5は、好ましくは0.5μm~50μmの間、好ましくは2.0μm~2.5μmの間の層厚を有する。
図1aに示された透明レーザ保護ワニス層5は、例えば、2.0μm~2.5μmの間の層厚を有する。
【0175】
さらに有益には、透明レーザ保護ワニス層5は、特に380nm~780nmの間の波長範囲において、少なくとも25%、好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも85%の透過率を有する。
図1aに示された透明レーザ保護ワニス層は、例えば、少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%の透過率を有する。
【0176】
さらに、透明レーザ保護ワニス層5は、赤外線範囲、好ましくは近赤外線範囲、さらに好ましくは780nm~1400nmの間の波長範囲において、さらに好ましくは1064nmの波長を有する光に対して、少なくとも25%、好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも85%の透過率を有することも考えられる。
【0177】
さらに有益には、透明レーザ保護ワニス層5は、特に250℃まで、好ましくは650℃まで、さらに好ましくは1000℃までの耐熱性を有する。
【0178】
好ましくは、透明レーザ保護ワニス層5は、透過光、特に380nm~780nmの間の波長範囲の光を拡散散乱させ、および/または透明レーザ保護ワニス層5は、最大50ヘイズ単位、好ましくは最大20ヘイズ単位のヘイズ値を有する。
【0179】
好ましくは、ヘイズ値は、ASTM D 1003規格にしたがって透過においてヘイズ単位で決定される。例えば、ヘイズ値は、ドイツ、ゲーレッツリートのByk-Gardener社のBYK haze-gard iメータによって測定される。ここでは、好ましくは、測定される層またはフィルムは、メータのオープンサンプルコンパートメントに保持され、特にヘイズ値については、装置のいわゆる「ヘイズポート」に配置される。有益には、測定は、標準光源D65によって実行される。次いで、好ましくは、測定結果は、メータのスクリーンに表示される。有益には、ヘイズ値は、パーセント(%)で与えられる。したがって、この場合、ヘイズ値の単位をパーセント(%)とすることができる。したがって、好ましくは、ヘイズ値の範囲は0~100%である。したがって、ヘイズ単位をパーセンテージ値とすること、またはヘイズ単位をパーセンテージ値で示すことができる。好ましくは、最大値は100%である。100%を超える値は、例えば特に使用される測定原理に応じて、測定中の追加の散乱光効果および/または反射効果によって生じる可能性がある。
【0180】
ここでは、好ましくは、ヘイズとは、特に結像品質の低下をもたらす拡散散乱、特に大角散乱を意味する。好ましくは、特に光が全ての空間方向に散乱される材料における粒子または不均質性は、散乱中心として作用する。有益には、低散乱強度のみが全ての立体角に適用される。特に、コントラストの低下および/または乳白色の曇った外観は、これによってもたらされる。この効果は、好ましくはヘイズまたは曇りと呼ばれる。したがって、好ましくは、ヘイズ値は、透明サンプル、例えばプラスチック層またはフィルムの曇り度合いを示す。
【0181】
さらに有益には、透明レーザ保護ワニス層5によって透過される全光に対する透過における入射光の方向から2.5°未満の角度範囲から透明レーザ保護ワニス層5によって偏向される光の比率は、0.5未満、好ましくは0.2未満である。すなわち、透明レーザ保護ワニス層5は、特に380nm~780nmの間の波長範囲からの透過光の50%未満、好ましくは20%未満を入射光ビームの方向から2.5°より大きく偏向することができる。
【0182】
好ましくは、透明レーザ保護ワニス層5は、乳白色の曇った外観を有し、および/または透明レーザ保護ワニス層5は、特に380nmと780nmとの間の波長範囲から、30%を超える、好ましくは45%を超える、さらに好ましくは65%を超える透過光を入射光ビームの方向から2.5°より大きく偏向する。すなわち、透明レーザ保護ワニス層5は、特に380nm~780nmの間の波長範囲から、30%未満、好ましくは45%未満、さらに好ましくは65%未満の透過光を入射光ビームの方向から2.5°未満偏向することができる。
【0183】
さらに、透明レーザ保護ワニス層5によって透過される全光に対する透過における入射光の方向から2.5°未満の角度範囲から透明レーザ保護ワニス層5によって偏向される光の比率を、0.3よりも大きく、好ましくは0.45よりも大きく、さらに好ましくは0.65よりも大きくすることができる。
【0184】
透明レーザ保護ワニス層5を染色することもでき、特に透明レーザ保護ワニス層5を染料および/または顔料によって染色することもできる。好ましくは、透明レーザ保護ワニス層5の顔料レベルは、15%未満、好ましくは10%未満、さらに好ましくは5%未満である。
【0185】
しかしながら、透明レーザ保護ワニス層5を無色にする、および/または明確に透明にする、および/または透明レーザ保護ワニス層5の顔料レベルを0%にすることもできる。したがって、
図1aに示された透明レーザ保護ワニス層5の顔料レベルは、例えば0%である。その結果、
図1aに示された透明レーザ保護ワニス層5は、特に着色されていない透明ワニス層である。
【0186】
透明レーザ保護ワニス層5は、好ましくはモノマー、オリゴマー、ポリマーおよび/またはコポリマーの層であり、好ましくはポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリウレタン(PU)および/またはポリ塩化ビニル(PVC)、さらに好ましくはPUおよび/またはPVCを含む。
さらに、透明レーザ保護ワニス層5は、バインダとしてポリアクリレートを有することもできる。したがって、例えば、
図1aに示された透明レーザ保護ワニス層5は、バインダとしてポリアクリレートを有する。
【0187】
さらに、透明レーザ保護ワニス層5は、例えばポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)などのポリエーテルイミド(PEI)および/またはポリスルホンを有することもできる。
【0188】
さらに、透明レーザ保護ワニス層5は、熱および/または高エネルギー放射によって硬化する、または硬化される/硬化状態になることもできる。硬化は、好ましくは装飾フィルムまたは転写フィルムの処理および/または装飾フィルムまたは転写フィルムの基板への塗布の前および/または後に行われる。
【0189】
透明レーザ保護ワニス層5は、好ましくはカラーワニス層6、特に観察者から見て透明レーザ保護ワニス層5の下方に配置された層を、機械的、物理的および/または化学的な環境の影響から保護する。
【0190】
カラーワニス層4は、好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)、PMMA、ポリエチレンナフタレート(PEN)、PAおよび/またはアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレンコポリマー(ABS)の層である。さらに、カラーワニス層4をバインダとしてアクリレートに設けることもできる。したがって、例えば、
図1aに示されたカラーワニス層4は、バインダとしてアクリレートを有する。
【0191】
カラーワニス層4は、好ましくは0.1μm~50μmの間、好ましくは0.5μm~5.0μmの間の層厚を有する。
図1aに示されたカラーワニス層は、例えば、5.0μm~5.5μmの間の層厚を有する。
【0192】
さらに、カラーワニス層4は、好ましくは不透明に形成され、および/または有益には、特に380nm~780nmの間の波長範囲において、最大50%、好ましくは最大20%、さらに好ましくは最大5%の透過率を有する。
図1aに示されたカラーワニス層4は、例えば、最大5%の透過率を有する。
【0193】
有益には、カラーワニス層4が染色され、特に少なくとも1つのカラーワニス層4は、染料および/または顔料によって染色される。好ましくは、カラーワニス層4の顔料レベルは、5%~35%の間、好ましくは20%~25%の間である。
図1aに示されたカラーワニス層4は、例えば顔料によって染色され、さらに例えば5%~35%の間、好ましくは20%~25%の間の顔料レベルを有する。
【0194】
さらに、カラーワニス層4を暗く、特に黒く染色することもでき、および/またはカラーワニス層4は光吸収粒子、特にカーボンブラックを有することもできる。
【0195】
カラーワニス層6は、好ましくはPET、PMMA、PEN、PAおよび/またはABSから形成され、および/またはバインダとしてアクリレートを有する。したがって、
図1aに示されたカラーワニス層6は、例えばバインダとしてアクリレートを有する。
【0196】
さらに、カラーワニス層6は、好ましくは0.1μm~50μmの間、好ましくは1.0μm~5.0μmの間の層厚を有する。したがって、
図1aに示されたカラーワニス層6は、例えば、6.0μm~7.0μmの間の層厚を有する。
【0197】
さらに有益には、カラーワニス層6は、透明に形成され、および/またはカラーワニス層6は、特に380nm~780nmの間の波長範囲において、少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも90%の透過率を有する。したがって、
図1aに示されたカラーワニス層は、例えば少なくとも25%、好ましくは少なくとも45%の透過率を有する。
【0198】
したがって、有益には、カラーワニス層6を透過させることができ、特にバックライト手段によって透過させることができ、および/または観察方向においてカラーワニス層6の後方に配置されたバックライト手段によって出射される光の10%より多く、好ましくは25%より多く、さらに好ましくは75%より多く、さらに好ましくは90%より多くが透過されるように、カラーワニス層6を設計することができる。
【0199】
図1aに示されたように、カラーワニス層6は、好ましくは全面に形成され、特にカラーワニス層6は、装飾フィルム1に対して垂直に見たとき、全表面領域を占める。
【0200】
さらに有益には、カラーワニス層6は、特に380nm~780nmの間の波長範囲の光を拡散散乱させ、および/またはカラーワニス層6は、少なくとも50ヘイズ単位、好ましくは少なくとも75ヘイズ単位のヘイズ値を有する。
【0201】
有益には、カラーワニス層6は、特に380nm~780nmの間の波長範囲から、50%を超える、好ましくは75%を超える、さらに好ましくは85%を超える透過光を入射ビームの方向から2.5°より大きく偏向する。すなわち、カラーワニス層6は、特に380nm~780nmの間の波長範囲から、50%未満、好ましくは75%未満、さらに好ましくは85%未満の透過光を入射光ビームの方向から2.5°未満偏向することができる。
【0202】
さらに、カラーワニス層6によって透過される全光に対する透過における入射光の方向から2.5°未満の角度範囲からカラーワニス層6によって偏向される光の比率を、0.5より大きく、好ましくは0.75より大きく、さらに好ましくは0.85より大きくすることもできる。
【0203】
これは、カラーワニス層6を透過した光を、好ましくは大きな立体角範囲に、好ましくは全ての空間方向に拡散散乱させることもできる。その結果、特に点光源の光は、均一に散乱され、その結果、カラーワニス層6は、特に点光源によって照らされているにもかかわらず、均一に照らされているように観察者に見える。
【0204】
したがって、カラーワニス層6は拡散フィルムを形成する、および/またはカラーワニス層6を拡散フィルムとすることができる。
【0205】
ここでは、拡散フィルムとは、例えばラミネートまたは同様の方法によって塗布することができる特に自立乾燥層を意味する。好ましくは、このような拡散フィルムは、湿式法によって印刷または鋳造される第2カラーワニス層に代わるものを示す。
【0206】
さらに好ましくは、カラーワニス層6は染色され、特に染料および/または顔料によって染色される。ここでは、カラーワニス層6の着色レベルを、好ましくは5%~80%の間、好ましくは40%~45%の間とすることができる。
図1aに示されたカラーワニス層6は、例えば、顔料によって染色された層である。顔料レベルは、例えば40%~45%の間である。
【0207】
本発明のさらなる実施形態によれば、カラーワニス層6または第2カラーワニス層6に隣接する層は、導光層として形成される。この導光層は、その端面の一方に、好ましくは、特に光源の光が導光層に照射される光結合面を有する。視認方向において、装飾フィルム1の下方に配置されるのではなく、例えば、それに対して横方向にオフセットされて配置されるように、光源を配置することができる。さらに有益には、少なくとも透明レーザ保護ワニス層5と対向する表面の領域において、導光層は、例えば表面構造を有する光取出面を有する。ここでは、好ましくは拡散的な光散乱が均一に取り出され、光結合面に均一に分配されるように、光取出面を設計することができる。
【0208】
ここでは、さらに有益には、好ましくは染料粒子形態の蛍光染料は、カラーワニス層6の材料に組み込まれる。カラーワニス層6の材料は、少なくとも光結合および取出面の領域において、表面構造の代わりとしてまたは表面構造に加えて、導光層として、実施形態では、例えばポリカーボネートまたはPVCからなる。したがって、カラーワニス層6は、特に光結合および取出面の領域において、好ましくは染料粒子形態の蛍光染料を有することができる。特に、光が導光層に照射されると、染料粒子は、蛍光に励起され、蛍光を等方的に放射する、したがって導光層の方向にも放射する。したがって、ここでは、プラスチック材料における蛍光染料に応じて光源が切り替えられると、結合および取出光の色を定義することができる。
【0209】
ここでは、導光層としての実施形態におけるカラーワニス層6を、特に自立乾燥層として設計することができる。自立乾燥層は、例えば、接着、積層、または同様の方法によって塗布される。さらに、導光層としての本実施形態におけるカラーワニス層6を、湿式法によって印刷または鋳造することもできる。
【0210】
特にプラスチック成形品を装飾するための
図1bに示された装飾フィルム1は、カラーワニス層4と、カラーワニス層6と、保護ワニス層8と、透明レーザ保護ワニス層5とを備える。透明レーザ保護ワニス層5は、カラーワニス層4とカラーワニス層6との間に配置される。
【0211】
図1bに示されたように、保護ワニス層8は、カラーワニス層4の上方に配置されている。したがって、例えばカラーワニス層4が装飾フィルム1の、観察者と対向する側面を形成する場合、保護ワニス層8は、装飾フィルム1の、観察者と対向する側面に配置される。
【0212】
ここでは、下方および/または上方という用語は、特に観察者が観察方向から見たときの別の層に対する層の配置を意味する。したがって、有益には、下方および/または上方という用語は基準系を示す。これにより、例えば、
図1bに示されたように、カラーワニス層6は、観察方向において透明レーザ保護ワニス層5の下方に配置される。
【0213】
したがって、保護ワニス層8は、観察者と対向する層を形成することができ、および/または保護ワニス層8を、
図1bに示されたように、観察方向において、カラーワニス層4、カラーワニス層6、および/または透明レーザ保護ワニス層5の上方に横たわらせる、また配置することができる。したがって、
図1bに示されたように、保護ワニス層8は、カラーワニス層4の、透明レーザ保護ワニス層5と反対の側面に配置される。
【0214】
図1bに示されたように、保護ワニス層8は、カラーワニス層4、カラーワニス層4による平面に垂直な観察方向の場合、カラーワニス層6および/または透明レーザ保護ワニス層5を完全に覆うことが好ましい。しかしながら、保護ワニス層8は、カラーワニス層4を領域においてのみ覆うこともできる。
【0215】
有益には、保護ワニス層8は、観察方向において、保護ワニス層8の下方に配置された層を、特に少なくとも保護ワニス層8が後に再び除去されないまたは塗布される領域において、機械的、物理的および/または化学的な環境の影響から保護する。
【0216】
しかしながら、
図1bに示された実施形態の変形例の代わりとして、保護ワニス層8を装飾フィルム1の、観察者と反対の側面に配置することもできる。したがって、保護ワニス層を、カラーワニス層6の、透明レーザ保護ワニス層5と反対の側面に配置することができる。
【0217】
有益には、保護ワニス層8は透明に形成され、および/または保護ワニス層8は、特に380nm~780nmの間の波長範囲において、少なくとも25%、好ましくは少なくとも35%、さらに好ましくは少なくとも85%の透過率を有する。したがって、
図1bに示された保護ワニス層8は、例えば少なくとも85%の透過率を有する透明保護ワニス層8である。
【0218】
保護ワニス層8の層厚は、好ましくは0.5μm~50μmの間、さらに好ましくは4.0μm~4.5μmの間である。
図1bに示された保護ワニス層8は、例えば、4.0μm~4.5μmの間の層厚を有する。
【0219】
さらに、保護ワニス層8は、好ましくはモノマー、オリゴマー、ポリマーおよび/またはコポリマーの層であり、好ましくはポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリウレタン(PU)および/またはポリ塩化ビニル(PVC)を含み、さらに好ましくはPUおよび/またはPVCを含む。さらに、保護ワニス層8は、バインダとしてポリアクリレートを有することができる。
【0220】
さらに、保護ワニス層8は、例えばポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)などのポリエーテルイミド(PEI)および/またはポリスルホンを有することもできる。
【0221】
さらに、保護ワニス層8は、熱および/または高エネルギー放射によって硬化する、または硬化される/硬化状態になることもできる。硬化は、好ましくは装飾フィルムまたは転写フィルムの処理および/または装飾フィルムまたは転写フィルムの基材への塗布の前および/または後に行われる。
【0222】
したがって、
図1bに示された保護ワニス層は、例えば、バインダとしてアクリレート、特に反応硬化アクリレートを有する。硬化は、好ましくは熱および/またはUV照射によって行われる。
【0223】
さらに、保護ワニス層8を染色することもでき、特に、保護ワニス層を染料および/または顔料によって染色することもできる。好ましくは、保護ワニス層8の顔料レベルは、15%未満、好ましくは10%未満、さらに好ましくは5%未満である。
【0224】
しかしながら、保護ワニス層8を無色、および/または明確に透明することができ、および/または保護ワニス層の顔料レベルを0%にすることができる。
【0225】
保護ワニス層8は、好ましくは透明であり、特に保護ワニス層8は、透過光、特に380nm~780nmの範囲の波長範囲の光を散乱によって8%未満、好ましくは4%未満偏向させる。
【0226】
したがって、
図1bに示された保護ワニス層8は、例えば、無色素透明ワニス層である。
【0227】
図1bに示されたさらなる層、特にカラーワニス層4、透明レーザ保護ワニス層5およびカラーワニス層6の設計に関しては、ここでは、上記説明を参照されたい。
【0228】
図1cに示された装飾フィルム1は、カラーワニス層4が金属層4aとして形成され、カラーワニス層6が金属層6aとして形成されている点で異なるが、
図1bに示された装飾フィルムに対応する。
【0229】
有益には、金属層4aは、好ましくは金属層6aよりも低い透過率を有する光学的に密な金属層である。同様に、有益には、金属層6aは、好ましくは金属層4aよりも高い透過率を有する光学的に薄い金属層である。
【0230】
有益には、金属層4aは、特に380nm~780nmの間の波長範囲において、最大30%、好ましくは最大10%、さらに好ましくは最大5%の透過率を有する。
【0231】
好ましくは、金属層6aは、特に380nm~780nmの間の波長範囲において、10%を超える、好ましくは25%を超える、さらに好ましくは50%を超える、さらに好ましくは75%を超える、さらに好ましくは90%を超える透過率を有する。
【0232】
さらに有益には、第1金属層4aの層厚は、10nm~1μmの間、好ましくは20nm~300nmの間である。
【0233】
好ましくは、第2金属層6aの層厚は、1nm~500nmの間、好ましくは10nm~80nmの間である。
【0234】
これにより、特に、金属層4aは、その低透過率のため観察者によって不透明であると知覚され、一方では、金属層6aは透明である。
【0235】
透過率(T)と光学密度(OD)との間の関数関係は以下のように表される:OD=log(100/T[%])。
【0236】
上記透過率値は、特に380nm~780nmの間の波長範囲、すなわち人間の目に見える波長範囲で決定される。
【0237】
金属層の光学密度は、特に、使用される層の厚さに加えて、とりわけ、使用される金属に依存する。
【0238】
したがって、金属層4aおよび/または金属層6aを、アルミニウム、コバルト、銅、金、鉄、クロム、ニッケル、銀、白金、パラジウムおよび/もしくはチタンまたはそれらの合金から形成することができる。好ましくは、アルミニウムは、人間の目に見える波長範囲からの光に対するその小さい浸透深さのため光学的により密な金属層4aに使用される。金、銅、クロム、銀および/または鉄は、人間の目に見える波長範囲からの光に対するそれらの大きい浸透深さのため光学的により薄い金属層6aに使用される。
【0239】
図1dに示された装飾フィルム1は、カラーワニス層4bおよびカラーワニス層6bが多層に形成されている点で異なるが、
図1bに示された装飾フィルム1に対応している。
【0240】
図1dに示されたように、カラーワニス層4
bは2つの部分層から形成される。2つの部分層は、それぞれの場合において、特に0.1μm~50μmの間、好ましくは0.5μm~5.0μmの間の層厚を有する。
【0241】
同様に、
図1dに示されたように、カラーワニス層6bは2つの部分層から形成される。2つの部分層は、それぞれの場合において、好ましくは0.1μm~50μmの間、さらに好ましくは1.0μm~5.0μmの間の層厚を有する。
【0242】
さらに、2つの部分層は、それぞれの場合において、特にRGB色空間またはCMYK色空間から異なる色を有することができる。
【0243】
ここでは、色とは、特に、例えば、色空間内のRGB色モデル(R=赤、G=緑、B=青)またはCMYK色モデル(C=シアン、M=マゼンタ、Y=黄、K=黒)のようなカ色モデルで示すことができる色ドットを意味する。
【0244】
図1eに示された装飾フィルム1は、カラーワニス層4が部分的に形成されている点で異なるが、
図1aに示された装飾フィルム1に対応している。
【0245】
図1eに示されたように、カラーワニス層4は、領域16bに存在し、領域16cには存在しない。
【0246】
領域において形成されるこのようなカラーワニス層4を、例えば、レリーフ印刷、特にフレキソ印刷、平版印刷、特にオフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、および/またはシルクスクリーン印刷、特にスクリーン印刷などの印刷方法によって生成することもできる。さらに、特にカラーワニス層4が金属層4aとして形成される場合、これを、例えば、CVD(化学蒸着)方法および/またはPVD(物理蒸着)方法などの金属化方法によって、好ましくはマスク、特にフォトリソグラフィマスクを使用して生成することもできる。
【0247】
ここでは、領域とは、特にそれぞれの場合において、装飾フィルム1、特にカラーワニス層4、透明レーザ保護ワニス層5および/またはカラーワニス層6による平面に対して垂直に見たときに占められる層またはプライの規定された表面領域を意味する。したがって、例えば、カラーワニス層4は、カラーワニス層4が存在する領域16bと、カラーワニス層4が存在しない領域16cとを有する。領域16b、16cのそれぞれは、それぞれの場合において、透明レーザ保護ワニス層5による平面に対して垂直に見たときに規定された表面領域を占める。
【0248】
図1fに示された装飾フィルムは、装飾フィルム1が接着層9をさらに備える点で異なるが、
図1bに示す装飾フィルム1に対応する。
【0249】
図1fに示されたように、接着層9は、カラーワニス層6の、透明レーザ保護ワニス層5と反対の側面に配置されている。
【0250】
しかしながら、接着層9を、カラーワニス層4および/または保護ワニス層8の、透明レーザ保護ワニス層と反対の側面に配置することもできる。
【0251】
したがって、接着層9は、装飾フィルム1の、観察者と対向および/または観察者と反対の層または表面を形成する、および/または接着層9を、観察方向においてカラーワニス層4、カラーワニス層6、および/または透明レーザ保護ワニス層5の上方に横たわらせる、または配置させる、および/または接着層9を、観察方向においてカラーワニス層4、カラーワニス層6、および/または透明レーザ保護ワニス層5の下方に横たわらせる、または配置させることができる。
【0252】
好ましくは、カラーワニス層4、カラーワニス層6および/または透明レーザ保護ワニス層5による平面に垂直な観察方向の場合、接着層9は、カラーワニス層4またはカラーワニス層6を領域においてまたは完全に覆う。
【0253】
これにより、装飾フィルム1をプラスチック成形品に塗布することができ、特にしっかりと塗布することができ、特に装飾フィルム1がプラスチック成形品に強固に接合されるように塗布することができる。
【0254】
強固に接合とは、ここでは、好ましくは2つのエレメントの耐久性のある接合を意味する。その結果、少なくとも1つのエレメントを損傷することなく、それらを機械的に分離させることはできない。したがって、例えば、装飾フィルム1とプラスチック成形品とは、これら2つのエレメントの間に耐久的な接合があるときに、強固に接合され、2つのエレメントの一方を損傷することなく、装飾フィルム1および/またはプラスチック成形品を分離させることはできない。
【0255】
有益には、接着層9は、0.1μm~50μmの間、好ましくは0.5μm~7μmの間、さらに好ましくは2.5μm~3.0μmの間の層厚を有する。
図1fに示された接着層9は、例えば、2.5μm~3.0μmの間の層厚を有する。
【0256】
好ましくは、接着層9は、透明に形成され、および/または特に380nm~780nmの間の波長範囲において、少なくとも45%、好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも95%の透過率を有する。したがって、
図1fに示された接着層9は、例えば、少なくとも45%の透過率を有する。
【0257】
好ましくは、接着層9は、プラスチック成形品への塗布後に明確に透明である材料からなり、特に、接着層9は、プラスチック成形品への塗布後に散乱によって、380nm~780nmの間の波長範囲の光を8%未満、好ましくは4%未満偏向させる材料からなる。
【0258】
好ましくは、接着層9は、特にPMMA、ポリエステル、PUまたはPVCを含むポリマーおよび/またはコポリマーの層である。また、接着層9は、バインダとしてアクリレートを有することもできる。例えば、
図1fに示された接着層9は、バインダとしてアクリレートを有する。
【0259】
接着層9を染色すること、特に接着層9を染料および/または顔料によって染色することも考えられる。有益には、接着層9の顔料レベルは、5%~50%の間、好ましくは30%~35%の間である。例えば、
図1fに示された接着層9は、30%~35%の間の顔料レベルを有する。
【0260】
しかしながら、接着層9を無色とする、および/または明確に透明とする、および/または接着層9の顔料レベルを0%にすることも考えられる。
【0261】
図1gに示された特にプラスチック成形品を装飾するための装飾フィルム1は、カラーワニス層4と、カラーワニス層6と、保護ワニス層8と、電気機能構造を有する電気機能層10と、透明レーザ保護ワニス層5とを備える。透明レーザ保護ワニス層5は、カラーワニス層4とカラーワニス層6との間に配置される。したがって、
図1gに示された装飾フィルム1は、装飾フィルム1が少なくとも1つの電気機能構造を有する電気機能層10をさらに有する点で異なるが、
図1bに示された装飾フィルム1に対応する。
【0262】
好ましくは、電気機能構造は、タッチパネル機能を提供するタッチセンサパネルを形成する。
【0263】
ここでは、タッチセンサパネルとは、特に、シンボルまたは書込みによって識別される例えばPDAまたは自動車の制御要素などの電気機能要素を制御することができるタッチセンサを意味する。タッチセンサパネルとは、特に複数の同時タッチを処理することができるマルチタッチセンサパネルを意味する。
【0264】
ここでは、少なくとも1つの電気機能構造は、容量式センサパネルを形成することができる。
【0265】
しかしながら、少なくとも1つの電気機能構造は、抵抗式または誘導式センサパネルを形成することもできる。
【0266】
さらに有益には、少なくとも1つの電気機能構造は、給電線、集積回路などの電気および/または電子部品などのさらなる機能要素をさらに有する。
【0267】
また、少なくとも1つの電気機能構造を単層または多層に形成することも考えられる。さらに、少なくとも1つの電気機能構造は、例えば電気めっきによって、および/または金属顔料層および/または例えばカーボンなどの他の導電層を用いた印刷によって、少なくとも領域において塗布される補強層を有することもできる。
【0268】
したがって、装飾フィルム1はタッチセンサを形成するおよび/または装飾フィルム1をタッチセンサとすることができる。
【0269】
有益には、観察方向において、透明レーザ保護ワニス層5の上方に配置された全ての層は、不透明であり、特に観察方向において透明レーザ保護ワニス層5の上方に配置された全ての層は、最大50%、好ましくは最大5%の透過率を有する、および/または観察方向において透明レーザ保護ワニス層5の下方に配置された全ての層は、透明であり、特に透明レーザ保護ワニス層5の下方に配置された全ての層は、少なくとも25%、好ましくは少なくとも45%の透過率を有する。
【0270】
図2は、拡散散乱層を模式的に示す。
図2を参照して拡散散乱層の機能原理を説明する。拡散散乱層を例えばカラーワニス層6とすることができる。カラーワニス層6は、特に、好ましくは大きな立体角範囲に、さらに好ましくは全ての空間方向に透過光を拡散散乱させる。その結果、特に点光源の光は、均一に散乱され、その結果、カラーワニス層6は、特に点光源で照明されているにもかかわらず、均一に照明されているように観察者7に見える。したがって、カラーワニス層6は拡散フィルムを形成する、および/またはカラーワニス層6を拡散フィルムとすることができる。
【0271】
図2に示されたように、入射光17aは、特にカラーワニス層6を透過し、散乱する。特に、380nm~780nmの間の波長範囲の光は、好ましくはカラーワニス層6によって拡散散乱され、および/またはカラーワニス層6は、好ましくは少なくとも50ヘイズ単位、好ましくは少なくとも75ヘイズ単位のヘイズ値を有する。
【0272】
また有益には、カラーワニス層6は、大きい角度範囲、特に立体角範囲に透過光を散乱させる。したがって、カラーワニス層6によって散乱された光17bを、少なくとも120°、好ましくは少なくとも150°、さらに好ましくは少なくとも180°の角度範囲、特に立体角範囲に散乱させることができる。すなわち、カラーワニス層6は、透過光を、特に均一に、球状に、好ましくは半球状に散乱させることができる。好ましくは、球体、好ましくは半球体の表面の同一領域は、実質的に同一の散乱光の光部分を受ける。
【0273】
上記したように、カラーワニス層6は、特に380nm~780nmの間の波長範囲から、50%を超える、好ましくは75%を超える、さらに好ましくは85%を超える透過光を入射光ビームの方向から2.5°より大きく偏向することもできる。
【0274】
特に、大きな角度範囲、特に立体角範囲への散乱光17bの分布のため、カラーワニス層6のような拡散散乱層は、例えば点光源によってバックライトされているが、ここでは、均一に照射されているように観察者7に見える。したがって、ここでは、カラーワニス層6などの拡散散乱層のため、ここでは、LEDなどのいくつかの点光源がカラーワニス層6などの拡散散乱層の後方に配置されている場合であっても、好ましくは、均一に照明された表面領域が観察者に生成される。
【0275】
図3は、転写フィルム2の断面を模式的に示す。転写フィルム2、特にホットスタンピングフィルムおよび/またはインモールドフィルムは、キャリアフィルム11と、キャリアフィルム11から分離可能な装飾フィルム1とを備える。装飾フィルム1の設計に関しては、上記説明を参照されたい。
【0276】
図3に示されたように、転写フィルム2は、キャリアフィルム11と、特にキャリアフィルム11から分離可能な転写層とを備える。装飾フィルム1は、好ましくは転写フィルム2の転写プライを形成し、転写プライは、キャリアフィルム11に配置され、キャリアフィルムから分離可能である。
【0277】
さらに、
図3から分かるように、有益には、転写フィルム2は、特にキャリアフィルム11と分離可能な装飾フィルム1との間に配置された分離層12をさらに備える。
【0278】
分離層12は、好ましくは0.01μm~10μmの間、好ましくは0.1μm~5μmの間の層厚を有する。分離層12は、さらに、特に、ワックス、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、セルロース誘導体および/またはポリ(オルガノ)シロキサンからなる。
【0279】
有益には、キャリアフィルム11は、透明なキャリアフィルム、特にPET、PMMA、PC、ABSまたはPUで作られたものであり、および/またはキャリアフィルム11は、2μm~250μmの間、好ましくは20μm~125μmの間の層厚を有する。
【0280】
このような転写フィルム2は、特に、ホットスタンピングフィルムおよび/またはインモールドフィルムとして、特にインモールド装飾フィルム、インサートモールドフィルム、インモールドラベリングフィルムおよび/または印刷モールドデザインフィルムとしても使用される。
【0281】
したがって、転写フィルム2をホットスタンピングフィルムとして使用することができる。特に、装飾フィルム1は、加熱されたエンボス加工ダイによって、プラスチック成形品などの対象基材に転写される。加熱されたエンボス加工ダイは、特定の期間中に転写フィルム2に圧力を及ぼす。次に、好ましくは、キャリアフィルム11は除去される。
【0282】
さらに、転写フィルム2をインモールドフィルムとして、特にインモールド装飾フィルム、射出成形フィルム、インモールドラベリングフィルムおよび/または印刷モールドデザインフィルムとして使用することもできる。特に転写フィルム2は、射出金型に配置され、次いで、好ましくは射出金型を閉じた後、転写フィルム2は、プラスチックコンパウンドでバックインジェクション成形され、装飾フィルムをプラスチック成形品に強固に接合する。ここでも、好ましくは、キャリアフィルム11は除去される。
【0283】
図4a~
図4dは、転写フィルム2を製造するための方法ステップを模式的に示す。
【0284】
図4aに示されたように、まず、キャリアフィルム11が設けられる。次に、分離層12は、任意にキャリアフィルム11に塗布される。分離層12の設計に関しては、ここでは、上記記載を参照されたい。分離層12の塗布は、好ましくは印刷方法によって、または蒸着方法によって行われる。
図4bに示されたように、カラーワニス層4はさらなるステップで塗布される。カラーワニス層4の設計に関しては、ここでは、上記記載を参照されたい。好ましくは、カラーワニス層4の塗布は、ここでは、印刷方法および/または金属化方法によって行われる。可能な印刷方法および/または金属化方法に関しては、ここでは、上記記載も参照される。
図4cに示されるように、透明レーザ保護ワニス層5は、さらなるステップで特に印刷方法によって塗布される。ここでも、透明レーザ保護ワニス層5の設計および可能な印刷方法に関して、再び上記記載を参照されたい。
図4dに示されたように、カラーワニス層6は、さらなるステップで透明レーザ保護ワニス層5に塗布される。カラーワニス層6の塗布は、ここでは、特に、印刷方法、金属化方法、および/またはホット転写方法もしくはコールド転写方法によって行われる。再び、印刷、金属化および転写方法に関しては、上記記載も参照される。次に、接着層9は、例えば印刷方法によって、さらなるステップで任意に塗布される。接着層9の設計に関しては、ここでは、上記記載を参照されたい。
図4dに示された任意の保護ワニス層8を、第1カラーワニス層4を塗布する前に、好ましくは印刷方法または鋳造方法によって、任意に追加的に塗布することができる。ここでも、保護ワニス層8の設計および可能な塗布方法に関して、再び上記記載を参照されたい。さらに有益には、塗布された層は、熱および/またはUV照射によって予備硬化および/または硬化される。
【0285】
上記方法ステップは、好ましくは上記順番で実施される。
【0286】
転写フィルム2の製造方法において、層、特にカラーワニス層4、透明レーザ保護ワニス層5および/またはカラーワニス層6は、好ましくは直接、すなわち、好ましくは層の間、特にカラーワニス層4、透明レーザ保護ワニス層5および/またはカラーワニス層6の間に配置されるさらなる層を配置せずに、上記ステップにしたがって、互いに塗布される。したがって、キャリアフィルム11から分離可能な装飾フィルム1は、カラーワニス層4と、カラーワニス層6と、透明レーザ保護ワニス層5と、を備えることができる。透明レーザ保護ワニス層5は、カラーワニス層4とカラーワニス層6との間に配置される。
【0287】
図5a~
図5cは、プラスチック成形品3を装飾するための方法ステップを概略的に示す。
【0288】
図5aに示されたように、まず、装飾フィルム1が設けられる。装飾フィルム1は、カラーワニス層4と、カラーワニス層6と、透明レーザ保護ワニス層5とを備える。透明レーザ保護ワニス層5は、カラーワニス層4とカラーワニス層6との間に配置される。装飾フィルム1のさらなる可能な設計に関しては、ここでは、上記記載を参照されたい。
図5bに示されたように、装飾フィルム1は、さらなるステップでプラスチック成形品3に塗布される。装飾フィルムの塗布は、ここでは、好ましくはホットまたはコールド転写方法によって、さらに好ましくはホットスタンピングおよび/またはインモールド方法によって行われる。塗布の可能な方法に関しては、ここでは、上記記載を参照されたい。特に観察者と対向するカラーワニス層4は、
図5cに示されたように、さらなるステップでレーザによって領域16aにおいて除去される。
【0289】
層の除去とは、ここでは、特にレーザ切断および/またはレーザアブレーションによる層の部分的および/または完全な除去を意味する。例えば、ある領域において層が除去されると、この領域に対応する層は、部分的および/または完全に除去されている。好ましくは、除去は、ここでは、レーザ切断および/またはレーザアブレーションに基づいて行われる。除去とは、また、特に機械的または精密的方法によって、例えばミリングおよび/またはグラインディングおよび/またはドリリングによって、層を部分的および/または完全に除去することを意味する。
【0290】
図5cに示されたように、好ましくは、装飾フィルム1は、カラーワニス層4が観察者7と対向する側面を形成し、カラーワニス層6が観察者と反対の側面を形成するように、ステップb)でプラスチック成形品3に塗布される。
【0291】
有益には、上記方法ステップは上記順番で実施される。
【0292】
有益には、領域16aは、例えばシンボルまたは書き込みのような装飾要素を形成する。領域16aは、ロゴおよび/またはシンボルおよび/またはパターンおよび/または英数字を示すことができる。
【0293】
好ましくは、装飾フィルム1および/またはプラスチック成形品3に対して垂直に見たとき、領域16aは、少なくとも50μm、好ましくは少なくとも100μmの線幅を有する、および/または、装飾フィルム1および/またはプラスチック成形品3に対して垂直に見たとき、領域16aは、最大2mm、好ましくは最大1mm、さらに好ましくは最大0.5mmの線幅を有する。
【0294】
有益には、
図5cにさらに示されたように、カラーワニス層4は、透明レーザ保護ワニス層5が露出されるように、ステップc)でレーザによって領域16aにおいて除去される。したがって、ステップc)で領域16aにおいてカラーワニス層4を完全に除去することができる。
【0295】
さらに好ましくは、カラーワニス層4は、ステップc)でレーザによって領域16aにおいて除去される。その結果、カラーワニス層4がレーザによって除去された領域16aにおける透明レーザ保護ワニス層5の層厚は、カラーワニス層4がレーザによって除去されていない領域における透明レーザ保護ワニス層5の層厚に実質的に対応する。
【0296】
特に、透明レーザ保護ワニス層5の可能なわずかな表面損傷は、好ましくは、透明レーザ保護ワニス層5の全厚が50%を超えて、好ましくは30%を超えて減少されない限り、ここでは許容される。
【0297】
さらに好ましくは、レーザによってカラーワニス層4が除去される領域16aにおける透明レーザ保護ワニス層5の層厚が、レーザによってカラーワニス層4が除去されない領域と比較して、25%未満、好ましくは15%未満、さらに好ましくは5%未満減少されるように、透明レーザ保護ワニス層5を設計することができる。
【0298】
特に、これにより、最終製品において、以下の点が保証される。透明レーザ保護ワニス層5は、一方では、下方に配置された層に対する環境の影響からの保護機能を果たす、透明レーザ保護ワニス層5は、他方では、スペーサまたはバッファ層としての機能も果たすか、または果たしている。
【0299】
さらに好ましくは、装飾フィルム1を、ステップb)で転写方法、特に、ホットスタンピングなどのホットおよび/またはコールド転写方法、インモールド装飾、射出成形、印刷モールドデザイン、インモールドラベリング、積層および/または接合によって、塗布することができる。
【0300】
さらに、ステップb)でバックインジェクション成形によって、装飾フィルム1をプラスチック成形品3に塗布することもできる。有益には、ここでは、本方法は、以下のステップをさらに備える。
‐装飾フィルム1を射出金型に配置するステップ。
‐装飾フィルム1がプラスチック成形品に強固に接合し、特に装飾フィルム1がプラスチック成形品3の第1表面を形成するように、装飾フィルム1をプラスチック成形品でバックインジェクション成形するステップ。
好ましくは、ここでは、硬化したプラスチック成形品は、プラスチック成形品3を形成する。
【0301】
図6a~
図6cは、プラスチック成形品3を装飾するための方法ステップを概略的に示す。
【0302】
図6aに示されたように、まず、装飾フィルム1を備える転写フィルム2が設けられる。装飾フィルム1は、保護ワニス層8と、カラーワニス層4と、透明レーザ保護ワニス層5と、カラーワニス層6と、接着層9とを備える。透明レーザ保護ワニス層5は、カラーワニス層4とカラーワニス層6との間に配置される。転写フィルム2および装飾フィルム1のさらなる設計に関しては、上記記載を参照されたい。
図6bに示されたさらなるステップで装飾フィルム1はプラスチック成形品3に塗布される。装飾フィルム1を塗布するために、好ましくは、転写方法、特に、ホットスタンピングなどのホットおよび/またはコールド転写方法、インモールド装飾、射出成形、印刷モールドデザイン、インモールドラベリング、積層および/または接合が用いられる。次に、
図6cに示されたステップで少なくともカラーワニス層4は、レーザによって領域16aにおいて除去される。
図6cに示されたように、カラーワニス層4は、特に、プラスチック成形品3の、観察者と対向する側面に配置される。
【0303】
さらに、
図6cに示されたように、保護ワニス
層8は、特に観察方向において、少なくとも1つの第1カラーワニス層4の上方に配置され、さらに、領域16aにおいて、少なくとも部分的に除去され、特に完全に除去される。
【0304】
好ましくは、部分的除去とは、ここでは、部分的に除去された層がその所定の特性をもはや満たさないように、変更または破壊されることを意味する。したがって、例えば、部分的に除去された保護ワニス層8は、化学的、物理的および/または機械的な環境の影響からその下方に配置された保護層の所定の特性を満たさない。
【0305】
好ましくは、完全除去とは、ここでは、完全に除去された層が対応する領域において剥離され、および/またはアブレーションされ、および/または燃焼され、および/または蒸発され、残留物を含まないことを意味する。したがって、例えば、カラーワニス層4が特にレーザ切断および/またはレーザアブレーションによって領域16aにおいて完全に除去されると、カラーワニス層4は、領域16aにおいて除去され、残留物を含まない。
【0306】
したがって、特に、観察方向において少なくとも1つの第1カラーワニス層4の上方に配置された保護ワニス層8を領域16aにおいて、少なくとも部分的に除去することができる。その結果、保護ワニス層8の下方に配置された層、特に透明レーザ保護ワニス層5および/またはカラーワニス層6は、領域16aにおいて、化学的、物理的および/または機械的な環境の影響から保護されない。すなわち、この場合、透明レーザ保護ワニス層5および/またはカラーワニス層6は、化学的、機械的および/または物理的な環境の影響にさらされる。その結果、透明レーザ保護ワニス層5は、その下方に配置された層を保護する機能を果たす。
【0307】
さらに、観察方向において透明レーザ保護ワニス層5の上方に配置された全ての層を、ステップc)で領域16aにおいて除去、特に完全に除去することもできる。
【0308】
さらに、電気機能構造を有する電気機能層を、特に、カラーワニス層6の、観察者と反対の側面に配置することができる。好ましくは、電気機能構造は、タッチパネル機能を提供するタッチセンサパネルを形成する。好ましくは、電気機能構造を有する電気機能層は、装飾フィルム1とプラスチック成形品3との間に配置される。したがって、電気機能層を、カラーワニス層6の、透明レーザ保護ワニス層5と反対の側面に配置することができる。
【0309】
有益には、ここでは、電気機能構造を有する電気機能層は、装飾フィルム1およびプラスチック成形品3に強固に接合される。
【0310】
さらに好ましくは、特に有機発光ダイオード(OLEDs)、無機発光ダイオード(LEDs)、マイクロLED(mLEDs)、および/または量子ドット発光ダイオード(QLEDs)を備えるバックライト装置は、プラスチック成形品3の、装飾フィルム1と反対の側面に配置される。有益には、バックライト装置は、強固に取付けられ、特に接合され、または積層される。
【0311】
代替または補足として、バックライト装置は、白熱灯、ハロゲンランプ、ガス放電ランプおよび/または蛍光ランプ、特に誘導ランプを備えることもできる。
【0312】
あまり好ましくはないが、バックライト装置は、発光塗料またはグロースティックのようなレーザおよび/または化学物理的照明体を備える。
【0313】
さらに、特に、プラスチック成形品3を装飾するための上記ステップの後に、特にプラスチック成形品3をさらに処理するためのさらなるステップを実施することができる。したがって、例えば、プラスチック成形品3、特に装飾フィルム1で装飾されたプラスチック成形品3を、さらなる層によるワニス塗り、PUフラッディング、さらなるプラスチック成分によるオーバースプレーまたはオーバーレイ、ミリング、パンチング、深絞り、ポリッシングおよび/またはスタンピングから選択されるさらなるステップのうちの1つでさらに処理することができる。
【0314】
図7は、プラスチック成形品3の装飾方法の間に実施される方法ステップを概略的に示す。
図7に示す方法ステップは、レーザ15aによって領域16aにおいて少なくともカラーワニス層4を除去する上記ステップの詳細図である。
【0315】
図7に示すように、少なくともカラーワニス層4は、レーザ15aにより除去される。さらに、上記したように、特にカラーワニス層4に配置され、プラスチック成形品3の表面を形成する保護ワニス層8は、少なくとも部分的に除去される。好ましくは、ここでは、少なくとも50μm、好ましくは少なくとも100μmの焦点でのビーム直径を有するレーザ15aが使用される。
【0316】
レーザビーム15bを、特に100mm~500mmの間、好ましくは200mm~300mmの間、さらに好ましくは254mmの焦点距離を有する1つ以上のレンズによって集光させることもできる。
【0317】
さらに好ましくは、レーザ15a、特にファイバーレーザが使用される。レーザ15aは、赤外線範囲、好ましくは近赤外線範囲からのコヒーレント光、さらに好ましくは、780nm~1400nmの間の波長範囲からの光、さらに好ましくは1064nmの波長の光を出射する。
【0318】
レーザ出力は、好ましくは0.05W~100Wの間、好ましくは1W~20Wの間、さらに好ましくは5W~10Wの間である。
【0319】
有益には、レーザビーム15bは、可動ミラーによって、特にレーザ走査モジュールによって、領域16aに沿って偏向される。
【0320】
本発明のさらなる実施形態によれば、レーザ15aは、最大3000mm/sの書き込み速度、好ましくは500mm/s~2500mm/sの間の書き込み速度で動作し、および/またはレーザ15aは、1Hz~1000kHzの間、好ましくは1kHz~200kHzの間のパルス周波数で動作する。
【0321】
しかしながら、さらに、レーザ15aを連続的に動作させることもできる。しかしながら、好ましくは、特にプラスチック成形品3の熱負荷が連続動作レーザに比べて低減されることから、パルスレーザが使用される。
【0322】
レーザ15aのパラメータは、ここでは、特に除去される層4、8と除去されない層5、6、9、3との両方に応じて選択される。特に、パラメータは、除去される層4、8および/または除去されない層5、6、9、3の層厚および材料に応じて選択される。したがって、プラスチック成形品3の材料が特にレーザ15aまたはレーザビーム15bによって発生する熱にさらされることから、レーザ15aのパラメータはプラスチック成形品3の材料によっても影響される。したがって、特にプラスチック成形品3の変形を防止するために、プラスチック成形品3の材料もレーザパラメータの選択に考慮されるべきである。さらに、特に、レーザ15aまたはレーザビーム15bの侵入深さは、パラメータ書込み速度、パルス周波数、およびレーザ出力によって影響される。さらに有益には、レーザパラメータは、除去すべき領域16aの設計に応じて選択される。ここでは、レイアウト、レイアウトサイズ、線幅、および充填効果は、特に挙げられるべきである。これらは、例えば、とりわけ、充填の数およびレーザ方向、アウトラインおよび充填の繰り返し、ならびにレイアウトの個々の構成要素の順序が挙げられる。
【0323】
上記方法で処理された装飾フィルム1で装飾された透明ABSからなるプラスチック成形品3のレーザパラメータの例を以下に示す。
‐レーザ出力:8W
‐レーザ周波数:50kHz
‐書き込み速度:2000mm/s
‐波長:1064nm
【0324】
図8a~
図8eは、プラスチック成形品3の断面を模式的に示す。
【0325】
図8aに示されたプラスチック成形品3は、装飾フィルム1を備える。ここでは、装飾フィルム1は、カラーワニス層4と、カラーワニス層6と、透明レーザ保護ワニス層5とを備える。透明レーザ保護ワニス層5は、カラーワニス層4とカラーワニス層6との間に配置される。さらに、特に観察者と対向するカラーワニス層4は、レーザによって領域16aにおいて除去される。層4、5、6の設計に関しては、ここでは、上記記載を参照されたい。
【0326】
さらに有益には、
図8aに示されたように、プラスチック成形品は、特にカラーワニス層6の、観察者と反対の側面に配置された熱可塑性材料14の層を有する。したがって、熱可塑性材料14の少なくとも1つの層を、観察者と反対のカラーワニス層6に配置することができる。
【0327】
装飾フィルム1に対して垂直に見たとき、好ましくは、領域16aは、少なくとも50μm、好ましくは少なくとも100μmの線幅を有する。しかしながら、装飾フィルム1に対して垂直に見たとき、領域16aは、最大2mm、好ましくは最大1mm、さらに好ましくは最大0.5mmの線幅を有することもできる。
【0328】
領域16aのさらなる設計に関しては、ここでは、上記記載を参照されたい。
【0329】
さらに、プラスチック成形品3は、0.5mm~10mmの間、好ましくは0.8mm~5mmの間の層厚を有することができる。
【0330】
熱可塑性材料14の層は、好ましくは透明であり、特に熱可塑性材料14の層は、特に380nm~780nmの間の波長範囲の5%~98%の間の透明度を有する。
【0331】
好ましくは、熱可塑性材料14の層は、以下の材料の1つから形成される。材料としては、ABS、PC、ABS/PC、PC/ABS、PMMA、ポリプロピレン(PP)、PA、熱可塑性ポリウレタン(TPU)が挙げられる。
【0332】
さらに、熱可塑性材料14の層を染色、特に熱可塑性材料14の層を染料および/または顔料によって染色することも考えられる。好ましくは、熱可塑性材料14の層の顔料レベルは、15%未満、好ましくは10%未満、さらに好ましくは5%未満である。
【0333】
図8bに示されたプラスチック成形品3は、プラスチック成形品3、特にプラスチック成形品3に備えられる装飾フィルム1が保護ワニス層8および接着層9をさらに備える点において異なるが、
図8aに示されたプラスチック成形品3に対応する。保護ワニス層8は、上記したように、領域16aにおいて少なくとも部分的に除去される。保護ワニス層8および接着層9の設計に関しては、ここでは、上記記載を参照されたい。
【0334】
図8cに示されたプラスチック成形品3は、プラスチック成形品3、特にプラスチック成形品3に備えられる装飾フィルム1が電気機能構造を有する電気機能層10を特に観察者と反対のカラーワニス層6にさらに有する点において異なるが、
図8bに示されたプラスチック成形品3に対応する。機能構造は、タッチパネル機能を提供するタッチセンサパネルを形成することが好ましい。
【0335】
図8cに示されたように、電気機能構造を有する機能層10は、装飾フィルム1と熱可塑性材料層14との間に配置される。したがって、好ましくは、機能層10は、カラーワニス層6の、透明レーザ保護ワニス層5と反対の側面に配置される。
【0336】
電気機能構造を有する電気機能層10のさらなる可能な設計に関しては、ここでは、上記記載を参照されたい。
【0337】
したがって、
図8cに示されたプラスチック成形品3、特に装飾フィルム1で装飾されたプラスチック成形品3は、例えばタッチセンサを形成する。
【0338】
図8dに示されたプラスチック成形品3は、プラスチック成形品3が特に有機発光ダイオード(OLEDs)、無機発光ダイオード(LEDs)、マイクロLED(mLEDs)、および/または量子ドット発光ダイオード(QLEDs)を備えるバックライト装置13を有する点において異なるが、
図8bに示されたプラスチック成形品に同様に対応する。好ましくは、バックライト装置13は、熱可塑性材料14の層の、装飾フィルム1と反対の側面に配置される。
【0339】
バックライト装置13のさらなる可能性のある設計に関しては、ここでは、上記記載を参照されたい。
【0340】
図8eに示されたプラスチック成形品3は、
図8dに示されたプラスチック成形品3と同様に、プラスチック成形品3がバックライト装置13をさらに有する点で異なるが、
図8cに示されたプラスチック成形品に対応する。好ましくは、バックライト装置13は、熱可塑性材料14の層の、装飾フィルム1と反対の側面に配置される。
【0341】
ここでも、バックライト装置13および/または電気機能構造を備える電気機能層10の設計に関しては、上記記載を参照されたい。
【0342】
図9は、装飾フィルム1および/または装飾フィルム1を備えるプラスチック成形品3の上面図を模式的に示す。
図9に示されたように、装飾フィルム1および/または装飾フィルム1を備えるプラスチック成形品3は、少なくともカラーワニス層4、4a、4bがレーザによって除去された領域16aを有する。
図9に示されたように、領域16aは、例えばシンボルまたは書き込みなどの装飾エレメントを形成する。したがって、領域16aは、例えば、
図9に示されたように、シンボルを形成する。しかしながら、領域は、パターンおよび/またはロゴおよび/または英数字を示すこともできる。
【0343】
まず、
図9は、装飾フィルム1の上面図を示す。装飾フィルム1において、特に観察者と対向するカラーワニス層4、4a、4bは、領域16aにおいて除去され、特に完全に除去され、その結果、透明レーザ保護ワニス層5は、特に領域16aにおいて露出される。さらに、
図9は、装飾フィルム1を備えるプラスチック成形品3の上面図を示す。上記したように、装飾フィルム1は、同様に、プラスチック成形品に塗布され、上記記載に対応して設計される。したがって、
図9は、装飾フィルム1の上面図と、装飾フィルム1で装飾されたプラスチック成形品3の上面図との両方であり得る。
【0344】
領域16aおよび/または装飾フィルム1および/またはプラスチック成形品3のさらなる設計に関しては、特に装飾フィルム1および/またはプラスチック成形品3の可能な層構造に関しては、ここでは、上記記載を参照されたい。
【符号の説明】
【0345】
1 装飾フィルム
2 転写フィルム
3 プラスチック成形品
4、4a、4b 第1カラーワニス層
5 透明レーザ保護ワニス層
6、6a、6b 第2カラーワニス層
7 観察者
8 保護ワニス層
9 接着層
10 電気機能層
11 キャリファフィルム
12 分離層
13 バックライト手段
14 熱可塑性材料の層
15a、15b レーザ、レーザビーム
16a、16b、16c 領域
17a、17b 入射光、散乱光